以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置、画像形成プログラム、及び画像形成システムについて図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係る画像形成システムの全体構成図である。
本発明に係る画像形成システム10は、第1の画像形成装置1と、通信端末装置2内の制御ユニットと、情報処理装置7と、第2の画像形成装置8とを有して構成される。
通信端末装置2は、タブレット型パーソナルコンピューター、スマートフォン、又は携帯電話等の移動性を有するモバイル機器からなる。通信端末装置2は、無線LAN(Local
Area Network)等による通信機能を備え、当該通信機能により、後述する無線LANアクセスポイント5を介して、第1の画像形成装置1との間でデータ送受信を行う。通信端末装置2は、例えば、第1の画像形成装置1の設置場所であるコンビニエンスストア等に訪れる各ユーザーがそれぞれ保有するものである。
本発明の一実施形態でもある第1の画像形成装置(特許請求の範囲における「画像形成装置」「第1の画像形成装置」)1は、少なくともプリンター機能を有している装置であり、プリンター,コピー機,ファクス等の複数機能を備えたいわゆる複合機であってもよい。本実施形態では、第1の画像形成装置1は、電子写真方式による画像形成プロセスで印刷を行うものとし、複合機として説明する。第1の画像形成装置1は、無線LAN等による通信機能を備え、当該通信機能により、通信端末装置2との間でデータ送受信を行う。
例えば、第1の画像形成装置1は、コンビニエンスストア等の公共店舗に設置されている。第1の画像形成装置1は、無線LANアクセスポイント5と接続しており、当該無線LANアクセスポイント5を介して通信端末装置2との間で通信する通信機能を備える。なお、第1の画像形成装置1は、通信端末装置2と有線で接続し、当該有線接続により通信端末装置2との間で通信する通信機能を有していてもよい。但し、以下には、第1の画像形成装置1は、無線LANアクセスポイント5を介して通信端末装置2との間で通信する構成を例にして説明する。すなわち、第1の画像形成装置1は、当該通信機能により、無線LANアクセスポイント5の通信可能範囲内にある通信端末装置2との通信を、当該無線LANアクセスポイント5を介して行う。この無線LANアクセスポイント5は、無線LANにより端末間を接続する電波中継機であり、例えば通信可能範囲内にある通信端末装置に対して、予めユーザーに開示しているID(identification)及びパスワードによる認証を求め(SSID(Service Set Identifier)等)、当該認証を経ることによって、通信範囲内にある通信端末装置による当該無線LANアクセスポイント5へのアクセスを可能としている。
第1の画像形成装置1は、通信端末装置2から、上記無線LANアクセスポイント5を介したネットワーク通信により、当該通信端末装置2に保存されている印刷対象データ及び印刷付随情報を受信して、当該印刷付随情報の少なくとも一部を用いて印刷対象データの印刷(画像形成)を行う。
また、第1の画像形成装置1は、情報処理装置7に接続されている。第1の画像形成装置1は、上記のように通信端末装置2から受信した印刷対象データ及び印刷付随情報を、通信端末装置2から受信する装置特定指示(詳細は後述)の示す内容に従って、画像形成部130による印刷、又は情報処理装置7への出力のいずれかを行う。
情報処理装置7は、第1の画像形成装置1から出力される印刷対象データ及びその印刷付随情報を受信して、当該印刷対象データを、第2の画像形成装置8での印刷が可能となるデータ形式、例えば、第2の画像形成装置8で採用するプリンター言語(ページ記述言語)に変換する。情報処理装置7は、当該変換後の印刷対象データを、印刷付随情報の少なくとも一部を用いて、第2の画像形成装置8に印刷させる。
第2の画像形成装置8は、情報処理装置7に接続されている。第2の画像形成装置8は、情報処理装置7から上記印刷対象データを受信して、当該印刷対象データを、第1の画像形成装置1とは異なる別の画像形成プロセス(例えば、昇華型、又はリソグラフ等)による画像形成プロセスにより印刷する。本実施形態では、第2の画像形成装置8の画像形成プロセスを昇華型とする。
画像形成システム10では、ユーザーによる通信端末装置2の操作に基づいて、印刷データを第1の画像形成装置1に送信することにより、当該第1の画像形成装置1と、第2の画像形成装置8の両方で、選択的に印刷が可能となっている。
さらに、第1の画像形成装置1には、コインベンダー(料金徴収部)6が接続されている。コインベンダー6は、上記印刷対象データの印刷料金としての硬貨又は紙幣をユーザーから徴収し、その徴収完了(支払完了)を検知する装置である。コインベンダー6は、第1の画像形成装置1の制御部101(図2)との間でデータ通信を行うための通信機能を有しており、ユーザーからの印刷料金の徴収完了又は未完了の情報を第1の画像形成装置1に通知する。なお、コインベンダー6は、後述する実施形態において必要な限りで、第1の画像形成装置1の一部として機能する。
次に、第1の画像形成装置1の構成を説明する。図2は第1の画像形成装置1の内部構成の概略を示すブロック図である。
第1の画像形成装置1は、制御ユニット100と、画像読取部110と、画像メモリー120と、画像形成部130とを有する。
画像読取部110は、原稿画像を読み取るスキャナー等からなる。
画像メモリー120は、画像読取部110によって読み取られた原稿のデータ等を一時的に記憶したり、画像形成部130の印刷対象となるデータを一時的に保存する領域となる。
画像形成部130は、電子写真方式による帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、及び定着装置等を備える。画像形成部130は、通信端末装置2からデータ送受信部102が受信した印刷対象データや、画像読取部110により得られた原稿読取データ等を画像形成する。
