JP5855588B2 - チタン合金 - Google Patents

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Description

本発明は、医療用のガイドワイヤやステントなどに好適なチタン合金に関する。
従来、医療用のガイドワイヤやステントなどに用いられる合金材料として、チタン(Ti)−ニッケル(Ni)系合金が広く知られているが、近年では、生体がアレルギーを起こすおそれのあるNiを含まないチタン(Ti)−タンタル(Ta)系合金が注目を集めている。
例えば、特許第4302604号公報には、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)の1種又は2種を所定の含有量で含有し、更にジルコニウム(Zr)を1〜20mol%、モリブデン(Mo)を1〜6mol%含有し、Ta、Nb、Zr及びMoの総量が60mol%以下で、残部Tiと不可避不純物からなるTi−Ta系合金が提案されている。このTi−Ta系合金は、Niを含まないため、人体に対する安全性が高い上に、超弾性特性を備え、冷間加工性に優れ生産性がよいという特徴を有している。
ところで、医療用のガイドワイヤやステントなどの医療機器(医療器具)は、生体の体内において血液などに直接触れるものであるため、生体に対する高い安全性が求められるとともに、生体の血管などに挿入されて複雑な経路を移動することになるため、弾性や径の細さに加え、適度な剛性も必要である。
しかしながら、従来のTi−Ta系チタン合金では、加工性などの問題から、径が数十ミクロン程度の細いガイドワイヤを成形することが困難であり、生体に対する安全性も必ずしも高いものとは言えなかった。
本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたものであって、医療機器用材料や生体用材料等として好適な特性を有するチタン合金を提供することを目的とする。
本発明は、生体用のチタン合金であって、全体を100原子%(at%)としたときに、15〜27at%のタンタル(Ta)と、〜8at%のスズ(Sn)と、残部がチタン(Ti)と不可避不純物とからなることを特徴とする、チタン合金である。

本発明はまた、上記手段のチタン合金において、タンタルおよびスズの合計の原子%をチタンおよび不可避不純物の合計の原子%で割った値が、0.17〜0.54であることを特徴とする。
本発明はまた、上記手段のチタン合金において、VSM方式によって得られたB−H曲線において、磁界の強さが4.0×10A/mのときの飽和磁束密度が5.0×10−4T(テスラ)以下であることを特徴とする。
本発明はまた、上記手段のチタン合金において、弾性変形ひずみが1.0%以上であることを特徴とする。
本発明はまた、上記手段のチタン合金において、ヤング率が25GPa〜85GPaであることを特徴とする。
本発明はまた、上記手段のチタン合金において、引張強度が600MPa〜1600MPaであることを特徴とする。
本発明はまた、上記手段のチタン合金において、2つの支持部間距離が20mm、前記支持部および押込み部の先端直径dが5mmであることを測定条件とする3点曲げ押込み試験において、直径φ0.5mmの線材に加工した前記チタン合金に対して、前記押込み部を押込み速度1mm/分で押込み量4mmまで押し込み、除荷した後の前記線材の戻り量が60%以上であることを特徴とする。
本発明はまた、上記手段のチタン合金において、ICP発光分析法によって測定した金属イオン濃度が64ppm以下であるときの細胞障害度が10%未満であることを特徴とする。
本発明はまた、上記手段のチタン合金において、医療用のガイドワイヤ、デリバリーワイヤ、ステント、クリップ、動脈瘤塞栓コイルもしくは静脈フィルタ、または歯科治療用のクレンザー、リーマー、ファイルもしくは歯列矯正ワイヤに用いられることを特徴とする。
本発明はまた、上記手段のチタン合金において、最大外径が0.005mm〜1mmであることを特徴とする。
本発明のチタン合金によれば、医療機器用材料や生体用材料等として好適な特性が得られるという優れた効果を奏し得る。
Ti−Taの2元系状態図である。 Taの含有率が23at%のチタン合金(Ti−23Ta−xSn)についての冷間加工性評価試験の結果を示したグラフである。 合成培地中に溶出した金属粉からのイオン溶出量を示したグラフである。 金属ワイヤ(SUS316、CoCrMo、TiNi)のアノード分極試験の結果を示したグラフである。 金属ワイヤ(TiTaSn)のアノード分極試験の結果を示したグラフである。 金属ワイヤ(TiTaSn)のアノード分極試験の結果を示したグラフである。 金属ワイヤ(TiTaSn)のアノード分極試験の結果を示したグラフである。 金属ワイヤ(TiTaSn)のアノード分極試験の結果を示したグラフである。 金属ワイヤ(TiTaSn)のアノード分極試験の結果を示したグラフである。 金属ワイヤ(TiTaSn)のアノード分極試験の結果を示したグラフである。 