JP5850251B2 - 温度センサの異常判別装置および異常判別方法、電力変換装置 - Google Patents

温度センサの異常判別装置および異常判別方法、電力変換装置 Download PDF

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Description

本発明は、温度センサと異常判別部とを有する温度センサの異常判別装置と、温度センサの異常判別方法と、異常判別装置を有する電力変換装置とに関する。
従来では、温度センサが特定の検出温度を示すが温度上昇を正常に検出しない場合にはセンサ異常と判別し得る車両用温度センサの異常判別装置に関する技術の一例が開示されている(例えば特許文献1を参照)。
このような異常判別装置においては、車両用温度センサによって検出された温度が異常判定領域とされた温度領域に連続して含まれる経過時間を計測する。そして、この検出された温度が異常判定領域に含まれる経過時間が所定時間に達した場合に車両用温度センサの異常と判別する。
特開平10−111182号公報
ところで、温度センサの一例としてサーミスタが知られており、サーミスタは検出対象物(特許文献1では油温)の温度変化に伴って電気的な抵抗値が変化する素子(抵抗体)である。このサーミスタを用いて電力変換装置に備える検出対象物の温度を検出する際、サーミスタの故障(例えば断線や短絡等)に伴う異常を判別するには以下の課題がある。
すなわち、サーミスタ特性(種類や個体差等を含む)によっては、電力変換装置が正常作動する場合でも検出温度が上記一定の範囲近傍まであり、かつ、これが電気信号である性格上、外乱ノイズなどの影響を受け正常と異常の境界に跨って変化する場合がある。安定した判別結果を得るためには検出温度を平均化したり、異常を確定するまでの継続時間を長く設定したりするなどして判別結果の信頼性を向上させる必要がある。このように、異常判定を的確に行うには時間を要する。その一方で、サーミスタの致命的な故障に伴う異常に対してできるだけ早期に異常を判別したいという技術的要求が存在するため、時間を要する異常判定では、その技術的要求は満たされない。
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、異常と判別するまでの期間を短縮できる温度センサの異常判別装置および異常判別方法、電力変換装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、電力変換装置に備える検出対象物の温度を検出する温度センサと、前記温度センサの検出値、閾値並びに前記検出値が閾値に達している時間である継続時間を用いて前記温度センサに異常が発生しているか否かを判別する異常判別部とを有する温度センサの異常判別装置において、前記電力変換装置の作動状態の有無および前記電力変換装置から出力される出力値の少なくとも一方に基づいて、前記温度センサの異常判別の基準となる前記閾値と、前記継続時間との少なくとも一方を可変して設定する条件設定部を有し、前記異常判別部は、前記条件設定部によって設定された前記閾値と前記継続時間とに基づいて、前記温度センサに異常が発生しているか否かを判別することを特徴とする。
この構成によれば、第1閾値および第1継続時間の各数量は、前記電力変換装置の作動状態の有無および前記電力変換装置から出力される出力値の少なくとも一方に基づいて条件設定部によって設定される。こうして設定される閾値および継続時間に基づいて、異常判別部は温度センサに異常が発生しているか否かを判別する。電力変換装置の作動状態の有無や出力値は、電力変換装置に備えられる検出対象物の温度と相関を有し得る。そのため、この相関関係を利用し電力変換装置の作動状態の有無や出力値によって異常を判定する閾値を緩く(低くまたは高く)したり継続時間を短くすることが可能となるため、異常と判別するまでの期間を短縮することができる。
なお「検出対象物」は、電力変換装置の構成要素であれば任意である。例えば、半導体素子(スイッチング素子を含む)、トランス、ダイオード、ケース等が該当する。「温度センサ」は検出対象物の温度を検出可能であれば任意であり、例えばサーミスタ等が該当する。「異常」には、断線や短絡等の故障を含む。
請求項2に記載の発明は、前記温度センサは、検出値が大きくなると低温を示す特性を有し、前記異常判別部は、前記検出値が前記閾値よりも大きい低温値を示しているときに断線異常が発生していると判別することを特徴とする。この構成によれば、低温側に断線異常の閾値を有する異常判別装置に好適に適用することができる。
請求項3に記載の発明は、前記継続時間は、第1継続時間と前記第1継続時間よりも短い第2継続時間を備え、前記条件設定部は、前記電力変換装置が作動している場合には前記第2継続時間を設定し、前記電力変換装置が作動していない場合には前記第1継続時間を設定することを特徴とする。この構成によれば、作動中の場合は、作動していない場合と比較して電力変換装置の温度が高いと想定できるため、低温を示す基準値に達しているならば異常である可能性は高く、継続時間を短くしても適切に異常判別が可能となり、早期検出が実現できる。
請求項4に記載の発明は、前記継続時間は、第2継続時間と前記第2継続時間よりも短い第3継続時間を備え、前記条件設定部は、前記出力値が第1基準値よりも高い場合には前記第3継続時間を設定し、前記出力値が前記第1基準値以下の低い場合には前記第2継続時間を設定することを特徴とする。この構成によれば、出力値が高い場合には、電力変換装置の温度が高いと想定できるため、低温を示す基準値に達しているならば異常である可能性は高く、継続時間を短くしても適切に異常判別が可能となり、早期検出が実現できる。
