JP5827158B2 - 地下構造物 - Google Patents

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Description

本発明は、地下構造物に関する。
地下空間に形成される地下鉄のプラットホームや建築物の地階においては、スペースを有効活用するために、断面を小さくした中柱を設けることが求められる。しかし、断面を小さくした中柱で得られる軸方向耐力は小さくなることから、必要な軸方向耐力を確保しながらも、なるべく中柱を小断面化させることが求められる。
この種の地下構造物の中柱としては、従来、鉄筋コンクリート構造のものやコンクリート充填鋼管構造のものが知られている。鉄筋コンクリート構造の中柱は、鉄筋コンクリートで中柱を構成するものである。また、コンクリート充填鋼管構造のものは、中空の鋼管内にコンクリートを充填して、この鋼管を立設して中柱とするものである。
しかし、鉄筋コンクリート構造では、高い軸圧縮応力下におかれる地下構造物の中柱として用いられる場合には、地震時に中柱に曲げ変形が生じるとコンクリートの圧縮破壊や軸方向鉄筋の座屈などによる耐力低下が生じやすく、十分な変形性能を確保することが困難であるといった問題があった。さらには、中柱とする際に上下梁との接合部の配筋構造が複雑化し、配筋作業が困難になるなどの問題があった。
一方、コンクリート充填鋼管構造のものでは、上下の梁として、中柱との接合部の耐力および施工性の観点から、鉄骨構造や鉄骨鉄筋コンクリート構造とすることとなってしまうものであった。また、コンクリート構造充填鋼管の中柱と鉄筋コンクリート構造の梁を接合する場合に、鋼管に穴を空けるなどの作業が必要となり、配筋作業に手間がかかるという問題があった。さらには、中柱本体は、鋼材が表面に露出することから、耐久性が低くなるという問題があった。
これらの技術に対して、コンクリート充填鋼管構造と鋳鉄製の支圧板を組み合わせた中柱である構造体用鋼管柱がある(たとえば、特許文献1参照)。この構造体用鋼管柱は、コンクリート充填鋼管の上下端部に鋳鉄製の拡幅した支圧板を配置し、上下の梁の間に立設させた構造を有している。
特開平2−183039号公報
上記特許文献1に開示された構造体用鋼管柱は、コンクリート充填鋼管を用いていることから、高い軸耐力性能と高い地震時変形性能を有するとともに、上下梁にRC部材の配置を可能とすることができるものである。さらには、上下端を固定せずに支圧コンクリートと支圧板との間に高強度モルタルを充填するだけの構造であるため、中柱と梁との間に複雑な配筋を必要としないという利点がある。
しかし、上記特許文献1に開示された構造体用鋼管柱においては、上記のコンクリート充填鋼管構造と同様、鋼管が露出した構造をなしている。このため、露出した鋼管が腐食する可能性などが高く、耐久性が低いというコンクリート充填鋼管構造の問題は依然解消されていないものである。
さらに、鋼管や鋳鉄製支圧板といった鋼製材料を用いた部材は、鉄筋コンクリート製の部材と比較して高価であるという問題もある。
そこで、本発明の課題は、高い軸耐力性能および耐震性能を有するとともに、上下梁に特別な制約を必要としないながらも、高い耐久性を発揮することができ、さらには安価で製作することができる地下構造物を提供することにある。
上記課題を解決した本発明に係る地下構造物は、地下空間に配設された梁部材同士を連結する中柱部材を備える地下構造物であって、中柱部材は、鉄筋コンクリート製の中柱本体と、中柱本体の両端部に配設された一組の支圧板と、を備え、支圧板はそれぞれ梁部材に固定され、支圧板によって中柱本体が支持されており、一組の支圧板の間に、中柱本体の長手方向に沿って複数の鉄筋が配筋されており、複数の鉄筋の端部に、鉄筋の横結束力を高める結束構造が設けられており、結束構造は、複数の鉄筋の端部が支圧板内において中柱本体の断面中央部に対応する位置に収束されて形成されている、ことを特徴とする。
また、結束構造は、支圧板内において複数の鉄筋の端部の周囲に設けられた高強度スパイラル筋と、高強度スパイラル筋の内側で複数の鉄筋の端部を埋込む高強度コンクリートと、を有するようにしてもよい。
