この出願は、2012年11月15日に提出された米国特許出願第13/677,837号と2012年11月20日に提出された米国特許出願第13/682,598号の部分継続出願であり、これらは、2011年5月27日に提出された米国特許出願第13/117,308号の部分継続出願であり、それらの内容は参照してここに組み入れる。
以下の詳細な記述は、現時点において、発明を実施するための最も良好なモードと考えられるものである。この発明の範囲は添付の特許請求の範囲に最も良好に定義されているので、この詳細な記述は限定的な意味合いで把握されるべきではなく、この発明の全般的な原理を説明することを単に目的とするものである。
種々の発明の特徴が以下に説明されるけれども、これらは各々相互に独立に、または他と組み合わせ使用できる。しかしながら、いずれの単独の発明の特徴も、先に検討した問題のいずれか、またはすべてに対処しなくて良く、また、先に検討した問題の1つに対処してよい。さらに、先に検討した1または複数の問題が以下に説明される特徴にいずれによっても充分に対処されていなくともよい。
シングルのゴルファの各々、またはすべては絵のように美しい模範的なゴルフスイングをいつでも行うために一生懸命努力しているけれども、現実は、私達の多くは理想的なゴルフスイングはこのように見えるというものから逸脱して異なるスイング傾向を持つということである。実際、同一のゴルフスイングを行えるゴルファは2人といないということに異論はなく、これが個々のゴルファを独自なものとなす。したがって、このために、ゴルファのニーズは相互に大幅に異なっているということが導き出せ、これが彼または彼女のゴルフクラブの選択を個別のプロセスとなす。
そのような要望はゴルフコミュニティにおいて動かしようがない。なぜならば、ゴルファの道具のパフォーマンスを、ゴルファ固有のスイングごとに最適化するためにゴルファのフィッティングにより多くの力点が置かれてきたからである。しかしながら、現時点まで、ゴルファの最も良好なパフォーマンスのゴルフクラブを選択するために、ゴルファに対する、個別のプロセスは、多くの試行錯誤の試みを神秘的にまとめることであった。したがって、この問題に対処するために、この発明は、ゴルファの個別のゴルフスイングに対してゴルファの道具を最適化するのを支援するゴルフクラブのセットアップをゴルファが決定するのを有効に、かつ効率よく、予測に基づいて支援する装置および方法を実現した。
添付図面の図1はこの発明の事例的な実施例に従ってゴルファ100をフィッティングするのに使用できるセットアップの概略図を示す。より具体的には、添付図面の図1は、ゴルフクラブ102のまわりに選択的に位置づけられた複数のマーカ106を具備するゴルフクラブ102を手に持つゴルファ100を示す。これに加えて、図1は、ゴルファ100を包囲する態様でゴルファ100の回りに位置づけられた複数のカメラ108も示す。複数のカメラ108は、この発明の事例的な実施例において検討されるように、全般的には、複数のマーカ106を特定し、これに反応するようになっており、もって、カメラ108は常に複数のマーカ106の位置を把握できる。この発明は、複数のマーカ106の位置に基づいて、コンピュータプロセッサ111を用い、これが、複数のカメラ108により取得されたデータを処理して、具体的なゴルファ100のゴルフスイングに適した最適なゴルフクラブシャフトを決定するようにプログラムされている。
この発明のこの実施例に関連する複数のカメラ108は、光源に対して反応してそれらを記録する電子センサまたはチップを含む。このタイプのカメラは典型的にはデジタルカメラに見いだされ、そのようなタイプのカメラは短時間に複数の高品質の画像を取得するのにとくに適している。電子センサまたはチップは、選択的に所望の間隔で活性化または非活性化して2またはそれ以上の時間間隔を置いた画像を取得できる。もちろん、カメラが赤外(IR)スペクトラム内の光の画像を取得できるようにすることが好ましいけれども、カメラは光のみの画像を取得することに限定されず、また、写真画像を取得しても良く、これは、この発明の範囲および内容から逸脱しない。高速度カメラ108の動作に関するより詳細な情報は、本出願人の出願に係る米国特許出願第11/364,343号(Rose)に見いだすことができ、その内容は参照してここに組み入れる。
上述に加えて、複数の高速度カメラ108は一般的には高取得レートを有する必要が有る。より高い取得レートが現行の実施例では望ましく、これは、そのようにするとより多くの画像をゴルファ100のゴルフスイングの間に取得することが可能になり、もって、より多くのデータ点を収拾でき、計算の精度を増大させることができるからである。より具体的には、複数の高速度カメラ108は一般的には約250フレーム/秒、より好ましくは約500フレーム/秒、最も好ましくは750フレーム/秒より大きな取得レートを有する。ここで、取得画像の質は取得フレームレートのみに依存するのでなく、シャッター速度にも左右されることに留意することは重要である。高速度カメラ108のシャッター速度は取得した画像の品質に対して重要であり、これは、シャッター速度が露出時間定義するからであり、また、現行の実施例では、迅速なシャッター速度が移動物体を正確に把握するカメラの性能を増大させるからである。より具体的には、この発明の現行の事例的な実施例に従って使用されるシャッター速度は、一般的には、約1/3000秒、より好ましくは約1/4000秒、最も好ましくは1/4500秒より大きくて良い。
この発明の現行の事例的な実施例に従う複数のカメラ108はIRスペクトラム内の波長にフォーカスされているので、IR発光源が複数のカメラ108に伴うことが重要である。現行の実施例において検討されるように、IR発光体が、それが伴うところの所定のカメラ108に対して予め定められた支点を照射できることができるように、一般的には配置されてよい。IR発光体の視野は一般的にはカメラの視野と一致して良く、ゴルフクラブ自体に位置づけられた複数のマーカに充分な光を到達させるように変位させる。IR発光のソースは最も好ましくは複数のカメラ108自体から始まって良いけれども、それらが充分なIR光を複数のマーカ106に供給できる限り、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、任意の他の位置から始まっても良い。
この発明に従う複数のカメラ108は、添付図面の図1に示されるように、2またはそれ以上のカメラ108を意味する。複数のカメラ108を具備することは、ゴルフスイングの全体に渡って、ゴルフクラブについて、充分詳細に、充分なデータポイントを取得するという発明の能力に関して重要であり、とくに、ゴルフスイングの全体に渡ってマーカ106のいくつかの視点が種々の位置でゴルファによってブロックされることを考えると尚更である。現行の発明を適切に機能させるために必要とされるカメラの具体的な個数は固定されないけれども、一般的には、把握しやすい視野を形成するのに充分なカバリッジを確実にするために、この発明では、約3個より多いカメラ108、より好ましくは約9個より多いカメラ108、最も好ましくは約15個より多いカメラ108を有して良い。
この発明に従う複数のマーカ106は一般的にはゴルフクラブ102自体に配置されるけれども、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、所定のスイング特性を把握するためにゴルフクラブ102に加えてゴルファ100にもマーカを配置して良い。現行の実施例において、複数のマーカ106は一般的にはゴルフスインの全体を通じてゴルフクラブ102の複数の位置でゴルフクラブ102の動的挙動特徴を正確に把握するために所定個数の複数個のマーカを含むけれども、限定的な個数の位置からデータのみを収拾する必要があるだけであれば、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、より少ない個数のマーカを採用して同一の目的を実現しても良い。より具体的には、複数のマーカ106は、一般的には、約3個より多くのマーカ、より好ましくは約5個より多くのマーカ、最も好ましくは約8個より多くのマーカであってよい。マーカ106の厳密な個数は発明を適切に機能させる上で、決定的ではないけれども、3個は、三次元においてゴルファの位置を三角測量で決定するのに必要なマーカ106の最小個数であるので、ここで、この発明が少なくとも3個のマーカ106を必要とすることに留意することは重要である。ゴルフクラブの位置の三角測量は一般的には複数のカメラ108およびマーカの各々の間の角度を特定することを含む。しかしながら、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、多くの他の方法を採用して良い。マーカ106の組成、動作、および使用態様のより詳細な事項については、本出願人の出願に係る米国特許出願第11/364,343号(Rose)に見いだすことができ、ここで再びこれを参照してその内容をここに組み入れる。
