以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態が適用される遊技店のシステム構成の説明図である。
パチンコ店のような遊技店においては、一般に、図1に示すように、複数の遊技機10が列状に配置されるとともに、各列の遊技機10は互いに背中合わせに配置されて島設備I1,I2……が構成され、このような島設備が1つのフロワに複数設けられている。
本発明は、複数の遊技機間で通信を行って演出を関連させる制御を実行することを特徴とするものであり、本実施形態における通信は有線通信を基本とし、同一の島設備または隣接する2つの島設備のうち同一通路に面している遊技機間で通信を行うように設定される。なお、通信は、上記1つまたは2つの島設備に属している同一機種もしくは同一メーカーの遊技機間、あるいは同一ホール内のすべての遊技機間で行うようにしてもよい。
また、遊技機間の通信の仕方としては、図2(A)に示すように、1つの遊技機(マスタ)を中心に放射状に接続された複数の遊技機(スレーブ)との間で双方向通信する方式、または図2(B)に示すように、トークン(発言権)を周回させてデータを送受信するリング方式のいずれであってもよい。図2(A)の通信方式では、遊技状態ごとにマスタとなる遊技機を変更する、つまり他の遊技機においても関連する演出をさせる条件が成立した遊技機がマスタとなるようにしてもよい。
次に、図3(A)を用いて遊技盤30の一例について説明する。図3(A)は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。そして、遊技領域32の前方を覆うように、透明なガラスを備えた前記ガラス枠15が配置される。
この実施例の遊技盤においては、遊技領域32のほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
さらに、本実施形態では、遊技領域32のセンターケース40の右側に、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図4参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図4参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉を有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図4参照)により駆動される開閉扉によって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図4参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の上部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、図3(B)に示すように、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54〜56を備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部(第3遊技状態表示器)58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
このように、表示装置41とは別に、特図変動表示ゲームを実行する特図1表示器51と特図2表示器52が設けられているため、表示装置41では当該遊技機の変動表示ゲームに関する演出ではなく他の遊技機の演出と連動した演出を行うようにしても、当該遊技機の本来の変動表示ゲームはきちんと実行することができる。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。
普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。
第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
第3遊技状態表示器58は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠の上皿又は下皿に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図4参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50のLED表示部53の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられたLED表示部53の変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、LED表示部53の普図表示器に表示される普通図柄が当たり状態で停止し、当たり状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図4参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図4参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、一括表示装置50に設けられた特図1表示器または特図2表示器(変動表示装置)で第1または第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器若しくは特図2表示器の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器、特図2表示器は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図4は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムの構成例を示す。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する遊技制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定すると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理(図9参照)における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。
なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。
また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を保証するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図5を用いて、演出制御手段としての演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314、1stCPU311の制御下で他の遊技機の演出制御装置との間で有線もしくは無線によるデータ通信を行う通信インタフェース(通信I/F)315を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データ、コマンドリストが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には圧縮された音声データやフレーズ再生処理に必要なシーケンス、簡易アクセスのためのコマンド列等が記憶された音声ROM324が接続されている。
主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)305や、画像データを描画処理するための描画回路306、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する表示回路308などが設けられている。VDP313については後に詳しく説明する。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくる演出制御コマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
なお、本実施形態においては、演出制御コマンドは16ビットで構成されており、これを8ビットのデータバスとストローブ信号SSBTで送信するため、16ビットの演出制御コマンドを8ビットの前半コマンド(MODE)と後半コマンド(ACTION)とに分けて、ストローブ信号SSBTを2度立ち上げることで送信し、受信側ではSSBの立ち上がりに同期してコマンドを取り込むようになっている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠に設けられているLEDやモータ等の枠演出装置(例えば前述の光照射装置29のLEDや後述の振動装置のモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、遊技機の前面枠等に設けられた遊技者が操作可能な演出操作ボタンやセレクトボタンに内蔵されているスイッチ25a、上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施形態においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、遊技制御装置100および演出制御装置300において行われる大まかな制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、LED表示部53において、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、LED表示部53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の開閉部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
なお、本実施形態においては、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、LED表示部53に、はずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)をRAM111Cに記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。従って、RAM111Cは、始動入賞記憶手段として機能する。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御情報(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特図1表示器や特図2表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
一方、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、特図1表示器や特図2表示器に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。この特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器や特図2表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。
この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。以下、かかる制御モードを普電サポートと称する。
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
以下、上記のような遊技制御を実行する上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される処理について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図6及び図7に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図8に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図6に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ:RAM111C)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施形態では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックし(ステップS10)、正常であれば(ステップS11;Yes)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックする(ステップS12)。次に、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS13;Yes)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップS14)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムを比較して(ステップS15)、一致するかを判定する(ステップS16)。そして、一致する場合(ステップS16;Yes)は、図7のステップS17へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS11;NoもしくはステップS13;No)、チェックサムが正常でない(ステップS16;No)と判定された場合は、図7のステップS24へ移行して初期化の処理を行う。
図7のステップS17では全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアして(ステップS18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
また、ステップS20で高確率である(ステップS20;Yes)と判定した場合は、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のON(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS22)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS23)を行ってステップS29へ進む。
一方、ステップS9、S11、S13、S16からステップS24へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップS25)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。そして、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS34)、停電監視信号がONであるかの判定を行う(ステップS35)。停電監視信号がONでない場合(ステップS35;No)は、初期値乱数更新処理(ステップS33)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
また、停電監視信号がONである場合(ステップS35;Yes)は、ステップS34で設定したチェック回数分停電監視信号のON状態が継続しているかを判定する(ステップS36)。そして、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続していない場合(ステップS36;No)は、停電監視信号がONであるかの判定(ステップS35;Yes)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続している場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。
その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS40)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)、チェックサムをセーブする処理(ステップS42)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について図8のフローチャートを用いて説明する。
図8に示すタイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について、図9を用いて説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図9に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。
始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
さらに、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
そして、特図1表示器51または特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51または特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行い、当該特図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行い、当該特図ゲーム処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態においては、遊技制御装置100が変動表示ゲーム実行手段および特別遊技状態制御手段として機能する。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。
図10に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。
なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA118における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップA113)、普通電動役物が作動中である(ステップA114:Yes)と判定すると、当該始動口スイッチ監視処理から抜ける。一方、ステップA114にて、普通電動役物が作動中でない(No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA115)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA116)を行う。
普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA116にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(No)と判定すると、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA117)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA118)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
また、ステップA116にて、不正入賞数が不正判定個数以上である(Yes)と判定された場合は、ステップA117,A118をスキップして始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA113、A120)の詳細について、図11を用いて説明する。