請求項5に記載の発明は、前記継続時間は、第3継続時間と前記第3継続時間よりも短い第4継続時間を備え、前記条件設定部は、前記出力値が第2基準値よりも高い場合には前記第4継続時間を設定し、前記出力値が前記第2基準値以下の場合には前記第3継続時間を設定することを特徴とする。この構成によれば、出力値が高い場合には、電力変換装置の温度が高いと想定できるため、低温側に設定された閾値に達しているならば異常である可能性は高く、継続時間を短くしても適切に異常判別が可能となり、早期検出が実現できる。
請求項6に記載の発明は、前記第1継続時間から前記第4継続時間までのうち、前記第1継続時間が一番長く、前記第4継続時間が一番短くなるように設定されていることを特徴とする。この構成によれば、低温を示す基準値に達したり、低温側に設定された閾値に達したりするならば異常である可能性は高く、継続時間を短くしても適切に異常判別が可能となり、早期検出が実現できる。
請求項7に記載の発明は、前記閾値は、第1閾値と前記第1閾値よりも前記温度センサの検出領域の高温側になるような第2閾値を備え、前記条件設定部は、前記電力変換装置が作動している場合には前記第2閾値を設定し、前記電力変換装置が作動していない場合には前記第1閾値を設定することを特徴とする。この構成によれば、作動中の場合は、作動していない場合と比較して電力変換装置の温度が高いと想定できるため、低温側に設定された閾値に達しているならば異常である可能性は高く、閾値を低くしても適切に異常判別が可能となり、早期検出が実現できる。
請求項8に記載の発明は、前記閾値は、第2閾値と前記第2閾値よりも前記温度センサの検出領域の高温側になるような第3閾値を備え、前記条件設定部は、前記出力値が前記第1基準値よりも高い場合には前記第3閾値を設定し、前記出力値が前記第1基準値以下の場合には前記第2閾値を設定することを特徴とする。この構成によれば、出力値が高い場合は、電力変換装置の温度が高いと想定できるため、低温側に設定された閾値に達しているならば異常である可能性は高く、継続時間を短くしても適切に異常判別が可能となり、早期検出が実現できる。
請求項9に記載の発明は、前記閾値は、第3閾値と前記第3閾値よりも前記温度センサの検出領域の高温側になるような第4閾値を備え、前記条件設定部は、前記出力値が第2基準値よりも高い場合には前記第4閾値を設定し、前記出力値が前記第2基準値以下の場合には前記第3閾値を設定することを特徴とする。この構成によれば、出力値が高い場合には、電力変換装置の温度が高いと想定できるため、低温側に設定された閾値に達しているならば異常である可能性は高く、継続時間を短くしても適切に異常判別が可能となり、早期検出が実現できる。
請求項10に記載の発明は、前記第1閾値から前記第4閾値までのうち、前記第1閾値が最も低温側になるように設定され、前記第4閾値が最も高温側になるように設定されていることを特徴とする。この構成によれば、低温を示す基準値に達したり、低温側に設定された閾値に達したりするならば異常である可能性は高く、閾値を低くしても適切に異常判別が可能となり、早期検出が実現できる。
請求項11に記載の発明は、請求項1から10のいずれか一項に記載の温度センサの異常判別装置と、スイッチングを行うスイッチング素子を含む電力変換部とを有し、前記温度センサは、前記スイッチング素子の温度上昇及び下降に合わせて温度上昇及び下降可能な位置に配置されていることを特徴とする。この構成によれば、スイッチング素子は、電力変換装置の作動状態の有無および電力変換装置から出力される出力値に併せて温度が上昇及び下降する構成部品であるため、上記した配置にすることで、請求項1に記載の効果を好適に得られる。
請求項12に記載の発明は、電力変換装置に備える検出対象物の温度を検出する温度センサと、前記温度センサの検出値、閾値並びに前記検出値が閾値に達している時間である継続時間を用いて前記温度センサに異常が発生しているか否かを判別する異常判別部とを有する温度センサの異常判別方法において、前記電力変換装置の作動状態の有無および前記電力変換装置から出力される出力値の少なくとも一方に基づいて、前記温度センサの異常判別の基準となる前記閾値と、前記継続時間との少なくとも一方を可変して設定する条件設定工程と、前記条件設定工程によって設定された前記閾値と前記継続時間とに基づいて、前記温度センサに異常が発生しているか否かを判別する異常判別工程とを有することを特徴とする。
この構成によれば、閾値および継続時間の各数量は、前記電力変換装置の作動状態の有無および前記電力変換装置から出力される出力値の少なくとも一方に基づいて条件設定工程によって設定される。こうして設定される閾値および継続時間に基づいて、異常判別工程では温度センサに異常が発生しているか否かを判別する。電力変換装置の作動状態の有無や出力値は、電力変換装置に備えられる検出対象物の温度と相関を有し得る。そのため、この相関関係を利用し電力変換装置の作動状態の有無や出力値によって異常を判定する閾値を低くしたり継続時間を短くすることが可能となるため、異常と判別するまでの期間を短縮することができる。
電力変換装置の構成例を示す模式図である。 異常判別処理の手続き例を示すフローチャートである。 検出値(温度)等の経時的な変化を示すタイムチャートである。 サーミスタの特性例を示すグラフ図である。 第2実施形態の異常判別処理の手続き例を示すフローチャートである。 第2実施形態の検出値(温度)等の経時的な変化を示すタイムチャートである。
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、特に明示しない限り、「接続する」という場合には電気的に接続することを意味する。各図は、本発明を説明するために必要な要素を図示し、実際の全要素を図示しているとは限らない。上下左右等の方向を言う場合には、図面の記載を基準とする。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態は、図1〜図3を参照しながら説明する。図1に示す電力変換装置10は、コンバータ11、二点鎖線で示すインバータ12、二点鎖線で示すコンデンサC1,C2、異常判別装置13、サーミスタThなどを有する。異常判別装置13は「温度センサの異常判別装置」に相当し、サーミスタThは「温度センサ」に相当する。第1実施形態では、抵抗値ΔRと温度ΔTとの関係を示す式「ΔR=kΔT」における係数kが負値となるサーミスタThを用いる。電力源Eは、例えば燃料電池や充放電可能なバッテリ等が該当する。
コンバータ11は、いわゆる「DC−DCコンバータ」であり、「電力変換部」に相当する。このコンバータ11は、電力源Eから供給される直流入力電圧Vinを出力電圧Vout(目的値に相当する;Vout≠Vin)に変換する機能を担う。一般的には出力電圧Voutはほぼ目的値の電圧で維持されるので、出力側の負荷状況などによって、出力電流(後述する出力電流Iout)が変化する。当該コンバータ11には周知のものを適用できるので、具体的な構成例にかかる図示や説明を省略する。
本形態では、上記コンバータ11に含まれるスイッチング素子Q(半導体素子)の温度を検出するために、サーミスタThを備える。サーミスタThの数は任意である。複数のスイッチング素子Qを有するコンバータ11については、いずれか一または二のスイッチング素子Qに対応して備えてもよく、全てのスイッチング素子Qごとに対応して備えてもよい。スイッチング素子Qに対するサーミスタThの配置形態は、接触/非接触や内蔵/非内蔵などを問わない。要するに、スイッチング素子Qの温度を検出可能に備えていればよい。なおコンバータ11の構成によっては、二点鎖線で示すように、還流用のダイオードDをスイッチング素子Qに並列接続する。
コンデンサC1はコンバータ11の入力側に接続され、コンデンサC2はコンバータ11の出力側に接続される。いずれのコンデンサも電圧変動(脈流)を平滑化して直流電圧値を安定させる機能を担う。これらのコンデンサC1,C2のうちで一方または双方を電力変換装置10に備えるか否かは任意である。図示するように接続する形態のほか、対応する容量のコンデンサをコンバータ11内やインバータ12内に内蔵してもよい。コンデンサに代えて(あるいは併用して)、キャパシタを用いてもよい。
インバータ12は「電力変換部」に相当し、電力変換装置10に備えるか否かは任意である。このインバータ12は、コンバータ11から供給される出力電圧Vout(入力電力)を入力し、出力機器20に供給する出力電力Poutに変換する機能を担う。出力電力Poutに代えて、出力電圧を適用してもよく、出力電流を適用してもよい。言い換えれば、出力電力Pout、出力電圧、出力電流のうちで一以上が目的値となるように変換制御を行う。このインバータ12は周知のものを適用できるので、具体的な構成例にかかる図示や説明を省略する。
異常判別装置13は、条件設定部13aや異常判別部13bなどを有する。この異常判別装置13は、条件設定部13aや異常判別部13bなどの各機能を実現できれば、ソフトウェアで構成してもよく、ハードウェアで構成してもよい。条件設定部13aは、サーミスタThの異常判別の基準となる閾値(V1〜V4)と、継続時間(T1〜T4)との少なくとも一方を可変して設定する機能を担う。本形態では、閾値V1は「第1閾値」に相当し、閾値V2は「第2閾値」に相当し、閾値V3は「第3閾値」に相当し、閾値V4は「第4閾値」に相当する。同様に、継続時間T1は「第1継続時間」に相当し、継続時間T2は「第2継続時間」に相当し、継続時間T3は「第3継続時間」に相当し、継続時間T4は「第4継続時間」に相当する。
具体的には、電力変換装置10(本形態ではコンバータ11)が作動中において、出力電流Ioutに応じて第2〜第4閾値と第2〜第4継続時間のいずれかを設定する。これに対して電力変換装置が作動していない場合には、第1閾値と第1継続時間を設定する。
条件設定部13aによる設定は、異常判別装置13内に備える記録媒体に対して行う。記録媒体は、閾値(V1〜V4)や継続時間(T1〜T4)等を記録可能な任意の媒体を適用することができる。例えば、RAM等のメモリ、フラッシュメモリ(SSDを含む)、ハードディスク、光ディスク(光磁気ディスク等を含む)、フレキシブルディスクなどのうちで一以上が該当する。
異常判別部13bは、サーミスタThに異常(すなわち断線や短絡等)が発生しているか否かを判別する機能を担う。図4に示すように、サーミスタThが短絡すると、検出温度に相当する検出値Vthが0[V]になり実使用温度範囲外を示すので、容易に判別できる。実使用温度範囲外は、検出値VthがVLよりも小さい短絡域や、閾値V4よりも大きい断線域が該当する。一方、サーミスタThが断線した場合にはその特性によって判別が困難であるので、当該判別を確実に行う論理構成とする。具体的には、条件設定部13aによって設定された閾値と継続時間とに基づいて、サーミスタThで検出される検出値Vthが閾値に達しているか否か、閾値到達期間Ty(閾値に達している期間)が継続時間以上で継続するか否かによって判別する。また、サーミスタThの「異常」には、断線や短絡に近い状態を含む。
サーミスタThは検出値と温度との関係で図4に示すような特性を示す。具体的には、検出値が高い程低温を示し、検出値が低くなるに従い高温を示す。
また、電力変換装置10の出力電流IoutとサーミスタThが示す温度との間には、以下の関係が想定できる。つまり、電力変換装置10の出力電流Ioutが大きくなればなるほど、スイッチング素子Qなどで発生する損失による熱も大きくなると想定できる。そのため、出力電流が高い場合には、電力変換装置10のスイッチング素子Qの周辺でサーミスタThが検出する温度が高いと想定できる。
