JP5857565B2 - ボールねじ用ナットの製造方法、ボールねじ用ナット - Google Patents

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Description

この発明は、ボールねじを構成するナットの製造方法に関する。
ボールねじは、内周面に螺旋溝が形成されたナットと、外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、ナットの螺旋溝とねじ軸の螺旋溝で形成される軌道の間に配置されたボールと、前記ボールを軌道の終点から始点に戻すボール戻し経路とを備え、前記軌道内をボールが転動することで前記ナットがねじ軸に対して相対移動する装置である。
このようなボールねじは、一般的な産業用機械の位置決め装置等だけでなく、自動車、二輪車、船舶等の乗り物に搭載される電動アクチュエータにも使用されている。
ボールねじのボール戻し経路には循環チューブ方式やコマ方式などがあり、コマ方式の場合は、ボール戻し経路をなす凹部が形成されたコマをナットの貫通穴に嵌めている。これに対して、下記の特許文献1には、ボール戻し経路をなす凹部(循環溝)を、ナット素材の内周面に塑性加工で直接形成することが記載されている。その形成方法を図14を用いて説明する。
先ず、循環溝の形状に対応するS字状の凸部37,38を有する円筒状の加工ヘッド30を備えた金型を用意する。そして、ナット素材1を、その軸方向を水平方向に向けて台200の上に置き、ナット素材1の内部に加工ヘッド30を入れて、凸部37,38を上に向け、基端部30aと先端部30bを固定する。次に、この状態で、金型の上部材20にプレス圧を掛けて下降させ、凸部37,38をナット素材1の内周面11に押し当てることで、ナット素材1の内周面11を塑性変形させる。
特開2008−281063号公報
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、ナットの軸方向寸法が長く内径が小さい場合、金型の加工ヘッドが細長くなるため、強度が不足して破損し易くなるという問題点がある。
この発明の課題は、複数のボール戻し経路をナット素材の内周面に塑性加工で直接、複数の凹部として形成する方法として、軸方向寸法が長く内径が小さいナットを製造する場合でも、金型を破損することなく前記複数の凹部を形成できる方法を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明は、内周面に螺旋溝が形成されたナットと、外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、ナットの螺旋溝とねじ軸の螺旋溝で形成される軌道の間に配置されたボールと、前記ナットの内周面に複数の凹部として形成された、前記ボールを軌道の終点から始点に戻す複数のボール戻し経路とを備え、前記軌道内をボールが転動することで前記ナットがねじ軸に対して相対移動するボールねじの前記ナットの製造方法であって、円筒状のナット素材に内挿され、その軸方向に沿って移動するカムドライバと、前記ナット素材とカムドライバとの間に配置され、前記複数の凹部に対応する複数の凸部の少なくとも一つが形成され、前記カムドライバの移動により前記凸部が前記ナットの径方向に移動する複数のカムスライダと、を有するカム機構の金型を用いたプレス法により、前記複数の凹部を前記ナット素材の内周面に塑性加工で同時に形成することを特徴とする。
この発明の方法によれば、前記金型を用いたプレス法により、カム機構をなす斜面でカムドライバの前記軸方向への運動が前記径方向へ方向を変えて複数のカムスライダに伝達され、複数のカムスライダに形成された複数の凸部がナット素材の内周面を押して塑性変形させることで、前記ナット素材の内周面に前記複数の凹部が形成される。そして、軸方向寸法が長く内径が小さいナットを製造する場合でも、特許文献1の方法と比較して前記金型に破損が生じ難い。
この発明の方法は、前記金型として、前記カムドライバが前記ナット素材の軸方向と平行な荷重受け面を有し、前記カムドライバ以外の部材(例えば、ナット素材を保持する部材の底部やカムスライダを保持する部材)に前記荷重受け面と接触する荷重受け面が形成されているものを用いてプレスを行うことができる。これにより、前記カムスライダに伝達された前記径方向の力の反力を、前記両荷重受け面が接触することで受ける(反力に垂直な面で受ける)ことができるため、カムドライバが細長い形状であっても、カムドライバが受ける曲げモーメントを小さくすることができる。
この発明の方法は、また、前記金型として、前記複数のカムスライダがカムドライバとナット素材との間に配置される保持部材に保持され、前記保持部材が前記荷重受け面を有するものを用いてプレスを行うことができる。
