JP5824869B2 - ポンプ - Google Patents
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Description
被膜を永久磁石に形成する場合に限られず、つまり、ポンプが人工心臓ポンプとして適用される場合に限られず、搬送対象となる流体に永久磁石がさらされるので、流体の種類によっては永久磁石が劣化し、ポンプの性能が低下する。
一方、例えばインペラにコイルが装着されている場合、ポンプの動作時にコイルの発熱によって、流体に悪影響を与えるおそれがある。
前記ハウジングは、ポンプ室と、前記ポンプ室とは独立して設けられたステータ室とを有する。
前記インペラは、回転の周方向に沿って第1のピッチで配置された複数のロータ歯を有し、回転により流体を圧送する。
前記ステータは、複数のステータ歯と、コイルと、永久磁石とを有し、前記回転の軸方向で前記インペラと対向配置される。
前記複数のステータ歯は、前記ロータ歯に対向する対向面をそれぞれ含み、前記周方向に沿って前記第1のピッチとは異なる第2のピッチで配置される。
前記コイルは、前記各ステータ歯の周囲にそれぞれ巻回されたコイルであって、前記周方向に沿う方向で互いに隣り合う前記コイルに位相の異なる電力が供給される。
前記永久磁石は、前記各ステータ歯の前記対向面上にそれぞれ設けられ、前記周方向に沿って磁極が交互に異なるように配置される。
前記インペラは、前記ポンプ室内に設けられ、前記ポンプ室内の流体を圧送するものである。
前記ステータは、前記ステータ室内に設けられる。
また、永久磁石だけでなくコイルもインペラ側に配置せず、つまり、ポンプ室とは独立して設けられたステータ室内に配置されたステータに装着されているので、コイルの発熱による流体への悪影響を抑えることができる。
本発明では、ロータブレードがロータ歯としての機能とブレードとしての機能とを兼用するので、ロータ歯の他にブレードをインペラに特別に設ける必要がない。これにより、ポンプを小型化、薄型化することができる。
<第1実施形態>
[人工心臓ポンプの全体構成]
図1は、本発明の第1実施形態に係るポンプとして、人工心臓ポンプを示す断面図である。図2は、人工心臓ポンプを示す斜視図であり、人工心臓ポンプの一部が破断された状態を示す図である。
また、本明細書中の説明では、インペラ1がステータ2と対向する側をインペラ1の正面側、反対側をインペラ1の背面側として説明する。また、ステータ2がインペラ1と対向する側をステータ2の正面側、反対側をステータ2の背面側として説明する。
ポンプハウジング31は、全体として円筒形状であり、ポンプ室311内にインペラ1を回転可能に収納することができる程度の大きさとされる。
ポンプハウジング31は、円筒状の筒部31Aと、インペラ1の正面側に配置された円板状の第1の側壁部31Bと、インペラ背面側に配置された円板状の第2の側壁部31Cとを含む。
流入管4は、一端部がポンプハウジング31の第1の側壁部31Bの中央と繋がっており、ポンプハウジング31から軸方向に向けて延びるように設けられている。この流入管4は、ステータハウジング32の中央を連通するように設けられる。
ステータハウジング32は、筒部32Aと、ステータの正面側に配置された円板状の第1の側壁部32Bと、ステータ背面側に配置された円板状の第2の側壁部32Cとを含む。
ステータハウジングの第1の側壁部32B及び第2の側壁部32Cの中央には、それぞれ流入管4を連通させるための開口が設けられる。
図3は、インペラ1をステータ2側から見た斜視図である。図4は、インペラ1をステータ2側から見た正面図であり、図5は、インペラ1の背面図である。図6は、インペラ1の側面図であり、図7は、インペラ1の側方断面図である。
羽根溝13は、深さが周方向及び径方向で一定ではなく、深さが周方向及び径方向で変化して形成されている。羽根溝13についてさらに詳しく説明すると、羽根溝13は、周方向での深さが、インペラ1の回転方向とは反対方向へ向けて徐々に深くなるように湾曲して形成される。また、羽根溝13は、インペラ1の内周側から外周側にかけて徐々に深さが深くなるように傾斜して形成される(図7参照)。
被膜に用いられる生体適合性材料としては、例えば、純チタン、チタン合金、窒化チタンや、ポリウレタン、ポリエステル等のポリマーが挙げられる。
