JP5832282B2 - マイクロミキサ - Google Patents

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本発明は、複数の部材同士を組み合わせた構造に起因した不具合が解消された、マイクロミキサに関する。
ガラスや樹脂性のチップ上にナノメートルからマイクロメートルオーダーの微小な流路を形成し、この流路中において化学やバイオ分野等の分析を実現する技術が、近年注目を集めている。このような技術は、μTAS(micro total analysis system)又はLab-on-a-chipと呼ばれている。この技術においては、様々な分析を微小なチップ上で実現するために、チップ上における送液、混合、検出等の各要素技術の開発が進められている。
このような微小なチップ上において、流体を用いて実際に分析及び反応操作を行う場合、流体の攪拌及び複数の流体の混合を効率よく行うことは、高精度で迅速な分析を実現するために重要である。一般的に、液体が流れる状態として、層流状態と乱流状態とがある。ナノメートルからマイクロメートルオーダーの微小な反応流路のようなマイクロ空間内においては、流体の粘性力が影響する層流状態となる(例えば、特許文献1参照)。乱流混合においては、流体はその流体塊の 回転運動によって連続的に薄層に分割され小さなフラグメントになって混合が進んでいくが、層流混合では流体運動による分割は不可能なので、分割−混合を強制的に行う方法により混合するしかない(例えば、非特許文献1参照)。
2成分の流体をそれぞれ多くのストリームに分割し、それを混合する方法として、特許文献2に示されるようなマイクロミキサが報告されている。このマイクロミキサは、流体が流れる複数の流路と、前記流路の各々と連なり前記流体が分配される分配流路と、分配された流体同士を混合させる混合部と、を備えている。従来のマイクロミキサは、供給口や流路が形成されたプレート、分配流路が形成されたプレート、混合部が形成されたプレートなど、複数のプレートを積層して構成されている。
従来、マイクロミキサの製造には、シンクロトロンから放射される極めて波長の短い光を使って、PMMA(アクリル樹脂)の板の表面に直接微細構造を形成させる、LIGA(Lithographie Galvanoformung Abformung)プロセスを用いている。このプロセスは、シンクロトロン光と呼ばれる指向性のある短波長の光で露光するため、特殊で高価な露光装置が必要であり、工業的な大量生産が困難であるという問題があった。また、フォトリソ技術を用いた加工であるため、平面図を縦方向に単純に伸ばした構造体しか実現できず、デザイン上の制約があるという問題があった。
また、混合部の材質がめっきで形成されたNiなどの金属であるため、光学的透過性がなく、目視で混合状態を確認できないという問題があった。さらに、混合部の材質が導体であるために、電位差を与えて流体を移動させる場合に、混合部の導体が通電されることによる発熱や感電などの問題があった。また、混合部を分析チップ内に埋め込むことができず、チップ上に外付けしなければならないことから、小型化が困難という問題があった。
また、マイクロミキサは、流体の流れや混合を促進させるために、マイクロミキサ全体を高温にすることがある。このような使われ方をする場合、分析チップの材質(ガラス)と混合部の材質が異なるため、熱をかけた際の収縮量に差(熱膨張係数差)があり、熱応力による信頼性低下や接続部での漏洩という問題があった。従来のような積層型であると互いの接合界面において層間剥離し、液漏れなどの不具合が生じる可能性があった。
また、従来のマイクロミキサは複数の部材を積層しており、部材同士を接合するために接着剤が用いられることがある。しかし、接着剤の成分が流体に溶け込み、得られた混合液に不純物が混入する可能性があった。
このように、従来のマイクロミキサは、複数の部材同士を組み合わせた構造に起因した不具合が指摘されていた。
特開2010-188305号公報 特開2009−233561号公報
吉田潤一、マイクロリアクターの開発と応用、株式会社シーエムシー出版
本発明は、このような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、変形による界面剥離や接着剤成分の混入など、複数の部材同士を組み合わせた構造に起因した不具合を解決し、信頼性の高いマイクロミキサを提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載のマイクロミキサは、第一の流体が流れる第一の流路と、第二の流体が流れる第二の流路と、前記第一の流路から枝分かれした複数の第一の分流路と、前記第二の流路から枝分かれした複数の第二の分流路と、前記第一の分流路で分流された前記第一の流体と、前記第二の分流路で分流された前記第二の流体とを合流させ混合する混合部と、を少なくとも備えてなり、前記第一の流路、前記第二の流路、前記第一の分流路、前記第二の分流路、及び前記混合部が、単一の基体の内部に設けられており、前記混合部が前記単一の基体中に中空に形成されていること、を特徴とする。
