JP5867387B2 - ポリエステルアミド化合物 - Google Patents

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Description

本発明は、酸素吸収性能を発現するポリエステルアミド化合物(ポリエステルアミド樹脂及びポリエステルアミドオリゴマーを包含する)、及び該ポリエステルアミド化合物を含有するポリエステルアミド組成物に関する。
従来、医薬品、飲料、食品、化学品などの包装材として、金属缶、ガラス瓶、あるいは熱可塑性樹脂からなる容器や成形体などが使用されている。熱可塑性樹脂からなる容器や成形体は、その軽量性、成形性、ヒートシールなどの包装生産性、コストの面で優越しており、大量に使用されている。熱可塑性樹脂の中でも、ポリエステルの一種で、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステル(以下、PETと略する)は、機械的性能、溶融安定性、耐溶剤性、保香性、透明性、リサイクル性等に優れるという特長を有し、フィルム、シート、中空容器等に広く利用されている。さらにPETは比較的良好な酸素バリア性を有することから、冷蔵保存されるような飲料用ボトルへの適用においては、十分な内容物の保存性能を発揮することができる。
しかしながら、近年ではプラスチックの大量生産や廃棄物量増大による環境負荷を軽減する動きが求められており、PETを利用した容器も薄肉・軽量化を追求する傾向にある。薄肉・軽量化は容器の酸素バリア性の悪化を招くこととなるため、PETからなる容器の保存性能を保持しつつ薄肉・軽量化を達成するには、容器の酸素バリア性を高める方法が求められている。
PETからなる容器において、容器外からの酸素透過を抑制する方法として、PETよりも酸素バリア性に優れる材料とPETとを組み合わせる方法が知られている。例えば、少なくとも1層のポリメタキシリレンアジパミドやエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリルあるいはアルミ箔等の酸素バリア性に優れる層をPET層と積層して多層構造を有する容器を製造したり、また上述の酸素バリア性に優れる熱可塑性樹脂とPETを溶融ブレンドしてなる層から容器を製造する方法が挙げられる(特許文献1及び2を参照)。しかしながら、この方法では容器外から進入してくる微量の酸素を完全に遮断することができないだけでなく、容器内に残存する酸素による内容物の劣化を防止することができない。
また別の方法として、PETからなる容器の内側または外側に酸素バリア性に優れる熱硬化性樹脂をコーティングしたり、無機酸化物を蒸着する方法が挙げられる(特許文献3及び4を参照)。しかしながら、この方法も同様に容器外から進入してくる微量の酸素を完全に遮断できない上に、容器に衝撃が加えられたり、折り曲げられる等の外力が働くと、熱硬化性樹脂膜や無機酸化物蒸着膜にクラックが入り、大きく酸素バリア性が低下する問題がある。
容器外から進入してくる微量の酸素を完全に遮断する方法としては、容器そのものに酸素吸収機能を付与する方法が知られている。この方法によれば容器外からの酸素の進入を防止するだけではなく、容器内に残存する酸素も除去することができるため、容器内に収納される内容物の保存性を格段に高めることができる。
この方法を達成する手段としては、容器を構成する熱可塑性樹脂に酸素吸収剤を添加する方法が挙げられる。例えば、特許文献5及び6には、鉄粉等からなる酸素吸収剤を樹脂中に分散させた酸素吸収多層体および酸素吸収フィルムが記載されている。また特許文献7には、コバルト等の金属系触媒を添加したポリアミドを酸素吸収材として利用し、容器内外の酸素を吸収する包装用酸素捕集障壁が記載されている。特許文献8には、ポリブタジエン等のエチレン性不飽和化合物及びコバルト等の遷移金属触媒をガスバリア性樹脂中に含む酸素吸収層を利用した容器が記載されている。さらに別の方法として、酸素吸収機能を発現する化合物をPETと共重合して得られる酸素吸収性PETから容器を製造する方法が挙げられる。例えば、特許文献9には、ポリエステルセグメントと酸素掃去性のポリオレフィンセグメントからなるコポリエステルを利用した容器が記載されている。
特開昭61−108542号公報 特開昭62−181336号公報 特開平5−345383号公報 特開2004−026225号公報 特開平2−72851号公報 特開平4−90848号公報 特許第2991437号公報 特開2005−112468号公報 特表2001−501559号公報
鉄粉等の酸素吸収剤を樹脂中に分散させた酸素吸収多層体および酸素吸収フィルムは、優れた酸素吸収性能を発揮するものの、鉄粉等の酸素吸収剤により樹脂が黒く着色して不透明となるため、透明性が要求される包装の分野には使用できないという用途上の制約がある。
コバルト等の遷移金属を含有させた酸素吸収性ポリアミドやエチレン性不飽和化合物からなる酸素吸収性樹脂組成物を利用したものは、比較的透明性に優れるため、透明性が必要な包装容器にも適用可能である利点を有するが、遷移金属触媒の種類によって樹脂組成物が着色されるため好ましくない。また、これらの樹脂組成物は、遷移金属触媒によって、樹脂が酸化劣化することを原理として酸素吸収機能を発現させる。ポリアミドを利用した酸素吸収材では遷移金属原子によるポリアミド樹脂のアリーレン基に隣接するメチレン鎖から水素原子の引き抜きに起因するラジカルの発生、前記ラジカルに酸素分子が付加することによるパーオキシラジカルの発生、パーオキシラジカルによる水素原子の引き抜き等の各反応により起こるため、酸素吸収が進行するにつれて急激なポリマー主鎖の分解反応が進行し、容器が黄色く着色したり、機械強度が短期間で大きく低下する問題がある。
また、エチレン性不飽和化合物を利用した酸素吸収材においても、遷移金属触媒により発現する酸素吸収機能に伴う急激な分解反応が起こる。エチレン性不飽和化合物をポリマー主鎖に組み込んだ場合は前述のポリアミドと同じくポリマー主鎖の急激な分解により機械強度が低下する欠点を有する上に、異臭の原因となるケトン類やアルデヒド類が大量に発生するため、利用できる包装材料に制限がある。エチレン性不飽和化合物を酸化しないポリマー中に分散させた場合は、機械強度の低下こそ抑制されるが、同じく異臭の原因となるケトン類やアルデヒド類が大量に発生することは避けられない。
いずれにしても、上述の熱可塑性樹脂からなる酸素捕捉性樹脂組成物は、コバルト等の遷移金属を酸化触媒として添加することが必須であり、食品や飲料を収納する容器として利用するためには、酸化触媒の溶出を防ぐための容器設計が必要となる。また急激に発生する分解生成物の溶出を防止するための工夫ももちろん必要であり、現実には、これらを利用できる容器やその用途は非常に限られたものであった。
本発明の課題は、金属を含有せずとも十分な酸素吸収性能を発現することができるポリエステルアミド化合物及びポリエステルアミド組成物を提供することにある。
本発明は、以下のポリエステルアミド化合物及びポリエステルアミド組成物を提供する。
<1>下記一般式(I)で表される芳香族ジカルボン酸単位を70モル%以上含む多価カルボン酸単位25〜50モル%と、下記一般式(II)で表される脂肪族ジオール単位を70モル%以上含む多価アルコール単位25〜50モル%と、下記一般式(III)で表される構成単位0.1〜50モル%とを含有する、ポリエステルアミド化合物。
Figure 0005867387
[前記一般式(I)中、Arはアリーレン基を表す。前記一般式(II)中、Xは炭素数2〜20のアルキレン基を表す。前記一般式(III)中、Rは置換もしくは無置換のアルキル基又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。]
<2>上記<1>に記載のポリエステルアミド化合物を含むポリエステルアミド組成物。
本発明のポリエステルアミド化合物及びポリエステルアミド組成物は酸素吸収性能に優れる。したがって、例えば、本発明のポリエステルアミド化合物及びポリエステルアミド組成物は、小袋などに充填することで、酸素吸収剤として使用するのに好適である。本発明のポリエステルアミド化合物及びポリエステルアミド組成物のより好適な使用形態としては、包装材料や包装容器における使用が挙げられる。本発明のポリエステルアミド化合物又はポリエステルアミド組成物を使用した包装材料や包装容器は、金属を含有せずとも十分な酸素吸収性能を発現し、かつ不快な臭気が発生せず、極めて良好な透明性を有し、内容物を良好な状態で保存することができる。
実施例1で製造したポリエステルアミド化合物の1H−NMRチャートである。
1.ポリエステルアミド化合物
本発明のポリエステルアミド化合物は、下記一般式(I)で表される芳香族ジカルボン酸単位を70モル%以上含む多価カルボン酸単位25〜50モル%と、下記一般式(II)で表される脂肪族ジオール単位を70モル%以上含む多価アルコール単位25〜50モル%と、3級水素含有カルボン酸単位(好ましくは下記一般式(III)で表される構成単位)0.1〜50モル%とを含有する。
Figure 0005867387
[前記一般式(I)中、Arはアリーレン基を表す。前記一般式(II)中、Xは炭素数2〜20のアルキレン基を表す。前記一般式(III)中、Rは置換もしくは無置換のアルキル基又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。]
ただし、前記多価カルボン酸単位、前記多価アルコール単位、及び前記3級水素含有カルボン酸単位の合計は100モル%を越えないものとする。本発明のポリエステルアミド化合物は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記以外の構成単位をさらに含んでいてもよい。
本発明のポリエステルアミド化合物は、ポリエステルアミド樹脂及びポリエステルアミドオリゴマーを包含する。
本発明の「ポリエステルアミド樹脂」は、本発明のポリエステルアミド化合物において、極限粘度が0.4dl/g以上の重合体を意味する。ポリエステルアミド樹脂は、単独で成形加工可能な材料であり、包装材料や包装容器に加工することができる。本発明のポリエステルアミド樹脂に、必要により、他の樹脂や添加剤を添加、混合してもよく、そのようにして得たポリエステルアミド組成物を成型加工してもよい。本発明のポリエステルアミド樹脂は、金属を含有せずとも十分な酸素吸収性能を発現し、かつ不快な臭気が発生せず、極めて良好な透明性を有する。
本発明の「ポリエステルアミドオリゴマー」は、本発明のポリエステルアミド化合物において、極限粘度が0.4dl/g未満の重合体を意味する。ポリエステルアミドオリゴマーは、単独では通常成型加工できない材料である。一般的にはオリゴマーとは数平均分子量が1000以下の重合体を指すことが多いが、本発明のポリエステルアミドオリゴマーには、そのような一般的なオリゴマーだけでなく、数平均分子量が10000未満の重合体も包含されうる。
本発明のポリエステルアミドオリゴマーは、小袋などに充填し、酸素吸収剤として使用するのに好適である。また、本発明のポリエステルアミドオリゴマーは、樹脂原料若しくは樹脂添加剤として好適に使用することができる。本発明のポリエステルアミドオリゴマーを樹脂原料として使用する場合、ポリエステルアミドオリゴマーと他の樹脂原料とを共重合させて共重合樹脂を得ることができ、当該共重合樹脂を成型して包装材料や包装容器に加工することができる。本発明のポリエステルアミドオリゴマーを樹脂添加剤として使用する場合、ポリエステルアミドオリゴマーを樹脂に添加して得たポリエステルアミド組成物を成型して包装材料や包装容器に加工とすることができる。このとき、当該樹脂の透明性及び機械的強度を劣化させることなく十分な酸素吸収性能を発現することができる。本発明のポリエステルアミドオリゴマーを用いて得られる共重合樹脂又はポリエステルアミド組成物は、金属を含有せずとも十分な酸素吸収性能を発現し、かつ不快な臭気が発生しない。
本発明のポリエステルアミド化合物において、3級水素含有カルボン酸単位の含有量は0.1〜50モル%である。3級水素含有カルボン酸単位の含有量が0.1モル%未満では十分な酸素吸収性能を発現しない。一方、3級水素含有カルボン酸単位の含有量が50モル%を超えると、3級水素含有量が多すぎるため、ポリエステルアミド化合物のガスバリア性や機械物性などの物性が低下し、特に3級水素含有カルボン酸がアミノ酸である場合は、ペプチド結合が連続するため耐熱性が十分でなくなるだけでなく、アミノ酸の2量体からなる環状物ができ、重合を阻害する。3級水素含有カルボン酸単位の含有量は、酸素吸収性能やポリエステルアミド化合物の性状の観点から、好ましくは0.2モル%以上、より好ましくは1モル%以上であり、また、好ましくは45モル%以下であり、より好ましくは40モル%以下である。
