JP5858294B2 - インクセット、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクセット、及びインクジェット記録方法に関し、特に、記録した際の粒状性抑制、擬似輪郭抑制、虹光抑制、色再現性、及び光沢性を満足できるインクセットに関する。
従来から、カラーインクジェット記録用のインクセットとして、イエロー(Y)、マゼ
ンタ(M)、及びシアン(C)のインクを備えた3色インクセットや、さらにブラック(
K)のインクを加えた4色インクセットが提供されている。また、得られる記録物におけ
る色再現性を高めるために、YMCインクに加えて、レッド(R)及び/又はバイオレッ
ト(V)のインクを備えたインクセットが提案されている(例えば、特許文献1を参照)
。また、YMCインクに加えて、オレンジ(Or)及びグリーン(Gr)の2色の特色イ
ンクを備えたインクセットも提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
国際公開第02/100959号パンフレット 国際公開第99/05230号パンフレット
しかしながら、特許文献1のインクセットを用いた記録では、光沢性は優れるが、干渉
色(ブロンジング)のさらなる抑制が望まれる。また、特許文献2のインクセットを用い
た記録では、顔料固形分が3重量%以上であるために、印画紙ベースの光沢メディア(例
えば、写真用紙<光沢>(製品番号KA420PSK)(セイコーエプソン社製))上において、
さらなる光沢性の向上が望まれる。
そして、従来のインクセットでは、記録サンプルにおける人肌色の階調性が十分実現さ
れていなかった。すなわち、従来のインクセットでは、人肌色の暗部の色再現において、
粒状性が劣化してしまう問題、擬似輪郭が発生してしまう問題、色再現のために記録され
るCインクのドットとYインクのドットが局所的に重なって人肌色の暗部が緑味に転ぶ現
象(緑転び)が発生してしまう問題、Cインクの顔料固形分濃度が3重量%以下になると
赤味の干渉色を発生させるために、人肌色の暗部においてドット重なりの緑と干渉色の赤
とが混在し、虹色に光る現象(虹光)が強くなる問題、等がある。このような問題は、露
出等が不適切に撮影された乳幼児の顔写真において、顕著である。
そこで、本発明は、記録した際の粒状性抑制、擬似輪郭抑制、虹光抑制、色再現性、及
び光沢性を満足できるインクセットを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定のYMCインク、特定のインク(A)、及び特
定のインク(B)を備えたインクセットが、記録した際の粒状性抑制、擬似輪郭抑制、虹
光抑制、及び色再現性の向上を満足できることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)少なくとも、記録媒体上でのCIELAB色空間において定義される色相角∠H°が80°〜110°の範囲であるイエローインク、該色相角∠H°が330°〜360°の範囲であるマゼンタインク、及び該色相角∠H°が230〜260°の範囲であるシアンインクの3色のインクと、下記インク(A)及び下記インク(B)と、を備え、
前記シアンインクは、少なくともC.I.ピグメントブルー15:3を含み、
前記インク(A)は、少なくともC.I.ピグメントレッド17,49:2,112,149,177,178,179,188,254,255,及び264からなる群より選択される一種以上を含み、
前記インク(B)は、少なくともC.I.ピグメントオレンジ5,43,36,62,及び242から選択される一種以上を含み、
前記イエローインクと前記シアンインクが錯体顔料を含む、インクセット
インク(A):前記色相角∠H°が0°〜80°の範囲であるインク
インク(B):前記色相角∠H°が0°〜80°の範囲であるインク
〔前記インク(A)は前記マゼンタインクよりも彩度の最大値が高く、かつ同一インク付着量において低明度であり、前記インク(B)は前記マゼンタインクよりも彩度の最大値が高く、かつ同一インク付着量において高明度であり、前記イエローインクよりも彩度の最大値が高く、かつ同一インク付着量において低明度である。前記色相角(∠H°)は、∠H°=tan-1(b*/a*)+180(a*<0の場合)、又は∠H°=tan-1(b*/a*)+360(a*>0の場合)により求められる。a*及びb*は、CIELAB色空間において定義される知覚色度指数を表す。〕;
(2)前記イエローインクは、C.I.ピグメントイエロー74と、C.I.ピグメントイエロー129と、を顔料として含む、前記(1)に記載のインクセット;
(3)前記シアンインクが白色顔料を含む、前記(1)又は(2)に記載のインクセット;
(4)前記マゼンタインクがγ型C.I.ピグメントバイオレット19及びC.I.ピグメントレッド202の固溶体を顔料として含む、前記(1)〜(3)の何れか1に記載のインクセット;
(5)前記インク(B)は、C.I.ピグメントオレンジ43と、C.I.ピグメントレッド242との混合比が、4:1〜2:1である、前記(1)〜(4)の何れか1に記載のインクセット;
(6)さらに、C.I.ピグメントブルー15:1及び/又はC.I.ピグメントバイオレット23を顔料として含むブルーインクを備える、前記(1)〜(5)の何れか1に記載のインクセット;
(7)前記各インク中の顔料固形分濃度が3重量%未満である、前記(1)〜(6)の何れか1に記載のインクセット;
(8)さらに、ブラックインクを備え、該ブラックインクはC.I.ピグメントブラック7を顔料として含む、前記(1)〜(7)の何れか1に記載のインクセット;