図2に移行するまえに、図1はy−軸およびz−軸を特定する座標系101をも示すものであることを述べておくことは重要である。より具体的には、座標系101の原点は、地面平面上に、ゴルファのスタンスの中程、そのつま先の先端の近くに位置づけられ、y−軸はゴルファの踵方向を指示し、z−軸はゴルファの頭部を指示する。ここで座標系101を確立しておくことは重要であり、これは複数のカメラ108の位置の将来的に参照するのに、この座標系101を用いて参照するからである。
添付図面の図2は、この発明の事例的な実施例に従いゴルファをフィッティングするのに使用するセットアップの平面図を示す。図2は、図1にすでに見られるものに加えた付加的な要素を付け加えるものではないけれども、この異なる図は図1の全体図において示すことができなかった付加的な情報を提供する。より具体的には、添付図面の図2は、x−軸およびy−軸の方向を図説することにより座標系201についてより多くの情報を提供し、これが座標系201を把握する際簿のパズルのピースを提供する。座標系201の最後のピースを提供することに加えて、図2は複数のカメラ208がゴルファ200を方出多数の位置に配置されることも示す。カメラの厳密な個数はこの発明を適切に機能させる上で境界的ではないけれども、図2はマーカ206の移動をゴルフスイングの全体を通じて充分に把握するためにゴルファ200を包囲する用に採用されるカメラ208の潜在的な位置を図説する。
現行の事例的なセットアップの平面図は、すべてのカメラ208の配置の間の極めて重要な関係も示す。より具体的には、カメラ208の配置がゴルファ200の前面を優遇してゴルファがゴルフスイングをするときにゴルファ200の前面により多く重点を置くことを認識することは重要である。換言すれば、右利きのゴルファに関しては、ゴルファの前面に負のy−軸の方向に配置されたカメラ208の数は、ゴルファの背面に正のy−軸の方向に配置されたカメラ208の数より少なくとも1だけ大きい。言うまでもないが、先に説明したカメラ208の方向および配置は左利きのゴルファに関しては逆になるであろう。カメラ208がゴルフスイングをできるだけ多く取得することは有益なので、また、ゴルフクラブ202の様子はスイング中に所定の位置でゴルファ200自体によってブロックされてしまい、カメラ208が、ゴルフクラブをゴルフスイングと同じくらいできる限り多く取得することが有益なので、より多くのカメラをゴルファの前面近くに位置づけることが重要である。
最後に、図2は、複数のカメラ208によって収集された情報を取得するために使用されるコンピュータプロセッサ211をも示す。この発明の1つの事例的な実施例において、複数のカメラ208は一般的には物理的に、またはワイヤレスでコンピュータプロセッサ211に接続されて良く、これによってカメラにより取得された位置データがコンピュータプロセッサ211により処理され、解析できるようになっている。
添付図面の図3は、この発明に従うゴルファ300の拡大斜視図であり、三次元空間における座標系301の正確な位置を示す。この図において、x−軸はゴルファの左側を指し、y−軸はゴルファの後方を指し、z−軸はゴルファの上方を指すことが理解できる。
図3に示される座標系301の位置の重要性に戻って言及すると、添付図面の図4は、複数のカメラ408の位置が座標系401を基準にして定義されるので座標系401が重要であることを示す。個別のカメラ408の各々の具体的な位置が定義される前に、カメラ408の個数およびそれらの具体的な位置がこの発明を適切に機能させる上で決定的でない点に留意すべきである。実際、説明される数より多い、または少なく任意の数のカメラ308を使用することができ、以下の検討は、この発明の1つの具体的な実施例に従うカメラ408の各々の位置を説明するだけである。
すべての距離は座標系401の原点を基準にすることを心に留める。図4に示される実施例において、カメラ408−1は(8.18,−6.78,9.40)の座標に配置され、カメラ408−2は(8.55,−10.40,6.36)の座標に配置され、カメラ408−3は(3.85,−12.53,6.39)の座標に配置され、カメラ408−4は(3.12,−12.6,9.89)の座標に配置され、カメラ408−5は(−5.75,−13.10,5.36)の座標に配置され、カメラ408−6は(−7.95,−12.69,9.95)の座標に配置され、カメラ408−7は(−9.55,−6.74,4.00)の座標に配置され、カメラ408−8は(−9.55,−5.71,6.21)の座標に配置され、カメラ408−9は(−9.64,−6.58,9.98)の座標に配置され、カメラ408−10は(−9.57,6.24,9.67)の座標に配置され、カメラ408−11は(−10.01,8.95,6.38)の座標に配置され、カメラ408−12は(−7.71,12.67,10.0)の座標に配置され、カメラ408−13は(3.51,12.42,9.97)の座標に配置され、カメラ408−14は(7.45,11.24,6.10)の座標に配置され、カメラ408−15は(8.56,6.53,9.75)の座標に配置され、カメラ408−15は(7.53,0.73,13.21)の座標に配置され、ここで距離の各々の単位はフィートである。
図2において簡略化して図説したのと同様に、個別のカメラ408の各々の具体的な座標系によれば、ゴルファの前に配置されたカメラの方がゴルファの後方に配置されたカメラより多いことが確認できる。この発明のこの実施例において、個々のカメラ408の位置の指標としてy座標系に焦点を当てることができる。ここで先の個数に基づいて、カメラ408−1から408−9がすべてy−軸に沿って負の値を有し、これが、それらがゴルファの前方に位置することを指し示すことが理解できる。言うまでもないが、ゴルファが左利きならば、座標系位置のy−軸においてより多くのカメラが正の値を有することになる。
複数のカメラ408の各々の位置を示すのに加えて、添付図面の図4は、フィッティング操作を、個別のカメラ408の各々の正確な位置を再現すること無しに、容易に変更できるようにする移動可能カメラベイ410に、カメラが実装されていることも示す。この発明の現行の事例的な実施例において示すように、移動可能カメラベイ410は、複数のキャスタ412に配置され、カメラ408の全体構造がさらに容易に移動できるようにして良く、これはこの発明の範囲および内容に逸脱するものではない。移動可能カメラベイ410が複数のキャスタ412上に配置されるのは好ましい実施例であるけれども、複数のカメラ408は任意の固定装置、壁、三脚、その他の装置上に永久的に実装されて、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、同様の目的を実現してよい。
添付図面の図5はこの発明の事例的な実施例に従うゴルフクラブ502の斜視図である。より具体的には、図5によれば、シャフト504と複数のマーカ506との間の関係がより明瞭に示される。第1に、図5によれば、複数のマーカ506と他の各々との間の距離が、ゴルフクラブ504の、クラブヘッド515を含む終端に、近づくほど小さくなることがわかる。クラブヘッド515の近くにマーカ506を集めることにより、ゴルフクラブ502のクラブヘッド505の部分の近くのデータ解像度を良好にすることができ、これはゴルフクラブシャフト504が先端ほど能動的であるからである。
先の説明に加えて、添付図面の図5は、複数のマーカ506が3つの集団に組織化されることも示す。3つの集団における複数のマーカ506の具体的なグループ化は重要であり、なぜならば、これに限定されないが、種々のマーカ506の他のマーカに対するx−軸方向の動き、y−軸方向の動き、z−軸方向の動き、回転動作を含む、取得する必要があるすべての変数を適切に決定するのを、これが可能にするからである。複数のマーカ506が3つのグループに設けられなければならないという上述の要請にもかかわらず、図5から、いくつかのマーカが異なるグループのより共有され必要なデータを取得するのに要する情報を満たすことがわかる。
図6は図5に示されるシャフト502の部分Aの拡大図であり、これが、先の説明に従うマーカ505の集団化をさらに説明する。複数のマーカ606はグルーピングを容易に参照するために個々に特定される。ここでは、1つのグループがマーカ606−1、606−2、および606−3からなって3つのマーカの必須グループを完成させて良い。形成することができる他のグループは606−2、606−3、および606−4を有して良く、これが3つのマーカの他のグループを示す。マーカ606−4は、606−4、606−5、および606−6を有する3つのマーカの他のグループを完成させるために使用されても良く、これは、隔離されたマーカ、例えば606−1および606−4が、必須の3個のマーカ606からなる異なるグループを完成させるために複数の回数使用することができることを意味する。
