JP5849836B2 - 湿度センサ - Google Patents

湿度センサ Download PDF

Info

Publication number
JP5849836B2
JP5849836B2 JP2012089549A JP2012089549A JP5849836B2 JP 5849836 B2 JP5849836 B2 JP 5849836B2 JP 2012089549 A JP2012089549 A JP 2012089549A JP 2012089549 A JP2012089549 A JP 2012089549A JP 5849836 B2 JP5849836 B2 JP 5849836B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrodes
layer
film
substrate
moisture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012089549A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013217806A (ja
Inventor
道山 勝教
勝教 道山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2012089549A priority Critical patent/JP5849836B2/ja
Publication of JP2013217806A publication Critical patent/JP2013217806A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5849836B2 publication Critical patent/JP5849836B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)

Description

本発明は、互いに対向するように基板の同一面上に形成された一対の電極と、水分による腐食から電極を保護する保護膜と、電極を覆うように保護膜上に配置された感湿膜とを有する湿度センサに関するものである。
互いに対向するように基板の同一面に形成された一対の電極と、水分による腐食から電極を保護する保護膜と、電極を覆うように保護膜上に配置された感湿膜とを有する湿度センサとして、例えば特許文献1に記載のものが知られている。
特開2006−133191号公報
特許文献1の記載のように、従来の湿度センサでは、基板の一面に対して、アルミニウム等の導電材料を、蒸着やスパッタ等の手法により堆積させて膜を1層形成し、形成した膜を所定形状にパターニングすることで、一対の電極を形成している。
本出願人が検討したところ、従来の湿度センサでは、高湿側においてセンサ感度の線形性が劣化することが明らかとなった。
本発明は上記問題点に鑑み、高湿側におけるセンサ感度の線形性劣化を抑制することができる湿度センサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、基板(20)と、互いに対向するように、基板の共通する一面(20a)に配置された一対の電極(31,32)と、該電極を覆うように一面上に配置され、水分による腐食から電極を保護する保護膜(33)と、電極及び電極間を覆うように、保護膜上に配置された感湿膜(34)と、を有する湿度検出部(30)と、を備え、全ての電極は、一面に対して膜が多層に配置された多層構造を有するとともに、最上層は導電材料を用いて形成され、且つ、保護膜に接触する層のうち、少なくとも1層は水分に対する腐食性を有する導電材料を用いて形成されており、基板の一面に膜が1層分配置されてなる下地部(38)と、該下地部上に膜が少なくとも1層分配置されてなる上地部(39)と、をそれぞれ有し、電極(31,32)において、上地部(39)を形成する任意の層が、該任意の層よりも下側に位置する層を包むように配置されるとともに、下側に位置する層の上方に位置する中央部(39a)と、基板(20)の一面(20a)に配置された周辺部(39b)と、中央部(39a)と周辺部(39b)とを繋ぐ繋ぎ部(39c)と、を有することで、一面に直交する断面形状がそれぞれ独立して凸形状をなしていることを特徴とする。
本出願人が鋭意検討した結果、上記した高湿側でのセンサ感度の線形性劣化は、保護膜(33)において、基板(20)の一面(20a)と電極(31,32)とにより形成される段差に対応する部分(以下、段差部と示す)の曲がりがきついと生じることが明らかとなった。
これに対し、本発明では、電極の断面形状が、膜を多層配置してなる凸形状となっている。このため、同じ厚さの電極が1層の膜により形成された従来構成に較べて、一段当たりの高さが低くなる。例えば1層の膜からなる上地部(39)が、下地部(38)における上面の一部のみを覆うように配置されてなる2層構造の電極の場合、上地部の上面と下地部の上面、下地部の上面と基板の一面の間にそれぞれ段差が形成される。したがって、各段差は、1つの段差のみが存在する構成に較べて低くなる。これにより、保護膜(33)における段差部の曲がりを緩やかにすることができる。したがって、高湿側におけるセンサ感度の線形性劣化を抑制することができる。
また、保護膜により、電極(水分に対する腐食性を有する導電材料を用いて形成された層)の腐食を効果的に抑制することができる。
また、基板(20)の一面(20a)と電極(31,32)とにより複数の段差が形成されることとなるため、保護膜(33)における段差部の曲がりを緩やかにすることができる。また、電極(31,32)を構成する膜は、上層ほど段差がなだらかとなるため、段差部の曲がりをより緩やかにすることができる。さらには、上層ほど広い範囲に配置されるため、一対の電極(31,32)において対向面積を大きくすることができる。以上により、センサ感度をより高めることができる。
また、本発明のさらなる特徴は、電極(31,32)において、全ての層は、水分に対する腐食性を有する同一の導電材料を用いて形成されていることにある。
これによれば、湿度センサの構成・製造工程を簡素化することができる。また、全ての層を実質的に電極として機能させることができる。
また、本発明のさらなる特徴は、電極(31,32)が、電気絶縁材料を用いて形成された層を含むことにある。
このように、電気絶縁材料からなる層を用いても良い。本発明では、上地部(39)を形成する任意の層は、該任意の層よりも下側に位置する層を包むように配置されるため、電気絶縁材料からなる層を有しつつも、対向面積を大きくすることができる。
