JP5857701B2 - ワイヤハーネス - Google Patents

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Description

本発明は、絶縁電線及びその端部に設けられた金属端子を含むワイヤハーネスに関する。
昨今、自動車に搭載されるワイヤハーネスにおいて、絶縁電線及びその端部に設けられた金属端子を含むワイヤハーネスは、より高い防水性能が求められている。防水機能を有するワイヤハーネスは、絶縁電線の端部における絶縁被覆の部分において、液体が絶縁被覆を伝って金属端子の部分へ浸入することを防ぐ止水部を備える。
ワイヤハーネスの止水部は、一般に、絶縁電線の端部の周囲を覆う絶縁性の硬質部材であるカバー部材と、カバー部材と絶縁電線との隙間を塞ぐ止水材とを備える。カバー部材は、絶縁電線の端部の防水、機械的な保護及び電気的な絶縁のために設けられる。
ワイヤハーネスの止水部としては、例えば、端子付電線の端部をインサート部とするインサート成形により形成される樹脂被覆部材を備えた止水部と、コネクタなどの硬質の樹脂筐体のキャビティに挿入された端子付電線の端部と樹脂筐体との隙間を塞ぐ止水部とが考えられる。以下の説明において、前者を樹脂被覆タイプの止水部、後者をキャビティ閉塞タイプの止水部と称する。なお、樹脂被覆部材及び樹脂筐体は、カバー部材の一例である。
樹脂被覆タイプの止水部において、樹脂被覆部材は、硬質の合成樹脂材料からなり、絶縁電線の端部における絶縁被覆の部分から金属端子における芯線との接続部までの領域を含む保護領域をインサート部とするインサート成形によって保護領域を覆って形成された部分である。
また、樹脂被覆タイプの止水部を形成する工程において、樹脂被覆部材のインサート成形が行われる前に、止水材が、絶縁電線の端部における絶縁被覆の表面に全周に亘って形成される。この止水材は、絶縁被覆と樹脂被覆部材との隙間を塞ぐ。
樹脂被覆タイプの止水部を備えたワイヤハーネスにおいて、絶縁被覆の熱膨張係数と樹脂被覆部材の熱膨張係数とは異なる。そのため、止水材は、絶縁被覆と樹脂被覆部材との熱膨張の差に対応できる伸縮性を備える必要がある。さらに、止水材は、樹脂被覆部材のインサート成形の際の樹脂の圧力によって位置ずれしないように、絶縁被覆における所定の位置に固定される必要がある。
例えば、特許文献1に示されるワイヤハーネスにおいては、樹脂被覆部材が、弾性を有する接着テープ(シール部材)が巻き付けられた絶縁電線をインサート部とするインサート成形により形成される。特許文献1に示される接着テープは、シリコーンゴム又はブチルゴムなどからなり、絶縁被覆と樹脂被覆部材との隙間からの水の浸入を防ぐ止水材として機能する。
一方、キャビティ閉塞タイプの止水部は、コネクタなどの硬質の樹脂筐体と、樹脂筐体のキャビティに挿入された端子付電線の端部とコネクタとの隙間を塞ぐ筒状のゴム栓とを備える。筒状のゴム栓は、その中空部を端子付電線の端部における絶縁被覆の部分が貫通する状態で、樹脂筐体のキャビティ内へ押し込められる。これにより、ゴム栓は、絶縁電線の絶縁被覆の部分と樹脂筐体におけるキャビティの部分の内側面との隙間を塞ぐ止水材として機能する。
特開2006−123458号公報
しかしながら、樹脂被覆タイプの止水部において、接着テープが絶縁被覆と樹脂被覆部材との間の止水材として採用された場合、以下に示されるような不都合が生じる。
即ち、接着テープは、厚みが薄いため、絶縁被覆と樹脂被覆部材との熱膨張の差に対応した十分な伸縮性能を発揮し難い。また、止水材として十分な厚みを確保するために、接着テープを多重に巻き付けることは、テープ巻きを行う作業者の技量によって接着テープの巻き付け状態が変動するため、止水性能のばらつきが生じやすいという不都合を招く。
また、大きな厚みの接着テープ、例えば、ブチルゴムの接着テープなどが採用された場合、接着テープの末端が形成する大きな段差により、接着テープが重なる部分において隙間が生じやすい。そのような隙間は、止水性能の悪化を招く。さらに、ブチルゴムの接着テープは、耐熱性が十分でないため、高温の場所に敷設されるワイヤハーネスには適さない。
