JP5846360B2 - アルミニウム合金導体 - Google Patents
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Description
アルミニウムの比重は銅の約1/3、アルミニウムの導電率は銅の約2/3(純銅を100%IACSの基準とした場合、純アルミニウムは約66%IACS)であり、純アルミニウムの導体線材に純銅の導体線材と同じ電流を流すためには、純アルミニウムの導体線材の断面積を純銅の導体線材の約1.5倍にする必要があるが、それでも質量では銅に比べて約半分となるので、有利な点がある。
なお、上記の%IACSとは、万国標準軟銅(International Annealed Copper Standard)の抵抗率1.7241×10−8Ωmを100%IACSとした場合の導電率を表したものである。
一般に強度の高い材料ほど疲労特性は良好と言われている。そこで、強度の高いアルミニウム線材を適用すればよいが、ワイヤーハーネスはその設置時の取り回し(車体への取り付け作業)がしやすいことが要求されているために、一般的には伸びが10%以上確保できる鈍し材(焼鈍材)が使われていることが多い。
(1)Feを0.01〜0.4mass%と、Mgを0.01mass%以上0.3mass%未満と、Siを0.01mass%以上0.3mass%未満と、Cuを0.01〜0.5mass%とを含有し、残部Alと不可避不純物からなるアルミニウム合金導体であって、
線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として25°以上ステレオ投影図の標準三角形の範囲内の角度で傾いている面を有する結晶粒の面積率が、線材の半径をRとすると、線材の中心から半径(3/10)Rの円内に50%以上であり、かつ、線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として0°以上25°未満の範囲で傾いている面を有する結晶粒の面積率が、線材全体より線材の中心から半径(7/10)Rの円内を除いた範囲に50%以上であることを特徴とするアルミニウム合金導体。
(2)Feを0.4〜1.5mass%含有し、残部Alと不可避不純物からなるアルミニウム合金導体であって、
線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として25°以上ステレオ投影図の標準三角形の範囲内の角度で傾いている面を有する結晶粒の面積率が、線材の半径をRとすると、線材の中心から半径(3/10)Rの円内に50%以上であり、かつ、線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として0°以上25°未満の範囲で傾いている面を有する結晶粒の面積率が、線材全体より線材の中心から半径(7/10)Rの円内を除いた範囲に50%以上であることを特徴とするアルミニウム合金導体。
(3)Feを0.4〜1.5mass%と、Mgを0.01〜0.3mass%と、Siを0.01〜0.3mass%とを含有し、残部Alと不可避不純物からなるアルミニウム合金導体であって、
線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として25°以上ステレオ投影図の標準三角形の範囲内の角度で傾いている面を有する結晶粒の面積率が、線材の半径をRとすると、線材の中心から半径(3/10)Rの円内に50%以上であり、かつ、線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として0°以上25°未満の範囲で傾いている面を有する結晶粒の面積率が、線材全体より線材の中心から半径(7/10)Rの円内を除いた範囲に50%以上であることを特徴とするアルミニウム合金導体。
(4)Feを0.01〜1.5mass%と、Mgを0.3〜1.0mass%と、Siを0.3〜1.0mass%と、Cuを0.01〜0.5mass%とを含有し、残部Alと不可避不純物からなるアルミニウム合金導体であって、
線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として25°以上ステレオ投影図の標準三角形の範囲内の角度で傾いている面を有する結晶粒の面積率が、線材の半径をRとすると、線材の中心から半径(3/10)Rの円内に50%以上であり、かつ、線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として0°以上25°未満の範囲で傾いている面を有する結晶粒の面積率が、線材全体より線材の中心から半径(7/10)Rの円内を除いた範囲に50%以上であることを特徴とするアルミニウム合金導体。
(5)線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(100)面から法線方向を基準として0°以上20°以下の範囲で傾いている面を有する結晶粒の面積率が、線材の半径をRとすると、線材の中心から半径(3/10)Rの円内に50%以上であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のアルミニウム合金導体。
(6)線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として0°以上10°未満の範囲で傾いている面を有する結晶粒の面積率が、線材の半径をRとすると、線材全体より線材の中心から半径(7/10)Rの円内を除いた範囲に50%以上であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載のアルミニウム合金導体。
(7)線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として10°以上25°未満の範囲で傾いている面を有する結晶粒の面積率が、線材の半径をRとすると、線材全体より線材の中心から半径(7/10)Rの円内を除いた範囲に50%以上であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載のアルミニウム合金導体。
(8)移動体内のバッテリーケーブル、ハーネス、またはモータ用導線として用いられることを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載のアルミニウム合金導体。
(9)前記移動体が自動車、電車、または航空機であることを特徴とする(8)に記載のアルミニウム合金導体。
本発明の第1のアルミニウム合金導体は、後記の所定の合金組成を有するとともに、線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として25°以上ステレオ投影図の標準三角形の範囲内の角度で傾いている面を有する結晶粒の面積率が、線材の半径をRとすると、線材の中心から半径(3/10)Rの円内に50%以上であり、かつ、線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として0°以上25°未満の範囲で傾いている面を有する結晶粒の面積率が、線材全体より線材の中心から半径(7/10)Rの円内を除いた範囲に50%以上であることを特徴とする。このような再結晶集合組織とすることにより、伸線方向に対して線材を図3のように屈曲させた際に、線材内外の結晶方位の差により耐屈曲疲労特性を向上させることができる。交差すべりのしやすさが耐屈曲疲労特性に影響を与えており、線材の中心から半径(3/10)Rの円内には交差すべりのしやすい(100)面が多く出現している方が良く、線材全体より線材の中心から半径(7/10)Rの円内を除いた範囲には、交差すべりのしにくい(111)面が多く出現している方が良いと考えられる。交差すべりとは、あるすべり面から別のすべり面に乗り変わるすべりのことである。線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として25°以上ステレオ投影図の標準三角形の範囲内の角度で傾いている面を有する結晶粒の面積率は、線材の中心から半径(3/10)Rの円内に、好ましくは60%以上であり、さらに好ましくは70%以上である。線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として0°以上25°未満の範囲で傾いている面を有する結晶粒の面積率は、線材全体より線材の中心から半径(7/10)Rの円内を除いた範囲に、好ましくは60%以上であり、さらに好ましくは70%以上である。
ある結晶面をある角度で傾けると、等価な面が現れることを考慮すると、傾きの角度は、ステレオ投影図の標準三角形の角度内に収められる。例えば、(111)面の法線方向を基準として、39.2°傾斜した(120)面と75.0°傾斜した(-120)面は等価な面として表せるため、ステレオ投影図の標準三角形の範囲内の39.2°で記述する方が良い。なお、これらの等価な面は{120}という記号を用い、1つの群として表すことができる。
すなわち、傾斜角度θは0≦θ≦標準三角形の範囲内の角度であるが、対象とする結晶面によってその最大傾斜角度は異なる。さらに、例えば(111)面を対象としても標準三角形の範囲の最大値は必ず決まるわけではなく、法線方向を基準として(111)面をどの方向に傾斜するかにより異なる。なお、(111)面での標準三角形の範囲の最大値は、(100)面に傾斜した際の54.7°となる。
本発明のアルミニウム合金導体は、[1]溶解、[2]鋳造、[3]熱間または冷間加工(溝ロール加工など)、[4]伸線加工、[5]熱処理(中間焼鈍)、[6]伸線加工、[7]熱処理(仕上げ焼鈍)の各工程を経て製造することができる。
本発明のアルミニウム合金導体では、ダイス引きによって伸線加工を行い、1個のダイスの断面減少率を10%以上、かつ、ダイス半角を5°以上とする。断面減少率とは、伸線加工前後における伸線方向に垂直な断面積の差を、伸線加工前の断面積で割って100をかけたものとして与えられる。ダイス半角とは、図2に示す通り、導体がダイスに引き込まれる際の角度である。図2においてダイス21のダイス半角22がαで示されている。1個のダイスの断面減少率とダイス半角の一方または両方が規定値未満であると、材料に負荷されるせん断応力が不足し、線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として25°以上ステレオ投影図の標準三角形の範囲内の角度で傾いている面を有する結晶粒の面積率が、線材の中心から半径(3/10)Rの円内に50%以上、かつ、線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として0°以上25°未満の範囲で傾いている面を有する結晶粒の面積率が、線材全体より線材の中心から半径(7/10)Rの円内を除いた範囲に50%以上でなくなる場合がある。1個のダイスの断面減少率及びダイス角は、高い方が負荷されるせん断応力が高まるため、より線材の内外で結晶方位に差が生じ、線材の中心から半径(3/10)Rの円内に、線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(100)面から法線方向を基準として0°以上20°以下の範囲で傾いている面を有する結晶粒の面積率が増えたり、線材全体より線材の中心から半径(7/10)Rの円内を除いた範囲に、線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として0°以上25°未満の範囲で傾いている面を有する結晶粒の面積率が増えたりする。