上記目的を達成するために、本発明は、基板(20)と、互いに対向するように、基板の共通する一面(20a)に配置された一対の電極(31,32)と、該電極を覆うように一面上に配置され、水分による腐食から電極を保護する保護膜(33)と、電極及び電極間を覆うように、保護膜上に配置された感湿膜(34)と、を有する湿度検出部(30)と、を備え、全ての電極は、一面に対して膜が多層に配置された多層構造を有するとともに、最上層は導電材料を用いて形成され、且つ、保護膜に接触する層のうち、少なくとも1層は水分に対する腐食性を有する導電材料を用いて形成されており、基板の一面に膜が1層分配置されてなる下地部(38)と、該下地部上に膜が少なくとも1層分配置されてなる上地部(39)と、をそれぞれ有し、電極(31,32)において、上地部(39)を形成する任意の層が、該任意の層に下側で隣接する層の表面のうち、上面の一部のみを覆うように配置されることで、全ての電極は、一面に直交する断面形状がそれぞれ独立して凸形状をなしていることを特徴とする。
このような電極構成としても、複数の段差が存在することとなるため、保護膜(33)における段差部の曲がりを緩やかにすることができる。すなわち、上記した他の発明と同様の効果を奏することができる。
また、本発明のさらなる特徴は、電極(31,32)において、各層は、互いに異なる導電材料を用いて形成されていることにある。
これによれば、全ての層を実質的に電極として機能させることができる。したがって、一対の電極(31,32)において対向面積を大きくすることができるため、センサ感度をより高めることができる。
また、本発明のさらなる特徴は、電極(31,32)が電気絶縁材料を用いて形成された層を含むことにある。このように、電気絶縁材料からなる層を用いても良い。
また、本発明のさらなる特徴は、一対の電極(31,32)はそれぞれ櫛歯形状をなし、互いの櫛歯が噛みあって対向するように配置されていることにある。
これによれば、一対の電極(31,32)において対向面積を大きくすることができるため、センサ感度をより高めることができる。
また、本発明のさらなる特徴は、感湿膜(34)が、水分の吸着により比誘電率が変化するものであり、湿度検出部(30)を、雰囲気の湿度変化を一対の電極(31、32)間の静電容量の変化として検出することにある。また、感湿膜(34)は、水分の吸着によりインピーダンスが変化するものであり、湿度検出部(30)を、雰囲気の湿度変化を感湿膜(34)のインピーダンスの変化として検出することにある。
また、本発明のさらなる特徴は、基板(20)が、半導体基板(21)と、該半導体基板(21)の主面に形成された絶縁膜(23)を有し、電極(31,32)は、基板(20)の絶縁膜(23)上に配置されることにある。
これによれば、湿度検出部(30)から出力される信号を処理する処理回路についても、同一の基板(20)に構成することができるようになる。また、絶縁膜(23)を有するため、電極(31,32)などからの電流の漏洩等を防止することができる。
第1実施形態の湿度センサを備える湿度検出装置の概略構成を示す斜視図である。便宜上、保護ゲルを省略して図示している。 第1実施形態に係る湿度センサの概略構成を示す平面図である。便宜上、検出電極、参照電極、パッドに接続された配線を実線で図示している。また、保護ゲルを破線で示している。 図2のIII-III線に沿う断面構成を簡略化した図である。図2に対し、検出電極とパッドとを繋ぐ配線を省略するとともに、検出電極及びダミー配線の本数を減らして図示している。 電極周辺の概略構成を示す断面図である。 従来の湿度センサにおいて、電極周辺の概略構成を示す断面図である。 相対湿度と容量変化量との関係を示す図であり、三角△が従来構成のものの実測結果、丸○が参考例の実測結果を示している。 図5の破線VIIで囲んだ領域の拡大断面図である。 電極構造による保護膜の段差部の違いを説明するための断面図であり、(a)は従来構成、(b)は本実施形態に係るものを示している。 変形例を示す断面図であり、図8(b)に対応している。 第2実施形態に係る湿度センサにおいて、電極周辺の概略構成を示す断面図であり、図8(b)に対応している。 変形例を示す断面図であり、図8(b)に対応している。 その他変形例を示す断面図であり、図8(b)に対応している。 その他変形例を示す断面図であり、図8(b)に対応している。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下に示す各実施形態において、共通乃至関連する要素には同一の符号を付与するものとする。また、形成範囲を明確化するため、図2の平面図において、感湿膜34及びダム用感湿膜62の部分に、ハッチングを施している。また、基板20の厚み方向を単に厚み方向と示し、対をなす電極31,32の対向方向を単に対向方向と示す。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の湿度センサチップ10を備えた湿度検出装置100を示している。この湿度検出装置100は、合成樹脂等を用いて有底角筒状に形成されたケース110と、該ケース110の底部内面に固定されたリードフレームのアイランド111,112と、アイランド111にダイマウントされた湿度センサチップ10と、アイランド112にダイマウントされた回路チップ113と、一端がケース110の内部に露出し、他端がケース110外に延出されたリード114を備えている。
そして、湿度センサチップ10と回路チップ113とが、ボンディングワイヤ115を介して電気的に接続され、回路チップ113とリード114とが、ボンディングワイヤ116を介して電気的に接続されている。また、図示しないが、ボンディングワイヤ115,116及びその接続部位(パッド)は、後述の保護ゲルによって被覆されている。
このように、本実施形態では、湿度センサチップ10と回路チップ113とが別チップとなっている。なお、湿度センサチップ10が、特許請求の範囲に記載の湿度センサに相当する。
次に、湿度センサチップ10の概略構成について説明する。
図2及び図3に示すように、湿度センサチップ10は、同一の基板20に、湿度検出部30、ボンディングワイヤ115が接続された状態で保護ゲル50により保護される外部接続端子としてのパッド40、保護ゲル50の流動を抑制するダム部60を備えている。
本実施形態では、基板20が、半導体基板21と、半導体基板21の主面上に形成された絶縁膜23を有している。具体的には、半導体基板21としてシリコン基板を採用しており、この半導体基板21の主面側表層に、全面にわたって不純物の拡散層22が形成されている。本実施形態では、拡散層22がp導電型となっている。この拡散層22上には絶縁膜23が配置されており、絶縁膜23の一部位にコンタクトホール23aが形成されている。本実施形態では、絶縁膜23が、半導体基板21側からシリコン酸化膜、BPSG膜の順に積層されてなる。なお、湿度検出部30、パッド40、及びダム部60は、この絶縁膜23上に形成されている。このため、絶縁膜23における半導体基板21と反対の面が、基板20の一面20aとなっている。
湿度検出部30は、基板20の一面20aにおいて、互いに対向して配置された一対の電極31,32を有している。また、湿度検出部30は、少なくとも検出容量部30dを備えており、本実施形態ではさらに参照容量部30rを備えている。検出容量部30dは、基板20の一面20aにおいて、互いに対向して配置された一対の検出電極31d,32dを有している。参照容量部30rは、該一面20aの検出電極31d,32dとは異なる位置において、互いに対向して配置された一対の参照電極31r,32rを有している。