また、第1の画像形成装置1は、ファクシミリ通信に必要な諸機能を実行し、公衆回線を通じて外部のファクシミリ装置から画像データを受信するファクシミリ通信部140と、画像形成又は送信スタートキー、テンキー及び短縮番号キー等からなり、ユーザーから各種操作指示(例えば、後述する識別番号の入力や、下記HDD170に一時的に保存されている印刷データ(印刷対象データ)について印刷を実行する印刷実行指示等)の入力を
受け付ける操作部20と、ユーザーへの操作案内等を表示するLCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示部150とを備える。なお、この表示部150がタッチパネル機能を備えることにより、ユーザーからの各種操作指示を受け付けるようにしてもよい。
さらに、第1の画像形成装置1は、画像読取部110によって読み取られた原稿画像データ等を記憶する大容量の記憶領域を有するHDD(ハードディスク)170を有している。本実施形態では、HDD170は、通信端末装置2からデータ送受信部102(後述)が受信する印刷データを一時的に記憶し、ユーザーから印刷実行指示があるまで、当該印刷対象データを保留する印刷データ記憶部として機能する。
制御ユニット100は、CPU等からなる。制御ユニット100は、制御部101と、データ送受信部102と、識別情報作成部103と、識別情報送信部104と、識別情報受付部105と、判断部106とを備えている。なお、HDD170又は図略のROMに画像形成プログラム(本発明の一実施形態でもある)が記憶されており、制御ユニット100は、コンピューターとして、当該画像形成プログラムに従って動作することにより、画像形成アプリケーション200としての制御部101、データ送受信部102、識別情報作成部103、識別情報送信部104、識別情報受付部105、及び判断部106として機能する。但し、制御ユニット100のこれら制御部101、データ送受信部102、識別情報作成部103、識別情報送信部104、識別情報受付部105、及び判断部106は、画像形成プログラムに基づく動作にはよらずに、それぞれハード回路により構成されてもよい。また、制御ユニット100は、以下に示す実施形態において必要となる限りで、判断部106を有していれば足りる。
データ送受信部102は、無線LANアクセスポイント5及びネットワークインターフェイス160を介して、通信端末装置2から、印刷対象データ、印刷付随情報、及び装置指定指示を有する印刷データを受信する。データ送受信部102は、有線接続により及びネットワークインターフェイス160を介して、通信端末装置2から当該印刷データを受信してもよいが、上述したように、本実施形態では、無線LAN接続による構成を例にして説明する。なお、データ送受信部102は、特許請求の範囲におけるデータ受信部の一例である。
印刷対象データとは、印刷の対象とされる画像の実体を示すデータであり、通信端末装置2が備える制御ユニットのプリンタードライバー機能により、第1の画像形成装置1で採用するプリンター言語で生成されている。
印刷付随情報は、文書名、カラー/モノクロ印刷、頁サイズ、頁数、部数等であって、印刷対象データの印刷方式を特定するために必要な情報をいう。なお、印刷付随情報には、当該印刷データを送信してきた通信端末装置2を示す装置情報が含まれている。
装置指定指示は、印刷に用いる画像形成装置を特定する画像形成装置(本実施形態では、第1の画像形成装置1又は第2の画像形成装置8のいずれか)を指定する指示である。
印刷対象データ、その印刷付随情報、及び装置指定指示を含んでなる印刷データは、通信端末装置2が備える制御ユニットにより、予め定められたプロトコル(本実施形態では、HTTPSとする)とされて、通信端末装置2から第1の画像形成装置1に送られてくる。データ送受信部102は、当該予め定められたプロトコルで生成された当該印刷データのみを受信する。
また、データ送受信部102は、通信端末装置2及び情報処理装置7との間で、印刷対象データの印刷制御に必要な通信を行う。例えば、データ送受信部102は、後述する情報処理装置7の通信部702から、第2の画像形成装置8が情報処理装置7に接続されているか否かを示す接続機器情報を受信し、当該受信した接続機器情報を通信端末装置2に対して送信する。
識別情報作成部103は、データ送受信部102が上記印刷データを通信端末装置2から受信したときに、当該印刷データを特定するために用いる識別情報を作成する。この識別情報は、印刷データ記憶部としてのHDD170に記憶されている複数の印刷データから、ユーザーが指定する印刷データを特定するために、各印刷データに付される情報である。識別情報作成部103は、上記印刷データの受信時に、各印刷データ毎に異なる識別情報をランダムに作成する。なお、制御部101は、上記受信された印刷データを、この印刷データについて作成された識別情報と関連付けてHDD(データ記憶部)170に記憶させる。この点で、制御部101は、特許請求の範囲における記憶制御部の一例となる。
識別情報送信部104は、識別情報作成部103が印刷データについて作成した識別情報を、この印刷データを送信してきた通信端末装置2に対して送信(返信)する。
識別情報受付部105は、ユーザーからの識別情報の入力を受け付ける。表示部150は、制御部101による制御の下、ユーザーに対して識別情報の入力を求める旨のメッセージを表示する。ユーザーが、操作部20の操作により識別情報を入力すると、当該識別情報が識別情報受付部105に受け付けられる。
制御部101は、第1の画像形成装置1が備える各部の動作制御を司る。さらに、制御部101は、識別情報受付部105に入力が受け付けられた識別情報に対応付けられた印刷データをHDD170から読み出し、当該印刷データに含まれる装置指定指示の示す内容に基づいて、当該識別情報に対応付けてHDD170に記憶されている印刷データの出力先を画像形成部130とするか、情報処理装置7とするかを制御する。制御部101は、装置指定指示が第1の画像形成装置1を示す場合は当該印刷データに含まれる印刷対象データを画像形成部130に印刷(画像形成)させる。なお、後述するように、印刷対象データに含まれる画像データは、通信端末装置2から受け取った例えばjpeg形式のものが画像形成部130に印刷される。また、制御部101は、装置指定指示が第2の画像形成装置8を示す場合は当該印刷データに含まれる印刷対象データを、ネットワークインターフェイス160を介して、情報処理装置7に出力する。制御部101は、インターフェイスを介して、コインベンダー6及び情報処理装置7と接続されている。
