JP5822112B2 - 混合廃プラスチックからの塩素含有プラスチック除去方法 - Google Patents

混合廃プラスチックからの塩素含有プラスチック除去方法 Download PDF

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Description

本発明は、混合廃プラスチックからの塩素含有プラスチック除去方法に関する。
従来、廃棄プラスチックの再利用法の1つとして、高温で熱分解して燃料油として使用する方法がある。熱分解を行う原料廃プラスチックは、複数種類のプラスチックの混合廃プラスチックである。この混合廃プラスチック中に、ポリ塩化ビニル等の塩素含有プラスチックが含まれていると、高温での熱分解時に塩化水素等が発生するため、装置の腐食や環境破壊等の問題が生じないような対策をとる必要がある。
また、混合廃プラスチックには、その約半分がポリ塩化ビニル等の塩素含有プラスチックで占められるようなものもある。このため、混合廃プラスチックから塩素含有プラスチックを除去した後、再利用する方法が種々提案されている。例えば、特許文献1には、混合廃プラスチックから塩素含有プラスチックを除去する方法および装置として、混合廃プラスチックを所定の大きさに破砕した後、加熱攪拌装置により加熱攪拌することにより、可塑剤を含む塩素含有プラスチックを脆化して微細化し、分離する技術が開示されている。
また、混合廃プラスチックの代表例の1つとして、医療系廃棄物がある。医療系廃棄物には、塩素含有プラスチックとして輸液バック(ポリ塩化ビニル製)や、非塩素含有プラスチックとして注射筒(ポリプロピレン製)などが含まれていることが多い。医療系廃棄物の処理にあたっては、所定の滅菌処理をまず実施する必要がある。
特開2006−123492号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、混合廃プラスチックを粉砕することなくそのまま加熱攪拌した場合、塩素含有プラスチックから高沸点の可塑剤が揮発しにくくなるため、塩素含有プラスチックの脆化が進行し難く、微細化することができない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、混合廃プラスチックを粉砕等の前処理工程を必ずしも行うことなく、塩素含有プラスチックを細粒化して分離することができる混合廃プラスチックからの塩素含有プラスチック分離方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、塩素含有プラスチックと非塩素含有プラスチックとの混合廃プラスチックからの塩素含有プラスチック除去方法であって、前記混合廃プラスチックを反応容器に導入する導入ステップと、前記反応容器内に121℃〜180℃の温度範囲の水蒸気を導入し、前記反応容器内の温度を121℃〜180℃の温度を維持するよう加熱しながら、前記混合廃プラスチックに物理的衝撃を加えて、前記塩素含有プラスチックを細粒化する細粒化ステップと、を含むことを特徴とする。なお、混合廃プラスチックに塩素含有プラスチックと非塩素含有プラスチック以外の材質が含まれている場合も、当然、本発明の範囲に含まれる。
また、本発明の塩素含有プラスチック除去方法は、上記発明において、前記細粒化ステップにおいて前記反応容器内に導入する水蒸気は、常圧の過熱水蒸気であることを特徴とする。
また、本発明の塩素含有プラスチック除去方法は、上記発明において、前記細粒化ステップにおいて前記反応容器内に導入する水蒸気は、高圧の過熱水蒸気であることを特徴とする。
また、本発明の塩素含有プラスチック除去方法は、上記発明において、前記細粒化ステップにおいて前記反応容器内に導入する水蒸気は、高圧の飽和水蒸気であることを特徴とする。
また、本発明の塩素含有プラスチック除去方法は、上記発明において、前記細粒化ステップは、前記反応容器内に前記塩素含有プラスチックに含有される可塑剤の加水分解を促進する加水分解促進剤の存在下で行うことを特徴とする。
