JP5834301B2 - 弦楽器 - Google Patents

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Description

本発明は、弦楽器が発する本来の楽音を忠実に再現することができる弦楽器に関するものである。
一般に、ウクレレやアコースティックギターなどの弦楽器は、弦の振動を元にして、駒を通して、共鳴板である表板に振動を伝え、さらにサウンドホールを有する共鳴胴で共鳴させ豊かな音色を発している。そのため、弦や表板をはじめとする楽器を構成する材質、共鳴胴の形状や構造の違いで個々の楽器ごとにそれぞれ違った音色を奏でる。ところが、電気的な増幅装置を持たないこれらの楽器の音量は十分とは言えず、コンサートホールなどの広い会場でライブ演奏をする場合には、マイクを用いて集音して増幅することで、音量を大きくすることが行われている。しかし、マイクで弦楽器の楽音を集音すると、他の楽器の音を拾ってしまったり、ハウリングをしてしまったりすることがある。また、マイクの位置がステージ上に固定されていると、演奏者がステージ上で動き回りながら演奏する場合には弦楽器の楽音をとらえることができないこともある。
一方、弦楽器の胴(共鳴胴)を構成する共鳴板にピエゾピックアップ(圧電ピックアップ)を取り付け、ピエゾピックアップにより弦振動を電気信号に変換し、この電気信号を増幅することで音量を大きくする方法が知られている。しかし、ピエゾピックアップを用いた方法では、箱鳴りと呼ばれる胴による共鳴音を十分に拾うことができず、出力される音は薄っぺらで無機質な音になってしまうという問題がある。
かかる問題に対し、弦楽器の胴による共鳴音を再現できるようにすべく、ピエゾピックアップを用いて得られる電気信号に対して各種効果を付加する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2003−15644号公報 特開2005−24997号公報 特開2009−162997号公報
しかしながら、特許文献1〜3に開示される技術では、ピエゾピックアップにより検出される弦の振動をある程度自然な音に加工することができるものの、胴の共鳴音を忠実に再現することはできない。また、ピエゾピックアップを用いて弦の振動を検出するためには、弦楽器のもっとも重要な部分に対してピエゾピックアップを取り付けなればならず、楽器本来の音色に悪影響を与えかねない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、弦楽器が発する本来の楽音を忠実に再現することができる弦楽器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1態様に係る弦楽器は、中空状に形成されたボディと、ボディに形成されたサウンドホールと、ボディに一端が取り付けられたネックと、ネックの他端に取り付けられたヘッドと、ヘッド及びボディの間に張架された弦とを備える弦楽器であって、ボディの内部であってネック側とは反対側のエンド部またはネック側のヒール部に配設され、ボディの内部で共鳴する楽音を集音する双指向性マイクを備え、双指向性マイクは、サウンドホールが開口する面に対して平行かつサウンドホールが形成される方向に対して垂直な方向に沿った指向軸を有する。
本発明の第2態様に係る弦楽器は、第1態様において、双指向性マイクの周波数特性とは略逆の周波数特性を有する傾斜フィルタを有し、傾斜フィルタを介して双指向性マイクから信号を出力することにより、双指向性マイクから出力される信号の周波数特性を平坦化する周波数補正手段を更に備える。
本発明の第3態様に係る弦楽器は、第1態様又は第2態様において、入力信号に対してノッチ周波数を中心とする周波数成分を減衰させるノッチフィルタと、入力信号に含まれるハウリング周波数を検出するハウリング検出手段と、ハウリング検出手段で検出されたハウリング周波数をノッチフィルタのノッチ周波数に設定する制御手段とを含むハウリング抑制手段を更に備える。
本発明の第4態様に係る弦楽器は、第1態様〜第3態様のいずれか1つの態様において、ノッチフィルタは、フィルタ機能を有効とする有効状態と無効とする無効状態とに切り替え可能である