本発明に係る地下構造物では、梁部材に固定される支圧板と、支圧板に支持される中柱本体とを備えており、一組の支圧板の間に、中柱本体の長手方向に沿って配筋された複数の鉄筋の端部に、鉄筋の横結束力を高める結束構造が設けられている。この結束構造が設けられていることにより、鉄筋の横結束力が高められる。このため、中柱部材は、高い軸耐力性能および耐震性能を発揮することができる。さらに、中柱本体が鉄筋コンクリート製である。このため、鋼材が表面に露出するといった状態でないようにすることができるので、高い耐久性を発揮することができる。しかも、中柱本体が支圧板によって支持されている。このため、中柱本体の鉄筋を梁部材にまで延在させる必要がないので、上下梁に特別な制約を必要としないようにすることができる。さらに、中柱本体や支圧板を鉄筋コンクリート製としているので、中柱本体は支圧板を鋼製とする場合と比較して、安価で済ませることができる。
また、前記結束構造は、前記支圧板内において前記複数の鉄筋の端部の周囲に設けられた高強度スパイラル筋と、前記高強度スパイラル筋の内側で前記複数の鉄筋の端部を埋込む高強度コンクリートと、を有するようにしてもよい。
また、支圧板における梁部材に対して当接される梁部材接続面の外周が、支圧板における中柱本体に対して当接される中柱本体当接面または当接面近傍断面の外周よりも大きくされているようにすることができる。
このように、支圧板における梁部材接続面の外周が、中柱本体当接面または当接面近傍断面の外周よりも大きくされていることにより、支圧板と梁部材との間に作用する最大曲げ応力を小さくすることができる。このため、梁部材からの支圧板の浮き上がりなどを防止することができる。
さらに、支圧板と中柱部材との間に、シーリング材が介在されているようにすることができる。
このように、支圧板と中柱部材との間に、シーリング材が介在されていることにより、支圧板と中柱部材との間からの中柱部材に対する浸水を防止することができる。このため、中柱部材の内側に設けられた鉄筋などの鋼材の防錆を図ることができる。ここで、シーリング材としては、たとえばシリコーンゴム、EPDMゴム(エチレンプロピレンゴム)、ブチルゴムといったゴムなどを好適に用いることができる。
そして、中柱本体の上端部および下端部のうちの少なくとも一方が鋼管または樹脂管によって補強されているようにすることができる。
このように、中柱本体の上端部および下端部のうちの少なくとも一方が鋼管または樹脂管によって補強されていることにより、中柱本体における軸方向鉄筋の座屈抑制および内部コンクリートの圧縮破壊を抑制することができる。したがって、軸耐力および地震時変形性能をさらに高めることができる。
本発明に係る地下構造物によれば、高い軸耐力性能および耐震性能を有するとともに、上下梁に特別な制約を必要としないながらも、高い耐久性を発揮することができ、さらには安価で製作することができる。
本発明の実施形態に係る地下構造物の概要を示す図である。 (a)は、中柱の側断面図、(b)は、中柱の正断面図である。 図2(a)のIII-III線断面図である。 支圧板の側断面図である。 図4のV−V線断面図である。 中柱を製造する工程を示す工程図である。 図6に続く工程を示す工程図である。 (a)〜(c)とも、中柱を立設する際の概要を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各実施形態において、同一の機能を有する部分については同一の符号を付し、重複する説明は省略することがある。
図1は、本発明の実施形態に係る地下構造物の概要を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る地下構造物Mには、地下空間に配設され、地下鉄のプラットホームであり、複数の本発明の中柱部材である中柱Hが設けられている。また、地下構造物Mには、梁部材となる支圧コンクリートBが床下部および天井部に設けられおり、中柱Hは、床下部における支圧コンクリートBと天井部における支圧コンクリートBとの間に立設され、支圧コンクリートBと接合されている。地下構造物Mの上方には、種々の地下埋設物Rなどが埋設されている。
