以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。
図1は、通信状況解析システム100の一例を概略的に示す。本実施形態において、通信状況解析システム100は、通信端末110と、情報収集サーバ120とを備える。通信状況解析システム100及び情報収集サーバ120は、情報処理装置の一例であってよい。なお、通信状況解析システム100は、複数の通信端末110を備えてもよく、情報提供サーバ20及び情報収集サーバ120は、1以上の通信端末110との間で情報を送受してよい。
通信端末110及び情報収集サーバ120は、通信ネットワーク10を介して情報を送受する。通信端末110及び情報提供サーバ20は、通信ネットワーク10を介して情報を送受する。通信ネットワーク10は、無線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。通信ネットワーク10は、携帯電話回線網などの移動体通信網、無線パケット通信網、インターネッ及び専用回線又はそれらの組み合わせであってもよい。
情報提供サーバ20及び情報収集サーバ120のそれぞれは、一般的な構成の情報処理装置において、情報提供サーバ20及び情報収集サーバ120のそれぞれの各部の動作を規定したソフトウエアを起動することにより実現されてよい。情報提供サーバ20及び情報収集サーバ120として用いられる情報処理装置は、CPU、ROM、RAM、通信インターフェースなどを有するデータ処理装置と、キーボード、タッチパネル、マイクなどの入力装置と、表示装置、スピーカなどの出力装置と、メモリ、HDDなどの記憶装置とを備えてよい。
情報提供サーバ20及び情報収集サーバ120のそれぞれは、仮想サーバ又はクラウドシステムであってもよい。また、情報提供サーバ20及び情報収集サーバ120のそれぞれの機能が、複数のサーバによって実現されてもよい。
情報提供サーバ20は、通信ネットワーク10を介して、通信端末110に情報を提供することで、通信端末110のユーザにサービスを提供する。情報提供サーバ20により提供されるサービスとしては、情報検索サービス、地図上でのナビゲーションサービス、メールサービス、映像・音楽データ配信サービス、電子書籍配信サービスなどを例示することができる。情報提供サーバ20は、通信端末110から、通信端末110のユーザにより指定された情報に関する送信要求を受信する。情報提供サーバ20は、通信端末110からの送信要求に応じて、通信端末110に情報を送信する。
通信端末110は、通信機能を有する。通信端末110は、無線通信機能を有してよい。通信端末110は、複数の通信方式に対応してもよい。例えば、通信端末110は、3G方式、LTE方式、4G方式などの移動体通信方式と、WiFi(登録商標)、WiMAX(登録商標)などの無線通信方式との両方の通信方式に対応する。通信端末110は、情報提供サーバ20及び情報収集サーバ120と情報を送受することができる装置であればよく、Webブラウザソフトが導入されたパーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯端末(PDA、タブレット又はノートブック・コンピュータ若しくはラップトップ・コンピュータなどを例示することができる。)、無線端末などであってよい。
通信端末110は、一般的な構成の情報処理装置において、通信端末110の各部の動作を規定したソフトウエア又はプログラムを起動することにより実現されてよい。通信端末110として用いられる情報処理装置は、CPU、ROM、RAM、通信インターフェースなどを有するデータ処理装置と、キーボード、タッチパネル、マイク、GPS情報取得装置、加速度センサ、ジャイロセンサなどの入力装置と、表示装置、スピーカ、振動装置などの出力装置と、メモリ、HDDなどの記憶装置とを備えてよい。
通信端末110は、ユーザ指示を受け付け、ユーザ指示によって指示された処理を実行する。ユーザ指示は、通信端末110に対して、通信環境に関する情報を取得するための処理以外の処理を実行することを指示する指示であってよい。通信端末110は、ユーザ指示を受け付けた場合に、通信端末110の通信環境に関する情報(通信環境情報と称する場合がある。)と、通信環境情報を取得した位置を示す位置情報とを取得する。通信端末110は、ユーザ指示によって指示された処理が実行される場合に、通信環境情報及び位置情報を取得してもよい。位置情報は、緯度及び経度に関する情報であってよく、さらに高度に関する情報を含んでもよい。通信端末110は、少なくとも通信環境情報及び位置情報が対応付けられた情報(ログ情報と称する場合がある。)を、情報収集サーバ120に送信する。
通信環境情報としては、通信の可否、電波状況(電波受信レベル、電波強度、RSCP(Received Signal Code Power)などを例示することができる。)、通信品質(通信速度、データ通信のスループット、データ通信のレイテンシ、CID(Cell ID)などを例示することができる。)、通信方式、通信キャリアなどに関する情報を例示することができる。通信環境情報は、電波に関連する情報以外のネットワークに関する情報を含んでもよい。通信の可否は、例えば、電波受信レベルが予め定められたレベルよりも小さい場合(例えば、圏外である場合)に、通信が可能でない(通信不可と称する場合がある。)と判断される。
通信端末110は、少なくとも、通信環境情報及び位置情報が対応付けられた情報(ログ情報と称する場合がある。)を生成する。これにより、1以上の位置のそれぞれを識別する位置情報と、1以上の位置のそれぞれにおける通信端末の通信環境に関する情報とを対応付けることができる。通信端末110は、ログ情報を情報収集サーバ120に送信する。