また、本発明の塩素含有プラスチック除去方法は、上記発明において、前記細粒化ステップは、前記混合廃プラスチックを攪拌または回転させることにより前記物理的衝撃を加えることを特徴とする。
また、本発明の塩素含有プラスチック除去方法は、上記発明において、前記細粒化ステップは、前記混合廃プラスチックを回転パドルにより攪拌することにより前記物理的衝撃を加えることを特徴とする。
また、本発明の塩素含有プラスチック除去方法は、上記発明において、前記反応容器はロータリーキルンであり、前記細粒化ステップは、前記混合廃プラスチックを前記ロータリーキルン内の粉砕補助物とともに回転させることにより前記物理的衝撃を加えることを特徴とする。
また、本発明の塩素含有プラスチック除去方法は、上記発明において、前記細粒化ステップは、前記反応容器内の温度を140〜180℃に加熱することを特徴とする。
また、本発明の塩素含有プラスチック除去方法は、上記発明において、前記細粒化ステップ後、前記混合廃プラスチックから前記塩素含有プラスチックを分離する分離ステップを含むことを特徴とする。
また、本発明の塩素含有プラスチック除去方法は、上記発明において、前記分離ステップは、篩により分離することを特徴とする。
また、本発明の塩素含有プラスチック除去方法は、上記発明において、前記分離ステップは、風力選別により分離することを特徴とする。
また、本発明の塩素含有プラスチック除去方法は、上記発明において、前記混合廃プラスチックは医療系廃棄物であり、前記導入ステップは、前記混合廃プラスチックを破砕せずに前記反応容器に導入することを特徴とする。
また、本発明の塩素含有プラスチックの処理方法は、混合廃プラスチックの処理方法であって、上記に記載の方法より塩素含有プラスチックを除去した混合廃プラスチックと水蒸気を反応容器に導入し、前記反応容器を180℃〜300℃に加熱して前記混合廃プラスチックを溶融する溶融ステップと、前記反応容器から水蒸気を排出し、前記反応容器を350℃〜450℃に加熱して溶融した前記混合廃プラスチックをガス化するガス化ステップと、ガス化した前記混合廃プラスチックを冷却して液化する液化ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明の混合廃プラスチックからの塩素含有プラスチック除去方法は、塩素含有プラスチックを含む混合廃プラスチックを、水蒸気存在下で、所定温度に加熱しながら物理的衝撃を加えることにより、塩素含有プラスチックに含まれる可塑剤を加水分解して除去し、塩素含有プラスチックを脆化して、効率よく細粒化することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る混合廃プラスチックの処理装置を示す概略図である。 図2は、本発明の実施の形態1の変形例に係る混合廃プラスチックの処理装置を示す概略図である。 図3は、本発明の実施の形態2に係る混合廃プラスチックの処理装置を示す概略図である。 図4は、本発明の実施の形態2の変形例に係る混合廃プラスチックの処理装置を示す概略図である。 図5は、本発明の実施の形態3に係る混合廃プラスチックの処理工程のフローチャートである。 図6は、本発明の実施の形態3に係る混合廃プラスチックの処理装置を示す概略図である。
以下に、本発明の実施の形態に係る混合廃プラスチックからの塩素含有プラスチックの分離方法について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る混合廃プラスチックの処理装置100を示す概略図である。混合廃プラスチックの処理装置100は、混合廃プラスチックを導入して処理を行う反応容器1と、反応容器1を所定温度に加熱する加熱手段であるヒータ2と、反応容器に水蒸気を供給する水蒸気供給手段としてのボイラー3と、反応容器1に導入された混合廃プラスチックを攪拌する複数の回転パドル4と、回転パドル4を駆動する駆動部5と、を備える。