本発明の請求項2に記載のマイクロミキサは、請求項1において、前記第一の流路、前記第二の流路、前記第一の分流路及び前記第二の分流路が、それぞれ、前記単一の基体中に中空に形成されていること、を特徴とする。
本発明の請求項に記載のマイクロミキサは、請求項1又は2において、前記基体が、透明な材料からなること、を特徴とする。
本発明の請求項に記載のマイクロミキサは、請求項1〜3の何れか一項において、前記第一の分流路と前記第二の分流路とが、その幅方向において交互に配されていること、を特徴とする。
本発明のマイクロミキサでは、前記第一の流路、前記第二の流路、前記第一の分流路、前記第二の分流路、及び前記混合部が、単一の基体の内部に設けられているので、従来のマイクロミキサのような接合界面が無い。したがって、変形による界面剥離や接着剤成分の混入など、複数の部材同士を組み合わせた構造に起因する不具合が生じることがない。その結果、本発明では、信頼性の高いマイクロミキサを提供することができる。
また、本発明のマイクロミキサの製造方法では、前記基体において、前記第一の流路、前記第二の流路、前記第一の分流路、前記第二の分流路、及び前記混合部となる領域をレーザー光照射することにより前記基体の内部に改質部を形成する工程と、前記改質部をエッチングにより除去し、前記基体に前記第一の流路、前記第二の流路、前記第一の分流路、前記第二の分流路、及び前記混合部を形成する工程と、を含んでいるので、前記第一の流路、前記第二の流路、前記第一の分流路、前記第二の分流路、及び前記混合部が、単一の基体の内部に設けられたマイクロミキサを製造することができる。また、本発明では、レーザー光照射による改質とエッチングを用いるため、三次元的に任意の構造体を形成することが可能であり、最適な形状の流路、分流路及び混合部を容易に形成することができる。その結果、本発明では、信頼性の高いマイクロミキサを簡便な方法で製造可能なマイクロミキサの製造方法を提供することができる。
本発明のマイクロミキサの一実施形態を模式的に示す斜視図。 図1に示すマイクロミキサにおいて、第一の分流路と第二の分流路とを示す平面図。 図1に示すマイクロミキサにおいて、第一の分流路と第二の分流路とを示す平面図。 図1に示すマイクロミキサにおいて、Y−Y線における縦断面図。 図1に示すマイクロミキサにおいて、X−X線における縦断面図。 本発明のマイクロミキサを搭載した分析チップの一構成例を模式的に示す斜視図。 本発明のマイクロミキサの製造方法を工程順に示す断面図。
以下、本発明に係るマイクロミキサ及びその製造方法の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のマイクロミキサの一実施形態を模式的に示す斜視図である。
このマイクロミキサ1は、第一の流体Aが流れる第一の流路3aと、前記第一の流路3aと対向して配され第二の流体Bが流れる第二の流路3bと、前記第一の流路3aから枝分かれした複数の第一の分流路4aと、前記第二の流路3bから枝分かれした複数の第二の分流路4bと、前記第一の分流路4aで分流された前記第一の流体Aと、前記第二の分流路4bで分流された前記第二の流体Bとを合流させ混合する混合部5と、前記混合部5から伸びた第三の流路6と、を少なくとも備えてなる。
そして本発明のミクロミキサ1は、前記第一の流路3a、前記第二の流路3b、前記第一の分流路4a、前記第二の分流路4b、及び前記混合部5が、単一の基体2の内部に設けられていること、を特徴とする。
本発明では、第一の流路3a、第二の流路3b、第一の分流路4a、第二の分流路4b、及び混合部5が、単一の基体2の内部に設けられているので、従来のマイクロミキサ1のような接合界面が無い。したがって、変形による界面剥離や接着剤成分の混入など、複数の部材同士を組み合わせた構造に起因する不具合が生じることがない。その結果、本発明のマイクロミキサ1は、複数の部材同士を組み合わせた構造に起因した不具合を解決し、信頼性の高いものとなる。
前記基体2は、透明な材料からなることが好ましい。基体2を構成する透明な材料としては、例えばガラスが挙げられる。基体2が透明な(光学的透過性を有する)材料からなることで、目視または光学顕微鏡で混合状態が確認できる。混合部5を外部から観察できるため、例えば、混合部5内で流体中の異物や気泡による流路の閉塞が起きているか否かを観察できる。
さらに、基体2をガラスのような絶縁体から構成することで、流体に電位を加えて移動させる場合に、混合部5が通電されることによる発熱や感電などの心配がない。また、基体2をガラスから構成することで、流路や混合部5が微細構造となった場合でも、機械的強度を保つことが可能である。
第一の流路3a、第二の流路3b、第三の流路6の幅及び深さは、特に限定されるものではないが、例えば1〜500μmとすることができる。各流路は同じ寸法である必要はなく、任意に決められる。例えば、液体の粘度に応じて各流路の幅を調整することで、液体をスムーズに流すことができる。
後述するように、これらの流路はいずれも、例えばレーザー光を用いたガラスの改質と、該改質部のエッチングにより形成できる。これにより、流路の断面形状を任意に制御できる。例えば、丸型や六角形にすることもできる。
図2は、第一の分流路4aと第二の分流路4bとを、混合部5側から見た平面図である。
第一の分流路4aは、複数の支流4a1、4a2、4a3、・・・から構成されている。第二の分流路4bは、複数の支流4b1、4b2、4b3、・・・から構成されている。そして、支流4a1、4a2、4a3・・・と、支流4b1、4b2、4b3・・・とが、支流の幅方向に交互に配されている。つまり、4a1、4b1、4a2、4b2、4a3、4b3、・・・の順に並んで配されている。第一の分流路4aと記第二の分流路4bとは、図2(a)に示すようにそれぞれ櫛歯状としてもよいし、図2(b)に示すようにそれぞれ鋸歯状としてもよい。なお、これらは一例であり、分流路の先端をR形状にしたり、櫛歯の長方形を多角形にしたり、鋸歯に突起をつけたり、などすることもできる。
このように第一の分流路4aと第二の分流路4bはそれぞれ、互い違いに離間して等間隔に配され、各分流路と接続された混合部5で第一の流体Aと第二の流体Bが混合される。流路内には流体を流動させるために、ポンプ(後掲の図参照)の圧力差などが働くため、流路内の流体を任意の速度で流動させることができ、混合速度を制御することができる。
図3は、第一の分流路4aと第二の分流路4bとを、混合部5側から見た平面図である。図3は、第一の分流路4aと第二の分流路4bとを、混合部5側から見て、アレイ状に交互に配した例である。
後述するように、これらの分流路は、例えばレーザー光を用いたガラスの改質と、該改質部のエッチングにより形成できる。これにより、ガラス基体2内に図に示したような複雑な立体構造を形成できる。図3(a)に示すように、分流路を四角形状とし、第一の分流路4aと第二の分流路4bとを交互に格子状に配置することもできるし、図3(b)に示すように、分流路を丸形状とし、第一の分流路4aと第二の分流路4bとを交互に並べて配置することもできる。また、図3(c)に示すように、分流路を六角形状にして第一の分流路4aと第二の分流路4bとを交互に並べれば、ハニカム構造となる。この形状は、流路自体の機械的強度と流路の密度の観点から好ましい。
また、図4は、図1に示すマイクロミキサにおいて、Y−Y線における縦断面図である。
図4に示すように流路を複数のツリー状(幹の部分を平面方向から見たときに櫛歯状にする)に形成すれば、分流路をアレイ状に配置できる。図4に示す例では分流路の幹に当たる部分と枝に当たる部分、葉にあたる部分でそれぞれ寸法が異なるが、流路の寸法は混合速度、流体へかける圧力により任意に形成することができる。
これら第一の分流路4a及び第二の分流路4bの幅及び深さは、特に限定されるものではないが、例えば0.1〜50μmとすることができる。分流路間の間隔は、特に限定されるものではないが、例えば1〜100μmとすることができる。分流路の分岐数は、特に限定されるものではないが、例えば10〜3000とすることができる。混合部5の幅及び深さは、特に限定されるものではないが、例えば1〜500μmとすることができる。
これらの分流路は、例えばレーザー光を用いたガラスの改質と、該改質部のエッチングにより形成できる。これにより、流路や分流路の断面形状を任意に制御できる。
図5は、図1に示すマイクロミキサにおいて、X1−X2線における縦断面図である。流路や分流路の断面形状を、例えば図5(a)に示すような四角形状にすることもできるし、図5(b)に示すような半円形状にすることもできる。また、図5(c)に示すような台形形状にすることもできる。これらは一例であり、例えば六角形などの多角形にすることもでき、混合部5と接点を持ちさえすれば良い。混合の効率の観点からは、混合部5との接触面積が大きく、かつ並列する分流路の密度が高く、分流路自体の機械的強度を併せもった形状が望ましい。
図5に示すように、混合部5は、ガラスなどの基体2中に中空に形成される。マイクロミキサ1の基体2内の位置は、基体2厚さ内であれば任意の深さに形成できる。混合部5の上面をガラス表面よりも深くしておけば、基体2表面が混合部5の蓋として機能するので、別途蓋を設ける必要がなく、マイクロミキサ1を完全に基体2内に埋め込み、接続点のない構造にできる。
図6は、上述したような本発明のマイクロミキサ1を搭載した分析チップの一構成例を模式的に示す斜視図である。
分析チップ10は、分析チップの基体と一体に設けられたマイクロミキサ1を備える。この分析チップ10では、キャリア入口11、サンプル入口12、マイクロミキサ1、リアクター13、検出部14、ポンプ15、出口16を備えているが、これは分析チップの構成の一例であり、これに限定されるものではない。例えば、フィルターやセパレータ、電子回路などその他必要な機能を備えた構成とすることもできる。また、各構成要素は1個に限定されるものではなく、例えばサンプル入口やリアクターを複数個備えた構成とすることもできる。
つぎに、このようなマイクロミキサ1の製造方法について説明する。
図7は、本発明のマイクロミキサの製造方法を工程順に示す断面図である。
本発明のマイクロミキサ1の製造方法は、基体2において、第一の流路3a、第二の流路3b、第一の分流路4a、第二の分流路4b、及び混合部5となる領域をレーザー光照射することにより前記基体2の内部に改質部20を形成する工程と、前記改質部をエッチングにより除去し、前記基体2に第一の流路3a、第二の流路3b、第一の分流路4a、第二の分流路4b、及び混合部5を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
(1)基体2において、第一の流路3a、第二の流路3b、第一の分流路4a、第二の分流路4b、及び混合部5となる領域をレーザー光照射することにより前記基体2の内部に改質部20を形成する。
まず、基体2の第一の流路3a、第二の流路3b、第一の分流路4a、第二の分流路4b、及び混合部5となる領域をレーザー光照射することにより改質する。
その方法の一例として、図7(a)に示すように、基体2にレーザー光Lを照射して、基体2内に基体2の材料が改質されてなる改質部20を形成する方法が挙げられる。改質部20は、第一の流路3a、第二の流路3b、第一の分流路4a、第二の分流路4b、及び混合部5となる領域に設けられる。
レーザー光Lは、例えば基体2の一方の主面2a側から照射され、基体2内の所望の位置で焦点Sを結ぶ。焦点Sを結んだ位置で、該基体2の材料が改質される。したがって、レーザー光Lを照射しながら焦点Sの位置を順次ずらして移動(走査)して、第一の流路3a、第二の流路3b、第一の分流路4a、第二の分流路4b、及び混合部5となる領域の全部に対して、焦点Sを結ぶことにより、改質部20を形成することができる。
レーザー光Lの光源としては、例えばフェムト秒レーザー光を挙げることができる。該レーザー光Lを照射することによって、例えば径が数μm〜数十μmとした改質部を得ることができる。また、基体2内部におけるレーザー光Lの焦点Sを結ぶ位置を制御することにより、所望の形状を有する改質部20を形成することができる。
なお、改質部20を形成する際、レーザー光Lを照射する方向としては、基体2の一方または他方の主面からのみレーザー光Lを照射してもよいし、基体2の両主面からレーザー光Lを照射してもよい。
(2)前記改質部20をエッチングにより除去し、基体2に第一の流路3a、第二の流路3b、第一の分流路4a、第二の分流路4b、及び混合部5を形成する。
次に、前工程で形成した改質部20を除去して、基体2に第一の流路3a、第二の流路3b、第一の分流路4a、第二の分流路4b、及び混合部5を形成する。
その方法の一例として、図7(b)に示すように、改質部20を形成した基体2をエッチング液(薬液)30に浸漬して、改質部20をエッチング(ウエットエッチング)することにより基体2から除去する方法が挙げられる。その結果、改質部21が存在した部分に、基体2に第一の流路3a、第二の流路3b、第一の分流路4a、第二の分流路4b、及び混合部5が形成される(図7(c)参照)。
本実施形態では基体2の材料として石英ガラス板を用い、エッチング液30としてフッ酸(HF)を主成分とする溶液を用いた。このエッチングは、基体2の改質されていない部分に比べて改質部20が非常に速くエッチングされる現象を利用するものであり、結果として改質部の形状に応じた第一の流路3a、第二の流路3b、第一の分流路4a、第二の分流路4b、及び混合部5を形成することができる。
前記エッチング液30は特に限定されず、例えばフッ酸(HF)を主成分とする溶液、フッ酸に硝酸等を適量添加したフッ硝酸系の混酸等を用いることができる。また、基体2の材料に応じて、他の薬液を用いることもできる。