ここで、フィッティングを行うために必要とされる要素について説明したので、添付図面の図7はこの発明に従うフィッティングシステムで行われるステップを説明するフローチャートを示す。この発明の1つの事例的な実施例において、この発明はステップ722で始まり、ここで、複数のマーカをゴルフクラブ上に選択的に位置づける。これに続いて、ステップ724において、複数のカメラをゴルファの回りに選択的に位置づけ、ここで、複数のカメラは複数のマーカに対して反応するようになっている。マーカおよびカメラが一旦設置されると、ステップ726において、ゴルファがゴルフスイングをするときに、複数のカメラが、複数のマーカの複数の位置データを取得するようになす。この発明の現行の事例的な実施例においては、ステップ726において取得された複数の位置データは一般的には原点101(図1参照)を基準にしたデカルト座標で表されて良いけれども、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、多くの他の座標系を使用して良いことに留意されたい。
一旦、複数の位置データが取得されると、この発明のステップ728が複数の位置データに基づいてゴルフクラブの1または複数の動的挙動特徴を計算する。この複数の挙動特徴は、一般的には、ゴルフクラブの全体的な性能に影響する、ゴルフクラブの所定の挙動を指して良い。より具体的には、複数の挙動特徴は、いくつか列挙すれば、テイクアウェイ最大リード、テイクアウェイ最大ラグ、テイクアウェイリード時間、テイクアウェイラグ時間、テイクアウェイリード/ラグリカバリ点、ダウンスイング最大リード、ダウンスイング最大ラグ、ダウンスイングリード時間、ダウンスイングラグ時間、ダウンスイングリード/ラグリカバリ点、テイクアウェイ最大ドループ、テイクアウェイ最大ドリフト、テイクアウェイドループ時間、テイクアウェイドリフト時間、テイクアウェイドループ/ドリフトリカバリ点、ダウンスイング最大ドループ、ダウンスイング最大ドリフト、ダウンスイングドループ時間、ダウンスイングドリフト時間、ダウンスイングドループ/ドリフトリカバリ点、キック速度、キック加速度、テイクアウェイ最大正トルク、テイクアウェイ最大負トルク、ダウンスイング最大正トルク、ダウンスイング最大負トルクのような特徴を含む。しかしながら、この発明は、上述して挙動特徴に限定されるべきではなく、複数の位置データから抽出可能な任意の他の数の挙動特徴を、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、採用しても良い。
ステップ728において複数の挙動特徴が、一旦、計算されると、ステップ730はこれら複数の挙動特徴を用いて1または複数の好ましい静的シャフト特徴を決定する。この発明のこの事例的な実施例において呼称されるように、好ましい静的シャフト特徴は、一般的には、シャフト長、シャフト重量、シャフト周波数、シャフトトルク、シャフトフレックス、およびシャフトEIプロフィールのような特徴を有する。しかしながら、この発明は上述の静的シャフト特徴に制約されるべきではなく、任意の他の数の静的シャフト特徴を、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、採用しても良い。
先に決定された好ましい静的シャフト特徴は、ステップ732において、ゴルファに対する推奨シャフトを選択するのに使用でき、ここで、推奨シャフトは1または複数の静的シャフト特徴と最も似ている1または複数の静的シャフト特徴を有する。ステップ732における推奨シャフトの選択は、一般的には、業界において利用可能な無数のシャフトから選択を行うという複雑な過程を伴うかもしれない。しかしながら、ステップ730において、好ましい静的シャフト特徴がすでに決定されているので、シャフトの現行の選択は、好ましいシャフト特徴の任意のものに焦点を当てて、これらすでに決定されている特徴に合致するシャフトを見いだすという単純な手順プロセスであってよい。
先のプロセスは複雑に見えるけれども、ステップ728、ステップ730、およびステップ732のような複雑なステップのほとんどは、コンピュータプロセッサによりすべて完了することができる。この発明のフィッティング方法は、ゴルファがトライ・アンド・エラーのシステムで複数のシャフトを振って最適なパフォーマンスをなすシャフトを決定しなければならない現在の古くさいフィッティング方法に較べると、単純化されたものである。
添付図面の図8aはこの発明の代替的な実施例に従う代替的な方法を示す。図8aに示す代替的な方法は図7において説明した方法と極めて類似した態様で開始される。実際、ステップ822、824、および826はステップ722、724、および726と同一である。しかしながら、ステップ826において複数の位置データが取得された後には、この発明のこの代替的な実施例はステップ829においてコンピュータプロセッサを使用して複数の位置データに基づいてデジタルスイングモデルを形成する。この発明のこの事例的な実施例に従う、ステップ829における、このデジタルスイングモデルの形成処理は、一般的には、有限要素法を用いてデジタルスイングモデルを発生させることを含んで良い。この発明の1つの事例的な実施例において、このデジタルスイングモデルは、ステップ829において収集された複数の位置データと組み合わせて基礎ゴルフスイングモデルを利用してよく、これにより、ゴルファのゴルフスイングと最も似ているスイングモデルをもたらす。
ステップ829において、一旦、デジタルスイングモデルが形成されると、ステップ831が、複数の異なるシャフトに関連する1または複数の静的シャフト特徴に基づいて複数のデジタルシャフトモデルを形成する。このステップの間、コンピュータプロセッサがもう一度使用されて異なるシャフトの既知の静的機械的シャフト特徴に基づいてデジタルシャフトモデルを形成する。この発明の現行の実施例において呼ばれるように、既知の静的機械的シャフト特徴は、一般的にはシャフト長、シャフト重量、シャフト周波数、シャフトトルク、シャフトフレックス、およびシャフトEIプロファイルのような特徴を有して良い。しかしながら、この発明は上述の静的シャフト特徴に制約されるべきではなく、シャフトの性能を決定するために使用可能な任意の他の数の静的シャフト特徴を、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、採用しても良い。
デジタルスイングモデルおよび複数のデジタルシャフトモデルが、一旦、ステップ829および831においてそれぞれ形成されると、ステップ839がこれら2つのデジタルモデルを組み合わせて複数の修正されたデジタルゴルフスイングを形成する。複数の修正されたデジタルゴルフスイングは具体的なゴルファのデジタルスイングモデルを複数のデジタルシャフトモデルとともに組み入れており、これによって、コンピュータプロセッサは、具体的なゴルファが異なるシャフトで異なる静的シャフト特性を伴ってゴルフボールを打撃するシナリオをシミュレーションすることができる。ステップ833において形成された複数のシナリオを、つぎに、ステップ835において使用して、これらシナリオの各々のパフォーマンス結果を決定できる。より具体的には、この発明の現行の事例的な実施例のステップ835が複数の修正されたデジタルゴルフスイングの各々に対して複数のパフォーマンス結果を決定する。
この発明のステップ835において記述されるようなこれらパフォーマンス結果の決定は、一般的には、複数のカメラを使用して衝突時のゴルフクラブおよびゴルフボールのパフォーマンスにフォーカスして良い。しかしながら、伝統的な打ち出しモニタを含む多数の他の方法を、それがパフォーマンス結果を取得できるものである限り、この発明の範囲および内容を逸脱しない範囲で、使用して良い。パフォーマンス結果は、この発明のこの現行の実施例において説明されるように、一般的には、以下の具体的な測定の1つまたは複数を含み、これらはクラブヘッド速度、ボール速度、打ち出し角度、落下角度、スピンレート、アタック角、クラブ経路、キャリー距離、総合距離、および、ばらつきである。パフォーマンス結果のこのリストは余すところのないリストではなく、多くの他の測定量を収集して、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、パフォーマンス結果を提供できる。
この発明の現行の事例的な実施例の最後のステップ837において、当該具体的なゴルファ用に推奨されるシャフトが複数のシャフトから選択できる。推奨シャフトの選択は一般的にはステップ835で収集された複数のパフォーマンス結果に基づいて良く、ここで、コンピュータプロセッサは容易にパフォーマンス結果を比較し対照して推奨シャフトを決定できる。この発明の代替的な実施例において、最後のステップ837は、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、1より多くの推奨シャフトを提示できる。
図8bはこの発明の他の代替的な実施例に従う代替的な方法を示す。より具体的には、この発明のこの代替的な実施例は、ゴルフクラブヘッドに位置づけられた1または複数のセンサを利用してスイング力プロフィールを形成する。これは、パフォーマンスデータを収集するために1のセンサを使用することに追加される。より具体的には、この代替的な方法は、ゴルファにより発生させられた力プロフィールを、パフォーマンス結果を予測するための類似な力のシミュレーションが行われて測定されたシャフトプロフィールとともに使用する。この代替的な実施例は、ゴルファがシャフトに印加する力を模倣するステップ830において静的シャフトテストを実行し、もって、モデルが、具体的なゴルファの力が各個別のシャフトに印加されたときにどのようにゴルフクラブヘッドがボールに対して放出されるかを予測することができるようにする点で、先の実施例と異なる。
