JP5846969B2 - 温度計測方法 - Google Patents

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Description

本発明は温度計測装置に関わる。より具体的には、DNAあるいはRNAなどの核酸の塩基配列を解読するための方法および核酸配列解析装置に関わる。
1990年から2005年の間に30億ドルの予算を投じたヒトゲノム計画では、解読が最も容易な部分(全体の93%)を予定よりも2〜3年早く読み取ることができ、非特許文献1にみられるように解読に必要な技術や方法を遺産として残した。そうした技術はその後もさらに改良が進み、今日では約2000万ドル($2×107)程度で、実用に耐えられる精度でのゲノム解読が可能になった。それでもなお、この金額では大規模な塩基配列解読ができるのは、専門の解読センターか、巨額の予算を得た大きな研究プロジェクトに限られる。しかし、配列決定のコストが下がれば、より大量のゲノムを多数扱うことができる。例えば患者と健常者のゲノムの比較が可能となり、結果としてゲノム情報の価値の向上が期待される。非特許文献2にみられるようにこのような基礎的データの取得は将来のテーラーメード医療への発展に大きく寄与することが予想される。
上述した状況の下、米国立衛生研究所(NIH)が資金援助している「革新的ゲノム配列決定技術」のための2つのプログラムは、2009年までにヒトゲノム解読1人分で10万ドル($1×105)、そしてそれを2014年までに1000ドル($1×103)にすることを目標としている。いわゆる「1000ドルゲノム」解読技術の開発である。
既に非特許文献3にみられるように454LifeScience社、Solexa社およびAB社の3社の次世代シーケンサが商品化されている。これらの技術は既に従来技術の1/10〜1/100のコストを達成している。また、1回の解析により計測可能な塩基数も109オーダーを達成している。医療現場において個人レベルのゲノム配列解読がルーチン・ワークとなるためにはコストのみならず配列解読の高スループット化が必要となる。したがって次世代シーケンサ装置においてもっとも重要とされる性能の1つはスループットである。
次世代シーケンサのスループット増大は、これまでフローチップに固定する直径1μmビーズの数量によって競われてきた。しかしながらビーズの固定技術はほぼ最密充填である50000個/mm2というレベルまで到達している。したがって今後はビーズの直径を小さくすることで固定密度を増す、あるいはフローチップの上面と下面にもビーズを固定する、あるいはフローチップの寸法を大きくして、更なるスループットの向上を実現することが可能である。上記のスループット向上技術の中で最も単純かつ容易であるのがフローチップ形状の巨大化である。より具体的にみられるように従来のLT社SOLiD3シーケンサでは25×75mmであったフローチップが、2011年に販売が開始されたSOLiD5500シリーズでは60×130mmと巨大化している。これらの変化に伴い、当然フローチップを温度調節するためのチップホルダ自体も巨大化している。チップホルダが巨大化しても、スループット向上を達成するため、チップホルダ自体の温度調節仕様については従来以上の仕様が要求される。ヒートブロックの温度調整には一般的に(1)温度精度、(2)温度加熱・冷却速度、(3)オーバーシュート、(4)温度均一性の4つの計測から構成される。(1)温度精度はヒートブロックを例えば10℃、75℃に設定した場合に、その設定温度から実際にヒートブロックが到達した温度のばらつきの指標である。これが高精度であればあるほど、設定温度からのばらつきが小さくなるため、ヒートブロック上に設置した反応溶液内で進行する化学反応の精度を高めることが可能となる。一般的に温度精度調整には温度精度±0.05℃程度の外部温度計を用いる。これは定常状態での測定である。ヒートブロックを所定温度に設定し、十分安定する時間を置いた後、装置外部より高精度温度計を装置に設置し、温度精度を測定する。これにより装置の温度精度を評価することが可能となる。装置内の温度センサが測温抵抗体のように、温度に対する抵抗の関係が線形性を持つセンサでは、更に温度精度の合わせ込み校正が可能である。より具体的には、装置設定温度と高精度温度計で計測された温度の間に一次関数による関係が成り立つ。高精度温度計で計測された温度に対して、装置内の温度センサの傾きとオフセットについて補正を行うことにより装置内の温度センサにより計測される温度を高精度温度計のそれに合わせ込むことが可能となる。これにより0.5℃より小さい範囲での温度精度を達成することができる。より具体的には±0.1℃までの温度精度を達成することも可能となる。(2)温度加熱・冷却速度についてはヒートブロックが装置で設定した温度についてどれだけ速く到達できるかを示す指標である。これは一般的に計測する温度センサの熱容量が小さく、応答性がいいセンサが用いられる。これは過渡状態での測定である。また、温度加熱・冷却速度の計測は一般的にヒートブロックの中央部で計測される。例えばヒートブロックの温度を40℃から10℃、あるいは25℃から75℃に変化させたとき、初期温度から所定の温度に到達するまでの温度変化率のことである。これが速ければ速いほど性能が高い。ハイスループット装置を作製するためには温度の上昇下降に要する時間の短縮も必要であり、装置評価の重要な指標となる。より具体的には、ハイスループットを目標とした装置においては、40℃から10℃において0.5℃/s、25℃から75℃において2.0℃/sが要求される。(3)オーバーシュートは温度加熱・冷却時において所定の温度を通り越して、再び所定の温度に落ち着く際の温度の膨らみ具合を評価する指標である。(4)温度均一性はヒートブロック内の温度の位置依存性を評価する指標である。温度均一性については精度の高い温度計を用いることが望ましい。例えば128×60mmの大きさのヒートブロック上で中央および四隅の5ポイントに温度プローブを設置し、温度均一性の評価を行う。ヒートブロックの温度を40℃から10℃に変化させてから2分後にヒートブロック上での温度ばらつきを評価する。5つのプローブの最大温度、最低温度のばらつきが温度均一性の数値となる。温度均一性が優れていれば優れているほど、温度の位置依存性が小さく、ヒートブロック面上において進行する反応のばらつきを小さくすることが可能となる。例えば、高温75℃において75+5/−1℃、低温10℃において10+1/−1℃の達成が望まれる。
しかしながら、温度精度に代表される定常状態の測定と、温度加熱・冷却速度に代表される過渡状態の測定に要求される温度プローブの特性は異なっている。そのため、定常状態と過渡状態の温度測定を同時に行うことができる温度調整装置はこれまで存在しなかった。非特許文献3に示されるように、これまで市販されている温度仕様確認装置は温度精度に特化したものであり、温度加熱・冷却速度などに代表される過渡状態の温度仕様を計測することができなかった。このためサービスマンは過渡状態の計測を行うために自前の装置を準備して調整に望む必要があった。また、これまでの温度調整については特許文献1に報告されているように、一般的にチューブ内部の溶液に対する温度調整が一般的であった。これまでにヒートブロックなどの平板による温度精度などの温度調整については報告がなかった。
US2010/0112683号公報
NatureReviews、vol5、pp335、2004 『ヒトゲノム完全解読から「ヒト」理解へ』、pp253、服部正平、東洋書店、2005 Nature、vol.449、pp627、2007 Thermal Cycler Temperature Verification System(http://www3.appliedbiosystems.com/cms/groups/mcb_support/documents/generaldocuments/cms_041173.pdf)
上述した(1)温度精度、(2)温度加熱・冷却速度、(3)オーバーシュート、(4)温度均一性計測において問題であった点を以下に列挙する。これら3種類の温度計測に要求されるセンサの仕様はそれぞれ異なっていた。(1)温度精度計測において要求される外部温度センサの特性は異なっていた。温度精度計測を行う温度センサの温度精度は0.05℃と高いものの、温度応答性が1.5sと著しく悪い。また、高精度温度センサおよびデータロガーはそれぞれ20万円/センサ、50万円と非常に高価である。(2)温度加熱・冷却速度およびオーバーシュート評価においては温度応答性が要求される。熱電対は非常に微小化可能であり、熱容量を小さくできるため、温度応答性を0.1sまで高速化することができる。しかし、一般に高速な温度応答が可能である熱電対は温度精度が±2℃以上である。(3)温度均一性評価は過渡現象の評価であり、装置に設定する温度変化指示は温度加熱・冷却速度評価と同一である。しかし、温度均一性においては±0.4℃以上の温度精度が要求される一方、温度応答性の速度は要求されない。したがって熱電対をそのまま用いることはできない。一方、±0.05℃の高精度温度計をそのまま評価に用いることも可能であるが、高精度温度計は高価であるという問題がある。また、温度精度評価と温度均一性評価において設置する温度センサの位置は異なるため、両者の計測を同時に評価するためにはそれぞれ別個に温度センサを準備する必要があるため、温度計測装置が高価になるという問題点がある。上述したように上記4種の温度調整法では、温度センサに要求される温度精度、温度応答性がそれぞれ異なるため、異なる3種の温度仕様の計測を独立に行っていたため、に異なる種類の温度プローブを準備する必要があった。このため、計測作業が煩雑になり、計測に要する労力が大きいという問題があった。また、異なる温度プローブを準備しなければならないため、設備を準備する金額が高くなるという問題もあった。したがって、計測に要求されるコスト、時間および労力が増大した。
上述した課題を解決するために、本発明では温度精度、温度加熱・冷却速度、オーバーシュート、温度均一性の異なる4種の温度仕様の計測について、2種類あるいは1種類より構成される複数の温度センサを治具で一括して保持して1個以上のヒートブロック上に設置することにより、温度仕様の調整および合否について判断を自動的に下す手段を提供する。
本発明の温度調整装置の適用により、複数の温度センサを一括して保持することにより、ヒートブロック上において温度センサを一括した位置決めが可能となる。
これにより、計測に要する時間および労力を軽減できる。また、手作業と比較して温度センサを正確な位置決めが可能となる。これにより、プローブの設置状態のばらつきを低減し、安定かつ正確で再現性の高い計測が可能となる。
また、本発明の温度調整装置の適用により、応答性の速い熱電対に対して合わせ込み校正をおこなうことにより、本来±2℃である温度精度を±0.4℃まで向上させた。これにより、ともに過渡現象ではあるが、高速な応答性が要求される温度加熱・冷却速度およびオーバーシュート計測と、温度精度が要求される温度均一性の同時計測を可能にした。また、温度加熱・冷却速度、オーバーシュートおよび温度均一性に必要となる温度センサの数を半分にすることが可能となるため、温度調整装置の低コスト化が図れる。また、温度加熱・冷却速度、オーバーシュートおよび温度均一性に必要な計測を一挙に同時に行うことが可能となるため、計測時間の短縮、計測労力の軽減が可能となる。また、温度センサの数を半分にすることが可能となるため、温度調整装置の低コスト化が図れる。
本発明の温度調節装置により、手作業を介さずに温度精度、温度加熱・冷却速度、オーバーシュートおよび温度均一性における計測の自動化が可能となる。また、装置自体をコンパクトにできるため、持ち運びが可能となり、装置を納入した場所においてサービスマンが出向いて装置の温度調整を行うことが可能となる。
実施例1における水冷方式によるフローチップの温度制御を行うことで遺伝子の塩基配列解析を行う装置についての説明図。 実施例2における装置に搭載されている温度調節装置であるチップホルダと、チップホルダの温調仕様を調節・確認するための温度調節仕様チェッカについての説明図。 実施例3において計測装置に搭載されている温度調節装置であるチップホルダの温度仕様を、温度調節仕様チェッカを用いて自動で計測する方法についての説明図。 実施例4における装置に搭載されている温度調節装置であるチップホルダについての説明図。 実施例4における装置に搭載されている温度調節装置である温度調節仕様チェッカについての説明図。 実施例4において計測装置に搭載されている温度調節装置であるチップホルダの温度仕様を、温度調節仕様チェッカを用いて自動で計測する方法についての説明図。 実施例4において温度調節仕様チェッカを用いて温度精度、温度加熱・冷却速度、オーバーシュートおよび温度均一性について自動計測を行う具体的な温度変化についての説明図。 実施例4において温度調節仕様チェッカを用いて温度精度、温度加熱・冷却速度、オーバーシュートおよび温度均一性について自動計測を行う具体的な温度変化についての説明図。 実施例4において温度調節仕様チェッカを用いて温度精度、温度加熱・冷却速度、オーバーシュートおよび温度均一性について自動計測を行う具体的な温度変化についての説明図。
本発明の第1の実施例として、水冷方式によるフローチップの温度制御を行うことで遺伝子の塩基配列解析を行う装置について図1を用いて以下に説明する。
本装置の光学系は落射蛍光顕微鏡とほぼ同一である。キセノンランプ光源111から発せられた白色光はリキッドライトガイド112を経て、ターレット113に導入される。リキッドライトガイド112は柔軟性に富み、狭い装置庫内でのフレキシブルな光学配置を可能にするという特徴を持つ。ターレット113は4種類の蛍光色素に対応する蛍光キューブ121、122、123、124が搭載されている。それぞれの蛍光キューブ121、122、123、124には蛍光を検出するために最適化されたバンドパスフィルタ、ダイクロイックミラー、エミッションフィルタが保持されている。バンドパスフィルタを経ることにより計測に必要な波長帯域が選択される。更に光はダイクロイックミラーにより下方に反射される。光は20倍の対物レンズ114によりフローチップ105上の反応場に集光され、蛍光物質を励起する。発せられた蛍光は再び対物レンズ114により集光される。更に蛍光はダイクロイックミラーを経てエミッションフィルタにより励起光の迷光および散乱光を除去し、計測したい蛍光のみを通過させる。CCDカメラ117直前には集光レンズ116が配置され、ここで平行光はCCDカメラ117の受光面に集光され、像を結ぶ。なお対物レンズ114を保持するZモータ115はフローチップ105上の反応場に焦点を合わせる機能を持つ。CCDカメラ117の画像取り込みタイミングおよびZモータ115によるフォーカシングは制御用PC118により制御される。
チップホルダはヒートブロック104とヒートシンク102と、その間に挟まれたペルチェ素子131により構成される。ペルチェ素子131はヒートブロック104の加熱・冷却を行う。温度の制御範囲は75℃から10℃である。ペルチェ素子131の駆動に伴い発生する熱はヒートシンク102内を循環する不凍液により回収される。不凍液はラジエータ103に送られる。