これら検出電極31d,32d及び参照電極31r,32rにおいて、厚み方向に直交する平面形状は特に限定されるものではない。本実施形態では、図2に示すように、検出電極31d及び検出電極32dがともに櫛歯形状をなし、互いの櫛歯が噛み合って対向するように交互に配置されている。このように櫛歯形状とすると、検出電極31d,32dの配置面積を小さくしつつ、互いに対向する面積を大きくすることができる。これにより、周囲の湿度変化に伴って変化する検出電極31d,32d間の静電容量の変化量が大きくなり、センサ感度が向上する。同様に、参照電極31r及び参照電極32rがともに櫛歯形状をなし、互いの櫛歯が噛み合って対向するように交互に配置されている。また、櫛歯形状をなす検出電極31d,32d及び参照電極31r,32rは、図2に示すように、電極同士の対向面積と櫛歯の本数が異なっている。詳しくは、検出電極31d,32dのほうが参照電極31r,32rよりも本数が多く、且つ、対向面積も大きくなっている。
一方、検出電極31d,32d及び参照電極31r,32rにおいて、一面20aに直交する断面の構造は本実施形態の特徴部分である。この詳細については後述する。
検出電極31d,32d及び参照電極31r,32r、すなわち電極31,32は、後述するように膜が多層に配置された多層構造(図7、図8(b)参照)をなしており、その膜構成は、電極31,32で同一となっている。また、保護膜23に接触する層の少なくとも1つとして、水分に対して腐食性を有する導電材料(例えばアルミニウム系材料)を用いて形成された層を含んでいる。本実施形態では、電極31,32の全ての層が、同一のアルミニウム系材料を用いて形成されている。すなわち、全ての層が水分に対して腐食性を有する同一の導電材料を用いて形成されている。このため、図3に例示する検出電極31d,32dのように、全ての電極31,32上には保護膜33が形成されており、この保護膜33を介して感湿膜34が形成されている。
保護膜33は、水分に対して腐食性を有する導電材料を用いて形成された電極31,32が、水分により腐食するのを防ぐためのものである。本実施形態では、保護膜33として、プラズマCVD法により形成されるシリコン窒化膜を採用している。この保護膜33は、電極31,32上だけでなく、基板20の一面20aにおいて、パッド40を除く部分に形成されている。
保護膜33上には、検出電極31d,32d及び検出電極31d,32d間を覆うとともに、参照電極31r,32r及び参照電極31r,32r間を覆うように、感湿膜34が形成されている。本実施形態では、検出電極31d,32dを覆う感湿膜34と、参照電極31r,32rを覆う感湿膜34が、1つの感湿膜34として一体化されている。感湿膜34の構成材料としては、ポリイミド系材料など周知のものを採用することができる。本実施形態では、ポリイミド系材料を採用しており、スピンコート法や印刷法にて前駆体であるポリアミドを塗布後、加熱硬化(イミド化処理)することにより形成されている。
このように構成される湿度検出部30において、検出容量部30dを構成する検出電極31dは、図2に示すように、配線35により、対応するパッド41と電気的に接続されている。検出容量部30dを構成する検出電極32d及び参照容量部30rを構成する参照電極32rは、共通の配線36により、対応するパッド42と電気的に接続されている。また、参照容量部30rを構成する参照電極31rは、配線37により、対応するパッド43と電気的に接続されている。すなわち、一対の検出電極31d,32dからなるコンデンサと、一対の参照電極31r,32rからなるコンデンサが、パッド41,43間で直列接続され、これらコンデンサの接続点(中点)にパッド42が接続された構成となっている。
これら配線35〜37は、基板20の一面20a、すなわち電極31,32と同一平面に形成されている。また、電極31,32同様、水分に対する腐食性を有する導電材料を用いて形成された膜を含んで形成されている。本実施形態では、アルミニウム系材料を用いて形成された膜が1層配置されてなる。しかしながら、電極31,32と同一の構成、すなわち2層構造を採用しても良い。そして、配線35〜37も、上記した保護膜33により被覆されている。
パッド40は、湿度検出部30を構成する各電極31d,32d,31r,32rと電気的に接続されたパッド41〜43を有する。これらパッド41〜43は、対応する配線35〜37のうち、湿度検出部30と反対の端部付近で保護膜33の開口部から露出された部分である。このため、各パッド41〜43も、配線35〜37と同一の膜構成となっている。
本実施形態では、さらに上記した拡散層22に電気的に接続されたパッド44を有する。このパッド44には、平面矩形状の基板20の縁部に沿って形成された配線45が接続されており、配線45のうち、図3に示すように保護膜33の開口部から露出された部分がパッド44となっている。配線45も、基板20の一面20a、すなわち電極31,32と同一平面に形成されている。また、配線35〜37と同一の膜構成となっており、上記した保護膜33により被覆されている。配線45は、図3に示すように、絶縁膜23に形成されたコンタクトホール23aを埋めるように形成されており、拡散層22と電気的に接続されている。このため、パッド44に定電位(例えばグランド電位)を印加することで、配線45を通じて拡散層22を、電磁波に対するシールド層として機能させることができる。
これらパッド40(41〜44)は、ボンディングワイヤ115が接続された状態で、保護ゲル50によって被覆される。したがって、パッド40にボンディングワイヤ115が接続される前の状態で、湿度センサチップ10は、保護ゲル50を有さない。この保護ゲル50は、パッド40が、水分により腐食するのを防ぐためのものであり、フッ素系ゲルなど耐水性を有する材料からなる。保護ゲル50は、パッド40の周辺に、ディスペンサなどを用いて塗布し、その後硬化することで形成される。このため、塗布した時点では、保護ゲル50は流動性を有している。
パッド40周辺に塗布された保護ゲル50が、湿度検出部30側に流動し、感湿膜34に付着すると、感湿膜34の性質が変化してしまい、雰囲気湿度にかかる検出精度が低下しかねない。このため、パッド40周辺に塗布した保護ゲル50が、湿度検出部30側へ流入し、感湿膜34に付着するのを抑制すべく、基板20の一面20aにおいて湿度検出部30とパッド40の間にダム部60が形成されている。