本実施形態では、サーミスタThは、断線時に所定の高電圧が印加されるようにプルアップされている。断線を判定する閾値は、サーミスタThの検出値の低温側(高電圧側)に設定されており、これが、実使用温度範囲と重複する範囲があるため、電力変換装置10の出力電流Ioutが小さいときは、検出値が高いとしても、その検出された高電圧値が低温を示すものか又は断線異常を示すものかは判断がし難い。そのため、確実に低温ではないことが判定できる閾値、及び低温を示していないことを確実にするための閾値超えの判定時間の少なくとも1つが必要となる。その一方で、電力変換装置10の出力電流Ioutが大きくなれば、サーミスタThが検出する温度が高いと想定できるため、検出値が低温を示すことはあり得ない。そのため、低温側(高電圧側)に設定された閾値に達しているならば断線異常である可能性は高く、閾値を下げたり、継続時間を短くして異常と判断しても、誤判断することはない。したがって、出力電流の上昇に伴い、閾値を下げたり、継続時間を短くすることで、断線の早期検出が実現可能となる。
以下、上述のように構成された電力変換装置10において、異常判別装置13で実行される具体的な異常判別処理の手続き例について図2のフローチャートを参照しながら説明する。図2に示すステップS10〜S12およびステップS20〜S23は、条件設定部13aおよび条件設定工程に相当する。同じくステップS30〜S34は、異常判別部13bおよび異常判別工程に相当する。
本形態では、図2に示す「低出力」には、第1基準電流Is1(第1基準値に相当する)以下の電流(すなわちIout≦Is1)を適用する。「中出力」は、第1基準電流Is1を越えかつ第2基準電流Is2(第2基準値に相当する)以下の電流(すなわちIs1<Iout≦Is2)を適用する。これらの第1基準電流Is1および第2基準電流Is2や、設定閾値Vxおよび設定継続時間Txにかかる具体的な数量は個々に任意に設定できる。設定閾値Vxは、閾値V1,V2,V3,V4(ただしV1>V2>V3>V4とする)のいずれかが該当する。設定継続時間Txは、継続時間T1,T2,T3,T4(ただしT1>T2>T3>T4とする)のいずれかが該当する。現実には、コンバータ11の構成やサーミスタThの特性等に応じて適切な数値をそれぞれ設定する。閾値到達期間Tyは、出力電流Ioutが設定閾値Vxに継続して達する期間(時間)である。この閾値到達期間Tyは、電源投入時やリセット時等において予め初期化(Ty=0)されるものでも良いし、電源投入時の温度などによって一定の値を設定するのでもよい。
図2に示す異常判別処理は繰り返し実行される。まずコンバータ11が作動(電力変換)中か否かを判別する〔ステップS10〕。もしコンバータ11が変換中でなければ(NO)、閾値V1および継続時間T1をそれぞれ設定し〔ステップS20〕、後述するステップS30に進む。
コンバータ11が作動中であれば、出力電流Ioutが低出力であるか否かを判別する〔ステップS11〕。もし出力電流Ioutが低出力であれば(Iout≦Is1;YES)、閾値V1よりも小さい閾値V2(V2<V1)および継続時間T1よりも短い継続時間T2(T2<T1)をそれぞれ設定し〔ステップS21〕、後述するステップS30に進む。
出力電流Ioutが低出力でなければ(Iout>Is1;ステップS11でNO)、出力電流Ioutが中出力であるか否かを判別する〔ステップS12〕。もし出力電流Ioutが中出力であれば(Is1<Iout≦Is2;YES)、閾値V2よりも小さい閾値V3(V3<V2)および継続時間T2よりも短い継続時間T3(T3<T2)をそれぞれ設定し〔ステップS22〕、後述するステップS30に進む。これに対して、出力電流Ioutが高出力であれば(Is2<Iout)、閾値V3よりも小さい閾値V4(V4<V3)および継続時間T3よりも短い継続時間T4(T4<T3)をそれぞれ設定し〔ステップS23〕、後述するステップS30に進む。
ステップS30では、サーミスタThに異常が発生しているか否かを判別する。具体的には、閾値到達期間Tyが設定継続時間Tx(T1,T2,T3又はT4)以上で継続しているか否かで判別する。もし閾値到達期間Tyが設定継続時間Tx以上で継続する場合には(Ty≧Tx;YES)、サーミスタThの異常を報知し〔ステップS32〕、リターン(終了を含む。以下同様である。)する。
閾値到達期間Tyが設定継続時間Txに達していない場合には(Ty<Tx;NO)、検出値Vthが設定閾値Vx(V1,V2,V3又はV4)に達しているか否かを判別する〔ステップS31〕。本形態ではサーミスタThの断線故障を異常発生とするので、検出値Vthが設定閾値Vx以上(Vth≧Vx)になったか否かで判別する。もし検出値Vthが設定閾値Vx以上であれば(YES)、閾値到達期間Tyを増やして〔ステップS33〕、リターンする。ステップS33における閾値到達期間Tyの増加値は任意である。例えば異常判別処理の繰り返し期間や、所定値(所定の時間に相当する)などが該当する。
一方、検出値Vthが設定閾値Vxを下回っていれば(ステップS31でNO)、サーミスタThは正常に機能しているので、そのままリターンする。なお必要に応じて、二点鎖線で示すように、閾値到達期間Tyを初期化(Ty=0)してから〔ステップS34〕、リターンしてもよい。例えば閾値到達期間Tyが短く、かつ、検出値Vthが設定閾値Vxを超える場合は、検出値Vthを誤検出した可能性があるためである。
上述のように構成された電力変換装置10において、サーミスタThの異常を判別する例について図3を参照しながら説明する。図3では、横軸を時間とし、縦軸に出力電圧Voutおよび異常判別部13bにかかる経時的変化を示す。二点鎖線で示す検出特性線Lxは、実際の温度変化を示す。閾値特性線Lthは設定閾値Vxの経時的変化を示す。検出特性線Lx,Lr3,Lr4および閾値特性線Lthの各変化は、あくまで説明の都合により示す一例に過ぎない。
図3に実線で示す検出特性線Lr4は、出力電流Ioutが高出力のときに検出値Vthが閾値V4以上となる期間が継続時間T4に達する例である。以下では、検出特性線Lr4の変化に基づく制御例を説明する。
時刻t0から時刻t1までは、電力変換装置10が作動していない期間とする(図2のステップS10でNO)。当該期間中は閾値V1および継続時間T1がそれぞれ設定される(図2のステップS20)。この設定に対して、検出値Vthが閾値V1を下回っているので、サーミスタThは正常である。よって、異常判別部13bは異常と判別しない(図2のステップS30でNO)。