一方、大きな厚みのゴム製の筒部材が、止水材として採用された場合、筒部材が、樹脂被覆部材のインサート成形の際の樹脂の圧力によって位置ずれしやすい。止水材の位置ずれは、止水性能の悪化及びばらつきを招く。
また、キャビティ閉塞タイプの止水部において、筒状のゴム栓が止水材として採用された場合、ゴム栓が、電線に加わる力によってネクタのキャビティから抜け出し、止水機能が失われる恐れがある。そのため、ゴム栓がコネクタのキャビティから外れることを防ぐ抜け止め機構が、コネクタに設けられる必要がある。そのような抜け止め機構を設けることは、絶縁筐体(カバー部材)の複雑化及び大型化を招くため好ましくない。
本発明は、ワイヤハーネスにおける絶縁電線とその端部の周囲を覆うカバー部材との隙間が止水材で塞がれる止水部において、簡易な構造により、止水材の位置ずれ及び外れを防止して安定した止水性能を確保できることを目的とする。
第1発明に係るワイヤハーネスは、以下に示す各構成要素を備える。
(1)第1の構成要素は、導電性の芯線及び該芯線の周囲を覆うゴムの絶縁被覆であるゴム被覆を有する絶縁電線である。
(2)第2の構成要素は、前記絶縁電線の端部において前記芯線と電気的に接続された金属端子である。
(3)第3の構成要素は、前記絶縁電線の前記芯線が貫通した環状の硬質部材であり、前記絶縁電線の端部における前記芯線と前記ゴム被覆との間に挿入された環状部材である。
(4)第4の構成要素は、前記絶縁電線の端部の周囲を覆う絶縁性の硬質部材であり、その内側面が少なくとも前記ゴム被覆における前記環状部材に重なって環状に***した部分とその全周に亘って密接したカバー部材である。そして、前記芯線のうち前記環状部材に通された部分よりも前記端子側の部分は、その外周面に前記ゴム被覆が接触した状態で前記ゴム被覆に覆われている。
また、第2発明に係るワイヤハーネスは、第1発明に係るワイヤハーネスの一態様である。第2発明に係るワイヤハーネスにおいて、前記絶縁電線の前記芯線が貫通した前記環状部材における前記芯線の末端側に対して反対側の外周面は先細りのテーパ面である。
また、第3発明に係るワイヤハーネスは、第1発明又は第2発明に係るワイヤハーネスの一態様である。第3発明に係るワイヤハーネスにおいて、前記環状部材の外周面に、当該環状部材の軸心方向に平行であり、かつ、当該環状部材の最大の輪郭をなす頭頂面が形成されている。
また、第4発明に係るワイヤハーネスは、第1発明から第3発明のいずれかに係るワイヤハーネスの一態様である。第4発明に係るワイヤハーネスにおいて、前記環状部材の外周面には、それぞれ全周に亘る稜線を形成する複数の環状の凸面が当該環状部材の軸心方向において間隔を空けて形成されている。
第1発明に係るワイヤハーネスにおいて、絶縁電線のゴム被覆における環状部材に重なって環状に***した部分は、絶縁電線とその端部の周囲を覆うカバー部材との隙間を塞ぐ止水材として機能する。ゴム被覆は、弾性体であるため、温度変化に起因するカバー部材の膨張及び収縮に応じて弾性的に変形し、高い止水性能を維持する。
また、環状部材は、絶縁電線におけるゴム被覆の内側に挿入されている。そのため、カバー部材がインサート成形によって形成される場合、環状部材は、インサート成形の際の樹脂の圧力によって位置ずれしにくい。さらに、カバー部材が、キャビティを有する絶縁筐体である場合、環状部材は、ゴム栓のようにキャビティから外れることがない。従って、カバー部材は、ゴム栓の抜け止め機構のように複雑化及び大型化を招く特別な機構を備える必要がない。
以上に示したことから、第1発明によれば、絶縁電線とその端部の周囲を覆うカバー部材との隙間が止水材(ゴム被覆における環状の***部)で塞がれる止水部において、簡易な構造により、止水材の位置ずれ及び外れを防止して安定した止水性能を確保することが可能となる。
また、第2発明に係るワイヤハーネスにおいて、環状部材の外周面における先細りのテーパ面は、環状部材が絶縁電線におけるゴム被覆の内側に挿入される際における環状部材とゴム被覆との摩擦抵抗を軽減する役割を果たす。そのため、第2発明によれば、絶縁電線におけるゴム被覆の内側に環状部材を容易に挿入することが可能となる。
