JP5848192B2 - 排煙脱硫装置 - Google Patents

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Description

本発明は、工場や発電所等から発生する排煙から亜硫酸ガスを除去するための排煙脱硫装置であって、特に、エネルギー消費の原因となるスラリー循環量及び通風圧損失を減少することを可能とし、また、将来に設置することが考えられる炭酸ガス回収装置の前段として設置する場合を想定して、脱硫率をほぼ100%とするとともに、副生品をほぼ100%石膏化することを可能とする排煙脱硫装置に関する。
従来、吸収剤スラリーを垂直方向に流下し、ケーシングを円筒体とし、この円筒体内に処理ガス(排煙)を流すことによって、処理ガス中から亜硫酸ガスを除去する排煙脱硫装置が知られている。
特に、日本では、竪型円筒体を用いて、処理ガスを垂直方向に流す方式の排煙脱硫装置が広く使われている。
しかしながら、この竪型円筒体を用いる方式の排煙脱硫装置では、スラリー循環量が増加して、エネルギー消費が大きくなるという問題がある。具体的には、堅型円筒体を用いる方式の排煙脱硫装置では、ガス処理量が円筒体直径の2乗に比例して増加し、これに伴い、吸収剤となるスラリーの循環量も円筒体直径の2乗に比例して増加するため、エネルギー消費が大きくなる。
一方、回転軸が水平方向に延びるように配設される水平円筒体を用いてガスを水平方向に流す方式の排煙脱硫装置では、ガス処理量が円筒体直径の2乗に比例して増加する点は、竪型円筒体を用いる排煙脱硫装置と同様であるが、スラリー循環量は、円筒体直径の1乗に比例して増加するにとどまる。
したがって、1次式と2次式のグラフを頭に画いてみるまでもなく、排煙脱硫装置では、竪型円筒体を用いるよりも水平円筒体を用いた方が、スラリー循環量が少なくて済み、エネルギー消費が小さくなるため、有利となっている。特に、大型装置である排煙脱硫装置では、円筒体も大きくなるため、竪型円筒体を用いるよりも水平円筒体を用いた方が断然有利となっている。
なお、日本において竪型円筒体を用いる方式の排煙脱硫装置が広く使われている理由は、本来小型装置をもとに発展されたガス吸収装置の考え方を大型装置である排煙脱硫装置に適用したことに基因すると考えられる。
ここで、水平円筒体を用いる排煙脱硫装置として、例えば、特許文献1、2に示すものが知られている。
特許文献1に記載された排煙脱硫装置は、一端に被処理ガス入り口を有する環状エンド・プレートを、また他端に出口を有する環状エンド・プレートを、それぞれ設けたところの内壁に脱硫剤を汲み上げるU字状の樋からなる多数のリフターを軸方向に平行に取り付けるとともに、内部全空間に空隙あるいは空孔を有する多数の独立した充填物を充填した回転円筒体を水平かつ回転可能に配設し、かつ該回転円筒体の一端に吸収剤スラリー供給手段を、また他端にその排出口を設けたものである。
そして、この排煙脱硫装置では、充填物の下部をスラリー貯留部内に浸漬させつつ回転円筒体を回転させて処理ガスと吸収剤スラリーとを向流又は並流接触させることにより気液接触させる。
特許文献1に記載された排煙脱硫装置を実施した実績として、回転円筒体(回転充填層)の直径が1mの実験機、回転円筒体の直径が3.2mの実用1号機、回転円筒体の直径が4.5mの実用2号機及び回転円筒体の直径が4.5mの実用3号機があり、それぞれ成功し、特に、実用1号機及び実用2号機は、40年近い運転実績をもっている。ここで、各機では、回転円筒体(回転充填層)の軸方向の長さは、3mとなっている。なお、副産物を亜硫酸カルシウムとして考えれば、回転円筒体の長さをさらに短くすることが可能である(1m程度まで)。
これらの装置の成功は、上記した「大型装置である排煙脱硫装置では、竪型円筒体を用いるよりも水平円筒体を用いた方が断然有利となっている」旨の所論を裏付けるものとなっている。
各装置の運転実績を表1に示す。

Figure 0005848192

表1に示すように、各機では、スラリー循環量は、回転円筒体の直径の1乗に比例して増加するにとどまっており、「大型装置である排煙脱硫装置では、竪型円筒体を用いるよりも水平円筒体を用いた方が断然有利となっている」ことがわかる。
このように、特許文献1に記載された排煙脱硫装置では、スラリーの循環量については、回転円筒体の直径に比例してスラリー循環量を考えるしか、考えようがない点に注目すべきである。
また、表1に示すように、各機では、回転円筒体(回転充填層)の軸方向の長さが3mとなっており、これは、回転円筒体の直径を3m以上とする場合には、竪型円筒体を用いるよりも水平円筒体を用いた方が有利であることを示している。
ここで、見逃してはならない点は、回転円筒体の直径が大きくなると、スラリーの落下高さが回転円筒体の直径に比例して大きくなることである。すなわち、スラリーの1回の落下にともなう化学反応量は、回転円筒体の直径が1mの場合を基準として、直径が3.2mの場合は3.2倍、直径が4.5mの場合は4.5倍になる。したがって、後述する試設計機4の場合は、回転円筒体の直径が24.3mであるから、スラリーの1回の落下にともなう化学反応量は24.3倍となる。
このことが、ガスを垂直方向に流すよりもガスを水平方向に流す方が有利である根源と考えてよいであろう。
一方、特許文献1に記載された排煙脱硫装置の作用は、化学反応の面からみると、亜硫酸ガスの吸収剤として石灰石スラリーを用いて、副生品として石膏を生成するものである。この際、中間製品として亜硫酸カルシウムが生成され、この亜硫酸カルシウムが処理ガス(排煙)中の酸素により酸化されて石膏となるという過程をとる。
この亜硫酸ガスの石膏化の過程については、処理ガス中の酸素濃度及び装置から排出される石膏スラリーのPH(ペーハー)との間に微妙な関係があることが知られた。
上記の亜硫酸ガスの石膏化の過程についての知見を整理すると、以下のように考えられる。
SO + HO ⇒ HSO ・・・(1)
CaCO ⇒ Ca2+ + CO 2− ・・・(2)
Ca2+ + HSO ⇒ CaSO + 2H ・・・(3)
(水溶性亜硫酸カルシウム)
CO 2− ⇒ CO + 1/2O ・・・(4)
CaSO + 1/2HO ⇒ CaSO・1/2HO ・・・(5)
(亜硫酸カルシウム結晶)
CaSO + 1/2O + 2HO ⇒ CaSO・2HO ・・・(6)
(石膏結晶)
スラリー出口側(ガス導入口側)の酸性スラリー中では、亜硫酸カルシウムの結晶は溶解して、下記式(7)に示す反応がおこる。
CaSO・1/2HO ⇒ CaSO + 1/2HO ・・・(7)
さらに、上記式(4)の1/2O及び処理ガス中の過剰空気のOと反応して、下記式(8)に示す反応がおこる。
CaSO + 1/2O + 2HO ⇒ CaSO・2HO ・・・(8)
また、引用文献2に記載された有害ガスの脱硫装置は、固定ダクト内に水平軸を中心に回転自在に支承されたところの、内部に気液接触充填物が充填された籠型回転円筒体の設置と、籠型回転円筒体の下方に配設されたスラリー貯留槽と、スラリー貯留槽内の吸収剤スラリーを汲み上げて籠型回転円筒体の外周面に還流させるスラリー還流手段と、を備えている。そして、この有害ガスの脱硫装置では、吸収剤スラリーを還流させるだけで籠型回転円筒体を回転させることができるため、籠型回転円筒体の電気的な駆動手段が不要となり、装置を小型化することが可能となるとともに、使用電力量を抑制することが可能となる。
近年、工場や発電所等から発生する排煙から地球温暖化の原因となる炭酸ガスを回収しなければならないと言われている。そして、排煙から炭酸ガスを回収する前段として、排煙から亜硫酸ガスを除去する排煙脱硫装置が使用されているが、この排煙脱硫装置には、低コストであるばかりでなく、高性能(脱硫率がほぼ100%であること)が求められる。
そして、これに関連する本発明者の特許発明として、特許文献3に示すものがある。
実公昭53−19171号公報 特許第4418987号公報 特許第4505041号公報
しかしながら、特許文献1に記載された排煙脱硫装置では、脱硫率が低下する恐れがある。
すなわち、特許文献1に記載された排煙脱硫装置では、処理ガス中の酸素量が多い場合には、処理ガス中の酸素により亜硫酸カルシウムを酸化して石膏とすることができる。しかしながら、処理ガス中の酸素量が少ない場合には、装置内に酸素(空気)を持ち込む手段がなく、石膏化反応が十分に進まないという欠点がある。この場合、装置の排液のPH(ペーハー)を下げて酸性状態として運転すれば石膏化が可能であるが、そのためには、石灰石スラリーの供給量を理論的所要量より下げて運転する必要があり、すると、石灰石スラリーが不足して脱硫率が低下する。
一方、特許文献2に記載された有害ガスの脱硫装置では、循環するスラリーに空気を吹き込んで処理ガス中の酸素量不足を補う手段を取り得るが、その効果をあげるためには、スラリー貯留槽におけるスラリー出口側(ガス導入口側)で酸性が強く、スラリー入口側(ガス排出口側)で塩基性が強くなるように吸収剤スラリーの流れを形成する必要があった。
また、特許文献2に記載された有害ガスの脱硫装置においても、石灰石スラリーが不足して脱硫率が低下する傾向がある。
本発明の課題は、排煙脱硫装置において、副生品中の亜硫酸カルシウムをほぼ100%石膏化するとともに、脱硫率をほぼ100%とすることにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る排煙脱硫装置は、所定の長さに形成され、一方側に設けられたガス導入口及び他方側に設けられたガス排出口を有する固定ダクトと、両端面及び円周面のそれぞれが格子状とされた略円筒状に形成され、一方側の端面を前記ガス導入口側に対面させ、他方側の端面を前記ガス排出口側に対面させ、水平軸を中心に回転自在に支承された状態で、前記固定ダクト内に配設された籠型回転円筒体と、気液接触用充填物を前記籠型回転円筒体内に充填してなり、前記ガス導入口から導入されたガスを軸方向に通過させる回転充填層と、前記回転充填層の前記ガス導入口側及び前記ガス排出口側のそれぞれに配設されたガスシールプレートと、前記回転充填層の下方に配設され、その一部に連通部分を有する仕切り板によって区分された複数の連通貯留区分を有するスラリー貯留槽と、吸収剤スラリーを前記スラリー貯留槽における前記ガス排出口側に供給するスラリー供給手段と、前記吸収剤スラリーを前記スラリー貯留槽における前記ガス導入口側から排出するスラリー排出手段と、前記複数の連通貯留区分のそれぞれに対応して設けられ、対応する前記連通貯留区分から抽出した前記吸収剤スラリーを前記回転充填層における該連通貯留区分の上方の部位に散布するスラリー散布手段と、を備え、前記複数の連通貯留区分は、前記軸方向に沿って並ぶように配設され、前記スラリー供給手段によって前記スラリー貯留槽における前記ガス排出口側に供給された前記吸収剤スラリーは、脱硫反応及び石膏化反応をしつつ、前記複数の連通貯留区分を経由して前記ガス導入口側へと移動されて、前記スラリー排出手段によって前記スラリー貯留槽における前記ガス導入口側から排出されることを特徴とする。
また本発明の排煙脱硫装置では、スラリー貯留槽内において、複数の連通貯留区分が軸方向に沿って並ぶように設けられている。そして、スラリー貯留槽のガス排出口側に供給された吸収剤スラリーは、脱硫反応及び石膏化反応をしつつ、複数の連通貯留区分を経由してガス導入口側へと移動されて、スラリー貯留槽のガス導入口側から排出される。
これによって、各連通貯留区分に貯留されている吸収剤スラリーのPH(ペーハー)を比較すると、複数の連通貯留区分のうちガス排出口側に位置する連通貯留区分ほど、該連通貯留区分に貯留されている吸収剤スラリーの塩基性が強くなり、複数の連通貯留区分のうちガス導入口側に位置する連通貯留区分ほど、該連通貯留区分に貯留されている吸収剤スラリーの酸性が強くなる。
これに伴い、回転充填層の各部位に散布される吸収剤スラリーのPHを比較すると、ガス排出口側の部位ほど、該部位に散布される吸収剤スラリーの塩基性が強くなり、ガス導入口側の部位ほど、該部位に散布される吸収剤スラリーの酸性が強くなる。
これにより、ガス導入口側から排出される吸収剤スラリー(石膏スラリー)のPHを下げて酸性とすることができ、亜硫酸カルシウムの石膏化をより確実に行うことができる。この石膏化作用は、スラリー貯留槽に吹き込まれる空気によりさらに確実なものとなり、ガス導入口側から排出される石膏スラリーの酸性の程度を弱めることができる。
したがって、第一の発明に係る排煙脱硫装置によれば、副生品中の亜硫酸カルシウムをほぼ100%石膏化することが可能となるとともに、脱硫率をほぼ100%とすることが可能となる。
ここで、本発明に係るスラリー供給手段としては、後述するスラリーフィーダー62が該当し、スラリー排出手段としては、後述するスラリー排出装置64が該当し、スラリー散布手段としては、後述する循環装置63が該当する。
さらに本発明に係る排煙脱硫装置は前記スラリー貯留槽において前記連通部分を有していない仕切り板によって区分されてなる独立貯留区分と、所定の液位を保つように前記吸収剤スラリーを前記独立貯留区分に供給する液位調整手段と、前記独立貯留区分から抽出した前記吸収剤スラリーを前記回転充填層における該独立貯留区分の上方の部位に散布するスラリー散布手段と、を備え、前記独立貯留区分は、前記複数の連通貯留区分の前記ガス排出口側に位置し、前記スラリー供給手段は、前記独立貯留区分から抽出した前記吸収剤スラリーを前記複数の連通貯留区分のうち最も前記ガス排出口側に位置する連通貯留区分に供給し、該吸収剤スラリーの供給量を調整可能となっていることを特徴とする。
また本発明に係る排煙脱硫装置では、スラリー貯留槽内において、複数の連通貯留区分のガス排出口側に、連通貯留区分に連通していない独立貯留区分が設けられている。そして、独立貯留区分における吸収剤スラリーの液位が所定の位置となるように、吸収剤スラリーが独立貯留区分に供給される。
これによって、複数の連通貯留区分よりガス排出口側に位置する独立貯留区分に貯留されている吸収剤スラリーでは、吸収剤が大過剰の状態となる。これに伴い、回転充填層のうち独立貯留区分の上方の部位(最もガス排出口側の部位)に、吸収剤が大過剰の状態の吸収剤スラリーが散布される。したがって、吸収剤スラリーの供給量を低減しても脱硫率をほぼ100%とすることが可能となる。
例えば、スラリー貯留槽において4つの連通貯留区分a〜d及び独立貯留区分e(合計5つの貯留区分)を設けた場合には、最もガス導入口側に位置する連通貯留区分aに貯留されている吸収剤スラリーは酸性〜中性となり、連通貯留区分aよりガス排出口側に位置する連通貯留区分b〜dに貯留されている吸収剤スラリーは塩基性となり、最もガス排出口側に位置する独立貯留区分eに貯留されている吸収剤スラリーでは吸収剤(石灰石)が大過剰の状態となる。そして、この状態で、各貯留区分a〜eに貯留されている吸収剤スラリーが、回転充填層における各貯留区分a〜eの上方の部位に散布・循環される。
この際、5つの貯留区分a〜eのうちガス排出口側から2番目に位置する連通貯留区分dに供給される吸収剤スラリー量は、ガス導入口側から排出される石膏スラリーが酸性(PH3〜6)となるように調整される。
ここで、吸収剤スラリーの供給量を処理ガス量及び亜硫酸ガス濃度から計算される理論供給量の95%とすると、回転充填層のうち連通貯留区分aの上方から連通貯留区分dの上方までの部位におけるガスの脱硫率は、吸収剤不足により、95%程度となる。しかしながら、吸収剤が大過剰の状態となっている吸収剤スラリーを散布する独立貯留区分eが、連通貯留区分dのガス排出口側に配設されていることによって、回転充填層のうち独立貯留槽eの上方の部位において残り5%の亜硫酸ガスが脱硫される。これにより、回転充填層の全体において、ほぼ100%の脱硫率を達成することができる。
したがって、本発明に係る排煙脱硫装置によれば、副生品中の亜硫酸カルシウムをほぼ100%石膏化することが可能となるとともに、脱硫率をほぼ100%とすることが可能となる。

本発明に係る排煙脱硫装置によれば、ガス導入口側から排出される吸収剤スラリー(石膏スラリー)のPHを下げて酸性とすることができ、亜硫酸カルシウムの石膏化をより確実に行うことができる。この石膏化作用は、スラリー貯留槽に吹き込まれる空気によりさらに確実なものとなり、ガス導入口側から排出される石膏スラリーの酸性の程度を弱めることができる。
また、本発明に係る排煙脱硫装置によれば、前段落で説明したメカニズムにより脱硫率をほぼ100%とすることができる。
すなわち、本発明に係る排煙脱硫装置によれば、副生品中の亜硫酸カルシウムをほぼ100%石膏化することが可能となるとともに、脱硫率をほぼ100%とすることが可能となる。
本発明の実施形態に係る排煙脱硫装置の断面図である。 図1に示す排煙脱硫装置が備えるスラリー貯留槽の平面図である。 図1に示すA−A線に沿う断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る排煙脱硫装置1について、図面を参照しながら説明する。
排煙脱硫装置1は、工場や発電所等の排煙経路に設置されて、排出される排煙(処理ガス)から亜硫酸ガスを除去する装置である。
特に、排煙脱硫装置1は、排煙から炭酸ガスを回収する炭酸ガス回収装置の前段として設置されると、一層有利となる。
(排煙脱硫装置1の構成)
図1は、本発明の実施形態に係る排煙脱硫装置1の断面図である。図1は、排煙脱硫装置1を籠型回転円筒体20の水平軸21に沿って鉛直方向に切断した状態を示している。また、図1では、循環する吸収剤スラリーの流れを実線矢印で示し、処理ガスの流れを破線矢印で示している。
図2は、図1に示す排煙脱硫装置1が備えるスラリー貯留槽40の平面図である。特に、図2では、スラリー貯留槽40内における仕切り板43,44の配置を示しており、吸収剤スラリーの流れを実線矢印で示し、処理ガスの流れを破線矢印で示している。
図3は、図1に示すA−A線に沿う断面図である。図3は、ガスシールプレート50を籠型回転円筒体20の水平軸21に沿う向きから見た状態を示している。
図1に示す排煙脱硫装置1は、固定ダクト10と、固定ダクト10内に配設された籠型回転円筒体20と、籠型回転円筒体20内に形成された回転充填層30と、回転充填層30の下方に配設されたスラリー貯留槽40と、一対のガスシールプレート50と、吸収剤スラリーを循環させるスラリー循環システム60と、を備えている。
固定ダクト10は、所定の長さに形成され、水平方向に向けて配設されている。固定ダクト10は、その中央部を下方及び前後方向(図1に示す奥行き方向)に膨らませることによって、その内部に籠型回転円筒体20を設置可能な内部空間が形成されている。固定ダクト10は、処理ガスが流れる方向(図1に示す左右方向)の一方側に設けられたガス導入口11と、他方側に設けられたガス排出口12と、を有している。また、ガス排出口12には、ミストセパレータ13が配設されている。
籠型回転円筒体20は、略円筒状の籠型に形成されている。また、籠型回転円筒体20は、その両端面及び円周面を含む略全体が格子状に形成されている。本実施形態では、籠型回転円筒体20の両端面及び円周面は、75mmφ×75mmφの気液接触用充填物を充填するために、60mm程度の間隔の格子状に形成されている。籠型回転円筒体20は、一方側の端面をガス導入口11側に対面させ、他方側の端面をガス排出口12側に対面させ、一対のボス22a,22bに挿通された水平軸21を中心に回転自在に配置されている。水平軸21は、一端がガス導入口11側に、他端がガス排出口12側に配置される、3つの軸受23a,23b,23cによって回転自在に支承されている。
そして、籠型回転円筒体20は、ギャードモータ24によって、水平軸21を中心に回転駆動される。籠型回転円筒体20の回転速度は、5rpm程度とする。なお、本実施形態では、ギャードモータ24によって籠型回転円筒体20を回転させる構成としているが、ギャードモータ24を省略して、回転充填層30の上方から散布される吸収剤スラリーの重さを利用した水車の原理により籠型回転円筒体20を回転させる構成としても構わない(特許文献2参照)。
回転充填層30は、多数の気液接触用充填物を籠型回転円筒体20内に充填することにより形成されている。気液接触用充填物としては、樹脂製円筒状体、ラシヒリング、ポールリング、ネットリング等、籠型回転円筒体20内に多数の空隙を形成することができるものが用いられる。回転充填層30は、ガス導入口11から導入されたガスを軸方向(水平軸21が延びる方向)に通過させることが可能となっている。
スラリー貯留槽40は、固定ダクト10内の底部に配設され、回転充填層30の下方に位置している。スラリー貯留槽40は、上方が開放された箱形に形成され、吸収剤スラリーを貯留・循環させることが可能となるように形成されている。ここで、本実施形態では、吸収剤として、石灰石を用いており、吸収剤スラリーとして、石灰石スラリーを用いている。
図1及び図2に示すように、スラリー貯留槽40内には、その一部に連通部分43aを有する仕切り板43によって区分された複数(本実施形態では、4つ)の連通貯留区分41a〜41dと、連通部分を有していない仕切り板44によって区分されてなる独立貯留区分42と、が設けられている。4つの連通貯留区分41a〜41d及び独立貯留区分42は、軸方向(水平軸21が延びる方向)に沿って並ぶように配設されている。具体的には、連通貯留区分41aが最もガス導入口11側に配置され、ガス導入口11側からガス排出口12側に向かって連通貯留区分41b、連通貯留区分41c、連通貯留区分41dの順に配置され、独立貯留区分42が最もガス排出口12側に配置されている。そして、隣接する連通貯留区分41a〜41d間では、仕切り板43の連通部分43aを介して、吸収剤スラリーが流入・流出することが可能となっている。一方、独立貯留区分42は、隣接する連通貯留区分41dに連通していない状態となっている。
図1及び図3に示すように、ガスシールプレート50は、回転充填層30のガス導入口11側及びガス排出口12側のそれぞれに配設されている。各ガスシールプレート50は、略四角形の平板状に形成され、その中心部に円形の貫通孔が設けられている。各ガスシールプレート50の貫通孔の直径は、籠型回転円筒体20(回転充填層30)の直径より小さくなっている。そして、各ガスシールプレート50は、その下端部がスラリー貯留槽40に貯留されている吸収剤スラリーの液中に挿入された状態で配設され、籠型回転円筒体20(回転充填層30)と固定ダクト10の内面との間をシールする。
スラリー循環システム60は、液位調整装置61と、スラリーフィーダー62と、循環装置63と、スラリー排出装置64と、空気吹込装置65と、を備えている。
液位調整装置61は、石灰石スラリー供給パイプ61aと、石灰石スラリー供給パイプ61aを介して吸収剤スラリー(石灰石スラリー)を独立貯留区分42に供給するスラリー供給手段(図示せず)を有している。液位調整装置61は、所定の液位を保つように吸収剤スラリーを独立貯留区分42に供給する。
スラリーフィーダー62は、吸収剤スラリーをスラリー貯留槽40におけるガス排出口12側に供給する。具体的には、スラリーフィーダー62は、独立貯留区分42から抽出した吸収剤スラリーを複数の連通貯留区分41a〜41dのうち最もガス排出口12側に位置する連通貯留区分41dに供給する。この際、スラリーフィーダー62は、吸収剤スラリーの供給量を調整可能となっている。
循環装置63は、吸収剤スラリーを回転充填層30に散布するスラリー散布装置63aと、スラリー散布装置63a及びスラリー貯留槽40を連結する配管63bと、配管63bを介してスラリー貯留槽40に貯留されている吸収剤スラリーをスラリー散布装置63aに送り込む循環ポンプ63cと、を有している。
ここで、スラリー散布装置63aは、スプレーノズルによって吸収剤スラリーを散布する構成であっても、パイプの先端から吸収剤スラリーを流下させる構成であっても、どちらでも構わない。
本実施形態では、4つの連通貯留区分41a〜41d及び独立貯留区分42のそれぞれに対応する循環装置63(合計5基の循環装置63)が設けられている。具体的には、本実施形態では、5基のスラリー散布装置63aと、5つの配管63bと、5基の循環ポンプ63c(図1に示すPa,Pb,Pc,Pd,Pe)と、を有している。ここで、図1では、各循環ポンプ63cの下方、各配管63bの上方及び各スラリー散布装置63aの上方のそれぞれに記号a〜eが付されているが、これは、同一の記号a〜eが付されている循環ポンプ63a、配管63b及びスラリー散布装置63aが接続されていることを示している。そして、各循環装置63は、対応する貯留区分41a〜41d,42から抽出した吸収剤スラリーを回転充填層30における当該貯留区分41a〜41d,42の上方の部位に散布する。
スラリー排出装置64は、石膏スラリー排出パイプ64aと、石膏スラリー排出パイプ64aに設けられたバルブ64bと、を有している。スラリー排出装置64は、吸収剤スラリー(石膏スラリー)をスラリー貯留槽40におけるガス導入口11側から排出する。具体的には、スラリー排出装置64は、複数の連通貯留区分41a〜41dのうち最もガス導入口11側に位置する連通貯留区分41aから吸収剤スラリー(石膏スラリー)を排出する。この際、スラリー排出装置64は、吸収剤スラリーの排出量を調整することによって、各連通貯留区分41a〜41dの液位を調整可能となっている。
空気吹込装置65は、4つの連通貯留区分41a〜41d及び独立貯留区分42のそれぞれに貯留されている吸収剤スラリーの液中に空気を吹き込むことが可能となっている。
(排煙脱硫装置1のコントロール)
次に、排煙脱硫装置1のコントロールについて説明する。
液位調整装置61によるスラリー貯留槽40への吸収剤スラリー(石灰石スラリー)の供給は、ガス排出口12側に位置する独立貯留区分42における吸収剤スラリーの液面の高さ(液位)が所定の高さとなるようにコントロールする。
スラリーフィーダー62による連通貯留区分41dへの吸収剤スラリーの供給は、ガス導入口11側に位置する連通貯留区分41aから排出される吸収剤スラリー(石膏スラリー)のPHが3〜6の範囲内となるようにコントロールする。
この場合、吸収剤スラリーを酸性にコントロールするため、吸収剤スラリーに含まれる吸収剤(石灰石)の量が、処理ガス量及び亜硫酸ガス濃度から計算される理論的所要量に対して不足する。これにより、回転充填層30のうち連通貯留区分aの上方から連通貯留区分dの上方までの部位における処理ガスの脱硫率は、石灰石不足により95%程度となる。しかしながら、吸収剤が大過剰の状態となっている吸収剤スラリーを貯留する独立貯留区分42が5つの貯留区分41a〜41d,42のうち最もガス排出口12側に配置されていることによって、吸収剤が大過剰の状態となっている吸収剤スラリーが回転充填層30のうち最もガス排出口12側の部位に散布され、この部位において残り5%の亜硫酸ガスが脱硫される。これにより、回転充填層の全体において、ほぼ100%の脱硫率を達成することができる。
スラリー貯留槽40(連通貯留区分41a〜41d)における吸収剤スラリーの液位は、スラリー排出装置64のバルブ64bの開閉を制御することによりコントロールする。
(排煙脱硫装置1の作用)
次に、排煙脱硫装置1の作用について説明する。
排煙脱硫装置1では、処理ガスは、図示しない送風機によりガス導入口11から固定ダクト10内に送り込まれ、固定ダクト10内の中央に配置された籠型回転円筒体20(回転充填層30)を通過して、ミストセパレータ13を経た後に、ガス排出口12から排気される。
一方、スラリー貯留槽40内では、スラリーフィーダー62が独立貯留区分42から抽出した吸収剤スラリーを複数の連通貯留区分41a〜41dのうち最もガス排出口12側に位置する連通貯留区分41dに供給する。そして、スラリー貯留槽40におけるガス排出口12側(連通貯留区分41d)に供給された吸収剤スラリーは、脱硫反応及び石膏化反応をしつつ、複数の連通貯留区分41a〜41dを経由してガス導入口11側へと移動されて、スラリー排出装置64によってスラリー貯留槽40におけるガス導入口11側(連通貯留区分41a)から排出される。
この際、各貯留区分41a〜41d,42に貯留されている吸収剤スラリーは、各貯留区分41a〜41d,42に対応して設けられている循環装置63によって籠型回転円筒体20に散布される。
籠型回転円筒体20に散布された吸収剤スラリーは、籠型回転円筒体20内を流下する吸収剤スラリーの重力及び籠型回転円筒体20自体の回転の影響を受けながら気液接触充填物等の表面を流下し、その際に形成されるスラリー液膜が固定ダクト10内を通過する処理ガスとの広い面積での気液接触による反応を行いつつ、スラリー貯留槽40内の各貯留区分41a〜41d,42に落下する。
そして、スラリー貯留槽40内に流下した吸収剤スラリーは、処理ガスとの気液接触による反応で生成された多量の石膏を含んでいる。
また、スラリー貯留槽40内では、空気吹込装置65が吸収剤スラリーの液中に空気を吹き込むことによって、吸収剤スラリーが撹拌されるとともに、新鮮な酸素が補給されて石灰石粉を溶解しつつ吸収剤スラリーが順次循環される。
以上のように、排煙脱硫装置1では、スラリー貯留槽40内において、複数の貯留区分41a〜41d,42が軸方向に沿って並ぶように設けられている。そして、スラリー貯留槽40のガス排出口12側(独立貯留区分42)に供給された吸収剤スラリーは、脱硫反応及び石膏化反応をしつつ、複数の連通貯留区分41a〜41dを経由してガス導入口11側へと移動されて、スラリー貯留槽40のガス導入口11側(連通貯留区分41a)から排出される。
これによって、各連通貯留区分に貯留されている吸収剤スラリーのPH(ペーハー)を比較すると、複数の連通貯留区分のうちガス排出口12側に位置する連通貯留区分ほど、該連通貯留区分に貯留されている吸収剤スラリーの塩基性が強くなり、複数の連通貯留区分のうちガス導入口11側に位置する連通貯留区分ほど、該連通貯留区分に貯留されている吸収剤スラリーの酸性が強くなる。
これに伴い、回転充填層30の各部位に散布される吸収剤スラリーのPHを比較すると、ガス排出口12側の部位ほど、該部位に散布される吸収剤スラリーの塩基性が強くなり、ガス導入口11側の部位ほど、該部位に散布される吸収剤スラリーの酸性が強くなる。
これにより、ガス導入口11側から排出される吸収剤スラリー(石膏スラリー)のPHを下げて酸性とすることができ、亜硫酸カルシウムの石膏化をより確実に行うことができる。この石膏化作用は、スラリー貯留槽40に吹き込まれる空気によりさらに確実なものとなり、ガス導入口11側から排出される石膏スラリーの酸性の程度を弱めることができる。
特に、排煙脱硫装置1では、複数の連通貯留区分41a〜41dよりガス排出口12側に位置する独立貯留区分42に貯留されている吸収剤スラリーでは、吸収剤が大過剰の状態となる。これに伴い、回転充填層30のうち独立貯留区分42の上方の部位(最もガス排出口12側の部位)に、吸収剤が大過剰の状態の吸収剤スラリーが散布される。
ここで、吸収剤スラリーの供給量を処理ガス量及び亜硫酸ガス濃度から計算される理論供給量の95%とすると、回転充填層30のうち連通貯留区分41aの上方から連通貯留区分41dの上方までの部位におけるガスの脱硫率は、吸収剤不足により、95%程度となる。しかしながら、吸収剤が大過剰の状態となっている吸収剤スラリーを散布する独立貯留区分42が、連通貯留区分41dのガス排出口12側に配設されていることによって、回転充填層30のうち独立貯留槽42の上方の部位において残り5%の亜硫酸ガスが脱硫される。これにより、回転充填層30の全体において、ほぼ100%の脱硫率を達成することができる。
したがって、排煙脱硫装置1によれば、副生品中の亜硫酸カルシウムをほぼ100%石膏化することが可能となるとともに、脱硫率をほぼ100%とすることが可能となる。
次に、排煙脱硫装置1の実施例について説明する。
特許文献1に記載された排煙脱硫装置の実施例(回転充填層の直径が1mの実験機、回転円筒体の直径が3.2mの実用1号機、回転円筒体の直径が4.5mの実用2号機及び回転円筒体の直径が4.5mの実用3号機)のデータを基に、脱硫率100%の石灰石−石膏法による排煙脱硫装置1の試設計機1〜4の試設計を行った。
各試設計機の試設計の結果を表2に示す。

Figure 0005848192
雑誌「火力原子力発電」によれば、300万Nm/h級の設備として、松浦火力2号機(電発)、常陸那珂1号機(東電)が紹介されており、
松浦火力2号機の場合では、
循環ポンプ:72.5m/min×12台、
通風機:39,200m/min×560mmAq
常陸那珂1号機の場合では、
循環ポンプ : 127.5m/min×5台、
という記載がある。これを計算してみると、スラリー循環量は、前者が52,200m/h、また後者が38,250m/hということになる。
これらの数字を試設計機4と比較すると、下記表3に示すようになる。

Figure 0005848192

表3に示すように、本発明と電発松島・東電常陸那珂とでは、スラリー循環量に非常に大きな差がある。
日本で使用されている石灰石−石膏法排煙脱硫装置は、スプレータワー方式が主流であるが、脱硫率100%を確保する手段を用意するものはなく、表3に示すように循環ポンプによるスラリー循環量も桁ちがいに大きく、通風圧損失も大きいため、エネルギー消費が大きいという欠点がある。
これに対して、本発明に係る排煙脱硫装置1によれば、スラリー循環量を低減することができ、回転円筒体の長さも短いので、通風圧損失が低減され、エネルギー消費を抑制することが可能となる。
1 排煙脱硫装置
10 固定ダクト
11 ガス導入口
12 ガス排出口
13 ミストセパレータ
20 籠型回転円筒体
21 水平軸
22a,22b ボス
23a,23b,23c 軸受
24 ギャードモータ
30 回転充填層
40 スラリー貯留槽
41a〜41d 連通貯留区分
42 独立貯留区分
43 仕切り板
43a 連通部分
44 仕切り板
50 ガスシールプレート
60 スラリー循環システム
61a 石灰石スラリー供給パイプ
61 液位調整装置
62 スラリーフィーダー
63 循環装置
63a スラリー散布装置
63b 配管
63c 循環ポンプ
64 スラリー排出装置
64a 石膏スラリー排出パイプ
64b バルブ
65 空気吹込装置

Claims (1)

  1. 所定の長さに形成され、一方側に設けられたガス導入口及び他方側に設けられたガス排出口を有する固定ダクトと、
    両端面及び円周面のそれぞれが格子状とされた略円筒状に形成され、一方側の端面を前記ガス導入口側に対面させ、他方側の端面を前記ガス排出口側に対面させ、水平軸を中心に回転自在に支承された状態で、前記固定ダクト内に配設された籠型回転円筒体と、
    気液接触用充填物を前記籠型回転円筒体内に充填してなり、前記ガス導入口から導入されたガスを軸方向に通過させる回転充填層と、
    前記回転充填層の前記ガス導入口側及び前記ガス排出口側のそれぞれに配設されたガスシールプレートと、
    前記回転充填層の下方に配設され、その一部に連通部分を有する仕切り板によって区分された複数の連通貯留区分を有するスラリー貯留槽と、
    吸収剤スラリーを前記スラリー貯留槽における前記ガス排出口側に供給するスラリー供給手段と、
    前記吸収剤スラリーを前記スラリー貯留槽における前記ガス導入口側から排出するスラリー排出手段と、
    前記複数の連通貯留区分のそれぞれに対応して設けられ、対応する前記連通貯留区分から抽出した前記吸収剤スラリーを前記回転充填層における該連通貯留区分の上方の部位に散布するスラリー散布手段と、を備え、
    前記複数の連通貯留区分は、前記軸方向に沿って並ぶように配設され、
    前記スラリー供給手段によって前記スラリー貯留槽における前記ガス排出口側に供給された前記吸収剤スラリー、脱硫反応及び石膏化反応をしつつ、前記複数の連通貯留区分を経由して前記ガス導入口側へと移動されて、前記スラリー排出手段によって前記スラリー貯留槽における前記ガス導入口側から排出される排煙脱硫装置において、
    前記スラリー貯留槽、前記連通部分を有していない仕切り板によって区分されてなる独立貯留区分と、
    所定の液位を保つように前記吸収剤スラリーを前記独立貯留区分に供給する液位調整手段と、
    前記独立貯留区分から抽出した前記吸収剤スラリーを前記回転充填層における該独立貯留区分の上方の部位に散布するスラリー散布手段と、を備え、
    前記独立貯留区分は、前記複数の連通貯留区分の前記ガス排出口側に位置し、
    前記スラリー供給手段は、前記独立貯留区分から抽出した前記吸収剤スラリーを前記複数の連通貯留区分のうち最も前記ガス排出口側に位置する連通貯留区分に供給し、該吸収剤スラリーの供給量を調整可能としたことを特徴とする排煙脱硫装置
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