図2(a)は、中柱の側断面図、(b)は、中柱の正断面図、図3は、図2(a)のIII-III線断面図である。図2に示すように、中柱Hは、中柱本体1および一組の支圧板2,3を備えて構成されており、中柱本体1の両端部には、上支圧板2および下支圧板3が配設されている。また、支圧板2,3は、支圧コンクリートBと支圧板2,3との間に作用している鉛直方向の軸力によって生じる摩擦力により、支圧コンクリートBに対して横方向に固定されている。
中柱本体1は、鉄筋コンクリート構造をなしており、高鉄筋比のPCa(プレキャストコンクリート)柱である。中柱本体1には、その高さ方向に沿った複数の鉄筋11が配設されている。また、これらの鉄筋11の上端部には、図3にも示すように、上モルタル充填継手12が取り付けられている。さらに、鉄筋11の下端部には下モルタル充填継手13が取り付けられている。複数の鉄筋11は、支圧板2,3の間に中柱本体1の長手方向に沿って配筋されている。
また、中柱Hは、図2(a)(b)に示すように、幅広の構造をなしており、その断面形状や略長方形状とされている。中柱Hが地下構造物M内に設置される場合には、幅広とされた面が、プラットホームの側方に敷設される線路のレールに沿って配置することが好適である。
上支圧板2および下支圧板3は、同様の構成を有しており、両者は、天地が引っ繰り返された形で配設されている。その構造について上支圧板2を用いて説明する。図4および図5に示すように、上支圧板2は、断面形状が短辺および長辺を有する略台形状をなす支圧板本体21を備えており、上支圧板2の外周面には、中柱本体1側から支圧コンクリート側に向けて拡幅するテーパが付されている。このため、上支圧板2は、支圧コンクリートBに対して当接される梁部材接続面の外周が、中柱本体1に対して当接される中柱本体当接面の外周よりも大きくされている。また、支圧板本体21の内部には、底板22が設けられている。底板22は、鋼板によって構成されており、略水平面に沿って配設されている。
底板22に対する支圧板本体21の短辺側に中柱本体1が配置される。支圧板本体21における中柱本体1に対向する面には、略円筒形状をなす孔部23が形成されており、孔部23には、横拘束筋である高強度スパイラル筋24が設けられている。さらに、高強度スパイラル筋24の内側には、軸方向鉄筋25が複数配設されている。軸方向鉄筋25の数は、中柱本体1に設けられた鉄筋11の数と同一とされている。孔部23は、本発明の鉄筋収容孔を構成している。また、高強度スパイラル筋24の内側には、鉄筋が配筋され、コンクリートまたはモルタルが充填されている。高強度スパイラル筋24の内側に配置された鉄筋およびコンクリートは、中柱本体1と一体化されており、中柱端部を構成している。このため、中柱端部は、中柱本体1の長手方向中央部よりも断面が小さくされている。
さらに、支圧板本体21における支圧コンクリートBと当接する面の外周は、孔部23の外周よりも大きくされている。支圧板本体21における支圧コンクリートBと当接する面は、本発明の梁部材接続面となる。また、孔部23の内側面は、本発明の中柱当接面となり、孔部23の外周が中柱当接面の外周となる。
軸方向鉄筋25は、支圧板本体21の高さ方向に沿って延在して配筋されている。これらの軸方向鉄筋25は、支圧板本体21側の端部が、孔部23の中央に収束される折曲形状をなして形成されており、その先端部が孔部23に収容されている。また、軸方向鉄筋25の支圧板本体21側端部には、横拘束筋である横拘束鉄筋26が配筋されている。横拘束鉄筋26によって、複数の軸方向鉄筋25を束ねている。
さらに、孔部23における支圧板本体21の短辺側には、支圧板本体21の短辺側に行くにしたがって拡径するテーパを備える拡幅孔27が形成されている。このテーパは、少なくとも支圧板本体21の短辺側に形成される。また、たとえば拡幅孔27をラッパ状とし、全ての方向に対してテーパを形成するようにすることもできる。この拡幅孔27により、地震時などにおける中柱本体1における端部の曲げ変形の挙動を許容し、かつ、中柱本体1における端部の曲げ変形の曲率を制御することができる。なお、拡幅孔27における中柱本体1に非当接とされている面が本発明における当接面近傍断面となる。
