JP5833598B2 - 偏波合成器 - Google Patents

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本発明は、偏波合成器に関し、より詳細には、複数のプリズムで構成されたバルク型偏波合成器に関する。
インターネット等により通信トラフィックの大容量化が求められている。そのため、波長分割多重(WDM)システムにおいて、1チャネル当たりの伝送速度の増加や波長数の増加が求められている。具体的には、WDMシステムの伝送には40Gbit/sや100Gbit/sといった高い伝送速度が求められている。
ところが、高速化のために変調シンボルレートを高くすると、分散耐性が急激に劣化し、伝送距離が縮小してしまうという問題等があり、シンボルレートを上げずにビットレートを大きくする多値化技術や多重化技術の必要性が高まっている。マッハツェンダ型光変調部を複数並列に配置したDQPSK(Differential Quadrature Phasa Shift Keying)光変調器やDP(Dual Polarization)−QPSK光変調器等、様々なフォーマットが開発されているが、こうしたアドバンスドフォーマットでは偏波多重化技術が標準的になってきている。
偏波多重化技術において光送信器に必要な機能は、直交する偏光成分それぞれに異なる変調信号を載せることである。形にする方法として2つ考えられている。1つは、1偏波の光をそれぞれ変調し、どちらか一方の偏光を90°回転させた後に偏波ビームコンバイナ(Polarization Beam Combiner)により合波する方法(非特許文献1参照)であり、もう1つは、光変調器に光が入射される時点で2つの偏光成分を持たせ、入射後、偏光ビームスプリッタ(Polarization Beam Splitter)により直交する成分に分離して直交成分をそれぞれ変調する方法(非特許文献2参照)である。
前者は、偏波回転素子が必要となる。後者の構成では、偏波回転素子は不要であるが、両方の偏光成分が等しい強度を持つように入力光の偏光方向を傾斜させて光変調器に入れる必要がある。
現在、これらの技術はLiNbO3(ニオブ酸リチウム;LN)で構成されたLN変調器を用いて実現されているが、100Gbit/sのDP−QPSKが今後普及してくると、LN変調器ではサイズが大きくなってしまう。また、半波長電圧が比較的高く、高い電圧出力を有するドライバーを使用する必要もあり、ドライバーでの消費電力が高くなる問題に直面する。現在の通信では、消費電力を下げながら、かつ小型化していくことが求められており、今後はLN変調器だけで上記問題を解決していくことに限りがある。
そこで、これらの要求に応える1つの手段として、半導体素子に電界を与えることで屈折率を変化させ、入力電気信号を光の位相変化に変換するマッハツェンダ型の半導体変調器が注目されている。半導体変調器は、LN変調器に比べて、構成する光導波路の比屈折率差が大きく、曲げ半径を小さくできるため、小型な回路レイアウトが可能となる。また、駆動電圧もLN変調器に比べて小さくすることが可能であるため、低消費電力の観点からも注目されている。すでに、これらの半導体変調器においても、LN変調器と同じく、DQPSKなどの多値伝送フォーマットに対応した高速変調器が報告されている。
Hiroshi Yamazaki et al., "Integrated 100-Gb/s PDM-QPSK modulator using a hybrid assembly technique with silica-based PLCs and LiNbO3 phase modulators," ECOC 2008, Mo.3.C.1, 2008. C. R. Doerr and L. Zhang, "Monolithic 80-Gb/s Dual Polarization On-Off-Keying Modulator in InP," OFC, PDP19, 2008. Hatem El-Refaei and David Yevick, "An Optimized InGaAsP/InP Polarization Converter Employing Asymmetric Rib Waveguides," Journal of Lightwave Technology, Vol. 21, No. 6, June 2003. 杉谷晃彦、「最近のプロジェクタの現状と動向」、光技術情報誌「ライトエッジ」、ウシオ電機株式会社、No. 15、pp. 84-89、1998年11月 G. L. Li and P. K. L. Yu, "Optical Intensity Modulators for Digital and Analog Applications," Journal of Lightwave Technology, vol. 21, No. 9, pp. 2010-2030, 2003.
