JP5862790B2 - 高周波信号線路 - Google Patents

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Description

本発明は、高周波信号線路に関し、より特定的には、高周波信号の伝送に用いられる高周波信号線路に関する。
従来の高周波信号線路に関する発明としては、例えば、特許文献1に記載の信号線路が知られている。該信号線路は、積層体、信号線及び2つのグランド導体を備えている。積層体は、複数の絶縁シートが積層されて構成されている。信号線は、積層体内に設けられている。2つのグランド導体は、積層体内において積層方向から信号線を挟んでいる。これにより、信号線と2つのグランド導体とは、トリプレート型のストリップライン構造をなしている。
更に、グランド導体には、積層方向から平面視したときに、信号線と重なる複数の開口が設けられている。これにより、開口と重なる位置において、信号線とグランド導体との間に容量が形成されにくくなる。よって、信号線の特性インピーダンスを小さくし過ぎることなく、信号線とグランド導体との積層方向における距離を小さくすることが可能となる。その結果、高周波信号線路の薄型化を図ることが可能となる。以上のような高周波信号線路は、2つの回路基板の接続等に用いられる。
ところで、特許文献1に記載の信号線路では、積層体の圧着時の条件によって、信号線とグランド導体との間隔にばらつきが発生するという問題がある。より詳細には、該信号線路の圧着工程では、絶縁シートを重ねた状態で加熱・加圧処理を施す。これにより、液晶ポリマやポリイミドからなる絶縁シートは、軟化して積層方向に隣り合うもの同士で一体化される。
しかしながら、圧着工程における加熱条件及び加圧条件がばらつくと、絶縁シートが軟化する程度にもばらつきが発生する。その結果、圧着工程後の絶縁シートの厚みにばらつきが発生し、信号線とグランド導体との間隔にばらつきが発生する。
国際公開第2011/007660号パンフレット
そこで、本発明の目的は、信号線路と基準グランド導体との間隔にばらつきが発生することを抑制できる高周波信号線路を提供することである。
本発明の一形態に係る高周波信号線路は、第1の誘電体層、接着層及び第2の誘電体層が積層方向の一方側から他方側へとこの順に並ぶように積層されてなる誘電体素体と、前記接着層における積層方向の一方側の主面に固着している線状の信号線と、前記第1の誘電体層における積層方向の一方側の主面に設けられている基準グランド導体と、前記第2の誘電体層に設けられている補助グランド導体と、を備えており、前記接着層は、前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層とを接着しており、前記信号線と前記基準グランド導体との積層方向における距離は、該信号線と前記補助グランド導体との積層方向における距離よりも大きいこと、を特徴とする。
本発明によれば、信号線路と基準グランド導体との間隔にばらつきが発生することを抑制できる。
本発明の一実施形態に係る高周波信号線路の外観斜視図である。 図1の高周波信号線路の積層体の分解図である。 高周波信号線路の線路部の分解斜視図である。 図3のA−Aにおける断面構造図である。 図3のB−Bにおける断面構造図である。 高周波信号線路のコネクタの外観斜視図である。 高周波信号線路のコネクタの断面構造図である。 高周波信号線路が用いられた電子機器をy軸方向から平面視した図である。 高周波信号線路が用いられた電子機器をz軸方向から平面視した図である。 変形例に係る高周波信号線路の積層体の分解図である。 高周波信号線路の開口における断面構造図である。 高周波信号線路のブリッジ部における断面構造図である。
以下に、本発明の実施形態に係る高周波信号線路について図面を参照しながら説明する。
(高周波信号線路の構成)
以下に、本発明の一実施形態に係る高周波信号線路の構成について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る高周波信号線路10の外観斜視図である。図2は、図1の高周波信号線路10の積層体12の分解図である。図3は、高周波信号線路10の線路部12aの分解斜視図である。図4は、図3のA−Aにおける断面構造図である。図5は、図3のB−Bにおける断面構造図である。以下では、高周波信号線路10の積層方向をz軸方向と定義する。また、高周波信号線路10の長手方向をx軸方向と定義し、x軸方向及びz軸方向に直交する方向をy軸方向と定義する。
高周波信号線路10は、例えば、携帯電話等の電子機器内において、2つの高周波回路を接続するために用いられるフラットケーブルである。高周波信号線路10は、図1ないし図3に示すように、誘電体素体12、外部端子16a,16b、信号線20、基準グランド導体22、補助グランド導体24、ビアホール導体b1,b2,B1〜B6及びコネクタ100a,100bを備えている。
誘電体素体12は、図1に示すように、z軸方向から平面視したときに、x軸方向に延在する可撓性を有する板状部材であり、線路部12a、接続部12b,12cを含んでいる。誘電体素体12は、図2に示すように、保護層14、誘電体シート18a、接着層19、誘電体シート18b及び保護層15がz軸方向の正方向側から負方向側へとこの順に積層されて構成されている積層体である。以下では、誘電体素体12のz軸方向の正方向側の主面を表面と称し、誘電体素体12のz軸方向の負方向側の主面を裏面と称す。
線路部12aは、図1に示すように、x軸方向に延在している。接続部12b,12cはそれぞれ、線路部12aのx軸方向の負方向側の端部及びx軸方向の正方向側の端部に接続されており、矩形状をなしている。接続部12b,12cのy軸方向の幅は、線路部12aのy軸方向の幅よりも大きい。