さらに、この拡幅孔27には、内側ゴム型枠28が設けられている。内側ゴム型枠28は、高強度スパイラル筋24の周囲に配設され、その外側形状は拡幅孔27の内側形状と略同一形状とされている。内側ゴム型枠28は、埋設された状態で供用する場合と、脱枠して単に空隙とする場合もある。また、内側ゴム型枠28を構成する材料としては、ゴム、シリコーン、パラフィン、粘土などが挙げられる。
また、支圧板本体21における短辺側には、軸方向鉄筋25および横拘束鉄筋26を覆う中間コンクリート部材29が設けられている。さらに、支圧板本体21と中間コンクリート部材29との間には隙間が形成されている。この隙間には、水密性を有し、地震による変形時に応力をほとんど伝達しないシーリング材30が配置されている。シーリング材30は、内部の鋼材(スパイラル筋、軸方向鉄筋、鋼管)の防錆の役割を担っている。さらには、シーリング材30を構成する材料は、火災時に燃えにくい不燃性材料であることが望ましい。
さらに、図5に示すように、支圧板本体21に形成された孔部23には、高強度コンクリートまたは高強度モルタル31が充填されている。また、支圧板本体21の内側には、鉄筋32が収容されている。孔部23に高強度コンクリート31が充填されていることにより、孔部23に収容されている軸方向鉄筋25の横結束力が高められている。孔部23における高強度スパイラル筋24や高強度コンクリート31が本発明の結束構造を構成している。
以上の構成を有する本実施形態に係る地下構造物Mにおいては、一組の支圧板2,3の間に、中柱本体1の長手方向に沿って配筋された複数の鉄筋11の端部に、鉄筋11の横結束力を高める結束構造としての孔部23および孔部23に設けられた高強度スパイラル筋24や高強度コンクリート31が設けられている。このため、中柱Hにおいては、軸方向鉄筋25を介して、鉄筋11の横結束力が高められるので、中柱Hは、高い軸耐力性能および耐震性能を発揮することができる。
また、軸方向鉄筋25の端部に横拘束鉄筋26が設けられている。この横拘束鉄筋26が設けられていることにより、軸方向鉄筋25の座屈を抑制することができる。さらに、軸方向鉄筋25は、支圧板本体21に形成された孔部23において、拡幅孔27に相当する孔部23の上方における円弧拘束部23Aと、孔部23の下方における直線拘束部23Bとで拘束されている。このため、軸方向鉄筋25の座屈がさらに抑制されている。
しかも、中柱本体1が鉄筋コンクリート製であるため、鋼材が表面に露出するといった状態でないようにすることができるので、高い耐久性を発揮することができる。さらには、中柱本体1は、鉄筋コンクリート製であることから、中柱本体1を鋼製とする場合と比較して、安価で済ませることができる。
さらに、支圧板2,3に配筋される複数の鉄筋の端部は、中柱本体1の断面中央部に収束されて形成されており、中柱本体1における中柱端部は、中柱中央部よりも断面が小さくされている。このため、中柱端部に生じる曲げモーメントを小さくすることができる。また、中柱端部と支圧板2との間に生じる曲げモーメントと、支圧板2と支圧コンクリートBとの間に生じる曲げモーメントとは比例関係となることから、中柱端部に生じる曲げモーメントを小さくすることにより、支圧コンクリートBに影響を与える曲げモーメントを小さくすることができる。その結果、支圧コンクリートに地震時に作用する曲げ圧縮応力を小さくすることができる。したがって、支圧コンクリートの圧縮破壊を防止することができる。
しかし、中柱端部の断面を小さくすると、コンクリートの圧縮破壊や中柱本体1の軸方向に延在する鉄筋11の座屈が生じやすくなってしまう。この点、中柱本体1の軸方向に延在する鉄筋の端部に、横結束力を高める結束構造が形成され、高強度スパイラル筋24および横拘束鉄筋26が設けられている。この横結束力によって、コンクリートの圧縮破壊や中柱本体1の軸方向に延在する軸方向鉄筋25の座屈を防止することができる。その結果、高い軸耐力性能および耐震性能を発揮させることができる。