ラジエータ103には冷却空冷ファンが設置されている。ファンはペルチェ素子131の駆動により加熱あるいは冷却された不凍液をラジエータ103による熱交換を介して室温に保つという効果を持つ。ラジエータ103を経て室温に戻った不凍液はタンク内に注がれ、再びポンプに流入する。不凍液は更にチップホルダのヒートシンク102内に循環を続け、ヒートシンク102の冷却を続ける。ヒートシンク102を水冷方式により冷却する利点を以下に述べる。(1)空冷方式ではヒートシンク102の直下に冷却ファンを設置する必要があるが、これはフローチップ105内に固定された直径1μmのビーズの振動を引き起こす。これは蛍光像から得られる信号のS/Nを低下させる。結果として蛍光信号を塩基配列に変換する際の精度を低下させる。水冷方式ではファンを光学検出中心部から遠方に設置できるため、この問題を克服することができる。(2)空冷方式ではヒートシンク102に放熱を促進するフィンを付加する必要がある。これにより空冷方式のヒートシンク102の高さは水冷方式と比較して高くなるため、XYステージの駆動に伴う振動、ひいては蛍光像のぶれを引き起こし、最終的に塩基配列解読精度を劣化させる。水冷方式ではヒートシンクの高さを水冷方式と比較して低くできるため、ステージからのフローチップ設置位置も低くできる。これにより、振動を低減でき、塩基配列解読精度を向上できる。(3)空冷方式ではペルチェ素子131から発生する熱を光学検出中心部直下において排熱・排気する。これは光学検出中心部の部品の伸長を引き起こす。対物レンズ114の焦点深度は±1.7μmである。金属の熱膨張率は約10-5/℃であるため、高さ0.1mの部品における1℃の温度変化は1μmの移動を引き起こす。これは焦点深度を超える場合があるため、これも信号の劣化を引き起こす。これに対し水冷方式では温度の上昇・加熱により発生した熱を光学検出部から遠方において排熱することができる。これにより光学系中心部の機械部品の伸長によるフォーカスずれを低減することが可能となる。
また、チップホルダはフローチップ105を固定・保持し、塩基伸長反応を進行させるための化学反応の温度制御を行う機能を有している。XYステージ101上には2つのフローチップ105が装着可能であり、1つのフローチップで伸長反応を行っている間にもう1つのフローチップ105を用いて光学検出を行う。塩基伸長反応を促進するためには正確な温度調節を行う必要がある。この温調機能を担うのがセルホルダであり、2つのフローチップ105の温度を独立に精度よく制御する。これらの構成によってフローチップ105内に固定された蛍光ビーズからの信号を高速に検出し、ハイスループットの塩基配列解析装置を実現することができる。
本発明の第2の実施例として、装置に搭載されている温度調節装置であるチップホルダ208と、チップホルダ208の温調仕様を調節・確認するための温度調節仕様チェッカ209について以下に説明する。温度調節仕様チェッカ209は装置外部の温度計測装置である。
チップホルダ208はアルミニウム製のヒートブロック201、ヒートブロック201の加熱・冷却を行うペルチェ素子202、ペルチェ素子202で発生する熱を排熱する機能を担うヒートシンク210から構成される。次世代シーケンサ開発ではスループット向上のため、ヒートブロック201上に搭載されるフローチップサイズの巨大化の傾向が顕著である。本実施例では40mm角のペルチェ素子を4枚配置することで60×220mmのフローチップの温調が可能となる。なお、ペルチェ素子単体の大きさは40mm角で限定される。温度調節時においてはペルチェ素子の片面は加熱され、もう一方の片面は冷却される。このため、ペルチェ素子自体に反り応力が発生する。40mmよりも大きいペルチェ素子を作成すると、この反り応力が大きくなり、ペルチェ素子自体の寿命が短くなる。これを防止するため、本実施例では40mm角のペルチェ素子を複数用いることでチップホルダの温度調節を行う。
ヒートブロック201は10〜75℃の温度範囲で温調される。このチップホルダ208の温度性能をチェックするための装置が温度調節仕様チェッカ209である。これは装置に内在する温度調節装置であるチップホルダ208に対して装置外部から基準となる温度計を導入し、装置内部の温度計の仕様を確認するものである。温度調節仕様チェッカ209は異なる2つの温度センサを固定板207に複数保持する。本実施例ではクオーツ温度計203(東京電波、PTR−307−N)と熱電対204(安立計器、S−211E−01−1−TCP1−ASP、E型熱電対(クロメル−コンスタンタン))をそれぞれ4個、5個固定板に配置している。
クオーツ温度計203および熱電対204の温度精度はそれぞれ±0.05℃、±0.4℃である。また、熱応答速度はそれぞれ1.5秒、0.1秒である。なお、通常熱電対は熱応答速度には優れるが、温度精度は1℃より悪いことが知られている。この問題を克服するために、今回は合わせ込み校正をおこなった。合わせ込み校正とは、標準機校正体系に基づき、国家標準にトレースされた温度標準器で所定の温度計を校正することである。これにより、従来温度精度が±2.5℃であるE型熱電対の温度精度を±0.4℃まで高めることが可能となる。これにより、温度均一性の仕様が±1℃である場合、熱電対を用いて仕様のチェックを行うことが可能となる。
また、熱電対204は接触式表面温度センサであり、接触板205の中央部の裏側に熱電対204の熱接点を接合させている。これにより熱電対204をヒートブロック201直接接触させることなく、固定板207をヒートブロック201に接地するだけでヒートブロック201の温度を計測することが可能となる。これにより計測者が特別な技術を有さずとも、計測が簡便に行える。また、クオーツ温度計203のヒートブロック201への接地は、バネ206を介して達成される。バネ206はクオーツ温度計203を平面板であるヒートブロック201へ押し付けることにより、温度精度の高精度で計測することが可能となる。ここでヒートブロック201への温度センサの押し付け方が異なるのは、熱電対204が極めて微小に作成できるのに対して、クオーツ温度計の体積が2mm3と大きいためである。これがクオーツ温度計203ではバネ206、熱電対204は接触板205を用いる理由である。また、クオーツ温度計203のヒートブロック201への接触を更に向上させるためにサーマルグリースをクオーツ温度計203のヒートブロック201に対する接触面に塗布する場合もある。