本発明のポリエステルアミド化合物において、酸素吸収性能やポリマーの性状の観点から、多価カルボン酸単位の含有量は25〜50モル%であり、好ましくは30〜50モル%である。同様に、本発明のポリエステルアミド化合物において、多価アルコール単位の含有量は25〜50モル%であり、好ましくは30〜50モル%である。
1−1.多価カルボン酸単位
本発明のポリエステルアミド化合物中の多価カルボン酸単位は、適度な耐熱性や酸素バリア性を付与する観点から、前記一般式(I)で表される芳香族ジカルボン酸単位を多価カルボン酸単位中に70モル%以上含み、当該含有量は、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上であり、また、好ましくは100モル%以下である。
前記一般式(I)中、Arはアリーレン基を表す。前記アリーレン基は、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜15のアリーレン基であり、例えば、フェニレン基、ナフチレン基などが挙げられる。
前記一般式(I)で表される芳香族ジカルボン酸単位を構成しうる化合物としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等、及びそれらのエステル形成性誘導体等を例示できるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記一般式(I)で表される芳香族ジカルボン酸単位は、イソフタル酸単位、テレフタル酸単位及び2,6−ナフタレンジカルボン酸単位からなる群から選ばれる少なくとも1種を前記芳香族ジカルボン酸単位中に合計で50モル%以上含むことが好ましく、当該含有量は、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上であり、また、好ましくは100モル%以下である。
前記一般式(I)で表される芳香族ジカルボン酸単位以外の多価カルボン酸単位を構成しうる化合物としては、炭素数2〜20(好ましくは炭素数4〜16、より好ましくは炭素数4〜12)の脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、3価以上の多価カルボン酸、及びこれらの酸の無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、2−メチルコハク酸、イタコン酸、グルタコン酸等が挙げられる。脂環式ジカルボン酸としては、シクロヘキサンジカルボン酸類、デカリンジカルボン酸類等が挙げられる。3価以上の多価カルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
1−2.多価アルコール単位
本発明のポリエステルアミド化合物中の多価アルコール単位は、包装材料として必要な柔軟性を付与する観点から、前記一般式(II)で表される脂肪族ジオール単位を多価アルコール単位中に70モル%以上含み、当該含有量は、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上であり、また、好ましくは100モル%以下である。
前記一般式(II)中、Xは炭素数2〜20のアルキレン基を表す。前記アルキレン基は、その炭素数が好ましくは2〜16、より好ましくは2〜12、更に好ましくは2〜6であり、直鎖状、分岐状又は環状であってもよい。
前記一般式(II)で表される脂肪族ジオール単位を構成しうる化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等の炭素数2〜20の脂肪族ジオール、及びそれらのエステル形成性誘導体等を例示できるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記一般式(II)で表される脂肪族ジオール単位は、エチレングリコール単位、1,3−プロパンジオール単位及び1,4−ブタンジオール単位からなる群から選ばれる少なくとも1種を前記脂肪族ジオール単位中に合計で50モル%以上含むことが好ましく、当該含有量は、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上であり、また、好ましくは100モル%以下である。
前記一般式(II)で表される脂肪族ジオール単位以外の多価アルコール単位を構成しうる化合物としては、例えば水素添加ビスフェノールAや、芳香族ジオール、3価以上の多価アルコール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
芳香族ジオールとしては、ヒドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルベンゾフェノン等が挙げられる。3価以上の多価アルコールとしては、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
1−3.3級水素含有カルボン酸単位
本発明における3級水素含有カルボン酸単位は、ポリエステルアミド化合物の重合の観点から、アミノ基及びカルボキシル基を少なくとも1つずつ有する。具体例としては、下記一般式(III)又は(IV)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0005867387
[前記一般式(III)及び(IV)中、R及びR1はそれぞれ独立に置換基を表し、A1及びA2はそれぞれ独立に単結合又は2価の連結基を表す。ただし、前記一般式(IV)においてA1及びA2がともに単結合である場合を除く。]
本発明のポリエステルアミド化合物は、3級水素含有カルボン酸単位を含む。このような3級水素含有カルボン酸単位を共重合成分として含有することで、本発明のポリエステルアミド化合物は、遷移金属を含有せずとも優れた酸素吸収性を発揮することができる。
本発明において、3級水素含有カルボン酸単位を有するポリエステルアミド化合物が良好な酸素吸収性能を示す機構についてはまだ明らかにされていないが以下のように推定される。3級水素含有カルボン酸単位を構成しうる化合物は、同一炭素原子上に電子吸引性基と電子供与性基とが結合しているため、その炭素原子上に存在する不対電子がエネルギー的に安定化されるキャプトデーティブ(Captodative)効果と呼ばれる現象によって非常に安定なラジカルが生成すると考えられる。すなわち、カルボキシル基は電子吸引基であり、それに隣接する3級水素が結合している炭素が電子不足(δ+)になるため、当該3級水素も電子不足(δ+)となり、プロトンとして解離してラジカルを形成する。ここに酸素及び水が存在したときに、酸素がこのラジカルと反応することで、酸素吸収性能を示すと考えられる。また、高湿度かつ高温の環境であるほど、反応性は高いことが判明している。
前記一般式(III)及び(IV)中、R及びR1はそれぞれ置換基を表す。本発明におけるR及びR1で表される置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(1〜15個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐又は環状アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基)、アルケニル基(2〜10個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐又は環状アルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基)、アルキニル基(2〜10個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有するアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基)、アリール基(6〜16個、好ましくは6〜10個の炭素原子を有するアリール基、例えば、フェニル基、ナフチル基)、複素環基(5員環又は6員環の芳香族又は非芳香族の複素環化合物から1個の水素原子を取り除くことによって得られる、1〜12個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有する一価の基、例えば1−ピラゾリル基、1−イミダゾリル基、2−フリル基)、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基(1〜10個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐又は環状アルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基)、アリールオキシ基(6〜12個、好ましくは6〜8個の炭素原子を有するアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基)、アシル基(ホルミル基、2〜10個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有するアルキルカルボニル基、或いは7〜12個、好ましくは7〜9個の炭素原子を有するアリールカルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基)、アミノ基(アミノ基、1〜10個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルキルアミノ基、6〜12個、好ましくは6〜8個の炭素原子を有するアニリノ基、或いは1〜12個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有する複素環アミノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、アニリノ基)、メルカプト基、アルキルチオ基(1〜10個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基)、アリールチオ基(6〜12個、好ましくは6〜8個の炭素原子を有するアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基)、複素環チオ基(2〜10個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する複素環チオ基、例えば2−ベンゾチアゾリルチオ基)、イミド基(2〜10個、好ましくは4〜8個の炭素原子を有するイミド基、例えば、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)等が挙げられる。
これらの官能基の中で水素原子を有するものは更に上記の基で置換されていてもよく、例えば、水酸基で置換されたアルキル基(例えば、ヒドロキシエチル基)、アルコキシ基で置換されたアルキル基(例えば、メトキシエチル基)、アリール基で置換されたアルキル基(例えば、ベンジル基)、アルキル基で置換されたアリール基(例えば、p−トリル基)、アルキル基で置換されたアリールオキシ基(例えば、2−メチルフェノキシ基)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、官能基が更に置換されている場合、上述した炭素数には、更なる置換基の炭素数は含まれないものとする。例えば、ベンジル基は、フェニル基で置換された炭素数1のアルキル基と見なし、フェニル基で置換された炭素数7のアルキル基とは見なさない。以降の炭素数に記載についても、特に断りが無い限り、同様に解するものとする。
前記一般式(IV)中、A1及びA2はそれぞれ単結合又は2価の連結基を表す。ただし、A1及びA2がともに単結合である場合を除く。2価の連結基としては、例えば、直鎖、分岐もしくは環状のアルキレン基(炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基)、アラルキレン基(炭素数7〜30、好ましくは炭素数7〜13のアラルキレン基、例えばベンジリデン基)、アリーレン基(炭素数6〜30、好ましくは炭素数6〜15のアリーレン基、例えば、フェニレン基)等が挙げられる。これらはさらに置換基を有していてもよく、当該置換基としては、R及びR1で表される置換基として上記に例示した官能基が挙げられる。例えば、アルキル基で置換されたアリーレン基(例えば、キシリレン基)等を挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明のポリエステルアミド化合物は、前記一般式(III)又は(IV)で表される構成単位の少なくとも1種を含むことが好ましい。これらの中でも、原料の入手性や酸素吸収性向上の観点から、α炭素(カルボキシル基に隣接する炭素原子)に3級水素を有するカルボン酸単位がより好ましく、前記一般式(III)で表される構成単位が特に好ましい。