本発明の混合廃プラスチックの処理装置100で処理する混合廃プラスチックは、塩素含有プラスチックと非塩素含有プラスチックの混合物である。塩素含有プラスチックとしては、たとえば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の単一モノマーからなる塩素含有プラスチックに加え、塩化ビニルまたは塩化ビニリデン等の塩素含有モノマーと、塩素を含有しないモノマーとの共重合体を含む。非塩素含有プラスチックは、上記した塩素含有プラスチック以外、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの塩素を含有しないプラスチックおよびこれらの共重合体を意味する。
反応容器1は、導入された混合廃プラスチックを所定温度の水蒸気とともに、加熱混合できる密閉構造をなし、使用する水蒸気の圧力条件によっては耐圧構造であることが望ましい。
ヒータ2は、反応容器1の外周部に設けられ、反応容器1を加熱することにより、導入された混合廃プラスチックを所定温度に加熱する。ヒータ2による混合廃プラスチックの加熱温度は、121℃〜180℃の範囲とすることが好ましい。反応容器1内の温度は、温度センサ7により測定され、反応容器1内の温度に応じてヒータ2のスイッチがオン・オフされる。121℃より加熱温度が低いと、塩素含有プラスチックからの可塑剤の除去および可塑剤の加水分解が進行しにくいため、塩素含有プラスチックが脆化せず、細粒化が困難となる。また、180℃より加熱温度を高くすると、塩素含有プラスチックから脱塩化水素反応が起こる可能性があるため、180℃以下で細粒化を行うことが好ましい。また、反応速度の点より、更に好ましい温度は、140℃〜180℃の範囲である。
水蒸気供給手段としてのボイラー3は、所定温度の水蒸気を反応容器1に供給する。供給する水蒸気は、混合廃プラスチックの加熱温度である121℃〜180℃で高圧(0.2Mpa〜0.5Mpa)の飽和水蒸気を供給するのが好ましいが、前記温度範囲以下の飽和水蒸気を供給し、ヒータ2で所定温度に反応容器1内の温度を上昇させて加熱・攪拌してもよい。
塩素含有プラスチックの可塑剤として一般的に使用されているフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)は、沸点が384℃と高いため揮発しにくく、加熱するだけでは塩素含有プラスチックから遺脱し難い。したがって、混合廃プラスチックを加熱しながら攪拌するだけでは、可塑剤の含有量が多い塩素含有プラスチックを細粒化するのは困難である。本実施の形態1では、飽和水蒸気の存在下で混合廃プラスチックを加熱・攪拌するため、例えばフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)に代表される可塑剤を加水分解して塩素含有プラスチック内から除去できるため、塩素含有プラスチックを簡易に細粒化することができる。
なお、本実施の形態1では、飽和水蒸気を導入するだけで塩素含有プラスチックの細粒化を行うことが可能であるが、可塑剤の加水分解を促進する加水分解促進剤を反応容器1内に導入することにより、さらに効率よく塩素含有プラスチックを細粒化することができる。加水分解促進剤としては、消石灰などのアルカリのほか、各種の溶媒や薬剤が使用できる。
また、前述したように、混合廃プラスチックが医療系廃棄物の場合は、所定の滅菌処理をまず実施する必要がある。本実施の形態1では、121℃〜180℃の範囲のうち、最も低温である121℃の条件で採用して、ボイラー3により121℃の飽和水蒸気を反応容器1に供給し、混合廃プラスチックを、121℃で20分以上加熱・攪拌することにより、実質的に滅菌処理を行うことができる。したがって、処理装置100により医療系廃棄物に含まれる塩素含有プラスチックを細粒化する場合、医療系廃棄物の再利用の際に必須の工程となる、所定の滅菌処理を独立して設ける必要がなくなる。
回転パドル4は、反応容器1内に水平方向に延設される回転軸6に対して垂直に複数個設けられる。回転パドル4は、駆動部5により回転軸6が回転されることにより、回転軸6の周りを回転して、反応容器1内に導入された混合廃プラスチックを攪拌する。本実施の形態1では、回転軸6は水平方向に設置される。回転パドル4が回転軸6の周りを鉛直面内で回転することにより、混合廃プラスチックを攪拌する物理的衝撃を加える。回転パドル4により加えられる物理的衝撃により、飽和水蒸気との接触が増加し、塩素含有プラスチック中に含まれる可塑剤の加水分解による除去が促進する。さらに、可塑剤が遺脱し脆化した塩素含有プラスチックは、回転パドルの回転により加えられる物理的衝撃により細粒化される。なお、反応容器1内に回転軸6を鉛直軸方向に設置し、回転パドル4が回転軸6の周囲を水平面内で回転する構成としてもよい。
反応容器1内で上記の処理を行うことにより、塩素含有プラスチックは可塑剤を遺失して脆化し、細粒化する。一方、非塩素含有プラスチックは可塑剤なしでも柔軟性を有し、物理的衝撃にも強く細粒化しにくい。したがって、処理装置100により混合廃プラスチックを水蒸気存在下で加熱・攪拌処理することにより、主として塩素含有プラスチックのみを細粒化することができる。処理終了後、混合廃プラスチックを処理装置100から取り出し、細粒化した塩素含有プラスチックを混合廃プラスチックから分離することにより、混合廃プラスチックから塩素含有プラスチックを除去することができる。
混合廃プラスチックからの細粒化した塩素含有プラスチックの分離は、所定寸法の網目または孔を有する篩により分離することが好ましい。本実施の形態1では、混合廃プラスチックを粉砕することなく加熱攪拌処理し、加熱攪拌処理で細粒化しない非塩素含有プラスチックは、廃棄処理段階と略同じ形状であり、比較的大きな寸法を有している。したがって、網目等の寸法をそれほど小さくしなくても効率よく細粒化した塩素含有プラスチックを分離することが可能となる。
また、篩によるほか、風力選別により混合廃プラスチックから細粒化した塩素含有プラスチックを分離してもよい。廃棄処理段階と略同一形状の非塩素含有プラスチックと細粒化された塩素含有プラスチックとは、大きさが異なるため、必然的に質量も異なる。したがって、風力選別機により質量の軽い塩素含有プラスチックを分別することにより、質量の比較的大きい非塩素含有プラスチックと分離することも可能である。
本実施の形態1では、飽和水蒸気の存在下、混合廃プラスチックを121℃〜180℃に加熱して、攪拌により物理的衝撃を加えることにより、塩素含有プラスチックから速やかに可塑剤を除去し、塩素含有プラスチックを細粒化することができる。
また、本実施の形態1では、塩素含有プラスチックに含まれる可塑剤を、飽和水蒸気により加水分解して速やかに塩素含有プラスチックから除去することができるため、混合廃プラスチックを粉砕等する前処理工程を設ける必要がない。したがって、粉砕設備を設ける必要がなく、粉砕に要する時間を省くことが可能となる。
さらに、医療系廃棄物から塩素含有プラスチックを除去する場合には、所定条件で加熱攪拌処理することにより、滅菌処理工程を同時に実行できるので、さらに処理に要する時間を短縮することが可能となる。
本実施の形態1の変形例として、反応容器としてロータリーキルンを使用し、混合廃プラスチックを加熱しながらロータリーキルン内の粉砕補助物とともに回転させて塩素含有プラスチックを細粒化する方法が例示される。図2は、本発明の実施の形態1の変形例に係る混合廃プラスチックの処理装置200を示す概略図である。
変形例にかかる処理装置200は、反応容器がロータリーキルン10であり、内部にセラミックボールや、金属片、金属ボール等の粉砕補助物8を内蔵するものが好ましい。駆動部5によりロータリーキルン10を回転することにより、ロータリーキルン10内に導入された混合廃プラスチックは、粉砕補助物8とともに回転され、自重による落下を繰り返す。また、ロータリーキルン10は、実施の形態1の反応容器1と同様にヒータ2により121℃〜180℃の温度に加熱され、ボイラー3から所定温度の飽和水蒸気が供給される。混合廃プラスチックに含まれる塩素含有プラスチックは、飽和水蒸気存在下で加熱され、ロータリーキルン10の回転に伴い粉砕補助物8とともに回転・落下する物理的衝撃が加えられることにより、可塑剤を飽和水蒸気による加水分解で遺失し、脆化して、細粒化する。