本発明の第5態様に係る弦楽器は、制御手段は、ハウリング検出手段でハウリング周波数が検出されてから一定時間が経過するまではノッチフィルタを有効状態とし、一定時間が経過した後はノッチフィルタを無効状態とする
本発明によれば、双指向性マイクの感度が最小となる方向がサウンドホールを向くようになるので、ハウリングを起こすことなく、ボディの内部空間で共鳴する楽音を集音することが可能となり、弦楽器が発する本来の楽音を忠実に再現することができる。
本発明が適用される弦楽器の構成例を示した外観図 図1に示した弦楽器の平面図 マイクユニットの構成を示した斜視図 図3に示したマイクユニットの分解斜視図 双指向性マイクの指向特性を示した図 プリアンプユニットの構成を示すブロック図 双指向性マイクの出力信号の周波数特性を示した図 傾斜フィルタの周波数特性を示した図 ノッチフィルタの周波数特性を示した図 弦楽器の他の構成例を示した外観図 図10に示した弦楽器の側面図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明が適用される弦楽器の構成例を示した外観図である。図2は、図1に示した弦楽器の平面図である。
図1及び図2に示すように、弦楽器10は、例えばウクレレやアコースティックギターなどの弦楽器(アコースティック楽器)からなり、表板20、側板22、及び裏板24によって中空状に形成されたボディ(共鳴胴)12と、ボディ12に連結されたネック14とを備えて構成される。ネック14の先端には、弦18の先端側(始端)を巻き付けて弦18の張力を調節可能なペグ(糸巻)26が複数個取り付けられたヘッド16が設けられている。ボディ12を構成する表板20は共鳴板として機能するものである。表板20には、弦18の後端を固定するためのブリッジ28が取り付けられており、弦18の後端はブリッジ28に開けられた穴もしくは溝(不図示)に固定されている。
ネック14には、金属製のフレット30が特定の間隔で埋め込まれた指板32が取り付けられている。指板32の先端には、複数の弦18を所定の間隔に揃え、かつ、フレット30の上面より僅かに弦18を浮かせて支持するための溝が設けられたナット(上駒)34が固定されている。ブリッジ28には、弦18の後端(終端)近くで、弦18をフレット30の上面より僅かに浮かせて支持するためのサドル(下駒)35が固定されている。なお、楽器の種類によってはフレット30が存在しないものもある。
弦18は、ナット34とサドル35の間、もしくは、指板32上のフレット30とサドル35の間で振動する。また、指板32上の所定の場所で弦18を押さえることで、フレット30とサドル35の間の弦長が調節され、所定の音高(ピッチ)を得ることができる。弦18に振動を付与する態様としては、弦18の押さえた指とサドル35間の所定の位置で指を弾く態様や、弓などで擦ることで振動のきっかけを与える態様がある。
表板20のブリッジ28の前方における各弦18の下方には、ボディ12内部で共鳴した音を外部に導くためのサウンドホール(響穴)36が設けられている。表板20と裏板24のボディ12内部側の面には、それぞれ補強のためのブレイス(力木、響木)38A、38Bが取り付けられている。なお、ブレイスの形状や配置については楽器の種類によって様々である。
以上の構成において、弦楽器10の演奏を行うべく弦18に振動を与えると、弦18の振動がサドル35、ブリッジ28を介して表板20に伝達され、それによってボディ12の内部空間において共鳴が発生し、サウンドホール36から楽音を発する。
本実施形態の弦楽器10は、ボディ12の内部で共鳴した音を集音するためにマイクユニット40を備えている。マイクユニット40は、ボディ12の内部において、サウンドホール36から離れた位置となるボディ12のエンド部12a(ネック14側とは反対側の端部)に着脱自在に取り付けられる。
図3は、マイクユニット40の構成を示した斜視図である。図4は、図3に示したマイクユニット40の分解斜視図である。
図3及び図4に示すように、マイクユニット40の先端にはボディ取付用のボルト50が設けられている。ボディ12に対してマイクユニット40を取り付ける場合には、ボルト50の先端側から位置決め用ナット52を螺合した後、ボディ12の内側からエンド部12aに形成された貫通孔(ボルト挿通孔)54にボルト50を挿通する。そして、ボルト50の先端側から平座金56やバネ座金58を介して固定ナット60を螺合し位置決め用ナット52に対して締め付けることにより、ボディ12に対してマイクユニット40が着脱自在に取り付けられる。