(9)さらに、ブラックインクを備え、該ブラックインクの顔料固形分濃度が1重量%以下である、前記(1)〜(8)の何れか1に記載のインクセット;
(10)さらに、クリアインクを備える、前記(1)〜(9)の何れか1に記載のインクセット;
(11)前記(1)〜(10)の何れか1に記載のインクセットを用いて画像を形成する、インクジェット記録方法;を提供する。
本発明によれば、記録した際の粒状性抑制、擬似輪郭抑制、虹光抑制、及び色再現性、
及び光沢性を満足できるインクセットを提供することができる。
マゼンタインクに含まれる固溶体の好適な例の粉末X線回折分析の結果を示すグラフである。 実施例1のインクセットを用いて記録した記録物のa*値とb*値の関係を示すグラフである。 実施例1及び比較例1のイエローインクを用いて記録した記録物の彩度と明度の関係を示すグラフである。 実施例1及び比較例1のマゼンタインクを用いて記録した記録物の彩度と明度の関係を示すグラフである。 実施例1に係る記録物の彩度と明度の関係を示すグラフである。 実施例1に係る記録物のDutyと明度の関係を示すグラフである。 実施例1及び比較例1のインクセットのパッチパターンについて、色再現面積を比較した図である。 実施例1のオレンジインク組成物と実施例2のオレンジインク組成物に係る記録物の彩度と明度の関係を示すグラフである。 実施例1のオレンジインク組成物と実施例2のオレンジインク組成物に係る記録物の彩度と明度の関係を示すグラフである。 実施例1のオレンジインク組成物と実施例2のオレンジインク組成物に係る記録物のDutyと明度の関係を示すグラフである。 実施例2及び比較例2のインクセットのパッチパターンについて、色再現面積を比較した図である。 実施例1及び実施例3のインクセットのパッチパターンについて、色再現面積を比較した図である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を説明するた
めの例示であり、本発明をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要
旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施することができる。
本発明のインクセットは、少なくとも、記録媒体上でのCIELAB色空間において定
義される色相角∠H°が約80°〜約110°の範囲であるイエローインク、該色相角∠
H°が約330°〜約360°の範囲であるマゼンタインク、及び該色相角∠H°が約2
30〜約260°の範囲であるシアンインクの3色のインクと、下記インク(A)及び下
記インク(B)と、を備える。
インク(A):前記色相角∠H°が約0°〜約80°の範囲であるインク
インク(B):前記色相角∠H°が約0°〜約80°の範囲であるインク
〔前記インク(A)は前記マゼンタインクよりも高彩度かつ低明度であり、前記インク(
B)は前記マゼンタインクよりも高彩度かつ高明度であり、前記イエローインクよりも高
彩度かつ低明度である。
前記色相角(∠H°)は、∠H°=tan-1(b*/a*)+180(a*<0の場合)
、又は∠H°=tan-1(b*/a*)+360(a*>0の場合)により求められる。a*
及びb*は、CIELAB色空間において定義される知覚色度指数を表す。〕
「記録媒体」は、好ましくはインクジェット記録方法等において通常用いられる記録媒
体であり、特に、PM写真用紙(セイコーエプソン株式会社製)であることが好ましい。
各インクの色材は顔料インクであることが好ましい。
このような構成としたことにより、記録した際の粒状性抑制、擬似輪郭抑制、虹光抑制
、色再現性、及び光沢性を満足することができる。すなわち、上記構成としたことにより
、光沢性を維持しつつ、記録サンプルにおける人肌色の階調性が改善される。
人肌色の暗部の色再現において、粒状性が劣化することを抑制でき、擬似輪郭の発生を
抑制でき、インクの顔料固形分濃度が低い場合に生じる虹光りを軽減することができる。
また、a*>0の場合において、高明度、中明度、低明度領域における色再現性が一層
向上する。
前記インク(A)がMインクよりも高彩度かつ低明度であるが、Yインクの明度が低い
ので、粒状性を劣化させることがなく、さらに、Mインクの彩度が高くインク(B)の彩
度が高いので、擬似輪郭を抑制することができるので、人肌色において同一色相で明度を
低下させることができる。
前記インク(B)がMインクよりも高彩度かつ高明度であり、Yインクよりも高彩度か
つ低明度であるので、インク(B)を積極的に発生させても粒状性が劣化することがない
。このため、Yインクの代替としてインク(B)を使用できるので、Cインクのドットと
Yインクのドットが重なる頻度を効果的に低減でき、緑転びを抑制することができる。
また、Cインクに対してインク(B)の色相角の差がほぼ180度なので、Cインクが
発生した場合でも緑転びすることなく、効果的に明度を低下させることができる。
前記イエローインクは錯体顔料を含むことが好ましい。
前記イエローインクに含まれる顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(
PY)1,2,3,12,14,16,17,73,74,75,83,93,95,9
7,98,109,110,114,128,129,138,139,147,150
,151,154,155,180,185等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が
用いられる。
前記イエローインクは、特に、C.I.ピグメントイエロー74(PY74)と、C.