前記一般式(III)中におけるRについては上述した通りであるが、その中でも置換もしくは無置換のアルキル基及び置換もしくは無置換のアリール基がより好ましく、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基及び置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基がさらに好ましく、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基及び置換もしくは無置換のフェニル基が特に好ましい。
好ましいRの具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、メルカプトメチル基、メチルスルファニルエチル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、4−ヒドロキシベンジル基等を例示できるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、メチル基、エチル基、ベンジル基がより好ましい。
前記一般式(III)で表される構成単位を構成しうる化合物としては、アラニン、2−アミノ酪酸、バリン、ノルバリン、ロイシン、ノルロイシン、tert−ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、2−フェニルグリシン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、トリプトファン、プロリン等のα−アミノ酸を例示できるが、これらに限定されるものではない。
また、前記一般式(IV)で表される構成単位を構成しうる化合物としては、3−アミノ酪酸等のβ−アミノ酸を例示できるが、これらに限定されるものではない。
これらはD体、L体、ラセミ体のいずれであってもよく、アロ体であってもよい。また、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、原料の入手性や酸素吸収性向上等の観点から、α炭素に3級水素を有するα−アミノ酸が特に好ましい。また、α−アミノ酸の中でも、供給しやすさ、安価な価格、重合しやすさ、ポリマーの黄色度(YI)の低さといった点から、アラニンが最も好ましい。アラニンは、分子量が比較的低く、本発明のポリエステルアミド化合物1g当たりの共重合率が高いため、ポリエステルアミド化合物1g当たりの酸素吸収性能は良好である。
また、前記3級水素含有カルボン酸単位を構成しうる化合物の純度は、重合速度の遅延等の重合に及ぼす影響やポリマーの黄色度等の品質面への影響の観点から、95%以上であることが好ましく、より好ましくは98.5%以上、更に好ましくは99%以上である。また、不純物として含まれる硫酸イオンやアンモニウムイオンは、500ppm以下が好ましく、より好ましくは200ppm以下、更に好ましくは50ppm以下である。
1−4.ポリエステルアミド化合物の重合度
本発明のポリエステルアミド化合物の重合度については、その用途がポリエステル樹脂と近いことから極限粘度が指標として使われる。本発明のポリエステルアミド化合物の極限粘度は、好ましくは0.1dl/g以上1.5dl/g以下である。
本発明のポリエステルアミド化合物がポリエステルアミド樹脂である場合、極限粘度は、成形加工性並びに成形体の機械物性、強度及び臭気等の観点から、好ましくは0.4〜1.5dl/g、より好ましくは0.5〜1.2dl/g、さらに好ましくは0.6〜1.0dl/gである。但し、本発明のポリエステルアミド樹脂を他の熱可塑性樹脂の添加剤や改質剤等に使用する場合、この範囲に限定されない。
本発明のポリエステルアミド化合物がポリエステルアミドオリゴマーである場合、極限粘度は、取扱い性、反応性及び熱安定性等の観点から、好ましくは0.1dl/g以上0.4dl/g未満、より好ましくは0.15〜0.35dl/g、更に好ましくは0.15〜0.3dl/gである。
なお、極限粘度は、実施例に記載の方法で求められる。また、極限粘度を上記範囲にすることは、重合時間、触媒量、重合時の真空度等を適宜設定することにより行うことができる。
2.ポリエステルアミド化合物の製造方法
本発明のポリエステルアミド化合物は、前記多価カルボン酸単位を構成しうる多価カルボン酸成分と、前記多価アルコール単位を構成しうる多価アルコール成分と、前記3級水素含有カルボン酸単位を構成しうる3級水素含有カルボン酸成分とを重縮合させることで製造することができ、重縮合条件等を調整することで重合度を制御することができる。重縮合時に分子量調整剤として少量のモノアミンやモノアルコール、モノカルボン酸を加えてもよい。
本発明のポリエステルアミド化合物の重縮合方法に特に制限はなく、従来公知の方法を適用することができる。例えば、多価カルボン酸成分のメチルエステルと多価アルコール成分及び必要に応じて上述の共重合成分をエステル交換触媒の存在下で反応させて生成するメタノールを留去しエステル交換させた後、重合触媒を添加して重縮合を進めるエステル交換法、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分及び必要に応じて上述の共重合成分を直接反応させて生成する水を留去しエステル化した後、重合触媒を添加して重縮合を進める直接エステル化法等の溶融重合法や、溶液重合法等が挙げられる。本発明のポリエステルアミド化合物を効率良く生産するためには構成成分の反応性の観点から直接エステル化法を採用することが好ましい。
直接エステル化法における3級水素含有カルボン酸成分を添加するタイミングは重縮合工程の任意の段階でよいが、ポリマー中に3級水素含有カルボン酸成分が確実に組み込まれるようにする観点から、重合度が低い段階で添加することが好ましく、例えば多価カルボン酸成分と多価アルコール成分のエステル化の段階、もしくは低重合度物に重縮合触媒を添加する段階に3級水素含有カルボン酸成分を添加することができる。
2−1.触媒及び添加剤
ポリエステルアミド化合物の製造の際における、エステル交換触媒、エステル化触媒、エーテル化防止剤、また重合に用いる重合触媒、熱安定剤、光安定剤等の各種安定剤、重合調整剤等も従来既知のものを用いることができる。
エステル交換触媒及びエステル化触媒としては、マンガン、コバルト、亜鉛、チタン、カルシウム等の化合物が例示される。エーテル化防止剤としてアミン化合物等が例示される。
重合触媒としては、ゲルマニウム、アンチモン、チタン、アルミニウム等を含む化合物が例示される。例えば、ゲルマニウムを含む化合物としては、無定形二酸化ゲルマニウム、結晶性二酸化ゲルマニウム、塩化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラ−n−ブトキシド、亜リン酸ゲルマニウム等が挙げられ、その使用量はポリエステルアミド化合物中におけるゲルマニウム原子濃度として5〜150ppmとなるように設定することが好ましく、より好ましくは10〜100ppmであり、さらに好ましくは15〜70ppmである。
アンチモンを含む化合物としては、三酸化アンチモン、酢酸アンチモン、酒石酸アンチモン、酒石酸アンチモンカリ、オキシ塩化アンチモン、アンチモングリコレート、五酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン等が挙げられ、その使用量はポリエステルアミド化合物中におけるアンチモン原子濃度として10〜400ppmとなるように設定することが好ましく、より好ましくは20〜350ppmであり、さらに好ましくは30〜300ppmである。
チタンを含む化合物としては、テトラエチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート等のテトラアルキルチタネート及びそれらの部分加水分解物、シュウ酸チタニル、シュウ酸チタニルアンモニウム、シュウ酸チタニルナトリウム、シュウ酸チタニルカリウム、シュウ酸チタニルカルシウム、シュウ酸チタニルストロンチウム等のシュウ酸チタニル化合物、トリメリット酸チタン、硫酸チタン、塩化チタン等が挙げられ、その使用量はポリエステルアミド化合物中におけるチタン原子濃度として0.5〜300ppmとなるように設定することが好ましく、より好ましくは1〜200ppmであり、さらに好ましくは3〜100ppmである。
アルミニウムを含む化合物としては、ギ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、プロピオン酸アルミニウム、シュウ酸アルミニウム等のカルボン酸塩、酸化物、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、炭酸アルミニウム等の無機酸塩、アルミニウムメトキサイド、アルミニウムエトキサイド等のアルミニウムアルコキサイド、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムアセチルアセテート等とのアルミニウムキシレート化合物、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物及びこれらの部分加水分解物等が挙げられ、その使用量はポリエステルアミド化合物中におけるアルミニウム原子濃度として1〜400ppmとなるように設定することが好ましく、より好ましくは3〜300ppmであり、さらに好ましくは5〜200ppmである。
また、本発明のポリエステルアミド化合物の製造においては、アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物を使用してもよい。アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のカルボン酸塩やアルコキシド等が挙げられる。その使用量は、ポリエステルアミド化合物中におけるアルカリ金属またはアルカリ土類金属原子濃度として0.1〜200ppmとなるように設定することが好ましく、より好ましくは0.5〜150ppmであり、さらに好ましくは1〜100ppmである。
また、本発明のポリエステルアミド化合物の製造においては、熱安定剤としてリン酸、亜リン酸、ホスホン酸、およびそれらの誘導体を1種類以上使用することができる。例えば、リン酸、リン酸トリメチルエステル、リン酸トリエチルエステル、リン酸トリブチルエステル、リン酸トリフェニルエステル、リン酸モノメチルエステル、リン酸ジメチルエステル、リン酸モノブチルエステル、リン酸ジブチルエステル、亜リン酸、亜リン酸トリメチルエステル、亜リン酸トリエチルエステル、亜リン酸トリブチルエステル、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチルエステル、エチルホスホン酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸ジエチルエステル、フェニルホスホン酸ジフェニルエステル等が挙げられる。その使用量は、ポリエステルアミド化合物中におけるリン原子濃度として1〜200ppmとなるように設定することが好ましく、より好ましくは2〜150ppmであり、さらに好ましくは3〜100ppmである。
また、本発明のポリエステルアミド化合物の製造においては、重量平均分子量の調節ために、ラウリルアルコールのような高級アルコールを添加することができる。また、物性改良の目的で、グリセリンのような多価アルコールを添加してもよい。その他、後述する添加剤を添加してもよい。
2−2.重合度を高める工程
上記重合方法で製造されたポリエステルアミド化合物は、そのまま使用することもできるが、更に重合度を高めるための工程を経てもよい。更に重合度を高める工程としては、押出機内での反応押出や固相重合等が挙げられる。固相重合で用いられる加熱装置としては、連続式の加熱乾燥装置やタンブルドライヤー、コニカルドライヤー、ロータリードライヤー等と称される回転ドラム式の加熱装置およびナウタミキサーと称される内部に回転翼を備えた円錐型の加熱装置が好適に使用できるが、これらに限定されることなく公知の方法、装置を使用することができる。特にポリエステルアミド化合物の固相重合を行う場合は、上述の装置の中で回転ドラム式の加熱装置が、系内を密閉化でき、着色の原因となる酸素を除去した状態で重縮合を進めやすいことから好ましく用いられる。
3.ポリエステルアミド組成物
本発明のポリエステルアミド組成物は、本発明のポリエステルアミド化合物を含有する組成物である。本発明のポリエステルアミド組成物は、本発明のポリエステルアミド樹脂やポリエステルアミドオリゴマーに、種々の添加剤や種々の樹脂を添加、混合することで得られる混合物であり、当該混合物中において、ポリエステルアミド樹脂やポリエステルアミドオリゴマーは、添加した添加剤や樹脂と、反応していてもよい。
3−1.添加剤
本発明のポリエステルアミド化合物は、要求される性能に応じて、滑剤、結晶化核剤、白化防止剤、艶消剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、着色防止剤、酸化防止剤、耐衝撃性改良材等の添加剤を添加させてポリエステルアミド組成物としてもよい。これらの添加剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて添加することができる。
本発明のポリエステルアミド化合物と添加剤との混合は、従来公知の方法を用いることができるが、低コストでかつ熱履歴を受けない乾式混合が好ましく行われる。例えば、タンブラーにポリエステルアミド化合物と上記の添加剤を入れ、回転させることで混合する方法が挙げられる。また本発明では乾式混合後のポリエステルアミド化合物と添加剤との分級を防止するために粘性のある液体を展着剤としてポリエステルアミド化合物に付着させた後、添加剤を添加、混合する方法を採ることもできる。展着剤としては、界面活性剤等が挙げられるが、これに限定されることなく公知のものを使用することができる
3−1−1.白化防止剤
本発明のポリエステルアミド組成物においては、熱水処理後や長時間の経時後の白化抑制として、ジアミド化合物及び/又はジエステル化合物をポリエステルアミド化合物に添加することが好ましい。ジアミド化合物及び/又はジエステル化合物は、オリゴマーの析出による白化の抑制に効果がある。ジアミド化合物とジエステル化合物を単独で用いてもよいし、併用してもよい。
本発明に用いられるジアミド化合物としては、炭素数8〜30の脂肪族ジカルボン酸と炭素数2〜10のジアミンから得られるジアミド化合物が好ましい。脂肪族ジカルボン酸の炭素数が8以上、ジアミンの炭素数が2以上であると白化防止効果が期待できる。また、脂肪族ジカルボン酸の炭素数が30以下、ジアミンの炭素数が10以下でポリエステルアミド組成物中への均一分散が良好となる。脂肪族ジカルボン酸は側鎖や二重結合があってもよいが、直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸が好ましい。ジアミド化合物は1種類でもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、ステアリン酸(C18)、エイコサン酸(C20)、ベヘン酸(C22)、モンタン酸(C28)、トリアコンタン酸(C30)等が例示できる。前記ジアミンとしては、エチレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサンジアミン、キシリレンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等が例示できる。これらを組み合わせて得られるジアミド化合物が好ましい。
炭素数8〜30の脂肪族ジカルボン酸と主としてエチレンジアミンから成るジアミンから得られるジアミド化合物、または、主としてモンタン酸から成る脂肪族ジカルボン酸と炭素数2〜10のジアミンから得られるジアミド化合物が好ましく、特に好ましくは主としてステアリン酸から成る脂肪族ジカルボン酸と主としてエチレンジアミンから成るジアミンから得られるジアミド化合物である。
本発明に用いられるジエステル化合物としては、炭素数8〜30の脂肪族ジカルボン酸と炭素数2〜10のジオールから得られるジエステル化合物が好ましい。脂肪族ジカルボン酸の炭素数が8以上、ジアミンの炭素数が2以上であると白化防止効果が期待できる。また、脂肪族ジカルボン酸の炭素数が30以下、ジオールの炭素数が10以下でポリエステルアミド組成物中への均一分散が良好となる。脂肪族ジカルボン酸は側鎖や二重結合があってもよいが、直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸が好ましい。ジエステル化合物は1種類でもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、ステアリン酸(C18)、エイコサン酸(C20)、ベヘン酸(C22)、モンタン酸(C28)、トリアコンタン酸(C30)等が例示できる。前記ジオールとしては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、キシリレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が例示できる。これらを組み合わせて得られるジエステル化合物が好ましい。
特に好ましくは主としてモンタン酸から成る脂肪族ジカルボン酸と主としてエチレングリコール及び/又は1,3−ブタンジオールから成るジオールから得られるジエステル化合物である。
本発明において、ジアミド化合物及び/又はジエステル化合物の添加量は、ポリエステルアミド化合物100質量部に対して0.005〜0.5質量部、好ましくは0.05〜0.5質量部、特に好ましくは0.12〜0.5質量部である。ポリエステルアミド化合物100質量部に対して0.005質量部以上添加し、かつ結晶化核剤と併用することにより白化防止の相乗効果が期待できる。また、添加量がポリエステルアミド100質量部に対して0.5質量部以下であると、本発明のポリエステルアミド組成物を成形して得られる成形体の曇値を低く保つことが可能となる。
3−1−2.結晶化核剤
本発明のポリエステルアミド組成物は、透明性を改善する観点から、結晶化核剤を添加することが好ましい。透明性を改善するだけでなく、熱水処理後や長時間の経時後の結晶化による白化にも効果があり、結晶化核剤をポリエステルアミド化合物に添加することにより、球晶サイズを可視光の波長の1/2以下にすることで抑制できる。また、ジアミド化合物および/またはジエステル化合物と結晶化核剤を併用すると、これらの相乗効果により、それぞれの白化抑制効果から予想される程度よりはるかに優れた白化抑制が得られる。
本発明で用いる結晶化核剤として、無機系のものとしては、ガラス充填剤(ガラス繊維、粉砕ガラス繊維(ミルドファイバー)、ガラスフレーク、ガラスビーズ等)、ケイ酸カルシウム系充填材(ワラストナイト等)、マイカ、タルク(粉状タルクやロジンをバインダーとした顆粒状タルク等)、カオリン、チタン酸カリウムウィスカー、窒化ホウ素、層状珪酸塩等のクレイ、ナノフィラー、炭素繊維等、通常熱可塑性樹脂に使用されるものでよく、これらの2種以上を併用してもよい。無機系結晶化核剤の最大径は0.01〜5μmであることが好ましい。特に、粒子径が3.0μm以下の粉状タルクが好ましく、粒子径1.5〜3.0μm程度の粉状タルクがより好ましく、粒子径が2.0μm以下の粉状タルクが特に好ましい。また、この粉状タルクにロジンをバインダーとした顆粒状のタルクは、ポリエステルアミド組成物中での分散状態が良好であるため、特に好ましい。有機系の結晶化核剤としては、結晶化核剤を含む、マイクロレベルからナノレベルサイズの2分子膜からなるカプセル、ビス(ベンジリデン)ソルビトール系やリン系の透明化結晶核剤、ロジンアミド系のゲル化剤などが好ましく、特に、ビス(ベンジリデン)ソルビトール系結晶化核剤が好ましい。
結晶化核剤の添加量は、ポリエステルアミド化合物100質量部に対して0.005〜2.0質量部が好ましく、特に0.01〜1.5質量部がより好ましい。これらの少なくとも1種の結晶化核剤をジアミド化合物及び/又はジエステル化合物と併用してポリエステルアミド化合物に添加することにより、白化防止の相乗効果が得られる。特に、タルクなどの無機系結晶化核剤はポリエステルアミド化合物100質量部に対して0.05〜1.5質量部、ビス(ベンジリデン)ソルビトール系結晶化核剤などの有機系結晶化核剤はポリエステルアミド化合物100質量部に対して0.01〜0.5質量部用いるのが特に好ましい。
ビス(ベンジリデン)ソルビトール系結晶化核剤は、ビス(ベンジリデン)ソルビトールおよびビス(アルキルベンジリデン)ソルビトールから選ばれるもので、ソルビトールとベンズアルデヒドもしくはアルキル置換ベンズアルデヒドがアセタール化反応によって生成する縮合生成物(ジアセタール化合物)であり、当該分野で知られている種々の合成方法によって都合よく調製することができる。ここで、アルキルは鎖状でも環状でもよく、飽和でも不飽和でもよい。一般的な合成方法では、酸触媒の存在下における1モルのD−ソルビトールと約2モルのアルデヒドとの反応が用いられる。反応温度は、反応の出発原料に用いられるアルデヒドの特性(融点等)に応じて広範囲に変化する。反応媒質は、水系媒質であっても非水系媒質であってもよい。本発明で使用するジアセタールを調製するために用いうる一つの好ましい方法は、米国特許第3,721,682号明細書に記載されている。この開示内容はベンジリデンソルビトール類に限定されているが、本発明で使用するビス(アルキルベンジリデン)ソルビトールもそこに記載された方法によって都合よく製造され得る。
ビス(ベンジリデン)ソルビトール系結晶化核剤(ジアセタール化合物)の具体例としては、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(n−プロピルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−イソプロピルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−イソブチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(2,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(2,4,5−トリメチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(2,4,6−トリメチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(4−ビフェニルベンジリデン)ソルビトール等が挙げられる。
ビス(ベンジリデン)ソルビトール系結晶化核剤を調製するのに好適なアルキル置換ベンズアルデヒドの例としては、p−メチルベンズアルデヒド、n−プロピルベンズアルデヒド、p−イソプロピルベンズアルデヒド、2,4−ジメチルベンズアルデヒド、3,4−ジメチルベンズアルデヒド、2,4,5−トリメチルベンズアルデヒド、2,4,6−トリメチルベンズアルデヒド、4−ビフェニルベンズアルデヒドが挙げられる。
タルク、マイカ、クレイなどの結晶化核剤をポリエステルアミド化合物に添加すると結晶化速度が無添加のポリエステルアミド化合物と比べて2倍以上加速される。高い成形サイクルを求められる射出成形用途では問題ないが、延伸フィルム、シートから成形される深絞りカップなどでは、結晶化速度が速すぎると、結晶化により、フィルムやシートの延伸ができなくなり、破断したり、伸びムラなど、成形性が極端に低下する。しかし、ビス(ベンジリデン)ソルビトール系結晶化核剤は、ポリエステルアミド化合物に添加しても結晶化速度を加速させることがないため、延伸フィルム、シートから成形される深絞りカップなどの用途で用いる場合は好ましい。
さらに、ビス(ベンジリデン)ソルビトール系結晶化核剤は、白化抑制だけでなく、ポリエステルアミド化合物に添加することで酸素バリア性が改善することが分かった。白化抑制と酸素バリア性改善の両方の効果が得られるビス(ベンジリデン)ソルビトール(A)の結晶化核剤を用いることが特に好ましい。
本発明のポリエステルアミド組成物は、層状珪酸塩を添加したものをガスバリア層として使用することもでき、成形体の酸素バリア性だけではなく、炭酸ガス等の他のガスに対するバリア性も向上させることができる。
層状珪酸塩は、0.25〜0.6の電荷密度を有する2−八面体型や3−八面体型の層状珪酸塩であり、2−八面体型としては、モンモリロナイト、バイデライト等、3−八面体型としてはヘクトライト、サボナイト等が挙げられる。これらの中でも、モンモリロナイトが好ましい。
層状珪酸塩は、高分子化合物や有機系化合物等の有機膨潤化剤を予め層状珪酸塩に接触させて、層状珪酸塩の層間を拡げたものとすることが好ましい。有機膨潤化剤として、第4級アンモニウム塩が好ましく使用できるが、好ましくは、炭素数12以上のアルキル基又はアルケニル基を少なくとも一つ以上有する第4級アンモニウム塩が用いられる。
