JP5843106B2 - 4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類の製造方法及び4−置換ピペリジン−2−カルボン酸類鉱酸塩の製造方法 - Google Patents

4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類の製造方法及び4−置換ピペリジン−2−カルボン酸類鉱酸塩の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類の製造方法及び4−置換ピペリジン−2−カルボン酸類鉱酸塩の製造方法に関する。
4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類及び4−置換ピペリジン−2−カルボン酸類鉱酸塩は、局所麻酔薬であるロピバカイン(Ropivacaine)、トロンビン阻害作用を有する血液抗凝固剤である1−(N2−アリールスルホニル−L−アルギニル)−トランス−4−置換ピペリジン−2−カルボン酸塩酸塩(アルガトロバン)又はそのエステル類等の医薬品等における重要な合成中間体である。
トランス−4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類の製造方法については、4−置換ピペリジン類から誘導した4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類を原料としてハロゲン系鉱酸である塩酸を反応触媒に使用してシアン化水素を作用後、強塩基性下で溶剤抽出したものを蒸留精製してトランス−4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類を取得する方法が知られている。また、トランス−4−置換ピペリジン−2−カルボン酸類鉱酸塩の製造方法として、上述の精製操作で得られたトランス−4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類に塩酸を作用後、溶媒を留去してから再結晶してトランス−4−置換ピペリジン−2−カルボン酸塩酸塩を取得する方法が知られている(特許文献1)。
他に4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類を原料として非ハロゲン系鉱酸である硫酸等を反応触媒に使用してシアン化水素を作用後、溶剤抽出を行う事でトランス−4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類を取得する方法が知られている(特許文献2)。
また、4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類に鉱酸触媒下、アルカリ金属シアン化物を作用するニトリル化反応により、トランス−4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類を生成するニトリル化工程、及び該ニトリル化工程で得られたニトリル化反応終了液からトランス−4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類を単離、精製することなく、トランス−4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類を鉱酸による加水分解を行うことによりトランス−4−置換ピペリジン−2−カルボン酸塩類を生成するトランス−4−置換ピペリジン−2−カルボン酸類鉱酸塩の製造方法が知られている。(特許文献3)
特公昭61−25029号公報 特許第3764832号公報 特開2003−160560号公報
4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類は室温で固体または高粘性の液体であり、使用する際に加熱して融解または粘性を低下させる必要がある。しかし、4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類は加熱により分解しやすく、不安定であるため、工業的に煩雑な操作を強いられる。よって、4−置換ピペリジンから4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類を経由して生成するトランス−4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類の収率低下の大きな要因となっている。
また、ニトリル化に金属シアン化物を使用し、ニトリル化後に抽出を行わずに加水分解すると金属シアン化物由来の無機塩が製品中に大量に混入する問題があった。
本発明の目的は、簡便な操作による、高収率かつ高効率な4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類の製造方法及び無機塩含量の低減した4−置換ピペリジン−2−カルボン酸類鉱酸塩の製造方法を提供することにある。
本発明は、以下の通りである。
(A)以下の工程を含む4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類の製造方法。
(1)有機溶媒に溶解させた4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類と、鉱酸とを接触させることにより、4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類鉱酸塩を得る工程
(2)(1)の工程で得た4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類鉱酸塩とアルカリ金属シアン化物とを接触させることにより、4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類を得る工程
(B)有機溶媒がエーテル類である(A)の方法。
(C)(A)又は(B)の方法で得られた4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類を鉱酸の存在下に加水分解する4−置換ピペリジン−2−カルボン酸類鉱酸塩の製造方法。