時刻t1から時刻t2までは出力電流Ioutが低出力になり(図2のステップS11でYES)、当該期間中は閾値V2および継続時間T2がそれぞれ設定される(図2のステップS21)。この設定に対して、検出値Vthが閾値V2を下回っているので、サーミスタThは正常である。よって、異常判別部13bは異常と判別しない(図2のステップS30でNO)。
時刻t2から時刻t5までは出力電流Ioutが中出力になり(図2のステップS12でYES)、当該期間中は閾値V3および継続時間T3がそれぞれ設定される(図2のステップS21)。この設定に対して、検出値Vthが閾値V3を下回っているので、サーミスタThは正常である。よって、異常判別部13bは異常と判別しない(図2のステップS30でNO)。
時刻t5以降は出力電流Ioutが高出力になり(図2のステップS12でNO)、当該期間中は閾値V4および継続時間T4がそれぞれ設定される(図2のステップS21)。この設定に対して、時刻t5から検出値Vthが閾値V4以上になって閾値到達期間Tyが増え(図2のステップS33)、時刻t6には閾値到達期間Tyが設定継続時間Tx(すなわち継続時間T4)に達する。よって、サーミスタThに異常が発生したと判別して報知する(図2のステップS30でYES、ステップS32)。
このように、出力電流Ioutに基づいて可変された閾値V4と継続時間T4を用いることで、時刻t5から継続時間T4を経過する時刻t6にはサーミスタThの異常判断が可能となる。比較例として、閾値V1と継続時間T1を出力電流Ioutで可変しなかった場合を想定する。図3の例では、検出値Vthが閾値V1を超え、時刻t7から継続時間T1を経過するのは時刻t8(>t6)となり、出力電流Ioutに基づいて可変された閾値V4と継続時間T4を用いることで、早期に異常判断が可能となったことが分かる。
また、図3に一点鎖線で示す検出特性線Lr3は、中出力の出力電流Ioutに基づいて可変される閾値V3と継続時間T3を用いることで、検出値Vthが閾値V3以上となる期間が継続時間T3に達する例である。この例でも、時刻t4(<t8)にはサーミスタThの異常判断が可能となる。上述した検出特性線Lr4の場合と同様に、早期に異常判断が可能となったことが分かる。図示しないが、低出力の出力電流Ioutに基づいて可変される閾値V3と継続時間T3を用いて、検出値Vthが閾値V2以上となる期間が継続時間T2に達する例についても、同様に早期に異常判断が可能となる。
上述した第1実施形態によれば、以下に示す各効果を得ることができる。
(1)サーミスタTh(温度センサ)の異常判別装置13において、電力変換装置10の作動状態の有無および電力変換装置10から出力される出力電流Iout(出力値)の少なくとも一方に基づいて、サーミスタThの異常判別の基準となる閾値V1〜V4と、継続時間T1〜T4との少なくとも一方を可変して設定する条件設定部13aを有し、異常判別部13bは、条件設定部13aによって設定された閾値V1〜V4と継続時間T1〜T4とに基づいて、サーミスタThに異常が発生しているか否かを判別する構成とした(図1〜図3を参照)。この構成によれば、電力変換装置10の作動状態の有無や出力電流Ioutによって異常を判定する閾値を緩くしたり継続時間を短くすることが可能となるため、異常と判別するまでの期間を短縮することができる。「閾値を緩く」するのは、例えば係数k(正か負か)に応じて閾値を低くしたり高くしたりする。
(2)サーミスタThは、検出値Vthが大きくなると低温を示す特性を有し(図4を参照)、異常判別部13bは、検出値Vthが閾値V1〜V4よりも大きい低温値を示しているときに異常が発生していると判別する構成とした(図2を参照)。この構成によれば、低温側に閾値V1〜V4を有する異常判別装置13に好適に適用することができる。
(3)継続時間T1(第1継続時間)と継続時間T1よりも短い継続時間T2(第2継続時間)を備え、条件設定部13aは、電力変換装置10が作動している場合には継続時間T2を設定し、電力変換装置10が作動していない(停止している)場合には継続時間T1を設定する構成とした(図2,図3を参照)。この構成によれば、作動中の場合は、作動していない場合と比較して電力変換装置10の温度が高いと想定できるため、低温を示す基準値に達しているならば異常である可能性は高く、継続時間を短くしても適切に異常判別が可能となり、早期検出が実現できる。
(4)継続時間T2(第2継続時間)と継続時間T2よりも短い継続時間T3(第3継続時間)を備え、条件設定部13aは、出力電流Ioutが第1基準電流Is1(第1基準値)よりも高い場合には継続時間T3を設定し、出力電流Ioutが第1基準電流Is1以下の場合には継続時間T2を設定する構成とした(図2,図3を参照)。この構成によれば、出力電流Iout(出力値)が高い場合には、電力変換装置10の温度が高いと想定できるため、低温を示す基準値に達しているならば異常である可能性は高く、継続時間を短くしても適切に異常判別が可能となり、早期検出が実現できる。
(5)継続時間T3(第3継続時間)と継続時間T3よりも短い継続時間T4(第4継続時間)を備え、条件設定部13aは、出力電流Ioutが第2基準電流Is2(第2基準値)よりも高い場合には継続時間T4を設定し、出力電流Ioutが第2基準電流Is2以下の場合には継続時間T3を設定する構成とした(図2,図3を参照)。この構成によれば、出力電流Iout(出力値)が高い場合には、電力変換装置10の温度が高いと想定できるため、低温を示す基準値に達しているならば異常である可能性は高く、継続時間を短くしても適切に異常判別が可能となり、早期検出が実現できる。
(6)継続時間T1〜T4までのうち、継続時間T1(第1継続時間)が一番長く、継続時間T4(第4継続時間)が一番短くなるように設定されている構成とした(図2,図3を参照)。この構成によれば、低温を示す基準値に達したり、低温側に設定された閾値に達したりするならば異常である可能性は高く、継続時間を短くしても適切に異常判別が可能となり、早期検出が実現できる。
