JP5824323B2 - 油中水型乳化組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、安定性と使用感に優れた油中水型乳化組成物に関する。
多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルは、高温および低温安定性に優れた流動性のある低粘度乳化組成物を製造できることが特徴である(非特許文献1:FRAGRANCE JOURNAL 1999年9月)。多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルはそれ自身が軽い感触でべたついたりしないので、とかく油っぽく重たい使用感が敬遠されがちな化粧料用の油中水型乳化組成物の乳化剤として広く使用されている。特許文献1:特許第4146979号公報には、多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを含有する多層乳化剤型の皮膚外用剤が開示されている。
一般に、油中水型乳化組成物は電荷を持たない為、乳化粒子経同士の静電反発によって合一を防止させ安定化を図ることができず、乳化組成物中に沈殿や分離が発生するなどの問題に対しては、外相(油)を増粘剤により増粘させる、他の乳化剤との併用により界面を強化する (粘度の増加はあまり期待できない) 等の方法が採用されている。
増粘剤を配合した例として、例えば、増粘ゲル化剤であるフラクトオリゴ糖脂肪酸エステルとポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルとトリアシルグリセリンを1〜50質量%含有する油剤と水を含む油中水型乳化組成物が提案されている(特許文献2:特許第4676634号公報)。しかしながら、べたつき感が残るなど使用感は十分ではない。先に示した非特許文献1(FRAGRANCE JOURNAL 1999年9月)には、増粘剤濃度が高すぎると皮膚当たりが悪くなることが、注意事項として記載されている。
非特許文献1には、多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルの配合を過剰にし、内水相の体積率を高くした(90%)場合に油中水型乳化組成物の粘度が増大することが記載されている。しかしながら、高内水相の油中水型乳化組成物は、独特のスプラッシュ感(塗布時に内水相が弾け出る感触)が生じ肌に自然に馴染む感覚が得られず使用感に優れた組成物とは言い難い。
本発明者は、特定のアニオン性界面活性剤と多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを組み合わせた油中水型乳化組成物が、安定性、使用感ともに優れた化粧料になることを見出し、本発明を完成させた。
特許第4146979号公報 特許第4676634号公報
FRAGRANCE JOURNAL 1999年9月 第83〜86頁
保存安定性が高く、使用感の良好な油中水型乳化組成物を提供することを課題とする。
本発明の主な構成は、次のとおりである。
(1)(A):ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム又はステアロイルグルタミン酸ナトリウムのいずれか又は両方、
(B):ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30、
(C):油剤、
(D):水、
を含有する油中水型乳化組成物。
(2)水相の合計量が組成物全体の55〜84質量%である(1)に記載の油中水型乳化組成物。
(3)クリーム剤型である(1)又は(2)に記載の油中水型乳化組成物。
(4)測定温度25℃において、B型粘度計、4号ローターを用いて測定した粘度が、4900〜50000mPa・sである(1)〜(3)のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
(5)増粘剤を含有しない(1)〜(4)のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
安定性に優れ、使用感の良好な油中水型乳化組成物を提供できる。
この組成物を用いて調製した化粧料、皮膚外用剤(医薬部外品、医薬品)は、さっぱりとしたべたつかない使用感を維持しながら、クリーム状の粘性があり、製剤を塗布する際に液だれすることがなく、高級なクリーム状の使用感を実現することができる。
以下に、本発明の構成成分について説明する。
必須成分
〔(A)1:ジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩〕
本発明に用いるジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩は、化粧料に使用される保湿性に優れ、顔料分散能、乳化安定化能に優れる化合物である。ジ脂肪酸アシルグルタミン酸塩としては、ジラウロイルグルタミン酸リシン塩、ジミリストイルグルタミン酸リシン塩、ジステアロイルグルタミン酸リシン塩、ジリノレオイルグルタミン酸リシン塩が例示できる。これらの塩として、ナトリウム塩、カリウム塩、等のアルカリ金属塩、トリエタノールアミン塩等の有機アミン塩、アルギニン等の塩基性アミノ酸塩が挙げられる。ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム、ジミリストイルグルタミン酸リシンナトリウム、ジステアロイルグルタミン酸リシンナトリウム、ジリノレオイルグルタミン酸リシンナトリウムなどを用いることが好ましい。ジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩はL−リシン塩酸塩とN−脂肪酸アシル−L−グルタミン酸無水物を反応させて合成することができる。ジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩は市販品を用いることが可能であり、市販品としては旭化成ケミカルズ株式会社製のペリセアL−30(ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム)を例示できる。ペリセアL−30は、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム29%、水71%から成る。ジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩を使用する場合は、0.05〜10質量%、より好ましくは0.1〜6質量%の範囲で配合すると好ましい。0.1質量%に満たないと、安定性を向上させる効果が得にくくなる恐れがある。10質量%を超えて含ませることは、不経済である。
〔(A)2:N−アシルグルタミン酸塩〕
本発明に用いるN−アシルグルタミン酸塩としては、N−ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸塩、N−ミリストイルグルタミン酸塩、N−ラウロイルグルタミン酸塩、N−パルミトイルグルタミン酸塩、N−ステアロイルグルタミン酸塩、N−オレオイルグルタミン酸塩、N−牛脂脂肪酸アシルグルタミン酸塩等が挙げられる。これらの塩として、ナトリウム塩、カリウム塩、等のアルカリ金属塩、トリエタノールアミン塩等の有機アミン塩、アルギニン等の塩基性アミノ酸塩が挙げられる。N−アシルグルタミン酸塩として市販品(味の素ヘルシーサプライ製のアミソフトCS−11(N−ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム)、アミソフトCK−22(N−ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸カリウム)、アミソフトMK−11(N−ミリストイルグルタミン酸カリウム)、アミソフトCT−12(N−ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸トリエタノールアミン液 、アミソフトLS−11(N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウム)、アミソフトHS−11P(N−ステアロイルグルタミン酸ナトリウム)等を用いることができる。N−アシルグルタミン酸塩の配合量は、0.1〜3質量%が好ましい。0.1質量%に満たないと、安定性を向上させる効果が得にくくなる恐れがある。3質量%を超えて含ませると、安定性が低下する恐れがある。
本発明に用いる(A)1:ジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩、(A)2:N−アシルグルタミン酸塩は、単独で用いても、組み合わせて配合しても構わない。
〔(B):多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステル〕
本発明に用いる多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルは、ポリエチレングリコール等の多価アルコールをアルカリ存在下、ポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)と塩化チオニル等のハロゲン化剤を反応させて調製した酸クロライドを反応させることにより得ることができる。
多価アルコ−ルとしては、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、(ポリ)グリセリン、(ポリ)プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどが好ましく例示でき、ポリエチレングリコールが特に好ましい。この場合のポリエチレングリコールのサイズは、平均分子量で400〜6000が好ましい。一方、疎水基となるポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)は、そのサイズが平均分子量1000〜3000であることが好ましい。
ポリエチレングリコールのジ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを用いることが好ましく、INCI名がジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30と収載されているものが好ましく、市販品としては、ユニケマ社製のアラセルP−135、クローダジャパン(株)社製のシスロールDPHSがある。
多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルの配合量は、0.1〜5質量%が好ましく、特に好ましくは1〜5質量%である。0.1質量%に満たないと、乳化が不十分になる恐れがある。5質量%を超えると、べたついた使用感になる恐れがある。
〔(C):油剤〕
油剤としては、エステル油、植物油のような油脂類、炭化水素類、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコ−ン油などが例示できる。