金属ワイヤ(TiTaSn)のアノード分極試験の結果を示したグラフである。 本細胞毒性試験で得られたL929細胞の細胞損傷度と金属溶出濃度の関係を示したグラフである。 本細胞毒性試験で得られたU937マクロファージの細胞障害度と金属イオン濃度の関係を示したグラフである。 実施例試料TiTaSnのB−H曲線を示した図である。 比較例試料TiNiのB−H曲線を示した図である。 3点曲げ押込み試験の方法を模式的に示した図である 実施例試料TiTaSn(最終熱処理温度250℃、350℃、450℃、550℃、650℃、700℃)の戻り量を示したグラフである。 引張試験を実施した実施例試料の種類を示した表である。 試料番号T3の実施例試料TiTaSn(最終熱処理温度250℃、350℃、450℃、550℃、650℃、700℃、750℃)の引張強度を示したグラフである。 試料番号T3の実施例試料TiTaSn(最終熱処理温度250℃、350℃、450℃、550℃、650℃、700℃、750℃)のヤング率を示したグラフである。 試料番号T3の実施例試料TiTaSn(最終加工率98%、最終熱処理温度450℃)に対して繰り返し応力−歪を付与して破断させた引張試験の結果を示したグラフである。 試料番号T1〜T7の実施例試料TiTaSn(最終加工率76%)の引張試験の結果である引張強度、ヤング率、および弾性変形ひずみ(弾性限)の値を示した表である。 試料番号T1〜T7の実施例試料TiTaSn(最終熱処理温度25℃、250℃、350℃、450℃、550℃、650℃、750℃)の引張強度を示したグラフである。 試料番号T1〜T7の実施例試料TiTaSn(最終熱処理温度25℃、250℃、350℃、450℃、550℃、650℃、750℃)のヤング率を示したグラフである。 試料番号T1〜T7の実施例試料TiTaSn(最終熱処理温度25℃、250℃、450℃、650℃)における0.5%歪が残存した場合の伸び(弾性変形ひずみ、弾性限)を示したグラフである。 試料番号T1〜T7の実施例試料TiTaSn(最終加工率76%、熱処理なし)における(Ta+Sn)/Tiと引張強度およびヤング率の関係を示したグラフである。 試料番号T1〜T7の実施例試料TiTaSn(最終加工率76%、熱処理なし)における(Ta+Sn)/Tiと弾性変形ひずみ(弾性限)の関係を示したグラフである。
以下、本発明の実施の形態に係るチタン合金について説明する。
<チタン合金全体>
本発明に係るチタン合金は、全体を100原子%(at%)としたときに、15〜27at%のタンタル(Ta)と、0〜8at%のスズ(Sn)と、残部がチタン(Ti)と不可避不純物とからなることを特徴とする、チタン合金である。なお、残部のチタン(Ti)の含有率は特に限定されるものではなく、原子比率で考えたときに、含有元素中で最も多い元素がチタン(Ti)であればよい。
また、チタン合金は、最密六方晶(HCP)であるα相を母相とするα型チタン合金、体心立方晶(BCC)であるβ相を母相とするβ型チタン合金、最密六方晶(HCP)であるα相と体心立方晶(BCC)であるβ相とが共存するα+β型チタン合金の3種類に大きく分類されるが、本発明に係るチタン合金の種類は特に限定されない。
<タンタル(Ta)>
タンタル(Ta)は、チタン合金を熱弾性型マルテンサイト変態を起こすチタン合金とする。Taは、β相からα相への変態温度を低温側に下げ、室温においてβ相を安定化させるとともに、すべり変形(塑性変形)を起こしにくくする機能を有する。
Taの含有率は、チタン合金全体を100原子%(at%)としたときに、15〜27at%とするのが好ましく、19〜25at%であればより好ましく、22〜24at%であることが最も好ましい。
Taの含有率の上限値は、チタン合金の融点に基づいて設定される。図1は、Ti−Taの2元系状態図である。同図に示されるように、Taの含有率が27%を超えると、チタン合金の融点が約2000K以上となる可能性があるため、特殊な溶解炉が必要となり、生産コストが増大する。また、Ta原料の溶融が不完全となる可能性が生じるため、チタン合金の品質低下を招くこととなる。
また、Taの含有率が27at%を超えた場合に、チタン合金の強度低下を招き易い点、さらには、Taの原料価格がTiの原料価格の凡そ6倍である点等を考慮しても、Taの含有率は27at%以下であることが好ましい。従って、チタン合金全体を100at%としたときのTaの含有率は、27at%以下であることが好ましく、25at%以下であればより好ましく、24at%以下であることが最も好ましい。
Taの含有率の下限値は、上述のβ相安定化機能、およびチタン合金の医療機器用材料や生体用材料等としての機械的性質に基づいて設定される。すなわち、β相安定化機能は、Taの含有率が低下する程低下し、Taの含有率を15at%未満とした場合にはβ相を常温まで維持することが困難となる。このため、Taの含有率が15at%未満である場合、例えスズ(Sn)を添加したとしても医療機器用材料や生体用材料等に要求される機械的性質(ヤング率、引張強度、および弾性変形ひずみ)を得ることが難しくなる。従って、チタン合金全体を100at%としたときのTaの含有率は、15at%以上であることが好ましく、19at%以上であればより好ましく、22at%以上であることが最も好ましい。