誘電体シート18a,18bは、図2に示すように、z軸方向から平面視したときに、x軸方向に延在しており、誘電体素体12と同じ形状をなしている。誘電体シート18a,18bは、ポリイミドや液晶ポリマ等の可撓性を有する熱可塑性樹脂により構成されているシートである。以下では、誘電体シート18a,18bのz軸方向の正方向側の主面を表面と称し、誘電体シート18a,18bのz軸方向の負方向側の主面を裏面と称す。
接着層19は、図2に示すように、z軸方向から平面視したときに、x軸方向に延在しており、誘電体素体12と同じ形状をなしている。接着層19は、ポリイミドや液晶ポリマ等の可撓性を有する熱可塑性樹脂により構成されているシートである。すなわち、接着層19は、誘電体シート18a,18bと同種の材料により作製されている。ただし、接着層19の軟化開始温度は、誘電体シート18a,18bの軟化開始温度よりも低い。本実施形態では、接着層19の軟化開始温度は、例えば、250℃であり、誘電体シート18a,18bの軟化開始温度は、例えば、280℃である。接着層19は、誘電体シート18aと誘電体シート18bとを接着している。以下では、接着層19のz軸方向の正方向側の主面を表面と称し、接着層19のz軸方向の負方向側の主面を裏面と称す。
誘電体シート18aの厚さD1は、図4及び図5に示すように、誘電体シート18bの厚さD2及び接着層19の厚さD3の合計よりも大きい。誘電体シート18a、接着層19及び誘電体シート18bの積層後において、厚さD1は、例えば、50μm〜300μmである。本実施形態では、厚さD1は150μmである。また、厚さD2及び厚さD3の合計は、例えば、10μm〜100μmである。本実施形態では、厚さD2及び厚さD3の合計は50μmである。本実施形態では、厚さD2は、20μmである。また、厚さD3は30μmである。
また、誘電体シート18aは、図2に示すように、線路部18a−a及び接続部18a−b,18a−cにより構成されている。接着層19は、図2に示すように、線路部19−a及び接続部19−b,19−cにより構成されている。誘電体シート18bは、線路部18b−a及び接続部18b−b,18b−cにより構成されている。線路部18a−a,19−a,18b−aは、線路部12aを構成している。接続部18a−b,19−b,18b−bは、接続部12bを構成している。接続部18a−c,19−c,18b−cは、接続部12cを構成している。
信号線20は、図2及び図3に示すように、高周波信号が伝送され、誘電体素体12に設けられている導体である。本実施形態では、信号線20は、接着層19の表面上に形成されており、x軸方向に延在する直線状の導体である。これにより、信号線20は、接着層19の表面に固着している。なお、固着とは、アンカー効果によって接着層19の表面から動きにくい状態になっているものも含む。信号線20のx軸方向の負方向側の端部は、図2に示すように、接続部19−bの中央に位置している。信号線20のx軸方向の正方向側の端部は、図2に示すように、接続部19−cの中央に位置している。信号線20は、銀や銅を主成分とする比抵抗の小さな金属材料により作製されている。ここで、信号線20が接着層19の表面に形成されているとは、接着層19の表面にめっきにより形成された金属箔がパターニングされて信号線20が形成されていることや、接着層19の表面に張り付けられた金属箔がパターニングされて信号線20が形成されていることを指す。また、信号線20の表面には平滑化が施されるので、信号線20において接着層19に接している面の表面粗さは、信号線20において接着層19に接していない面の表面粗さよりも大きくなる。なお、表面粗さとは、JIS B 0601−2001(ISO4287−1997に準拠)で定められている算術平均粗さRaを指し、以下同様とする。
基準グランド導体22は、図2及び図3に示すように、信号線20よりもz軸方向の正方向側に設けられているベタ状の導体層である。より詳細には、基準グランド導体22は、誘電体シート18aの表面に形成され、誘電体シート18aを介して信号線20と対向している。基準グランド導体22には、信号線20と重なる位置には開口が設けられていない。基準グランド導体22は、銀や銅を主成分とする比抵抗の小さな金属材料により作製されている。ここで、基準グランド導体22が誘電体シート18aの表面に形成されているとは、誘電体シート18aの表面にめっきにより形成された金属箔がパターニングされて基準グランド導体22が形成されていることや、誘電体シート18aの表面に張り付けられた金属箔がパターニングされて基準グランド導体22が形成されていることを指す。また、基準グランド導体22の表面には平滑化が施されるので、図4及び図5に示すように、基準グランド導体22において誘電体シート18aに接している面の表面粗さは、基準グランド導体22において誘電体シート18aに接していない面の表面粗さよりも大きくなる。
また、基準グランド導体22は、図2に示すように、線路部22a及び端子部22b,22cにより構成されている。線路部22aは、線路部18a−aの表面に設けられ、x軸方向に沿って延在している。端子部22bは、線路部18a−bの表面に設けられ、矩形状の環をなしている。端子部22bは、線路部22aのx軸方向の負方向側の端部に接続されている。端子部22cは、接続部18a−cの表面に設けられ、矩形状の環をなしている。端子部22cは、線路部22aのx軸方向の正方向側の端部に接続されている。
補助グランド導体24は、図2に示すように、信号線路20よりもz軸方向の負方向側に設けられている導体層である。より詳細には、補助グランド導体24は、誘電体シート18bの裏面に形成され、誘電体シート18b及び接着層19を介して信号線20と対向している。補助グランド導体24は、銀や銅を主成分とする比抵抗の小さな金属材料により作製されている。ここで、補助グランド導体24が誘電体シート18bの裏面に形成されているとは、誘電体シート18bの裏面にめっきにより形成された金属箔がパターニングされて補助グランド導体24が形成されていることや、誘電体シート18bの裏面に張り付けられた金属箔がパターニングされて補助グランド導体24が形成されていることを指す。また、補助グランド導体24の表面には平滑化が施されるので、図4及び図5に示すように、補助グランド導体24において誘電体シート18bに接している面の表面粗さは、補助グランド導体24において誘電体シート18bに接していない面の表面粗さよりも大きくなる。