以下にチップホルダ208が満たすべき目標仕様について説明する。満たすべき仕様は温度精度、温度加熱・冷却速度、オーバーシュート、温度均一性の4点である。まず、温度精度の要求仕様は10℃および75℃の2点において±0.5℃を満たすことである。温度加熱速度については25℃から75℃への加熱速度が2.0℃/s以上であることである。また冷却速度については40℃から10℃への冷却速度が0.5℃/s以上であることである。オーバーシュートについては25℃から75℃への加熱時におけるオーバーシュートが5℃以下であることである。また、冷却時のオーバーシュートは、40℃から10℃へのオーバーシュートが2℃以下であることである。さらに温度均一性については、ヒートブロック201上の中央および4隅に計5本の温度センサを設置し、25℃から75℃への加熱制御開始から2分後において得られる5本の温度センサからの温度の最大最小値が75+5/−1℃であることである。同様に40℃から10℃への冷却制御開始から2分後において得られる5本の温度センサからの温度の最大最小値が10+1/−1℃であることである。
ヒートブロック201全域について±0.5℃の温度精度を達成するためには、4枚のペルチェ素子202の出力をそれぞれ調整する必要がある。したがってペルチェ素子202それぞれの中央部に対して±0.05℃の精度を持つクオーツ温度計203を設置する。図示はされていないが、ペルチェ素子202にはそれぞれ測温抵抗体が付与されている。チップホルダを所定の温度に制御したときのクオーツ温度計203の温度を記録する。完全に理想的な状態においては、この場合クオーツ温度計203は所定の温度を示す。実際にはクオーツ温度計は装置の設定温度から0〜1℃程度ずれる。この測定結果より補正値を算出することにより、チップホルダの温度精度を±0.5℃に抑え込むことが可能である。より具体的には装置設定温度およびクオーツ温度計203の値を(10.00、10.56)、(75.00、75.18)と表記することとする。両者の関係を線形と捉え、傾きとオフセットを算出する。この場合、傾きは0.99404、オフセットは0.62192となる。この数値が1つのペルチェに対する出力補正値となる。8個の全てのペルチェ素子これを装置に装着されている温度制御用基板の不揮発性RAMに書き込むことにより、チップホルダの温度精度±0.5℃の仕様を満たすことができる。温度加熱・冷却速度はヒートブロック201中央に位置する熱電対204について計算する。既に温度精度の補正後であるため、誤差の少ない加熱・冷却速度を求めることが可能である。温度加熱・冷却速度については温度応答性0.1秒である熱電対204を用いて計測することが可能である。オーバーシュートについても同様に計測可能である。熱電対204は接触式表面温度センサであり、接触板205の中央部の裏側に熱電対204の熱接点を接合させている。これにより熱電対204をヒートブロック201直接接触させることなく、固定板207をヒートブロック201に接地するだけでヒートブロック201の温度を計測することが可能となる。これにより計測者が特別な技術を有さずとも、計測が簡便に行える。
上述したように温度調節仕様チェッカ209を用いることにより、ヒートブロック201に対して2種類から校正される計9個の温度プローブを治具により用いて一括して保持かつ接地することができる。これにより、従来必要であった手作業によるクオーツ温度計203の設置を簡略化することにより、接地に要する調整および労力を軽減できる。また、手作業と比較して温度センサの正確な位置決めが可能となる。また、温度精度、温度加熱・冷却速度、温度均一性、オーバーシュートの温度仕様の計測について、温度調節仕様チェッカ209を用いることにより、クオーツ温度計203や熱電対204の張り替えが不要となるため、計測の自動化が容易に行うことができる。
次に本発明の第3の実施例として、計測装置に搭載されている温度調節装置であるチップホルダの温度仕様を、温度調節仕様チェッカ308を用いて自動で計測する方法について以下に説明する。
計測制御用PC309はチップホルダの温度を制御する。また、計測制御用PC309は温度調節仕様チェッカ308から出力される温度を計測する。ここで計測制御用PC309は積極的にチップホルダの温度を制御するのに対し、温度調節仕様チェッカ308は単に受動的にチップホルダの温度を記録するだけである。装置内にはチップホルダが2個搭載されているため、温度調節仕様チェッカ308も2個搭載される。判定が必要な温度仕様である温度精度、温度加熱・冷却速度、オーバーシュート、温度均一性について本実施例の構成を用いて、自動かつ同時に計測を行うことが可能となる。装置仕様確認の手順は2つのチップホルダに対して温度調節仕様チェッカ308を設置した後、計測制御用PC309でチップホルダの温度制御を開始する。チップホルダの温度変化状況は温度調節仕様チェッカで計測・記録され、その判定を自動で行うことが可能となる。