ログ情報は、通信環境情報と、位置情報と、通信環境情報を取得した時刻を示す情報、位置情報を取得したときのGPS強度を示す情報及び通信端末110に関する情報の少なくとも1つとが対応づけられた情報であってもよい。通信端末110に関する情報としては、通信端末110のそれぞれを識別する端末識別情報、通信端末110の機種を示す情報、通信端末110のOSを示す情報などを例示することができる。通信環境情報を取得した時刻を示す情報は、通信端末110が通信環境情報の取得処理を開始した時刻であってもよく、通信端末110が通信環境情報の取得処理を完了した時刻であってもよく、通信端末110がユーザ指示を受け付けた時刻であってもよい。端末識別情報は、コンピュータを識別する識別情報の一例であってよい。
端末識別情報は、通信端末110のそれぞれを識別することができる情報であれば特に限定されないが、ユーザを特定することなく、通信端末110を識別することができる情報であることが好ましい。これにより、情報収集サーバ120は、ユーザを特定することなく、ログ情報の時間的な関連性を考慮して、ログ情報を解析することができる。
例えば、特定の通信端末110の端末識別情報として、ランダムに選択された符号列が付与される。符号列は、1以上の通信端末110のそれぞれに固有の符号列であってもよく、複数の通信端末110の間で再利用されてもよい。端末識別情報は、予め定められた期間ごとに更新されてもよく、任意のタイミングで更新されてもよい。
情報収集サーバ120は、1以上の通信端末110のそれぞれから、1以上のログ情報を取得する。情報収集サーバ120は、取得したログ情報を記憶装置に格納してよい。情報収集サーバ120は、ログ情報を解析して、1以上の位置の少なくとも一部における通信状況に関する情報を生成してよい。情報収集サーバ120は、ログ情報を解析して、屋内における通信環境を示すログ情報と、屋外における通信環境を示すログ情報とを区別してもよい。
通信状況に関する情報は、通信環境の位置に関する統計情報であってよい。統計情報は、通信環境に関する情報の少なくとも1つの時間的若しくは地理的な傾向に関する情報であってよい。統計情報は、同一の位置又は同一の地理的範囲(エリアと称する場合がある。)における、通信の可否又は通信品質の経時変化であってよい。統計情報は、同一の位置又は同一のエリアにおける、通信の可否又は通信品質の集計結果であってもよい。
一実施形態によれば、情報収集サーバ120は、ログ情報を解析して、基地局を新設した位置の周辺における、基地局を設置する前後において通信不可を示すログ情報が減少したエリア、通信不可を示すログ情報が増加したエリア、及び、通信不可を示すログ情報の増減がないエリアのそれぞれに関する情報を生成する。他の実施形態によれば、情報収集サーバ120は、ログ情報を解析して、特定のエリア(鉄道のターミナル駅周辺、オフィス街周辺、大規模集客施設周辺などを例示することができる。)における通信品質と、他のエリアにおける通信品質とを比較した情報を生成する。さらに他の実施形態によれば、情報収集サーバ120は、ログ情報を解析して、通信不可を示す情報の発生頻度を時間帯別に示した情報を生成する。
図2は、通信端末110の一例を概略的に示す。図2の説明において、図1に関連した説明と重複する部分については説明を省略する場合がある。本実施形態において、通信端末110は、入力部212と、処理実行部214と、環境情報取得部216と、位置情報取得部218と、出力部222と、識別情報取得部224と、ログ情報生成部226と、通信制御部228とを備える。通信端末110の各部は、互いに情報を送受する。
通信端末110の各部は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせにより実現されてもよい。また、プログラムが実行されることにより、コンピュータが、通信端末110の一部として機能してもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されていてもよく、ネットワークに接続された記憶装置に記憶されていてもよい。
コンピュータにインストールされ、コンピュータを本実施形態に係る通信端末110の一部として機能させるプログラムは、通信端末110の各部の動作を規定したモジュールを備える。これらのプログラム又はモジュールは、CPU等に働きかけて、コンピュータを、通信端末110の各部としてそれぞれ機能させる。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータに読込まれることにより、ソフトウエアと、通信端末110の各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータの使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた通信端末110を構築することができる。
入力部212は、ユーザから、ユーザ指示を受け付ける。ユーザ指示は、通信端末110に対して、通信環境に関する情報を取得するための処理以外の処理を実行することを指示する。したがって、専ら回線速度又は通信速度を測定するための情報を取得することを要求する指示、専ら回線速度又は通信速度を測定するサービスを提供するサーバにアクセスすることを要求する指示などは、ユーザ指示に含まれない。入力部212は、キーボード、タッチパネル又はマイクであってよい。入力部212は、ユーザ要求受付部の一例であってよい。
処理実行部214は、ユーザ指示によって指示された処理を実行する。ユーザ指示によって指示された処理は、通信機能を利用する処理であってもよく、通信機能を利用しない処理であってもよい。
ユーザ指示によって指示された処理は、通信端末110がユーザ指示を受け付けた時点で実行される処理であってもよい。ユーザ指示によって指示された処理は、ユーザの設定により、予め定められた時刻に又は予め定められた時間が経過するごとに自動的に実行される処理であってもよく、通信端末110の初期設定又は通信端末110上で動作するプログラムの初期設定により、予め定められた時刻に又は予め定められた時間が経過するごとに自動的に実行される処理であってもよい。
