JP5862281B2 - 調湿装置 - Google Patents

調湿装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5862281B2
JP5862281B2 JP2011282178A JP2011282178A JP5862281B2 JP 5862281 B2 JP5862281 B2 JP 5862281B2 JP 2011282178 A JP2011282178 A JP 2011282178A JP 2011282178 A JP2011282178 A JP 2011282178A JP 5862281 B2 JP5862281 B2 JP 5862281B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
moisture
liquid absorbent
absorbent
humidity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011282178A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013130382A (ja
Inventor
尚利 藤田
尚利 藤田
池上 周司
周司 池上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2011282178A priority Critical patent/JP5862281B2/ja
Publication of JP2013130382A publication Critical patent/JP2013130382A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5862281B2 publication Critical patent/JP5862281B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Air Conditioning Control Device (AREA)
  • Central Air Conditioning (AREA)
  • Air Humidification (AREA)

Description

本発明は、液体吸収剤を用いて空気を調湿する調湿装置に関するものである。
従来より、塩化リチウム水溶液等の液体吸収剤と、液体吸収剤は透過させずに水蒸気だけを透過させる透湿膜とを備えた調湿装置が知られている。例えば、特許文献1には、除湿運転と加湿運転とが切換可能な調湿装置が開示されている(特許文献1の例えば段落〔0031〕〜〔0033〕、図8を参照)。この調湿装置は、液体吸収剤が循環する吸収剤回路と、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路とを備えている。
吸収剤回路には、吸湿部と放湿部とが接続されている。吸湿部では、室内へ供給される空気が流れる空気通路と液体吸収剤が流れる液体通路とが透湿膜によって仕切られている。一方、放湿部では、室外へ排出される空気が流れる空気通路と液体吸収剤が流れる液体通路とが透湿膜によって仕切られている。また、吸収剤回路には、吸湿部から放湿部へ向かう通路に冷媒回路の凝縮部(放熱部)が接続され、放湿部から吸湿部へ向かう通路に冷媒回路の蒸発部が接続されている。凝縮部は、冷媒から放熱して液体吸収剤を加熱する加熱部を構成し、蒸発部は、冷媒が吸熱して液体吸収剤を冷却する冷却部を構成する。
この調湿装置では、蒸発部で冷却された液体吸収剤が吸湿部へ流入する。吸湿部では、空気の水分が液体吸収剤に吸収され、この空気が除湿される。除湿された空気は、室内へ供給される。吸湿部で水分を吸収した液体吸収剤は、凝縮部で加熱された後に放湿部へ流入する。放湿部では、液体吸収剤の水分が空気へ放出される。水分が放出された空気は、室外へ放出される。放湿部で水分を放出した液体吸収剤は、再び蒸発部で冷却された後に吸湿部へ流入する。このように、吸収剤回路内を液体吸収剤が循環することにより、室内の調湿が連続的に行われる。
特開平05−146627号公報
しかしながら、特許文献1に記載の調湿装置では、吸収剤回路において、放湿部の流入側で加熱した液体吸収剤を吸湿部の流入側で冷却する、というように、吸収剤回路を循環する液体吸収剤の加熱と冷却とを交互に行う必要がある。このため、冷媒回路の圧縮機の消費電力の増大を招いてしまう。また、吸収剤回路では、液体吸収剤を連続的に循環させる必要があるため、液体吸収剤を搬送するポンプの動力も大きくなってしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、省エネ性に優れた調湿装置を提供することである。
第1の発明は、調湿装置を対象とする。そして、この調湿装置は、圧縮機(36)と放熱部(46b,46a)と蒸発部(46a,46b)とが接続される冷媒回路(35)と、該蒸発部(46a,46b)の周囲に形成される吸湿路(41a,41b)の液体吸収剤が空気の水分を吸収する吸湿部(40a,40b)と、放熱部(46b,46a)の周囲に形成される放湿路(41b,41a)の液体吸収剤が空気へ水分を放出する放湿部(40b,40a)と、液体吸収剤を搬送するポンプ機構(12)とが接続される吸収剤回路(11)と、上記放湿部(40b,40a)及び吸湿部(40a,40b)の一方を通過した空気を室内へ供給する給気ファン(27)と、上記放湿部(40b,40a)及び吸湿部(40a,40b)の他方を通過した空気を室外へ排出する排気ファン(28)と、吸湿路(41a,41b)及び放湿路(41b,41a)に液体吸収剤が留まるようにポンプ機構(12)を停止し且つ圧縮機(36)、上記給気ファン(27)、及び上記排気ファン(28)を運転する第1運転と、上記吸湿路(41a,41b)と放湿路(41b,41a)の各液体吸収剤を相互に入れ替えるように上記ポンプ機構(12)を運転し且つ圧縮機(36)、上記給気ファン(27)、及び上記排気ファン(28)を運転する第2運転とを交互に繰り返す運転制御部(103)とを備えていることを特徴とする。
第1の発明の吸湿部(40a,40b)では、蒸発部(46a,46b)の周囲に吸湿路(41a,41b)が形成され、この吸湿路(41a,41b)を流れる液体吸収剤が蒸発部(46a,46b)の冷媒によって冷却される。これにより、吸湿部(40a,40b)では、空気中の水蒸気が液体吸収剤に吸収される。また、放湿部(40b,40a)では、放熱部(46b,46a)の周囲に放湿路(41b,41a)が形成され、この放湿路(41b,41a)を流れる液体吸収剤が放熱部(46b,46a)の冷媒によって加熱される。これにより、放湿部(40b,40a)では、液体吸収剤の水蒸気が空気中へ放出される。調湿装置では、吸湿部(40a,40b)で水分が吸収された空気が室内へ供給されることで、室内の除湿が行われる。また、調湿装置では、放湿部(40b,40a)で水分が放出された空気が室内へ供給されることで、室内の加湿が行われる。