この発明の方法において、前記複数のカムスライダに形成された凸部の前記ナット素材の径方向外側への移動量(押し込み量)を、例えば、ナット素材の前記複数の凹部を形成する部分の塑性流動の違いに対応させて変える(塑性流動し易い部分の押し込み量を少なくし、塑性流動しにくい部分の押し込み量を多くする)ことにより、前記複数の凹部の形状および寸法を均一に形成することができる。
前記複数のカムスライダとカムドライバが接触する複数の斜面の傾斜角度を変えることで、各カムスライダに形成された凸部の前記ナット素材の径方向外側への移動量を変えることができる。
この発明の方法では、前記複数の凹部の形成を、前記ナット素材の厚さが同じまたは略同じ部分の内周面に対して行うことにより、前記ナット素材の塑性流動が同等になるため、前記複数の凹部が同じまたは略同じ深さで形成できる。この方法によれば、厚さが同じまたは略同じ部分の内周面に前記複数の凹部(ボール戻し経路)を有するボールねじ用ナットが得られる。
前記ナットが外周形成物を有する(ナットの外周面が円周面とは異なる形状になっている)場合は、前記複数の凹部の形成を、前記ナット素材の軸方向で前記外周形成物が形成されていない部分(すなわち、厚さが同じまたは略同じ部分)の内周面に対して行うことにより、前記ナット素材の塑性流動が同等になるため、前記複数の凹部が同じまたは略同じ深さで形成できる。
前記外周形成物としては、フランジ、エンコーダ、歯車用歯列、回り止め(ピンなどの突出物、穴、凹部など)、キー、キー溝、モータロータ(モータのロータ)、ワンウエイクラッチの内輪、軸受用軌道溝、ねじ、周方向溝(周方向に延びる溝)、および異形外周面が挙げられる。「前記外周形成物として異形外周面を有する」とは、通常のナットの外周面は、軸方向に垂直な断面形状が円形であるのに対して、円形とは異なる断面形状(例えば、多角形や楕円形等)の外周面となっていることを意味する。
この発明の方法によれば、複数のボール戻し経路をナット素材の内周面に塑性加工で直接、複数の凹部として形成する方法として、軸方向寸法が長く内径が小さいナットを製造する場合でも、金型を破損することなく前記複数の凹部を形成することができる。
この発明の第1実施形態を説明する図である。 この発明の第1実施形態で使用するカムスライダを示す平面図(a)と斜視図(b)、カムドライバを示す斜視図(c)である。 この発明の第2実施形態を説明する図である。 この発明の第2実施形態で使用するカムドライバを示す斜視図である。 この発明の第2実施形態で使用する筒状部材を示す平面図(a)と、そのA−A断面図(b)と、カムスライダを示す平面図(c)である。 この発明の第3実施形態を説明する図である。 この発明の第3実施形態で使用するカムドライバを示す図であって、(a)は斜視図、(b)は(a)のA矢視図と、(c)は(b)のB−B断面図である。 この発明の第3実施形態で使用する筒状部材を示す平面図(a)と、そのA−A断面図(b)と、カムスライダを示す平面図(c)である。 この発明の第4実施形態を説明する図である。 この発明の第5実施形態を説明する図である。 この発明の第6実施形態を説明する図である。 第6実施形態の方法(a)と比較例の方法(b)との違いを説明する図である。 第6実施形態の方法で得られるボールねじ用ナットを示す断面図である。 特許文献1の方法を説明する図である。
以下、この発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
この実施形態で使用する金型は、図1に示すように、ナット素材1を保持する凹部21を有する素材ホルダ2と、ナット素材1の内部に挿入する1対のカムスライダ3と、両カムスライダ3の間に配置するカムドライバ4とを備えている。
各カムスライダ3は、図2(a)および(b)に示すように、ナット素材1の内径より僅かに小さい径の外周面31を有する略半円柱状部材であって、外周面31の反対面をなすライン32はナット素材1の内径より小さい。よって、図2(a)に示すように、両カムスライダ3の外周面31を、ナット素材1の内周面11をなす円11aに合わせて配置すると、両カムスライダ3のライン32間に隙間32aが生じる。
両カムスライダ3の対向面(ライン32に沿った面)32bには、ライン32の中央部に、軸方向に延びる斜面33が形成されている。この斜面33の両側に、軸方向に延びる溝39が形成されている。斜面33は、軸方向一端(上端)の凹部34の底面ライン34aと、下端のライン32を結ぶ平面に相当する。また、二つのボール戻し経路をなすS字状凹部に対応するS字状凸部35,36が、各カムスライダ3の外周面31にそれぞれ形成されている。
カムドライバ4は、図2(c)に示すように、長尺な四角柱の互いに平行な一対の側面に、軸方向に傾斜する斜面41aと軸方向に平行な平行面42aが凹状に形成され、斜面41aおよび平行面42aの幅方向両側に板状の側板部43が残っている形状である。カムドライバ4の斜面41aは、傾斜および幅がカムスライダ3の斜面33と同じである。側板部43の板厚は、カムスライダ3の溝39の幅より僅かに小さい寸法である。
すなわち、カムドライバ4は、一対の斜面41aからなる楔状部41と、一対の平行面42aからなる板状部42と、一対の側板部43とで構成されている。楔状部41の板状部42側の端部の厚さ(斜面41a間の寸法)は、板状部42の厚さより厚いため、両者の境界に段差面44が存在する。また、カムドライバ4の先端部は、板状部42とその両側の側板部43によりH形になっている。
カムスライダ3の斜面33とカムドライバ4の斜面41aが、金型のカム機構を構成する。
素材ホルダ2の底板部の中心に、カムドライバ4のH形の先端部が入るH形の貫通穴22が形成されている。H形の貫通穴22において、Hの横棒に対応する壁面22a間にカムドライバ4の先端部の板状部42が入り、Hの縦棒に対応する壁面22b間にカムドライバ4の側板部43が入る。
この金型を用い、以下の方法で、ナット素材1の内面にボール戻し経路をなすS字状凹部を形成する。
先ず、素材ホルダ2の凹部21にナット素材1を配置し、ナット素材1の内部に、1対のカムスライダ3を両斜面33が向かい合うように挿入する。次に、両カムスライダ3の凹部34間にカムドライバ4を板状部42側から挿入し、板状部42の先端を貫通穴22に挿入する。図1(a)はこの状態を示す。
次に、プレス圧を掛けてカムドライバ4を上から押すと、カムドライバ4の斜面41aからカムスライダ3の斜面33に力が伝達される。これに伴い、カムドライバ4の下向きの力が各カムスライダ3を径方向外側へ動かす力に変換されて、各カムスライダ3に形成されたS字状凸部35,36が、ナット素材1の内周面11を押して塑性変形させる。図1(b)はこの状態を示す。
これにより、ナット素材1の内周面11に二つのボール戻し経路をなすS字状凹部15,16が形成される。その際に、カムドライバ4のH形の先端部が素材ホルダ2のH形の貫通穴22に案内され、カムスライダ3に伝達された径方向の力の反力を、素材ホルダ2の壁面22aとカムドライバ4の板状部42の平行面42aとの接触、および素材ホルダ2の壁面22bとカムドライバ4の側板部43の板幅方向端面43aとの接触で受ける(反力に垂直な面で受ける)。そのため、カムドライバ4が受ける曲げモーメントを小さくすることができる。また、カムスライダ3に伝達された径方向の力の反力がナット素材1に作用しない。
よって、この実施形態の方法によれば、軸方向寸法が長く内径が小さいナットを製造する場合でも、カムドライバ4に破損を生じさせずに、二つのS字状凹部15,16を同時に形成することができる。また、金型の構造が単純なため堅牢であり、同じ製品を大量生産する方法として好適である。
[第2実施形態]
この実施形態で使用する金型は、図3に示すように、ナット素材1を保持する凹部21を有する素材ホルダ2と、ナット素材1の内部に挿入する筒状部材(カムスライダの保持部材)5と、筒状部材5の中心穴51に挿入するカムドライバ6と、筒状部材5の貫通穴52,53に配置されるカムスライダ7,8とを有する。
カムドライバ6は、図4に示すように、長尺な板状に形成された本体部61と円柱状の先端部62とからなる。本体部61の一側面は、先端部62側から、軸方向と平行な第一の平行面61a、軸方向に対して傾斜している斜面61b、第二の平行面61cとなっている。本体部61の他側面は、先端部62側から、軸方向に対して傾斜している斜面61d、軸方向と平行な平行面61eとなっている。他側面の斜面61dと平行面61eとの境界は、一側面の平行面61aと斜面61bとの境界より少し先端部62側にある。先端部62をなす円柱の直径は、本体部61の下端(先端部62側)の幅と同じである。
筒状部材5は、ナット素材1の内周面より僅かに小さい外周面を有する。図5(a)(b)に示すように、筒状部材5の中心穴51は、軸方向で形状が変化する矩形の断面形状を有する。この中心穴51を形成する面として、軸方向と平行な平行面51a〜51eが形成されている。
平行面51a〜51cは、カムドライバ6の一側面が配置される面であり、平行面51aと平行面51bとの間に、段部51fが形成されている。貫通穴52は、この段部51fを下端として筒状部材5の径方向に貫通している。平行面51d,51eは、カムドライバ6の他側面が配置される面であり、平行面51dの平行面51cと対向する位置に、筒状部材5の径方向に貫通する貫通穴53が形成されている。平行面51dと平行面51eとの境界をなす段部51gが、貫通穴53の下端となっている。
カムスライダ7,8は略台形柱状の部材であって、カムドライバ6の斜面61b,61dと同じ斜面71,81を有し、斜面71,81の反対側が、図5(c)に示すように、ナット素材1の内周面11をなす円11aに対応する円周面72,82となっている。この円周面72,82に、ボール戻し経路をなすS字状凹部に対応するS字状凸部73,83が形成されている。
カムドライバ6の本体部61の軸方向寸法は、筒状部材5の軸方向寸法より長い。
カムスライダ7の斜面71とカムドライバ6の斜面61b、およびカムスライダ8の斜面81とカムドライバ6の斜面61dが、金型のカム機構を構成する。
カムドライバ6の平行面61cと筒状部材5の平行面51a、カムドライバ6の平行面61aと筒状部材5の平行面51c、カムドライバ6の平行面61eと筒状部材5の平行面51dが、それぞれ互いに接触する荷重受け面となっている。
素材ホルダ2の底板部の中心に、カムドライバ6の先端部62が入る円穴22dと、カムドライバ6の本体部61の先端部62側が入る矩形穴22cが、連続する貫通穴として形成されている。
この金型を用い、以下の方法で、ナット素材1の内面にボール戻し経路をなすS字状凹部を形成する。
先ず、素材ホルダ2の凹部21にナット素材1を配置した後、ナット素材1の内部に、カムスライダ7,8が凸部73,83を外側に向けて貫通穴52,53に保持された筒状部材5を挿入する。次に、筒状部材5の中心穴51に先端部62側からカムドライバ6を挿入し、カムドライバ6の先端部62を、素材ホルダ2の貫通穴22c,22dに入れる。図3(a)はこの状態を示す。
次に、プレス圧を掛けてカムドライバ6を上から押すと、カムドライバ6の斜面61bからカムスライダ7の斜面71に、カムドライバ6の斜面61dからカムスライダ8の斜面81に、それぞれ力が伝達される。これに伴い、カムドライバ6の下向きの力がカムスライダ7,8をそれぞれ径方向外側へ動かす力に変換されて、カムスライダ7,8に形成されたS字状凸部73,83が、ナット素材1の内周面11を押して塑性変形させる。図3(b)はこの状態を示す。
これにより、ナット素材1の内周面11に二つのボール戻し経路をなすS字状凹部15,16が形成される。その際に、カムドライバ6の先端部62は素材ホルダ2の底部材22の貫通穴22dに案内される。また、カムスライダ7に伝達された径方向の力の反力を、筒状部材5の平行面51dとカムドライバ6の平行面61eが接触することで受ける(反力の延長線上の反力に垂直な面で受ける)。また、カムスライダ8に伝達された径方向の力の反力を、筒状部材5の平行面51cとカムドライバ6の平行面61aとの接触、および筒状部材5の平行面51aとカムドライバ6の平行面61cとの接触で受ける(反力の延長線上の反力に垂直な面で受ける)。そのため、カムドライバ6が受ける曲げモーメントを小さくすることができる。
よって、この実施形態の方法によれば、軸方向寸法が長く内径が小さいナットを製造する場合でも、カムドライバ6に破損を生じさせずに、二つのS字状凹部15,16を同時に形成することができる。また、ナット素材1の内径が同じであれば円筒部材5とカムドライバ6は共通部品として使用でき、S字状凸部73,83が異なるカムスライダ7,8を用意することで、形状が異なる多種のS字状凹部を形成できるため、少量多品種を生産する方法として好適である。また、摩耗、変形が最も生じ易いS字状凸部の交換をカムスライダ7,8のみの交換で行えるため、メンテナンスの面での利点も有する。
[第3実施形態]
この実施形態で使用する金型は、図6に示すように、ナット素材1を保持する凹部21を有する素材ホルダ2と、ナット素材1の内部に挿入する筒状部材(カムスライダの保持部材)9と、筒状部材9の中心穴91に挿入するカムドライバ60と、筒状部材9の貫通穴92,93に配置されるカムスライダ7A,8Aとを有する。素材ホルダ2の凹部21の中心に、筒状部材9の先端部を保持する凹部21aが形成されている。
カムドライバ60は、図7に示すように、長尺な四角柱状に形成された本体部63と円柱状の先端部62とからなる。本体部63の両側面64,65の先端部62側に、凹部66,67が形成されている。一側面64側の凹部66には、先端部62側から、軸方向と平行な平行面66a、軸方向に対して傾斜している斜面66bが形成されている。他側面65側の凹部67には、軸方向に対して傾斜している斜面67aが形成されている。
他側面65の凹部67開始位置(平行面65と斜面67aとの境界)は、一側面の平行面66aと斜面66bとの境界より少し先端部62側にある。先端部62をなす円柱の直径は、本体部63の下端(先端部62側)での凹部66の底面と凹部67の底面との間隔と同じである。
筒状部材9は、ナット素材1の内周面より僅かに小さい外周面を有する。図8(a)(b)に示すように、筒状部材9の中心穴91は、カムドライバ60の本体部63に対応する断面形状を有する。この中心穴91を形成する軸方向と平行な平行面91a,91bが、カムドライバ60の軸方向と平行な側面64,65を受ける面(荷重受け面)となっている。
カムスライダ7A,8Aは、図8(c)に示すように、斜面71,81を有する略台形柱状部の外側に、円周面72,82を有する弓形柱状部が存在している形状の部材であり、ボール戻し経路をなすS字状凹部に対応するS字状凸部73,83が、円周面72,82に形成されている。斜面71,81は、カムドライバ60の斜面66b,67aと同じ傾斜であり、円周面72,82は、円11aで示されるナット素材1の内周面11とほぼ同じである。
カムドライバ60の本体部63の軸方向寸法は、筒状部材9の軸方向寸法より長い。
カムスライダ7Aの斜面71とカムドライバ60の斜面66b、およびカムスライダ8Aの斜面81とカムドライバ60の斜面67aが、それぞれ金型のカム機構を構成する。 素材ホルダ2の底板部の中心に、カムドライバ60の先端部62が入る円形の貫通穴23が形成されている。
この金型を用い、以下の方法で、ナット素材1の内面にボール戻し経路をなすS字状凹部を形成する。
先ず、素材ホルダ2の凹部21にナット素材1を配置した後、ナット素材1の内部に、カムスライダ7A,8Aが凸部73,83を外側に向けて貫通穴92,93に保持された筒状部材9を挿入して、その先端部を凹部21aに配置する。次に、筒状部材9の中心穴91に先端部62側からカムドライバ60を挿入し、カムドライバ60の先端部62を素材ホルダ2の貫通穴23に入れる。図6(a)はこの状態を示す。
次に、プレス圧を掛けてカムドライバ60を上から押すと、カムドライバ60の斜面66bからカムスライダ7Aの斜面71に、カムドライバ60の斜面67aからカムスライダ8Aの斜面81に、それぞれ力が伝達される。これに伴い、カムドライバ60の下向きの力がカムスライダ7A,8Aをそれぞれ径方向外側へ動かす力に変換されて、カムスライダ7A,8Aに形成されたS字状凸部73,83が、ナット素材1の内周面11を押して塑性変形させる。図6(b)はこの状態を示す。
これにより、ナット素材1の内周面11に、二つのボール戻し経路をなすS字状凹部15,16が形成される。その際に、カムドライバ60の先端部62は素材ホルダ2の貫通穴23に案内される。また、カムスライダ7Aに伝達された径方向の力の反力を、筒状部材9の平行面91bとカムドライバ60の側面65が接触することで受ける(反力の延長線上の反力に垂直な面で受ける)。また、カムスライダ8Aに伝達された径方向の力の反力を、筒状部材9の平行面91aとカムドライバ60の側面64が接触することで受ける(反力の延長線上の反力に垂直な面で受ける)。そのため、カムドライバ60が受ける曲げモーメントを小さくすることができる。
よって、この実施形態の方法によれば、軸方向寸法が長く内径が小さいナットを製造する場合でも、カムドライバ60に破損を生じさせずに、二つのS字状凹部15,16を同時に形成することができる。また、この実施形態の方法で使用するカムドライバ60および保持部材9は、第2実施形態で使用するカムドライバ6および保持部材5と比較して荷重受け面の面積が大きいため、第2実施形態の方法よりもカムドライバに破損が生じにくい。
さらに、荷重受け面(筒状部材9の平行面91a,91bおよびカムドライバ60の側面63,64)が軸方向全体に設けてあるため、ナット素材1に形成する二つのS字状凹部15,16の軸方向間隔が狭い場合でも、カムスライダに伝達された径方向の力の反力を十分に受けることができる。
また、ナット素材1の内径が同じであれば円筒部材9とカムドライバ60は共通部品として使用でき、S字状凸部73,83が異なるカムスライダ7A,8Aを用意することで、形状が異なる多種のS字状凹部を形成できるため、少量多品種を生産する方法として好適である。また、摩耗、変形が最も生じ易いS字状凸部の交換をカムスライダ7A,8Aのみの交換で行えるため、メンテナンスの面での利点も有する。
[第4実施形態]
第1実施形態の方法では、図1に示すように、斜面33の傾斜角度が同じで、凸部35,36の径方向への突出寸法が同じである1対のカムスライダ3を用い、凸部35,36がナット素材1の内周面11を押し始めるタイミングを同じにすることで、凸部35,36の押し込み量(ナット素材1の径方向への移動量)を同じにしてS字状凹部15,16を形成している。
ナット素材1の拘束型として、ナット素材1の軸方向下端面と外周面が拘束される素材ホルダ2を用いている場合、ナット素材1の軸方向下部は、素材ホルダ2の凹部21で拘束されている端面に近いため、凹部21で拘束されていない端面に近い軸方向上部よりも塑性流動しにくくなる。よって、第1実施形態の方法のように、凸部35,36の押し込み量が同じであると、上側のS字状凹部15と下側のS字状凹部16が均一な形状および寸法に形成されにくい。
これに対して、第4実施形態の方法では、図9に示すように、斜面33の傾斜角度が同じで、凸部35,36の径方向への突出寸法が異なる(上側のS字状凹部15を形成する凸部35が、下側のS字状凹部16を形成する凸部36より小さい)カムスライダ3A,3Bを用いている。この点を除くと、第4実施形態で使用する金型は第1実施形態で使用する金型と同じである。
そのため、図9に示すように、カムスライダ3A,3Bの凸部35,36の径方向外端部がナット素材1の内周面11と接触し、且つカムスライダ3Bの斜面33がカムドライバの斜面41aと接触している状態、すなわち、カムスライダ3Bの凸部36がナット素材1の内周面11に押し込まれる直前の状態において、カムドライバ4の斜面41aとカムスライダ3Aの斜面33が隙間を有して対向している。よって、この状態でカムドライバ4を上から押した時に、凸部36が形成されているカムスライダ3Bが、凸部35が形成されているカムスライダ3Aよりも先に径方向外側へ移動して、凸部36の方が凸部35よりも先にナット素材1の内周面11を押し始める。
その後、カムドライバ4の移動に伴ってカムドライバ4の斜面41aとカムスライダ3Aの斜面33が接触した後は、カムスライダ3A,3Bがそれぞれ径方向外側へ移動していく。このとき、カムスライダ3A,3Bの斜面33(カムドライバ4の一対の斜面41a)の傾斜角度が同じであるため、径方向外側への移動量は、ナット素材1の内周面11を押し始めるタイミングが遅い凸部35の方が凸部36より少なくなる。凸部35,36の径方向への突出寸法の差は、この移動量の差に対応させている。
以上のように、この実施形態の方法によれば、凸部35,36がナット素材1の内周面11を押し始めるタイミングを変えて、ナット素材1の内周面11に対する凸部35,36の押し込み量を変えることにより、第1実施形態の方法と比較して、上側のS字状凹部15と下側のS字状凹部16を均一な形状および寸法に形成され易くなる。
なお、図9(b)では、上側のS字状凹部15と下側のS字状凹部16が、対応する凸部35,36の突出寸法に対応した異なる深さで形成されているように見えるが、この図は説明図に過ぎず、この実施形態の方法を実施すると、実際には、上側のS字状凹部15と下側のS字状凹部16が均一な形状および寸法に形成される。
また、第2実施形態の方法および第3実施形態の方法に、この実施形態の方法(1対のカムスライダで凸部がナット素材の内周面を押し始めるタイミングを変えることで、各凸部の押し込み量を変える方法)を適用することもできる。
[第5実施形態]
この実施形態の方法では、図10に示すように、第2実施形態で使用する図3の金型と以下の点を除いて同じ金型を使用する。すなわち、第5実施形態で使用する金型は、上側のS字状凹部15を形成するカムスライダ7の凸部73の径方向への突出寸法が、下側のS字状凹部16を形成するカムスライダ8の凸部83より小さい。カムスライダ7の斜面71の傾斜角度がカムスライダ8の斜面81の傾斜角度より小さく、これに対応して、カムドライバ6の斜面61bの傾斜角度が斜面61dの傾斜角度より小さい。
そのため、カムドライバ6を上から押した時に、カムスライダ7,8は同時に、ナット素材1の径方向外側へ移動して、凸部73,83がナット素材1の内周面を押し始める。その後、カムスライダ7,8は、それぞれカムドライバ6の移動に伴って径方向外側へ移動していくが、カムスライダ7の斜面71の傾斜角度がカムスライダ8の斜面81の傾斜角度より小さいため、径方向外側への移動量は、カムスライダ7の方がカムスライダ8より少なくなる。凸部73,83の径方向への突出寸法の差は、この移動量の差に対応させている。
以上のように、この実施形態の方法によれば、凸部73,83がナット素材1の内周面11を押し始めるタイミングは同じであるが、カムドライバ6とカムスライダ7,8が接触する斜面71,81の傾斜角度を変えて、ナット素材1の内周面11に対する凸部73,83の押し込み量を変えることにより、第2実施形態の方法と比較して、上側のS字状凹部15と下側のS字状凹部16を均一な形状および寸法に形成され易くなる。
なお、図10(b)では、上側のS字状凹部15と下側のS字状凹部16が、対応する凸部73,83の突出寸法に対応した異なる深さで形成されているように見えるが、この図は説明図に過ぎず、この実施形態の方法を実施すると、実際には、上側のS字状凹部15と下側のS字状凹部16が均一な形状および寸法に形成される。
また、この実施形態の方法では、カムドライバ6とカムスライダ7,8が接触する斜面71,81の傾斜角度を変えることと、凸部73,83がナット素材1の内周面11を押し始めるタイミングを変えること(第4実施形態の方法)を組み合わせて、ナット素材1の内周面11に対する凸部73,83の押し込み量を変えるようにしてもよい。
また、第4および第5実施形態では、上側のS字状凹部15と下側のS字状凹部16を均一な形状および寸法に形成するために、拘束状態の違いによるナット素材1の塑性流動の違いに対応させて、一対のカムスライダの凸部の押し込み量を変化させている。このようなナット素材の拘束状態の違いに伴う塑性流動の違いがある例以外に、ナット素材の外周にフランジが形成されている場合などでも、ナット素材の内周面に対する複数のカムスライダの凸部の押し込み量を変えることで、複数の凹部を均一に形成し易くすることができる。
また、第4および第5実施形態では、上側の凸部の押し込み量を下側の凸部の押し込み量より少なくしているが、ナット素材の拘束状態や外周形状などに応じて、上側の凸部の押し込み量を下側の凸部の押し込み量より多くしてもよい。
[第6実施形態]
この実施形態では、外周にフランジ(外周形成物)12が形成されているナット素材1Aの内周面に、ボール戻し経路をなすS字状凹部15,16を形成する。ナット素材1Aのフランジ12は軸方向中央部に形成されている。S字状凹部15,16を、ナット素材1Aの軸方向でフランジ12が形成されていない位置に形成する。
