JP5859248B2 - 二本針ミシン - Google Patents

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Description

本発明は、二本針ミシンに関する。
二本針ミシンは、二本並んだ針棒に取り付けられた縫い針により、平行な二本の縫い目を所定の形状に沿って形成するミシンである。
従来の二本針ミシンは、所定の形状に縫い目が形成されるように布地を手で押さえて縫い方向を変えていたが、近年は、予め定めた縫製パターンデータに従って、予定された形状に沿って二本の縫い目を形成するための二本針ミシンが開発されつつある。
例えば、二本の針棒を上下動可能に保持すると共にミシンフレームに対して垂直軸回りに旋回可能に支持された針棒回動台と、二つの釜を垂直軸回りに回動可能に支持する釜土台とを備え、布保持枠によって所定形状に沿って移動する布地に対して、二本針の並び方向が所定形状の輪郭線に常に直交する方向に並ぶように制御を行うことで予定された形状に沿って二本の縫い目を形成するミシンが考案されている(例えば、特許文献1参照)。
韓国特許第10−2008−0089985号公報
ところで、二本針ミシンは、四角形などの角のある形状に沿って縫いを行う場合、角部において内側となる針棒の上下動を停止させ、外側の針棒のみを旋回させて縫い目を形成することが一般的に行われている。
従って、このような縫いを行うために、上記従来の二本針ミシンは、針棒回動台にそれぞれの針棒を上下動可能な状態と停止状態とを切り替えるためのラッチ機構が搭載されており、縫製中にラッチ機構を作動させて片針状態と二本針状態の切り替えを行っている。
しかしながら、上記従来のミシンでは、針棒回動台上にラッチ機構の切り替え動作を行うためのアクチュエータを搭載している。このため、旋回重量が増加し、高速の縫製の妨げとなっていた。また、針棒を旋回させるためのモータを大型のものに替えることも可能だが、その場合、ミシンの大型化、コストの上昇が生じてしまうという問題があった。
さらに、上記ミシンのように、旋回を行う針棒回動台にアクチュエータを搭載すると、当該アクチュエータへの通電を行うための配線が難しく、例えば、スリップリング等の特殊な部品が必要となり、この面からもコストの増加が生じていた。
本発明は、片針と二本針の縫いを自動的に切り替え可能としつつも軽快な二本針の旋回動作を可能とすることをその目的とする。
請求項1記載の発明は、縫い針を保持し、垂直方向に沿って上下動を行う二本の針棒と、各々の前記針棒を上下動させる針上下動機構と、前記二本の針棒を上下動可能に支持すると共にミシンフレームにより垂直方向に沿った中心線回りに回動可能に支持された針棒回動台と、前記針棒回動台を介して前記二本の針棒を回動させる針棒回動機構と、前記二本の針棒を保持して前記針上下動機構による上下動の動作を伝達するラッチ機構とを備える二本針ミシンにおいて、前記針棒回動台上で位置切り替え動作を行うことによって前記ラッチ機構による各々の前記針棒の保持状態を解除する作動部材と、前記ミシンフレームに固定装備されると共に前記作動部材の位置切り替え動作の駆動源となるアクチュエータと、前記アクチュエータから前記作動部材に前記位置切り替え動作を伝達する差動伝達機構とを備え、前記差動伝達機構は、前記針棒回動台によりその回動中心回りに前記針棒回動台とは分離して回動可能に支持されると共に前記アクチュエータにより回動動作が入力される入力部材と、前記針棒回動台によりその回動中心回りに回動可能に支持されると共に当該回動動作により前記作動部材に位置切り替え動作を付与する出力部材と、前記針棒回動台によりその回動中心回りに回動可能に支持されると共に前記伝達体を前記針棒回動台の回動中心線回りに周回移動を行うように支持する回動支持体と、前記回動支持体を回転させない状態において前記入力部材に所定角度の回転が入力されると出力部材に逆回転方向へ同じ角度だけ回転を行うように回転力を反転して伝達する伝達体と、を備え、前記針棒回動機構による前記針棒回動台の回動動作の駆動源となる回動モータを前記ミシンフレームに固定装備すると共に、前記回動モータは、前記針棒回動台と前記回動支持体の両方に個別に回動動作を入力し、当該回動モータは、前記針棒回動台への回動動作入力時に、前記針棒回動台への回動角度の半分の回動角度を前記回動支持体に入力することにより、前記出力部材を前記針棒回動台と同方向に当該針棒回動台と同じ回動角度で回動させることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記針棒の中心線に垂直な平面上において任意の方向に被縫製物を移動可能な移動機構を備えることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記移動機構と前記回動モータを制御して、予め定められた縫製パターンの形状に沿って二本針縫い目の形成を行うことを特徴とする請求項2記載のミシン。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記差動伝達機構は、かさば歯車を用いた差動歯車機構であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記差動伝達機構の伝達体は、前記入力部材と出力部材との間の回転力をベルト又はベルトと歯車の組み合わせを用いて伝達することを特徴とする。