第1の発明では、運転制御部(103)によって第1運転と第2運転とが切り換えて行われる。第1運転では、冷媒回路(35)の圧縮機(36)が運転される一方、吸収剤回路(11)のポンプ機構(12)が停止状態となる。このため、吸収剤回路(11)では、液体吸収剤が循環することがなく、吸湿路(41a,41b)及び放湿路(41b,41a)にそれぞれ液体吸収剤が溜まった状態となる。吸湿路(41a,41b)に溜まった液体吸収剤は、蒸発部(46a,46b)によって冷却され、放湿路(41b,41a)に溜まった液体吸収剤は、放熱部(46b,46a)によって加熱される。
吸湿路(41a,41b)の液体吸収剤が冷却されると、この液体吸収剤の水蒸気分圧が低くなる。このため、空気が吸湿部(40a,40b)を通過すると、この空気中の水蒸気が吸湿路(41a,41b)の液体吸収剤に吸収される。また、放湿路(41b,41a)の液体吸収剤が加熱されると、この液体吸収剤の水蒸気分圧が高くなる。このため、空気が放湿部(40b,40a)を通過すると、放湿路(41b,41a)の液体吸収剤中の水蒸気が空気中へ放出される。従って、第1運転では、吸湿部(40a,40b)で水分が吸収された空気を室内へ供給して、室内の除湿を行うことができる。また、この第1運転では、放湿部(40b,40a)で水分が放出された空気を室内へ供給して、室内の加湿を行うことができる。
一方、第1運転を継続すると、吸湿路(41a,41b)の液体吸収剤の濃度が徐々に低くなっていく。従って、吸湿部(40a,40b)では、空気の吸湿能力(除湿能力)が徐々に低下していく。また、第1運転を継続すると、放湿路(41b,41a)の液体吸収剤の濃度が徐々に高くなっていく。従って、放湿部(40b,40a)では、空気の放湿能力(加湿能力)が徐々に低下していく。このため、本発明では、運転制御部(103)によって第1運転から第2運転へ切換可能となっている。
第2運転では、冷媒回路(35)の圧縮機(36)が運転され、且つ吸収剤回路(11)のポンプ機構(12)が運転される。ポンプ機構(12)は、吸湿部(40a,40b)の吸湿路(41a,41b)にある液体吸収剤と、放湿部(40b,40a)の放湿路(41b,41a)にある液体吸収剤とを、互いに入れ替えるように運転される。具体的に、上述した第1運転により、吸湿路(41a,41b)には濃度が低くなった液体吸収剤が溜まっており、放湿路(41b,41a)には濃度が高くなった液体吸収剤が溜まっているとする。この状態から第2運転を行うと、高濃度の液体吸収剤が吸湿路(41a,41b)へ移動し、低濃度の液体吸収剤が放湿路(41b,41a)へ移動する。従って、その後に第1運転を再び行うことで、吸湿部(40a,40b)では、十分な吸湿能力(除湿能力)を得ることができる。また、放湿部(40b,40a)では、十分な放湿能力(加湿能力)を得ることができる。
第2の発明は、第1の発明において、室内へ供給される空気の調湿能力の低下を判定する判定部(102)を備え、上記運転制御部(103)は、上記第1運転中に上記判定部(102)が調湿能力の低下を判定すると、該第1運転から上記第2運転へ切り換えることを特徴とする。
第2の発明では、第1運転中に判定部(102)が調湿能力の低下を判定する。つまり、上述のように、第1運転を継続して行うと、吸湿部(40a,40b)では、液体吸収剤の濃度が低くなって吸湿能力が低下し、放湿部(40b,40a)では、液体吸収剤の濃度が高くなって放湿能力が低下してしまう。判定部(102)が、このような調湿能力の低下を判定すると、運転制御部(103)は、第1運転から第2運転へと運転モードを切り換える。第2運転が行われると、高濃度の液体吸収剤が吸湿路(41a,41b)へ送られ、低濃度の液体吸収剤が放湿路(41b,41a)へ送られる。その結果、吸湿部(40a,40b)の吸湿能力が回復し、放湿部(40b,40a)での放湿能力も回復する。
第3の発明は、第2の発明において、室内へ供給される空気の湿度を検出する給気湿度検出部(111)を備え、上記判定部(102)は、上記給気湿度検出部(111)の検出値に基づいて調湿能力の低下を判定することを特徴とする。
第3の発明では、吸湿部(40a,40b)又は放湿部(40b,40a)を通過した空気が室内へ供給される。給気湿度検出部(111)は、室内へ供給される空気の湿度を検出する。第1運転時において、吸湿部(40a,40b)の吸湿能力や放湿部(40b,40a)の放湿能力が低下すると、室内へ供給される空気の湿度が変化する。そこで、判定部(102)は、給気湿度検出部(111)で検出した供給空気の湿度に基づいて、調湿能力の低下を判定する。これに伴い、調湿装置では、第1運転から第2運転へと運転モードが切り換えられる。
第4の発明は、第2の発明において、上記吸収剤回路(11)の液体吸収剤の濃度を検出する液濃度検出部(113)を備え、上記判定部(102)は、上記液濃度検出部(113)の検出値に基づいて調湿能力の低下を判定することを特徴とする。
第4の発明では、液濃度検出部(113)が、吸収剤回路(11)の液体吸収剤の濃度を検出する。第1運転時において、吸収剤回路(11)の液体吸収剤の濃度が変化すると、吸湿部(40a,40b)の吸湿能力や放湿部(40b,40a)の放湿能力も変化する。そこで、判定部(102)は、このような液体吸収剤の濃度に基づいて、調湿能力の低下を判定する。これに伴い、調湿装置では、第1運転から第2運転へと運転モードが切り換えられる。
第5の発明は、第1の発明において、運転制御部(103)は、上記第1運転が開始されてから設定部(101)に設定された時間が経過すると、該第1運転から上記第2運転へ切り換えることを特徴とする。
第5の発明では、第1運転が開始されてから設定部(101)に設定された時間が経過すると、第1運転から第2運転へと運転モードが切り換えられる。
本発明では、第1運転にポンプ機構(12)を停止させ、吸湿路(41a,41b)と放湿路(41b,41a)とにそれぞれ液体吸収剤を溜めた状態で、吸湿路(41a,41b)の液体吸収剤を冷却し且つ放湿路(41b,41a)の液体吸収剤を加熱している。このため、本発明によれば、従来例のように、吸収剤回路(11)を循環する液体吸収剤を蒸発部と放熱部とで交互に繰り返し加熱/冷却する必要がない。これにより、液体吸収剤の冷却と加熱とを繰り返すことに起因する熱ロスを抑えることができ、圧縮機(36)の消費電力を低減できる。
加えて、第1運転では、ポンプ機構(12)も運転させる必要がないため、ポンプ機構(12)の動力も低減できる。その結果、省エネ性に優れた調湿装置を提供できる。
また、第2運転を実行させることで、吸湿路(41a,41b)にあった低濃度の液体吸収剤を放湿路(41b,41a)に送るとともに、放湿路(41b,41a)にあった高濃度の液体吸収剤を吸湿路(41a,41b)に送ることができる。これにより、吸湿部(40a,40b)における除湿能力や、放湿部(40b,40a)における加湿能力を十分に維持することができ、この調湿装置の信頼性を確保できる。
また、第2運転では、吸湿路(41a,41b)と放湿路(41b,41a)との間で液体吸収剤を入れ替える間だけポンプ機構(12)を運転すればよいので、ポンプ機構(12)の動力も低く抑えることができる。
