JP5841705B2 - アトマイズ軟磁性粉末、圧粉磁心および磁性素子 - Google Patents

アトマイズ軟磁性粉末、圧粉磁心および磁性素子 Download PDF

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Description

本発明は、アトマイズ軟磁性粉末、圧粉磁心および磁性素子に関するものである。
近年、ノート型パソコンのようなモバイル機器の小型化・軽量化が顕著である。また、ノート型パソコンの性能は、デスクトップ型パソコンの性能と遜色ない程度まで向上が図られつつある。
このように、モバイル機器の小型化および高性能化を図るためには、スイッチング電源の高周波数化が必要となる。このため、スイッチング電源の駆動周波数は、数100kHz程度まで高周波数化が進んでいる。また、それに伴い、モバイル機器に内蔵されたチョークコイルやインダクタ等の磁性素子の駆動周波数も高周波数化への対応が必要となる。
しかしながら、これらの磁性素子の駆動周波数が高周波数化した場合、各磁性素子が備える磁心において、渦電流によるジュール損失(渦電流損失)が著しく増大するという問題が発生する。
かかる問題を解決するため、前述のような磁性素子が備える磁心として、軟磁性粉末と結合材(バインダ)との混合物を加圧・成形した圧粉磁心が使用されている。
例えば、特許文献1には、Fe、Al、Siを主成分とする合金粉末と結着剤(結合材)とからなる混合物を圧縮成形した後、酸化性雰囲気中で熱処理をしてなる圧粉磁心が提案されている。磁性素子の磁心として、特許文献1に記載されているような圧粉磁心を用いることにより、磁心に発生する渦電流が粒子間で分断されることとなり、たとえ高い周波数で使用されたとしても、渦電流によるジュール損失、すなわち渦電流損失を減少させることができる。
ところが、特許文献1に記載された圧粉磁心では、合金粉末と結着剤(結合材)とからなる混合物を圧縮成形する際に、その圧縮性が低いという問題が起こる。この問題の原因の1つとして、合金粉末の各粒子の形状が不定形状であることが挙げられる。すなわち、粒子の形状が不規則であると、圧縮成形された際に、粒子間に隙間が生じ易くなるため、得られる成形体の密度が低下するという問題が生じる。
成形体の密度が低い場合、圧粉磁心における透磁率の低下を招く。そして、圧粉磁心の磁気特性の低下を招き、かかる圧粉磁心を備えた磁性素子の特性低下を招くことが懸念される。
特開2001−11563号公報
本発明の目的は、高透磁率の圧粉磁心を製造可能なアトマイズ軟磁性粉末、このアトマイズ軟磁性粉末を用いて製造された高透磁率の圧粉磁心、およびこの圧粉磁心を備えた高性能の磁性素子を提供することにある。
上記目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のアトマイズ軟磁性粉末は、Fe、Si、MnおよびCrを含んでおり、以下の(a)〜()の条件を全て満たすことを特徴とする。
(a)Feおよび不可避成分が、Si、MnおよびCrの残部である
(b)Siの含有率が2wt%以上6wt%以下である
(c)Mnの含有率が0.3wt%以上1wt%以下である
(d)Crの含有率が3wt%以上8wt%以下である
(e)平均粒径が5〜30μmである
)表面にSiの酸化物とMnの酸化物とが析出している
)前記Siの酸化物の不導体皮膜層を有し、前記不導体皮膜層が前記Mnの酸化物の析出物によって分断されている
これにより、高透磁率の圧粉磁心を製造可能なアトマイズ軟磁性粉末が得られる。
また、これにより、得られたアトマイズ軟磁性粉末の各粒子の形状が球形状に近くなるため、圧粉磁心を製造した際に、アトマイズ軟磁性粉末の充填率を高くすることができる。その結果、より密度の高い圧粉磁心を製造することができ、高透磁率・高磁束密度の圧粉磁心を得ることができる。
本発明のアトマイズ軟磁性粉末では、さらに、Alを含み、該Alの含有率は1〜8wt%であり、
Feおよび不可避成分が、Si、Mn、CrおよびAlの残部であることが好ましい。
