JP5858091B2 - 角形二次電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、角形二次電池の製造方法に関する。
近年、ハイブリット型自動車など二次電池を駆動電源とする電気自動車が普及しつつあるが、電気自動車には高出力な二次電池が必要である。また、携帯電話やノートパソコンなどのモバイル型電子機器への一層の高機能化により、これらの用途においても一層の高出力化が求められている。
電池の高出力化には、正負電極の対向面積を大きくする必要がある。正負電極板を多数積層した積層電極体構造や、長尺の正負電極板を、セパレータを介して巻回した渦巻き電極体構造であると、正負極の対向面積を大きくできるので、電池の高出力化を図り易い。
積層電極体や渦巻き電極体を用いた高出力電池では、電流を安定して取り出すために、正負芯体の露出部分に集電板を溶接し、この集電板を外部出力端子に接続する構造が採用されている。また、集電板と正負芯体との接続点が多いほど安定して大電流を取り出せることから、溶接箇所を2箇所以上とすることが行われている(特許文献1参照)。
しかし、抵抗溶接において溶接箇所を複数とすると、図24に示すように、電流が集電板の横方向にも広がり、先に溶接した箇所を介して電流が流れる。この電流は、溶接に役立たない無効電流となるので、所望の溶接箇所に必要な電流を流すことができ難くなる。その一方、溶接箇所に十分な電流を流すために電圧を大きくすると、スパッタが発生するなどして良質の溶接が行えないと共に、電気エネルギーの無駄使いになるという問題がある。
また、下記特許文献2、3では、芯体の面方向端縁の同一面上に集電板を複数の部材に分割して配置し、それぞれの集電板に一対の溶接用電極を接触させ、溶接電流を流す技術が提案されている。しかしながら、下記特許文献2、3に記載の技術では、芯体の端縁と集電板とを溶接するため、溶接面積を大きくし難く、集電効率を十分に向上させ難い。また、芯体の端縁は強度が弱いので十分な溶接強度を得難い。さらに溶接に際して特殊な手法を用いる必要があるので、その分、電池の生産性が低下するという問題がある。
特開2006−12830号公報 特開2002−164035号公報 特開2002−184451号公報
集電部材と芯体露出部の溶接作業中に部材同士が無用に接触し無駄な電流が流れるという課題がある。
上記課題を解決するための角形二次電池の製造方法は、
第1電極と第2電極を含む扁平状電極体と、
開口部及び底部を有し、前記扁平状電極体を収容する角形電池ケースと、
前記開口部を封口する封口板と、を備えた角形二次電池であって、
前記扁平状電極体は、一方の端部に巻回された前記第1電極の芯体露出部を有し、他方の端部に巻回された前記第2電極の芯体露出部を有し、
前記巻回された第1電極の芯体露出部を前記巻回された第1電極の芯体露出部の巻回軸に沿って見たとき、前記巻回された第1電極の芯体露出部は、前記芯体露出部が束ねられた厚みの小さい部分と、前記厚みの小さい部分よりも前記封口板側に位置し前記厚みの小さい部分よりも厚みの大きい第1の部分と、前記厚みの小さい部分よりも前記底部側に位置し前記厚みの小さい部分よりも厚みの大きい第2の部分を有し、
前記巻回された第1電極の芯体露出部には集電部材が抵抗溶接されており、
前記集電部材は、前記厚みの小さい部分の前記第1電極の芯体露出部の積層方向における最外面側に前記最外面に沿うように配置される板状の第1領域と、前記第1領域の前記封口板側の端部から前記扁平状電極体における前記封口板の端部よりも前記封口板側まで延びる第2領域を有し、
前記第1領域の前記封口板側の端部には、前記第2領域が前記厚みの小さい部分から離れるように折れ曲がる折れ曲がり部が設けられている角形二次電池の製造方法であって、
前記第2領域と前記巻回された第1電極の芯体露出部の最外面の間に絶縁フィルムを配置した状態で、前記厚みの小さい部分に前記第1領域を抵抗溶接する。
このような製造方法では、集電部材の2領域と巻回された第1電極の芯体露出部の最外面が無用に接触し無駄な電流が流れることを防止できる。
その他の発明は、一方の端部に積層された第1電極の芯体露出部を有し、他方の端部に積層された前記第1電極とは極性の異なる第2電極の芯体露出部を有する扁平状電極体と、前記扁平状電極体を収容する角形電池ケースと、前記角形電池ケースを封口する封口板と、
前記封口板に設けられた貫通穴に挿設され、電池内部側から電池外方に突き出た外部出力端子と、を備え、前記外部出力端子と前記第1電極とが通電可能に接続された角形二次電池の製造方法において、
前記封口板の貫通穴に前記外部出力端子を挿入し、前記外部出力端子と集電第1部材を通電可能に接続する6−1工程と、
前記積層された第1電極の芯体露出部の扁平部分における前記第1電極の芯体露出部の積層方向の最外面に設定された第1溶接予定部に、前記集電第1部材を配置し、前記第1電極の芯体露出部の積層方向で前記集電第1部材と前記芯体露出部とを抵抗溶接する6−2工程と、
前記扁平部分における前記第1電極の芯体露出部の積層方向の最外面であって前記第1溶接予定部から離間し且つ前記集電第1部材と部材同士が接触しない位置に設定された第2溶接予定部に、集電第2部材を配置し、前記第1電極の芯体露出部の積層方向で、前記集電第2部材と前記芯体露出部とを抵抗溶接する6−3工程と、
前記6−1〜6−3工程が終了した後に、前記集電第1部材と前記集電第2部材とを前記第1電極の芯体露出部を介する経路とは別の経路で通電可能に接続する6−4工程と、を備えることを特徴とする。
この構成では、先ず外部出力端子に集電第1部材を接続し、しかる後にこの集電第1部材を第1電極の芯体露出部が突出した電極体端部の扁平部分に抵抗溶接する。この手順であると、電池組み立てにおける作業性がよい。ここで外部出力端子と集電第1部材の接続は、両者を直接接続してもよいし、他の導電部材を介してしてもよい。また、外部出力端子と集電第1部材との間に電流遮断機構を介在させることもできる。