なお、この特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図11に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、大当り乱数をロード(大当り乱数を抽出)する(ステップA204)。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(ステップA205)。そして、ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA206)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA207;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA208)、処理をステップA209に移行する。一方、ステップA207にて、出力回数がオーバーフローしないと判定された場合は(ステップA207;Yes)、処理をステップA209に移行する。
そして、ステップA209にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA209)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA210)を行う。
ステップA210にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA210;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA211)を行った後、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA212)を行う。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA213)、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロード(大当り図柄乱数を抽出)し(ステップA214)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA215)、コマンド設定処理(ステップA216)を行う。
そして、大当り乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA217)、次に、対応する大当り図柄乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブするとともに、その大当り図柄乱数をレジスタに退避する(ステップA218)。次に、対応する変動パターン乱数1をロード(変動パターン乱数1を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA219)、次に、対応する変動パターン乱数2をロード(変動パターン乱数2を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA220)、次に、対応する変動パターン乱数3をロード(変動パターン乱数3を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(ステップA221)。
ここで、RWM(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動領域への遊技球の流入に基づいて各種乱数を抽出し、該抽出された各種乱数を始動記憶として記憶可能な始動記憶手段をなす。
続いて、ステップA218にてレジスタに退避した監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数をロードし、ロードした値を後述の特図保留情報判定処理(ステップA223)にて使用するために準備する(ステップA222)。そして、特図保留情報判定処理(ステップA223)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA210にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA210;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA224)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA225;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA226)、コマンド設定処理(ステップA227)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA225にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合にも(ステップA225;No)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA222)の詳細について、図12を用いて説明する。
特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。従って、本実施形態においては、遊技制御装置100が始動記憶の事前判定手段として機能する。
図12に示すように、先ず、先読み演出を実行してもよい条件を満たしているかチェックする(ステップA231)。そして、条件を満たしていない(ステップA232;No)と判定すると、何もせずに当該特図保留情報判定処理から抜ける。一方、先読み演出を実行してもよい条件を満たしている(ステップA232;Yes)と判定すると、大当り判定処理(ステップA233)を行う。
そして、判定処理結果は大当りか否かの判定(ステップA234)を行い、大当り中である(Yes)と判定された場合には、次のステップA235で監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し、大当り図柄乱数チェックして対応する大当り情報テーブルを取得して設定する処理(ステップA236)を行って、ステップA238へ移行する。
一方、ステップA234で大当り中でない(No)と判定すると、はずれ情報テーブルを設定する処理(ステップA237)を行った後、ステップA238へ移行する。
ステップA238では、設定されたはずれ情報テーブルまたは大当り情報テーブルから図柄情報を取得して、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA239)。
続いて、はずれ情報テーブルまたは大当り情報テーブルから監視対象の始動口入賞演出図柄コマンドを取得して、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA240)。
次に、始動口スイッチ33aまたは34aのうち、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備した後(ステップA241)、当該監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA242)を行う。その後、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA243)を行った後、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA244)を行う。
そして、変動パターンの前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出して準備(ステップA245)した後、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として準備(ステップA246)し、コマンド設定処理(ステップA247)を行う。続いて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(ステップA248)、コマンド設定処理(ステップA249)を行って、特図保留情報判定処理を終了する。
上記処理により、始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される特図保留数を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。以上の説明より、本実施形態においては、演出制御装置300が、事前予告手段として機能することが分かる。
図13には、上記特図保留情報判定処理中のステップA239で取得される始動口入賞演出図柄コマンドの例が示されている。図13に示すように、本実施形態においては、3種類の始動口入賞演出図柄コマンドと10種類の始動口入賞演出コマンドが用意されている。例えば始動口入賞演出図柄コマンド1は、当該保留(始動入賞)に対応する変動表示ゲームの結果が外れであることを指示する。また、始動口入賞演出図柄コマンド10は、当該保留(始動入賞)に対応する変動表示ゲームはSP1(スペシャルリーチ1)を経てその結果が大当りであることを指示する。さらに、図示は省略するが、始動口入賞演出図柄コマンド以外にも全遊技結果、全変動パターンの組み合わせごとにコマンドが用意されている。
さらに、本実施形態においては、図14に示すように、始動記憶数(保留数)に応じて、実行する変動表示ゲームの変動パターンを選択するテーブルが切り替えられるようにされており、始動記憶数(保留数)が多いほどリーチなしの変動パターンが選択される確率が高くなるようにテーブルが設定されている。これにより、始動記憶数(保留数)が多いほど変動表示ゲームの平均的な所要時間が短くなるように制御が行われる。
ただし、このようなテーブルの切り替え制御を行うと、例えば図14の乱数「15000〜20000」のように、選択された場合に始動記憶数(保留数)によって「リーチなし」となるのか「ノーマルリーチ」になるのか変わるものが出てくる。そして、そのような乱数を引いた始動記憶に対して、始動記憶が発生した時点で先読み予告で報知を行ってしまうと、その後に発生した始動記憶の数によって先読み予告の結果と実際の結果とが異なってしまうおそれがある。そこで、第1の実施形態においては、図14において、網掛け表示が付されている範囲の乱数については先読み予告を実行せず、網掛け以外の範囲の乱数を引いた場合にのみ先読み予告を実行するようにしている。
次に、上記演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311によって実行される制御について説明する。
主制御用マイコン311による制御処理は、図15に示す1stメイン処理と、所定時間ごと(例えば2msecごと)に行われるコマンド受信割込み処理とからなる。1stメイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。
〔1stメイン処理〕
図15に示すように、1stメイン処理においては、先ず、割込みを禁止する処理(ステップB1)を行ってから、RAMを0クリアする処理(ステップB2)を行い、1stCPU311の初期化処理(ステップB3)を行う。
次に、RAMに初期値を設定する処理(ステップB4)を行い、乱数初期化処理(ステップB5)を行う。その後、各種割込みのタイマを起動する処理(ステップB6)を行い、割込みを許可する(ステップB7)。その後、主制御用マイコン311は、メインループ処理ステップB8〜B18を行う。
このメインループ処理では、先ず、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(ステップB8)を行う。そして、演出操作ボタンSW25aからの入力処理(ステップB9)を行い、遊技制御コマンド解析処理(ステップB10)を行う。
この遊技制御コマンド解析処理では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定する処理を行う。遊技制御装置100から送信される一つのコマンドは、第1コマンド(MODE)と、第2コマンド(ACTION)との一対のデータにより構成されている。
そして、受信した第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾しない場合(例えば、MODE→ACTIONの順に受信した場合)に正しくコマンドを受信したと判定し、第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾する場合(例えば、ACTION→ACTIONの順やMODE→MODE→MODEの順に受信した場合)にコマンドの受信が異常であると判定するようになっている。
続いて、テストモード処理(ステップB11)、他の遊技機との間でデータの送受信を行うデータ通信処理(ステップB12)を行った後、特図変動表示ゲームに関する処理を行う1stシーン制御処理(ステップB13)を行う。このうち、データ通信処理(ステップB12)と1stシーン制御処理(ステップB13)については、後に詳しく説明する。
その後、前面枠(内枠)12やガラス枠15の開放などのエラー発生の監視を行う遊技機エラー監視処理(ステップB14)、特図変動表示ゲームにおける演出に関する演出コマンド編集処理(ステップB15)、音声の出力に関する処理(スピーカ19a、19bの駆動処理)であるサウンド制御処理(ステップB16)、前面枠に設けられた枠装飾装置18の制御に関する処理である装飾制御処理(ステップB17)を行う。そして、センターケース40に設けられた役物等を駆動させる盤演出モータ/SOL制御回路334の制御に関するモータ/SOL制御処理(ステップB18)、飾り特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)等の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB19)を行い、ウォッチドッグタイマをクリアする処理(ステップB8)に戻る。
〔データ通信処理〕
図16に、図15に示した1stメイン処理におけるデータ通信処理(ステップB12)の具体的な手順の一例を示す。このデータ通信処理では、まず、RAM内の受信データ領域をチェックし(ステップB121)、受信データがあるか否か判定する(ステップB122)。ここで、受信データがある(Yes)と判定すると、ステップB123で受信したデータをセーブしてステップB124へ進む。また、ステップB122で、受信データがない(No)と判定すると、ステップB123をスキップしてステップB124へ移行する。
そして、ステップB124では送信データ領域をチェックし、送信データがあるか否か判定する(ステップB125)。ここで、送信データがある(Yes)と判定すると、ステップB126でデータを送信する処理を行って当該データ通信処理を終了する。また、ステップB125で、送信データがない(No)と判定すると、ステップB126をスキップしてデータ通信処理を終了する。
なお、図16のデータ通信処理は、図15の1stメイン処理の中で繰り返し実行するようにしているが、電源投入時には必ず実行し、その後は定期的(例えば30分毎)に実行するようにしてもよい。あるいは、受信割込みや送信割込みで実行するようにしてもよい。
図17には、図16のデータ通信処理で送受信されるデータの構成例が示されている。図17に示すように、送受信データは、遊技機に固有の情報、遊技の進行情報、始動記憶の先読み情報、複数の遊技機間の連動演出情報から構成されている。
このうち、「遊技機に固有の情報」は、例えばCPU(アミューズメントチップ)に付与されている固有のIDコード、遊技店で独自に設定する識別番号、遊技店で遊技機ごとに付与される台番号などが考えられる。また、「遊技の進行情報」は、変動表示ゲーム開始までの時間や、変動表示ゲーム開始後の経過時間、変動表示ゲームの残り時間などが考えられる。
「先読み情報」は、大当り保留の有無や特定変動パターンを伴う変動表示ゲームの発生保留の有無など、「連動演出情報」は、どのような連動演出を実行するのか指示する連動演出実行情報、連動演出の実行指令に応答する情報などが考えられる。
上記のようなデータを遊技機間で送受信することによって、例えばある遊技機で大当りの始動記憶が発生したような場合に、通信範囲の複数の遊技機で連動した演出を実行するようなことが可能となる。
〔1stシーン制御処理〕
図18には、図15に示した1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB13)の具体的な手順の一例を示す。この1stシーン制御処理では、まず、テストモード中であるかを判定し(ステップB61)、テストモード中である場合(ステップB61;Yes)は、1stシーン制御処理を終了する。また、テストモード中でない場合(ステップB61;No)は、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB62)。
シーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。このシーン変更コマンドを受信した場合(ステップB62;Yes)は、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB63)、有効なコマンドであるかを判定する(ステップB64)。有効なコマンドであるかの判定(ステップB64)では、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるかを判定する。そして、有効なコマンドである場合(ステップB64;Yes)は、受信コマンドをセーブし(ステップB65)、演出リクエストフラグをセットして(ステップB66)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。
一方、シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB62;No)や、有効なコマンドでなかった場合(ステップB64;No)は、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。電源投入コマンドを受信した場合は電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB68)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合は停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB69)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB70)を行う。
また、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB71)を行う。この変動中処理(ステップB71)では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。また、図柄停止コマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動表示を停止して結果態様を表示する処理である図柄停止処理(ステップB72)を行う。この図柄停止処理(ステップB72)では、飾り特図変動表示ゲームにおける結果の停止表示時間などの設定を行う。