まず、強磁性体(鉄、ケイ素鋼等)の薄板が径方向で積層されて構成されたリング状の積層構造体(巻鉄心)が用意される。そして、このリング状の積層構造体の一方の面に、複数の羽根溝13が形成される。羽根溝13は、周方向では、深さが徐々に深くなるように湾曲して形成され、かつ、径方向では、内周側から外周側にむけて深さが徐々に深くなるように傾斜して形成される。この羽根溝13の形成により、ロータブレード12が形成される。
ここで、仮にインペラ1に永久磁石が配置されているとすると、永久磁石が高温にさらされて減磁してしまう。また、永久磁石が減磁しないように、低温での被膜処理を行うと、処理に長時間かかってしまったり、処理が複雑化したりする。
図8は、ステータ2をインペラ1側から見た斜視図であり、ステータ2の一部が分解された様子を示す図である。図9は、ステータ2をインペラ1側から見た正面図である。
ステータコア21は、強磁性体(鉄、ケイ素鋼等)の薄板が径方向で積層されて構成されたリング状の積層構造体(巻鉄心)の一方の面に、複数の溝を形成することで製造することができる。
次に、人工心臓ポンプ100の動作について説明する。
まず、人工心臓ポンプ100の動作原理について説明する。
図10及び図11は、人工心臓ポンプ100の動作原理を説明するための図である。
図10(A)〜(C)には、インペラ1及びステータ2をリニアに展開した様子が示されており、それぞれ、U相、V相、W相のコイル22に流れる電流が最大である場合の磁束の流れが示されている。
図11には、U相、V相、W相のコイル22に流れる電流の変化が示されている。
また、U相、V相、W相のコイルが巻回されたステータ歯をU相、V相、W相のステータ歯212U、212V、212Wと呼ぶ。
同様に、U相、V相、W相のステータ歯212U、212V、212Wに設けられた永久磁石をU相N極、U相S極、V相N極、V相S極、W相N極、W相S極の永久磁石23UN、23US、23VN、23VS、23WN、23WSと呼ぶ。
本実施形態に係る人工心臓ポンプでは、以上説明したような動作原理により、インペラが回転されるので、インペラに永久磁石を配置せずとも動作可能とされる。
コイルへ電力が供給されると、ステータ2側から磁界が発生し、ロータブレード12が周方向に誘導されてインペラ1が軸部31Dを中心軸として回転する。このとき、インペラ1は、ラジアル動圧溝による動圧により、軸部31Dに非接触で、軸部31Dを中心として回転する。また、インペラ1は、第1のスラスト動圧溝14及び第2のスラスト動圧溝15による動圧により、ポンプハウジング31の第1の側壁部31Bの内壁面及び第2の側壁部31Cの内壁面に非接触で回転することができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、インペラの形状が上述の第1実施形態と異なっている。従って、その点を中心に説明する。なお、第2実施形態以降の説明では、上述の第1実施形態と同様の構成及び機能を有する部材については、同一符号を付し、説明を簡略化または省略する。
これらの図に示すように、インペラ6は、セミオープン型のインペラ6であり、インペラ本体61と、インペラ本体61からステータ2側に突出するように設けられた複数のロータブレード62とを有する。このロータブレード62は、渦巻き状に形成されている。ロータブレード62は、第1実施形態と同様に、45°ピッチで8個設けられている(図13参照)。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
上述の各実施形態では、インペラがセミオープン型のインペラである場合について説明した。一方、第3実施形態では、インペラがクローズド型のインペラである点で上述の各実施形態と異なっている。従ってその点を中心に説明する。
図15に示すように、インペラ7は、クローズド型のインペラ7であり、インペラ本体71と、インペラ本体71からステータ2側に突出するように、渦巻き状に形成された複数(8個)のロータブレード72とを有する。ロータブレード72の形状(羽根溝73の形状)は、上述の第2実施形態と同様の形状である。
第3実施形態に係るインペラ7では、シュラウド部75が設けられたクローズド型のインペラ7とされるので、人工心臓ポンプ100のポンプ力をさらに向上させることができる。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
上述の各実施形態では、インペラのロータブレードがロータ歯としての機能と、ブレードとしての機能とを兼用する場合について説明した。一方、第4実施形態では、インペラにロータ歯と、ブレードとが別々に設けられている点で、上述の各実施形態と異なっている。従ってその点を中心に説明する。