第8の発明は、上記第7の発明にかかる角形二次電池の製造方法において、前記集電第2部材として、延長部を有する連結型の集電第2部材を用い、前記6-4工程が、前記集電第2部材の延長部を前記集電第1部材の上面に抵抗溶接して前記集電第1部材と前記集電第2部材とを通電可能に接続する工程であり、前記各部材の抵抗溶接側の面のうち、少なくとも、前記集電第1部材の前記第1溶接予定部に当接する部分、および前記集電第2部材の前記第2溶接予定部に当接する部分、並びに前記集電第2部材の延長部のうち前記集電第1部材に抵抗溶接する部分、の各部分を除く各部材の抵抗溶接側の面に、抵抗溶接に先だって絶縁フィルムを設けることを特徴とする。
この構成では、集電第1部材および連結型集電第2部材の溶接予定部分を除く周辺部(非溶接予定部分)に絶縁フィルムを設けた後に電気抵抗溶接を行う。この構成であると、溶接作業中に部材同士が無用に接触し無駄な電流が流れることを防止できるので、作業性良く良質の抵抗溶接を行うことができる。
本発明にかかる角形二次電池の製造方法は、電極芯体露出部に集電部材を取り付ける抵抗溶接作業おいて、集電部材の2領域と巻回された第1電極の芯体露出部の最外面が無用に接触し無駄な電流が流れることを防止できる。
図1は、実施の形態1にかかる角形二次電池の外観を示す斜視図である。 図2は、実施の形態1にかかる正負電極板を示す正面模式図である。 図3は、実施の形態1にかかる集電系各部材が取り付けられた扁平状電極体 の正面模式図である。 図4は、実施の形態1にかかる集電系各部材を芯体露出部に取り付ける手順 を示す断面模式図である。 図5は、受け部材を使用しない実施の形態2にかかる扁平状電極体の断面模 式図である。 図6は、実施の形態3にかかる扁平状電極体の正面模式図である。 図7は、実施の形態3にかかる集電系各部材を取り付ける製造手順を説明す るための断面模式図であり、図7(a)は連結型集電第2部材を示す図、図7(b) は第1溶接予定部および第2溶接予定部における抵抗溶接作業を示す図、図7(c) は溶接予定部103のインダイレクト抵抗溶接作業を示す図である。 図8(a)は実施の形態4にかかる切欠きを形成した電極芯体の正面模式図 であり、図8(b)は芯体切欠き部を有する扁平状電極体の側面模式図である。 図9は、集電系各部材が取り付けられた実施の形態4にかかる扁平状電極体 の正面模式図である。 図10は、実施の形態4にかかる集電系各部材を扁平状電極体に取り付け る製造手順を説明するための断面模式図である。 図11は、実施の形態5にかかる集電系各部材を扁平状電極体に取り付け る製造手順を説明する断面模式図であり、図11(a)は連結型集電第1部材を示す 図、図11(b)は第1溶接予定部および第2溶接予定部における抵抗溶接作業を示 す図、図11(c)は溶接予定部103の抵抗溶接作業を示す図である。 図12(a)は実施の形態6にかかる扁平状電極体の正面模式図であり、 図12(b)は集電系各部材を取り付けるレーザ溶接の様子を示す断面模式図である。 図13は、実施の形態7にかかる集電系各部材が取り付けられた扁平状電 極体の断面模式図である。 図14は実施の形態7の他の態様を示す断面模式図である。 図15は、実施の形態8にかかる正極集電第1部材の形状を示す斜視図で ある。 図16は、封口板に外部出力端子および集電第1部材を取り付けた封口体 部分を示す断面摸式図である。 図17は実施の形態8にかかる集電第1部材を積層芯体露出部に抵抗溶接 する様子を示す図である。 図18は実施の形態8にかかる連結型集電第2部材を積層芯体露出部に抵 抗溶接する様子を示す図である。 図19は実施の形態8にかかる集電第1部材と連結型集電第2部材とを抵 抗溶接する様子を示す図である。 図20は、実施の形態8にかかる電池の断面摸式図である 図21(a)は参考例1にかかる、集電体が取り付けられた扁平状電極体 の正面模式図であり、図21(b)はその断面模式図である。 図22は、スリットが形成された参考例2にかかる集電体が取り付けられ た扁平状電極体の正面模式図である。 図23は、孔空き部が形成された参考例3にかかる集電体が取り付けられ た扁平状電極体の正面模式図である。 図24は、従来型の集電板を抵抗溶接する際に無効電流が発生する理由を 説明する図である。
(実施の形態1)
本発明製造方法を角形リチウムイオン二次電池に適用した場合について、図面を用いて説明する。図1は、本実施の形態1にかかる角形リチウムイオン二次電池の外観を示す斜視図であり、図2は、実施の形態1の角形リチウムイオン二次電池に用いた正負電極板を模式的に描いた正面模式図である。
図1に示すように、本実施の形態1に係る角形リチウムイオン二次電池は、角形の電池ケース1と、電池ケース1の開口を封止する封口板2を備える封口体と、封口体から外方に突出した正極外部出力端子5、負極外部出力端子6と、を有している。
上記正極板11と負極板12とが、ポリエチレン製などの樹脂製微多孔膜からなるセパレータを介して巻回され、押圧されて、扁平状の電極体10が作製される。電極体10の両端面のそれぞれには、正負電極芯体が突出している。
正極側の端面について詳しく説明する。図3に示すように、扁平状電極体10の端面に突出した正極積層芯体露出部11cの偏平部分に設定された第1溶接予定部101に、正極集電第1部材13が溶接され、第1溶接予定部101から離れた位置に設定された第2溶接予定部102に、正極集電第2部材14が溶接されている。また、図4に示すように、正極集電第1部材13と正極集電第2部材14の向かい合う端部同士が接触し合わないように、両部材は離間配置されている。
また、正極集電第1部材13と正極集電第2部材14との両部材の離間部分には、離間部分を跨ぐように正極導電性連結部材15が配置され、この導電性連結部材15と正極集電第1部材13および正極集電第2部材14とが、溶接点103・103でそれぞれ溶接