有機膨潤化剤の具体例として、トリメチルドデシルアンモニウム塩、トリメチルテトラデシルアンモニウム塩、トリメチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリメチルオクタデシルアンモニウム塩、トリメチルエイコシルアンモニウム塩等のトリメチルアルキルアンモニウム塩;トリメチルオクタデセニルアンモニウム塩、トリメチルオクタデカジエニルアンモニウム塩等のトリメチルアルケニルアンモニウム塩;トリエチルドデシルアンモニウム塩、トリエチルテトラデシルアンモニウム塩、トリエチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリエチルオクタデシルアンモニウム等のトリエチルアルキルアンモニウム塩;トリブチルドデシルアンモニウム塩、トリブチルテトラデシルアンモニウム塩、トリブチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリブチルオクタデシルアンモニウム塩等のトリブチルアルキルアンモニウム塩;ジメチルジドデシルアンモニウム塩、ジメチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデシルアンモニウム塩、ジメチルジタロウアンモニウム塩等のジメチルジアルキルアンモニウム塩;ジメチルジオクタデセニルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデカジエニルアンモニウム塩等のジメチルジアルケニルアンモニウム塩;ジエチルジドデジルアンモニウム塩、ジエチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジエチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジエチルジオクタデシルアンモニウム等のジエチルジアルキルアンモニウム塩;ジブチルジドデシルアンモニウム塩、ジブチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジブチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジブチルジオクタデシルアンモニウム塩等のジブチルジアルキルアンモニウム塩;メチルベンジルジヘキサデシルアンモニウム塩等のメチルベンジルジアルキルアンモニウム塩;ジベンジルジヘキサデシルアンモニウム塩等のジベンジルジアルキルアンモニウム塩;トリドデシルメチルアンモニウム塩、トリテトラデシルメチルアンモニウム塩、トリオクタデシルメチルアンモニウム塩等のトリアルキルメチルアンモニウム塩;トリドデシルエチルアンモニウム塩等のトリアルキルエチルアンモニウム塩;トリドデシルブチルアンモニウム塩等のトリアルキルブチルアンモニウム塩;4−アミノ−n−酪酸、6−アミノ−n−カプロン酸、8−アミノカプリル酸、10−アミノデカン酸、12−アミノドデカン酸、14−アミノテトラデカン酸、16−アミノヘキサデカン酸、18−アミノオクタデカン酸等のω−アミノ酸などが挙げられる。また、水酸基及び/又はエーテル基含有のアンモニウム塩、中でも、メチルジアルキル(PAG)アンモニウム塩、エチルジアルキル(PAG)アンモニウム塩、ブチルジアルキル(PAG)アンモニウム塩、ジメチルビス(PAG)アンモニウム塩、ジエチルビス(PAG)アンモニウム塩、ジブチルビス(PAG)アンモニウム塩、メチルアルキルビス(PAG)アンモニウム塩、エチルアルキルビス(PAG)アンモニウム塩、ブチルアルキルビス(PAG)アンモニウム塩、メチルトリ(PAG)アンモニウム塩、エチルトリ(PAG)アンモニウム塩、ブチルトリ(PAG)アンモニウム塩、テトラ(PAG)アンモニウム塩(ただし、アルキルはドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシルなどの炭素数12以上のアルキル基を表し、PAGはポリアルキレングリコール残基、好ましくは、炭素数20以下のポリエチレングリコール残基またはポリプロピレングリコール残基を表す)などの少なくとも一のアルキレングリコール残基を含有する4級アンモニウム塩も有機膨潤化剤として使用することができる。中でもトリメチルドデシルアンモニウム塩、トリメチルテトラデシルアンモニウム塩、トリメチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリメチルオクタデシルアンモニウム塩、ジメチルジドデシルアンモニウム塩、ジメチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデシルアンモニウム塩、ジメチルジタロウアンモニウム塩が好ましい。なお、これらの有機膨潤化剤は、単独でも複数種類の混合物としても使用できる。
本発明では、ポリエステルアミド化合物100質量部に対し、有機膨潤化剤で処理した層状珪酸塩を0.5〜8質量部添加したものが好ましく用いられ、より好ましくは1〜6質量部、さらに好ましくは2〜5質量部である。層状珪酸塩の添加量が0.5質量部より少ないとガスバリア性の改善効果が小さいため好ましくない。また8質量部より多いとガスバリア層が濁って容器の透明性が損なわれるため好ましくない。
ポリエステルアミド組成物において、層状珪酸塩は局所的に凝集することなく均一に分散していることが好ましい。ここでいう均一分散とは、ポリエステルアミド組成物中において層状珪酸塩が平板状に分離し、それらの50%以上が5nm以上の層間距離を有することをいう。ここで層間距離とは平板状物の重心間距離のことをいう。この距離が大きい程分散状態が良好となり、透明性等の外観が良好で、かつ酸素、炭酸ガス等のガスバリア性を向上させることができる。
3−1−3.ゲル化防止・フィッシュアイ低減剤
本発明のポリエステルアミド組成物においては、ポリエステルアミド化合物に、酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウムおよびそれらの誘導体から選択される1種以上のカルボン酸塩類を添加することが好ましい。ここで該誘導体としては、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸ナトリウム等の12−ヒドロキシステアリン酸金属塩等が挙げられる。前記カルボン酸塩類を添加することで、成形加工中に起こるポリエステルアミド化合物のゲル化防止や成型体中のフィッシュアイを低減することができ、成形加工の適性が向上する。
前記カルボン酸塩類の添加量としては、ポリエステルアミド組成物中の濃度として、400〜10000ppmが好ましく、より好ましくは800〜5000ppmであり、さらに好ましくは1000〜3000ppmである。400ppm以上であれば、ポリエステルアミド化合物の熱劣化を抑制でき、ゲル化を防止できる。また、10000ppm以下であれば、ポリエステルアミド組成物が成形不良を起こさず、着色や白化することもない。溶融したポリエステルアミド化合物中に塩基性物質であるカルボン酸塩類が存在すると、ポリエステルアミド化合物の熱による変性が遅延し、最終的な変性物と考えられるゲルの生成を抑制すると推測される。なお、前述のカルボン酸塩類はハンドリング性に優れ、この中でもステアリン酸金属塩は安価である上、滑剤としての効果を有しており、成形加工をより安定化することができるため好ましい。さらに、カルボン酸塩類の形状に特に制限はないが、粉体でかつその粒径が小さい方が乾式混合する場合、ポリエステルアミド組成物中に均一に分散させることが容易であるため、その粒径は0.2mm以下が好ましい。
3−1−4.酸化防止剤
本発明のポリエステルアミド組成物は、酸素吸収性能を制御する観点や機械物性低下を抑える観点から酸化防止剤を含有することが好ましい。酸化防止剤としては、銅系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオ系酸化防止剤等を例示することができ、中でもヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の具体例としては、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2−チオビス(4−メチル−6−1−ブチルフェノール)、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロキシンナマミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルスルホン酸エチルカルシウム、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、オクチル化ジフェニルアミン、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−O−クレゾール、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−T−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−sec−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、d−α−トコフェロールなどが挙げられる。これらは単独であるいはこれらの混合物で用いることができる。ヒンダードフェノール化合物の市販品の具体例としては、BASF社製のIrganox1010やIrganox1098が挙げられる(いずれも商品名)。
リン系酸化防止剤の具体例としては、トリフェニルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリノニルフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイトなどの有機リン化合物が挙げられる。これらは単独であるいはこれらの混合物で用いることができる。
ポリエステルアミド組成物における酸化防止剤の含有量は、組成物の各種性能を損なわない範囲であれば特に制限無く使用できるが、酸素吸収性能を制御する観点や機械物性低下を抑える観点から、本発明のポリエステルアミド化合物100質量部に対して好ましくは0.001〜3質量部、より好ましくは0.01〜1質量部である。
3−1−5.耐衝撃性改良材
本発明のポリエステルアミドを含有するアミド組成物においては、耐衝撃性、フィルムの耐ピンホール性、柔軟性を改善するため耐衝撃性改良材を加えてもよい。耐衝撃性改良材としては、ポリオレフィン、ポリアミドエラストマー、スチレン−ブタジエン共重合樹脂の水素添加処理物、アイオノマー、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂の無水マレイン酸変性品、エチレン−メタクリル酸共重合樹脂、ナイロン6,66,12、ナイロン12、ナイロン12エラストマー、エチレン−プロピレン共重合エラストマー、ポリエステルエラストマー等を添加することができる。耐衝撃性改良材の添加量は1〜10質量%が好ましく、1〜5質量%が更に好ましく、2〜3質量%が特に好ましい。添加量が多いと、透明性、ガスバリア性が低下する。添加量が少ないと、耐衝撃性、フィルムの耐ピンホール性、柔軟性があまり改善されない。
3−2.樹脂
本発明のポリエステルアミド化合物を、要求される用途や性能に応じて、種々の樹脂と混合してポリエステルアミド組成物としてもよい。本発明のポリエステルアミド化合物と混合しうる樹脂としては、特に限定されないが、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール及び植物由来樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
これらの中でも、酸素吸収効果を効果的に発揮するためには、ポリエステル、ポリアミド及びポリビニルアルコールのような酸素バリア性の高い樹脂とのブレンドが好ましい。
本発明のポリエステルアミド化合物と樹脂との混合は、従来公知の方法を用いることができるが、溶融混合が好ましい。本発明のポリエステルアミド化合物と樹脂とを溶融混合し、所望のペレット、成形体を製造する場合、押出機等を用いて溶融ブレンドすることができる。押出機は単軸、2軸いずれの押出機でもよいが、混合性の観点からは、2軸押出機が好ましい。また、溶融するスクリューとしては所謂ナイロン用やポリオレフィン用、緩圧縮、急圧縮タイプ、シングルフライト、ダブルフライトなどの公知のスクリューを用いることができ、これに限定されない。
3−2−1.ポリオレフィン
ポリオレフィンの具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1等のオレフィン単独重合体;エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン−ポリブテン−1共重合体、エチレン−環状オレフィン共重合体等のエチレンとα−オレフィンとの共重合体;エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分又は完全鹸化物等のその他のエチレン共重合体;これらのポリオレフィンを無水マレイン酸等の酸無水物等でグラフト変性したグラフト変性ポリオレフィン等を挙げることができる。
3−2−2.ポリエステル