請求項1記載の発明は、入力部材と出力部材との間で回転力を反転して伝達する伝達体を支持する回動支持体が針棒回動台の回動時にその半分の角度で回動を行うので、アクチュエータ側に接続されている入力部材が針棒回動台と共に回動を行わずに、相互間で回動角度差が発生した場合でも、出力部材側では、伝達体により針棒回動台と同方向に同じ回動角度で回動させることができる。従って、針棒回動台に搭載された作動部材は、針棒回動台の回動により予定された位置からズレを生じることを回避することができる。
つまり、作動部材の位置切り替え動作の駆動源となるアクチュエータを針棒回動台に搭載しなくとも、作動部材を正しい位置に保持することが可能となる。
そして、これにより、針棒回動台の旋回重量の軽減を図ることができ、旋回動作を行うモータを大型化することなく、高速動作を行うことが可能となる。
また、針棒回動台上にアクチュエータを搭載しないで済むことから、当該アクチュエータへの通電を行うためのスリップリング等の特殊な部品が不要となり、ミシン製造コストの低減を図ることが可能となる。
請求項2記載の発明は、被縫製物の移動機構を備えるので、移動機構により被縫製物を移動させながら自動的な縫製を行うことができ、縫製の過程で針棒回動台の回動を実行する場合でも作動部材への位置切り換え動作に対する影響を回避することができ、被縫製物の移動を伴う縫いの実行の際にも、ラッチ機構による針棒の保持又は解除を適正に行うことが可能となる。
請求項3記載の発明は、予め定められた縫製パターンの形状に沿って二本針縫い目の形成を行うために二本の針棒の旋回動作を伴う場合でも、作動部材への位置切り換え動作に対する影響を回避することができ、所定形状の二本針縫い目の形成の際にも、ラッチ機構の針棒の保持又は解除を適正に行うことが可能となる。
請求項4記載の発明は、差動伝達機構にかさば歯車を用いるので、入力部材と出力部材との間の伝達体を一つのかさば歯車で実現することができ、構成の簡易化による部品コストの低減を図ることが可能となる。
請求項5記載の発明は、入力部材と出力部材と伝達体を構成するベルトのスプロケットや歯車の回転中心線の方向を全て揃えることで、これらを重ねて配置することが容易となり、差動伝達機構を回動中心線方向について薄型化を図ることが容易となる。
発明の実施形態の二本針ミシンの斜視図である。 ミシンアーム部内の構成について示した斜視図である。 針棒の周辺の構成を示した側面図である。 針棒の中心に沿った断面による針棒の周辺構造の断面図である。 図3におけるT−T線に沿った断面図ある。 位置切り替え機構及び作動部材の斜視図である 図3におけるU−U線に沿った断面図である。 図3におけるV−V線に沿った断面図である。 図3におけるW−W線に沿った断面図である。 図10(A)は針棒回動台の回動動作時における針棒側差動伝達機構の小スプロケットの位置変化を示す説明図であり、図10(B)は連動歯車の位置変化を示す説明図であり、図10(C)は差動部材の位置変化を示す説明図である。 釜の動力伝達機構及び釜側差動伝達機構の機構構造を概略的に図示した構成図である。 二本針縫い目の形成を行う縫製パターンの一例を示した図である。 図12に示す縫製パターンの二本針縫い目の形成を行うための縫製制御を示すフローチャートである。 図14(A)は針棒抱き支持構造の斜視図、図14(B)は針棒抱き支持構造の他の例の斜視図、図14(C)は針棒抱き支持構造の他の例の平面図である。
[発明の実施形態の概要]
本発明の実施の形態を図1〜図13に基づいて説明する。
本実施形態として以下に記載する二本針ミシン1は、いわゆる電子サイクルミシンであり、縫製を行う被縫製物である布地を保持する布保持部としての保持枠を有し、その保持枠が二本の縫い針に対し相対的に移動することにより、保持枠に保持される布地に所定の縫製データに基づく形状パターンに沿った二重縫い目を形成する。
図1は本発明にかかる二本針ミシン1の斜視図、図2は後述するミシンアーム部101a内の構成について示した斜視図、図3は後述する針棒12,12の周辺の構成を示した側面図である。
ここで、後述する二本の縫い針11,11が上下動を行う方向をZ軸方向(上下方向)とし、これと直交する一の方向をX軸方向(左右方向)とし、Z軸方向とX軸方向の両方に直交する方向をY軸方向(前後方向)と定義する。
上記二本針ミシン1は、各々が縫い針11をその下端部に保持してZ軸方向に沿って上下動を行う二本の針棒12,12と、ミシンモータ21を駆動源として縫い針を上下動させる針上下動機構20と、二本の針棒12,12を上下動可能に支持する針棒回動台15と、針棒回動台15を介して二本の針棒12,12をZ軸方向に沿った中心線C回りに回動させる針棒回動機構30と、二本の針棒12,12を保持して針上下動機構20による上下動動作を伝達するラッチ機構50と、ラッチ機構50の保持状態が解除された針棒12を保持するストッパ機構90と、ラッチ機構50による各々の針棒12,12の保持状態と解除状態を切り換える作動部材16と、作動部材16の位置切り替えを行う位置切り替え機構60と、各縫い針11,11に通された上糸に下糸を絡める二つの釜13,13と、ミシンモータ21から釜13,13に動力を伝達する入力軸41及び出力軸42を備えると共にこれら軸間の位相差を変更調節可能とする釜側差動伝達機構40と、ミシンモータ21から釜側差動伝達機構40の入力軸41にトルクを伝達する動力伝達機構70と、布地を保持してX−Y平面に沿って任意に移動位置決めを行う移動機構としての布移動機構80と、二本針ミシン1の各構成を支持するミシンフレーム101とを主に備えている。
[ミシンフレーム]
図1に示すように、二本針ミシン1は、外形がX軸方向から見て略コ字状を呈するミシンフレーム101を備えている。このミシンフレーム101は、二本針ミシン1の上部をなしY軸方向に延びるミシンアーム部101aと、二本針ミシン1の下部をなしY軸方向に延びるミシンベッド部101bと、上下に位置するミシンアーム部101a及びミシンベッド部101bとを連結する縦胴部101cとを有している。