なお、本実施形態においては、ボディ12に対してマイクユニット40が着脱自在に取り付けられる構成を一例として示したが、これらを機械的に結合できるものであれば特に限定されず、例えば、ボルトやナットを利用せずに摩擦を利用して固定する構成としてもよいし、接着剤を利用して固定する構成としてもよい。
図3に示すように、マイクユニット40は、双指向性を有するコンデンサマイク(以下、双指向性マイクという)42と、双指向性マイク42の出力信号を出力するコネクタ部44とを備える。コネクタ部44は、マイクユニット40がボディ12に取り付けられた状態においてボディ12の外部に配置される。
図1及び図2に示すように、プリアンプユニット46は、不図示のケーブルを介してマイクユニット40のコネクタ部44と電気的に接続される。これにより、双指向性マイク42の出力信号は、コネクタ部44を通じてプリアンプユニット46に入力される。
プリアンプユニット46は、双指向性マイク42の出力信号を増幅して、所定の信号処理を施した信号を出力する。プリアンプユニット46の出力信号は、外部音響拡声装置48に入力される。外部音響拡声装置48は、入力された信号を増幅して音波に変換して出力する。
図3に示すように、双指向性マイク42は、樹脂製のマイクホルダ64に保持されている。双指向性マイク42は、音波によって振動するダイアフラム(振動板)62(図3において破線で図示)を備えており、音波を電気信号に変換して出力する。
図5は、双指向性マイク42の指向特性を示した図である。図5に示すように、双指向性マイク42は、略8の字状の指向特性を有している。すなわち、ダイアフラム62(図3参照)に垂直な方向を指向軸(ダイアフラム中心軸)Lとし、指向軸Lに沿った前後方向(ダイアフラム62の正面及び背面方向)の感度が最大となり、指向軸Lに垂直な方向(ダイアフラム62に平行な方向)の感度が最小(理論的にはゼロ)となる指向特性を有している。
本実施形態では、サウンドホール36の開口する面(すなわち、ボディ12の表板20)に対して平行かつサウンドホール36が形成される方向(双指向性マイク42とサウンドホール36の中心を結ぶ方向;図5において弦楽器10の長手軸Xに沿った方向)に対して垂直な方向に配置される。換言すれば、ダイアフラム62を含む平面がサウンドホール36に対して垂直に交差するように配置される。このような構成によれば、ハウリングの原因となるサウンドホール36からボディ12内に入り込む外部音に対する感度が低くなるので、ハウリングを効果的に抑えることが可能となる。
なお、弦楽器10を上面から見た場合、マイクユニット40の長手軸方向にサウンドホール36の中心が存在し、双指向性マイク42の指向軸Lはその長手軸方向に対して垂直な方向となるように、マイクユニット40の取付角度(マイクユニット40の長手軸周りの回転角度)が調整されている。双指向性マイク42の取付角度は、固定ナット60を緩めることによって簡単に調整することができる。
図6は、プリアンプユニット46の構成を示すブロック図である。図6に示すように、プリアンプユニット46は、プリアンプ70、周波数特性補正回路72、及びハウリング抑制回路74を備え、双指向性マイク42の出力信号をプリアンプ70で増幅して、周波数特性補正回路72及びハウリング抑制回路74によって所定の信号処理を施した信号を外部音響拡声装置48に出力する。
周波数特性補正回路72は、プリアンプ70を介して入力された双指向性マイク42の出力信号の周波数特性を補正する。
図7は、双指向性マイク42の出力信号の周波数特性を示したグラフである。図7に示すように、双指向性マイク42の出力信号は、周波数が高くなるにつれて振幅ゲインが大きくなる周波数特性を有する。このため、プリアンプユニット46において双指向性マイク42の出力信号をそのまま増幅して外部音響拡声装置48に出力すると、高周波帯域が強調された音色となり楽器の本来持つ音色を損なう要因となる。