特に、線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として0°以上10°未満の範囲で傾いている面を有する結晶粒の面積率が増える。1個のダイスの断面減少率は、好ましくは12%以上であり、更に好ましくは15%以上である。1個のダイスの断面減少率が大きすぎると引抜力が過大となり、断線や線荒れが生じる可能性が高くなるため、30%以内であることが好ましい。ダイス半角は、好ましくは7°以上であり、更に好ましくは9°以上である。ダイス半角が大きすぎると線材に負荷されるせん断応力が過大となり、断線や線荒れが生じる可能性が高くなるため、15°以下であることが好ましい。
0.03≦x≦0.73、かつ
26x−0.6+377≦y≦19x−0.6+477
を満たすように行う。
なお、線材温度y(℃)は、線材として温度が最も高くなる、冷却工程に通過する直前の温度を表す。y(℃)は通常408〜633(℃)の範囲内である。
1.5≦x≦5、かつ
−50x+550≦z≦−36x+650
を満たすように行う。焼鈍炉温度z(℃)は、は通常300〜596(℃)の範囲内である。
また、仕上げ焼鈍は上記2つの方法の他に、磁場中を線材が連続的に通過して焼鈍させる誘導加熱でもよい。
本発明の第1の実施態様の成分構成は、Feを0.01〜0.4mass%と、Mgを0.01mass%以上0.3mass%未満と、Siを0.01mass%以上0.3mass%未満と、Cuを0.01〜0.5mass%とを含有し、残部Alと不可避不純物からなる。
その他の合金組成とその作用については上述の第1の実施態様と同様である。
である。
Fe、Mg、Si、Cu、及びAlが表1に示す量(質量%)になるようにプロペルチ式の連続鋳造圧延機を用いて、溶湯を水冷した鋳型で連続的に鋳造しながら圧延を行ない、約10mmφの棒材とした。このときの鋳造冷却速度は1〜20℃/秒である。
次いで、表面の皮むきを実施して、約9.5mmφとし、これを所定の加工度が得られるように伸線加工した。次に、この冷間伸線した加工材に温度300〜450℃で0.5〜4時間の中間焼鈍を施し、さらに、所定の線径まで伸線加工を行った。伸線加工はダイス引きによって行い、1個のダイスの断面減少率を15%〜30%(比較例では8%、32%を含む)、かつ、ダイス半角を5°〜15°(比較例では4°、17°を含む)とした。
最後に仕上げ焼鈍として連続通電熱処理を温度438〜610℃、時間0.03〜0.73秒、連続走間熱処理を温度499〜523℃、時間1.5〜3.0秒行なった。
連続通電熱処理の場合、ファイバ型放射温度計(ジャパンセンサ社製)で線材の温度が最も高くなる水中を通過する直前の線材温度y(℃)を測定した。また、連続走間熱処理の場合、焼鈍炉温度z(℃)を測定した。仕上げ焼鈍時の張力は、3.5〜15.0MPa(比較例では、1.0MPa、20.0MPaを含む)とした。張力はロードセル(共和電業製)を用いて測定した。
本発明における結晶方位の解析には、EBSD法を用いた。線材の伸線方向に垂直な断面において、主に直径約310μmの試料面積に対し、結晶方位を観察した。測定面積は図1の範囲(半径(3/10)Rの円の内側、もしくは半径(7/10)Rの円の外側)を基に設定し、スキャンステップは試料の平均結晶粒の大きさの約1/5〜1/10に設定した。各結晶方位を有する結晶粒の面積率は、伸線方向に垂直な断面に平行に位置する結晶面に対し、図1の測定面積の中に存在する各結晶方位を有する結晶粒の面積を、図1の全測定面積で割ったものとして与えられる。
(c)引張強度(TS)及び引張破断伸び(柔軟性)
JIS Z 2241に準じて各3本ずつ試験し、その平均値を求めた。引張強度の下限は好ましくは80MPa以上であり、更に好ましくは100MPa以上である。また、引張強度の上限は好ましくは240MPa未満であり、更に好ましくは220MPa未満である。柔軟性に関する指標として、引張破断伸びは10%以上が好ましい。さらに好ましくは15%以上である。
(d)導電率(EC)
長さ300mmの試験片を20℃(±0.5℃)に保持した恒温漕中で、四端子法を用いて比抵抗を各3本ずつ測定し、その平均導電率を算出した。端子間距離は200mmとした。導電率は、特に限定はしないが、電気を流すため高い方が好ましい。
(e)繰返破断回数(耐屈曲疲労特性)
耐屈曲疲労特性の基準として、常温におけるひずみ振幅は±0.17%とした。耐屈曲疲労特性はひずみ振幅によって変化する。ひずみ振幅が大きい場合疲労寿命は短くなり、ひずみ振幅が小さい場合疲労寿命は長くなる。ひずみ振幅は図3記載の線材1の線径と曲げ冶具2、3の曲率半径により決定することができるため、線材1の線径と曲げ冶具2、3の曲率半径は任意に設定して屈曲疲労試験を実施することが可能である。
藤井精機株式会社(現株式会社フジイ)製の両振屈曲疲労試験機を用い、0.17%の曲げ歪みが与えられる治具を使用して、繰り返し曲げを実施することにより、繰返破断回数を測定した。繰返破断回数は各4本ずつ測定し、その平均値を求めた。図3の説明図に示すように、線材1を、曲げ治具2及び3の間を1mm空けて挿入し、冶具2及び3に沿わせるような形で繰り返し運動をさせた。線材の一端は繰り返し曲げが実施できるよう押さえ冶具5に固定し、もう一端には約10gの重り4をぶら下げた。試験中は押さえ冶具5が動くため、それに固定されている線材1も動き、繰り返し曲げが実施できる。繰り返しは1分間に100回の条件で行い、線材の試験片1が破断すると、重り4が落下し、カウントを停止する仕組みになっている。繰返破断回数は好ましくは10万回以上、より好ましくは12万回以上、更に好ましくは14万回以上である。
これに対し実施例1−No.1〜13では、引張強度、導電率、引張破断伸び(柔軟性)、及び繰返破断特性(耐屈曲疲労特性)に優れたアルミニウム合金導体が得られた。
2、3 曲げ治具
4 重り
5 押さえ冶具
21 ダイス
22 ダイス半角
41 ステレオ投影図の標準三角形
Claims (9)
- Feを0.01〜0.4mass%と、Mgを0.01mass%以上0.3mass%未満と、Siを0.01mass%以上0.3mass%未満と、Cuを0.01〜0.5mass%とを含有し、残部Alと不可避不純物からなるアルミニウム合金導体であって、
線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として25°以上ステレオ投影図の標準三角形の範囲内の角度で傾いている面を有する結晶粒の面積率が、線材の半径をRとすると、線材の中心から半径(3/10)Rの円内に50%以上であり、かつ、線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として0°以上25°未満の範囲で傾いている面を有する結晶粒の面積率が、線材全体より線材の中心から半径(7/10)Rの円内を除いた範囲に50%以上であることを特徴とするアルミニウム合金導体。 - Feを0.4〜1.5mass%含有し、残部Alと不可避不純物からなるアルミニウム合金導体であって、
線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として25°以上ステレオ投影図の標準三角形の範囲内の角度で傾いている面を有する結晶粒の面積率が、線材の半径をRとすると、線材の中心から半径(3/10)Rの円内に50%以上であり、かつ、線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として0°以上25°未満の範囲で傾いている面を有する結晶粒の面積率が、線材全体より線材の中心から半径(7/10)Rの円内を除いた範囲に50%以上であることを特徴とするアルミニウム合金導体。 - Feを0.4〜1.5mass%と、Mgを0.01〜0.3mass%と、Siを0.01〜0.3mass%とを含有し、残部Alと不可避不純物からなるアルミニウム合金導体であって、
線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として25°以上ステレオ投影図の標準三角形の範囲内の角度で傾いている面を有する結晶粒の面積率が、線材の半径をRとすると、線材の中心から半径(3/10)Rの円内に50%以上であり、かつ、線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として0°以上25°未満の範囲で傾いている面を有する結晶粒の面積率が、線材全体より線材の中心から半径(7/10)Rの円内を除いた範囲に50%以上であることを特徴とするアルミニウム合金導体。 - Feを0.01〜1.5mass%と、Mgを0.3〜1.0mass%と、Siを0.3〜1.0mass%と、Cuを0.01〜0.5mass%とを含有し、残部Alと不可避不純物からなるアルミニウム合金導体であって、
線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として25°以上ステレオ投影図の標準三角形の範囲内の角度で傾いている面を有する結晶粒の面積率が、線材の半径をRとすると、線材の中心から半径(3/10)Rの円内に50%以上であり、かつ、線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として0°以上25°未満の範囲で傾いている面を有する結晶粒の面積率が、線材全体より線材の中心から半径(7/10)Rの円内を除いた範囲に50%以上であることを特徴とするアルミニウム合金導体。 - 線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(100)面から法線方向を基準として0°以上20°以下の範囲で傾いている面を有する結晶粒の面積率が、線材の半径をRとすると、線材の中心から半径(3/10)Rの円内に50%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウム合金導体。
- 線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として0°以上10°未満の範囲で傾いている面を有する結晶粒の面積率が、線材の半径をRとすると、線材全体より線材の中心から半径(7/10)Rの円内を除いた範囲に50%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルミニウム合金導体。
- 線材の伸線方向に垂直な断面に平行に位置する(111)面から法線方向を基準として10°以上25°未満の範囲で傾いている面を有する結晶粒の面積率が、線材の半径をRとすると、線材全体より線材の中心から半径(7/10)Rの円内を除いた範囲に50%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルミニウム合金導体。
- 移動体内のバッテリーケーブル、ハーネス、またはモータ用導線として用いられることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のアルミニウム合金導体。
- 前記移動体が自動車、電車、または航空機であることを特徴とする請求項8に記載のアルミニウム合金導体。
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