エステル油としては、例えば、エチルヘキサン酸セチル、ジイソノナン酸1,3−ブチレングリコール、ジ2−エチルヘキサン酸1,3−ブチレングリコール、ジイソノナン酸ジプロピレングリコール、ジ2−エチルヘキサン酸ジプロピレングリコール、イソノナン酸イソノニル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、パルミチン酸エチルヘキシル、ネオペンタン酸イソステアリル等が挙げられる。
油脂類としては、例えば、ツバキ油、月見草油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ナタネ油、トウモロコシ油、ゴマ油、ホホバ油、胚芽油、小麦胚芽油、等の液体油脂、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ、モクロウ核油、硬化油、硬化ヒマシ油等の固体油脂、ミツロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、ヌカロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ等のロウ類が挙げられる。
炭化水素類としては、例えば、流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等が挙げられる。
高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等が挙げられる。
シリコ−ン油として、例えば、鎖状ポリシロキサンのジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等、環状ポリシロキサンのデカメチルシクロペンタシロキサン、シクロペンタシロキサン、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー等が挙げられる。
ホホバ油、パルミチン酸エチルヘキシル、ネオペンタン酸イソステアリルを用いることが使用感の観点から好ましい。本発明における油剤の配合量は特に限定されないが、好ましくは10〜40%である。
〔(D):水〕
本発明において水の配合は、油中水型のエマルジョンを形成させるために必須の成分である。配合量は特に限定されないが、好ましくは30〜80質量%である。
本発明における油中水型乳化組成物は、油の中に水が粒子となって分散している乳化組成物のことであり、水相を、乳化組成物の連続相となる油相へ添加して調製することが出来る。ここで、水相とは、その組成物中に含有される水、多価アルコール等の水溶性成分、親水性界面活性剤(ジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩、N−アシルグルタミン酸塩)が該当する。油相とは、その組成物中に含有される天然動・植物油、合成油等のすべての油性成分、乳化剤である多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルが該当する。水相には、通常化粧料に配合される水溶性の成分を配合できる。水相が水と親水性界面活性剤(ジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩、N−アシルグルタミン酸塩)のみで構成されていても構わない。
本発明の油中水型乳化組成物では、水相の合計量が乳化組成物全体の55〜84質量%、より好ましくは55〜80質量%、さらに好ましくは57〜75質量%であることが好ましい。55質量%に満たないと、クリーム状の粘性が得られない恐れがある。84質量%を超えた高内水相の油中水型乳化組成物としても、クリーム状の粘性で安定性に優れたものが調製できるが、独特のスプラッシュ感(塗布時に内水相が弾け出る感触)が生じ肌に自然に馴染む感覚が得られず使用感に優れた組成物が得られにくくなる恐れがある。
本発明の油中水型乳化組成物の粘度は、No.4ローターを備えたB型粘度計を使用し、測定温度25℃、ローター回転速度12rpm、測定開始後30秒後の条件で測定するとき、4900〜50000mPa・sの範囲にあることが好ましい。この粘度の範囲では、さっぱりとしたべたつかない使用感を維持しながら、製剤を塗布する際の、高級なクリーム状の使用感を実現することができる。
任意成分
本発明の油中水型乳化組成物には、任意成分として本発明の効果を損なわない範囲で、化粧料に通常用いられている成分、例えば、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、油剤、多価アルコール等の保湿剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、塩類、PH調整剤、防腐剤、抗菌剤、キレート剤、着色剤、香料等を配合することができる。また、セラミド、植物抽出液等の美容成分を配合することができる。
保湿剤としては、グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール等が挙げられる。
塩類としては、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。
PH調製剤としては、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸、リン酸ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
防腐剤としては、フェノキシエタノール、パラベン等が挙げられる。
アスコルビン酸誘導体としては、L−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩、L−アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩、2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸等が挙げられる。