チップホルダ内には4枚のペルチェ素子が配置されている。ヒートブロック302には温度センサである測温抵抗体304が4つ設置される。より具体的な設置方法はヒートブロック302内に機械加工により横穴を開け、その内部にサーマルグリースを充填後、測温抵抗体304を挿入する。サーマルグリースの漏洩を防止するため、横穴にセメダインを塗布する。ペルチェ素子1個について1つの測温抵抗体を使用することにより、ペルチェそれぞれの出力に対する固有パラメータを決定することが可能となる。サーマルプロテクタ305、306は温度暴走を防止するためにチップホルダあるいはヒートシンク301にそれぞれ設置される。また、チップホルダ自体の帯電を防止するためにアース線307をヒートシンク301に設置する。
本発明の第4の実施例として、図4、図5および図6を用いて以下に説明する。本実施例は実施例2、3で説明した方法についてペルチェの枚数が4枚から3枚に、温度仕様チェッカのプローブ種類が2種類から1種類とした簡略版である。本実施例では3枚のペルチェ素子402がヒートシンク401上にサーマルグリースあるいはサーマルパッドを介して設置される。ヒートブロック408がペルチェ素子の上に同様に設置される。これらの構成を温調装置としてのチップホルダとする。図5において温度調節仕様チェッカ509は装置外部の温度計測装置である。
ヒートブロック408は10〜75℃の温度範囲で温調される。このチップホルダの温度性能をチェックするための装置が温度調節仕様チェッカ509である。これは装置に内在する温度調節装置であるチップホルダに対して装置外部から基準となる温度計を導入し、装置内部の温度計の仕様を確認するものである。温度調節仕様チェッカ509は1種類の熱電対を5個固定板507に保持する。本実施例では熱電対204(安立計器、S−211E−01−1−TCP1−ASP、E型熱電対(クロメル−コンスタンタン))5個固定板507に配置している。熱電対は合わせ込み校正されているため、従来温度精度が±2.5℃であるE型熱電対の温度精度が±0.4℃まで高精度化されている。これにより、温度均一性の仕様が±1℃である場合も、本熱電対を用いて仕様のチェックを行うことが可能となる。また、熱電対504は接触式表面温度センサであり、接触板505の中央部の裏側に熱電対504の熱接点を接合させている。これにより熱電対504をヒートブロックに直接接触させることなく、固定板207をヒートブロック201に接地するだけでヒートブロックの温度を計測することが可能となる。これにより計測者が特別な技術を有さずとも、計測が簡便に行える。図6に図示するように温度調節仕様チェッカを2つのチップホルダ上に設置する。制御用PC621は温度加熱・冷却の制御をチップホルダに対して行う。チップホルダの温度状態をモニタする方法として温度調節仕様チェッカを2つのチップホルダに対してそれぞれ設置する。温度調節仕様チェッカからの温度状態を制御用PCは解析し、温度加熱・冷却速度、オーバーシュート、温度均一性の仕様について判定を下す。上記一連の動作を自動化が可能となる。
5個の熱電対504を温度調節仕様チェッカとして一括して保持することで温度センサの位置決めを一括して行うことが可能となる。これによりヒートブロック上に複数の温度センサをテープなどで固定する作業を省略できる。また、手作業と比較して温度センサを正確な位置決めが可能となる。これにより温度センサの設置状態のばらつきを低減し、安定かつ良好な計測が可能となる。これにより計測に要する時間および労力を軽減でき、計測の制度を向上させることができる。また、プローブに対するテープ剥離による負荷を除去できるため、プローブの故障率を低減できる。また、温度合わせ込みを行った熱電対を用いて同時計測を行うため、温度加熱・冷却速度、オーバーシュート、および温度均一性について同一の温度センサの適用が可能となり、温度加熱・冷却速度、オーバーシュートおよび温度均一性を一挙に同時に計ることができる。これにより、計測時間の短縮、計測労力の軽減が可能となる。また、温度加熱・冷却速度および温度均一性に必要となる温度センサの数を半分にすることが可能となるため、温度調整装置の低コスト化が図れる。
本発明の第5の実施例として、図7、図8および図9を用いて以下に説明する。本実施例は温度調節仕様チェッカを用いて温度精度、温度加熱・冷却速度、オーバーシュートおよび温度均一性について自動計測を行う具体的な動作について説明する。なお、クオーツ温度計および熱電対のサンプリングレートは1ヘルツである。図7に示されるように温度仕様のチェック工程は大きく分けて2つに大別される。1つは温度精度計測領域であり、もう1つは温度加熱・冷却速度、オーバーシュートおよび温度均一性計測領域である。前者はさらに温度精度に必要な情報を取得するためのCalibration工程とそれを用いて補正を行うVerification工程に分けることができる。Calibration工程ではヒートブロックの温度を10℃および75℃に到達させた後、3分以上安定化させる。この場合、横軸に装置内部の温度計、縦軸にクオーツ温度計の温度をプロットすると、両者の関係はy=ax+bの一次関数で近似することができる。このaをスロープ、bをオフセットとする。このパラメータを用いるペルチェ素子ひとつひとつについて算出し、ペルチェ素子ごとの出力に補正値を与える。もしもペルチェ素子の数が装置1台について6個であれば、入力するパラメータの数は12個となる。なお、ここで装置内部の温度計は、温度変化に対する抵抗値の関係が直線的である温度センサを用いることが重要である。具体的には白金測温抵抗体が理想的である。サーミスタは温度変化に対する抵抗値の関係が直線的ではなく、S字状の応答を示すため、本方法に述べる補正方法は適用できない。
Calibrationに用いる具体的な計算例を以下に示す。温調時に装置内部の温度計は10.0℃および75.0℃を示す。これは装置内部の温度計に対してフィードバック制御を行うため、装置内の温度計は必ず設定した温度を示すためである。しかし、これらの装置内部の温度精度は保証するためには、外部から外部機関により温度精度の校正証明を持った温度計により温度精度を保証する必要がある。本実施例では温度精度±0.05℃、温度分解能0.01℃のクオーツ温度計を用いて補正を行う。内部温度計が10.0℃、75℃を示すのに対し、ヒートブロックに装着したクオーツ温度計が、例えば10.57℃、75.70℃を示すとする。内部温度計の温度をx軸、クオーツ温度計の温度をy軸にとった場合、両者の関係が一次式で表すことができると仮定するとスロープとオフセットの算出が可能となる。本実施例ではスロープ値1.0020、オフセット値0.5548を得る。これを基板内の不揮発性RAMに直接書き込むことにより、ペルチェ素子に対する電圧および電流を補正することが可能となる。Calibrationの次に再びヒートブロックの温度を10および75℃に変化させ、3分以上安定化させ、温度を計測することで温度精度を確認する。この工程がVerificationである。通常スロープとオフセットの補正により、温度精度は10±0.1℃、75.0±0.1℃以内に押さえ込むことが確認できる。本実施例における温度精度仕様は±0.3℃である。これを満たさない場合、チップホルダの温度精度仕様は仕様外と判定される。なお、後述する温度加熱冷却速度、オーバーシュートおよび温度均一性の計測と異なり、温度精度の計測では2つのチップホルダの温度を同時に10℃あるいは75℃へ温度調節する。温度精度測定は動的ではなく静的な計測であり、温度変化開始後3分間時間を置くことによりチップホルダの温度を十分平衡化させ、安定させる。この動作は温度精度の補正の精度に影響しない。したがって温度精度に要する時間の短縮のため、温度精度計測では2つのチップホルダの温度を同時に制御する。以上の手続きが温度精度のチェックである。
次に温度加熱冷却速度、オーバーシュートおよび温度均一性を計測する。温度のサンプリングレートは1ヘルツである。これらは動的な温度変化に関する仕様である。もしも2つのチップホルダの温度を同時に冷却した場合、チップホルダが冷却されるため、ヒートシンクは反対に加熱される。このため、上流側にあるヒートシンク内を通過する不凍液の温度は流入前よりも高温となる。高温となった不凍液は下流にあるヒートシンクに流れ込む。したがって2つのヒートブロックを同時に温度制御した場合、ヒートシンクの温度は下流側が上流側と比較して高温となる。これはペルチェ素子とヒートシンク間の温度ΔTが異なるということを意味する。ペルチェ素子はΔT=0℃時に最も効率よく熱を移動させることができる。したがって下流側のヒートブロック内のペルチェ素子は上流側よりも大きなΔT条件下で動作するため、結果として下流側の動的な温度性能が低く出てしまう。したがって上流、下流にあるそれぞれのヒートブロックの動的な温度性能を正確に計測するためには、仕様を確認したいチップホルダのみの温度を変化させた状態で温度状態を計測する必要がある。
より具体的には、下流側のチップホルダBの温度を25.0℃に保ちながら上流側のチップホルダAの温度を40.1℃に加熱する。ここで40.1℃に加熱する理由は、ヒートブロックから空気中への放熱の影響を考慮し、40.1℃に設定した場合にヒートブロックの温度を40.0℃にするためである。40℃の状態を1分間保持し、ヒートブロックの温度を十分安定化させた後、9.9℃へ冷却を開始する。9.9℃の設定も空気中からの加温の影響を考慮したためである。9.9℃への冷却から150秒間9.9℃にて温度を保持する。まず、温度冷却速度については、39.5℃以下に初めて到達した温度測定T1から10.5℃以下に初めて到達した温度測定点T2より算出する。T1、T2を計測した時刻をそれぞれt1、t2とする。温度冷却速度は(T1−T2)/(t2−t1)となる。本実施例においてはこの温度加熱速度が0.5℃/s以上である場合に仕様を満たすと判定する。なお、加熱・冷却速度はヒートブロック中央の熱電対からの測定値より算出する。一般に中央の温度速度が最も速い。もし周囲からの応答速度が中央よりも高速である場合、ヒートブロックとペルチェ素子の接触不良、あるいはヒートシンクとペルチェ素子の接触不良が推定原因とされる。また、冷却時オーバーシュートは次のように計算される。温度冷却開始より120秒から130秒後の温度を10秒間平均化した温度を安定化した温度とする。温度冷却開始より130秒間で最も温度が低い温度と安定化した温度の差分がオーバーシュート温度となる。本実施例における温度冷却時のオーバーシュート仕様は2℃である。また、温度均一性については120秒から130秒後の複数の熱電対で計測された温度を平均する。本実施例では合わせ込み校正をおこなった熱電対の温度精度±0.4℃の誤差分を±1℃より差し引き、温度の最大および最小の温度が10±0.6℃以内に収まれば、冷却時温度均一性の仕様の達成と判定する。
次に加熱時のチップホルダAの加熱速度、オーバーシュートおよび温度均一性について説明する。この場合もチップホルダBの温度は25℃に保ったままチップホルダAの温度を変化させる。25.0℃の状態でヒートブロックを1分間安定化させた後、温度を78℃に変化させる。温度加熱開始より150秒間78℃の温度を保つ。温度加熱速度の算出方法を以下に示す。温度調節仕様チェッカ内の中央に位置する熱電対を用いる。まず、温度加熱速度については、26.0℃以下に初めて到達した温度測定T3から74.0℃以下に初めて到達した温度測定点T4より算出する。T3、T4を計測した時刻をそれぞれt3、t4とする。温度加熱速度は(T4−T3)/(t4−t3)となる。本実施例においてはこの温度加熱速度が2℃/s以上である場合に仕様を満たすと判定する。加熱時オーバーシュートは次のように計算される。温度加熱開始より120秒から130秒後の温度を10秒間平均化した温度を安定化した温度とする。温度加熱開始より130秒間で最も温度が高い温度と安定化した温度の差分がオーバーシュート温度となる。本実施例における温度加熱時のオーバーシュート仕様は5℃である。また、温度均一性については120秒から130秒後の複数の熱電対で計測された温度を平均する。本実施例では合わせ込み校正をおこなった熱電対の温度精度±0.4℃の誤差分を75+5/−1℃より差し引き、温度の最大および最小の温度が75+4.6/−0.6℃以内に収まれば、加熱時温度均一性の仕様の達成と判定する。
上述した温度加熱・冷却速度、オーバーシュートおよび温度均一性の確認をチップホルダAについて行った後、チップホルダAの温度を25.0℃に変化させ、安定させる。この状態で同様の温度変化をチップホルダBについて行い、チップホルダBについての温度加熱・冷却速度、オーバーシュートおよび温度均一性について確認する。これらのタイミングについての詳細なステップを図9に示す。2つのチップホルダについて温度精度、温度加熱・冷却速度、オーバーシュートおよび温度均一性の仕様判定を行うために要する時間は2250秒≒40分である。自動で計測を終了した後、計測および判定結果をプリントアウトする。
なお、従来温度プローブをヒートブロック上に手作業で設置していた。このため、プローブ設置位置が不正確、一個一個の温度プローブを手動で貼るため時間がかかる、作業性が悪い、貼り方にばらつきが出るため、計測ばらつきが大きいヒートブロックにおける温度プローブの固定を粘着テープなどで繰り返すうちに温度プローブが破損するなどの問題があった。これに対して、本発明によれば、複数の温度センサをテープなどで固定することなく、ヒートブロック上に設置させるだけで計測が可能となり、温度センサに対するテープ剥離による負荷を除去できるため、ため、温度センサの故障率が低減し、温度センサの耐用年数が延びる。
101、601 XYステージ
102、210、301、401、602、603 ヒートシンク
103 ラジエータ
104、201、302、408、604、607、612 ヒートブロック
105 フローチップ
111 キセノンランプ光源
112 リキッドライトガイド
113 ターレット
114 対物レンズ
115 Zモータ
116 集光レンズ
117 CCDカメラ
118、309、621 制御用PC
121、122、123、124 蛍光キューブ
131、202、402、605、606 ペルチェ素子
203 クオーツ温度計
204 熱電対
205、505 接触板
206 バネ
207、507 固定板
209、308、509 温度調節仕様チェッカ
304、609 測温抵抗体
305、306、608、611 サーマルプロテクタ
307、612 アース線

Claims (4)

  1. 複数のペルチェ素子とこれらペルチェに一つずつ対応して設けられた複数の温抵抗体とを備え、10〜75℃の温度範囲で温調される、平面板であるヒートブロックの温度計測方法であって、
    ヒートブロックの温度を変化させた後に、それぞれのペルチェ素子の中央部に設置した±0.05℃の温度精度を持つクオーツ温度計を用いて、ヒートブロックを備えた装置内部の温度計の温度及び前記クオーツ温度計の温度から、それぞれのペルチェ素子について温度補正値を算出し、算出した温度補正値をメモリに書き込む工程と、
    再びヒートブロックの温度を変化させて、補正後の温度精度を確認する工程と、を有することを特徴とする、温度計測方法。
  2. 請求項1において、
    ±0.4℃の温度精度と、0.1秒の温度応答性を有する熱電対を前記ヒートブロックの中央部および4隅に設けて温度計測することを特徴とする、温度計測方法。
  3. 請求項2において、
    前記クオーツ温度計および前記熱電対は固定板に保持されており、前記クオーツ温度計および前記熱電対の前記ヒートブロックへの位置決めを一括して行うことを特徴とする、温度計測方法。
  4. 請求項1において、
    前記クオーツ温度計をバネを用いて前記ヒートブロックへ押し付けることを特徴とする、温度計測方法。
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