また、ファンファーレコマンドを受信した場合は特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップB73)を行う。また、大入開放n回目コマンドを受信した場合はラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップB74)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合はラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップB75)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合は特別遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップB76)を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)により選択された上述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う図柄コマンド受信処理(ステップB77)を行い、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB78)を行う。
さらに、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド)に基づく処理を行う先読みコマンド受信処理(ステップB79)を行う。その後、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンド(確率情報コマンド(低確率、高確率))に基づく処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB80)を行う。
〔変動中処理〕
図19には、図15に示す1stシーン制御処理における変動中処理(ステップB71)の具体的な手順の一例を示した。この変動中処理では、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(ステップB100)。演出リクエストフラグは、有効なコマンドを受信した場合に設定されるフラグであって、このフラグがある場合は受信したコマンドに基づく処理を行う。
この演出リクエストフラグがある場合(ステップB100;Yes)は、前面枠等に設けられている遊技者が操作可能な演出操作ボタンの入力に関する情報であるPB情報をクリアし(ステップB101)、可動体リクエストセット処理(ステップB102)を行う。次に、飾り特図変動表示ゲームの実行態様を設定するための変動パターン情報設定処理(ステップB103)を行い、その後、乱数シード初期化処理(ステップB104)を行って、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB105)。
シーンシーケンステーブルは、飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや時間を管理するテーブルである。シーンシーケンステーブルには、実行内容と時間とが定義された複数のシーンの実行順序が設定されており、このシーンシーケンステーブルに従い順次シーンを実行することで飾り特図変動表示ゲームが実行される。
その後、特定遊技状態とする回数等(普通変動入賞装置37を時短動作状態とする回数等)を管理する変動回数管理処理(ステップB106)、変動表示ゲーの変動時間を設定する変動時間設定処理(ステップB107)を行い、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB108)、ステップB111へ移行する。
一方、ステップB100で、演出リクエストフラグがない(=No)と判定した場合は、更新タイマの値が0であるかを判定する(ステップB109)。この場合、更新タイマはシーンシーケンステーブルに従い管理されるシーンの実行時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとは、実行されていたシーンが終了したことを示す。ステップB109で、更新タイマの値が0でない(=No)と判定した場合は、ステップB111へ移行する。また、ステップB109で、更新タイマの値が0である(=Yes)と判定した場合は、次シーンデータの設定(ステップB110)を行い、ステップB111へ移行する。
ステップB111では他の遊技機との連動演出を実行するための設定を行う連動演出設定処理を実行し、その後、設定された連動演出を反映する連動演出反映処理(ステップB112)および他の遊技機において連動演出が開始した後に途中から連動演出に参加させるための連動演出追加処理(ステップB113)を行い、変動中処理を終了する。
なお、ステップB111の連動演出設定処理では、先読み判定情報を参照して事前に設定を行う。そのため、変動表示ゲームの実行中に始動記憶(保留)があることが前提となるので、保留がゼロの状態で変動が開始される際には連動演出の設定はしない。また、連動演出設定処理は、自遊技機で連動演出を実行する条件が成立した場合に、自遊技機および他の遊技機で連動演出を実行するための設定を行うものである。
一方、ステップB112の連動演出反映処理は、他の遊技機からの連動演出の実行情報(コマンド)を受けて、変動表示ゲームの開始がほぼ同一タイミングであるとか変動表示ゲームの終了がほぼ同一タイミングである、あるいはゲームの残時間が所定時間となったというように、適切なタイミングであった場合に連動演出の実行を設定する処理である。そのため、変動開始時もしくは変動中に反映可能にするようにしている。
また、途中で連動演出に参加させるためのステップB113の連動演出追加処理は、演出に違和感が発生するので基本的にはあまり実行しないが、例えばステップB112の処理でタイミングが適切でないため連動演出への参加を見送ったものの、実行開始している変動表示ゲームの結果が大当りであるような場合には、途中から連動演出に参加できるようにしたものである。
なお、この実施形態では、ステップB111の連動演出設定処理は、変動中に行うつまり始動記憶に基づく先読み処理として行うようにしているが、変動中ではなく変動開始時に連動演出設定処理を行うようにしてもよい。ただし、変動中に先読み処理として行うようにした方が、他の遊技機との通信時間を確保し易いという利点がある。
〔連動演出設定処理〕
次に、図19の変動中処理のステップB111における連動演出設定処理の具体的な手順の一例を、図20に示すフローチャートを用いて説明する。
図20に示すように、この連動演出設定処理では、先ず、既に連動演出を実行していることを示す連動演出実行中フラグを確認する(ステップB141)。そして、連動演出実行中フラグがある(立っている)か否か、すなわち連動演出実行中であるか否かの判定(ステップB142)を行う。ここで、連動演出実行中である(Yes)と判定した場合は、当該連動演出設定処理から抜ける。同一の時期に複数の連動演出開始条件が成立した場合に、最初に発生した連動演出を優先的に実行するためである。
また、ステップB142で、連動演出実行中でない(No)と判定した場合は、ステップB143へ進んで、連動演出実行フラグを確認して、連動演出実行フラグがあるか否か判定する(ステップB144)。「連動演出実行フラグ」は、連動演出の実行中ではないが連動演出を実行することを決定していることを示すフラグである。
ステップB144で、連動演出実行フラグがある(Yes)と判定した場合は、ステップB153へ移行する。また、ステップB144で、連動演出実行フラグがない(No)と判定した場合は、ステップB145へ進んで、連動演出を実行するのに適切なタイミングであるか否か確認する。そして、適切なタイミングでない(No)と判定した場合は、当該連動演出設定処理から抜ける。この場合の適切なタイミングとは、実行中の変動表示ゲームの残時間が所定時間となったタイミング、または次の保留(始動記憶)の消化直前などのタイミングである。
また、ステップB145で、適切なタイミングである(Yes)と判定した場合は、ステップB146へ進んで、次に消化する保留(始動記憶)の変動表示ゲームの実行情報を確認し、次の変動表示ゲームが大当りとなる変動であるか否か判定する(ステップB147)。
そして、ステップB147で、次の変動表示ゲームが大当りとなる変動である(Yes)と判定した場合はステップB149へ進み、ステップB147で、次の変動表示ゲームが大当りとなる変動でない(No)と判定した場合は、ステップB148へ移行してスペシャルリーチ3であるか否か判定する。そして、スペシャルリーチ3でない(No)と判定した場合は、当該連動演出設定処理から抜ける。また、スペシャルリーチ3である(Yes)と判定した場合はステップB149へ進む。
ステップB149では、連動演出を実行するか否かの抽選を行い、連動演出を実行するか否か判定する(ステップB150)。そして、連動演出を実行しない(No)と判定した場合は、当該連動演出設定処理から抜ける。また、連動演出を実行する(Yes)と判定した場合は、ステップB151へ進んで、連動演出実行情報を生成し送信データとして設定する。続いて、連動演出実行フラグを設定して当該連動演出設定処理を終了する(ステップB152)。
一方、ステップB144で連動演出実行フラグがある(Yes)と判定した場合は、ステップB153へ移行して、連動演出実行確認期間が終了したか否かつまり変動開始直前であるか否かの判定を行う。そして、連動演出実行確認期間が終了していない(No)と判定した場合はステップB154へ移行して、他の遊技機から連動演出実行の返答を受信したか確認して、新たな返答があったか否かの判定を行う(ステップB155)。そして、新たな返答がない(No)と判定した場合は当該連動演出設定処理から抜ける。また、ステップB154で、新たな返答があった(Yes)と判定した場合はステップB156へ進み、連動演出を実行する遊技機の数を更新して連動演出設定処理を終了する。
また、ステップB153で、連動演出実行確認期間が終了した(Yes)と判定した場合はステップB157へ進み、連動演出を実行する遊技機の数に応じた連動演出を設定してから、対応する連動演出実行情報(図17参照)をデータ送信領域に設定する(ステップB158)。そして、連動演出実行中フラグを設定(ステップB159)し、連動演出実行フラグをクリア(ステップB160)して連動演出設定処理を終了する。連動演出実行情報には、連動演出に参加する遊技機の数も情報として含ませ、送信するようにしてもよい。これにより、各遊技機において、参加する遊技機の数に応じた演出が可能となる。
なお、ステップB157の連動演出設定では、表示装置41で行うように設定されていた通常の演出をキャンセルして代わりに連動演出を設定してもよいし、設定されていた通常の演出は表示装置41の一部の領域で実行し、残りの領域で連動演出を実行するように設定してもよい。ステップB159で設定された連動演出実行中フラグは、連動演出の実行のトリガとなった変動表示ゲーム(大当り等)の終了時にクリアされる。
図20の連動演出設定処理によって連動演出が設定されると、当該遊技機では次に実行される変動表示ゲームにおいて連動演出が実行される。また、ステップB158で連動演出実行情報がデータ送信領域に設定されデータが他の遊技機に送信されることに応じて、データを受信した他の遊技機で連動演出の実行が決定された場合には、それぞれの遊技機で自身の適切なタイミングで連動演出が実行されることとなる。なお、連動演出を実行する他の遊技機がなかった場合には、仮想的に実行遊技機を設定して連動演出を実行するようにしてもよい。以上の説明より、演出制御装置300は、連動演出実行判定手段および連動演出実行手段として機能することが分かる。
〔連動演出反映処理〕
次に、図19の変動中処理の連動演出反映処理(ステップB112)の具体的な手順の一例を、図21に示すフローチャートを用いて説明する。
連動演出反映処理は、他の遊技機からの連動演出の実行情報(コマンド)を受けて、適切なタイミングであった場合に連動演出の実行を設定する処理である。
図21に示すように、この連動演出反映処理では、先ず、既に連動演出を実行していることを示す連動演出実行中フラグを確認する(ステップB161)。そして、連動演出実行中フラグがあるか否か、すなわち連動演出実行中であるか否かの判定(ステップB162)を行う。ここで、連動演出実行中である(Yes)と判定した場合は、当該連動演出反映処理から抜ける。また、ステップB162で、連動演出実行中でない(No)と判定した場合は、ステップB163へ進んで、連動演出実行中フラグを確認して、連動演出実行フラグがあるか否か判定する(ステップB164)。
ステップB164で、連動演出実行フラグがある(Yes)と判定した場合は、ステップB171へ移行する。また、ステップB164で、連動演出実行フラグがない(No)と判定した場合は、ステップB165へ進んで、他の遊技機からデータを受信しているか確認し、連動演出実行情報(図17参照)を受信したか否かの判定(ステップB166)を行う。ここで、連動演出実行情報を受信してない(No)と判定した場合は、当該連動演出反映処理から抜ける。
また、ステップB166で、連動演出実行情報を受信した(Yes)と判定した場合は、ステップB167へ進んで、連動演出を実行可能なタイミングであるか否か確認する。そして、実行可能なタイミングでない(ステップB168;No)と判定した場合は、当該連動演出反映処理から抜ける。この場合の実行可能なタイミングとは、変動表示ゲームの開始直後、あるいは開始直前などのタイミングである。
そして、ステップB168で、実行可能なタイミングである(Yes)と判定した場合は、ステップB169へ進んで、連動演出実行フラグを設定してから、連動演出を実行することを知らせる返答情報をデータ送信領域に設定(ステップB170)し、当該連動演出反映処理を終了する。
一方、ステップB164で連動演出実行フラグがある(Yes)と判定した場合は、ステップB171へ移行して、連動演出開始情報を受信したか確認し、連動演出開始情報を受信していない(ステップB172;No)と判定した場合は、当該連動演出反映処理から抜ける。
また、ステップB172で、連動演出開始情報を受信した(Yes)と判定した場合は、ステップB173へ進んで、対応する連動演出の実行を開始する。そして、連動演出実行中フラグを設定(ステップB174)し、連動演出実行フラグをクリア(ステップB175)して、連動演出反映処理を終了する。以上の説明より、演出制御装置300は、連動演出制御手段として機能することが分かる。
なお、一度、ステップB168で連動演出を実行可能なタイミングでないと判定した後は、新たな連動演出実行情報を受信するまでは、再度連動演出を実行可能なタイミングであるか否か確認しないようにしてもよい。
図21の連動演出反映処理に従うと、短時間に連続して複数の遊技機から連動演出実行情報を受信した場合には、最初に受信した連動演出実行情報に対応した連動演出を実行するように設定が行われることとなるが、大当りとなる変動表示ゲームを実行する遊技機から受信した連動演出実行情報を優先して連動演出を実行するようにしてもよいし、通信距離が近い遊技機から受信した連動演出実行情報を優先して連動演出を実行するようにしてもよい。
また、連動演出実行情報を受信し連動演出を実行可能なタイミングであると判定した場合には、必ず連動演出を実行することとなるが、連動演出を実行するか否かを抽選によって決定してもよいし、前面枠等に設けられている遊技者が操作可能な演出操作ボタンの操作などにより遊技者が連動演出を実行するか否かを任意に選択できるように構成してもよい。
〔連動演出追加処理〕
次に、図19の変動中処理の連動演出追加処理(ステップB113)の具体的な手順の一例を、図22に示すフローチャートを用いて説明する。
連動演出追加処理は、他の遊技機において連動演出の開始した後に途中から連動演出に参加させるために連動演出の実行を設定する処理である。
図22に示すように、この連動演出追加処理では、先ず、他の遊技機からデータを受信したか確認(ステップB181)し、連動演出開始情報があるか否か判定する(ステップB182)。ここで、連動演出開始情報がない(No)と判定した場合は、当該連動演出追加処理から抜ける。
また、ステップB182で、連動演出開始情報がある(Yes)と判定した場合は、ステップB173へ進んで、既に連動演出を実行していることを示す連動演出実行中フラグを確認する(ステップB183)。そして、連動演出実行中であるか否かの判定(ステップB184)を行う。ここで、連動演出実行中である(Yes)と判定した場合は、当該連動演出追加処理から抜ける。また、ステップB184で、連動演出実行中でない(No)と判定した場合は、ステップB185へ進んで、既に発生している始動記憶を確認して、新たな始動記憶があるか否か判定する(ステップB186)。
ステップB186で、新たな始動記憶がない(No)と判定した場合は、当該連動演出追加処理から抜ける。また、新たな始動記憶がある(Yes)と判定した場合は、ステップB187へ進んで始動記憶の先読み情報を読み込み、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの終了タイミングを確認する(ステップB188)。続いて、受信済みの連動演出実行情報を読み込み(ステップB189)、連動演出を実行可能なタイミングの変動表示ゲームであるか確認する(ステップB190)。
そして、ステップB191で、連動演出を実行可能なタイミングか否か判定し、連動演出を実行可能なタイミングでない(No)と判定した場合は、当該連動演出追加処理から抜ける。一方、ステップB191で、連動演出を実行可能なタイミングである(Yes)と判定した場合は、ステップB192へ進んで、連動演出実行中フラグを設定してから、連動演出の追加実行情報をデータ送信領域に設定(ステップB193)し、対応する連動演出を追加して実行(ステップB194)して、連動演出追加処理を終了する。
なお、この実施形態の連動演出追加処理では、連動演出を実行可能なタイミングであると判定した場合に連動演出を追加して実行(参加)するようにしているが、当該変動表示ゲームが大当りとなる場合にのみ連動演出を追加して実行するようにしてもよい。これにより、変動表示ゲームの途中で連動演出が開始された場合には、該変動表示ゲームへの期待感を高めることができるようになる。
また、連動演出に参加するか否かを抽選によって決定してもよいし、演出操作ボタンの操作などにより遊技者が連動演出に参加するか否かを任意に選択できるように構成してもよい。連動演出に参加するか否かを抽選によって決定することにより、途中で連動演出に参加するパターンが発生した場合に、当該変動表示ゲームへの期待感を持たせることができる。
次に、図23及び図24を用いて、複数の遊技機の表示装置41において実行される連動演出の制御タイミングの例について説明する。図23は、連動演出の実行条件が成立した遊技機の変動表示ゲームと開始時期が近い遊技機がある場合のタイミング、図24は、連動演出の実行条件が成立した遊技機の変動表示ゲームと終了時期が近い遊技機がある場合のタイミングである。
この実施例においては、図23のように、遊技機1において大当りとなる変動表示ゲームの始動記憶が発生した場合であって、該変動表示ゲームと開始時期が近い遊技機(図23では遊技機4と遊技機5)がある場合には、遊技機4と遊技機5においても連動演出が実行される。
図23では、遊技機4は、遊技機1よりも変動表示ゲームと開始タイミングが早くなっている。図20の連動演出設定処理では、変動表示ゲームの開始前に連動演出の設定を行うようにしているので、図23のような連動演出の実行設定が可能となる。なお、このような場合には、遊技機4において、遊技機1の始動記憶の情報を先読みして、連動演出が開始されることを予測して遊技機1よりも先に連動演出の実行を開始するようにしてもよい。また、遊技機4において遊技機1よりも先に変動表示ゲームが開始する場合には、通常の変動を開始した後に連動演出に切り替えるようにしてもよい。