(7)閾値V1(第1閾値)と閾値V1よりもサーミスタhの検出領域の高温側になる閾値V2(第2閾値)を備え、条件設定部13aは、電力変換装置10が作動している場合には閾値V2を設定し、電力変換装置10が作動していない(停止している)場合には閾値V1を設定する構成とした(図2,図3を参照)。この構成によれば、作動中の場合は、作動していない場合と比較して電力変換装置10の温度が高いと想定できるため、低温を示す基準値に達しているならば異常である可能性は高く、継続時間を短くしても適切に異常判別が可能となり、早期検出が実現できる。
(8)閾値V2(第2閾値)と閾値V2よりもサーミスタhの検出領域の高温側になる閾値V3(第3閾値)を備え、条件設定部13aは、出力電流Ioutが第1基準電流Is1(第1基準値)よりも高い場合には閾値V3を設定し、出力電流Ioutが第1基準電流Is1以下の場合には閾値V2を設定する構成とした(図2,図3を参照)。この構成によれば、出力電流Ioutが高い場合には、電力変換装置10の温度が高いと想定できるため、低温を示す基準値に達しているならば異常である可能性は高く、閾値を低くしても適切に異常判別が可能となり、早期検出が実現できる。
(9)閾値V3(第3閾値)と閾値V3よりもサーミスタhの検出領域の高温側になる閾値V4(第4閾値)を備え、条件設定部13aは、出力電流Ioutが第2基準電流Is2(第2基準値)よりも高い場合には閾値V4を設定し、出力電流Ioutが第2基準電流Is2以下の場合には閾値V3を設定する構成とした(図2,図3を参照)。この構成によれば、出力電流Iout(出力値)が高い場合には、電力変換装置10の温度が高いと想定できるため、低温側に設定された閾値に達しているならば異常である可能性は高く、継続時間を短くしても適切に異常判別が可能となり、早期検出が実現できる。
(10)閾値V1〜V4までのうち、閾値V1(第1閾値)が最も低温側になるように設定され、閾値V4(第4閾値)が最も高温側になるように設定されている構成とした(図2,図3を参照)。この構成によれば、低温を示す基準値に達したり、低温側に設定された閾値に達したりするならば異常である可能性は高く、閾値を低くしても適切に異常判別が可能となり、早期検出が実現できる。
(11)サーミスタThの異常判別装置13と、スイッチングを行うスイッチング素子Qを含むコンバータ11(電力変換部)とを有し、サーミスタThはスイッチング素子Qの温度上昇及び下降に合わせて温度上昇及び下降可能な位置に配置されている構成とした(図1を参照)。この構成によれば、スイッチング素子Qは、電力変換装置10の作動状態の有無および電力変換装置10から出力される出力電流Ioutに合わせて温度が上昇及び下降する構成部品である。よって、電力変換装置10の作動状態の有無や出力電流Ioutによって異常を判定する閾値を低くしたり継続時間を短くすることが可能となるため、異常と判別するまでの期間を短縮することができる。
(12)電力変換装置10に備える検出対象物の温度を検出するサーミスタThと、サーミスタThの検出値Vth、閾値V1〜V4並びに検出値Vthが閾値V1〜V4に達している時間である継続時間T1〜T4を用いてサーミスタThに異常が発生しているか否かを判別する異常判別部13bとを有するサーミスタThの異常判別方法において、電力変換装置10の作動状態の有無および電力変換装置10から出力される出力電流Ioutの少なくとも一方に基づいて、サーミスタThの異常判別の基準となる閾値V1〜V4(閾値)と、継続時間T1〜T4(継続時間)との少なくとも一方を可変して設定する条件設定工程と、条件設定工程によって設定された閾値V1〜V4と継続時間T1〜T4とに基づいて、サーミスタThに異常が発生しているか否かを判別する異常判別工程とを有する構成とした(図1,図3を参照)。この構成によれば、電力変換装置10の作動状態の有無や出力電流Ioutによって異常を判定する閾値を低くしたり継続時間を短くすることが可能となるため、異常と判別するまでの期間を短縮することができる。
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について、図5と図6を参照しながら説明する。第2実施形態が第1実施形態と異なるのは、出力電流の差異によって、閾値は変更せず、継続時間のみを変更している点である。よって第1実施形態と相違する点を説明し、その他については第1実施形態と同様の構成であるので説明を省略する。
上述したように、断線を判定する閾値は、サーミスタThによって検出される検出値Vthの低温側(高電圧側)に設定される。電力変換装置10の出力電流Ioutが小さく、発熱が少ないときは、検出値Vthが高いとしても、その検出された高電圧値が低温を示すものか又は断線異常を示すものかは判断がし難い。このとき、断線か否かを判定する閾値が電力変換装置10の出力電流Ioutによって同じであったとしても、電力変換装置10の出力電流Ioutが大きくなれば、サーミスタThが検出する温度が高いと想定できるため、検出値Vthが低温を示すことはあり得ない。そのため、低温側(高電圧側)に設定された閾値に達しているならば断線異常である可能性は高く、閾値到達の継続時間のみを短くして異常と判断しても、誤判断することはない。したがって、出力電流Ioutの上昇に伴い、継続時間を短くすることで、断線の早期検出が実現可能となる。
図5に具体的な異常判別処理を示す。まずコンバータ11が作動(電力変換)中か否かを判別する〔ステップS10〕。もしコンバータ11が作動中でなければ(NO)、継続時間T1を設定し〔ステップS20〕、ステップS30に進む。ステップS30については、第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