本発明によれば、簡便な操作により、高収率かつ高効率に4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類又は無機塩含量の低減した4−置換ピペリジン−2−カルボン酸類鉱酸塩を製造することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
・ 用語の説明
(1)4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類
4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類とは、下記一般式(1)で表される化合物のことをいう。
Figure 0005843106

(一般式(1)中、Rは炭素数1〜4の直鎖状または分岐状の飽和アルキル基を示す。)
一般式(1)で示される4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類は、4−メチル−1,2−デヒドロピペリジン、4−エチル−1,2−デヒドロピペリジン、4−(n−プロピル)−1,2−デヒドロピペリジン、4−(iso−プロピル)−1,2−デヒドロピペリジン、4−(n−ブチル)−1,2−デヒドロピペリジン、4−(iso−ブチル)−1,2−デヒドロピペリジン、4−(sec−ブチル)−1,2−デヒドロピペリジン又は4−(tert−ブチル)−1,2−デヒドロピペリジン等が挙げられる。
好ましくは、4−メチル−1,2−デヒドロピペリジン、4−エチル−1,2−デヒドロピペリジン、4−(iso−プロピル)−1,2−デヒドロピペリジン、4−(n−ブチル)−1,2−デヒドロピペリジンである。
(2)4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類
4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類とは、下記一般式(2)で表される化合物のことをいう。
Figure 0005843106

(一般式(2)中、Rは一般式(1)と同義である。)
一般式(2)で示される4−置換ピペリジン−2−カルボニトリルは、4−メチルピペリジン−2−カルボニトリル、4−エチルピペリジン−2−カルボニトリル、4−(n−プロピル)ピペリジン−2−カルボニトリル、4−(iso−プロピル)ピペリジン−2−カルボニトリル、4−(n−ブチル)ピペリジン−2−カルボニトリル、4−(iso−ブチル)ピペリジン−2−カルボニトリル、4−(sec−ブチル)ピペリジン−2−カルボニトリル又は4−(tert−ブチル)ピペリジン−2−カルボニトリル等が挙げられる。
好ましくは、4−メチルピペリジン−2−カルボニトリル、4−エチルピペリジン−2−カルボニトリル、4−(iso−プロピル)ピペリジン−2−カルボニトリル、4−(n−ブチル)ピペリジン−2−カルボニトリルである。
(3)4−置換ピペリジン−2−カルボン酸類鉱酸塩
4−置換ピペリジン−2−カルボン酸類鉱酸塩とは、下記一般式(3)で表される化合物のことをいう。
Figure 0005843106

(一般式(3)中、Rは一般式(1)と同義であり、・Aは、式(3)全体として鉱酸塩であることを示す。)
一般式(3)で示される4−置換ピペリジン−2−カルボン酸類鉱酸塩は、4−メチルピペリジン−2−カルボン酸鉱酸塩、4−エチルピペリジン−2−カルボン酸の鉱酸塩、4−(n−プロピル)ピペリジン−2−カルボン酸鉱酸塩、4−(iso−プロピル)ピペリジン−2−カルボン酸鉱酸塩、4−(n−ブチル)ピペリジン−2−カルボン酸鉱酸塩、4−(iso−ブチル)ピペリジン−2−カルボン酸鉱酸塩、4−(sec−ブチル)ピペリジン−2−カルボン酸鉱酸塩又は4−(tert−ブチル)ピペリジン−2−カルボン酸鉱酸塩等が挙げられる。
好ましくは、4−メチルピペリジン−2−カルボン酸鉱酸塩、4−エチルピペリジン−2−カルボン酸の鉱酸塩、4−(iso−プロピル)ピペリジン−2−カルボン酸鉱酸塩、4−(n−ブチル)ピペリジン−2−カルボン酸鉱酸塩である。
鉱酸塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、りん酸塩等が挙げられる。好ましくは、塩酸塩、硫酸塩である。
2. 4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類の製造方法
本発明の4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類の製造方法は、以下の工程を含む。
(1)有機溶媒に溶解させた4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類と、鉱酸とを接触させることにより、4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類鉱酸塩を得る工程
(2)(1)の工程で得た4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類鉱酸塩とアルカリ金属シアン化物とを接触させることにより、4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類を得る工程
(1)の工程で、4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類を溶解させる有機溶媒は、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルイソブチルケトン、エチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル及びジエチレングリコールジメチルエーテルのようなグリコールモノ又はジエーテル類、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン又はクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。これら有機溶媒のうち好ましくはジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル又はtert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類である。