ステータハウジング32及びステータ2は、上記各実施形態と同様の構成である。
ポンプハウジング33は、円筒状の筒部33Aと、インペラ1の正面側に配置された円板状の第1の側壁部33Bと、インペラ1の背面側に配置された円板状の第2の側壁部33Cとを有する。ポンプハウジング33の第1の側壁部33Bには、軸部33Dが設けられる。軸部33Dは、第1の側壁部33Bの中央から、ポンプ室331内部に向けてz軸方向に延びるように設けられる。
ブレード83(羽根溝85)の形状は、第1実施形態におけるロータブレード12(羽根溝13)の形状と同様である(図3等参照)。
第4実施形態においても、インペラ8には、永久磁石23が配置されていないので、容易にインペラ8に被膜を形成することができる。
ステータ2側から磁界が発生すると、ロータ歯82が周方向に誘導されてインペラ8が軸部33Dを中心軸として回転する。インペラ8が回転されると、回転するブレード83の圧力差により、流入管4内の血液が軸部33Dの連通口33D−1を通って、ポンプ室331内に流入する。ポンプ室331内に流入した血液は、回転するブレード83により径方向に(遠心方向)に圧送され、流出管5から流出する。
上述の各実施形態では、インペラ1、6、7、8の軸受構造について、動圧軸受を用いた形態について説明した。しかし、これに限られず、インペラの軸受構造は、ボールベアリング等の軸受が用いられてもよい。
1.液体搬送用ポンプ:この場合、液体としては、酸素、水素、窒素、LNG(Liquefied Natural Gas)、DME(DiMethyl Ether)、オイル等が挙げられる。
2.気体搬送用ポンプ:この場合、気体としては、シラン、プロパン、空気、窒素、フロン、代替フロン等が挙げられる。
3.冷媒搬送用ポンプ:この場合、流体としては、液体窒素、空気、オイル、シリコンオイル、メタン、エタン、エチレン、フロン、代替フロン等が挙げられる。
また、ポンプの用途としては、液体燃料用ポンプ、真空ポンプ、コンプレッサ、その他のポンプが挙げられる。
3…ハウジング
12、62、72…ロータブレード
22…コイル
23…永久磁石
31、33…ポンプハウジング
32…ステータハウジング
82…ロータ歯
83…ブレード
100、200…人工心臓ポンプ
212…ステータ歯
311、331…ポンプ室
321…ステータ室
Claims (2)
- ポンプ室と、前記ポンプ室とは独立して設けられたステータ室とを有するハウジングと、
回転の周方向に沿って第1のピッチで配置された複数のロータ歯を有し、回転により流体を圧送するインペラと、
前記ロータ歯に対向する対向面をそれぞれ含み、前記周方向に沿って前記第1のピッチとは異なる第2のピッチで配置された複数のステータ歯と、前記各ステータ歯の周囲にそれぞれ巻回されたコイルであって、前記周方向に沿う方向で互いに隣り合う前記コイルに位相の異なる電力が供給されるコイルと、前記各ステータ歯の前記対向面上にそれぞれ設けられ、前記周方向に沿って磁極が交互に異なるように配置された永久磁石とを有し、前記回転の軸方向で前記インペラと対向配置されるステータとを具備し、
前記インペラは、前記ポンプ室内に設けられ、前記ポンプ室内の流体を圧送するものであり、
前記ステータは、前記ステータ室内に設けられ、
前記ハウジングは、前記インペラ及び前記ステータの間に介在される、金属により構成された壁部を有する
ポンプ。 - ポンプ室と、前記ポンプ室とは独立して設けられたステータ室とを有するハウジングと、
回転の周方向に沿って第1のピッチで配置された複数のロータ歯を有し、回転により流体を圧送するインペラと、
前記ロータ歯に対向する対向面をそれぞれ含み、前記周方向に沿って前記第1のピッチとは異なる第2のピッチで配置された複数のステータ歯と、前記各ステータ歯の周囲にそれぞれ巻回されたコイルであって、前記周方向に沿う方向で互いに隣り合う前記コイルに位相の異なる電力が供給されるコイルと、前記各ステータ歯の前記対向面上にそれぞれ設けられ、前記周方向に沿って磁極が交互に異なるように配置された永久磁石とを有し、前記回転の軸方向で前記インペラと対向配置されるステータとを具備し、
前記インペラは、前記ポンプ室内に設けられ、前記ポンプ室内の流体を圧送するものであり、
前記ステータは、前記ステータ室内に設けられ、
前記ロータ歯は、前記回転により前記流体を圧送するブレードとしての機能を有するロータブレードである
ポンプ。
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