さらに、制御部101は、識別情報受付部105に識別情報が受け付けられたとき、当該識別情報に対応付けてHDD170に記憶されている装置指定指示の示す内容に基づいて、当該識別情報に対応付けてHDD170に記憶されている印刷データの出力先を画像形成部130とするか、情報処理装置7とするかを制御する。
判断部106は、ユーザーに対する印刷料金の要否を判断する。判断部106は、識別情報受付部105に受け付けられた識別情報に対応する印刷データに含まれる課金情報に基づいて、当該識別情報に対応する印刷データに含まれる印刷対象データの印刷について、ユーザーから印刷料金の徴収が必要か否かを判断する。
さらに、第1の画像形成装置1は、画像読取部110が読み取った画像イメージデータ編集/加工(符/復号処理、拡大/縮小処理、圧縮/伸長処理)処理等を行う画像処理部190と、無線LANアクセスポイント5を介して通信端末装置2とのネットワーク通信を行うネットワークインターフェイス160とを有している。
次に、通信端末装置2の構成を説明する。図3は通信端末装置2の内部構成の概略を示すブロック図である。
通信端末装置2は、制御ユニット300と、ROM312と、RAM313と、メモリー314と、表示部315と、通話機能部317と、通信インターフェイス318と、入力部319とを備える。これら各部は、互いにCPUバスによりデータ又は信号の送受信が可能とされている。
制御ユニット300は、CPU等からなる。ROM312は、通信端末装置2の基本動作についての動作プログラムを記憶する。RAM313は、制御ユニット300の動作領域等として使用される。
メモリー314は、印刷対象データやプログラムを記憶するための記憶媒体である。メモリー314は、その記憶領域の一部に、印刷の対象とする文書データ又は画像データ等からなる各種の印刷対象データを記憶する。なお、メモリー314には、制御ユニット300を、第1の画像形成装置1とのネットワーク通信を可能にする通信アプリケーション30として機能させる通信プログラムが記憶されている。
制御ユニット300は、当該通信プログラムに従って動作することで、上記通信アプリケーション30としての制御部301、受付部302、印刷対象データ生成部303、課金情報作成部304、及び通信部305として機能する。
但し、制御ユニット300のこれら制御部301、受付部302、印刷対象データ生成部303、課金情報作成部304、及び通信部305は、通信プログラムに基づく動作にはよらずに、それぞれハード回路により構成されてもよい。また、制御ユニット300は、以下に示す実施形態において必要となる限りで、課金情報作成部304を有していれば足りる。
表示部315は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなり、制御部301による表示制御により、各種データの内容、当該通信端末装置2を操作するユーザーに対する操作案内等が表示される。
通話機能部317は、公衆回線を利用した電話通話を行うための機能を実行する。なお、通信端末装置2を、当該通話機能部317を備えない構成とすることも可能である。
通信インターフェイス318は、無線LANアクセスポイント5への接続による第1の画像形成装置1とのデータ通信を行うためのインターフェイス、及び通話機能部317による通話機能に必要な通信を行うためのインターフェイスとして機能する。
入力部319は、通信端末装置2の筐体に設けられたキーや、表示部315の表示画面部分に設けられたタッチパネル機構等から構成され、ユーザーから各種操作指示が入力される。
制御ユニット300は、上述したように、制御部301、受付部302、印刷対象データ生成部303、課金情報作成部304、及び通信部305を備える。
制御部301は、当該通信端末装置2に記憶されている印刷対象データを第1の画像形成装置1で印刷するために必要な処理を行うために、通信端末装置2の動作制御を行う。
受付部302は、ユーザーから入力部319を介して入力された印刷ジョブの入力を受け付ける。例えば、入力部319には、印刷ジョブとして、メモリー314に記憶されている画像データや文書データ、通信端末装置2で実行可能なアプリケーションで作成されたデータ、通信端末装置2で閲覧されているインターネット上のウェブサイトで表示されている画像のデータ等の中からの印刷対象データの指定、印刷ジョブの実行指示等がユーザーから入力される。受付部302には、当該印刷ジョブについて、例えば、文書名、カラー/モノクロ印刷、頁サイズ、頁数、部数等についての印刷付随情報に関する情報もユーザーから入力される。但し、入力部319がユーザーから受け付ける指示の種類をこれらに限定する趣旨ではない。
さらに、受付部302は、印刷対象データの印刷に用いる画像形成装置を指定する装置指定指示をユーザーから受け付ける。装置指定指示は、本実施形態では、電子写真方式の第1の画像形成装置1、又は、昇華型の画像形成プロセスを有する第2の画像形成装置8のいずれに印刷データの印刷を行わせるかを指定する指示である。
印刷対象データ生成部303は、印刷対象データを第1の画像形成装置1による印刷形式に対応したプリンター言語への変換を行う機能を有する。印刷対象データ生成部303は、受付部302に受け付けられた印刷ジョブの示す印刷対象データ、すなわち、ユーザーによって第1の画像形成装置1での印刷対象として指定された印刷対象データを、第1の画像形成装置1で採用されているプリンター言語(ページ記述言語。本実施形態では、PCL)に変換する。なお、本実施形態では、印刷対象データ生成部303は、印刷対象データのうち、画像データ部分に関しては、jpeg形式のデータとして生成するものとして説明する。