4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類が溶解した溶液の濃度は、5〜90質量%であることが好ましく、10〜60質量%であることがさらに好ましい。5質量%以上とすることにより、抽出に使用する有機溶媒量が少なくなるので好ましい。90質量%以下とすることにより抽出効率が高くなるので好ましい。
溶解の方法は、有機溶媒に4−置換−1,2−デヒドロピペリジンを添加しても、4−置換−1,2−デヒドロピペリジンへ有機溶媒を添加してもよく、攪拌しながら添加することが好ましい。
有機溶媒に溶解させた4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類鉱酸塩を抽出するための鉱酸は、塩酸、硫酸、硝酸又は燐酸などが挙げられる。
鉱酸の濃度としては、5〜50質量%であることが好ましく、10〜30%であることがさらに好ましい。5質量%以上とすることにより、ニトリル化反応での酸濃度が薄くならず、反応速度が低下しない点で好ましい。50質量%以下とすることにより、4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類溶液を滴下するときに過度の発熱が生じず、4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類の分解を起こし難い点で好ましい。
使用する鉱酸の使用量としては、4−置換−1,2−デヒドロピペリジンに対して1〜10モル当量が好ましく、2〜5モル当量であることがさらに好ましい。1モル当量以上とすることにより、4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類が鉱酸塩として抽出され、有機溶媒に残存し難くなる点で好ましい。10モル当量以下とすることにより副生する無機塩が増加したり、過度の発熱が生じたりする危険性が少なくなる点で好ましい。
接触させるとは、例えば、4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類溶液を鉱酸に滴下して行っても良いし、鉱酸を4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類溶液に滴下して行っても良い。
滴下する際の温度は0〜50℃であることが好ましく、10〜30℃であることがさらに好ましい。0℃以上であることにより調製が短時間ですみ、50℃以下であることにより4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類の分解も起き難くなる点で好ましい。
接触させる時間は、0.5〜10時間が好ましく、1〜5時間であることがさらに好ましい。0.5時間以上とすることにより反応温度を制御できる点で好ましい。10時間以下にすることにより生産効率の点で好ましい。
この操作により、4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類鉱酸塩を分解させることなく調製することができる。
(2)の工程で、アルカリ金属シアン化物と接触させるとは、例えば、アルカリ金属シアン化物の水溶液を上記調製液に滴下することで実施することができる。
アルカリ金属シアン化物の使用量は、4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類に対して1〜5モル当量であることが好ましく、1.5〜3モル当量であることがさらに好ましい。1モル当量以上であると、反応が完結し、収率が低下し難い点で好ましい。5モル当量以下であると反応後に残存する未反応のシアン化物を分解、除去する煩雑な工程が少ない点で好ましい。
アルカリ金属シアン化物の水溶液を滴下する温度は、0〜50℃であることが好ましく、10〜30℃であることがさらに好ましい。0℃以上であると反応時間が短い点で好ましい。50℃以下であると4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類の分解が生じ難い点で好ましい。
アルカリ金属シアン化物の水溶液を滴下した後に反応を完結させるため熟成することが好ましい。滴下完了後から反応終了までを熟成とし、熟成時間を1〜12時間とすることが好ましい。熟成は、攪拌しながら行い、その際の熟成温度は、0〜50℃であることが好ましく、10〜30℃であることがさらに好ましい。
反応終了後、反応液がpH9〜12となるように塩基を添加し、有機溶媒で4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類を抽出する。抽出する溶媒は、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル又はtert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルイソブチルケトン、エチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート又はプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル又はジエチレングリコールジメチルエーテルのようなグリコールモノ又はジエーテル類、n−ヘキサン又はn−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン又はトルエン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン又はクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。これら有機溶媒のうち好ましくはジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル又はtert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類である。
抽出は、反応液に有機溶媒を添加しても、有機溶媒に反応液を滴下してもよい。抽出の温度は0〜50℃であることが好ましく、10〜30℃であることがさらに好ましい。
0〜50℃であると抽出効率がよく、有機溶媒の使用量が多くならない点で工業的に好ましい。抽出は攪拌しながら行うことが好ましい。
この抽出液を濃縮することで、4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類を回収することができる。減圧濃縮により濃縮を行い回収する。濃縮の温度は、0〜80℃が好ましく、10〜50℃であることがさらに好ましい。80℃以下であると生成した4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類が分解し難い点で好ましい。
3. 4−置換ピペリジン−2−カルボン酸類鉱酸塩の製造方法
4−置換ピペリジン−2−カルボン酸類鉱酸塩は、上記方法で得られた4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類を鉱酸の存在下に加水分解することにより製造する。
加水分解に使用する鉱酸は、塩酸、硫酸、硝酸又は燐酸などが挙げられる。好ましくは、塩酸又は硫酸である。
4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類に対して使用する鉱酸の使用量としては、1〜20モル当量が好ましく、5〜15モル当量であることがさらに好ましい。1モル当量以上であると反応速度が低下せず、工程時間が長くならない点で好ましい。20モル当量以下であると反応後の中和で生成する無機塩が増加しない点で好ましい。
加水分解は、4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類を鉱酸に滴下しても、鉱酸を4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類に滴下してもよい。
滴下するときの反応液の温度は0〜50℃であることが好ましく、10〜30℃であることがさらに好ましい。0℃以上であると、反応時間が短い点で好ましい。50℃以下であると4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類の分解が起き難い点で好ましい。
鉱酸の濃度としては、5〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがさらに好ましい。5質量%以上とすることにより、反応速度が低下せず、50質量%以下にすることにより4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類を滴下するときに過度の発熱が生じ難く、4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類の分解を防ぐことができる点で好ましい。
滴下は、4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類溶液を鉱酸水溶液に滴下しても、鉱酸水溶液を4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類溶液に滴下してもよい。
滴下時の反応温度は0〜50℃であることが好ましく、10〜30℃であることがさらに好ましい。0℃以上とすることにより、反応時間が短く、50℃以下にすることにより4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類の分解が起き難くなる点で好ましい。
反応時間は、0.5〜10時間が好ましく、1〜5時間であることがさらに好ましい。0.5時間以上とすることにより収率を向上させることができる点で好ましい。10時間以下にすることにより生産効率がよい点で好ましい。
加水分解後、4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類鉱酸塩を含む水相を有機溶媒で置換濃縮することで、4−置換ピペリジン−2−カルボン酸類鉱酸塩を回収することができる。
有機溶媒としては、水と共沸するものが好ましく、たとえばエタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、アセトニトリル、トルエンなどが挙げられる。
溶媒置換での水分含量は0.5〜5質量%であることが好ましく、0.5〜2質量%であることがさらに好ましい。0.5質量%以上とすることにより水分を低減させるための濃縮時間を低減できる点で好ましい。2質量%以下にすることにより収率ロスが低減する点で好ましい。
実施例および比較例中の化合物の分析は、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて行った。
〈分析条件〉
GC−17A(島津製作所(株)製)
カラム:DB−5(0.32mm×30m、Agilent社製)
検出器:FID、110℃
キャリアー:He 0.9ml/min、スプリット比 55:1
カラム温度 70℃
インジェクション温度:110℃
注入量:反応液(100μl)を1N NaOH 700μlで希釈したサンプルを10μl
〔実施例1〕4−メチルピペリジン−2−カルボン酸塩酸塩の合成
a)4−メチル−1,2−デヒドロピペリジンの合成
攪拌機および温度計を付した1000ml三口フラスコに次亜塩素酸ナトリウム水溶液425.0g(12質量%、0.69mol)を秤量し、5℃以下まで冷却した。この水溶液中に0〜5℃で4−ピペコリン34.0g(0.34mol)を滴下した後、同温度で1時間熟成後、分相により有機相を回収した。
この有機相を反応液内温30〜50℃の範囲で水酸化カリウム/メタノール溶液210g(18質量%、0.68mol)中に滴下し、析出物をろ過した。このろ液を30℃以下で減圧濃縮(条件20kPa以下)してメタノールを溜去した後、ジイソプロピルエーテル128.0gで溶解した。次いで、純水60gで洗浄し、18質量%4−メチル−1,2−デヒドロピペリジン/ジイソプロピルエーテル溶液156.0gを収率85%で得た。
b)4−メチルピペリジン−2−カルボニトリルの合成
攪拌機および温度計を付した2000ml三口フラスコに、18質量%硫酸水溶液762.2g(1.39mol)を秤量し、20℃に温度を調整した。この硫酸水溶液(20〜25℃)中に工程a)で得られた18質量%4−メチル−1,2−デヒドロピペリジン/ジイソプロピルエーテル溶液442.7g(0.82mol)を滴下した。次いで、20〜25℃で1時間撹拌した後、水相を回収した。この水相を攪拌機および温度計を付した1500ml三口フラスコに移し、10℃まで冷却した。10〜15℃の水相中に攪拌しながら32質量%シアン化ナトリウム水溶液249.8g(1.63mol)を滴下した。滴下終了後に30℃で5時間、攪拌しながら熟成した。10℃まで冷却後、48質量%水酸化ナトリウム水溶液123.6g(1.48mol)を20℃以下で添加し、pH10とした。次いで、ジイソプロピルエーテル191.7gで抽出し、減圧濃縮(16kPa以下)することで4−メチルピペリジン−2−カルボニトリル103.5g(純度85%)を回収した。収率は98%であった。
c)4−メチルピペリジン−2−カルボン酸塩酸塩の合成
攪拌機および温度計を付した1500ml三口フラスコに35質量%塩酸832.1g(7.99mol)を秤量し、30℃以下で攪拌しながら、工程b)で得られた4−メチルピペリジン−2−カルボニトリル103.5gを滴下した。滴下終了後、90℃で5時間、攪拌しながら熟成した。トルエンを添加しながら置換濃縮を行い、水分含量を1質量%以下とした。析出した結晶を吸引ろ過した後、60℃で減圧乾燥して、4−メチルピペリジン−2−カルボン酸塩酸塩168.3g(純度77%)を収率88%で得た。
〔実施例2〕4−メチルピペリジン−2−カルボン酸塩酸塩の合成
攪拌機および温度計を付した1000ml三口フラスコに、実施例1の工程a)で得られた18質量%4−メチル−1,2−デヒドロピペリジン/ジイソプロピルエーテル溶液442.7g(0.82mol)を秤量し、130〜160hPaの減圧下、内温30℃以下で減圧濃縮を行い、50質量%4−メチル−1,2−デヒドロピペリジン/ジイソプロピルエーテル溶液159.3gを得た。4−メチル−1,2−デヒドロピペリジン/ジイソプロピルエーテル溶液の濃度を18質量%から50質量%とした以外は実施例1の工程b)の方法で製造し、4−メチルピペリジン−2−カルボン酸塩酸塩を168.6g(純度76%)を収率87%で得た。
〔実施例3〕4−エチルピペリジン−2−カルボン酸塩酸塩の合成
18質量%4−メチル−1,2−デヒドロピペリジン/ジイソプロピルエーテル溶液の代わりに50質量%4−エチル−1,2−デヒドロピペリジン/ジイソプロピルエーテル溶液182.3g(0.82mol)を使用した以外は実施例1の方法で製造し、4−エチルピペリジン−2−カルボン酸塩酸塩を167.2g(純度76%)を収率80%で得た。
〔実施例4〕4−iso−プロピルルピペリジン−2−カルボン酸塩酸塩の合成
18質量%4−メチル−1,2−デヒドロピペリジン/ジイソプロピルエーテル溶液の代わりに50質量%4−iso−プロピル−1,2−デヒドロピペリジン/ジイソプロピルエーテル溶液205.3g(0.82mol)を使用した以外は実施例1の方法で製造し、4−iso−プロピルピペリジン−2−カルボン酸塩酸塩を172.5g(純度77%)を収率78%で得た。
〔実施例5〕4−n−ブチルピペリジン−2−カルボン酸塩酸塩の合成
18質量%4−メチル−1,2−デヒドロピペリジン/ジイソプロピルエーテル溶液の代わりに50質量%4−n−ブチル−1,2−デヒドロピペリジン/ジイソプロピルエーテル溶液228.4g(0.82mol)を使用した以外は実施例1の方法で製造し、4−n−ブチルピペリジン−2−カルボン酸塩酸塩を177.1g(純度78%)を収率76%で得た。
〔比較例1〕
攪拌機および温度計を付した1000ml三口フラスコに、18質量%4−メチル−1,2−デヒドロピペリジン/ジイソプロピルエーテル溶液442.7g(0.82mol)を秤量し、130〜160hPaの減圧下、内温30℃以下でジイソプロピルエーテルを溜去し、4−メチル−1,2−デヒドロピペリジン81.3g(純度98%)を得た。4−メチル−1,2−デヒドロピペリジンを50℃まで加熱して融解し、硫酸溶液へ滴下した以外は実施例1の方法で製造し、4−メチルピペリジン−2−カルボン酸塩酸塩98.2g(純度60%)を収率40%で得た。

Claims (3)

  1. 以下の工程を含む4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類の製造方法。
    (1)有機溶媒(ジクロロメタンを除く)に溶解させた4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類と、鉱酸とを接触させることにより、4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類鉱酸塩を得る工程
    (2)(1)の工程で得た4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類鉱酸塩とアルカリ金属シアン化物とを接触させることにより、4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類を得る工程
  2. 以下の工程を含む4−置換ピペリジン−2−カルボン酸類鉱酸塩の製造方法。
    (1)有機溶媒(ジクロロメタンを除く)に溶解させた4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類と、鉱酸とを接触させることにより、4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類鉱酸塩を得る工程
    (2)(1)の工程で得た4−置換−1,2−デヒドロピペリジン類鉱酸塩とアルカリ金属シアン化物とを接触させることにより、4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類を得る工程
    (3)(2)の工程で得た4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類を鉱酸の存在下に加水分解する4−置換ピペリジン−2−カルボン酸類鉱酸塩の製造方法。
  3. 有機溶媒がエーテル類である請求項1又は2記載の方法。
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