ダム部60は、基板20の一面20aから突出する構造のものを採用することができる。なお、保護膜33がパッド40を除く部分に形成される場合には、ダム部60として保護膜33を含むこととなり、ダム部60は保護膜33の厚さよりも突出高さが高く設けられる。本実施形態において、ダム部60は、電極31,32同様、水分に対する腐食性を有する導電材料を用いて形成された膜を含んで、電極31,32と同一平面(基板20の一面20a)に形成されたダム用配線としてのダミー配線61を有している。本実施形態では、電極31,32と同一の構成、すなわち2層構造となっている。また、ダム部60は、感湿膜34と同一材料を用いて形成され、ダミー配線61の少なくとも一部を覆うダム用感湿膜62も有している。このようにダム部60は、ダミー配線61とダム用感湿膜62、及び保護膜33の積層構造となっている。なお、本実施形態において、ダミー配線61は、湿度検出部30を構成する電極31,32やパッド40と電気的に分離された、電気的な接続機能を提供しない配線となっている。しかしながら、半導体基板21に湿度検出部30の処理回路が集積された構成においては、処理回路を構成する配線の一部を用いてダム部60としても良い。なお、図3では、便宜上、電極31,32d及びダミー配線61を、パッド44を含む配線45と同一の層構造で示している。
次に、湿度センサチップ10の特徴部分である電極31,32の断面構造について、図4を用いて説明する。
図4に検出電極31d,32dにて例示するように、全ての電極31,32は、基板20の一面20aに対して膜が多層に配置された多層構造をなしており、基板20の一面20aに膜が1層分配置されてなる下地部38と、下地部38上に膜が少なくとも1層分配置されてなる上地部39と、を有している。この多層構造において、最上層は導電材料を用いて形成され、且つ、保護膜23に接触する層のうち、少なくとも1層は水分に対する腐食性を有する導電材料を用いて形成されている。そして、基板20の一面20aに直交する断面形状がそれぞれ独立して凸形状をなしている。本実施形態では、図4に示すように、上地部39が1層の膜からなり、各電極31,32が2層構造となっている。また、上記したように、電極31,32が同一のアルミニウム系材料からなる膜を2層配置してなり、下地部38を構成する最下層と、上地部39を構成する最上層とが、ともに水分に対する腐食性を有する導電材料を用いて形成されている。
また、上地部39を形成する任意の層は、該任意の層よりも下側に位置する層を包むように配置されている。換言すれば、任意の隣接する2層において、上層が下層を包むように配置されている。この任意の層は、該任意の層よりも下側に位置する層の上方に位置する中央部39aと、基板20の一面20aに配置された周辺部39bと、中央部39aと周辺部39bとを繋ぐ繋ぎ部39cと、を有している。本実施形態では、上地部39が1層のみであるため、上地部39を構成する層が上記任意の層に該当し、下地部38を構成する層が任意の層よりも下側に位置する層に該当する。
ところで、一対の電極31,32間の容量は、基板20の一面20aに沿う方向に形成される対向容量と、厚み方向に回り込んで形成されるフリンジ容量とにより決定される。感湿膜34は、それ自体の比誘電率は相対湿度に応じて変化しないが、水分の吸着量により、水分を含む全体の比誘電率が変化する。このため、電極31,32間に形成される容量に対して感湿膜34の影響が大きいほど、容量値の湿度変化に対する傾きは大きくなる。保護膜33を有する構成では、感湿膜34の影響、すなわちフリンジ容量の影響が大きくなるように、電極31,32に所定の間隔を持たせて構成されている。図4では、検出電極31d,32dを厚み方向に回り込んで形成されるフリンジ容量Cfを図示している。
このように構成される湿度センサチップ10では、検出容量部30dに構成されるコンデンサの容量値と、参照容量部30rに構成されるコンデンサの容量値が、雰囲気の相対湿度に応じて変化する。また、検出容量部30dと参照容量部30rとは、容量値の湿度変化に対する傾きが互いに異なっており、これにより各容量値は、相対湿度に対して異なる傾きと切片をもつ直線となる。換言すれば、検出容量部30dと参照容量部30rに感度差をもたせている。したがって、検出容量部30d及び参照容量部30rの湿度変化に伴う静電容量変化から、雰囲気中の相対湿度を計測することができる。
また、検出電極31d,32d上と参照電極31r,32r上とに、同一材料からなる感湿膜34を形成しているので、感湿膜34のもつ温度特性(温度による吸放湿特性の違い)によるセンサ出力の温度特性(感度の温度特性)や、感湿膜34の経年劣化の影響を、キャンセルすることができる。
次に、上記した湿度センサチップ10の製造方法の一例について説明する。
先ず、ウェハ状態のシリコンからなる半導体基板21を準備し、熱酸化により主面にシリコン酸化膜を形成する。次いで、シリコン酸化膜を介して半導体基板21の主面側表層に不純物をイオン注入し、拡散層22を形成する。次いで、シリコン酸化膜上にBPSG膜を形成し、シリコン酸化膜とともに絶縁膜23とする。そして、絶縁膜23の所定位置にコンタクトホール23aを形成した後、基板20の一面20a全域にアルミニウム系材料を堆積させ、反応性イオンエッチングによりパターニングして、電極31,32、パッド40(41〜44)を含む配線35〜37,45、及びダミー配線61を形成する。このとき、電極31,32及びダミー配線61については、アルミニウム系材料の堆積とパターニングを繰り返し行うことで、2層構造とする。
次いで、基板20の一面20a全域に保護膜33としてのシリコン窒化膜を形成し、パターニングしてパッド40(41〜44)を露出させる。そして、例えばスピンコート法により基板20の一面20a上に前駆体を塗布し、硬化処理した後、パターニングすることで、感湿膜34及びダム用感湿膜62を形成する。
次いで、基板20をダイシングし、チップ単位とすることで、湿度センサチップ10を得ることができる。
次に、本実施形態に係る湿度センサチップ10の主たる特徴部分の効果について説明する。以下、従来の湿度センサチップ10及び参考例と対比しながら、効果について説明する。
図5は、従来の湿度センサチップ10において、電極31,32の構造を説明するための断面図である。なお、図5では、電極31,32のうち、検出電極31d,32dのみを図示するが、参照電極31r,32rについても検出電極31d,32dと同じ構造となっている。
従来の湿度センサチップ10では、基板20の一面20aに対して、アルミニウム等の導電材料を、蒸着やスパッタ等の手法により堆積させて膜を1層分形成し、形成した膜を例えば反応性イオンエッチングにより所定形状にパターニングすることで、一対の電極31,32を形成している。また、パターニングにおいて、反応性イオンエッチングの条件を電極31,32の側面が基板20の一面20aと略垂直となるような条件としつつ、基板20の一面20aにアルミニウム系材料の残渣(エッチング残り)が生じるのを懸念し、オーバーエッチングを行っている。このため、従来の電極31,32(検出電極31d,32d)は、図5に示すように、逆テーパ形状をなしている。換言すれば、一対の電極31,32における互いに対向する側面の間隔は、基板20の一面20aに近いほど広くなっている。
図6に示す三角△は、本出願人が、図5に示す構造の湿度センサチップ10を作成し、相対湿度と容量変化量との関係について測定した結果を示している。この詳細については、本出願人による特願2011−268156号(以下、先の出願と示す)に記載されている。この測定では、湿度センサチップ10において、電極31,32としてのアルミニウムの高さを0.7μm、対向方向における電極31,32の下面の長さを2.7μm、検出電極31d,32dの対向方向の間隔(下面間の距離)を7.8μm、参照電極31r,32rの対向方向の間隔(下面間の距離)を4.8μm、保護膜33としてのシリコン窒化膜の厚さを1.6μm、感湿膜34としてのポリイミドの厚さを2μmとしている。また、上面と側面とのなす角度θを90度未満としている。なお、図6に示す破線は、線形性の比較となる傾き一定の直線(以下、比較線と示す)である。
図6に三角△で示すように、高湿側(例えば70%RH以上)では、図6に破線で示す比較線よりも傾きが大きくなって、比較線に対し、ずれが生じている。このように、高湿側において、相対湿度に対する容量変化量、すなわちセンサ感度の線形性が劣化する、具体的には、センサ感度に曲がりが生じることが明らかとなった。
また、電極31,32が逆テーパ形状を有すると、図5及び図7に示すように、電極31,32を覆うように形成される保護膜33において、基板20の一面20aと電極31,32とにより形成される段差に対応する部分33a(以下、段差部33aと示す)の曲がりがきつく(鋭角に)なっていた。本出願人は、先の出願において、段差部33aの曲がりがきついと高湿側においてセンサ感度の線形性が劣化する原因が、以下にあるものと推定した。段差部33aの曲がりがきついと、図7に示すように段差部33aが窪みとなり、感湿膜34の形成時にこの窪みに感湿膜34が充填されず、段差部33aにおいて、保護膜33と感湿膜34との間に隙間70が生じる。そして、感湿膜34に吸着した水分が、窪んだ段差部33aによる隙間70に凝縮し(集まり)、上記したフリンジ容量Cf(図5参照)がこの水分の影響を受ける。これにより、高湿側でセンサ感度の曲がりが生じるものと推定した。
これに対し、本出願人は、先の出願において、90度以上の角度θを有する電極31,32を備えた湿度センサチップ10(参考例)を提案している。そしてこの湿度センサチップ10を作成し、上記同様、相対湿度と容量変化量との関係について測定している。その結果を、図6にバツ×で示した。この測定では、電極31,32の高さや、対向距離、保護膜33及び感湿膜34の厚さについて、上記した従来構成と同じとしている。また、上面と側面とのなす角度θを90度よりも大きい角度としている。
図6にバツ×で示すように、低湿側、高湿側のいずれにおいても、図6に破線で示す比較線とほぼ同じ傾きを有し、比較線とほぼ一致した。
また、角度θを90度以上、特に90度よりも大きい角度とすると、図5に示す従来の電極31,32(逆テーパ形状の電極31,32)を有する構成に較べて、保護膜33の段差部33aが緩やかとなることが明らかとなった。すなわち、段差部33aを緩やかにすることで、保護膜33と感湿膜34との間に隙間70が生じるのを抑制し、ひいては高湿でのセンサ感度の線形性劣化を抑制できることが、先の出願において明らかとなった。
これを受け、本実施形態では、保護膜33の段差部33aを緩やかとすべく、電極31,32の断面形状を、膜の多層配置により凸形状としている。図8(a)に検出電極31dにて例示するように、従来の湿度センサチップ10では、膜を1層配置して電極31,32が形成されている。このため、基板20の一面20aと電極31,32とにより1つの段差のみが形成され、一段分の高さが電極31,32の厚さt1と等しいため、保護膜33における段差部33aの曲がりがきつくなる。
一方、本実施形態では、図8(b)に検出電極31dにて例示するように、膜を多層(2層)配置して電極31,32が形成されている。このため、基板20の一面20aと電極31,32とにより2つの段差が形成され、一段分の高さt2,t3それぞれが電極31,32の厚さt1よりも低くなる。したがって、図8(b)に示すように、保護膜33における段差部33aの曲がりを緩やかにすることができる。これにより、相対湿度と容量変化量との関係は、上記した参考例同様、図6に破線で示す比較線とほぼ同じ傾きを有し、比較線とほぼ一致するものと考えられる。すなわち、高湿側におけるセンサ感度の線形性劣化を抑制することができる。なお、図8(b)では、下地部38の側面及び上地部39の側面を、一面20aに略垂直なものとしているが、図8(a)に示すように逆テーパ形状としても、従来に較べれば、保護膜33における段差部33aの曲がりを緩やかにすることができる。
また、本実施形態によれば、保護膜33により、電極31,32などの腐食を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態によれば、最上層が導電材料からなるため、最上層が電気絶縁材料からなる構成に較べて、一対の電極31,32においてフリンジ容量Cfに寄与する対向距離を短くすることができる。これにより、センサ感度を高めることができる。
また、上記構成に加え、本実施形態では、電極31,32において、下地部38を構成する最下層を除く層が、該層よりも下側に位置する層の上方に位置する中央部39aと、基板20の一面20aに配置された周辺部39bと、中央部39aと周辺部39bとを繋ぐ繋ぎ部39cと、を有している。そして、最下層を除く任意の層が、該任意の層よりも下側に位置する層を包むように配置されている。このため、上層ほど段差がなだらかとなり、保護膜33における段差部33aの曲がりをより緩やかにすることができる。さらには、上層ほど広い範囲に配置されるため、一対の電極31,32においてフリンジ容量Cfに寄与する対向面積を大きくすることができる。したがって、センサ感度をより高めることができる。
また、上記構成に加え、本実施形態では、電極31,32において、全ての層が、水分に対する腐食性を有する同一の導電材料を用いて形成されている。湿度センサチップ10の構成・製造工程を簡素化することができる。このように、同一の導電材料を用いて全ての層を形成できるのは、最下層を除く任意の層が、該任意の層よりも下側に位置する層を包むように配置されるためである。また、全ての層を実質的に電極として機能させることができる。
次に、本実施形態に係る湿度センサチップ10において、従たる部分の作用効果について説明する。
本実施形態では、一対の電極31,32がそれぞれ櫛歯形状をなし、互いの櫛歯が噛みあって対向するように配置されている。このような構成とすると、一対の電極31,32において対向面積を大きくすることができるため、センサ感度をより高めることができる。
また、本実施形態では、基板20として、半導体基板21と、該半導体基板21の主面に形成された絶縁膜23を有し、電極31,32が、基板20の絶縁膜23上に配置されている。このような構成とすると、湿度検出部30から出力される信号を処理する処理回路についても、同一の基板20に構成することができるようになる。換言すれば、図1に示した回路チップ113を不要とすることができる。また、絶縁膜23を有するため、電極31,32などからの電流の漏洩等を防止することができる。
(変形例)