また、補助グランド導体24は、図2及び図3に示すように、線路部24a及び端子部24b,24cにより構成されている。線路部24aは、線路部18b−aの裏面に設けられ、x軸方向に沿って延在している。端子部24bは、線路部18b−bの裏面に設けられ、矩形状の環をなしている。端子部24bは、線路部24aのx軸方向の負方向側の端部に接続されている。端子部24cは、接続部18b−cの裏面に設けられ、矩形状の環をなしている。端子部24cは、線路部24aのx軸方向の正方向側の端部に接続されている。
また、線路部24aには、図2及び図3に示すように、x軸方向に沿って並び、かつ、長方形状をなす複数の開口30が設けられている。これにより、線路部24aは、梯子状をなしている。また、補助グランド導体24において、隣り合う開口30に挟まれた部分をブリッジ部60と呼ぶ。ブリッジ部60は、y軸方向に延在している。複数の開口30及び複数のブリッジ部60とは、z軸方向から平面視したときに、信号線20に交互に重なっている。そして、本実施形態では、信号線20は、開口30及びブリッジ部60のy軸方向の中央をx軸方向に横切っている。
以上のように、基準グランド導体22には開口が設けられず、補助グランド導体24には開口が設けられている。よって、基準グランド導体22と信号線20とが重なっている面積は、補助グランド導体24と信号線20とが重なっている面積よりも大きい。
外部端子16aは、図2に示すように、接続部18a−bの表面上の中央に形成されている矩形状の導体である。よって、外部端子16aは、z軸方向から平面視したときに、信号線20のx軸方向の負方向側の端部と重なっている。外部端子16bは、図2に示すように、接続部18a−cの表面上の中央に形成されている矩形状の導体である。よって、外部端子16bは、z軸方向から平面視したときに、信号線20のx軸方向の正方向側の端部と重なっている。外部端子16a,16bは、銀や銅を主成分とする比抵抗の小さな金属材料により作製されている。また、外部端子16a,16bの表面には、Ni/Auめっきが施されている。ここで、外部端子16a,16bが誘電体シート18aの表面に形成されているとは、誘電体シート18aの表面にめっきにより形成された金属箔がパターニングされて外部端子16a,16bが形成されていることや、誘電体シート18aの表面に張り付けられた金属箔がパターニングされて外部端子16a,16bが形成されていることを指す。また、外部端子16a,16bの表面には平滑化が施されるので、外部端子16a,16bが誘電体シート18aに接している面の表面粗さは外部端子16a,16bが誘電体シート18aに接していない面の表面粗さよりも大きくなる。
外部端子16a,16b、信号線20、基準グランド導体22及び補助グランド導体24は、略等しい厚さを有している。外部端子16a,16b、信号線20、基準グランド導体22及び補助グランド導体24の厚さは、例えば、10μm〜20μmである。
以上のように、信号線20は、基準グランド導体22及び補助グランド導体24によってz軸方向の両側から挟まれている。すなわち、信号線20、基準グランド導体22及び補助グランド導体24は、トリプレート型のストリップライン構造をなしている。また、信号線20と基準グランド導体22との間隔(z軸方向における距離)は、図4及び図5に示すように誘電体シート18aの厚さD1と略等しく、例えば、50μm〜300μmである。本実施形態では、信号線20と基準グランド導体22との間隔は、150μmである。また、信号線20と補助グランド導体24との間隔(z軸方向における距離)は、図4及び図5に示すように誘電体シート18bの厚さD2及び接着層19の厚さD3の合計と略等しく、例えば、10μm〜100μmである。本実施形態では、信号線20と補助グランド導体24との間隔は、50μmである。よって、信号線20と基準グランド導体22とのz軸方向の距離は、信号線20と補助グランド導体24とのz軸方向の距離よりも大きい。
複数のビアホール導体B1は、図2に示すように、信号線20よりもy軸方向の正方向側において誘電体シート18aをz軸方向に貫通しており、x軸方向に一列に等間隔に並んでいる。複数のビアホール導体B2は、図2に示すように、信号線20よりもy軸方向の正方向側において接着層19をz軸方向に貫通しており、x軸方向に一列に等間隔に並んでいる。複数のビアホール導体B3は、図2に示すように、信号線20よりもy軸方向の正方向側において誘電体シート18bをz軸方向に貫通しており、x軸方向に一列に等間隔に並んでいる。ビアホール導体B1〜B3は、互いに接続されることにより1本のビアホール導体を構成している。また、ビアホール導体B1のz軸方向の正方向側の端部は、基準グランド導体22に接続されている。ビアホール導体B3のz軸方向の負方向側の端部は、補助グランド導体24に接続されており、より詳細には、ブリッジ部60よりもy軸方向の正方向側において補助グランド導体24に接続されている。ビアホール導体B1〜B3は、誘電体シート18a、接着層19及び誘電体シート18bに形成されたビアホールに対して銀、スズ、または銅等を主成分とする導電性ペーストが充填され、固化されることによって形成される。