図24の例では、遊技機2と遊技機3において実行される変動表示ゲームが、遊技機1において実行される大当りとなる変動表示ゲームと終了時期が近くなっているので、終了タイミングが近い変動表示ゲームで、後から参加する形で連動演出が実行されるように設定が行われるようになっている。なお、遊技機2と遊技機3において実行される連動演出を伴う変動表示ゲームが、遊技機1において実行される大当りとなる変動表示ゲームの開始時点で既に発生している始動記憶に対応して実行されるものである場合には、始動記憶の先読みによって連動演出の実行を設定することができる。
以上の説明より、上記実施形態には、
遊技の進行を制御する遊技制御手段としての遊技制御装置と、該遊技制御手段からの指令情報に基づき遊技の進行に関連する演出を制御する演出制御手段としての遊技制御装置と、前記遊技の結果が予め定めた特別結果となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態制御手段とを備える遊技機において、
前記演出制御手段は、前記遊技機において実行される遊技の結果情報と、該遊技において実行される演出情報と、該遊技の実行時間情報と、が含まれる遊技機の制御情報を、他の遊技機との間で送受信する通信手段と、他の遊技機の前記制御情報に基づき、当該他の遊技機と連動して進行する連動演出を制御する連動演出制御手段と、を備え、
前記連動演出制御手段は、前記他の遊技機において実行される遊技の結果が前記特別結果となり、かつ、該遊技において前記連動演出が実行される場合に、自遊技機において前記連動演出を実行可能であるか判定する連動演出実行判定手段と、前記連動演出実行判定手段によって前記連動演出が実行可能であると判定された場合に、前記連動演出を実行する連動演出実行手段と、を備え、
前記連動演出実行判定手段は、前記他の遊技機において実行される遊技の実行時期もしくは時間と自遊技機において実行される遊技の実行時期もしくは時間とを比較して、前記連動演出を実行可能であるか否かを判定するようにした発明が含まれることが分かる。
そして、かかる発明によれば、自遊技機で、他の遊技機と連動した演出を実行可能であるので、近傍の遊技機等と連動して進行する演出を楽しむことができる。また、自遊技機の演出形態が変化するので、遊技者は期待を込めて遊技を行うことができる。例えば、他の遊技機で大当りが発生した場合に、自遊技機でも関連した演出が行われると、自分が遊技している遊技機でも同様に大当りが発生するかもしれないと遊技者に期待感を与えることができるようになる。
また、特に、他の遊技機の遊技の実行タイミングと自遊技機の遊技の実行タイミングとを比較して、連動演出を実行するか否か判定するので、例えば、遊技の開始タイミングが一致した場合に連動演出を実行するようにすれば、連動演出があたかも自遊技機を起点として発生したかのような印象を与えることができる。
また、上記実施形態には、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、表示装置に識別情報を変動表示する変動表示ゲームを制御する変動表示ゲーム制御手段を備え、前記特別遊技状態制御手段は、前記変動表示ゲームの結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に、前記特別遊技状態を発生させ、前記連動演出実行判定手段は、前記他の遊技機における変動表示ゲームの開始時期と自遊技機における変動表示ゲームの開始時期とが同一の場合、又は、前記他の遊技機における変動表示ゲームの開始時点の前後所定期間内に自遊技機における変動表示ゲームが開始される場合に、前記連動演出を実行可能と判定するようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、連動演出が実行可能なタイミングとして、自他遊技機の変動表示ゲーム開始時期が同一(多少の誤差を含む)の場合、又は、他の遊技機の変動表示ゲームの開始時点の前後所定期間(例えば3秒)内に自遊技機における変動表示ゲームが開始される場合に、連動演出を実行するので、各遊技機の連動演出がずれて違和感が生じるのを回避して、変動表示ゲーム進行中における遊技者の期待感を確実に高めることができるようになる。
また、上記実施形態には、前記連動演出実行判定手段は、前記他の遊技機における変動表示ゲームの終了時期と自遊技機における変動表示ゲームの終了時期とが同一の場合、又は、前記他の遊技機における変動表示ゲームの終了時点の前後所定期間内に、自遊技機における変動表示ゲームが終了する場合に、前記連動演出を実行可能と判定するようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、自他遊技機の変動表示ゲームの終了タイミングすなわち遊技の結果導出のタイミングがほぼ同一時期である場合に連動演出が実行されることになり、この場合にも、連動演出があたかも自遊技機を起点に発生していたかのような印象を遊技者に与えることができる。
さらに、上記実施形態には、前記連動演出制御手段は、他の遊技機から連動演出の実行に関する情報を受信して前記連動演出を実行すると決定した場合に、前記他の遊技機に向けて応答情報を送信するようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、最初に連動演出を実行すると決定した遊技機に対して、当該連動演出に参加する遊技機の数を把握させることができ、それによって数に対応した適切な連動演出が実行可能となる。
次に、図25及び図26を用いて、複数の遊技機の表示装置41において実行される連動演出の具体的な例について説明する。
この実施例においては、連動演出としてバトルゲームを実行する例が示されている。図25(A)および図26(A)は大当りとなる変動表示ゲームを実行する遊技機、つまり連動演出の実行条件が成立した遊技機1の演出表示の進展の様子を、図25(B)および図26(B)は連動演出を実行する他の遊技機5の演出表示の進展の様子を示している。それぞれの遊技機の表示装置41の画面には、自遊技機のキャラクタが遊技者に分かるように表示される。図25では、丸(点線)で囲まれているキャラクタが自遊技機のキャラクタSCである。また、画面の下部に表示されている符号SM1,SM2が付された画像は、始動記憶を表している。図25より、遊技機1の自キャラクタと遊技機5の自キャラクタが異なる画像で表示されていることが分かる。
本実施形態におけるバトルゲームの連動演出では、図26(A)に示されているように、大当りとなる遊技機1においては、自遊技機のキャラクタがバトルゲームに勝利して、最終的に飾り特図変動表示ゲームが大当りの図柄(7,7,7)で停止する。一方、遊技機1からの通信を受けて連動演出を実行する他の遊技機5においては、図26(B)に示すように、自遊技機のキャラクタがバトルゲームに敗れて画面から消えて行き、最終的に飾り特図変動表示ゲームが外れ図柄(6,8,3)で停止する。
なお、図25および図26に示す例においては、3個のキャラクタ画像が表示されて3台の遊技機で連動演出を実行する場合の様子が示されているが、連動演出を実行する遊技機は3台に限定されるものでない。また、タイミングが合わないなどの理由で、連動演出を実行できる遊技機が2台しか存在していないような状況では、仮想的なコンピュータキャラクタを登場させて、3台以上の遊技機で連動演出が実行されているかのように表示を行ってもよい。
さらに、図25および図26に示すようなバトルゲームによる連動演出では、キャラクタの数が多くなって自遊技機のキャラクタが分かりにくくなるので、連動演出の内容に応じて連動演出に参加する遊技機の数に上限を設けるようにしてもよい。また、自遊技機に対応する画像としては、キャラクタ画像に限定されず、幾何学的な形状など他の情報画像であってもよいし、同一のキャラクタを色付きで区別してもよい。
上記説明より、上記実施形態には、連動演出実行手段としての演出制御装置は、
表示装置において連動演出を実行し、他の遊技機に対応する所定の情報と自遊技機に対応する所定の情報とを前記表示装置に同時に表示させ、自遊技機における変動表示ゲームの進行に関連して、同時に表示されている前記所定の情報のうち自遊技機または他の遊技機に対応する所定の情報を消滅させるようにした発明が含まれることが分かる。
そして、かかる発明によれば、連動演出において、例えば自遊技機の変動表示ゲームがはずれで終了するときには自遊技機に対応する情報が消えて他遊技機に対応する情報は残り、自遊技機の変動表示ゲームが当りで終了するときには他遊技機に対応する情報が消えて自遊技機に対応する情報は残るように制御することで、遊技者に変動表示ゲームの結果を認識させ易くなる。また、そのまま連動演出は継続可能なので、最終的に誰が大当りとなるかを段階的に認知させることができる。
次に、図27及び図28を用いて、複数の遊技機の表示装置41において実行される連動演出の他の例について説明する。
この連動演出は、図27に示されているように、連動演出の実行条件が成立した遊技機1の近傍の複数の遊技機(図27では、遊技機2、3,4の3台)の表示装置41の画面をブラックアウト(表示画像なしの消灯状態)させるようにしたものである。
なお、連動演出の実行時のみでなく通常の変動表示ゲームの実行中の演出においても、例えば期待度の高い変動表示ゲームにおいてブラックアウトを発生させるように制御することで、遊技者には連動演出の実行でブラックアウトしたのか期待度の高い変動表示ゲームの発生でブラックアウトしたのか識別しにくいようにして、連動演出で画面がブラックアウトした際に、期待度の高い変動表示ゲームの発生で画面がブラックアウトしたかもしれないと錯覚させて、連動演出実行時の期待感を高めるようにしてもよい。また、画面のブラックアウトの代わりに、識別図柄表示領域の縮小、識別図柄自体の縮小などを行って、画面の識別性を低下させるようにしてもよい。
図28には、図27に示すような連動演出を実行する際の制御タイミングの例が示されている。ここでは、遊技機1で連動演出の実行条件(大当り)が成立しその変動表示ゲームが実行されている途中のタイミングt1で、ブラックアウトを発生させるように制御している。そして、この消灯期間T1の間は、連動演出の実行によって、他の遊技機2〜4においても表示画面がブラックアウトされるようになっている。因みに、上記のような変動表示が見られないブラックアウト制御を行うようにしたとしても、本実施形態の遊技機は、遊技盤に設けられた一括表示部50(図3参照)に特図1変動表示器51および特図2変動表示器52が設けられており、そこでは表示は消灯せずに継続して実行されるため、遊技の進行にとって大きな支障にはならない。
なお、消灯期間T1は、図28に示すタイミングに限定されず、例えば最も早く変動表示ゲームが終了する遊技機2のゲーム終了タイミングt2に合わせて終了させるように制御してもよい。
上記説明より、上記実施形態には、表示装置として、遊技制御手段としての遊技制御装置により制御され、変動表示ゲームを表示し、連動演出を表示しない第1表示装置と、演出制御手段としての演出制御装置により制御され、前記変動表示ゲーム及び前記連動演出を表示する第2表示装置と、が設けられ、
演出制御手段は、連動演出を実行する場合に、前記第2表示装置における変動表示ゲームの識別性を低下させて表示させ、遊技制御手段は、連動演出が実行されている場合であっても、前記第1表示装置においては識別性を低下させずに前記変動表示ゲームを表示させるようにした発明が含まれることが分かる。
そして、かかる発明によれば、真の変動表示ゲームの進行を確認したい遊技者と演出を享受したい遊技者の希望をそれぞれ満たすことができる。
(第1変形例)
次に、本発明の第1の実施形態の第1変形例について説明する。
第1の実施形態の第1変形例は、前記実施例では演出制御装置300によって実行される図18の変動中処理B71の中でやっていた連動演出設定処理(図19のB111、詳細は図20参照)に相当する処理を、図18の先読みコマンド受信処理B79の中でやるようにしたものである。そのため、変動中処理は、図29に示すように、連動演出設定処理B111がないものとなる。また、前記実施例における連動演出反映処理(図19のB112、詳細は図20参照)に相当する処理も若干異なるものとなる。本変形例のように、連動演出の設定を先読みコマンド受信処理の中で行うようにすることによって、他の遊技機との間の通信を行うための時間に余裕を持たせることが可能となる。
図30には、第1変形例における先読みコマンド受信処理の具体的な手順の一例を示す。この先読みコマンド受信処理においては、先ず遊技制御装置から受信したコマンドを確認する(ステップB211)。そして、先読みコマンドを受信したか否か判定し、先読みコマンドを受信した(ステップB211;Yes)と判定すると、ステップB213へ進み、コマンドに対応した各種先読み予告を実行しステップB214へ移行する。また、ステップB211で、先読みコマンドを受信しいてない(No)と判定すると、ステップB213をスキップしてステップB214へ移行する。
ステップB214以降の処理は、図20の連動演出設定処理のステップB141〜B160とほぼ同様であり、ステップB214で、既に連動演出を実行していることを示す連動演出実行中フラグを確認する。
図29のステップB214以降の処理と図20の連動演出設定処理との差異は、図29の処理には、図20のステップB145の連動演出実行確認タイミングであるか否かの判定がない点と、図20のステップB146で行っている変動表示ゲームの実行情報の確認を、次に消化する保留(始動記憶)ではなくそのとき発生した保留(始動記憶)に基づいて行う(ステップB218)点と、図20のステップB146で行っている連動演出実行確認期間が終了したか否かの判定の代わりに、対象となる変動表示ゲームの実行開始か否か判定する(ステップB225)点にある。これらの差異は、連動演出の設定を、変動中処理の中ではなく先読みコマンド受信処理の中でやるようにしたことにより生じたものである。
図30の先読みコマンド受信処理においては、ステップB214で連動演出実行中フラグを確認した後、連動演出実行中フラグがあるか否かの判定(ステップB215)を行う。ここで、連動演出実行中である(Yes)と判定した場合は、当該先読みコマンド受信処理から抜ける。同一の時期に複数の連動演出開始条件が成立した場合に、最初に発生した連動演出を優先的に実行するためである。
また、ステップB215で、連動演出実行中でない(No)と判定した場合は、ステップB216へ進んで、連動演出実行フラグを確認して、連動演出実行フラグがあるか否か判定する(ステップB217)。「連動演出実行フラグ」は、連動演出の実行中ではないが連動演出を実行することを決定していることを示すフラグである。
ステップB217で、連動演出実行フラグがある(Yes)と判定した場合は、ステップB225へ移行する。また、ステップB217で、連動演出実行フラグがない(No)と判定した場合は、ステップB218へ進んで、発生した保留(始動記憶)に基づいて変動表示ゲームの実行情報を確認し、次の変動表示ゲームが大当りとなる変動であるか否か判定する(ステップB219)。
そして、このステップB219で、次の変動表示ゲームが大当りとなる変動である(Yes)と判定した場合はステップB221へ進み、ステップB219で、次の変動表示ゲームが大当りとなる変動でない(No)と判定した場合は、ステップB220へ移行してスペシャルリーチ3であるか否か判定する。そして、スペシャルリーチ3でない(No)と判定した場合は、当該先読みコマンド受信処理から抜ける。また、スペシャルリーチ3である(Yes)と判定した場合はステップB221へ進む。
ステップB221では、連動演出を実行するか否かの抽選を行い、連動演出を実行するか否か判定する(ステップB222)。そして、連動演出を実行しない(No)と判定した場合は、当該先読みコマンド受信処理から抜ける。また、連動演出を実行する(Yes)と判定した場合は、ステップB223へ進んで、連動演出実行情報を生成し送信データとして設定する。続いて、連動演出実行フラグの設定(ステップB224)を実行して当該先読みコマンド受信処理を終了する。
一方、ステップB217で連動演出実行フラグがある(Yes)と判定した場合は、ステップB225へ移行して、対象となる変動表示ゲームの実行開始か否かの判定を行う。そして、実行開始でない(No)と判定した場合はステップB226へ移行して、他の遊技機から連動演出実行の返答を受信したか確認して、新たな返答があったか否かの判定を行う(ステップB227)。そして、新たな返答がない(No)と判定した場合は当該先読みコマンド受信処理から抜ける。また、ステップB227で、新たな返答があった(Yes)と判定した場合はステップB228へ進み、連動演出を実行する遊技機の数を更新して先読みコマンド受信処理を終了する。
また、ステップB225で、対象となる変動表示ゲームの実行開始である(Yes)と判定した場合はステップB229へ進み、連動演出を実行する遊技機の数に応じた連動演出を設定してから、対応する連動演出実行情報(図17参照)をデータ送信領域に設定する(ステップB230)。そして、連動演出実行中フラグを設定(ステップB231)し、連動演出実行フラグをクリア(ステップB232)して先読みコマンド受信処理を終了する。連動演出実行情報には、連動演出に参加する遊技機の数も情報として送信するようにしてもよい。これにより、各遊技機において、参加する遊技機の数に応じた演出が可能となる。
図31には、第1変形例における連動演出反映処理の具体的な手順の一例を示す。この連動演出反映処理は、図21に示されている連動演出反映処理とほぼ同様である。図21の処理との差異は、図21ではステップB164からステップB171へ直接移行しているのに対し、図31ではステップB164からステップB176〜B179を経てステップB171へ移行している点にある。この差異は、連動演出の設定を、変動中処理の中ではなく先読みコマンド受信処理の中でやるようにしたことにより生じたものである。また、図21のステップB168では、連動演出実行可能タイミングであるか否か判定しているのに対し、図31のステップB168では、連動演出実行可能な保留があるか否か判定している
図31に示す連動演出反映処理では、先ず、既に連動演出を実行していることを示す連動演出実行中フラグを確認する(ステップB161)。そして、連動演出実行中フラグがあるか否か、すなわち連動演出実行中であるか否かの判定(ステップB162)を行う。ここで、連動演出実行中である(Yes)と判定した場合は、当該連動演出反映処理から抜ける。また、ステップB162で、連動演出実行中でない(No)と判定した場合は、ステップB163へ進んで、連動演出実行中フラグを確認して、連動演出実行フラグがあるか否か判定する(ステップB164)。
ステップB164で、連動演出実行フラグがある(Yes)と判定した場合は、ステップB176へ移行する。また、ステップB164で、連動演出実行フラグがない(No)と判定した場合は、ステップB165へ進んで、他の遊技機からデータを受信しているか確認し、連動演出実行情報(図17参照)を受信したか否かの判定(ステップB166)を行う。ここで、連動演出実行情報を受信してない(No)と判定した場合は、当該連動演出反映処理から抜ける。
また、ステップB166で、連動演出実行情報を受信した(Yes)と判定した場合は、ステップB167へ進んで、連動演出を実行可能な保留があるか確認する。そして、実行可能な保留がない(ステップB168;No)と判定した場合は、当該連動演出反映処理から抜ける。
また、ステップB168で、実行可能な保留がある(Yes)と判定した場合は、ステップB169へ進んで、連動演出実行フラグを設定してから、連動演出を実行することを知らせる返答情報をデータ送信領域に設定(ステップB170)し、当該連動演出反映処理を終了する。
一方、ステップB164で連動演出実行フラグがある(Yes)と判定した場合は、ステップB176へ移行して、保留数(未消化の始動記憶数)が増加したか確認する。そして、保留数が増加したか否か判定し、保留数が増加していない(ステップB177;No)と判定した場合は、ステップB171へ移行する。また、ステップB177で、保留数が増加した(Yes)と判定した場合は、ステップB178へ進んで、連動演出を実行可能なタイミングとなる保留があるか確認する。そして、実行可能なタイミングとなる保留がない(ステップB179;No)と判定した場合は、ステップB175へ移行して、連動演出実行フラグをクリアして連動演出反映処理を終了する。また、ステップB179で連動演出を実行可能なタイミングとなる保留がある(Yes)と判定した場合は、ステップB171へ移行する。
図14に示したように、始動記憶数(保留数)に応じて変動パターンを変更するようにした場合、先読みで一旦変動パターンを決定した後、保留数の増加で変動パターンが変わり、連動演出を実行可能な変動表示ゲームが変化する可能性があるためである。なお、ステップB169で連動演出実行フラグが設定された際に、画面にキャラクタなどを表示させて連動演出を予感させておき、保留数の増加で連動演出を実行できなくなった場合には、当該キャラクタを画面上から消滅させて連動演出がキャンセルされたことを暗示させるような制御を行うようにしてもよい。
ステップB179から移行したステップB171では、連動演出開始情報を受信したか確認し、連動演出開始情報を受信していない(ステップB172;No)と判定した場合は、当該連動演出反映処理から抜ける。また、ステップB172で、連動演出開始情報を受信した(Yes)と判定した場合は、ステップB173へ進んで、対応する連動演出の実行を開始する。そして、連動演出実行中フラグの設定(ステップB174)を実行し、連動演出実行フラグをクリア(ステップB175)して、連動演出反映処理を終了する。
上記説明より、上記実施形態には、連動演出実行判定手段としての演出制御装置は、連動演出を実行するかの決定を、対応する変動表示ゲームの開始前に行い、連動演出実行手段は、連動演出実行判定手段が決定した連動演出の実行開始時における始動記憶の数に応じて連動演出の実行を取消し可能であるようにした発明が含まれることが分かる。
そして、かかる発明によれば、連動演出の設定を前もって行えるので、通信時間を確保できるとともに、連動演出を実行できなくなった場合にも連動演出の実行をキャンセルすることで、連動演出と変動表示ゲームの進行が合致しなくなるのを回避することができる。
(第2変形例)
次に、本発明の第1の実施形態の第2変形例について説明する。
第2の変形例は、期待度の高い変動表ゲームの始動記憶がある場合に連動演出を実行するようにするもので、ここでは一例として先読みで期待度の高い始動記憶の予告がなされている場合に連動演出を実行するようにしたものについて説明する。
図32には、第2変形例における先読み予告設定処理の具体的な手順の一例を示す。この先読み予告設定処理は演出制御装置によって行われるもので、先ず、遊技制御装置から新たに事前判定コマンド(図13の始動口入賞演出図柄コマンドや始動口入賞演出コマンド)を受信したか確認する(ステップB241)。そして、事前判定コマンドを受信してない(ステップB242;No)と判定した場合は、先読み予告設定処理から抜ける。また、ステップB242で、事前判定コマンドを受信した(Yes)と判定した場合は、ステップB243へ進んで、事前判定用コマンドの内容を対応する始動記憶領域にセーブする。
続いて、ステップB244で、既に先読み予告を実行中であるか否か判定する。そして、実行中でない(No)と判定した場合は、先読み予告設定処理から抜ける。また、ステップB244で、先読み予告実行中である(Yes)と判定した場合は、ステップB245へ進んで、始動口入賞演出図柄コマンド(図13参照)から当該始動記憶の図柄情報を取得する。そして、当該始動記憶の変動表示ゲームは大当りか否かの判定(ステップB246)を行う。
ここで、大当りである(Yes)と判定した場合は、ステップB247へ進んで外れ用の先読み予告選択テーブル1(図33(A)参照)を設定する。一方、ステップB246で、大当りでない(No)と判定した場合は、ステップB248へ進んで大当り用の先読み予告選択テーブル2(図33(B)参照)を設定する。なお、先読み予告選択テーブル1と2内の「先読み予告態様」は、例えば図33(C)のように定義される。
その後、ステップB249で、始動口入賞演出コマンドから当該始動記憶のリーチ系統情報を取得する。そして、ステップB247またはB248で設定したテーブルおよびステップB249で取得したリーチ系統情報から先読み予告の態様を選択する(ステップB250)。
続いて、ステップB251で、先読み予告を実行するか否か判定し、先読み予告を実行する(Yes)と判定した場合は、ステップB252へ進んで、ステップB250で選択された先読み予告の態様を設定して、当該先読み予告設定処理を終了する。また、ステップB251で、先読み予告を実行しない(No)と判定した場合は、ステップB252をスキップして当該先読み予告設定処理を終了する。以上の説明より、演出制御装置300は、予告演出制御手段として機能することが分かる。
図34には、第2変形例における連動演出反映処理の具体的な手順の一例を示す。この連動演出反映処理は、図31に示されている連動演出反映処理とほぼ同様である。図31の処理との差異は、図31ではステップB168からステップB169へ直接移行しているのに対し、図34ではステップB168から、保留の先読み予告態様を確認して先読み予告が所定の期待度(例えば黄色)以上であるか判定するステップB261〜B262を経て、ステップB169へ移行している点にある。
図34に示す連動演出反映処理では、先ず、既に連動演出を実行していることを示す連動演出実行中フラグを確認する(ステップB161)。そして、連動演出実行中フラグがあるか否か、すなわち連動演出実行中であるか否かの判定(ステップB162)を行う。ここで、連動演出実行中である(Yes)と判定した場合は、当該連動演出反映処理から抜ける。また、ステップB162で、連動演出実行中でない(No)と判定した場合は、ステップB163へ進んで、連動演出実行中フラグを確認して、連動演出実行フラグがあるか否か判定する(ステップB164)。
ステップB164で、連動演出実行フラグがある(Yes)と判定した場合は、ステップB176へ移行する。また、ステップB164で、連動演出実行フラグがない(No)と判定した場合は、ステップB165へ進んで、他の遊技機からデータを受信しているか確認し、連動演出実行情報(図17参照)を受信したか否かの判定(ステップB166)を行う。ここで、連動演出実行情報を受信してない(No)と判定した場合は、当該連動演出反映処理から抜ける。
また、ステップB166で、連動演出実行情報を受信した(Yes)と判定した場合は、ステップB167へ進んで、連動演出を実行可能なタイミングであるか確認する。そして、実行可能な保留がない(ステップB168;No)と判定した場合は、当該連動演出反映処理から抜ける。
また、ステップB168で、実行可能な保留がある(Yes)と判定した場合は、保留の先読み予告態様を確認(ステップB261)して、先読み予告が所定の期待度(例えば黄色)以上であるか判定する(ステップB262)。そして、先読み予告が所定の期待度(例えば黄色)以上でない場合には、当該連動演出反映処理から抜ける。一方、先読み予告が所定の期待度(例えば黄色)以上である場合には、ステップB169へ進んで、連動演出実行フラグを設定してから、連動演出を実行することを知らせる返答情報をデータ送信領域に設定(ステップB170)し、当該連動演出反映処理を終了する。
一方、ステップB164で連動演出実行フラグがある(Yes)と判定した場合は、ステップB176へ移行して、保留数(未消化の始動記憶数)が増加したか確認する。そして、保留数が増加したか否か判定し、保留数が増加していない(ステップB177;No)と判定した場合は、ステップB171へ移行する。また、ステップB177で、保留数が増加した(Yes)と判定した場合は、ステップB178へ進んで、連動演出を実行可能なタイミングとなる保留があるか確認する。そして、実行可能なタイミングとなる保留がない(ステップB179;No)と判定した場合は、ステップB175へ移行して、連動演出実行フラグをクリアして連動演出反映処理を終了する。また、ステップB179で連動演出を実行可能なタイミングとなる保留がある(Yes)と判定した場合は、ステップB171へ移行する。
ステップB171では、連動演出開始情報を受信したか確認し、連動演出開始情報を受信していない(ステップB172;No)と判定した場合は、当該連動演出反映処理から抜ける。また、ステップB172で、連動演出開始情報を受信した(Yes)と判定した場合は、ステップB173へ進んで、対応する連動演出の実行を開始する。そして、連動演出実行中フラグの設定(ステップB174)を実行し、連動演出実行フラグをクリア(ステップB175)して、連動演出反映処理を終了する。
上記説明より、上記実施形態には、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームの実行に関連する乱数を抽出し該変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段と、始動入賞記憶手段に始動記憶として記憶されている乱数から、該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行情報を当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前判定手段と、事前判定手段の判定結果に基づき、実行前の変動表示ゲームに対する事前予告を実行する事前予告手段と、を備え、連動演出実行判定手段は、事前予告手段による事前予告が実行されている場合にも、連動演出を実行可能であるか判定可能であるようにした発明が含まれることが分かる。
そして、かかる発明によれば、大当りとなる可能性のある予告が行われているときに連動演出を実行させることにより、変動表示ゲームに対する期待感を高める演出を行うことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本発明の第2の実施形態は、遊技機の前面枠等に設けられている遊技者が操作可能な演出操作ボタンやセレクトボタンを操作することで、表示装置41において表示される演出の状態(以下、演出モードと称する)を選択可能に構成した遊技機が配置され、遊技機間が通信可能に接続されている遊技システムにおいて、いずれの演出モードがより多く選択されているか判定して、変動表示ゲームにおける各演出態様(特にリーチ演出)の選択率の配分がそれぞれ異なる演出選択態様を変更するようにしたものである。本実施形態を適用する遊技機の制御装置のハードウェアの構成は、前述した第1の実施形態における遊技機と同じで良いので、説明は省略する。
図35には、一例として遊技機が2つの演出モードとしてAモードとBモードのいずれかを選択可能にされている場合のモードの変更の様子と、遊技の制御状態としての遊技モードが遷移する様子が示されている。
なお、演出モードが異なるとは、図36に示すように、表示装置41の画面に登場するキャラクタが異なるとか、通常の遊技状態において表示装置41の画面に表示される背景画像が異なるとか、表示演出のテーマあるいはステージが異なるなど、遊技者に与えるイメージが異なるものであればどのようなものであってもよい。
また、遊技モードには、通常の遊技状態である通常モードの他に、確変図柄で大当りしたときに移行する大当りの発生確率の高い遊技状態(普電サポートあり)である確変モード、通常図柄で大当りしたときに移行する大当りの発生確率は高くないが普図変動表示ゲームの変動時間が短くされたり普図の当りで開成される普通変動入賞装置37の開時間が長くされたりする普電サポートのある時短モードがある。
図37には、第2の実施形態において、演出制御装置300により実行される演出選択態様設定処理の手順の一例が示されている。この演出選択態様設定処理は、例えばタイマ割込みで所定時間ごとに実行してもよいし、遊技者によって演出操作ボタンやセレクトボタンが操作された場合に実行するようにしてもよい。また、変動開始時の内容で判定をするのが望ましいので、変動表示ゲームの開始時に実行するようにしてもよい。
演出選択態様設定処理においては、先ずそのときの演出モードの状態を確認する(ステップB251)。そして、モードの変更があるか否か判定し、モードの変更がある(ステップB252;Yes)と判定した場合は、次のステップB253で、選択されたモードに対応するモード情報を送信データとして設定してから、選択されたモードに応じたモード選択数を更新(ステップB254)し、ステップB255へ進む。
一方、ステップB252で、モードの変更がない(No)と判定した場合は、ステップB253,B254をスキップして、ステップB255へ移行する。そして、ステップB255では、他の遊技機からの受信データを確認し、演出モードのモード情報を受信したか否か判定する(ステップB256)。ここで、モード情報を受信した(Yes)と判定した場合は、ステップB257へ進んで、受信したモードに応じたモード選択数を更新し、ステップB258へ進む。また、ステップB256で、モード情報を受信していない(No)と判定した場合は、ステップB257をスキップして、ステップB258へ移行する。
ステップB258ではモード選択割合を確認し、モード選択状態に変化があったか判定する(ステップB259)。そして、モード選択状態に変化があった(Yes)と判定した場合は、次のステップB260でモード選択状態に応じた演出選択態様を設定して、当該演出選択態様設定処理を終了する。一方、ステップB259で、モード選択割合に変化がない(No)と判定した場合は、ステップB260をスキップして、演出選択態様設定処理を終了する。なお、モード選択状態とは、ある演出モードの選択割合が優勢か劣勢かを意味する。以上の説明より、演出制御装置300は、演出モード選択手段およびモード関連演出制御手段として機能することが分かる。
図38には、ステップB260で行われるモード選択状態に応じた演出選択態様の具体的な設定例が示されている。ここでは、Aモードの選択率が60%以上でBモードの選択率が40%未満の場合に「Aモード優勢」とみなして「演出選択態様1」を選択する。また、AモードとBモードの選択率がそれぞれ40〜60%の場合は、「拮抗状態」とみなして「演出選択態様2」を選択する。一方、Aモードの選択率が40%未満でBモードの選択率が60%以上の場合には、「Bモード優勢」とみなして「演出選択態様3」を選択するようにしている。
図39には、図38に示されている「演出選択態様1」が選択された場合(A)と、「演出選択態様2」が選択された場合(B)と、「演出選択態様3」が選択された場合(C)に、各遊技機においておこなわれるリーチ演出の選択時に使用されるテーブルの例が示されている。
同図(B)より、「拮抗状態」のときはいずれの遊技機においても、同一のテーブルが使用され、かつ使用するテーブルにおいては各種類のリーチがほぼ均等な割合で出現するように選択率が設定されていることが分かる。また、図38(A)と(C)を比較すると、使用するテーブルが逆になっており、AモードとBモードのいずれが優勢の場合においても、選択したモードが優勢の遊技機同士、劣勢の遊技機同士においては、それぞれ同一のテーブルが使用される。
なお、演出制御装置は、演出操作ボタン等の操作によって遊技者が複数の演出モードから一の演出モードを選択する前に、初期設定として予め複数の演出モードからいずれかの演出モードを選択して設定するようにし、その初期設定においては、複数の演出モードの中から各演出モードを選択する割合が等しくなるようにしてもよい。これにより、営業開始直後から演出モードの選択割合に偏りが生じることがないようにすることができる。
図40および図41には、選択した演出モードが優勢な遊技機と劣勢な遊技機の表示装置41で表示される画面の具体例が示されている。
このうち、図40は、画面上に自遊技機を示すキャラクタを表示するとともに、選択モードの優劣状態を棒グラフで表している。図40において、中段はAモード優勢、Bモード劣勢の状態を表し、下段はAモード劣勢、Bモード優勢の状態を表している。
なお、このとき自遊技機を示すキャラクタは必ず所定の位置(図40では左上隅)に表示されるようにしておくのが望ましい。これにより、自分が選択している演出モードがいずれであるかをいつでも容易に確認することができる。
一方、図41の表示例においては、選択モードによって背景画像を変えるとともに、背景画像や変動図からの大きさで自遊技機が選択している演出モードの優劣状態を表している。図41において、中段はAモード優勢、Bモード劣勢の状態を表し、下段はAモード劣勢、Bモード優勢の状態を表している。
以上の説明から、上記実施形態には、遊技の進行を制御する遊技制御手段としての遊技制御装置と、該遊技制御手段からの指令情報に基づき、遊技の進行に関連する演出を制御する演出制御手段としての演出制御装置と、遊技の結果が予め定めた特別結果となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態制御手段と、遊技者が操作可能な設定操作手段と、を備える遊技機において、
前記演出制御手段は、前記設定操作手段からの入力に応じて、各々態様の異なる複数の演出モードの中から一の演出モードを選択する演出モード選択手段と、前記演出モード選択手段により選択された前記演出モードに関する情報が含まれる遊技機の制御情報を、他の遊技機との間で送受信する通信手段と、該通信手段が複数の他の遊技機から受信した前記制御情報に基づき、前記複数の他の遊技機において選択される演出モードに関連して自遊技機における演出を制御するモード関連演出制御手段と、を備え、
前記モード関連演出制御手段は、前記複数の他の遊技機において選択される演出モードの割合及び自遊技機で前記演出モード選択手段により選択された前記演出モードに基づいて演出を制御するようにした発明が含まれることが分かる。
そして、かかる発明によれば、通信範囲の複数の遊技機の演出モードの選択割合と自ら選択している演出モードとによって、演出態様が変化するので、その時の各遊技者の好みなどが反映される一方、同じ遊技機であっても通信範囲の複数の遊技機の状況によって演出態様が変化することになり、遊技者の興趣を充分に高めることができる。
また、上記実施形態には、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、表示装置に識別情報を変動表示する変動表示ゲームを制御する変動表示ゲーム制御手段を備え、特別遊技状態制御手段としての遊技制御装置は、前記変動表示ゲームの結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に、特別遊技状態を発生させ、演出制御手段としての演出制御装置は、変動表示ゲームの実行中に該変動表示ゲームの結果態様を予告する複数の予告演出から一の予告演出を選択して実行する予告演出制御手段を備え、モード関連演出制御手段としての演出制御装置は、複数の他の遊技機において選択される演出モードの割合及び自遊技機で前記演出モード選択手段により選択された前記演出モードに基づいて、前記予告演出制御手段によって選択される予告演出の選択割合を変更するようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、通信範囲の複数の遊技機の演出モードの選択割合と自遊技機で演出モード選択手段により選択されている演出モードの選択割合によって演出態様が変化する上、予告演出の出現割合が変化するので、遊技者は予告演出の出現割合を考慮して、自遊技機においていずれかの演出モードを選択するか決定する楽しみが生まれることになり、遊技の興趣を充分に高めることができる。