本実施形態では、電極31,32を構成する膜が、全ての層において同一の導電材料(アルミ系材料)からなる例を示した。しかしながら、互いに異なる導電材料を用いて複数の層が形成されても良い。例えば、図4に示した構成において、不純物がドープされたポリシリコンを用いて下地部38が形成され、アルミニウム系材料を用いて上地部39が形成されても良い。
また、最上層は導電材料を用いて形成され、且つ、保護膜23に接触する層のうち、少なくとも1層は水分に対する腐食性を有する導電材料を用いて形成されるとの条件を満たすのであれば、電極31,32が、電気絶縁材料を用いて形成された層を含むものとしても良い。例えば図9に示す例では、下地部38を、電気絶縁材料を用いて形成された層とし、上地部39を、アルミニウム系材料を用いて形成された層としている。なお、本実施形態では、最下層を除く任意の層が、該任意の層よりも下側に位置する層を包むように配置されるため、電気絶縁材料からなる層を有しつつも、電極31,32間の対向面積を大きくすることができる。
(第2実施形態)
本実施形態において、上記実施形態に示した湿度センサチップ10と共通する部分についての説明は割愛する。
本実施形態の特徴は、電極31,32において、上地部39を形成する任意の層は、該任意の層に下側で隣接する層の表面のうち、上面の一部のみを覆うように配置されることにある。換言すれば、任意の隣接する2層において、上層が下層における上面の一部のみを覆うように配置されていることにある。
図10に検出電極31dで例示するように、2層構造の電極31,32において、上地部39を形成する層は、下地部38を形成する層の表面のうち、上面の一部のみを覆うように配置されている。そして、電極31,32の断面形状が凸形状となっている。また、下地部38を形成する層は、例えば不純物がドープされたポリシリコンを用いて形成され、上地部39を形成する層は、下地部38とは異なる導電材料、例えばアルミニウム系材料を用いて形成されている。すなわち、電極31,32において、各層は、互いに異なる導電材料を用いて形成されている。
このように、本実施形態では、上地部39が下地部38における上面の一部のみを覆うように配置されている。このため、上地部39の上面と下地部38の上面、下地部38の上面と基板20の一面20aの間にそれぞれ段差が形成される。したがって、各段差の高さt2,t3は、電極31,32の厚さt1よりも低くなる。これにより、第1実施形態同様、保護膜33における段差部33aの曲がりを緩やかにすることができる。したがって、高湿側におけるセンサ感度の線形性劣化を抑制することができる。
また、上記構成に加え、本実施形態では、電極31,32において、全ての層が、互いに異なる導電材料を用いて形成されている。これによれば、全ての層を実質的に電極として機能させることができる。したがって、一対の電極31,32においてフリンジ容量Cfに寄与する対向面積を大きくすることができる。すなわち、センサ感度をより高めることができる。
(変形例)
本実施形態では、電極31,32において、不純物がドープされたポリシリコンを用いて下地部38が形成され、アルミニウム系材料を用いて上地部39が形成される例を示した。しかしながら、アルミニウム系材料を用いて下地部38が形成され、不純物がドープされたポリシリコンを用いて上地部39が形成されても良い。
また、最上層は導電材料を用いて形成され、且つ、保護膜23に接触する層のうち、少なくとも1層は水分に対する腐食性を有する導電材料を用いて形成されるとの条件を満たすのであれば、電極31,32が、電気絶縁材料を用いて形成された層を含むものとしても良い。例えば図11に示す例では、電気絶縁材料を用いて下地部38が形成され、アルミニウム系材料を用いて上地部39が形成されている。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
電極31,32は、2層構造に限定されるものではない。3層以上としても良い。換言すれば、上地部39は、下地部38上に膜が少なくとも1層分配置されてなるものであれば良く、上地部39を2層以上の構成としても良い。図12に例示する検出電極31dは、第1実施形態同様、最下層を除く任意の層が、該任意の層よりも下側に位置する層を包むように配置されている。そして、全ての層が同一のアルミニウム系材料を用いて形成された3層構造となっている。換言すれば、上地部39が、中間層80と最上層81を有する2層構造となっている。この構成では、電極31,32を形成する層数が多いほど、最上層81の段差がなだらかとなる。したがって、保護膜33における段差部33aの曲がりをより緩やかにすることができる。なお、3層以上についても、上記各実施形態に示した各構成を採用することができる。例えば、図12に示す構成において、中間層80及び下地部38を形成する層(最下層)の少なくとも一方を、電気絶縁材料を用いて形成された層としても良い。また、第2実施形態に示す構造において、電極31,32を3層以上としても良い。これによれば、電極31,32を形成する層数が多いほど、一段分の高さが低くなるので、保護膜33における段差部33aの曲がりをより緩やかにすることができる。
本実施形態では、湿度検出部30が、検出容量部30dと参照容量部30rを備える例を示した。しかしながら、湿度検出部30として、少なくとも検出容量部30dを備えれば良い。
また、湿度センサチップ10として、雰囲気の湿度変化を一対の電極31,32の静電容量の変化として検出する容量式湿度センサの例を示した。しかしながら、検出原理はこれに限定されるものではない。例えば、一対の電極31,32を備え、感湿膜34は、水分の吸着によりインピーダンスが変化するものであり、雰囲気の湿度変化を感湿膜34のインピーダンスの変化として検出する抵抗式湿度センサにおいても、上記した電極構造を採用することができる。
基板20としては、ガラスなどの無機材料からなる基板を採用することもできる。この場合、絶縁膜23を不要とすることができる。
電極31,32の形状は、櫛歯形状に限定されるものではない。電極31,32としては、互いに対向するように、基板20の一面20aに形成されたものであれば良い。
上記実施形態では、膜を多層に配置することで、電極31,32を断面凸形状とする例を示した。しかしながら、図13に例示する検出電極31dのように、1層の膜をハーフエッチすることで、断面凸形状とされた電極31,32を採用しても良い。図13に示す検出電極31dによれば、基板20の一面20aと検出電極31d(電極31,32)とにより段差が2つ形成されるため、第2実施形態に示す図10,11と同様の効果を奏することができる。
上記実施形態では、湿度センサチップ10が、ダミー配線61及びダム用感湿膜62を含んで構成されたダム部60を有する例を示した。しかしながら、ダム部60を有さない構成を採用することもできる。
10・・・湿度センサチップ(湿度センサ)
20・・・基板
20a・・・一面
30・・・湿度検出部
31,32・・・電極(一対の電極)
33・・・保護膜
33a・・・段差部
34・・・感湿膜
38・・・下地部
39・・・上地部
70・・・隙間