複数のビアホール導体B4は、図2に示すように、信号線20よりもy軸方向の負方向側において誘電体シート18aをz軸方向に貫通しており、x軸方向に一列に等間隔に並んでいる。複数のビアホール導体B5は、図2に示すように、信号線20よりもy軸方向の負方向側において接着層19をz軸方向に貫通しており、x軸方向に一列に等間隔に並んでいる。複数のビアホール導体B6は、図2に示すように、信号線20よりもy軸方向の負方向側において誘電体シート18bをz軸方向に貫通しており、x軸方向に一列に等間隔に並んでいる。ビアホール導体B4〜B6は、互いに接続されることにより1本のビアホール導体を構成している。また、ビアホール導体B4のz軸方向の正方向側の端部は、基準グランド導体22に接続されている。ビアホール導体B6のz軸方向の負方向側の端部は、補助グランド導体24に接続されており、より詳細には、ブリッジ部60よりもy軸方向の負方向側において補助グランド導体24に接続されている。ビアホール導体B4〜B6は、誘電体シート18a、接着層19及び誘電体シート18bに形成されたビアホールに対して銀、スズ、または銅等を主成分とする導電性ペーストが充填され、固化されることによって形成される。
ビアホール導体b1は、図2に示すように、誘電体シート18aをz軸方向に貫通しており、外部端子16aと信号線20のx軸方向の負方向側の端部とを接続している。ビアホール導体b2は、図2に示すように、誘電体シート18aをz軸方向に貫通しており、外部端子16bと信号線20のx軸方向の正方向側の端部とを接続している。これにより、信号線20は、外部端子16a,16b間に接続されている。ビアホール導体b1,b2は、誘電体シート18aに形成されたビアホールに対して銀、スズ、または銅等を主成分とする導電性ペーストが充填され、固化されることによって形成される。
保護層14は、誘電体シート18aの表面の略全面を覆っている絶縁膜である。これにより、保護層14は、基準グランド導体22を覆っている。保護層14は、例えば、レジスト材等の可撓性樹脂からなる。
また、保護層14は、図2に示すように、線路部14a及び接続部14b,14cにより構成されている。線路部14aは、線路部18a−aの表面の全面を覆うことにより、線路部22aを覆っている。
接続部14bは、線路部14aのx軸方向の負方向側の端部に接続されており、接続部18a−bの表面を覆っている。ただし、接続部14bには、開口Ha〜Hdが設けられている。開口Haは、接続部14bの中央に設けられている矩形状の開口である。外部端子16aは、開口Haを介して外部に露出している。また、開口Hbは、開口Haよりもy軸方向の正方向側に設けられている矩形状の開口である。開口Hcは、開口Haよりもx軸方向の負方向側に設けられている矩形状の開口である。開口Hdは、開口Haよりもy軸方向の負方向側に設けられている矩形状の開口である。端子部22bは、開口Hb〜Hdを介して外部に露出することにより、外部端子として機能する。
接続部14cは、線路部14aのx軸方向の正方向側の端部に接続されており、接続部18a−cの表面を覆っている。ただし、接続部14cには、開口He〜Hhが設けられている。開口Heは、接続部14cの中央に設けられている矩形状の開口である。外部端子16bは、開口Heを介して外部に露出している。また、開口Hfは、開口Heよりもy軸方向の正方向側に設けられている矩形状の開口である。開口Hgは、開口Heよりもx軸方向の正方向側に設けられている矩形状の開口である。開口Hhは、開口Heよりもy軸方向の負方向側に設けられている矩形状の開口である。端子部22cは、開口Hf〜Hhを介して外部に露出することにより、外部端子として機能する。
保護層15は、誘電体シート18bの裏面の略全面を覆っている絶縁膜である。これにより、保護層15は、補助グランド導体24を覆っている。保護層15は、例えば、レジスト材等の可撓性樹脂からなる。
以上のように構成された高周波信号線路10では、信号線20の特性インピーダンスは、インピーダンスZ1とインピーダンスZ2との間を周期的に変動する。より詳細には、信号線20において開口30と重なっている区間A1では、信号線20と補助グランド導体24との間に相対的に小さな容量が形成される。そのため、区間A1における信号線20の特性インピーダンスは、相対的に高いインピーダンスZ1となる。
一方、信号線20においてブリッジ部60と重なっている区間A2では、信号線20と補助グランド導体24との間に相対的に大きな容量が形成される。そのため、区間A2における信号線20の特性インピーダンスは、相対的に低いインピーダンスZ2となる。そして、区間A1と区間A2とは、x軸方向に交互に並んでいる。よって、信号線20の特性インピーダンスは、インピーダンスZ1とインピーダンスZ2との間を周期的に変動する。インピーダンスZ1は、例えば、55Ωであり、インピーダンスZ2は、例えば、45Ωである。そして、信号線20全体の平均の特性インピーダンスは、例えば、50Ωである。
コネクタ100a,100bはそれぞれ、図1に示すように、接続部12b,12cの表面上に実装される。コネクタ100a,100bの構成は同じであるので、以下にコネクタ100bの構成を例に挙げて説明する。図6は、高周波信号線路10のコネクタ100bの外観斜視図である。図7は、高周波信号線路10のコネクタ100bの断面構造図である。
コネクタ100bは、図1、図6及び図7に示すように、コネクタ本体102、外部端子104,106、中心導体108及び外部導体110により構成されている。コネクタ本体102は、矩形状の板部材に円筒部材が連結された形状をなしており、樹脂等の絶縁材料により作製されている。
外部端子104は、コネクタ本体102の板部材のz軸方向の負方向側の面において、外部端子16bと対向する位置に設けられている。外部端子106は、コネクタ本体102の板部材のz軸方向の負方向側の面において、開口Hf〜Hhを介して露出している端子部22cに対応する位置に設けられている。
中心導体108は、コネクタ本体102の円筒部材の中心に設けられており、外部端子104と接続されている。中心導体108は、高周波信号が入力又は出力する信号端子である。外部導体110は、コネクタ本体102の円筒部材の内周面に設けられており、外部端子106と接続されている。外部導体110は、接地電位に保たれるグランド端子である。
以上のように構成されたコネクタ100bは、図6及び図7に示すように、外部端子104が外部端子16bと接続され、外部端子106が端子部22cと接続されるように、接続部12cの表面上に実装される。これにより、信号線20は、中心導体108に電気的に接続されている。また、基準グランド導体22及び補助グランド導体24は、外部導体110に電気的に接続されている。
高周波信号線路10は、以下に説明するように用いられる。図8は、高周波信号線路10が用いられた電子機器200をy軸方向から平面視した図である。図9は、高周波信号線路10が用いられた電子機器200をz軸方向から平面視した図である。
電子機器200は、高周波信号線路10、回路基板202a,202b、レセプタクル204a,204b、バッテリーパック(金属体)206及び筐体210を備えている。
回路基板202aには、例えば、アンテナを含む送信回路又は受信回路が設けられている。回路基板202bには、例えば、給電回路が設けられている。バッテリーパック206は、例えば、リチウムイオン2次電池であり、その表面が金属カバーにより覆われた構造を有している。回路基板202a、バッテリーパック206及び回路基板202bは、x軸方向の負方向側から正方向側へとこの順に並んでいる。
レセプタクル204a,204bはそれぞれ、回路基板202a,202bのz軸方向の負方向側の主面上に設けられている。レセプタクル204a,204bにはそれぞれ、コネクタ100a,100bが接続される。これにより、コネクタ100a,100bの中心導体108には、回路基板202a,202b間を伝送される例えば2GHzの周波数を有する高周波信号がレセプタクル204a,204bを介して印加される。また、コネクタ100a,100bの外部導体110には、回路基板202a,202b及びレセプタクル204a,204bを介して、グランド電位に保たれる。これにより、高周波信号線路10は、回路基板202a,202b間を接続している。
ここで、誘電体素体12の表面(より正確には、保護層14)は、バッテリーパック206に対して接触している。そして、誘電体素体12とバッテリーパック206とは、接着剤等により固定されている。
(高周波信号線路の製造方法)
以下に、高周波信号線路10の製造方法について図面を参照しながら説明する。以下では、一つの高周波信号線路10が作製される場合を例にとって説明するが、実際には、大判の誘電体シートが積層及びカットされることにより、同時に複数の高周波信号線路10が作製される。
まず、一方の主面の全面に銅箔(金属膜)が形成された熱可塑性樹脂からなる誘電体シート18a,18bを準備する。具体的には、誘電体シート18a,18bの一方の主面に銅箔を張り付ける。また、更に、誘電体シート18a,18bの銅箔の表面に、例えば、防錆のための亜鉛鍍金を施して、平滑化する。これにより、表面粗さが小さい非固着面(シャイニー面)と表面粗さが大きい固着面(マット面)とを有する銅張りの誘電体シート18a,18cが得られる。誘電体シート18a,18bは、液晶ポリマである。また、銅箔の厚さは、10μm〜20μmである。
また、一方の主面の全面に銅箔(金属膜)が形成された熱可塑性樹脂からなる接着層19を準備する。具体的には、接着層19の一方の主面に銅箔を張り付ける。また、更に、接着層19の銅箔の表面に、例えば、防錆のための亜鉛鍍金を施して、平滑化する。接着層19は、液晶ポリマである。また、銅箔の厚さは、10μm〜20μmである。
次に、誘電体シート18aの表面上に形成された銅箔をパターニングすることにより、図2に示すように、外部端子16a,16b及び基準グランド導体22を誘電体シート18aの表面上に形成する。具体的には、誘電体シート18aの表面の銅箔上に、図2に示す外部端子16a,16b及び基準グランド導体22と同じ形状のレジストを印刷する。そして、銅箔に対してエッチング処理を施すことにより、レジストにより覆われていない部分の銅箔を除去する。その後、レジスト液を吹き付けてレジストを除去する。これにより、図2に示すような、外部端子16a,16b及び基準グランド導体22が誘電体シート18aの表面上にフォトリソグラフィ工程により形成される。
次に、図2に示すように、信号線20を接着層19の表面上に形成する。また、図2に示すように、補助グランド導体24を誘電体シート18bの裏面上に形成する。なお、信号線20及び補助グランド導体24の形成工程は、外部端子16a,16b、信号線20及び基準グランド導体22の形成工程と同じであるので説明を省略する。
次に、誘電体シート18a,18b及び接着層19のビアホール導体b1,b2,B1〜B6が形成される位置にレーザービームを照射することによって貫通孔を形成する。そして、貫通孔に導電性ペーストを充填し、ビアホール導体b1,b2,B1〜B6を形成する。
次に、図2に示すように、誘電体シート18a、接着層19及び誘電体シート18bをz軸方向の正方向側から負方向側へとこの順に積み重ねて誘電体素体12を形成する。この際、誘電体シート18a、接着層19及び誘電体シート18bに対してz軸方向の正方向側及び負方向側から熱及び圧力を加えることにより、誘電体シート18a、接着層19及び誘電体シート18bを圧着する。なお、加熱温度は、例えば、250℃以上280より低い温度である。これにより、誘電体シート18a,18bは軟化せずに、接着層19のみが軟化する。その結果、誘電体シート18a,18bが接着層19により接着される。
次に、図2に示すように、樹脂(レジスト)ペーストをスクリーン印刷により塗布することにより、誘電体シート18aの表面上に基準グランド導体22を覆う保護層14を形成する。