反応容器としてロータリーキルン10を使用した変形例にかかる処理装置200においても、混合廃プラスチックに含まれる塩素含有プラスチックを効率よく細粒化でき、処理後の混合廃プラスチックを、篩や風力選別等の分離工程を行うことにより、混合廃プラスチックから細粒化した塩素含有プラスチックを分離することができる。
変形例にかかる処理装置200においても、混合廃プラスチックを粉砕等することなくそのままロータリーキルン10に導入して、加熱・回転して塩素含有プラスチックを細粒化することができるため、処理時間を短縮することができる。また、121℃以上の飽和蒸気圧存在下で所定時間加熱・回転して、医療系廃棄物から塩素含有プラスチックを除去することができるので、医療系廃棄物の再利用に必要とされる滅菌工程を細粒化工程で兼ねることができ、滅菌工程を独立して設ける必要がなくなる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係る混合廃プラスチックの処理装置300を示す概略図である。本発明の実施の形態2に係る処理装置300は、実施の形態1の処理装置100の水蒸気供給手段であるボイラー3を過熱水蒸気供給装置9に換えた以外は、処理装置100と同様の構成を有する。過熱水蒸気供給装置9は、121℃〜180℃の過熱水蒸気を供給できるものであればよく、過熱器を内蔵したボイラーを使用してもよい。使用する過熱水蒸気は、121℃〜180℃の温度範囲であれば常圧(約0.1Mpa)の過熱水蒸気または高圧(0.2Mpa〜0.5Mpa)の過熱水蒸気、常圧と高圧の中間圧の過熱水蒸気のいずれを使用してもよい。温度範囲がより好ましくは140℃〜180℃であることは、実施の形態1と同様である。
実施の形態2にかかる処理装置300は、反応容器1内部に混合廃プラスチックと過熱水蒸気を導入し、ヒータ2により反応容器1を121℃〜180℃に加熱しながら、回転パドル4により混合廃プラスチックを加熱・攪拌する。この処理により、塩素含有プラスチックに含有される可塑剤は加水分解により除去されて、塩素含有プラスチックは脆化する。脆化した塩素含有プラスチックに攪拌等の物理的衝撃を加えることにより、塩素含有プラスチックは細粒化される。
実施の形態2にかかる処理装置300により混合廃プラスチックの加熱・攪拌処理後、実施の形態1と同様に、篩や風力選別機等を用いて混合廃プラスチックから細粒化した塩素含有プラスチックを分離することにより、混合廃プラスチックから塩素含有プラスチックを除去することができる。
本実施の形態2では、過熱水蒸気の存在下、混合廃プラスチックを121℃〜180℃に加熱して、攪拌により物理的衝撃を加えることにより、塩素含有プラスチックから速やかに可塑剤を除去し、塩素含有プラスチックを細粒化することができる。
また、塩素含有プラスチックに含まれる可塑剤を、過熱水蒸気により加水分解して速やかに塩素含有プラスチックから除去することができるため、混合廃プラスチックを粉砕等する前処理工程を設ける必要がない。したがって、粉砕設備を設ける必要がなく、粉砕に要する時間を省くことが可能となる。
さらに、本実施の形態2の変形例として、反応容器としてロータリーキルンを使用し、水蒸気供給手段として過熱水蒸気供給装置を備えた処理装置により、混合廃プラスチックを加熱しながらロータリーキルン内の粉砕補助物とともに回転させて塩素含有プラスチックを細粒化する方法が例示される。図4は、本発明の実施の形態2の変形例に係る混合廃プラスチックの処理装置400を示す概略図である。
変形例にかかる処理装置400は、反応容器として粉砕補助物8を内蔵したロータリーキルン10を備え、過熱水蒸気供給装置9から121℃〜180℃の過熱水蒸気が供給される。処理装置400内の混合廃プラスチックは、過熱水蒸気の存在下で所定温度に加熱され、駆動部5によるロータリーキルン10の回転により、粉砕補助物8とともに回転・落下されることにより、含有する可塑剤を加水分解で遺失し、これにより脆化して、細粒化される。処理装置400による細粒化処理後、篩や風力選別機等を用いて混合廃プラスチックから細粒化した塩素含有プラスチックを除去する。
変形例にかかる処理装置400においても、混合廃プラスチックを粉砕等することなくそのままロータリーキルン10に導入して、加熱・回転処理することにより塩素含有プラスチックを細粒化できるため、処理時間を短縮することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3は、実施の形態1または2で塩素含有プラスチックを除去した混合廃プラスチックを、加熱分解処理して液化(油化)する。図5は、本発明の実施の形態3に係る混合廃プラスチックの処理工程のフローチャートである。図6は、本発明の実施の形態3に係る混合廃プラスチックの処理装置を示す概略図である。
本実施の形態3では、図5に示すように、実施の形態1または2に示した方法で、混合廃プラスチックに、水蒸気存在下で加熱しながら物理的衝撃を加える細粒化ステップを行う(ステップS101)。細粒化ステップにより、混合廃プラスチックに含まれる塩素含有プラスチックが細粒化する。
細粒化ステップ後、処理した混合廃プラスチックから細粒化した塩素含有プラスチックを篩や風力選別機等を用いて分離する分離ステップを行う(ステップS102)。
続いて、塩素含有プラスチックを除去した混合廃プラスチックを、図6に示すような処理装置で加熱溶融する溶融ステップを行う(ステップS103)。
処理装置500は、混合廃プラスチックを導入して処理を行う反応容器としてのロータリーキルン20と、ロータリーキルン20を所定温度に加熱する加熱手段であるヒータ2と、反応容器に水蒸気を供給する水蒸気供給手段としてのボイラー3と、ロータリーキルン20を回転駆動する駆動部5と、を備える。
溶融ステップは、ロータリーキルン20に混合廃プラスチックを導入し、さらにボイラー3により、所定温度の水蒸気をロータリーキルン20内に供給する。そして、駆動部5によりロータリーキルンを回転しながら、ヒータ2によりロータリーキルンを180℃〜300℃に加熱することにより、混合廃プラスチックを溶融する。供給される水蒸気は、混合廃プラスチックの溶融温度である180℃〜300℃の飽和水蒸気を供給するのが好ましいが、前記温度範囲以下の飽和水蒸気を供給してもよい。また、飽和水蒸気に換えて、過熱水蒸気を供給してもよい。
溶融ステップ後、ロータリーキルン20の回転を停止し、水蒸気排出ライン21を介してロータリーキルン20内の水蒸気を排出し、ヒータ2によりロータリーキルン20を350℃〜450℃にさらに加熱して溶融した混合廃プラスチックをガス化するガス化ステップを行う(ステップS104)。
ガス化した混合廃プラスチックは、冷却ライン22を介して冷却装置に導入され、冷却装置で冷却されて液化(油化)する(ステップS105)。
本実施の形態3では、混合廃プラスチックの液化(油化)処理を、水蒸気存在下180℃〜300℃で加熱する溶融ステップと、350℃〜450℃で加熱するガス化ステップの2段階に分けて行うことにより、炭素数が4〜19の炭化水素類を、他の不純物の混入割合を低減しながら、効率よく得ることができる。
また、原料となる混合廃プラスチックとして、実施の形態1または2の方法により塩素含有プラスチックを除去したものを使用することにより、塩化水素等の発生を抑制でき、塩化水素処理に要するコストを低減できる。
(実施例1)
回転パドルを備えた反応容器に、複数個の輸液バッグ(ポリ塩化ビニル製)と注射筒(ポリプロピレン製)とを粉砕することなくそのまま投入し、常圧、過熱水蒸気存在下で反応容器を140℃に加熱しながら、回転パドルを回転させて輸液バッグと注射筒の混合物を60分間加熱・攪拌した。複数の輸液バッグ(ポリ塩化ビニル製)と注射筒(ポリプロピレン製)とを、過熱水蒸気存在下で加熱・攪拌した結果、ポリ塩化ビニル製の輸液バッグのみ径が3mm以下の粉体に細粒化され、ポリプロピレン製の注射筒は投入時の形状のままであった。
(実施例2)
反応容器としてロータリーキルンを使用し、複数個の輸液バッグ(ポリ塩化ビニル製)と注射筒(ポリプロピレン製)とを粉砕することなくそのままロータリーキルン内に投入し、常圧、過熱水蒸気存在下でロータリーキルンを150℃に加熱しながら、ロータリーキルンを回転させて輸液バッグと注射筒の混合物を60分間加熱・攪拌した。輸液バッグ(ポリ塩化ビニル製)と注射筒(ポリプロピレン製)とを、過熱水蒸気存在下で加熱・攪拌した結果、ポリ塩化ビニル製の輸液バッグのみ径が3mmを越える粒状体と3mm以下の粉体とに細粒化され、ポリプロピレン製の注射筒は投入時の形状のままであった。