されている。これにより正極積層芯体露出部11c、正極集電第1部材13、正極集電第2部材14、および正極導電性連結部材15の各部材が通電可能に連結結合されている。さらに正極集電第1部材13の延長部分が直接またはリード線を介して正極外部出力端子に接続されている。以下では、このような集電構造を集電系構造と称し、この構造で使用する、各部材を集電系部材と称する。
また、上記第1溶接予定部101及び第2溶接予定部102は、溶接終了後に第1溶接部101、第2溶接部102となる。また、この実施の形態1では、負極側についても同様の集電系構造が採用されているが、負極側については、正極側と構造が同様であるのでその説明を省略する。
この実施の形態1では、正極芯体、正極集電第1部材、正極集電第2部材、正極導電性連結部材の各部材には、アルミニウム製が使用されており、負極側各部材には銅製が使用されている。
集電系各部材が溶接された電極体10は、非水電解質とともに上記電池ケース1内に収容され、正極集電第1部材13及び負極集電第1部材16の先端がそれぞれ正負外部出力端子5,6に通電可能に接続されている(不図示)。なお、外部出力端子への接続は、正負集電第1部材13の延長部分にさらにリード線を介在させて接続することもできる。
図2に示すように、正負電極板はともに、箔状の芯体に正負活物質層11a,12aが形成され、長手方向に沿った一方の端部に正負芯体露出部11b,12bが形成されている。このような正負電極板を、渦巻き電極体の一方の端部から正極芯体露出部11bが突出し、他方の端部から負極芯体露出部12bが突出するようにセパレータを介して重ね合わせた後、巻回する。その後プレスして扁平状の電極体を作製する。この突出した正負電極芯体露出部11b・12bが、積層芯体露出部11c・12cとなる。なお、長手方向に沿った両方の端部に芯体露出部を形成することも可能であるが、このようにすると、重量エネルギー密度が低下する。
上記構造の角形リチウムイオン二次電池の作製方法の詳細を説明する。
<正極板の作製>
コバルト酸リチウム(LiCoO)からなる正極活物質と、アセチレンブラックまたはグラファイト等の炭素系導電剤と、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)からなる結着剤とを、質量比90:5:5の割合で量り採り、これらをN−メチル−2−ピロリドンからなる有機溶剤等に溶解させた後、混合し、正極活物質スラリーを調製した。
次に、ダイコーターまたはドクターブレード等を用いて、帯状のアルミニウム箔(厚さが20μm)からなる正極芯体の両面に、この正極活物質スラリーを均一な厚みで塗布した。ただし、正極芯体の長手方向に沿う一方の端部(両面ともに同一方向の端部)にはスラリーを塗布せず、その芯体を露出させて、正極芯体露出部11bを形成した。
この極板を乾燥機内に通して上記有機溶剤を除去し、乾燥極板を作製した。この乾燥極板を、ロールプレス機を用いて、その厚みが0.06mmとなるように圧延して、正極板を作製した。このようにして作製した正極板を幅が100mmとなる短冊状に切り出し、幅が10mmの帯状のアルミニウムからなる正極芯体露出部11bを設けた正極板11を得た(図2(a))。
なお、正極活物質としては、上記コバルト酸リチウム以外にも、例えばニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、鉄酸リチウム(LiF
eO)、またはこれらの酸化物に含まれる遷移金属の一部を他の元素で置換した酸化物等のリチウム含有遷移金属複合酸化物を単独で、あるいは二種以上を混合して用いることができる。
<負極板の作製>
体積平均粒径20μmの人造黒鉛からなる負極活物質と、スチレンブタジエンゴムからなる結着剤と、カルボキシメチルセルロースからなる増粘剤とを、質量比98:1:1の割合で量り採り、これらを適量の水と混合し、負極活物質スラリーを調製した。
次に、ダイコーターまたはドクターブレード等を用いて、帯状の銅箔(厚さが12μm)からなる負極芯体の両面に、この負極活物質スラリーを均一な厚さで塗布した。ただし、負極芯体の長手方向に沿う一方の端部(両面ともに同一方向の端部)にはスラリーを塗布せず、その芯体を露出させて、負極芯体露出部12bを形成した。
この極板を乾燥機内に通して水分を除去し、乾燥極板を作製した。その後、この乾燥極板を、ロールプレス機によりその厚みが0.05mmとなるように圧延して、負極板を作製した。このようにして作製した負極板を幅が110mmとなる短冊状に切り出し、幅が8mmの帯状の負極芯体露出部12bを設けた負極板12を得た(図2(b))。
なお、負極活物質としては、上記人造黒鉛に代えて又はこれと共に、天然黒鉛、カーボンブラック、コークス、ガラス状炭素、炭素繊維、あるいはこれらの焼成体等の炭素質物、または前記炭素質物と、リチウム、リチウム合金、およびリチウムを吸蔵・放出できる金属酸化物からなる群から選ばれる1種以上との混合物を用いることができる。
<電極体の作製>
上記正極板と負極板と樹脂製微多孔膜(厚さが0.022mm)からなるセパレータとを、同極の芯体露出部同士が複数枚直接重なり、異なる芯体露出部同士が巻回方向に対し互いに逆向きに突出し、かつ異なる活物質層間にはセパレータが介在するように3つの部材を位置あわせし重ね合わせ、巻き取り機により巻回した後、絶縁性の巻き止めテープを設け、しかる後にプレスして扁平状の電極体を完成させた。
<集電系各部材の取り付け>