次に、図2に示すように、樹脂(レジスト)ペーストをスクリーン印刷により塗布することにより、誘電体シート18bの裏面上に補助グランド導体24を覆う保護層15を形成する。
最後に、接続部12b,12c上の外部端子16a,16b及び端子部22b,22c上にはんだを用いてコネクタ100a,100bを実装する。これにより、図1に示す高周波信号線路10が得られる。
(効果)
以上のように構成された高周波信号線路10によれば、信号線20と基準グランド導体22との間隔にばらつきが発生することを抑制できる。より詳細には、高周波信号線路10では、接着層19の軟化開始温度は、誘電体シート18a,18bの軟化開始温度よりも低い。そこで、誘電体シート18a、接着層19及び誘電体シート18bの圧着時の温度を、接着層19の軟化開始温度以上であって誘電体シート18a,18bの軟化開始温度より低い温度に設定する。これにより、誘電体シート18a、接着層19及び誘電体シート18bの圧着時に、接着層19は軟化し、誘電体シート18aは軟化しない。高周波信号線路10では、信号線20は、接着層19の表面上に固着しており、基準グランド導体22は、誘電体シート18aの表面に設けられている。これにより、信号線20と基準グランド導体22との間には誘電体シート18aのみが存在するようになる。よって、誘電体シート18aが軟化することによって、信号線20と基準グランド導体22との間隔にばらつきが発生することが抑制される。そして、基準グランド導体22と信号線20とが重なっている面積は、補助グランド導体24と信号線20とが重なっている面積よりも大きい。そのため、信号線20と基準グランド導体22との間に形成されている容量は、信号線20と補助グランド導体22との間に形成されている容量よりも大きい。よって、信号線20と基準グランド導体22との間隔にばらつきが発生することが抑制されると、信号線20の特性インピーダンスにばらつきが発生することが抑制される。
また、高周波信号線路10では、誘電体素体12の薄型化を図ることができると共に、所望の電気的特性を得ることが容易となる。より詳細には、一般的な高周波信号線路において、前記のように、グランド導体と信号線との間隔にばらつきが発生することを抑制するためには、例えば、接着層を用いて誘電体シート同士を接着することが考えられる。接着層が用いられることにより、圧着時に誘電体シートを軟化させる必要がなくなる。これにより、圧着時の温度が低くなり、誘電体シートが軟化しなくなる。その結果、信号線とグランド導体との間隔にばらつきが発生することが抑制される。
しかしながら、この場合、信号線が形成された誘電体シートと、2つのグランド導体が形成された2層の誘電体シートとが必要となる。すなわち、3層の誘電体シートが必要となる。そのため、誘電体素体の厚さが大きくなってしまう。更に、3層の誘電体シートを接着するために2層の接着層が必要となる。接着層は、誘電率や誘電損失、吸水率等の特性において誘電体シートと大きく異なっている。そのため、誘電体素体に含まれる接着層の割合が大きくなると、高周波信号線路において所望の電気特性を得ることが困難となる。
一方、高周波信号線路10では、接着層19に信号線20が形成されている。そのため、信号線20が形成された誘電体シートが不要となり、2層の誘電体シート18a,18bだけで足りる。その結果、高周波信号線路10では、誘電体素体12の薄型化が図られる。また、高周波信号線路10では、接着層19は1層だけしか設けられていない。そのため、高周波信号線路10では、所望の電気的特性を容易に得ることができる。
また、高周波信号線路10では、両方の主面に銅箔が形成された誘電体シートを用いる必要がない。より詳細には、一般的な高周波信号線路において、前記のように、グランド導体と信号線との間隔にばらつきが発生することを抑制するためには、例えば、接着層を用いて誘電体シート同士を接着することが考えられる。この場合、一方の主面にグランド導体が形成され、他方の主面に信号線が形成された誘電体シートと、グランド導体が形成された2層の誘電体シートとを、接着層によって接着することが考えられる。接着層が用いられることにより、圧着時に誘電体シートを軟化させる必要がなくなる。これにより、圧着時の温度が低くなり、誘電体シートが軟化しなくなる。その結果、信号線とグランド導体との間隔にばらつきが発生することが抑制される。
しかしながら、一方の主面に信号線が形成され他方の主面にグランド導体が形成された誘電体シートを作製するためには、両方の主面に銅箔が形成された誘電体シートを用いる必要がある。両方の主面に銅箔が形成された誘電体シートは、一方の主面に銅箔が形成された誘電体シートよりも固い。更に、両方の主面に銅箔が形成された誘電体シートでは、一方の主面に銅箔が形成された誘電体シートよりも、信号線及びグランド導体のパターニング工程も複雑となる。
一方、高周波信号線路10では、接着層19に信号線20が形成されている。そのため、誘電体シート18aの表面に基準グランド導体22が形成され、誘電体シート18bの裏面に補助グランド導体24が形成されている。したがって、高周波信号線路10では、両方の主面に銅箔が形成された誘電体シート18を用いる必要がない。
また、高周波信号線路10によれば、薄型化を図ることができる。より詳細には、高周波信号線路10では、区間A1において、信号線20は、z軸方向から平面視したときに、補助グランド導体24と重なっていない。そのため、信号線20と補助グランド導体24との間に容量が形成されにくい。したがって、信号線20と補助グランド導体24とのz軸方向における距離を小さくしても、信号線20と補助グランド導体24との間に形成される容量が大きくなり過ぎない。よって、信号線20の特性インピーダンスが所定の特性インピーダンス(例えば、50Ω)からずれにくい。その結果、高周波信号線路10によれば、信号線20の特性インピーダンスを所定の特性インピーダンスに維持しつつ、薄型化を図ることが可能である。