ユーザ指示によって指示された処理は、ユーザ指示によって指示された情報を、ユーザが知覚することができる形態で出力する処理であってよい。このような処理としては、通信端末110の表示画面をスクロールして、表示画面に表示される画像の表示位置を変更する処理、情報提供サーバ20にアクセスして、情報提供サーバ20からユーザが指示した情報を取得して、取得した情報を通信端末110の表示画面に表示する処理などを例示することができる。
ユーザ指示によって指示された処理は、通信端末110のボタンの押下又はスイッチの切替えに対応づけられた処理であってよい。ユーザ指示によって指示された処理は、通信端末110の電源をOFFにする処理であってもよい。ユーザ指示によって指示された処理は、通信端末110からログオフする処理であってもよく、通信端末110をスリープ状態にする処理であってもよい。
環境情報取得部216は、ユーザ指示を受け付けた場合に、ユーザ指示によって指示された処理とは別に、通信端末110の通信環境情報を取得する。環境情報取得部216は、処理実行部214がユーザ指示によって指示された処理を実行する場合に、ユーザ指示によって指示された処理とは別に、通信環境情報を取得してもよい。環境情報取得部216は、予め定められた時刻に又は予め定められた時間が経過するごとに(通信環境情報を取得するタイミングと称する場合がある。)、通信環境情報を取得してもよい。
一実施形態によれば、入力部212がGPSロガーの起動を指示するユーザ指示を受け付けた場合、環境情報取得部216は、GPSロガーが一定の時間間隔でログ情報を取得するたびに、通信環境情報を取得する。他の実施形態によれば、入力部212がメールソフトの起動を指示するユーザ指示を受け付けた場合、環境情報取得部216は、メールソフトがバックグラウンドでメールサーバにアクセスするたびに、通信環境情報を取得する。さらに他の実施形態によれば、入力部212が目覚まし機能の設定を指示するユーザ指示を受け付けた場合、環境情報取得部216は、目覚まし機能の設定時または作動時に、通信環境情報を取得する。
環境情報取得部216は、情報提供サーバ20に対してユーザが指示した情報を送信するよう要求してから、当該情報を情報提供サーバ20から取得するまでの時間と、当該情報の情報量とに基づいて、通信環境情報を取得してもよい。通信環境情報を取得する処理は、バックグラウンドで実行されてよい。
これにより、ユーザが通信端末110を操作している間に、通信環境情報を取得することができる。また、通信端末110が通信機能を利用しない処理を実行している場合であっても、通信環境情報を取得することができる。さらに、ユーザが通信環境情報を取得するために特別な操作を実施しなくても、通信環境情報を取得することができる。その結果、広いエリアにわたって、ユーザの使用実態に近い通信状況を把握することができる。また、通信状況の経時変化などを把握することができる。
位置情報取得部218は、ユーザ指示を受け付けた場合に、ユーザ指示によって指示された処理とは別に、通信端末110の位置情報を取得する。位置情報取得部218は、処理実行部214がユーザ指示によって指示された処理を実行する場合に、ユーザ指示によって指示された処理とは別に、位置情報を取得してもよい。位置情報取得部218は、環境情報取得部216が通信環境情報を取得する場合に、位置情報を取得してよい。これにより、通信環境情報を位置情報に対応付けることができる。位置情報を取得する処理は、バックグラウンドで実行されてよい。
位置情報取得部218は、GPS情報と、無線通信網又は移動体通信網のアクセスポイントからの電波情報との少なくとも一方の情報に基づいて、位置情報を取得してよい。位置情報取得部218は、GPS情報取得装置であってもよく、通信端末110に配されたGPS情報取得装置から位置情報を取得してもよい。位置情報取得部218は、位置情報とともに、GPS精度に関する情報を取得してもよい。
出力部222は、ユーザ指示によって指示された情報を、ユーザが知覚することができる形態で出力する。出力部222は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどの表示装置、スピーカなどの音声出力装置又はバイブレータなどの振動装置であってよい。
例えば、出力部222は、ユーザからの指示に応じて、画面上に画像を表示したり、画面上に表示される画像の表示位置を変更したりする。出力部222は、通信ネットワーク10を介して情報提供サーバ20から取得した情報又は通信端末110の記憶装置に格納されている情報に基づいて、画像を表示してよい。また、出力部222は、通信ネットワーク10を介して情報提供サーバ20から取得した情報又は通信端末110の記憶部に格納されている情報を、音声情報としてスピーカから出力してもよい。これにより、ユーザは、情報を知覚することができる。
一方、特定の処理がバックグラウンドで実行されている場合、当該処理で利用される情報は出力部222から、ユーザが知覚することができる形態で出力されない。そのため、ユーザは、情報を知覚することができない。
識別情報取得部224は、通信端末110のそれぞれを識別する端末識別情報を取得する。識別情報取得部224は、通信端末110のそれぞれに対する端末識別情報を生成してもよく、端末識別情報を情報収集サーバ120から受信してもよい。端末識別情報は、例えば乱数を用いてランダムに定められてもよい。端末識別情報は、予め定められた時刻に又は予め定められた時間が経過するごとに更新されてもよい。識別情報取得部224は、通信端末110の機種を示す情報、通信端末110のOSを示す情報などの通信端末110に関する情報を取得してもよい。
ログ情報生成部226は、環境情報取得部216から、通信環境情報を取得する。ログ情報生成部226は、環境情報取得部216から、通信環境情報を取得した時刻を示す情報を取得してよい。ログ情報生成部226は、位置情報取得部218から、通信環境情報を取得した位置を示す位置情報を取得する。ログ情報生成部226は、位置情報取得部218から、位置情報を取得したときのGPS精度に関する情報を取得してよい。ログ情報生成部226は、識別情報取得部224から端末識別情報を取得してよい。