図3、図4(a)〜(b)に示すがごとく、扁平状電極体10の巻回方向に直交する方向の両端部のそれぞれに突出した正負積層芯体露出部の平坦部分(扁平部分ともいう)に集電系各部材を配置した。図3は集電系各部材が溶接配置された後の扁平状電極体を示す正面模式図である。図4は、正極芯体露出部の巻回方向に直交する断面を模式的に示した断面模式図であり、図4(a)は、集電第1部材13と第1の受け部材19、及び集電第2部材14と第2の受け部材20とで積層芯体露出部11cを挟み、それぞれを抵抗溶接する様子を示す図であり、図4(b)は、この抵抗溶接の後、集電第1部材13と集電第2部材14とが導電性連結部材15で連結された様を示す図である。
なお、本明細書では、扁平状電極体の電極板面を見る方向を正面(正面視)とし、電極体の側面を見る方向を側面とし、側面視における断面を模式的に表した図を断面模式図と称している。
集電系各部材の具体的な取り付け方法を、正極側集電系構造を例にして更に説明する。先ず、積層芯体露出部11cの扁平部分の中央左側にアルミニウム製の正極集電第1部材13(以下、「正極」を省略して記載する)を配置し、その反対面にアルミニウム製の第1の受け部材19を配置する。溶接用電極棒の先端が互いに対向するように、集電第1部材13と第1の受け部材19のそれぞれに電極棒104・104の先端を当接させ、両部
材間に電流を流す。これにより、集電第1部材13と積層芯体露出部11cと第1の受け部材19とが抵抗溶接される。この抵抗溶接部分が第1溶接部101であり、溶接前の当該部分を第1溶接予定部101と称している。
続いて積層芯体露出部11cの中央右側に、上記集電第1部材13の端部に接触しないように離間させて集電第2部材14を配置し、対向面側に第2の受け部材20を配置する。上記と同様にして、両部材のそれぞれに電極棒先端104’・104’を当接させ電流を流す。これにより、集電第2部材13と積層芯体露出部11cと第2の受け部材20とが抵抗溶接される(図4(a)参照)。この抵抗溶接部分が第2溶接部102であり、溶接前の当該部分を第2溶接予定部102と称している。
更に続いて、抵抗溶接法で固定された集電第1部材13および集電第2部材14の離間部分を跨ぐようにして、導電性連結部材15を配置する。そして、集電第1部材13と重なり合った部分および集電第2部材14と重なり合った部分(溶接点103・103)において、導電性連結部材15と集電第1部材13および集電第2部材14とをレーザ溶接する(図4(b)参照)。レーザ溶接に際しては、導電性連結部材の端部にレーザを照射するのがよい。なお、当該部分の溶接を超音波溶接法を用いて行ってもよい。
負極側についても、上記と同様に溶接作業を行った。
<電解液の作製>
エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)とジエチルカーボネート(DEC)とを体積比1:1:8の割合(1気圧、25℃)で混合した非水溶媒に、電解質塩としてのLiPFを1.0M(モル/リットル)の割合で溶解したものを電解液とした。
なお、リチウムイオン二次電池を例とするこの実施の形態の非水溶媒は、上記の組み合わせに限定されるものではない。例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等のリチウム塩の溶解度が高い高誘電率溶媒と、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アニソール、1,4−ジオキサン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジメチルホルムアミド、スルホラン、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸エチル等の低粘性溶媒とを混合させて用いることができる。さらに、前記高誘電率溶媒や低粘性溶媒をそれぞれ二種以上の混合溶媒とすることもできる。また、電解質塩としては、上記LiPF以外にも、例えばLiN(CSO、LiN(CFSO、LiClOまたはLiBF等を単独で、あるいは2種以上混合して用いることができる。
<電池の組み立て>
扁平状電極体の正極集電第1部材13の一方端部を正極外部出力端子5に接続し、負極集電第1部材16の一方端部を負極外部出力端子6に接続し、封口板2に絶縁性のガスケット(図示せず)を介してカシメ接合する。次いで封口板2と結合させた電極群10を電池ケース1内に挿入し、電池ケース1の開口部に封口板2を嵌合させ、封口板2の周囲と電池ケース1の接合部をレーザ溶接し、封口板2に設定された電解液注入孔(図示せず)から所定量の上記電解液を注入した後、この電解液注入孔を密閉する。これにより実施の形態1にかかる角形リチウムイオン二次電池を完成させた。
ここで、「第1溶接予定部」(第1溶接部でもある)および「第2溶接予定部」(第2溶接部でもある)は、それぞれ少なくとも1つ存在している必要があるが、集電第1部材
と積層芯体露出部との溶接、及び、集電第2部材と積層芯体露出部との溶接は、一箇所に限定されるものでなく、複数箇所でもよい。これは以下に記載する他の実施の形態においても同様である。
〔実施の形態2〕
実施の形態2にかかる集電系構造を図5に示す。実施の形態2は、集電第1部材および集電第2部材を受ける受け部材19・20を用いないこと以外は、上記実施の形態1と同様である。実施の形態2では、集電第1部材と積層芯体露出部11cとを電極棒で挟み通電することにより集電第1部材と積層芯体露出部を抵抗溶接し、集電第2部材と積層芯体露出部11cについても同様に抵抗溶接し、この後、導電性連結部材15の所定部位をレーザ溶接する。
この実施の形態2では、受け部材19・20を用いない点において、実施の形態1に比較し部品数を低減できるメリットがある。ただし、受け部材を介さずに抵抗溶接棒を直接積層芯体露出部11cに接触させるため、薄膜からなる積層芯体露出部11cが損傷され易いというデメリットがある。
〔実施の形態3〕