そこで本実施形態では、双指向性マイク42の出力信号の周波数特性を補正する周波数特性補正回路72がプリアンプ70の後段に設けられている。周波数特性補正回路72は、例えば図8に示す周波数特性を有する傾斜フィルタを備えている。この傾斜フィルタは、周波数が高くなるにつれて振幅ゲインが徐々に小さくなる周波数特性を有している。すなわち、周波数特性補正回路72は、双指向性マイク42の周波数特性とは略逆の周波数特性を有する傾斜フィルタを備えており、この傾斜フィルタを介した信号を出力することにより、双指向性マイク42の出力信号の周波数特性を平坦化する。周波数特性補正回路72から出力された信号はハウリング抑制回路74に入力される。
このように本実施形態では、使用するマイクの周波数特性に合わせて、そのマイクとは逆特性の傾斜フィルタを用いることで、マイクの周波数特性を平坦化している。
ハウリング抑制回路74は、入力された信号に含まれるハウリング周波数を検出し、検出されたハウリング周波数を含む周波数成分を抑制した信号を出力する。
本実施形態では、双指向性マイク42の指向軸Lはサウンドホール36が配置される方向(図5において弦楽器10の長手軸Xに沿った方向)に対して垂直な方向に配置されるので、サウンドホール36から双指向性マイク42に到達する音に対する感度を低くすることができる。しかし、弦楽器10の表板20などを透過、もしくはサウンドホール36から双指向性マイク42に直接到達する経路をとらずに、ボディ12の内部で反射を繰り返し双指向性マイク42に到達する音も存在する。このような音のレベルが高ければ、ハウリングを防止することができない場合が生ずる。また、楽器の種類や会場などの影響で外部環境が変化した場合にもハウリングが発生する場合も考えられる。
そこで本実施形態では、これらを要因としたハウリングをより確実に防止するために、周波数特性補正回路72の後段にハウリング抑制回路74が設けられている。
ハウリング抑制回路74は、ノッチフィルタ76、ノッチ制御部78、及びハウリング検出部80を備えている。
ノッチフィルタ76は、例えば図9に示される周波数特性を有するフィルタであり、ある特定の周波数(ノッチ周波数)を中心周波数とする周波数成分を減衰させる。ノッチフィルタ76はノッチ周波数を可変できるように構成されている。ノッチ周波数は、後述するノッチ制御部78の制御に従って設定される。
ハウリング検出部80は、入力信号(周波数特性補正回路72の出力信号)を取り込み、ハウリングが発生している周波数(ハウリング周波数)検出する。具体的には、入力信号に対して一定時間毎にFFT解析を行い、そのピークレベルがある一定以上の場合、そのピーク周波数をハウリング周波数として検出して出力する。ハウリング検出部80から出力されたハウリング周波数はノッチ制御部78に入力される。
ノッチ制御部78は、ハウリング検出部80で検出されたハウリング周波数に基づき、ノッチフィルタ76のノッチ周波数を制御する。具体的には、ノッチフィルタ76のノッチ周波数がハウリング検出部80で検出されたハウリング周波数となるように制御を行う。
なお、ノッチフィルタ76の減衰量やノッチ幅(ノッチ周波数を中心とした減衰させる近傍の周波数幅)も可変できるように構成されており、これらもノッチ制御部78の制御に従って設定される。例えば、ノッチフィルタ76の減衰量やノッチ幅はユーザの操作に応じてノッチ制御部78が変更するようにしてもよい。
また、ノッチフィルタ76は、図9に示すような周波数特性となるフィルタ機能を、有効とする有効状態(ON状態)と、無効とする無効状態(OFF状態)とに切り替え可能に構成されていてもよい。ノッチフィルタ76を有効状態とした場合は、入力信号からノッチ周波数を中心として周波数成分を除去して出力する。一方、ノッチフィルタ76を無効状態とした場合は、入力信号をそのまま出力する。ノッチフィルタ76の切り替えは、例えばユーザの操作に応じてノッチ制御部78が変更するようにしてもよい。また、ハウリング検出部80でハウリング周波数が検出されてから一定時間経過するまではノッチフィルタ76を有効状態とし、一定時間経過後は無効状態としてもよい。この場合、急激に発生したハウリングを抑制しつつ、音質の劣化を抑制することが可能となる。