ステップ828の前において、1または複数のセンサのうちのいくつかをゴルフクラブヘッドに配置してスイング力プロフィールを発生させるのに必要なデータを収集して良い。添付図面の図8cは、この発明の事例的な実施例に従う、1または複数のセンサ890を含むゴルフクラブの斜視図を示す。ここで、これらセンサ890がゴルフクラブのグリップエンドの近くでシャフトに配置されて良く、また、ゴルフクラブの先端の近くでシャフトの配置されて良く、さらには、クラブヘッド815自体に配置されて良く、これらは発明の範囲および内容から逸脱しない。実際、この発明は上述の3つの位置のいずれかに1または複数のセンサを含んでよく、こらは単独でも、組み合わせであっても良く、この点は発明の反値および内容から逸脱しない。
ここで図8bに戻ると、ステップ828において、ゴルファのスイング力プロフィールが、その前に取得された線形な、または回転速度のデータに基づいて決定される。ステップ828は、ステップ829と異なり、異なる点は、現行の実施例が、ゴルファのスイングのデジタルスイングモデルをコンピュータプロセッサを通じて形成しようと試みるのに代えて、ゴルファにより加えられた力をステップ826で収集した位置データに基づいて計算するという点である。ゴルファによりゴルフクラブのグリップエンドに加えられる力はスイング力プロフィールを形成し、これはゴルファにより加えられる遠心力と偏位との組み合わせを含む。ゴルファにより加えられる、遠心力および偏位力の力プロフィールを図説するために、図8dが提供される。
添付図面の図8dは、ゴルファによって、ダウンスイングからフォロースルーに渡って、ゴルフクラブヘッド815の重心801に印加される力のプロフィールのグラフ表示を示し、各単一データ点803は力の方向および大きさを示す。より具体的には、図8dは中心軸に対する力の方向と力の大きさを示す。ゴルファのダウンスイングはデータ点804で始まり、ここでは、ゴルファは、一方の方向に約30度で他方の方向に約−5.0度である、方向に、9ポンドの力を印可する。インパクト点はデータ点805により特定され、ここでは、ゴルファは、一方の方向に約−8度で他方の方向に約4度である、方向に、79ポンドの力を印可する。最後に、データポイント806により示されるスイングの終了において、ゴルファは、一方の方向に約1度で他方の方向に約8度である、方向に、40ポンドの力を印可する。
ステップ828において、ゴルファのインプット力が計算されて決定されると、連続シャフト応答モデルを形成する静的シャフトテストを通じて1または複数のシャフトに関連する複数のシャフトプロフィールを決定するために個別の付加的なステップ830が必要になる。ステップ830において利用される静的シャフトテストを説明するために、添付図面において図16a〜図16cおよび図17a〜図17dが提供され、これらは静的シャフトテスト装置のより多くの特徴を示す。
図16aはこの発明の事例的な実施例に従う静的シャフトテスト装置1650の斜視図を示す。より具体的には、シャフトテスト装置1650は、ベース1652、カンチレバービーム1654、および角度調整装置1656を含み、角度調整装置1656は、カンチレバービーム1654に結合されてヒンジ1658の回りでカンチレバービーム1654を傾斜させる。角度調整装置1656は、この発明の当該現行の事例的な実施例において参照されるように、一般的にはアクチュエータでよいけれども、電気モータ、油圧ポンプ、水圧ポンプ、またはピエゾ電気モータのような種々の装置を、カンチレバービーム1654の角度を調整できる限り、この発明の範囲および内容から逸脱することなく利用して良い。カンチレバービーム1654はクランプ1659を含み、このクランプ1659は、ゴルファがゴルフスイング中にゴルフクラブシャフト1604に印加する力のプロフィールの1つの実現可能な例をシミュレーションするためにシャフト1604の先端に質量1663を受けるときに、ゴルフクラブシャフト1604の全体を固着するためにシャフト1604のグリップエンドのまわりを把持する。この事例的な実施例においては、質量1663は、平衡ウエイトフック1662を通じてシャフト1604に取り付けられ、ゴルフスイングの間にシャフトが受ける力の軸成分をシミュレーションする。平衡ウエイトフック1662は一般的には複数の拡張部を有し良く、これによってセンサ1606がシャフト1604の先端に取り付けることができるようになっている。これらセンサによって、シャフト1604が種々力を受けるときにシャフト1604の反応をモーション取得カメラで記録できる。
図16bは、Θが約90度の直立位置の静的シャフトテスト装置1650の正面図を提供する。この具体的な設定では、シャフトテスト装置1650を用いて軸方向に現れるタイプのシャフトに印可される力をシミュレーションできる。平衡ウエイトフック1662に加えられるウエイト1663の量は、一般的には、ゴルファのゴルフスイングを模倣する。当該事例的な実施例において、20ポンドから、40ポンド、60ポンド、80ポンド、および100ポンドの範囲のウエイト1663の5つの異なる組が平衡ウエイトフック1662に取り付けられて、ゴルファにより発生させられる異なる力を再現する。図16cは、種々の角度でシャフトが受ける種々の力をシミュレーションするために徐々に増大させられる傾斜角度Θの静的シャフトテスト装置の正面図を提供する。より具体的には、20ポンドから、40ポンド、60ポンド、80ポンド、および100ポンドの範囲の種々の量のウエイト1663が、87°、84°、81°、78°、および75°の種々の傾斜角Θでテストされて、ゴルフスイング中にシャフトが受ける力の全体的な増分的な範囲をシミュレーションする。これら静的テストの各々の1つの間で、平衡ウエイトフック1662の端のマーカ1606の配置および位置が記録され、インプット力とシャフト1604の応答との間の関係が確立される。
図17aはこの発明の事例的な実施例に従う静的シャフトテスト装置1750の斜視図を示す。この静的シャフトテスト装置1750は、図16aに示される静的テスト装置1650と類似な部品を用いるけれども、平衡ウエイトフック1662に代えてCG複製フック1761を組み入れている。CG複製フック1761はゴルフクラブヘッドのCG位置を模倣するものであり、これによって、ウエイトを、シャフトに、ゴルフクラブヘッドのCGのまさにその位置で加えることができる。CG複製フック1761によって、静的シャフトテスト装置1750は、ゴルフスイングの間、ゴルフクラブヘッドのCG位置を基準にしてシャフトが受ける力を複製できる。
CG複製フック1761をより詳細に図説するために、図17bが提供され、これは、この発明の事例的な実施例に従うCG複製フック1761の斜視図である。CG複製フック1761は一般的には軽量金属材料から構築されて良く、シャフト1704の先端と連結するコネクタ1764を具備する。コネクタ1764の反対側端部に、拡張脚部1765が提供され、これにより、吊り下げループ1766がゴルフクラブヘッドの具体的なモデルの実際のCG位置に合致する位置に存在するようにできる。すべての潜在的なゴルフクラブヘッドは若干異なるCG位置を具備し、このため、種々のクラブヘッドと組み合わせて種々のシャフトがどのように反応するかについての正確なデータベースを実現するために複数のCG複製フック1761が形成されて良いことに留意されたい。
図17cおよび図17dは、図16bおよび図16bで実行されたテストの斜視図であり、ここでは、CG複製フック1761を代わりに用いている。より具体的には、20ポンドから、40ポンド、60ポンド、80ポンド、および100ポンドの範囲の種々の量のウエイト1763が、87°、84°、81°、78°、および75°の種々の傾斜角Θでテストされて、ゴルフスイング中にシャフトが受ける力の全体的な増分的な範囲をシミュレーションする。ただし、この具体的なテストにおいては、CG複製フック1761は、平衡ウエイトフック1662により先に測定された軸成分に加えて、ゴルフスイング中にシャフトが受ける力のトルク成分およびCGオフセット成分もシミュレーションすることに留意されたい。
図8bに戻り、ステップ832において必要な単一テストの各々、および、すべてについて静的シャフトテストが行われると、シャフトプロフィールのデータベースが形成され、ここでは、これらシャフトプロフィールはインプット力に対する各シャフトの応答を示す。つぎに、ステップ834においてデータベースがゴルファのスイング力プロフィールと組み合わされて複数のシャフト応答を形成できる。ステップ834から理解できるように、複数のシャフト応答は、ステップ832において静的シャフトテストを通じてシミュレーションした力に対する応答なので、ゴルファのスイングプロフィールから収集した力と、単一シャフトの各々およびすべての応答との組み合わせである。ゴルファのインプット力プロフィールとこのインプットに対するシャフトの応答との組み合わせは図8eにおいてより詳細に理解できる。図8eは、図8dと顕著に似ているけれども、シャフトの先端の力に関して究極シャフト応答を表す付加的なデータを加えている。より具体的には、このシャフト応答は「x」のシンボルで表されるデータ点813により表示され、ダウンスイングの開始がデータ点814であり、インパクトがデータ点815で起こり、スイングがデータ点816で終了する。このシャフト応答は一般的にいくつかの要素を有し、これに限定されないけれども、シャフト端外側角、シャフト端下側角、トルク角、および偏位の量を含む。
