以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(第1の実施形態)
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技者が遊技可能なスロットマシン(遊技機)の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、スロットマシンの各基板における具体的な処理(役構成や遊技状態の変移)および本実施形態で特徴的な処理を説明し、これらを実現するためのフローチャートを詳述する。
(スロットマシン100の機械的構成)
図1および図2の外観図に示すように、スロットマシン100は、略矩形状の箱体である筐体102と、筐体102の前面開口部に対して回動可能な連結部材により開閉可能に取り付けられた前面上扉104と、前面上扉104の下方に位置し、前面上扉104同様、筐体102の前面開口部に対して開閉可能に取り付けられた前面下扉106と、前面下扉106の下部に位置し、メダル排出口108aから払い出されたメダルを貯留するための受け皿部108とを備えている。
前面下扉106の上部には操作部設置台122が形成され、操作部設置台122には、メダル投入部124、ベットスイッチ126、スタートスイッチ128、ストップスイッチ130、精算スイッチ132等が配設されている。
操作部設置台122の右側に位置するメダル投入部124は、メダル投入口124aを通じて遊技媒体としてのメダルの投入を受け付け、前面下扉106の背面に設けられたメダルセレクタ(図示せず)にメダルを送る。メダルセレクタには、メダルの投入が可能な投入期間外に投入されたメダルや規格外のメダルをメダル排出口108aに導くブロッカー(図示せず)と、投入期間内に投入された規格内のメダルの通過を検出する投入メダル検出部124bとが設けられている。ここで、メダル排出口108aに導かれたメダルは受け皿部108に排出される。遊技者により、1遊技を開始するために必要なメダルの投入数である規定投入数を超えてメダルが投入されると、その規定投入数を超えた分のメダルが、所定枚数(例えば50枚)を上限としてスロットマシン100の内部に電気的に貯留(以下、単にクレジットという)される。上記1遊技については後程詳述する。
また、ここでは、規定投入数は「3」または「2」に固定されている。なお、1遊技を実行するために必要なメダル数を、複数の規定投入数から任意に選択できる場合、その複数の規定投入数の中の最大のものを最大規定投入数といい、最小のものを最小規定投入数という。仮に、規定投入数が1〜3の間で選択可能な場合、最大規定投入数は「3」となり、最小規定投入数は「1」となる。ここでは、規定投入数が「3」または「2」に設定されているので、最大規定投入数は「3」となり、最小規定投入数は「2」となる。
ベットスイッチ126は、クレジットされているメダルのうち規定投入数のメダルを投入(ベット)する、押圧式のボタンスイッチである。規定投入数以上のメダルがクレジットされている状態で、ベットスイッチ126を押圧すると、1遊技が開始可能になるとともに、クレジットされているメダルが規定投入数分だけ減枚される。精算スイッチ132は、クレジットされているメダルの返却(精算)要求操作を受け付ける、押圧式のボタンスイッチである。遊技者は、精算スイッチ132を操作することにより、ベットされたメダルや電気的にクレジットされたメダルを精算する精算要求を行うことができ、かかる精算要求に応じて、ベットされているメダルや電気的にクレジットされているメダルがメダル排出口108aから排出される。
操作部設置台122の左側に位置するスタートスイッチ128は、傾倒操作を検出可能なレバーで構成され、遊技者による1遊技の開始操作を検出する。また、スタートスイッチ128は、押圧操作を検出可能なボタンスイッチによって構成することも可能である。
前面上扉104の下部略中央には、ガラス板や透明樹脂板等で構成された無色透明の図柄表示窓136が設けられ、筐体102内の図柄表示窓136に対応した位置には、リールユニット134が設けられている。リールユニット134には、図3のリールの図柄配列に示すように、21に等分された各領域に複数種類の図柄がそれぞれ配列された3つの回転リール(左リール134a、中リール134b、右リール134c)が、それぞれ独立して回動可能に設けられ、遊技者は、図柄表示窓136を通じて、左リール134a、中リール134b、右リール134cを視認することができる。リールユニット134は、スタートスイッチ128の操作を契機として、左リール134a、中リール134b、右リール134cの回転を開始する。
操作部設置台122の中央に位置するストップスイッチ130は、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれに対応して設けられた、遊技者の押圧操作を検出可能なボタンスイッチであり、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれを停止させようとする遊技者の停止操作を検出する。なお、ストップスイッチ130に係る3つのボタンスイッチを特にストップボタンスイッチとよび、その位置に応じて左から順にストップボタンスイッチ130a、ストップボタンスイッチ130b、ストップボタンスイッチ130cとする。
前面上扉104の上部略中央には、演出に伴う様々な映像を表示する液晶表示部138が設けられている。また、前面上扉104の上部や左右には、例えば高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成される演出用ランプ142が設けられる。
また、図2に示すように、前面上扉104の裏面における液晶表示部138の左右位置や前面下扉106の裏面における内面左右位置には、効果音や楽音等による聴覚的な演出を行うスピーカ140が設けられている。さらに、筐体102内におけるリールユニット134の下方には、メダル排出口108aからメダルを払い出すためのメダル払出装置(メダルホッパー)264が設けられている。メダル払出装置264は、メダルを貯留するメダル貯留部264aと、メダル貯留部264aに貯留されたメダルをメダル排出口108aから排出するための払出制御部264bと、メダル排出口108aから排出されるメダルを検出する払出メダル検出部264cとを備えている。具体的に払出制御部264bは、当該払出制御部264bの本体外装に回動可能に支持され、メダル貯留部264aから落下したメダルが上方より1枚ずつ嵌入するメダル嵌入孔を円周方向に複数配してなるディスク(図示せず)と、かかるディスクを回転するディスクモータ(図示せず)とを備え、このディスクを回転させて、メダル嵌入孔に嵌入したメダルを、押出機構を通じて1枚ずつ外部に排出するとともに、排出により空いたメダル嵌入孔に次のメダルを順次嵌入させることで、メダルを1枚ずつ連続排出する。
また、図1や図2では図示していないが、各回転リール134a、134b、134cの内側には、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれに施された図柄のうち、図柄表示窓136に対応する(有効ラインの対象となり得る)各回転リール134a、134b、134cの上段、中段、下段の図柄を背面から個々に独立して照射するリールバックライト144(図4参照)が設けられている。また、図柄表示窓136の裏面上部にも左リール134a、中リール134b、右リール134c全ての正面を直接照射するリール上方ライト146が設けられている。
また、図1に示すように、操作部設置台122において、図柄表示窓136とストップスイッチ130との間に設けられた段部122aの略水平面には、メインクレジット表示部152およびメイン払出表示部154が設けられている。また、図柄表示窓136と操作部設置台122との間には、サブクレジット表示部156およびサブ払出表示部158が設けられている。これらメインクレジット表示部152およびサブクレジット表示部156にはクレジット枚数が表示され、メイン払出表示部154およびサブ払出表示部158にはメダルの払出枚数が表示される。なお、サブクレジット表示部156およびサブ払出表示部158には、演出に伴う様々な数値を表示することもできる。
また、筐体102内の任意の位置には、電源スイッチ148が設けられている。電源スイッチ148は、ロッカースイッチ等、押圧操作を検出可能なスイッチで構成され、当該スロットマシン100を管理する管理者側が操作し、電源の切断状態と電源の投入状態の2つの状態を切り換えるために用いられる。
なお、本実施形態において、上記1遊技は、メダル投入部124を通じたメダルの投入、ベットスイッチ126の操作を通じたクレジットされているメダルの投入、または、リプレイ役が有効ライン上に表示されたことに基づくメダルの自動投入のいずれかが行われてから、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に応じて、複数の回転リール134a、134b、134cが回転制御されるとともに当選種別抽選が実行され、当選種別抽選の抽選結果および遊技者による複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作に応じて、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cがそれぞれ停止制御され、メダルの払い出しを受け得る当選役に入賞した場合、そのメダルの払い出しが実行されるまでの遊技をいう。また、メダルの払い出しを受け得る当選種別に非当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合、回転リール134a、134b、134cが全て停止したことをもって1遊技が終了する。ただし、1遊技の開始を、上記のメダルの投入、または、リプレイ役の当選の代わりに、遊技者によるスタートスイッチ128の操作と読み替えてもよい。また、かかる1遊技が繰り返される数を遊技数とする。また、このような、当選種別抽選が実行され1度の払い出しを受け得る1遊技を、後述する擬似遊技と区別するため、基本遊技という場合もある。ここで、基本遊技が単独で行われる場合であっても、基本遊技が擬似遊技と組合せて行われる場合であっても、基本遊技の消化をもって1遊技消化とする。したがって、擬似遊技の消化は、スロットマシン100内の遊技数の計数(後述する周期遊技数やAT遊技状態の継続遊技数等)に影響しない。ただし、ホールコンピュータ(図示せず)が管理する遊技数については、仕様により、擬似遊技を遊技数として計数してもよいし、計数しないとしてもよい。
(スロットマシン100の電気的構成)
図4は、スロットマシン100の概略的な電気的構成を示したブロック図である。図4に示すように、スロットマシン100は、主として、主制御基板200と、副制御基板202とによって制御されている。ここでは、遊技の進行に関わるプログラムのうち、遊技に供する当選役の抽選やその入賞といったような、特に重要な処理を主制御基板200で実行し、それ以外の例えば演出に関する処理を副制御基板202で実行している。また、図4に示したように、主制御基板200と副制御基板202との間の電気的な信号の伝達は、不正防止等の観点から、主制御基板200から副制御基板202への一方向のみに制限される。ただし、このような制限がなければ、電気的に双方向通信も技術的に可能である。
(主制御基板200)
主制御基板200は、中央処理装置であるメインCPU200a、プログラム等が格納されたメインROM200b、ワークエリアとして機能するメインRAM200c等を含む各種半導体集積回路を有し、スロットマシン100全体を統括的に制御する。ただし、メインRAM200cには不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、設定変更が行われてメインRAM200cの初期化処理を実行しない限り、データが消去されることなく保持される。
また、主制御基板200は、メインCPU200aが、メインROM200bに格納されたプログラムに基づきメインRAM200cと協働することで機能する、初期化手段300、ベット手段302、当選種別抽選手段304、停止制御設定手段306、リール制御手段308、判定手段310、払出制御手段312、擬似当選種別抽選手段314、コマンド決定手段316、コマンド送信手段318、遊技状態遷移手段320等の機能部を有する。
初期化手段300は、主制御基板200における初期化処理を実行する。ベット手段302は、遊技に使用するためのメダルをベットする。ここで、ベットは、ベットスイッチ126の操作を通じてクレジットされているメダルを投入する場合と、メダル投入部124を通じてメダルを投入する場合と、リプレイ役が有効ライン上に表示されたことに基づいてメダルを自動投入する場合のいずれも含む。当選種別抽選手段304は、メダルのベットおよびスタートスイッチ128の操作に基づき、小役、リプレイ役、および、ボーナス役を含む複数種類の当選役から選択された1からなるまたは複数重複してなる複数種類の当選種別、ならびに、ハズレのうちいずれかを当選種別抽選により決定する。停止制御設定手段306は、停止制御設定ロジックを用いて当選種別抽選の抽選結果に対応する停止制御則を設定する。ここで、停止制御設定ロジックは、所定の図柄組み合わせを有効ライン上に表示させるためのロジックである。かかる停止制御設定ロジックについては後程詳述する。リール制御手段308は、スタートスイッチ128の操作に応じて、複数の回転リール134a、134b、134cを回転制御し、回転している回転リール134a、134b、134cにそれぞれ対応した複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作に応じ、図柄引き込みロジックを用いて、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cをそれぞれ停止制御する。ここで、図柄引き込みロジックは、停止制御設定手段306によって設定された停止制御則および遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作態様に基づいて有効ライン上に回転リール134a、134b、134cの所定の図柄を引き込むロジックである。かかる図柄引き込みロジックについては後程詳述する。判定手段310は、当選種別抽選で決定した当選種別を構成するいずれか1の当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたか否か判定する。以下、当選種別抽選で決定した当選種別を構成するいずれか1の当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることを単に入賞という場合がある。払出制御手段312は、当選種別抽選で決定した当選種別を構成するいずれか1の当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたこと(入賞されたこと)に基づいて、当該当選役に対応する数だけメダルを払い出す。擬似当選種別抽選手段314は、フリーズ演出中の擬似遊技におけるスタートスイッチ128の操作に基づき、リプレイ役に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に表示可能な擬似リプレイ役を少なくとも含む複数種類の擬似当選役から選択された1からなるまたは複数重複してなる複数種類の擬似当選種別のうちいずれかを擬似当選種別抽選により決定する。ここで、フリーズ演出は、スタートスイッチ128の操作等、所定の契機に応じて、当選種別抽選によって当選種別が決定されてから、当選種別抽選の抽選結果を表示するための遊技者によるストップスイッチ130の操作を有効化するまで(もしくは、回転リール134a、134b、134cの回転を開始するまで)の時間を規定の時間より延長し、その間に行われる演出である。また、擬似リプレイ役に関しては後程詳述する。ストップスイッチ130の操作が有効化され、当選種別抽選の抽選結果を表示するための遊技者によるストップスイッチ130の操作が完了すると、次の基本遊技において当選種別抽選により当選種別が決定される前に、当選種別抽選の抽選結果を表示するためのストップスイッチ130の操作は再び無効化される。また、擬似遊技は、少なくとも、停止制御設定手段306が、停止制御設定ロジックを用いて所定の当選種別に対応する停止制御則を設定し、リール制御手段308が、スタートスイッチ128の操作に応じて、複数の回転リール134a、134b、134cを回転制御し、回転している回転リール134a、134b、134cに対応したストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作に応じ、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cをそれぞれ停止制御する、基本遊技を似せた一連の遊技である。かかるフリーズ演出や擬似遊技については後程詳述する。コマンド決定手段316は、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段308、判定手段310、払出制御手段312、擬似当選種別抽選手段314、遊技状態遷移手段320等の動作に伴う、遊技に関するコマンドを順次決定する。コマンド送信手段318は、コマンド決定手段316が決定したコマンドを副制御基板202に順次送信する。遊技状態遷移手段320は、ボーナス役の当選や入賞に基づいて、主制御基板200で管理する遊技状態を遷移させる。
主制御基板200では、投入メダル検出部124b、ベットスイッチ126、スタートスイッチ128、ストップスイッチ130および精算スイッチ132から各種の検出信号を受信しており、受信した検出信号に基づいて、ベット手段302、当選種別抽選手段304、停止制御設定手段306、リール制御手段308、判定手段310、払出制御手段312、擬似当選種別抽選手段314、遊技状態遷移手段320が上述した種々の処理を実行する。また、主制御基板200には、メインクレジット表示部152およびメイン払出表示部154が接続されており、払出制御手段312が両表示部152、154に対してメダルのクレジット枚数や払出枚数の表示を制御する。
また、主制御基板200には、リール駆動制御部258が接続されている。このリール駆動制御部258は、スタートスイッチ128の操作信号に応じ、リール制御手段308から送信される各回転リール134a、134b、134cの回転開始信号に基づいて、ステッピングモータ262を駆動するとともに、ストップスイッチ130の操作信号に応じ、リール制御手段308から送信される、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれの停止信号および回転位置検出回路260の検出信号に基づいて、ステッピングモータ262の駆動を停止する。
また、主制御基板200には、メダル払出装置264が接続されている。主制御基板200には払出メダル検出部264cの検出信号が入力されるようになっており、払出制御手段312は、その検出信号に応じてメダルの払出枚数を計数しながら払出制御部264bからのメダルの排出を制御する。
また、主制御基板200には、乱数発生器200dが設けられる。乱数発生器200dは、計数値を順次インクリメントし、所定の数値範囲内でループさせ、所定の時点における計数値を抽出することで乱数を得る。主制御基板200の乱数発生器200dによって生成される乱数(以下、当選種別抽選乱数という)は、当選種別抽選手段304が当選種別を決定するために用いられる。
(主制御基板200で用いられるテーブル)
スロットマシン100においては、主制御基板200や副制御基板202において複数の遊技状態が設けられており、遊技の進行に応じて遊技状態が遷移する。そして、主制御基板200では、主制御基板200で管理する遊技状態に対応する複数の当選種別抽選テーブル等がメインROM200bに格納されている。当選種別抽選手段304は、メインRAM200cに記憶された現在の設定値(遊技利益を得る容易性を段階的に示したもの)と現在の遊技状態(後述するボーナス役の成立有無に基づく遊技状態)に応じて、対応する当選種別抽選テーブルをメインROM200bから抽出し、抽出した当選種別抽選テーブルに基づき、スタートスイッチ128の操作信号に応じて取得された当選種別抽選乱数が当選種別抽選テーブル内のいずれの当選種別またはハズレに対応するか判定する。
ここで、当選種別抽選テーブルで抽出される当選種別を構成する当選役には、リプレイ役、小役、ボーナス役がある。このような当選役に対応する図柄組み合わせが、有効ライン上に揃った状態を表示または入賞といい、当選役を含む当選種別に当選し、その当選役に対応する図柄組み合わせが表示されるまでの状態を内部当選状態とする。当選役のうちのリプレイ役は、そのリプレイ役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されると、遊技者によるメダルの新たなるベットを行わずして再度1遊技を実行できる役であり、小役は、その小役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることにより、図柄組み合わせに応じて所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、ボーナス役は、そのボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることにより、主制御基板200で管理する遊技状態をボーナス遊技状態に遷移させることができる当選役である。以下に、当選役および遊技者に付与される遊技利益について説明する。
図5は、有効ラインおよび仮想ラインを説明するための説明図であり、図6および図7は、当選役を説明するための説明図であり、図8は、主制御基板200における遊技状態の遷移を説明するための説明図である。
図5(a)は、本実施形態における有効ラインを示している。本実施形態において、有効ラインは1本であり、具体的に、図柄表示窓136に臨む9つの図柄(3リール×上中下の3段)のうち、左リール134a、中リール134b、右リール134cのそれぞれ中段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを有効ラインAとして設定している。また、図5(b)は、仮想ラインを示している。仮想ラインは、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせのみでは当選役を把握しにくい場合に、当選役の把握を容易にする他の図柄組み合わせを表示するラインであり、本実施形態では、4つの仮想ラインを想定している。具体的に、左リール134aの上段、中リール134bの上段、右リール134cの上段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを仮想ラインB1、左リール134aの下段、中リール134bの下段、右リール134cの下段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを仮想ラインB2、左リール134aの上段、中リール134bの中段、右リール134cの下段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを仮想ラインC1、左リール134aの下段、中リール134bの中段、右リール134cの上段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを仮想ラインC2として設定している。ただし、仮想ラインB1、B2、C1、C2は、見かけ上、図柄が直線的に表示されるというだけで、あくまで当選役の入賞を判定するのは有効ラインAのみである。
また、本実施形態においては、当選役として、図6に示すように、「通常リプレイ」、「特殊リプレイ1」、「特殊リプレイ2」、「赤7リプレイ」、「非赤7リプレイ」(以下、かかる5つのリプレイを単に当選役「リプレイ」と略す場合がある)、「チェリー」、「通常ベル」、「共通ベル」、「特殊ベル1」、「特殊ベル2」、「特殊ベル3」、「特殊ベル4」、「特殊ベル5」、「特殊ベル6」、「特殊ベル7」、「特殊ベル8」(以下、「通常ベル」、「共通ベル」、「特殊ベル1」、「特殊ベル2」、「特殊ベル3」、「特殊ベル4」、「特殊ベル5」、「特殊ベル6」、「特殊ベル7」、「特殊ベル8」の10個のベルを単に当選役「ベル」と略す場合がある)、「ビッグボーナス(以下、「BB」という)」が設けられている。このうち、当選役「通常リプレイ」、「特殊リプレイ1」、「特殊リプレイ2」、「赤7リプレイ」、「非赤7リプレイ」が上記リプレイ役に相当し、当選役「チェリー」、「通常ベル」、「共通ベル」、「特殊ベル1」、「特殊ベル2」、「特殊ベル3」、「特殊ベル4」、「特殊ベル5」、「特殊ベル6」、「特殊ベル7」、「特殊ベル8」が上記小役に相当し、当選役「BB」が上記ボーナス役に相当する。以下、リプレイ役、小役、ボーナス役について詳述する。
(リプレイ役)
当選種別抽選の結果、当選役「リプレイ」(「通常リプレイ」、「特殊リプレイ1」、「特殊リプレイ2」、「赤7リプレイ」、「非赤7リプレイ」のいずれか)が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様(ここでは操作順)で操作した場合には、その当選役に対応する1または複数の図柄組み合わせのうち、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される図柄が有効ラインA上に表示可能となり、上記したように、遊技者によるベットを行わずして再度1遊技を実行できる。例えば、当選種別抽選の結果、当選役「通常リプレイ」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合には、図6に示した当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせである、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される「リプレイ」図柄が、図7(a)のように有効ラインA上に表示可能となる。また、当選役「特殊リプレイ1」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合には、図6に示した当選役「特殊リプレイ1」に対応する図柄組み合わせである、図7(b)のように、左リール134aに記される「リプレイ」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「リプレイ」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「ベル」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。同様に、当選役「特殊リプレイ2」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合には、図6に示した当選役「特殊リプレイ2」に対応する図柄組み合わせである、左リール134aに記される「リプレイ」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「ベル」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「リプレイ」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。
また、当選役「赤7リプレイ」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合に、図6に示した当選役「赤7リプレイ」に対応する複数の図柄組み合わせのうち、例えば、ストップスイッチ130が押圧操作されたときに各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される「赤7」図柄が引き込み範囲内に存在していれば、図7(c)のように、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される「赤7」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。このように有効ラインA上に「赤7」図柄が一直線に表示されることで、遊技者は、当選役「赤7リプレイ」が含まれる当選種別に当選したことを容易に把握できる。また、当選役「非赤7リプレイ」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合には、図6に示した当選役「非赤7リプレイ」に対応する複数の図柄組み合わせのうち、例えば、図7(d)のように、左リール134aに記される「リプレイ」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「赤7」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「赤7」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。当選役「非赤7リプレイ」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合、例えば、遊技者は、まず、中リール134bおよび右リール134cに記される「赤7」図柄を有効ラインA上に表示させ、左リール134aに記される「赤7」図柄を有効ラインA上に表示させ、当選役「赤7リプレイ」の入賞可能性がある状態で、有効ラインA上に「リプレイ」図柄しか表示させることができず、有効ラインA上に、「赤7」図柄が一直線に表示されないことから、当選役「赤7リプレイ」が含まれる当選種別に当選しなかったことを把握することとなる。
ここで、本実施形態においては、停止制御設定手段306が、停止制御設定ロジックを用い、当選種別を構成する当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させる停止制御則を設定し、リール制御手段308が、設定された停止制御則による図柄引き込みロジックを用いて当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示可能に停止制御する。具体的に、リール制御手段308は、停止制御則により、各回転リール134a、134b、134cを以下のように停止制御する。例えば、遊技者によってストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段308によって、当該図柄が有効ラインA上に停止するように停止制御がなされる。また、ストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、有効ラインA上にはないが、各回転リール134a、134b、134cの回転方向と反対の方向の図柄4コマ分に相当する範囲(引込範囲)内に存在している場合には、リール制御手段308によって、離れている図柄数が滑りコマ数となり、当該当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。また、当選役に対応する図柄が各回転リール134a、134b、134c中に複数あり、いずれも各回転リール134a、134b、134cの引込範囲内に存在している場合には、予め定められた優先順位に従っていずれの図柄を有効ラインA上に引き込むか決定され、当該優先された図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。ただし、基本遊技においては、引き込み可能な滑りコマ数は4コマまでに制限されており(滑りコマ数の最大値を最大滑りコマ数と言う。ここでは最大滑りコマ数は「4」となる。)、当選役に対応する図柄が引込範囲にない場合(最大滑りコマ数より多いコマ数離れている場合)、上記停止制御によっても、当選役に対応する図柄を有効ラインA上に停止することができない。このように、単に「停止制御」や「表示可能」と言った場合、当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を停止させるのみならず、引込範囲内で当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を引き込んで停止するといった処理を含む。なお、ストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選した当選役以外の当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段308によって、その図柄を有効ラインA上に停止させないようにする、所謂蹴飛ばし処理も並行して実行される。また、後述するように、当選種別に含まれる当選役に操作態様(操作順や操作タイミング)が入賞条件として設定されている場合、このような操作態様も停止制御則に含まれ、リール制御手段308は、遊技者の操作態様にも応じて当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示可能に停止制御する。ここで、停止制御設定ロジックは、ストップスイッチ130が押圧操作されたときの引込範囲内に存在する図柄を有効ラインA上に引き込む包括的なロジックであり、これを、当選した当選種別の操作態様や当選種別を構成する当選役に対応する図柄組み合わせに個々に適用させ、上記のような停止制御を実行させる指標となるのが停止制御則である。また、図柄引き込みロジックは、このような停止制御則に従って、上記のような停止制御を実際に実行するロジックである。
そして、各回転リール134a、134b、134cにおいては、当選役「リプレイ」に対応する1または複数の図柄組み合わせを構成する1または複数の図柄が、上記の停止制御則に従った停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配置されている(図3および図6参照)。例えば、当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせを構成する「リプレイ」図柄同士は、各回転リール134a、134b、134c内で最大図柄4コマ分しか離隔していないので、停止制御によって必ず有効ラインA上に表示することができる。このように、当選役「リプレイ」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合には、これら当選役「リプレイ」に対応するいずれかの図柄組み合わせが、必ず、有効ラインA上に表示されることとなる。なお、無作為な操作タイミングでストップスイッチ130を操作したとき、該当する当選役の所定の回転リール134a、134b、134cに対応する1または複数の図柄が有効ラインA上に表示される確率を「PB」と言い、0(0%)〜1(100%)の数値で表す。例えば、上記のように当選役「共通ベル」や当選役「通常ベル」に対応する1または複数の図柄は、いずれの回転リール134a、134b、134cにおいても有効ラインA上に必ず表示させることができるように配列されているので、回転リール134a、134b、134cのいずれにおいてもPB=1となる。このようにして、当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合には、メダルを投入することなく次回の1遊技を開始することが可能となる。
なお、詳しくは後述するが、当選役「リプレイ」が含まれる当選種別に当選した場合の停止制御は、その当選態様(例えば、当選役「通常リプレイ」が単独で当選したか、他の当選役(例えば、当選役「赤7リプレイ」)と重複当選したか、さらには他のいずれかの当選役と重複当選したか、また当選役「通常リプレイ」の入賞条件となる操作態様等)によって異なるように設定されている。したがって、その当選態様および操作態様に応じて、重複当選した当選役「リプレイ」(「通常リプレイ」、「特殊リプレイ1」、「特殊リプレイ2」、「赤7リプレイ」、「非赤7リプレイ」)のいずれかの当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることとなる。
なお、上述したように、当選役「赤7リプレイ」や当選役「非赤7リプレイ」が含まれる当選種別が当選した場合には、これら当選役に対応するいずれかの図柄組み合わせが、必ず、有効ラインA上に表示されることとなる(PB=1)。ただし、図3を参照して理解できるように、「赤7」図柄は、各回転リール134a、134b、134cに1つしか配置されていないので、当選役「赤7リプレイ」や当選役「非赤7リプレイ」に対応する複数の図柄組み合わせのうち1の図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合に、有効ラインAまたは仮想ラインB1、B2、C1、C2上に「赤7」図柄が停止するとは限らない。すなわち、当選役「赤7リプレイ」や当選役「非赤7リプレイ」が含まれる当選種別が当選した場合に、入賞条件となる操作順で操作したとしても、ストップスイッチ130を無作為な位置で停止操作すると、「赤7」図柄が有効ラインAまたは仮想ラインB1、B2、C1、C2上に表示されない場合があり、入賞した当選役が、当選役「赤7リプレイ」や当選役「非赤7リプレイ」であることを容易に把握できない場合がある。
(小役)
また、当選種別抽選の結果、当選役「チェリー」が含まれる当選種別「チェリー」に当選した場合には、図6に示した、当選役「チェリー」に対応する図柄組み合わせのうち、例えば、図7(e)のように、左リール134aに記される「青7」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「チェリー」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。また、右リール134cについてはいずれの図柄が有効ラインA上に表示されてもよい。図7(e)の例では、有効ラインA上に停止した図柄組み合わせが「青7」、「チェリー」、「リプレイ」となっているが、仮想ラインC2上に停止した図柄組み合わせは「チェリー」、「チェリー」、「BAR」となり、遊技者は、当選役「チェリー」が含まれる当選種別「チェリー」に当選したことを容易に把握できる。ただし、各回転リール134a、134b、134cにおいては、当選役「チェリー」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、上記の停止制御によっても、有効ラインA上に表示されない場合があるように配置されている。そのため、当選役「チェリー」が含まれる当選種別「チェリー」に当選したとしても、所謂取りこぼしが生じることがあり、遊技者は、当選役「チェリー」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
当選種別抽選の結果、当選役「ベル」(「通常ベル」、「共通ベル」、「特殊ベル1」、「特殊ベル2」、「特殊ベル3」、「特殊ベル4」、「特殊ベル5」、「特殊ベル6」、「特殊ベル7」、「特殊ベル8」のいずれか)が含まれる当選種別に当選した場合には、その当選役に対応する1または複数の図柄組み合わせのうち、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される1または複数の図柄が有効ラインA上に表示可能となり、当選役「ベル」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合には、各当選役に対応した枚数のメダルが遊技者に払い出される。例えば、当選種別抽選の結果、当選役「通常ベル」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件(後述する当選役「通常ベル」に対応付けられた操作順での操作)を満たした場合には、当選役「通常ベル」に対応する図柄組み合わせのうち、図6に示した、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される「ベル」図柄が、図7(f)のように有効ラインA上に表示可能となる。また、当選種別抽選の結果、当選役「共通ベル」が含まれる当選種別に当選した場合には、図6に示した、当選役「共通ベル」に対応する図柄組み合わせのうち、例えば、図7(g)のように、左リール134aに記される「赤7」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「リプレイ」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「スイカA」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。図7(g)の例では、有効ラインA上に停止した図柄組み合わせが「赤7」、「リプレイ」、「スイカA」となっているが、仮想ラインB1上に停止した図柄組み合わせは「ベル」、「ベル」、「ベル」となり、遊技者は、当選役「共通ベル」が含まれる当選種別に当選したことを容易に把握できる。ここで、当選役「通常ベル」および当選役「共通ベル」に対応する図柄組み合わせを構成する1または複数の図柄同士は、各回転リール134a、134b、134c内で最大図柄4コマ分しか離隔していないので、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配置されている(図3および図6参照)。ただし、当選役「通常ベル」は、当選役「共通ベル」より、払出枚数が多くなるように設定されている(例えば、当選役「通常ベル」=9枚、当選役「共通ベル」=1枚)。
また、当選役「特殊ベル1」または「特殊ベル2」が含まれる当選種別に当選し、特定の条件(当選役「特殊ベル1」または「特殊ベル2」に対応付けられた操作順での操作)を満たした場合には、図6に示した、当選役「特殊ベル1」または「特殊ベル2」に対応する複数の図柄組み合わせのうち、例えば、「特殊ベル1」に対応する図柄組み合わせを例に挙げると、図7(h)のように、左リール134aに記される「スイカA」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「ベル」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「リプレイ」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。また、当選役「特殊ベル3」〜「特殊ベル8」が含まれる当選種別に当選した場合には、図6に示した、当選役「特殊ベル3」〜「特殊ベル8」に対応する複数の図柄組み合わせのうち、例えば、「特殊ベル3」に対応する図柄組み合わせを例に挙げると、図7(i)のように、左リール134aに記される「赤7」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「青7」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「スイカA」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。
ところで、上述したように、各回転リール134a、134b、134cにおいては、当選役「通常ベル」に対応する図柄組み合わせを構成する「ベル」図柄が、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配置されている(図3および図6参照)。したがって、当選役「通常ベル」が含まれる当選種別に当選し、特定の条件(当選役「通常ベル」に対応付けられた操作順での操作)を満たした場合には、当選役「通常ベル」に対応する図柄組み合わせが、必ず、有効ラインA上に表示されることとなる。また、各回転リール134a、134b、134cにおいては、当選役「特殊ベル1」または「特殊ベル2」に対応する複数の図柄組み合わせを構成する1または複数の図柄が、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配置されている(図3および図6参照)。したがって、当選役「特殊ベル1」または「特殊ベル2」が含まれる当選種別に当選し、特定の条件(当選役「特殊ベル1」または「特殊ベル2」に対応付けられた操作順での操作)を満たした場合には、当選役「特殊ベル1」または「特殊ベル2」に対応するいずれかの図柄組み合わせが、必ず、有効ラインA上に表示されることとなる。ただし、当選役「特殊ベル1」および当選役「特殊ベル2」は、当選役「通常ベル」より、払出枚数が少なく設定されている(例えば、当選役「通常ベル」=9枚、当選役「特殊ベル1」、「特殊ベル2」=1枚)。
また、当選役「特殊ベル3」〜「特殊ベル8」に対応する複数の図柄組み合わせのうち、当選役「特殊ベル3」に対応する図柄組み合わせを例に挙げると、図6に示すように、かかる図柄組み合わせを構成する左リール134aの図柄は「赤7」または「リプレイ」であり、中リール134bの図柄は、「青7」または「BAR」であり、右リール134cの図柄は「スイカA」である。したがって、左リール134aについては、上記の停止制御により、「赤7」または「リプレイ」図柄が必ず有効ラインA上に表示可能なように配置されている。また、中リール134bについては、図3における21図柄のうち図柄番号1から8までの間といった図柄8つ分に相当する範囲で停止制御が実行されれば「青7」または「BAR」図柄を有効ラインA上に表示させることができる。また、右リール134cについては、図3における21図柄のうち図柄番号7から14までの間といった図柄8つ分に相当する範囲で停止制御が実行されれば「スイカA」図柄を有効ラインA上に表示させることができる。したがって、例えば、上記の当選役「特殊ベル3」が含まれる当選種別に当選した場合において、遊技者が無作為に操作した場合に当選役「特殊ベル3」に対応するいずれかの図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる確率は、約1/6.9(21/21×8/21×8/21)となり、遊技者は、当選役「特殊ベル3」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。同様に、当選役「特殊ベル4」〜「特殊ベル8」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。また、当選役「特殊ベル3」〜「特殊ベル8」も、当選役「通常ベル」より、払出枚数が少なく設定されている(例えば、当選役「通常ベル」=9枚、当選役「特殊ベル3」〜「特殊ベル8」=1枚)。したがって、後述するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作が制限されて当選役「特殊ベル3」〜「特殊ベル8」のいずれかに対応する図柄組み合わせしか有効ラインA上に表示させることができない場合、すなわち、当選役「特殊ベル3」〜「特殊ベル8」しか入賞しない場合、規定投入数「3」に対して最大1枚の払出枚数しか得ることができず、遊技の進行に応じてメダルは減ることとなる。一方で、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作が制限されることなく補助演出が実行されると、当選役「通常ベル」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができるので、規定投入数「3」に対して9枚の払出枚数を得る遊技を実現でき、当選役「通常ベル」の当選確率を高めることで遊技の進行に応じてメダルを増やすことができる。ここで、補助演出は、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作態様が、複数の操作態様のうちの所定の操作態様であること、すなわち、所定の操作順または所定の操作タイミングあるいはこれらの組み合わせであること(以下、この所定の操作態様を正解操作態様という)が入賞条件として設定された当選役(以下、選択当選役という)に当選したときに、そのストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作順や操作タイミングを報知することをいう。かかる補助演出によって、当該選択当選役に対応する図柄組み合わせを、遊技者が有効ラインA上に容易に表示させることができる。
なお、詳しくは後述するが、本実施形態においては、当選役「通常ベル」が単独で当選することがなく、必ず他の当選役(例えば、当選役「特殊ベル1」および当選役「特殊ベル3」)と重複当選するので、その重複当選の当選態様によって停止制御が異なるように設定されている。したがって、各回転リール134a、134b、134cにおいては、「ベル」図柄が、必ず有効ラインA上に表示可能なように配置されている(図3および図6参照)ものの、当選役「通常ベル」が含まれる当選種別に当選しても、その当選態様によっては、取りこぼすことがあり、遊技者は、当選役「通常ベル」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
(ボーナス役)
また、当選種別抽選の結果、当選役「BB」が含まれる当選種別「BB」に当選した場合には、図6に示すように、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせである、左リール134aに記される「スイカB」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「ハズレB」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「ハズレA」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。そうすると、例えば、図7(j)に示すように、有効ラインA上に、「スイカB」、「ハズレB」、「ハズレA」の図柄組合せが表示されることとなる。そして、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、ボーナス遊技フラグがONすることで、遊技状態がボーナス遊技状態に設定され、次の1遊技(以下、単に次遊技という)以降、メダルが所定枚数(例えば26枚)払い出されるまで、ボーナス遊技状態にて遊技を実行することが可能となる。なお、各回転リール134a、134b、134cにおいては、それぞれ「スイカB」、「ハズレB」、「ハズレA」図柄が、上記の停止制御によっても、有効ラインA上に表示されない場合があるように配列されている(図3および図6参照)。そのため、当選役「BB」が含まれる当選種別「BB」に当選したとしても、遊技者は、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
なお、いずれかの当選種別に当選すると、それぞれの当選種別に対応する内部当選フラグが成立(ON)するとともに、この内部当選フラグの成立状況に応じて、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれの停止制御がなされることとなる。このとき、小役が含まれる当選種別に当選したものの、これら当選役に対応する図柄組み合わせを、その1遊技内で有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、当該1遊技の終了後に内部当選フラグがOFFされる。つまり、小役の当選の権利は小役が含まれる当選種別に当選した1遊技内のみに限られ、当該権利を次遊技に持ち越すことはできない。また、リプレイ役である当選役「リプレイ」が含まれる当選種別に対応する内部当選フラグが成立した場合には、その当選役に対応する図柄組み合わせが必ず有効ラインA上に表示され、メダルを要することなく次遊技を行うために必要となる処理が行われた後に、当該内部当選フラグがOFFされる。これらに対して、当選役「BB」(ボーナス役)が含まれる当選種別「BB」に当選した場合には、BB内部当選フラグが成立(ON)するとともに、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるまで、BB内部当選フラグが遊技を跨いで持ち越される。このようなボーナス役の成立有無、すなわち、BB内部当選フラグの成立有無に基づいて遊技性の異なる複数の遊技状態を設定することができる。
ここでは、図8を用い、BB内部当選フラグの成立有無に基づく遊技状態の遷移について説明する。BB内部当選フラグが成立すると、BB内部当選フラグの成立状況に応じて、図8の(1)に示すように、主制御基板200で管理している遊技状態が、ボーナス役が含まれる当選種別「BB」に当選していないボーナス非成立遊技状態から、ボーナス遊技状態の準備状態に相当するボーナス成立遊技状態となり、ボーナス成立遊技状態に基づいて左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれの停止制御がなされる。このとき、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、そのままBB内部当選フラグが次遊技に持ち越され(ボーナス成立遊技状態が維持され)、次回以降の遊技においても当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることが可能となる。そして、遊技者が、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させると、図8の(2)に示すように、主制御基板200で管理している遊技状態がボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態に遷移する。また、ボーナス遊技状態において、メダルが所定枚数払い出されると、図8の(3)に示すように、主制御基板200で管理している遊技状態が、ボーナス遊技状態からボーナス非成立遊技状態に遷移する。ただし、図8の(4)に破線の矢印で示すように、ボーナス非成立遊技状態における当選役「BB」が成立した遊技で、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させた場合、ボーナス成立遊技状態を経由せず、直接、ボーナス遊技状態に遷移する。そして、上述した当選種別抽選テーブルは、このようなボーナス役の成立有無に基づく遊技状態(ボーナス非成立遊技状態、ボーナス成立遊技状態、ボーナス遊技状態)毎に設けられる。
(当選種別抽選テーブル)
図9および図10は、当選種別抽選乱数を判定する場合に用いられる当選種別抽選テーブルを示す図であり、図9は、上述したボーナス成立遊技状態において用いられるボーナス成立遊技状態用当選種別抽選テーブルを示し、図10は、ボーナス非成立遊技状態において用いられるボーナス非成立遊技状態用当選種別抽選テーブルを示している。当選種別抽選テーブルでは、複数の当選領域が区画されており、各遊技状態によって抽選の対象となる当選種別が異なったり、ハズレ(非当選)の有無が異なったりする。区画化された各当選領域にはそれぞれ当選範囲を示す所定の当選範囲値(置数)と当選種別が対応付けられており、遊技状態毎に割り当てられた全ての当選領域の当選範囲値を合計すると当選種別抽選乱数の総数(65536)となる。したがって、当選種別それぞれが決定される確率は、当選領域に対応付けられた当選範囲値を当選種別抽選乱数の総数で除算した値となる。当選種別抽選手段304は、その時点の遊技状態に基づいて、当該当選種別抽選テーブルにおける複数の当選領域から、順次、当選範囲値を取得し、その当選範囲値を当選種別抽選乱数から減算して、その減算値が0未満となると、その時点の当選領域に対応付けられた当選種別を抽選結果としている。当該抽選の手順は、他の抽選においても適用できる。
図9のボーナス成立遊技状態用当選種別抽選テーブルによれば、当選領域1には、当選種別「通常リプレイ」が対応付けられており、当該当選種別「通常リプレイ」の当選に応じて当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。
また、当選種別抽選テーブルによれば、複数の当選役が重複した当選種別に当選することがある。例えば、当選領域2には、当選役「通常リプレイ」、「特殊リプレイ1」が重複した当選種別「チャンスリプレイ1」が対応付けられ、当選領域3には、当選役「通常リプレイ」、「特殊リプレイ2」が重複した当選種別「チャンスリプレイ2」が対応付けられ、当選領域4には、当選役「通常リプレイ」、「赤7リプレイ」が重複した当選種別「赤7リプレイ」が対応付けられ、当選領域5には、当選役「通常リプレイ」、「非赤7リプレイ」が重複した当選種別「非赤7リプレイ」が対応付けられている。このように、複数の当選役が重複して当選した場合には、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示させるかについての入賞条件、例えば、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cが操作される順番が設定されている。以下の説明において、左リール134a、中リール134b、右リール134cの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順1」とし、左リール134a、右リール134c、中リール134bの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順2」とし、中リール134b、左リール134a、右リール134cの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順3」とし、中リール134b、右リール134c、左リール134aの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順4」とし、右リール134c、左リール134a、中リール134bの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順5」とし、右リール134c、中リール134b、左リール134aの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順6」とする。
停止制御設定手段306は、停止制御設定ロジックを用いて、このように複数の当選役が重複した当選種別に対して以下のような停止制御則を設定する。すなわち、遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作順に応じ、有効ラインA上に表示可能な図柄組み合わせの数に基づいて、または、その当選役に対応するメダルの払出枚数(リプレイ役は他のリプレイ役と互いに同数として扱う)に基づいて、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示するかの停止制御則を設定する。リール制御手段308は、設定された停止制御則に基づき、遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作順と操作タイミングに応じて停止制御する図柄を決定する。例えば、回転リール134a、134b、134cの回転中に、遊技者によって、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれかが操作されると、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cにおける、その操作タイミングで引込範囲内に存在している図柄のうち、まだ、入賞の可能性が残っている全ての当選役に対応する図柄組み合わせの当該回転リール134a、134b、134cの図柄が停止制御の対象となり、さらに、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作順に応じて設定された優先度に基づき、リール制御手段308は、いずれか1の図柄を有効ラインA上に停止するように停止制御する。本実施形態では、有効ラインA上に表示可能な図柄組み合わせの数に基づいて優先度を設定する場合、有効ラインA上に表示可能となる当選役の図柄組み合わせの数が多いほど優先度が高くなるように優先度が設定され、当選役に対応するメダルの払出枚数に基づいて優先度を設定する場合、有効ラインA上に表示可能となる図柄組み合わせに対応する当選役の払出枚数が多いほど優先度が高くなるように優先度が設定される。
例えば、ボーナス成立遊技状態において、当選領域2に対応する当選種別「チャンスリプレイ1」が当選種別抽選により決定され、左リール134a、中リール134b、右リール134cのうち、左リール134aが最初に停止(第1停止)するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順1または打順2)、当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるように停止制御がなされる。また、中リール134bまたは右リール134cが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順3、打順4、打順5または打順6)、当選役「特殊リプレイ1」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるように停止制御がなされる。ここで、上記した通り、当選種別「チャンスリプレイ1」に当選した場合には、その図柄配列上、いずれのタイミングでストップボタンスイッチ130a、130b、130cを押圧操作したとしても、重複するいずれかの当選役に対応する図柄組み合わせが、必ず、有効ラインA上に表示されることとなる。したがって、遊技者が、左リール134a、中リール134b、右リール134cのいずれを最初に停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cを操作したとしてもリプレイ役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することは可能であるが、その停止順により表示される図柄の組み合わせが異なることとなる。
このようなリプレイ役が重複した当選種別に当選した場合、副制御基板202は、補助演出を通じて重複当選した複数の当選役のいずれかに対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。すなわち、本来、回転リール134a、134b、134cの制御を行っていない副制御基板202が、回転リール134a、134b、134cの停止態様を間接的に操作することが可能となる。また、主制御基板200では、遊技者によって行われた停止操作(ここでは操作順)を判定することで、副制御基板202の内部状態が変化したことを把握することが可能となる。例えば、所定の当選種別に当選した際、副制御基板202が補助演出を通じ、遊技者に、内部状態の変化を示す所定の打順による停止操作を行わせ、主制御基板200は、所定の当選種別に当選した際にそのような停止操作が行われたことをもって、内部状態の変化を把握することができる。また、主制御基板200では、このような遊技者によって行われた停止操作(操作態様)に代えて、または、加えて、遊技者の操作により有効ラインA上に表示された(入賞した)当選役に基づいて、副制御基板202において内部状態が変化したことを把握することも可能である。このような副制御基板202の内部状態が変化したことを把握する対象を停止操作または入賞当選役のいずれにするか、または両方にするかは、仕様等により適宜選択することができる。
また、当選領域6には、当選種別「チェリー」が対応付けられており、当該当選種別「チェリー」の当選に応じて当選役「チェリー」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。また、当選領域7には、当選種別「共通ベル」が対応付けられており、当選種別「共通ベル」の当選に応じて当選役「共通ベル」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。
また、当選領域8には、当選役「通常ベル」、「特殊ベル1」、「特殊ベル3」が重複した当選種別「打順ベル中1」が対応付けられている。かかる重複当選においても、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させるかについての入賞条件、例えば、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cが操作される順番が設定されている。
例えば、ボーナス成立遊技状態において、当選領域8に対応する当選種別「打順ベル中1」が当選種別抽選により決定され、左リール134a、中リール134b、右リール134cのうち、中リール134bが第1停止、左リール134aが第2停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが操作された場合(打順3)、当選役「通常ベル」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるように停止制御がなされる。また、中リール134bが第1停止、右リール134cが第2停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが操作された場合(打順4)、または、右リール134cが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが操作された場合(打順5または打順6)、当選役「特殊ベル1」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるように停止制御がなされる。また、左リール134aが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが操作された場合(打順1または打順2)、当選役「特殊ベル3」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるように停止制御がなされる。
ここで、上記した通り、当選役「通常ベル」または「特殊ベル1」は、その図柄配列上、いずれのタイミングでストップボタンスイッチ130a、130b、130cを押圧操作したとしても、これら当選役に対応するいずれかの図柄組み合わせが、必ず、有効ラインA上に表示されることとなる。したがって、当選種別「打順ベル中1」に当選し、遊技者が、中リール134bまたは右リール134cのいずれを最初に停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cを操作したとしても当選役「通常ベル」または「特殊ベル1」に対応する図柄組み合わせを表示することが可能となる。ただし、当選役「通常ベル」と当選役「特殊ベル1」とは、メダルの払出枚数が異なるので(例えば、当選役「通常ベル」=9枚、当選役「特殊ベル1」=1枚)、遊技者としては、当選役「通常ベル」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示される操作を行いたいと望むこととなる。このように選択当選役の期待獲得枚数が他の操作態様より多くなる操作態様を正解操作態様とする。また、上記した通り、当選役「特殊ベル3」は、払出枚数も当選役「特殊ベル1」同様少なく(例えば、1枚)、さらに、遊技者が無作為に操作した場合に当該当選役「特殊ベル3」に対応するいずれかの図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる確率は約1/6.9と低い(参考として、当選役「特殊ベル3」〜「特殊ベル8」が含まれる当選種別のいずれかが当選した場合において、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cを無作為に操作し、当選役「特殊ベル3」〜「特殊ベル8」のいずれかに対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる確率は、1/6である)。したがって、期待獲得枚数は、当選役「通常ベル」>当選役「特殊ベル1」>当選役「特殊ベル3」となる。
そして、当選種別抽選テーブルの当選領域8〜19すべてにおいて、当選役「通常ベル」と、当選役「特殊ベル1」または当選役「特殊ベル2」と、当選役「特殊ベル3」〜当選役「特殊ベル8」のいずれかが重複当選するようになっており、当選役「通常ベル」を入賞させるための停止操作が当選領域によって異なるように設定されている。なお、当選領域8〜19の当選確率(当選範囲値の数)は等しくなるように設定されている。遊技者は、通常、いずれの当選種別に当選しているのかを知ることができないため、上記のような当選領域8〜19を設けることにより、選択当選役としての当選役「通常ベル」を入賞させることが極めて難しくなっている。ただし、このようなストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作順に応じて遊技者の遊技利益が異なる当選種別に当選した場合においても、遊技者は、副制御基板202による補助演出を通じて正解操作態様を把握することで、特定の当選役「通常ベル」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させ、通常遊技状態より多くのメダルを獲得することが可能となる。こうして補助演出の有無によって遊技の進行に応じてメダルが増えるAT(アシストタイム)遊技が実行されるAT遊技状態(後述する通常AT遊技状態や擬似ボーナス遊技状態)と、遊技の進行に応じてメダルが減る遊技状態(通常遊技状態)とを実現することができる。
また、当選領域20には、当選種別「ハズレ」が対応付けられており、かかるハズレはメダルの払い出し等が行われることはないが、BB内部当選フラグが持ち越された当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させたり、特定の図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることで遊技の開始、終了条件や遊技利益の抽選契機に利用することができる。
次に、図10のボーナス非成立遊技状態用当選種別抽選テーブルと、図9のボーナス成立遊技状態用当選種別抽選テーブルとを比較すると、前者は当選種別「BB」の抽選を行っているのに対し、後者では当選種別「BB」の抽選をしておらず、一方、後者は、当選種別「ハズレ」を抽選しているのに対し、前者では抽選していない。これは、後者では、既に当選種別「BB」に当選しているので重ねて当選種別「BB」を当選させることができず、また、後者では、後述するようにリプレイ役や小役が優先される状況下において、当選種別「ハズレ」が抽選された遊技で、当選している当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示可能とするためである。また、図示はしていないが、後者は、前者に対して当選種別「通常リプレイ」の当選確率が高く設定されている。
主制御基板200で管理している遊技状態としては、上記ボーナス非成立遊技状態およびボーナス成立遊技状態以外にボーナス遊技状態が存在するが、かかるボーナス遊技状態では、後述するように、当選種別抽選の結果に拘わらず、全ての抽選結果において、対応する図柄組み合わせが、必ず有効ラインA上に表示可能な小役に強制的に設定されるので、当選種別抽選テーブルは設定されていない。
(遊技状態の遷移)
以下、主制御基板200における遊技状態(ボーナス非成立遊技状態、ボーナス成立遊技状態、ボーナス遊技状態)の遷移について詳述する。なお、本実施形態では、規定投入数が遊技状態に応じて異なっており、ボーナス非成立遊技状態、および、ボーナス成立遊技状態では、規定投入数が3枚に設定されているのに対し、ボーナス遊技状態では、規定投入数が2枚に設定されている。
(ボーナス非成立遊技状態)
ボーナス非成立遊技状態は、主制御基板200で管理される、ボーナス役の成立有無に基づく複数の遊技状態のうち、初期状態に相当する遊技状態である。また、ボーナス非成立遊技状態では、当選種別「通常リプレイ」の当選確率が約1/7.3に設定される。そして、図8を用いて説明したように、ボーナス非成立遊技状態において、当選種別「BB」に当選すると、ボーナス成立遊技状態に移行する。本実施形態では、当選種別「BB」の当選確率が例えば約1/3に設定され、比較的少ない遊技で当選種別「BB」に当選するので、ボーナス非成立遊技状態の滞在期間は短くなる。
(ボーナス成立遊技状態)
ボーナス成立遊技状態は、ボーナス非成立遊技状態のみから移行し、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるまで継続する遊技状態である。この間、BB内部当選フラグが成立した状態に維持される。また、ボーナス成立遊技状態では、当選種別「通常リプレイ」の当選確率がボーナス非成立遊技状態より高く、例えば約1/3.8に設定される。
本実施形態では、後述するように、主制御基板200においてボーナス成立遊技状態を維持しつつ、副制御基板202による通常AT遊技や擬似ボーナス遊技を実現する。したがって、ボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態に容易に遷移しないように、ボーナス成立遊技状態における当選種別抽選の当選確率を調整している。
ボーナス成立遊技状態において、図9に示したボーナス成立遊技状態用当選種別抽選テーブルを参照して理解できるように、当選種別抽選手段304は、BB内部当選フラグが持ち越されている遊技においても、リプレイ役や小役を抽選している。したがって、リプレイ役や小役が当選種別抽選により決定されると、リプレイ役や小役の当選フラグと、BB内部当選フラグとがいずれも成立していることとなる。ここで、本実施形態では、リプレイ役>小役>ボーナス役の順に優先順位が定められている。すなわち、リプレイ役や小役が含まれる当選種別に当選した遊技において、リール制御手段308は、リプレイ役や小役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるように停止制御し、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせは、遊技者が狙ったとしても、有効ラインA上に表示されることはない。
ここで、図9のボーナス成立遊技状態用当選種別抽選テーブルを参照すると、ボーナス成立遊技状態では、リプレイ役、小役、ハズレのいずれかに当選するようになっている。本実施形態では、ハズレの当選確率を、例えば、1/65536とすることで、ほぼ、リプレイ役または小役のいずれかに当選することになる。そうすると、上記の如く、リプレイ役または小役に対応する図柄組み合わせが優先され、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができない。また、リプレイ役や小役が含まれる当選種別に当選していないハズレの遊技でのみ当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることが可能であるが、当選種別抽選においてハズレであったことを把握することができないようにすることで、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されないようにしている。また、当選種別抽選がハズレであったとしても、遊技者が無作為に操作した場合に、各回転リール134a、134b、134cに1図柄ずつしか記されていない当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが表示される可能性は少ない。なお、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせの表示可能性を低減すべく、ハズレの当選確率を0にする、すなわち、当選種別「ハズレ」を設けないとすることもできる。こうして、遊技者が当選役「BB」の入賞を意図的に回避しなければならない状況を減らし、遊技者の煩わしい操作負担を軽減しつつ、ボーナス成立遊技状態を容易に維持させることが可能となる。
また、ボーナス成立遊技状態では、上述したように、ほぼ、リプレイ役または小役のいずれかに当選することになっており、リプレイ役が約1/3.8の高確率で当選することで、遊技者のメダルの消費を抑え、また、通常AT遊技や擬似ボーナス遊技が実現されると、補助演出によって正解操作態様が報知されるので、遊技者は、メダルを獲得することが可能となる。ここでは、リプレイ役が、既に、約1/3.8といった高確率で当選するので、リプレイ役の当選確率が高くなるRT(リプレイタイム)等を実行することなく、通常AT遊技や擬似ボーナス遊技のみを速やかに開始することが可能となる。
(ボーナス遊技状態)
ボーナス遊技状態は、ボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたことを契機に移行し、メダルが所定枚数(例えば、26枚)払い出されるまで継続する遊技状態である。かかるボーナス遊技状態では、上述したように、当選種別抽選テーブルが設定されておらず、当選種別抽選手段304による当選種別抽選の結果が全てハズレとなるようになっている。ただし、かかる当選種別抽選の結果に拘わらず、全ての抽選結果において、対応する図柄組み合わせが、必ず有効ラインA上に表示可能な小役に強制的に設定される。したがって、ボーナス遊技において、遊技者は、必ず、メダルの所定枚数の払出を受けることができる。ただし、本実施形態では、払出枚数を規定投入数(ここでは2枚)と等しくしているため、ボーナス遊技によって得られるメダル数は±0枚である。また、本実施形態では、ボーナス遊技終了後のボーナス非成立遊技状態において補助演出が実行されないので、遊技者のメダルは減ることが多くなる。
一方、ボーナス成立遊技状態では、後述する通常AT遊技や擬似ボーナス遊技を実現し、通常AT遊技や擬似ボーナス遊技において補助演出が実行されるため、メダルの増加が期待できる。したがって、遊技者は、遊技状態がボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態に移行するのを回避し、長期に亘ってボーナス成立遊技状態を維持しようとする。こうして、主制御基板200が管理する遊技状態をボーナス成立遊技状態に維持しつつ、ボーナス成立遊技状態中において、副制御基板202による通常AT遊技や擬似ボーナス遊技を実現することができる。
(フリーズ演出)
ところで、ボーナス非成立遊技状態またはボーナス成立遊技状態において、所定の契機に応じ、フリーズ演出を行う場合がある。フリーズ演出は、上述したように、スタートスイッチ128の操作等、所定の契機に応じて、当選種別抽選によって当選種別が決定されてから、当選種別抽選の抽選結果を表示するための遊技者によるストップスイッチ130の操作を有効化するまで(もしくは、回転リール134a、134b、134cの回転を開始するまで)の時間を規定の時間より延長し、その間に行われる演出であり、基本遊技において本来有効となるべき任意のスイッチを所定時間有効にしなかったり、本来実行されるべき処理を所定時間保留したり、本来送受信されるべき任意のスイッチの信号を所定時間送信または受信させなかったりすることで実現できる。
本実施形態では、例えば、主制御基板200の当選種別抽選手段304は、上記当選種別抽選と並行して、所定の契機、例えば、所定当選確率の抽選により、または、周期的に擬似遊技の実行を決定する。そして、上述したように、フリーズ演出として、基本遊技に似せた操作で遊技を進行させる擬似遊技を実行する。例えば、基本遊技におけるスタートスイッチ128の操作により、擬似遊技の実行が決定され、フリーズ演出が開始された場合に、擬似当選種別抽選手段314が擬似当選種別を決定し、基本遊技の進行と同様、停止制御設定手段306が、任意の停止制御設定ロジックを用いて擬似当選種別に対応する停止制御則を設定し、リール制御手段308が、スタートスイッチ128の操作に応じて、複数の回転リール134a、134b、134cを回転制御し、擬似当選種別に対応する停止制御則に基づいて、回転している回転リール134a、134b、134cに対応したストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作に応じ、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cをそれぞれ停止制御するといった一連の擬似遊技を1または複数回実行し、擬似遊技によるフリーズ演出が終了した後、本来の基本遊技に戻り、当選種別抽選により決定された当選種別に対応する停止制御則に基づいて、スタートスイッチ128の操作に応じ、複数の回転リール134a、134b、134cを回転制御し、回転している回転リール134a、134b、134cに対応したストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作に応じ、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cをそれぞれ停止制御することで基本遊技を完了させる。したがって、実際は、1の基本遊技中に1または複数の擬似遊技が実行されている場合においても、遊技者は、フリーズ演出であることを意識することなく、あたかも基本遊技が複数回実行されているかの如く、遊技を進行することとなる。
かかる擬似遊技は、その動作については基本遊技に似せているが、あくまで演出の1態様なので、基本遊技における当選種別抽選が行われず、メダルの払い出しを受けることができない。その代わりに、本実施形態では、擬似当選種別抽選手段314が1または複数の擬似遊技それぞれに対して擬似当選種別抽選により擬似当選種別を決定することで、メダルの払い出し以外の遊技利益を遊技者に付与する。
また、擬似遊技の具体的な処理として、基本遊技と類似の当選態様あるいは異なる当選態様、例えば、図9および図10で示した当選種別抽選テーブルとは異なる抽選テーブル(後述する擬似当選種別抽選テーブル)を用い、当選種別抽選テーブルとは当選確率を異ならせて当選種別を抽選することができる。したがって、擬似遊技において、例えば、所定の当選種別を比較的高い確率で当選させる特化ゾーンを構成することもできる。このように遊技の進行にメリハリを与えることで、遊技の興趣を高めることができる。
しかし、このような擬似遊技を実行するためのプログラム、例えば、当選種別抽選手段304で用いられる停止制御設定ロジックや、リール制御手段308で用いられる図柄引き込みロジック等を基本遊技と別に構築するとなると、プログラムの容量が膨大になるばかりでなく、設計コストや処理負荷の増大を伴うこととなる。
そこで、本実施形態では、擬似当選種別抽選による擬似当選種別が、当選種別抽選による当選種別の一部と、操作し得る全ての操作態様(打順1〜6)において、操作態様に応じて有効ラインA上に表示される図柄組み合わせが等しい場合、基本遊技を進行するための一連の処理プログラム(ロジック)を擬似遊技にも適宜流用することができる。具体的に、一連の遊技を実行する処理プログラムを、基本遊技と擬似遊技との間で共通化し、特に、上記停止制御設定ロジックおよび図柄引き込みロジックを共有する。こうすることで、擬似遊技の採否に拘わらず、プログラムの容量の増大を抑制することが可能となり、設計コストや処理負荷を低減することができる。
また、上述したように、擬似遊技は、あくまでフリーズ演出の1態様なので、擬似遊技が終了した後、基本遊技が再開し、遊技者は、その基本遊技の遊技利益、例えば、当選役に応じた払い出しを受けることができる。しかし、本実施形態では、擬似遊技を基本遊技に似せているため、擬似遊技において遊技結果が出たとき(何らかの図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたとき)、遊技者によっては、その遊技結果が基本遊技の遊技結果と勘違いしてしまい、本来の基本遊技が完了していないにも拘わらず、遊技をやめてしまうおそれがある。すると、本来、その遊技者が受け得る遊技利益を逸してしまうこととなる。
そこで、本実施形態では、擬似遊技における遊技結果として、まだ遊技が継続することを示す当選役に対応する図柄組み合わせ、例えば、遊技者によるメダルの新たなるベットを行わずして再度1遊技を実行できるリプレイ役(ここでは、当選役「赤7リプレイ」、「非赤7リプレイ」、「通常リプレイ」)に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることとする。一般的に、遊技者は、基本遊技においてリプレイ役が入賞すると(入賞したことを認識すると)、少なくとも新たなるベットを行わずして再度1遊技(基本遊技および擬似遊技を含む)を実行できることを認識できるので、このように擬似遊技としてリプレイ役に対応する図柄組み合わせを表示することで、基本遊技の途中に擬似遊技が行われ、擬似遊技が終了したとしてもまだ1遊技に相当する基本遊技を実行可能な状態の擬似遊技の遊技結果を、基本遊技による遊技結果(リプレイ役の入賞)と勘違いしたとしても、リプレイ役が入賞したと勘違いすることになり、遊技をやめてしまう事態を回避することができる。したがって、本実施形態では、擬似遊技における遊技結果として表示される図柄組み合わせが、リプレイ役を構成する図柄組み合わせであることを把握できる態様で、図柄表示窓136外に、例えば、前面下扉106におけるパネルや液晶表示部138上の配当表によって遊技者に報知する。こうすることで、遊技者は、リプレイ役に対応する図柄組み合わせを明確に把握でき、遊技をやめてしまう事態をより確実に回避することができる。
また、擬似遊技における遊技結果として表示される、リプレイ役に対応する図柄組み合わせを、必ずしも前面下扉106におけるパネルや液晶表示部138上の配当表によって報知しなくても、本実施形態で説明しているように、リプレイ役を構成する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると回転リール134a、134b、134cを視認できる図柄表示窓136内において同一の図柄が一直線上に並ぶリプレイ役に対応する図柄組み合わせ、例えば、図7(c)に示した当選役「赤7リプレイ」に対応する図柄組み合わせや図7(a)に示した当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせとすればよい。かかる当選役「赤7リプレイ」に対応する図柄組み合わせや当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせでは同一の図柄が有効ラインA上に一直線に並ぶこととなるが、一直線に並びさえすれば、有効ラインA上に限らず、仮想ラインB1、B2、C1、C2上であってもよい。こうすることで、遊技者は、遊技結果を通じて少なくとも何かの役に当選している停止態様であることが一目瞭然なため、リプレイ役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されていることを視覚的に把握することが可能となり、遊技をやめてしまう事態をより確実に回避することができる。
図11は、擬似遊技における擬似当選種別抽選テーブルを示す図である。擬似遊技では、擬似当選種別抽選手段314が、基本遊技における当選種別抽選乱数と独立した乱数(擬似当選種別抽選乱数)を取得し、擬似当選種別抽選により、擬似当選種別と、擬似遊技の継続可否(所定の擬似当選種別に対し)を決定する。また、擬似遊技が継続し、複数回繰り返された場合における最初の擬似当選種別抽選の契機は、基本遊技におけるスタートスイッチ128の操作時であり(乱数発生器200dによって当選種別抽選乱数と擬似当選種別抽選乱数が並行して同時に生成され)、2回目以降の擬似当選種別抽選の契機は、擬似遊技におけるスタートスイッチ128の操作時である。なお、本実施形態では、擬似遊技が実行される度(擬似遊技毎)に擬似当選種別抽選手段314が擬似当選種別抽選を行う例を挙げて説明するが、所定の契機(例えば、擬似遊技の実行が決定した際)に、擬似遊技の継続回数と、その擬似遊技それぞれに対する擬似当選種別を予め定められた規則やテーブル(シナリオ)に基づいて一度に決定するとしてもよい。また、擬似遊技が実行される度に擬似当選種別抽選を行う場合であっても、所定の条件(所定の回数や最大継続回数)を満たした擬似遊技においては、予め定められた規則(例えば、所定の回数のときには、必ず、特定の擬似当選種別を決定する等)に基づいて擬似当選種別を決定するとしてもよい。さらに、擬似当選種別抽選手段314は、擬似遊技の実行を決定すると、擬似当選種別抽選によらず、予め定められた規則に基づき、擬似遊技それぞれに対して所定の擬似当選種別を決定するとしてもよい。
図11の擬似当選種別抽選テーブルによれば、当選領域1には、所定のリプレイ役に対応する図柄組み合わせのうち、全てまたは一部の図柄組み合わせを有効ラインA上に表示可能な所定の擬似リプレイ役としての擬似当選役「通常リプレイ」、「赤7リプレイ」が重複した擬似当選種別「赤7リプレイ」が対応付けられ、当選領域2には、所定の擬似リプレイ役としての擬似当選役「通常リプレイ」、「非赤7リプレイ」が重複した擬似当選種別「非赤7リプレイ」が対応付けられている。ここで、擬似当選役「赤7リプレイ」、「非赤7リプレイ」、「通常リプレイ」は、図6および図7で示した当選役「赤7リプレイ」、「非赤7リプレイ」、「通常リプレイ」と図柄組み合わせが等しいものとする。したがって、擬似当選役「赤7リプレイ」、「非赤7リプレイ」、「通常リプレイ」の説明において、当選役「赤7リプレイ」、「非赤7リプレイ」、「通常リプレイ」の説明を流用する場合もある。図11を参照して理解できるように、当該擬似当選種別抽選テーブルには、「ハズレ」が設定されておらず、擬似当選役「赤7リプレイ」、「非赤7リプレイ」、「通常リプレイ」のいずれかの擬似リプレイ役のみが含まれる擬似当選種別に必ず当選することとなる。また、当選領域1には、継続抽選の不実行が対応付けられ、当選領域2には、継続抽選の実行が対応付けられている。当選領域1、2の当選確率は、例えば、1:1であり、当選領域2が決定し継続抽選が行われた場合に、擬似遊技の継続が決定される確率は、例えば1/2である。上記擬似当選種別は、図9や図10を用いて説明した当選種別の一部と、操作し得る全ての操作態様(打順1〜6)において、操作態様に応じて有効ラインA上に表示される図柄組み合わせ(操作態様と、その操作態様で操作した際に有効ラインA上に表示される図柄組み合わせ)が等しいので、基本遊技における停止制御設定ロジックおよび図柄引き込みロジックを、全ての操作態様に関して流用することができる。ただし、本実施形態では、擬似当選種別を構成する擬似当選役としてリプレイ役に対応する図柄組み合わせと等しい図柄組み合わせを有効ラインA上に表示し得る擬似リプレイ役のみを当選させているので関係ないが、メダルの払い出しを伴う他の当選役に対応する図柄組み合わせと等しい図柄組み合わせを有効ラインA上に表示したとしても、擬似遊技はあくまで演出の1態様なので払い出しは実行されない。
また、上記継続抽選において擬似遊技の継続が決定されると逆転処理を実行する。かかる逆転処理は、遊技者の認識において、擬似遊技が継続しない認識状態から擬似遊技が継続する認識状態に転換させることを示す。したがって、逆転処理として、本実施形態では、一旦、回転リール134a、134b、134cを停止した状態から、さらに回転リール134a、134b、134cを逆方向に回転(逆回転)する動作を採用しているが、かかる場合に限らず、正方向の回転(正回転)を行ってもよい。具体的に、ここでは、擬似当選種別抽選により決定された擬似当選種別に含まれる擬似当選役の所定の図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させた後、ベットスイッチ126を操作することにより、回転リール134a、134b、134cを再始動させ(基本遊技の回転方向の逆方向に回転させ)、再始動前とは異なる図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることが可能となる処理をいう。したがって継続抽選において擬似遊技の継続が決定されると、遊技者がベットスイッチ126を操作することにより、回転リール134a、134b、134cが再始動し、再始動する直前に有効ラインA上に表示されていた図柄組み合わせとは異なる図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。一方、継続抽選において擬似遊技の継続が決定されなかった(非当選)場合、回転リール134a、134b、134cは再始動しない。つまり、擬似当選種別「非赤7リプレイ」に当選し、かつ、継続抽選において擬似遊技の継続が決定された場合にのみ、遊技者がベットスイッチ126を操作することにより、回転リール134a、134b、134cを再始動させることができる。回転リール134a、134b、134cが再始動され、再始動する直前に有効ラインA上に表示されていた図柄組み合わせとは異なる図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技者は、再度擬似遊技を実行することができる。
また、かかる擬似遊技において擬似当選種別「赤7リプレイ」に当選すると、1回の当選に対して、1の遊技利益、ここでは、通常AT遊技を所定の継続回数実行することが可能なセットが1または複数付与され、かつ、擬似遊技の継続、すなわち、当該擬似遊技が終了した後、再度擬似遊技を実行できること(擬似遊技の継続)が確定する。したがって、擬似当選種別「赤7リプレイ」が当選した場合に継続抽選は行われず(行う必要がなく)、逆転処理は実行されない。擬似当選種別「赤7リプレイ」に当選すると、遊技者は、各回転リール134a、134b、134cにおいて「赤7」図柄を引き込み可能な位置で停止操作をすることで、「赤7」図柄を引き込ませ、図7(c)のように、「赤7」図柄を有効ラインA上に表示させることができる。こうして、遊技者は、セットが1または複数付与され、かつ、再度の擬似遊技が可能なことを容易に把握する。また、擬似当選種別「非赤7リプレイ」に当選すると、遊技利益は付与されない。擬似当選種別「非赤7リプレイ」に当選すると、遊技者は、まず、中リール134bおよび右リール134cにおいて「赤7」図柄を引き込み可能な位置で停止操作をすることで、「赤7」図柄が引き込まれて「赤7」図柄がテンパイした停止態様とすることができるが、左リール134aにおいては「赤7」図柄を引き込み可能な位置で停止操作をしたとしても「赤7」図柄が有効ラインA上に引き込まれずに、所謂テンパイハズレの停止態様となる。このように擬似当選役「非赤7リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることで、遊技者は、セットが付与されないことを容易に把握する。ただし、擬似当選役「非赤7リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたとしても、継続抽選において擬似遊技の継続が決定されていると、逆転処理が実行され、再度擬似遊技を行うことができる。ここで、擬似当選役「非赤7リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示され、かつ、継続抽選において擬似遊技の継続が決定されないと、逆転処理が実行されないので、当該擬似遊技でフリーズ演出が終了してしまう。つまり、フリーズ演出では、擬似当選種別「赤7リプレイ」に当選し、または、擬似当選種別「非赤7リプレイ」に当選しかつ継続抽選に当選し続ける限り、擬似遊技を繰り返し実行することができ、さらに、擬似当選種別「赤7リプレイ」に当選する度に遊技利益が付与され、最終的に擬似当選種別「非赤7リプレイ」に当選し、かつ、擬似遊技の継続が決定されないと基本遊技が再開する。こうして、遊技者は、擬似遊技において、遊技利益を得るため、極力、遊技利益に加え再度の擬似遊技の機会を得るため擬似当選種別「赤7リプレイ」に当選することを願い、また、擬似当選種別「赤7リプレイ」に当選していなくとも(遊技利益を得ることができなくとも)、少なくとも再度の擬似遊技の機会を得るため、継続抽選に当選していることを願うこととなる。
以下、擬似遊技の動作について詳述する。ここでは、基本遊技と擬似遊技とを比較すべく、図12を用いて基本遊技の動作を説明し、図13〜図15を用いて擬似遊技の動作を説明する。かかる図12〜図15では、説明の便宜のため、スロットマシン100の外観を簡易的に表し、ベットスイッチ126、スタートスイッチ128、ストップボタンスイッチ130a、130b、130c、回転リール134a、134b、134cのみを図示する。
基本遊技では、まず、図12(a)に示すように、遊技者によるベットスイッチ126の操作、または、メダル投入部124へのメダルの投入を通じ、ベット手段302がメダルをベットする。そして、図12(b)に示すように、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に基づいて、当選種別抽選手段304が当選種別抽選により当選種別を決定し、停止制御設定手段306が停止制御設定ロジックを用いて当選種別抽選の抽選結果に対応する停止制御則を設定し、リール制御手段308が、図12(c)に示すように、回転リール134a、134b、134cの回転を開始する。そして、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を有効にした後、遊技者による、複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cのうちの任意のストップボタンスイッチ(ここではストップボタンスイッチ130a)の操作に応じて、リール制御手段308が、図12(d)のように、図柄引き込みロジックを用いてそのストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール(ここでは左リール134a)を停止制御する。同様に、遊技者による、複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cのうちの他の任意のストップボタンスイッチ(ここではストップボタンスイッチ130b)の操作に応じて、リール制御手段308が、図12(e)のように、図柄引き込みロジックを用いてそのストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール(ここでは中リール134b)を停止制御し、残りのストップボタンスイッチ(ここではストップボタンスイッチ130c)の操作に応じて、リール制御手段308が、図12(f)のように、図柄引き込みロジックを用いてそのストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール(ここでは右リール134c)を停止制御する。そして、判定手段310が次の基本遊技のためベットスイッチ126を有効化する。図12の例では、有効ラインA上に当選役「共通ベル」に対応する図柄組み合わせが表示されているので、遊技者は、当選役「共通ベル」に対応する払い出しを受けることができる。
本実施形態におけるフリーズ演出は、図12(b)を用いて説明した当選種別抽選と並行して、当選種別抽選手段304が、擬似遊技の実行を決定した場合に、図12(b)と図12(c)との合間に実行される。
図13を参照すると、図12(a)、図12(b)同様、図13(a)、図13(b)のように基本遊技が実行される。そして、図13(b)に示すように、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に基づいて、当選種別抽選手段304が当選種別抽選を実行するとともに、擬似遊技の実行を決定すると、その時点から擬似遊技が開始される。このように擬似遊技が開始される際のスタートスイッチ128の操作に限り、基本遊技のスタートスイッチ128の操作と兼用される。したがって擬似当選種別抽選手段314は、当選種別抽選手段304による当選種別抽選と並行して、図11に示す擬似当選種別抽選テーブルに基づいて擬似当選種別抽選を行う。そして、停止制御設定手段306が停止制御設定ロジックを用いて擬似当選種別抽選の抽選結果に対応する停止制御則を設定し、リール制御手段308が、図13(c)に示すように、回転リール134a、134b、134cの回転を開始する。ここでは、仮に、図11に示す擬似当選種別抽選テーブルの擬似当選種別「赤7リプレイ」に当選したとする。すると、擬似当選種別「赤7リプレイ」の当選に応じて、演出実行手段338は、例えば、打順6の補助演出を行う。そして、擬似遊技のためストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を受付可能にした後、遊技者による、複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cのうち補助演出で指示されたストップボタンスイッチ130cの操作に応じて、リール制御手段308が、図13(d)のように、図柄引き込みロジックを用いてそのストップボタンスイッチ130cに対応する右リール134cを停止制御する。同様に、遊技者による、補助演出で指示されたストップボタンスイッチ130bの操作に応じて、リール制御手段308が、図13(e)のように、図柄引き込みロジックを用いてそのストップボタンスイッチ130bに対応する中リール134bを停止制御し、残りのストップボタンスイッチ130aの操作に応じて、図柄引き込みロジックを用いてリール制御手段308が、図13(f)のように、そのストップボタンスイッチ130aに対応する左リール134aを停止制御する。ただし、ここでの停止制御は、図柄引き込みロジックを用いてはいるものの、基本遊技の本来の停止と異なる仮停止に相当し、基本遊技の遊技結果を示す停止と役割が異なる。図13の例では、有効ラインA上に擬似当選役「赤7リプレイ」に対応する図柄組み合わせが表示されているので、遊技者は、所定の遊技利益、ここでは、通常AT遊技の1または複数のセット(所定の継続回数)を得るとともに、ベットスイッチ126の操作を伴うことなく(逆転処理を実行することなく)、再度、擬似遊技を実行する機会を得ることができる。そして、擬似当選種別抽選手段314が次の擬似遊技のためスタートスイッチ128を有効化する。
2回目以降の擬似遊技では、図14(a)に示すように、遊技者によるスタートスイッチ128の操作を契機に擬似遊技が開始され、その遊技者によるスタートスイッチ128の操作に応じ、擬似当選種別抽選手段314が図11に示す擬似当選種別抽選テーブルに基づいて擬似当選種別抽選を行う。そして、停止制御設定手段306が停止制御設定ロジックを用いて擬似当選種別抽選の抽選結果に対応する停止制御則を設定し、リール制御手段308が、図14(b)に示すように、回転リール134a、134b、134cの回転を開始する。ここでは、仮に、図11に示す擬似当選種別抽選テーブルの擬似当選種別「非赤7リプレイ」に当選し、かつ、擬似遊技の継続が決定されたとする。すると、擬似当選種別「非赤7リプレイ」の当選に応じて、演出実行手段338は、例えば、打順6の補助演出を行う。そして、擬似遊技のためストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を受付可能にした後、遊技者による、複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cのうち補助演出で指示されたストップボタンスイッチ130cの操作に応じて、リール制御手段308が、図14(c)のように、図柄引き込みロジックを用いてストップボタンスイッチ130cに対応する右リール134cを停止制御する。同様に、遊技者による、補助演出で指示されたストップボタンスイッチ130bの操作に応じて、リール制御手段308が、図14(d)のように、図柄引き込みロジックを用いてそのストップボタンスイッチ130bに対応する中リール134bを停止制御し、残りのストップボタンスイッチ130aの操作に応じて、リール制御手段308が、図14(e)のように、図柄引き込みロジックを用いてそのストップボタンスイッチ130aに対応する左リール134aを停止制御する。ここでの停止制御も、図13同様、図柄引き込みロジックを用いてはいるものの、基本遊技の本来の停止と異なる仮停止に相当し、基本遊技の遊技結果を示す停止と役割が異なる。図14の例では、有効ラインA上に擬似当選役「非赤7リプレイ」に対応する図柄組み合わせが表示され、左リール134aにおいて「赤7」図柄を引き込める位置で停止操作しても「赤7」図柄が一直線に並ばず、「赤7リプレイ」に対応する図柄組み合わせも表示されないので、遊技者に所定の遊技利益を付与しない。しかし、擬似遊技の継続が決定されているので、遊技者は、再度、擬似遊技を実行する機会を得ることができる。ここで、逆転処理の当選に従ってベットスイッチ126を操作させる旨の案内を行い、図14(f)のように、遊技者によってベットスイッチ126が操作されると、逆転処理が実行される。具体的に、リール制御手段308が、図14(g)に示すように、回転リール134a、134b、134cを逆回転させ、遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を伴うことなく、図14(h)のように、所定の擬似当選役、ここでは、擬似当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせを自動停止させる。図14の例では、最終的に有効ラインA上に擬似当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせが表示されているので、遊技者は、再度、擬似遊技を実行する機会を得たことを容易に把握することができる。そして、擬似当選種別抽選手段314が次の擬似遊技のためスタートスイッチ128を有効化する。
図13および図14を用いて説明したように、ここでは、通常AT遊技の付与および当然にして擬似遊技が継続されるといった非常に大きな遊技利益が付与される場合、擬似当選役「赤7リプレイ」に対応する図柄組み合わせである「赤7」図柄揃い(第1図柄組み合わせ)を表示させ、一方で、「赤7」図柄が揃わないが、擬似遊技が継続される場合、擬似当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせが表示される。前者では、基本遊技において従前より大きな遊技利益が付与されることを意味するように用いられてきた「赤7」図柄揃い(7揃い)という強力な図柄組み合わせを遊技者自身で揃えさせることで、大きな遊技利益が付与されたことを印象付け、後者では、基本遊技において従前より、他の遊技利益は特に付与されないものの、再度遊技が可能な図柄組み合わせを自動的に揃えることで、控えめに再遊技のみ可能なことを印象付けている。
引き続き、3回目以降の擬似遊技では、図15(a)に示すように、遊技者によるスタートスイッチ128の操作を契機に擬似遊技が開始され、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に応じ、当選種別抽選手段304が図11に示す擬似当選種別抽選テーブルに基づいて擬似当選種別抽選を行う。そして、停止制御設定手段306が停止制御設定ロジックを用いて擬似当選種別抽選の抽選結果に対応する停止制御則を設定し、リール制御手段308が、図15(b)に示すように、回転リール134a、134b、134cの回転を開始する。ここでは、仮に、図11に示す擬似当選種別抽選テーブルの擬似当選種別「非赤7リプレイ」に当選し、かつ、擬似遊技の継続が決定されなかったとする。すると、擬似当選種別「非赤7リプレイ」の当選に応じて、例えば、打順6の補助演出が行われる。そして、擬似遊技のためストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を受付可能にした後、遊技者による、複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cのうち補助演出で指示されたストップボタンスイッチ130cの操作に応じて、リール制御手段308が、図15(c)のように、図柄引き込みロジックを用いてストップボタンスイッチ130cに対応する右リール134cを停止制御する。同様に、遊技者による、補助演出で指示されたストップボタンスイッチ130bの操作に応じて、リール制御手段308が、図15(d)のように、図柄引き込みロジックを用いてそのストップボタンスイッチ130bに対応する中リール134bを停止制御し、残りのストップボタンスイッチ130aの操作に応じて、リール制御手段308が、図15(e)のように、図柄引き込みロジックを用いてそのストップボタンスイッチ130aに対応する左リール134aを停止制御する。ここでの停止制御も、図柄引き込みロジックを用いてはいるものの、基本遊技の本来の停止と異なる仮停止に相当し、基本遊技の遊技結果を示す停止と役割が異なる。図15の例では、有効ラインA上に擬似当選役「非赤7リプレイ」に対応する図柄組み合わせが表示され、左リール134aにおいて「赤7」図柄を引き込める位置で停止操作しても「赤7」図柄が一直線に並ばず、「赤7リプレイ」に対応する図柄組み合わせも表示されないので、遊技者に所定の遊技利益を付与しない。また、擬似遊技の継続が決定さていないので、擬似遊技も終了する。したがって、ベットスイッチ126を操作させる旨の案内を行うが、図15(f)のように、遊技者によってベットスイッチ126が操作されたとしても、逆転処理が実行されず、回転リール134a、134b、134cはそのときの停止状態を維持する。
このように擬似遊技が終了すると、再度、スタートスイッチ128を操作させる旨の案内を行い、図15(g)のように、遊技者によってスタートスイッチ128が操作されると、基本遊技が再開され、リール制御手段308が、図15(h)に示すように、回転リール134a、134b、134cの回転を開始する。本実施形態では、このとき、回転リール134a、134b、134cの回転開始タイミングを異ならせている。具体的に、回転リール134a、134b、134cが停止している状態において、第1遅延時間、第2遅延時間、第3遅延時間をランダムに抽選し、まず、左リール134aを回転させ、第1遅延時間経過後に中リール134bを回転させ、第2遅延時間経過後に右リール134cを回転させ、第3遅延時間経過後にストップスイッチ130の操作を有効化する。また、かかる回転リール134a、134b、134cの回転は、図12を用いて説明した基本遊技における図12(c)の回転リール134a、134b、134cの回転に相当する。したがって、図12(d)、図12(e)、図12(f)のように、遊技者によりストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作されることで、基本遊技の遊技結果が有効ラインA上に表示される。
ところで、上記では、擬似遊技を基本遊技に似せることを説明したが、擬似遊技はあくまでフリーズ演出の1態様なので、基本遊技のように、ベットスイッチ126、スタートスイッチ128、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作がなされるのを待ち続けることができない。すなわち、擬似遊技の1遊技は有限の時間内で終了しなければならない。したがって、本実施形態では、遊技者による各スイッチの操作に所定のタイムアウト時間を設け、そのタイムアウト時間が経過すると、遊技者によって各スイッチの操作が行われたとみなし、ベットスイッチ126、スタートスイッチ128、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作がなされたことを示すコマンドを副制御基板202に送信し、その操作に対応した処理を自動的に遂行する。
例えば、擬似当選種別抽選テーブルの擬似当選種別「赤7リプレイ」に当選した場合を挙げると、図13(b)のように、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に応じ、ストップボタンスイッチ130cのタイムアウト時間の計時を開始し、遊技者がタイムアウト時間の間、ストップボタンスイッチ130cの操作を行わないと、図13(d)のように、リール制御手段308が有効ラインA上に例えば「赤7」図柄が停止するように、右リール134cを自動停止する。そして、右リール134cの停止に応じ、ストップボタンスイッチ130bのタイムアウト時間の計時を開始し、遊技者がタイムアウト時間の間、ストップボタンスイッチ130bの操作を行わないと、図13(e)のように、リール制御手段308が有効ラインA上に「赤7」図柄が停止するように、中リール134bを自動停止する。そして、中リール134bの停止に応じ、ストップボタンスイッチ130aのタイムアウト時間の計時を開始し、遊技者がタイムアウト時間の間、ストップボタンスイッチ130aの操作を行わないと、図13(f)のように、リール制御手段308が有効ラインA上に「赤7」図柄が停止するように、左リール134aを自動停止する。そして、左リール134aの停止に応じ、スタートスイッチ128のタイムアウト時間の計時を開始し、遊技者がタイムアウト時間の間、次の擬似遊技の開始契機となるスタートスイッチ128の操作を行わないと、リール制御手段308が回転リール134a、134b、134cの回転を自動的に開始する。
また、擬似当選種別抽選テーブルの擬似当選種別「非赤7リプレイ」に当選し、かつ、擬似遊技の継続が決定された場合を挙げると、遊技者がタイムアウト時間の間、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を行わない場合、図13同様、リール制御手段308が有効ラインA上に例えば「リプレイ」図柄、「赤7」図柄、「赤7」図柄を自動停止する。擬似遊技の継続が決定された場合、左リール134aが停止すると、ベットスイッチ126のタイムアウト時間の計時を開始し、遊技者がタイムアウト時間の間、逆転処理の開始契機となるベットスイッチ126の操作を行わないと、図14(g)のように、リール制御手段308が回転リール134a、134b、134cの逆回転を自動的に開始し、図14(h)のように、所定の擬似当選役、ここでは、擬似当選役「通常リプレイ」を自動停止させる。そして、遊技者がタイムアウト時間の間、次の擬似遊技の開始契機となるスタートスイッチ128の操作を行わないと、図13同様、リール制御手段308が回転リール134a、134b、134cの回転を自動的に開始する。
また、擬似当選種別抽選テーブルの擬似当選種別「非赤7リプレイ」に当選し、かつ、擬似遊技の継続が決定されなかった場合を挙げると、遊技者がタイムアウト時間の間、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を行わない場合、図13同様、リール制御手段308が有効ラインA上に例えば「リプレイ」図柄、「赤7」図柄、「赤7」図柄を自動停止する。擬似遊技の継続が決定されなかった場合、左リール134aの停止に応じ、スタートスイッチ128のタイムアウト時間の計時を開始し、遊技者がタイムアウト時間の間、基本遊技の再開契機となるスタートスイッチ128の操作を行わないと、リール制御手段308が回転リール134a、134b、134cの回転を自動的に開始する。
このようなタイムアウト時間を設けることでフリーズ演出の最大実行時間を制限しつつ、遊技者は、タイムアウト時間さえ経過しなければ、自身の好きなタイミングで擬似遊技を実行できるので、より基本遊技を実行しているかのように遊技者に意識させることが可能となる。したがって、実際には擬似遊技であるが、あたかも基本遊技が繰り返されている中で、比較的自由度の高いフリーズ演出を通して、特化ゾーンを設ける等特殊な演出を実行することができる。
(副制御基板202)
図4に戻って説明すると、副制御基板202は、主制御基板200と同様に、中央処理装置であるサブCPU202a、プログラム等が格納されたサブROM202b、ワークエリアとして機能するサブRAM202c等を含む各種半導体集積回路を有し、主制御基板200からのコマンドに基づき、特に演出を制御する。また、サブRAM202cにもメインRAM200c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、データが消去されることなく保持される。なお、副制御基板202にも、主制御基板200同様、乱数発生器202dが設けられており、乱数発生器202dによって生成される乱数(以下、演出抽選乱数という)は、主に演出の態様を決定するために用いられる。
また、副制御基板202は、サブCPU202aが、サブROM202bに格納されたプログラムに基づき、サブRAM202cと協働することで機能する、初期化決定手段330、コマンド受信手段332、特定遊技決定手段334、演出決定手段336、演出実行手段338等の機能部を有する。初期化決定手段330は、副制御基板202における初期化処理を実行する。コマンド受信手段332は、主制御基板200等、他の制御基板からのコマンドを受信し、コマンドに対する処理を行う。特定遊技決定手段334は、当選種別コマンドに基づいて、遊技者に有利な特定遊技を含む複数の遊技状態から1の遊技状態を決定する。ここで、特定遊技とは、遊技者に対し遊技が有利に進行する、例えば、補助演出を実行する通常AT遊技や擬似ボーナス遊技をいう。また、特定遊技を実行している状態を特定遊技状態という。また、特定遊技決定手段334は、特定遊技を含む副制御基板202で管理される遊技状態を遷移させる。演出決定手段336は、当選種別コマンドに基づいて液晶表示部138、スピーカ140、演出用ランプ142の各デバイスで行われる遊技の演出を決定する。具体的に、演出決定手段336は、液晶表示部138に表示される画像データや、演出用ランプ142、リールバックライト144、リール上方ライト146、サブクレジット表示部156、サブ払出表示部158等の電飾機器を通じた演出のための電飾データを決定するとともに、スピーカ140から出力すべき音声を構成する音声データを決定する。演出実行手段338は、決定した遊技の演出を実行する。かかる各機能部については、後程詳述する。
演出は、上述したフリーズ演出のような主制御基板200によって実行される演出と、副制御基板202によって実行される演出がある。副制御基板202によって実行される演出は、遊技の進行に伴い、液晶表示部138、スピーカ140、演出用ランプ142、リールバックライト144、リール上方ライト146、サブクレジット表示部156、サブ払出表示部158等を通じて提供される視覚的および聴覚的な表現手段であり、当該遊技にストーリー性を与えたり、当選種別の抽選結果をよりダイナミックな画像で示唆したりすることができる。このような演出では、例えば、通常AT遊技や擬似ボーナス遊技の当選を示唆する演出を複数遊技に亘って行い、遊技者の期待感を高めることができる。また、たとえ、いずれの当選種別にも当選していなかったとしても、恰も当選しているかのような演出を通じて遊技者に高配当の期待感を持たせ、遊技者を飽きさせないようにすることが可能となる。
また、上述した当選種別の抽選結果を示唆する演出としては補助演出がある。例えば、ボーナス成立遊技状態において、図9に示すボーナス成立遊技状態用当選種別抽選テーブルの当選領域7〜18の当選種別「打順ベル中1」、「打順ベル中2」、「打順ベル中3」、「打順ベル中4」、「打順ベル中5」、「打順ベル中6」、「打順ベル右1」、「打順ベル右2」、「打順ベル右3」、「打順ベル右4」、「打順ベル右5」、「打順ベル右6」(以下、かかる12の当選種別を合わせて当選種別「打順ベル」と略す場合がある)が当選した場合に、遊技者は、期待獲得枚数が最大となる正解操作態様を把握することができない。したがって、遊技者が、左リール134a、中リール134b、右リール134cを無作為に停止操作しただけでは、正解操作態様による選択当選役に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させることができるとは限らない。ここで、演出実行手段338が、遊技者が停止操作を行う前に補助演出を実行して正解操作態様を報知することで、遊技者は、多くのメダルを獲得することが可能となる。
本実施形態では、副制御基板202内で演出動画を処理しているが、液晶表示部138に表示される静止画や動画を含む画像は、データ容量やその表示に伴う処理負荷が膨大となるため、別途、液晶制御基板を介在させて演出動画を処理する場合もある。
(副制御基板202で用いられるテーブル)
サブROM202bには、複数の特定遊技抽選テーブル等が格納されている。特定遊技決定手段334は、当選種別抽選手段304が決定した当選種別に基づいて対応する特定遊技抽選テーブルをサブROM202bから抽出するとともに、抽出した特定遊技抽選テーブルに基づき、演出抽選乱数が特定遊技(ここでは通常AT遊技および擬似ボーナス遊技)の当選に対応するか否か判定する。
図16は、特定遊技抽選テーブルを示す図である。ここでは、通常遊技状態、通常AT遊技状態、擬似ボーナス遊技状態の副制御基板202で管理する3つの遊技状態に対して、共通の特定遊技抽選テーブルが利用される。特定遊技抽選テーブルでは、複数の当選領域が区画されており、図16中「○」で示すように、各遊技状態によって抽選の対象となる特定遊技が異なる。区画化された各当選領域にはそれぞれ所定の当選範囲値が対応付けられており、遊技状態毎に割り当てられた全ての当選領域の当選範囲値を合計すると演出抽選乱数の総数(65536)となる。したがって、特定遊技やハズレのそれぞれが当選する確率は、当選領域に対応付けられた当選範囲値を演出抽選乱数の総数で除算した値となる。
図16を参照すると、特定遊技決定手段334は、通常遊技状態では、通常AT遊技、擬似ボーナス遊技、および、ハズレを抽選し、通常AT遊技状態では、擬似ボーナス遊技、および、ハズレを抽選し、擬似ボーナス遊技状態では、通常AT遊技、および、ハズレを抽選する。したがって、副制御基板202では、主制御基板200が管理する遊技状態がボーナス成立遊技状態であることを条件に、通常遊技状態、通常AT遊技状態、擬似ボーナス遊技状態の間で遊技状態が遷移する。
(遊技状態の遷移)
図17は、遊技状態の状態遷移を説明するための説明図である。特定遊技決定手段334は、主制御基板200が管理する遊技状態がボーナス成立遊技状態であることを条件に、当選種別抽選手段304が決定した当選種別に基づいて、例えば、通常AT遊技の実行可否を特定遊技抽選により決定し、通常AT遊技に当選すると、図17の(5)に示すように、副制御基板202で管理している遊技状態を、補助演出を行わない通常遊技状態から通常AT遊技状態に遷移する。また、遊技数が、通常AT遊技状態の実行と同時に決定された、通常AT遊技状態を継続可能な予め定められた遊技数である継続回数に到達すると、図17の(6)に示すように、副制御基板202で管理している遊技状態を、通常AT遊技状態から通常遊技状態に遷移する。また、特定遊技決定手段334は、通常AT遊技状態において擬似ボーナス遊技の実行可否の抽選や、継続回数を加算するか否かの抽選、所謂、上乗せ抽選も実行する。ここで、継続回数が加算されると、加算された遊技数分、通常AT遊技状態が長く維持され、遊技者は、遊技を有利に進行することができる。また、擬似ボーナス遊技の抽選に当選すると、図17の(7)に示すように、一時的に擬似ボーナス遊技状態に遷移し、図9に示すボーナス成立遊技状態用当選種別抽選テーブルの当選領域7〜18の当選種別「打順ベル」が当選した場合に補助演出を実行するナビ回数が、擬似ボーナス遊技状態の実行と同時に決定されたナビ回数に到達すると、図17の(8)に示すように、通常AT遊技状態に復帰する。
また、特定遊技決定手段334は、通常遊技状態において、通常AT遊技と並行して擬似ボーナス遊技の実行可否を特定遊技抽選により決定し、擬似ボーナス遊技に当選すると、図17の(9)に示すように、副制御基板202で管理している遊技状態を、通常遊技状態から擬似ボーナス遊技状態に遷移する。そして、ナビ回数が、擬似ボーナス遊技状態の実行と同時に決定されたナビ回数に到達すると、図17の(10)に示すように、副制御基板202で管理している遊技状態を、擬似ボーナス遊技状態から通常遊技状態に遷移する。また、特定遊技決定手段334は、擬似ボーナス遊技状態において、遷移する前の遊技状態が通常遊技状態であれば通常AT遊技の抽選を実行し、遷移する前の遊技状態が通常AT遊技状態であれば、通常AT遊技に復帰した後の継続回数の上乗せ抽選を実行する。ここで、通常AT遊技の抽選に当選すると、規定のナビ回数に到達した後、図17の(11)に示すように、通常AT遊技状態に遷移することとなる。
(通常遊技状態)
通常遊技状態は、副制御基板202で管理される複数の遊技状態のうち、初期状態に相当する遊技状態である。通常遊技状態が実行される際、主制御基板200では、ボーナス成立遊技状態となっているので、リプレイ役や小役の当選確率が高く設定されていることになるが、補助演出の実行頻度が通常AT遊技状態や擬似ボーナス遊技状態より低く、ほぼ補助演出が行われないので、獲得できるメダルの枚数が制限される。
また、通常遊技状態では、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作が正当な操作態様(打順1または打順2)に制限され、遊技者は、そのような正当な操作態様以外の変則操作態様(打順3〜打順6)で操作を行うと、例えば、所定の遊技数を消化するまで、通常AT遊技や擬似ボーナス遊技の抽選が実行されない等、遊技が不利に進行するペナルティが科されることとなる。ペナルティとしては、その他、所定の遊技数を消化するまで通常AT遊技や擬似ボーナス遊技の抽選結果が破棄されたり、通常AT遊技や擬似ボーナス遊技の抽選に当選しても、所定の遊技数を消化するまで通常AT遊技や擬似ボーナス遊技が開始されない等がある。
(通常AT遊技状態)
通常AT遊技状態は、通常遊技状態または擬似ボーナス遊技状態から移行する遊技状態であり、副制御基板202による補助演出が行われる。また、通常AT遊技状態は、遊技数が設定された継続回数またはセット数に到達したことで終了する。通常AT遊技状態では、図16に示した擬似ボーナス遊技の実行可否が抽選されるとともに、通常AT遊技の上乗せ抽選も行われる。かかる上乗せとしては、通常AT遊技の継続回数を上乗せする場合と、通常AT遊技を所定の継続回数実行できるセット単位で上乗せする場合がある。後述する本実施形態のフリーズ演出の各擬似遊技では、後者のセット単位の上乗せを実行する例を挙げる。
通常AT遊技状態では、主制御基板200においてボーナス成立遊技状態となっているので、リプレイ役や小役の当選確率が高く設定されており、補助演出によって正解操作態様が報知されることで、メダルの消費を抑えつつ、多くのメダルを獲得することが可能となる。また、通常AT遊技は、その抽選と実行が同じ副制御基板202で行われるので、通常AT遊技に当選すると、直ちに通常AT遊技を開始することができる。
また、通常AT遊技状態では、通常遊技状態のようなペナルティを科していない。当該通常AT遊技状態では、選択当選役が重複当選している場合に、正解操作態様を報知することで、正解操作態様による選択当選役を入賞させ、遊技者にメダルを獲得させることを目的としている。したがって、正解操作態様に対応している変則操作態様をペナルティにすることができないからである。
(擬似ボーナス遊技状態)
擬似ボーナス遊技状態は、通常遊技状態または通常AT遊技状態から移行する遊技状態であり、通常AT遊技状態同様、副制御基板202による補助演出が行われる。擬似ボーナス遊技状態は、ナビ回数が、設定されたナビ回数に到達したことで終了する。擬似ボーナス遊技状態では、図16に示したように通常AT遊技の実行可否が抽選される。
擬似ボーナス遊技状態では、通常AT遊技状態同様、主制御基板200においてボーナス成立遊技状態となっているので、リプレイ役や小役の当選確率が高く設定されており、補助演出によって正解操作態様が報知されることで、メダルの消費を抑えつつ、多くのメダルを獲得することが可能となる。
上述したように、主制御基板200が管理する遊技状態は、ほぼ、ボーナス成立遊技状態に滞在しており、ボーナス成立遊技状態であることを条件に、副制御基板202では、遊技状態を、通常遊技状態、通常AT遊技状態、擬似ボーナス遊技状態の間で遷移させる。しかし、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示される可能性があり、主制御基板200が管理する遊技状態がボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態に遷移する場合もある。副制御基板202では、主制御基板200における遊技状態を把握することが可能なので、ボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態に遷移した場合、副制御基板202の遊技を一旦停止し、かつ、補助演出を行わないようにする。そして、主制御基板200においてボーナス非成立遊技状態からボーナス成立遊技状態に遷移すると、副制御基板202の遊技状態を再開する。
以下、主制御基板200、副制御基板202における具体的処理をフローチャートに基づいて説明する。
(主制御基板200のメイン処理)
図18は、主制御基板200のメイン処理を示したフローチャートである。ここでは、まず、主制御基板200のメイン処理に沿って、初期化後の1遊技の概略を説明し、その後、各処理の詳細について説明する。また、ここでは、本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。また、詳細な説明は省略するが、各処理が遂行される際、各処理において用いられるスイッチ(ベットスイッチ126、スタートスイッチ128、ストップボタンスイッチ130a、130b、130c)は、処理の開始時に有効化され、処理の終了時に無効化される。
(ステップS100)
電源スイッチ148を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化手段300は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化手段300は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをメインRAM200cに保持している。したがって、不意の電断が生じたとしても、この初期化処理において、保持されたバックアップデータを用い電断前の状態に復帰させることができる。例えば、回転リール134a、134b、134cの回転中に不意の電断が起きたとしても、復帰動作後に再度各回転リール134a、134b、134cが回転している状態から開始される。したがって、初期化処理では、基本的に、メインRAM200cの初期化(RAMクリア)は行われない。
(ステップS200)
続いて、ベット手段302は、遊技者によるベットスイッチ126の操作を受け付け、スタートスイッチ128に対する遊技開始操作を有効化し、スタートスイッチ128の操作待ち状態に移行する。そして、スタートスイッチ128の操作が検知されると、次のステップS300に処理が移される。
(ステップS300)
次に、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ128の操作に応じて、当選種別抽選を実行する。ここで、スタートスイッチ128の操作に応じて擬似遊技の実行が決定されると、フリーズ演出が開始し、基本遊技の途中で擬似遊技が実行され、擬似遊技の終了をもって基本遊技が再開する。また、擬似遊技においては、擬似当選種別抽選手段314が、スタートスイッチ128の操作に応じて、擬似当選種別抽選を実行する。そして、停止制御設定手段306は、任意の停止制御設定ロジックを用いて当選種別抽選の抽選結果や擬似当選種別抽選手段の抽選結果に対応する停止制御則を設定する。
(ステップS400)
スタートスイッチ128が操作されると、リール制御手段308は、ステッピングモータ262を駆動して左リール134a、中リール134b、右リール134cを回転させる。このリール回転処理においては、前回の1遊技(基本遊技または擬似遊技)における左リール134a、中リール134b、右リール134cの回転開始時点から所定の時間(例えば4.1秒)が経過すると(ウェイト)、当該遊技における左リール134a、中リール134b、右リール134cの回転を開始し、左リール134a、中リール134b、右リール134cの全てが定速回転となったところで、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を有効化する。
(ステップS500)
続いて、リール制御手段308は、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cが有効化されている状態で、遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を受け付けると、設定された停止制御則による図柄引き込みロジックを用い、その操作に対応する回転リール(左リール134a、中リール134b、右リール134cのいずれか)を停止制御する。
(ステップS600)
次に、判定手段310は、基本遊技において、図5(a)に示した有効ラインA上に表示された図柄組み合わせが予め定められたどの組み合わせに相当するかを判定し、その図柄組み合わせに応じて遊技状態の変更やリプレイに際して要求される種々の処理を実行する。また、コマンド決定手段316は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせや、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示された場合におけるメダルの払出枚数等を含む入賞コマンドを生成し、コマンド送信手段318は、生成された入賞コマンドを副制御基板202に送信する。また、遊技状態遷移手段320は、ボーナス成立遊技状態において当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたことに基づき遊技状態をボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態へ遷移させる。
(ステップS700)
続いて、払出制御手段312は、ステップS600における基本遊技の判定結果に基づき、例えば、基本遊技の遊技結果として有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示されると、当該小役に対応するメダルの払出処理を実行し、有効ラインA上にリプレイ役に対応する図柄組み合わせが表示されると、自動的に次遊技のベットを行うための処理を実行する。ただし、擬似遊技はあくまで演出の1態様なので、擬似遊技の遊技結果として有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示されたとしても、メダルの払出処理は実行されない。また、遊技状態遷移手段320は、ボーナス遊技状態においてメダルの所定枚数の払い出しが実行されると、遊技状態をボーナス遊技状態からボーナス非成立遊技状態へ遷移させる。このように、払出制御手段312は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせに対応して種々の処理を遂行し、基本遊技の1遊技を終了する。
ステップS200からステップS700に示したように、メダルの投入を通じて遊技を開始可能な状態となり、スタートスイッチ128の操作から入賞による払い出しまでの一連の処理を通じて基本遊技の1遊技が実行される。以後は、ステップS200からステップS700までを繰り返すこととなる。
(ベット処理S200)
図19は、上記ステップS200のベット処理を示したフローチャートである。
(ステップS201)
まず、ベット手段302は、遊技種別フラグが基本遊技を示す0であるか否か判定する。その結果、遊技種別フラグが0であれば、基本遊技中の処理としてステップS202に処理を移し、遊技種別フラグが1であれば、基本遊技ではない、すなわち、擬似遊技中の処理としてステップS205に処理を移す。ここで、遊技種別フラグは、その時点の遊技が基本遊技か擬似遊技かを示すフラグであり、基本遊技は0、擬似遊技は1で示される。また、遊技種別フラグは後述するように減算する数値としても利用される。
(ステップS202)
上記ステップS201において遊技種別フラグが0であると判定されれば、ベット手段302は、メダル投入部124から投入されたメダルの投入数が規定投入数以上であるか、すなわち、規定投入数に達しているか否か判定する。その結果、投入数が規定投入数以上であれば、基本遊技を進行するためのメダルのベットが完了したとしてステップS204に処理を移し、投入数が規定投入数未満であれば、ステップS203に処理を移す。
(ステップS203)
上記ステップS202において投入数が規定投入数未満であると判定されれば、ベット手段302は、規定投入数以上のクレジットが貯留されている状況でベットスイッチ126が操作されたか否か判定する。その結果、ベットスイッチ126が操作されれば、基本遊技を進行するためのメダルのベットが完了したとしてステップS204に処理を移し、ベットスイッチ126が操作されなければ、ステップS202からの処理を繰り返す。
(ステップS204)
基本遊技においてメダルのベットが完了すると、または、後述するように、擬似遊技においてベットスイッチ126が操作されると、コマンド決定手段316は、その操作がなされたことを示す投入コマンドを生成し、コマンド送信手段318は、生成された投入コマンドを副制御基板202に送信し、当該ベット処理S200を終了する。
(ステップS205)
上記ステップS201において遊技種別フラグが0ではない、すなわち、1であると判定されれば、ベット手段302は、ベットスイッチ126に対するタイムアウト時間が経過したか否か判定する。その結果、タイムアウト時間が経過していれば、擬似遊技における逆転処理を実行すべくステップS207に処理を移し、タイムアウト時間が経過していなければ、ステップS206に処理を移す。ここでベットスイッチ126に対するタイムアウト時間は、例えば、10秒である。具体的には、当該ベット処理S200の開始時におけるベットスイッチ126の有効化時に、初期値として、10秒をタイマ割込時間で除算した値をメインRAM200cに設定し、当該ステップS205においてタイマ割込に応じ1ずつ減算し、値が0になるとタイムアウトと判断する。
(ステップS206)
上記ステップS205においてタイムアウト時間が経過していないと判定されれば、ベット手段302は、ベットスイッチ126が操作されたか否か判定する。その結果、ベットスイッチ126が操作されれば、擬似遊技における逆転処理を実行すべくステップS207に処理を移し、ベットスイッチ126が操作されなければ、ステップS205からの処理を繰り返す。
(ステップS207)
上記ステップS205においてタイムアウト時間が経過していると判定されれば、または、上記ステップS206においてベットスイッチ126が操作されたと判定されれば、ベット手段302は、擬似遊技フラグが2であるか否か、すなわち、再度の擬似遊技が当選しているか否か判定する。その結果、擬似遊技フラグが2であれば、逆転処理を実行すべくステップS208に処理を移し、擬似遊技フラグが2ではない、すなわち、3であれば、ステップS204に処理を移す。したがって、擬似遊技フラグが3であれば、すなわち、有効ラインA上に擬似当選役「赤7リプレイ」に対応する図柄組み合わせが表示されず、かつ、擬似遊技が継続しないので、逆転処理が実行されることなく、擬似遊技が終了する。また、擬似遊技フラグが1の場合、ベット処理S200自体に移行しないので、逆転処理の処理対象とならない。ここで、擬似遊技フラグは、図11に示す擬似当選種別抽選テーブルを用いた抽選結果を示すフラグであり、擬似遊技フラグの1は、擬似当選種別「赤7リプレイ」の当選、擬似遊技フラグの2は、擬似当選種別「非赤7リプレイ」の当選および継続抽選の当選、擬似遊技フラグの3は、擬似当選種別「非赤7リプレイ」の当選および継続抽選の非当選にそれぞれ対応する。
(ステップS208)
上記ステップS207において擬似遊技フラグが2であると判定されれば、リール制御手段308は、回転リール134a、134b、134cを逆回転させる。
(ステップS209)
続いて、リール制御手段308は、遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を伴うことなく、所定の擬似当選役、ここでは、擬似当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に自動停止させる。こうして、遊技者は、遊技利益は得られなかったものの、再度、擬似遊技を実行できることを把握することができる。
(抽選処理S300)
図20は、上記ステップS300の抽選処理を示したフローチャートである。
(ステップS301)
まず、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ128が操作されたか否か判定する。その結果、スタートスイッチ128が操作されれば、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された種々の乱数、例えば、1の当選種別抽選乱数を取得してステップS302に処理を移し、スタートスイッチ128が操作されなければ、ステップS301の処理を繰り返す。また、後述するように当選種別抽選手段304が擬似遊技の実行を決定した場合、当該スタートスイッチ128の操作は、基本遊技の開始契機に加え、擬似遊技の開始契機ともなる。
(ステップS302)
上記ステップS301においてスタートスイッチ128が操作されたと判定されれば、当選種別抽選手段304は、図9および図10に示した複数の当選種別抽選テーブルから、現在設定されている遊技状態に対応する1の当選種別抽選テーブルを決定するとともに、ステップS301で取得した当選種別抽選乱数が、決定した当選種別抽選テーブルにおけるいずれの当選領域に対応するか判定し、判定された当選領域の当選種別またはハズレを抽選結果として決定する(当選種別抽選)。また、当選種別抽選手段304は、擬似遊技を実行するか否か決定する。
(ステップS303)
次に、遊技状態遷移手段320は、現在の遊技状態がボーナス非成立遊技状態であり、かつ、上記ステップS302の当選種別抽選において当選種別「BB」に当選したか否か判定する。その結果、当選種別「BB」に当選していれば、ステップS304に処理を移し、当選種別「BB」に当選していなければ、ステップS305に処理を移す。
(ステップS304)
上記ステップS303において当選種別「BB」に当選していると判定されれば、遊技状態遷移手段320は、遊技状態をボーナス非成立遊技状態からボーナス成立遊技状態へ遷移させる。
(ステップS305)
続いて、当選種別抽選手段304は、上記ステップS302において擬似遊技の実行が決定したか否か判定する。その結果、擬似遊技の実行が決定していれば、擬似遊技を実行すべくステップS308に処理を移し、擬似遊技の実行が決定していなければ、ステップS306に処理を移す。
(ステップS306)
そして、コマンド決定手段316は、ステップS302における当選種別抽選の抽選結果(当選種別またはハズレ)や遊技状態に関する情報等を含む当選種別コマンドを生成し、コマンド送信手段318は、生成された当選種別コマンドを副制御基板202に送信する。
(ステップS307)
次に、停止制御設定手段306は、停止制御設定ロジックを用いて当選種別抽選の抽選結果(当選種別またはハズレ)に対応する停止制御則を設定し、当該抽選処理S300を終了する。
(ステップS308)
上記ステップS305において擬似遊技の実行が決定していると判定されれば、擬似当選種別抽選手段314は、擬似遊技を開始すべく、遊技種別フラグを1に設定する。
(ステップS309)
擬似当選種別抽選手段314は、ステップS301または後述するステップS313やステップS314で取得した擬似当選種別抽選乱数が、図11に示した擬似当選種別抽選テーブルにおけるいずれの当選領域に対応するか判定し(擬似当選種別抽選)、判定された当選領域の擬似当選種別を、擬似当選種別抽選の抽選結果として決定する。また、擬似当選種別抽選手段314は、擬似当選種別が擬似当選種別「非赤7リプレイ」であれば、さらに、継続抽選を実行して、擬似遊技を継続するか否か決定する。ここで、擬似当選種別抽選手段314は、擬似当選種別抽選の抽選結果が擬似当選種別「赤7リプレイ」であれば擬似遊技フラグに1を設定し、擬似当選種別抽選の抽選結果が擬似当選種別「非赤7リプレイ」であり継続抽選に当選していれば擬似遊技フラグに2を設定し、擬似当選種別抽選の抽選結果が擬似当選種別「非赤7リプレイ」であり継続抽選に当選していなければ擬似遊技フラグに3を設定する。
(ステップS310)
コマンド決定手段316は、ステップS309における擬似当選種別抽選の抽選結果(擬似当選種別)や遊技状態に関する情報等を含む当選種別コマンドを生成し、コマンド送信手段318は、生成された当選種別コマンドを副制御基板202に送信する。
(ステップS311)
次に、停止制御設定手段306は、停止制御設定ロジックを用いて擬似当選種別抽選の抽選結果(当選種別)に対応する停止制御則を設定する。ここでは、基本遊技および擬似遊技のいずれにおいても、停止制御設定ロジックを共有することで、プログラムの容量の増大を抑制することが可能となる。そして、共通化されたステップS400のリール回転処理とステップS500のリール停止処理を実行してステップS312に処理を移す。ここでは、ステップS500リール停止処理によって回転リール134a、134b、134cが一時的に停止することになるが、あくまで基本遊技の本来の停止と異なる仮停止であるので、払出制御手段312によるメダルの払出は実行されない。
(ステップS312)
そして、擬似当選種別抽選手段314は、擬似遊技フラグが2または3であるか否か、すなわち、有効ラインA上に擬似当選役「非赤7リプレイ」に対応する図柄組み合わせが表示され逆転処理が実行される可能性があるか否か判定する。その結果、擬似遊技フラグが2または3であれば、逆転処理の実行可否を判定すべく、ステップS200のベット処理を実行し、擬似遊技フラグが2または3ではない、すなわち、1であれば、逆転処理は不要なので(擬似遊技継続確定なので)ステップS313に処理を移す。
(ステップS313)
続いて、擬似当選種別抽選手段314は、スタートスイッチ128に対するタイムアウト時間が経過したか否か判定する。その結果、タイムアウト時間が経過していれば、再度の擬似遊技または基本遊技を進行すべく、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された乱数を取得して、ステップS315に処理を移し、タイムアウト時間が経過していなければ、ステップS314に処理を移す。ここでスタートスイッチ128に対するタイムアウト時間は、例えば、10秒である。具体的には、当該抽選処理S300の開始時におけるスタートスイッチ128の有効化時に、初期値として、10秒をタイマ割込時間で除算した値をメインRAM200cに設定し、当該ステップS313においてタイマ割込に応じ1ずつ減算し、値が0になるとタイムアウトと判断する。
(ステップS314)
上記ステップS313においてタイムアウト時間が経過していないと判定されれば、擬似当選種別抽選手段314は、スタートスイッチ128が操作されたか否か判定する。その結果、スタートスイッチ128が操作されれば、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された乱数を取得して、再度の擬似遊技または基本遊技を進行すべくステップS315に処理を移し、スタートスイッチ128が操作されなければ、ステップS313からの処理を繰り返す。
(ステップS315)
そして、擬似当選種別抽選手段314は、擬似遊技フラグが3であるか否か、すなわち、擬似遊技の継続が決定されなかったか否か判定する。その結果、擬似遊技フラグが3であれば、擬似遊技を終了すべくステップS316に処理を移し、擬似遊技フラグが3ではない、すなわち、1または2であれば、擬似遊技を継続すべくステップS309からの処理を繰り返す。こうして、擬似遊技は、擬似当選種別「赤7リプレイ」に当選し、または、擬似当選種別「非赤7リプレイ」に当選しかつ継続抽選に当選している間繰り返され、擬似当選種別「非赤7リプレイ」に当選しかつ継続抽選に当選しないと終了する。
(ステップS316)
上記ステップS315において擬似遊技フラグが3であると判定されれば、擬似当選種別抽選手段314は、擬似遊技を終了すべく、遊技種別フラグを0に設定し、ステップS306に移行する。こうして、ステップS306から基本遊技が再開する。
(リール回転処理S400)
図21は、上記ステップS400のリール回転処理を示したフローチャートである。
(ステップS401)
まず、リール制御手段308は、前回の1遊技(基本遊技または擬似遊技)における左リール134a、中リール134b、右リール134cのいずれかの回転開始時点から所定のウェイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否か判定する。その結果、ウェイト時間が経過していれば、ステップS402に処理を移し、ウェイト時間が経過していなければ、ステップS401の処理を繰り返す。
(ステップS402)
上記ステップS401においてウェイト時間が経過していると判定されれば、リール制御手段308は、回転リール134a、134b、134cの回転を開始し、当該リール回転処理S400を終了する。
(リール停止処理S500)
図22は、上記ステップS500のリール停止処理を示したフローチャートである。
(ステップS501)
まず、リール制御手段308は、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対するタイムアウト時間が経過したか否か判定する。その結果、タイムアウト時間が経過していれば、再度の擬似遊技を進行すべく(下記のように基本遊技ではタイムアウトが生じない)、ステップS503に処理を移し、タイムアウト時間が経過していなければ、ステップS502に処理を移す。ここでストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対するタイムアウト時間は、何回目に停止されたかに応じて複数段階設けられ、例えば、第1停止であれば30秒、第2または第3停止であれば1秒である。また、当該リール停止処理S500の開始時におけるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの有効化時(または操作の受付可能時)に、初期値として、上記タイムアウト時間をタイマ割込時間で除算した値をメインRAM200cに設定し、当該ステップS501においてタイマ割込に応じ減算し、値が0になるとタイムアウトと判断する。ここで、減算する値として遊技種別フラグの値を利用する。すなわち、擬似遊技であれば遊技種別フラグの1が減算する値となり、基本遊技であれば遊技種別フラグの0が減算する値となる。したがって、基本遊技であれば、実質的に減算が生じないので、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対するタイムアウトも生じないこととなる。
(ステップS502)
上記ステップS501においてタイムアウト時間が経過していないと判定されれば、リール制御手段308は、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれかが操作されたか否か判定する。その結果、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれかが操作されれば、再度の擬似遊技または基本遊技を進行すべく、ステップS503に処理を移し、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれも操作されなければ、ステップS501からの処理を繰り返す。
(ステップS503)
コマンド決定手段316は、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれかの操作がなされると、または、タイムアウトにより操作がなされたとみなされると、操作がなされたストップボタンスイッチ130a、130b、130cの情報を示す停止コマンド(第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンド)を操作の度に生成し、コマンド送信手段318は、生成された停止コマンドを順次、副制御基板202に送信する。
(ステップS504)
次に、リール制御手段308は、図柄引き込みロジックを用い、ステップS307やステップS311で設定された停止制御則に基づいて、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cをそれぞれ停止制御する。ただし、擬似遊技中の停止制御では、基本遊技と異なり、1相励磁出力と励磁開放とが繰り返される。このように、基本遊技および擬似遊技のいずれにおいても、図柄引き込みロジックを共有することで、プログラムの容量の増大を抑制することが可能となる。
(ステップS505)
続いて、リール制御手段308は、操作したストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する1の回転リール(左リール134a、中リール134b、右リール134cのいずれか)が完全に停止したか否か判定する。その結果、1の回転リール134a、134b、134cが停止していれば、ステップS506に処理を移し、まだ停止していなければ、ステップS505の処理を繰り返す。
(ステップS506)
上記ステップS505において操作したストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cが停止していると判定されれば、リール制御手段308は、全ての回転リール134a、134b、134cが停止しているか否か判定する。その結果、全ての回転リール134a、134b、134cが停止していれば、当該リール停止処理S500を終了し、まだ停止していない回転リール134a、134b、134cが存在すれば、ステップS501からの処理を繰り返す。
(副制御基板202のサブ処理)
図23は、副制御基板202のサブ処理を示したフローチャートである。ここでは本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
(ステップS1100)
電源スイッチ148を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化決定手段330は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化決定手段330は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをサブRAM202cに保持している。
(ステップS1200)
コマンド受信手段332は、主制御基板200からのコマンドが受信されるまで待機する。
(ステップS1300)
上記ステップS1200においてコマンドが受信されていると判定されれば、コマンド受信手段332は、当該受信されたコマンドに基づいて種々の処理を実行する。
(コマンド受信処理S1300)
図24は、上記ステップS1300のコマンド受信処理を示したフローチャートである。
(ステップS1301)
まず、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが投入コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが投入コマンドであれば、ステップS1302に処理を移し、受信したコマンドが投入コマンドでなければ、ステップS1303に処理を移す。
(ステップS1302)
上記ステップS1301において受信したコマンドが投入コマンドであると判定されれば、演出実行手段338は、次の遊技のための遊技開始準備が行われたとして、それまで実行されていた演出を所定条件下で切り換えたり、終了させる。
(ステップS1303)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが当選種別コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが当選種別コマンドであれば、1遊技が開始されたとし、ステップS1304に処理を移し、受信したコマンドが当選種別コマンドでなければ、ステップS1307に処理を移す。
(ステップS1304)
上記ステップS1303において受信したコマンドが当選種別コマンドであると判定されれば、特定遊技決定手段334は、当選種別コマンドに示される主制御基板200が管理する遊技状態がボーナス成立遊技状態であることを条件に、当選種別コマンドに示される当選種別および副制御基板202で管理している遊技状態に基づき、サブROM202bに保持された図16に示したような特定遊技抽選テーブルを参照して、演出抽選乱数に基づき、複数の特定遊技(通常AT遊技または擬似ボーナス遊技)のいずれかに当選しているか否か判定する。
なお、ここでは、通常AT遊技の実行が決定された場合は通常AT遊技の継続回数やセット数も決定され、通常AT遊技カウンタに設定される。また、擬似ボーナス遊技の実行が決定された場合は擬似ボーナス遊技におけるナビ回数も決定される。ここで、通常AT遊技カウンタは、通常AT遊技の残り継続回数を示すカウンタである。また、副制御基板202で管理している遊技状態が通常AT遊技状態であれば、特定遊技決定手段334は、通常AT遊技の継続回数やセット数の上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選に当選すると、当選した継続回数やセット数を通常AT遊技カウンタに加算する。
また、受信した当選種別コマンドが擬似当選種別抽選の抽選結果(擬似当選種別)を示し、その擬似当選種別が当選種別「赤7リプレイ」である場合、通常AT遊技のセット数を通常AT遊技カウンタに設定または加算する。こうして、遊技者は、擬似遊技の遊技結果として通常AT遊技のセット数を取得することができる。
(ステップS1305)
続いて、演出決定手段336は、当選種別コマンドに基づいて遊技の演出を決定する。ここで、通常AT遊技や擬似ボーナス遊技が実行されている場合、補助演出が決定される。
(ステップS1306)
次に、演出実行手段338は、演出決定手段336によって決定された演出を実行開始する。例えば、決定された演出が補助演出であれば、演出実行手段338は、当該補助演出を実行する。
(ステップS1307)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが停止コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが停止コマンドであれば、ステップS1308に処理を移し、受信したコマンドが停止コマンドでなければ、ステップS1309に処理を移す。
(ステップS1308)
上記ステップS1307において受信したコマンドが停止コマンドであると判定されれば、演出実行手段338は、その停止コマンドが、第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンドのいずれであるか、また、その停止操作は、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれになされた停止操作かを判定し、その判定結果と演出の内容に基づいて、演出態様を変動させる。
(ステップS1309)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが入賞コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが入賞コマンドであれば、ステップS1310に処理を移し、受信したコマンドが入賞コマンドでなければ、ステップS1313に処理を移す。
(ステップS1310)
上記ステップS1309において受信したコマンドが入賞コマンドであると判定されれば、演出実行手段338は、当該入賞コマンドに基づく演出を実行する。
(ステップS1311)
続いて、特定遊技決定手段334は、副制御基板202で管理される遊技状態の進行状態を把握し、遊技状態の終了判定を行う。したがって、通常AT遊技や擬似ボーナス遊技の終了条件を満たすと、その遊技状態が終了する。
(ステップS1312)
次に、特定遊技決定手段334は、副制御基板202で管理される遊技状態の開始判定を行う。したがって、通常AT遊技や擬似ボーナス遊技の開始条件を満たすと、その遊技状態が開始される。
(ステップS1313)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが払出コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが払出コマンドであれば、ステップS1314に処理を移し、受信したコマンドが払出コマンドでなければ、当該コマンド受信処理S1300を終了する。
(ステップS1314)
上記ステップS1313において受信したコマンドが払出コマンドであると判定されれば、演出実行手段338は、当該払出コマンドに基づく演出を実行し、当該コマンド受信処理S1300を終了する。すると、メダルの払出に応じて、サブクレジット表示部156およびサブ払出表示部158の数値が更新される。
(第2の実施形態)
上述した実施形態では、擬似遊技の擬似当選種別抽選において、基本遊技の当選種別抽選により決定される当選種別(当選種別「赤7リプレイ」、当選種別「非赤7リプレイ」)と、操作し得る全ての操作態様(打順1〜6)において、操作態様に応じて有効ラインA上に表示される図柄組み合わせが等しい擬似当選種別を決定し、基本遊技における停止制御則をそのまま流用する例を挙げて説明した。しかし、擬似当選種別抽選で決定される擬似当選種別は、リプレイ役に対応する図柄組み合わせと等しい図柄組み合わせを有効ラインA上に表示し得る擬似リプレイ役さえ含めば、当選種別抽選により決定され得る当選種別と、操作し得る全ての操作態様(打順1〜6)のうち、全てまたは一部の操作態様について、互いに、その操作態様に応じて有効ラインA上に表示される図柄組み合わせが異なるとしてもよい。以下、第2の実施形態として、擬似当選種別と当選種別とが、操作態様に応じて有効ラインA上に表示される図柄組み合わせが異なる場合の停止制御則について説明する。なお、第1の実施形態と共通の処理に関しては重複した説明を省略し、ここでは第2の実施形態に特有の処理について具体的に説明する。また、第2の実施形態では、図9および図10の当選種別抽選テーブルにおいて、当選種別「赤7リプレイ」および当選種別「非赤7リプレイ」を設定しておらず、かつ、当選役「赤7リプレイ」および当選役「非赤7リプレイ」を採用していない。
図25は、擬似当選役を説明するための説明図であり、図26は、擬似遊技における擬似当選種別抽選テーブルを示す図であり、図27は、擬似遊技の動作を説明する説明図である。第2の実施形態では、図25のように、基本遊技における当選種別抽選テーブルの当選種別とは図柄組み合わせが異なる新たな擬似当選役を用いる。すなわち、図25(a)に示すように、「特殊リプレイ3」、「赤7単独リプレイ」、「非赤7単独リプレイ」を新たに設けている。
擬似当選役「特殊リプレイ3」が含まれる擬似当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合には、図25(a)に示した擬似当選役「特殊リプレイ3」に対応する図柄組み合わせである、例えば、左リール134aに記される「ベル」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「ベル」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「リプレイ」図柄が有効ラインA上に表示可能となる(図25(b)参照)。同様に、擬似当選役「赤7単独リプレイ」が含まれる擬似当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合には、図25(a)に示した擬似当選役「赤7単独リプレイ」に対応する図柄組み合わせである、例えば、左リール134aに記される「赤7」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「赤7」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「赤7」図柄が有効ラインA上に表示可能となる(図25(c)参照)。また、擬似当選役「非赤7単独リプレイ」が含まれる擬似当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合には、図25(a)に示した擬似当選役「非赤7単独リプレイ」に対応する図柄組み合わせである、例えば、左リール134aに記される「リプレイ」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「赤7」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「赤7」図柄が有効ラインA上に表示可能となる(図25(d)参照)。
そして、擬似当選種別抽選手段314が、擬似当選種別抽選乱数を取得し、擬似当選種別抽選により、擬似当選種別と、擬似遊技の継続可否を決定する。図26の擬似当選種別抽選テーブルによれば、当選領域1には、所定の擬似リプレイ役としての擬似当選役「特殊リプレイ2」が設定された擬似当選種別「チャンスリプレイ3」が対応付けられ、当選領域2には、所定の擬似当選役としての擬似当選役「特殊リプレイ3」が設定された擬似当選種別「チャンスリプレイ4」が対応付けられ、当選領域3には、所定の擬似リプレイ役としての擬似当選役「赤7単独リプレイ」が設定された擬似当選種別「赤7単独リプレイ」が対応付けられ、当選領域4には、所定の擬似リプレイ役としての擬似当選役「非赤7単独リプレイ」が設定された擬似当選種別「非赤7単独リプレイ」が対応付けられている。ここで、擬似当選役「特殊リプレイ2」は、図6および図7で示した当選役「特殊リプレイ2」と複数の図柄組み合わせが等しいものとする。図26を参照して理解できるように、当該擬似当選種別抽選テーブルには、擬似当選役「特殊リプレイ2」、「赤7単独リプレイ」、「非赤7単独リプレイ」の擬似リプレイ役、および、擬似当選役「特殊リプレイ3」のいずれかの擬似当選役が含まれる擬似当選種別に必ず当選することとなる。また、当選領域1および3には、継続抽選の不実行が対応付けられ、当選領域2および4には、継続抽選の実行が対応付けられている。当選領域1、2、3、4の当選確率は、例えば、1:1:1:1であり、当選領域2や4が決定し、継続抽選が行われた場合に、擬似遊技の継続が決定される確率は、例えば1/2である。
本実施形態においては、上述したように、擬似当選種別抽選で決定される擬似当選種別は、当選種別抽選により決定される当選種別と、操作態様に応じて有効ラインA上に表示される図柄組み合わせが異なる場合がある。したがって、そのような場合、基本遊技における停止制御設定ロジックおよび図柄引き込みロジックを単純に流用することができない。
例えば、当該擬似当選種別抽選テーブルの当選領域1における擬似当選種別「チャンスリプレイ3」は、図10に示した当選種別抽選テーブルの当選領域3における当選種別「チャンスリプレイ2」と、操作態様に応じて有効ラインA上に表示される図柄組み合わせが異なる場合がある。すなわち、遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作態様が打順3〜6であった場合、当選種別抽選テーブルの当選領域3における当選種別「チャンスリプレイ2」、および、擬似当選種別抽選テーブルの当選領域1における擬似当選種別「チャンスリプレイ3」のいずれが当選した場合であっても、当選役「特殊リプレイ2」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるので、基本遊技における停止制御設定ロジックおよび図柄引き込みロジックを流用できるが、遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作態様が打順1または2であった場合、当選種別抽選テーブルの当選領域3における当選種別「チャンスリプレイ2」では、当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるのに対し、擬似当選種別抽選テーブルの当選領域1における擬似当選種別「チャンスリプレイ3」では、当選役「特殊リプレイ2」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示される。したがって、有効ラインA上に表示される図柄組み合わせが異なる操作態様、ここでは、打順1または2に関しては、基本遊技における停止制御設定ロジックおよび図柄引き込みロジックを流用することができず、停止制御設定手段306は、その操作態様(打順1または2)に関し、擬似当選種別抽選の抽選結果に対応して、当選種別抽選の抽選結果に対応する停止制御則とは異なる停止制御則を設定することとなる。
なお、ここでは、基本遊技において当選役が重複当選し(当選種別「チャンスリプレイ2」)、擬似遊技において擬似当選役が単独で当選する(擬似当選種別「チャンスリプレイ3」)例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、基本遊技において当選役が単独で当選し、擬似遊技において擬似当選役が重複当選したり、基本遊技において当選役が重複当選し、擬似遊技においても擬似当選役が重複当選する仕様を採用することも可能である。ただし、重複する当選役または擬似当選役の種類や数は、それぞれの当選種別または擬似当選種別で任意に設定することができる。
また、当該擬似当選種別抽選テーブルの当選領域2における擬似当選種別「チャンスリプレイ4」に対応する図柄組み合わせは、図10に示した当選種別抽選テーブルの当選種別に対応する図柄組み合わせには存在せず、全く新たな擬似当選種別(擬似当選役)となっている。したがって、当選種別抽選により決定される当選種別と、その当選種別に含まれる当選役に対応する図柄組み合わせが異なることとなる。この場合、操作し得る全ての操作態様(打順1〜6)に関し、基本遊技における停止制御設定ロジックおよび図柄引き込みロジックを流用することができず、停止制御設定手段306は、操作し得る全ての操作態様(打順1〜6)に関し、擬似当選種別抽選の抽選結果に対応して、当選種別抽選の抽選結果に対応する停止制御則とは異なる停止制御則を設定することとなる。
このように、擬似当選種別抽選で決定される擬似当選種別が、当選種別抽選により決定される当選種別と、操作態様に応じて有効ラインA上に表示される図柄組み合わせが異なる場合、少なくとも、図柄組み合わせが異なる操作態様に関しては、基本遊技の停止制御をそのまま流用できず、基本遊技とは異なる停止制御を独立して設定する。例えば、擬似遊技において、ストップスイッチ130が押圧操作されたときに、擬似当選種別抽選における擬似当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、有効ラインA上にはないが、各回転リール134a、134b、134cの回転方向と反対の方向の引込範囲内に存在している場合には、リール制御手段308によって、離れている図柄数が滑りコマ数となり、当該擬似当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。また、擬似当選役に対応する図柄が各回転リール134a、134b、134c中に複数あり、いずれも各回転リール134a、134b、134cの引込範囲内に存在している場合には、予め定められた優先順位に従っていずれの図柄を有効ラインA上に引き込むか決定され、当該優先された図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。なお、ストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選した擬似当選役以外の擬似当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段308によって、その図柄を有効ラインA上に停止させないようにする、所謂蹴飛ばし処理も並行して実行される。ここでは、擬似当選種別「チャンスリプレイ3」が当選し、遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作態様が打順3〜6であった場合には、基本遊技において利用される停止制御を擬似遊技に用いることができ、擬似当選種別「チャンスリプレイ3」が当選し、遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作態様が打順1、2であった場合、または、擬似当選種別「チャンスリプレイ4」に当選した場合は、擬似遊技専用の停止制御を用いる。ただし、擬似当選役「特殊リプレイ2」および擬似当選役「特殊リプレイ3」は、かかる擬似当選役に対応する1または複数の図柄組み合わせを構成する1または複数の図柄が最大図柄4コマ分しか離隔していないので、基本遊技の停止制御則に従った停止制御と同様、最大滑りコマ数を「4」として停止制御を行うことができる。
また、当該擬似当選種別抽選テーブルの当選領域3における擬似当選種別「赤7単独リプレイ」に対応する図柄組み合わせおよび当選領域4における擬似当選種別「非赤7単独リプレイ」に対応する図柄組み合わせも、図10に示した当選種別抽選テーブルの当選種別に対応する図柄組み合わせには存在せず、全く新たな擬似当選種別(擬似当選役)となっている。したがって、当選種別抽選により決定される当選種別と、その当選種別に含まれる当選役に対応する図柄組み合わせが異なることとなる。また、擬似当選種別「赤7単独リプレイ」、擬似当選種別「非赤7単独リプレイ」に設定されている擬似当選役「赤7単独リプレイ」、擬似当選役「非赤7単独リプレイ」は、擬似当選役「赤7単独リプレイ」および擬似当選役「非赤7単独リプレイ」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄のうち、「赤7」図柄に関しては、各回転リール134a、134b、134cそれぞれにおいて1つずつしか配されておらず、上述した擬似当選役「特殊リプレイ2」や擬似当選役「特殊リプレイ3」のように最大滑りコマ数4コマの引き込みを行う停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示できるとは限らない。そこで、擬似当選種別「赤7単独リプレイ」または擬似当選種別「非赤7単独リプレイ」に当選した場合、停止制御設定手段306は、擬似遊技専用の停止制御設定ロジックを用いて、各回転リール134a、134b、134cの回転方向と反対の方向の図柄4コマ分より多いコマ数、例えば、図柄20コマ分に相当する範囲を引込範囲として設定し(最大滑りコマ数=20)、擬似当選種別抽選の抽選結果に対応する停止制御則を設定する。すなわち、擬似遊技で設定される停止制御則における最大滑りコマ数を、基本遊技で設定される停止制御則における最大滑りコマ数より多くして、基本遊技における最大滑りコマ数と異なるように設定する。ただし、擬似当選役「非赤7単独リプレイ」の左リール134aに対応する図柄は「リプレイ」図柄なので、最大滑りコマ数を基本遊技同様「4」とすることができる。そして、リール制御手段308は、スタートスイッチ128の操作に応じて、複数の回転リール134a、134b、134cを回転制御し、回転している回転リール134a、134b、134cにそれぞれ対応した複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作に応じ、擬似遊技専用の図柄引き込みロジックを用いて、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cをそれぞれ停止制御する。こうして、擬似当選役「赤7単独リプレイ」および擬似当選役「非赤7単独リプレイ」に対応する図柄組み合わせを構成する同一の図柄同士が、各回転リール134a、134b、134c内で図柄4コマ分より離隔していても、また、擬似当選役「赤7単独リプレイ」および擬似当選役「非赤7単独リプレイ」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が各回転リール134a、134b、134c内に1つしか配されていなくても、擬似当選役「赤7単独リプレイ」および擬似当選役「非赤7単独リプレイ」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を必ず有効ラインA上に表示させることができる。
なお、ここでは、擬似当選種別「赤7単独リプレイ」、擬似当選種別「非赤7単独リプレイ」に設定されている擬似当選役「赤7単独リプレイ」、擬似当選役「非赤7単独リプレイ」について、擬似当選役「赤7単独リプレイ」および擬似当選役「非赤7単独リプレイ」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄のうち、「赤7」図柄に関し、各回転リール134a、134b、134cそれぞれにおいて1つずつしか配されていない例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、擬似当選役「赤7単独リプレイ」および擬似当選役「非赤7単独リプレイ」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、各回転リール134a、134b、134cそれぞれにおいて2以上配されていてもよい。ただし、擬似当選役「赤7単独リプレイ」および擬似当選役「非赤7単独リプレイ」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄同士が、各回転リール134a、134b、134c内で図柄4コマ分より離隔している場合、上述したように、擬似遊技で設定される停止制御則における最大滑りコマ数は、基本遊技で設定される停止制御則における最大滑りコマ数より多くしなければならない。また、擬似当選役「赤7単独リプレイ」および擬似当選役「非赤7単独リプレイ」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示するために、擬似遊技専用の制御則を設定し、各回転リール134a、134b、134cの回転方向と反対の方向の図柄20コマ分に相当する範囲を引込範囲とする例を挙げて説明したが、対象となる擬似当選役は、擬似当選役「赤7単独リプレイ」、「非赤7単独リプレイ」に限らず、擬似当選種別に含まれる種々の擬似当選役、例えば、擬似当選役「特殊リプレイ2」、「特殊リプレイ3」に適用することもできる。また、引込範囲は20コマ分に限らず、4コマ以上の任意のコマ数を適用できる。
なお、このように基本遊技と独立して、異なる停止制御を行う場合、図20に示した抽選処理のステップS311において、停止制御設定手段306は、擬似遊技専用の停止制御設定ロジックを用いて擬似当選種別抽選の抽選結果(擬似当選種別)に対応する停止制御則を設定することとなる。
上述したように、第2の実施形態においては、基本遊技とは異なる、独立した停止制御則を設定し、その停止制御則に基づいて停止制御を行っている。しかし、かかる停止制御では、スタートスイッチ128の操作に応じて、少なくとも複数の回転リール134a、134b、134cが回転開始し、その後、ストップスイッチ130が操作されると、そのストップスイッチ130に対応する回転リール134a、134b、134cが停止して、最終的にリプレイ役を構成する図柄組み合わせの各回転リール134a、134b、134cに対応する図柄が必ず有効ラインA上に表示される。したがって、擬似遊技専用の停止制御によっても、遊技者は、その遊技を基本遊技と勘違いすることとなる。ここでは、擬似遊技における遊技結果として、第1の実施形態同様、まだ遊技が継続することを示す当選役、例えば、リプレイ役(ここでは、当選役「特殊リプレイ2」、「赤7リプレイ」、「非赤7リプレイ」、「通常リプレイ」)に対応する図柄組み合わせを表示させるので、基本遊技の途中に擬似遊技が行われ、遊技者が、擬似遊技が終了したとしてもまだ1遊技に相当する基本遊技を実行可能な状態の擬似遊技の遊技結果を、基本遊技による遊技結果(リプレイ役の入賞)と勘違いしたとしても、リプレイ役が入賞したと勘違いすることになり、遊技をやめてしまう事態を回避することができる。
ただし、上述した擬似当選役「特殊リプレイ3」に対応する図柄組み合わせは、基本遊技においてリプレイ役に対応する図柄組み合わせとして設定されていない。したがって、遊技者は、当該擬似当選役「特殊リプレイ3」に対応する図柄組み合わせを、リプレイ役が入賞したと認識しない場合がある。そこで、擬似当選役「特殊リプレイ3」に当選した場合、演出実行手段338が、その擬似遊技が基本遊技ではなく、リール演出の一態様であることを、例えば、液晶表示部138に、擬似遊技が実行されている旨を示す「フリープレイ」の文字を出力したり、液晶表示部138以外のデバイスで擬似遊技である旨を報知したり、回転リール134a、134b、134cの停止時、ここでは、例えば、左リール134aの停止時に、回転リール134a、134b、134cの回動を伴わない状態で振動させたりすることで、遊技者に、擬似遊技が実行されている旨の報知を行う。ここで、振動は、500msec以内の所定時間毎に、所定の回転角度範囲で上下方向に1または複数回揺動したり(例えば、ステッピングモータが2ステップ(?回転角1.4度)分上方に回転し、その位置から2ステップ分下方に回転して元の位置に戻ったり)、所定の距離範囲で左右方向に1または複数回揺動する動作をいう。遊技者は、かかる液晶表示部138における「フリープレイ」の表示や回転リール134a、134b、134cの振動を視認して、その遊技が擬似遊技であることを認識できるので、擬似遊技が終了したとしても、まだ1遊技に相当する基本遊技が行われることを把握でき、遊技をやめてしまう事態を回避することが可能となる。
なお、このような当該遊技が擬似遊技であることを報知する処理は、リプレイ役に対応する図柄組み合わせが設定されていない擬似当選役「特殊リプレイ3」に限らず、リプレイ役に対応する図柄組み合わせが設定されている擬似当選役(擬似リプレイ役)に対して実行してもよい。この場合、リプレイ役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させつつ、一部または全部のストップボタンスイッチ130a、130b、130cの停止操作時や、一部または全部の回転リール134a、134b、134cの停止時の任意のタイミングで擬似遊技が実行されている旨の報知処理を行うことができる。したがって、擬似遊技において、リプレイ役に対応する図柄組み合わせが表示されると、遊技者は、リプレイ役が入賞したと勘違いすることになり、遊技をやめてしまう事態を回避することができ、遊技者が、万が一、リプレイ役に対応する図柄組み合わせが表示されていることを認識できなかったとしても、かかる擬似遊技の報知処理により、その遊技が擬似遊技であることを認識できるので、遊技をやめてしまう事態をより確実に回避することが可能となる。
続いて、図27を用いて、第2の実施形態における擬似遊技の具体的な動作を説明する。例えば、擬似遊技において、演出実行手段338は、打順6の補助演出を行う。そして、擬似遊技のためストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を受付可能にした後、遊技者による、複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cのうち補助演出で指示されたストップボタンスイッチ130cの操作に応じて、リール制御手段308が、任意の図柄引き込みロジックを用いてそのストップボタンスイッチ130cに対応する右リール134cを停止制御し、遊技者による、補助演出で指示されたストップボタンスイッチ130bの操作に応じて、リール制御手段308が、任意の図柄引き込みロジックを用いてそのストップボタンスイッチ130bに対応する中リール134bを停止制御する。そうすると、図27(a)に示すように、中リール134bの有効ラインA上に「ベル」図柄が、右リール134cの有効ラインA上に「リプレイ」図柄が表示される。この時点で、擬似当選種別抽選で当選した擬似当選種別が擬似当選種別「チャンスリプレイ3」および擬似当選種別「チャンスリプレイ4」に絞られる。このとき、擬似当選種別「チャンスリプレイ3」が当選していると擬似遊技の継続が決定し、擬似当選種別「チャンスリプレイ4」が当選していると擬似遊技の継続抽選が実行される遊技性を採用している場合、遊技者は、擬似当選種別「チャンスリプレイ3」が当選しているのを望むこととなる。そして、遊技者による、残りのストップボタンスイッチ130aの操作に応じて、リール制御手段308が、任意の図柄引き込みロジックを用いてそのストップボタンスイッチ130aに対応する左リール134aを停止制御する。このとき、擬似当選種別「チャンスリプレイ3」が当選していると、図27(b)のように、擬似当選役「特殊リプレイ2」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示され、遊技利益の付与はないものの、擬似遊技の継続が決定される。また、擬似当選種別「チャンスリプレイ4」が当選していると、図27(c)のように、擬似当選役「特殊リプレイ3」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示される。ここで、ベットスイッチ126を操作することにより、回転リール134a、134b、134cが再始動し、逆転処理が行われると、最終的に図27(d)のように、擬似当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示され、擬似遊技の継続が決定される。一方、ベットスイッチ126を操作しても逆転処理が行われないと、擬似遊技の終了が確定する。こうして、遊技者は、擬似遊技において、再度の擬似遊技の機会を得るため、擬似当選種別「チャンスリプレイ4」よりは擬似当選種別「チャンスリプレイ3」が当選することを願い、また、擬似当選種別「チャンスリプレイ4」に当選したとしても、少なくとも再度の擬似遊技の機会を得るため、継続抽選に当選していることを願うこととなる。
また、擬似遊技において、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を受付可能にした後、遊技者による、複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cのうち補助演出で指示されたストップボタンスイッチ130cの操作に応じて、リール制御手段308が、任意の図柄引き込みロジックを用いてそのストップボタンスイッチ130cに対応する右リール134cを停止制御し、遊技者による、補助演出で指示されたストップボタンスイッチ130bの操作に応じて、リール制御手段308が、任意の図柄引き込みロジックを用いてそのストップボタンスイッチ130bに対応する中リール134bを停止制御する。そうすると、図27(e)に示すように、中リール134bの有効ラインA上に「赤7」図柄が、右リール134cの有効ラインA上に「赤7」図柄が表示される。この時点で、擬似当選種別抽選で当選した擬似当選種別が擬似当選種別「赤7単独リプレイ」および擬似当選種別「非赤7単独リプレイ」に絞られる。このとき、擬似当選種別「赤7単独リプレイ」が当選していると、通常AT遊技が1または複数セット付与され、かつ、擬似遊技の継続が決定し、擬似当選種別「非赤7単独リプレイ」が当選していると擬似遊技の継続抽選が実行される遊技性を採用している場合、遊技者は、擬似当選種別「赤7単独リプレイ」が当選しているのを望むこととなる。そして、遊技者による、残りのストップボタンスイッチ130aの操作に応じて、リール制御手段308が、任意の図柄引き込みロジックを用いてそのストップボタンスイッチ130aに対応する左リール134aを停止制御する。このとき、擬似当選種別「赤7単独リプレイ」が当選していると、図27(f)のように、擬似当選役「赤7単独リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示され、通常AT遊技が1または複数セットが付与されるとともに、擬似遊技の継続が決定される。また、擬似当選種別「非赤7単独リプレイ」が当選していると、図27(g)のように、擬似当選役「非赤7単独リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示される。ここで、ベットスイッチ126を操作することにより、回転リール134a、134b、134cが再始動し、逆転処理が行われると、最終的に図27(h)のように、擬似当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示され、擬似遊技の継続が決定される。一方、ベットスイッチ126を操作しても逆転処理が行われないと、擬似遊技の終了が確定する。こうして、遊技者は、擬似遊技において、遊技利益に加え再度の擬似遊技の機会を得るため、擬似当選種別「非赤7単独リプレイ」よりは擬似当選種別「赤7単独リプレイ」が当選することを願い、また、擬似当選種別「非赤7単独リプレイ」に当選したとしても、少なくとも再度の擬似遊技の機会を得るため、継続抽選に当選していることを願うこととなる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態においては、フリーズ演出の開始タイミングを基本遊技におけるスタートスイッチ128の操作タイミングとし、逆転処理の開始タイミングをベットスイッチ126の操作タイミングとしたが、かかる場合に限らず、このような開始タイミングを、他の任意のスイッチの操作タイミングや遊技の進行状態(擬似ボーナス遊技終了後の遊技数が規定回数に到達した等)等の所定の契機とすることができる。
また、上述した実施形態においては、擬似遊技を基本遊技と似せた遊技とすることを説明したが、例えば、規則等により、擬似遊技を意図的に基本遊技と異なるように動作させないとならない場合、それを妨げるものではない。
また、上述した実施形態においては、擬似遊技の遊技結果として、当選役「赤7リプレイ」や当選役「非赤7リプレイ」等のリプレイ役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示する例を挙げて説明したが、遊技者が有効ラインA上に表示された図柄組み合わせがリプレイ役の図柄組合せと等しいと判断できれば、いずれのリプレイ役に対応する図柄組み合わせを表示してもよい。
また、上述した実施形態においては、擬似遊技においては、擬似当選役「赤7リプレイ」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることで遊技者に遊技利益が付与されたことを示す例を挙げたが、遊技者が、遊技利益が付与されたことさえ把握できれば、有効ラインA上にいずれの擬似当選役を表示してもよい。
また、上述した実施形態においては、擬似遊技の擬似当選種別抽選において、擬似当選種別と擬似遊技の継続可否とを同時に決定する例を挙げて説明したが、擬似当選種別のみを抽選し、擬似遊技の継続可否の抽選を実行しないとしてもよい。その場合、擬似遊技の回数が予め決定されており、その回数に到達することで、基本遊技が再開されるとしてもよい。
また、上述した実施形態においては、擬似遊技の遊技結果として、擬似当選役「赤7リプレイ」が有効ラインA上に表示された場合、遊技利益の付与に加え、擬似遊技の継続可否の抽選を行うことなく、再度擬似遊技を実行できることが確定する例を挙げて説明したが、擬似当選種別「赤7リプレイ」が当選した場合にも、擬似遊技の継続可否の抽選を実行するとしてもよい。
また、上述した実施形態においては、逆転処理の開始契機をベットスイッチ126の操作としたが、かかる場合に限らず、例えば、開始契機を、スタートスイッチ128等の操作としてもよい。ここで、擬似遊技の継続抽選に当選した場合、スタートスイッチ128の操作によって、直接、次の擬似遊技が開始され(回転リール134a、134b、134cが回転し)、擬似遊技の継続抽選に当選しなかった場合、その旨の報知を行った後、直接、基本遊技が再開される(回転リール134a、134b、134cが回転する)とすることができる。
また、上述した実施形態においては、擬似遊技において、ベットスイッチ126を擬似当選種別「非赤7リプレイ」や擬似当選種別「非赤7単独リプレイ」に当選したときのみ操作する例を挙げて説明しているが、かかる場合に限らず、擬似当選種別「赤7リプレイ」や擬似当選種別「赤7単独リプレイ」が当選した場合においても、基本遊技と似せてベットスイッチ126の操作を行わせるとしてもよい。また、上述した実施形態では、図19を用いて説明したベット処理(S200)中のステップS207〜S209において擬似当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせを表示する逆転処理を実行しているが、かかるロジックをベット処理(S200)とは独立して実行するとしてもよい。
また、上述した実施形態においては、擬似遊技において擬似当選種別「非赤7リプレイ」や擬似当選種別「非赤7単独リプレイ」に当選し、かつ、継続抽選に当選した場合、逆転処理として、擬似当選役「非赤7リプレイ」に対応する図柄組み合わせや擬似当選役「非赤7単独リプレイ」に対応する図柄組み合わせを表示した後、遊技者によるベットスイッチ126の操作を待って擬似当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせを表示し、再度、擬似遊技を実行できることを報知する例を挙げて説明したが、逆転処理はかかる場合に限らず、擬似当選役「非赤7リプレイ」に対応する図柄組み合わせや擬似当選役「非赤7単独リプレイ」に対応する図柄組み合わせを表示した後、遊技者によるベットスイッチ126の操作を待って左リール134aのみを逆回転させ、擬似当選役「赤7リプレイ」に対応する図柄組み合わせを表示するとしてもよい。
また、上述した実施形態では、図22を用いて説明したリール停止処理(S500)中のステップS501において、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対するタイムアウト時間が経過していればストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作がなされたとみなされる処理を実行しているが、かかるロジックをリール停止処理(S500)とは独立して実行するとしてもよい。
なお、擬似遊技は、あくまで基本遊技の1演出であるが、遊技の進行の上で、基本遊技のみの遊技数を計数したり、擬似遊技も含めて遊技数を計数する等、様々な遊技性を採用することができる。
また、基本遊技と擬似遊技とで各表示器の表示態様や演出を異ならせることができる。例えば、基本遊技においては、メイン払出表示部154にメダルの払出枚数が表示されるが、擬似遊技においては、メダルの払い出しが生じないので、消灯状態を維持するとしてもよい。
また、上述した主制御基板200および副制御基板202が行う各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。