Si基板上にSiO系ガラスを主成分とする光導波路を形成した石英系平面光波回路(Planar Lightwave Circuit)を用いた光変調器の場合は、Si基板上に溝を形成してそこに波長板を挿入するだけで簡便に偏波回転が得られるが、半導体光変調器の場合は、溝を切った時点で導波路損失が大きい。半導体による偏波回転素子も報告されている(非特許文献3参照)が、高歩留りで製造することが難しく、特殊な付加プロセスが必要となる。したがって、半導体光変調器では、基板上で偏波を回すのは困難であり、半導体光変調器における変調の後にどちらか一方の偏光を90°回転させた後に合波する偏波合成器が求められている。
そこで、汎用の偏波合分波器として従来知られている図1に示すようなものを利用することが考えられる(非特許文献4参照)。図1の光学素子100は、偏光ビームスプリッタ(PBS)キューブ101と第1のプリズム102とを組み合わせて構成され、第1のプリズム102は、全反射面102Aを有するプリズムである。光学素子100を偏波合成器として用いる場合、PBSキューブ101に入射されるTEモードの光はそのまま透過し、第1のプリズム102に入射されるTMモードの光は全反射面102Aで全反射し、次いでPBSキューブ101の反射膜101Aにおいて反射されてPBSキューブ101からTEモードの光とともに出射する。TEモードの光をPBSキューブ101及び第1のプリズム102にそれぞれ入射して偏波合成を行うためには、第1のプリズム102の入射面に半波長板を設ければよい。
しかしながら、図1の光学素子に半波長板を設けただけではTEモードとTMモードの位相補償が必要になり、光学素子が大型化してしまう。図2は、位相補償に必要な光路調整用プリズム103をさらに設けた光学素子の上面図を示している。PBSキューブ101、第1のプリズム102、及び光路調整用プリズム103の硝材としてH−K9L、半波長板104の材料として石英を用いた場合、次式により定まる光路調整用プリズム103の長さLは6mm程度となり全体では8mm以上になってしまう。
L×nH−K9L=L×nair+L×nqurtz+L×nH−K9L
(式1)
例えば、石英半波長板104の厚さLを0.35mm、屈折率nqurtzを1.531783、全反射面102Aから反射膜101Aまでの距離LをPBSキューブ101の一辺の長さに等しいとし、ガラス硝材H−K9Lの屈折率nH−K9Lを1.5009922と置くと、L=L+Lの関係から長さLは決めることでできる。L=2mmであるとき、位相調整用プリズム103の長さLは約6.28353mmで、偏波合波器の総長としてはPBSキューブ101の長さL=2mm加えて、8.2853mmにもなる。しかも、補償精度は硝材の加工精度に依存するので、それほど高くは無い。
また、一つのキューブの大きさを縮小すれば、反射行路によって生じる位相差は小さくなるので、位相補償長さも短くなり、光学素子の小型化が可能となる。しかし、通常、コリメーター化された光のビームの大きさは、1/e全幅で約0.6mmから0.8mmとなる。二つのビームが平行に進む場合は、相互の干渉や調整不良による位置のずれにより隣接光行路に入り込む光の量を完全に抑制するために、反射ミラーとして使用するキューブの幅は、ビームの全幅の2倍程度は必要になる。このため、上記の構造では小型化、特に短小化が困難である。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、同一の偏光方向を有する2つの入力光に対するバルク型偏波合成器において、2つの入力光の位相差を補償しつつ素子の大型化を抑制することにある。
このような目的を達成するために、本発明の第1の態様は、PBSキューブと、前記PBSキューブに隣接し、前記PBSキューブの反射膜と平行な第1の反射面を有する第1のプリズムと、前記PBSキューブに隣接し、前記PBSキューブの前記反射膜と直角な第2の反射面および前記第2の反射面に対向する第3の反射面を有する第2のプリズムと、前記第1のプリズムに隣接する光路調整用キューブとを備え前記PBSキューブ、前記第1のプリズム、前記第2のプリズム、および前記光路調整用キューブは同一の材料からなり、前記光路調整用キューブに設けられた半波長板と、前記第2のプリズムに設けられ、前記半波長板と同一の材料からなる補償板とさらに備え、第1の偏光方向を有する第1及び第2の入力光を、それぞれ前記補償板及び前記半波長板に入射したとき、前記第1の入力光が、前記補償板を透過し、前記第3の反射面で反射された後、前記第2の反射面で反射され、前記PBSキューブの前記反射膜に至る光路長と、前記第2の入力光、前記半波長板を透過して第2の偏光方向に変換された後、前記光路調整用キューブを透過して前記第1の反射面で反射され、前記PBSキューブの前記反射膜に至る光路長とが等しいことを特徴とする偏波合成器である。
また、本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記第1のプリズムが、前記第1の反射面を有する第1のキューブを備え、前記第2のプリズムは、前記PBSキューブに隣接し、前記PBSキューブの前記反射膜と直角な前記第2の反射面を有する第2のキューブと、前記第2のキューブに隣接し、前記第2のキューブの前記第2の反射面と平行な前記第3の反射面を有する第3のキューブとを備え、前記補償板は前記第3のキューブに設けられていることを特徴とする。
また、本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記第1の偏光方向はTEモード、前記第2の偏光方向はTMモードであり、前記第1の反射面は、TMモードの光に対する94%以上96%以下の反射膜であり、前記第3の反射面は、TEモードの光に対する94%以上96%以下の反射膜であることを特徴とする。
また、本発明の第4の態様は、第3の態様において、前記第1の反射面を透過したTMモードの光と、前記第3の反射面を透過したTEモードの光をそれぞれ検出するための受光素子をさらに備えることを特徴とする。
また、本発明の第5の態様は、第2の態様において、前記第2の反射面が、前記第2のキューブの硝材と空気との界面による全反射鏡であることを特徴とする。
本発明によれば、同一の偏光方向を有する2つの入力光に対するバルク型偏波合成器において、PBSキューブと、反射面を有する複数のプリズムを用いて光路を適切に設計することにより、2つの入力光の位相差を補償しつつ素子の大型化を抑制することができる。
従来知られている汎用の偏波合分波器を示す図である。 図1の偏波合分波器に位相補償に必要な光路調整用プリズムをさらに設けた光学素子の上面図である。 本発明の第1の実施形態に係る偏波合成器を示す図である。 図3の偏波合成器の機能を説明するための図である。 第1の実施形態の変形形態を示す図である。 第1の実施形態の別の変形形態を示す図である。 第2の実施形態に係る受光素子を有する偏波合成器を示す図である。 本発明に係る偏波合成器の製造方法の一形態を説明するための図である。 本発明に係る偏波合成器の製造方法の一形態を説明するための図である。 本発明に係る偏波合成器の製造方法の一形態を説明するための図である。 本発明に係る偏波合成器の製造方法の別の形態を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図3に、本発明の第1の実施形態に係る偏波合成器を示す。偏波合成器300は、PBSキューブ301と、PBSキューブ301に隣接し、PBSキューブ301の反射膜301Aと平行な第1の反射面302Aを有する第1のプリズム302と、PBSキューブ301に隣接し、PBSキューブ301の反射膜301Aと直角な第2の反射面303Aおよび第2の反射面303Aに対向する第3の反射面303Bを有する第2のプリズム303と、第1のプリズム302に隣接する光路調整用キューブ304と、第2のプリズム303に設けられた補償板305と、前記光路調整用キューブ304に設けられた半波長板306とを備える。
図4を参照して、偏波合成器300の機能を説明する。第1の偏光方向、例えばTEモードの2つの入力光が、それぞれ補償板305及び半波長板306に入射される。補償板305を透過した第1の入力光は、第2のプリズム303の第3の反射面303Bで全反射した後、第3の反射面303Bに対向する第2の反射面303Aにおいても全反射される。第1の入力光は、次いでPBSキューブ301に入射されて、反射膜301Aを透過する。半波長板306に入射された第2の入力光は、第1の偏光方向であるTEモードから第2の偏光方向であるTMモードに変換された後、光路調整用キューブ304を透過し、第1のプリズム302に入射される。そして、第1のプリズム302の反射面302Aで全反射された後、PBSキューブ301の反射膜301Aで反射され、PBSキューブ301からTEモードの第1の入力光とともに出射される。
このような構成を採ることにより、同一の偏光方向を有する2つの入力光に対するバルク型偏波合成器において、2つの入力光の位相差を補償しつつ素子の大型化を抑制することができる。たとえば、図2の例と同様に、PBSキューブ301、第1のプリズム302、第2のプリズム303、及び光路調整用キューブ304の硝材としてH−K9L、補償板305および半波長板306の材料として石英を用いた場合、一辺が2mmの三角ミラー、またはキューブミラーを2列と、長さが0.35mm程度の水晶製半波長板を用いるため、偏波合波器全体での長さは4.35mm程度となり、従来の構造における長さ8.28mmに比べ、約半分となり、大型化を抑制できていることが分かる。
なお、図3においては、PBSキューブ301として立方体のプリズムを図示してあるが、本実施形態に係る偏波合成器が備えるPBSキューブには、より大きなプリズムの中にPBSキューブ構造が内包されている場合も含まれる。たとえば、図5に示すように、3つの部品を組み合わせて偏波合成器を構成することができる。汎用のPBSブロック501は、反射膜501Aを中心としたPBSキューブ構造を内包する。PBSブロック501の第1の面501Bで第1のブロック502と接着し、第2の面501Cで光路調整用キューブ503と接着すればよい。
また、図6のような例も考えられる。図6の偏波合成器600は、すべて立方体のプリズムを部品として組み立てられており、図3の偏波合成器300と、第1のプリズム302および第2のプリズム303の構造が異なる。偏波合成器600においては、図3の第1のプリズム302が、第1の反射面602Aを有する第1のキューブ602を備え、図3の第2のプリズム303が、PBSキューブ301に隣接し、PBSキューブ301の反射膜301Aと直角な第2の反射面603Aを有する第2のキューブ603’と、第2のキューブ603’に隣接し、第2のキューブ603’の第2の反射面603Aと平行な第3の反射面603Bを有する第3のキューブ603”とを備える。第1のキューブ602、第2のキューブ603’及び第3のキューブ603”は、後述する図10及び11のように、これらのキューブ構造を内包する形で製造することもできる。
図3の例との大きな相違点は、図3においては、第1の反射面302A、第2の反射面303A、及び第3の反射面303Bが、硝材と空気との界面に形成される全反射鏡であるのに対し、図6においては、第1の反射面602A、第2の反射面603A、及び第3の反射面603Bが、反射膜をコーティングすることによって形成されている。
また、補償板305及び半波長板306は、同一の加工によって作られた石英板とし、補償板305については、結晶軸(C軸)を0度、半波長板306については結晶軸を45度に切り出させたものとすることができる。
また、通常の[100]基板を用いる化合物半導体レーザは、基本的にTEモードで発振することが多く、加えて、半導体光変調器においてもその動作原理となる電気光学効果や、光の吸収効果であるフランツケルディッシュ効果、QCSEなどの量子効果などもTMモードの光よりもTEモードの光に対する変調効率が大きい(非特許文献5参照)。したがって、2つの入力光の偏光方向がTEモードである場合、2つの入力光の位相差を補償しつつ素子の大型化を抑制することのできる本実施形態に係る偏波合成器の意義は非常に大きい。
また、「全反射」という用語を用いたが、第3の実施形態で説明するように実際には100%の反射率を実現することは難しく、本実施形態の説明を容易にするためにこの用語が用いられている点に留意されたい。
(第2の実施形態)
図6のように偏波合成器を構成すると、TEモードの光とTMモードの光をそれぞれ部分的に取り出してモニタリングを行うことが可能になる。第1の反射面602Aに、TMモードの光に対する反射率が例えば95%のコーティングを行い、第3の反射面603Bに、TEモードの光に対する反射率が例えば95%のコーティングを行うと、図7に示すように受光素子701、702を配置することで両偏波のモニタリングができる。それぞれ独立にモニタリングし、光強度制御が必要な場合がある。
(第3の実施形態)
図8〜10を参照して、本発明に係る偏波合成器の製造方法の一形態を説明する。
まず、厚さを制御した大判の硝材を切断し、切断された薄板の片面に、所要のコーティングを行う(図8)。次いで、これらの薄板を接着して、45度の切り出しを行う(図9)。同様の工程を異なるコーティングの組み合わせについて行い、張り合わせる(図10)。例えば、図中の(1)から(5)の面処理を、それぞれ、コーティング無しの光学研磨面、TEモードに対する94%〜100%反射膜、TEモードに対する94%〜100%反射膜、PBS用反射膜、TMモードに対する95%〜100%反射膜とすると、図10に示すように、TEモードとTMモードの入力光の偏波合成を行うことができる。このように製造することで、本発明に係る偏波合成器を低価格に量産することができる。この製造方法では、コーティングが異なるだけで同一の研磨で作製した厚板を切り出して使用するため、製造誤差がTE側及びTM側それぞれに同様に加わるので、相対的な誤差が発生せず非常に高精度の位相補償が可能になる。
一般原理としてはTEモード及びTMモードに対してそれぞれ100%の反射率となる高反射膜の作成は可能なのだが、実際には、硝材の吸収や屈折率、使用する光の波長との関係、加えて理想的屈折率を有するコーティング材料が無く、波長帯によってはTMモードに関しては100%近くまで到達できるものの、TEモードに関しては最大でも95%程度までしか高反射状態にできない。1550nmの光の波長帯では、まさにこのような状態であり、通常コーティングに用いる2酸化シリコンSiO、2酸化チタンTiO、フッ化マグネシウムMgF、アモルファスSiなどでは、キューブ構造ではTEモードは93%強程度で、これに金属膜を加えてやっと95%程度まで上昇できるかどうかである。このため、偏波合波器内で2回反射する本構造では、TEモードに関して10%程度の挿入損失となる。このうち、5%は第2の実施形態で説明したモニター用の光取り出しだとしても、残りの5%は損失となる。
このため、各偏波状態の光に対して、挿入損失を0.5dB以内に保ちたい場合には、特にTEモード側の第3の反射面(図10では(2))に95%の反射率を設定し、5%をモニター光として利用すると、第2の反射面(図10では(3))は限りなく100%に近づけなければならない。通常、光デバイスの光出力に必要以上に余裕がない限り、送信機の特性を維持するために、光部品の挿入損失として0.5dB以上は認められていない。このため、TEモードの光に対する第2の反射面は、可能な限り100%に近いことが必要とされる。また、同じ理由により、モニター光として利用できる光の割合も6%以上を用いることは無い。このため、モニター光に対する反射面となる第1の反射面(図10では(1))と第3の反射面(図10では(2))は、製造誤差も考慮して、95%程度(94%〜96%が好ましい)に設定されるべきである。それ以外の反射面は、すべて100%に限りなく近い設計が必要となる。