[針上下動機構]
図1乃至図3に示すように、針上下動機構20は、上記ミシンアーム部101a内においてY軸方向に沿った状態で回転可能に支持された上軸22と、上軸22の一端部から回転力を付与すミシンモータ21と、上軸22の他端部に設けられた針棒クランク23と、針棒クランク23の回転中心に対する偏心位置に一端部が連結されたクランクロッド24と、ラッチ機構50を介して針棒12,12に連結された針棒抱き25と、針棒抱き25をZ軸回りに回動可能に保持する環状部材26とを備えている。
上軸22はミシンモータ21の出力軸に直結されて回転駆動が行われ、上軸22の回転は針棒クランク23とクランクロッド24とにより上下の往復動作に変換されて針棒抱き25及び環状部材26を介して針棒12,12に伝達される。
なお、針棒12,12を支持する針棒回動台15は、ミシンフレーム101によってZ軸回りに回動可能に支持されており、クランクロッド24から針棒12,12に対してZ軸回りの回動を許容しつつ、上下動動作を伝える必要がある。
このため、針棒抱き25は、略リング状に形成され、その中央開口部に針棒12,12、ラッチ機構50及び針棒回動台15を挿通させると共に、その内側には、針棒12,12を保持するラッチ機構50の両側に連結されるY軸方向に沿った二本の支軸251,251を擁している。この支軸251,251により、針棒抱き25はラッチ機構50を介して針棒12,12と一体となって上下動を行うことができる。
そして、針棒抱き25は、その外周面上に凹溝252が全周に渡って形成されており、この凹溝252には、環状部材26が嵌合し、当該凹溝252に沿って嵌合部材26が滑動可能となっている。この環状部材26は半円状である。環状部材26の直径方向の一端部がクランクロッド24の下端部に対してY軸回りに回動可能に連結され、他端部には矩形の角駒261がY軸回りに回動可能に装備されている。また、クランクロッド24の下端部における環状部材26の反対側にも角駒241がY軸回りに回動可能に装備されている。そして、これらの角駒241,261は、ミシンフレーム101内に形成されたZ軸方向に沿った図示しないガイド溝に嵌合し、環状部材26及び針棒抱き25が水平の向きを維持したまま上下動動作がガイドされる。なお、環状部材26は、針棒抱き25の支持構造の概略斜視図である図14(A)に示すように、半分欠けた半円状であるが、環状部材26を全周に渡るリング状に形成しても良い。
この構造により、クランクロッド24の下端部おける上下動動作は、環状部材26、針棒抱き25、ラッチ機構50を介して二本の針棒12,12に伝達されると共に、針棒回動台15におけるZ軸回りの回動動作を許容することが可能となっている。
[針棒回動台]
針棒回動台15は、図2及び図3に示すように、その上部151と下部152とがブロック状に形成されると共に当該上部と下部とをZ軸方向に沿った二つの側壁部153,154が連結している。
そして、上部151と下部152は、いずれも二本の針棒12,12を挿通する貫通穴がZ軸方向に沿って貫通形成されると共に、これらがミシンフレーム100により回動可能に支持されている。そして、この針棒回動台15の回動中心線Cは、Z軸方向に平行であり、また、上方から見て、二本の針棒12,12のほぼ中間を通過するように設計されている。
また、側壁部153には、Z軸方向に沿った長穴155が形成されており、前述した針棒抱き25とラッチ機構50とを連結する一方の支軸251が挿通されている。
[ラッチ機構]
図4は一方の針棒12の中心に沿った断面による針棒12の周辺構造の断面図である。
図示のように、前述した針棒12は、Z軸方向に沿った溝部121が形成されており、当該溝部121の下部にはラッチ機構50が針棒12を保持するための係合穴122が形成され、溝部121の上部にはストッパ機構90が針棒12を保持するための係合穴123が形成されている。また、溝部121の内部には、ストッパ機構90による針棒保持状態をラッチ機構50による針棒保持状態に切り替えるための揺動板124が揺動可能に設けられている。
ラッチ機構50は、二本の針棒12,12を挿通する二つの挿通穴がZ軸方向に形成された保持体51と、保持体51の正面から各挿通穴まで貫通した円形の支持穴に挿入される二つのラッチ部材52と、各ラッチ部材52をそれぞれ個別に進退移動させる二つの従動リンク53と、各従動リンク53を介して各ラッチ部材52に対して前進方向の移動力を個別に付与する二つの押圧バネ54と、各ラッチ部材52を後退した状態(退避位置)でそれぞれ係止する二つの係止爪55と、各係止爪55が係止を行う方向にそれぞれ押圧する二つの押圧バネ56と、各係止爪55による係止を解除する操作を外部から入力可能な解除ピン57とを備えている。
保持体51の二つの挿通穴はX軸方向に沿って形成され、略円柱状のラッチ部材52をX軸方向に沿って滑動可能に支持している。
このラッチ部材52の後端部は、従動リンク53に連結されており、従動リンク53は押圧バネ54によりラッチ部材52を針棒12側に押圧している。ラッチ部材52は、その先端部が針棒12の係合穴122に挿入可能な形状に形成されており、押圧バネ54の押圧力がラッチ部材52と針棒12の係合穴122との係合状態を維持し、ラッチ機構50による針棒12の保持力となっている。
また、従動リンク53の上端部は下方に押圧されるとラッチ部材52を後退させることができ、ラッチ機構50による針棒12の保持状態を解除することができる。