この実施形態で使用する金型は、図11に示すように、ナット素材1Aを保持する素材ホルダ2Aと、ナット素材1Aの内部に挿入する筒状部材(カムスライダの保持部材)5と、筒状部材5の中心穴51に挿入するカムドライバ6と、筒状部材5の貫通穴52,53に配置されるカムスライダ7,8とを有する。この金型は、素材ホルダ2Aを除いて第2実施形態で使用する金型と同じである。
素材ホルダ2Aには、ナット素材1Aの円筒部を保持する凹部21と、フランジ12を保持する周溝21bと、カムドライバ6の先端部62を通す貫通穴22c,22dが形成されている。素材ホルダ2Aは、周方向で二等分された分割体21A,21Bからなる。
この金型を用い、ナット素材1Aの内周面にS字状凹部15,16を形成する際には、先ず、ナット素材1Aの両側から分割体21A,21Bを嵌めて、フランジ12を周溝21bに入れ、素材ホルダ2Aの凹部21にナット素材1Aの円筒部を配置する。次に、ナット素材1Aの内部に、カムスライダ7,8が凸部73,83を外側に向けて貫通穴52,53に保持された筒状部材5を挿入する。次に、筒状部材5の中心穴51に先端部62側からカムドライバ6を挿入し、カムドライバ6の先端部62を、素材ホルダ2Aの貫通穴22c,22dに入れる。図11(a)はこの状態を示す。
次に、プレス圧を掛けてカムドライバ6を上から押すと、カムドライバ6の斜面61bからカムスライダ7の斜面71に、カムドライバ6の斜面61dからカムスライダ8の斜面81に、それぞれ力が伝達される。これに伴い、カムドライバ6の下向きの力がカムスライダ7,8をそれぞれ径方向外側へ動かす力に変換されて、カムスライダ7,8に形成されたS字状凸部73,83が、ナット素材1Aの内周面11を押して塑性変形させる。図11(b)はこの状態を示す。
これにより、ナット素材1Aの内周面11に二つのボール戻し経路をなすS字状凹部15,16が形成される。その際に、カムドライバ6の先端部62は素材ホルダ2Aの底部材22の貫通穴22dに案内される。また、カムスライダ7に伝達された径方向の力の反力を、筒状部材5の平行面51dとカムドライバ6の平行面61eが接触することで受ける(反力の延長線上の反力に垂直な面で受ける)。また、カムスライダ8に伝達された径方向の力の反力を、筒状部材5の平行面51cとカムドライバ6の平行面61aとの接触、および筒状部材5の平行面51aとカムドライバ6の平行面61cとの接触で受ける(反力の延長線上の反力に垂直な面で受ける)。そのため、カムドライバ6が受ける曲げモーメントを小さくすることができる。
よって、この実施形態の方法によれば、第2実施形態の方法と同様に、軸方向寸法が長く内径が小さいナットを製造する場合でも、カムドライバ6に破損を生じさせずに、二つのS字状凹部15,16を同時に形成することができる。また、ナット素材1Aの内径が同じであれば円筒部材5とカムドライバ6は共通部品として使用でき、S字状凸部73,83が異なるカムスライダ7,8を用意することで、形状が異なる多種のS字状凹部を形成できるため、少量多品種を生産する方法として好適である。また、摩耗、変形が最も生じ易いS字状凸部の交換をカムスライダ7,8のみの交換で行えるため、メンテナンスの面での利点も有する。
また、この実施形態の方法では、S字状凹部15,16を形成する位置が、共に、ナット素材1Aの軸方向でフランジ12が形成されていない部分(厚さが同じ部分)の内周面であるため、両S字状凹部15,16でナット素材1Aの塑性流動が同等になる。その結果、図12(a)に示すように、S字状凹部15,16が略同じ深さで形成できる。このようにしてS字状凹部15,16を形成した後、ナット素材1Aの内周面11にボールの軌道をなす螺旋溝を形成することで、フランジ付きのボールねじ用ナットが得られる。螺旋溝の形成は切削工程で行うことができる。
これに対して、例えば、図12(b)に示すように、S字状凹部15を形成する位置が軸方向でフランジ12が形成されていない部分の内周面であり、S字状凹部16を形成する位置が軸方向でフランジ12が形成されている部分の内周面であると、S字状凹部15の形成部分の方がS字状凹部16の形成部分よりフランジ2の分だけ薄いため、S字状凹部15の形成部分の方がS字状凹部16よりも、変形し易いとともに剛性が低くてスプリングバックが大きい。その結果、S字状凹部15の方がS字状凹部16よりも浅く形成される。
また、図13に示すボールねじ用ナット10は、この実施形態の方法で形成されたS字状凹部15,16と、切削工程で形成された螺旋溝17を内周面11に有する。また、フランジ12の外周面に形成された歯車歯列18を有する。よって、このボールねじ用ナット10は歯車としても機能する。すなわち、このボールねじ用ナット10は、外周形成物としてフランジ12と歯車歯列18を有する。
また、ボールねじ用ナットの外周面にキー溝を形成すれば、このキー溝に、他部材に設けられたキーを係合することにより、他部材とボールねじ用ナットを連結することができる。さらに、ボールねじ用ナットの外周面に軸受用軌道溝を形成すれば、ボールねじ用ナットを転がり軸受の内輪として機能させることができる。さらに、ボールねじ用ナットの外周面を円形でなく、多角形や楕円形等からなる異形外周面とすることもできる。