通信部305は、通信インターフェイス318を介して、無線LANアクセスポイント5に接続し、上記プリンター言語に変換された印刷対象データ及び当該印刷対象データについての印刷付随情報を含んでなる印刷データを、予め定められたプロトコル(本実施形態では、HTTPSとする)として第1の画像形成装置1に送信する。なお、通信部305が送信する印刷付随情報には、当該通信端末装置2を示す装置情報が含まれる。通信部305は、第1の画像形成装置1との間で、上記印刷対象データの印刷に必要とされる各種のデータを通信する。
課金情報作成部304は、上記印刷ジョブに含まれる印刷付随情報に基づいて、当該印刷対象データの印刷を指示するユーザーに対して求める印刷料金を示す課金情報を作成する。課金情報作成部304は、課金情報として、コインベンダー6によりユーザーから印刷料金を徴収する必要がある旨を示す料金要情報と、既にユーザーにより印刷料金が支払われている又は印刷料金を求めないことを示す料金不要情報のいずれかを作成する。課金情報作成部304は、例えば、上記印刷付随情報のカラー/モノクロ印刷、頁サイズ、頁数、部数等に基づいて、予め定められたカラー印刷料金(円)/1枚、モノクロ印刷料金(
円)/1枚、頁サイズ別の追加料金(円)等の情報を用いて印刷料金を算出し、課金情報として料金要情報を作成する場合には、この印刷料金情報を課金情報に加える。
次に、情報処理装置7の構成を説明する。図4は情報処理装置7の内部構成の概略を示すブロック図である。但し、図3を用いて上記に説明した通信端末装置2と同様の構成については説明を省略する。
情報処理装置7は、制御ユニット700と、ROM712と、RAM713と、HDD714と、通信インターフェイス718とを備える。これら各部は、互いにCPUバスによりデータ又は信号の送受信が可能とされている。
制御ユニット700は、CPU等からなる。ROM712は、情報処理装置7の基本動作についての動作プログラムを記憶する。RAM713は、制御ユニット700の動作領域等として使用される。
HDD714は、印刷対象データ及び印刷付随情報やプログラム等の各種データを記憶するための記憶媒体である。なお、HDD714には、制御ユニット700を、第1の画像形成装置1から受信した印刷データを、通信部702及びデータ変換ツール703として機能させるデータ変換プログラムが記憶されている。
通信インターフェイス718は、第1の画像形成装置1とのデータ通信を行うためのインターフェイスとして機能する。なお、第2の画像形成装置8は、第1の画像形成装置1に対してネットワーク接続されている。
制御ユニット700は、制御部701、通信部702、及びデータ変換ツール703として機能する。
制御部701は、第1の画像形成装置1から受け取った印刷対象データを、第1の画像形成装置1で印刷するために必要な処理を行うために、情報処理装置7の動作制御を行う。
通信部702は、第1の画像形成装置1から、通信インターフェイス718を介して、第1の画像形成装置1に適用される上記プリンター言語に変換されている印刷対象データ、及び当該印刷対象データについての印刷付随情報を含んでなる印刷データを、予め定められたプロトコル(本実施形態では、HTTPSとする)で受け取る。また、通信部702は、第2の画像形成装置8に対して、データ変換ツール703により第2の画像形成装置8で採用されている上記データ形式に変換された印刷データを、第2の画像形成装置8に送信する。通信部702は、第1の画像形成装置1、及び第2の画像形成装置8との間で、上記印刷対象データを第2の画像形成装置8で印刷するために必要とされる各種のデータを通信する。
また、通信部702は、当該情報処理装置7に接続されている機器の情報を取得し、当該取得した情報を第1の画像形成装置1側に通知する。例えば、通信部702は、通信インターフェイス318にUSB接続された第2の画像形成装置8を既存の接続機器検出方法により検出し、検出結果を第1の画像形成装置1に送信する。第1の画像形成装置1においては、制御部101は、情報処理装置7の通信部702から受信した上記検出結果が、情報処理装置7に第2の画像形成装置8が検出されていることを示す場合に、情報処理装置7に対するデータ出力を行う。
データ変換ツール703は、通信部702が第1の画像形成装置1から受信した印刷対象データに含まれるデータのうちの画像データ部分を、第2の画像形成装置8での印刷が可能なデータ形式に変換する。例えば、データ変換ツール703は、上記のようにjpeg形式とされている画像データを、第2の画像形成装置8での印刷が可能とされているbitmap形式のデータに変換する。
さらに、データ変換ツール703は、印刷対象データ(上記変換した画像データ部分を有する場合はこれも含む)を、第2の画像形成装置8に対応したプリンター言語(ページ記述言語)に変換する。すなわち、データ変換ツール703は、通信端末装置2の受付部302に受け付けられた印刷ジョブの示す印刷対象データ、すなわち、ユーザーによって第1の画像形成装置1での印刷対象として指定された印刷対象データを、第2の画像形成装置8で採用されているプリンター言語に変換する。すなわち、データ変換ツール703は、通信部702を介して第1の画像形成装置1から受信した印刷対象データについて、上記データ変換を行う。なお、データ変換ツール703によるデータ変換は、これに限られず、第2の画像形成装置8での印刷が可能なデータ形式に変換するものであればよい。
通信部702は、データ変換ツール703によって変換された印刷対象データを、上記インターフェイスを介して第2の画像形成装置8に出力する。
次に、第2の画像形成装置8の構成を説明する。図5は第2の画像形成装置8の内部構成の概略を示すブロック図である。なお、図2を用いて説明した第1の画像形成装置1と同様の構成は説明を省略する。
第2の画像形成装置8は、制御ユニット800と、画像メモリー820と、画像形成部830とを有する。画像メモリー820は、情報処理装置7から受信した上記データ変換後の印刷対象データを、画像形成部830による画像形成のために一時的に記憶する。画像形成部830は、昇華型による画像形成機構であり、インクリボン供給機構、インクリボン剥離部材、サーマルプリントヘッド、プラテンローラー、及び給紙機構等を備える。