ログ情報生成部226は、1以上のログ情報を生成する。ログ情報生成部226は、少なくとも、通信環境情報と位置情報とを対応付けて、ログ情報を生成する。ログ情報生成部226は、通信環境情報と、位置情報と、通信環境情報を取得した時刻を示す情報、位置情報を取得したときのGPS強度を示す情報及び通信端末110に関する情報の少なくとも1つとが対応づけて、ログ情報を生成してよい。ログ情報を生成する処理はバックグラウンドで実行されてよい。
ログ情報生成部226は、通信環境情報に含まれるデータ通信のレイテンシに関する情報に基づいて、通信環境情報が取得されたときに使用されていた通信方式を決定してよい。例えば、レイテンシが予め定められた値より小さい場合、ログ情報生成部226は、環境情報取得部216が取得した通信環境情報は、通信端末110が第1の通信方式(LTE方式、4G方式などを例示することができる。)により通信していた場合の情報であると判断する。一方、レイテンシが予め定められた値以上である場合、ログ情報生成部226は、環境情報取得部216が取得した通信環境情報は、通信端末110が第2の通信方式(3G方式などを例示することができる。)により通信していた場合の情報であると判断する。ログ情報生成部226は、通信環境情報が取得されたときに使用されていた通信方式に関する情報と、通信環境情報及び位置情報とを対応付けて、ログ情報を生成してよい。
ログ情報生成部226は、通信端末110上で動作するOSの内部関数を取得してよい。ログ情報生成部226は、取得した内部関数に基づいて、通信環境情報が取得されたときに使用されていた通信方式を決定してもよい。
ログ情報生成部226は、入力部212がユーザ指示を受け付けるごとに、ログ情報を生成してよい。ログ情報生成部226は、ユーザ指示によって指示された処理が実行されるごとに、ログ情報を生成してよい。ログ情報生成部226は、予め定められた時刻に又は予め定められた時間が経過するごとに(ログ情報を生成するタイミングと称する場合がある。)、ログ情報を生成してもよい。ログ情報を生成するタイミングは、通信環境情報を取得するタイミングとほぼ同一であってもよく、異なってもよい。
ログ情報生成部226は、生成されたログ情報を情報収集サーバ120に送信してよい。ログ情報生成部226は、ログ情報が生成されるごとに、ログ情報を情報収集サーバ120に送信してもよい。ログ情報生成部226は、予め定められた時刻に又は予め定められた時間が経過するごとに(ログ情報を送信するタイミングと称する場合がある。)、生成したログ情報を情報収集サーバ120に送信してよい。ログ情報を送信するタイミングは、ログ情報を生成するタイミングとほぼ同一であってもよく、異なってもよい。
ログ情報生成部226は、通信端末110の起動時、通信端末110のスリープ状態からの復帰時及びコンピュータを通信端末110の一部として機能させるためのプログラムの起動時の少なくとも一方のタイミングにおいて、生成したログ情報を情報収集サーバ120に送信してもよい。ログ情報生成部226は、ログ情報を送信してから、次回のログ情報を送信するまでの間、生成したログ情報を格納しておいてよい。
通信制御部228は、通信端末110と、通信ネットワーク10、情報提供サーバ20及び情報収集サーバ120との間の通信を制御する。通信制御部228は、通信インターフェースであってよい。通信制御部228は、複数の通信方式に対応していてもよい。
本実施形態において、情報収集サーバ120が情報提供サーバ20とは異なるサーバであり、通信端末110が通信環境情報を情報収集サーバ120に送信する場合について説明した。しかし、通信状況解析システム100は本実施形態に限定されない。他の実施形態によれば、通信端末110は、通信環境情報を情報提供サーバ20に送信する。情報提供サーバ20は、通信端末110から受け取った通信環境情報を記憶装置に格納する。情報収集サーバ120は、情報提供サーバ20に格納された通信環境情報に基づいて、通信状況を解析する。また、通信端末110の各部の機能は厳密に区別されるものではなく、通信端末110の各部の機能は上記の実施形態に限定されない。
以上の実施形態においては、通信端末110が、通信環境に関する情報を取得するための処理以外の処理を実行することを指示するユーザ指示を受け付けた場合に、通信環境情報及び位置情報を取得することで、広いエリアにわたって、ユーザの使用実態に近い通信状況を把握する場合について説明した。しかしながら、広いエリアにわたって、ユーザの使用実態に近い通信状況を把握する方法は、上記の実施形態に限定されない。
他の実施形態において、通信端末110は、ユーザから、処理を開始する旨の入力を受け付けた後、予め定められた時刻に又は予め定められた時間が経過するごとに、通信環境に関する情報を自動的に取得してよい。ユーザは、通信環境情報を取得するたびに、通信環境情報を取得するための操作を実施する必要がないので、広いエリアにわたって、ユーザの使用実態に近い通信状況を把握することができる。また、通信状況の経時変化などを把握することができる。
この場合において、通信端末110は、通信環境情報を取得するごとに、通信環境情報を情報収集サーバ120に送信してよい。通信端末110は、取得した通信環境情報を記憶しておき、予め定められた条件に従って、記憶した通信環境情報を情報収集サーバ120に送信してもよい。例えば、予め定められた条件としては、通信環境情報の取得回数が予め定められた回数に到達した場合、記憶した通信環境情報の情報量が予め定められた容量に到達した場合、予め定められた時刻に到達した場合、予め定められた時間が経過した場合などを例示することができる。通信端末110は、情報収集サーバ120に通信環境情報を送信するタイミングにおいて、通信を実施することができない場合、取得した通信環境情報を送信せずに記憶しておき、次回の送信のタイミングにおいて送信してもよい。