ノッチフィルタ76から出力された信号は、プリアンプユニット46の出力として外部音響拡声装置48に出力される。外部音響拡声装置48は、プリアンプユニット46(ノッチフィルタ76)から出力された信号を音波に変換して出力する。これにより、双指向性マイク42で集音された弦楽器10の楽音は、外部音響拡声装置48によって拡声される。
以上のとおり、本実施形態によれば、双指向性マイク42の指向軸Lは、サウンドホール36の開口する面に対して平行かつサウンドホール36が形成される方向に対して垂直な方向に配置される。すなわち、双指向性マイク42の感度が最小となる方向がサウンドホール36を向くようになるので、サウンドホール36からボディ12内に侵入する音に対する感度が低くなり、ハウリングを効果的に抑えることが可能となる。また、サウンドホール36が形成される方向以外については感度が高いので、ボディ12の内部の広い範囲の音響をバランス良く捉えることが可能となる。これにより、ハウリングの原因となるサウンドホール36からボディ12内に入り込む外部音についてはキャンセルされるので、ハウリングを起こすことなくボディ12の内部で共鳴する楽音を集音することが可能となり、弦楽器10が発する本来の楽音を忠実に再現することができる。
なお、本実施形態では、双指向性マイク42の指向軸Lは、サウンドホール36の開口する面に対して平行かつサウンドホール36が形成される方向に対して垂直な方向に配置されていることが好ましいが、本発明はこの構成に限らず、同様の効果が得られるのであれば、指向軸Lが上記方向に沿って配置されていればよく多少ずれていてもよい。
また、本実施形態によれば、プリアンプユニット46に周波数特性補正回路72を備えたので、双指向性マイク42の出力信号の周波数特性を平坦化することができる。これにより、楽器の本来持つ音色を損なうことなく忠実に再現することができるという効果をより一層顕著なものとすることができる。
また、本実施形態によれば、プリアンプユニット46にハウリング抑制回路74を備えたので、ボディ12の内部で反射した外部音によってハウリングが発生する場合でも、ハウリング抑制回路74でハウリングが抑制されるので、ハウリングを確実かつ安定的に防止することができる。特に本実施形態では、ハウリングが起こっている周波数が変化してもその変化に追従しながらハウリングを抑えることができるので、楽器の種類や会場などの影響で外部環境が変化した場合でも効果的にハウリングを抑えることが可能となる。
また、本実施形態では、ノッチフィルタ76は、そのフィルタ機能を有効状態と無効状態とに切り替え可能に構成されていることが好ましい。ノッチフィルタ76を不必要に使用すると、ノッチ周波数(すなわち、ハウリング周波数)を中心とした周波数帯域が弱められた音色となるため本来の楽器の音色とかけ離れてしまう場合がある。これに対し、上記構成によれば、ユーザの好みや使用状況に応じてノッチフィルタ76のフィルタ機能を有効状態としたり無効状態としたりすることができる。
また、本実施形態では、マイクユニット40は、ボディ12のエンド部12a(ネック14側とは反対側の端部)に取り付けた構成を示したが、これに限らず、例えば、ボディ12内部のヒール部12b(ネック14側の端部)に取り付けてもよい。エンド部12aやヒール部12bは、弦楽器10のボディ12の構造上もっとも強度の高い場所であり、マイクユニット40を安定的に固定することができる。また、サウンドホール36とマイクユニット40との間の距離を確保できるので、マイクユニット40によるボディ12内部の共鳴音の集音効率を向上させることができる。
また、本実施形態では、双指向性マイク42の出力信号は、双指向性マイク42と一体的に構成されたコネクタ部44を通して弦楽器10の外部に導出されるので、ボディ12の内部を通る配線(信号線)が不要となり、ボディ12の内部における不要な振動による雑音を効果的に抑制することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。以下、いくつかの変形例について説明する。
[変形例1]
上述した実施形態では、プリアンプユニット46は、マイクユニット40とは別に構成され、ボディ12の外部に配置される構成としたが、マイクユニット40にプリアンプユニット46を内蔵した構成としてもよい。この場合、プリアンプユニット46を内蔵するマイクユニット40がボディ12の内部に配置される。