前記ポリエステルとは、ジカルボン酸を含む多価カルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体から選ばれる一種又は二種以上とグリコールを含む多価アルコールから選ばれる一種又は二種以上とから成るもの、又はヒドロキシカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体から成るもの、又は環状エステルから成るものをいう。
ジカルボン酸としては、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、3−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルナンジカルボン酸、ダイマー酸などに例示される飽和脂肪族ジカルボン酸又はこれらのエステル形成性誘導体、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などに例示される不飽和脂肪族ジカルボン酸又はこれらのエステル形成性誘導体、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ジフェニン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸、パモイン酸、アントラセンジカルボン酸などに例示される芳香族ジカルボン酸又はこれらのエステル形成性誘導体、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、5−リチウムスルホイソフタル酸、2−リチウムスルホテレフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、2−カリウムスルホテレフタル酸などに例示される金属スルホネート基含有芳香族ジカルボン酸又はそれらの低級アルキルエステル誘導体などが挙げられる。
上記のジカルボン酸のなかでも、特に、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸の使用が、得られるポリエステルの物理特性等の点で好ましく、必要に応じて他のジカルボン酸を共重合してもよい。
これらジカルボン酸以外の多価カルボン酸として、エタントリカルボン酸、プロパントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
グリコールとしてはエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノール、1,10−デカメチレングリコール、1,12−ドデカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどに例示される脂肪族グリコール、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビスフェノ−ル、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビスフェノールA、ビスフェノールC、2,5−ナフタレンジオール、これらのグリコールにエチレンオキシドが付加されたグリコール、などに例示される芳香族グリコールが挙げられる。
上記のグリコールのなかでも、特に、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールを主成分として使用することが好適である。これらグリコール以外の多価アルコールとして、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセロ−ル、ヘキサントリオールなどが挙げられる。ヒドロキシカルボン酸としては、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、ヒドロキシ酢酸、3−ヒドロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、又はこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
環状エステルとしては、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、β−メチル−β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、グリコリド、ラクチドなどが挙げられる。
多価カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体としては、これらのアルキルエステル、酸クロライド、酸無水物などが例示される。
本発明で用いられるポリエステルとしては、主たる酸成分がテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体もしくはナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体であり、主たるグリコール成分がアルキレングリコールであるポリエステルが好ましい。
主たる酸成分がテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体であるポリエステルとは、全酸成分に対してテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体を合計して70モル%以上含有するポリエステルであることが好ましく、より好ましくは80モル%以上含有するポリエステルであり、さらに好ましくは90モル%以上含有するポリエステルである。主たる酸成分がナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体であるポリエステルも同様に、ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を合計して70モル%以上含有するポリエステルであることが好ましく、より好ましくは80モル%以上含有するポリエステルであり、さらに好ましくは90モル%以上含有するポリエステルである。
本発明で用いられるナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体としては、上述のジカルボン酸類に例示した1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体が好ましい。
主たるグリコール成分がアルキレングリコールであるポリエステルとは、全グリコール成分に対してアルキレングリコールを合計して70モル%以上含有するポリエステルであることが好ましく、より好ましくは80モル%以上含有するポリエステルであり、さらに好ましくは90モル%以上含有するポリエステルである。ここで言うアルキレングリコールは、分子鎖中に置換基や脂環構造を含んでいてもよい。
上記テレフタル酸/エチレングリコール以外の共重合成分は、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールおよび2−メチル−1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることが、透明性と成形性を両立する上で好ましく、特にイソフタル酸、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることがより好ましい。
本発明に用いられるポリエステルの好ましい一例は、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートから構成されるポリエステルであり、より好ましくはエチレンテレフタレート単位を70モル%以上含む線状ポリエステルであり、さらに好ましくはエチレンテレフタレート単位を80モル%以上含む線状ポリエステルであり、特に好ましいのはエチレンテレフタレ−ト単位を90モル%以上含む線状ポリエステルである。
また本発明に用いられるポリエステルの好ましい他の一例は、主たる繰り返し単位がエチレン−2,6−ナフタレートから構成されるポリエステルであり、より好ましくはエチレン−2,6−ナフタレート単位を70モル%以上含む線状ポリエステルであり、さらに好ましくはエチレン−2,6−ナフタレート単位を80モル%以上含む線状ポリエステルであり、特に好ましいのは、エチレン−2,6−ナフタレート単位を90モル%以上含む線状ポリエステルである。
また本発明に用いられるポリエステルの好ましいその他の例としては、プロピレンテレフタレ−ト単位を70モル%以上含む線状ポリエステル、プロピレンナフタレート単位を70モル%以上含む線状ポリエステル、1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレ−ト単位を70モル%以上含む線状ポリエステル、ブチレンナフタレート単位を70モル%以上含む線状ポリエステル、またはブチレンテレフタレ−ト単位を70モル%以上含む線状ポリエステルである。
特にポリエステル全体の組成として、テレフタル酸/イソフタル酸//エチレングリコールの組み合わせ、テレフタル酸//エチレングリコール/1,4−シクロヘキサンジメタノールの組み合わせ、テレフタル酸//エチレングリコール/ネオペンチルグリコールの組み合わせは透明性と成形性を両立する上で好ましい。なお、当然ではあるが、エステル化(エステル交換)反応、重縮合反応中に、エチレングリコールの二量化により生じるジエチレングリコールを少量(5モル%以下)含んでもよいことは言うまでも無い。
また本発明に用いられるポリエステルの好ましいその他の例としては、グリコール酸やグリコール酸メチルの重縮合もしくは、グリコリドの開環重縮合にて得られるポリグリコール酸が挙げられる。このポリグリコール酸には、ラクチド等などの他成分を共重合しても構わない。
3−2−3.ポリアミド
本発明で使用しうるポリアミドは、ラクタムもしくはアミノカルボン酸から誘導される単位を主構成単位とするポリアミドや脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸から誘導される単位を主構成単位とする脂肪族ポリアミド、脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸から誘導される単位を主構成単位とする部分芳香族ポリアミド、芳香族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸から誘導される単位を主構成単位とする部分芳香族ポリアミドなどが挙げられ、必要に応じて、主構成単位以外のモノマー単位を共重合してもよい。
前記ラクタムもしくはアミノカルボン酸としては、ε−カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等のアミノカルボン酸類、パラ−アミノメチル安息香酸のような芳香族アミノカルボン酸等が使用できる。
前記脂肪族ジアミンとしては、炭素数2〜12の脂肪族ジアミンあるいはその機能的誘導体が使用できる。さらに、脂環族のジアミンであってもよい。脂肪族ジアミンは直鎖状の脂肪族ジアミンであっても分岐を有する鎖状の脂肪族ジアミンであってもよい。このような直鎖状の脂肪族ジアミンの具体例としては、エチレンジアミン、1−メチルエチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等の脂肪族ジアミンが挙げられる。また、脂環族ジアミンの具体例としては、シクロヘキサンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
また、前記脂肪族ジカルボン酸としては、直鎖状の脂肪族ジカルボン酸や脂環族ジカルボン酸が好ましく、さらに炭素数4〜12のアルキレン基を有する直鎖状脂肪族ジカルボン酸が特に好ましい。このような直鎖状脂肪族ジカルボン酸の例としては、アジピン酸、セバシン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカン酸、ウンデカジオン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸およびこれらの機能的誘導体などを挙げることができる。脂環族ジカルボン酸としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環式ジカルボン酸が挙げられる。
また、前記芳香族ジアミンとしては、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、パラ−ビス(2−アミノエチル)ベンゼンなどが挙げられる。
また、前記芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸およびその機能的誘導体等が挙げられる。