Alは、大気中の酸素と結合して、化学的に安定な酸化物を容易に生成するので、Alを含むアトマイズ軟磁性粉末は、耐食性により優れたものとなる。また、Alの酸化物は、特に強固で安定性が高いため、アトマイズ軟磁性粉末の各粒子の表面付近にAlの酸化物層が形成されることにより、粒子間をより確実に絶縁することができる。その結果、圧粉磁心における渦電流損失のさらなる低減を図ることができる。
本発明のアトマイズ軟磁性粉末では、タップ密度が3.5g/cm以上であることが好ましい。
これにより、各粒子の充填率が高くなるため、特に高密度の圧粉磁心が得られる。したがって、透磁率および磁束密度の特に高い圧粉磁心が得られる。
本発明の圧粉磁心は、本発明のアトマイズ軟磁性粉末と結合材との混合物からなることを特徴とする。
これにより、高透磁率の圧粉磁心が得られる。
本発明の圧粉磁心では、前記アトマイズ軟磁性粉末に対する前記結合材の割合は、0.5〜5wt%であることが好ましい。
これにより、アトマイズ軟磁性粉末の各粒子同士を確実に絶縁しつつ、圧粉磁心の密度をある程度確保して、圧粉磁心の透磁率が著しく低下するのを防止することができる。その結果、より透磁率が高く、かつ、より低損失の圧粉磁心が得られる。
本発明の磁性素子は、本発明の圧粉磁心を備えたことを特徴とする。
これにより、高性能の磁性素子が得られる。
以下、本発明の軟磁性粉末、圧粉磁心および磁性素子について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
[軟磁性粉末]
まず、本発明の軟磁性粉末について説明する。
圧粉磁心を構成する粉末材料として、種々の軟磁性粉末が以前より用いられてきた。圧粉磁心は、一般に、軟磁性粉末と結合材(バインダ)とを混合し、得られた混合物を加圧・成形することにより作製される。このようにして得られた圧粉磁心では、軟磁性粉末の各粒子同士の間に結合材が介在するために、各粒子間の絶縁が確保される。その結果、圧粉磁心に発生する渦電流が各粒子間で分断されることとなり、圧粉磁心をたとえ高い周波数で使用したとしても、渦電流によるジュール損失、すなわち渦電流損失を減少させることができる。
しかしながら、従来、このような圧粉磁心の透磁率が低いという問題があった。その原因の1つとして、軟磁性粉末の各粒子の形状が不定形状であることが挙げられる。すなわち、粒子の形状が不規則であると、圧縮成形された際に、粒子間に隙間が生じ易くなるため、得られる成形体、すなわち圧粉磁心の密度が低下するという問題が生じる。そして、かかる問題は、圧粉磁心の透磁率の低下を招くこととなる。
このような問題を解決するため、本発明者は、高透磁率の圧粉磁心を製造可能な軟磁性粉末を提供するための条件について鋭意検討した。その結果、Fe(鉄)、Si(シリコン)およびMn(マンガン)を含み、以下の(a)〜(c)の条件を全て満たすことが有効であることを見出した。
(a)Feを主成分とするものである。
(b)Siの含有率が1wt%以上8wt%以下である。
(c)Mnの含有率が0.2wt%超1wt%以下である。
すなわち、このような各条件を全て満たしたFe基合金粉末は、高透磁率の圧粉磁心を製造し得るものとなる。
以下、各条件について、順次詳述する。
(a) Feは、本発明の軟磁性粉末を構成する主要な元素となっており、軟磁性粉末の基本的な磁気的特性や機械的特性に大きな影響を与える元素である。そして、Feを主成分とする金属粉末は、高磁束密度かつ高強度の圧粉磁心を製造可能なものとなる。なお、本発明において、「主成分」とは、軟磁性粉末を構成する各成分の中で、最も含有率の高いもののことを言う。
軟磁性粉末中のFeの含有率は、60〜98wt%程度であるのが好ましく、70〜97wt%程度であるのがより好ましい。これにより、より高磁束密度で、かつ、より高強度の圧粉磁心を確実に製造可能な軟磁性粉末が得られる。このため、圧粉磁心の各種特性を維持しつつ、その小型化を図ることができる。
(b) Si(ケイ素)は、軟磁性粉末の透磁率を高め得る成分である。また、Siを添加することにより、軟磁性粉末の比抵抗が高くなるため、圧粉磁心に発生する誘導電流を低減し、渦電流損失を低減し得る成分でもある。
さらに、Siは、大気中の酸素と結合して、化学的に安定な酸化物(例えば、SiO等)を容易に生成する。このため、Siを含む軟磁性粉末は、耐食性に優れたものとなる。
このようなSiの含有率は、1wt%以上8wt%以下とされるが、2wt%以上6wt%以下であるのが好ましい。Siの含有率を前記範囲内に設定すれば、磁気特性の著しい悪化を防止しつつ、透磁率がより高く、かつ、渦電流損失のより小さい圧粉磁心を製造可能な軟磁性粉末を得ることができる。
(c) Mn(マンガン)は、微粉化された溶湯の表面に酸化物を析出させる。この酸化物は、微粉化された溶湯の表面に点在するように析出するので、SiO等の安定な酸化物の不導体皮膜層が不連続に分断されることとなる。すなわち、微粉化された溶湯では、その表面張力の作用が確実に発揮されるため、球形状に近付くように変形することができる。その結果、より球形に近い軟磁性粉末が得られる。
このような球形に近い軟磁性粉末は、結合材とともに加圧・成形される際、その形状作用により、粒子間に隙間が生じ難くなって、充填率が高くなる。このため、より密度が高く、磁束密度および透磁率の高い圧粉磁心が得られる。
このようなMnの含有率は、0.2wt%超1wt%以下とされるが、0.3〜1wt%程度であるのが好ましく、0.3〜0.8wt%程度であるのがより好ましい。Mnの含有率を前記範囲内に設定することにより、軟磁性粉末の磁気特性(例えば、磁束密度、透磁率、保磁力等)の低下を防止しつつ、軟磁性粉末の各粒子を十分に球形化することができる。
なお、Mnの含有率が前記下限値を下回った場合、軟磁性粉末の各粒子が十分に球形化されないおそれがある。一方、Mnの含有率が前記上限値を上回った場合、軟磁性粉末の磁束密度や透磁率が著しく低下したり、保磁力が著しく増大したりして、磁気特性が大幅に悪化するおそれがある。
以上のような各条件を全て満たす軟磁性粉末は、高透磁率の圧粉磁心を製造可能なものとなる。すなわち、これにより、高透磁率の圧粉磁心が得られ、後述する磁性素子の小型化および高性能化を図ることができる。
ここで、本発明の軟磁性粉末は、さらに、Cr(クロム)を含んでいるのが好ましい。Crは、大気中の酸素と結合して、化学的に安定な酸化物(例えば、Cr等)を容易に生成する。このため、Crを含む軟磁性粉末は、耐食性に優れたものとなる。また、Crを添加することにより、軟磁性粉末の比抵抗が大きくなるため、Crは、圧粉磁心の渦電流損失を低減し得る成分でもある。
このようなCrの含有率は、1〜13wt%程度であるのが好ましく、2〜11wt%程度であるのがより好ましく、3〜8wt%程度であるのがさらに好ましい。Crの含有率を前記範囲内に設定すれば、磁気特性(例えば、磁束密度、透磁率、保磁力等)の著しい悪化を防止しつつ、耐食性により優れ、かつ、渦電流損失のより小さい圧粉磁心を製造可能な軟磁性粉末を得ることができる。
また、本発明の軟磁性粉末は、さらに、Al(アルミニウム)を含んでいるのが好ましい。Alは、大気中の酸素と結合して、化学的に安定な酸化物(例えば、Al等)を容易に生成する。このため、Alを含む軟磁性粉末は、耐食性に優れたものとなる。
さらに、このAlの酸化物は、特に強固で安定性が高いため、軟磁性粉末の各粒子の表面付近にAlの酸化物層が形成されることにより、粒子間をより確実に絶縁することができる。その結果、圧粉磁心における渦電流損失のさらなる低減を図ることができる。
このようなAlの含有率は、1〜8wt%程度であるのが好ましく、1〜6wt%程度であるのがより好ましい。Alの含有率を前記範囲内に設定することにより、軟磁性粉末の磁気特性(例えば、磁束密度、透磁率、保磁力等)の著しい悪化を防止しつつ、粒子間をより確実に絶縁し、圧粉磁心における渦電流損失をより確実に低減することができる。
また、このような軟磁性粉末は、その他の成分、例えば、製造過程で不可避的に混入するC(炭素)、P(リン)、S(硫黄)等の成分を含んでいてもよい。その場合、その他の成分の含有率の総和は、1wt%以下とするのが好ましい。
ここで、本発明の軟磁性粉末の平均粒径は、5〜30μm程度であるのが好ましく、7〜25μm程度であるのがより好ましく、8〜20μm程度であるのがさらに好ましい。このように平均粒径が小さい軟磁性粉末を用いて圧粉磁心を製造した場合、渦電流が流れる経路が特に短くなるため、圧粉磁心の渦電流損失のさらなる低減を図ることができる。
なお、軟磁性粉末の平均粒径が前記下限値を下回った場合、軟磁性粉末と結合材とを混合し、加圧・成形する際に、混合物の成形性が低下するため、得られる圧粉磁心の透磁率が低下するおそれがある。一方、軟磁性粉末の平均粒径が前記上限値を上回った場合、圧粉磁心中で渦電流が流れる経路が著しく長くなるため、渦電流損失が急激に増大するおそれがある。
また、本発明の軟磁性粉末のタップ密度は、3.5g/cm以上であるのが好ましく、4g/cm以上であるのがより好ましい。このようにタップ密度が大きい軟磁性粉末を用いて圧粉磁心を製造した場合、各粒子の充填率が高くなるため、特に高密度の圧粉磁心が得られる。これにより、透磁率および磁束密度の特に高い圧粉磁心が得られる。
なお、本発明におけるタップ密度は、JIS Z 2512に規定の方法で測定されたものとする。
以上のような軟磁性粉末は、例えば、アトマイズ法(例えば、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、高速回転水流アトマイズ法等)、還元法、カルボニル法、粉砕法等の各種粉末化法により製造される。
このうち、本発明の軟磁性粉末は、アトマイズ法により製造されたものであるのが好ましい。アトマイズ法は、図1に示すように、溶融金属(溶湯)2を、高速で噴射された流体(液体または気体)3に衝突させることにより、溶湯2を微粉化するとともに冷却して、金属粉末(軟磁性粉末)1を製造する方法である。軟磁性粉末をこのようなアトマイズ法によって製造することにより、極めて微小な粉末を効率よく製造することができる。また、得られる粉末の各粒子の形状が球形状に近くなるため、圧粉磁心を製造した際に、軟磁性粉末の充填率を高くすることができる。これにより、より高密度・高磁束密度の圧粉磁心を製造可能な軟磁性粉末を得ることができる。
なお、アトマイズ法として、水アトマイズ法を用いた場合、噴射するアトマイズ水(流体3)の圧力は、特に限定されないが、好ましくは75〜120MPa(750〜1200kgf/cm)程度とされ、より好ましくは、90〜120MPa(900〜1200kgf/cm)程度とされる。
また、アトマイズ水の水温も、特に限定されないが、好ましくは1〜20℃程度とされる。
さらに、図1に示すアトマイズ水(流体3)は、溶湯2の落下経路上に頂点を有し、外径が下方に向かって漸減するような円錐状に噴射されている。この場合、アトマイズ水が形成する円錐の頂角θ(図1参照)は、10〜40°程度であるのが好ましく、15〜35°程度であるのがより好ましい。これにより、前述したような組成の軟磁性粉末を、確実に製造することができる。
なお、このようにして得られた軟磁性粉末に対し、必要に応じて、分級を行ってもよい。分級の方法としては、例えば、ふるい分け分級、慣性分級、遠心分級のような乾式分級、沈降分級のような湿式分級等が挙げられる。
また、必要に応じて、得られた軟磁性粉末を造粒してもよい。
[圧粉磁心および磁性素子]
本発明の磁性素子は、チョークコイル、インダクタ、ノイズフィルタ、リアクトル、モータ、発電機のように、磁心を備えた各種磁性素子(電磁気部品)に適用可能である。すなわち、本発明の圧粉磁心は、これらの磁性素子が備える圧粉磁心に適用可能である。
以下、磁性素子の一例として、2種類のチョークコイルを代表に説明する。
<第1実施形態>
まず、チョークコイル(本発明の磁性素子)の第1実施形態について説明する。
図2は、チョークコイルの第1実施形態を示す模式図(平面図)である。
図2に示すチョークコイル10は、リング状(トロイダル形状)の圧粉磁心11と、この圧粉磁心11に巻き回された導線12とを有する。このようなチョークコイル10は、一般に、トロイダルコイルと称される。
圧粉磁心11は、本発明の軟磁性粉末と結合材(バインダ)と有機溶媒とを混合し、得られた混合物を成形型に供給するとともに、加圧・成形して得られたものである。
圧粉磁心11の作製に用いられる結合材の構成材料としては、例えば、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等の有機バインダ、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛、リン酸マンガン、リン酸カドミウムのようなリン酸塩、ケイ酸ナトリウムのようなケイ酸塩(水ガラス)等の無機バインダ等が挙げられるが、特に、熱硬化性ポリイミドまたはエポキシ系樹脂が好ましい。これらの樹脂材料は、加熱されることによって容易に硬化するとともに、耐熱性に優れたものである。したがって、圧粉磁心11の製造容易性および耐熱性を高めることができる。
また、軟磁性粉末に対する結合材の割合は、作製する圧粉磁心11の目的とする磁束密度や、許容される渦電流損失等に応じて若干異なるが、0.5〜5wt%程度であるのが好ましく、1〜3wt%程度であるのがより好ましい。これにより、軟磁性粉末の各粒子同士を確実に絶縁しつつ、圧粉磁心11の密度をある程度確保して、圧粉磁心11の透磁率が著しく低下するのを防止することができる。その結果、より透磁率が高く、かつ、より低損失の圧粉磁心11が得られる。
また、有機溶媒としては、結合材を溶解し得るものであれば特に限定されないが、例えば、トルエン、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、クロロホルム、酢酸エチル等の各種溶媒が挙げられる。
なお、前記混合物中には、必要に応じて、任意の目的で各種添加剤を添加するようにしてもよい。
以上のような結合材により、軟磁性粉末の表面が被覆されている。これにより、軟磁性粉末の各粒子は、それぞれ絶縁性の結合材によって絶縁されているため、圧粉磁心11に高周波数で変化する磁場を付与しても、この磁場変化に対する電磁誘導で発生する起電力に伴う誘導電流は、各粒子の比較的狭い領域にしか及ばない。このため、この誘導電流によるジュール損失を小さく抑えることができる。
また、このジュール損失は、圧粉磁心11の発熱を招くこととなるため、ジュール損失を抑えることにより、チョークコイル10の発熱量を減らすこともできる。
一方、導線12の構成材料としては、導電性の高い材料が挙げられ、例えば、Cu、Al、Ag、Au、Ni等の金属材料、またはかかる金属材料を含む合金等が挙げられる。
なお、導線12の表面に、絶縁性を有する表面層を備えているのが好ましい。これにより、圧粉磁心11と導線12との短絡を確実に防止することができる。
かかる表面層の構成材料としては、例えば、各種樹脂材料等が挙げられる。
次に、チョークコイル10の製造方法について説明する。
まず、本発明の軟磁性粉末と、結合材と、各種添加剤と、有機溶媒とを混合し、混合物を得る。
次いで、混合物を乾燥させて塊状の乾燥体を得た後、この乾燥体を粉砕することにより、造粒粉を形成する。
次に、この混合物または造粒粉を、作製すべき圧粉磁心の形状に成形し、成形体を得る。
この場合の成形方法としては、特に限定されないが、例えば、プレス成形、押出成形、射出成形等の方法が挙げられる。
なお、この成形体の形状寸法は、以後の成形体を加熱した際の収縮分を見込んで決定される。
次に、得られた成形体を加熱することにより、結合材を硬化させ、圧粉磁心11を得る。
このとき、加熱温度は、結合材の組成等に応じて若干異なるものの、結合材が有機バインダで構成されている場合、好ましくは100〜250℃程度とされ、より好ましくは120〜200℃程度とされる。
また、加熱時間は、加熱温度に応じて異なるものの、0.5〜5時間程度とされる。
以上により、本発明の軟磁性粉末を加圧・成形してなる圧粉磁心(本発明の圧粉磁心)11は、より高透磁率のものとなる。このため、かかる圧粉磁心11の外周面に沿って導線12を巻き回してなるチョークコイル(本発明の磁性素子)10は、小型化や定格電流の増大を図ることができ、さらに、発熱量の低減を容易に実現することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の圧粉磁心および磁性素子の第2実施形態について説明する。
図3は、チョークコイルの第2実施形態を示す模式図(斜視図)である。
以下、第2実施形態にかかるチョークコイルについて説明するが、それぞれ、前記第1実施形態にかかるチョークコイルとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態にかかるチョークコイル20は、図3に示すように、コイル状に成形された導線22を、圧粉磁心21の内部に埋設してなるものである。すなわち、チョークコイル20は、導線22を圧粉磁心21でモールドしてなる。
このような形態のチョークコイル20は、比較的小型のものが容易に得られる。そして、このような小型のチョークコイル20を製造する場合、透磁率および磁束密度が大きく、かつ、損失の小さい圧粉磁心21が、その作用・効果をより有効に発揮する。すなわち、より小型であるにもかかわらず、大電流に対応可能な低損失・低発熱のチョークコイル20が得られる。
また、導線22が圧粉磁心21の内部に埋設されているため、導線22と圧粉磁心21との間に隙間が生じ難い。このため、圧粉磁心21の磁歪による振動を抑制し、この振動に伴う騒音の発生を抑制することもできる。
以上のような本実施形態にかかるチョークコイル20を製造する場合、まず、成形型のキャビティ内に導線22を配置するとともに、キャビティ内を本発明の軟磁性粉末で充填する。すなわち、導線22を包含するように、軟磁性粉末を充填する。
次に、導線22とともに、軟磁性粉末を加圧して成形体を得る。
次いで、前記第1実施形態と同様に、この成形体に熱処理を施す。これにより、チョークコイル20が得られる。
以上、本発明の軟磁性粉末、圧粉磁心および磁性素子について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、前記実施形態では、本発明の磁性素子としてチョークコイルを例に説明したが、圧粉磁心を備える他の磁性素子においても、上記と同様の作用・効果が得られる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.圧粉磁心および磁性素子の製造
参考例1)
[1]まず、表1に示す組成で原材料を調製した。そして、得られた原材料を高周波誘導炉で溶融するとともに、水アトマイズ法により粉末化して、軟磁性粉末を得た。なお、水アトマイズ法の条件は、以下の通りである。
<水アトマイズ法の条件>
・アトマイズ水の圧力:100MPa(1000kgf/cm
・アトマイズ水の温度:15℃
・アトマイズ水の頂角:30°
[2]次に、得られた軟磁性粉末について、粒度分布測定を行った。なお、この測定は、レーザー回折方式の粒度分布測定装置(マイクロトラック、HRA9320−X100 日機装株式会社製)により行った。そして、粒度分布から軟磁性粉末の平均粒径を求めた。
また、JIS Z 2512に規定の方法により、得られた軟磁性粉末のタップ密度を測定した。なお、求めた平均粒径およびタップ密度を、表1に示す。
[3]次に、得られた軟磁性粉末と、エポキシ樹脂(結合材)、トルエン(有機溶媒)とを混合して、混合物を得た。なお、エポキシ樹脂の添加量は、軟磁性粉末に対して2wt%とした。
[4]次に、得られた混合物を撹拌したのち、温度60℃で1時間加熱して乾燥させ、塊状の乾燥体を得た。次いで、この乾燥体を、目開き500μmのふるいにかけ、乾燥体を粉砕して、造粒粉末を得た。
[5]次に、得られた造粒粉末を、成形型に充填し、下記の成形条件に基づいて成形体を得た。
<成形条件>
・成形方法 :プレス成形
・成形体の形状:リング状
・成形体の寸法:外径28mm、内径14mm、厚さ5mm
・成形圧力 :5t/cm(490MPa)
[6]次に、成形体を、大気雰囲気中において、温度150℃で1時間加熱して、結合材を硬化させた。これにより、圧粉磁心を得た。
[7]次に、得られた圧粉磁心を用い、以下の作製条件に基づいて、図2に示すチョークコイル(磁性素子)を作製した。
<コイル作製条件>
・導線の構成材料:Cu
・導線の線径 :0.8mm
・巻き数 :1次側30ターン、2次側30ターン
参考例2〜9、実施例1、2
軟磁性粉末として、表1に示す製造条件で製造された粉末をそれぞれ用いた以外は、前記参考例1と同様にして圧粉磁心を得、この圧粉磁心を用いてチョークコイルを得た。
(比較例1〜5)
軟磁性粉末として、表1に示す製造条件で製造された粉末をそれぞれ用いた以外は、前記参考例1と同様にして圧粉磁心を得、この圧粉磁心を用いてチョークコイルを得た。
2.評価
2.1 透磁率の測定・評価
各実施例、各参考例および各比較例で得られたチョークコイルについて、それぞれの透磁率を以下の測定条件に基づいて測定した。
<測定条件>
・測定周波数 :300kHz
・最大磁束密度:50mT
・測定装置 :交流磁気特性測定装置(岩通計株式会社製、B−HアナライザSY8232)
そして、得られた透磁率を、以下の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
◎:透磁率が特に高い
○:透磁率がやや高い
△:透磁率がやや低い
×:透磁率が特に低い
2.2 耐食性の測定・評価
各実施例、各参考例および各比較例で得られた圧粉磁心について、高温高湿環境下での比抵抗値の変化を測定することにより、圧粉磁心の耐食性・安定性を評価した。
なお、加速試験は恒温恒湿機(大研理化学器械株式会社製)で行ない、試験環境は温度85℃、湿度90%とした。比抵抗の測定は、絶縁耐圧測定機(KIKUSUI ELECTRONICS製、TOS9000)を使用し、100V印加時の抵抗値を測定した。そして、加速試験前の初期の比抵抗Rと、10日(240時間)経過後の比抵抗R10とをそれぞれ測定した。
次いで、それぞれのチョークコイルにおいて、初期の比抵抗Rを100としたとき、10日経過後の比抵抗R10の相対値を求めた。そして、この相対値を、以下の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
◎:R10が90以上100以下である
○:R10が70以上90未満である
△:R10が50以上70未満である
×:R10が50未満である
以上、2.1〜2.2の測定結果を表1に示す。
Figure 0005841705
まず、表1から明らかなように、各実施例および各参考例では、いずれも、透磁率に優れるとともに、長期にわたる耐食性に優れた圧粉磁心およびチョークコイルを得ることができた。
また、実施例2、参考例7〜9では、透磁率および耐食性の双方が特に良好であった。
一方、各比較例で得られた圧粉磁心およびチョークコイルは、それぞれ、透磁率に問題が認められた。
アトマイズ法の原理を示す模式図である。 チョークコイルの第1実施形態を示す模式図(平面図)である。 チョークコイルの第2実施形態を示す模式図(斜視図)である。
符号の説明
1……金属粉末(軟磁性粉末) 2……溶融金属(溶湯) 3……流体 10、20……チョークコイル 11、21……圧粉磁心 12、22……導線

Claims (6)

  1. Fe、Si、MnおよびCrを含んでおり、以下の(a)〜()の条件を全て満たすことを特徴とするアトマイズ軟磁性粉末。
    (a)Feおよび不可避成分が、Si、MnおよびCrの残部である
    (b)Siの含有率が2wt%以上6wt%以下である
    (c)Mnの含有率が0.3wt%以上1wt%以下である
    (d)Crの含有率が3wt%以上8wt%以下である
    (e)平均粒径が5〜30μmである
    )表面にSiの酸化物とMnの酸化物とが析出している
    )前記Siの酸化物の不導体皮膜層を有し、前記不導体皮膜層が前記Mnの酸化物の析出物によって分断されている
  2. さらに、Alを含み、該Alの含有率は1〜8wt%であり、
    Feおよび不可避成分が、Si、Mn、CrおよびAlの残部である請求項1に記載のアトマイズ軟磁性粉末。
  3. タップ密度が3.5g/cm以上である請求項1または2に記載のアトマイズ軟磁性粉末。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のアトマイズ軟磁性粉末と結合材との混合物からなることを特徴とする圧粉磁心。
  5. 前記アトマイズ軟磁性粉末に対する前記結合材の割合は、0.5〜5wt%である請求項4に記載の圧粉磁心。
  6. 請求項4または5に記載の圧粉磁心を備えたことを特徴とする磁性素子。
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