以上のように、本発明にかかる混合廃プラスチックからの塩素含有プラスチック除去方法は、混合廃プラスチックの再利用法として有用であり、特に、混合医療廃プラスチックの再利用に適している。
1 反応容器
2 ヒータ
3 ボイラー
4 回転パドル
5 駆動部
6 回転軸
7 温度センサ
8 粉砕補助物
10、20 ロータリーキルン
21 水蒸気排出ライン
22 冷却ライン
100、200、300、400 処理装置

Claims (13)

  1. 塩素含有プラスチックと非塩素含有プラスチックとの混合廃プラスチックからの塩素含有プラスチック除去方法であって、
    前記混合廃プラスチックを反応容器に導入する導入ステップと、
    前記反応容器内に121℃〜180℃の水蒸気を導入し、前記反応容器内の温度を121℃〜180℃の温度を維持するよう加熱しながら、前記混合廃プラスチックに物理的衝撃を加えて、前記塩素含有プラスチックを細粒化する細粒化ステップと、
    を含むことを特徴とする混合廃プラスチックからの塩素含有プラスチック除去方法。
  2. 前記細粒化ステップにおいて前記反応容器内に導入する水蒸気は、常圧の過熱水蒸気であることを特徴とする請求項1に記載の混合廃プラスチックからの塩素含有プラスチック除去方法。
  3. 前記細粒化ステップにおいて前記反応容器内に導入する水蒸気は、高圧の過熱水蒸気であることを特徴とする請求項1に記載の混合廃プラスチックからの塩素含有プラスチック除去方法。
  4. 前記細粒化ステップにおいて前記反応容器内に導入する水蒸気は、高圧の飽和水蒸気であることを特徴とする請求項1に記載の混合廃プラスチックからの塩素含有プラスチック除去方法。
  5. 前記細粒化ステップは、前記反応容器内に前記塩素含有プラスチックに含有される可塑剤の加水分解を促進する加水分解促進剤の存在下で行うことを特徴とする請求項1に記載の混合廃プラスチックからの塩素含有プラスチック除去方法。
  6. 前記細粒化ステップは、前記混合廃プラスチックを攪拌または回転させることにより前記物理的衝撃を加えることを特徴とする請求項1に記載の混合廃プラスチックからの塩素含有プラスチック除去方法。
  7. 前記細粒化ステップは、前記混合廃プラスチックを回転パドルにより攪拌することにより前記物理的衝撃を加えることを特徴とする請求項1に記載の混合廃プラスチックからの塩素含有プラスチック除去方法。
  8. 前記反応容器はロータリーキルンであり、前記細粒化ステップは、前記混合廃プラスチックを前記ロータリーキルン内の粉砕補助物とともに回転させることにより前記物理的衝撃を加えることを特徴とする請求項1に記載の混合廃プラスチックからの塩素含有プラスチック除去方法。
  9. 前記細粒化ステップは、前記反応容器内の温度を140〜180℃に加熱することを特徴とする請求項1に記載の混合廃プラスチックからの塩素含有プラスチック除去方法。
  10. 前記細粒化ステップ後、前記混合廃プラスチックから前記塩素含有プラスチックを分離する分離ステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の混合廃プラスチックからの塩素含有プラスチック除去方法。
  11. 前記分離ステップは、篩により分離することを特徴とする請求項10に記載の混合廃プラスチックからの塩素含有プラスチック除去方法。
  12. 前記分離ステップは、風力選別により分離することを特徴とする請求項10に記載の混合廃プラスチックからの塩素含有プラスチック除去方法。
  13. 前記混合廃プラスチックは医療系廃棄物であり、
    前記導入ステップは、前記混合廃プラスチックを破砕せずに前記反応容器に導入することを特徴とする請求項1に記載の混合廃プラスチックからの塩素含有プラスチック除去方法。
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