また、高周波信号線路10によれば、高周波信号線路10がバッテリーパック206のような金属体に貼り付けられた場合に、信号線20の特性インピーダンスが変動することが抑制される。より詳細には、高周波信号線路10は、信号線20とバッテリーパック206との間にベタ状の基準グランド導体22が位置するように、バッテリーパック206に貼り付けられる。これにより、信号線20とバッテリーパック206とが開口を介して対向しなくなり、信号線20とバッテリーパック206との間に容量が形成されることが抑制される。その結果、高周波信号線路10がバッテリーパック206に貼り付けられることによって、信号線20の特性インピーダンスが低下することが抑制される。
(変形例)
以下に、変形例に係る高周波信号線路の構成について図面を参照しながら説明する。図10は、変形例に係る高周波信号線路10aの積層体12の分解図である。図11は、高周波信号線路10aの開口30における断面構造図である。図12は、高周波信号線路10aのブリッジ部60における断面構造図である。高周波信号線路10aの外観斜視図については、図1を援用する。
高周波信号線路10aは、接着層19の材料が異なっている点、及び、スルーホール導体T1〜T4が用いられている点において、高周波信号線路10と相違する。より詳細には、高周波信号線路10aでは、接着層19は、エポキシ系の熱硬化性樹脂により作製されている。接着層19の硬化開始温度は、誘電体シート18a,18bの軟化開始温度よりも低い。これにより、信号線20を接着層19の表面上に直接に形成することができない。そのため、信号線20として、線状をなす圧延金属板が用いられている。そして、信号線20は、接着層19の表面に固着している。ただし、信号線20が圧延金属板であるので、図11及び図12に示すように、信号線20において、z軸方向の正方向側の面及びz軸方向の負方向側の面は滑らかである。そのため、信号線20は、接着層19の接着力によって接着層19に接着されており、アンカー効果によって固着しているのではない。
また、接着層19に熱硬化性樹脂が用いられると、ビアホール導体を形成することができない。そこで、高周波信号線路10aでは、図10及び図12に示すように、スルーホール導体T1〜T4が形成されている。
複数のスルーホール導体T1は、図10に示すように、信号線20よりもy軸方向の正方向側において誘電体シート18a、接着層19及び誘電体シート18bをz軸方向に貫通しており、x軸方向に一列に等間隔に並んでいる。スルーホール導体T1のz軸方向の正方向側の端部は、基準グランド導体22に接続されている。スルーホール導体T1のz軸方向の負方向側の端部は、補助グランド導体24に接続されている。これにより、スルーホール導体T1は、基準グランド導体22と補助グランド導体24とを接続している。スルーホール導体T1は、積層後の誘電体シート18a、接着層19及び誘電体シート18bを貫通するスルーホールの内周面にめっきによりニッケルまたは金などを主成分とする金属膜が形成されることによって形成されている。
複数のスルーホール導体T2は、図10に示すように、信号線20よりもy軸方向の負方向側において誘電体シート18a、接着層19及び誘電体シート18bをz軸方向に貫通しており、x軸方向に一列に等間隔に並んでいる。スルーホール導体T2のz軸方向の正方向側の端部は、基準グランド導体22に接続されている。スルーホール導体T2のz軸方向の負方向側の端部は、補助グランド導体24に接続されている。これにより、スルーホール導体T2は、基準グランド導体22と補助グランド導体24とを接続している。スルーホール導体T2は、積層後の誘電体シート18a、接着層19及び誘電体シート18bを貫通するスルーホールの内周面にめっきによりニッケルまたは金などを主成分とする金属膜が形成されることによって形成されている。
スルーホール導体T3は、図10に示すように、誘電体シート18a、接着層19及び誘電体シート18bをz軸方向に貫通しており、外部端子16aと信号線20のx軸方向の負方向側の端部とを接続している。スルーホール導体T4は、図10に示すように、誘電体シート18a、接着層19及び誘電体シート18bをz軸方向に貫通しており、外部端子16bと信号線20のx軸方向の正方向側の端部とを接続している。これにより、信号線20は、外部端子16a,16b間に接続されている。スルーホール導体T3,T4は、積層後の誘電体シート18a、接着層19及び誘電体シート18bを貫通するスルーホールの内周面にめっきによりニッケルまたは金などを主成分とする金属膜が形成されることによって形成されている。
また、保護層14において、スルーホール導体T1,T2と重なる位置に開口O1,O2が設けられている。また、保護層15において、スルーホールT1〜T4と重なる位置に開口O3〜O6が設けられている。
以上のように構成された高周波信号線路10aによれば、信号線20と基準グランド導体22との間隔にばらつきが発生することを抑制できる。より詳細には、高周波信号線路10aでは、熱硬化性樹脂からなる接着層19が用いられている。接着層19の硬化開始温度は、誘電体シート18a,18bの軟化開始温度よりも低い。そこで、誘電体シート18a、接着層19及び誘電体シート18bの圧着時の温度を、接着層19の硬化開始温度以上であって誘電体シート18a,18bの軟化開始温度より低い温度に設定する。これにより、誘電体シート18a、接着層19及び誘電体シート18bの圧着時に、誘電体シート18a,18bを加熱により軟化させることなく、接着層19を加熱により硬化させて、誘電体シート18a,18bを接着することが可能となる。高周波信号線路10aでは、信号線20は、接着層19の表面上に固着しており、基準グランド導体22は、誘電体シート18aの表面に設けられている。これにより、信号線20と基準グランド導体22との間には誘電体シート18aのみが存在するようになる。よって、誘電体シート18aが軟化することによって、信号線20と基準グランド導体22との間隔にばらつきが発生することが抑制される。そして、基準グランド導体22と信号線20とが重なっている面積は、補助グランド導体24と信号線20とが重なっている面積よりも大きい。そのため、信号線20と基準グランド導体22との間に形成されている容量は、信号線20と補助グランド導体22との間に形成されている容量よりも大きい。よって、信号線20と基準グランド導体22との間隔にばらつきが発生することが抑制されると、信号線20の特性インピーダンスにばらつきが発生することが抑制される。