図3は、ログ情報のデータテーブル300の一例を概略的に示す。データテーブル300は、1台の通信端末110において生成された複数のログ情報を表す。データテーブル300の各行に格納された情報のそれぞれは、ログ情報の一例であってよい。
データテーブル300は、端末ID310と、通信環境情報が取得された日時320に関する情報と、通信環境情報が取得された位置を示す位置情報330と、位置情報330が取得されたときのGPS精度340に関する情報と、通信環境情報350とを対応付けて格納する。通信環境情報350は、通信可否352に関する情報と、データ通信のスループット354に関する情報と、データ通信のレイテンシ356に関する情報とを含んでよい。端末ID310は、コンピュータを識別する識別情報の一例であってよい。
本実施形態において、端末ID310は、ランダムに選択された符号列であり、1日おきに更新される。これにより、情報収集サーバ120は、ユーザを特定することなく、ログ情報の時間的な関連性を考慮して、ログ情報を解析することができる。
図4は、情報収集サーバ120の一例を概略的に示す。図4の説明において、図1に関連した説明と重複する部分については説明を省略する場合がある。本実施形態において、情報収集サーバ120は、通信制御部412と、ログ情報取得部414と、ログ情報解析部420とを備える。ログ情報解析部420は、外れ値検出部422と、統計情報生成部424とを有する。
情報収集サーバ120の各部は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせにより実現されてもよい。また、プログラムが実行されることにより、コンピュータが、情報収集サーバ120の一部として機能してもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されていてもよく、ネットワークに接続された記憶装置に記憶されていてもよい。
コンピュータにインストールされ、コンピュータを本実施形態に係る情報収集サーバ120の一部として機能させるプログラムは、情報収集サーバ120の各部の動作を規定したモジュールを備える。これらのプログラム又はモジュールは、CPU等に働きかけて、コンピュータを情報収集サーバ120の各部としてそれぞれ機能させる、又は、コンピュータに情報収集サーバ120における情報処理方法を実行させる。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータに読込まれることにより、ソフトウエアと、情報収集サーバ120の各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータの使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた情報収集サーバ120を構築することができる。
通信制御部412は、情報収集サーバ120と、1以上の通信端末110との間の通信を制御する。通信制御部412は、通信インターフェースであってよい。通信制御部412は、1以上の通信端末110から受け取ったログ情報を、ログ情報取得部414に送信する。ログ情報取得部414は、1又は複数の通信端末110から、1又は複数のログ情報を取得する。ログ情報取得部414は、取得したログ情報を、外れ値検出部422及び統計情報生成部424の少なくとも一方に送信する。
ログ情報解析部420は、ログ情報を解析して、1以上の位置の少なくとも一部における通信状況に関する情報を生成する。本実施形態において、ログ情報解析部420は、通信状況に関する情報として、通信環境の位置に関する統計情報を生成する。ログ情報解析部420は、ログ情報取得部414が取得したログ情報の全てを使用して統計情報を生成してもよく、ログ情報取得部414が取得したログ情報から、他のログ情報が示す値から外れた値を示すログ情報を除外して、統計情報を生成してもよい。
一実施形態において、ログ情報解析部420は、屋内における通信環境を示すログ情報と、屋外における通信環境を示すログ情報とを区別して、それぞれについて統計情報を生成する。他の実施形態において、ログ情報解析部420は、ログ情報取得部414が取得したログ情報から、屋内における通信環境を示すログ情報を除外して、統計情報を生成する。
外れ値検出部422は、ログ情報取得部414から、1以上のログ情報を受けとる。外れ値検出部422は、受け取ったログ情報の中から、他のログ情報が示す値から外れた値を示すログ情報を、外れ値として検出する。これにより、解析の精度を向上させることができる。外れ値検出部422は、外れ値として検出したログ情報に対して、外れ値であることを示す情報を付加した後、ログ情報取得部414から受け取ったログ情報の全てを統計情報生成部424に送信してよい。外れ値検出部422は、ログ情報取得部414から受け取ったログ情報から、外れ値として検出したログ情報を除外したものを、統計情報生成部424に送信してもよい。
外れ値検出部422は、外れ値として検出する対象の平均値及び標準偏差に基づいて、外れ値を検出してもよい。例えば、平均値を中心として標準偏差の数倍(例えば、2倍又は3倍)の範囲に含まれない場合に外れ値として検出する。外れ値検出部422は、予め定められた値との比較に基づいて、外れ値を検出してもよい。外れ値検出部422は、統計情報生成部424における統計処理の内容に応じて、外れ値として検出する対象を決定してもよい。
一実施形態によれば、1以上のログ情報の少なくとも一部について、位置情報と、通信端末の通信環境情報と、位置情報が取得された時点において通信端末が取得したGPS情報のGPS精度に関する情報とが対応づけられている場合、外れ値検出部422は、以下の手順で特定のログ情報を外れ値として検出する。外れ値検出部422は、まず、GPS情報を含むログ情報のそれぞれについて、GPS精度が、予め定められた値よりも大きいか否かを判断する。GPS精度が予め定められた値よりも大きい場合、当該GPS精度に関する情報を含むログ情報を外れ値として検出する。
本実施形態によれば、位置情報の精度が予め定められた値よりも悪い情報を除外することができる。その結果、統計情報生成部424により生成される統計情報の精度を向上させることができる。また、本実施形態によれば、ログ情報を、屋外又は窓際におけるログ情報と、屋内におけるログ情報とに分離することができる。その結果、統計情報生成部424は、それぞれの場合に関する統計情報を生成することができる。
GPS精度は、例えば、CEP(Circular Error Probability)を用いて表される。CEPは、GPS受信機が特定の円内にいる確率が50%である場合に、当該円の半径として表される。GPS受信機が屋外又は屋内であってもGPS信号を受信しやすい場所(例えば、窓際)にある場合、CEPは小さな値となる。一方、GPS受信機が屋内などのGPS信号を受信しにくい場所にある場合、CEPは大きな値となる。
GPS信号を受信しやすい場所は、無線通信又は移動体通信の電波も受信しやすい傾向にあり、GPS信号を受信しにくい場所は、無線通信又は移動体通信の電波も受信しにくい傾向にある。そこで、GPS精度が予め定められた値よりも大きい場合に、当該GPS精度に関する情報を含むログ情報を外れ値として検出することで、屋内のような電波を受信しにくい場所における通信環境情報を、外れ値として検出することができる。その結果、統計情報生成部424は、主に、屋外又は窓際のような電波を受信しやすい場所における通信環境情報を用いて、統計情報を生成することができる。情報収集サーバ120は、生成された統計情報により、例えば、屋外に基地局を設置した場合の効果を示す情報を提供することができる。
なお、外れ値検出部422は、GPS精度が予め定められた値よりも小さい場合に、当該GPS精度に関する情報を含むログ情報を外れ値として検出してもよい。この場合、統計情報生成部424は、主に、屋内のような電波を受信しにくい場所における通信環境情報を用いて、統計情報を生成することができる。情報収集サーバ120は、生成された統計情報により、例えば、屋内に基地局を設置した場合の効果を示す情報を提供することができる。
他の実施形態によれば、1以上のログ情報の少なくとも一部について、位置情報と、通信端末の通信環境情報と、通信端末の通信環境情報が取得された時刻に関する情報と、1以上の通信端末110のそれぞれを識別する端末識別情報とが対応付けられている場合、外れ値検出部422は、以下の手順で特定のログ情報を外れ値として検出する。外れ値検出部422は、まず、端末識別情報に基づいて、端末識別情報によって識別される通信端末110ごとに、ログ情報取得部414から受け取ったログ情報を分類する。次に、外れ値検出部422は、端末識別情報ごとに分類されたログ情報それぞれについて、通信端末110の移動速度を決定する。その後、外れ値検出部422は、通信端末の移動速度に基づいて外れ値を検出する。
本実施形態によれば、何らかのエラーにより、ログ情報に含まれる位置情報が、実際に通信環境情報を取得した位置とは大きく異なる位置を示す場合であっても、そのような情報を除外することができる。その結果、統計情報生成部424により生成される統計情報の精度を向上させることができる。また、本実施形態によれば、ログ情報を、通信端末110のユーザの交通手段(徒歩、自転車、自動車、鉄道、高速鉄道などを例示することができる。)ごとに分離することができる。その結果、統計情報生成部424は、それぞれの場合に関する統計情報を生成することができる。
外れ値検出部422は、例えば、以下の手順により、通信端末110の移動速度を決定する。端末識別情報ごとに分類されたログ情報のそれぞれは、通信環境情報の取得時刻に関する情報を含むので、外れ値検出部422は、通信端末110の移動速度を決定することができる。データテーブル300に格納されたログ情報を例として説明すると、外れ値検出部422は、例えば下記の式(1)により、データテーブル300の2行目に格納されたログ情報によって示される位置における通信端末110の移動速度vを決定する。
v=dL/dt ・・・式(1)
ここで、dLは、データテーブル300の2行目に格納されたログ情報によって示される位置と、データテーブル300の1行目に格納されたログ情報によって示される位置との間の距離を表す。dtは、データテーブル300の2行目に格納されたログ情報によって示される時刻と、データテーブル300の1行目に格納されたログ情報によって示される位置との間の時刻との差を表す。
外れ値検出部422は、データテーブル300に格納された他のログ情報についても、同様にして通信端末110の移動速度を決定することができる。外れ値検出部422は、通信端末110の移動速度を決定したログ情報に対して、通信端末110の移動速度を示す情報を付加してもよい。
なお、外れ値検出部422は、特定の端末識別情報に対応するログ情報が1つしかない場合の当該ログ情報について、又は、端末識別情報ごとに分類された複数のログ情報のうち、通信環境情報の取得時刻が最も早いログ情報について、上記の式(1)により通信端末110の移動速度を決定することができない。特定のログ情報によって示される位置における通信端末110の移動速度を決定することができない場合、外れ値検出部422は、当該位置における通信端末110の移動速度を決定しなくてもよく、他のログ情報によって示される位置における通信端末110の移動速度に基づいて、当該位置における通信端末110の移動速度を決定しなくてもよい。例えば、外れ値検出部422は、データテーブル300の1行目に格納されたログ情報によって示される位置における通信端末110の移動速度を、データテーブル300の2行目に格納されたログ情報によって示される位置における通信端末110の移動速度と同一であるとして決定する。