コンバータ11が変換中であれば、出力電流Ioutが低出力(すなわちIout≦Is1)であるか否かを判別する〔ステップS11〕。もし出力電流Ioutが低出力であれば(YES)、継続時間T1よりも短い継続時間T2(T2<T1)を設定し〔ステップS21〕、ステップS30に進む。
出力電流Ioutが低出力でなければ(Iout>Is1;ステップS11でNO)、継続時間T2よりも短い継続時間T3(T3<T2)を設定し〔ステップS22〕、ステップS30に進む。
このように、出力電流Ioutによって可変設定される継続時間T1〜T3を用いることで、図6に示すように、継続時間T1ならば時刻t13までかかる異常判断が、継続時間T2に設定されていれば時刻t12(<t13)で可能となり、継続時間T3に設定されていれば時刻t11(<t12)で可能となり、早期に異常判断が可能となったことが分かる。このようにしても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための形態について第1実施形態と第2実施形態に従って説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
上述した第1実施形態と第2実施形態では、抵抗値ΔRと温度ΔTとの関係を示す式「ΔR=kΔT」における係数kが負値となるサーミスタThを「温度センサ」として適用した(図3を参照)。この形態に代えて、係数kが正値となるサーミスタThを適用してもよい。また、温度センサとしてサーミスタThを除く他の検出素子を適用しても同様である。
上述した第1実施形態と第2実施形態では、サーミスタThが温度を検出する「検出対象物」として、コンバータ11に備えるスイッチング素子Qを適用した(図1を参照)。この形態に代えて(あるいは併用して)、当該スイッチング素子Qを除く他のスイッチング素子や、スイッチング素子を除く半導体素子(例えばLSI等の集積回路やダイオードなどを含む)、トランス、ケース(筐体)のうちで一以上に適用してもよい。言い換えれば、電力変換装置10の構成要素であれば任意である。いずれの検出対象物にせよ、図2や図3のように処理される。よって、上述した第1実施形態と第2実施形態と同様の作用効果が得られる。
上述した第1実施形態と第2実施形態では、条件設定部13aは、コンバータ11から出力される出力電流Ioutに基づいて閾値や継続時間を設定する構成とした(図2のステップS10〜S12を参照)。この形態に代えて(あるいは併用して)、コンバータ11から出力される出力電力(電力値に相当する)または出力電圧の一以上に基づいて閾値や継続時間を設定する構成としてもよい。この場合、閾値や継続時間を設定する基準値は、基準電力値、基準電圧値のうちで一以上を適用する。基準値は、一つでもよく、複数でもよい。言い換えれば、コンバータ11の構成(例えばスイッチング素子Qの種類や出力電圧Vout等)や、サーミスタThの種類や特性等に応じて適切な数量を設定する。
さらにコンバータ11の効率ηを判断要素として追加して、閾値や継続時間を設定する構成としてもよい。すなわち、ステップS11では低電力,低電圧であるか否かを判別し(Vout≦V1、Pout≦P1)、ステップS12では中電力,中電圧であるか否かを判別する(V1<Vout≦V2、P1<Pout≦P2)。
直流電流以外の電力値を適用する場合には、図1に示す出力電流Ioutを出力電力Poutや出力電圧Voutに読み替えればよい。効率ηを適用する場合には、図1に示すコンバータ11の出力電力Poutと入力電力値Pinとの比率(すなわちη=Pout/Pin)を不等号の関係が逆になる構成で適用すればよい。これらの場合、読み替えた電力値または効率ηで図2のステップS10,S31の判別を行う。いずれの構成にせよ、コンバータ11の状態に見合う数量に基づいて異常判別を行うので、異常判別の精度が向上し、異常と判別するまでの期間を短縮できる。よって、上述した第1実施形態と第2実施形態と同様の作用効果が得られる。
上述した第1実施形態と第2実施形態では、「電力変換装置」としてコンバータ11のみを適用した(図1の実線を参照)。この形態に代えて(あるいは併用して)、インバータ12のみを適用してもよく(図1の二点鎖線を参照)、コンバータ11およびインバータ12の双方を適用してもよい。出力機器20に応じて電力変換装置10をどのように構成するかは任意である。インバータ12は、コンバータ11と同様にスイッチング素子QやダイオードDなどを有する、よって、インバータ12の状態に見合う数量に基づいて異常判別を行うので、異常判別の精度が向上し、異常と判別するまでの期間を短縮できる。よって、上述した第1実施形態と第2実施形態と同様の作用効果が得られる。
上述した第1実施形態と第2実施形態では、「第1基準値」として第1基準電圧Vs1を適用し、「第2基準値」として第2基準電圧Vs2を適用した(図2のステップS11,S12を参照)。この形態に代えて、三以上で任意数の基準値(基準電圧)を適用してもよい。言い換えれば、サーミスタThの特性に応じた最適な基準値の数を適用する。この適用により、異常判別の精度がさらに向上し、異常と判別するまでの期間をさらに短縮できる。基準電圧に代えて、基準電力や基準電流を適用する場合も同様である。よって、上述した第1実施形態と第2実施形態と同様の作用効果が得られる。
上述した第1実施形態と第2実施形態では、コンバータ11が作動(電力変換)中か否かを判別し、コンバータ11が作動(電力変換)中か否かで閾値と継続時間、または継続時間を可変して設定したが、コンバータ11が作動(電力変換)中か否かで閾値と継続時間、または継続時間を可変することなく、閾値及び継続時間の少なくとも一方を同じ値を使用してもよい。この場合、コンバータ11が作動中であり且つ出力電流Ioutが出力電流(出力値)により、閾値及び継続時間の少なくとも一方が変更されることになる。
また、コンバータ11が作動中のときは閾値や継続時間を可変することなく、コンバータ11が作動(電力変換)中か否かのみに基づいて閾値及び継続時間の少なくとも一方を変更してもよい。