制御ユニット800は、CPU等からなる。制御ユニット800は、制御部801及びデータ受信部802を備えている。
制御部801は、第2の画像形成装置8が備える画像形成部830等の各動作機構の動作制御を司る。
データ受信部802は、ネットワークインターフェイス860を介して、情報処理装置7から印刷対象データを受信する。データ受信部802は、有線接続によりネットワークインターフェイス860を介して、情報処理装置7から印刷対象データを受信するが、無線LAN接続により情報処理装置7から印刷対象データを受信する構成であっても構わない。
さらに、第1の画像形成装置1は、画像形成部830と、画像メモリー820と、画像処理部890と、ネットワークインターフェイス860とを有している。
次に、通信端末装置2から受信した印刷対象データを第1の画像形成装置1又は第2の画像形成装置8で印刷する際における処理を機能的な観点から説明する。図6は画像形成システム10による印刷のための機能を概念的に示した図である。
通信端末装置2では、ユーザーによる入力部319の操作で、通信アプリケーション30が起動する。この通信アプリケーション30が、ユーザーからの指示により指定された印刷対象データを、第1の画像形成装置1に対応するプリンター言語に変換する。通信アプリケーション30は、通信端末装置2の所在位置において通信可能な無線LANアクセスポイントを検出する。また、通信アプリケーション30は、ユーザーが印刷に用いる画像形成装置を特定する指示である装置指定指示をユーザーから受け付ける。さらに、通信アプリケーション30は、この無線LANアクセスポイントに接続して、上記プリンター言語への変換後の印刷対象データ及び当該印刷対象データについての印刷付随情報と、装置指定指示とを含んでなる印刷データを、上記予め定められたプロトコルとして第1の画像形成装置1に送信する。
第1の画像形成装置1では、画像形成アプリケーション200が、上記予め定められたプロトコルとされた印刷データを、無線LANアクセスポイント5を介して受信可能な状態で待機している。第1の画像形成装置1は、制御ユニット100が画像形成アプリケーション200とは独立した別個の動作を行うことで、上記印刷データに含まれる印刷対象データを画像形成部130に印刷させる制御が可能であるが、上記予め定められたプロトコルは、制御ユニット100による当該印刷制御で採用しているプロトコルとは異なるプロトコルとされる。第1の画像形成装置1では、通信端末装置2から上記予め定められたプロトコルからなる印刷データが送信されてきた場合に、画像形成アプリケーション200が当該印刷データを取得する。画像形成アプリケーション200は、受信した当該印刷データをHDD170に記憶させる。
さらに、画像形成アプリケーション200は、通信端末装置2の通信アプリケーション30に対して、上述した識別情報等の情報を送信する。
また、制御ユニット100は、ブラウザーとして機能し、当該ブラウザーは画像形成アプリケーション200と連携して、画像形成アプリケーション200によって取得された印刷データに含まれる印刷データを、当該第1の画像形成装置1又は第2の画像形成装置8で印刷するために必要な、ユーザーに対する案内を表示部150に表示させる。
画像形成アプリケーション200は、ユーザーからの識別情報の入力を条件として、当該識別情報に対応する印刷データをHDD170から読み出し、当該識別情報に対応付けられた装置指定指示が第1の画像形成装置1を示す場合は、当該第1の画像形成装置1が備える画像形成部130に、当該印刷データに含まれる印刷対象データを印刷させ、当該装置指定指示が第2の画像形成装置8を示す場合は、当該印刷対象データを情報処理装置7に出力する。
画像形成アプリケーション200は、コインベンダー6とも連携しており、コインベンダー6に対して印刷料金の徴収指示を送信し、印刷料金徴収完了の通知をコインベンダー6から受信する。なお、画像形成アプリケーション200とコインベンダー6との連携は、以下に示す実施形態において必要な限りで、第1の画像形成装置1の構成要素となる。
情報処理装置7は、第1の画像形成装置1から、第1の画像形成装置1に適用される上記プリンター言語に変換されている状態の印刷対象データ及び印刷付随情報が送信されてきた場合、データ変換ツール703が、この印刷対象データに対して、第2の画像形成装置8での印刷が可能となるようにデータ変換を行う。当該データ変換後の印刷対象データは、通信部702により第2の画像形成装置8に出力される。
第2の画像形成装置8は、情報処理装置7から受け取った上記印刷対象データを画像形成部830により印刷を行う。
次に、画像形成システム10による印刷処理の第1実施形態を説明する。図7は画像形成システム10による印刷処理の第1実施形態を示すフローチャートである。図8は通信端末装置2及び第1の画像形成装置1間でのデータ通信の概略を示す図である。
ユーザーによる通信端末装置2の入力部319の操作で、上記通信アプリケーション30の起動指示が入力され、制御ユニット100が当該起動指示を受け付けると(S1でYES)、制御ユニット100は、通信アプリケーション30を立ち上げる(S2)。これにより、制御ユニット100は、通信アプリケーション30としての制御部301、受付部302、印刷対象データ生成部303、及び通信部305として機能する。
通信アプリケーション30が立ち上がると、通信部305は、ネットワークインターフェイス160を介して、無線LAN接続機能を実行し、接続可能な無線LANアクセスポイントを検索する(S3)。通信部305が、接続可能な無線LANアクセスポイントを検出した場合は(S3でYES)、当該無線LANアクセスポイントに接続する(S4)。なお、通信部305が無線LANアクセスポイントを検出しなかった場合は(S3でNO)、当該印刷処理を終了する。
続いて、制御部301は、上記接続した無線LANアクセスポイントとネットワーク接続されている第1の画像形成装置1を検索する(S5)。通信端末装置2及び第1の画像形成装置1では、予め定められたSNMP(Simple Network Management Protocol)とBonjour(ボンジュール)等のプロトコルを用いることにより、IPアドレスの入力や、DNSサーバーの設定を不要とし、相互の装置同士で自動的に互いを検出可能とされている。
