JP5841197B1 - 湯口スリーブおよびそれを備えた鋳造用金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】製品の製造効率を向上させるとともに、製品の品質を均一化する。【解決手段】複数の冷却穴14fと、複数の冷却穴14fのそれぞれに収容される複数の冷却水供給パイプ14iと、冷却水供給配管22から供給される冷却水を複数の冷却水供給パイプ14iのそれぞれに分配する分配流路14pと、複数の冷却穴14fのそれぞれから排出される冷却水を冷却水戻り配管23に導く排出流路14qとを備え、冷却穴14fが先端側領域と基端側領域とを有し、分配流路14pが複数の冷却穴14fの基端側領域のそれぞれに接続されるように周方向に沿って形成された流路であり、排出流路14qが複数の冷却穴14fの先端側領域のそれぞれに接続されるように周方向に沿って形成された流路である湯口スリーブ14を提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、湯口スリーブおよびそれを備えた鋳造用金型に関するものである。
金型への湯口となるとともに、スタンプおよび湯口ランナーを形成する略円筒状の湯口スリーブを備えるダイカスト金型として、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。
特許文献1には、湯口スリーブの内部に冷却媒体用の長穴を軸方向に沿って複数設けることが開示されています。
特開2010−75939号公報
特許文献1に開示された湯口スリーブには、周方向に沿って等間隔に配置された3つの長穴を1つずつ順番に冷却水が通過するように流路が形成されている。そのため、流路の上流側に配置される長穴を通過する冷却水の温度よりも、流路の下流側に配置される長穴を通過する冷却水の温度の方が高温となる。したがって、3つの冷却媒体の長穴を通過する冷却水の温度がそれぞれ異なったものとなり、各長穴による冷却効果も異なったものとなる。この場合、湯口ランナーを通過する溶湯を冷却するための湯口スリーブの温度が一様とはならず、各部に温度差が生じてしまう。
コールドチャンバー方式でダイカスト鋳造を行う場合、プランジャスリーブに設けた湯口からアルミ合金等の溶湯が注湯されると、湯口スリーブの底部の温度が上昇する。この際、湯口スリーブの上部には空間が存在するため、湯口スリーブの底部に比べ、相対的に湯口スリーブの上部の温度上昇が少なくなる。そのため、底部が上部よりも膨張し、湯口スリーブの長手方向の両端部が上方に反る変形をする可能性がある。この場合、略円筒状の湯口スリーブの真円度が損なわれることとなる。
湯口スリーブの内部では、プランジャチップが高速に進退することによって溶湯の射出が行われる。この際、湯口スリーブの周方向の変形が大きいと、プランジャチップを進退させる際に湯口スリーブの内周面と強く接触し、プランジャチップの進退速度が遅くなる。これにより、キャビティへの溶湯の充填速度が遅くなってしまう。キャビティへの溶湯の充填速度が変化すると、充填速度が通常である場合の製品と、充填速度が遅い場合の製品との間に品質のばらつきが生じてしまう。
また、湯口スリーブの周方向の変形が大きいと、プランジャチップを進退させる際に湯口スリーブの内周面と強く接触して異常摩耗が生じる可能性がある。このような異常摩耗は、プランジャチップと湯口スリーブの寿命を大きく低下させる要因となる。
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであり、湯口ランナーを通過する溶湯の局所的な凝固冷却を促進して製品の製造効率を向上させるとともに、湯口スリーブの周方向の変形を防止して鋳造される製品の品質を均一化することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明の一態様に係る湯口スリーブは、鋳造用金型内において対向して配置された金型分流子との間に湯口ランナーを形成するとともに内周面に沿ってプランジャチップが進退する略円筒状の湯口スリーブであって、該湯口スリーブの軸方向に沿って形成されるとともに前記湯口ランナー近傍において前記湯口スリーブの周方向の複数箇所に配置される複数の冷却穴と、該複数の冷却穴のそれぞれに収容されるとともに該冷却穴の底部に冷却媒体を導く複数の冷却媒体供給パイプと、冷却媒体供給配管から供給される前記冷却媒体を前記複数の冷却媒体供給パイプのそれぞれに分配する分配流路と、該分配流路によって前記複数の冷却媒体供給パイプのそれぞれに分配されて該複数の冷却穴のそれぞれから排出される前記冷却媒体を冷却媒体戻り配管に導く排出流路とを備え、前記冷却穴が、前記冷却媒体供給パイプを収容するとともに前記冷却媒体供給パイプの先端部で該冷却媒体供給パイプの内部と連通する先端側領域と、前記冷却媒体供給パイプの基端部で該冷却媒体供給パイプの内部と連通する基端側領域とを有し、前記冷却媒体供給パイプが、前記冷却穴の前記底部に導かれた前記冷却媒体が前記冷却穴の内周面との間の間隙を通過して前記排出流路へ導かれるように配置されており、前記分配流路が、前記複数の冷却穴の前記基端側領域のそれぞれに接続されるように前記周方向に沿って形成された流路であり、前記排出流路が、前記複数の冷却穴の前記先端側領域のそれぞれに接続されるように前記周方向に沿って形成された流路である。
本発明の一態様に係る湯口スリーブによれば、冷却媒体供給配管から供給される冷却媒体は分配流路に流入し、湯口スリーブの周方向に沿って流通し、複数の冷却穴の基端側領域のそれぞれに導かれる。基端側領域に導かれた冷却媒体は、冷却媒体供給パイプの基端部で冷却媒体供給パイプの内部へ導かれ、冷却媒体供給パイプの先端部から冷却穴の先端側領域に導かれる。先端側領域に導かれた冷却媒体は、冷却穴の内周面と冷却媒体供給パイプの外周面との間の間隙を通過して、排出流路へ導かれる。排出流路へ導かれた冷却媒体は、湯口スリーブの周方向に沿って流通し、冷却媒体戻り配管へ導かれる。
このように本発明の一態様に係る湯口スリーブによれば、湯口ランナーを通過する溶湯は、湯口ランナー近傍において湯口スリーブの軸方向に沿って複数箇所に配置される複数の冷却穴を流通する冷却媒体により、局所的に冷却される。これにより、湯口ランナーを通過する溶湯の凝固冷却が促進され、キャビティに充填される溶湯の温度が低下する。溶湯の温度の低下によって、製品の冷却時間が短縮され、それに伴って製品の製造効率が向上する。
また、周方向の複数箇所に配置される複数の冷却穴のそれぞれには、分配流路から冷却媒体が直接的に導かれる。各冷却穴に導かれる冷却媒体の温度差が抑制されるため、各冷却穴による冷却効果の変動が抑制され、湯口ランナーを通過する溶湯を冷却するための湯口スリーブの各部に温度差が生じる不具合が抑制される。
また、本発明の一態様に係る湯口スリーブによれば、分配流路と排出流路を流通する冷却媒体によって、軸方向の複数箇所において周方向に沿って冷却される。そのため、湯口スリーブの内周面の底部と上部とに温度差とそれに伴う周方向の変形が生じることが抑制される。そのため、略円筒状の湯口スリーブの真円度が保持される。したがって、湯口スリーブの内周面に沿ってプランジャチップが進退する際に、プランジャチップの外周面と湯口スリーブの内周面とが強く接触して進退速度が遅くなる不具合や、異常摩耗が生じる不具合が抑制される。プランジャチップの進退速度が遅くなる不具合を抑制することにより、プランジャチップの円滑な作動性能を得ることができる。これにより、キャビティへの溶湯の充填速度の変化に起因する製品の品質のばらつきを防止することができる。
このように、本発明の一態様に係る湯口スリーブによれば、湯口ランナーを通過する溶湯の局所的な凝固冷却を促進して製品の製造効率を向上させるとともに、湯口スリーブの周方向の変形を防止して鋳造される製品の品質を均一化することができる。
発明の一態様に係る湯口スリーブは鋳造用金型内において対向して配置された金型分流子との間に湯口ランナーを形成するとともに内周面に沿ってプランジャチップが進退する略円筒状の湯口スリーブであって、該湯口スリーブの軸方向に沿って形成されるとともに前記湯口ランナー近傍において前記湯口スリーブの周方向の複数箇所に配置される複数の冷却穴と、該複数の冷却穴のそれぞれに収容されるとともに該冷却穴の底部に冷却媒体を導く複数の冷却媒体供給パイプと、冷却媒体供給配管から供給される前記冷却媒体を前記複数の冷却媒体供給パイプのそれぞれに分配する分配流路と、該分配流路によって前記複数の冷却媒体供給パイプのそれぞれに分配されて該複数の冷却穴のそれぞれから排出される前記冷却媒体を冷却媒体戻り配管に導く排出流路とを備え、前記冷却穴が、前記冷却媒体供給パイプを収容するとともに前記冷却媒体供給パイプの先端部で該冷却媒体供給パイプの内部と連通する先端側領域と、前記冷却媒体供給パイプの基端部で該冷却媒体供給パイプの内部と連通する基端側領域とを有し、前記分配流路が、前記複数の冷却穴の前記基端側領域のそれぞれに接続されるように前記周方向に沿って形成された流路であり、前記排出流路が、前記複数の冷却穴の前記先端側領域のそれぞれに接続されるように前記周方向に沿って形成された流路であり、前記複数の冷却穴が内部に形成されるとともに前記軸方向に進退するプランジャチップの外周面と略同径の内周面を有する略円筒状の第1部材と、該第1部材の外周面と略同径の内周面を有する略円筒状の第2部材とを有し、前記第1部材の外周面には、前記基端側領域に接続される第1溝部と、前記先端側領域に接続される第2溝部とが、前記周方向に沿って形成されており、前記分配流路が、前記第1溝部と前記第2部材の内周面とによって画定される流路であり、前記排出流路が、前記第2溝部と前記第2部材の内周面とによって画定される流路である構成となっている
本構成によれば、外周面に第1溝部と第2溝部とが形成される第1部材の外周面に沿って、その外周面と略同径の内周面を有する第2部材を配置することにより、分配流路と排出流路とがそれぞれ画定される。
このようにすることで、比較的容易に形成可能な部材を用いて湯口スリーブの内部に分配流路と排出流路とを設け、湯口スリーブの周方向の変形を抑制することができる。これにより、湯口スリーブの真円度が保持される。
上記構成においては、前記第1部材の外周面に、前記第1溝部および前記第2溝部それぞれの前記軸方向の端部を挟み込むように複数の環状溝部が前記周方向に沿って形成されており、前記複数の環状溝部の各々に、環状のシール部材が配置されていてもよい。
このようにすることで、第1部材の外周面と第2部材の内周面との間に形成される隙間から冷却媒体が漏れ出てしまう不具合を確実に防止することができる。
上記構成においては、前記第1部材が、前記湯口ランナーから遠い基端部側にフランジ部を有し、前記フランジ部には、前記軸方向に沿って延びる貫通穴が設けられ、前記第2部材には、前記軸方向で延びる締結穴が設けられ、前記第1部材と前記第2部材とは、前記貫通穴を貫通して前記締結穴に締結される締結ボルトによって連結されるようにしてもよい。
このようにすることで、第1部材と第2部材とを強固に連結し、第1部材と第2部材との間に形成される隙間から、冷却媒体が漏れ出てしまう不具合を防止することができる。
発明の一態様に係る湯口スリーブは鋳造用金型内において対向して配置された金型分流子との間に湯口ランナーを形成するとともに内周面に沿ってプランジャチップが進退する略円筒状の湯口スリーブであって、該湯口スリーブの軸方向に沿って形成されるとともに前記湯口ランナー近傍において前記湯口スリーブの周方向の複数箇所に配置される複数の冷却穴と、該複数の冷却穴のそれぞれに収容されるとともに該冷却穴の底部に冷却媒体を導く複数の冷却媒体供給パイプと、冷却媒体供給配管から供給される前記冷却媒体を前記複数の冷却媒体供給パイプのそれぞれに分配する分配流路と、該分配流路によって前記複数の冷却媒体供給パイプのそれぞれに分配されて該複数の冷却穴のそれぞれから排出される前記冷却媒体を冷却媒体戻り配管に導く排出流路とを備え、前記冷却穴が、前記冷却媒体供給パイプを収容するとともに前記冷却媒体供給パイプの先端部で該冷却媒体供給パイプの内部と連通する先端側領域と、前記冷却媒体供給パイプの基端部で該冷却媒体供給パイプの内部と連通する基端側領域とを有し、前記分配流路が、前記複数の冷却穴の前記基端側領域のそれぞれに接続されるように前記周方向に沿って形成された流路であり、前記排出流路が、前記複数の冷却穴の前記先端側領域のそれぞれに接続されるように前記周方向に沿って形成された流路であり、前記複数の冷却穴が、前記冷却媒体供給配管から前記分配流路に冷却媒体が流入する冷却媒体流入口および前記排出流路から前記冷却媒体戻り配管に冷却媒体を排出する冷却媒体流出口に対して、前記周方向に沿った反対側の位置に配置される構成となっている
本構成によれば、冷却媒体流入口に流入した冷却媒体は分配流路に流入し、周方向の一方と他方のそれぞれに沿って流通し、周方向に沿った反対側の位置にそれぞれ導かれる。周方向の一方と他方のそれぞれに沿って流通する冷却媒体は、周方向に沿った反対側の位置で衝突し、冷却穴の基端側領域から冷却媒体供給パイプの内部に導かれる。
また、本構成によれば、冷却媒体供給パイプから冷却穴の先端側領域に流入した冷却媒体は排出流路に流入し、周方向の一方と他方のそれぞれに沿って流通し、冷却媒体流入口と同位置に配置される冷却媒体流出口から冷却媒体戻り配管に導かれる。
このようにすることで、冷却穴が冷却媒体流入口および冷却媒体流出口の近傍に配置される場合に比べ、周方向に沿って形成された分配流路および排出流路を流通する冷却媒体の流量を確保し、分配流路および排出流路の各位置における冷却媒体の流量を均一化することができる。したがって、湯口スリーブの内周面の底部と上部とに温度差とそれに伴う変形が生じることがより確実に抑制される。
本発明の一態様の鋳造用金型は、上記のいずれかに記載の湯口スリーブを備えることを特徴とする。このようにすることで、湯口ランナーを通過する溶湯の局所的な凝固冷却を促進して製品の製造効率を向上させるとともに、湯口スリーブの周方向の変形を防止して鋳造される製品の品質を均一化すること可能な鋳造用金型を提供することができる。
本発明によれば、湯口ランナーを通過する溶湯の局所的な凝固冷却を促進して製品の製造効率を向上させるとともに、湯口スリーブの周方向の変形を防止して鋳造される製品の品質を均一化することができる。
本発明の一実施形態に係る湯口スリーブを備えるダイカスト金型を示す縦断面図である。 図1に示す湯口スリーブ近傍の縦断面図である。 図2に示す湯口スリーブをプランジャスリーブ側からみた図である。 図2に示す湯口スリーブのA−A矢視断面図である。 図2に示す湯口スリーブのB−B矢視断面図である。
以下、本発明の一実施形態のダイカスト鋳造用金型について、図面を参照して説明する。
図1に示す本実施形態のダイカスト鋳造用金型100は、アルミニウム、亜鉛、またはマグネシウムの鋳造を行うための装置である。
図2に示すように、本実施形態のダイカスト鋳造用金型100が備える湯口スリーブ14は、略円筒状の湯口スリーブ14の軸線X回りの周方向に沿って形成された分配流路14pおよび排出流路14qを備える。また、湯口スリーブ14は、湯口スリーブ14の軸線X方向に沿って形成されてそれぞれの内部に冷却水供給パイプ14iが収容される複数の冷却穴14fを備える。
本実施形態の湯口スリーブ14によれば、分配流路14pおよび排出流路14qを流通する冷却媒体により、軸線X方向の複数箇所において周方向に沿って湯口スリーブ14が冷却される。特に、多量の溶湯が滞留する場所であるスタンプ10が、排出流路14qにより冷却される。また、本実施形態の湯口スリーブ14によれば、冷却水供給パイプ14iおよび冷却穴14fを流通する冷却水により、湯口ランナー9近傍の周方向の複数箇所において軸線X方向に沿って湯口スリーブ14が冷却される。
以下、本実施形態のダイカスト鋳造用金型100の各部について説明する。
図1に示すように、本実施形態のダイカスト鋳造用金型100は、溶湯供給部1と、固定金型2と、可動金型3と、固定プラテン4と、可動プラテン5と、固定金型キャビティ6と、可動金型キャビティ7と、押出し板15と、押出しピン16と、チルベント20とを備える。可動金型キャビティ7の一部として、金型分流子17が備わっている。
溶湯供給部1は、プランジャスリーブ12と、プランジャチップ13と、湯口スリーブ14とを備える。プランジャスリーブ12は、固定プラテン4に固定された略円筒状の部材である。プランジャスリーブ12の軸方向の中央部分には、溶湯の流路となる中空部が設けられている。プランジャスリーブ12の上方に設けられた溶湯供給口21から高温の溶湯が注入されるようになっている。
プランジャチップ13は、プランジャロッド13bを介して射出油圧シリンダ(図示略)に固定されるとともに、プランジャスリーブ12の内径と略同径の外径の外周面を備える略円柱状部材である。プランジャチップ13は、図1の13aに2点鎖線で示す位置からプランジャスリーブ12の内周面12aに沿って湯口スリーブ14の内部まで進退可能となっている。
湯口スリーブ14は、固定金型2に取り付けられ略円筒状の部材である。湯口スリーブ14と対向する位置に金型分流子17が配置されている。可動金型3が固定金型2に近接した図1に示す状態において、湯口スリーブ14と金型分流子17との間には、湯口ランナー9が形成される。
プランジャチップ13は、湯口スリーブ14の内周面14aに沿って進退可能となっている。
金型分流子17には、内部に形成される冷却穴(図示略)に冷却水を供給するための冷却水供給配管18と、冷却穴に供給された冷却水を排出するための冷却水戻り配管19とが接続されている。金型分流子17の内部を冷却することにより、湯口ランナー9を通過する溶湯が冷却される。
また、湯口スリーブ14には、内部に形成される冷却穴14f(図2参照)に冷却水を供給するための冷却水供給配管22と、冷却穴14fに供給された冷却水を排出するための冷却水戻り配管23とが接続されている。
溶湯がプランジャスリーブ12の底部に注入された状態で、プランジャチップ13を溶湯供給口21の右方(符号13aで示す2点鎖線の位置)から湯口スリーブ14の内部(符号13で示す実線の位置)まで移動させる。これにより、プランジャスリーブ12内の溶湯が湯口ランナー9を経由し、キャビティ8およびチルベント20に導かれる。スタンプ10は、プランジャチップ13が金型分流子17に最も近接した状態で溶湯が冷却されることによりプランジャスリーブ12内に形成される金属片の部分を示している。
固定金型2は、固定プラテン4に固定された部材である。固定金型2に形成された凹所2aには、内部に溶湯が導かれる固定金型キャビティ6が収容されている。
可動金型3は、可動プラテン5に固定された部材である。可動金型3に形成された凹所3aには、可動金型キャビティ7が収容されている。可動金型3は、可動プラテン5に連結される油圧シリンダ等の駆動機構(図示略)によって、図1に示す固定金型2に近接した位置と、固定金型2から離間した位置(図示略)とを切り替える。
可動金型3と固定金型2とが近接した状態(図1参照)で、可動金型3と固定金型2との間にキャビティ8が形成される。この状態でキャビティ8に溶湯を導いて冷却することにより、キャビティ8の形状に対応する製品が鋳造される。
押出し板15は、可動金型3の内部に配置されるとともに複数の押出しピン16が連結される板状部材である。押出し板15は、可動金型3が固定金型2から離間した状態で押出機構(図示略)によって鋳造された製品が固定金型2に近付く方向に押し出される。これにより、押出しピン16の先端がキャビティ8によって形成された製品が押し出し、製品が固定金型キャビティ7から取り外される。
チルベント20は、キャビティ8へ溶湯が導かれることによって押し出されるガスをダイカスト鋳造用鋳型100の外部へ放出するガス抜きをするために使用される金属部材である。
チルベント20は、固定金型2に固定される固定チルベント20aと、可動金型3に固定される可動チルベント20bとを備える。固定チルベント20aには吸引ポート20cが設けられている。
吸引ポート20cにはポンプ(図示略)が接続されている。ポンプによって吸引を行うことにより、固定チルベント20aと可動チルベント20bとの間に形成される間隙を介して、キャビティ8内のガスを吸引してポンプへ導く。
次に、本実施形態の湯口スリーブ14の構造について、図2から図5を参照して説明する。
図2に示すように、本実施形態の湯口スリーブ14は、内周面14aを有する略円筒状の内周側部材(第1部材)14bと、内周側部材14bの外周面14eと略同径の内周面14dを有する外周側部材(第2部材)14cとを有する。
前述したように、軸線X方向に進退するプランジャチップ13の外周面13bと内周側部材14bの内周面14aとは、略同径となっている。図2に示すように、外周面13bの径は、内周面14aの径よりもやや小さくなっている。外周面13bと内周面14aとの間に微小の間隙を設けることにより、プランジャチップ13が湯口スリーブ14の軸線X方向に進退可能となっている。
図2に示すように、内周側部材14bの端部には、フランジ部14wが形成されている。フランジ部14wには、締結ボルト14xが挿入される貫通穴が形成されている。外周側部材14cのフランジ部14w側の端面には、軸線X方向に沿った締結穴が形成されている。内周側部材14bと外周側部材14cとは、貫通穴を貫通して外周側部材14cの締結穴に締結される締結ボルト14xによって連結される。
図3に示すように、内周側部材14bと外周側部材14cとは、湯口スリーブ14の周方向に等間隔の三箇所において、締結ボルト14xによって連結されている。
なお、図2は、図3に示すC−C矢視断面図となっている。
図2に示すように、フランジ部14wには、内周面に雌ねじ部が形成された取り外し穴14yが形成されている。取り外し穴14yは、湯口スリーブ14を内周側部材14bと外周側部材14cとに分解する場合に用いられる。
図3に示すように、取り外し穴14yは、湯口スリーブ14の周方向に等間隔の三箇所に形成されている。
作業者は、締結ボルト14xを取り外した後に、取り外し穴14yの雌ねじ部に対して外周面に雄ねじ部が形成された締結ボルト(図示略)を締結して締結ボルトの先端を外周側部材14cに突き当てる。これにより、内周側部材14bと外周側部材14cとが軸線X方向に相対的に移動し、内周側部材14bと外周側部材14cとに分解される。
次に、湯口スリーブ14が備える冷却穴14fについて説明する。
図2に示すように、内周側部材14bは、湯口スリーブ14の軸線X方向に沿って形成される冷却穴14fを備えている。
図4および図5に示すように、内側部材14bには、湯口スリーブ14の周方向の5箇所に冷却穴14fが配置されている。図4および図5に示す符号Wは、図2に示す湯口ランナー9の平面幅を示している。
図2,図4,図5に示すように、5つの冷却穴14fは、湯口ランナー9を通過する溶湯を効率よく局所的に冷却するために、湯口ランナー9の近傍に配置されている。5つの冷却穴14fを流通する冷却水により湯口ランナー9の近傍を局所的に冷却することにより、湯口ランナーを通過する溶湯の冷却および凝固が促進され、キャビティ8に充填される溶湯の温度が低下する。溶湯の温度の低下によって、製品の冷却時間が短縮され、それに伴って製品の製造効率が向上する。
図2に示すように、5つの冷却穴14fの基端部(プランジャスリーブ12側の端部)の内周面には、プラグ14g(止水栓)の外周面に設けられた雄ねじ部と締結する雌ねじ部14hが形成されている。
5つの冷却穴14の軸線X方向の中央部の内周面には、冷却水供給パイプ14i(冷却媒体供給パイプ)の外周面に設けられた雄ねじ部と締結する雌ねじ部14jが形成されている。
冷却水供給パイプ14iは、冷却穴14fに収容されるとともに、冷却穴14fの底部に冷却水(冷却媒体)を導くパイプである。冷却水供給パイプ14iの基端部には、イン六角ねじ14kが取り付けられている。イン六角ねじ14kの外周面には、雌ねじ部14jと締結する雄ねじ部が設けられている。
図4に示すように、イン六角ねじ14kには、六角レンチの先端部が挿入される平面視六角形の六角穴14lと、軸線X方向に延在して六角穴14lと連通する入水穴14mが形成されている。冷却水供給パイプ14iの基端部は、イン六角ねじ14kの入水穴14m内に挿入されている。冷却水供給パイプ14iとイン六角ねじ14kとは、ろう付けによって接合されている。
図2に示すように、冷却穴14fは、冷却水供給パイプ14iを収容するとともに冷却水供給パイプ1の先端部で冷却水供給パイプ14の内部と連通する先端側領域を有する。また、冷却穴14fは、冷却水供給パイプ14の基端部で冷却水供給パイプ14の内部と連通する基端側領域とを有する。
冷却穴14fの底部は、湯口スリーブ14の先端部の端面14nから軸線Xに沿って5mm以上かつ15mm以下となるように形成されている。
次に、湯口スリーブ14が備える分配流路14pおよび排出流路14qについて説明する。
湯口スリーブ14には、冷却水供給配管22(冷却媒体供給配管)から供給される冷却水を5つの冷却水供給パイプ14iのそれぞれに分配する分配流路14pが形成されている。分配流路14pは、5つの冷却穴14fの基端側領域のそれぞれに接続されるように、湯口スリーブ14の周方向に沿って形成されている。
内周側部材14bの外周面14eには、冷却穴14fの基端側領域に接続される無端状の溝部(第1溝部)が湯口スリーブ14の周方向に沿って形成されている。また、この溝部の外周側には、外周側部材14cが配置されている。分配流路14pは、内周側部材14bの外周面に形成される溝部(第1溝部)と外周側部材14cの内周面とによって画定される流路となっている。
湯口スリーブ14には、分配流路14によって5つの冷却水供給パイプ14iのそれぞれに分配されて5つの冷却穴14fのそれぞれから排出される冷却水を冷却水戻り配管23(冷却媒体戻り配管)に導く排出流路14qが形成されている。排出流路14qは、5つの冷却穴14fの先端側領域のそれぞれに接続されるように、湯口スリーブ14の周方向に沿って形成されている。
内周側部材14bの外周面14eには、冷却穴14fの先端側領域に接続される無端状の溝部(第2溝部)が湯口スリーブ14の周方向に沿って形成されている。また、この溝部の外周側には、外周側部材14cが配置されている。排出流路14qは、内周側部材14bの外周面に形成される溝部(第2溝部)と外周側部材14cの内周面とによって画定される流路となっている。
内周側部材14bの外周面14eには、湯口スリーブ14の周方向に沿って、無端状の環状溝部14r,14s,14tが形成されている。各環状溝部14r,14s,14tには、環状のシール部材であるOリング14oが配置されている。
環状溝部14rと環状溝部14sは、分配流路14pを画定する溝部(第1溝部)の軸線X方向の両端部を挟み込むように、湯口スリーブ14の周方向に沿って形成されている。
内周側部材14bの外周面14eと外周側部材14cの内周面14dとの隙間は、環状溝部14rおよび環状溝部14sに配置されたOリング14oによって封止された状態となっている。これにより、分配流路14pを流通する冷却水が外部へ漏れないようになっている。
同様に、環状溝部14sと環状溝部14tは、排出流路14qを画定する溝部(第2溝部)の軸線X方向の両端部を挟み込むように、湯口スリーブ14の周方向に沿って形成されている。
内周側部材14bの外周面14eと外周側部材14cの内周面14dとの隙間は、環状溝部14sおよび環状溝部14tに配置されたOリング14oによって封止された状態となっている。これにより、排出流路14qを流通する冷却水が外部へ漏れないようになっている。
外周側部材14cには、冷却水供給配管22から分配流路14pに冷却水を流入させる冷却水流入口14uと、排出流路14qから冷却水戻り配管14qに冷却水を排出する冷却水流出口14vとが設けられている。
冷却水供給配管22の端部に設けられた雄ねじ部は、冷却水流入口14uに設けられた雌ねじ部に締結される。冷却水戻り配管23の端部に設けられた雄ねじ部は、冷却水流出口14vに設けられた雌ねじ部に締結される。
図4および図5に示すように、冷却穴14fは、冷却水流入口14uおよび冷却水流出口14vに対して、湯口スリーブ14の周方向に沿った略反対側の位置に配置されている。冷却穴14fを図4および図5に示す位置に配置しているのは、冷却水流入口14uから流入した冷却水によって、湯口スリーブ14の周方向の全周に形成される分配流路14pの周囲を十分に冷却するためである。冷却穴14fと冷却水流入口14uが近接していると、冷却水流入口14uから分配流路14pに流入した冷却水がすぐに冷却穴14fに導かれ、分配流路14pの周囲を十分に冷却することができない。
次に、冷却水供給配管22から湯口スリーブ14の内部に導かれた冷却水が、冷却水戻り配管23から湯口スリーブ14の外部へ排出されるまでの経路について説明する。
図4に矢印で示すように、冷却水供給配管22から供給される冷却水は、冷却水流入口14uから分配流路14pへ流入する。図4に示すように、分配流路14pは平面視が円環形状の流路である。そのため、冷却水流入口14uから流入した冷却水は、冷却水流入口14uの近傍から時計回り方向および反時計回り方向のそれぞれの周方向に沿って進む。それぞれの周方向に沿って進んだ冷却水は、冷却水流入口14u対して湯口スリーブ14の周方向に沿った略反対側の位置で衝突し、5つの入水穴14mを介して5つの冷却水供給パイプ14iのそれぞれに流入する。
冷却水供給パイプ14iの内部に導かれた冷却水は、冷却水供給パイプ14iの先端部から冷却穴14fの底部近傍に流入する(図2参照)。冷却穴14fの底部に衝突して流通方向が反転した冷却水は、冷却水供給パイプ14iの外周面と冷却穴14fの外周面との間の空間を通過し、排出流路14qへ導かれる。
図5に矢印で示すように、5つの冷却穴14fのそれぞれから排出流路14qへ流入した冷却水は、冷却穴14fの近傍から時計回り方向および反時計回り方向のそれぞれの周方向に沿って進む。それぞれの周方向に沿って進んだ冷却水は、冷却水流出口14vの近傍位置で衝突し、冷却水流出口14vを介して冷却水戻り配管23に排出される。
以上説明した本実施形態の湯口スリーブ14が奏する作用および効果について説明する。
本実施形態の湯口スリーブ14によれば、冷却水供給配管22から供給される冷却水は分配流路14pに流入し、湯口スリーブ14の周方向に沿って流通し、複数の冷却穴14fの基端側領域のそれぞれに導かれる。基端側領域に導かれた冷却水は、冷却水供給パイプ14iの基端部で冷却水供給パイプ14iの内部へ導かれ、冷却水供給パイプ14iの先端部から冷却穴14fの先端側領域に導かれる。先端側領域に導かれた冷却水は、冷却穴14fの内周面と冷却水供給パイプ14iの外周面との間の間隙を通過して、排出流路14qへ導かれる。排出流路14qへ導かれた冷却水は、湯口スリーブ14の周方向に沿って流通し、冷却水戻り配管23へ導かれる。
このように本実施形態の湯口スリーブ14によれば、湯口ランナー9を通過する溶湯は、湯口ランナー9近傍において湯口スリーブ14の軸線X方向に沿って5箇所に配置される5つの冷却穴14fを流通する冷却水により、局所的に冷却される。これにより、湯口ランナー9を通過する溶湯の凝固冷却が促進され、キャビティ8に充填される溶湯の温度が低下する。溶湯の温度の低下によって、製品の冷却時間が短縮され、それに伴って製品の製造効率が向上する。
また、周方向の5箇所に配置される5つの冷却穴14fのそれぞれには、分配流路14pから冷却水が直接的に導かれる。各冷却穴14fに導かれる冷却水の温度差が抑制されるため、各冷却穴14fによる冷却効果の変動が抑制され、湯口ランナー9を通過する溶湯の各部に温度差が生じる不具合が抑制される。
また、本実施形態の湯口スリーブ14によれば、分配流路14pと排出流路14qを流通する冷却水によって、軸線X方向の5箇所において周方向に沿って冷却される。そのため、湯口スリーブ14の内周面14aの底部と上部とに温度差とそれに伴う周方向の変形が生じることが抑制される。そのため、略円筒状の湯口スリーブ14の真円度が保持される。したがって、湯口スリーブ14の内周面14aに沿ってプランジャチップ13が進退する際に、プランジャチップ13と湯口スリーブ14の内周面14aとが強く接触して進退速度が遅くなる不具合や、異常摩耗が生じる不具合が抑制される。プランジャチップ13の進退速度が遅くなる不具合を抑制することにより、プランジャチップ13の円滑な作動性能を得ることができる。これにより、キャビティ8への溶湯の充填速度の変化に起因する製品の品質のばらつきを防止することができる。
このように、本実施形態の湯口スリーブ14によれば、湯口ランナー9を通過する溶湯の局所的な凝固冷却を促進して製品の製造効率を向上させるとともに、湯口スリーブの周方向の変形を防止して鋳造される製品の品質を均一化することができる。
本実施形態の湯口スリーブ14は、複数の冷却穴14fが内部に形成されるとともに軸線X方向に進退するプランジャチップ13の外周面13bと略同径の内周面14aを有する略円筒状の内周側部材14bと、内周側部材14bの外周面14eと略同径の内周面14dを有する略円筒状の外周側部材14cとを有する。
内周側部材14bの外周面14eには、基端側領域に接続される溝部(第1溝部)と、先端側領域に接続される溝部(第2溝部)とが、周方向に沿って形成されている。分配流路14pは溝部と外周側部材14cの内周面14dとによって画定される流路である。また、排出流路14qは溝部と外周側部材14cの内周面14dとによって画定される流路である。
本実施形態によれば、溝部が形成される内周側部材14bの外周面14eに沿って、その外周面14eと略同径の内周面14dを有する外周側部材14cを配置することにより、分配流路14pと排出流路14qとがそれぞれ画定される。
このようにすることで、比較的容易に形成可能な部材を用いて湯口スリーブ14の内部に分配流路14pと排出流路14qとを設け、湯口スリーブ14の周方向の変形を抑制することができる。これにより、湯口スリーブ14の真円度が保持される。
本実施形態よれば、内周側部材14bの外周面14eに、分配流路14pと排出流路14qそれぞれの軸線X方向の端部を挟み込むように複数の環状溝部14r,14s,14tが周方向に沿って形成されており、複数の環状溝部14r,14s,14tの各々に、環状のシール部材であるOリング14oが配置されている。
このようにすることで、内周側部材14bの外周面14eと外周側部材14cの内周面14dとの間に形成される隙間から冷却水が漏れ出てしまう不具合を確実に防止することができる。
本実施形態によれば、内周側部材14bが、湯口ランナー9から遠い基端部側にフランジ部14wを有し、フランジ部14wには、軸線X方向に沿って延びる貫通穴が設けられる。また、外周側部材14cには、軸線X方向で延びる締結穴が設けられる。内周側部材14bと外周側部材14cとは、貫通穴を貫通して締結穴に締結される締結ボルト14xによって連結される。
このようにすることで、内周側部材14bと外周側部材14cとを強固に連結し、内周側部材14bと外周側部材14cとの間に形成される隙間から、冷却水が漏れ出てしまう不具合を防止することができる。
本実施形態によれば、複数の冷却穴14fが、冷却水供給配管22から分配流路14pに冷却水が流入する冷却水流入口14uおよび排出流路14qから冷却水戻り配管23に冷却水を排出する冷却水流出口14vに対して、周方向に沿った反対側の位置に配置される。
本実施形態によれば、冷却水流入口14uに流入した冷却水は分配流路14pに流入し、周方向の一方と他方のそれぞれに沿って流通し、周方向に沿った反対側の位置にそれぞれ導かれる。周方向の一方と他方のそれぞれに沿って流通する冷却水は、周方向に沿った反対側の位置で衝突し、冷却穴14fの基端側領域から冷却水供給パイプ14iの内部に導かれる。
また、本実施形態によれば、冷却水供給パイプ14iから冷却穴14fの先端側領域に流入した冷却水は排出流路14qに流入し、周方向の一方と他方のそれぞれに沿って流通し、冷却水流入口14uと同位置に配置される冷却水流出口14vから冷却水戻り配管23に導かれる。
このようにすることで、冷却穴14fが冷却水流入口14uおよび冷却水流出口14vの近傍に配置される場合に比べ、周方向に沿って形成された分配流路14pおよび排出流路14qを流通する冷却水の流量を確保し、分配流路14pおよび排出流路14qの各位置における冷却水の流量を均一化することができる。したがって、湯口スリーブ14の内周面14aの底部と上部とに温度差とそれに伴う変形が生じることがより確実に抑制される。
〔他の実施形態〕
以上の説明においては、湯口スリーブ14を冷却するための冷却媒体として冷却水を用いるものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、水以外の液体または気体等の他の冷却媒体を用いるようにしてもよい。
以上の説明においては、湯口スリーブ14をダイカスト鋳造に用いられるダイカスト鋳造用金型100に用いる例を説明したが、他の態様であってもよい。例えば、重力鋳造や低圧鋳造など、ダイカスト鋳造以外の他の鋳造において用いられる鋳造用金型に適用してもよい。
以上の説明において、冷却穴14fの内部には、冷却水供給パイプ14iが収容されるものとし、その他の部材は収容されないものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、冷却穴14fの内周面に、先端部にて底部を有する内筒を密着した状態で取り付けるようにしてもよい。内筒としては、例えば厚さが0.1mm以上かつ0.7mm以下であり、材質がステンレス(例えば、SUS303、SUS304、SUS316、SUS321、SUS347)のものを用いることができる。また、材質がステンレス以外の他の金属(銅、真鍮、ダイス鋼(SKD61)等)のものを用いてもよい。
このようにすることで、湯口スリーブ14の冷却穴14fの近傍に亀裂が生じてしまう場合であっても、内筒によって冷却水が外部に漏れ出る不具合を防止することができる。
1 溶湯供給部
2 固定金型
2a 凹所
3 可動金型
4 固定プラテン
5 可動プラテン
6 固定金型キャビティ
7 可動金型キャビティ
8 キャビティ
9 湯口ランナー
10 スタンプ
12 プランジャスリーブ
12a,14a,14d 内周面
13 プランジャチップ
13b プランジャロッド
14 湯口スリーブ
14b 内周側部材(第1部材)
14c 外周側部材(第2部材)
14e 外周面
14f 冷却穴
14g プラグ
14h,14j 雌ねじ部
14i 冷却水供給パイプ(冷却媒体供給パイプ)
14k イン六角ねじ
14l 六角穴
14m 入水穴
14n 端面
14o Oリング(シール部材)
14p 分配流路(第1溝部)
14q 排出流路(第2溝部)
14r,14s,14t 環状溝部
14u 冷却水流入口(冷却媒体流入口)
14v 冷却水流出口(冷却媒体流出口)
14w フランジ部
14x 締結ボルト
14y 取り外し穴
15 押出し板
16 押出しピン
17 金型分流子
18 冷却水供給配管
19 冷却水戻り配管
20 チルベント
20a 固定チルベント
20b 可動チルベント
20c 吸引ポート
21 溶湯供給口
22 冷却水供給配管(冷却媒体供給配管)
23 冷却水戻り配管(冷却媒体戻り配管)
100 ダイカスト鋳造用金型(鋳造用金型)
X 軸線

Claims (6)

  1. 鋳造用金型内において対向して配置された金型分流子との間に湯口ランナーを形成するとともに内周面に沿ってプランジャチップが進退する略円筒状の湯口スリーブであって、
    該湯口スリーブの軸方向に沿って形成されるとともに前記湯口ランナー近傍において前記湯口スリーブの周方向の複数箇所に配置される複数の冷却穴と、
    該複数の冷却穴のそれぞれに収容されるとともに該冷却穴の底部に冷却媒体を導く複数の冷却媒体供給パイプと、
    冷却媒体供給配管から供給される前記冷却媒体を前記複数の冷却媒体供給パイプのそれぞれに分配する分配流路と、
    該分配流路によって前記複数の冷却媒体供給パイプのそれぞれに分配されて該複数の冷却穴のそれぞれから排出される前記冷却媒体を冷却媒体戻り配管に導く排出流路とを備え、
    前記冷却穴が、前記冷却媒体供給パイプを収容するとともに前記冷却媒体供給パイプの先端部で該冷却媒体供給パイプの内部と連通する先端側領域と、前記冷却媒体供給パイプの基端部で該冷却媒体供給パイプの内部と連通する基端側領域とを有し、
    前記冷却媒体供給パイプが、前記冷却穴の前記底部に導かれた前記冷却媒体が前記冷却穴の内周面との間の間隙を通過して前記排出流路へ導かれるように配置されており、
    前記分配流路が、前記複数の冷却穴の前記基端側領域のそれぞれに接続されるように前記周方向に沿って形成された流路であり、
    前記排出流路が、前記複数の冷却穴の前記先端側領域のそれぞれに接続されるように前記周方向に沿って形成された流路である湯口スリーブ。
  2. 鋳造用金型内において対向して配置された金型分流子との間に湯口ランナーを形成するとともに内周面に沿ってプランジャチップが進退する略円筒状の湯口スリーブであって、
    該湯口スリーブの軸方向に沿って形成されるとともに前記湯口ランナー近傍において前記湯口スリーブの周方向の複数箇所に配置される複数の冷却穴と、
    該複数の冷却穴のそれぞれに収容されるとともに該冷却穴の底部に冷却媒体を導く複数の冷却媒体供給パイプと、
    冷却媒体供給配管から供給される前記冷却媒体を前記複数の冷却媒体供給パイプのそれぞれに分配する分配流路と、
    該分配流路によって前記複数の冷却媒体供給パイプのそれぞれに分配されて該複数の冷却穴のそれぞれから排出される前記冷却媒体を冷却媒体戻り配管に導く排出流路とを備え、
    前記冷却穴が、前記冷却媒体供給パイプを収容するとともに前記冷却媒体供給パイプの先端部で該冷却媒体供給パイプの内部と連通する先端側領域と、前記冷却媒体供給パイプの基端部で該冷却媒体供給パイプの内部と連通する基端側領域とを有し、
    前記分配流路が、前記複数の冷却穴の前記基端側領域のそれぞれに接続されるように前記周方向に沿って形成された流路であり、
    前記排出流路が、前記複数の冷却穴の前記先端側領域のそれぞれに接続されるように前記周方向に沿って形成された流路であり、
    前記複数の冷却穴が内部に形成されるとともに前記軸方向に進退するプランジャチップの外周面と略同径の内周面を有する略円筒状の第1部材と、
    該第1部材の外周面と略同径の内周面を有する略円筒状の第2部材とを有し、
    前記第1部材の外周面には、前記基端側領域に接続される第1溝部と、前記先端側領域に接続される第2溝部とが、前記周方向に沿って形成されており、
    前記分配流路が、前記第1溝部と前記第2部材の内周面とによって画定される流路であり、
    前記排出流路が、前記第2溝部と前記第2部材の内周面とによって画定される流路である湯口スリーブ。
  3. 前記第1部材の外周面に、前記第1溝部および前記第2溝部それぞれの前記軸方向の端部を挟み込むように複数の環状溝部が前記周方向に沿って形成されており、
    前記複数の環状溝部の各々に、環状のシール部材が配置されている請求項2に記載の湯口スリーブ。
  4. 前記第1部材は、前記湯口ランナーから遠い基端部側にフランジ部を有し、
    前記フランジ部には、前記軸方向に沿って延びる貫通穴が設けられ、
    前記第2部材には、前記軸方向で延びる締結穴が設けられ、
    前記第1部材と前記第2部材とは、前記貫通穴を貫通して前記締結穴に締結される締結ボルトによって連結されている請求項2または請求項3に記載の湯口スリーブ。
  5. 鋳造用金型内において対向して配置された金型分流子との間に湯口ランナーを形成するとともに内周面に沿ってプランジャチップが進退する略円筒状の湯口スリーブであって、
    該湯口スリーブの軸方向に沿って形成されるとともに前記湯口ランナー近傍において前記湯口スリーブの周方向の複数箇所に配置される複数の冷却穴と、
    該複数の冷却穴のそれぞれに収容されるとともに該冷却穴の底部に冷却媒体を導く複数の冷却媒体供給パイプと、
    冷却媒体供給配管から供給される前記冷却媒体を前記複数の冷却媒体供給パイプのそれぞれに分配する分配流路と、
    該分配流路によって前記複数の冷却媒体供給パイプのそれぞれに分配されて該複数の冷却穴のそれぞれから排出される前記冷却媒体を冷却媒体戻り配管に導く排出流路とを備え、
    前記冷却穴が、前記冷却媒体供給パイプを収容するとともに前記冷却媒体供給パイプの先端部で該冷却媒体供給パイプの内部と連通する先端側領域と、前記冷却媒体供給パイプの基端部で該冷却媒体供給パイプの内部と連通する基端側領域とを有し、
    前記分配流路が、前記複数の冷却穴の前記基端側領域のそれぞれに接続されるように前記周方向に沿って形成された流路であり、
    前記排出流路が、前記複数の冷却穴の前記先端側領域のそれぞれに接続されるように前記周方向に沿って形成された流路であり、
    前記複数の冷却穴が、前記冷却媒体供給配管から前記分配流路に冷却媒体を流入させる冷却媒体流入口および前記排出流路から前記冷却媒体戻り配管に冷却媒体を排出する冷却媒体流出口に対して、前記周方向に沿った反対側の位置に配置される湯口スリーブ。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の湯口スリーブを備える鋳造用金型。
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