また、上記ラッチ部材52の後退時には、押圧バネ56により常時上方に押圧されている係止爪55がラッチ部材52の先端部を係止して、当該ラッチ部材52の前進移動を規制する。なお、二つの係止爪55はいずれも、解除ピン57により下方に押圧されることでラッチ部材52の係止状態を解除することが可能となっている。
従動リンク53の上端部は、針棒12の上下動において、その上死点に達する際に、針棒回動台15の上部151においてY軸方向にスライド可能に支持されている、図2に示す作動部材16の突起161(図4に示す)に衝突することで押圧することができる。即ち、作動部材16は、3ポジションの位置切り替えが可能なソレノイド61によりY軸方向への移動が可能となっており、一方の針棒12の保持状態を解除する従動リンク53に衝突する位置P1と他方の針棒12の保持状態を解除する従動リンク53に衝突する位置P3と解除ピン57に衝突する位置P2とに位置を切り替える制御が行われる。作動部材16は、針棒回動台15上で位置切り替え動作を行うことによってラッチ機構50による各々の針棒の保持状態を解除する。
これにより、ラッチ機構50における二本の針棒12,12に対する保持と解除とを個別に行うことを可能としている。
[ストッパ機構]
ストッパ機構90は、針棒回動台15の上部151において当該針棒回動台15の正面から針棒12の挿通穴まで貫通した二つの円形の挿通穴に挿入される二つのストッパ部材91と、各ストッパ部材91をそれぞれ個別に針棒20側へ押圧する二つの押圧バネ92と、各押圧バネ92を後方で支持すると共にストッパ部材91の挿通穴を覆い塞ぐカバー体93とを備えている。
各ストッパ部材91の挿通穴はいずれもX軸方向に沿って形成され、略円柱状のストッパ部材91をX軸方向に沿って滑動可能に支持している。
ストッパ部材91の先端部は、針棒12の係合穴123に挿入可能な形状に形成されており、押圧バネ92の押圧力がストッパ部材91と針棒12の係合穴123との係合状態を維持し、ストッパ機構90による針棒12の保持力となっている。
但し、ストッパ部材91の押圧バネ92は、ラッチ部材52の押圧バネ54よりも十分に押圧力が小さく設定されており、ラッチ部材52の解除状態にない限りは、揺動板124によってラッチ部材52に押し負けてしまい、ストッパ機構90による針棒12の保持は行われない。つまり、ストッパ機構90は、従動リンク53が作動部材16の突起161に衝突して、ラッチ機構50が保持を解除した針棒12についてのみ保持を行うようになっている。
[針棒回動機構]
図5は図3におけるT−T線に沿った断面図である。
針棒回動機構30は、図2、図3及び図5に示すように、針棒12の回動動作の駆動源となる回動モータ31と、回動モータ31の出力軸に装備された主動スプロケット32と、針棒回動台15の軸状部156の上端部に固定装備された従動スプロケット33と、主動スプロケット32と従動スプロケット33との間に掛け渡されたタイミングベルト34とを備えている。回動モータ31は、そのモータ軸がZ方向に沿って配置され、ミシンフレームに固定されている。
回動モータ31が駆動を行うと、主動スプロケット32、タイミングベルト34及び従動スプロケット33を通じて針棒回動台15をその回動中心線C回りに回動させることが可能となっている。
[位置切り替え機構]
図6は位置切り替え機構60及び作動部材16の斜視図、図7は図3におけるU−U線に沿った断面図、図8は図3におけるV−V線に沿った断面図、図9は図3におけるW−W線に沿った断面図である。
位置切り替え機構60は、ミシンフレーム101内部に固定装備されたアクチュエータとしてのソレノイド61から回動を行う、針棒回動台15に搭載された作動部材16に対して位置切り替え動作を伝達付与するための機構である。
この位置切り替え機構60は、3ポジションで停止可能なソレノイド61と、ソレノイド61のプランジャに装備されたラック部材62と、ソレノイド61からラック部材62を通じて作動部材16に位置切り替え動作を伝達する針棒側差動伝達機構63とを備えている。
ソレノイド61は三位置で選択的に停止するよう制御可能であり、各停止位置は前述した作動部材16の切り替え位置P1〜P3に対応している。
ラック部材62は、ソレノイド61によりY軸方向に沿って進退移動が可能であり、当該進退移動方向に沿ってラック歯が形成されている。
針棒側差動伝達機構(差動伝達機構)63は、アクチュエータとしてのソレノイド61からラック部材62を介して回動動作が入力される入力部材としての入力歯車631と、回動動作により作動部材16に位置切り替え動作を付与する出力部材としての出力歯車632と、入力歯車631と出力歯車632との間で回転力を反転して伝達する伝達体64と、伝達体64を針棒回動台15の回動中心線C回りに周回移動を行うように支持する回動支持体65(図3に示す)とを備えている。
そして、上記入力歯車631、出力歯車632及び回動支持体65は、いずれも針棒回動台15の上端部に形成された軸状部156により回動中心線C回りに回動可能に支持されている。なお、入力歯車631は、上側の第1歯車部631aと下側の第2歯車部631bを有し、各歯車部は歯形が異なるが、一体化して形成されている。第1歯車部631aにはラック部材62が噛み合い、第2歯車部631b(入力スプロケット)には、後述するベルト644が掛け渡される。
入力歯車631は、前述した従動スプロケット33の下側に位置し、図7に示すように、その外周面に形成された上側の第1歯車部631aが前述したラック部材62に噛合している。なお、この入力歯車631は、針棒回動台15とは分離して回動を行うことが可能である。
図3、図7に示す回動支持体65は、伝達体64をZ軸回りに回転可能に支持する支持板651と、支持板651の上面に固定されると共に前述した回動モータ31により回動が入力されるスプロケット652(図6では図示略)とを備えている。
支持板651は円形であって、入力歯車631の下側に位置しており、図7に示す針棒回動台15の軸状部156に回転可能に支持されている。
また、前述した伝達体64は、Z軸方向に沿った回転軸641と、回転軸641の上端部に固定された小スプロケット642と、回転軸641の下端部に固定された連動歯車643とを備えている。
支持板651は、伝達体64の回転軸641を回転可能に支持すると共に、その上面側に小スプロケット642を配置し、その下面側に連動歯車643を配置している。そして、支持板651の上面側において、小スプロケット642と、入力歯車631の第2歯車部631bとにベルト644が掛け渡されており、小スプロケット642と入力歯車631とは、同じ回転方向に連動回転を行うようになっている。そして、小スプロケット642が回転を行うと、回転軸641で連結された連動歯車643も同方向に同じ角度量で回転を行う。
スプロケット652はその中央部に開口部を備えて入力歯車631を遊挿している。
また、スプロケット652は、支持板651の上面に図示しないネジにより固定されている。なお、前述した小スプロケット642は、支持板651の上面に形成された凹部の内側に配置されており、スプロケット652の下側で入力歯車631の第2歯車部631bとベルト644で連結されている。
また、このスプロケット652は、針棒回動機構30の回動モータ31に設けられた主動スプロケット32とタイミングベルト653で連結されている。
即ち、回動モータ31は、その駆動時において、針棒回動台15を回動させる従動スプロケット33と回動支持体65を回動させるスプロケット652とを同時に回動させる。なお、回動支持体65が回動モータ31から入力される回転角度量は、針棒回動台15が入力される回転角度量のちょうど1/2となるように、従動スプロケット33とスプロケット652の有効径が設定されている。また、これらの回動方向は、同じ方向に設定されている。すなわち、回動モータ31は、針棒回動台15への回動動作入力時に、針棒回動台15への回動角度の半分の回動角度を回動支持体65に入力する。
このように、スプロケット652が回動モータ31から回動が付与されることにより、支持板651が支持する伝達体64を回動中心線C回りに周回移動させることが可能となっている。
出力歯車632は、支持板651の下側に位置し、図9に示すように、伝達体64の連動歯車643と噛合している。また、入力歯車631と小スプロケット642の有効径の比率と、出力歯車632と連動歯車643の有効径の比率とは一致するように設計されている。
これにより、回動支持体65を回転させない状態において、入力歯車631に所定角度の回転が入力されると、出力歯車632は、逆回転方向に同じ角度だけ回転を行うようになっている。
また、図6に示すように、前述した作動部材16は、その上部片面にラック歯が形成されており、出力歯車632と噛合している。また、作動部材16は、針棒回動台15の上部151の溝部151aに支持され、出力歯車632の外接円の接線方向に沿って摺動可能である。
ソレノイド61は3ポジションでラック部材62を停止させることができ、ラック部材62が各位置で停止した時に、作動部材16の突起部161を前述したP1〜P3の各位置に停止させる必要がある。
一方、作動部材16は、縫製時に回動動作が行われる針棒回動台15に搭載されているが、当該作動部材16の位置切り替えを行うための駆動源であるソレノイド61は、ミシンフレームに固定されている。従って、針棒回動台15の回動動作が行われると、ラック部材62と噛合する入力歯車631は、針棒回動台15と共に回動することができず、その結果、針棒回動台15と入力歯車631との間で相対的に回動動作が行われることとなる。
針棒側差動伝達機構63は、針棒回動台15の回動動作によって当該針棒回動台15と入力歯車631との間に相対的な回動角度差が生じても、針棒回動台15に対する作動部材16の位置を一定に維持することができる。
以下、図10(A)〜図10(C)に基づいて針棒回動台15の回動動作時における針棒側差動伝達機構63の作動状態を説明する。
ここでは、ソレノイド61が停止した状態で針棒回動台15が時計方向に180°の回動を行った場合を例示する。
まず、図10(A)に示すように、針棒回動台15が回動モータ31により時計方向に180°回動を付与されると、回動支持体65には同方向に90°回動が付与される。これにより、小スプロケット642は時計方向に90°周回移動を行う。この時、小スプロケット642は、停止状態の入力歯車631と、ベルト644により連結されているので、小スプロケット642自身が反時計方向に(入力歯車631の径/小スプロケットの径)×90°の回転が行われる。
これにより、図10(B)に示すように、連動歯車643は小スプロケット642と同じ周回移動と回転を行う。その結果、連動歯車643に噛合する出力歯車632は、連動歯車643の周回移動分の時計方向の回転(=90°)と、連動歯車643の回転による時計方向の回転(=90°)とが付与され、出力歯車632は、時計方向に180°回動を行うこととなる。
つまり、針棒回動台15を基準とした場合、入力歯車631は針棒回動台15に対して相対的に反時計方向に180°回動した状態となるが、出力歯車632は針棒回動台15に対して回動を生じていない状態となる。
その結果、図10(C)に示すように、出力歯車632と作動部材16との相対的な角度変化も生じないので、針棒回動台15上において作動部材16は移動を行わず、その突起部161は定位置を維持することができる。
なお、針棒回動台15の回動動作中にソレノイド61が動作して入力歯車631を回動させた場合も、上述と同様のことがいえるので、ソレノイド61の作動位置に応じて適正な位置に作動部材16の突起部161を位置決めすることが可能である。
[動力伝達機構]
図11は釜の動力伝達機構70及び釜側差動伝達機構40の機構構造を概略的に図示した構成図である。
図11に示すように、二つの釜13,13の動力伝達機構70は、釜13の回転駆動源である駆動モータ71の出力軸に連結された主動スプロケット751と、釜側差動伝達機構40の入力軸41に装備された従動スプロケット752と、ミシンベッド部101b内においてスプロケット751,752に掛け渡されたタイミングベルト753とを備えている。これにより、駆動モータ71の回転が釜側差動伝達機構40を介して各釜13に伝達される。
[釜及び差動伝達機構]
二つの釜13,13は、いわゆる全回転の水平釜であり、針板16の下方において、針棒回動台15の回動中心線Cを中心として対角に配置される。また、各釜13,13は、それぞれ対応する縫い針11,11から上糸を捕捉可能となるように、相互間の距離を縫い針11,11の距離に合わせて配置されている。
各釜13の下部には支軸14が設けられ、当該各支軸14は図示しない釜土台によりZ軸回りに回転可能に支持される。釜土台は、釜側差動伝達機構40の回動台43の上部に固定装備され、回動台43と共に中心線C回りに周回移動を行うことができ、これにより、二つの釜13,13が中心線C回りに回動して旋回移動を行い、針棒回動台15による二つの針棒12,12の周回移動に追従することが可能となっている。
釜側差動伝達機構40は、針棒12の下方であってミシンベッド部101bの一端部に取り付けられてミシンフレーム101と一体をなす支持フレームに支持されている。
そして、釜側差動伝達機構40は、動力伝達機構70から伝わる駆動モータ71からの回転力を各釜13に伝達して支軸14回りに回転させる機能と、中心線C回りに各釜13の位置を回動させる機能と、当該各釜13の位置の回動による支軸14回りの位相の変動を補正する機能とを有するものである。
即ち、釜側差動伝達機構40は、動力伝達機構70を介してミシンモータ21から回転力が入力される入力軸41と、入力軸41から伝達される回転力を釜13側に出力する出力軸42と、入力軸41及び出力軸42を支持する支持枠441を有すると共にこれらの軸間で回転力を伝達する軸間伝達部44と、出力軸42から各釜13の支軸14に回転力を伝達する釜伝達部45と、釜土台を保持すると共にミシンフレームにより中心線C回りに回動可能に支持された回動台43と、支持枠441と回動台43とに回動動作を付与する回動付与機構46とを備えている。
釜伝達部45は、回動台43の上端部から突出した出力軸42の上端部に固定装備された主動スプロケット451と、当該主動スプロケット451に隣接すると共に一方の釜13の支軸14の下端部に固定装備された従動スプロケット452と、従動スプロケット452とは逆側で主動スプロケット451に隣接すると共にもう一方の釜13の支軸14の下端部に固定装備された従動スプロケット453と、天板部431の上面においてZ軸回りに軸支されたテンションプーリ454と、これらスプロケット及びテンションプーリ454に掛け渡された両歯タイミングベルト455とを備えている。
かかる構成により、主動スプロケット451が出力軸42と共に回転すると、両歯タイミングベルト455を介して、従動スプロケット452、453が主動スプロケット451とは逆方向に回転する。
軸間伝達部44において支持枠441が回動台43の内側において当該回動台43により中心線C回りに回動可能に支持されると共に、当該支持枠441が入力軸41及び出力軸42を中心線C回りに回転可能に支持している。
そして、軸間伝達部44は、入力軸41の対向端部に固定装備された第一のかさば歯車442と、出力軸42の対向端部に固定装備された第二のかさば歯車443と、互いに対向する第一と第二のかさば歯車442,443の双方に噛合する伝達かさば歯車444を軸支する伝達体445とを備えている。
かかる構造により、軸間伝達部44はいわゆる差動歯車機構を構成している。
回動付与機構46は、支持枠441の下端部に固定装備され、当該支持枠441への回動力が入力される第一の従動部材としての第一の従動スプロケット461と、回動台43の下端部に固定装備され、当該回動台43への回動力が入力される第二の従動部材としての第二の従動スプロケット462と、支持枠441及び回動台43の回動駆動源となる回動モータ463と、回動モータ463から第一の従動スプロケット461に回動力を入力する第一の主動部材としての第一の主動スプロケット464と、回動モータ463から第二の従動スプロケット462に回動力を入力する第二の主動部材としての第二の主動スプロケット465と、第一の主動スプロケット464と第一の従動スプロケット461との間に掛け渡されたタイミングベルト466と、第二の主動スプロケット465と第二の従動スプロケット462との間に掛け渡されたタイミングベルト467とを備えている。
そして、第一の従動スプロケット461と第二の従動スプロケット462とは、その有効径の大きさが同一に設定されており、第一の主動スプロケット464と第二の主動スプロケット465とは、その有効径の大きさが1:2に設定されている。即ち、回動モータ463の駆動により、支持枠441に付与される回動角度は回動台43の半分になる。
さらに、第一の主動スプロケット464と第二の主動スプロケット465とはいずれも回動モータ463の出力軸に固定装備されているため、これらのスプロケット464,465は常に連動して同時に回転を行うようになっている。
即ち、この軸間伝達部44は、針棒側差動伝達機構63と同様の作用を得ることが可能な構造となっている。
針棒側差動伝達機構63の入力歯車631及び出力歯車632は、軸間伝達部44の第一のかさば歯車442及び第二のかさば歯車443に対応し、針棒側差動伝達機構63の伝達体64は軸間伝達部44の伝達かさば歯車444に対応する。また、針棒回動台15は回動台43に対応し、支持枠441は回動支持体65に対応する。
これにより、各釜13,13の駆動時に、回動台43で二つの釜13,13を中心線C回りに旋回すると、支持枠441はその半分の角度で回動を行い、伝達かさば歯車444が支持枠441と共に旋回することで、各釜13,13の旋回によるその位相のずれを出力軸42側に対して補正することができる。
つまり、各釜13が位相の変動を生じることなく各釜13を旋回させることが可能である。
[布移動機構]
図1に示すように、布移動機構80は、ミシンベッド部101bの上面において被縫製物を保持する保持枠81と、保持枠81を昇降可能に支持する支持アーム82と、支持アーム82を介して保持枠81をX軸方向に移動させるX軸モータ(図示略)と、支持アーム82を介して保持枠81をY軸方向に移動させるY軸モータ(図示略)とを備えている。
布移動機構80は、かかる構成により、保持枠81を介して被縫製物をX−Y平面の任意の位置に移動位置決めすることができ、一針ごとに任意の位置に針落ちを行うことができ、自在な縫い目の形成が可能となっている。
[ミシンの縫製動作]
図12の縫製パターンに従って二本針縫い目の形成を行う縫製動作について説明する。
まず、前提として、二本針ミシン1の図示しない制御部は、一方の縫い針11の縫製パターンを示す位置座標のデータを保有しており、当該位置座標データから毎針の針落ち位置へ一方の縫い針11を針落ちさせるためのX軸モータ及びY軸モータの駆動動作量を算出する(ステップS1)。
さらに、毎針のX軸モータ及びY軸モータの駆動動作量のデータから毎針の縫いの進行方向を求め、進行方向に直交する方向に針棒12,12及び釜13,13が並ぶようにそれぞれの旋回角度を演算する(ステップS3)。
そして、ミシンモータ21を駆動して縫いを開始し、一針毎にX軸モータ及びY軸モータを駆動させて所定の縫い方向に縫いを進行させると共に、一針ごとに針棒12,12及び釜13,13が予定された向きに並ぶように各回動モータ31,463を制御する(ステップS5)。
また、現在の縫い位置が縫製パターンの定められた頂点A1〜A4のいずれかである場合には(ステップS7)、内側の縫いを行う針棒12のラッチ機構50による保持を解除するようソレノイド61のポジションを制御する(ステップS9)。
これにより外側となる針棒12のみが縫製を行う(ステップS11)。即ち、途中で各回動モータ31,463を駆動して90°旋回し片針で角部の縫い目を形成し、その後、保持を解除していた針棒12のラッチ機構50による保持を再開するようソレノイド61のポジションを制御する(ステップS13)。
そして、縫製パターンにおける最終針に到達したか判定し(ステップS15)、最終針まで縫製を行った場合には、全てのモータの駆動を停止させて縫いを終了させる。また、まだ最終針に達していない場合には、ステップS5に戻って、縫いを継続する。
[発明の実施の形態の効果]
上記二本針ミシン1は、上述のように、ソレノイド61から作動部材16に位置切り替え動作を伝達する差動伝達機構63が、入力歯車631と出力歯車632との間で回転力を反転して伝達する伝達体64を支持する回動支持体65が針棒回動台15の回動時に当該針棒回動台15の半分の角度で回動を行うので、ラック部材62に噛合する入力歯車631が針棒回動台15と共に回動を行わずに、相互間で回動角度差が発生した場合でも、出力歯車632側では、伝達体64により針棒回動台15と同方向に同じ回動角度で回動させることができる。従って、針棒回動台15に搭載された作動部材16は、針棒回動台15の回動により位置ズレを生じることがない。
このため、ソレノイド61を針棒回動台15に搭載しなくとも、作動部材16を正しい位置にキープすることができ、針棒12の保持と解除を正しく実行することが可能となる。
そして、これにより、針棒回動台15の旋回重量の軽減を図ることができ、旋回動作を行う回動モータ31を大型化することなく、高速動作が可能となり、縫製の高速化を実現することが可能となる。
また、針棒回動台15上にソレノイドを搭載しないで済むことから、当該ソレノイドへの通電を行うためのスリップリング等の特殊な部品が不要となり、ミシン製造コストの低減を図ることが可能となる。
また、二本針ミシン1は、布移動機構80を備え、布移動機構80と各回動モータ31,463とを制御して所定の縫製パターンに沿って二本針縫い目の形成を行う。その際、縫いの進行方向に応じて針棒12,12の旋回も行われることとなるが、その場合でも、作動部材16は、針棒回動台15の回動により位置ズレを生じることがなく、作動部材16による針棒12の保持と解除を正しく実行することが可能となる。
また、上記二本針ミシン1の針棒側差動伝達機構63では、伝達体64を小スプロケット642と平歯車である連動歯車643とで構成し、入力歯車631と出力歯車632も平歯車で構成すると共に、これらスプロケットと歯車をいずれもその回転軸線をZ軸方向に向けているため、当該Z軸方向について、針棒側差動伝達機構63の薄型化を図ることが容易である。このため、針棒12の周囲の限られたスペース内でも針棒側差動伝達機構63の設置を行うことが可能である。