ここで、制御部301が第1の画像形成装置1を検出しなかった場合は(S5でNO)、当該印刷処理を終了する。
一方、制御部301は、第1の画像形成装置1を検出した場合は(S5でYES)、表示部315に、印刷の対象とする印刷対象データの指定と、この印刷に用いる画像形成装置を指定する装置指定指示の入力とを促す旨のメッセージを表示させる(S6)。なお、制御部301は、当該装置指定指示の入力を促すメッセージを、通信部305が第1の画像形成装置1のデータ送受信部102から第2の画像形成装置8が情報処理装置7に接続されていることを示す接続機器情報も受け取っているときに、表示部315に表示させる。本実施形態では、第2の画像形成装置8が情報処理装置7に接続されており、通信部305が当該接続を示す接続機器情報を受け取っているものとして説明する。
この後、ユーザーにより印刷対象データを指定した印刷ジョブと、この印刷に用いる画像形成装置(第1の画像形成装置1又は第2の画像形成装置8のいずれか)を指定する装置指定指示とが入力部319の操作により入力され、当該印刷ジョブが受付部302に受け付けられると(S7でYES)、印刷対象データ生成部303は、上記受け付けられた印刷ジョブの示す印刷対象データ(ユーザーにより指定された印刷対象データ)を、通信端末装置2のメモリー314等から取得して、当該印刷対象データを、第1の画像形成装置1に対応する予め定められたプリンター言語(本実施形態では、PCL)に変換する(S8)。なお、印刷対象データ生成部303は、印刷ジョブ及び装置指定指示の両方が受付部302に受け付けられるまで、印刷対象データの上記プリンター言語への変換を待機する(S7でNO)。
そして、通信部305は、当該印刷対象データについて印刷付随情報に関する部数及びカラー/モノクロ印刷等の情報を上記受け付けられた印刷ジョブから取得し、この取得した情報に当該通信端末装置2を示す装置情報を付加して印刷付随情報とし、この印刷付随情報と、上記予め定められたプリンター言語に対応した印刷対象データと、上記受け付けられた装置指定指示とを含んでなる印刷データを、上記予め定められたプロトコル(本実施形態では、HTTPS)として、通信インターフェイス318から無線LANアクセスポイント5を介して、第1の画像形成装置1に送信する(S9)。
第1の画像形成装置1では、上記のようにして通信端末装置2の通信部305から上記プロトコルで印刷データが送信されてくると、画像形成アプリケーション200としてのデータ送受信部102が、当該プロトコルからなる印刷データを、無線LANアクセスポイント5及びネットワークインターフェイス160を介して受信する(S21)。印刷データが受信されると、識別情報作成部103が、当該印刷データについての識別情報を作成する(S22)。制御部101は、当該印刷データを当該識別情報と関連付けてHDD170に記憶させる(S23)。そして、識別情報送信部104は、当該識別番号を、当該印刷データを送信してきた通信端末装置2に対して、ネットワークインターフェイス160及び無線LANアクセスポイント5を介して送信する(S24)。なお、本実施形態では、識別情報送信部104は、識別情報に加えて、印刷データの受付日時、有効期限、状態(印刷待ち)、及び当該印刷データに含まれる印刷付随情報を、通信端末装置2に送信するものとする。
通信端末装置2では、このようにして、先に第1の画像形成装置1に対して送信した印刷データについての識別情報が第1の画像形成装置1から送信されてくると、通信部305が当該識別情報を受信する(S10)。そして、制御部301が、当該受信された識別情報を表示部315に表示させる(S11)。本実施形態では、通信部305は、上記印刷データの受付日時、有効期限、状態(印刷待ち)、上記印刷付随情報、及び装置指定指示も受信するため、制御部301は、当該受信された各情報、例えば、印刷対象データの画像、印刷に用いられる画像形成装置がいずれであるかなども、識別情報に加えて表示部315に表示させる。この識別情報の表示により、通信端末装置2のユーザーは、自身が送信した印刷対象データについての識別情報等を把握することができる。
次に、印刷データ受信及び識別情報送信後における第1の画像形成装置1の処理を説明する。図9は印刷データ受信及び識別情報送信後における第1の画像形成装置1の処理を示すフローチャートである。図10至図12は表示部150による表示画面の例を示す図である。
第1の画像形成装置1では、受信した印刷データについての識別情報を識別情報送信部104が通信端末装置2に送信した後は、ユーザーからの印刷実行指示の入力を待機する。この待機状態では、制御部101は、表示部150に、図10に示す待受画面D1を表示させている(S31)。
この状態において、例えばユーザーが初期案内画面D1における「プリントサービス」表示部分d1を接触操作し、当該接触操作に基づいて、表示部150に操作部20として備えられているタッチパネル機構により、通信端末装置2から受信した印刷対象データを印刷する処理であるプリントサービスを実行する旨の指示が入力されると(S32でYES)、制御部101は、ユーザーに対して識別情報の入力を促す旨のメッセージを示す識別情報入力画面D2(図11)を、表示部150に表示させる(S33)。なお、制御部101は、プリントサービスを実行する旨の指示が入力されるまでは、表示部150に待受画面D1を表示させておく(S32でNO,S31)。
ここで、ユーザーによる指示に基づいて通信端末装置2から第1の画像形成装置1に対して先に送信された印刷データについての識別情報が、例えばユーザーによる操作部20の操作、及び識別情報入力画面D2における「OK」ボタンd21の接触操作で入力され、当該入力された識別情報が識別情報受付部105に受け付けられると(S34でYES)、制御部101が、当該入力が受け付けられた識別情報に対応付けられている印刷データに含まれる印刷付随情報と、上記印刷データの受付日時、有効期限、及び状態(印刷待ち)、更に、装置指定指示をHDD170から読み出し、図12に示すような文書確認画面D3として表示部150に表示させる(S35)。制御部101は、表示部150に、この文書確認画面D3として、識別情報、文書名、及び印刷に用いる画像形成装置の名称(図12では「プリンター」の欄に表示)等が表示される。なお、制御部101は、識別情報の入力が識別情報受付部105に受け付けられるまでは、表示部150に識別情報入力画面D2を表示させておく(S34でNO,S33)。
この文書確認画面D3を表示部150に表示している状態で、例えばユーザーによる文書確認画面D3における「印刷」ボタンd31への接触操作又は操作部20の操作により、当該表示により示されている印刷対象データについての印刷指示が入力され、当該印刷指示が制御部101に受け付けられると(S36でYES)、制御部101は、上記入力が受け付けられた識別情報に対応付けられた上記装置指定指示の示す画像形成装置が、第1の画像形成装置1又は第2の画像形成装置8のいずれであるかを判断する(S37)。なお、制御部101は、印刷指示の入力を受け付けるまでは、表示部150に文書確認画面D3を表示させておく(S36でNO,S35)。
制御部101は、上記装置指定指示の示す画像形成装置が、第1の画像形成装置1であると判断した場合は(S37で「第1の画像形成装置」)、当該受け付けられた識別情報に対応する印刷データに含まれる印刷対象データをHDD170から読み出して、当該印刷対象データの印刷付随情報が示す内容で、画像形成部130に画像形成させ(S38)、処理を終了する。
一方、制御部101は、上記装置指定指示の示す画像形成装置が、第2の画像形成装置8であると判断した場合は(S37で「第2の画像形成装置」)、当該受け付けられた識別情報に対応する印刷データに含まれる印刷対象データ及び印刷付随情報をHDD170から読み出して、情報処理装置7に出力し(S39)、処理を終了する。
続いて、第1の画像形成装置1から印刷対象データを受信した情報処理装置7と、第2の画像形成装置8の処理を説明する。図13は第1の画像形成装置1から印刷対象データを受信した情報処理装置7と、第2の画像形成装置8の処理を示すフローチャートである。
上記のように、第1の画像形成装置1において、制御部101は、上記装置指定指示の示す画像形成装置が、第2の画像形成装置8であると判断され(図9のS37において「第2の画像形成装置8」)、上記印刷対象データ及び印刷付随情報が情報処理装置7に出力されると(図9でS39)、情報処理装置7では、通信インターフェイス718が、当該印刷対象データを第1の画像形成装置1から受信する(S51)。
データ変換ツール703は、通信インターフェイス718により受信された印刷対象データについて、当該印刷対象データに含まれる画像データ部分を、第1の画像形成装置1に対応するデータ形式から、第2の画像形成装置8に対応するデータ形式に変更し、さらに、当該データ形式変更処理を経た印刷対象データを、第2の画像形成装置8で採用するプリンター言語(ページ記述言語)に変換する(S52)。すなわち、データ変換ツール703は、第1の画像形成装置1での印刷に適したプリンター言語となっていた印刷対象データを、第2の画像形成装置8での印刷に適したプリンター言語に変換する。
S52の処理により第2の画像形成装置8に適したデータ形式に変換された印刷対象データは、通信部702により通信インターフェイス718を介して第2の画像形成装置8に出力される(S53)。
第2の画像形成装置8においては、ネットワークインターフェイス860を介して、データ受信部802が、情報処理装置7から上記のようにデータ変換された印刷対象データを受信する(S61)。制御部801は、当該受信された印刷対象データを、昇華型による画像形成プロセスで画像形成を行う画像形成部830に画像形成させる(S62)。
このように、第1実施形態によれば、画像形成システム10では、インターネット上のプリントサービスサーバーを介することなく、通信端末装置2から第1の画像形成装置1が印刷データを受信し、当該印刷データに含まれる印刷対象データの印刷が行われるため、通信端末装置2に保存してある印刷対象データを、コンビニエンスストア等の公共の場所に設置された第1の画像形成装置1で印刷するシステムを、プリントサービスサーバーを必要とせず簡易な構成で構築することが可能となる。
また、ユーザーは、前もってプリントサービスサーバーに印刷データを登録する作業を行わなくても、第1の画像形成装置1が設置されているコンビニエンスストア等に出向いてからであっても、通信端末装置2から第1の画像形成装置1に対して印刷データを送信する操作を行えば、通信端末装置2から第1の画像形成装置1に印刷データを送信して印刷できるので、当該印刷のためにユーザーに面倒な準備作業を負担させることもない。
また、上記画像形成システム10による印刷処理によれば、ユーザーは、印刷対象データが第1の画像形成装置1又は第2の画像形成装置8のいずれにより印刷されるかに拘わらず、第1の画像形成装置1において上記識別情報の入力操作等の印刷指示を行えば、当該第1の画像形成装置1及び第2の画像形成装置8のうち、通信端末装置2の操作で指定しておいた方の画像形成装置に印刷対象データを振り分けて印刷を行わせることが可能である。
例えば、ユーザーは、JPEG形式等の写真データの場合は、昇華型の画像形成プロセスを有する第2の画像形成装置8による印刷を選択し、テキスト文書の場合は、電子写真方式の画像形成プロセスを有する第1の画像形成装置1による印刷を選択する等の操作を通信端末装置2で行っておけば、その後は、これら画像形成装置の設置場所では、いずれの画像形成装置で印刷する場合であっても、第1の画像形成装置1において識別情報を入力する操作を行えば、選択しておいた画像形成装置で印刷を行わせることができる。
このため、上記の各効果を得ながらも、印刷対象データの種別、例えば、JPEG形式等の写真データ、又は文書データの別等に応じて、当該印刷対象データを、それぞれの種別に適した画像形成プロセスの画像形成装置で印刷することを、ユーザーに操作負担を強いることなく実現可能である。
従って、上記第1の実施形態によれば、通信端末装置2に保存された印刷対象データを、簡易なシステム構成により印刷可能にすると共に、印刷対象データをそのデータ種別に応じた画像形成プロセスを有する画像形成装置で印刷することが、簡単な操作で可能になる。
次に、画像形成システム10による印刷処理の第2実施形態と、通信端末装置2からの印刷データ受信及び識別情報送信後における第1の画像形成装置1の処理の第2実施形態を説明する。図14は画像形成システム10による印刷処理の第2実施形態を示すフローチャートである。図15は通信端末装置2からの印刷データ受信後における第1の画像形成装置1の処理の第2実施形態を示すフローチャートである。図16は表示部150による表示画面の例を示す図である。図14乃至図16に加え、更に上記図10を参照して、各第2実施形態を説明する。なお、上記第1実施形態と同様の処理は説明を省略する。
この第2実施形態では、通信端末装置2は、その制御ユニット100に、課金情報作成部304を備えている。通信端末装置2では、印刷対象データ生成部303が印刷対象データを予め定められたプリンター言語に変換した後(S78)、課金情報作成部304が、料金要情報又は料金不要情報を含む課金情報を作成する(S79)。例えば、ユーザーが既に当該印刷対象データの印刷料金の支払いを画像形成システム10又は第1の画像形成装置1の提供業者等に済ませており、当該支払完了を条件として上記提供業者から提供される番号又は記号等からなる支払完了情報を、通信端末装置2の入力部319に入力すると、課金情報作成部304は、料金不要情報を課金情報に含ませる。一方、課金情報作成部304は、当該支払完了情報がユーザーにより入力されていない場合は、料金要情報を課金情報に含ませる。
なお、課金情報作成部304は、課金情報として料金要情報を作成する場合には、この時点で印刷対象としてユーザーにより指定されている印刷対象データの印刷付随情報に関する情報(頁サイズ、頁数等)を印刷ジョブから取得し、当該印刷付随情報に関する情報に基づいて算出した印刷料金を示す印刷料金情報を作成し、当該印刷料金情報を課金情報に加える。
通信端末装置2では、第1の画像形成装置1への印刷データの送信時(S80)、通信部305は、印刷対象データ及びその印刷付随情報に更に課金情報を含んでなる印刷データを第1の画像形成装置1に送信する。
第1の画像形成装置1では、データ送受信部102が当該印刷データを受信すると(S91)、第1実施形態と同様に、S92乃至S94の処理を行い、この印刷データを送信してきた通信端末装置2に対して、当該印刷データについて作成した識別情報を送信する。第1の画像形成装置1は、制御部101が表示部150に待受画面D1(図10)を表示して、ユーザーからの識別情報の入力を待機する状態となる。
この後、第1の画像形成装置1において、プリントサービスを実行する旨の指示及びユーザー所望の印刷データについての識別情報が受け付けられ(図15におけるS102でYES、S104でYES)、更に、制御部101が印刷指示を受け付けたとき(S106でYES)、判断部106は、上記受け付けた識別情報に対応する印刷データに含まれる課金情報に基づいて、ユーザーから印刷料金の徴収が必要か否かを判断する(S107)。
ここで、判断部106が、課金情報から料金要情報を検出し、ユーザーから印刷料金の徴収が必要であると判断した場合(S107でYES)、制御部101は、表示部150に、例えば図16に示す印刷料金投入画面D4を表示させること等により、印刷料金をコインベンダー6に投入することを促す旨のメッセージを表示させる(S108)。
この表示後、ユーザーによりコインベンダー6に印刷料金が硬貨又は紙幣により投入され、コインベンダー6が当該印刷料金分の硬貨又は紙幣の投入(すなわち、印刷料金支払完了)を検出すると(S109でYES)、当該検出の旨がコインベンダー6から制御部101に通知され、制御部101は、上記入力が受け付けられた識別情報に対応付けられた上記印刷データに含まれる装置指定指示の示す画像形成装置が、第1の画像形成装置1又は第2の画像形成装置8のいずれであるかを判断する(S110)。この後、制御部101は、当該判断結果に基づいて、画像形成部130での画像形成、又は情報処理装置7への当該印刷対象データの出力のいずれかを行う(S111,S112)。なお、制御部101は、上記印刷料金支払完了を検出した旨の通知をコインベンダー6から受けるまで、表示部150に印刷料金投入画面D4を表示させておく(S109でNO,S108)。
一方、S107において、判断部106が、課金情報から料金不要情報を検出し、ユーザーから印刷料金の徴収が不要であると判断した場合(S107でNO)、制御部101は、コインベンダー6による印刷料金支払完了の検出を要件とすることなく、上記いずれの画像形成装置で画像形成を行うかの判断を行って(S110)、当該判断結果に基づいて、画像形成部130での画像形成、又は情報処理装置7への当該印刷対象データの出力のいずれかを行う(S111,S112)。
この第2実施形態によれば、画像形成システム10、第1の画像形成装置1、又は第2の画像形成装置8の提供業者等がユーザーに課する課金の内容に応じて、ユーザーからの印刷料金徴収を条件として印刷を行うか、ユーザーからの印刷料金徴収無しに印刷を行うかを制御可能となるので、ユーザーに対する課金状態に応じた印刷サービスをユーザーに提供することが可能になる。
なお、本発明は上記各実施形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記各実施形態では、情報処理装置7が、通信部702及びデータ変換ツール703とを備えているが、図17に示すように、当該通信部702及びデータ変換ツール703を、第1の画像形成装置1が備えるものとしてもよい。この場合、情報処理装置7を備えることなく、上記通信端末装置2から送られてきた印刷対象データを第2の画像形成装置8により印刷することが可能になる。
また、図1乃至図17を用いて上記各実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。