I.ピグメントイエロー129(PY129)と、を顔料として含むことが好ましい。
前記シアンインクは錯体顔料を含むことが好ましい。
前記シアンインクに含まれる顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(PB
)1,2,3,15:3,15:4,15:34,16,22,60;C.I.バットブ
ルー4,60,C.I.ピグメントブルー76(PB76)等が挙げられ、これらの1種
又は2種以上が用いられる。
前記シアンインクは、特に、C.I.ピグメントブルー15:4(PB15:4)、C
.I.ピグメントブルー15:3の群から選ばれる1種または2種を顔料として含むこと
が好ましい。
前記シアンインクは、さらに白色顔料を含むことが好ましい。白色顔料としては、二酸
化チタン、二酸化ジルコニア等の第IV族元素酸化物が挙げられる。シアンインクが白色
顔料を含むことにより、干渉色の赤光が抑制され、虹光を抑制することができる。
前記マゼンタインクに含有される顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(
PR)5,7,12,48(Ca),48(Mn),57(Ca),57:1,112,
122,123,168,184,202,209;C.I.ピグメントバイオレット1
9(PV19)等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。
前記マゼンタインクは、特に、γ型C.I.ピグメントバイオレット19(PV19)
及びC.I.ピグメントレッド202(PR202)の固溶体を顔料として含むことが好
ましい。「γ型C.I.ピグメントバイオレット19と、C.I.ピグメントレッド20
2と、の固溶体」とは、γ型PV19と、PR202とが固体で互いに溶けた状態をなす
結晶を意味する。上記固溶体のγ型PV19とPR202との量比は本発明の範囲内で適
宜調整できるが、γ型PV19の重量がPV202の重量よりも大きいことが好ましい。
前記固溶体の好適な例の粉末X線回折分析の結果を図1に示す。本分析においては、Pa
Nalytical X'PertProを用いて、深さ0.5mmのガラスセルに試料を詰めて測定した。
上記好適なマゼンタインクは、上記固溶体に加えて、PV19、PV32等のその他の
マゼンタ系顔料をさらに含んでいてもよい。
前記インク(A)はレッドインクであることが好ましい。
前記インク(A)に含まれる顔料としては、C.I.ピグメントレッド(PR)17,
49:2,112,149,177,178,179,188,254,255及び26
4からなる群から選ばれる1種又は2種以上が好適に用いられる。
前記インク(A)は、特に、C.I.ピグメントレッド177(PR177)及び/又
はC.I.ピグメントレッド179(PR179)を顔料として含むレッドインクである
ことが好ましい。
前記インク(B)はオレンジインクであることが好ましい。
前記インク(B)に含まれる顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ5,43,3
6,62,242からなる群から選ばれる1種又は2種以上が好適に用いられる。
前記インク(B)は、特に、C.I.ピグメントオレンジ43(POr43)及び/又
はC.I.ピグメントレッド242(PR242)を顔料として含むオレンジインクであ
ることが好ましい。C.I.ピグメントオレンジ43(POr43)及びC.I.ピグメ
ントレッド242(PR242)を顔料として含む場合、耐光性と発色性を兼ね備えたイ
ンクを得る観点から、前記C.I.ピグメントオレンジ43と、C.I.ピグメントレッ
ド242との混合比は、4:1〜2:1であることが好ましい。
インクセットは、さらに、C.I.ピグメントブルー76(PB76)、C.I.ピグ
メントブルー15:1(PB15:1)、ニッケルフタロシアニン及び/又はC.I.ピ
グメントバイオレット23(PV23)を顔料として含むブルーインクを備えていてもよ
い。
前記各インク中の顔料固形分濃度は、3重量%未満であることが好ましい。
インクセットは、さらに、ブラックインクを備え、該ブラックインクはC.I.ピグメ
ントブラック7を顔料として含んでいてもよい。
インクセットが、さらに、ブラックインクを備える場合、該ブラックインクの顔料固形
分濃度は1重量%以下であることが好ましい。
ブラックインクに含有される顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラ
ック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメ
ントブラック7)類、酸化鉄顔料等の無機顔料;アニリンブラック(C.I.ピグメント
ブラック1)等の有機顔料等が挙げられる。特に、カーボンブラックを用いることが好ま
しく、好ましいカーボンブラックの例として、三菱化学製のNo.2300, No.900, MCF88, No
.33, No.40, No.52, MA7, MA8, MA100, No.2200B等、コロンビア製のRaven5750,Raven52
50, Raven5000, Raven3500, Raven1255, Raven700等、キャボット社製のRegal 400R, Reg
al 400R, Regal 1660R, Mogul 1, Monarch700, Monarch800, Monarch880, Monarch900, M
onarch1000, Monarch1100, Monarch1300, Monarch1400等、テグッサ社製のColor Black F
W1, Color Black FW2, Color Black FW2V, Color Black FW18, Color Black FW200, Colo
r Black S150, Color Black S160, Color Black S170, Printex 35, Printex U, Printex
V, Printex 140U, Specil Black 6, Specil Black5, Specil Black 4A, Specil Black 4
等が挙げられる。
インクセットは、さらに、着色剤を含まないクリアインクを備えていてもよい。クリア
インクを備えることにより、光沢性、発色性、耐擦性、及び保存安定性に優れた記録画像
が得られる。
各インクは、顔料の分散安定性を高めるために分散剤を含有させることが好ましい。好
適な分散剤の例としては、カチオン性分散剤、アニオン性分散剤、ノニオン性分散剤、界
面活性剤が挙げられる。
アニオン性分散剤の例としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−ア
クリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アク
リル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリ
ル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン
−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン
−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキ
ルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共
重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、
酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニ
ル−アクリル酸共重合体等が挙げられる。
ノニオン性分散剤としては、ポリビニルピロリドン、ポリプロピレングリコール、ビニ
ルピロリドン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
分散剤としての界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリ
ル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩等
のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアル
キルアミド等のノニオン性界面活性剤、が挙げられる。特に、顔料の分散安定性を高める
観点から、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を用いることが好ましい。
分散剤は、各インク中、固形分換算で好ましくは、0.1〜10重量%、更に好ましく
は、0.3〜6重量%含有される。
各インクは、炭素数5〜10の分岐を有してもよいアルカンジオールを3重量%以上1
5重量%以下含むことが好ましい。特に、水溶性の1,2−アルカンジオールを8〜15
重量%含むことが好ましい。あるいは、水溶性の両末端アルカンジオールを3〜8重量%
含むことが好ましい。4−メチル−1,2−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオー
ル、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、4,4−ジメチル−1,2−ペンタン
ジオール、5−メチル−1,2−ヘキサンジオール,1,2−ヘキサンジオール、1,2
−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールが好ましい。さらには、4−メチル−1
,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールが好ましい。
各インクは、湿潤剤として、多価アルコール類、糖類、エチレンオキサイド鎖を有する
多価アルコール類を1種又は2種以上含むことが好ましい。このような湿潤剤を加えるこ
とによって、インクジェット記録用に用いた場合に、インクの乾燥を防いでインクジェッ
トプリンタのヘッドでの目詰まりが抑制される。
湿潤剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレ
ングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の多価ア
ルコール類;糖アルコール等の糖類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエ
チレングリコールモノブチルエーテル等のエチレンオキサイド鎖を有する多価アルコール
類;等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。
湿潤剤は、各インク中、固形分換算で好ましくは3〜16重量%含有される。
各インクは、浸透剤として、ラクトン類、ラクタム類(ピロリドン類)、アルカンジオ
ール類、グリコールエーテル類を1種又は2種以上含んでもよい。浸透剤を加えることに
よって、記録媒体への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。
浸透剤としては、例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、2−ピロリドン、N−
メチル−2−ピロリドン等のラクタム類(ピロリドン類);1,2−ペンタンジオール、
4−メチル−1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール等のアルカンジオー
ル等;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエー
テル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエ
ーテル等のグリコールエーテル類;が挙げられる。
浸透剤は、各インク中、固形分換算で好ましくは8〜15重量%含有される。
各インクは、界面活性剤として、アセチレングリコール類、ポリシロキサン類を1種又
は2種以上含んでもよい。界面活性剤を加えることによって、記録媒体への濡れ性を高め
てインクの浸透性を高めることができる。
各インクは、界面活性剤として、ポリオルガノシロキサンを含むことが好ましい。
本発明のマゼンタインク組成物がポリオルガノシロキサンを含む場合、一種のポリオル
ガノシロキサンを含んでもよいし、又は二種以上のポリオルガノシロキサンを含んでもよ
い。
各インクは、界面活性剤として、下記一般式で表されるポリオルガノシロキサンを含む
ことが好ましい。
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、aは7〜11の整数を表し、mは20〜7
0の整数を表し、nは2〜5の整数を表す。)
このような好適な構成とすることにより、光沢感が一層向上した記録物を得ることがで
きる。
又は、各インクは、界面活性剤として、上記一般式で表されるポリオルガノシロキサン
に加えて、さらに、下記一般式で表されるポリオルガノシロキサンを含むことが好ましい

(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、aは9〜13の整数を表し、mは2〜4の
整数を表し、nは1〜2の整数を表す。)
このような好適な構成とすることにより、印刷本紙に記録した際の凝集むらを抑制する
ことができる。
各インクは、インクの乾燥時間を短縮する観点から、低沸点有機溶媒を含んでもよい。
該低沸点有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール
、iso−プロプルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタ
ノール、iso−ブタノール、n−ペンタノール等が挙げられ、これらの1種又は2種以
上が用いられる。特に、一価アルコールが好ましい。
各インクは、前述した顔料、分散剤、湿潤剤、低沸点有機溶媒、浸透剤、界面活性剤等
の成分を含有し、バランスとして水を含有することが好ましい。水は、イオン交換水、限
外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水又は超純水を用いることが好ましい。特に、これら
の水を、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌処理した水は、長期間に亘ってカビ
やバクテリアの発生が防止されるので好ましい。
各インクには、更に必要に応じて、水溶性ロジン類等の定着剤、安息香酸ナトリウム等
の防黴剤・防腐剤、アロハネート類等の酸化防止剤・紫外線吸収剤、キレート剤、酸素吸
収剤、pH調整剤等の添加剤を含有させることができ、これらの1種又は2種以上が用い
られる。
pH調整剤としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、ト
リプロパノールアミン等を挙げることができる。pH調整剤の添加量は目的とするpHに
応じて決定される。
本発明のインクセットは、ノズルからインクの液滴を吐出させ、該液滴を記録媒体に付
着させて文字や図形等の画像を形成する記録方法であるインクジェット記録方法に用いら
れることが好ましく、特にオンデマンド型のインクジェット記録方法に用いられることが
好ましい。オンデマンド型のインクジェット記録方法としては、例えば、プリンターヘッ
ドに配設された圧電素子を用いて記録を行う圧電素子記録方法、プリンターヘッドに配設
された発熱抵抗素子のヒーター等による熱エネルギーを用いて記録を行う熱ジェット記録
方法等が挙げられ、何れのインクジェット記録方法にも好適に使用できる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。当業者は、以下に示す実施例のみならず様々な変更を加えて実施す
ることが可能であり、かかる変更も本特許請求の範囲に包含される。
〔実施例1〕
マゼンタインクとして、γ型PV19とPR202との固溶体(以下、固溶体という)
であってγ型PV19の重量がPR202の重量よりも大きい固溶体を含むマゼンタイ
ク組成物を以下の配合により調製した。また、以下の配合によるイエローインク、シアン
インク、レッドインク、オレンジインク、ブラックインクをそれぞれ調製し、インクセッ
トを得た。
<マゼンタインク組成物;実施例1>
固溶体 2.2重量%
スチレンアクリル酸共重合樹脂 0.8重量%
グリセリン 10.0重量%
4−メチル−1,2−ペンタンジオール 8.0重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
BYKUV3510(ビッグケミー社) 0.1重量%
純水 残量
計 100.0重量%
<イエローインク組成物;実施例1>
PY74 1.5重量%
PY129 0.5重量%
スチレンアクリル酸共重合樹脂 0.8重量%
グリセリン 10.0重量%
4−メチル−1,2−ペンタンジオール 8.0重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
BYKUV3510(ビッグケミー社) 0.1重量%
純水 残量
計 100.0重量%
<シアンインク組成物(1);実施例1>
PB15:4 1.5重量%
二酸化チタン 0.5重量%
スチレンアクリル酸共重合樹脂 0.8重量%
グリセリン 10.0重量%
4−メチル−1,2−ペンタンジオール 8.0重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
BYKUV3510(ビッグケミー社) 0.1重量%
純水 残量
計 100.0重量%
<レッドインク組成物;実施例1>
PR177 2.5重量%
スチレンアクリル酸共重合樹脂 1.0重量%
グリセリン 10.0重量%
4−メチル−1,2−ペンタンジオール 8.0重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
BYKUV3510(ビッグケミー社) 0.1重量%
純水 残量
計 100.0重量%
<オレンジインク組成物;実施例1>
POr43 2.0重量%
スチレンアクリル酸共重合樹脂 0.8重量%
グリセリン 10.0重量%
4−メチル−1,2−ペンタンジオール 8.0重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
BYKUV3510(ビッグケミー社) 0.1重量%
純水 残量
計 100.0重量%
<ブラックインク組成物;実施例1>
PCB7 1.5重量%
PB15:4 0.2重量%
スチレンアクリル酸共重合樹脂 0.8重量%
グリセリン 10.0重量%
4−メチル−1,2−ペンタンジオール 8.0重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
BYKUV3510(ビッグケミー社) 0.1重量%
純水 残量
計 100.0重量%
〔比較例1〕
比較例1のインクセットとしては、以下の配合によるマゼンタインク、イエローインク
、シアンインク、ブルーインク組成物をそれぞれ調製し、さらに実施例1のものと同組成
のレッドインク及びブラックインクを備えるインクセットとした。
<マゼンタインク組成物;比較例1>
PV19 2.0重量%
スチレンアクリル酸共重合樹脂 0.8重量%
グリセリン 10.0重量%
4−メチル−1,2−ペンタンジオール 8.0重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
BYKUV3510(ビッグケミー社) 0.1重量%
純水 残量
計 100.0重量%
<イエローインク組成物;比較例1>
PY 74 3.0重量%
スチレンアクリル酸共重合樹脂 1.2重量%
グリセリン 10.0重量%
4−メチル−1,2−ペンタンジオール 8.0重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
BYKUV3510(ビッグケミー社) 0.1重量%
純水 残量
計 100.0重量%
<シアンインク組成物;比較例1>
PB15:4 1.5重量%
スチレンアクリル酸共重合樹脂 0.8重量%
グリセリン 10.0重量%
4−メチル−1,2−ペンタンジオール 8.0重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
BYKUV3510(ビッグケミー社) 0.1重量%
純水 残量
計 100.0重量%
<ブルーインク組成物;比較例2>
PV23 1.5重量%
スチレンアクリル酸共重合樹脂 0.8重量%
グリセリン 10.0重量%
1,2−ヘキサンジオール 8.0重量%
1,5−ペンタンジオール 3.0重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
BYKUV3510(ビッグケミー社) 0.1重量%
純水 残量
計 100.0重量%
上記のようにして調製した各インク組成物を、インクジェットプリンタ(商品名「MC
−2000」、セイコーエプソン(株)製)のインクカートリッジに装着し、写真用紙<
光沢>(セイコーエプソン(株)製)に、1440×1440dpiの解像度で、Dut
y(%)を変化させて記録を行い、各記録物について、L*値、a*値、b*値を測定した
「duty」は、Duty=(実印字ドット数)/(縦解像度×横解像度)×100(
%)で定義される。
L*値、a*値、b*値及びC*値の測定は、分光光度計GRETAG MACBETH SPM50(GRETAG
製)を用いて行った。具体的には、光源D50、光源フィルタなしで、白色標準は絶対白と
し、視野角は2°とした。
h(色相角(°))は、∠H°=tan-1(b*/a*)+180(a*<0の場合)、
又は∠H°=tan-1(b*/a*)+360(a*>0の場合)により求めた。
実施例1のインクセットの結果を表1、2に示す。
比較例1のインクセットの結果を表3、4に示す。
〔実施例2〕
マゼンタインクとして、γ型PV19とPR202との固溶体(以下、固溶体という)
であってγ型PV19の重量がPR202の重量よりも大きい固溶体を含むマゼンタイン
ク組成物を以下の配合により調製した。また、以下の配合によるイエローインク、シアン
インク、レッドインク、オレンジインク、ブラックインクをそれぞれ調製し、インクセッ
トを得た。
<マゼンタインク組成物;実施例2>
固溶体 2.2重量%
スチレンアクリル酸共重合樹脂 0.8重量%
グリセリン 10.0重量%
1,2−ヘキサンジオール 8.0重量%
1,5−ペンタンジオール 3.0重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
BYKUV3510(ビッグケミー社) 0.1重量%
純水 残量
計 100.0重量%
<イエローインク組成物;実施例2>
PY74 1.5重量%
PY129 0.5重量%
スチレンアクリル酸共重合樹脂 0.8重量%
グリセリン 10.0重量%
1,2−ヘキサンジオール 8.0重量%
1,5−ペンタンジオール 3.0重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
BYKUV3510(ビッグケミー社) 0.1重量%
純水 残量
計 100.0重量%
<シアンインク組成物;実施例2>
PB15:4 1.5重量%
二酸化チタン 0.5重量%
スチレンアクリル酸共重合樹脂 0.8重量%
グリセリン 10.0重量%
1,2−ヘキサンジオール 8.0重量%
1,5−ペンタンジオール 3.0重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
BYKUV3510(ビッグケミー社) 0.1重量%
純水 残量
計 100.0重量%
<レッドインク組成物;実施例2>
PR177 2.5重量%
スチレンアクリル酸共重合樹脂 1.0重量%
グリセリン 10.0重量%
1,2−ヘキサンジオール 8.0重量%
1,5−ペンタンジオール 3.0重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
BYKUV3510(ビッグケミー社) 0.1重量%
純水 残量
計 100.0重量%
<オレンジインク組成物;実施例2>
POr43 1.5重量%
POr242 0.5重量%
スチレンアクリル酸共重合樹脂 0.8重量%
グリセリン 10.0重量%
1,2−ヘキサンジオール 8.0重量%
1,5−ペンタンジオール 3.0重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
BYKUV3510(ビッグケミー社) 0.1重量%
純水 残量
計 100.0重量%
<ブラックインク組成物;実施例2>
PCB7 1.5重量%
PB15:4 0.2重量%
スチレンアクリル酸共重合樹脂 0.8重量%
グリセリン 10.0重量%
1,2−ヘキサンジオール 8.0重量%
1,5−ペンタンジオール 3.0重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
BYKUV3510(ビッグケミー社) 0.1重量%
純水 残量
計 100.0重量%
〔比較例2〕
比較例2のインクセットとしては、以下の配合によるマゼンタインク、イエローインク
、シアンインク、ブルーインクをそれぞれ調製し、さらに実施例2のものと同組成のレッ
ドインク及びブラックインクを備えるインクセットとした。
<マゼンタインク組成物;比較例2>
PV19 2.0重量%
スチレンアクリル酸共重合樹脂 0.8重量%
グリセリン 10.0重量%
1,2−ヘキサンジオール 8.0重量%
1,5−ペンタンジオール 3.0重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
BYKUV3510(ビッグケミー社) 0.1重量%
純水 残量
計 100.0重量%
<イエローインク組成物;比較例2>
PY 74 3.0重量%
スチレンアクリル酸共重合樹脂 1.2重量%
グリセリン 10.0重量%
1,2−ヘキサンジオール 8.0重量%
1,5−ペンタンジオール 3.0重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
BYKUV3510(ビッグケミー社) 0.1重量%
純水 残量
計 100.0重量%
<シアンインク組成物;比較例2>
PB15:4 1.5重量%
スチレンアクリル酸共重合樹脂 0.8重量%
グリセリン 10.0重量%
1,2−ヘキサンジオール 8.0重量%
1,5−ペンタンジオール 3.0重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
BYKUV3510(ビッグケミー社) 0.1重量%
純水 残量
計 100.0重量%
<ブルーインク組成物;比較例2>
PV23 1.5重量%
スチレンアクリル酸共重合樹脂 0.8重量%
グリセリン 10.0重量%
1,2−ヘキサンジオール 8.0重量%
1,5−ペンタンジオール 3.0重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
BYKUV3510(ビッグケミー社) 0.1重量%
純水 残量
計 100.0重量%
上記のようにして調製した各インク組成物を、インクジェットプリンタ(商品名「MC
−2000」、セイコーエプソン(株)製)のインクカートリッジに装着し、写真用紙<
光沢>(セイコーエプソン(株)製)に、1440×1440dpiの解像度で、Dut
y(%)を変化させて記録を行い、各記録物について、L*値、a*値、b*値を測定した
「duty」は、Duty=(実印字ドット数)/(縦解像度×横解像度)×100(
%)で定義される。
L*値、a*値、b*値及びC*値の測定は、分光光度計GRETAG SPM(GRETAG社製)を用い
て行った。具体的には、光源D50、光源フィルタなしで、白色標準は絶対白とし、視野角
は2°とした。
h(色相角(°))は、∠H°=tan-1(b*/a*)+180(a*<0の場合)、
又は∠H°=tan-1(b*/a*)+360(a*>0の場合)により求めた。
実施例2のインクセットの結果を表5、6に示す。
比較例2のインクセットの結果を表7、8に示す。
表1〜8のデータを用いてグラフ化したものを図2〜6及び図8〜10に示す。
図2は、実施例1のインクセットを用いて記録した記録物のa*値とb*値の関係を示す
グラフである。図2に示すように、実施例1のオレンジインクとシアンインクがほぼ正反
対の色相であることが分かった。
図8は、実施例1のオレンジインクと実施例2のオレンジインクを用いて記録した記録
物のa*値とb*値の関係を示すグラフである。図8に示すように、実施例1のオレンジイ
ンクの色相と実施例2のオレンジインクの色相に大きな違いがないことがわかった。
図3は、実施例1及び比較例1のイエローインクを用いて記録した記録物の彩度と明度
の関係を示すグラフである。図3に示すように、実施例1のイエローインクが比較例1の
イエローインクよりも、同一彩度において明度が低いことが分かった。
図4は、実施例1及び比較例1のマゼンタインクを用いて記録した記録物の彩度と明度の関係を示すグラフである。図4に示すように、実施例1のマゼンタインクが比較例1のマゼンタインクよりも、同一明度において彩度が高いことが分かった。
図5は、実施例1に係る記録物の彩度と明度の関係を示すグラフである。図5に示すよ
うに、実施例1において、オレンジインクはマゼンタインクよりも、同一彩度において高
明度であった。また、オレンジインクはイエローインクよりも、同一彩度において低明度
であった。また、レッドインクはマゼンタインクよりも同一彩度において低明度であった
図9は、実施例1のオレンジインクと実施例2のオレンジインクを用いて記録した記録
物の彩度と明度の関係を示すグラフである。図9に示すように、実施例1のオレンジイン
クの色相と実施例2のオレンジインクの色相に大きな違いがないことがわかった。
図6は、実施例1に係る記録物のDutyと明度の関係を示すグラフである。図6に示
すように、実施例1において、同一インク付着量において、オレンジインクはマゼンタイ
ンクよりも高明度であった。また、同一インク付着量において、オレンジインクはイエロ
ーインクよりも低明度であった。また、同一インク付着量において、レッドインクはマゼ
ンタインクよりも低明度であった。
図10は、実施例1のオレンジインクと実施例2のオレンジインクを用いて記録した記
録物のDutyと明度の関係を示すグラフである。図10に示すように、実施例1のオレンジ
インクと実施例2のオレンジインクとの間で同一インク付着量における明度に大きな違い
がないことがわかった。
さらに、粒状性、擬似輪郭、虹光、及び色再現性の評価を行った。
<粒状性の評価>
PX−G900に実施例又は比較例のインクセットを充填し、同一のインク重量制限値
でLUTを作成した。その後、「JIS N1 グラスと女性」の画像と任意に選択した
40種類の乳幼児の画像を写真用紙<光沢>に14440×720dpiと720×72
0dpiとで記録し、肌の粒状性を観察した。
A:粒状性が、14440×720dpiと720×720dpiで大きく変化せず、720×720dpiでも特に
気にならない。
B:粒状性が、14440×720dpiと720×720dpiで大きく変化があり、720×720dpiでは粒
状性が気になる。
<虹光の評価>
PX−G900に実施例又は比較例のインクセットを充填し、同一のインク重量制限値
でLUTを作成した。その後、「JIS N1 グラスと女性」の画像と40種類の乳幼
児の画像を写真用紙<光沢>に14440×1440dpiで記録し、F11光源を記録
物から10cmまたは50cm離して、様々な角度から観察した。
A:10cmでは緑色や赤光が少なく、50cmでは緑色や赤光が全く感じられない。
B:10cmでは緑色や赤光が目立ち、50cmでは緑色や赤光が感じられ、気になる。
<擬似輪郭の評価>
PX−G900に実施例又は比較例のインクセットを充填し、同一のインク重量制限値
でLUTを作成した。その後、任意に選択した40種類の朝陽と夕陽の画像を写真用紙<
光沢>に14440×1440dpiで記録し、黄色から赤色まで日輪の輪郭の階調性を
観察した。
A:日輪が階調性よく、再現されている。
B:日輪が黄色の輪、赤の輪に分断して観られる記録物があり、階調性よく、再現され
ていない。
<色再現性(ガマット体積)の評価>
PX−G9000に実施例又は比較例のインクセットを充填し、同一のインク重量制限値
でLUTを作成した。その後、最大の色再現を計測できる画像を写真用紙<光沢>に解像
度14440×720dpiにて記録し、記録物を得た。
上記のようにして測定して得られたL*値、a*値、b*値から、CIEで規定するL*値
、a*値、b*値が全て1であるときのガマット体積を1として、ガマット体積を算出し、
以下の基準で評価した。
A:ガマット体積が75万以上
B:ガマット体積が75万未満
上記の評価結果を表9に示す。
表9に示すように、実施例1及び2のインクセットは、粒状性抑制、擬似輪郭抑制、虹
光抑制、及び色再現性を満足できることが分かった。
実施例1及び比較例1のインクセットのパッチパターンを図7(a)〜(i)に、実施
例2及び比較例2のインクセットのパッチパターンを図11(a)〜(i)に示す。図7
及び図11において、(a)は高明度部(L*値=90)における色再現面積を比較した
図であり、(b)は、高明度部(L*値=80)における色再現面積を比較した図であり
、(c)は、高明度部(L*値=70)における色再現面積を比較した図であり、(d)
は、中明度部(L*値=60)における色再現面積を比較した図であり、(e)は、中明
度部(L*値=50)における色再現面積を比較した図であり、(f)は、中明度部(L
*値=40)における色再現面積を比較した図であり、(g)は、低明度部(L*値=3
0)における色再現面積を比較した図であり、(h)は、低明度部(L*値=20)にお
ける色再現面積を比較した図であり、(i)は、低明度部(L*値=10)における色再
現面積を比較した図である。
考察するに、実施例1及び2のインクセットにおいては、比較例1及び2のインクセッ
トに比べて以下の点で優れている。
(1)イエローインクの明度が低いので、肌色において、明度を低下させるためにシアン
インクを発生させる量が低減できるので、ドットが重なった場合の緑転びを抑制できる。
(2)マゼンタインクの彩度が高いので、オレンジインクやレッドインクの発生を効果的
に制御できるので、擬似輪郭を抑制できる。
(3)シアンインクが二酸化チタンを含むので、干渉色の赤光が抑制でき、(1)の効果
と相乗して、虹光を抑制できる。
(4)オレンジインクがマゼンタインクよりも高明度かつ高彩度、かつ、イエローインク
よりも高彩度かつ低明度なので、オレンジインクを積極的に発生させても粒状性が劣化す
ることがない。よって、イエローインクの代替としてオレンジインクを使用できるので、
シアンインクのドットとイエローインクのドットが重なる頻度を効果的に低減でき、緑転
びを抑制できる。また、シアンインクに対して、オレンジインクの色相角の差がほぼ180
度であるので、シアンインクが発生した場合、緑転びすることなく効果的に明度を低下さ
せることができる。
(5)レッドインクがマゼンタインクよりも高彩度かつ低明度であるが、イエローインク
の明度が低いので粒状性を劣化させることがなく、及び/又は、マゼンタインクの彩度が
高く、及び/又は、オレンジインクの彩度が高いので、擬似輪郭を抑制しつつ、レッドイ
ンクを発生させることができるので、肌色において、同色相で明度を低下させることがで
きる。
(6)図11に示すように、比較例2(細実線)は暗部のブルーの色再現性に優れるが、
暗部のイエローの色再現性に劣る。そのため、高明度部から低明度部にかけての擬似輪郭
が発生しやすくなるという問題が発生する可能性がある。これに対し、実施例2(塗り潰
し)はそのような問題は発生しない。
〔実施例3〕
以下の配合によるシアンインク(2)を調製した。
<シアンインク組成物(2)>
PB15:3 1.5重量%
二酸化チタン 0.5重量%
スチレンアクリル酸共重合樹脂 0.8重量%
グリセリン 10.0重量%
4−メチル−1,2−ペンタンジオール 8.0重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
BYKUV3510(ビッグケミー社) 0.1重量%
純水 残量
計 100.0重量%
実施例1と同様にして記録を行い、シアンインク組成物(2)のL*値、a*値、b*値
を測定した。その結果を表10に示す。
さらに、シアンインク組成物(1)とシアンインク組成物(2)に代えた以外は実施例
1と同様にして実施例3のインクセットを得た。
実施例1と実施例3のインクセットのパッチパターンを図12に示す。
図12に示すように、実施例3のインクセットも実施例1のインクセットと同様に優れ
ていた。

Claims (11)

  1. 少なくとも、記録媒体上でのCIELAB色空間において定義される色相角∠H°が80°〜110°の範囲であるイエローインク、該色相角∠H°が330°〜360°の範囲であるマゼンタインク、及び該色相角∠H°が230〜260°の範囲であるシアンインクの3色のインクと、下記インク(A)及び下記インク(B)と、を備え、
    前記シアンインクは、少なくともC.I.ピグメントブルー15:3を含み、
    前記インク(A)は、少なくともC.I.ピグメントレッド17,49:2,112,149,177,178,179,188,254,255,及び264からなる群より選択される一種以上を含み、
    前記インク(B)は、少なくともC.I.ピグメントオレンジ5,43,36,62,及び242から選択される一種以上を含み、
    前記イエローインクと前記シアンインクが錯体顔料を含む、インクセット。
    インク(A):前記色相角∠H°が0°〜80°の範囲であるインク
    インク(B):前記色相角∠H°が0°〜80°の範囲であるインク
    〔前記インク(A)は前記マゼンタインクよりも彩度の最大値が高く、かつ同一インク付着量において低明度であり、前記インク(B)は前記マゼンタインクよりも彩度の最大値が高く、かつ同一インク付着量において高明度であり、前記イエローインクよりも彩度の最大値が高く、かつ同一インク付着量において低明度である。
    前記色相角(∠H°)は、∠H°=tan-1(b*/a*)+180(a*<0の場合)、又は∠H°=tan-1(b*/a*)+360(a*>0の場合)により求められる。a*及びb*は、CIELAB色空間において定義される知覚色度指数を表す。〕
  2. 前記イエローインクは、C.I.ピグメントイエロー74及びC.I.ピグメントイエロー129を顔料として含む、請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記シアンインクが白色顔料を含む、請求項1又は2に記載のインクセット。
  4. 前記マゼンタインクがγ型C.I.ピグメントバイオレット19及びC.I.ピグメントレッド202の固溶体を顔料として含む、請求項1〜3の何れか1項に記載のインクセット。
  5. 前記インク(B)は、C.I.ピグメントオレンジ43と、C.I.ピグメントレッド242との混合比が、4:1〜2:1である、請求項1〜4の何れか1項に記載のインクセット。
  6. さらに、C.I.ピグメントブルー15:1及び/又はC.I.ピグメントバイオレット23を顔料として含むブルーインクを備える、請求項1〜5の何れか1項に記載のインクセット。
  7. 前記各インク中の顔料固形分濃度が3重量%未満である、請求項1〜6の何れか1項に記載のインクセット。
  8. さらに、ブラックインクを備え、該ブラックインクはC.I.ピグメントブラック7を顔料として含む、請求項1〜7の何れか1項に記載のインクセット。
  9. さらに、ブラックインクを備え、該ブラックインクの顔料固形分濃度が1重量%以下である、請求項1〜8の何れか1項に記載のインクセット。
  10. さらに、クリアインクを備える、請求項1〜9の何れか1項に記載のインクセット。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載のインクセットを用いて画像を形成する、インクジェット記録方法。
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