また、プリアンプユニット46がマイクユニット40とは別に構成される場合、プリアンプユニット46がボディ12の内部に配置されてもよいことはいうまでもない。
[変形例2]
上述した実施形態では、ボディ12の表板20にサウンドホール36が設けられた弦楽器10に対する適用例について説明したが、弦楽器の種類によっては、例えば図10に示すように、サウンドホール36が、ボディ12の表板20ではなく側板22に設けられているものもある。このような構成を有する弦楽器10において、図11に示すように、双指向性マイク42の指向軸Lが、サウンドホール36の開口する面(すなわち、ボディ12の側板22)に対して平行かつサウンドホール36が形成される方向(双指向性マイク42とサウンドホール36の中心を結ぶ方向)に対して垂直な方向に配置されるようにする。換言すれば、双指向性マイク42のダイアフラム(図11において不図示)はボディ12の表板20に平行に配置され、ダイアフラムを含む平面がサウンドホール36に対して垂直に交差するように配置される。これによって、サウンドホール36からボディ12内に侵入する音に対する感度が低くなり、ハウリングを効果的に抑えることが可能となる。したがって、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
[変形例3]
上述した実施形態では、ウクレレやアコースティックギターなどのように共鳴胴にサウンドホールが1つ設けられる弦楽器に本発明が適用される場合を説明したが、共鳴胴に複数のサウンドホールが設けられる弦楽器、例えばバイオリンやチェロなどにも適用することができる。
(付記)
上記に詳述した実施形態についての記載から把握されるとおり、本明細書では以下に示す発明を含む多様な技術思想の開示を含んでいる。
(付記1)中空状に形成されたボディと、前記ボディに形成されたサウンドホールと、前記ボディに一端が取り付けられたネックと、前記ネックの他端に取り付けられたヘッドと、前記ヘッド及び前記ボディの間に張架された弦とを備える弦楽器に用いられるピックアップマイクシステムであって、前記ボディの内部に配設され、前記ボディの内部で共鳴する楽音を集音する双指向性マイクを備え、前記双指向性マイクは、前記サウンドホールが開口する面に対して平行かつ前記サウンドホールが形成される方向に対して垂直な方向に沿った指向軸を有するピックアップマイクシステム。
(付記2)前記双指向性マイクから出力される信号の周波数特性を平坦化する周波数補正手段を更に備える付記1に記載のピックアップマイクシステム。
(付記3)入力信号に対してノッチ周波数を中心とする周波数成分を減衰させるノッチフィルタと、前記入力信号に含まれるハウリング周波数を検出するハウリング検出手段と、前記ハウリング検出手段で検出されたハウリング周波数を前記ノッチフィルタのノッチ周波数に設定する制御手段とを含むハウリング抑制手段を更に備える付記1又は2に記載のピックアップマイクシステム。
(付記4)中空状に形成されたボディと、前記ボディに形成されたサウンドホールと、前記ボディに一端が取り付けられたネックと、前記ネックの他端に取り付けられたヘッドと、前記ヘッド及び前記ボディの間に張架された弦とを備える弦楽器に用いられるピックアップマイクシステムであって、前記ボディの内部に配設され、前記ボディの内部で共鳴する楽音を集音する双指向性マイクを備え、前記双指向性マイクは、前記サウンドホールが開口する面に対して平行かつ前記サウンドホールが形成される方向に対して垂直な方向に沿った指向軸を有するピックアップマイクシステム用のプリアンプユニットであって、前記双指向性マイクから出力される信号の周波数特性を平坦化する周波数補正手段を備えるプリアンプユニット。
(付記5)中空状に形成されたボディと、前記ボディに形成されたサウンドホールと、前記ボディに一端が取り付けられたネックと、前記ネックの他端に取り付けられたヘッドと、前記ヘッド及び前記ボディの間に張架された弦とを備える弦楽器に用いられるピックアップマイクシステムであって、前記ボディの内部に配設され、前記ボディの内部で共鳴する楽音を集音する双指向性マイクを備え、前記双指向性マイクは、前記サウンドホールが開口する面に対して平行かつ前記サウンドホールが形成される方向に対して垂直な方向に沿った指向軸を有するピックアップマイクシステム用のプリアンプユニットであって、入力信号に対してノッチ周波数を中心とする周波数成分を減衰させるノッチフィルタと、前記入力信号に含まれるハウリング周波数を検出するハウリング検出手段と、前記ハウリング検出手段で検出されたハウリング周波数を前記ノッチフィルタのノッチ周波数に設定する制御手段とを含むハウリング抑制手段を備えるプリアンプユニット。