また、第3発明に係るワイヤハーネスにおいて、絶縁電線のゴム被覆は、環状部材の頭頂面の形に従って***した***部の頭頂部の面において、他の部分よりもカバー部材の内側面に対してより高い圧力で密接する。しかも、環状部材の頭頂面が、環状部材の軸心方向に平行な面であれば、ゴム被覆におけるカバー部材の内側面に対して最も高い圧力で密接する部分、即ち、ゴム被覆の***部の頭頂面を、止水に必要十分な面積にすることができる。従って、第3発明によれば、止水部の止水性能を高めることができる。
また、第4発明に係るワイヤハーネスにおいて、環状部材の外周面が、複数の環状の凸面を有することにより、カバー部材の内側面に対して最も高い圧力で密接するゴム被覆の***部が、絶縁電線の長手方向において複数並んで形成される。これにより、止水性能がより高まる。
本発明の第1実施形態に係るワイヤハーネス1の平面図及び側面図である。 ワイヤハーネス1におけるカバー部材の部分の断面図である。 ワイヤハーネス1が備える環状部材の平面図、正面図及び側面図である。 ワイヤハーネス1の製造手順を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係るワイヤハーネス1Aの平面図、側面図及び背面図である。 ワイヤハーネス1Aにおけるカバー部材の部分の断面図である。 ワイヤハーネス1,1Aに適用可能な応用例に係る環状部材の平面図、正面図及び側面図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。
<第1実施形態>
まず、図1から図3を参照しつつ、本発明の実施形態に係るワイヤハーネス1の構成について説明する。図1に示されるように、ワイヤハーネス1は、絶縁電線10と金属端子20と環状部材30とカバー部材40とを備える。
なお、図2は、ワイヤハーネス1におけるカバー部材40の部分の断面図であり、より具体的には、図1に示されるD−D平面におけるワイヤハーネス1の断面図である。また、図3(a)は環状部材30の平面図、図3(b)は環状部材30の正面図、図3(c)は環状部材30の側面図である。
<絶縁電線>
絶縁電線10は、導電性の芯線11及び芯線11の周囲を覆うゴムの絶縁被覆であるゴム被覆12を備える。絶縁電線10において、芯線11の端部は、ゴム被覆12の端部から延び出て形成されている。
芯線11は、例えば、銅、銅合金もしくはアルミニウム合金などの金属材料からなる。また、芯線11は、複数の素線が撚り合わされた構造を有する撚り線であること、或いは単線であることが考えられる。
一方、ゴム被覆12は、例えば、例えば、ゴム又はゴム系材料であるエラストマー(elastic polymer)からなる部材である。即ち、ゴム被覆12は、電気的絶縁性及び弾性を有する材料からなる被覆である。なお、エラストマーには、天然ゴム及び合成ゴムなどの加硫ゴム、並びにウレタンゴム、シリコーンゴム及びフッ素ゴムなどの熱硬化性樹脂系エラストマーが含まれる。
<金属端子>
金属端子20は、絶縁電線10の端部において芯線11と電気的に接続された端子である。金属端子20は、銅もしくは銅合金などの金属材料からなる金具である。金属端子20は、バスバー、電装機器の端子部又は他のワイヤハーネスの端子などの接続相手と接続される部分である。図1に示される例では、金属端子20は、ネジが通される貫通孔が形成された平板状の端子である。しかしながら、金属端子20が、貫通孔のない板状又は棒状などの他の形状を有することも考えられる。
例えば、金属端子20は、超音波溶接などによって絶縁電線10の端部の芯線11に対して固定される。或いは、金属端子20が、少なくとも絶縁電線10の芯線11に圧着されるかしめ部が形成された圧着端子である場合、金属端子20は、絶縁電線10の端部に圧着されて固定される。
<環状部材>
環状部材30は、絶縁電線10の芯線11が貫通した環状の硬質の部材である。環状部材30は、芯線11がその中空部31に貫通した状態で、絶縁電線10の端部における芯線11とゴム被覆12との間に挿入されている。環状部材30の内縁は、芯線11との間に極力隙間が生じないように、芯線11の外周面に沿う形状で形成されている。
各図に示される例では、芯線11の横断面の形状は概ね円形であり、環状部材30の内縁の形状は円形である。従って、環状部材30の内側面は円周面である。しかしながら、芯線11の横断面の形状が扁平形状である場合には、環状部材30の内縁の形状は、芯線11の外周面に沿う扁平な形状で形成される。