特に、中柱本体1の軸方向に延在する鉄筋の横結束力を高める結束構造として高強度スパイラル筋24を用いることにより、帯鉄筋量を増やすことができる。このため、中柱本体1の軸方向に延在する鉄筋の横方向の結束力をより好適に高めることができ、たとえば大きなひずみが生じたとしても、圧縮応力が大きく低下することがないようにすることができる。
また、本実施形態に係る地下構造物Mにおいては、支圧板本体21の短辺側にテーパを備える拡幅孔27が形成されている。たとえば、中柱本体1に大きな曲げモーメントが作用すると、中柱端部において鉄筋11の降伏などにより、中柱端部材の曲げ変形の塑性化が局所的に生じる。
この点支圧板本体21に拡幅孔27が設けられていることにより、地震時などにおける中柱端部の揺動を許容しているため、耐震性能をさらに高めることができる。さらに、この拡幅孔27には、空隙または地震変形を柔らかく追随する内側ゴム型枠28が設けられている。このため、高強度スパイラル筋24が揺動する際に生じる揺動変位を好適に吸収することができる。
また、支圧板2,3における支圧コンクリートBに対して当接される梁部材接続面の外周が、支圧板2,3における中柱本体1に対して当接される孔部23の外周よりも大きくされている。このように、梁部材接続面の外周を中柱本体当接面の外周よりも大きくし、梁部材接続面の断面を中柱本体当接面の断面より大きくすることにより、支圧板2,3と支圧コンクリートBとの間の最大曲げ応力を小さくすることができる。このため、支圧コンクリートBに生じる最大鉛直方向応力を極力小さく抑えることができる。
さらに、軸方向鉄筋25の端部が、中柱本体1の断面中央部に向けて収束されて形成されている。このため、中柱Hにおける内部コンクリートの圧縮破壊を抑制することができ、軸耐力および地震時変形性能をさらに高めることができる。しかも、軸方向鉄筋25の端部が、支圧板本体21における孔部23に収容されている。このため、支圧板2,3に対する中柱本体1の横方向へのずれを抑制することができる。したがって、地震時に安定した曲げ挙動を中柱端部に行わせることができる。
また、支圧板本体21の中間コンクリート部材29との間に隙間が形成されていることにより、支圧板本体21に対する中柱端部の揺動を許容しているため、耐震性能をさらに高めることができる。しかも、この隙間にシーリング材30が充填されていることにより、支圧板本体21と中間コンクリート部材29との間からの中柱本体1に対する浸水を防止することができる。このため、中柱本体1の内側に設けられたスパイラル筋、軸方向鉄筋、鋼管などの鋼材の防錆を図ることができる。
さらに、横拘束筋として高強度スパイラル筋24を用いることにより、軸方向鉄筋比を高めることができて好適である。ここで、軸方向鉄筋比とは、中柱本体1の軸方向に垂直な断面における断面積に占める鉄筋の断面積の割合をいう。軸方向鉄筋比が高く、たとえば30%以上、さらには40%以上とするには、降伏点1275N/mm以上の高強度スパイラル筋24を隙間無く、または非常に間隔を小さくして巻き付けるようにすればよい。
また、高強度スパイラル筋24の外側における拡幅孔27が円弧拘束形状の円弧拘束部23Aをなし、孔部23の下方部分が直線拘束形状の直線拘束部23Bをなしている。このため、高強度スパイラル筋24が曲げ変形した時には、高強度スパイラル筋24が拘束される。したがって、超高圧縮応力下でも、地下構造物に求められる変形性能を実現するができる。
他方、本実施形態に係る中柱Hでは、中柱本体1における鉄筋11の端部は、支圧板2,3に配置されており、支圧コンクリートBには定着されていない構成とされている。このため、中柱Hにおける鉄筋11を支圧コンクリートBに定着する際の複雑な配筋構造をなくすことができる。さらに、中柱本体1が支圧板2,3によって支持されている。このため、中柱本体1の鉄筋11を支圧コンクリートBにまで延在させる必要がないので、上下梁となり支圧コンクリートBに特別な制約を必要としないようにすることができる。