図8eにおけるシャフト応答およびデータポイントに由来する力を伴って、複数のパフォーマンス結果がステップ836において計算できる。ステップ836において複数のパフォーマンス結果が計算されると、ステップ838において、1または複数の最適なシャフトが複数の異なるシャフトから選択される。1または複数の最適なシャフトは、打ち出し角度、落下角度、スピンレート、アタック角、クラブパス、キャリー距離、総合距離、および分散距離のようなパフォーマンス結果に基づいて決定できる。
添付図面の図9は、ゴルフクラブの基端部分およびゴルフクラブの先端部分の間の角度差により測定したリード/ラグのグラフ表示を示す。より具体的には、添付図面の図9は、具体的なゴルファの1回の具体的なスイングに向けられており、その後の図画示すように、異なるゴルファは完全に異なるゴルフスイングプリントを伴い、これらは、異なるゴルファに対して異なるシャフトが必要であることに至る。図9に示されるリード/ラグのプロット940は、多数の要素を含んで良く、これら多数の要素は先に検討した動的挙動特性のいくつかに対応して良い。換言すれば、複数の位置データに基づいて計算された動的挙動特徴は、少なくとも部分的には、図9に示されるリード/ラグのプロット940から、しばしば、外挿することができることも指摘すべきである。このリード/ラグのプロット940の種々の要素に分解する前に、つぎのように説明することは重要である。すなわち、現行のリード/ラグのプロット940におけるx−軸は一般的にはゴルファのスイング時間を指し示して良く、これは図の左端の衝突957から後方向へカウントし、他方、この現行のリード/ラグのプロット940のy−軸は、一般的には、リード/ラグ方向における、ゴルフクラブの先端の複数のセンサとゴルフクラブの基端の間の変化の角度を指し示して良い。
リード/ラグのプロット940の実質的な中身に見ると、このプロットが、当該ゴルファ(プレーヤ#1)のゴルフスイングの全体を通じたゴルフクラブにおけるリードおよびラグの変化を追跡することがわかる。このグラフの正のy−軸部分のいずれもゴルフクラブの先端がゴルフクラブの基端より先んじていることを表現し、代替的には、このグラフの負のy−軸部分のいずれもゴルフクラブの先端がゴルフクラブの基端より遅れていることを表現する。当初、プレーヤ#1はスイングの開始点941においてスイングを開始し、これがテイクアウェイリード期間942を開始し、この期間では、ゴルフクラブの先端がゴルファの手に続いて、リードを形成する。テイクアウェイリード期間942に続くものは一般的にはテイクアウェイラグ期間944であり、この期間でシャフトがバックスイングの運動量から元に戻り、ダウンスイングラグ期間948に入る前のわずかな期間だけ遷移リード期間946へと振れる。ゴルフスイングの衝突959に近いゴルフスイングの末尾には、ダウンスイングリード期間の最後のフェーズ950があり、この期間で、シャフトは、ダウンスイング中に蓄積されたラグからスナップ動作およびキック動作を行い付加的な速度を衝突時にゴルフボールに与える。
具体的なゴルフスイングに関してより多くの情報をもたらす、いくつかの付加的な重要な動的挙動特徴を対象期間のすべてに関して混合する。例えば、テイクアウェイリード期間942はテイクアウェイ最大リード943を含んで良く、スイングの開始941で始まり、テイクアウェイリカバリ点945で終了する。テイクアウェイリカバリ点945は、図9に示すように、一般的には、プレーヤ#1がゴルフスイングを遅くし始め、ゴルフクラブの選択がゴルフクラブの基端に追いつくことができるようにするスイングの位置を指して良い。これと同様に、テイクアウェイラグ期間944はテイクアウェイ最大ラグ947を含み、ダウンスイングリカバリ点949で終了する。遷移リード期間946はリードピークを伴うけれども、比較的小さく、この具体的な図ではとくに目立っていない。遷移リードゾーン946内のどこかで。ゴルファはダウンスイングを開始し、ダウンスイング中立点951に入り、ダウンスイングラグ期間948を開始し、これがダウンスイング最大ラブ953を含む。最後に、ゴルフスイングの最終段階へ進み、ダウンスイングリカバリ点955を介して、ゴルフクラブはダウンスイングリード期間957に移り、ダウンスイング最大リード957で終わる。ここで、ゴルフクラブが経験するリードの最大量は衝突点957にあり、これは、衝突時にゴルファに付加的なクラブヘッド速度を与える、ゴルフクラブのウィップおよびスナップを表す。
言うまでもないけれども、図9に示される、プレーヤ#1のスイングマップは1人の具体的なゴルファの1回の具体的なスイングを示すのみである。異なるゴルファは異なるスイングプリントをもたらして良く、これは図9に示されるものと顕著に異なるであろう。しかしながら、個々のゴルファのスイングプリントのすべての固有の特徴にもかかわらず、上述の基準の動的挙動特徴の多くは図10に示される異なるスイングにおいてもすべて見いだすことができる。より具体的には、添付図面の図10は、複数の異なるゴルファの異なるスイングプリントを示すためのこれらゴルファのリード/ラグのプロット1040のグラフ表示であり、これらはすべて上述して顕著な識別可能な動的特徴を伴う。リード/ラグのプロット1040は、図9に示したプレーヤ#1のスイングプリントをプレーヤ#2、プレーヤ#3、およびプレーヤ#4のものとともに含む。これらは4人の異なるPGAツアーレベルのプレーヤであり、これらのプレーヤのスイングプリントが劇的に異なることは、スキルレベルにかかわらず、ゴルファのスイングプリントにおける固有の特徴は、各ゴルファのゴルフスイングのパフォーマンスを最大化させるように個別に作用するゴルフクラブを必要とすることを示すものである。
添付図面の図11は、ゴルフクラブの基端部分およびゴルフクラブの先端部分の間のドループ/ドリフト角のグラフ表示を示す。図9に示したリード/ラグのプロット940と同様に、図11は、ゴルファのための推奨シャフトを決定するために使用される1または複数の動的挙動特徴に対応する顕著な量のデータを含む。現行のドループ/ドリフトのプロット1160におけるx−軸も、ゴルファのスイングのタイミングを指し、これは図の左端の衝突1173から後方向へカウントし、他方、y−軸は、ドループ/ドリフト方向における、ゴルフクラブの先端の複数のセンサとゴルフクラブの基端の間の変化の角度を指す。図11の正のy値はドループを示し、ここでは、クラブの先端がクラブの基端よりしたに落ち、図11の負のy値はドリフトを示し、クラブの先端がクラブの基端より高く上がっている。
添付図面の図11に示されるドループ/ドリフトのプロット1160は図9に示したプレーヤ#1の厳格に同一のスイングのドループおよびドリフトの傾向を示す。ドループ・ドリフトのプロット1160は、テイクアウェイドループ期間1162を有して良く、この期間でゴルフクラブの先端がゴルフクラブの基端に対してドループする。テイクアウェイドリフト期間1164が直ちにテイクアウェイドループ期間1162に続く。ダウンスイングドリフト期間1166がテイクアウェイドリフト期間1164に続き、スイングの遷移点においてこの区別が起こる。最後に、スイングはダウンスイングドループ期間1168で終了し、この期間で、クラブは衝突点1173で終端する。先の場合と同様に、テイクアウェイ最大ドループ1161、テイクアウェイドループリカバリ1163、テイクアウェイ最大ドリフト1165、ダウンスイング最大ドリフト1167、ダウンスイングドリフトリカバリ1169、ダウンスイング最大ドループ1171、および衝突1173を含む付加的な動的挙動特徴がある。
リード/ラグと同様に、図12は、異なるゴルファが、ドループ/ドリフトのプロット1260において、異なるスイングプリントを伴い、劇的に異なる結果をもたらすことを示す。より具体的医は、図12は、異なる、プレーヤ#1、プレーヤ#2、プレーヤ#3、およびプレーヤ#4の間のドループ/ドリフトのスイングプリントにおける差異を図説するために、これらプレーヤのドループ/ドリフトの特徴における差異を示す。
添付図面の図13は、ゴルフクラブの基端とゴルフクラブの先端の間のトルクの変化をグラフ表示する。図9および図10に示すリード・ラグのプロット940およびドループ・ドリフトのプロット1160と同様に、現行のトルクのプロットは、ゴルファに対して推奨されるシャフトを決定するために使用することができる1または複数の動的挙動特徴に対応するデータを含む。現行のトルクのプロット1360のx−軸はゴルファのゴルフスイングの時間感覚を指し、これは図の左端の衝突1391の点から後方にカウントし、他方、y−軸は、ゴルフクラブの先端の複数のセンサとゴルフクラブの基端の複数のセンサの間のねじれの角度を指す。図13の正のy値はシャフトを下に見たときの時計回り方向の正のトルクを示し、これはクラブヘッドを基端に対してオープンに回転させ、他方、図13の負のy値はシャフトを下に見たときの反時計回り方向の負のトルクを示し、これはクラブヘッドを基端に対してクローズに回転させる。