図10では、第2の反射面(図10では(3))の面処理を、TEモードに対する100%反射膜のコーティングとした例で説明した。しかし、実際にTEモードに対する反射率を100%近くに設定することは難しく、製造トレランスを考慮すると95%程度になってしまうことがある。この場合、TEモードを反射膜で2回反射させると、10%程度の光を失う計算になる。そこで、第2の反射面(図10では(3))の面処理として、反射膜のコーティングではなく、図11に示すように凹部を設けてもよい。凹部を設けることにより、硝材と空気との界面に全反射鏡が形成され、反射損失、ひいては挿入損失を低減することができる。また、モニター用に光の取り出しを必要としない場合には、同様に第3の反射面(図10では(2))の面処理として、反射膜のコーティングではなく、反射面となる面の後面に凹部(図11に点線で表記)を設け、空気の屈折率の層を作ることで、全反射面とすることができる。
300 偏波合成器
301 PBSキューブ
301A 反射膜
302 第1のプリズム
302A 第1の反射面
303 第2のプリズム
303A 第2の反射面
303B 第3の反射面
304 光路調整用キューブ
305 補償板
306 半波長板
501 PBSブロック
501A 反射膜
501B 第1の面
501C 第2の面
502 第1のブロック
503 光路調整用キューブ
600 偏波合成器
602 第1のキューブ
602A 第1の反射面
603’ 第2のキューブ
603” 第3のキューブ
603A 第2の反射面
603B 第3の反射面
701、702 受光素子

Claims (5)

  1. PBSキューブと、
    前記PBSキューブに隣接し、前記PBSキューブの反射膜と平行な第1の反射面を有する第1のプリズムと、
    前記PBSキューブに隣接し、前記PBSキューブの前記反射膜と直角な第2の反射面および前記第2の反射面に対向する第3の反射面を有する第2のプリズムと、
    前記第1のプリズムに隣接する光路調整用キューブとを備え
    前記PBSキューブ、前記第1のプリズム、前記第2のプリズム、および前記光路調整用キューブは同一の材料からなり、
    前記光路調整用キューブに設けられた半波長板と
    前記第2のプリズムに設けられ、前記半波長板と同一の材料からなる補償板とさらに備え、
    第1の偏光方向を有する第1及び第2の入力光を、それぞれ前記補償板及び前記半波長板に入射したとき、
    前記第1の入力光が、前記補償板を透過し、前記第3の反射面で反射された後、前記第2の反射面で反射され、前記PBSキューブの前記反射膜に至る光路長と
    前記第2の入力光、前記半波長板を透過して第2の偏光方向に変換された後、前記光路調整用キューブを透過して前記第1の反射面で反射され、前記PBSキューブの前記反射膜に至る光路長とが等しいことを特徴とする偏波合成器。
  2. 前記第1のプリズムは、前記第1の反射面を有する第1のキューブを備え、
    前記第2のプリズムは、前記PBSキューブに隣接し、前記PBSキューブの前記反射膜と直角な前記第2の反射面を有する第2のキューブと、前記第2のキューブに隣接し、前記第2のキューブの前記第2の反射面と平行な前記第3の反射面を有する第3のキューブとを備え、前記補償板は前記第3のキューブに設けられていることを特徴とする請求項1記載の偏波合成器。
  3. 前記第1の偏光方向はTEモード、前記第2の偏光方向はTMモードであり、
    前記第1の反射面は、TMモードの光に対する94%以上96%以下の反射膜であり、
    前記第3の反射面は、TEモードの光に対する94%以上96%以下の反射膜であることを特徴とする請求項2記載の偏波合成器。
  4. 前記第1の反射面を透過したTMモードの光と、前記第3の反射面を透過したTEモードの光をそれぞれ検出するための受光素子をさらに備えることを特徴とする請求項3記載の偏波合成器。
  5. 前記第2の反射面は、前記第2のキューブの硝材と空気との界面による全反射鏡であることを特徴とする請求項2記載の偏波合成器。
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