実施の形態3は、上記実施の形態1における集電第2部材14と導電性連結部材15とを一体化した連結型集電第2部材21が使用されている。図6に、実施の形態3にかかる集電系構造の正面模式図を示し、図7(a)に連結型集電第2部材21の側面形状を示す。図7(a)に示すように、連結型集電第2部材21は集電第2部材に相当する本体部21aと、集電第1部材との連結のための延長部21bとを有する形状である。
図7(a)〜(c)を参照しつつ、実施の形態3にかかる集電系構造の製造手順を説明する。先ず上記実施の形態1と同様にして、集電第1部材13とその受け部材である第1の受け部材19とで積層芯体露出部11cを挟み、三者を抵抗溶接する。この後、集電第1部材13の端部と連結型集電第2部材21の本体部21aとを離間させ、かつ連結型集電第2部材21の延長部21bの先端側が集電第1部材13の上に位置するようにして、芯体露出部上に連結型集電第2部材本体部21aを配置する。この際、連結型集電第2部材の延長部21bが集電第1部材13の上面に接触しないように両部材間に若干の隙間を空けておく(図7(b)参照)。
両部材間も若干の隙間を空ける手段としては、例えば連結型集電第2部材21の本体部21aの底面から延長部21bの下面までの高さHを、集電第1部材13の厚みよりも僅かに高く形成する。また、連結型集電第2部材の延長部21bの下面または集電第1部材の対応部分に溶接熱で飛散し除去できる程度の薄い樹脂製絶縁性被膜を粘着しておく等するのもよい。
連結型集電第2部材21の本体部21aの対向側に第2の受け部材20を配置し、本体部21aと積層芯体露出部11cと第2の受け部材20とを電極棒104で挟んで抵抗溶接する(図7(b)参照)。この後、連結型集電第2部材21の延長部21bを積層芯体露出部11c側に押圧して、延長部21bの下面を集電第1部材13の上面に接触させ、延長部21bの上面に電極棒104’を当接する一方、集電第1部材面であって電極棒104’の近傍に電極棒104を当接する。両電極棒間に電流を流し、連結型集電第2部材21の延長部21bの下面と集電第1部材13の上面とを抵抗溶接(インダイレクト式抵抗溶接)する。
なお、連結型集電第2部材21の延長部21bの下面と集電第1部材13の上面との溶接には、他の溶接法(例えばレーザ溶接法)を用いてもよい。これら以外の事項について
は上記実施の形態1と同様に行う。
実施の形態3では、別部材としての導電性連結部材を必要としないので、上記実施の形態1に比較し、部材数と溶接箇所数の低減を図ることができる。よって、上記実施の形態1に比較し生産性が向上する。
〔実施の形態4〕
実施の形態4にかかる集電系構造を図8〜10に示す。図8(a)は、芯体露出部11bの一部が切欠かれた様子を示す正面模式図であり、図8(b)は積層芯体露出部11cの芯体切欠き部26を示す側面模式図である。図9は、集電系各部材が取り付けられた扁平状電極体の正面模式図、図10はその断面模式図であり、抵抗溶接の様子を示す。
図8〜図10に示すように、実施の形態4は、積層芯体露出部11cの平坦部の1部に芯体切り欠き部26を形成した点に特徴を有し、これ以外の部材形状は上記実施の形態3と同様であり、製造方法については、集電第1部材13とこれに重なり合う連結型集電第2部材21の延長部21bとの溶接方法が異なるのみであり、これ以外については上記実施の形態3におけると同様である。
なお、芯体切欠き部26は、活物質を有する電極芯体部分(電極本体部分)を切欠いたものではないので、発電容量の低下を生じることはない。
図10に、実施の形態4にかかる角形二次電池の製造方法における特徴部分が示されている。この実施の形態では、第1溶接予定部101と第2溶接予定部102との間に芯体切欠き部26が設けられているので、この部分においては、積層芯体露出部11cに邪魔されることなく、溶接用電極棒104’を対向側にまで挿入することができる。芯体切欠き部26を活用した溶接作業を、次のようにして行う。
先ず、集電第1部材13の端部が芯体切欠き部26上に位置するように集電第1部材13を積層芯体露出部11c面に配置すると共に、対抗側の積層芯体露出部面の芯体切欠き部26を塞がない位置に第1の受け部材を配置する。この状態で第1溶接予定部101を抵抗溶接する。
次に連結型集電第2部材21の本体部21aが芯体切欠き部26を塞がず且つその延長部21bが上記集電第1部材13の端部に重なるように連結型集電第2部材21を配置する。この配置においては、連結型集電第2部材21の本体部21aは積層芯体露出部11c面に接触し、延長部21bは集電第1部材13に接触しないようにする。次いで、連結型集電第2部材21の本体部21aの対向側に第2の受け部材20を積層芯体露出部11c面に配置する。この後、連結型集電第2部材21の本体部21aと積層芯体露出部11cと第2の受け部材20とを抵抗溶接する。抵抗溶接の方法については、上記実施の形態3と同様である。
次いで、連結型集電第2部材21の延長部21bを上方から押圧することにより、延長部21bの下面と集電第1部材端部の上面とを接触させ、延長部21bの上面に電極棒104を当接すると共に、下方から集電第1部材端部の下面に電極棒104'を当接して両電極棒間に電流を流す。これにより、連結型集電第2部材21の延長部21bと集電第1部材端部とが抵抗溶接される。なお、電極棒104’が、芯体切欠き部26を通って集電第1部材端部の下面に当接することになる。
実施の形態4では、連結型集電第2部材21を用いるので、部材数および溶接箇所を低減でき、また、芯体切欠き部26を設けたことにより、集電第1部材13と連結型集電第
2部材21とを上下から挟み込んで抵抗溶接することができるので、作業性がよく、良質の溶接を行える。
〔実施の形態5〕
実施の形態5にかかる集電系構造を図11に示す。実施の形態5では、図11(a)〜(c)に示すように、部材相互を連結するための延長部24bを有する連結型集電第1部材24と延長部22bを有する連結型集電第2部材22とが用いられる。
実施の形態5においては、連結型集電第1部材24と連結型集電第2部材22のそれぞれの延長部を芯体切欠き部26上で重ね合わせて、当該部分を抵抗溶接する点において上記実施の形態4と異なるが、その他の点は上記実施の形態4と同様である。この実施の形態においても、上記実施の形態4と同様な作用効果が得られる。
なお、実施の形態4,5では、芯体切欠き部を有する積層芯体露出部に対して、延長部を有する連結型集電第2部材、または延長部を有する連結型集電第1部材と延長部を有する連結型集電第2部材とを使用したが、芯体切欠き部を形成しない積層芯体露出部に対して、これら延長部を有する連結型部材を使用することもできる。
また、実施の形態4,5においては、溶接点103の溶接を、抵抗溶接法に代えてレーザ溶接法や超音波溶接法を使用してもよい。レーザ溶接法や超音波溶接法を用いる場合においても、芯体切欠き部26を活用することにより溶接作業性を高めることができる。
〔実施の形態6〕
実施の形態6にかかる集電系構造を図12に示す。図12(a)は集電系部材が配置された扁平状電極体10の正面模式図、図12(b)はその断面模式図であり、溶接状況を示している。実施の形態6では、一方端部が棚部分を有するL形状となった連結型集電第1部材25と、上記L形状の棚部分に対偶する形状の延長部を有する連結型集電第2部材23とが使用されている。
この実施の形態においては、上記実施の形態3において説明したと同様、連結型集電第1部材25と連結型集電第2部材23のそれぞれの溶接予定部101・102を抵抗溶接する際には、連結型集電第1部材25の棚部分 または/および これに対偶する連結型集電第2部材23の延長部分の下面には、例えば絶縁性フィルムを配する等して両部材の対偶面同士が接触しないようにして、両部材間に無効電流が流れないようにしておく。そして、第1溶接予定部101と第2溶接予定部102における抵抗溶接作業が終了した後に、両部材の境界にレーザ光105を照射し溶接予定部103を溶接する。これ以外の事項については、上記実施の形態3と同様に行う。
この実施の形態では、連結型集電第1部材25と連結型集電第2部材の端部同士が、L面で面対偶しているので、接触状態が安定であり、かつ接触面積が大きいので電気抵抗を小さくできるというメリットがある。なお、溶接点103の溶接は、レーザ光に代えて、超音波を用いた超音波溶接法を用いることもできる。
〔実施の形態7〕
実施の形態7にかかる集電系構造を図13に示す。実施の形態7は、延長部分を有しない集電第1部材13を使用し、延長部分15aを有する導電性連結部材15を使用する点において、上記実施の形態1と相違している。この実施の形態では、集電第1部材13と集電第2部材14の両部材の上面に延長部分15aを有する導電性連結部材15をレーザ溶接し、導電性連結部材15の延長部15aを介して正極外部出力端子5と通電可能に接続する。この実施の形態においても、上記実施の形態1と同様の作用効果が得られる。
ここで、集電第1部材や集電第2部材などの集電部材は、電気抵抗を低減するために、芯体露出部との接触面積が大きい方がよい。他方、受け部材は、溶接部分の強度を高めることを主目的とする部材であるので、集電部材よりも面積が小さいものでよい。ただし、図13に示すように形状に特段の違いがない場合
においても、部材を特定するための都合上から、本明細書においては、一方を集電部材とし、他方を受け部材と称している。
また、図13においては、集電部材側に受け部材を配置した構造を示したが、図14に示すように、受け部材側に導電性連結部材15を配置してもよく、さらに、上記実施の形態3,4,5,6において、集電第1部材以外の部材を介して外部出力端子に接続する構成を採用することもできる。
〔実施の形態8〕
実施の形態8では、先ず外部出力端子、封口板、集電第1部材を組み合わせた後に、電極体にこの集電第1部材と連結型集電第2部材をそれぞれ抵抗溶接し、しかる後に集電第1部材に連結型集電第2部材を抵抗溶接する。以下では正極集電系の作製手順について図15〜20を用いて説明するが、負極集電系についても同一形状の部材を用いて正極集電系と同様に行えばよい。
図15は集電第1部材30の形状を示す斜視図である。この集電第1部材30は、アルミニウム板を加工した正面視L字の集電部材であり、電極体の芯体露出部に溶接するための胴部30aと、外部出力端子5に接続するための頭部30bと、胴部30aと頭部30bとを繋ぐ首部30dとからなる。そして頭部30bには、外部出力端子5の下端を嵌めこむための取付け穴30cが設けられている。
図16に、封口板2に外部出力端子5、絶縁部材33、及び集電第1部材30を取り付けて、各部材を一体化させた封口体部分の断面図を示す。図16に示すように、封口板2の下面と集電第1部材30との間、および封口板2の上面と外部出力端子5の周縁鍔部との間、並びに封口板2に設けられた貫通穴2aの周囲には、絶縁部材33が配置され、封口板2と、集電第1部材30及び外部出力端子5との間を絶縁している。
封口体部分の組み立ては次のように行う。封口板2の所定部分に絶縁部材33を配置する。封口板2の内側に位置する絶縁部材上に、封口板2の貫通穴2aと集電第1部材30の取付け穴30cとが重なるように位置させる。しかる後に、外部出力端子5を貫通穴2aおよび集電第1部材30の取付け穴30cに挿通する。この状態で外部出力端子5の下部を拡径して集電第1部材30と共に外部出力端子5を封口板2にカシメ固定する。これにより各部材が一体化されると共に、外部出力端子5と集電第1部材30とが通電可能に接続される。
このようにして外部出力端子5と共に封口板2に固定された集電第1部材30を、外部出力端子接続済み集電第1部材と称することとする。