さらに、上記実施形態には、演出制御手段としての演出制御装置は、演出モード選択手段によって設定操作手段からの入力に応じて複数の演出モードから一の演出モードを選択される前に、予め複数の演出モードからいずれかの演出モードを選択して設定する演出モード設定手段を備え、演出モード設定手段は、前記複数の演出モードの中からいずれかの演出モードを選択して設定する場合に、各演出モードを選択する割合をほぼ等しくするようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、演出モードを初期設定のまま選択しない遊技者もいることが考えられるため、各演出モードの初期設定割合をほぼ等しくすることで、営業開始直後から演出モードの選択割合に偏りが生じることがないようにできる。
さらに、上記実施形態には、演出制御手段としての演出制御装置は、複数の他の遊技機において選択されている演出モードの選択割合及び前記演出モード選択手段によって選択された演出モードに対応した情報を表示装置に表示する演出モード表示手段を備え、該演出モード表示手段は、演出モードに対応した情報を、いずれの演出モードを選択しているかに関わらず所定の位置に表示するようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、いずれのモードを選択していても、また通信範囲の複数の遊技機において選択されている演出モードがどのような割合であるに関わらず、自遊技機において選択している演出モードを容易に確認することができる。
(第1変形例)
次に、本発明の第2の実施形態の第1変形例について説明する。
第2の実施形態の第1変形例は、内部的には大当りの発生率が高確率になるがそのことを明確に報知しない潜伏確変大当りを備え、潜伏確変大当り(もしくは小当り)が発生すると、図42に示すように、遊技の制御状態として、高確率であることを明確に報知しない曖昧モードに移行する制御を行うようにした遊技機において、選択している演出モードが優勢か劣勢かに応じて演出選択態様を変えるようにしたものである。
そして、各演出選択態様では、図43(A)に示すように、曖昧モードにおける確変状態の示唆(報知)を行い易い有利な状態と示唆(報知)を行い難い不利な状態が選択モードによって異なるように設定される。
また、選択している演出モードが優勢か劣勢かの判定を、図43(B)に示すように、選択している遊技機の数の他に、各モードを選択している遊技機において発生した大当りの総数に応じて行うようにしている。具体的には、例えばAモードを選択している遊技機の数も大当りの総数も多い場合には「Aモード優勢」と判定する。また、Aモードを選択している遊技機の割合が60%で、Bモードを選択している遊技機の割合が40%であっても、Bモードを選択している遊技機の大当りの総数が若干多いような場合には「拮抗」と判定し、Bモードを選択している遊技機が少なくても大当りの総数が2倍以上多いような場合には「Bモード優勢」と判定する。そして、優勢と判定された遊技機においては、潜伏確変状態である場合に、潜伏確変であることが示唆され易くなるような制御が行われる。
いずれのモードが優勢かの判定は、モードを選択している遊技機の数を考慮せずに、各モードを選択している遊技機の大当りの総数にのみ基づいて行うようにしてもよい。
以上の説明から、上記変形例には、特別結果態様が導出される確率を通常よりも高めた高確率状態を発生させる確率状態制御手段を備え、演出制御手段としての演出制御装置は、前記確率状態制御手段によって高確率状態が発生していることを所定確率で報知する確率報知手段を備え、前記モード関連演出制御手段は、複数の他の遊技機において選択される割合の高い演出モードが、前記演出モード選択手段により選択されている場合に、前記確率報知手段による報知の確率を高めるようにした発明が含まれることが分かる。
そして、かかる発明によれば、自遊技機において、通信範囲の中で多数派の演出モードを選択していると、遊技者が興味を持っている(有益な)情報を知る確率が高まるので、演出モードの選択の重要性が増すので、遊技者は自遊技機においていずれかの演出モードを選択するか決定する楽しみがさらに増加することになり、遊技の興趣を充分に高めることができる。
図44には、上記変形例において、演出制御装置300により実行されるモード選択処理の手順の一例が示されている。このモード選択処理は、遊技者によってモード選択された場合に実行される。
モード選択処理においては、先ず前回の演出モード変更以降に実行された変動表示ゲームの実行回数を確認する(ステップB261)。そして、モード変更後に所定回数の変動表示ゲームを実行したか否か判定し、所定ゲーム数を経過した(ステップB262;Yes)と判定した場合は、ステップB269へ移行して、選択されたモードに変更する設定をして当該モード選択処理を終了する。
一方、ステップB262で、所定ゲーム数を経過していない(No)と判定した場合は、ステップB263へ進んで大当り回数を確認し、大当り回数が所定回数に到達したか否か判定する(ステップB264)。ここで、大当り回数が所定回数に到達した(Yes)と判定した場合は、ステップB269へ移行して、選択されたモードに変更する設定をして当該モード選択処理を終了する。また、ステップB264で、大当り回数が所定回数に到達していない(No)と判定した場合は、ステップB265へ進み、現在設定されている演出選択態様を確認する。
そして、ステップB266で、所定期間演出選択態様が変化していないか否か判定する。ここで、所定期間演出選択態様が変化していない(Yes)と判定した場合は、ステップB269へ移行して、選択されたモードに変更する設定をして当該モード選択処理を終了する。一方、ステップB266で、Noつまり演出選択態様が変化してから所定期間経過していないと判定した場合は、ステップB267へ進みモードの選択割合を確認する。そして、所定数以上の差があって少ない方が選択された(Yes)と判定した場合は、ステップB269へ移行して、選択されたモードに変更する設定をして当該モード選択処理を終了する。また、所定数以上の差がないとは、(No)と判定した場合は、ステップB269をスキップして当該モード選択処理を終了する。
上記のような処理を行うことによって、遊技者が安易に有利な演出選択態様に変更できないようにすることができる。
以上の説明から、上記変形例には、演出制御手段としての演出制御装置は、演出モード選択手段による演出モードの選択が行われた場合に、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまでの間、前記演出モード選択手段による演出モードの選択を禁止する演出モード選択禁止手段を備えるようにした発明が含まれることが分かる。
そして、かかる発明によれば、多数派である演出モードを選択していると有利となる場合に、遊技者が自身の好みではなく、有利となることだけを目的として演出モードを頻繁に選択し直すことが考えられるが、そのような目的の演出モード選択を防ぐことができる。
(第2変形例)
次に、本発明の第2の実施形態の第2変形例について説明する。
第2の実施形態の第2変形例は、自遊技機において所定の条件を満たしたときに、自遊技機および周辺(通信範囲内)の他の遊技機の演出タイプを変更する権利を持つという特典を付与するようにしたものである。
図45には、第2変形例において、第1の「所定の条件」として遊技店の営業開始後に最初に大当りが発生したことを条件に特典を付与するようにする場合の条件達成確認処理1の制御手順の一例が示されている。この条件達成確認処理1は、変動表示ゲームが終了した時点で実行される。大当りが発生した場合に実行するようにしてもよい。
図45の条件達成確認処理1が開始されると、先ず他の遊技機から受信データを確認する(ステップB271)。そして、他の遊技機において既に大当りが発生しているか否か判定する(ステップB272)。ここで、他の遊技機において既に大当りが発生している(Yes)と判定した場合は、何もせずに当該条件達成確認処理1から抜ける。
一方、ステップB272で、他の遊技機においてまだ大当りが発生していない(No)と判定した場合は、ステップB273へ進んで自遊技機のRAMに記憶されている停電復旧(電源投入)後の遊技データを確認する。そして、自遊技機において既に大当りが発生しているか否か判定する(ステップB274)。
ここで、自遊技機において既に大当りが発生している(Yes)と判定した場合は、何もせずに当該条件達成確認処理1から抜ける。また、ステップB274で、自遊技機においてまだ大当りが発生していない(No)と判定した場合は、ステップB275へ進み、終了した変動表示ゲームの結果を確認する。そして、変動表示ゲームの結果が大当りか否か判定する(ステップB276)。そして、結果が大当りでない(No)と判定した場合は、当該条件達成確認処理1から抜ける。結果が大当りである(Yes)と判定した場合は、ステップB277へ進んで、演出タイプ選択画面を表示装置41に表示させ、該画面で選択された演出タイプを第1特典付与済み情報として他の遊技機に送信(ステップB278)して当該条件達成確認処理1を終了する。この情報を受信した遊技機は、選択された演出タイプに従って演出を行う。
図46には、演出タイプの例が示されている。演出タイプには、リーチ演出の特徴の他に、潜伏確変の報知パターンも含まれている。潜伏確変の報知パターンとは、例えばその遊技機が潜伏確変の状態にあるときは、他の遊技者には分かりにくい、例えば前面枠に設けられている装飾ランプあるいはセンターケース設けられているランプのある特定の部分を点灯させるとか、表示装置41の画面上に何らかのキャラクタを表示させることなどが考えられる。かかる報知パターンの設定を含む演出タイプの変更を、営業開始後に最初に大当りが発生した遊技機の遊技者に許可することによって、遊技者は本人しか分からない演出が他の遊技機においても行われことにより、優越感が得られるとともに、台替えをするため他の遊技機へ移動する際にも有利となる。
図47には、自遊技機および周辺(通信範囲内)の他の遊技機の演出タイプを変更する権利を持つという特典を付与する第2変形例における第2の「所定の条件」として、遊技店の営業開始後に最初に大当りを所定回数(例えば10回)発生させたという条件を達成した際に、第2特典を付与するようにした場合の条件達成確認処理2の制御手順が示されている。この条件達成確認処理2は、変動表示ゲームで大当りが発生した場合に実行される。
条件達成確認処理2が開始されると、先ず他の遊技機から受信データを確認する(ステップB281)。そして、既に第1特典付与済み情報が発生もしくは受信しているか否か判定する(ステップB282)。ここで、既に第1特典付与済み情報がある(Yes)と判定した場合は、何もせずに当該条件達成確認処理2から抜ける。
一方、ステップB282で、まだ第1特典付与済み情報がない(No)と判定した場合は、ステップB283へ進んで、既に第2特典付与済み情報が発生もしくは受信しているか否か判定する。ここで、既に第2特典付与済み情報がある(Yes)と判定した場合は、何もせずに当該条件達成確認処理2から抜ける。
また、ステップB283で、まだ第2特典付与済み情報がない(No)と判定した場合は、ステップB284へ進んで、自遊技機のRAMに記憶されている停電復旧(電源投入)後の遊技データを確認する。そして、今回の大当りが自遊技機における所定回数の大当りであるか否か判定する(ステップB285)。
ここで、今回の大当りが自遊技機における所定回数の大当りでない(No)と判定した場合は、何もせずに当該条件達成確認処理2から抜ける。また、ステップB285で、今回の大当りが自遊技機における所定回数の大当りである(Yes)と判定した場合は、ステップB286へ進んで、演出タイプ上書き画面を表示装置41に表示させ、該画面で選択された演出タイプを第2特典付与済み情報として他の遊技機に送信(ステップB287)して当該条件達成確認処理2を終了する。この情報を受信した遊技機は、既に設定されていた演出タイプに選択された演出タイプを上書きして、その演出タイプに従って演出を行う。この演出タイプの上書きは、営業開始後に最初に大当りを所定回数(例えば10回)発生させた遊技機においてのみ許可される特典である。
図48には、自遊技機および周辺(通信範囲内)の他の遊技機の演出タイプを変更可能にするという特典を付与する第2変形例における第3の「所定の条件」として遊技店の営業開始後に、大当りを20回発生させたとか1300ゲームはまっている(大当りが発生していない)とかのように、さらに困難な「特定条件」を達成した遊技機すべてに等しく特別特典を付与する場合の条件達成確認処理3の制御手順が示されている。第1特典と第2特典は、1営業日に1回しか発生しないのに対し、特別特典は1営業日に複数回発生可能である。
図48の条件達成確認処理3も、変動表示ゲームで大当りが発生した場合に実行される。図48の条件達成確認処理3の手順は、図47の条件達成確認処理2の手順とほぼ同様である。異なる点は、今回の大当りが自遊技機における所定回数の大当りであるか否か判定するステップB285の代わりに、「特定条件」を達成したか否か判定するステップB285’を設けている点と、第2特典付与済み情報を他の遊技機に送信するステップB287の代わりに、特別特典付与済み情報を他の遊技機に送信するステップB287’を設けている点のみであるので、詳しい説明は省略する。
次に、第2変形例のさらなる変形例について説明する。
前述した第2の変形例では、自遊技機において所定の条件を満たしたときに、自遊技機および周辺(通信範囲内)の他の遊技機の演出タイプを変更する権利を持つという特典を付与するのに対し、この変形例は自遊技機および周辺(通信範囲内)もしくは通信範囲内でグループ化された他の遊技機において所定の条件を満たしたときに、所定の特典を付与するものである。
図49には、該変形例における条件達成確認処理4の制御手順が示されている。
この条件達成確認処理4が開始されると、先ず自遊技機のRAMに記憶されている停電復旧(電源投入)後の遊技データを確認する(ステップB291)。続いて、他の遊技機から受信データを確認する(ステップB292)。続いて、通信中の遊技機の数を算出する(ステップB293)。その後、通信中の遊技機の数に対応した条件達成判定テーブルを設定(ステップB294)し、自遊技機および通信範囲内の他の遊技機の各大当り回数をリードし集計する(ステップB295)。
次に、ステップB294で設定した条件達成判定テーブルと、ステップB295で集計した各遊技機の大当り回数とから、所定の条件を達したか否か判定する(ステップB296)。そして、所定の条件を達していない(ステップB297;No)と判定した場合は、何もせずに当該条件達成確認処理4から抜ける。ここで、所定の条件としては、例えば「各遊技機の大当り回数が○回以上」のようなものが考えられる。
また、ステップB297で、所定の条件を達した(Yes)と判定した場合は、ステップB297へ進んで、自遊技機および通信範囲内のすべての遊技機において、特典を付与する処理(ステップB298)を行い、当該条件達成確認処理4を終了する。ここで、特典を付与する処理とは、例えば各遊技機において、表示装置41の画面にQRコード(登録商標)のような2次元コードを表示する処理であり、遊技者はこのコードを携帯電話機等のカメラ機能で撮影して送信すると、ウェブサーバからプレミア画像データなどの提供を受けるサービスが得られるようにすることができる。
なお、遊技機の間を通信可能にする場合、遊技店内において通信可能な遊技機の台数がばらばらに設定されることが想定される。そして、そのような場合に、上記のような特典を付与する際の「所定の条件」が各遊技機において同一であると、遊技機間で達成条件が平等にならないおそれがある。
そこで、本変形例では、ステップB296における「所定の条件」として、例えば図50に示すように、通信可能な遊技機の台数に応じて、各遊技機で大当り回数が30回、6回、3回、1回のように、台数が少ないほど達成回数を多くするなど、特典付与条件を変えることとした。なお、通信可能な遊技機の台数に応じて通信範囲内の遊技機での総大当り回数を変えるように特典付与条件を設定してもよい。また、特典付与条件は遊技店側において設定できるようなものであってもよい。
以上の説明から、上記変形例には、演出制御手段としての演出制御装置は、複数の他の遊技機において選択される割合の高い演出モードを特定演出モードとして判定する特定演出モード判定手段と、通信手段により受信した前記複数の他の遊技機の制御情報に基づき、各遊技機において前記特別結果態様が導出された回数を集計する集計手段と、特定演出モードを選択している場合に、遊技者に特典を付与する処理を行う特典付与処理手段と、を備え、前記特定演出モード判定手段は、前記複数の他の遊技機において選択される割合の高い演出モードが、いずれの演出モードであるか判定する場合に、前記集計手段によって集計された回数を参照して判定を行うようにした発明が含まれることが分かる。
そして、かかる発明によれば、演出モードの選択に起因して特典が付与される場合に、特別結果態様の導出回数(大当り回数)が加味されるので、通信範囲内での演出モードの選択割合によって一義的に決定されることなく、遊技の興趣が高まる。例えば、少数派である演出モードを選択していても、該演出モードを選択している遊技機における大当り回数が、多数派である演出モードを選択している遊技機における大当り回数よりも多ければ特典が与えられることとなり、少数派である演出モードを選択していても楽しめる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態は、遊技機としてスロットマシンを使用した遊技システムにおいて、複数の遊技機間で通信を行って他の遊技機の進行が自遊技機に影響を与えるかのような演出を行うようにしたものである。
図51には、本実施形態を適用して好適な遊技機の一例としてのパチスロ遊技機が示されている。なお、本実施形態は、遊技機として、パチスロ遊技機等のスロットマシンに適用するのが好適であるが、スロットマシンと同様の複数の図柄の変動表示を伴うゲームが可能な遊技機ならば、どのような遊技機にも適用可能であり、表示装置を有し、表示装置上で変動表示ゲームを行うパチンコ遊技機等の弾球遊技機や、専用の表示装置もしくはテレビ等のモニタ上で変動表示ゲームを行うゲーム機等にも適用することができる。
図51のパチスロ遊技機10は、前面が開放した箱形の機枠(図示略)の内部に各種の機器が設けられるとともに、この機枠の前面に、前扉11が、左側を支点として片開き形式で開閉可能に設けられている。
前扉11の前面の上部中央には液晶表示装置12が配置され、その下方には、透明な図柄表示窓15が形成され、この図柄表示窓15の奥には、それぞれ独立に回転可能な複数(例えば、3つ)のリール、即ち、第1リール14a(左リール)、第2リール14b(中リール)、及び、第3リール14c(右リール)が配されている。液晶表示装置12は、その表示状態の変化により抽選結果に関連する演出を行う。図柄表示窓15の左方には、内部的にボーナスが成立していることを内蔵ランプの点灯で報知する報知手段としてのボーナス告知部13が設けられている。
上記リール14a〜14cは、例えば各々略円筒状をなし、各々の周囲には、例えば、複数種類の図柄が一定間隔に配置されることで構成された図柄列(例えば、図柄番号1番から21番までの都合21コマ分の図柄の配列)が表記されている。そして、各リール14a〜14cは、各々の図柄列中の図柄のうち、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が図柄表示窓15を介して視認可能となるように配置されていて、リール14a〜14cを回転及び回転停止するリール用モータM1〜M3(図52参照)とともに、各リール14a〜14cの図柄表示窓15から露出する部分によりそれぞれ構成される複数の表示領域において、それぞれ図柄(複数の図柄)の変動表示を行う変動表示手段20を構成している。
ここで、図柄の種類は、例えば、「7」、「BAR」、「チェリー」、「リプレイ」など合計7種類となっている。なお、このうち、「7」は、ビックボーナス(BB)図柄ともいい、これが後述する有効ライン上に、3つ並んだ場合にBB入賞が成立する。また、「BAR」は、レギュラーボーナス(RB)図柄ともいい、これが後述する有効ライン上に、3つ並んだ場合にRB入賞が成立する。本実施形態では、BB入賞とRB入賞とを合わせて特別入賞と呼ぶこととする。
また、パチスロ遊技機10においては、上述のように各リール14a〜14cを回転駆動させるリール用モータM1〜M3(図52参照)は、それぞれステッピングモータ等から構成され、各々、後述する遊技制御装置100の制御下で作動し、対応するリール14a〜14cをそれぞれ独立に、軸周りに回転駆動ならびに回転停止させることが可能となっている。
そして、各モータM1〜M3(図52参照)が、対応するリール14a〜14cを各々独立に回転駆動させることで、複数種類の図柄を図柄表示窓15にて、例えば上から下へと循環するよう高速で移動させる(図柄を変動表示させる)ようになっている。さらに、変動表示の開始後、(後述するリールストップボタン24a,24b,24cの停止操作に基づき)各モータM1〜M3によりリール14a〜14cの全てを停止させることで、上下に3列、横に3列で、都合9つの図柄を変動表示手段20にて停止状態で表示する停止表示を行うようになっている。
そして、変動表示手段20には、後述するように、メダルのベット数に応じて複数の有効化可能ラインが設定される。即ち、例えば、変動表示手段20における各リール14a〜14c中段の図柄を横切る有効化可能ライン(中段横ライン)、変動表示手段20における各リール14a〜14c上段の図柄を横切る有効化可能ライン(上段横ライン)、変動表示手段20における各リール14a〜14c下段の図柄を横切る有効化可能ライン(下段横ライン)、変動表示手段20において第1リール14a下段−第2リール14b中段−第3リール14c上段にかけて各リールを斜めに横切る有効化可能ライン(右上がりの斜めライン)、及び、変動表示手段20において第1リール14a上段−第2リール14b中段−第3リール14c下段にかけて各リールを斜めに横切る有効化可能ライン(右下がりの斜めライン)の都合5つの有効化可能ラインが設定される。そして、この有効ライン上に、複数種類設定された入賞のうち何れかに対応する図柄組合せ態様で図柄が停止表示することにより入賞結果態様が成立し、各入賞結果態様に対応した所定数の賞メダル(遊技価値)の払い出し等を行うようになっている。
また、前扉11の前面の図柄表示窓15の下方には、1ゲームを開始するスタート操作を行うためのスタートレバー21、クレジットされているメダルをゲーム開始前にベットするための1ベット操作ボタン22、メダルを投入してベットする(賭けを行う)ためのメダル投入口23、第1リール14a、第2リール14bおよび第3リール14cと1対1で対応付けられ、対応するリール14a〜14cの回転をそれぞれ停止させて図柄を停止表示させるためのリールストップボタン24a、24b、および24c、演出や通信の設定を行うための設定操作手段としての演出操作ボタン25が設けられている。
さらに、前扉11の前面下部には、装飾表示部を備え前扉の下部領域を構成する飾り板部26、払い出されたメダルを貯留するための受皿27が配設されている。
パチスロ遊技機10は、図52に示すように、遊技を統括的に制御する遊技制御装置(メイン制御装置)100と、この遊技制御装置100の制御下で遊技の演出に関する制御を統括的に行う演出制御装置(サブ制御装置)300とが設けられ、制御系を構成している。また、この制御系の構成要素も、それぞれ機枠の内部に配されている。
このうち、遊技制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read only memory)102、RAM(Random Access memory)103、I/F(Interface)104、乱数発生回路(図示略)等を備えて構成されている。
ROM102には、各種処理を実行するための制御プログラムや制御データが書き込まれている他、後述する内部抽選用等の各種の判定値(後述するモードの振り分け用の判定値も含まれる)などが書き込まれている。また、ROM102には、各ゲームにおいて、上述の停止制御を行う際に、後述する入賞の抽選の抽選結果として、通常遊技状態、特定遊技状態、特別遊技状態等の遊技状態と、各入賞に当選した場合の各入賞もしくは外れとに対応する停止テーブルを記憶している。なお、停止テーブルは、各リール14a〜14c上の図柄の停止位置を決定するためのテーブルであり、この停止テーブルには、リールストップボタン24a,24b,24cが操作されたときの各リール14a〜14cの回転位置に応じて、各リール14a〜14cの滑りコマ数が設定されている。
なお、各停止テーブルは、上述のように抽選結果としての当選した入賞もしくは外れに対応しており、各リール14a〜14cの各図柄の配列に基づいて、抽選結果として当選した入賞を成立もしくは成立可能とするとともに、基本的に当選した入賞以外の入賞が成立しないようになっている。また、抽選結果が外れの場合には、何れの入賞も成立させない停止テーブルが用いられるが、特別入賞に当選している場合には、特別入賞の当選が成立するまで、特別入賞の当選が決定したゲーム以降のゲームに当選が持ち越されるので、特別入賞の当選が持ち越されている状態で抽選結果が外れとなった場合には、外れの停止テーブルではなく、特別入賞の当選用の停止テーブルが用いられる。
また、停止テーブルには、同じ遊技状態で同じ入賞の抽選結果でも複数のテーブルを用意しておいて、ランダムな抽選や、ベット数、リールストップボタン24a〜24cの押し順(左、中、右の順押しや、その逆の逆押し、左、右、中の挟み押しなど、6種類)等に応じて選択されるようにしてもよい。
なお、この例においては、後述するように当選した特別入賞の成立を保留制御するとともに、リプレイ入賞の当選確率が高くされた特定遊技状態で行われるゲームがあり、この特定遊技状態のゲームにおいては、特別入賞の当選時のゲーム及び特別入賞が持ち越されているゲーム(特別入賞以外の入賞の当選時のゲームを除く)であっても、特別入賞を成立させない蹴飛ばし停止テーブルが用いられる。また、特定遊技状態のリプレイ入賞の当選時のゲームでは、リプレイ入賞を成立させる引込停止テーブルと、リプレイ入賞を成立させない蹴飛ばし停止テーブルとのうちの一方の停止テーブルが所定の確率で抽選されて用いられる。
RAM103は、乱数発生回路で生成される各種の内部抽選用の乱数の記憶領域、各種データ(例えば、メダルのクレジット数のデータ、メダルのベット数のデータ、各種入賞フラグ(後述)の状態のデータ、後述するストック(特別入賞を成立させる当選権利)の数、及び入賞結果態様が成立した入賞に基づく払い出しに係るデータなど)を一時的に記憶する記憶領域ならびにCPU101の作業領域を備えている。
I/F104は、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、投入メダル検出センサSS1、スタートレバーセンサSS2、第1リール停止センサSS3、第2リール停止センサSS4、第3リール停止センサSS5、第1リール位置検出センサSS6、第2リール位置検出センサSS7、第3リール位置検出センサSS8、1ベットセンサSS9、マックスベットセンサSS10、クレジット選択センサSS11、払い出しメダル検出センサSS12、確率設定装置28、リセットセンサSS13、前扉開放センサSS14からの検出信号をCPU101に入力する。
ここで、確率設定装置28は、当該パチスロ遊技機100における各ゲーム毎の当選確率を複数段階(例えば、設定1〜設定6までの6段階)の何れかに設定するための装置である。
また、I/F104は、CPU101から出力される制御信号を、図示しない出力ポート及びドライバを介して、演出制御装置300、遊技進行表示部DL1、ベット数表示部DL2、クレジット数表示部DL3、払出数表示部DL4、獲得枚数表示部DL5、メダル払出装置29、第1リール用モータM1、第2リール用モータM2、第3リール用モータM3、外部信号出力部71およびストップボタンランプ16a〜16cなどに出力している。
ここで、第1〜第3リール用モータM1〜M3としてステッピングモータを使用した場合、ステッピングモータに出力される制御信号(ドライバからのパルス状の駆動信号)のパルス数により、各リール14a〜14cの回転位相を制御することができるとともに、第1〜第3リール位置検出センサSS6〜SS8により、各リール14a〜14cの回転位相位置を検出することができ、これらから各リール14a〜14cの停止位置すなわち停止図柄を制御することができる。
演出制御装置300は、CPU301、ROM302、RAM303、入出力インタフェース304等を備えて構成され、遊技制御装置100の制御下で或いは独自の制御により、表示装置12に画像信号を出力している。
また、演出制御装置300は、通信回路17を介して他の遊技機の演出制御装置と有線もしくは無線によりデータ通信可能にされているとともに、スピーカ19の駆動信号や前扉に設けられているボーナス告知部13や装飾装置に内蔵されたランプやLEDを発光駆動するための信号を出力している。また、演出制御装置300は、演出操作ボタン25からの信号が入力され、該信号に基づいて演出や通信の設定を行う。さらに、遊技状態表示器DS1、ベット数表示器DS2、クレジット数表示器DS3、払出数表示器DS4、獲得枚数表示器DS5、メダル払出装置29、第1リール用モータM1、第2リール用モータM2、第3リール用モータM3、外部出力端子71、ストップボタン内蔵LED LED1〜LED3へ具等信号を出力するように構成されている。
演出制御装置300は、特別入賞や小役入賞の当選に伴う演出を表示装置12で行うグラフィック機能を有しており、ビデオ信号を出力するための回路を備えている。また、演出制御装置300は、スピーカ19より演出音を出力するためのサウンド機能を有しており、スピーカを駆動するためのドライバ回路を備えている。
そして、ROM302には、表示装置12で画像表示を行うための各種の画像データや文字を表示するためのフォントデータ等が記憶されている。また、ROM302には、効果音、音楽、音声等の音データが記憶されている。演出制御装置300は、表示装置12と、枠装飾装置内のランプ、LEDやリール裏面のランプ等を制御して各種演出表示を行う。また、演出制御装置300は、表示だけではなくスピーカ19を駆動して効果音や音楽や音声等を出力することにより演出の効果を高める制御を行う。
遊技制御装置100により実行される遊技制御は、従来の一般的なパチスロ遊技機と同様であるので、詳しい説明は省略するが、本実施形態のパチスロ遊技機10のゲームには、ビッグボーナス入賞やレギュラーボーナス入賞等の特別入賞に当選して特別入賞を成立させる当選権利が記憶されている場合に、特別入賞を成立させることが可能な通常遊技状態のゲームと、通常遊技状態のゲームにおいて特別入賞が成立した場合に、遊技者に大量の遊技媒体を付与するように行われる特別遊技状態のゲームと、基本的に通常遊技状態のゲームと同等であるが、特別入賞が当選しても特別入賞の成立を保留制御する特定遊技状態のゲームとがある。なお、当選権利が記憶されていない場合は通常遊技状態となる。また、特定遊技状態中は、特別入賞が当選しても成立しないが、特別入賞が当選した状態で、さらに特別入賞が当選した場合には、特別入賞を成立させる当選権利が累積的に記憶(ストック)される。すなわち、パチスロ遊技機10は、特別入賞を成立させる複数の当選権利を記憶可能となっている。なお、特別入賞が当選しても特別入賞の成立を保留抑制する特定遊技状態のゲームは発生しないように制御してもよい。
次に、演出制御装置300により実行される演出制御について説明する。
本実施形態における演出制御は、演出制御装置300に設けられている通信機能を利用して、隣接する遊技機の演出制御装置との間で相互通信を行い、例えば一方の遊技機(遊技機1)において開始されたゲームにおける抽選でボーナスが内部当選した場合に、直ちにボーナス告知部13を点灯させるのではなく、図53に示すように、通信相手の遊技機(遊技機2)において最後に操作されるストップボタン24cの操作が検出されたことを条件に、ボーナスが内部当選した遊技機のボーナス告知部13を点灯させるようにしたものである。これにより、他の遊技機における遊技の進行が自遊技機の遊技に影響を与えるかのような印象を遊技者に与え、遊技の興趣を高めることができる。
図54および図55には、自遊技機および通信相手の他の遊技機との間の通信による上記のような演出を可能にするため、演出制御装置300によって実行される通信設定処理と演出制御処理の具体的な手順が示されている。
このうち図54の通信設定処理は、例えば遊技機においてゲームが行われていない間(非変動中、ベットなし)等に、予め他の遊技機との間でハンドシェイク方式の通信リンクを確立しておくための処理である。なお、通信相手の遊技機は、遊技中であっても他の遊技機から通信要求があった場合には、表示装置12による表示やスピーカ19からの音声によって報知し、演出操作ボタンの操作で通信許可がなされるように構成することができる。
図54の通信設定処理が開始されると、先ず通信設定状態を確認する(ステップB311)。そして、通信設定が可能な状態か否か判定する(ステップB312)。ここで、通信設定が可能でない(No)と判定した場合は、何もせずに当該通信設定処理から抜ける。また、ステップB312で、通信設定が可能である(Yes)と判定した場合は、ステップB313へ進んで通信許可待ちフラグの状態を確認する。
そして、通信許可待ちフラグがある(ステップB314;Yes)と判定した場合は、ステップB315〜B318をスキップしてステップB319へ移行する。また、上記ステップB314で、通信許可待ちフラグがない(No)と判定した場合は、ステップB315へ進み、通信先を設定する操作があったか確認する。そして、通信先を設定する操作がなかった(ステップB316;No)と判定した場合は、何もせずに当該通信設定処理から抜ける。
一方、通信先を設定する操作があった(ステップB316;Yes)と判定した場合は、ステップB317へ進んで、設定操作に対応する遊技機へ通信許可要求(コマンド)を送信した後、通信許可待ちフラグを設定(ステップB318)して、ステップB319へ進む。
ステップB319では、他の遊技機からの通信を確認する。そして、通信許可があったか否か判定し、通信許可がない(ステップB320;No)と判定した場合は、何もせずに当該通信設定処理から抜ける。また、通信許可があった(ステップB320;Yes)と判定した場合は、ステップB321へ進み自遊技機と通信相手の遊技機との間の通信状態(リンク)を設定する。その後、ステップB322で通信許可待ちフラグをクリアして当該通信設定処理を終了する。
図55の演出制御処理はタイマ割込み等により所定期間ごとに実行される処理である。この演出制御処理が開始されると、先ずボーナスに当選すると設定されるボーナスフラグが成立しているか確認する(ステップB331)。そして、ボーナスフラグが成立していない(ステップB332;No)と判定した場合は、何もせずに当該演出制御処理から抜ける。また、ボーナスフラグが成立している(ステップB332;Yes)と判定した場合は、ステップB333へ進んで、ボーナス告知状態を確認する。
そして、ボーナス告知済みすなわちボーナス告知部13が既に点灯されているか否か判定し、ボーナス告知済みである(ステップB334;Yes)と判定した場合は、何もせずに当該演出制御処理から抜ける。また、ボーナス告知済みでない(ステップB334;No)と判定した場合は、ステップB335へ進んで、ボーナス告知待ち状態か否か判定し、ボーナス告知待ち状態である(Yes)と判定した場合は、ステップB336〜B339をスキップしてステップB340へ移行する。
また、上記ステップB335で、ボーナス告知待ち状態でない(No)と判定した場合は、ステップB336へ進んで、他の遊技機との通信状態を確認する。そして、相互通信状態が設定されていない(ステップB337;No)と判定した場合は、何もせずに当該演出制御処理から抜ける。また、ステップB337で、相互通信状態が設定されている(Yes)と判定した場合は、ステップB338へ進んで、相互通信状態にある通信相手の遊技機へボーナスフラグ成立情報を送信し、ボーナス告知待ち状態を設定(ステップB339)してステップB340へ進む。
ステップB340では、相互通信状態の遊技機からの通信内容を確認する。そして、ボーナス告知の条件となる操作があったか否か判定する(ステップB341)ここで、操作がない(No)と判定した場合は、当該演出制御定処理から抜ける。一方、ステップB341で、操作があった(Yes)と判定した場合は、ステップB342へ進みボーナス告知すなわちボーナス告知部13の点灯を設定して当該演出制御処理を終了する。従って、演出制御装置300は、遊技の進行状態が所定の状態であるか判定する進行情報判定手段として機能する。
以上の説明から、上記実施形態には、遊技の進行を制御する遊技制御手段としての遊技制御装置と、該遊技制御手段からの指令情報に基づき、遊技の進行に関連する演出を制御する演出制御手段としての演出制御装置と、遊技の結果が予め定めた特別結果となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態制御手段と、を備える遊技機において、
前記演出制御手段は、遊技機において実行される遊技の進行情報を、他の遊技機との間で送受信可能な通信手段と、複数の他の遊技機のうち予め選択された所定遊技機における遊技の進行情報を前記通信手段によって受信し、該進行情報が示す状態が所定の状態であるか判定する進行情報判定手段と、自遊技機における遊技の結果が前記特別結果となる場合であって、前記進行情報判定手段によって、前記所定遊技機における遊技の進行状態が前記所定の状態であると判定された場合に、自遊技機における遊技の結果が前記特別結果となることを遊技者が認識可能に報知する報知手段と、を備えるようにした発明が含まれることが分かる。
そして、かかる発明によれば、自遊技機の遊技の結果を予告する報知手段が、他の遊技機における遊技の進行状態に応じて発動するので、他の遊技機の進行状態が自遊技機における遊技の進行に影響を与えることになり興趣が高まる。特に、通信相手の遊技機を友人や知人が遊技する遊技機に設定するなどすれば、グループで来店したときなどに、一人の遊技では味わえない遊技の進行を楽しむことができる。
また、上記実施形態には、複数の識別情報がそれぞれ配置された複数のリールを変動させて変動表示ゲームを実行可能な変動表示手段と、遊技者の操作に基づき前記変動表示ゲームを開始可能なスタート操作手段と、前記複数のリールに対応してそれぞれ設けられ、遊技者の操作に基づき対応するリールを停止可能な複数の停止操作手段と、を備え、前記進行情報判定手段は、前記変動表示手段、スタート操作手段及び複数の停止操作手段を備える前記所定遊技機で実行される変動表示ゲームにおいて、該所定遊技機の前記複数の停止操作手段のうち最後に操作される停止操作手段の操作状態を判定するようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、特にスロットマシンなどの遊技機において、他の遊技機の停止操作の終了時に自遊技機の特別結果が報知される可能性が生じるので、他の遊技機の遊技者の操作が自遊技機における遊技の進行に影響を与えることとなり、興趣が高まる。