次に、本実施形態に係る地下構造物Mの構築手順について説明する。本実施形態に係る地下構造物では、プレキャスト製の中柱本体1および支圧板2,3を用いている。中柱本体1および支圧板2,3は、いずれもプレキャスト製であり、工場等で製造されて、地下構造物Mの構築現場に搬入される。
中柱本体1は、鉄筋11を配筋した後、モルタル充填継手12,13を鉄筋11の両端に取り付ける。その後、鉄筋11の周囲にコンクリートを設けて、中柱本体1とする。また、上支圧板2は、以下に示す製造手順で製造される。図6は、上支圧板の製造手順を示す工程図である。
図6(a)に示すように、上支圧板を製造する際には、底板22に対して、高強度スパイラル筋24を固定する。次に、軸方向鉄筋25の側部に横拘束鉄筋26を配筋する。続いて、高強度スパイラル筋24の内側に軸方向鉄筋25を所定の位置に配置した状態で収容する。その後、高強度スパイラル筋24の外側に型枠を配置し、型枠内にコンクリート31を充填し、所定期間養生することによって、高強度スパイラル筋24の内側に中柱端部を製造する。また、コンクリート31に代えて、モルタルを充填することもできる。それから、図6(b)に示すように、高強度スパイラル筋24の長手方向略中央部に内側ゴム型枠28を設ける。
その後、図6(c)に示すように、支圧板本体21を製造するコンクリートを流し込むための第1型枠X1を高強度スパイラル筋24の周囲に取り付ける。そして、図6(d)に示すように、第1型枠X1にコンクリートを流し込み、所定期間養生することによって支圧板本体21を製造する。
このとき、支圧板本体21には、高強度スパイラル筋24によって、図4に示す孔部23が形成され、内側ゴム型枠28によって、図4に示す拡幅孔27が形成される。また、拡幅孔27には、内側ゴム型枠28が介在された状態となる。このとき、内側ゴム型枠28を脱枠することもできる。
それから、型枠X1を取り外し、図7(a)に示すように、支圧板本体21を90度回転させて、軸方向鉄筋25が水平方向を向くようにする。その後、図7(b)に示すように、軸方向鉄筋25の端部であって、横拘束鉄筋26の周囲に第2型枠X2を設置する。
そして、第2型枠X2にコンクリートを流し込み、所定時間養生した後、第2型枠X2を取り外すことにより、図7(c)に示すように、中間コンクリート部材29を製造する。その後、中間コンクリート部材29と支圧板本体21との隙間に不燃性ゴム30を充填して、図4に示す上支圧板2が製造される。なお、不燃性ゴム30は、中間コンクリート部材29と支圧板本体21との隙間に充填して製造する他、予め板状に固化したものを型枠X1の該当箇所に接地しておき、支圧板本体21のコンクリートを打設して中間コンクリート部材29と支圧板本体21との隙間に配置することもできる。あるいは、第2型枠X2の該当箇所に設置し、中間コンクリート部材29を打設して中間コンクリート部材29と支圧板本体21との隙間に配置することもできる。
こうして製造された中柱本体1および上下支圧板2,3は、図8(a)に示すように、小型クレーンCSを用いて地下構造物M内に設置される。具体的には、下梁となる支圧コンクリートBに対して、下支圧板3を載置する。このとき、下支圧板3を図示しないアンカーによって支圧コンクリートBに固定する。また、小型クレーンCSは、地下構造物Mに収容可能とされており、地下構造物M内で中柱Hの取付作業を行うことができるものとされている。
次に、小型クレーンCSによって中柱本体1を吊り上げて、中柱本体1を下支圧板3の上方に配置する。それから、中柱本体1に設けられた下モルタル充填継手13を下支圧板3における軸方向鉄筋25に接続し、中柱本体1を下支圧板3と一体化する。このとき、中柱本体1における鉄筋11は、下支圧板3における軸方向鉄筋25と連続した状態となる。
それから、小型クレーンCSによって上支圧板2を吊り上げる。その後、中柱本体1における上モルタル充填継手12と上支圧板2における軸方向鉄筋25とを接続し、上支圧板2を中柱本体1と一体化する。このとき、中柱本体1における鉄筋11は、上支圧板2における軸方向鉄筋25と連続した状態となる。その後、上梁となる支圧コンクリートBを設けて、中柱Hが構築される。このように、本実施形態に係る中柱Hは、プレキャスト製の中柱本体1および支圧板2,3を用いて製造される。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態においては、中柱本体1がプレキャスト製のコンクリート製であり、いずれも外面全体にコンクリートが露出した形態をなしている。これに対して、中柱本体1の上端部および下端部の少なくとも一方が鋼管または樹脂管によって補強がなされている態様とすることもできる。中柱本体1の上端部および下端部のうちの少なくとも一方が鋼管または樹脂管によって補強されていることにより、中柱本体1における軸方向鉄筋の座屈抑制および内部コンクリートの圧縮破壊を抑制することができる。したがって、軸耐力および地震時変形性能をさらに高めることができる。
また、上記実施形態においては、中柱本体1と支圧板2,3とは別体のプレキャスト製のコンクリートとされているが、中柱本体および支圧板が一体化されたプレキャスト製のコンクリート部材とすることもできる。中柱本体および支圧板が一体化されたプレキャスト製のコンクリート部材からなる一体型中柱を地下構造物に設置する場合には、図8(b)に示すように、一体型中柱5を大型クレーンCBで地上から吊し、地下構造物Mの構築領域まで吊り下ろして一体型中柱5を設置することができる。
あるいは、図8(c)に示すように、一体型中柱5をフォークリフトFで搬送して、地下構造物M内で設置する態様とすることもできる。中柱Hまたは一体型中柱5を設置する場合、地上からの作業が可能である場合と不能である場合とがある。地上からの作業が可能である場合には、図8(b)に示すような大型クレーンCBを用いた作業が可能となり、地上からの作業が不能である場合は、図8(a)(c)に示す小型クレーンCSやフォークリフトFを用いた作業を行うことができる。
1…中柱本体
2…上支圧板
3…下支圧板
5…一体型中柱
11…鉄筋
12…上モルタル充填継手
13…下モルタル充填継手
21…支圧板本体
22…底板
23…孔部
23A…円弧拘束部
23B…直線拘束部
24…高強度スパイラル筋
25…軸方向鉄筋
26…横拘束鉄筋
27…拡幅孔
28…内側ゴム型枠(または遊間)
29…中間コンクリート部材
30…シーリング材
31…コンクリート
32…鉄筋
B…支圧コンクリート
CB…大型クレーン
CS…小型クレーン
F…フォークリフト
H…中柱
M…地下構造物
R…地下埋設物
X1…第1型枠
X2…第2型枠

Claims (5)

  1. 地下空間に配設された梁部材同士を連結する中柱部材を備える地下構造物であって、
    前記中柱部材は、鉄筋コンクリート製の中柱本体と、前記中柱本体の両端部に配設された一組の支圧板と、を備え、
    前記支圧板はそれぞれ前記梁部材に固定され、前記支圧板によって前記中柱本体が支持されており、
    前記一組の支圧板の間に、前記中柱本体の長手方向に沿って複数の鉄筋が配筋されており、
    前記複数の鉄筋の端部に、前記鉄筋の横結束力を高める結束構造が設けられており、
    前記結束構造は、
    前記複数の鉄筋の端部が前記支圧板内において前記中柱本体の断面中央部に対応する位置に収束されて形成されている、地下構造物。
  2. 前記結束構造は、
    前記支圧板内において前記複数の鉄筋の端部の周囲に設けられた高強度スパイラル筋と、
    前記高強度スパイラル筋の内側で前記複数の鉄筋の端部を埋込む高強度コンクリートと、を有する請求項1に記載の地下構造物。
  3. 前記支圧板における前記梁部材に対して当接される梁部材接続面の外周が、前記支圧板における前記中柱本体に対して当接される中柱本体当接面または当接面近傍断面の外周よりも大きくされている請求項1又は2に記載の地下構造物。
  4. 前記支圧板と前記中柱部材との間に、シーリング材が介在されている請求項1〜請求項のうちのいずれか1項に記載の地下構造物。
  5. 前記中柱本体の上端部および下端部のうちの少なくとも一方が鋼管または樹脂管によって補強されている請求項1〜請求項のうちのいずれか1項に記載の地下構造物。
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