(付記6)中空状に形成されたボディと、前記ボディに形成されたサウンドホールと、前記ボディに一端が取り付けられたネックと、前記ネックの他端に取り付けられたヘッドと、前記ヘッド及び前記ボディの間に張架された弦とを備える弦楽器に用いられるピックアップマイクシステムであって、前記ボディの内部に配設され、前記ボディの内部で共鳴する楽音を集音する双指向性マイクを備え、前記双指向性マイクは、前記サウンドホールが開口する面に対して平行かつ前記サウンドホールが形成される方向に対して垂直な方向に沿った指向軸を有するピックアップマイクシステム用のプリアンプユニットであって、前記双指向性マイクから出力される信号の周波数特性を平坦化する周波数補正手段と、入力信号に対してノッチ周波数を中心とする周波数成分を減衰させるノッチフィルタと、前記入力信号に含まれるハウリング周波数を検出するハウリング検出手段と、前記ハウリング検出手段で検出されたハウリング周波数を前記ノッチフィルタのノッチ周波数に設定する制御手段とを含むハウリング抑制手段と、を備えるプリアンプユニット。
(付記7)中空状に形成されたボディと、前記ボディに形成されたサウンドホールと、前記ボディに一端が取り付けられたネックと、前記ネックの他端に取り付けられたヘッドと、前記ヘッド及び前記ボディの間に張架された弦とを備える弦楽器と、付記1〜3のいずれか1項に記載のピックアップマイクシステムと、を備えた弦楽器。

10…弦楽器、12…ボディ、14…ネック、16…ヘッド、18…弦、20…表板、36…サウンドホール、40…マイクユニット、42…双指向性マイク、46…プリアンプユニット、48…外部音響拡声装置、62…ダイアフラム、70…プリアンプ、72…周波数特性補正回路、74…ハウリング抑制回路、76…ノッチフィルタ、78…ノッチ制御部、80…ハウリング検出部

Claims (5)

  1. 中空状に形成されたボディと、前記ボディに形成されたサウンドホールと、前記ボディに一端が取り付けられたネックと、前記ネックの他端に取り付けられたヘッドと、前記ヘッド及び前記ボディの間に張架された弦とを備える弦楽器であって、
    前記ボディの内部であって前記ネック側とは反対側のエンド部または前記ネック側のヒール部に配設され、前記ボディの内部で共鳴する楽音を集音する双指向性マイクを備え、
    前記双指向性マイクは、前記サウンドホールが開口する面に対して平行かつ前記サウンドホールが形成される方向に対して垂直な方向に沿った指向軸を有する弦楽器
  2. 前記双指向性マイクの周波数特性とは略逆の周波数特性を有する傾斜フィルタを有し、前記傾斜フィルタを介して前記双指向性マイクから信号を出力することにより、前記双指向性マイクから出力される信号の周波数特性を平坦化する周波数補正手段を更に備える請求項1に記載の弦楽器
  3. 入力信号に対してノッチ周波数を中心とする周波数成分を減衰させるノッチフィルタと、前記入力信号に含まれるハウリング周波数を検出するハウリング検出手段と、前記ハウリング検出手段で検出されたハウリング周波数を前記ノッチフィルタのノッチ周波数に設定する制御手段とを含むハウリング抑制手段を更に備える請求項1又は2に記載の弦楽器
  4. 前記ノッチフィルタは、フィルタ機能を有効とする有効状態と無効とする無効状態とに切り替え可能である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の弦楽器。
  5. 前記制御手段は、前記ハウリング検出手段で前記ハウリング周波数が検出されてから一定時間が経過するまでは前記ノッチフィルタを前記有効状態とし、前記一定時間が経過した後は前記ノッチフィルタを無効状態とする、
    請求項4に記載の弦楽器。
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