具体的なポリアミドとしては、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド10、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド4,6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,10、ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミド6IT、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、イソフタル酸共重合ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6I)、ポリメタキシリレンセバカミド(ポリアミドMXD10)、ポリメタキシリレンドデカナミド(ポリアミドMXD12)、ポリ1,3−ビスアミノシクロヘキサンアジパミド(ポリアミドBAC6)、ポリパラキシリレンセバカミド(ポリアミドPXD10)等がある。より好ましいポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミドMXD6、ポリアミドMXD6Iが挙げられる。
また、前記ポリアミドの共重合成分として、少なくとも一つの末端アミノ基、もしくは末端カルボキシル基を有する数平均分子量が2000〜20000のポリエーテル、又は前記末端アミノ基を有するポリエーテルの有機カルボン酸塩、又は前記末端カルボキシル基を有するポリエーテルのアミノ塩を用いることもできる。具体的な例としては、ビス(アミノプロピル)ポリ(エチレンオキシド)(数平均分子量が2000〜20000のポリエチレングリコール)が挙げられる。
また、前記部分芳香族ポリアミドは、トリメリット酸、ピロメリット酸などの3塩基以上の多価カルボン酸から誘導される構成単位を実質的に線状である範囲内で含有していてもよい。
前記ポリアミドは、基本的には従来公知の、水共存下での溶融重縮合法あるいは水不存在下の溶融重縮合法や、これらの溶融重縮合法で得られたポリアミドを更に固相重合する方法などによって製造することが出来る。溶融重縮合反応は1段階で行ってもよいし、また多段階に分けて行ってもよい。これらは回分式反応装置から構成されていてもよいし、また連続式反応装置から構成されていてもよい。また溶融重縮合工程と固相重合工程は連続的に運転してもよいし、分割して運転してもよい。
3−2−4.ポリビニルアルコール
ポリビニルアルコールの具体例としては、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体及びその部分若しくは完全鹸化物等を挙げることができる。さらに、その変性品を用いても構わない。
3−2−5.植物由来樹脂
植物由来樹脂の具体例としては、上記樹脂と重複する部分もあるが、特に限定されることなく公知の種々の石油以外を原料とする脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂が挙げられる。脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂としては、例えば、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)等のポリ(α−ヒドロキシ酸);ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリエチレンサクシネート(PES)等のポリアルキレンアルカノエート等が挙げられる。
3−3.金属
また、本発明のポリエステルアミド化合物において、酸素吸収効果に加えて更なる酸素吸収性能が必要とされる場合には、鉄、コバルト、ニッケル等の周期律表第VIII族金属;銅、銀等の第I族金属;スズ、チタン、ジルコニウム等の第IV族金属;バナジウム等の第V族金属;クロム等の第VI族金属;マンガン等の第VII族金属から選択された一種以上の金属原子を、重縮合反応開始前、反応中、又は押出成形時に化合物又は金属錯体として添加することができる。これらの金属原子の中でも、酸素吸収能力の観点から第VIII族金属原子が好ましく、コバルト原子がより好ましい。
本発明において、前記金属原子をポリエステルアミド化合物中に添加、混合するには、金属原子を含有する化合物(以下、金属触媒化合物と称する)を用いることが好ましい。金属触媒化合物は前記金属原子の低価数の無機酸塩、有機酸塩又は錯塩の形で使用される。
無機酸塩としては、塩化物や臭化物等のハロゲン化物、硫酸塩等のイオウのオキシ酸塩、硝酸塩等の窒素のオキシ酸塩、リン酸塩等のリンオキシ酸塩、ケイ酸塩等が挙げられる。一方、有機酸塩としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、ホスホン酸塩等が挙げられるが、カルボン酸塩が本発明の目的に好適であり、その具体例としては、酢酸、プロピオン酸、イソプロピオン酸、ブタン酸、イソブタン酸、ペンタン酸、イソペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、イソヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、デカン酸、ネオデカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラキン酸、リンデル酸、ツズ酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ギ酸、シュウ酸、スルファミン酸、ナフテン酸等の遷移金属塩が挙げられる。
また、β−ジケトン又はβ−ケト酸エステル等との金属錯体も利用することができる。β−ジケトンまたはβ−ケト酸エステルとしては、例えば、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、1,3−シクロヘキサジオン、メチレンビス−1,3ーシクロヘキサジオン、2−ベンジル−1,3−シクロヘキサジオン、アセチルテトラロン、パルミトイルテトラロン、ステアロイルテトラロン、ベンゾイルテトラロン、2−アセチルシクロヘキサノン、2−ベンゾイルシクロヘキサノン、2−アセチル−1,3−シクロヘキサンジオン、ベンゾイル−p−クロルベンゾイルメタン、ビス(4−メチルベンゾイル)メタン、ビス(2−ヒドロキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセトン、トリベンゾイルメタン、ジアセチルベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、パルミトイルベンゾイルメタン、ラウロイルベンゾイルメタン、ジベンゾイルメタン、ビス(4−クロルベンゾイル)メタン、ビス(メチレン−3,4−ジオキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセチルフェニルメタン、ステアロイル(4−メトキシベンゾイル)メタン、ブタノイルアセトン、ジステアロイルメタン、アセチルアセトン、ステアロイルアセトン、ビス(シクロヘキサノイル)−メタン及びジピバロイルメタン等を用いることができる。
これらの中でも、酸素吸収機能が良好であることから、前記金属原子を含むカルボン酸塩、ハロゲン化物、アセチルアセトネート錯体が好ましい。
上記金属触媒化合物は、一種以上を添加することができるが、金属原子としてコバルトを含むものが特に酸素吸収機能に優れており、好ましく用いられる。固体または粉末状で溶融混合時の取り扱い性に優れる点から、ステアリン酸コバルト(II)又は酢酸コバルト(II)が特に好ましい。
ポリエステルアミド化合物に添加される前記金属原子の濃度は特に制限はないが、ポリエステルアミド化合物100質量部に対して1〜1000ppmの範囲が好ましく、より好ましくは1〜700ppmである。金属原子の添加量が1ppm以上であれば、本発明のポリエステルアミド化合物の酸素吸収効果に加え、酸素吸収機能が十分に発現し、包装材料の酸素バリア性の向上効果が得られる。ポリエステルアミド化合物に金属触媒化合物を添加する方法は特に限定されず、任意の方法で添加することができる。
3−4.酸化性有機化合物
本発明のポリエステルアミド組成物は、更に酸化性有機化合物を含有してもよい。
酸化性有機化合物としては、酸素が存在する雰囲気下において、自動的に、または触媒や、熱、光、水分等のいずれか一つの共存下において酸化される有機化合物であり、水素の引き抜きが容易に行えるような活性な炭素原子を有するものが好ましい。このような活性炭素原子の具体例としては、炭素−炭素二重結合に隣接する炭素原子、炭素側鎖の結合した第三級炭素原子、活性メチレン基を含むものが挙げられる。
例えば、ビタミンCやビタミンEも酸化性有機化合物の一例として挙げられる。また、ポリプロピレン等のように分子に酸化されやすい3級水素を持つようなポリマーや、ブタジエンやイソプレン、シクロヘキサノンのように分子内に炭素−炭素二重結合をもつ化合物やそれらからなる、もしくは含むポリマーも酸化性有機化合物の一例として挙げられる。その中でも、酸素吸収能力や加工性の観点から、炭素−炭素二重結合を有する化合物やポリマーが好ましく、炭素原子数4〜20の炭素−炭素二重結合を含む化合物やそれらから誘導された単位を含むオリゴマー乃至ポリマーがより好ましい。
炭素原子数4〜20の炭素−炭素二重結合を含む化合物としては、例えばブタジエン、イソプレン等の共役ジエン;1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;メチルテトラヒドロインデン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン等の環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン等のトリエン、クロロプレンなどが挙げられる。
これらの化合物は、単独で或いは2種以上の組合せで、或いは他の単量体との組み合わせで単独重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体などの形に組み込まれる。
組み合わせで用いられる単量体としては、炭素原子数2〜20のα−オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンが挙げられ、他にスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、メチルメタクリレート、エチルアクリレートなどの単量体も使用可能である。
炭素原子数4〜20の炭素−炭素二重結合を含む化合物から誘導された単位を含むオリゴマー乃至ポリマーとしては、具体的には、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、ブチルゴム(IIR)、天然ゴム、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR),スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等を挙げることができるが、これらの例に限定されない。また、重合体中における炭素−炭素二重結合は、特に限定されず、ビニレン基の形で主鎖中に存在しても、またビニル基の形で側鎖に存在していてもよい。
上述の炭素−炭素二重結合を含む化合物から誘導された単位を含むオリゴマー乃至ポリマーには、カルボン酸基、カルボン酸無水物基、水酸基が分子の導入されていること、または上述の官能基により変性されたオリゴマー乃至ポリマーとブレンドされていることが好ましい。これらの官能基を導入するのに用いられる単量体としては、カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸塩の基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基、カルボニル基、水酸基などの官能基を有するエチレン系不飽和単量体が挙げられる。
これらの単量体としては、不飽和カルボン酸またはこれらの誘導体を用いるのが好ましく、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸等のα,β−不飽和カルボン酸、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸等の不飽和カルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等のα,β−不飽和カルボン酸無水物、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物等の不飽和カルボン酸の無水物が挙げられる。
炭素−炭素二重結合を含む化合物から誘導された単位を含むオリゴマー乃至ポリマーの酸変性は、このオリゴマー乃至ポリマーに不飽和カルボン酸またはその誘導体をそれ自体公知の手段でグラフト共重合させることにより製造されるが、前述した炭素−炭素二重結合を含む化合物と不飽和カルボン酸またはその誘導体とをランダム共重合させることによっても製造することができる。
酸化性有機化合物の好ましい含有量は、酸素吸収性能及び透明性の観点から、ポリエステルアミド組成物中、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜8質量%、更に好ましくは0.5〜5質量%である。
4.ポリエステルアミド化合物及びポリエステルアミド組成物の用途
本発明のポリエステルアミド化合物及びポリエステルアミド組成物は、酸素バリア性や酸素吸収性能が要求されるあらゆる用途に利用できる。例えば、本発明のポリエステルアミド化合物を単独で小袋などに充填して酸素吸収剤として利用してもよい。
本発明のポリエステルアミド化合物及びポリエステルアミド組成物の代表的な利用例としては包装材料や包装容器等の成型体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明のポリエステルアミド化合物またはポリエステルアミド組成物を、それら成型体の少なくとも一部として加工して使用することができる。例えば、本発明のポリエステルアミド化合物またはポリエステルアミド組成物をフィルム状又はシート状の包装材料の少なくとも一部として使用することができ、また、ボトル、トレイ、カップ、チューブ、平袋やスタンディングパウチ等の各種パウチ等の包装容器の少なくとも一部として使用することができる。なお、これら包装材料や包装容器の成型体の構造は、本発明のポリエステルアミド化合物またはポリエステルアミド組成物からなる層の単層構造であってもよく、当該層と他の熱可塑性樹脂からなる層を組み合わせた多層構造であってもよい。本発明のポリエステルアミド化合物またはポリエステルアミド組成物からなる層の厚みは、特に制限は無いが、1μm以上の厚みを有することが好ましい。
包装材料及び包装容器などの成形体の製造方法については特に限定されず、任意の方法を利用することができる。例えば、フィルム状若しくはシート状の包装材料、またはチューブ状の包装材料の成形については、Tダイ、サーキュラーダイ等を通して溶融させたポリエステルアミド化合物又はポリエステルアミド組成物を、付属した押出機から押し出して製造することができる。なお、上述の方法で得たフィルム状の成形体はこれを延伸することにより延伸フィルムに加工することもできる。ボトル形状の包装容器については、射出成形機から金型中に溶融したポリエステルアミド化合物又はポリエステルアミド組成物を射出してプリフォームを製造後、延伸温度まで加熱してブロー延伸することにより得ることができる。
また、トレイやカップ等の容器は射出成形機から金型中に溶融したポリエステルアミド化合物又はポリエステルアミド組成物を射出して製造する方法や、シート状の包装材料を真空成形や圧空成形等の成形法によって成形して得ることができる。包装材料や包装容器は上述の製造方法によらず、様々な方法を経て製造することが可能である。
本発明のポリエステルアミド化合物及びポリエステルアミド組成物を使用して得られる包装材料や包装容器は、様々な物品を収納、保存するのに好適である。例えば、飲料、調味料、穀類、無菌での充填もしくは加熱殺菌の必要な液体及び固体加工食品、化学薬品、液体生活用品、医薬品、半導体集積回路並びに電子デバイス等、種々の物品を収納、保存することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例で得られたポリエステルアミド化合物及びポリエステル化合物の成分組成、極限粘度及び融点は以下の方法で測定した。また、以下の方法で酸素吸収量の測定を行った。
(1)成分組成
1H−NMR(400MHz,日本電子(株)製、商品名:JNM−AL400、測定モード:NON(1H))を用いて共重合体の成分組成の定量を実施した。具体的には、溶媒としてトリフルオロ酢酸−dを用いてポリエステルアミド化合物及びポリエステル化合物の5質量%の溶液を調製し、1H−NMR測定を実施した。
(2)極限粘度
ポリエステルアミド化合物又はポリエステル化合物0.5gをフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタンの混合溶媒(質量比=6:4)120gに加熱溶解し、ろ過後、25℃まで冷却して測定用サンプルを調製した。毛細管粘度計自動測定装置((株)柴山科学機械製作所製、商品名:SS−300−L1)を用い、25℃で測定を行った。
(3)融点
示差走査熱量計((株)島津製作所製、商品名:DSC−60)を用い、昇温速度10℃/分で窒素気流下にDSC測定(示差走査熱量測定)を行い、融点(Tm)を求めた。
(4)酸素吸収量
粉砕したサンプル2gを、アルミ箔積層フィルムからなる25cm×18cmの3方シール袋に、水10mlを含ませた綿と共に仕込み、袋内空気量400mlとなるようにして密封した。袋内の湿度は100%RH(相対湿度)とした。40℃下で28日保存後に、袋内の酸素濃度を酸素濃度計(東レエンジニアリング(株)製、商品名:LC−700F)で測定し、この酸素濃度から酸素吸収量(cc/g)を計算した。数値が高いほど酸素吸収性能に優れ好ましい。
実施例1〜6
(ポリエステルアミド化合物の重合)
エステル化反応槽に、表1に示す量の有機チタン酸テトラブチル(TBT)触媒、テレフタル酸とエチレングリコールとDL−アラニンとを仕込み、撹拌下、約240℃、約0.3MPaにて3時間エステル化反応を行った。この反応物を重縮合槽へ移送し、表1に示す触媒を加えた後、撹拌下、窒素流通下にて加熱しながら過剰のエチレングリコールを系外へ留去した後、表1に示す反応条件で重縮合を行い、ポリエステルアミド化合物を得た。
実施例1にて得られたポリエステルアミド化合物の1H−NMRチャートを図1に示す。
図1の1.3〜1.7ppm付近の吸収ピークは、DL−アラニンのメチル基の水素に由来する吸収ピークaであり、図1では、吸収ピークaの積分強度を示している。また、4.7ppm付近の吸収ピークは、エチレングリコールのメチレン基の水素に由来する吸収ピークbであり、図1では、吸収ピークbの積分強度を示している。また、7.9〜8.4ppm付近のピークはテレフタル酸の芳香族環の水素に由来するピークcであり、図1では、吸収ピークcの積分強度を示している。
ポリエステルアミド化合物中のDL−アラニン単位の量は、下記式により算出される。
Figure 0005867387
以上の計算から、実施例1で得られたポリエステルアミド化合物には、DL−アラニン単位が約3.2mol%(計算値は3.1mol%)含まれていることを同定した。実施例1で得られたポリエステルアミド化合物における各構成単位のモル分率は、エチレングリコール単位/テレフタル酸単位/DL−アラニン単位=48.4/48.4/3.2(mol%)であることが同定された。
他の実施例及び比較例においても、同様の手法により、調製したポリエステルアミド化合物及びポリエステル化合物の成分組成の定量を実施した。
実施例7
DL−アラニンをDL−2−アミノ酪酸に変更したこと以外は実施例3と同様の方法でポリエステルアミド化合物を得た。
実施例8
DL−アラニンをDL−フェニルアラニンに変更したこと以外は実施例3と同様の方法でポリエステルアミド化合物を得た。
実施例9
TBTを50ppmとし、反応時間を2時間に変更したこと以外は実施例3と同様の方法でポリエステルアミド化合物を得た。
実施例10
TBTを150ppmとし、最高到達樹脂温度を265℃、反応時間を5時間に変更したこと以外は実施例3と同様の方法でポリエステルアミド化合物を得た。
比較例1
(ポリエステル化合物の重合)
エステル化反応槽に表1に示す量のテレフタル酸とエチレングリコールを仕込み、撹拌下、約240℃、約0.3MPaにて3時間エステル化反応を行った。この反応物を重縮合槽へ移送し、表1に示す触媒を加えた後、撹拌下、窒素流通下にて加熱しながら過剰のエチレングリコールを系外へ留去した後、表1に示す反応条件で重縮合を行い、ポリエステル化合物を得た。
比較例2
DL−アラニンをα位に水素を持たない2−アミノイソ酪酸に変更したこと以外は実施例3と同様の方法でポリエステルアミド化合物を得た。
Figure 0005867387
α−アミノ酸を共重合していないポリエステル化合物は酸素吸収性能を示さなかった(比較例1)。また、3級水素を有さないα−アミノ酸である2−アミノイソ酪酸を共重合したポリエステルアミド化合物でも、酸素吸収性能を示さなかった(比較例2)。
これらに対し、3級水素を有するα−アミノ酸を共重合したポリエステルアミド化合物(ポリエステルアミド樹脂及びポリエステルアミドオリゴマー)は、金属を用いることなく十分な酸素吸収性能を発現することができ、しかも不快な臭気を発生することがない(実施例1〜10)。
本発明のポリエステルアミド化合物及びポリエステルアミド組成物は酸素吸収性能に優れている。本発明のポリエステルアミド化合物又はポリエステルアミド組成物を包装材料や包装容器に使用することで、金属を含有せずとも十分な酸素吸収性能を発現し、かつ不快な臭気が発生せず、内容物を良好な状態で保存することができる包装材料や包装容器を提供することができる。

Claims (10)

  1. 下記一般式(I)で表される芳香族ジカルボン酸単位を70モル%以上含む多価カルボン酸単位25〜50モル%と、下記一般式(II)で表される脂肪族ジオール単位を70モル%以上含む多価アルコール単位25〜50モル%と、下記一般式(III)で表される構成単位0.1〜50モル%とを含有するポリエステルアミド化合物。
    Figure 0005867387
    [前記一般式(I)中、Arはアリーレン基を表す。前記一般式(II)中、Xは炭素数2〜20のアルキレン基を表す。前記一般式(III)中、Rは水酸基で置換されたアルキル基、アルコキシ基で置換されたアルキル基、アリール基で置換されたアルキル基、メルカプトメチル基、メチルスルファニルエチル基もしくは無置換のアルキル基又は、アルキル基で置換されたアリール基もしくは無置換のアリール基を表す。]
  2. 前記一般式(I)で表される芳香族ジカルボン酸単位が、イソフタル酸単位、テレフタル酸単位及び2,6−ナフタレンジカルボン酸単位からなる群から選ばれる少なくとも1種を合計で50モル%以上含む、請求項1に記載のポリエステルアミド化合物。
  3. 前記一般式(II)で表される脂肪族ジオール単位が、エチレングリコール単位、1,3−プロパンジオール単位及び1,4−ブタンジオール単位からなる群から選ばれる少なくとも1種を合計で50モル%以上含む、請求項1又は2に記載のポリエステルアミド化合物。
  4. 前記一般式(III)におけるRが、水酸基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、アリール基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、メルカプトメチル基、メチルスルファニルエチル基もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基又は、アルキル基で置換された炭素数6〜10のアリール基もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基である、請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステルアミド化合物。
  5. 極限粘度が0.4dl/g以上1.5dl/g以下である、請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステルアミド化合物。
  6. 極限粘度が0.1dl/g以上0.4dl/g未満である、請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステルアミド化合物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステルアミド化合物を含むポリエステルアミド組成物。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステルアミド化合物又は請求項7に記載のポリエステルアミド組成物を加工して得られる成型体。
  9. 包装材料又は包装容器である、請求項8に記載の成型体。
  10. 請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステルアミド化合物又は請求項7に記載のポリエステルアミド組成物の、酸素吸収剤としての使用。
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