Claims (10)

  1. 基板(20)と、
    互いに対向するように、前記基板の共通する一面(20a)に配置された一対の電極(31,32)と、該電極を覆うように前記一面上に配置され、水分による腐食から前記電極を保護する保護膜(33)と、前記電極及び前記電極間を覆うように、前記保護膜上に配置された感湿膜(34)と、を有する湿度検出部(30)と、を備え、
    全ての前記電極は、
    前記一面に対して膜が多層に配置された多層構造を有するとともに、最上層は導電材料を用いて形成され、且つ、前記保護膜に接触する層のうち、少なくとも1層は水分に対する腐食性を有する導電材料を用いて形成されており、
    前記基板の一面に前記膜が1層分配置されてなる下地部(38)と、該下地部上に前記膜が少なくとも1層分配置されてなる上地部(39)と、をそれぞれ有し、
    前記電極(31,32)において、前記上地部(39)を形成する任意の層が、該任意の層よりも下側に位置する層を包むように配置されるとともに、前記下側に位置する層の上方に位置する中央部(39a)と、前記基板(20)の一面(20a)に配置された周辺部(39b)と、前記中央部(39a)と前記周辺部(39b)とを繋ぐ繋ぎ部(39c)と、を有することで、前記一面に直交する断面形状がそれぞれ独立して凸形状をなしていることを特徴とする湿度センサ。
  2. 前記電極(31,32)において、全ての層は、水分に対する腐食性を有する同一の導電材料を用いて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の湿度センサ。
  3. 前記電極(31,32)は、電気絶縁材料を用いて形成された層を含むことを特徴とする請求項1に記載の湿度センサ。
  4. 基板(20)と、
    互いに対向するように、前記基板の共通する一面(20a)に配置された一対の電極(31,32)と、該電極を覆うように前記一面上に配置され、水分による腐食から前記電極を保護する保護膜(33)と、前記電極及び前記電極間を覆うように、前記保護膜上に配置された感湿膜(34)と、を有する湿度検出部(30)と、を備え、
    全ての前記電極は、
    前記一面に対して膜が多層に配置された多層構造を有するとともに、最上層は導電材料を用いて形成され、且つ、前記保護膜に接触する層のうち、少なくとも1層は水分に対する腐食性を有する導電材料を用いて形成されており、
    前記基板の一面に前記膜が1層分配置されてなる下地部(38)と、該下地部上に前記膜が少なくとも1層分配置されてなる上地部(39)と、をそれぞれ有し、
    前記電極(31,32)において、前記上地部(39)を形成する任意の層が、該任意の層に下側で隣接する層の表面のうち、上面の一部のみを覆うように配置されることで、前記一面に直交する断面形状がそれぞれ独立して凸形状をなしていることを特徴とする湿度センサ。
  5. 前記電極(31,32)において、各層は、互いに異なる導電材料を用いて形成されていることを特徴とする請求項4に記載の湿度センサ。
  6. 前記電極(31,32)は、電気絶縁材料を用いて形成された層を含むことを特徴とする請求項4に記載の湿度センサ。
  7. 前記一対の電極(31,32)はそれぞれ櫛歯形状をなし、互いの櫛歯が噛みあって対向するように配置されていることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載の湿度センサ。
  8. 前記感湿膜(34)は、水分の吸着により比誘電率が変化するものであり、
    前記湿度検出部(30)は、雰囲気の湿度変化を一対の前記電極(31、32)間の静電容量の変化として検出することを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載の湿度センサ。
  9. 前記感湿膜(34)は、水分の吸着によりインピーダンスが変化するものであり、
    前記湿度検出部(30)は、雰囲気の湿度変化を前記感湿膜(34)のインピーダンスの変化として検出することを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載の湿度センサ。
  10. 前記基板(20)は、半導体基板(21)と、該半導体基板(21)の主面に形成された絶縁膜(23)を有し、
    前記電極(31,32)は、前記基板(20)の絶縁膜(23)上に配置されていることを特徴とする請求項1〜9いずれか1項に記載の湿度センサ。
JP2012089549A 2012-04-10 2012-04-10 湿度センサ Expired - Fee Related JP5849836B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012089549A JP5849836B2 (ja) 2012-04-10 2012-04-10 湿度センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012089549A JP5849836B2 (ja) 2012-04-10 2012-04-10 湿度センサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013217806A JP2013217806A (ja) 2013-10-24
JP5849836B2 true JP5849836B2 (ja) 2016-02-03