外れ値検出部422は、例えば、以下の手順により、通信端末110の移動速度に基づいて外れ値を検出する。外れ値検出部422は、通信端末110の移動速度が第1の値(例えば、60km/h)以下である場合には、通信端末110のユーザが第1の移動手段(徒歩、自転車などを例示することができる。)により移動しているときにログ情報が取得されたと判断する。通信端末110の移動速度が第1の値より大きい場合には、通信端末110のユーザが第2の移動手段(自動車、鉄道、高速鉄道などを例示することができる。)により移動しているときにログ情報が取得されたと判断する。また、外れ値検出部422は、通信端末110の移動速度が第2の値(例えば、350km/h)より大きい場合には、位置情報の取得時に何らのエラーが発生したと判断して、当該ログ情報を外れ値として検出する。
他の実施形態によれば、1以上のログ情報の少なくとも一部について、位置情報と、通信端末の通信環境情報と、1以上の通信端末110のそれぞれを識別する端末識別情報とが対応付けられている場合、外れ値検出部422は、以下の手順で特定のログ情報を外れ値として検出する。なお、ログ情報は、さらに通信端末の通信環境情報が取得された時刻に関する情報と対応付けられていることが好ましい。
外れ値検出部422は、まず、端末識別情報に基づいて、端末識別情報によって識別される通信端末110ごとに、ログ情報取得部414から受け取ったログ情報を分類する。外れ値検出部422は、端末識別情報ごとに分類された一組のログ情報が、通信不可を示すログ情報のみで構成されている場合に、当該一組のログ情報を外れ値として検出してよい。
外れ値検出部422は、端末識別情報ごとに分類された一組のログ情報の中に、通信不可を示すログ情報が、予め定められた回数、連続して含まれている場合に、当該一組のログ情報を外れ値として検出してよい。外れ値検出部422は、一組のログ情報に含まれる1以上のログ情報の全てを外れ値として検出してもよく、一組のログ情報に含まれる1以上のログ情報のうち、通信不可を示すログ情報が予め定められた回数以上連続して記録されている部分のみを外れ値として検出してもよい。
外れ値検出部422は、端末識別情報ごとに分類された一組のログ情報において、通信不可を示すログ情報が、予め定められた時間の間、継続している場合に、当該一組のログ情報を外れ値として検出してよい。外れ値検出部422は、一組のログ情報に含まれる1以上のログ情報の全てを外れ値として検出してもよく、一組のログ情報に含まれる1以上のログ情報のうち、通信不可を示すログ情報が予め定められた時間以上継続している部分のみを外れ値として検出してもよい。
さらに他の実施形態によれば、外れ値検出部422は、ログ情報に含まれる位置情報によって示される位置が、予め定められた地理的範囲の外側である場合に、当該ログ情報を外れ値として検出してよい。例えば、統計情報生成部424が日本国内における統計情報を生成しており、ログ情報取得部414から取得したログ情報に含まれる位置情報が日本国外の位置を示している場合、外れ値検出部422は、当該ログ情報を外れ値として検出してよい。
統計情報生成部424は、ログ情報取得部414又は外れ値検出部422から、ログ情報を受けとる。統計情報生成部424は、外れ値検出部422から、通信端末110から受信したログ情報のうち、外れ値検出部422によって外れ値として検出されたログ情報が除外されたデータを受け取ってもよい。
統計情報生成部424は、受け取った1以上のログ情報に基づいて、通信環境の位置に関する統計情報を生成する。統計情報生成部424は、通信環境情報を構成する項目(通信の可否、電波状況、通信品質、通信方式、通信キャリアなどを例示することができる。)ごとに、位置に関する統計情報を生成してよい。統計情報生成部424は、通信環境情報を構成する項目の少なくとも1つについて、位置に関する統計情報を生成してよい。
統計情報生成部424は、受け取ったログ情報の全てを使用して統計情報を生成してよい。統計情報生成部424は、ログ情報に含まれるGPS情報を利用して、屋内における通信環境を示すログ情報と屋外における通信環境を示すログ情報とを区別して、それぞれについて統計情報を生成してもよい。統計情報生成部424は、通信キャリアごとに統計情報を生成してもよい。統計情報生成部424は、通信方式ごとに統計情報を生成してもよい。統計情報生成部424は、ログ情報取得部414が取得した1以上のログ情報から、外れ値検出部422によって外れ値として検出されたログ情報を除外して、統計情報を生成してもよい。
統計情報生成部424は、例えば、以下の手順により、通信環境の位置に関する統計情報を生成する。まず、統計情報生成部424は、受け取ったログ情報を、ログ情報のそれぞれに含まれる位置情報により示される位置に基づいて、1以上の組に分類する。統計情報生成部424は、ログ情報に含まれる位置情報により示される位置が同一であるログ情報が、同一の組になるように、ログ情報を分類してよい。統計情報生成部424は、ログ情報に含まれる位置情報により示される位置が同一の地理的範囲に含まれるログ情報が、同一の組になるように、ログ情報を分類してもよい。
次に、統計情報生成部424は、1以上の組のそれぞれについて、1以上の組のそれぞれに含まれるログ情報に基づいて、統計情報を生成する。一実施形態によれば、通信環境情報により示される通信環境を数値で表現することができる場合(通信環境が、電波強度、通信速度、スループット、レイテンシなどである場合を例示することができる。)、統計情報生成部424は、当該通信環境を表す代表値を生成する。例えば、当該通信環境の算術平均値、中央値、最頻値、最大値及び最小値の少なくとも1つを生成する。これにより、通信環境に関する情報の地理的な分布状況を表す情報を提供することができる。統計情報生成部424は、標準偏差などのデータのバラつきの程度を表す統計情報を生成してもよい。これにより、通信環境の安定性を表す情報を提供することができる。