なお、混合部5は、流路、分流路と比較して体積が大きく、エッチング液の供給源(図6に示す分析チップ10の入口11,12と出口16)から遠いため、混合部5の部分のエッチングに時間がかかる場合がある。そのため、図7(b)に示すように、混合部5上のガラス基体2にエッチング液30の浸入孔21を設けてもよい。これにより、流路と比較して体積が大きく、エッチング液30の供給源(図6に示す分析チップ10の入口11,12と出口16)から遠い混合部5においても、エッチングの加工速度を向上させることができる。
浸入孔21は1〜100μmの微小な径でも十分に改質後のエッチング速度の改善効果が得られる。また、浸入孔21は1個に限定されず、複数個形成させることもできる。
図7(c)に示すように、エッチング終了後に、ガラスや金属、テフロン(登録商標)などからなる部材22により浸入孔21を塞げば、混合部5からの液漏洩を防ぐことができる。浸入孔21を塞ぐ手段としては、例えば印刷法による金属ペーストや樹脂の充填、接着樹脂を介したガラスの接合やガラスの陽極接合、テフロン(登録商標)テープの貼り付けなどが挙げられる。
このように本発明では、基体2にレーザー光照射することにより基体2の内部に改質部20を形成し、改質部20をエッチングにより除去することで、第一の流路3a、第二の流路3b、第一の分流路4a、第二の分流路4b、及び混合部5が、単一の基体2の内部に設けられたマイクロミキサ1を製造することができる。その結果、本発明のマイクロミキサ1の製造方法では、信頼性の高いマイクロミキサ1を簡便な方法で製造可能である。
特に本発明では、レーザー光照射による改質と改質後のエッチングを用いるため、レーザー光の出力を調整するだけで数十ナノから数百ミクロンレペルまでの立体的な微細な流路を一括で形成可能である。また、直接描画で形成するため、シンクロトロン光やX線などの短い波長を使う特殊で高価な露光装置が不要であり、工業的な大量生産が可能である。また、レーザー光描画のため、三次元的に任意の構造体を形成することが可能で、デザイン上の自由度が高く、より最適な流路、分流路及び混合部を形成することが可能となる。
また、レーザー光照射による改質とエッチングで流路を形成するため、混合部5を分析チップ内に埋め込むことができ、分析チップ自体の小型化が容易。また、分析チップの材質と混合部の材質が同じため、熱をかけた際の収縮量に差(熱膨張係数差)が生じないため、信頼性が高い。また、分析チップ内の流路、分流路及び混合部は一体で連続体であるため、接続部での漏洩という心配がない。
以上、本発明のマイクロミキサ及びその製造方法について説明してきたが、本発明は上述した例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明は、マイクロミキサに広く適用可能である。特に、同一構造で多数個(数百個〜数万個)のマイクロミキサを用いて同時並行的に混合処理を行う、ナンバリングアップ方式プロセスにおいて優位性を発揮する。
1 マイクロミキサ、2 基体、3a 第一の流路、3b 第二の流路、4a 第一の分流路、4b 第二の分流路、5 混合部、6 第三の流路、A 第一の流体、B 第二の流体。

Claims (4)

  1. 第一の流体が流れる第一の流路と、
    第二の流体が流れる第二の流路と、
    前記第一の流路から枝分かれした複数の第一の分流路と、
    前記第二の流路から枝分かれした複数の第二の分流路と、
    前記第一の分流路で分流された前記第一の流体と、前記第二の分流路で分流された前記第二の流体とを合流させ混合する混合部と、を少なくとも備えてなり、
    前記第一の流路、前記第二の流路、前記第一の分流路、前記第二の分流路、及び前記混合部が、単一の基体の内部に設けられており、前記混合部が前記単一の基体中に中空に形成されていること、を特徴とするマイクロミキサ。
  2. 前記第一の流路、前記第二の流路、前記第一の分流路及び前記第二の分流路が、それぞれ、前記単一の基体中に中空に形成されていること、を特徴とする請求項1に記載のマイクロミキサ。
  3. 前記基体が、透明な材料からなること、を特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロミキサ。
  4. 前記第一の分流路と前記第二の分流路とが、その幅方向において交互に配されていること、を特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のマイクロミキサ。
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