また、高周波信号線路10aでは、信号線20と補助グランド導体24との間に位置する誘電体シート18b及び接着層19が加熱により軟化しない。そのため、信号線20と補助グランド導体24との間隔にばらつきが発生することも抑制される。
また、高周波信号線路10aでは、高周波信号線路10と同様に、誘電体素体12の薄型化を図ることができると共に、所望の電気的特性を得ることが容易となる。
また、高周波信号線路10aでは、高周波信号線路10と同様に、両方の主面に銅箔が形成された誘電体シート18を用いる必要がない。
また、高周波信号線路10aによれば、高周波信号線路10と同様に、高周波信号線路10aがバッテリーパック206のような金属体に貼り付けられた場合に、信号線20の特性インピーダンスが変動することが抑制される。
(その他の実施形態)
本発明に係る高周波信号線路は、高周波信号線路10,10aに限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。
なお、高周波信号線路10,10aの構成を組み合わせてもよい。
保護層14,15は、スクリーン印刷によって形成されているが、フォトリソグラフィ工程によって形成されてもよい。
なお、高周波信号線路10,10aにおいて、コネクタ100a,100bが実装されていなくてもよい。この場合、高周波信号線路10,10aの端部と回路基板とがはんだによって接続される。なお、高周波信号線路10,10aの一方の端部のみにコネクタ100aが実装されてもよい。
また、コネクタ100a,100bは、高周波信号線路10,10aの表面に実装されているが、高周波信号線路10,10aの裏面に実装されていてもよい。また、コネクタ100aが高周波信号線路10,10aの表面に実装され、コネクタ100bが高周波信号線路10,10aの裏面に実装されてもよい。
また、高周波信号線路10,10aにおいて、基準グランド導体22及び補助グランド導体24の少なくともいずれか一方が設けられていなくてもよい。
また、補助グランド導体24には、開口が設けられていなくてもよい。
また、補助グランド導体24は、誘電体シート18bの表面に設けられていてもよい。
なお、高周波信号線路10,10aは、アンテナフロントエンドモジュールなどRF回路基板における高周波信号線路として用いられてもよい。
以上のように、本発明は、高周波信号線路に有用であり、特に、信号線路と基準グランド導体との間隔にばらつきが発生することを抑制できる点において優れている。
10,10a 高周波信号線路
12 誘電体素体
18a,18b 誘電体シート
19 接着層
20 信号線
22 基準グランド導体
24 補助グランド導体
30 開口
60 ブリッジ部

Claims (7)

  1. 第1の誘電体層、接着層及び第2の誘電体層が積層方向の一方側から他方側へとこの順に並ぶように積層されてなる誘電体素体と、
    前記接着層における積層方向の一方側の主面に固着している線状の信号線と、
    前記第1の誘電体層における積層方向の一方側の主面に設けられている基準グランド導体と、
    前記第2の誘電体層に設けられている補助グランド導体と、
    を備えており、
    前記接着層は、前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層とを接着しており、
    前記信号線と前記基準グランド導体との積層方向における距離は、該信号線と前記補助グランド導体との積層方向における距離よりも大きいこと、
    を特徴とする高周波信号線路。
  2. 前記補助グランド導体には、前記信号線に沿って並ぶ複数の開口が設けられていること、
    を特徴とする請求項1に記載の高周波信号線路。
  3. 前記基準グランド導体と前記信号線とが重なっている面積は、前記補助グランド導体と該信号線とが重なっている面積よりも大きいこと、
    を特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の高周波信号線路。
  4. 前記補助グランド導体は、前記第2の誘電体層における積層方向の他方側の主面に設けられていること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の高周波信号線路。
  5. 前記誘電体素体は可撓性を有していること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の高周波信号線路。
  6. 前記第1の誘電体層、前記第2の誘電体層及び前記接着層は、熱可塑性樹脂からなり、
    前記接着層の軟化開始温度は、前記第1の誘電体層の軟化開始温度及び前記第2の誘電体層の軟化開始温度よりも低いこと、
    を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の高周波信号線路。
  7. 前記接着層は、熱硬化性樹脂からなり、
    前記信号線は、前記接着層に固着されていること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の高周波信号線路。
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