他の実施形態によれば、統計情報生成部424は、通信の可否に関する情報に基づいて、統計情報を生成する。例えば、統計情報生成部424は、1以上の組のそれぞれについて、通信の可否に関する情報の個数に対する、通信可能であることを示す情報の個数の割合を算出する。これにより、同一の位置又は同一のエリアにおける接続率を表す情報を提供することができる。
他の実施形態によれば、1以上のログ情報の少なくとも一部について、位置情報と、通信端末の通信環境に関する情報と、通信端末の通信環境に関する情報が取得された時刻に関する情報とが対応付けられている場合、統計情報生成部424は、統計情報として、1以上の位置の少なくとも一部における通信環境の経時変化に関する情報を生成する。統計情報生成部424は、特定の位置の周辺のエリアについて、特定の時期の前後における通信不可を示すログ情報の増減に関する情報を生成してよい。例えば、統計情報生成部424は、基地局を新設した位置の周辺のエリアについて、基地局を設置する前後における通信不可を示すログ情報の増減に関する情報を生成する。
統計情報生成部424は、統計処理の対象となっているエリアのそれぞれを、通信不可を示すログ情報が減少したエリア、通信不可を示すログ情報が増加したエリア、及び、通信不可を示すログ情報の増減がないエリアの3つに分類してよい。これにより、例えば、通信環境の改善傾向を表す情報を提供することができる。統計情報生成部424は、1以上の組のそれぞれについて、通信不可であることを示す情報が1つでも含まれるか否かを判断して、通信不可であることを示す情報が1つでも含まれる組の通信の可否に関する情報の代表値として、通信不可を選択してもよい。
統計情報生成部424は、1以上の組のそれぞれについて、統計情報の値に応じた表示方法を決定してよい。統計情報生成部424は、1以上の組のそれぞれについて、表示方法に関する情報を付与してよい。例えば、統計情報生成部424は、統計情報の値の大きさに基づいて、統計処理の対象となっている位置又はエリアを複数の区分に分類する。複数の区分のそれぞれは、複数の表示方法のそれぞれと一対一に対応している。表示方法としては、ディスプレイなどの表示装置に出力される場合の形状、色、アイコンの種類などを例示することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項を、他の実施形態に適用することができる。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
[項目1]
ネットワークを介して、通信端末と情報を送受する情報処理装置であって、
上記通信端末から、1以上の位置のそれぞれを識別する位置情報と、上記1以上の位置のそれぞれにおける上記通信端末の通信環境に関する情報とが対応付けられた1以上のログ情報を取得するログ情報取得部と、
上記1以上のログ情報に基づいて、上記通信環境の位置に関する統計情報を生成する統計情報生成部と、
を備える情報処理装置。
[項目2]
上記1以上のログ情報の中から、外れ値を検出する外れ値検出部を更に備え、
上記統計情報生成部は、上記1以上のログ情報の中から、上記外れ値検出部によって検出されたログ情報を除外して、上記統計情報を生成する、
項目1に記載の情報処理装置。
[項目3]
上記1以上のログ情報の少なくとも一部は、上記位置情報と、上記通信端末の通信環境に関する情報と、上記位置情報が取得された時点において上記通信端末が取得したGPS情報のGPS精度に関する情報とが対応づけられており、
上記外れ値検出部は、
上記GPS精度に関する情報を含むログ情報のそれぞれについて、上記GPS精度が予め定められた値よりも大きいか否かを判断し、
上記GPS精度が上記予め定められた値よりも大きい場合、当該GPS精度に関する情報を含むログ情報を上記外れ値として検出する、
項目2に記載の情報処理装置。
[項目4]
上記1以上のログ情報の少なくとも一部は、上記位置情報と、上記通信端末の通信環境に関する情報と、上記通信端末の通信環境に関する情報が取得された時刻に関する情報と、上記通信端末のそれぞれを識別する端末識別情報とが対応付けられており、
上記外れ値検出部は、
上記時刻に関する情報を含むログ情報のそれぞれについて、上記位置情報及び上記時刻に関する情報に基づいて、上記通信端末の移動速度を決定し、
上記通信端末の移動速度に基づいて、上記外れ値を検出する、
項目2又は項目3に記載の情報処理装置。
[項目5]
上記1以上のログ情報の少なくとも一部は、上記位置情報と、上記通信端末の通信環境に関する情報と、上記通信端末の通信環境に関する情報が取得された時刻に関する情報とが対応付けられており、
上記統計情報生成部は、上記統計情報として、上記1以上の位置の少なくとも一部における上記通信環境の経時変化に関する情報を生成する、
項目1から項目4までの何れか一項に記載の情報処理装置。
[項目6]
上記統計情報生成部は、
上記1以上のログ情報のそれぞれに含まれる上記位置情報に基づいて、上記1以上のログ情報を1以上の組に分類し、
上記1以上の組のそれぞれについて、上記1以上の組のそれぞれに含まれるログ情報に基づいて、上記通信環境の位置に関する統計情報を生成する、
項目1から項目5までの何れか一項に記載の情報処理装置。
[項目7]
上記情報処理装置は、上記ネットワークを介して、複数の通信端末と情報を送受し、
上記ログ情報取得部は、複数の上記通信端末から上記1以上のログ情報を取得する、
項目1から項目6までの何れか一項に記載の情報処理装置。
[項目8]
コンピュータを、項目1から項目7までの何れか一項に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
[項目9]
ネットワークを介して接続される通信端末から、1以上の位置のそれぞれを識別する位置情報と、上記1以上の位置のそれぞれにおける上記通信端末の通信環境に関する情報とが対応付けられた1以上のログ情報を取得するログ情報取得段階と、
上記1以上のログ情報に基づいて、上記通信環境の位置に関する統計情報を生成する統計情報生成段階と、
を備える方法。