セラミドとしては、セチルPGヒドロキシエチルパルミタイド、セレブロシド等が挙げられる。
本発明の油中水型乳化組成物に、さらにキレート剤を含有させると、油中水型乳化組成物の保管温度による粘度の差をより小さくする場合がある。キレート剤としては、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、エデト酸二カリウムを例示することができる。エデト酸三ナトリウムを用いることが好ましい。市販されているキレスト株式会社製のキレスト2C-SDを用いることができる。油中水型乳化組成物は、キレート剤を0.0001質量%〜0.2質量%含有することが好ましい。
本発明の構成をとる油中水型乳化組成物は、水溶性高分子や油溶性高分子などの増粘剤を配合しなくても好ましいクリーム状の粘度になる。したがって、粘度を上げることを目的とした増粘剤の配合は必要としない。しかし、つるつるとした感触を付与したい場合などに、本発明の効果を損なわない程度に水溶性高分子などを少量配合することができる。
本発明の油中水型乳化組成物は乳液、クリーム、美容液、日焼け止め、リキッドファンデーション等の化粧料や、皮膚外用剤として医薬部外品や医薬品として使用することができる。本発明の特性から、クリーム状剤型が特に好ましい。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げて、本発明の特徴と効果をさらに詳細に説明する。
表1の組成にて、実施例1、2、比較例1〜7の油中水型乳化組成物を、以下の調製方法により調製した。
(調製方法)
ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30(成分(B))に各油剤(C)を加え、80℃に加熱して、十分に攪拌し油相を調製する。また、成分(A)と水、多価アルコールを混合後、80℃に加熱して、十分に攪拌し水相を調製する。次いで水相を油相へ徐々に添加しながら、ホモミキサーで6000rpm、2分攪拌して乳化し、その後、室温まで攪拌しながら冷却する。
Figure 0005824323
乳化状態の顕微鏡観察、粘度の測定、安定性・使用感の評価
実施例と比較例の組成物を、下記に示す方法により測定、評価した。
<乳化状態の顕微鏡観察>
OLYMPUS社製のシステム偏光顕微鏡BX-50-33P-Dを用いて25℃に1日間保存した油中水型乳化組成物を倍率400で観察し、下記の基準で判定した。
◎;粒子径が細かく(3μm以下)均一である
○;粒子径が細かくはないが均一である
△;粒子径が不揃である
×;粒子径が揃っておらず、合一が見られる

尚、調製直後に分離したりW/O型乳化を形成しなかった乳化組成物については「×」と評価した。
<粘度>
(調製翌日の粘度)
得られた油中水型乳化組成物を直径約3cmのガラス容器に充填し25℃に保存して、調製翌日の粘度を、No.4ローターを備えたB型粘度計を使用し、測定温度25℃、ローター回転速度12rpm、測定開始後30秒後の条件で測定した。
<乳化安定性の評価>
乳化組成物を、それぞれ直径約3cmのガラス容器に充填し、5℃、25℃、40℃、50℃に30日間保存して、乳化安定性を以下の基準により目視評価した。
(各温度での判定基準)
○:外観に異常がない
×:分離している

尚、調製翌日の観察で、分離していた組成物又はO/W型乳化を形成してW/O型乳化を形成しなかった組成物については安定性の評価はしていない。また保存途中で分離した組成物についてはそれ以後の観察による評価を行わなかった。表中で記号(−)は評価していないことを示す。また、表に示された乳化安定性の評価とは、5℃、25℃、40℃、50℃のすべての保管温度帯において、○の評価になった場合にのみ○と記入した。
<使用感の評価>
実施例、比較例の調製翌日の各配合のサンプルを用いて、各評価項目(塗布のしやすさ、べたつき)について、官能評価に優れたパネル(10名)がブラインドにより評価した。
(塗布のしやすさの判定基準)
○;良い(7名以上が液だれせずに肌に塗布しやすいと答えた)
△;普通(4〜6名が液だれせずに肌に塗布しやすいと答えた)
×;悪い(液だれせずに肌に塗布しやすいと答えたのが3名以下であった。)

(べたつきの判定基準)
○;良い(7名以上がべたつかないと答えた)
△;普通(4〜6名がべたつかないと答えた)
×;悪い(べたつかないと答えたのが3名以下であった。)
結果1
(A)成分であるジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩、N−アシルグルタミン酸塩のいずれも配合せず、(B)成分であるジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30のみを配合した比較例1の乳化組成物は、粘度が2100mPa・sと低めであり、べたつきはないものの液だれして肌に塗布しにくかった。また、比較例1の油中水型乳化組成物は、14日目に観察すると50℃で保存したものが分離しており安定性が悪かった。
(B)成分であるジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30を配合せずに(A)成分であるジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩、N−アシルグルタミン酸塩のいずれかのみを配合した比較例2および比較例3は、油中水型乳化組成物は得られなかった。
(A)成分を、他の界面活性剤であるステアロイルメチルタウリンナトリウムに置き換えて(B)成分であるジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30と組み合わせた比較例5は、油中水型乳化組成物が得られたが、翌日分離した。比較例6は乳化状態が非常に悪く顕微鏡観察結果は「×」であり、2週間後には分離し安定性は確保できなかった。
これに対して、(A)成分であるジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩、N−アシルグルタミン酸塩のいずれかを配合し、(B)成分であるジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30を配合した実施例1、2の油中水型乳化組成物は、7100mPa・s、13600mPa・sとクリーム状を保つ高い粘性があり、官能評価試験でも、液だれすることなく肌に塗布しやすいと評価された。また、べたつくことなくさっぱりとした感触で使用感に優れていると評価された。実施例1および2の油中水型乳化組成物は、30日保存後もすべての保管温度帯(5℃、25℃、40℃、50℃)で分離などがみられず安定であった。
表1の試験結果から、成分(A)ジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩、N−アシルグルタミン酸塩のいずれかと、成分(B)多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを配合した油中水型乳化組成物は、使用感に優れ、保存安定性に優れたクリーム状の組成物であることが確認できた。
A成分の配合量と油中水型乳化組成物の粘度の関係
次に、(A)成分であるジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩(以下(A)1成分)、またはN−アシルグルタミン酸塩(以下(A)2成分)の配合量の違いが本発明の油中水型乳化組成物の粘度にどのように影響するか調べた。(A)1成分であるジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩の試験結果を表2に、(A)2成分であるN−アシルグルタミン酸塩の試験結果を表3に示す。
Figure 0005824323
Figure 0005824323
結果2
表2から、ジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩(ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム)を配合すると概ね配合量の増加に応じて粘度が高くなることが分かった(実施例3〜9)。
実施例3〜9の油中水型乳化組成物は、4900〜13350mPa・s(25℃に保存した調製翌日の粘度;B型粘度計、No.4ローター、ローター回転速度12rpm、測定開始後30秒後)であり、いずれもクリーム状を保つ高い粘性があり、官能評価試験でも、液だれすることなく肌に塗布しやすいと評価された。実施例3〜9の油中水型乳化組成物は、べたつくことなくさっぱりとした感触で使用感に優れていると評価された。また、実施例3〜9の油中水型乳化組成物は、30日保存後もすべての保管温度帯(5℃、25℃、40℃、50℃)で分離がみられず安定であった。
結果3
表3から、N−アシルグルタミン酸塩(ステアロイルグルタミン酸ナトリウム)の配合量を増加させると、概ね配合量の増加に応じて粘度が高くなることが分かった(実施例10〜13)。
実施例10〜13の油中水型乳化組成物は、7100〜28250mPa・s(25℃に保存した調製翌日の粘度;B型粘度計、No.4ローター、ローター回転速度12rpm、測定開始後30秒後)であり、いずれもクリーム状を保つ高い粘性があり、官能評価試験でも、液だれすることなく肌に塗布しやすいと評価された。実施例10〜12の油中水型乳化組成物は、べたつくことなくさっぱりとした感触で使用感に優れていると評価された。また、実施例10〜12の油中水型乳化組成物は、30日保存後もすべての保管温度帯(5℃、25℃、40℃、50℃)で分離がみられず安定であった。実施例13の油中水型乳化組成物は、水相の配合量が57質量%であり、他と比較して低いが、べたつくことなくさっぱりとした感触で使用感に優れていると評価され、30日保存後もすべての保管温度帯(5℃、25℃、40℃、50℃)で分離がみられず安定であった。
電解質や増粘剤の配合試験(比較例)
油中水型乳化組成物は、電解質や増粘剤を含ませると安定化する(場合によっては増粘する)といわれている。
表4は、(B)成分としてジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30を配合し(A)成分に代えて電解質又は増粘剤を配合した油中水型乳化組成物(比較例7〜15)の試験結果である。
Figure 0005824323
結果4
比較例8は硫酸マグネシウムを配合した組成物で、その粘度は2850mPa・sであった。クリーム状を保つ粘度の組成物は得られず、肌への塗布のしやすさの判定は「×;悪い(液だれせずに肌に塗布しやすいと答えたのが3名以下)」と評価された。
比較例9は、電解質である塩化ナトリウムと増粘剤((ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー)を配合した組成物である。その粘度は3600mPa・sであり、クリーム状を保つ粘度の組成物は得られなかった。肌への塗布のしやすさの判定は「×;悪い」と評価された。
比較例10〜16は、電解質であるL−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩、水酸化カリウムおよびクエン酸と、増粘剤を含む組成である。その粘度は、それぞれ4500mPa・s、4500mPa・s、1500mPa・s、3850mPa・s、4500mPa・s、2200mPa・s、2600mPa・sであり、クリーム状を保つ粘度の組成物は得られなかった。肌への塗布のしやすさの評価では、「△;4〜6名が液だれせずに肌に塗布しやすいと答えた」または「×;悪い(液だれせずに肌に塗布しやすいと答えたのが3名以下)」と評価され、粘度が低い方が肌に塗布しやすいと評価するパネル(官能評価員)の数が減る傾向が認められた。比較例10〜16では併用した増粘剤や電解質に由来するべたつき感を感じるパネル(官能評価員)もいた。
表1〜4の結果から、実施例1〜13は、べたつかず、さっぱりとした使用感を有し、その使用感を維持したまま粘度が増大することが確認できた。本発明の構成をとることで、使用感に優れ、高級感に優れる保存安定性に優れた乳化組成物が実現されることが確認できた。
以上、表1〜4の結果から、成分(A)ジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩又はN−アシルグルタミン酸塩と、成分(B)ジポリヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコールとを組み合わせることで、べたつきのないさっぱりとした使用感を維持しながら粘度を増大させた、使用感、使用性、安定性のすべてにおいて良好な油中水型乳化組成物が作成できることが証明できた。
本発明のジポリヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコールとジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩及び/又はN−アシルグルタミン酸塩とを組み合わせた油中水型乳化組成物は、べたつきのない優れた使用感であり、粘度の高い高級感のあるクリーム状の剤型を実現できるので、化粧料や皮膚外用剤として有用である。
以下に、本発明の構成を使用した油中水型乳化組成物(クリーム)の処方、製法、特性を示す。

処方例1 クリーム
(配合成分) (質量%)
1. ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30 2
2. ミリストイルメチル−β−アラニン(フィトステリル
/デシルテトラデシル) 2
3. オリーブ油 5
4. ホホバ油 4
5. パルミチン酸エチルヘキシル 3
6. セチルPGヒドロキシエチルパルミタミド 0.5
7. トリエチルヘキサノイン 1
8. (ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 1
9. グリセリン 5
10.ペンチレングリコール 2
11.フェノキシエタノール 0.2
12.ジステリルグルタミン酸リシンナトリウム 2
13.精製水 残余

(製法)
油相(1〜8)と水相(9〜13)をそれぞれ別に80℃に加熱して、十分に攪拌後、水相を油相へ添加し、ホモミキサーで6000rpm、2分攪拌して乳化し、その後、室温まで攪拌冷却する。
処方例1のクリームは、心地よい使用感であり、保存安定性に優れていた。
処方例2 クリーム
(配合成分) (質量%)
1. ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30 2
2. ミリストイルメチル−β−アラニン(フィトステリル
/デシルテトラデシル) 2
3. オリーブ油 3
4. ホホバ油 1
5. パルミチン酸エチルヘキシル 2
6. セチルPGヒドロキシエチルパルミタミド 0.5
7. 2−エチルヘキサン酸セチル 1
8. ジメチコン 1
9. ジグリセリン 5
10.ペンチレングリコール 2
11.フェノキシエタノール 0.2
12.ステアロイルグルタミン酸ナトリウム 2
13.精製水 残余

(製法)
油相(1〜8)と水相(9〜13)をそれぞれ別に80℃に加熱して、十分に攪拌後、水相を油相へ添加し、ホモミキサーで6000rpm、2分攪拌して乳化し、その後、室温まで攪拌冷却する。
処方例2のクリームは、心地よい使用感であり、保存安定性に優れていた。

Claims (5)

  1. (A):ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム又はステアロイルグルタミン酸ナトリウムのいずれか又は両方、
    (B):ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30、
    (C):油剤、
    (D):水、
    を含有する油中水型乳化組成物。
  2. 水相の合計量が組成物全体の55〜84質量%である請求項1に記載の油中水型乳化組成物。
  3. クリーム剤型である請求項1又は2に記載の油中水型乳化組成物。
  4. 測定温度25℃において、B型粘度計、4号ローターを用いて測定した粘度が、4900〜50000mPa・sである請求項1〜3のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
  5. 増粘剤を含有しない請求項1〜4のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
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