はじめに、データにおける劇的な変化から、トルクデータのプロットは提示されるデータを歪める顕著に多くのノイズを含むことがわかる。このノイズの量は、シャフトの周囲を円形に包みこみ複数のマーカによって包囲される小さな距離に起因すると考えられ、これが小さな振動を増幅する。ノイズ量にかかわらず、図13に示されるトルクのプロット1380は、ゴルフスイングの基礎的な理解およびタイミングを利用して、依然として解釈可能である。トルクのプロット1380はテイクアウェイ負トルク期間1382、テイクアウェイ正トルク期間1384、ダウンスイング負トルク期間1386、およびダウンスイング正トルク期間1388を有して良い。特定された期間の各々は、スイング介し1381、テイクアウェイ最大正トルク1383、テイクアウェイ最大負トルク1385。ダウンスイング最大正トルク1389、ダウンスイング最大負トルク、および衝突1391を含む。
添付図面の図14は異なるプレーヤのトルクのプロット1480を示し、これは図13に特徴付けられるプリントアウトのプレーヤを含む。より具体的には、図14は、プレーヤ#1のプリントアウトを、プレーヤ#2、プレーヤ#3、およびプレーヤ#4との関連で、複写し、個々のゴルファの各々がどれだけ対照的なゴルフスイングを有することを示し、それでいていくつかの動的挙動特徴は特定可能であることを示す。
添付図面の図15は、この発明の代替的な実施例に従うゴルフクラブ1502の斜視図を示し、ここでは、逆反射センサを用いるのに替えて、複数のセンサ1590を用いて、ゴルフクラブ1502の動的挙動特性を取得する。図15に示す逆反射体を複数用いることが好ましいかもしれないけれども、具体的な実施例で必要とされるカメラの数によって、全体システムを有効に複製することが困難になるかもしれない。フィッティングプロセスをより機動的にするために、この実施例は、位置、速度、加速度、および方位を各々取得することができる複数のセンサ1590を使用し、これは、この発明の範囲および内容から逸脱しない。この発明の1つの事例的な実施例において、複数のセンサ1590は一般的には加速度計であって良いけれども、多くの他のタイプのセンサを、それらが、必要な情報を取得できる限り、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、使用できる。加速度計の機能性に関するより多くの情報は米国特許第3,945,646号(Hammond)に見いだすことができ、その内容は参照してここに組み入れる。図5はゴルフクラブシャフト1504の両端に配置されゴルフクラブ1502の全体の挙動を取得する2つのセンサ1590を示すけれども、センサ1590は、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、位置特定データを取得するためにゴルフクラブシャフト1504の種々の異なる位置に配置されて良く、クラブヘッド1515にさえ配置されて良いことに留意されたい。
この発明の代替的な実施例において、複数のセンサをゴルフクラブの選択的に位置づけ、ゴルファがゴルフスイングを行うときに、コンピュータプロセッサを用いて、センサの複数の位置データを取得することによって、ゴルファに対して推奨されるシャフトが決定できる。ゴルファのスイングが行われると、コンピュータプロセッサは取得データに基づいて1または複数の動的挙動特徴を計算し、当該1または複数の動的挙動特徴に基づいて1または複数の好ましい静的シャフト特徴を決定し、もって、好ましい静的シャフト特徴と最も類似する1または複数の静的シャフト特徴を有する推奨シャフトを決定する。
図18は、この発明の他の代替的な実施例に従う、ゴルフクラブヘッド1815の内部キャビティ内にセンサボックス1890を具備するゴルフクラブの一部切欠き斜視図を示す。より具体的には、この発明のこの代替的に実施例において、センサボックス1890は、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、ゴルフクラブヘッド1815の後方底部分の内部に配置されている。図18においては、ゴルフクラブヘッド1815を一部切り欠いて示すことにより、ゴルフクラブヘッド1815内のセンサボックス1890の相対的な位置をより明瞭にできる。この現行の実施例においては、センサボックス1890内のセンサは一般的にはエネルギー源を必要とするので、センサボックス1890はゴルフクラブヘッド1815にバッテリ1891とともに取り付けられていることに留意されたい。
好ましい実施例においては、軽量のセンサボックス1890はゴルフクラブヘッド1815自体の質量特性を変更する程度を最小化するので、センサボックス1890の重量を最小化することが好ましい。この発明の当該現行の事例的な実施例において示されるように、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、センサボックス1890の重量は一般的には約15グラムより小さく、より好ましくは約13グラムより小さく、最も好ましくは約10グラムより小さくて良い。バッテリ1891は、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、一般的には、約5グラムより小さな重量を持ち、より好ましくは約4.5グラムより小さく、最も好ましくは約4.0グラムより小さい重量を有して良い。
添付図面の図19はこの発明の当該代替的な実施例に従うセンサボックス1990内のセンサの斜視図を示す。図19により詳細に示されるセンサボックス1990は一般的にはいつつかの異なる個別のセンサの組み合わせであって良く、異なる電子部品が複数の回路基板1992上に一緒に設けられる。この発明の1つの事例的な実施例において、センサボックス1990はさらに1または複数の加速度計1993、1または複数のジャイロスコープ1994、および、1または複数の磁力計1995を有し、これらはこの発明の範囲および内容から逸脱しない。この発明は、センサに加えて、収集したデータを一時記憶するための1または複数のメモリ蓄積装置1996と、データをコンピュータ(図示しない)に伝送するための1または複数のアンテナ1997とを有しても良い。
この発明の当該実施例において使用する1または複数の加速度計1993は一般的には3軸加速度計であってよく、これはゴルフスイングの全体を通じて、センサボックス1990の加速度を計測できる。しかしながら、複数の単一軸加速度計を代替的な実施例においてこの発明の範囲および内容から逸脱することなく採用して良く、ただし、3つの異なる軸に渡って測定が可能なように3つの平面に渡って戦力的に配置されなくてはならない。3軸加速度計の測定範囲は一般的には約+−6gの力および約+−10gの力の間であってよく、より好ましくは+−7gの力および+−9gの力の間であって良く、最も好ましくは+−8gの力のサンプルレートであって良い。この感度は、遅いスイング速度のゴルファに対してより良好な解像度を実現するけれども、より早いスイング速度に遭遇した場合にはデータ飽和の問題を引き起こすかもしれない。
この発明の当該実施例において使用される1または複数のジャイロスコープ1994は、ゴルフスイングの全体を通じたセンサボックス1990の回転角運動量を測定するために使用される低いレンジの3軸ジャイロスコープであって良い。この具体的な低レンジの3軸ジャイロスコープの計測範囲は、一般的には、約2000°/秒未満、より好ましくは約1800°/秒未満、最も好ましくは約1500°/秒未満であって良い。ジャイロスコープ1994の感度を比較的小さくすることは、ゴルファの回転角運動量がさほど高くない所定の状況で好ましく、これはこれら低レンジの3軸ジャイロスコープ1994は低ノイズに起因してより正確なデータを提供することができるからである。しかしながら、ゴルフスイングの動的な動きが大きい場合には、この発明は、低レンジのジャイロスコープとともに、あるいはこれに替えて、高いデータレンジで付加的なデータを取得するために付加的な項レンジジャイロスコープを含んで良く、これはこの発明の範囲および内容から逸脱することがない。
最後に、1または複数の磁力計をセンサボックス1990内で用いて磁界の大きさおよび方向を計測して、実際のゴルフスイングの全体に渡って、ゴルフクラブヘッドの磁北に対する全体的な方向を決定して較正するのを支援し、さらに、センサボックス1990の方位を決定するのを支援する。