また、第1運転と第2運転の切換時にも、圧縮機(36)を継続して運転できるので、吸湿路(41a,41b)での液体吸収剤の冷却及び放湿路(41b,41a)での液体吸収剤の加熱を維持できるとともに、圧縮機(36)の発停回数も抑えることができる。
更に、本発明では、吸収剤回路に流路切換弁等や複数のポンプ機構等を設けずとも、単純にポンプ機構(12)をON/OFFさせることで、第1運転と第2運転とを切り換えることができる。これにより、吸収剤回路(11)の簡素化、ひいては調湿装置の低コスト化を図ることができる。
第2の発明では、第1運転時において、調湿能力が低下したと判定されると、第2運転へ移行するようにしているので、省エネ性と信頼性とを両立させた調湿装置を提供できる。また、第5の発明では、センサ等の検知部を設けることなく、設定部(101)に設定された時間に応じて、第1運転から第2運転へと確実に運転モードを切り換えることができる。
図1は、実施形態に係る調湿装置の概略構造を示す平面図である。 図2は、実施形態に係る給気側及び排気側のモジュールをその一部を省略して図示した概略斜視図である。 図3は、実施形態に係る給気側及び排気側のモジュールをその一部を省略して図示した水平断面図である。 図4は、実施形態に係る冷媒回路及び吸収剤回路の概略構成図であり、除湿運転における冷媒の流れ、及び吸収剤の流れ(入れ替え運転時のみ)を示す図である。 図5は、実施形態に係る冷媒回路及び吸収剤回路の概略構成図であり、加湿運転における冷媒の流れ、及び吸収剤の流れ(入れ替え運転時のみ)を示す図である。 図6は、実施形態の変形例1に係る冷媒回路及び吸収剤回路の概略構成図である。 図7は、実施形態の変形例2に係る冷媒回路及び吸収剤回路の概略構成図である。 図8は、その他の実施形態に係る冷媒回路及び吸収剤回路の概略構成図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
実施形態の調湿装置(10)は、液体吸収剤を用いて室内の調湿を行う。調湿装置(10)は、除湿運転と加湿運転とを選択的に行う。また、調湿装置(10)は、室外の空気(OA)を取り込み、この空気を供給空気(SA)として室内へ供給する同時に、室内の空気(RA)を取り込み、この空気を排出空気(EA)として室外へ排出する。
〈調湿装置の構成〉
本実施形態の調湿装置(10)は、ケーシング(20)を備えている。ケーシング(20)には、給気ファン(27)、排気ファン(28)、給気側モジュール(40a)、及び排気側モジュール(40b)が収容されている。
−ケーシング−
図1に示すように、ケーシング(20)は、直方体の箱状に形成されている。ケーシング(20)では、その一方の端面に外気吸込口(21)と排気口(24)とが形成され、その他方の端面に内気吸込口(23)と給気口(22)とが形成されている。ケーシング(20)の内部空間は、給気通路(25)と排気通路(26)に仕切られている。給気通路(25)は、外気吸込口(21)及び給気口(22)に連通している。給気通路(25)には、給気ファン(27)と給気側モジュール(40a)とが配置されている。一方、排気通路(26)は、内気吸込口(23)及び排気口(24)に連通している。排気通路(26)には、排気ファン(28)と排気側モジュール(40b)とが配置されている。
−給気側モジュール及び排気側モジュール−
給気側モジュール(40a)及び排気側モジュール(40b)は、液体吸収剤を用いて空気を調湿する調湿用モジュールである。各モジュール(40a,40b)は、図2及び図3に示すように、複数の内側部材(60)と外側ケース(50)と伝熱部材(46a,46b)とを備えている。
各内側部材(60)は、両端が開口した中空の直方体状に形成されている。この内側部材(60)は、支持枠(61)と該支持枠(61)の側面を覆う透湿膜(62)とを備えている。この透湿膜(62)は、液体吸収剤を透過させずに水蒸気を透過させる膜である。この透湿膜(62)としては、例えば、PTFE等のフッ素樹脂から成る疎水性多孔膜を用いることができる。
外側ケース(50)は中空の直方体状に形成され、この外側ケース(50)の側板(53,54)には複数の通風孔(56)が形成されている。この外側ケース(50)には、複数の通風孔(56)と同数の内側部材(60)が収容されている。内側部材(60)は、それぞれの側面を覆う透湿膜(62)が互いに向かい合う姿勢で、外側ケース(50)の長手方向に一列に配列されている。そして、内側部材(60)は、その開口部(63)が側板(53,54)の通風孔(56)と重なるように、外側ケース(50)に固定される。
内側部材(60)の内側の空間は、外側ケース(50)の通風孔(56)を介して外部と連通しており、空気が流れる空気通路(42)となっている。空気通路(42)には、給気通路(25)又は排気通路(26)を流れる空気が流通する。
また、内側部材(60)の外側で且つ外側ケース(50)の内側の空間は、液体吸収剤が流れる吸収剤通路(41)となっている。吸収剤通路(41)では、吸収剤回路(11)を循環する液体吸収剤が流通する。従って、透湿膜(62)は、その表面が空気通路(42)を流れる空気と接触し、その裏面が吸収剤回路(11)を流れる液体吸収剤と接触する。
給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)と、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)とは、複数本の伝熱管(70)と、一つの第1ヘッダ(71)と、一つの第2ヘッダ(72)とを備えている。各伝熱管(70)は、内部が複数の流路に仕切られた多穴扁平管である。複数の伝熱管(70)は、それぞれの平坦面が互いに向かい合う姿勢で、互いに一定の間隔をおいて一列に配置されている。第1ヘッダ(71)は一列に配置された各伝熱管(70)の上端に接合され、第2ヘッダ(72)は一列に配置された各伝熱管(70)の下端に接合されている。
外側ケース(50)内において、各伝熱部材(46a,46b)の伝熱管(70)は、隣り合う内側部材(60)の間に一本ずつ配置され、この伝熱管(70)の表面が吸収剤通路(41)を流れる液体吸収剤と接触する。つまり、給気側モジュール(40a)及び排気側モジュール(40b)では、伝熱部材(46a,46b)の周囲に液体吸収剤が流れる吸収剤通路(41)(詳細は後述する放湿路(41b,41a)及び吸湿路(41a,41b))が形成される。
−冷媒回路−
調湿装置(10)は、図4に示すように、冷媒回路(35)を備えている。冷媒回路(35)は、圧縮機(36)と、四路切換弁(37)と、膨張弁(38)と、給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)と、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)とが接続された閉回路である。この冷媒回路(35)では、圧縮機(36)の吐出側が四路切換弁(37)の第1のポートに、圧縮機(36)の吸入側が四路切換弁(37)の第2のポートに、それぞれ接続される。また、この冷媒回路(35)では、四路切換弁(37)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)と、膨張弁(38)と、給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)とが配置されている。冷媒回路(35)は、該冷媒回路(35)に封入された冷媒を循環させることによって、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う。そして、冷媒回路(35)は、給気側モジュール(40a)及び排気側モジュール(40b)に対して、冷媒を熱媒体として供給する。
四路切換弁(37)は、第1状態(図4に実線で示す状態)と、第2状態(同図に破線で示す状態)とに切り換わる。第1状態の四路切換弁(37)では、第1のポートが第3のポートに連通し、第2のポートが第4のポートに連通する。一方、第2状態の四路切換弁(37)では、第1のポートが第4のポートに連通し、第2のポートが第3のポートに連通する。
上記四路切換弁(37)が第1状態のとき、上記給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)が蒸発部となり上記排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)が凝縮部(放熱部)となって、冷凍サイクルが行われる。この結果、上記給気側モジュール(40a)内の液体吸収剤が上記蒸発部で冷却されて該液体吸収剤の水蒸気分圧が減少することにより、上記給気側モジュール(40a)が吸湿部を構成する。一方、上記排気側モジュール(40b)内の液体吸収剤が上記凝縮部(放熱部)で加熱されて該液体吸収剤の水蒸気分圧が増加することにより、上記排気側モジュール(40b)が放湿部を構成する。
一方、上記四路切換弁(37)が第2状態のとき、上記給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)が凝縮部(放熱部)となり、上記排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)が蒸発部となって冷凍サイクルが行われる。この結果、上記給気側モジュール(40a)が放湿部を構成し、上記排気側モジュール(40b)が吸湿部を構成する。
−吸収剤回路−
図4に示すように、吸収剤回路(11)は、排気側モジュール(40b)内の吸収剤通路(41)(排気側流路(41b))と、給気側モジュール(40a)内の吸収剤通路(41)(給気側流路(41a))とが接続される閉回路である。吸収剤回路(11)には、1つのポンプ(12)が接続されている。ポンプ(12)は、吸収剤回路(11)の液体吸収剤を搬送するポンプ機構である。ポンプ(12)は、液体吸収剤の流量を調節可能な可変容量式のポンプで構成される。上述した四路切換弁(37)が第1状態になると、吸湿部側の給気側流路(41a)が吸湿路を構成し、放湿部側の排気側流路(41b)が放湿路を構成する。また、四路切換弁(37)が第2状態になると、吸湿部側の排気側流路(41b)が吸湿路を構成し、放湿部側の給気側流路(41a)が放湿路を構成する。
−センサ及びコントローラ−
本実施形態の調湿装置(10)は、給気湿度センサ(111)と外気湿度センサ(112)とを備えている。給気湿度センサ(111)は、室内へ供給される供給空気(SA)の相対湿度を検出する。外気湿度センサ(112)は、室外空気(OA)の相対湿度を検出する。なお、供給空気(SA)の温度を検出し、この温度と供給空気(SA)の相対湿度とに基づいて、供給空気(SA)の絶対湿度を求めるようにしてもよい。また、室外空気(OA)の温度を検出し、この温度と室外空気(OA)の相対湿度とに基づいて、室外空気(OA)の絶対湿度を求めるようにしてもよい。
コントローラ(100)には、各種のセンサ(111,112)の検出値が入力される。コントローラ(100)には、リモコン等から入力されるユーザーの運転指令に応じて、除湿運転と加湿運転とを切り換える制御を行う。コントローラ(100)は、除湿運転及び加湿運転において、第1運転である「ポンプ停止運転」と、第2運転である「入れ替え運転」とを交互に繰り返す制御を行う。詳細は後述するが、「ポンプ停止運転」はポンプ(12)を停止し且つ冷媒回路(35)で冷凍サイクルを行い空気を調湿する運転である。また、「入れ替え運転」は、給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)内の各液体吸収剤を相互に入れ替えるようにポンプ(12)を動作させる運転である。
本実施形態のコントローラ(100)は、設定部(101)と判定部(102)と運転制御部(103)とを有している。
設定部(101)には、「入れ替え運転」の実行時間が設定される。この「入れ替え運転」の実行時間は、給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)の各液体吸収剤を相互に入れ替えることができる程度の時間が設定される。具体的に、例えばこの実行時間は、給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)における吸収液の保有量、入れ替え運転時のポンプ(12)の流量、吸収剤回路(11)の配管長等に基づいて決定される。
判定部(102)は、「ポンプ停止運転」時において、調湿装置(10)の調湿能力が低下したことを判定するものである。本実施形態の判定部(102)は、「ポンプ停止運転」時において、給気湿度センサ(111)の検出値(供給空気(SA)の湿度)と外気湿度センサ(112)の検出値(室外空気(OA)の湿度)との差(湿度差Δh)を算出し、この湿度差Δhに基づいて、調湿能力の低下を判定する。
運転制御部(103)は、「ポンプ停止運転」と「入れ替え運転」との切換の制御を行うものである。具体的に、運転制御部(103)は、ポンプ(12)を停止させ且つ圧縮機(36)を運転させる「ポンプ停止運転」と、ポンプ(12)を運転させ且つ圧縮機(36)を運転させる「入れ替え運転」とを切り換えるように構成されている。本実施形態では、「ポンプ停止運転」時において、判定部(102)が、上記湿度差Δhに基づいて除湿能力又は加湿能力が低下したと判定すると、運転制御部(103)が、「ポンプ停止運転」から「入れ替え運転」に切り換える制御を行う。
〈調湿装置の運転動作〉
次に、調湿装置(10)の運転動作について説明する。まず、除湿運転について説明した後で加湿運転について説明する。除湿運転は、夏季等において、室外空気の湿度及び温度が高い条件下で運転される。また、加湿運転は、冬季等において、室外空気の湿度及び温度が低い条件下で運転される。
《除湿運転》
図4に示すように、除湿運転では、コントローラ(100)により、四路切換弁(37)が第1状態に設定され、圧縮機(36)が運転される。これにより、除湿運転では、圧縮機(36)で圧縮された冷媒が、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)で放熱し、膨張弁(38)で減圧される。減圧後の冷媒は、給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)で蒸発し、圧縮機(36)に吸入される。つまり、除湿運転では、給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)が蒸発部となり、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)が凝縮部となる。換言すると、吸湿部となる給気側モジュール(40a)の給気側流路(41a)が吸湿路となり、放湿部となる排気側モジュール(40b)の排気側流路(41b)が放湿路となる。
また、除湿運転では、給気ファン(27)と排気ファン(28)とが運転される。これにより、室外空気(OA)が給気通路(25)に取り込まれ、室内空気(RA)が排気通路(26)に取り込まれる。室外空気(OA)は、給気側モジュール(40a)を通過して除湿された後、室内空間へ供給空気(SA)として供給される。室内空気(RA)は、排気側モジュール(40b)を通過して放湿された後、室外空間へ排出空気(EA)として排出される。
このように冷媒回路(35)及びファン(27,28)が制御される除湿運転では、コントローラ(100)によって、「ポンプ停止運転」と「入れ替え運転」とが交互に切り換えられる。
−ポンプ停止運転−
除湿運転時のポンプ停止運転では、給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)とにそれぞれ液体吸収剤が溜まった状態でポンプ(12)が停止される。このため、ポンプ停止運転では、吸収剤回路(11)で液体吸収剤が循環することはない。ポンプ停止運転の開始時には、吸湿路となる給気側流路(41a)に高濃度の液体吸収剤が溜まった状態となり、放湿路となる排気側流路(41b)に低濃度の液体吸収剤が溜まった状態となる。
給気側モジュール(40a)には、上述のように室外空気(OA)が通過している。給気側モジュール(40a)では、伝熱部材(蒸発部(46a))によって液体吸収剤が冷却され、この液体吸収剤の水蒸気分圧が低くなっている。このため、給気側モジュール(40a)では、室外空気中の水蒸気が透湿膜(62)を通過して液体吸収剤に吸収されていく。この際に生じる吸収熱は、蒸発部(46a)での冷媒の蒸発に利用される。給気側モジュール(40a)で吸湿された空気は、室内空間へ供給される。
排気側モジュール(40b)には、上述のように室内空気(RA)が通過している。排気側モジュール(40b)では、伝熱部材(凝縮部(46b))によって液体吸収剤が加熱され、この液体吸収剤の水蒸気分圧が高くなっている。このため、排気側モジュール(40b)では、液体吸収剤中の水蒸気が透湿膜(62)を通過して空気に放出されていく。排気側モジュール(40b)で放湿された空気は、室外空間へ排出される。
−ポンプ停止運転時の判定動作−
除湿運転において、上記のようにポンプ停止運転を継続して行うと、給気側モジュール(40a)の給気側流路(41a)の液体吸収剤の濃度が徐々に低くなっていく。同時に、排気側モジュール(40b)の排気側流路(41b)の液体吸収剤の濃度が徐々に高くなっていく。給気側流路(41a)の液体吸収剤の濃度が低くなると、給気側モジュール(40a)での空気の除湿能力が低下してしまう。そこで、ポンプ停止運転では、このような除湿能力の低下を検出し、これを検出することで、ポンプ停止運転から入れ替え運転へ切り換えるようにしている。
具体的に、「ポンプ停止運転」時には、給気湿度センサ(111)で検出された供給空気(SA)の湿度と、外気湿度センサ(112)で検出された室外空気(OA)の湿度とが、コントローラ(100)に適宜入力される。判定部(102)は、これらの検出値の差(湿度差Δh)が所定値よりも小さくなると、除湿能力が低下したと判定する。判定部(102)が除湿能力の低下を判定すると、運転制御部(103)は、「ポンプ停止運転」から「入れ替え運転」へと運転を切り換える。
−入れ替え運転−
除湿運転時の「入れ替え運転」では、冷媒回路(35)及びファン(27,28)が上記の「ポンプ停止運転」と同様に制御される。一方、「入れ替え運転」では、ポンプ(12)が所定時間に亘って運転される。このポンプ(12)の運転時間は、設定部(101)に設定された実行時間に相当する。
除湿運転時の「入れ替え運転」の開始直前には、給気側モジュール(40a)の給気側流路(41a)に比較的低濃度の液体吸収剤が溜まっている。また、排気側モジュール(40b)の排気側流路(41b)には、比較的高濃度の液体吸収剤が溜まっている。この状態からポンプ(12)が運転されると、給気側流路(41a)にある低濃度の液体吸収剤は、排気側モジュール(40b)側へ送られ、同時に排気側流路(41b)にある高濃度の液体吸収剤は、給気側モジュール(40a)側へ送られる(図4の破線の矢印を参照)。以上のようにして、吸収剤回路(11)では、給気側モジュール(40a)内の液体吸収剤と、排気側モジュール(40b)内の液体吸収剤とが、相互に入れ替わるようにポンプ(12)が運転される。
「入れ替え運転」が開始されてから設定部(101)に設定された時間が経過すると、再び「ポンプ停止運転」に切り換わり、ポンプ(12)が停止される。この状態では、排気側モジュール(40b)内にあった高濃度の液体吸収剤が、給気側モジュール(40a)内に位置し、給気側モジュール(40a)内にあった低濃度の液体吸収剤が、排気側モジュール(40b)内に位置する。このため、給気側モジュール(40a)では、室外空気中の水蒸気が透湿膜(62)を通過して液体吸収剤に吸収される。また、排気側モジュール(40b)では、液体吸収剤中の水蒸気が透湿膜(62)を通過して室内空気へ放出される。
《加湿運転》
図5に示すように、加湿運転では、コントローラ(100)により、四路切換弁(37)が第2状態に設定され、圧縮機(36)が運転される。これにより、加湿運転では、圧縮機(36)で圧縮された冷媒が、給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)で放熱し、膨張弁(38)で減圧される。減圧後の冷媒は、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)で蒸発し、圧縮機(36)に吸入される。つまり、加湿運転では、給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)が凝縮部となり、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)が蒸発部となる。換言すると、吸湿部となる排気側モジュール(40b)の排気側流路(41b)が吸湿路となり、放湿部となる給気側モジュール(40a)の給気側流路(41a)が放湿路となる。
また、加湿運転では、給気ファン(27)と排気ファン(28)とが運転される。これにより、室外空気(OA)が給気通路(25)に取り込まれ、室内空気(RA)が排気通路(26)に取り込まれる。室外空気(OA)は、給気側モジュール(40a)を通過して加湿された後、室内空間へ供給空気(SA)として供給される。室内空気(RA)は、排気側モジュール(40b)を通過して吸湿された後、室外空間へ排出空気(EA)として排出される。
このように冷媒回路(35)及びファン(27,28)が制御される加湿運転では、コントローラ(100)によって、「ポンプ停止運転」と「入れ替え運転」とが交互に切り換えられる。
−ポンプ停止運転−
加湿運転時のポンプ停止運転では、給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)とにそれぞれ液体吸収剤が溜まった状態でポンプ(12)が停止される。このため、ポンプ停止運転では、吸収剤回路(11)で液体吸収剤が循環することはない。ポンプ停止運転の開始時には、放湿路となる給気側流路(41a)に低濃度の液体吸収剤が溜まった状態となり、吸湿路となる排気側流路(41b)に高濃度の液体吸収剤が溜まった状態となる。
給気側モジュール(40a)には、上述のように室外空気(OA)が通過している。給気側モジュール(40a)では、伝熱部材(凝縮部(46a))によって液体吸収剤が加熱され、この液体吸収剤の水蒸気分圧が高くなっている。このため、給気側モジュール(40a)では、液体吸収剤中の水蒸気が透湿膜(62)を通過して室外空気へ放出される。給気側モジュール(40a)で加湿された空気は、室内空間へ供給される。
排気側モジュール(40b)には、上述のように室内空気(RA)が通過している。排気側モジュール(40b)では、伝熱部材(蒸発部(46b))によって液体吸収剤が冷却され、この液体吸収剤の水蒸気分圧が低くなっている。このため、排気側モジュール(40b)では、室内空気中の水蒸気が透湿膜(62)を通過して液体吸収剤に吸収される。排気側モジュール(40b)で吸湿された空気は、室外空間へ排出される。
−ポンプ停止運転時の判定動作−
加湿運転において、上記のようにポンプ停止運転を継続して行うと、給気側モジュール(40a)の給気側流路(41a)の液体吸収剤の濃度が徐々に高くなっていく。同時に、排気側モジュール(40b)の排気側流路(41b)の液体吸収剤の濃度が徐々に低くなっていく。給気側流路(41a)の液体吸収剤の濃度が高くなると、給気側モジュール(40a)での空気の加湿能力が低下してしまう。そこで、ポンプ停止運転では、このような加湿能力の低下を検出し、これを検出することで、ポンプ停止運転から入れ替え運転へ切り換えるようにしている。
具体的に、「ポンプ停止運転」時には、給気湿度センサ(111)で検出された供給空気(SA)の湿度と、外気湿度センサ(112)で検出された室外空気(OA)の湿度とが、コントローラ(100)に適宜入力される。判定部(102)は、これらの検出値の差(湿度差Δh)が所定値よりも小さくなると、加湿能力が低下したと判定する。判定部(102)が加湿能力の低下を判定すると、運転制御部(103)は、「ポンプ停止運転」から「入れ替え運転」へと運転を切り換える。
−入れ替え運転−
加湿運転時の「入れ替え運転」では、冷媒回路(35)及びファン(27,28)が上記の「ポンプ停止運転」と同様に制御される。一方、「入れ替え運転」では、ポンプ(12)が所定時間に亘って運転される。このポンプ(12)の運転時間は、設定部(101)に設定された実行時間に相当する。
加湿運転時の「入れ替え運転」の開始直前には、給気側モジュール(40a)の給気側流路(41a)に比較的高濃度の液体吸収剤が溜まっている。また、排気側モジュール(40b)の排気側流路(41b)に比較的低濃度の液体吸収剤が溜まっている。この状態からポンプ(12)が運転されると、給気側流路(41a)にある高濃度の液体吸収剤は、排気側モジュール(40b)側へ送られ、同時に排気側流路(41b)にある低濃度の液体吸収剤は、給気側モジュール(40a)側へ送られる(図5の破線の矢印を参照)。以上のようにして、吸収剤回路(11)では、給気側モジュール(40a)内の液体吸収剤と、排気側モジュール(40b)内の液体吸収剤とが、相互に入れ替わるようにポンプ(12)が運転される。
「入れ替え運転」が開始されてから設定部(101)に設定された時間が経過すると、再び「ポンプ停止運転」に切り換わり、ポンプ(12)が停止される。この状態では、排気側モジュール(40b)内にあった低濃度の液体吸収剤が、給気側モジュール(40a)内に位置し、給気側モジュール(40a)内にあった高濃度の液体吸収剤が、排気側モジュール(40b)内に位置する。このため、給気側モジュール(40a)では、液体吸収剤中の水蒸気が透湿膜(62)を通過して室外空気へ放出される。また、排気側モジュール(40b)では、室内空気中の水蒸気が透湿膜(62)を通過して液体吸収剤へ吸収される。
−実施形態の効果−
上述した実施形態の除湿運転では、ポンプ停止運転(第1運転)において、給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)との内部にそれぞれ液体吸収剤を溜めた状態とし、給気側流路(41a)の液体吸収剤を蒸発部(46a)で冷却し且つ排気側流路(41b)の液体吸収剤を凝縮部(46b)で加熱している。このため、この除湿運転のポンプ停止運転では、吸収剤回路(11)の液体吸収剤を循環させる必要がなく、ポンプ(12)の動力が不要となる。また、従来例のように、液体吸収剤を蒸発部と凝縮部とで交互に冷却・加熱することがないため、このような冷却・加熱に起因する熱ロスを低減でき、圧縮機(36)の消費電力も抑えることができる。その結果、省エネ性に優れた除湿運転を行うことができる。
また、この除湿運転のポンプ停止運転時において、室外空気(OA)と供給空気(SA)の湿度差Δhが小さくなり、判定部(102)が除湿能力の低下を判定すると、入れ替え運転(第2運転)へ移行するようにしている。この入れ替え運転により、給気側流路(41a)に高濃度の液体吸収剤を送り、排気側流路(41b)に低濃度の液体吸収剤を送ることができ、給気側モジュール(40a)の除湿能力の低下を防止できる。従って、この調湿装置(10)では、信頼性の高い除湿性能を得ることができる。
また、上述した実施形態の加湿運転では、ポンプ停止運転(第1運転)において、給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)との内部にそれぞれ液体吸収剤を溜めた状態とし、給気側流路(41a)の液体吸収剤を凝縮部(46a)で加熱し且つ排気側流路(41b)の液体吸収剤を蒸発部(46b)で冷却している。このため、この加湿運転のポンプ停止運転では、吸収剤回路(11)の液体吸収剤を循環させる必要がなく、ポンプ(12)の動力が不要となる。また、従来例のように、液体吸収剤を蒸発部と凝縮部とで交互に冷却・加熱することがないため、このような冷却・加熱に起因する熱ロスを低減でき、圧縮機(36)の消費電力も抑えることができる。その結果、省エネ性に優れた加湿運転を行うことができる。
また、この加湿運転のポンプ停止運転時において、室外空気(OA)と供給空気(SA)の湿度差Δhが小さくなり、判定部(102)が加湿能力の低下を判定すると、入れ替え運転(第2運転)へ移行するようにしている。この入れ替え運転により、給気側流路(41a)に低濃度の液体吸収剤を送り、排気側流路(41b)に高濃度の液体吸収剤を送ることができ、給気側モジュール(40a)の加湿能力の低下を防止できる。従って、この調湿装置(10)では、信頼性の高い加湿性能を得ることができる。
また、本実施形態では、ポンプ停止運転と入れ替え運転とを交互に繰り返す際には、圧縮機(36)の運転が継続して行われる。従って、吸湿路(41a,41b)での液体吸収剤の冷却及び放湿路(41b,41a)での液体吸収剤の加熱を維持できるとともに、圧縮機(36)の発停回数も抑えることができる。
更に、本実施形態の吸収剤回路(11)は、1台のポンプ(12)が接続された単純な閉回路である。つまり、本実施形態では、吸収剤回路(11)の構成も簡素となるため、調湿装置(10)の低コスト化を図ることができる。
〈実施形態の変形例〉
上述した実施形態については、以下のような変形例の構成としてもよい。
−変形例1−
図6に係る変形例1は、上述した実施形態とは、「ポンプ停止運転」から「入れ替え運転」への運転の切換の判定方法が異なるものである。具体的に、変形例1の調湿装置(10)は、吸収剤回路(11)の液体吸収剤の濃度を検知するための液濃度センサ(113)を備えている。この例の液濃度センサ(113)は、給気側モジュール(40a)の給気側流路(41a)内に設けられており、「ポンプ停止運転」時において、給気側流路(41a)に溜まった液体吸収剤の濃度を検出する液濃度検出部を構成する。そして、判定部(102)は、液濃度センサ(113)の検出値に基づいて調湿能力の低下を判定する。
具体的に、例えば除湿運転でポンプ停止運転を継続すると、給気側流路(41a)の液体吸収剤の濃度が徐々に低くなっていく。除湿運転において、液濃度センサ(113)で検知した液体吸収剤の濃度が所定値よりも小さくなると、判定部(102)は、除湿能力が低下したと判定する。これに伴い、運転制御部(103)は、「ポンプ停止運転」から「入れ替え運転」へと運転モードを切り換える。その結果、給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)との間で液体吸収剤が相互に交換され、給気側モジュール(40a)の除湿能力が確保される。
また、例えば加湿運転でポンプ停止運転を継続すると、給気側流路(41a)の液体吸収剤の濃度が徐々に高くなっていく。加湿運転において、液濃度センサ(113)で検知した液体吸収剤の濃度が所定値よりも高くなると、判定部(102)は、加湿能力が低下したと判定する。これに伴い、運転制御部(103)は、「ポンプ停止運転」から「入れ替え運転」へと運転モードを切り換える。その結果、給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)との間で液体吸収剤が相互に交換され、給気側モジュール(40a)の加湿能力が確保される。
なお、この変形例1では、吸収剤回路(11)における液体吸収剤の濃度をセンサによって直接的に検出している。しかしながら、例えば給気ファン(27)の積算風量と、室外空気の絶対湿度と、室内空気の絶対湿度とに基づいて、吸収剤回路(11)の液体吸収剤の濃度を間接的に求めるようにしてもよい。また、液濃度センサ(113)を排気側流路(41b)に配置し、排気側流路(41b)の液体吸収剤の濃度を求めるようにしてもよい。
−変形例2−
変形例2は、上述した実施形態とは、「ポンプ停止運転」から「入れ替え運転」への運転の切換の判定方法が異なるものである。図7に示すように、変形例2の調湿装置(10)では、上述した実施形態のような各種のセンサ(111,112,113)や、調湿装置(10)の調湿能力が低下したことを判定する判定部(102)が設けられていない。一方、この変形例2の調湿装置(10)では、コントローラ(100)の設定部(101)に、ポンプ停止運転の実行時間が設定される。この設定部(101)に設定される時間は、上記除湿運転では例えば10分に、上記加湿運転では例えば15分に設定される。つまり、設定部(101)では、除湿運転での「ポンプ停止運転」の実行時間が、加湿運転での「ポンプ停止運転」の実行時間よりも短く設定されている。この変形例2では、「ポンプ停止運転」が実行されてから、設定部(101)に設定された時間が経過すると、運転制御部(103)が「ポンプ停止運転」から「入れ替え運転」へと運転モードを切り換える。この変形例2では、センサ等の検出部を設けることなく、第1運転であるポンプ停止運転から第2運転である入れ替え運転へと運転モードを確実に切り換えることができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態及び各変形例は、取り込んだ室外空気(OA)を給気側モジュール(40a)で調湿し、この空気を供給空気(SA)として室内へ供給すると同時に、取り込んだ室内空気(RA)を排気側モジュール(40b)で調湿し、この空気を排出空気(EA)として室外へ排出している。しかしながら、調湿装置(10)において、例えば図8に示すように、取り込んだ室内空気(RA)を給気側モジュール(40a)で調湿し、この空気を供給空気(SA)として室内へ供給すると同時に、取り込んだ室外空気(OA)を排気側モジュール(40b)で調湿し、この空気を排出空気(EA)として室外へ排出してもよい。
図8の例の調湿装置(10)には、室内へ供給される供給空気(SA)の湿度を検出する給気湿度センサ(111)と、調湿装置(10)に取り込まれる室内空気(RA)の湿度を検出する内気湿度センサ(114)とが設けられている。第1運転において、給気湿度センサ(111)で検出した検出値と、内気湿度センサ(114)で検出した検出値との差が所定値よりも小さくなると、判定部(102)が調湿能力が低下したと判断し、運転制御部(103)が第1運転から第2運転へと運転モードを切り換える。なお、内気湿度センサ(114)を省略した構成として、供給空気(SA)の湿度のみを用いて第1運転から第2運転への運転モードの切換を行うようにしてもよい(上述した実施形態においても同様である)。
以上説明したように、本発明は、液体吸収剤を用いて空気を調湿する調湿装置について有用である。
10 調湿装置
11 吸収剤回路
12 ポンプ機構(ポンプ)
27 給気ファン(ファン)
35 冷媒回路
36 圧縮機
40a 給気側モジュール(吸湿部、放湿部)
40b 排気側モジュール(放湿部、吸湿部)
41a 給気側流路(吸湿路、放湿路)
41b 排気側流路(放湿路、吸湿路)
46a 伝熱部材(蒸発部、放熱部)
46b 伝熱部材(放熱部、蒸発部)
101 設定部
102 判定部
103 運転制御部
111 給気湿度センサ(給気湿度検出部)
113 液濃度センサ(液濃度検出部)

Claims (5)

  1. 圧縮機(36)と放熱部(46b,46a)と蒸発部(46a,46b)とが接続される冷媒回路(35)と、
    上記蒸発部(46a,46b)の周囲に形成される吸湿路(41a,41b)の液体吸収剤が空気の水分を吸収する吸湿部(40a,40b)と、上記放熱部(46b,46a)の周囲に形成される放湿路(41b,41a)の液体吸収剤が空気へ水分を放出する放湿部(40b,40a)と、液体吸収剤を搬送するポンプ機構(12)とが接続される吸収剤回路(11)と、