なお、第1〜第6実施形態では、ナット素材1の内周面11に2個のS字状凹部(ボール戻し経路を形成する凹部)15,16を形成する場合を説明しているが、この発明の方法は、ボール戻し経路を形成する凹部をナット素材の内周面に3個以上形成する場合にも当然に適用できる。
1 ナット素材
1A ナット素材
10 ボールねじ用ナット
11 ナット素材の内周面
11a ナット素材の内周面をなす円
12 フランジ(外周形成物)
15,16 ボール戻し経路をなすS字状凹部
17 螺旋溝
18 歯車歯列(外周形成物)
2 素材ホルダ
2A 素材ホルダ
21 凹部
21A 素材ホルダの分割体
21B 素材ホルダの分割体
21b 素材ホルダの周溝
22 貫通穴
22a 貫通穴の壁面(荷重受け面)
22b 貫通穴の壁面(荷重受け面)
22c 貫通穴(矩形穴)
22d 貫通穴(円穴)
3 カムスライダ
3A,3B カムスライダ
33 カムスライダの斜面(カム機構)
34 凹部
35,36 S字状凸部
4 カムドライバ
4A カムドライバ
41 楔状部
41a カムドライバの斜面(カム機構)
42 板状部
42a 平行面(荷重受け面)
43 側板部
43a 板幅方向端面(荷重受け面)
44 段差面
5 筒状部材(カムスライダの保持部材)
51 筒状部材の中心穴
51a 平行面(荷重受け面)
51b 平行面
51c 平行面(荷重受け面)
51d 平行面(荷重受け面)
51e 平行面
52,53 貫通穴(カムスライダの保持部)
6 カムドライバ
60 カムドライバ
61 本体部
61a 第一の平行面(荷重受け面)
61b 斜面(カム機構)
61c 第二の平行面(荷重受け面)
61d 斜面(カム機構)
61e 平行面(荷重受け面)
62 先端部
63 本体部
64,65 本体部の平行な側面(荷重受け面)
66,67 凹部
66a 平行面
66b 本体部の斜面(カム機構)
67a 本体部の斜面(カム機構)
7,8 カムスライダ
7A,8A カムスライダ
71,81 カムスライダの斜面(カム機構)
72,82 カムスライダの円周面
73,83 S字状凸部
9 筒状部材(カムスライダの保持部材)
91 筒状部材の中心穴
91a 平行面(荷重受け面)
91b 平行面(荷重受け面)
92,93 貫通穴(カムスライダの保持部)

Claims (6)

  1. 内周面に螺旋溝が形成されたナットと、外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、ナットの螺旋溝とねじ軸の螺旋溝で形成される軌道の間に配置されたボールと、前記ナットの内周面に複数の凹部として形成された、前記ボールを軌道の終点から始点に戻す複数のボール戻し経路とを備え、前記軌道内をボールが転動することで前記ナットがねじ軸に対して相対移動するボールねじの前記ナットの製造方法であって、
    円筒状のナット素材に内挿され、その軸方向に沿って移動するカムドライバと、
    前記ナット素材とカムドライバとの間に配置され、前記複数の凹部に対応する複数の凸部の少なくとも一つが形成され、前記カムドライバの移動により前記凸部が前記ナットの径方向に移動する複数のカムスライダと、
    を有するカム機構の金型を用いたプレス法により、
    前記複数の凹部を前記ナット素材の内周面に塑性加工で同時に形成するとともに、
    前記複数のカムスライダとカムドライバが接触する複数の斜面の傾斜角度を変えることにより、各カムスライダに形成された前記凸部の前記ナット素材の径方向外側への移動量を変えることで、前記複数の凹部が均一に形成されるようにすることを特徴とするボールねじ用ナットの製造方法。
  2. 前記金型として、前記カムドライバが前記ナット素材の軸方向と平行な荷重受け面を有し、前記カムドライバ以外の部材に前記荷重受け面と接触する荷重受け面が形成されているものを用いてプレスを行う請求項1記載のボールねじ用ナットの製造方法。
  3. 前記金型として、前記カムスライダがカムドライバとナット素材との間に配置される保持部材に保持され、前記保持部材に前記荷重受け面が形成されているものを用いてプレスを行う請求項2記載のボールねじ用ナットの製造方法。
  4. 前記複数の凹部の形成を、前記ナット素材の厚さが同じ部分の内周面に対して行う請求項1記載のボールねじ用ナットの製造方法。
  5. 前記ナットは外周形成物を有し、前記複数の凹部の形成を、前記ナット素材の軸方向で前記外周形成物が形成されていない部分の内周面に対して行う請求項1記載のボールねじ用ナットの製造方法。
  6. 前記外周形成物は、フランジ、エンコーダ、歯車用歯列、回り止め、キー、キー溝、モータロータ、ワンウエイクラッチの内輪、軸受用軌道溝、ねじ、周方向溝、および異形外周面のうちの少なくとも一つである請求項記載のボールねじ用ナットの製造方法。
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