この発明の当該事例的な実施例において示される1または複数のメモリ蓄積装置1996は一般的には加速度計1993、ジャイロスコープ1994、および磁力計1995により取得したデータを収集するために使用されて良い。メモリ蓄積装置1993を具備すると、センサ1990がコンピュータとアンテナ1997を介して定常的には通信を行う必要がなくなるので、このようにすることはこの発明では有益である。そのようなセンサから収集するデータの量が天文学的なものであるとすると、アンテナ1997を定常的に通信を維持してデータを転送することはほぼ困難であろう。1または複数のメモリ蓄積装置1996は一般的にはフラッシュメモリ型の装置であって良いけれども、任意の他のタイプの一時または永久的記憶媒体を、それが取得データを保持できる限り、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、使用して良い。
具体的なセンサの関係をより明朗に示すために、また、個々の加速度計1993、ジャイロスコープ1994、および磁力計1995の各々の機能を特定するのを容易にするために、センサ1990の切欠き図が図20に提供され、これは、センサボックス2090を示し、ここでは、具体的なジャイロスコープがセンサボックス2090内で戦略的な位置に配置される。より具体的には、図20はセンサボックス2090を示し、これが、3つの付加的な単一軸ジャイロスコープ2094−1、2094−2、および2094−3を、3つの異なる軸に沿って配置させ、センサボックス2090の異なる回転角運動量、すなわちロール、ピッチ、およびヨウを取得できるようにしている。3つの単一軸ジャイロスコープ2094−1、2094−2、および2094−3は、低レンジの3軸ジャイロスコープに加えて用いられても良い、低レンジの3軸ジャイロスコープと独立に用いられても良い、これはこの発明の範囲および内容から逸脱しない。
ここで、高レンジの単一軸ジャイロスコープがこの具体的な実施例で機能するときの重要性を、高レート加速度計を用いて必須データを収集しようとする慣用的なアプローチとどのように比較するかを検討することは有益である。先に述べたとおり、ジャイロスコープは単一軸フォーマットでも3軸フォーマットでも提供できるけれども、3軸ジャイロスコープは一般的には約2000°/秒未満の低計測レンジであるかもしれない。2000°/秒の計測レンジは比較的大きな数字にみえるかも知れないけれども、ゴルフスイングの力学はかなり大きな回転角運動量を含み、ゴルフクラブの回転角運動量は簡単に2000°/秒を越えてしまうであろう。単一軸ジャイロスコープ2094−1、2094−2、および2094−3の計測レンジは一般的には約2000°/秒より大きく、より好ましくは約3000°/秒より大きく、最も好ましくは約5000°/秒より大きくてよく、これはこの発明の範囲および内容から逸脱しない。
低レンジの3軸ジャイロスコープに高レンジの単一軸ジャイロスコープを付け加える理由は、ゴルフスイングの間に回転角運動量が低レンジの3軸ジャイロスコープの能力を越えてしまうときに、「飽和」が生じるのを阻止するためである。データの収集するこの文脈においてそのように呼ぶように、「飽和された」データは、回転角運動量が低レンジのジャイロスコープの性能を越えるときに発生する。
この発明は、加速度計の計測性能を越えるデータを収集しなければならないという課題を解決するために、高レンジの加速度計を組み込むという広く行われる慣例のかわりに、高レンジのジャイロスコープを利用するものであることを理解することは重要である。高レンジの加速度計を用いて必須データを取得するという慣用技術の欠点は、計測レンジが高くなるときに、加速度計のサイズが指数関数的に増大するという事実にある。したがって、ゴルフスイングの求心力のために生成されるデータに対して充分に高い計測レンジを実現する加速度計を形成するためには、実際の加速度計の寸法はゴルフクラブヘッド自体の寸法を大幅に越えて島氏、ゴルフクラブ部品としては実際的でないものになる。寸法の制約のために、ゴルフスイングによって生成される極端なレンジのデータを、適切な小さな寸法を維持する加速度計を用いて、取得するための従来の試みは、データ飽和に起因するデータの損失を補償するための付加的な数学的アルゴリズムを必要とするであろう。データの飽和は正確なデータの収集を阻止する。
この発明は、過飽和問題に対処するために起こる問題に対して、高レンジの加速度計に替えて高レンジのジャイロスコープを採用することにより、創造的なアプローチを採る。ジャイロスコープは、回転速度の量を決定して動作するので、計測レンジが増大してもジャイロスコープ自体の寸法を大きくする必要がない。高レンジのジャイロスコープを用いて、データの飽和を阻止し、それでいてゴルフクラブの内部にフィットさせるに充分なコンパクトな寸法を維持することができる。しかしながら、ジャイロスコープにより提供される情報は回転速度だけであるので、加速度計により一般的に取得される線形加速度、線形速度、および線形変位データへと戻すために計算が必要となる。
速度データを取得するためには、角速度の基礎的な理解が必要である。角速度は、最も基本的な形態では、線形速度(V)と角速度(w)と回転半径(r)の関数であり、これは以下の式(1)で把握される。
V=w×r 式(1)
角速度(w)はジャイロスコープから測定され、回転半径(r)は手の下の固定点と評価できる。代替的には、回転半径(r)は積分された低レンジ加速度計のデータの外積として弧の瞬時的な中心を見いだすことにより計算されてもよい。線形速度が既知であれば、線形加速度は時間微分して決定でき、線形変位は線形速度を時間で積分して決定できる。
先に述べたように、センサボックス2090がコンパクトであることはこの発明の重要な特徴であり、高レンジのジャイロスコープ2094−1、2094−2、および2094−3を高レンジの加速度計に替えて組み入れることにより、センサボックス2090を、必須のコンパクトな寸法にすることができる。コンパクトなセンサボックス2090を形成する目的の1つは、ゴルフクラブのCG(重心)およびMOI(慣性モーメント)の特性へのセンサボックスの影響を最小化することである。センサボックス2090の戦略的な配置位置を図説するために図21および図22が提供され、これは、ゴルフクラブヘッドのCGおよびMOIの特性への影響を最小化するセンサボックス2180の理想的な位置および配置を実現する。
添付図面の図21は、この発明の事例的な実施例に従う、ゴルフクラブヘッド2115の、前後方向に沿う断面図を示し、センサボックス2190がクラブヘッド2115に対してどのように配置されるかを見えるようにしている。センサボックス2190はゴルフクラブヘッド2115の後方ソール部分の近くに配置されていることが理解でき、このような位置はセンサボックス2190を付加することによる悪影響を最小化するのに役立つ。より具体的には、センサボックス2190の配置は、一般的には、z−軸方向にフェース2116より少なくとも約55mmより大きく、かつ、約110mmより小さく、より好ましくはz−軸方向にフェース2116より少なくとも約60mmより大きく、かつ、約105mmより小さく、最も好ましくは、z−軸方向にフェース2116より少なくとも約65mmより大きく、かつ、約100mmより小さくて良い。換言すれば、距離d1は一般的には約55mmより大きく、より好ましくは、約60mmより大きく、最も好ましくは、約65mmより大きくて良く、他方、距離d2は一般的には約110mmより小さく、より好ましくは約105mmより小さく、最も好ましくは約100mmより小さくて良く、これはすべてz−軸方向であり、この発明の範囲および内容から逸脱しない。センサボックス2190の配置は一般的にはy−軸方向にフェース中心2116から少なくとも約1.0mmより大きく、かつ約25.0mmより小さく、より好ましくは、y−軸方向にフェース中心2116から少なくとも約1.25mmより大きく、かつ約22.5mmより小さく、最も好ましくはmy−軸方向にフェース中心2116から少なくとも約1.5mmより大きく、かつ約20.0mmより小さくて良い。換言すれば、距離d3は一般的には約1.0mmより大きく、より好ましくは、約1.25mmより大きく、最も好ましくは、約1.50mmより大きくて良く、他方、距離d4は一般的には約25mmより小さく、より好ましくは約22.5mmより小さく、最も好ましくは約20.0mmより小さくて良く、これはすべてy−軸方向であり、この発明の範囲および内容から逸脱しない。
添付図面の図22は、この発明の事例的な実施例に従う、ゴルフクラブヘッド2215の、ヒールからトウ方向に沿う断面図を示し、センサボックス2290がクラブヘッド2215に対してどのように配置されるかを見えるようにしている。全般的にいえば、センサ2290の重量を付加することによる悪影響を最小化するために、センサ2290はx−軸方向において、ゴルフクラブヘッド2215中心近くに配置されることが好ましい。したがって、センサボックスの両端の配置は、一般的には、x−軸方向にフェース2216より約10mm未満だけ離れ、より好ましくはx−軸方向にフェース2216より約9.5mm未満だけ離れ、最も好ましくは、x−軸方向にフェース2216より約9.25mm未満だけ離れていて良い。換言すれば、距離d5およびd6は一般的には約10mmより小さく、より好ましくは、約9.5mmより小さく、最も好ましくは、約9.25mmより小さくて良い。