    上記放湿部(40b,40a)及び吸湿部(40a,40b)の一方を通過した空気を室内へ供給する給気ファン(27)と、
    上記放湿部(40b,40a)及び吸湿部(40a,40b)の他方を通過した空気を室外へ排出する排気ファン(28)と、
    上記吸湿路(41a,41b)及び放湿路(41b,41a)に液体吸収剤が留まるように上記ポンプ機構(12)を停止し且つ上記圧縮機(36)、上記給気ファン(27)、及び上記排気ファン(28)を運転する第1運転と、上記吸湿路(41a,41b)と放湿路(41b,41a)の各液体吸収剤を相互に入れ替えるように上記ポンプ機構(12)を運転し且つ圧縮機(36)、上記給気ファン(27)、及び上記排気ファン(28)を運転する第2運転とを交互に繰り返す運転制御部(103)と
    を備えていることを特徴とする調湿装置。
  2. 請求項1において、
    室内へ供給される空気の調湿能力の低下を判定する判定部(102)を備え、
    上記運転制御部(103)は、上記第1運転中に上記判定部(102)が調湿能力の低下を判定すると、該第1運転から上記第2運転へ切り換えることを特徴とする調湿装置。
  3. 請求項2において、
    室内へ供給される空気の湿度を検出する給気湿度検出部(111)を備え、
    上記判定部(102)は、上記給気湿度検出部(111)の検出値に基づいて調湿能力の低下を判定することを特徴とする調湿装置。
  4. 請求項2において、
    上記吸収剤回路(11)の液体吸収剤の濃度を検出する液濃度検出部(113)を備え、
    上記判定部(102)は、上記液濃度検出部(113)の検出値に基づいて調湿能力の低下を判定することを特徴とする調湿装置。
  5. 請求項1において、
    運転制御部(103)は、上記第1運転が開始されてから設定部(101)に設定された時間が経過すると、該第1運転から上記第2運転へ切り換えることを特徴とする調湿装置。
JP2011282178A 2011-12-22 2011-12-22 調湿装置 Active JP5862281B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011282178A JP5862281B2 (ja) 2011-12-22 2011-12-22 調湿装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011282178A JP5862281B2 (ja) 2011-12-22 2011-12-22 調湿装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013130382A JP2013130382A (ja) 2013-07-04
JP5862281B2 true JP5862281B2 (ja) 2016-02-16

Family

ID=48908069

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011282178A Active JP5862281B2 (ja) 2011-12-22 2011-12-22 調湿装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5862281B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH078743A (ja) * 1993-06-18 1995-01-13 Daikin Ind Ltd 除湿装置の吸湿液体の濃度制御装置
JPH1144439A (ja) * 1997-07-28 1999-02-16 Daikin Ind Ltd 空気調和装置
JP4251004B2 (ja) * 2003-04-18 2009-04-08 ダイキン工業株式会社 調湿装置
JP2010014390A (ja) * 2008-07-07 2010-01-21 Kansai Electric Power Co Inc:The 調湿システム
JP5397107B2 (ja) * 2009-09-09 2014-01-22 株式会社デンソー 調湿換気装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013130382A (ja) 2013-07-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7937960B2 (en) Humidity controller utilizing the pressure differential sensors for varying the compressor capacity
JP5327372B2 (ja) 調湿装置
JP4835688B2 (ja) 空気調和装置、空調システム
JP6447770B2 (ja) 換気システム
JP3992051B2 (ja) 空調システム
JP6065096B2 (ja) 調湿装置
JP2010281476A (ja) 調湿装置
KR100655015B1 (ko) 제습기
JP5862279B2 (ja) 調湿装置
TWI586924B (zh) Air conditioning unit
JP5821456B2 (ja) 調湿装置
JP5862281B2 (ja) 調湿装置
JP5831082B2 (ja) 調湿装置
JP6135130B2 (ja) 調湿装置
JP5887916B2 (ja) 調湿装置
JP5862280B2 (ja) 調湿装置
JP5811729B2 (ja) 空調システム
JP5906708B2 (ja) 調湿装置
JP2013064548A (ja) 調湿装置
JP6089699B2 (ja) 調湿装置
JP5887917B2 (ja) 調湿装置
JP6015436B2 (ja) 調湿装置
JP6089697B2 (ja) 調湿装置
JP6443402B2 (ja) 調湿装置
JP5786706B2 (ja) 調湿装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141003

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20141119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150618

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150630

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150825

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151214

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5862281

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151