図17〜19に基づいて、電極体への集電系部材の取付け手順を説明する。図17に示すように、外部出力端子接続済み集電第1部材30の胴部30aの一方面(電極体芯体露出部に当接させる側の面)のうち、電極体芯体露出部の第1溶接予定部101に当接させ溶接する部分を除き、第1溶接予定部101の周辺を絶縁フィルム32で覆う。また、第1の受け部材19の一方面にも、第1溶接予定部101に当接させ溶接する部分を除いて絶縁フィルム32を貼着する。
絶縁フィルム32が貼着された集電第1部材の胴部30aを積層芯体露出部11cの扁平部分の中央左側に配置し(図2、3参照)、その反対面に絶縁フィルム32を貼着した第1の受け部材19を対向配置する。しかる後、集電第1部材の胴部30a面と第1の受け部材19のそれぞれに電極棒104・104の先端を当接させ、両部材間に電流を流す。これにより、集電第1部材の胴部30aと積層芯体露出部11cと第1の受け部材19とが抵抗溶接される。
次に集電第1部材と離れた積層芯体露出部11cの他の領域に連結型集電第2部材31を抵抗溶接する。実施の形態で使用する連結型集電第2部材31は、図18正面視に示すように、集電第1部材に接続する側が「く」の字状に折れ曲がり立ち上がった形状であり、図20平面視に示すように集電第1部材に接続する側がやや幅狭になった帯状の部材である。なお、図20は実施の形態8の集電系構造を示す断面模式であり、図1におけるx-x矢視方向からの切断面を示す。
集電第1部材の場合と同様にして、連結型集電第2部材31についても、電極体芯体露出部の第2溶接予定部102に当接させ溶接する部分及び集電第1部材に当接させ溶接する部分を除き、積層芯体露出部11c側に向ける面には絶縁フィルム32を貼着する。また、第2の受け部材20の一方面にも、第2溶接予定部102に当接させ溶接する部分を除いて絶縁フィルム32を貼着する。
次いで絶縁フィルム32を貼着した上記連結型集電第2部材31および第2の受け部材20を、集電第1部材と離れた積層芯体露出部11cの他の領域にあてがい、図18に示すようにして電気抵抗溶接する。
この後、図19(a)に示すように、連結型集電第2部材31の「く」字状に反った先端側部分を上方から押さえて、集電第一部材の胴部30aの上面に当接させ、この状態で図19(b)に示すようにして、集電第1部材30と連結型集電第2部材31に電極棒104・104’を当てがい電流を流して電気抵抗溶接する。これにより電極体(正極)と連結型集電第2部材31、集電第1部材30および外部出力端子5とが通電可能に接続される。
なお、集電第1部材と集電第2部材とを電極体に接続する順序は問わないので、先に連結型集電第2部材を芯体露出分に抵抗溶接した後に、外部出力端子接続済み集電第1部材を芯体露出分に抵抗溶接し、しかる後に両部材を抵抗溶接してもよい。また、上記で記載した事項以外の事項、例えば集電系部材の材質、その他の電池構成部材の材質、製造方法などは、上記実施の形態1等の記載に従えばよい。
他方、この実施の形態においては、絶縁フィルムが使用されるが、絶縁フィルムは主に電気抵抗溶接時に部材同士が接触して無用な電流が消費されるのを防止するものであるので、電気抵抗溶接に先だって各部材に貼着する必要がある。
絶縁フィルムの材質としては、好ましくは溶解温度が200℃以上であり、溶着温度が70℃〜150℃で、かつ電解質に対する耐薬品性を有する熱可塑性絶縁フィルムを用いる。例えばこの条件を満たす、ゴム系シール材、酸変性ポリプロピレン系熱溶着性樹脂、ポリオレフィン系熱溶着性樹脂などを使用する。また、表面に糊材が添着されたポリイミドテープ、ポリプロピレンテープ、ポリフェニレンサルファイドテープなどを使用する。
実施例により、本発明角形二次電池の集電における優位性を説明する。
(実施例1)
上記実施の形態3と同様にして、実施例1の角形リチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例2)
上記実施の形態4と同様にして、実施例2の角形リチウムイオン二次電池を作製した。
(参考例1)
図21(a)、(b)に示す従来例にかかる角形リチウムイオン二次電池を作製した。すなわち、従来タイプの集電板201を、積層芯体露出部11cの扁平部分に溶接部1及び溶接部2の二箇所で抵抗溶接した。これ以外は上記実施例1、すなわち実施の形態3と同様にして参考例1の角形リチウムイオン二次電池を作製した。
(参考例2)
図22に示すように、第1溶接予定部101と第2溶接予定部102の間に、互い違いに切り込み203を入れた(スリットを入れた)集電板202を用い、この集電板202を積層芯体露出部11cの扁平部分に第1溶接予定部101と第2溶接予定部102の二箇所で抵抗溶接した。これ以外は、上記実施例1(実施の形態3)と同様にして参考例2の角形リチウムイオン二次電池を作製した。
(参考例3)
図23に示すように、第1溶接予定部101と第2溶接予定部102の間に、穴空き部205を形成した集電板204を用い、この集電板205積層芯体露出部11cの扁平部分に第1溶接予定部101と第2溶接予定部102の二箇所で抵抗溶接した。これ以外は、上記実施例1(実施の形態3)と同様にして参考例3の角形リチウムイオン二次電池を作製した。
実施例1〜2及び参考例1〜3で使用した各部材は、材質、厚み、部材幅を同一とした。
〔溶接状態の良否〕
実施例1〜2、参考例1〜3の各電池をそれぞれ複数個作成し、集電系の電気抵抗値を調べた。また、第2溶接部(集電第2部材と第2受け部材間の溶接部)における溶接強度の良否を調べた。溶接強度の良否は、9〜13例について集電第2部材と第2の受部材とを手で触れて部材が動くか否かで判定し、動くものを強度不十分とした。これらの結果を表1に示す。
表1から、実施例1,2、参考例1,3において抵抗値が低かったが、参考例2は抵抗値が大きかった。溶接強度については、実施例1および2におい溶接強度不十分なものはなかったが、参考例1〜3において溶接強度が十分でないのもが存在した。