この発明の代替的な実施例において、複数のセンサをゴルフクラブの選択的に位置づけ、ゴルファがゴルフスイングを行うときに、コンピュータプロセッサを用いて、センサの伏す運位置データを取得することによって、ゴルファに対して推奨されるシャウトが決定できる。ゴルファのスイングが行われると、コンピュータプロセッサは取得データに基づいて1または複数の動的挙動特徴を計算し、当該1または複数の動的挙動特徴に基づいて1または複数の好ましい静的シャフト特徴を決定し、もって、好ましい静的シャフト特徴と最も類似する1または複数の静的シャフト特徴を有する推奨シャフトを決定する。
作業例における他の事柄、または、とくに明言しなくとも、すべての数値範囲、量、値、百分率、例えば材料の量についてのこれら、および明細書中の他のものは、たとえその値、量または範囲に関連して用語「約」が表示されていなくとも、「約」がその前に配置されているように読むことができる。したがって、そうでないと示されていない限り、明細書および特許請求の範囲に表される数のパラメータは近似的であり、これは、この発明により得られることが企図される所望の特性に応じて変化する。最低限でも、もちろん均等論の適用を制約するものではないが、各数のパラメータは記録されている有効数字の数や通常の丸め処理に照らして解釈されるべきである。
この発明の広範な範囲を示す数的範囲およびパラメータは近似的であるけれども、具体例において示された数値は可能な限り正確に記録した。任意の数値は、それでも、それぞれのテスト計測に見いだされる標準偏差に必然的に起因する誤差を含む。さらに、種々のスコープの数値範囲が示される場合には、例示された値を含めた値の任意の組み合わせが利用できると理解されたい。
先の説明はこの発明の事例的な実施例に関するものであり、変更例が以下の特許請求の範囲に説明される発明の趣旨および範囲に逸脱することなく行えることに留意されたい。
以下、ここで説明した技術的特徴について列挙する。
[技術的特徴1]
ゴルファを推奨シャフトにフィッティングさせる方法において、
ゴルフクラブ上に複数のマーカを選択的に位置づけるステップと、
ゴルファがゴルフスイングを実行するときに、上記複数のセンサの少なくとも1つを用いて複数の線形速度および回転速度データを取得するステップと、
上記ゴルファのゴルフスイングのスイング力プロフィールを決定するステップと、
複数のシャフトについて静的シャフトテストに基づいて複数のシャフトプロフィールを決定するステップと、
上記スイング力プロフィールと上記複数のシャフトプロフィールとの組み合わせに基づいて複数のシャフト応答をシミュレーションするステップと、
上記複数のシャフト応答に基づいて、上記複数のシャフトの各々に対する複数のパフォーマンス結果をシミュレーションするステップとを有し、
上記静的シャフトテストは、さらに、
シャフトの先端にウエイトを付加することにより、上記ゴルファにより加えられる力をシミュレーションするステップを有することを特徴とする上記方法。
[技術的特徴2]
上記静的シャフトテストは、さらに
上記シャフトのグリップエンドを固着するステップと、
フックを介して種々の角度で上記シャフトの先端に上記ウエイトを取り付けるステップと、
2または複数の異なる角度で種々の上記ウエイトに対する上記シャフトの偏位を記録するステップとを有する技術的特徴1記載の上記方法。
[技術的特徴3]
上記複数のパフォーマンス結果は、クラブヘッド速度、ボール速度、打ち出し角度、落下角度、スピンレート、アタック角、クラブパス、キャリー距離、総合距離、および分散距離のうちの少なくとも1つを有する技術的特徴2記載の上記方法。
[技術的特徴4]
上記ゴルファの上記力プロフィールは遠心力および偏位力(deflection force)を有する技術的特徴3記載の上記方法。
[技術的特徴5]
上記複数のシャフト応答は、シャフト端外側角度、シャフト端下側角度、トルク角、および偏位の量を有する技術的特徴4記載の上記方法。
[技術的特徴6]
上記複数のセンサは、計測範囲は約2000°/秒より大きい、高レンジのジャイロスコープを有する技術的特徴1記載の上記方法。
[技術的特徴7]
上記高レンジのジャイロスコープの計測範囲は約3000°/秒より大きい技術的特徴6記載の上記方法。
[技術的特徴8]
上記高レンジのジャイロスコープの計測範囲は約5000°/秒より大きい技術的特徴7記載の上記方法。
[技術的特徴9]
上記複数のセンサの線形速度データは上記高レンジのジャイロスコープから収集したデータからつぎの式に基づいて計算され、
V=w×r
ここでVは上記線形速度データ、wは上記ジャイロスコープのデータ、rは回転半径である、
技術的特徴6記載の上記方法。
[技術的特徴10]
上記複数のセンサは、さらに、
加速度計と、
磁力計と、
メモリス蓄積装置と、
アンテナとを有する技術的特徴6記載の上記方法。
[技術的特徴11]
上記複数のセンサはセンサボックス中に位置決めされ、上記センサボックスは、フェース中心から約10mm未満だけx−軸方向にはなれ、上記フェース中心からy−軸方向に約1.0mmおよび約25mmの間に、かつ、上記フェース中心からz−軸方向に約55mmおよび約110mmの間に位置づけられる、技術的特徴6記載の上記方法。
[技術的特徴12]
ゴルファを推奨シャフトにフィッティングさせる方法において、
ゴルフクラブ上に複数のマーカを選択的に位置づけるステップと、
ゴルファがゴルフスイングを実行するときに、上記複数のセンサの少なくとも1つを用いて複数の線形速度および回転速度データを取得するステップと、
上記ゴルファのゴルフスイングのスイング力プロフィールを決定するステップと、
複数のシャフトについて静的シャフトテストに基づいて複数のシャフトプロフィールを決定するステップと、
上記スイング力プロフィールと上記複数のシャフトプロフィールとの組み合わせに基づいて複数のシャフト応答をシミュレーションするステップと、
上記複数のシャフト応答に基づいて、上記複数のシャフトの各々に対する複数のパフォーマンス結果をシミュレーションするステップとを有し、
上記静的シャフトテストは、さらに、
上記シャフトのグリップエンドを固着するステップと、
フックを介して種々の角度で上記シャフトの先端に上記ウエイトを取り付けるステップと、
2またはそれ以上の数の異なる角度で種々の上記ウエイトに対する上記シャフトの偏位を記録するステップとを有することを特徴とする上記方法。
[技術的特徴13]
上記複数のシャフト応答は、シャフト端外側角度、シャフト端下側角度、トルク角、および偏位の量を有する技術的特徴12記載の上記方法。
[技術的特徴14]
上記複数のセンサは、計測範囲は約2000°/秒より大きい、高レンジのジャイロスコープを有する技術的特徴13記載の上記方法。
[技術的特徴15]
上記高レンジのジャイロスコープの計測範囲は約3000°/秒より大きい技術的特徴14記載の上記方法。
[技術的特徴16]
上記高レンジのジャイロスコープの計測範囲は約5000°/秒より大きい技術的特徴15記載の上記方法。
[技術的特徴17]
上記複数のセンサの線形速度データは上記高レンジのジャイロスコープから収集したデータからつぎの式に基づいて計算され、
V=w×r
ここでVは上記線形速度データ、wは上記ジャイロスコープのデータ、rは回転半径である、
技術的特徴14記載の上記方法。
[技術的特徴18]
上記複数のセンサはセンサボックス中に位置決めされ、上記センサボックスは、フェース中心から約10mm未満だけx−軸方向にはなれ、上記フェース中心からy−軸方向に約1.0mmおよび約25mmの間に、かつ、上記フェース中心からz−軸方向に約55mmおよび約110mmの間に位置づけられる、技術的特徴14記載の上記方法。
[技術的特徴19]
ゴルファを推奨シャフトにフィッティングさせる方法において、
ゴルフクラブ上に複数のマーカを選択的に位置づけるステップと、
ゴルファがゴルフスイングを実行するときに、上記複数のセンサの少なくとも1つを用いて複数の線形速度および回転速度データを取得するステップと、
上記ゴルファのゴルフスイングのスイング力プロフィールを決定するステップと、
複数のシャフトについて静的シャフトテストに基づいて複数のシャフトプロフィールを決定するステップと、
上記スイング力プロフィールと上記複数のシャフトプロフィールとの組み合わせに基づいて複数のシャフト応答をシミュレーションするステップと、
上記複数のシャフト応答に基づいて、上記複数のシャフトの各々に対する複数のパフォーマンス結果をシミュレーションするステップとを有し、
上記複数のセンサの線形速度データは上記高レンジのジャイロスコープから収集したデータからつぎの式に基づいて計算され、
V=w×r
ここでVは上記線形速度データ、wは上記ジャイロスコープのデータ、rは回転半径であることを特徴とする上記方法。
[技術的特徴20]
上記複数のシャフトポロフィールを決定するステップは、さらに、
上記シャフトのグリップエンドを固着するステップと、
フックを介して種々の角度で上記シャフトの先端に上記ウエイトを取り付けるステップと、
2または複数の異なる角度で種々の上記ウエイトに対する上記シャフトの偏位を記録するステップとを有する技術的特徴19記載の上記方法。