<スズ(Sn)>
スズ(Sn)は、ヤング率を上昇させる要因となるω相の析出を抑制し、チタン合金の超弾性効果を高める機能を有する。
Snの含有率は、チタン合金全体を100原子%(at%)としたときに、0〜8at%とするのが好ましく、1〜6at%であればより好ましい。
Snの含有率の上限値は、チタン合金の加工性(冷間加工性)に基づいて設定される。図2は、チタン合金全体を100at%としたときのTaの含有率が23at%のチタン合金(Ti−23Ta−xSn)についての冷間加工性評価試験の結果を示したグラフである。ここで、xはチタン合金全体を100at%としたときのSnの含有率(at%)であり、Snの含有率を変化させたことを示している。この評価試験では、まずチタン合金全体を100at%としたときのSnの含有率xを0at%、1.5at%、3at%、6at%および9at%と変化させた複数の試験片(厚さ:1mm、熱処理なし)を用意した。そして、これらの試験片を0.1mmの厚さまで冷間圧延(加工率86%)し、冷間圧延後の各試験片における1mm以上の長さの亀裂の個数をカウントした。なお、この亀裂のカウントは、各試験片における圧延方向に140mmの範囲内で行った。
同図に示されるように、この評価試験の結果、Snの含有率を9at%とした場合に、急激に1mm以上の亀裂の発生が増加する、すなわち加工性が急激に悪化することが確認された。また、Taの含有率が異なる場合においても、同様の傾向を示す結果となった。従って、チタン合金全体を100at%としたときのSnの含有率は、良好な加工性を得るためには、8at%以下であることが好ましく、6at%以下であればより好ましい。
Snの含有率の下限値は、特に限定されない。すなわち、Taの含有率が15at%以上であれば、必ずしもSnを添加しなくとも、医療機器用材料や生体用材料等に要求される機械的性質(ヤング率、引張強度、および弾性変形ひずみ)を有するチタン合金を得ることが可能である。但し、機械的性質をより向上させるためには、Snを添加することが好ましい。また、上述のω相抑制機能を十分に発揮させるためには、チタン合金全体を100at%としたときのSnの含有率は、1at%以上であることが好ましい。
詳細は後述するが、本発明に係るチタン合金は、構成元素であるTi、Ta、Snの金属イオンの溶出量が極めて少ない上に、優れた耐食性を示し、細胞毒性が低く、生体親和性が高く、外部の磁界により磁化がされにくい非磁性体であって磁気を嫌う医療機器(MRI等)に悪影響を及ぼすおそれが極めて低く、高弾性で適度な剛性を有し、加工性の高い合金である。すなわち、本発明に係るチタン合金は、従来のチタン合金に比べて細胞毒性が低く、磁気特性、耐食性、機械的性質および加工性に優れたチタン合金となっている。このため、医療用のガイドワイヤ、デリバリーワイヤ、ステント、クリップ、動脈瘤塞栓コイルもしくは静脈フィルタ、または歯科治療用のクレンザー、リーマー、ファイルもしくは歯列矯正ワイヤなどの医療器具に好適であり、特に、最大外径が0.005mm〜1mm程度の径の細い医療器具を成形するのに好適である。
なお、本発明に係るチタン合金は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、本発明に係るチタン合金から、医療用のガイドワイヤ、デリバリーワイヤ、ステント、クリップ、動脈瘤塞栓コイルもしくは静脈フィルタ、または歯科治療用のクレンザー、リーマー、ファイルもしくは歯列矯正ワイヤなどを成形する方法は、従来公知の方法を採用することができ、例えば、伸線加工、引抜加工、鋳造、鍛造、プレス加工などが挙げられる。
次に、本発明に係るチタン合金の実施例について詳細に説明する。
<細胞毒性試験>
1.金属粉を用いた合金の構成元素の溶出試験
(1)オートクレーブ滅菌したRPMI−1640(Roswell Park Memorial Institute)合成培地(以下、単に「合成培地」という場合がある)25mlを、ポリプロピレン製遠沈管に準備し、金属粉2gを合成培地に浸漬し、37℃の振とう恒温槽中で10日間溶出した。なお、金属材料はFe、Ni、Cr、Co、Ti、Ta、Sn、Alの8種類を準備した
(2)(1)の液を孔サイズ0.2μmのフィルタでろ過し、合成培地中の金属粉を除去した
(3)(2)の合成培地から1mlを試験管に採取して、濃硝酸で加熱分解して、ICP分析により、溶出した金属イオン濃度を測定した。
2.アノード分極試験
(4)疑似体液としてリン酸緩衝生理的食塩水(PBS)500mlを用いた
(5)TiTaSn(Ta:15、19または23at%、Sn:0、3または6at%、Ti+不可避不純物:残部)、SUS316(JIS規格 G4305)、CoCrMo(Cr:29at%、Mo:6at%、Co+不可避不純物:残部)、TiNi(Ti:49.5at%、Ni+不可避不純物:残部)の各金属線を、ポテンショスタット(Solartron社製)を用いてアノード分極試験を実施した