10 電力変換装置
11 コンバータ(電力変換部)
12 インバータ(電力変換部)
13 異常判別装置(温度センサの異常判別装置)
13a 条件設定部
13b 異常判別部
Th サーミスタ(温度センサ)
V1,V2,V3,V4 閾値
T1,T2,T3,T4 継続時間

Claims (12)

  1. 電力変換装置に備える検出対象物の温度を検出する温度センサと、前記温度センサの検出値、閾値並びに前記検出値が閾値に達している時間である継続時間を用いて前記温度センサに異常が発生しているか否かを判別する異常判別部とを有する温度センサの異常判別装置において、
    前記電力変換装置の作動状態の有無および前記電力変換装置から出力される出力値の少なくとも一方に基づいて、前記温度センサの異常判別の基準となる前記閾値と、前記継続時間との少なくとも一方を可変して設定する条件設定部を有し、
    前記異常判別部は、前記条件設定部によって設定された前記閾値と前記継続時間とに基づいて、前記温度センサに異常が発生しているか否かを判別することを特徴とする温度センサの異常判別装置。
  2. 前記温度センサは、検出値が大きくなると低温を示す特性を有し、
    前記異常判別部は、前記検出値が前記閾値よりも大きい低温値を示しているときに異常が発生していると判別することを特徴とする請求項1に記載の温度センサの異常判別装置。
  3. 前記継続時間は、第1継続時間と前記第1継続時間よりも短い第2継続時間を備え、
    前記条件設定部は、前記電力変換装置が作動している場合には前記第2継続時間を設定し、前記電力変換装置が作動していない場合には前記第1継続時間を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の温度センサの異常判別装置。
  4. 前記継続時間は、第2継続時間と前記第2継続時間よりも短い第3継続時間を備え、
    前記条件設定部は、前記出力値が第1基準値よりも高い場合には前記第3継続時間を設定し、前記出力値が前記第1基準値以下の低い場合には前記第2継続時間を設定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の温度センサの異常判別装置。
  5. 前記継続時間は、第3継続時間と前記第3継続時間よりも短い第4継続時間を備え、
    前記条件設定部は、前記出力値が第2基準値よりも高い場合には前記第4継続時間を設定し、前記出力値が前記第2基準値以下の場合には前記第3継続時間を設定することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の温度センサの異常判別装置。
  6. 前記第1継続時間から前記第4継続時間までのうち、前記第1継続時間が一番長くなるように設定され、前記第4継続時間が一番短くなるように設定されていることを特徴とする請求項5に記載の温度センサの異常判別装置。
  7. 前記閾値は、第1閾値と前記第1閾値よりも前記温度センサの検出領域の高温側になるような第2閾値を備え、
    前記条件設定部は、前記電力変換装置が作動している場合には前記第2閾値を設定し、前記電力変換装置が作動していない場合には前記第1閾値を設定することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の温度センサの異常判別装置。
  8. 前記閾値は、第2閾値と前記第2閾値よりも前記温度センサの検出領域の高温側になるような第3閾値を備え、
    前記条件設定部は、前記出力値が前記第1基準値よりも高い場合には前記第3閾値を設定し、前記出力値が前記第1基準値以下の場合には前記第2閾値を設定することを特徴とすることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の温度センサの異常判別装置。
  9. 前記閾値は、第3閾値と前記第3閾値よりも前記温度センサの検出領域の高温側になるような第4閾値を備え、
    前記条件設定部は、前記出力値が第2基準値よりも高い場合には前記第4閾値を設定し、前記出力値が前記第2基準値以下の場合には前記第3閾値を設定することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の温度センサの異常判別装置。
  10. 前記第1閾値から前記第4閾値までのうち、前記第1閾値が最も低温側になるように設定され、前記第4閾値が最も高温側になるように設定されていることを特徴とする請求項9に記載の温度センサの異常判別装置。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の温度センサの異常判別装置と、スイッチングを行うスイッチング素子を含む電力変換部とを有し、
    前記温度センサは、前記スイッチング素子の温度上昇及び下降に合わせて温度上昇及び下降可能な位置に配置されていることを特徴とする電力変換装置。
  12. 電力変換装置に備える検出対象物の温度を検出する温度センサと、前記温度センサの検出値、閾値並びに前記検出値が閾値に達している時間である継続時間を用いて前記温度センサに異常が発生しているか否かを判別する異常判別部とを有する温度センサの異常判別方法において、
    前記電力変換装置の作動状態の有無および前記電力変換装置から出力される出力値の少なくとも一方に基づいて、前記温度センサの異常判別の基準となる前記閾値と、前記継続時間との少なくとも一方を可変して設定する条件設定工程と、
    前記条件設定工程によって設定された前記閾値と前記継続時間とに基づいて、前記温度センサに異常が発生しているか否かを判別する異常判別工程と、
    を有することを特徴とする温度センサの異常判別方法。
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