なお、上述した実施形態では、通信相手の遊技機においてストップボタン24cの操作が検出されたことを条件に、ボーナスが内部当選した遊技機のボーナス告知部13を点灯させると説明したが、通信相手の遊技機の他のストップボタン24aまたは24bが操作されたこと、あるいはスタートレバー21が操作されたことを条件に、ボーナスが内部当選した遊技機のボーナス告知部13を点灯させてもよい。
また、図56に示すように、ボーナスが内部当選した場合に、通信相手の遊技機の表示装置12にミッションを表示させ、該ミッションに対応する操作がなされたことを条件に、ボーナスが内部当選した遊技機のボーナス告知部13を点灯させるようにしてもよい。
さらに、上記ミッションを表示装置12に表示する代わりに、ミッションに対応する二次元コードを表示装置12に表示させ、該二次元コードを用いてウェブサーバからミッションを受け取り、該ミッションを達成したことを条件に、ボーナスが内部当選した遊技機のボーナス告知部13を点灯させるようにしてもよい。また、通信相手の遊技機を複数設定して、ある遊技機でボーナスが成立したら、前述した第1の実施形態で説明したようなバトルゲーム(図25、図26参照)を複数の遊技機の表示装置12に表示して、ボーナスが成立した遊技機ではバトルゲームに勝ち残る演出を行い、ボーナス告知部13が点灯されるようにしてもよい。
また、通信相手の遊技機においてストップボタン24cの操作が検出されたことを条件に、ボーナスが内部当選した遊技機のボーナス告知部13を点灯させるようにした場合、たまたま通信相手の遊技機で遊技が行われていない(いわゆる客待ち状態)ことが考えられる。その場合には、他の遊技機のボタン操作がないつまり上記のような告知条件が成立しないので、自遊技機の変動図柄の停止時にボーナス告知部13を点灯させるようにしてもよい。さらに、隣の遊技機で遊技が行われていない場合には、当該隣の遊技機のボーナス告知部を点灯させるようにしてもよい。
従って、上記実施形態には、演出制御手段としての演出制御装置は、自遊技機における遊技の結果が特別結果となる場合に、所定遊技機に向けて、該所定遊技機における停止操作手段の操作が、自遊技機における報知手段の報知に関連していることを遊技者に認識させるための制御情報を、前記通信手段を介して送信するようにした発明が含まれることが分かる。
そして、かかる発明によれば、他遊技機の遊技者も、自身の操作が他の遊技機(自遊技機のこと)の結果報知に関連性があることが認識できるので、操作の緊張感が増し、興趣が高まる。
また、上記実施形態には、画像もしくは情報を表示可能な表示装置を備え、演出制御手段としての演出制御装置は、所定遊技機における遊技の結果が特別結果となる場合に、自遊技機における停止操作手段の操作が、前記所定遊技機における報知手段の報知に関連していることを遊技者に認識させるために前記所定遊技機より送信された制御情報を前記通信手段が受信した場合に、前記表示装置に受信した制御情報に関連した表示を行うようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、他遊技機の遊技者も、自身の操作が他の遊技機(自遊技機のこと)の結果報知に関連性があることが認識できるので、操作の緊張感が増し、興趣が高まる。
(第2実施例)
次に、本発明の第3の実施形態の第2実施例について説明する。
第3の実施形態の第2実施例は、ボーナスフラグの成立(特別入賞の当選)など所定の条件が成立した場合に、ストップボタンあるいはベットボタンを押しても無効になるいわゆるフリーズ制御を行う遊技機からなる遊技システムにおいて、通信設定されたいずれかの遊技機でフリーズ条件が成立した場合に、通信設定されたすべての遊技機でフリーズ演出を行うようにしたものである。
図57および図58には、自遊技機および通信相手の他の遊技機において上記フリーズ演出を可能にするため、演出制御装置300によって実行されるフリーズ演出制御処理とフリーズ演出反映処理の具体的な手順が示されている。なお、これらの処理は、所定時間ごとに繰り返し実行される。
図57のフリーズ演出制御処理が開始されると、先ずフリーズ演出実行情報を確認する(ステップB351)。そして、フリーズ演出実行中であるか否か判定する(ステップB352)。ここで、既にフリーズ演出実行中である(Yes)と判定した場合は、ステップB361へ移行する。
また、ステップB352で、フリーズ演出実行中でない(No)と判定した場合は、ステップB354へ進み、開始されたゲームで成立した役を確認する。そして、フリーズ演出発生役であるか否か判定する(ステップB355)。ここで、フリーズ演出発生役でない(ステップB355;No)と判定した場合は、何もせずに当該フリーズ演出制御処理から抜ける。
一方、ステップB355で、フリーズ演出発生役である(Yes)と判定した場合は、ステップB356へ進んで遊技情報を確認する。そして、フリーズ演出の開始条件が成立したかつまりフリーズ演出の開始タイミングとなったか否か判定する(ステップB357)。ここで、フリーズ演出の開始条件が成立していない(ステップB357;No)と判定した場合は、何もせずに当該フリーズ演出制御処理から抜ける。また、フリーズ演出の開始条件が成立した(ステップB357;Yes)と判定した場合は、ステップB358へ進み、フリーズ演出の設定を行う。それから、フリーズ演出実行情報を設定(ステップB359)し、相互通信設定されている遊技機へフリーズ演出実行情報を送信(ステップB360)してステップB361へ進む。
ステップB361では、フリーズ演出の終了条件が成立したかつまりフリーズ演出の終了タイミングとなったか否か判定する。ここで、フリーズ演出の終了条件が成立していない(ステップB361;No)と判定した場合は、ステップB362〜B363をスキップして当該フリーズ演出制御処理から抜ける。また、フリーズ演出の終了条件が成立した(ステップB361;Yes)と判定した場合は、ステップB362へ進み、相互通信設定されている遊技機へフリーズ演出終了情報を送信し、フリーズ演出実行情報をクリア(ステップB363)して当該フリーズ演出制御処理を終了する。
図58のフリーズ演出反映処理は他の遊技機でフリーズが発生した場合にフリーズ演出を実行するための処理である。
図58のフリーズ演出反映処理が開始されると、先ずフリーズ演出実行情報を確認する(ステップB371)。そして、フリーズ演出実行中であるか否か判定する(ステップB372)。ここで、既にフリーズ演出実行中である(Yes)と判定した場合は、ステップB380へ移行する。
また、フリーズ演出実行中でない(ステップB372;No)と判定した場合は、ステップB373へ進み、相互通信設定されている遊技機からの通信(受信データ)を確認する。そして、フリーズ演出実行情報があるか否か判定する(ステップB374)。ここで、フリーズ演出実行情報がない(ステップB374;No)と判定した場合は、何もせずに当該フリーズ演出反映処理から抜ける。
一方、ステップB374で、フリーズ演出実行情報がある(Yes)と判定した場合は、ステップB375へ進んで遊技情報を確認する。そして、フリーズ演出を実行可能であるか否か判定する(ステップB376)。ここで、フリーズ演出を実行可能でない(ステップB376;No)と判定した場合は、何もせずに当該フリーズ演出反映処理から抜ける。また、フリーズ演出を実行可能である(ステップB376;Yes)と判定した場合は、ステップB377へ進み、フリーズ演出を実行する。それから、フリーズ演出実行情報を設定(ステップB378)し、相互通信設定されている遊技機へフリーズ演出実行を反映したことを送信(ステップB379)してステップB380へ進む。
ステップB380では、相互通信設定されている遊技機からの通信(受信データ)を確認する。そして、フリーズ演出終了情報があるか否か判定する(ステップB381)。ここで、フリーズ演出終了情報がない(ステップB381;No)と判定した場合は、ステップB382〜B383をスキップして当該フリーズ演出反映処理から抜ける。また、フリーズ演出終了情報がある(ステップB381;Yes)と判定した場合は、ステップB382へ進んでフリーズ演出実行情報をクリアし、相互通信設定されている遊技機へフリーズ演出終了を反映したことを送信(ステップB383)して当該フリーズ演出反映処理を終了する。
なお、ボタン操作等を無効にするフリーズ制御が遊技制御装置100で行われる場合には、ステップB377では、表示装置12等によりフリーズ制御時の演出のみを行う。また、AT(アシストタイム)のような機能を有する遊技機においては、演出制御装置300によって、所定の役が成立した際にストップボタンの操作順を報知する利益やそのようなナビ機能を実行する回数(ストック)を与えるなどの制御を行うようにしてもよい。さらに、フリーズ制御が発生した遊技機から通信を受けた遊技機が非遊技中であれば、ボタン操作等を無効にするフリーズ制御を行うようにしてもよい。
以上の説明から、上記第2実施例には、遊技制御手段としての遊技制御装置は、スタート操作手段又は停止操作手段の操作を無効化する無効化期間を設定する無効化期間設定手段を備え、演出制御手段としての演出制御装置は、該無効化期間に対応する期間に特定演出を実行する特定演出制御手段を備え、特定演出制御手段は、所定遊技機に向けて、前記特定演出に関連した演出を実行させるための制御情報を、通信手段を介して送信するようにした発明が含まれることが分かる。
そして、かかる発明によれば、特別な特定演出(フリーズ演出)を他の遊技機と共に楽しめるようになるので、特に、通信先の遊技機を友人や知人が遊技する遊技機に設定するなどすれば、グループで来店したときなど、一人の遊技ではあまり出現しない演出を楽しむことができる。
(第1変形例)
次に、上記第2実施例の第1変形例について説明する。
第2実施例の第1変形例は、ある遊技機でフリーズ条件が成立した場合に、通信相手の遊技機でフリーズ演出の導入部ないしは冒頭部のみを実行し、残りのフリーズ演出はフリーズ条件が成立した遊技機で実行するようにしたものである。
図59および図60には、自遊技機および通信相手の他の遊技機において上記フリーズ演出を可能にするため、演出制御装置300によって実行されるフリーズ演出制御処理とフリーズ演出反映処理の具体的な手順が示されている。なお、これらの処理は、所定時間ごとに繰り返し実行される。
図59のフリーズ演出制御処理が開始されると、先ず相互通信設定された他の遊技機があるか否か判定する(ステップB350)。そして、相互通信設定された他の遊技機がない(ステップB350;No)と判定した場合は、何もせずに当該フリーズ演出制御処理から抜ける。また、相互通信設定された他の遊技機がある(ステップB350;Yes)と判定した場合は、ステップB351へ進み、フリーズ演出実行情報を確認する。そして、フリーズ演出実行中であるか否か判定する(ステップB352)。ここで、既にフリーズ演出実行中である(Yes)と判定した場合は、ステップB369へ移行する。
また、ステップB352で、フリーズ演出実行中でない(No)と判定した場合は、ステップB353へ進み、フリーズ演出実行待ち中であるか否か判定する(ステップ。ここで、既にフリーズ演出実行待ち中である(Yes)と判定した場合は、ステップB366へ移行する。また、ステップB353で、フリーズ演出実行待ち中でない(No)と判定した場合は、ステップB354へ進み、開始されたゲームで成立した役を確認する。そして、フリーズ演出発生役であるか否か判定する(ステップB355)。ここで、フリーズ演出発生役でない(ステップB355;No)と判定した場合は、何もせずに当該フリーズ演出制御処理から抜ける。
一方、ステップB355で、フリーズ演出発生役である(Yes)と判定した場合は、ステップB364へ進んで相互通信設定されている遊技機へフリーズ演出発生役成立情報を送信し、フリーズ演出実行待ち状態に設定する(ステップB365)。そして、次のステップB366で、互通信設定されている遊技機からの通信(受信データ)を確認する。そして、フリーズ演出実行反映情報を受信したか否か判定する(ステップB367)。ここで、フリーズ演出実行反映情報を受信していない(ステップB367;No)と判定した場合は、何もせずに当該フリーズ演出制御処理から抜ける。また、フリーズ演出実行反映情報を受信した(ステップB367;Yes)と判定した場合は、ステップB368へ進み、フリーズ演出実行情報の設定を行う。
ステップB369では、フリーズ演出の終了条件が成立したかつまりフリーズ演出の終了タイミングとなったか否か判定する。ここで、フリーズ演出の終了条件が成立していない(ステップB369;No)と判定した場合は、ステップB370をスキップして当該フリーズ演出制御処理から抜ける。また、フリーズ演出の終了条件が成立した(ステップB369;Yes)と判定した場合は、ステップB370へ進み、フリーズ演出実行情報をクリアして当該フリーズ演出制御処理を終了する。
図60のフリーズ演出反映処理は他の遊技機でフリーズが発生した場合にフリーズ演出を実行するための処理であり、図58に示すフリーズ演出反映処理とは、ステップB371からステップB379まで同じである。
図60のフリーズ演出反映処理が開始されると、先ずフリーズ演出実行情報を確認する(ステップB371)。そして、フリーズ演出実行中であるか否か判定する(ステップB372)。ここで、既にフリーズ演出実行中である(Yes)と判定した場合は、ステップB384へ移行する。
また、フリーズ演出実行中でない(No)と判定した場合は、ステップB373へ進み、相互通信設定されている遊技機からの通信(受信データ)を確認する。そして、フリーズ演出実行情報があるか否か判定する(ステップB374)。ここで、フリーズ演出実行情報がない(ステップB374;No)と判定した場合は、何もせずに当該フリーズ演出反映処理から抜ける。
一方、ステップB374で、フリーズ演出実行情報がある(Yes)と判定した場合は、ステップB375へ進んで遊技情報を確認する。そして、フリーズ演出を実行可能であるか否か判定する(ステップB376)。ここで、フリーズ演出を実行可能でない(ステップB376;No)と判定した場合は、何もせずに当該フリーズ演出反映処理から抜ける。また、フリーズ演出を実行可能である(ステップB376;Yes)と判定した場合は、ステップB377へ進み、フリーズ演出を実行する。それから、フリーズ演出実行情報を設定(ステップB378)し、相互通信設定されている遊技機へフリーズ演出実行を反映したことを送信(ステップB379)してステップB384へ進む。
ステップB384では、フリーズ演出の進行を確認して、フリーズ演出終了タイミングであるか否か判定する(ステップB385)。ここで、フリーズ演出終了タイミングでない(ステップB385;No)と判定した場合は、ステップB386をスキップして当該フリーズ演出反映処理から抜ける。また、フリーズ演出終了タイミングである(ステップB385;Yes)と判定した場合は、ステップB386へ進んでフリーズ演出実行反映情報を設定して当該フリーズ演出反映処理を終了する。
図61(A),(B)には、上記第2実施例(図57、図58)とその第1変形例(図59、図60)を適用し相互通信設定された遊技機の制御タイミングが示されている。
第2実施例(図57、図58)を適用した遊技機においては、図61(A)に示すように、フリーズ演出役が発生した「遊技機1」と、該「遊技機1」と相互通信設定された「遊技機2」において、同時にフリーズ演出が実行される。
一方、第1変形例(図59、図60)を適用した遊技機においては、図61(B)に示すように、フリーズを実行する役が発生した「遊技機1」においてフリーズ制御が開始されるのと同時に、「遊技機2」においてフリーズ演出が開始されるものの、途中でリーズ演出が中止され、代わって「遊技機1」においてフリーズ演出が実行される。
以上の説明から、上記第1変形例には、特定演出制御手段としての演出制御装置は、所定遊技機に向けて、特定演出の一部を前記所定遊技機に実行させるための制御情報を、通信手段を介して送信し、所定遊技機に特定演出の一部を実行させた後、該特定演出を引き継いで自遊技機で前記特定演出を実行するようにした発明が含まれることが分かる。
そして、かかる発明によれば、複数の遊技者に特定演出(フリーズ演出)が協力して実行されているような印象を与えることができ、より頻繁にフリーズ演出を他の遊技者と共に楽しむことができる。
(第2変形例)
次に、上記第2実施例の第2変形例について説明する。
この変形例は、図62に示すように、図51に示すパチスロ遊技機において表示装置12が配置されている位置に図柄表示窓15を形成してその内側に本来ゲーム用の図柄リールを有する変動表示手段20を配設する一方、図51では図柄表示窓15が配置されている位置に演出用の表示装置12を配設する。そして、この表示装置12において、表示によって図柄リールを回転させる演出を行えるようにしたものである。
このような構成の遊技機によれば、他の遊技機でフリーズを実行する役が発生した場合に、上部の図柄表示窓15では本来の変動ゲームを実行しつつ、表示装置12においては、ストップボタンを押しても回転リールを停止させないなどのフリーズ演出を行うことで、複数の遊技機にまたがったフリーズ連動演出を行うことができ、より遊技の興趣を高めることができるようになる。
また、さらに他の変形例として、ストップボタンが予め決められた順序で操作されると、引き込み制御等によって当該役が発生する図柄列で停止する制御を行うように構成された遊技機を備えた遊技システムにおいて、そのような役が内部的に成立した場合に、当該役が成立した遊技機では図63(A1)のように、チャンスゲームであることのみを表示装置12において表示する一方、通信設定(リンク)された他の遊技機の表示装置12に、図63(B1)のように、正解となる押し順を表示する。そして、表示された押し順でストップボタンが操作されることで上記役が発生した場合には、図63(A2)、(B2)のように、両方の遊技機の表示装置12において役の発生を報知するようにしたものである。
これにより、友人同士で遊技を行う場合に、その押し順情報を遊技機間の通信で互いに知らせ合うことで、役を発生させ易くなるとともに、達成感をより高めることができるという利点がある。なお、通信設定された他の遊技機の表示装置12に正解となる押し順を表示する場合にも、その遊技機がいわゆる「ストック」がある状態の場合にのみ表示させるようにするとよい。
以上の説明から、上記第2変形例には、演出制御手段としての演出制御装置は、所定の条件が成立した場合に、所定遊技機に向けて、複数の停止操作手段の操作順序を指示する情報を、通信手段を介して送信し、遊技制御手段としての遊技制御装置は、前記操作順序を指示する情報に対応する順序で前記複数の停止操作手段が操作された場合に、自遊技機おいて複数のリールを遊技者にとって有利となるように停止させるようにした発明が含まれることが分かる。
そして、かかる発明によれば、複数の遊技者が協力して変動表示ゲームが有利に進行させることができるような印象を与えることができ、より興趣の高い遊技を他の遊技者と共に楽しむことができるとともに、達成感を共有させることができるようになる。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、今回開示した実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。例えば、前記実施形態では、もっぱら表示装置12または41における表示と音により演出を行うようにしたものについて説明したが、演出用の役物を設けて該役物を動作させる演出あるいは表示装置12または41の表示と連動して役物を動作させる演出を行うように構成しても良い。