すなわち、実施例1,2においては、一つの集電板を用いた参考例1と同等の良好な抵抗値(集電効率)を得られた。また、十分な溶接強度が得られた。これに対して、参考例1〜3では、溶接強度不足が生じる場合があり、実施例1,2に比較し溶接安定性が不十分であった。また、参考例2においては抵抗値が顕著に高かった。
この結果は次のように考えられる。参考例1〜3において、溶接強度の不足が見られた理由としては、参考例1〜3では、第2溶接予定部を溶接する際、既に溶接されている第1溶接部側に無効電流が流れるため、第2溶接部における溶接が不十分になり、溶接強度不足が生じることがあるためと考えられる。参考例2、3は、第1溶接予定部と第2溶接予定部との間にスリットや穴空き部を設けることにより、横方向(第1溶接予定部と第2溶接予定部相互間方向)への電流の流れを低減しようとするものであるが、表1の結果は、スリットや穴空き部を設けても十分に無効電流を小さくすることができないことを意味すると考えられる。第1溶接予定部と第2溶接予定部との間にスリットを形成した参考例2において抵抗値が顕著に高くなったのは、スリットを設けたことにより、狭く長い導電路が形成されため、これが抵抗値を増大させたものと考えられる。
(その他の事項)
本発明にかかる第1電極の電極芯体、集電第1部材(または連結型集電第1部材)、集電第2部材(または連結型集電第2部材)、導電性連結部材のそれぞれが、アルミニウム、アルミニウム合金であると、本発明作用効果が一層顕著に発揮されるが、これら各部材が、異なる金属からなるものであってもよい。なお、上記実施の形態では、正極の各部材をアルミニウム製とし、負極の各部材を銅製としたが、電極芯体の材質は電極の特性に応じて決められるものであり、上記実施の形態例に限定されるものではない。
また、上記実施の形態では、正負両電極に対して本発明にかかる集電系構造を採用したが、一方の電極のみに対してのみ本発明方法を適用してもよい。
また、本発明はリチウムイオン二次電池に限らず、ニッケル−水素蓄電池、ニッケル−カドミウム蓄電池等、他の角形二次電池の製造にも適用できる。また、上記実施の形態に
おいては、扁平状の巻回電極体を用いる例について説明したが、平板状の正・負極板を、セパレータを介して積層した電極体を用いた角形二次電池に対しても適用することができる。
また、本発明の要素である各部材の溶接用電極棒を当接させる部分に溶接用の凸部を設けるのもよい。凸部を設けると電流を溶接部に集中させ易い。
1 外装缶
2 封口板
2a 封口板貫通穴
5 正極外部出力端子
6 負極外部出力端子
10 電極体
11 正極板
11a 正極活物質層
11b 正極芯体露出部
11c 正極積層芯体露出部
12 負極板
12a 負極活物質層
12b 負極芯体露出部
12c 負極積層芯体露出部
13、30 正極集電第1部材
14 正極集電第2部材
15 正極導電性連結部材
16 負極集電第1部材
17 負極集電第2部材
18 負極導電性連結部材
19 第1の受け部材
20 第2の受け部材
21、22、23、31 連結型集電第2部材
24、25 連結型集電第1部材
26 芯体切欠き部

30a 集電第1部材胴部
30b 集電第1部材頭部
30c 取付け穴
30d 集電第1部材首部

32 絶縁フィルム
33 絶縁部材

101 第1溶接予定部(第1溶接部)
102 第2溶接予定部(第2溶接部)
103 溶接予定部(溶接部)
104、104’ 溶接用電極棒
105 溶接用レーザ

Claims (4)

  1. 第1電極と第2電極を含む扁平状電極体と、
    開口部及び底部を有し、前記扁平状電極体を収容する角形電池ケースと、
    前記開口部を封口する封口板と、を備えた角形二次電池であって、
    前記扁平状電極体は、一方の端部に巻回された前記第1電極の芯体露出部を有し、他方の端部に巻回された前記第2電極の芯体露出部を有し、
    前記巻回された第1電極の芯体露出部を前記巻回された第1電極の芯体露出部の巻回軸に沿って見たとき、前記巻回された第1電極の芯体露出部は、前記芯体露出部が束ねられた厚みの小さい部分と、前記厚みの小さい部分よりも前記封口板側に位置し前記厚みの小さい部分よりも厚みの大きい第1の部分と、前記厚みの小さい部分よりも前記底部側に位置し前記厚みの小さい部分よりも厚みの大きい第2の部分を有し、
    前記巻回された第1電極の芯体露出部には集電部材が抵抗溶接されており、
    前記集電部材は、前記厚みの小さい部分の前記第1電極の芯体露出部の積層方向における最外面側に前記最外面に沿うように配置される板状の第1領域と、前記第1領域の前記封口板側の端部から前記扁平状電極体における前記封口板の端部よりも前記封口板側まで延びる第2領域を有し、
    前記第1領域の前記封口板側の端部には、前記第2領域が前記厚みの小さい部分から離れるように折れ曲がる折れ曲がり部が設けられている角形二次電池の製造方法であって、
    前記第2領域と前記巻回された第1電極の芯体露出部の最外面の間に絶縁フィルムを配置した状態で、前記厚みの小さい部分に前記第1領域を抵抗溶接する角形二次電池の製造方法。
  2. 前記集電部材は、前記封口板と前記扁平状電極体の間に配置される領域を有し、
    前記第2領域は、前記封口板と前記扁平状電極体の間に配置される領域と前記第1領域を繋ぐ部分である請求項に記載の角形二次電池の製造方法。
  3. 前記第1領域と前記巻回された第1電極の芯体露出部の最外面の間に絶縁フィルムを配置した状態で前記抵抗溶接を行う請求項1又は2に記載の角形二次電池の製造方法。
  4. 前記厚みの小さい部分の前記第1電極の芯体露出部の積層方向における最外面側であっ
    て前記集電部材の前記第1領域が配置される側とは反対側の面に、受け部材が配置された状態で前記抵抗溶接を行う請求項1〜3のいずれかに記載の角形二次電池の製造方法。
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