(6)各線材を作用電極、Pt線を対極、Hg/HgClを参照電極に用いた
(7)作用電極に−1Vから+2V(vs SCE)まで0.33mV/secの掃引速度で電圧を負荷し、対極との間で流れる電流(電流密度)を測定した。
3.金属腐食液による細胞毒性試験
(8)細胞毒性試験には、マウス線維芽細胞L929とヒト胸腺由来マクロファージ前駆細胞U937を用いた
(9)L929についてはイーグルMEM合成培地に、U937についてはRPMI-1640合成培地に、それぞれ、Lグルタミン、7wt%重曹、10vol%FBS(Fetal Bovine Serum:ウシ胎児血清)を添加して培養液とした
(10)U937はマクロファージに分化させて試験に供するため、分化のために上記(9)の培養液にPMA(Phorbol 12-Myristate 13-Acetate)0.32μl/mlを加えた
(11)ポテンショスタットを用いて、TiTaSn(Ta:23at%、Sn:3at%、Ti+不可避不純物:残部)の線材を100mlの合成培地中でアノード電気溶解させ、腐食液を作り、64ppm、32ppm、16ppm、8ppm、4ppm、2ppm、1ppm、0ppmの金属腐食物濃度調整培養液(以下、試験液という)を作った
(12)比較対照(コントロール)として、SUS316、CoCrMo、TiNiについても(11)と同様に試験液を作った
(13)ヒト胸腺由来U937マクロファージ前駆体細胞を(10)の培養液に細胞密度1×105Cell/mlに混合し、96穴マイクロプレートに各200μl分注し、5%CO、湿度100%、37℃インキュベータ内で24時間培養し、U937をマクロファージに分化させた
(14)試験液と交換し、更に24時間(13)のインキュベータ内で培養した
(15)マイクロプレートを1800rpmで10分間遠心分離し、各穴の培養液の上澄み液100μlを採取した
(16)(15)の各穴中に放出された乳酸脱水素酵素の濃度を LDH CDK(Cytotoxicity Detection Kit)(タカラバイオ社製)を用い、ELISAプレートリーダでLDH含有量を定量した。
図3に、合成培地中に溶出した金属粉からのイオン溶出量を示し、図4〜図11に、金属ワイヤのアノード分極試験の結果を示す。なお、図5は、TiTaSn(Ta:23at%、Sn:3at%、Ti+不可避不純物:残部)のアノード分極試験の結果を示しており、図5におけるTiTaSn2は熱処理温度450℃の試料、TiTaSn3は熱処理温度650℃の試料、TiTaSn4は熱処理温度750℃の試料であることを表している。また、図6〜図11は、TiTaSn(Ta:15、19または23at%、Sn:0、3または6at%、Ti+不可避不純物:残部)のアノード分極試験の結果を示しており、図6〜図8は熱処理なしの試料の試験結果、図9〜図11は1000℃、24時間の熱処理を加えた試料の試験結果を示している。ここで、図6〜図11における例えば15Ta−0SnとはTiTaSn(Ta:15at%、Sn:0at%、Ti+不可避不純物:残部)を表しており、例えば19Ta−3SnとはTiTaSn(Ta:19at%、Sn:3at%、Ti+不可避不純物:残部)を表している。
図3に示す溶出試験の結果から、Ti、Ta、Snの構成元素は、疑似体液である合成培地中では、SUS316、TiNi、CoCrMoの構成元素よりも、金属イオンの溶出量は極めて少ないことが確認された。また、図4〜図11に示すアノード分極試験の結果から、TiTaSnは、既存の医療用生体材料よりも優れた耐食性を示すことが確認された。すなわち、TiTaSn(Ta:15、19または23at%、Sn:0、3または6at%、Ti+不可避不純物:残部)では、SUS316、TiNi、CoCrMoのように1V以下の電位で電流密度が急激に上昇するようなことはなく、少なくとも2V程度までは電流密度のなだらかな上昇が維持されており、不動態域がこれらの材料よりも広く、孔食腐食を起こしにくいという特徴を有することが確認された。
図12および図13に、金属腐食液のL929細胞およびU937マクロファージに対する細胞障害度(細胞損傷度)と金属腐食液の濃度の関係を示す。なお、金属腐食液中の金属イオン濃度(金属溶出濃度)は、ICP発光分析法によって測定した値である。また、細胞障害度は細胞毒性の強さを示す1つの指標であり、以下の式で定義される。
細胞障害度(%)=(実験値−低コントロール)/(高コントロール−低コントロール)×100
ここで、高コントロールは、Triton‐Xで細胞を全破壊した時の培養液中に放出されたLDH濃度、低コントロールは、無処理の細胞から放出されるLDH濃度、実験値は、規定濃度の金属腐食物を投与した際に細胞から放出されるLDH濃度である。
図12に示す細胞毒性試験の結果から、実施例試料のTiTaSn(Ta:23at%、Sn:3at%、Ti+不可避不純物:残部)のL929細胞に対する細胞障害度は、SUS316、TiNi、CoCrMoと比較して、全般に低い傾向にあることが確認された。具体的には、実施例試料のTiTaSnのL929細胞に対する細胞障害度は、ICP発光分析法によって測定した金属イオン濃度が16ppm以下であれば10%未満、金属イオン濃度が32ppm以下であれば20%未満、金属イオン濃度が64ppm以下であれば、22%未満であることが確認された。また、実施例試料のTiTaSnのL929細胞に対する細胞障害度は、金属イオン濃度が約16ppm以上で上昇率が高くなる(すなわち、グラフの傾きが急になる)傾向にあるが、その上昇率は、SUS316、TiNi、CoCrMoと比較して小さいものとなっている。すなわち、実施例試料のTiTaSnは、金属イオン濃度が64ppm以上という生体内としてはきわめて高濃度な状態においても、SUS316、TiNi、CoCrMoと比較して低毒性(細胞毒性が低い)であり、生体親和性が高いことが確認された。
なお、SUS316のL929細胞に対する細胞障害度の上昇率は、金属イオン濃度が16ppm〜64ppmにおいて、(27−6)/(64−16)≒0.44であり、TiNiのL929細胞に対する細胞障害度の上昇率は、金属イオン濃度が16ppm〜64ppmにおいて、(40−10)/(64−16)≒0.63であり、CoCrMoのL929細胞に対する細胞障害度の上昇率は、金属イオン濃度が16ppm〜64ppmにおいて、(57.5−27.5)/(64−16)≒0.63である。これに対し、実施例試料のTiTaSnのL929細胞に対する細胞障害度の上昇率は、金属イオン濃度が16ppm〜64ppmにおいて、(21−5)/(64−16)≒0.33となっている。すなわち、実施例試料のTiTaSnのL929細胞に対する細胞障害度の上昇率は、金属イオン濃度が16ppm以上の場合において、SUS316の上昇率0.44よりも小さい値となることが確認された。
図13に示す細胞毒性試験の結果から、実施例試料のTiTaSn(Ta:23at%、Sn:3at%、Ti+不可避不純物:残部)のU937マクロファージに対する細胞障害度は、SUS316、TiNi、CoCrMoと比較して、全般に低い傾向にあることが確認された。具体的には、実施例試料のTiTaSnのU937マクロファージに対する細胞障害度は、金属イオン濃度1ppm〜64ppmにおいて、略±2%の範囲内を推移しており、上昇する傾向は示されなかった。すなわち、この試験結果からも、実施例試料のTiTaSnは、金属イオン濃度が64ppm以上という生体内としてはきわめて高濃度な状態においても、SUS316、TiNi、CoCrMoと比較して低毒性であり、生体親和性が高いことが確認された。
なお、SUS316のU937マクロファージに対する細胞障害度は、金属イオン濃度が16ppm以上で上昇傾向を示すと共に32ppm以上で10%以上となり、TiNiのU937マクロファージに対する細胞障害度は、金属イオン濃度が8ppm以上で上昇傾向を示すと共に16ppm以上で20%以上となり、CoCrMoのU937マクロファージに対する細胞障害度は、金属イオン濃度が2ppm以上で上昇傾向を示すと共に4ppm以上で10%以上となった。これに対し、実施例試料のTiTaSnのU937マクロファージに対する細胞障害度は、金属イオン濃度が64ppm以下の全域において2%未満となっている。すなわち、実施例試料のTiTaSnは、ICP発光分析法によって測定した金属イオン濃度が64ppm以下であるときに、U937マクロファージに対する細胞障害度を10%未満に保持することが十分に可能であり、比較的低毒性であるが金属イオン濃度が32ppm以上でU937マクロファージに対する細胞障害度が10%以上となるSUS316よりも低毒性であり、生体親和性が高いことが確認された。
<磁気特性試験>
本発明に係るチタン合金の磁気特性の評価を行うために磁気特性試験を実施した。この磁気特性試験では、実施例試料として、TiTaSn(Ta:23at%、Sn:3at%、Ti+不可避不純物:残部)の合金素材を用いるとともに、比較例試料として、TiNi(Ni:54.94at%、Ti+不可避不純物:残部)の合金素材を用いた。また、実施例試料と比較例試料は、直径φ0.5mm、長さ7mmの丸線形状のものを用い、これらの試料をVSM(Vibrating Sample Magnetometer:振動試料型磁力計)の振動棒に固定し、磁気特性を測定した。
図14に実施例試料TiTaSnのB−H曲線を示し、図15に比較例試料TiNiのB−H曲線を示す。なお、同図における縦軸Bは磁束密度(T:テスラ)を表し、横軸Hは磁界の強さ(A/m)を表している。磁気特性試験の結果から、実施例試料のTiTaSnは、外部の磁界の強さが4.0×10A/mのときの飽和磁束密度が5.0×10−4T(テスラ)以下であり、飽和磁束密度が1.0×10−3T(テスラ)を超える比較例試料TiNiの合金に比べ、外部の磁界により磁化がされにくい非磁性体であることが確認された。
医療現場には、MRIなどの磁気を用いた医療機器が数多く存在し、強大な磁場環境において患者の検査が行われるケースがあるが、本発明に係るTiTaSn合金は外部の磁界により磁化がされにくい非磁性体であり、磁気を嫌う医療機器に悪影響を及ぼすおそれが極めて低い。このため、医療現場において用いられる、医療用のガイドワイヤ、デリバリーワイヤ、ステント、クリップ、動脈瘤塞栓コイルもしくは静脈フィルタ、または歯科治療用のクレンザー、リーマー、ファイルもしくは歯列矯正ワイヤなどに、特に適した素材であるといえる。
<3点曲げ押込み試験>
本発明に係るチタン合金の機械的特性の評価を行うために3点曲げ押込み試験を実施した。この3点曲げ押込み試験では、実施例試料として、TiTaSn(Ta:23at%、Sn:3at%、Ti+不可避不純物:残部)の合金素材を用いるとともに、比較例試料として、TiNi(Ni:54.94at%、Ti+不可避不純物:残部)の合金素材を用いた。また、実施例試料と比較例試料は、直径φ0.5mmの丸線形状のものを用い、これらの試料に対して、図16に示すような方法で3点曲げ押込み試験を行い、戻り量を測定した。測定条件としては、2本の支持部間の距離を20mm、2本の支持部と1本の押込み部の各々の先端直径dを5mm(先端R2.5mm)、押込み速度を1mm/分とした。
3点曲げ押込み試験の方法は、次の通りである。
(1)最初に、押込み部を、初期位置(押込み部の先端が試料に接触する位置)から、試料に向けて0.5mmまで押込んだ後、荷重が0になるまで戻し、そのときの試料の変形量(mm)を測定した
(2)次に、押込み部を、上記初期位置から、試料に向けて1mmまで押込んだ後に除荷し、試料の変形量を測定した
(3)以降、押込み部の押込み量を0.5mmずつ増やしていき、押込み量が4mmに達するまで、試料の変形量を測定した
(4)最後に、上記(1)〜(3)で測定した変形量から、押込み量に対する戻り量(%)を算出した。
図17に、実施例試料TiTaSn(最終熱処理温度250℃、350℃、450℃、550℃、650℃、700℃)の戻り量と、比較例試料TiNi(最終熱処理温度350℃)の戻り量を示す。なお、図17の各最終熱処理温度における2本の棒グラフのうち、左側の棒グラフは最終加工率30%の試料を表し、右側の棒グラフは最終加工率98%の試料を表している(図19および図20において同様)。同図に示す3点曲げ押込み試験の結果から、押込み部を押込み速度1mm/分で押込み量4mmまで押し込み、除荷した後の実施例試料TiTaSnの戻り量が60%以上であることが確認された。また、最終熱処理温度350℃、最終加工率30%の実施例試料TiTaSnの戻り量(約90%)は、最終熱処理温度350℃、最終加工率30%の比較例試料TiNiの戻り量(約70%)よりも大きいことが確認された。
<引張試験>
また、本発明に係るチタン合金の機械的特性の評価を行うために引張試験を実施した。図18は、引張試験を実施した実施例試料の種類を示した表である。同図に示されるように、この引張試験では、実施例試料として、TaとSnの含有率(at%)を異ならせた試料番号T1〜T7の7種類のTiTaSnの合金素材を用いた。また、実施例試料は、直径φ0.5mmの丸線形状のものを用い、この試料に対して引張試験機を用いて引張試験を実施した。測定条件としては、評点間距離を50mm、引張速度を1mm/分とした。また、ヤング率は、JIS H 7103(2002)に基づき、引張試験機による引張試験実施中における応力−歪曲線を測定し、降伏点以下の応力での応力増加直線の勾配から求めた。さらに、実施例試料に対して繰り返し応力−歪を付与して実施例試料を破断させ、0.5%歪が残存した場合の伸び(弾性変形ひずみ、弾性限)を測定した。
図19に、試料番号T3の実施例試料TiTaSn(最終熱処理温度250℃、350℃、450℃、550℃、650℃、700℃、750℃)の引張強度を示す。引張試験の結果から、試料番号T3の実施例試料TiTaSnの引張強度は600MPa〜1600MPaの範囲であることが確認された。
図20に、試料番号T3の実施例試料TiTaSn(最終熱処理温度250℃、350℃、450℃、550℃、650℃、700℃、750℃)のヤング率を示す。引張試験の結果から、試料番号T3の実施例試料TiTaSnのヤング率は30GPa〜85GPaの範囲であることが確認された。
図21に、試料番号T3の実施例試料TiTaSn(最終加工率98%、最終熱処理温度450℃)に対して繰り返し応力−歪を付与して破断させた引張試験の結果を示す。この引張試験結果から、0.5%歪が残存した場合の伸びは約3.4〜3.7%であることが確認された。また、同様の引張試験により、試料番号T3の実施例試料TiTaSn(最終加工率98%、最終熱処理無し)における0.5%歪が残存した場合の伸びは約3.2〜3.6%、試料番号T3の実施例試料TiTaSn(最終加工率98%、最終熱処理温度250℃)における0.5%歪が残存した場合の伸びは約3.4〜3.6%、試料番号T3の実施例試料TiTaSn(最終加工率98%、最終熱処理温度650℃)における0.5%歪が残存した場合の伸びは約2.1〜2.6%であることが、それぞれ確認された。
図22に、試料番号T1〜T7の実施例試料TiTaSn(最終加工率76%)の引張試験の結果である引張強度、ヤング率、および弾性変形ひずみ(弾性限)の値を表で示す。ここで、同図における熱処理温度25℃とは、熱処理なしを示している(以下同様)。また、弾性変形ひずみ(弾性限)は、熱処理温度350℃、550℃、750℃のものについては測定していない。なお、図22の表をグラフ化したものが、図23〜図25である。
図23に、試料番号T1〜T7の実施例試料TiTaSn(最終熱処理温度25℃、250℃、350℃、450℃、550℃、650℃、750℃)の引張強度をグラフ(散布図)で示す。引張試験の結果から、試料番号T1〜T7の実施例試料TiTaSnの引張強度は、いずれも600MPa〜1600MPaの範囲内に収まることが確認された。また、試料番号T1〜T7の実施例試料TiTaSnの引張強度は、いずれも最終熱処理温度を約400〜500℃とすることにより、高い値を示す傾向にあることが確認された。
図24に、試料番号T1〜T7の実施例試料TiTaSn(最終熱処理温度25℃、250℃、350℃、450℃、550℃、650℃、750℃)のヤング率をグラフ(散布図)で示す。引張試験の結果から、試料番号T1〜T7の実施例試料TiTaSnのヤング率は、いずれも25GPa〜85GPaの範囲内に収まることが確認された。また、試料番号T1〜T7の実施例試料TiTaSnのヤング率は、いずれも最終熱処理温度を約600〜700℃とすることにより、高い値を示す傾向にあることが確認された。
図25に、試料番号T1〜T7の実施例試料TiTaSn(最終熱処理温度25℃、250℃、450℃、650℃)における0.5%歪が残存した場合の伸び(弾性変形ひずみ、弾性限)をグラフ(散布図)で示す。引張試験の結果から、試料番号T1〜T7の実施例試料TiTaSnの弾性変形ひずみ(弾性限)は、最終熱処理温度が650℃以下であれば、いずれも略1〜4%の範囲内に収まることが確認された。また、試料番号T1〜T7の実施例試料TiTaSnの弾性変形ひずみ(弾性限)は、いずれも最終熱処理温度を約200〜500℃とすることにより、高い値を示す傾向にあることが確認された。
さらに、図22に示す試料番号T1〜T7の実施例試料TiTaSnについての引張試験の結果に基づき、TaおよびSnの合計の含有率(at%)と残部のTi+不可避不純物の含有率(at%)の比、すなわちTaおよびSnの合計の原子%をTiおよび不可避不純物の合計の原子%で割った値である(Ta+Sn)/Tiと、引張強度、ヤング率および弾性変形ひずみ(弾性限)との関係を調べた。なお、試料番号T1の実施例試料TiTaSnでは、(Ta+Sn)/Ti=(19+4.5)/(100−19−4.5)≒0.31となる。同様に計算して、試料番号T2の実施例試料TiTaSnでは(Ta+Sn)/Ti≒0.32、試料番号T3の実施例試料TiTaSnでは(Ta+Sn)/Ti≒0.35、試料番号T4の実施例試料TiTaSnでは(Ta+Sn)/Ti≒0.38、試料番号T5の実施例試料TiTaSnでは(Ta+Sn)/Ti≒0.40、試料番号T6の実施例試料TiTaSnでは(Ta+Sn)/Ti≒0.43、試料番号T7の実施例試料TiTaSnでは(Ta+Sn)/Ti≒0.46となる。
図26に、試料番号T1〜T7の実施例試料TiTaSn(最終加工率76%、熱処理なし)における(Ta+Sn)/Tiと引張強度およびヤング率の関係を示す。また、図27に、試料番号T1〜T7の実施例試料TiTaSn(最終加工率76%、熱処理なし)における(Ta+Sn)/Tiと弾性変形ひずみ(弾性限)の関係を示す。
試料番号T1〜T7の実施例試料TiTaSn(最終加工率76%、熱処理なし)についての引張試験の結果、(Ta+Sn)/Tiと引張り強度の関係、および(Ta+Sn)/Tiとヤング率の関係は、図26に破線で示すように、いずれも(Ta+Sn)/Tiの値が0.34〜0.36を頂点とする傾向を示し、両関係は互いに軸対称の相似形となることが確認された。また、(Ta+Sn)/Tiと弾性変形ひずみ(弾性限)の関係は、図27に破線で示すように、(Ta+Sn)/Tiの値が0.34〜0.36に頂点を有する右肩上がりの傾向を示し、(Ta+Sn)/Tiと引張り強度の関係と略相似形となることが確認された。
この結果、(Ta+Sn)/Tiの値が0.17〜0.54であれば、引張強度を少なくとも600MPa以上に確保することが可能であることが確認された。また、(Ta+Sn)/Tiの値が0.17〜0.54であればヤング率を少なくとも50GPa以下に確保することが可能であり、弾性変形ひずみ(弾性限)を少なくとも1.0%以上に確保することが可能であることが確認された。
なお、(Ta+Sn)/Tiの値が0.17以上とするためには、TaおよびSnの合計の含有率を、例えば15at%以上とすればよい。すなわち、TaおよびSnの合計の含有率を15at%とした場合、(Ta+Sn)/Ti=15/85≒0.176となる。従って、Taの含有率の下限値を15at%以上、そしてSnの含有率の下限値を0at%以上に限定することの根拠が、引張試験の結果から確認された。また、Taの含有率を27at%、Snの含有率を8at%とした場合、(Ta+Sn)/Ti=(27+8)/65≒0.538となる。すなわち、Taの含有率の上限値を27at%以下、そしてSnの含有率の上限値を8at%以下に限定することの有効性が、引張試験の結果からも確認された。
また、(Ta+Sn)/Tiの値が0.31〜0.46であれば、熱処理なしの状態においても引張強度を約800MPa以上とし、ヤング率を40GPa以下とすることが可能であり、(Ta+Sn)/Tiの値が0.32〜0.38であれば、熱処理なしの状態においても引張強度を約880MPa以上とし、ヤング率を40GPa以下とすることが可能であることが確認された。さらに、(Ta+Sn)/Tiの値が0.34〜0.36であれば、熱処理なしの状態においても略最大の引張強度(約940MPa)、および略最小のヤング率(約34GPa)を得ることが可能であることが確認された。
従って、医療機器用材料や生体用材料等として、より良好な機械的性質を得るという観点からは、(Ta+Sn)/Tiの値は、0.32〜0.38であることが好ましく、0.34〜0.36であればより好ましい。なお、熱処理を適宜に加えることによって、さらに良好な機械的性質が得られることは言うまでもない。
上述の<3点曲げ押込み試験>および<引張試験>の結果から、本発明に係るTiTaSn合金は、高弾性、かつ適度な剛性を有することが確認された。このため、本発明に係るTiTaSn合金を生体の管状部分(血管、気管、食道、十二指腸、大腸、小腸、胆道など)を内側から拡げる医療器具(例えば、ステント)に適用すれば、管状部分の内壁との接触面積を大きく確保することができる上に、管状部分の内壁を適度に支持することができるため、再狭窄を効果的に防ぐことができる。
また、生体の管状部分などに挿入されて複雑な経路を移動する医療器具(例えば、医療用のガイドワイヤ、デリバリーワイヤ、ステント、クリップ、動脈瘤塞栓コイルもしくは静脈フィルタ、または歯科治療用のクレンザー、リーマー、ファイルもしくは歯列矯正ワイヤなど)に適用すれば、これらの医療器具をスムーズに移動させることができる上に、管状部分の内壁を傷つけるおそれが少ない。
本発明に係るチタン合金は、医療用のガイドワイヤ、デリバリーワイヤ、ステント、クリップ、動脈瘤塞栓コイルもしくは静脈フィルタ、または歯科治療用のクレンザー、リーマー、ファイルもしくは歯列矯正ワイヤなどに利用することができる。

Claims (10)

  1. 生体用のチタン合金であって、
    全体を100原子%(at%)としたときに、
    15〜27at%のタンタル(Ta)と、
    〜8at%のスズ(Sn)と、
    残部がチタン(Ti)と不可避不純物とからなることを特徴とする、
    チタン合金。
  2. タンタルおよびスズの合計の原子%をチタンおよび不可避不純物の合計の原子%で割った値が、0.17〜0.54であることを特徴とする、
    請求1に記載のチタン合金。
  3. VSM方式によって得られたB−H曲線において、磁界の強さが4.0×10A/mのときの飽和磁束密度が5.0×10−4T(テスラ)以下であることを特徴とする、
    請求1または2に記載のチタン合金。
  4. 弾性変形ひずみが1.0%以上であることを特徴とする、
    請求1〜3のいずれかに記載のチタン合金。
  5. ヤング率が25GPa〜85GPaであることを特徴とする、
    請求1〜4のいずれかに記載のチタン合金。
  6. 引張強度が600MPa〜1600MPaであることを特徴とする、
    請求1〜5のいずれかに記載のチタン合金。
  7. 2つの支持部間距離が20mm、前記支持部および押込み部の先端直径dが5mmであることを測定条件とする3点曲げ押込み試験において、直径φ0.5mmの線材に加工した前記チタン合金に対して、前記押込み部を押込み速度1mm/分で押込み量4mmまで押し込み、除荷した後の前記線材の戻り量が60%以上であることを特徴とする、
    請求1〜6のいずれかに記載のチタン合金。
  8. ICP発光分析法によって測定した金属イオン濃度が64ppm以下であるときの細胞障害度が10%未満であることを特徴とする、
    請求1〜7のいずれかに記載のチタン合金。
  9. 医療用のガイドワイヤ、デリバリーワイヤ、ステント、クリップ、動脈瘤塞栓コイルもしくは静脈フィルタ、または歯科治療用のクレンザー、リーマー、ファイルもしくは歯列矯正ワイヤに用いられることを特徴とする、
    請求1〜8のいずれかに記載のチタン合金。
  10. 最大外径が0.005mm〜1mmであることを特徴とする、
    請求9に記載のチタン合金。
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