[その他]
なお、針棒側差動伝達機構63では、伝達体64を小スプロケット642と平歯車である連動歯車643とで構成し、これらの回転軸線を入力歯車631及び出力歯車632の回転軸線と同じZ軸方向に向けているが、この構造に限定するものではない。
例えば、針棒側の差動伝達機構63でも、釜側差動伝達機構40のように、入力歯車631及び出力歯車632を互いに同心で対向するかさば歯車とし、伝達体64を入力歯車631及び出力歯車632に同時に噛合するかさば歯車としても良い。
かかる構造の場合、伝達体64が入力歯車631と出力歯車632のそれぞれに対応する部材を備える必要がなく、単独のかさば歯車で動力伝達を行うので、部品点数低減の面で有利である。
また、逆に、釜側差動伝達機構40の第一と第二のかさば歯車442,443及び伝達体445について、針棒側の差動伝達機構63のように、入力歯車631,出力歯車632及び小スプロケット642と連動歯車643からなる伝達体64と同じ部材で構成しても良い。
また、上記実施形態では、図14(A)に示すように、針棒抱き25の凹溝252に、半円状の環状部材26が嵌合して、クランクロッド24の上下動動作を針棒抱き25に伝達していた。これに代えて、例えば、図14(B),(C)に示すように、針棒抱き25の外周より大きい環状部材106と、半円状の環状部材106の両端部に設けられた支持軸107、107と、この支持軸107の外側に設けられた第1角駒261、241と、この支持軸107の内側に設けられた第2角駒108、108を用いることも容易に考えられる。この他の実施形態では、第2角駒108、108が針棒抱き25を支持しているので、磨耗等が発生しても、第2角駒108を交換すればよいのでメンテナンスしやすい。
1 二本針ミシン
11 縫い針
12 針棒
13 釜
14 支軸
15 針棒回動台
16 作動部材
20 針上下動機構
30 針棒回動機構
31 回動モータ
40 釜側差動伝達機構
50 ラッチ機構
60 位置切り替え機構
61 ソレノイド(アクチュエータ)
63 針棒側差動伝達機構(差動伝達機構)
631 入力歯車(入力部材)
632 出力歯車(出力部材)
64 伝達体
642 小スプロケット
643 連動歯車
65 回動支持体
70 動力伝達機構
80 布移動機構(移動機構)
90 ストッパ機構
101 ミシンフレーム
C 中心線

Claims (5)

  1. 縫い針を保持し、垂直方向に沿って上下動を行う二本の針棒と、
    各々の前記針棒を上下動させる針上下動機構と、
    前記二本の針棒を上下動可能に支持すると共にミシンフレームにより垂直方向に沿った中心線回りに回動可能に支持された針棒回動台と、
    前記針棒回動台を介して前記二本の針棒を回動させる針棒回動機構と、
    前記二本の針棒を保持して前記針上下動機構による上下動の動作を伝達するラッチ機構とを備える二本針ミシンにおいて、
    前記針棒回動台上で位置切り替え動作を行うことによって前記ラッチ機構による各々の前記針棒の保持状態を解除する作動部材と、
    前記ミシンフレームに固定装備されると共に前記作動部材の位置切り替え動作の駆動源となるアクチュエータと、
    前記アクチュエータから前記作動部材に前記位置切り替え動作を伝達する差動伝達機構とを備え、
    前記差動伝達機構は、
    前記針棒回動台によりその回動中心回りに前記針棒回動台とは分離して回動可能に支持されると共に前記アクチュエータにより回動動作が入力される入力部材と、
    前記針棒回動台によりその回動中心回りに回動可能に支持されると共に当該回動動作により前記作動部材に位置切り替え動作を付与する出力部材と、
    前記針棒回動台によりその回動中心回りに回動可能に支持されると共に前記伝達体を前記針棒回動台の回動中心線回りに周回移動を行うように支持する回動支持体と、
    前記回動支持体を回転させない状態において前記入力部材に所定角度の回転が入力されると出力部材に逆回転方向へ同じ角度だけ回転を行うように回転力を反転して伝達する伝達体と、を備え、
    前記針棒回動機構による前記針棒回動台の回動動作の駆動源となる回動モータを前記ミシンフレームに固定装備すると共に、
    前記回動モータは、前記針棒回動台と前記回動支持体の両方に個別に回動動作を入力し、
    当該回動モータは、前記針棒回動台への回動動作入力時に、前記針棒回動台への回動角度の半分の回動角度を前記回動支持体に入力することにより、前記出力部材を前記針棒回動台と同方向に当該針棒回動台と同じ回動角度で回動させることを特徴とする二本針ミシン。
  2. 前記針棒の中心線に垂直な平面上において任意の方向に被縫製物を移動可能な移動機構を備えることを特徴とする請求項1記載の二本針ミシン。
  3. 前記移動機構と前記回動モータを制御して、予め定められた縫製パターンの形状に沿って二本針縫い目の形成を行うことを特徴とする請求項2記載の二本針ミシン。
  4. 前記差動伝達機構は、かさば歯車を用いた差動歯車機構であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の二本針ミシン。
  5. 前記差動伝達機構の伝達体は、前記入力部材と出力部材との間の回転力をベルト又はベルトと歯車の組み合わせを用いて伝達することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の二本針ミシン。
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