また、環状部材30は、少なくともその周方向においては均一な厚みで形成されており、回転体の形状をなしている。本実施形態における環状部材30は、周方向においては均一な厚みで形成され、軸心方向においては不均一な厚みで形成されている。
環状部材30は、例えば、金属の部材又は合成樹脂の部材であることが考えられる。環状部材30が金属の部材である場合、その金属は、例えば、銅もしくは銅を主成分とする銅合金、アルミニウムもしくはアルミニウムを主成分とするアルミニウム合金又はステンレスなどであることが考えられる。また、環状部材30が合成樹脂の部材である場合、その合成樹脂は、例えば、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)、ABS樹脂又は芳香族ナイロンなどの合成樹脂であることが考えられる。
また、図2及び図3に示されるように、環状部材30の軸心方向における第1の側の外周面32は先細りのテーパ面である。一方、環状部材30の軸心方向における第2の側の端面34は、環状部材30の軸心方向に対して概ね直交するように形成されている。なお、環状部材30の軸心方向とは、筒状の環状部材30の中空部31の中心線Rに沿う方向を意味する。
図2に示されるように、環状部材30にけるテーパ面をなす第1の側の外周面32は、絶縁電線10の芯線11が貫通した状態の環状部材30における芯線11の末端側に対して反対側の外周面である。換言すれば、第1の側の外周面32は、環状部材30が絶縁電線10におけるゴム被覆12の内側に挿入される際に先頭側に向く面である。
また、図2及び図3に示されるように、環状部材30の外周面には、環状部材30の軸心方向に平行であり、かつ、環状部材30の最大の輪郭をなす頭頂面33が形成されている。
各図に示される例では、環状部材30の内側面は円周面であるため、環状部材30の頭頂面33は、内側面と同軸の円周面である。しかしながら、芯線11の横断面の形状が扁平形状である場合には、環状部材30の頭頂面33の形状は、芯線11の外周面に沿う内側面との間で一定の厚みをなす扁平な形状で形成される。
環状部材30が絶縁電線10におけるゴム被覆12の内側に挿入された状態において、ゴム被覆12における環状部材30と重なる部分は、環状部材30によって押し広げられて環状に***している。以下の説明において、この***した部分のことを環状***部121と称する。環状***部121は、ゴム被覆12における環状部材30に重なって環状に***した部分である。
図2に示されるように、絶縁電線10のゴム被覆12は、環状部材30の形に従って***し、環状***部12は、環状部材3の外周面とほぼ相似な形状の外周面を形成している。従って、環状***部12の外周面には、絶縁電線10の軸心方向に平行であり、かつ、当該ゴム被覆12の最大の輪郭をなす頭頂面1211が形成されている。
<カバー部材>
カバー部材40は、絶縁電線10の端部の周囲を覆う絶縁性の硬質な部材である。このカバー部材40は、その内側面がゴム被覆12の端部の全周に亘って密接している。また、カバー部材40の内側面は、ゴム被覆12の環状***部121に対し、他の部分よりも強い圧力でその全周に亘って密接している。カバー部材40は、例えば、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)、ABS樹脂又は芳香族ナイロンなどの絶縁性の樹脂からなる部材である。
ワイヤハーネス1において、カバー部材40及びゴム被覆12の環状***部121は、雨水などの液体が絶縁被覆12を伝って金属端子20の部分へ浸入することを防ぐ止水部を構成している。ここで、環状***部121は、カバー部材40と絶縁電線10との隙間を塞ぐ止水材として機能する。また、カバー部材40は、インサート成形により形成される樹脂被覆部材の一例である。即ち、ワイヤハーネス1の止水部は、樹脂被覆タイプの止水部である。
<ワイヤハーネス1の製造方法>
次に、図4を参照しつつ、ワイヤハーネス1の製造手順の概略について説明する。なお、図4は、ワイヤハーネス1の製造手順を示す模式図である。
ワイヤハーネス1の製造工程において、まず、環状部材装着工程が行われる。図4(a)に示されるように、環状部材装着工程は、環状部材30の中空部31に絶縁電線10における芯線11の端部を貫通させるとともに、絶縁電線10の端部における芯線11とゴム被覆12との間に環状部材30を挿入する工程である。
環状部材装着工程が行われることにより、図4(a)に示されるように、絶縁電線10におけるゴム被覆12の端部に、環状***部121が形成される。なお、図4(a)において、絶縁電線10が貫通する前の環状部材30Aが仮想線(2点鎖線)により描かれている。
環状部材装着工程の終了後、端子接続工程が行われる。図4(b)に示されるように、端子接続工程は、金属端子20を、溶接又はかしめによって絶縁電線10の端部に取り付ける工程である。
端子接続工程が行われることにより、図4(b)に示されるように、端子付電線9が得られる。この端子付電線9において、環状部材30が装着された状態の絶縁電線10における芯線11と金属端子20とは、一体に連結されるとともに電気的に接続されている。なお、図4(b)において、絶縁電線10に接続される前の金属端子20が仮想線により描かれている。
最後に、図4(c)に示されるように、インサート成形工程が行われる。インサート成形工程は、絶縁電線10における保護領域をインサート部とするインサート成形により、溶融状態の樹脂材料40Pを、ワイヤハーネス1の保護領域を覆う形状のカバー部材40へ成形する工程である。保護領域は、少なくとも絶縁電線10における環状***部121が形成された部分から金属端子20における芯線11との接続部21までの領域を含む領域である。
インサート成形工程においては、まず、ワイヤハーネス1の保護領域は、カバー部材40を成形するための金型52の内部の予め定められた位置に配置される。その後、溶融状態の樹脂材料40Pが、樹脂供給装置53から金型52内へ射出される。これにより、合成樹脂のカバー部材40が、ワイヤハーネス1の保護領域を覆う形状に成形される。
なお、図4(d)に示される金型52の図は、金型52の断面図である。
絶縁電線10の保護領域におけるゴム被覆12の部分は、インサート成形の際に溶融状態の樹脂材料40Pから受ける圧力によって弾性的に収縮する。そのため、保護領域を覆うカバー部材40は、収縮したゴム被覆12の弾性力(復元力)によってゴム被覆12の端部と密接した状態となっている。
本実施形態においては、絶縁電線10の環状***部121が、インサート成形の際に溶融状態の樹脂材料40Pから他の部分よりも大きな圧力を受け、他の部分よりも大きく弾性的に収縮する。そのため、保護領域を覆うカバー部材40は、収縮したゴム被覆12の環状***部121に対し、他の部分よりも強い弾性力で密接した状態となっている。
ワイヤハーネス1において、カバー部材40及びゴム被覆12の環状***部121は、雨水などの液体が絶縁被覆12を伝って金属端子20の部分へ浸入することを防ぐ止水部を構成している。ここで、環状***部121は、カバー部材40と絶縁電線10との隙間を塞ぐ止水材として機能する。また、カバー部材40は、インサート成形により形成される樹脂被覆部材の一例である。即ち、ワイヤハーネス1の止水部は、樹脂被覆タイプの止水部である。
<第2実施形態>
次に、図5及び図6を参照しつつ、本発明の第2実施形態に係るワイヤハーネス1Aについて説明する。ワイヤハーネス1Aは、図1から図4に示されたワイヤハーネス1と比較して、絶縁電線10の端部を覆うカバー部材の構造が異なる。即ち、ワイヤハーネス1Aは、カバー部材30の代わりに、それとは構造が異なるカバー部材30Aを備えている。
図5及び図6において、図1から図4に示される構成要素と同じ構成要素は、同じ参照符号が付されている。以下、ワイヤハーネス1Aにおけるワイヤハーネス1と異なる点についてのみ説明する。
なお、図5(a)、図5(b)及び図5(c)は、それぞれワイヤハーネス1Aの平面図、側面図及び背面図である。また、図6は、ワイヤハーネス1Aにおけるカバー部材40Aの部分の断面図であり、より具体的には、図5に示されるE−E平面におけるワイヤハーネス1Aの断面図である。
図5及び図6に示されるように、ワイヤハーネス1Aは、複数の端子付電線9と、それら端子付電線9各々の端部におけるゴム被覆12の部分の周囲を一括して覆うカバー部材40Aとを備える。カバー部材30Aには、複数の端子付電線9における絶縁電線10各々の端部が挿入される穴である複数のキャビティ41が形成されている。
なお、図5及び図6に示される例では、金属端子20は、絶縁電線10の芯線11に圧着されるかしめ部が形成された圧着端子であり、金属端子20は、絶縁電線10の端部に圧着されて固定されている。
カバー部材40Aは、複数の絶縁電線10各々の端部の周囲を覆う絶縁性の硬質な樹脂筐体である。このカバー部材40Aは、キャビティ41の壁を形成する内側面がゴム被覆12の環状***部121とその全周に亘って密接している。カバー部材40Aは、例えば、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)、ABS樹脂又は芳香族ナイロンなどの絶縁性の樹脂からなる部材である。
ワイヤハーネス1Aの止水部は、硬質の樹脂筐体であるカバー部材40Aのキャビティ41に挿入された端子付電線9の端部とカバー部材40との隙間を塞ぐキャビティ閉塞タイプの止水部である。
ワイヤハーネス1Aの製造工程においては、予め環状部材30が装着された絶縁電線10の端部が、予め成形されたカバー部材40Aのキャビティ41内に挿入される。そして、絶縁電線10の環状***部121は、カバー部材40Aにおけるキャビティ41に面する内側面とキャビティ41に挿入された絶縁電線10の端部との隙間を塞ぐ止水材として機能する。また、カバー部材40Aは、コネクタなどの絶縁筐体の一例である。
環状部材30の外周面は、環状部材30がカバー部材40Aのキャビティ41に挿入されたときに、キャビティ41の壁との間に、圧縮していない自然状態のゴム被覆12の厚みよりも若干薄い隙間が生じる程度の大きさで形成されている。
絶縁電線10の端部がカバー部材40Aのキャビティ41に挿入されると、絶縁電線10の環状***部121は、絶縁電線10とカバー部材40Aとの隙間に押し込められて弾性的に収縮する。そのため、絶縁電線10の端部を覆うカバー部材40は、収縮した環状***部121の弾性力(復元力)によって、環状***部121に対してその全周に亘って密接した状態となっている。
<効果>
ワイヤハーネス1,1Aにおいて、絶縁電線10のゴム被覆12における環状***部121は、絶縁電線10とその端部の周囲を覆うカバー部材40,40Aとの隙間を塞ぐ止水材として機能する。ゴム被覆12は、弾性体であるため、温度変化に起因するカバー部材40,40Aの膨張及び収縮に応じて弾性的に変形し、高い止水性能を維持する。
また、ワイヤハーネス1において、環状部材30は、絶縁電線10におけるゴム被覆12の内側に挿入されている。そのため、カバー部材40がインサート成形によって形成される際に、環状部材30は、溶融樹脂40Pの圧力によって位置ずれしにくい。
さらに、ワイヤハーネス1Aにおいて、環状部材30は、ゴム栓のようにカバー部材40Aのキャビティ41から外れることがない。従って、カバー部材40Aは、ゴム栓の抜け止め機構のように複雑化及び大型化を招く特別な機構を備える必要がない。
以上に示したことから、ワイヤハーネス1,1Aが採用されれば、絶縁電線9とその端部の周囲を覆うカバー部材40,40Aとの隙間は、ゴム被覆12の環状***部121で確実に塞がれる。その結果、簡易な構造により、止水材の位置ずれ及び外れを防止して安定した止水性能を確保することが可能となる。
また、ワイヤハーネス1,1Aにおいて、環状部材30の第1の側の外周面32(先細りのテーパ面)は、環状部材30が絶縁電線10におけるゴム被覆12の内側に挿入される際における環状部材30とゴム被覆12との摩擦抵抗を軽減する役割を果たす。そのため、ワイヤハーネス1,1Aが採用されれば、絶縁電線10におけるゴム被覆12の内側に環状部材30を容易に挿入することが可能となる。
また、ワイヤハーネス1,1Aにおいて、絶縁電線10のゴム被覆12は、環状部材30の頭頂面33の形に従って***した環状***部121の頭頂面1211において、他の部分よりもカバー部材40,40Aの内側面に対してより高い圧力で密接する。
しかも、環状部材30の頭頂面33が、環状部材30の軸心方向に平行な面であるため、ゴム被覆12におけるカバー部材40,40Aの内側面に対して最も高い圧力で密接する部分、即ち、環状***部121の頭頂面1211を、止水に必要十分な面積にすることができる。従って、ワイヤハーネス1,1Aが採用されれば、止水部の止水性能を高めることができる。
<応用例>
次に、図7を参照しつつワイヤハーネス1,1Aに適用可能な応用例に係る環状部材30Aについて説明する。図7(a)、図7(b)及び図7(c)は、それぞれ環状部材30Aの平面図、正面図及び側面図である。
図7に示されるように、環状部材30Aの外周面には、それぞれ全周に亘る稜線を形成する環状の凸面である頭頂面33が環状部材30Aの軸心方向において間隔を空けて形成されている。即ち、環状部材30Aの外周面において、複数の頭頂面33の間には、全周に亘る溝を形成する凹面35が形成されている。
ワイヤハーネス1,1Aにおいて、環状部材30Aが環状部材30の代わりに採用された場合、絶縁電線10のゴム被覆12は、環状部材30の頭頂面33の形に従って***した環状***部121の頭頂面121が、絶縁電線10の長手方向において複数並んで形成される。環状***部121の頭頂面121、他の部分よりもカバー部材40,40Aの内側面に対してより高い圧力で密接する。これにより、止水性能がより高まる。
<その他>
以上に示された実施形態においては、複数のキャビティ41がカバー部材40Aに形成されており、カバー部材40Aは、複数の絶縁電線10の端部を一括して覆う。しかしながら、カバー部材40Aが、1本の絶縁電線10の端部のみを覆う部材であることも考えられる。
同様に、インサート成形により形成されるカバー部材40が、複数の絶縁電線10の端部を一括して覆う部材であることも考えられる。この場合、カバー部材40は、複数の絶縁電線10の端部をインサート部とするインサート成形により形成される。
また、各図に示される例では、環状部材30の外周面に、3つの頭頂面33(凸面)が形成されている。しかしながら、2つの頭頂面33又は4つ以上の頭頂面33が、環状部材30の外周面に形成されることも考えられる。また、1つの頭頂面33のみが、環状部材30の外周面に形成されることも考えられる。
1,1A ワイヤハーネス
10 絶縁電線
11 芯線
12 ゴム被覆
20 金属端子
21 接続部
30,30A 環状部材
31 環状部材の中空部
32 環状部材の第1の側の外周面(テーパ面)
33 環状部材の頭頂面
34 環状部材の第2の側の端面
35 環状部材の凹面
40 カバー部材
40P 樹脂材料
52,54 金型
53 樹脂供給装置
121 絶縁被覆の環状***部

Claims (4)

  1. 導電性の芯線及び該芯線の周囲を覆うゴムの絶縁被覆であるゴム被覆を有する絶縁電線と、
    前記絶縁電線の端部において前記芯線と電気的に接続された金属端子と、
    前記絶縁電線の前記芯線が貫通した環状の硬質部材であり、前記絶縁電線の端部における前記芯線と前記ゴム被覆との間に挿入された環状部材と、
    前記絶縁電線の端部の周囲を覆う絶縁性の硬質部材であり、その内側面が少なくとも前記ゴム被覆における前記環状部材に重なって環状に***した部分とその全周に亘って密接したカバー部材と、を備え
    前記芯線のうち前記環状部材に通された部分よりも前記端子側の部分は、その外周面に前記ゴム被覆が接触した状態で前記ゴム被覆に覆われている、ワイヤハーネス。
  2. 前記絶縁電線の前記芯線が貫通した前記環状部材における前記芯線の末端側に対して反対側の外周面は先細りのテーパ面である、請求項1に記載のワイヤハーネス。
  3. 前記環状部材の外周面に、当該環状部材の軸心方向に平行であり、かつ、当該環状部材の最大の輪郭をなす頭頂面が形成されている、請求項1又は請求項2に記載のワイヤハーネス。
  4. 前記環状部材の外周面には、それぞれ全周に亘る稜線を形成する複数の環状の凸面が当該環状部材の軸心方向において間隔を空けて形成されている、請求項1から請求項3のいずれかに記載のワイヤハーネス。
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