Family

ID=49590057

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012089549A Expired - Fee Related JP5849836B2 (ja) 2012-04-10 2012-04-10 湿度センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5849836B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7193203B2 (ja) * 2018-11-16 2022-12-20 ミネベアミツミ株式会社 検出装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FI65674C (fi) * 1982-12-21 1984-06-11 Vaisala Oy Kapacitiv fuktighetsgivare och foerfarande foer framstaellningdaerav
JPH0781975B2 (ja) * 1989-11-27 1995-09-06 山武ハネウエル株式会社 感湿素子
JP4236021B2 (ja) * 2000-03-24 2009-03-11 Tdk株式会社 湿度検出機能を持つ電子部品及びその製造方法
JP2003270189A (ja) * 2002-03-20 2003-09-25 Denso Corp 容量式湿度センサ
JP2006153512A (ja) * 2004-11-25 2006-06-15 Matsushita Electric Works Ltd 湿度センサ
JP2007278867A (ja) * 2006-04-07 2007-10-25 Ghitron Technology Co Ltd 湿度感知部品の電極構造
JP4765848B2 (ja) * 2006-09-06 2011-09-07 株式会社デンソー 湿度センサ
MY147700A (en) * 2008-09-10 2013-01-15 Mimos Berhad Improved capacitive sensor and method for making the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013217806A (ja) 2013-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5488534B2 (ja) 湿度センサ及びその製造方法
JP4770530B2 (ja) 容量式湿度センサ
JP5516505B2 (ja) 容量式湿度センサ及びその製造方法
JP5547296B2 (ja) 湿度検出センサ及びその製造方法
JP4732902B2 (ja) 湿度センサおよびそれを有する半導体装置
KR20150028929A (ko) 정전용량형 습도센서
US11435310B2 (en) Humidity sensor
JP2011080833A (ja) 湿度検出センサ
JP5849836B2 (ja) 湿度センサ
WO2011149331A1 (en) Capacitive humidity sensor and method of fabricating thereof
US20060055502A1 (en) Humidity sensor
JP4219876B2 (ja) 容量式湿度センサ及びその製造方法
JP6714439B2 (ja) 歪検出器及びその製造方法
JP2013140131A (ja) 湿度センサ及びその製造方法
JP2012204634A (ja) 半導体装置
JP4650246B2 (ja) 湿度センサ
EP3214434B1 (en) Method for fabrication of a sensor device
JP6611362B2 (ja) 容量式湿度センサ
JP2012145384A (ja) 容量式湿度センサ
WO2019142592A1 (ja) 湿度検知装置
JP2006226728A (ja) 容量式湿度センサ
TW201939031A (zh) 濕度檢測裝置
JP2009115499A (ja) 物理量センサ及びその製造方法
JP2013044552A (ja) ウエハ検査方法及びウエハマップ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141028

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150630

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150630

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150817

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150908

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150928

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151117

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5849836

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees