JP5839239B2 - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

バルブタイミング調整装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5839239B2
JP5839239B2 JP2013102450A JP2013102450A JP5839239B2 JP 5839239 B2 JP5839239 B2 JP 5839239B2 JP 2013102450 A JP2013102450 A JP 2013102450A JP 2013102450 A JP2013102450 A JP 2013102450A JP 5839239 B2 JP5839239 B2 JP 5839239B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shoe
housing
wall
front plate
axial force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013102450A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014222061A (ja
Inventor
拓司 中村
拓司 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2013102450A priority Critical patent/JP5839239B2/ja
Priority to DE102014209003.2A priority patent/DE102014209003A1/de
Priority to US14/276,137 priority patent/US9260985B2/en
Priority to CN201410203121.6A priority patent/CN104153838B/zh
Publication of JP2014222061A publication Critical patent/JP2014222061A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5839239B2 publication Critical patent/JP5839239B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L1/00Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
    • F01L1/34Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift
    • F01L1/344Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear
    • F01L1/3442Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear using hydraulic chambers with variable volume to transmit the rotating force
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L1/00Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
    • F01L1/34Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift
    • F01L1/344Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear
    • F01L1/3442Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear using hydraulic chambers with variable volume to transmit the rotating force
    • F01L2001/3445Details relating to the hydraulic means for changing the angular relationship
    • F01L2001/34453Locking means between driving and driven members
    • F01L2001/34456Locking in only one position
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L1/00Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
    • F01L1/34Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift
    • F01L1/344Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear
    • F01L1/3442Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear using hydraulic chambers with variable volume to transmit the rotating force
    • F01L2001/3445Details relating to the hydraulic means for changing the angular relationship
    • F01L2001/34453Locking means between driving and driven members
    • F01L2001/34469Lock movement parallel to camshaft axis

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)

Description

本発明は、エンジンの吸気弁または排気弁の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置に関する。
従来、エンジンの駆動軸と従動軸との回転位相を変化させることで吸気弁または排気弁の開閉タイミングを調整するベーン型のバルブタイミング調整装置が知られている。このベーン型のバルブタイミング調整装置は、駆動軸と一体に回転するハウジングと、ハウジング内で従動軸に一体に固定されるベーンロータとを備え、ハウジング内の圧力室に作動油を供給することでベーンロータを相対回動させ、開閉タイミングを調整する。
一般にこの種のバルブタイミング調整装置では、径内側にベーンロータを収容する筒状のシューハウジングを、軸方向の両側からフロントプレート及びリアプレートが挟持する構成が採用される。そして、締結用のボルトが、フロントプレート側から、シューハウジングのシュー部に形成された通し穴を貫通して、リアプレートに形成された雌ねじ穴に締結される。このような構成における締結用ボルトとして、例えば特許文献1に開示されたバルブタイミング調整装置では、皿ボルトが用いられている。
特開2009−215881号公報
皿ボルトは、なべ頭ボルトやキャップボルトに比べ、ボルト頭部を含めた軸方向高さを小さくすることができる。その反面、なべ頭ボルトやキャップボルトでは、締結軸力が軸と平行に作用するのに対し、皿ボルトを用いる場合、着座面、及び相手物であるフロントプレートのシート面が約90°のテーパ状に形成されているため、締結軸力がシート面の法線方向である径外方向に拡散する。そのため、シューハウジングのシュー部の大きさや位置によっては、締結軸力の作用する範囲の一部又は全部がシュー部の外側に外れる場合がある。したがって、締結軸力がシュー部に有効に伝達されず、ベーンロータの作動に伴う衝撃力や振動によって、シューハウジングのがたつきや回転方向の位置ずれが生じるおそれがある。
その対策として単純に締付トルクを大きくすることが考えられる。しかし、締付トルクを適正トルク以上に大きくし過ぎると、皿ボルトが破断するおそれがある。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、皿ボルトを用いてフロントプレートをシューハウジングに締結する構成において、締結軸力をシューハウジングに効率良く伝達するバルブタイミング調整装置を提供することにある。
本発明は、エンジンの駆動軸と従動軸との回転位相を変化させることにより、従動軸が開閉駆動する吸気弁又は排気弁の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、シューハウジング、ベーンロータ、フロントプレート、リアプレート及び皿ボルトを備える。
シューハウジングは、筒部、及び、筒部の内壁から径内方向に突出した複数のシュー部を有し、駆動軸又は従動軸の一方と共に回転する。
ベーンロータは、シューハウジングの筒部と同軸に設けられるボス部、及び、ボス部から放射状に突出した複数のベーン部を有し、ベーン部がシューハウジングのシュー部同士の間でシュー部に対して相対回動可能なようにシューハウジングに収容され、駆動軸又は従動軸の他方と一体に回転する。
フロントプレートは、シューハウジングの一方の軸方向端面であるシューフロント面に当接した状態でシューハウジングに固定され、シュー部に対応する位置に、口元側から奥側に向かって縮径する凹テーパ状のシート面が形成される。
リアプレートは、シューハウジングの他方の軸方向端面であるシューリア面に当接した状態でシューハウジングに固定される。
皿ボルトは、フロントプレートのシート面に着座可能な凸テーパ状の着座面を頭部に有し、シューハウジングのシュー部に形成される通し穴を通してフロントプレートとリアプレートとを締結し、或いは、シュー部に形成された雌ねじ穴に螺合しフロントプレートとシューハウジングとを直接締結する。
そして、軸方向断面において、皿ボルトの着座面とフロントプレートのシート面とが当接し締結軸力が作用する軸力作用点を通りシート面に直交する法線ベクトルと、シューフロント面との交点である軸力到達点の少なくとも一部がシュー部の範囲に含まれることを特徴とする。
ここで、「フロントプレート」及び「リアプレート」という用語は、皿ボルトを締結する作業における視点で、手前側となる頭部側をフロント、向こう側となるねじ側をリアと定義する。エンジンや従動軸等の位置を基準としてフロントプレート及びリアプレートの位置関係を決定するものではない。
本発明の構成によると、軸力作用点を通る法線ベクトルがシュー部に含まれるため、締結軸力の一部又は全部が拡散し、シュー部の外側に外れることを回避することができる。したがって、締付トルクを大きくすることなく、締結軸力をシューハウジングに効率的に伝達することができる。
ところで、皿ボルトを用いる従来の標準的な構成では、皿ボルト頭部の着座面はテーパ角90°に対しプラス側に公差が設定され、皿ボルトを受けるフロントプレートのシート面はテーパ角90°に対しマイナス側に公差が設定されるのが一般的である。そのため、軸方向断面において、皿ボルトの頭部端面と着座面との交点が軸力作用点となる。
シューハウジングのシュー部の大きさや位置を変更しない前提では、本発明の構成は、上記の基準構成に対して軸力作用点を径内方向にシフトさせることによって実現される。さらに、フロントプレートの厚さ、及び、皿ボルト頭部端面の位置を変更しないことを前提と、軸力作用点を径内方向にシフトさせる具体的な態様として、以下の2通りの態様を採用する
1つ目の態様では、皿ボルトの着座面は、フロントプレートのシート面と当接する軸力作用点を境界として、ねじ部側の外壁と、頭部端面側の外壁とから構成されており、テーパ角の関係について、シート面の凹テーパ角は、頭部端面側の外壁の凸テーパ角より大きく、且つ、ねじ部側の外壁の凸テーパ角より小さく設定されている。すなわち、下記のようになっている。
ねじ部側の外壁の凸テーパ角>シート面の凹テーパ角>頭部端面側の外壁の凸テーパ角
2つ目の態様では、フロントプレートのシート面は、皿ボルトの着座面と当接する軸力作用点を境界として、奥側の内壁と、口元側の内壁とから構成されており、テーパ角の関係について、着座面の凸テーパ角は、奥側の内壁の凹テーパ角より大きく、且つ、口元側の内壁の凹テーパ角より小さく設定されている。すなわち、下記のようになっている。
奥側の内壁の凹テーパ角<着座面の凸テーパ角<口元側の内壁の凹テーパ角
本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置の断面図である。 図1のバルブタイミング調整装置が適用されたエンジンを示す図である。 図1のIII−III断面図である。 図1のIV−IV断面図である。 図3のV部を拡大したシュー部の図である。 (a):本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部模式断面図(図5のVI−VI線断面図)である。 (b):(a)のb方向矢視図である。 比較例のバルブタイミング調整装置の要部模式断面図である。 本発明の第1実施形態の変形例によるバルブタイミング調整装置の要部模式断面図である。 本発明の第2実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部模式断面図である。 本発明の第2実施形態の変形例によるバルブタイミング調整装置の要部模式断面図である。 本発明の第3実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部模式断面図である。 本発明の第4実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部模式断面図である。 本発明の第5実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部模式断面図である。 本発明の第6実施形態によるバルブタイミング調整装置の断面図である。 本発明のその他の実施形態によるバルブタイミング調整装置の図5に対応するシュー部の図である。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づき説明する。実施形態同士で実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。なお、第2、第3実施形態は参考形態に相当する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置100は、図2に示すエンジン90の吸気弁91の開閉タイミングを調整するためのものである。図2に示すように、エンジン90のクランクシャフト97の駆動軸ギア98の回転は、バルブタイミング調整装置100が構成する吸気弁ギア19、排気弁ギア95、及び駆動軸ギア98に巻き掛けられたチェーン96を介しカムシャフト93、94に伝達される。カムシャフト93は吸気弁91を開閉駆動し、カムシャフト94は排気弁92を開閉駆動する。
クランクシャフト97及びカムシャフト93、94は、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「駆動軸」及び「従動軸」に相当する。
バルブタイミング調整装置100は、クランクシャフト97と同期して回転するギア19に対しカムシャフト93を回転方向前方に相対回転させることにより吸気弁91の開閉タイミングを早くする。このように吸気弁91の開閉タイミングを早くするためカムシャフト93を相対回転させることを「進角させる」という。
また、バルブタイミング調整装置100は、クランクシャフト97と同期して回転するギア19に対しカムシャフト93を回転方向後方に相対回転させることにより吸気弁91の開閉タイミングを遅くする。このように吸気弁91の開閉タイミングを遅くするためカムシャフト93を相対回転させることを「遅角させる」という。
以下、バルブタイミング調整装置100の構成について、図1、図3、図4を参照して説明する。
まず概略構成を説明する。バルブタイミング調整装置100は、主に、クランクシャフト97と共に回転するシューハウジング10、フロントプレート3及びリアプレート4等と、カムシャフト93と共に回転するベーンロータ2等とから構成されている。バルブタイミング調整装置100は、外部のオイルポンプ82から油路切替弁85を経由して供給される作動油の油圧によって、シューハウジング10に対するベーンロータ2の回転位相を調整することで、クランクシャフト97に対するカムシャフト93の回転位相を調整する。
図1に示すように、バルブタイミング調整装置100は、外部のオイルポンプ82、油路切替弁85、電子制御装置88等の作用によって駆動される。本実施形態では、油路切替弁85は、中空筒状に形成されたカムシャフト93に内挿されている。ただし、図1では、油路切替弁85の出口ポートとバルブタイミング調整装置100の進角油路70及び遅角油路75とを連通する油路を、模式的に矢印で示している。
油路切替弁85は、例えば電磁式の、入口2ポート、出口2ポートの3位置切替弁である。入口ポートの一方は、オイルポンプ82がオイルパン81から汲み上げた作動油を吐出する供給油路83に接続されている。入口ポートの他方は、バルブタイミング調整装置100からオイルパン81に作動油を戻す排出油路84に接続されている。出口ポートは、バルブタイミング調整装置100の進角油路70及び遅角油路75に接続されている。
電子制御装置88は、シューハウジング10に対するベーンロータ2の現実の位相と目標回転位相との偏差に基づき、ベーンロータ2を所望の位置まで相対回動させるよう油路切替弁85の位置を切り替えるよう指令する。
油路切替弁85は、電子制御装置88からの指令に従い、正方向連通位置、逆方向連通位置、遮断位置の3位置を切り替える。正方向連通位置では供給油路83と進角油路70とが連通し、排出油路84と遅角油路75とが連通する。逆方向連通位置では供給油路83と遅角油路75とが連通し、排出油路84と進角油路70とが連通する。遮断位置ではいずれの油路も連通が遮断される。
続いて、バルブタイミング調整装置100の詳細な構成について説明する。
シューハウジング10は、筒部16、シュー部11、12、13、14、及びギア19が一体に形成されている。筒部16は、カムシャフト93と同軸上に配置される。シュー部11、12、13、14は、周方向において互いに離間するように筒部16の内壁から径内方向に突出している。
ギア19は、筒部16の外壁に形成され、本実施形態では吸入弁ギアとして、クランクシャフト97の動力がチェーン96を介して伝達される。
ベーンロータ2は、シューハウジング10の筒部16と同軸に設けられるボス部20、及び、ボス部20から径外方向へ放射状に突出したベーン部21、22、23、24が一体に形成されている。ベーンロータ2は、ボス部20がシュー部11、12、13、14の径内側に位置し、ベーン部21、22、23、24がそれぞれシュー部11、12、13、14同士の周方向の間に位置するように、シューハウジング10内に収容される。
ボス部20は、カムシャフト93の径外壁に圧入等によって同軸に固定されている。これにより、ベーンロータ2は、カムシャフト93と一体に回転する。
シューハウジング10に収容された状態で、ボス部20は、シュー部11、12、13、14の径内端部171により回転可能に支持される。ベーン部21、22、23、24は、それぞれシュー部11、12、13、14同士の周方向の間において所定角度範囲内で相対回動可能である。
なお、本実施形態では、シュー部11、12、13、14及びベーン部21、22、23、24は各4つ設けられているが、他の実施形態ではこれに限らない。
ボス部20及びベーン部21、22、23、24は、シューハウジング10の筒部16及びシュー部11、12、13、14との間に、進角室71、72、73、74及び遅角室76、77、78、79を形成する。軸方向については、進角室71、72、73、74及び遅角室76、77、78、79は、フロントプレート3及びリアプレート4によって区画される。
図3において、ベーン部21、22、23、24の反時計回り方向側におけるシュー部11、12、13、14との間には進角室71、72、73、74が形成される。ベーン部21、22、23、24の時計回り方向側におけるシュー部12、13、14、11との間には遅角室76、77、78、79が形成される。
また、進角室71、72、73、74に連通し作動油を供給する進角油路70、及び、遅角室76、77、78、79に連通し作動油を供給する遅角油路75がベーンロータ2に形成されている。
ベーンロータ2は、進角室71、72、73、74の作動油の圧力が遅角室76、77、78、79の作動油の圧力よりも高いとき進角方向に相対回動し、遅角室76、77、78、79の作動油の圧力が進角室71、72、73、74の作動油の圧力よりも高いとき遅角方向に相対回動する。本実施形態では、図3に示す最遅角位置は、エンジン始動時のベーンロータ2の位置に相当する。
図4に示すように、4つのうち1つのベーン部21において、軸方向に貫通する収容孔26に、ロックピン27が軸方向に往復移動可能に収容されている。ロックピン27は、スプリング28によってフロントプレート3側からリアプレート4側に付勢されている。
リアプレート4には、ベーンロータ2の最遅角位置においてロックピン27の先端部が対向する位置に、ロックピン27の先端部が嵌合可能な嵌合凹部46が形成されている。嵌合凹部46の底には、作動油が導入される油圧室47が形成されている。
本実施形態におけるエンジン始動時の位置である最遅角位置において、ロックピン27が嵌合凹部46に嵌合することにより、ベーンロータ2の相対回動が規制される。
フロントプレート3は、端面34がシューハウジング10の一方の軸方向端面であるシューフロント面Sfに当接し、シューハウジング10の一方の開口を塞ぐ。リアプレート4は、端面44がシューハウジング10の他方の軸方向端面であるシューリア面Srに当接し、シューハウジング10の他方の開口を塞ぐ。
フロントプレート3は、シューハウジング10のシュー部11、12、13、14に形成される通し穴18に対応する位置に、皿ボルト51の頭部54を受容する締結部35が形成されている。締結部35には、口元側から奥側に向かって縮径する凹テーパ状のシート面361(図6参照)が形成されている。リアプレート4は、通し穴18に対応する位置に、皿ボルト51のねじ部59が螺合する雌ねじ穴49が形成されている。
フロントプレート3及びリアプレート4は、間にシューハウジング10を挟んで皿ボルト51で締結されることにより、シューハウジング10と一体に固定される。
また、フロントプレート3及びリアプレート4は、カムシャフト93を挿通させるための挿通穴33、43が中央に形成されている。
次に、バルブタイミング調整装置100の作動を説明する。
シューハウジング10に対してベーンロータ2を遅角側から進角方向に相対回動させるとき、油路切替弁85を、供給油路83と進角油路70とが連通し、排出油路84と遅角油路75とが連通するように切り替える。オイルポンプ82は、供給油路83及び進角油路70を経由して進角室71、72、73、74に作動油を供給する。一方、遅角室76、77、78、79の作動油は、遅角油路75及び排出油路84を経由してオイルパン81に排出される。これにより、ベーンロータ2はシューハウジング10に対し進角方向に相対回動する。
特にエンジン始動時等にベーンロータ2を最遅角位置から相対回動させるときは、進角油路70から図示しない油路を経由して、ロックピン27直下の油圧室47にも作動油が供給される。油圧室47に供給された作動油がロックピン27の先端部を押し上げ、嵌合凹部46との嵌合を解除することで、ベーンロータ2は回転可能となる。
シューハウジング10に対してベーンロータ2を進角側から遅角方向に相対回動させるとき、油路切替弁85を、供給油路83と遅角油路75とが連通し、排出油路84と進角油路70とが連通するように切り替える。オイルポンプ82は、供給油路83及び遅角油路75を経由して遅角室76、77、78、79に作動油を供給する。一方、進角室71、72、73、74の作動油は、進角油路70及び排出油路84を経由してオイルパン81に排出される。これにより、ベーンロータ2はシューハウジング10に対し遅角方向に相対回動する。
次に、図5、図6を参照して、本実施形態の要部である、皿ボルト51による締結に関する構成を説明する。以下では、4つのシュー部11、12、13、14(図3参照)のうち、図3の下側のシュー部14について例示する。
まず、図5において、シュー部14の範囲を定義する。シュー部14の径内端部171は、ベーンロータ2のボス部20の外壁に対向する。周方向端部172は、周方向の両側に位置し、最遅角位置及び最進角位置でベーン部21、22、23、24に対向する。逃し部173は、周方向端部172の筒部16側に位置し、周方向端部172より内側に凹んでいる。径外端部174は、筒部16の外周部に相当する。
ボルト軸Zからの距離は、逃し部173において最短となる。特にボルト軸Zからの最短距離をRs0と示す。また、ボルト軸Zを中心とし、逃し部173及び径外端部174を内側に含むように仮想の円弧を描き、この円弧範囲をシュー部14の範囲Asとする。すなわち、シュー部14と筒部16とが接続する実体部分は、シュー部14の範囲Asに含まれるものとして扱う。
図6(a)は、図5のVI−VI線断面図であり、ボルト軸Zの上側の部分は、逃し部173の最短距離Rs0部分での断面を示している。
ボルト軸Zに沿って、フロントプレート3の締結部35、シューハウジング10の通し穴18、リアプレート4の雌ねじ穴49が同軸に形成されている。フロントプレート3の締結部35には、凹テーパ角が約90°である凹テーパ状のシート面361が形成されている。
皿ボルト51は、頭部54及びねじ部59を有しており、フロントプレート3側から、シューハウジング10の通し穴18を貫通して、リアプレート4の雌ねじ穴49にねじ部59が螺合する。言い換えれば、皿ボルト51を締結する作業における手前側のプレートが「フロントプレート」である。
皿ボルト51の頭部54は、端面540側に、工具を挿入するビット挿入部55が形成されている。本実施形態ではビット挿入部55は、六角ビットに対応する六角穴として形成されているが、他の実施形態では、十字穴、或いは、特殊工具に対応した形状としてもよい。
頭部54のねじ部59側には、凸テーパ状の着座面561が形成されている。本実施形態では、着座面561は、ねじ部59側の外壁57と、反ねじ部側である頭部端面540側の外壁58とから構成され、二段形状を呈している。ねじ部59側の外壁57は、テーパ角が約90°の凸テーパ状である。頭部端面540側の外壁58は、ボルト軸Zと平行なストレート状であり、頭部端面540に接続している。
ここで「着座面」という用語は、「シート面361に着座する側の面」の意味で用い、必ずしも着座面の全ての部分がシート面361に当接又は近接するという意味ではない。具体的には、図6におけるストレート状の外壁58は、シート面361から離れており、シート面361に「着座する」という表現にはそぐわない。しかし、上述の定義により、頭部端面540との境界までの外壁58を、「シート面361に着座する側の面」である「着座面561」の一部であるとみなす。
また、「着座面561が凸テーパ状」であるとは、外壁57及び外壁58からなる着座面561が全体として凸テーパ状であることを意味し、外壁57及び外壁58がそれぞれ凸テーパ状であることを要しない。したがって、外壁57がテーパ状であって、外壁58がストレート状であることは、「着座面561が凸テーパ状」であることに該当する。
さらに、着座面561の外壁57の凸テーパ角とシート面361の凹テーパ角との関係について説明する。外壁57の凸テーパ角は、シート面361の凹テーパ角より大きくなるように設定されている。したがって、図6に示すように、皿ボルト51を螺合したとき、着座面561は、外壁57と外壁58との境界でシート面361に当接し、ねじ部59側ではシート面361との隙間が生じる。図6(a)の如き軸方向断面において、着座面561とシート面361とが当接する点を「軸力作用点Pa」という。
図6(a)ではこのテーパ角の差を誇張して示しているが、一般的には、例えば着座面561の凸テーパ角は、90°に対しプラス側に公差を設定し、シート面361の凹テーパ角は、90°に対しマイナス側に公差を設定するというような僅差に設定される。
皿ボルト51の着座面561とフロントプレート3のシート面361との位置関係の詳細について、図7に示す一般的な皿ボルトを用いた比較例と対比しつつ説明する。
図7に示すように、比較例の皿ボルト53は、断面が直線で表される単純な凸テーパ状の着座面563を有している。着座面563の凸テーパ角は、シート面361の凹テーパ角より大きくなるように設定されている。したがって、比較例の皿ボルト53は、軸方向断面において、頭部端面540と着座面563との交点が軸力作用点Paとなる。
このとき、シューフロント面Sfから軸力作用点Paまでの作用点高さh0、ボルト軸Zから軸力作用点Paまでの作用点半径Ra0、及び拡散距離X0は、それぞれ図のように示される。「軸力作用点Paを通りシート面361に直交する法線ベクトルVnがシューフロント面Sfに交差する交点」を軸力到達点Pxとすると、拡散距離X0とは、軸力作用点Paと軸力到達点Pxとの径方向距離をいう。すなわち、皿ボルト51を締結する軸力Faは、軸力作用点Paを起点として、シューフロント面Sfの軸力到達点Pxに到達するまでに拡散距離X0だけ径外方向に拡散することとなる。
なお、ここで「拡散」という用語は、物質の粒子が空間に放射されるような場合等に用いられる物理学的な意味ではなく、単に、力のベクトルが起点から径外方向に広がるという機械的な意味で用いている。
そして、図7のボルト軸Zより上側に示す逃し部173側の断面においては、軸力到達点Pxは、逃し部173よりも径外側、すなわちシュー部14の範囲外に逸脱している。ボルト軸Zから逃し部173までの最短距離をRs0とすると、式1.1の関係にある。
Rs0<Ra0+X0 ・・・(1.1)
ボルト軸Zを基準としたシート面361の片側角度をシート勾配θ(0°<θ<90°)とすると、拡散距離X0は、作用点高さh0及びシート勾配θを用いて式1.2で表される。なお、「シート面の凹テーパ角」は、「2θ」に相当する。
0=h0/tanθ ・・・(1.2)
シート勾配θは通常約45°に設定される。シート勾配θが45°のとき、h0=X0である。また、シート勾配θは、シューフロント面Sfに対する法線ベクトルVnの角度でもある。
式1.1、式1.2より、比較例では式1.3が成立している。
(Rs0−Ra0)<(h0/tanθ) ・・・(1.3)
このような比較例では、周方向の逃し部173が含まれる部分において、締結軸力Faがシュー部14に有効に伝達されない。そのため、例えばベーンロータ2の作動に伴う衝撃力や振動によって、シューハウジング10のがたつきや回転方向の位置ずれが生じるおそれがある。また、締結軸力Faの損失を補おうとして過大な締付トルクを皿ボルト53にかけることにより、皿ボルト53の頭部54の破損や、シート面361の座屈を生じるおそれがある。
比較例で用いた記号「Ra0、X0、h0、Rs0」における添え字「0」は、以下の実施形態との対比における基準としての意味合いを有する。以下の実施形態において、上記の量について比較例と同一である場合は同一の記号を用い、比較例と異なる場合には記号の添え字を変更する。
次に、図6に戻り、第1実施形態の特徴について説明する。第1実施形態では、比較例に対し、フロントプレート3のシート面361、及びシューハウジング10の構成は同じであり、皿ボルト51の頭部54の構成のみが異なる。
上述のように皿ボルト51は、着座面561が、凸テーパ角が約90°であるねじ部59側の外壁57と、ストレート状すなわち凸テーパ角が約0°である頭部端面540側の外壁58とから構成されている。ねじ部59側の外壁57と頭部端面540側の外壁58との境界がシート面361と当接する軸力作用点Paとなる。ここで、テーパ角の関係について、下記のようになっている。
ねじ部59側の外壁57の凸テーパ角>シート面361の凹テーパ角(=2θ)
>頭部端面540側の外壁58の凸テーパ角
これにより、頭部端面540の位置が皿ボルト53と同等である場合、シューフロント面Sfから軸力作用点Paまでの作用点高さh1、及び、ボルト軸Zから軸力作用点Paまでの作用点半径Ra1は、比較例の作用点高さh0及び作用点半径Ra0よりも小さくなる。シート勾配θは比較例と同じであるので、拡散距離X1(=h1/tanθ)も比較例の拡散距離X0よりも小さくなる。
その結果、図6のボルト軸Zより上側に示す逃し部173側の断面において、軸力到達点Pxは、シュー部14の範囲に含まれる。
すなわち、比較例の式1.1、1.3に対し、第1実施形態では、式1.4、1.5が成立する。
Rs0≧Ra1+X1 ・・・(1.4)
(Rs0−Ra1)≧(h1/tanθ) ・・・(1.5)
ここで、図6の図示に基づけば、軸力到達点Pxの位置は明らかに逃し部173よりも径内側にあるから、式1.4、1.5の「≧」を「>」としてもよい。しかし、第1実施形態の技術的思想には軸力到達点Pxの位置が逃し部173の位置と一致する場合を含むため、等号を含めた「≧」を、第1実施形態の構成を包括的に示す式として採用する。
第1実施形態の構成は、比較例に対し、軸力作用点Paを径内方向にシフトさせたものであるということができる。
この構成により、第1実施形態では締結軸力Faがシュー部14に有効に伝達される。よって、ベーンロータ2の作動に伴う衝撃力や振動によって、シューハウジング10のがたつきや回転方向の位置ずれが生じることを防止することができる。また、過大な締付トルクを皿ボルト51にかける必要がないため、皿ボルト51の頭部54の破損や、シート面361の座屈の問題を回避することができる。
また、第1実施形態では、皿ボルト51の頭部端面540の位置が、比較例の皿ボルト53の頭部端面540の位置と同等であるため、ビット挿入部55の深さを適切に確保することができる。さらに、着座面561の頭部端面540側の外壁58はストレート状に形成されるため、加工が容易である。
(第1実施形態の変形例)
上述のように、第1実施形態の皿ボルト51では、着座面561の頭部端面540側の外壁58は、ボルト軸Zと平行なストレート状であり、凸テーパ角0°に相当する。
これに対し、図8に示す変形例の皿ボルト51vのように、着座面561vの頭部端面540側の外壁58vは、ストレート状に限らず、シート面361の凹テーパ角より小さい鋭角の凸テーパ角を有する形状であってもよい。すなわち、下記の関係が成立する。
ねじ部59側の外壁57の凸テーパ角>シート面361の凹テーパ角
>頭部端面540側の外壁58vの凸テーパ角
さらに、頭部端面540側の外壁の凸テーパ角は、軸力作用点Paよりも縮径する方向の「負の凸テーパ角」としてもよい。
(第2実施形態)
図9に示す第2実施形態では、比較例の皿ボルト53(図7)に対し、頭部54の形状を変えず、頭部54の大きさのみを小さくした皿ボルト52を用いる。皿ボルト52は、軸方向断面において、頭部端面540と着座面562との交点が軸力作用点Paとなる。
これにより、第2実施形態の作用点半径Ra2、作用点高さh2及び拡散距離X2は、比較例の作用点半径Ra0、作用点高さh0及び拡散距離X0よりも小さくなる。そして、シート面361の法線ベクトルVnとシューフロント面Sfとの交点である軸力到達点Pxがシュー部14の範囲に含まれるようになる。
第2実施形態の特徴は、上記式1.4、1.5に準じた式2.1、2.2で表される。
Rs0≧Ra2+X2 ・・・(2.1)
(Rs0−Ra2)≧(h2/tanθ) ・・・(2.2)
よって、第2実施形態は、第1実施形態と同様の効果を奏する。
第2実施形態の皿ボルト52は、第1実施形態の皿ボルト51(図6)の頭部54のストレート部分をカットし、軸力作用点Paよりねじ部59側の部分を残した形状であると考えることもできる。すなわち、第1実施形態の皿ボルト51に対し、頭部54の形状が簡素になる。
ただし、第2実施形態の皿ボルト52において、ビット挿入部55の深さdを比較例の皿ボルト53(図7)と同等に設定すると、ビット挿入部55の底の角部と着座面562との間の最肉薄部の肉厚tが薄くなる傾向がある。この肉厚tがある限界値を下回ると、工具で皿ボルト52を締め付けたとき、頭部54が破断するおそれがある。
そこで、図10に示す第2実施形態の変形例では、ビット挿入部55’の深さd’を浅くした皿ボルト52’を用いることで、最肉薄部の肉厚t’を大きくし、頭部54の強度を確保することができる。この場合、工具とビット挿入部55’とのかかり長、及び最肉薄部の肉厚t’を共に確保できるように寸法を設定することが好ましい。
(第3実施形態)
図11に示す第3実施形態は、比較例(図7)に対し、シューハウジング10bのシュー部14bの大きさのみが異なる。すなわち、ボルト軸Zから逃し部173までの距離Rs3が比較例や第1実施形態におけるボルト軸Zから逃し部173までの距離Rs0よりも長く設定されている。したがって、軸力作用点Pa及び法線ベクトルVnの位置を比較例と同等としつつ、軸力到達点Pxをシュー部14bの範囲に含ませることができる。
第3実施形態の特徴は、式3.1、3.2で表される。
Rs3≧Ra0+X0 ・・・(3.1)
(Rs3−Ra0)≧(h0/tanθ) ・・・(3.2)
よって、第3実施形態は、第1実施形態と同様の効果を奏する。
ボルト軸Zから逃し部173までの距離Rs3を長くすることは、ベーンロータ2の可動角度範囲を狭くし、又はシューハウジング10の外径を大きくする方向の変更を伴う。しかし、そのような変更が問題とならない場合には、第3実施形態を採用することで、一般的な皿ボルト53を用いて第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第4実施形態)
図12に示す第4実施形態は、比較例(図7)に対し、フロントプレート3のシート面364が、奥側の内壁37と、口元側の内壁38とから構成されている点のみが異なる。奥側の内壁37と口元側の内壁38との境界が着座面563と当接する軸力作用点Paとなる。ここで、テーパ角の関係について、下記のようになっている。
奥側の内壁37の凹テーパ角<着座面563の凸テーパ角
<口元側の内壁38の凹テーパ角
これにより、比較例と同じ標準の皿ボルト53を使用したとき、第4実施形態の作用点高さh4、作用点半径Ra4、及び拡散距離X4は、第1実施形態と同様に、比較例の作用点高さh0、作用点半径Ra0、及び拡散距離X0よりも小さくなる。その結果、軸力到達点Pxは、シュー部14の範囲に含まれることとなる。
第4実施形態の構成もまた、比較例に対し、軸力作用点Paを径内方向にシフトさせたものである。
第4実施形態の特徴は、式4.1、4.2で表される。
Rs0≧Ra4+X4 ・・・(4.1)
(Rs0−Ra4)≧(h4/tanθ) ・・・(4.2)
よって、第4実施形態は、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(第5実施形態)
図13に示す第5実施形態は、第1実施形態に対し、シューハウジング15がリアプレートと一体を成している点のみが異なる。ここで、「一体を成している」とは、部品の一次成形段階から一体に形成される場合に限らず、フロントプレート3とシューハウジング15との組立工程の前段階で別途接合され、一体となっている場合を含む。
皿ボルト51sは、第1実施形態の皿ボルト51に対し頭部54の形態が同等であり、全長が短い。シューハウジング15は、皿ボルト51sが螺合可能な雌ねじ穴185が形成されている。第5実施形態では、皿ボルト51sがシューハウジング15の雌ねじ穴185に螺合することで、フロントプレート3とシューハウジング15とを直接締結する。
第5実施形態も、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(第6実施形態)
図14に示す第6実施形態は、第1実施形態に対し、カムシャフトに関する構成のみが異なる。第6実施形態のバルブタイミング調整装置100Cでは、カムシャフト93Cは中心に雌ねじ穴99が形成された中実状である。センターボルト61は、センターワッシャ62及びベーンロータ2Cを間に挟持しつつ、カムシャフト93Cの雌ねじ穴99に螺合する。シューハウジング10、皿ボルト51等の構成は、第1実施形態と同様である。この形態では、油路切替弁85(図1参照)は、バルブタイミング調整装置100の外部に設置され、配管等を介して接続される。
第6実施形態も、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(他の実施形態)
(ア)上記実施形態では、ボルト軸Zを中心としたシュー部の全方向において、軸力到達点Pxがシュー部の範囲に含まれることが原則として好ましい。
しかし、現実の製品設計においては、機能面、強度面、スペース面等を総合的に考慮して各部の寸法や配置を決定する上で、「全方向において軸力到達点Pxがシュー部の範囲に含まれる」という要件を満たすことが困難な場合がある。そこで現実には、上記要件を必ずしも全方向で満たさなくても、「所定の基準以上」満たせばよいとする方が総合的に都合が良い場合がある。
図15に示す例では、軸力到達点Pxがなす二点鎖線の仮想円で囲まれる軸力到達領域Axを設定する。すると、逃し部173の付近で、軸力到達領域Axのうちシュー部14の範囲から外れる非有効領域Auが存在する。ここで、例えば非有効領域Auの面積Suを軸力到達領域Axの面積Sxの10%以下にする、つまり、非有効領域Au以外の有効領域の面積を軸力到達領域Axの面積Sxの90%以上にするという基準を設ける。
こうすることで、本発明の効果が完全ではないにせよ大部分発揮され、且つ、製品設計上の他の制約事項との両立を図ることが容易になる。例えば、全方向において軸力到達点Pxがシュー部の範囲に含まれるように設定した場合よりも、作用点半径Ra7及び拡散距離X7を大きく設定することができるため、より径の大きな皿ボルト51wを使用することで、皿ボルト51wにかかる応力を低減することができる。
よって、図15に例示する形態は、本発明と均等なものとして、本発明の技術的範囲に属すると解釈されるべきである。
(イ)上記第1〜第5実施形態では、中空のカムシャフト93の端部側(図1の左側)にフロントプレート3が設けられており、上記第6実施形態では中実のカムシャフト93Cの端部側(図14の左側)にフロントプレート3が設けられている。しかし、本明細書における「フロントプレート」とは、皿ボルト51等の頭部54が着座する側のプレートを意味し、カムシャフトとの関係では限定されない。したがって、カムシャフトの端部と反対側(図1、図14の右側)にフロントプレートを配置してもよい。
(ウ)本発明の特徴的部分以外のバルブタイミング調整装置の構成は、以下に例示するように、どのように構成されてもよい。
ベーンロータのベーン部、及び、シューハウジングのシュー部の数は、上記実施形態の4つに限らない。
ギアは、シューハウジングでなくフロントプレート又はリアプレートに設けられてもよい。また、クランシャフトとカムシャフトとの動力を伝達する部材は、ギアとチェーンでなく、プーリとタイミングベルト等であってもよい。
油路切替弁は、電磁式以外の他の駆動方式、例えば、電動シリンダ等により作動させられる直動型、或いはパイロット作動型等であってもよい。
(エ)バルブタイミング調整装置は、吸気弁に限らず、排気弁の開閉タイミングを調整するものであってもよい。
(オ)ベーンロータが共に回転する回転軸は、従動軸であるカムシャフトに限らず、駆動軸であるクランクシャフトであってもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
100・・・バルブタイミング調整装置
10、15・・・シューハウジング、 11、12、13、14・・・シュー部、
16・・・筒部、 18・・・通し穴、185・・・雌ねじ穴、
2 ・・・ベーンロータ、
20・・・ボス部、 21、22、23、24・・・ベーン部、
3 ・・・フロントプレート、 361、364・・・シート面、
4 ・・・リアプレート、
51、52、53・・・皿ボルト、 54・・・頭部、
561、562、563・・・着座面、
90・・・エンジン、 91・・・吸気弁、 92・・・排気弁、
93、94・・・カムシャフト(従動軸)、 97・・・クランクシャフト(駆動軸)。

Claims (2)

  1. エンジン(90)の駆動軸(97)と従動軸(93、94)との回転位相を変化させることにより、前記従動軸が開閉駆動する吸気弁(91)又は排気弁(92)の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置(100)であって、
    筒部(16)、及び、当該筒部の内壁から径内方向に突出した複数のシュー部(11、12、13、14)を有し、前記駆動軸又は前記従動軸の一方と共に回転するシューハウジング(10、15)と、
    前記シューハウジングの前記筒部と同軸に設けられるボス部(20)、及び、前記ボス部から放射状に突出した複数のベーン部(21、22、23、24)を有し、前記ベーン部が前記シューハウジングの前記シュー部同士の間で前記シュー部に対して相対回動可能なように前記シューハウジングに収容され、前記駆動軸又は前記従動軸の他方と共に回転するベーンロータ(2)と、
    前記シューハウジングの一方の軸方向端面であるシューフロント面(Sf)に当接した状態で前記シューハウジングに固定され、前記シュー部に対応する位置に、口元側から奥側に向かって縮径する凹テーパ状のシート面(361)が形成されるフロントプレート(3)と、
    前記シューハウジングの他方の軸方向端面であるシューリア面(Sr)に当接した状態で前記シューハウジングに固定されるリアプレート(4)と、
    前記フロントプレートの前記シート面に着座可能な凸テーパ状の着座面(561)を頭部(54)に有し、前記シューハウジングの前記シュー部に形成される通し穴(18)を通して前記フロントプレートと前記リアプレートとを締結し、或いは、前記シュー部に形成された雌ねじ穴(185)に螺合し前記フロントプレートと前記シューハウジングとを直接締結する皿ボルト(51)と、
    を備え、
    軸方向断面において、前記皿ボルトの前記着座面と前記フロントプレートの前記シート面とが当接し締結軸力(Fa)が作用する軸力作用点(Pa)を通り前記シート面に直交する法線ベクトル(Vn)と、前記シューフロント面との交点である軸力到達点(Px)の少なくとも一部が前記シュー部の範囲に含まれ
    前記皿ボルトの前記着座面は、前記フロントプレートの前記シート面と当接する前記軸力作用点を境界として、ねじ部(59)側の外壁(57)と、頭部端面(540)側の外壁(58)とから構成されており、
    テーパ角の関係について、前記シート面の凹テーパ角は、前記頭部端面側の外壁の凸テーパ角より大きく、且つ、前記ねじ部側の外壁の凸テーパ角より小さく設定されていることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. エンジン(90)の駆動軸(97)と従動軸(93、94)との回転位相を変化させることにより、前記従動軸が開閉駆動する吸気弁(91)又は排気弁(92)の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置(100)であって、
    筒部(16)、及び、当該筒部の内壁から径内方向に突出した複数のシュー部(11、12、13、14)を有し、前記駆動軸又は前記従動軸の一方と共に回転するシューハウジング(10、15)と、
    前記シューハウジングの前記筒部と同軸に設けられるボス部(20)、及び、前記ボス部から放射状に突出した複数のベーン部(21、22、23、24)を有し、前記ベーン部が前記シューハウジングの前記シュー部同士の間で前記シュー部に対して相対回動可能なように前記シューハウジングに収容され、前記駆動軸又は前記従動軸の他方と共に回転するベーンロータ(2)と、
    前記シューハウジングの一方の軸方向端面であるシューフロント面(Sf)に当接した状態で前記シューハウジングに固定され、前記シュー部に対応する位置に、口元側から奥側に向かって縮径する凹テーパ状のシート面(364)が形成されるフロントプレート(3)と、
    前記シューハウジングの他方の軸方向端面であるシューリア面(Sr)に当接した状態で前記シューハウジングに固定されるリアプレート(4)と、
    前記フロントプレートの前記シート面に着座可能な凸テーパ状の着座面(563)を頭部(54)に有し、前記シューハウジングの前記シュー部に形成される通し穴(18)を通して前記フロントプレートと前記リアプレートとを締結し、或いは、前記シュー部に形成された雌ねじ穴(185)に螺合し前記フロントプレートと前記シューハウジングとを直接締結する皿ボルト(53)と、
    を備え、
    軸方向断面において、前記皿ボルトの前記着座面と前記フロントプレートの前記シート面とが当接し締結軸力(Fa)が作用する軸力作用点(Pa)を通り前記シート面に直交する法線ベクトル(Vn)と、前記シューフロント面との交点である軸力到達点(Px)の少なくとも一部が前記シュー部の範囲に含まれ
    前記フロントプレートの前記シート面は、前記皿ボルトの前記着座面と当接する前記軸力作用点を境界として、奥側の内壁(37)と、口元側の内壁(38)とから構成されており、
    テーパ角の関係について、前記着座面の凸テーパ角は、前記奥側の内壁の凹テーパ角より大きく、且つ、前記口元側の内壁の凹テーパ角より小さく設定されていることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
JP2013102450A 2013-05-14 2013-05-14 バルブタイミング調整装置 Expired - Fee Related JP5839239B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013102450A JP5839239B2 (ja) 2013-05-14 2013-05-14 バルブタイミング調整装置
DE102014209003.2A DE102014209003A1 (de) 2013-05-14 2014-05-13 Ventilzeitgebungssteuergerät
US14/276,137 US9260985B2 (en) 2013-05-14 2014-05-13 Valve timing control apparatus
CN201410203121.6A CN104153838B (zh) 2013-05-14 2014-05-14 气门正时控制装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013102450A JP5839239B2 (ja) 2013-05-14 2013-05-14 バルブタイミング調整装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014222061A JP2014222061A (ja) 2014-11-27
JP5839239B2 true JP5839239B2 (ja) 2016-01-06

Family

ID=51831550

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013102450A Expired - Fee Related JP5839239B2 (ja) 2013-05-14 2013-05-14 バルブタイミング調整装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US9260985B2 (ja)
JP (1) JP5839239B2 (ja)
CN (1) CN104153838B (ja)
DE (1) DE102014209003A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017040244A (ja) * 2015-08-21 2017-02-23 株式会社デンソー バルブタイミング調整装置及びその製造方法
DE102016221197A1 (de) 2016-10-27 2018-05-03 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Nockenwellenversteller mit spannungsoptimiertem Schraubverband für eine drehfeste Anbindung an eine Nockenwelle
CN114810270B (zh) * 2022-04-07 2023-08-01 重庆乐瑞斯科技有限公司 升程可自适应调节型配气机构

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4230016A (en) * 1978-07-31 1980-10-28 The Boeing Company Fatigue resistant fastener and method of manufacturing joints therewith
JP3699655B2 (ja) * 2001-02-01 2005-09-28 三菱電機株式会社 内燃機関のバルブタイミング制御装置
DE102004038252A1 (de) 2004-05-14 2005-12-15 Ina-Schaeffler Kg Steuerventil für eine Vorrichtung zur Veränderung der Steuerzeiten einer Brennkraftmaschine
DE502005010369D1 (de) 2004-05-14 2010-11-25 Schaeffler Kg Nockenwellenversteller
JP2009215881A (ja) 2006-07-05 2009-09-24 Mitsubishi Electric Corp バルブタイミング調整装置
JP2010223172A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Aisin Seiki Co Ltd 弁開閉時期制御装置
JP4752953B2 (ja) * 2009-06-10 2011-08-17 株式会社デンソー バルブタイミング調整装置
JP5440853B2 (ja) * 2010-01-08 2014-03-12 アイシン精機株式会社 弁開閉時期制御装置
JP5435279B2 (ja) * 2010-02-15 2014-03-05 スズキ株式会社 可変バルブタイミング機構付エンジン
JP2011256772A (ja) * 2010-06-08 2011-12-22 Toyota Motor Corp 内燃機関のバルブタイミング可変装置
JP5177715B2 (ja) * 2010-12-02 2013-04-10 株式会社デンソー バルブタイミング調整装置およびその組立方法
JP5360173B2 (ja) * 2011-09-15 2013-12-04 株式会社デンソー バルブタイミング調整装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN104153838A (zh) 2014-11-19
CN104153838B (zh) 2018-05-04
US9260985B2 (en) 2016-02-16
JP2014222061A (ja) 2014-11-27
US20140338619A1 (en) 2014-11-20
DE102014209003A1 (de) 2014-11-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009138611A (ja) バルブタイミング調整装置
US8789503B2 (en) Valve timing control apparatus
US8910604B2 (en) Valve timing control device
JP5839239B2 (ja) バルブタイミング調整装置
WO2015129477A1 (ja) 弁開閉時期制御装置
JP2013113207A (ja) バルブタイミング調整装置
JP5874615B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP2006250063A (ja) 弁開閉時期制御装置
JP7021658B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP2006070726A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
EP2781750B1 (en) Internal gear pump
JP2020159201A (ja) 作動油制御弁およびバルブタイミング調整装置
JP2007023953A (ja) バルブタイミング調整装置
JP2008069651A (ja) バルブタイミング調整装置
JP6225750B2 (ja) 弁開閉時期制御装置
JP2014122558A (ja) ベーンポンプ
JP2014156810A (ja) バルブタイミング調整装置
JP2011202563A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
EP2831487B1 (en) Oil pump, engine cover and engine comprising the same
JP2008121558A (ja) バルブタイミング調整装置
EP2834485B1 (en) Oil pump, engine cover and engine comprising the same
JP5601542B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP6135714B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP6273801B2 (ja) 弁開閉時期制御装置
US20200141289A1 (en) Valve timing controller

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150319

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150514

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151015

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151028

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5839239

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees