JP5836186B2 - 歯車検査装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、歯車検査装置及び方法に関する。
近年の機械製品の飛躍的発展により、機械製品にはこれまで以上の高精度化と各製品特有の設計が求められ、多品種生産が行われている。他品種生産を行う現場では、全数検査を行うことは煩雑であり困難であった。
また、各種歯車装置を有する機械製品においては、震災等で生じる設計時の想定を超える負荷に対する安全性確保の観点から、歯車装置の保守管理の要求が高まっている。
吉田ら(非特許文献1参照)や大上ら(非特許文献2参照)は、歯車箱の振動加速度などの計測値をウェーブレット変換することで、歯車の損傷の診断を行う技術を報告している。この技術では、歯車本体の振動を計測するのは困難であるため、歯車箱や軸受部の振動や近接音の計測値から損傷診断を行っている。しかし、振動や近接音といった情報はあくまで装置や空気を伝播してきた間接的な情報である。このため、これらの情報に基づいた場合、歯車の損傷が大きく進行してからでないと診断をすることが困難であり、歯車の損傷の発見が遅れる可能性がある。
歯車の損傷を早期に発見できる可能性が高い手法として次の2つがあげられる。
藤尾ら(非特許文献3参照)は、高解像度CCDイメージセンサを用いて斜入射レーザ干渉法による歯車歯面形状偏差の測定手法の開発を行っている。この手法によって、従来の触針式の歯形・リード試験機と同程度の精度で、歯車歯面形状を測定可能であることが明らかとなっている。
永田ら(非特許文献4参照)は、近赤外線カメラと赤外線ライトを利用して撮影した近赤外線画像を画像処理することで、歯当たり部分を明確化し、自動的に歯当たり箇所を特定する手法について検討している。
ただし藤尾らや永田らの手法は、比較的高額で大きな装置を必要とする。また、これらの手法を用いる場合、計測時には歯車を停止させる必要があり、計測に要する時間も比較的長い。
一方、レーザレンジセンサ(株式会社キーエンス製 高精度2次元レーザ変位計LJ−Gシリーズ等)を使用すれば、歯面形状を、2次元断面の凹凸形状として容易に測定することができる。しかし、2次元計測可能なこの種のレーザレンジセンサを含むシステムを用いた場合、コストが高額になるとともに計測に時間を要する。
上述した歯車損傷診断技術を機械装置の全数検査に適用することや機械装置内に組み込むことは、現実的には困難であるため、本発明者らは、特許文献1に記載された発明を提案している。
同発明は、歯車の歯面等の損傷検知方法及び装置に係るものであり、歯面に対してレーザ光を照射し、その反射の様子を調べるものである。同発明によれば、消しゴム程度に小形で数万円程度のレーザセンサ1つで容易に歯面状況を把握できる。
具体的には、同発明で使用するレーザセンサは、一定の出射角度でレーザ光を出射し、歯面におけるレーザ光の照射幅は、照射距離に比例する。レーザセンサは、歯面で反射したレーザ光の反射光の受光量(反射光量)を計測することができる。レーザセンサは、レーザ光の照射幅が歯筋方向に一致するように、歯面に対して斜めにレーザ光を照射し、歯車の回転に合わせて全ての歯の片歯面および歯先について、1歯ごとに反射光量を計測する。
この際、歯面が完全な鏡面の場合、斜めに照射されたレーザ光は全反射するが、歯面にピッチング等の凹凸が生じていると、乱反射が発生する。乱反射したレーザ光の光量に応じてレーザセンサの出力電圧値が変化するため、レーザセンサの出力電圧値を測定することで、歯面状態を非接触のまま把握することが可能となる。従って、同発明によれば、反射光量の差に基づいて歯車の歯面状態の変化を診断することができる。
しかし、同じ歯車でも歯ごとに反射光量の強弱のばらつきがあり、反射光量の差に基づく診断が難しい場合があり、そして、診断するための反射光量の基準データを事前に取得しておく必要があるなど、同発明を使用できる条件が限定されていた。
そこで、本発明者らは、特許文献2に係る発明を提案した。同発明では、1つの歯の反射光量計測結果を連続ウェーブレット変換することによって、反射光量に比例した出力電圧値と回転角度の2変数で表される計測結果を、回転角度、周波数、及び、強度の3変数で表す。そして、それぞれ変換後の計測結果と基準強度曲線データの差を比較し、特定の周波数の信号が発生する範囲を傷として確認するだけで、反射光量の強弱のばらつきに影響されずに損傷の有無が検知できる。
一方、本発明者らは、基準データを理論的に導出する手法を提案している(非特許文献5参照)。同手法では、歯形曲線の方程式と、反射光量の照射角度及び照射距離依存性とに基づいて、基準データ(理論歯形)を算出する。照射角度及び照射距離依存性は、歯車ではなく板状の金属片に対し、照射角度及び照射距離を変化させながらレーザ光を照射したときの反射光量を測定することによって取得される(非特許文献6参照)。
特開2007−232660号公報 特願2011−096194号明細書
吉田彰、大上祐司、外4名,「ウェーブレット変換を用いた歯車動的性能変化による歯面損傷診断(歯面損傷診断に対するウェーブレット変換の有用性)」,日本機械学会論文集,C(1999),65−636,pp.3362−3367 大上祐司・吉田彰,「歯車歯面損傷に関する故障診断」,日本機械学会評価・診断に関するシンポジウム講演論文集,2002年12月5日,講演番号208,102−107頁, 藤尾博重、外6名,「CCDイメージセンサを用いたレーザ干渉法による歯車の歯面形状精度の測定」,日本機械学会論文集,C(1996),62−598,pp.2422−2430 M. Nagataet al.,「Optimization Of Method For Applicationof Tooth Contact Evaluation Using InfraredRay Imagery」,Proc. of MPT2009−Sendai,pp.169−174 大久保一弘・田中英一郎・岡部一成・和田諭・根本良三,「レーザ光を利用した簡易歯車歯面損傷診断手法の提案」,日本設計工学会秋期研究発表講演会平成22年度秋期大会研究発表講演論文集,(2010),pp.89−92 田中英一郎、外4名,「レーザ光による歯車歯面損傷診断技術の開発」,日本機械学会論文集,C(2007),73−729,pp.1545−1551
特許文献2に記載された発明によれば、全歯計測結果の平均値よりテンプレートを作成し、テンプレートを基準強度曲線データとして使用すれば、事前に損傷前の基準強度曲線データを取得しておくことは必要ない。しかしながらこの場合、もし、全ての歯に損傷や製造誤差があると、損傷や製造誤差を含む歯面からの反射光量に基づいて基準強度曲線データが作成されるので、これらの損傷や製造誤差を異常として検出することができない。
また、特許文献2に記載された発明では、傷固有の周波数を確認するので、傷の有無については容易且つ確実に確認できるが、その周波数での強度にばらつきがあるため、損傷範囲の特定精度が低下し、誤検知する可能性がある。
このため、特許文献2が開示する発明においても、全ての歯に損傷や製造誤差がある場合に高精度に歯面状態を診断するためには、損傷前の理想的な状態の歯車、すなわちマスター歯車で測定された基準強度曲線データを用いるのが望ましい。
しかしながら、マスター歯車を全ての機械製品について用意することは、多品種生産の状況下では困難である。
一方、非特許文献5に記載された手法で基準強度曲線データ(理論値)を算出した場合、ある程度までは実測値を再現できるが、場合によっては、縦軸(計測電圧)のレンジ(ゲイン)やオフセット量を調整せねばならず、更なる精度の向上が望まれている。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、検査対象の歯車よりも高精度の歯形を有するマスター歯車を用意せずとも、検査対象の歯車の歯の表面状態を高精度にて検査可能な歯車検査装置及び方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明の一態様によれば、検査対象歯車の検査対象歯の表面からの反射光量と前記検査対象歯車の回転角度との関係を表す強度プロファイルの実測値と、前記強度プロファイルの理論値とを比較して、前記検査対象歯の表面状態を判定する歯車検査装置であって、前記検査対象歯車の諸元に基づいて、前記検査対象歯の外形形状を表す歯形曲線を演算する歯形曲線演算部と、前記検査対象歯車と同程度の表面粗さ及び表面色を有する基礎データ取得用歯車の基礎データ取得用歯のサンプリング位置における、照射角度と照射距離と反射光量との関係を表す基礎データを記憶する基礎データ記憶部と、前記歯形曲線及び前記基礎データに基づいて、前記強度プロファイルの概算値を演算する、概算値演算部と、前記強度プロファイルの概算値を、前記検査対象歯に隣接する隣接歯の影響に応じて補正して前記強度プロファイルの理論値を演算する理論値演算部とを備えることを特徴とする歯車検査装置が提供される。
一態様の歯車検査装置によれば、歯形曲線及び基礎データに基づいて強度プロファイルの概算値が算出される。そして、強度プロファイルの概算値が隣接歯の影響に応じて補正され、これにより強度プロファイルの理論値が算出される。
この歯車検査装置によれば、強度プロファイルの概算値を隣接歯の影響に応じて補正することで、得られる強度プロファイルの理論値が高精度である。このため、強度プロファイルの理論値を実測値と比較すれば、検査対象歯車の歯面の状態を高精度にて判定することができ、損傷を早期に確実に発見することができる。
そして、この歯車検査装置は、検査対象歯車と同一の諸元を有する未使用の歯車を必ずしも必要とせず、強度プロファイルの理論値を演算により求めることができ、高い汎用性を有する。
また、この歯車検査装置は、検査対象歯車の諸元に基づいて歯形曲線を演算するので、複数種類の検査対象歯車を迅速に検査することができる。よって、この歯車検査装置は、他品種生産の全数検査に適している。
更に、この歯車検査装置では、検査対象歯車と同程度の表面粗さ及び表面色を有する基礎データ取得用歯車を用いて測定された基礎データに基づいて、強度プロファイルの概算値を演算し、概算値を隣接歯の影響に応じて補正して理論値を演算している。
この結果、強度プロファイルの実測値と理論値との間で、反射光量の最大値と最小値との差(レンジ)が高精度にて一致し、反射光量のオフセット量、即ちバックグランドの高低のみを調整すれば、実測値と理論値とを比較することができる。つまり、実測値と理論値とを比較する際に、レンジを調整する必要がない。このため、この歯車検査装置では、理論値のレンジを任意に調整する必要がなく、実測値と理論値とを客観的に比較することができ、判定を的確に行うことができる。
一方、基礎データ取得用歯車は、検査対象歯車と同程度の表面粗さ及び表面色を有していればよく、必ずしも、検査対象歯車よりも高い加工精度を有するマスター歯車である必要はない。
マスター歯車を準備することは、特注品などの一品物や少量生産品では困難であるが、基礎データ取得用歯車は、加工精度に関していえば検査対象歯車と同程度の歯車であればよく、且つ、傷が無い歯車であればよい。このため、基礎データ取得用歯車を準備することは容易であり、基礎データを低コストで容易に求めることができる。
また、基礎データを求めた後には、基礎データ取得用歯車を製品として用いることもできる。
好ましくは、歯車検査装置は、前記隣接歯の影響を表す近似関数を演算するための近似関数演算部を更に備え、前記近似関数演算部は、前記検査対象歯車と同程度の表面粗さ及び表面色を有する隣接歯有歯車の隣接歯有歯の表面からの反射光量と前記隣接歯有歯車の回転角度との関係を表す強度プロファイルの実測値と、隣接歯が存在しない隣接歯無歯を有する点において前記隣接歯有歯車とは異なる隣接歯無歯車の前記隣接歯無歯の表面からの反射光量と前記隣接歯無歯車の回転角度との関係を表す強度プロファイルの実測値との差を演算し、そして、前記差を近似することによって前記近似関数を演算する。
この構成によれば、隣接歯有歯車及び隣接歯無歯車を用いて近似関数が求められる。隣接歯有歯車及び隣接歯無歯車は、検査対象歯車と同程度の表面粗さ及び表面色を有していればよく、必ずしも、検査対象歯車よりも高い加工精度を有するマスター歯車である必要はない。
そして、隣接歯有歯車及び隣接歯無歯車は、加工精度に関していえば検査対象歯車と同程度であればよく、且つ、傷が無い歯車であればよい。このため、隣接歯有歯車及び隣接歯無歯車を準備することは容易であり、近似関数も低コストで容易に求めることができる。
また、近似関数を求めた後には、隣接歯有歯車を製品として用いることもできる。
更に、隣接歯有歯車及び隣接歯無歯車は、検査対象歯車と同程度の表面粗さ及び表面色を有していればよく、必ずしも、隣接歯有歯車及び隣接歯無歯車のモジュールや歯数が検査対象歯車のモジュールや歯数と一致している必要はない。つまり、近似関数は、隣接歯有歯車及び隣接歯無歯車やモジュールや歯数が異なる検査対象歯車の検査に汎用的に用いることができる。
この結果、この構成の歯車検査装置は汎用性が更に高く、他品種生産の全数検査に適している。
好ましくは、歯車検査装置は、前記基礎データを取得する基礎データ取得用ユニットを更に備え、前記基礎データ取得用ユニットは、前記基礎データ取得用歯車を固定するステージと、前記基礎データ取得用歯車の基礎データ取得用歯のサンプリング位置を回転中心として周方向及び径方向に移動可能に設けられ、前記サンプリング位置に向けて光を照射する出射部及び前記サンプリング位置からの反射光を受光する受光部を有するレーザセンサと、を有する。
この構成では、サンプリング位置を回転中心として周方向及び径方向に移動可能にレーザセンサが設けられているので、迅速且つ高精度にて基礎データを取得することができる。
また、上述した目的を達成するために、本発明の一態様によれば、検査対象歯車の検査対象歯の表面からの反射光量と前記検査対象歯車の回転角度との関係を表す強度プロファイルの実測値と、前記強度プロファイルの理論値とを比較して、前記検査対象歯の表面状態を判定する歯車検査方法であって、前記検査対象歯車の諸元に基づいて、前記検査対象歯の外形形状を表す歯形曲線を演算する歯形曲線演算工程と、前記検査対象歯車と同程度の表面粗さ及び表面色を有する基礎データ取得用歯車の基礎データ取得用歯のサンプリング位置における、照射角度と照射距離と反射光量との関係を表す基礎データを記憶する基礎データ記憶工程と、前記歯形曲線及び前記基礎データに基づいて、前記強度プロファイルの概算値を演算する、概算値演算工程と、前記強度プロファイルの概算値を、前記検査対象歯に隣接する隣接歯の影響に応じて補正して前記強度プロファイルの理論値を演算する理論値演算工程と、を備えることを特徴とする歯車検査方法が提供される。
一態様の歯車検査方法によれば、歯形曲線及び基礎データに基づいて強度プロファイルの概算値が算出される。そして、強度プロファイルの概算値が隣接歯の影響に応じて補正され、これにより強度プロファイルの理論値が算出される。
この歯車検査方法によれば、強度プロファイルの概算値を隣接歯の影響に応じて補正することで、得られる強度プロファイルの理論値が高精度である。このため、強度プロファイルの理論値を実測値と比較すれば、検査対象歯車の歯面の状態を高精度にて判定することができ、損傷を早期に確実に発見することができる。
そして、この歯車検査方法は、検査対象歯車と同一の諸元を有する未使用の歯車を必ずしも必要とせず、強度プロファイルの理論値を演算により求めることができ、高い汎用性を有する。
また、この歯車検査方法は、検査対象歯車の諸元に基づいて歯形曲線を演算するので、複数種類の検査対象歯車を迅速に検査することができる。よって、この歯車検査方法は、他品種生産の全数検査に適している。
更に、この歯車検査方法では、検査対象歯車と同程度の表面粗さ及び表面色を有する基礎データ取得用歯車を用いて測定された基礎データに基づいて、強度プロファイルの概算値を演算し、概算値を隣接歯の影響に応じて補正して理論値を演算している。
この結果、強度プロファイルの実測値と理論値との間で、反射光量の最大値と最小値との差(レンジ)が高精度にて一致し、反射光量のオフセット量、即ちバックグランドの高低のみを調整すれば、実測値と理論値とを比較することができる。つまり、実測値と理論値とを比較する際に、レンジを調整する必要がない。このため、この歯車検査装置では、理論値のレンジを任意に調整する必要がなく、実測値と理論値とを客観的に比較することができ、判定を的確に行うことができる。
一方、基礎データ取得用歯車は、検査対象歯車と同程度の表面粗さ及び表面色を有していればよく、必ずしも、検査対象歯車よりも高い加工精度を有するマスター歯車である必要はない。
マスター歯車を準備することは、特注品などの一品物や少量生産品では困難であるが、基礎データ取得用歯車は、加工精度に関していえば検査対象歯車と同程度の歯車であればよく、且つ、傷が無い歯車であればよい。このため、基礎データ取得用歯車を準備することは容易であり、基礎データを低コストで容易に求めることができる。
また、基礎データを求めた後には、基礎データ取得用歯車を製品として用いることもできる。
好ましくは、歯車検査方法は、前記隣接歯の影響を表す近似関数を演算する近似工程を更に備え、前記近似工程は、前記検査対象歯車と同程度の表面粗さ及び表面色を有する隣接歯有歯車の隣接歯有歯の表面からの反射光量と前記隣接歯有歯車の回転角度との関係を表す強度プロファイルの実測値である隣接歯有歯車実測値を取得する、隣接歯有歯車実測値取得工程と、前記隣接歯有歯に隣接する隣接歯が除去されている点において前記隣接歯有歯車とは異なる隣接歯無歯車の隣接歯有歯の表面からの反射光量と前記隣接歯無歯車の回転角度との関係を表す強度プロファイルの実測値である隣接歯無歯車実測値を取得する隣接歯無歯車実測値取得工程と、前記隣接歯有歯車実測値と前記隣接歯無歯車実測値の差を演算し、そして、前記差を近似することによって前記近似関数を演算する近似工程とを有する。
この構成によれば、隣接歯有歯車及び隣接歯無歯車を用いて近似関数が求められる。隣接歯有歯車及び隣接歯無歯車は、検査対象歯車と同程度の表面粗さ及び表面色を有していればよく、必ずしも、検査対象歯車よりも高い加工精度を有するマスター歯車である必要はない。
そして、隣接歯有歯車及び隣接歯無歯車は、加工精度に関していえば検査対象歯車と同程度であればよく、且つ、傷が無い歯車であればよい。このため、隣接歯有歯車及び隣接歯無歯車を準備することは容易であり、近似関数も低コストで容易に求めることができる。
また、近似関数を求めた後には、隣接歯有歯車を製品として用いることもできる。
更に、隣接歯有歯車及び隣接歯無歯車は、検査対象歯車と同程度の表面粗さ及び表面色を有していればよく、必ずしも、隣接歯有歯車及び隣接歯無歯車のモジュールや歯数が検査対象歯車のモジュールや歯数と一致している必要はない。つまり、近似関数は、隣接歯有歯車及び隣接歯無歯車とはモジュールや歯数が異なる検査対象歯車の検査に汎用的に用いることができる。
この結果、この構成の歯車検査方法は汎用性が更に高く、他品種生産の全数検査に適している。
好ましくは、歯車検査方法は、前記基礎データを取得する基礎データ取得工程を更に備え、前記基礎データ取得工程は、前記基礎データ取得用歯車をステージに固定するとともに、前記基礎データ取得用歯車の基礎データ取得用歯のサンプリング位置を中心として周方向位置及び径方向位置を変化可能に、前記サンプリング位置に向けて光を照射する出射部及び前記サンプリング位置からの反射光を受光する受光部を有するレーザセンサを配置する基礎データ取得用歯車配置工程と、前記サンプリング位置に対する前記センサの回転方向位置及び径方向位置を段階的に変化させながら、各段階において、前記レーザセンサの出射部から前記サンプリング位置に向けて光を照射する一方、前記レーザセンサの受光部にて前記サンプリング位置からの反射光を受光する測定工程とを有する。
この構成では、サンプリング位置を回転中心として周方向及び径方向に移動可能にレーザセンサが設けられているので、迅速且つ高精度にて基礎データを取得することができる。
本発明によれば、検査対象の歯車よりも高精度の歯形を有するマスター歯車を用意せずとも、検査対象の歯車の歯の表面状態を高精度にて検査可能な歯車検査装置及び方法が提供される。
本発明の一実施形態の歯車検査装置の構成を検査対象の歯車とともに概略的に示す図である。 図1の歯車検査装置における検査対象歯車に対するレーザセンサの配置を説明するための図である。 図1の歯車検査装置の歯形曲線演算部で演算された歯形曲線を示す概略的な図である。 図1の歯車検査装置で用いられる基礎データの測定方法を説明するための図である。 図4の測定方法に用いられるユニットの概略的な構成を示す斜視図である。 図4に示す測定方法で測定された基礎データを概略的に示す三次元グラフである。 (a)は、図1の歯車検査装置で用いられる隣接歯有歯車実測値の測定方法を説明するための図であり、(b)は、図1の歯車検査装置で用いられる隣接歯無歯車実測値の測定方法を説明するための図である。 図7(a)及び(b)に示す測定方法で測定された隣接歯有歯車実測値及び隣接歯無歯車実測値を示すグラフである。 図8の隣接歯有歯車実測値と隣接歯無歯車実測値の差を3つの歯について示すとともに、これらの差の平均値を示すグラフである。 図9の平均値から求められた近似関数を規格化した規格化影響関数を示すグラフである。 隣接歯有歯車実測値、隣接歯無歯車実測値、概算値及び理論値を示すグラフである。 図1の歯車検査装置に用いられる歯車検査方法の概略的な手順を説明するためのフローチャートである。 図12の歯車検査方法で用いられる基礎データの取得方法の概略的な手順を説明するためのフローチャートである。 図12の歯車検査方法で用いられる規格化影響関数の取得方法の概略的な手順を説明するためのフローチャートである。 (a)は、実施例の理論値と検査対象歯車の実測値を示すグラフであり、(b)は、比較例の理論値と検査対象歯車の実測値を示すグラフである。 (a)は、モジュールが4(m=4)で歯数が28(z=28)の検査対象歯車の実測値と理論値とを3つの検査対象歯に渡って示すグラフであり、(b)は、モジュールが5(m=5)で歯数が20(z=20)の検査対象歯車の実測値と、図16(a)の理論値で用いられたのと同じ規格化影響関数を用いて補正された理論値とを連続する3つの検査対象歯12に渡って示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。但しこの実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
以下、本発明の一実施形態に係る歯車検査装置について図面を参照して説明する。
図1は、歯車検査装置の概略構成とともに、検査対象の歯車(以下、検査対象歯車ともいう)10を示している。検査対象歯車10は例えば平歯車であり、検査対象歯車10の外周には周方向にて等間隔で複数の歯12が形成されている。各歯12は、検査対象歯車10の回転軸と平行に延びている。つまり、検査対象歯車10の歯筋は回転軸と平行に延びている。歯車検査装置にとって、各歯12が検査対象の歯(検査対象歯)であり、歯車検査装置は、各検査対象歯12の表面状態を判定することができる。
なお、検査対象歯車10は、はすば歯車や転位歯車であってもよい。
歯車検査装置は、レーザセンサ20を有し、レーザセンサ20は、照射部(発光部)22及び受光部24を有する。照射部22は、検査対象歯車10に向けてレーザ光を照射し、検査対象歯12の表面でレーザ光が乱反射されて生成した反射光成分が受光部24によって受光される。レーザセンサ20は、受光部24が受光した反射光成分の強度に比例する計測電圧を出力する。
図2に示したように、照射部22からのレーザ光の出射角度は、検査対象歯12の歯筋方向に広がりを有する一方、歯筋方向と直交して検査対象歯12の表面に沿う歯形方向には狭い。従って、検査対象歯12の表面におけるレーザ光の照射範囲は、歯筋方向に延びる長軸を有する略楕円形状又は略長方形形状である。
また、レーザ光の照射角度は、検査対象歯車10の回転軸と直交する面に対して傾斜しており、検査対象歯車10が回転しても、検査対象歯12の表面に対してレーザ光が垂直に入射することはない。このため、受光部24によって検出されるのは、常に、正反射光ではなく乱反射光である。
例えば、検査対象歯車10が平歯車の場合、斜め20度程度から、歯元の基礎円相当部分周辺にレーザ光が照射可能なように、平歯車に対するレーザセンサ20の配置が決定される。
また、検査対象歯車10がはすば歯車の場合、基礎円筒ねじれ角に沿ってレーザ光を照射可能なように、レーザセンサ20を傾けて配置する。この場合、はすば歯車に対するレーザセンサの位置と姿勢は、適当な方程式を解くことにより求めることができる。
再び図1を参照すると、レーザセンサ20は、レーザセンサ20の駆動装置である測定装置26に電気的に接続されている。レーザセンサ20の照射部22は、測定装置26から電力供給を受けてレーザ光を出射し、受光部24が出力した計測電圧は測定装置26に入力される。
検査対象歯車10は、検査時に、図1に矢印Rで示した回転方向にて所定速度で回転させられ、検査対象歯車10の回転に伴い、レーザ光の照射位置は検査対象歯12の表面に沿って変化する。つまり、レーザ光は、検査対象歯12の歯形方向にて走査され、受光部24は、検査対象歯12の各位置からの反射光成分を受光する。測定装置26は、レーザセンサ20によって入力された計測電圧を、ロータリエンコーダ等の回転角度検出手段によって検出された検査対象歯車10の回転角度と対応付けて実測値として記憶し、そして、実測値を外部に出力することができる。
なお、検査対象歯車10の回転速度が一定であれば、回転角度と回転時間との関係に基づいて回転角度を求めることができる。この場合、角度検出手段としてのロータリエンコーダは不要である。
測定装置26は、判定装置28に電気的に接続されている。判定装置28は、例えばコンピュータによって構成され、CPU(中央演算処理装置)、メモリ、記憶装置、及び、入出力装置等からなる。
図1は、判定装置28の機能的な構成を示しており、判定装置28は、測定装置26から入力された検査対象歯車10の実測値を記憶する検査対象歯車実測値記憶部30を有する。
また、判定装置28は、歯車諸元記憶部32、歯形曲線方程式記憶部34及び歯形曲線演算部36を有する。
歯車諸元記憶部32は、検査対象の検査対象歯車10の諸元を記憶している。例えば、歯車諸元記憶部32は、歯車10の諸元として、モジュール、カッタ歯先丸み半径e、圧力角α、歯先幅中心角度ζ、転位係数χ、及び、歯数zを記憶している。検査対象歯車10の諸元は、例えば検査の担当者によって判定装置28に入力される。
歯形曲線方程式記憶部34は、検査対象歯12の2次元的な外形形状、即ち、検査対象歯車10の周方向(歯形方向)での歯12の表面の起伏を表す方程式(以下、歯形曲線方程式ともいう)を記憶している。歯形曲線方程式は、例えば検査の担当者によって判定装置28に入力される。
具体的には、歯形曲線方程式は、非特許文献5に記載されているように、インボリュート曲線、隅肉曲線、及び、歯先・セミトッピング部の方程式からなる。インボリュート曲線、隅肉曲線、及び、歯先・セミトッピング部の方程式をそれぞれ以下に示す。
インボリュート曲線方程式:
X=rcosθ+rθcosαsin(θ+α)
Y=rsinθ+rθcosαcos(θ+α)
隅肉曲線方程式:
X=(r+x)cosθ+(rθ−y)sinθ−ecos(θ+β)
Y=(r+x)sinθ−(rθ−y)sinθ−esin(θ+β)
ただし、
=(χ−1.25)m+e
=xtanα−e/cosα
β=tan−1((rθ−y)/(−x))
歯先・セミトッピング部の方程式:
ζ=(π+4χtanα)/z−2(invα−invα)
ただし、
α=cos−1(dcosα/d
なお式中、rは基準ピッチ円半径であり、dは歯先円直径である。
歯形曲線演算部36は、歯車諸元記憶部32に記憶されている検査対象歯車10の諸元と、歯形曲線方程式記憶部34に記憶されている歯形曲線方程式とに基づいて、検査対象歯12の二次元の外形形状を表す歯形曲線を演算する。つまり、歯車諸元記憶部32に記憶されている歯車10の諸元は、歯形曲線方程式に基づいて歯形曲線を求めるための情報であり、諸元の項目のうち他の項目から計算により導出できるものについては、歯形曲線方程式記憶部34に記憶させる必要はない。歯形曲線の一例を図3に示す。
更に、判定装置28は、基礎データ記憶部38及び概算値演算部40を有する。基礎データ記憶部38は、基礎データを記憶している。基礎データは、図4に示すように、基礎データ取得用歯車50の基礎データ取得用歯52のピッチ点にレーザ光を照射したときの、レーザ光の照射角度θと、照射距離Lと、反射光量との関係を表すデータである。
なお、基礎データ取得用歯52における、基礎データを測定するときにレーザ光を照射する位置(サンプリング位置)は、ピッチ円と歯面とが交わるピッチ点であるのが好ましいが、ピッチ点から多少離れていてもよい。
基礎データ取得用歯車50の基礎データ取得用歯52は、検査対象歯車10の検査対象歯12と同程度の表面粗さ及び表面色を有する。このように、表面粗さ及び表面色が同程度であることを要求しているのは、検査対象歯車10と全く同じ構成を有する未使用の歯車と基礎データ取得用歯車50との間で、同一の照射角度θ及び照射距離Lにおける反射光量を比べたときに、反射光量の差が数%以内になるようにするためである。
基礎データ取得用歯車50の基礎データ取得用歯52の表面には損傷が無いのが望ましいため、基礎データ取得用歯車50は未使用であるのが望ましい。
基礎データ取得用歯車50の表面色が検査対象歯車10と同程度になるように、基礎データ取得用歯車50の材料の種類は、検査対象歯車10の材料の種類と同一である。材料の種類が同一であるとは、ステンレス鋼ならばステンレス鋼、ニッケル鋼ならばニッケル鋼、プラスチックならばプラスチックというように、主成分が同一であるという程度の意味である。
また、表面粗さが同程度であるとは、精密仕上げならば精密仕上げ、上仕上げならば上仕上げ、並仕上げならば並仕上げ、荒仕上げならば荒仕上げというように、仕上げレベルが同一であるという程度の意味である。
具体的には、基礎データ取得用歯車50は、検査対象歯車10と同様の加工(切削のみ、シェービング、研磨等)条件、表面処理(浸炭焼入れ、高周波焼入れ等)条件、材質(鋼、ステンレス、プラスチック等)を用いて作製することができる。
図5は、基礎データの測定に好適な基礎データ測定用のユニット60を示している。
ユニット60は平坦なステージ62を有し、ステージ62上には、基礎データ取得用歯車50の軸孔に挿入される歯車固定軸64が立設されている。ステージ62上における歯車固定軸64の位置は、ステージ62に沿う一の方向(Y方向)にて調整可能である。
ステージ62に隣接してスライダー66が設けられ、スライダー66の位置は、Y方向と直交するX方向にて調整可能である。スライダー66には回転ピン68を介してアーム70が相対回転可能に連結されている。歯車固定軸64及び回転ピン68はXY平面に直交しており、アーム70はXY平面に沿って回転する。
回転ピン68とは反対側のアーム70の先端にはホルダ72が固定され、ホルダ72はレーザセンサ20を保持している。ホルダ72は、レーザ光の出射角度がXY平面に対して傾斜するように、レーザセンサ20を保持している。また、ホルダ72におけるレーザセンサ20の位置は、アーム70の長手方向即ち回転ピン68の径方向にて調整可能である。
ユニット60を用いて基礎データを測定する場合、基礎データ取得用歯車50の基礎データ取得用歯52のピッチ点が、回転ピン68の軸線上に位置するように、ステージ62に対する歯車固定軸64及びスライダー66の位置が調整される。そして、アーム70の回転角度及びホルダ72におけるレーザセンサ20の位置を段階的に変化させことによって、照射角度θ及び照射距離Lを段階的に変化させながら、反射光量を測定することによって、基礎データを測定する。図6は、基礎データの一例を表す3次元のグラフであり、縦軸は、反射光量に対応するレーザセンサ20の計測電圧を表している。
なお、ユニット60の歯車固定軸64に検査対象歯車10を固定し、図示しない回転機構で検査対象歯車10を回転させれば、検査対象歯車実測値を測定することもできる。
概算値演算部40は、歯形曲線演算部36によって演算された歯形曲線と、基礎データ記憶部38に記憶されている基礎データとに基づいて、強度プロファイルの概算値を演算する。強度プロファイルとは、検査対象歯車10の回転角度と反射光量との関係を表すものであり、換言すれば、検査対象歯車10の回転角度と受光部24の計測電圧との関係を表すものである。
具体的には、検査対象歯車10及びレーザセンサ20の幾何学的な位置関係と、検査対象歯12の外形形状が既知であるとき、検査対象歯車10の回転角度毎に、レーザ光の照射角度θ及び照射距離Lの計算値を求めることができる。そして、照射角度θ及び照射距離Lの計算値に対応する計測電圧を基礎データから読み出せば、強度プロファイルの概算値を得ることができる。
一方、判定装置28は、隣接歯有歯車実測値記憶部74、隣接歯無歯車実測値記憶部76、隣接歯有無差演算部78、近似関数演算部80、規格化影響関数演算部82、及び、規格化影響関数記憶部84を有する。
隣接歯有歯車実測値記憶部74は、図7(a)に示したように、検査対象歯車10の実測値と同様にして測定された、隣接歯有歯車86の反射光量の実測値を記憶している。隣接歯有歯車86は、基準データ取得用歯車50と同様に、検査対象歯車10と同程度の表面粗さ及び表面色を有する。また、隣接歯有歯車86は、歯の表面に損傷が無いように、未使用の歯車である。
隣接歯無歯車実測値記憶部76は、図7(b)に示したように、検査対象歯車10の実測値と同様にして測定された、隣接歯無歯車87の隣接歯無歯88の反射光量の実測値を記憶している。隣接歯無歯車87は、隣接歯無歯88に隣接する一つ以上の歯が除去されている以外は、隣接歯有歯車86と同じ構成を有する。
なお、隣接歯無歯車87は、隣接歯有歯車86の一つ以上の歯を除去することによって製造することができる。
隣接歯有無差演算部78は、隣接歯有歯車実測値と隣接歯無歯車実測値との差(隣接歯有無差)、即ち、隣接歯無歯車実測値から隣接歯有歯車実測値を引いた値を演算する。図8は、隣接歯有歯車実測値及び隣接歯無歯車実測値の一例を示している。図9は、同一の隣接歯有歯車86及び隣接歯無歯車87について、隣接歯有歯車実測値及び隣接歯無歯車実測値をそれぞれ3回測定したときの隣接歯有無差の3つの例(n=1〜3)とそれらの平均値を示している。
近似関数演算部80は、隣接歯有無差の平均値を例えば一次関数で近似して近似関数を演算する。
規格化影響関数演算部82は、近似関数演算部80によって演算された近似関数を、隣接歯有歯車86及び隣接歯無歯車87とはモジュール及び歯数の異なる検査対象歯車10に適用可能にするために規格化し、これにより規格化影響関数を求める。
図10は、規格化影響関数の一例を示している。近似関数演算部80によって演算された近似関数は、隣接歯有歯車86及び隣接歯無歯車87の回転角度と計測電圧の差との関係を近似して表すものであるが、規格化影響関数は、位相と規格化割合との関係を表すものとなっている。
位相は、隣接歯有歯車86及び隣接歯無歯車87の1つの歯に相当する回転角度を1周期として、回転角度の位置を1周期における位置として表すものである。
規格化割合は、隣接歯有無差を、隣接歯有歯車86の歯面部における実測値の最大値と最小値との差(歯面計測電圧レンジ)で除した値を百分率で示すものである。
規格化影響関数は、ピッチ点付近で傾きが変化している。
規格化影響関数記憶部84は、規格化影響関数記憶部82で演算された規格化影響関数を記憶する。
そして、判定装置28は、理論値演算部89、実測値理論値差演算部90、判定部91及び出力部92を有する。
理論値演算部89は、概算値演算部40で演算された概算値を、規格化影響関数記憶部84に記憶されている規格化影響関数を用いて補正することによって、隣接歯の影響まで考慮した強度プロファイルの理論値を演算する。
図11は、隣接歯有歯車86及び隣接歯無歯車87の強度プロファイルの実測値とともに、検査対象歯車10としての隣接歯有歯車86の強度プロファイルの概算値及び理論値を示している。なおこの場合、検査対象歯車10と隣接歯有歯車86との間でモジュール及び歯数を含む全ての諸元が一致するので、規格化を省略してもよく、概算値から近似関数を引き算することによって、理論値を求めてもよい。
実測値理論値差演算部90は、理論値演算部89によって演算された強度プロファイルの理論値と、検査対象歯車実測値記憶部30に記憶されている検査対象歯車10の強度プロファイルの実測値との差(実測値理論値差)を演算する。
判定部91は、実測値理論値差演算部90によって演算された実測値理論値差に基づいて、検査対象歯12の表面状態を判定する。例えば、判定部91は、実測値理論値差を所定の閾値と比較し、出力部実測値理論値差が閾値を超えた場合、表面状態が異常であると判定し、出力部実測値理論値差が閾値以下である場合、表面状態が異常であると判定する。
出力部92は、例えばモニタやスピーカ等によって構成され、判定部91の判定結果を検査の担当者に視覚又は聴覚にて認知可能な態様にて報知する。
以下、上述した歯車検査装置を用いた歯車検査方法について説明する。
図12は、歯車検査方法の概略的な手順を示すフローチャートである。なお、図12の歯車検査方法の実施の前に、検査対象歯車10の諸元、歯形曲線方程式、基礎データ、及び、規格化影響関数は、判定装置28に記憶されているものとする。
歯車検査方法では、まず、検査対象歯車10の検査対象歯12について、強度プロファイルの実測値を測定する(検査対象歯車実測値測定工程S10)。
一方、検査対象歯車10の諸元及び歯形曲線方程式に基づいて歯形曲線が演算され(歯形曲線演算工程S12)、演算された歯形曲線と基礎データに基づいて強度プロファイルの概算値が演算される(概算値演算工程S14)。そして、演算された概算値が規格化影響関数を用いて補正されて、強度プロファイルの理論値が演算される(理論値演算工程S16)。
それから、強度プロファイルの実測値と理論値との差(実測値理論値差)が演算され(実測値理論値差演算工程S18)、実測値理論値差に基づいて、検査対象歯車10の検査対象歯12の表面状態が判定される(判定工程S20)。そして、最後に、判定結果が出力され(出力工程S22)、歯車検査方法が終了する。
次に、上述した歯車検査方法に用いられる基礎データの取得方法について説明する。
図13は、基礎データ取得方法の概略的な手順を示すフローチャートである。
基礎データ取得方法では、まず、検査対象歯車10と同程度の表面粗さ及び表面色を有する基礎データ取得用歯車50が準備される(基礎データ取得用歯車準備工程S30)。
それから、基礎データ取得用歯車50をユニット60のステージ62に固定する。この際、レーザ光の照射位置がピッチ点に合うように、即ち、ピッチ点が回転ピン68の軸線上に位置するように、基礎データ取得用歯車50を配置する(基礎データ取得用歯車配置工程S31)。
この後、レーザセンサ20の周方向位置及び径方向位置を調整して、照射角度θ及び照射距離Lを所定の値に設定する(照射角度θ・照射距離L設定工程S32)。そして、この設定下で反射光量を測定し(反射光量測定工程S34)、照射角度θ及び照射距離Lの全範囲について測定が終了したかを判定する(全範囲測定判定工程S36)。
従って、全範囲の測定が終了するまで、照射位置が一定のまま、照射角度θ及び照射距離Lが段階的に変更され、各段階において反射光量が測定される。そして、全範囲の測定が終了すると、基礎データの取得が終了する。
次に、上述した歯車検査方法に用いられる規格化影響関数の取得方法について説明する。
図14は、規格化影響関数取得方法の概略的な手順を示すフローチャートである。
規格化影響関数取得方法では、まず、検査対象歯車10と同程度の表面粗さ及び表面色を有する隣接歯有歯車86が準備される(隣接歯有歯車準備工程S40)。そして、隣接歯有歯車86について、強度プロファイルの実測値が測定される(隣接歯有歯車実測値測定工程S42)。
一方、検査対象歯車10と同程度の表面粗さ及び表面色を有する隣接歯無歯車87が準備され(隣接歯無歯車準備工程S44)、隣接歯無歯車87について、強度プロファイルの実測値が測定される(隣接歯無歯車実測値測定工程S46)。
そして、隣接歯有歯車86の実測値と隣接歯無歯車87の実測値の差(隣接歯有無差)が演算され(隣接歯有無差演算工程S48)、隣接歯有無差が一次関数で多項式近似され、近似関数が演算される(近似関数演算工程S50)。
それから、近似関数が規格化されて、規格化影響関数が演算され(規格化影響関数演算工程S52)、規格化影響関数が取得される。
上述した一実施形態の歯車検査装置及び検査方法によれば、歯形曲線及び基礎データに基づいて強度プロファイルの概算値が算出される。そして、強度プロファイルの概算値が隣接歯の影響に応じて補正され、これにより強度プロファイルの理論値が算出される。
この歯車検査装置及び検査方法によれば、強度プロファイルの概算値を隣接歯の影響に応じて補正することで、得られる強度プロファイルの理論値が高精度である。このため、強度プロファイルの理論値を実測値と比較すれば、検査対象歯車10の歯面の状態を高精度にて判定することができ、損傷を早期に確実に発見することができる。
また、図11において、理論値は滑らかな曲線を描いているが、隣接歯有歯車86では、複数の歯に渡って再現性のあるうねりがその曲線を中心として発生しており、このうねりは、歯面の誤差を表している。このうねりに基づいて、検査対象歯車10の歯形誤差を簡易的に判定できる可能性もある。
そして、この歯車検査装置及び検査方法は、検査対象歯車10と同一の諸元を有する未使用の歯車を必ずしも必要とせず、強度プロファイルの理論値を演算により求めることができ、高い汎用性を有する。
また、この歯車検査装置及び検査方法は、検査対象歯車10の諸元に基づいて歯形曲線を演算するので、複数種類の検査対象歯車10を迅速に検査することができる。よって、この歯車検査装置及び検査方法は、製造現場における品質管理用途に適しており、特に、精度未達の製品や損傷等のある製品を容易に選別できるので、他品種生産の全数検査に適している。
更に、この歯車検査装置及び検査方法では、板状の金属片ではなく、検査対象歯車10と同程度の表面粗さ及び表面色を有する基礎データ取得用歯車50を用いて測定された基礎データに基づいて、強度プロファイルの概算値を演算し、概算値を隣接歯の影響に応じて補正して理論値を演算している。
この結果、強度プロファイルの実測値と理論値との間で、反射光量の最大値と最小値との差(レンジ)が高精度にて一致し、反射光量のオフセット量、即ちバックグランドの高低のみを調整すれば、実測値と理論値とを比較することができる。つまり、実測値と理論値とを比較する際に、レンジを調整する必要がない。このため、この歯車検査装置及び検査方法では、理論値のレンジを任意に調整する必要がなく、実測値と理論値とを客観的に比較することができ、判定を的確に行うことができる。
ここで、図15(a)は、基礎データ取得用歯車50を用いて測定された基礎データを用いて演算された実施例の理論値と、検査対象歯車10の実測値とを示している。図15(a)に示したように、実施例の理論値と検査対象歯車10の実測値との間では、レンジが調整しなくても略一致している。
一方、図15(b)は、板状の金属片を用いて測定された基礎データを用いて演算された比較例の理論値と、検査対象歯車10の実測値とを示している。図15(b)に示したように、比較例の理論値と検査対象歯車10の実測値との間では、レンジが大きく異なっている。
なお、標準データを取得するための試料を板状の金属片から基礎データ取得用歯車50に変更したことによりレンジ調整が不要となった理由として、(1)検査対象歯車10の検査対象歯12の歯面は曲面である一方でレーザ光の照射範囲は歯たけ方向に厚さがあること、(2)指定表面粗さと現状の表面粗さに違いがあること、及び、(3)歯切り特有の切削痕が存在すること等がレンジに与える影響が軽減又は取り除かれたためと考えられる。
一方、基礎データ取得用歯車50は、検査対象歯車10と同程度の表面粗さ及び表面色を有していればよく、必ずしも、検査対象歯車10よりも高い加工精度を有するマスター歯車である必要はない。
マスター歯車を準備することは、特注品などの一品物や少量生産品では困難であるが、基礎データ取得用歯車50は、加工精度に関していえば検査対象歯車と同程度の歯車であればよく、且つ、傷が無い歯車であればよい。つまり、製品の中から損傷などのない歯車を基礎データ取得用歯車50として選出すればよい。このため、基礎データ取得用歯車50を準備することは容易であり、基礎データを低コストで容易に求めることができる。
また、基礎データを求めた後には、基礎データ取得用歯車50を製品として用いることもできる。
そして、上述した一実施形態の歯車検査装置及び方法によれば、隣接歯有歯車86及び隣接歯無歯車87を用いて近似関数が求められる。隣接歯有歯車86及び隣接歯無歯車87は、検査対象歯車10と同程度の表面粗さ及び表面色を有していればよく、必ずしも、検査対象歯車10よりも高い加工精度を有するマスター歯車である必要はない。
隣接歯有歯車86及び隣接歯無歯車87は、加工精度に関していえば検査対象歯車10と同程度であればよく、且つ、傷が無い歯車であればよい。つまり、製品の中から損傷などのない歯車を隣接歯有歯車86及び隣接歯無歯車87として選出すればよい。このため、隣接歯有歯車86及び隣接歯無歯車87を準備することは容易であり、近似関数も低コストで容易に求めることができる。
また、近似関数を求めた後には、隣接歯有歯車86を製品として用いることもできる。
更に、隣接歯有歯車86及び隣接歯無歯車87は、検査対象歯車10と同程度の表面粗さ及び表面色を有していればよく、必ずしも、隣接歯有歯車86及び隣接歯無歯車87のモジュールや歯数が検査対象歯車10のモジュールや歯数と一致している必要はない。つまり、近似関数は、規格化影響関数に変換することで、隣接歯有歯車86及び隣接歯無歯車87やモジュールや歯数が異なる検査対象歯車10の検査に汎用的に用いることができる。
この結果、この構成の歯車検査装置及び検査方法は汎用性が更に高く、他品種生産の全数検査に適している。
ここで、図16(a)は、モジュールが4(m=4)で歯数が28(z=28)の検査対象歯車10の実測値と理論値とを3つの検査対象歯12に渡って示しており、図16(b)は、モジュールが5(m=5)で歯数が20(z=20)の検査対象歯車10の実測値と理論値とを連続する3つの検査対象歯12に渡って示している。そして、図16(a)の検査対象歯車10と図16(b)の検査対象歯車10は、同程度の表面粗さ及び表面色を有する。
一方、図16(a)及び(b)の理論値は、それぞれモジュールが4(m=4)で歯数が28(z=28)であり、図16(a)の検査対象歯車10と同程度の表面粗さ及び表面色を有する隣接歯有歯車86及び隣接歯無歯車87を用いて演算された規格化影響関数を用いて補正されたものである。
図16(a)及び(b)から、規格化影響関数は、検査対象歯車10とはモジュール及び歯数が異なる隣接歯有歯車86及び隣接歯無歯車87を用いて演算されたものであっても、検査対象歯車10の検査に適用可能であることがわかる。
更に、上述した一実施形態の歯車検査装置及び方法に適用される基礎データ測定用のユニット60によれば、サンプリング位置を回転中心として周方向及び径方向に移動可能にレーザセンサ20が設けられているので、迅速且つ高精度にて基礎データを取得することができる。
本発明は上述した一実施形態に限定されることはなく、一実施形態に変更を加えた形態も含む。例えば、歯車検査装置は、歯車装置を有する機械製品に内蔵されていてもよい。この場合、歯車装置の動作中に、歯車の状態を低コストで遠隔にて診断することができる。
また、歯車検査装置及び検査方法を適用する機械製品は、歯車装置を有していればよく、特に限定されることはない。
10 検査対象歯車
12 検査対象歯
20 レーザセンサ
22 照射部
24 受光部
26 測定装置
28 判定装置
36 歯形曲線演算部
38 基礎データ記憶部
40 概算値演算部
50 基礎データ取得用歯車
52 基礎データ取得用歯
60 基礎データ測定用のユニット
62 ステージ
66 スライダー
68 回転ピン
70 アーム
72 ホルダ
78 隣接歯有無差演算部
80 近似関数演算部
82 規格化影響関数演算部
86 隣接歯有歯車
87 隣接歯無歯車
88 隣接歯無歯
89 理論値演算部
91 判定部

Claims (6)

  1. 検査対象歯車の検査対象歯の表面からの反射光量と前記検査対象歯車の回転角度との関係を表す強度プロファイルの実測値と、前記強度プロファイルの理論値とを比較して、前記検査対象歯の表面状態を判定する歯車検査装置であって、
    前記検査対象歯車の諸元に基づいて、前記検査対象歯の外形形状を表す歯形曲線を演算する歯形曲線演算部と、
    前記検査対象歯車と同程度の表面粗さ及び表面色を有する基礎データ取得用歯車の基礎データ取得用歯のサンプリング位置における、照射角度と照射距離と反射光量との関係を表す基礎データを記憶する基礎データ記憶部と、
    前記歯形曲線及び前記基礎データに基づいて、前記強度プロファイルの概算値を演算する、概算値演算部と、
    前記強度プロファイルの概算値を、前記検査対象歯に隣接する隣接歯の影響に応じて補正して前記強度プロファイルの理論値を演算する理論値演算部と
    を備えることを特徴とする歯車検査装置。
  2. 前記隣接歯の影響を表す近似関数を演算するための近似関数演算部を更に備え、
    前記近似関数演算部は、
    前記検査対象歯車と同程度の表面粗さ及び表面色を有する隣接歯有歯車の隣接歯有歯の表面からの反射光量と前記隣接歯有歯車の回転角度との関係を表す強度プロファイルの実測値と、隣接歯が存在しない隣接歯無歯を有する点において前記隣接歯有歯車とは異なる隣接歯無歯車の前記隣接歯無歯の表面からの反射光量と前記隣接歯無歯車の回転角度との関係を表す強度プロファイルの実測値との差を演算し、そして、前記差を近似することによって前記近似関数を演算する
    ことを特徴とする請求項1に記載の歯車検査装置。
  3. 前記基礎データを取得する基礎データ取得用ユニットを更に備え、
    前記基礎データ取得用ユニットは、
    前記基礎データ取得用歯車を固定するステージと、
    前記基礎データ取得用歯車の基礎データ取得用歯のサンプリング位置を回転中心として周方向及び径方向に移動可能に設けられ、前記サンプリング位置に向けて光を照射する出射部及び前記サンプリング位置からの反射光を受光する受光部を有するレーザセンサと、
    を有する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の歯車検査装置。
  4. 検査対象歯車の検査対象歯の表面からの反射光量と前記検査対象歯車の回転角度との関係を表す強度プロファイルの実測値と、前記強度プロファイルの理論値とを比較して、前記検査対象歯の表面状態を判定する歯車検査方法であって、
    前記検査対象歯車の諸元に基づいて、前記検査対象歯の外形形状を表す歯形曲線を演算する歯形曲線演算工程と、
    前記検査対象歯車と同程度の表面粗さ及び表面色を有する基礎データ取得用歯車の基礎データ取得用歯のサンプリング位置における、照射角度と照射距離と反射光量との関係を表す基礎データを記憶する基礎データ記憶工程と、
    前記歯形曲線及び前記基礎データに基づいて、前記強度プロファイルの概算値を演算する、概算値演算工程と、
    前記強度プロファイルの概算値を、前記検査対象歯に隣接する隣接歯の影響に応じて補正して前記強度プロファイルの理論値を演算する理論値演算工程と、
    を備えることを特徴とする歯車検査方法。
  5. 前記隣接歯の影響を表す近似関数を演算する近似工程を更に備え、
    前記近似工程は、
    前記検査対象歯車と同程度の表面粗さ及び表面色を有する隣接歯有歯車の隣接歯有歯の表面からの反射光量と前記隣接歯有歯車の回転角度との関係を表す強度プロファイルの実測値である隣接歯有歯車実測値を取得する、隣接歯有歯車実測値取得工程と、
    前記隣接歯有歯に隣接する隣接歯が除去されている点において前記隣接歯有歯車とは異なる隣接歯無歯車の隣接歯有歯の表面からの反射光量と前記隣接歯無歯車の回転角度との関係を表す強度プロファイルの実測値である隣接歯無歯車実測値を取得する隣接歯無歯車実測値取得工程と、
    前記隣接歯有歯車実測値と前記隣接歯無歯車実測値の差を演算し、そして、前記差を近似することによって前記近似関数を演算する近似工程と
    を有することを特徴とする請求項4に記載の歯車検査方法。
  6. 前記基礎データを取得する基礎データ取得工程を更に備え、
    前記基礎データ取得工程は、
    前記基礎データ取得用歯車をステージに固定するとともに、前記基礎データ取得用歯車の基礎データ取得用歯のサンプリング位置を中心として周方向位置及び径方向位置を変化可能に、前記サンプリング位置に向けて光を照射する出射部及び前記サンプリング位置からの反射光を受光する受光部を有するレーザセンサを配置する基礎データ取得用歯車配置工程と、
    前記サンプリング位置に対する前記センサの回転方向位置及び径方向位置を段階的に変化させながら、各段階において、前記レーザセンサの出射部から前記サンプリング位置に向けて光を照射する一方、前記レーザセンサの受光部にて前記サンプリング位置からの反射光を受光する測定工程と
    を有することを特徴とする請求項4又は5に記載の歯車検査方法。
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