JP5816591B2 - 透明配線シートの製造方法 - Google Patents
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Description
入力部材としては、例えば、電極が形成された電極シートを一対有し、電極同士が絶縁されているものが用いられている(特許文献1)。電極シートとしては、透明絶縁基材の片面に透明導電層が設けられ、その透明導電層に絶縁パターンが形成されたものが用いられている。透明導電層を構成する導電材料としては錫ドープ酸化インジウムが広く使用されているが、近年では、銀ナノワイヤ等の導電性極細繊維が用いられることもある(特許文献2,3)。
導電性極細繊維が用いられる場合、ガラス板や長尺のポリエステルフィルム等の透明絶縁基材の表面に、スロットダイやマイクログラビアコーター等の塗液に大きな剪断応力がかかる方法等で導電性極細繊維の分散液を塗布し、その上に透明基体を含む塗料を塗布して透明導電層を形成し、その透明導電層に絶縁パターンを形成して電極シートになる領域を含む透明配線シートを作製し、これを打ち抜いて電極シートを得る。
しかし、従来の透明配線シートでは、電極に傷が生じているにもかかわらず、導通不良を検出できないことがあり、傷が生じたものが製品に含まれるおそれがあった。傷が生じた透明配線シートを用いた入力部材では、正しく座標を検出できないことがあった。
そこで、本発明は、導通不良を確実に検出できる透明配線シートおよびその製造方法を提供することを目的とする。また、不良品が使用されず、正しく座標を検出できる入力部材を提供することを目的とする。
[2]引き回し配線エリアの透明導電層に、前記電極の一端に接続された中継用端子部が形成されていることを特徴とする[1]に記載の透明配線シート。
[3]引き回し配線エリアの透明導電層に、前記電極の他端に接続された検査用端子部が形成されていることを特徴とする[2]に記載の透明配線シート。
[4]透明導電層のパターン状に絶縁化された部分は、透明導電層にパターン状にレーザ光が照射されて、透明基体が溶融されることなく導電性極細繊維が蒸発、除去されていることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の透明配線シート。
[5]透明絶縁基材が長尺のフィルムであり、そのフィルムの長手方向が前記方向αであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の透明配線シート。
[7]電極形成工程における透明導電層のパターン状の絶縁化では、透明導電層にパターン状にレーザ光を照射して、透明基体を溶融することなく導電性極細繊維を蒸発、除去することを特徴とする[6]に記載の透明配線シートの製造方法。
[8]前記透明絶縁基材として長尺のフィルムを用い、該フィルムの長手方向を前記方向αとすることを特徴とする[6]または[7]に記載の透明配線シートの製造方法。
本発明の透明配線シートの製造方法によれば、導通不良を確実に検出できる透明配線シートを容易に製造できる。
本発明のタッチパネル用入力部材は、不良品が使用されず、正しく座標を検出できるものである。
本発明の透明配線シートの一実施形態について説明する。
図1〜3に、本実施形態の透明配線シートを示す。本実施形態の第1透明配線シート1および第2透明配線シート2(以下、「第1透明配線シート」および「第2透明配線シート」を単に「透明配線シート」ということがある。)は、透明絶縁基材10と、透明絶縁基材10の一方の面に設けられた透明導電層20とを備え、平面視で中央付近の入力エリアA1と、入力エリアA1よりも外側に配置された引き回し配線エリアA2とに区分されたものである。
なお、後述するように、第1透明配線シート1と第2透明配線シート2とは組み合わされてタッチパネル用の入力部材とされる。
また、本発明において、「透明」とは、JIS K7105に従って測定した光線透過率が50%以上のことを意味する。また、「絶縁」とは、電気抵抗値が1MΩ以上、好ましくは10MΩ以上のことであり、「導電」とは、電気抵抗値が1MΩ未満であることを意味する。
透明絶縁基材10の材質としては、例えば、ガラス、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、アクリル樹脂などが挙げられる。
透明絶縁基材10の厚さは10〜250μmであることが好ましく、25〜188μmであることがより好ましい。透明絶縁基材10の厚さが前記下限値以上であれば、充分な強度・剛性を確保でき、前記上限値以下であれば、タッチパネルを容易に薄型化できる。
透明導電層20は、層状の透明基体Bと、該透明基体Bの内部に2次元ネットワーク状に配置された導電性極細繊維Wとを含有している(図4参照)。
入力エリアA1内の透明導電層20には、第1絶縁ラインL1が形成されて、複数の電極21が設けられている。具体的に、透明導電層20に第1絶縁ラインL1が、方向αに沿って複数の略正方形状の導電部21aがその角で連結した電極形状が得られるように方向αに沿ってジグザグに形成されて、いわゆるダイヤモンドパターンの電極21が設けられている。電極21のアスペクト比は1超であり、5以上であることが好ましく、7以上であることがより好ましい。また、電極21のアスペクト比は400以下であることが好ましい。ここで、アスペクト比は、電極の長さ/電極の平均幅である。アスペクト比が1の電極は投影型静電容量式のタッチパネルへの適用は困難である。
なお、隣接する互いに平行な電極21,21同士は導通していない。また、隣接する電極21,21同士の間には、第2絶縁ラインL2が形成されて、電極21と導通しない微小導電部22が設けられている。入力エリアA1内の、電極21および微小導電部22以外の部分は、電極21および微小導電部22と導通しない孤立導電部23となっている。
第1透明配線シート1の電極21と第2透明配線シート2の電極21とは、組み合わせて入力部材とした際に互いに重ならないように形成されている。
入力エリアA1と引き回し配線エリアA2との境界には、第3絶縁ラインL3が形成されている。
また、引き回し配線エリアA2の透明導電層20には、入力エリアA1から突出し、電極21の他端に電気的に接続された検査用端子部26が複数設けられている。ここで、検査用端子部26は、導電性物質を含むインキやペーストによって形成された低抵抗材料からなる。導電性物質としては特に制限されず、金属、導電性金属酸化物、導電性高分子などの粒子または繊維が挙げられる。検査用端子部26は検査用プローブとの接触抵抗を小さくできるため、検査用端子部26を用いて導通検査を行うことで、検査精度を向上させることができる。
また、引き回し配線エリアA2内の透明導電層20には、互いに隣接する引き回し回路30,30が透明導電層20を介して導通しないように絶縁する第4絶縁ラインL4が、各引き回し回路30の近傍に形成されている。さらに、引き回し配線エリアA2内の透明導電層20には、第5絶縁ラインL5が格子状に形成されている。引き回し配線エリアA2内の透明導電層20に格子状の第5絶縁ラインL5が形成されていると、後述するように透明配線シート1,2を重ねてタッチパネルの入力部材とした際に、互いに隣接する引き回し回路30,30の間のクロストークを抑制できる。
また、導電性極細繊維は、その殆どが透明基体の内部に埋設されているが、一部は透明基体の表面から突出している。
透明基体は、接着性および透明性の点から、透明絶縁基材10と同種の材料とすることが好ましい。例えば、透明絶縁基材がポリエチレンテレフタレートフィルムである場合には、透明基体としてポリエステル樹脂を選択することが好ましい。
透明導電層20には、入力エリアA1および引き回し配線エリアA2を囲う視認可能な外形マーク27が設けられている。また、引き回し配線エリアA2には、第1透明配線シート1と第2透明配線シート2とを重ねる際の位置合わせに用いる、視認可能な第1位置決めマーク28が設けられている。また、透明導電層20には、外形マーク27よりも外側に、引き回し回路30の印刷の際の位置合わせに用いる、視認可能な第2位置決めマーク29が設けられている。
次に、上記透明配線シート1,2の製造方法について説明する。
本実施形態の透明配線シート1,2の製造方法は、透明導電層形成工程と電極形成工程とマーク形成工程と引き回し回路形成工程とを有する。
透明導電層形成工程は、透明絶縁基材10の一方の面側に、導電性極細繊維を含む繊維分散液を一方向αに沿って塗布して導電性極細繊維の2次元ネットワークを形成した後、該2次元ネットワークの上に、透明基体を含む透明基体塗料を塗布することにより透明導電層を形成する工程である。
このときに用いる透明絶縁基材は、長尺のフィルムであってもよいし、枚葉のガラス板やフィルムであってもよいが、長尺のフィルムの場合には本発明の効果がとりわけ発揮されるため、好ましい。
透明絶縁基材として長尺フィルムを用いる場合には、図6に示すように、透明絶縁基材の巻取りロール51から透明絶縁基材10を連続的に繰り出し、塗布装置52を用いて繊維分散液を連続的に塗布し、乾燥機53を用いて乾燥処理して、導電性極細繊維の2次元ネットワークが形成された繊維積層シート54を得る。その後、導電性極細繊維の2次元ネットワークの上に、塗布装置を用いて透明基体塗料を連続的に塗布した後、乾燥機を用いて乾燥処理することで透明導電層を形成して導電シート58を得る。このように繊維分散液を塗布した場合には、透明絶縁基材の長手方向が塗布方向となる。
あるいは、前記繊維積層シートを一旦巻き取り、図6に示すように、改めて、繊維積層シートの巻取りロール55から繊維積層シート54を繰り出し、導電性極細繊維の2次元ネットワークの上に、塗布装置56を用いて透明基体塗料を連続的に塗布した後、乾燥機57を用いて乾燥処理することで透明導電層を形成してもよい。この場合でも、透明絶縁基材の長手方向が塗布方向となる。
なお、透明基体塗料の塗布方向は、透明絶縁基材の短手方向であっても構わない。スクリーン印刷等を適用すれば、透明基体塗料の塗布方向を透明絶縁基材の短手方向にすることは可能である。
乾燥機53,57としては、熱風乾燥機、赤外線乾燥機、真空乾燥機等を適用することができる。
電極形成工程は、透明導電層20に、繊維分散液の塗布方向と平行に複数の電極21を形成する工程である。具体的に、電極形成工程では、透明絶縁基材10の片面に透明導電層20が形成された導電シート58をステージ上に配置した後、透明導電層20に、レーザ光発生手段より出射し、集光手段により集光したレーザ光を集光点が位置するように照射する。レーザ光の照射パターンは、第1絶縁ラインL1、第2絶縁ラインL2、第3絶縁ラインL3、第4絶縁ラインL4および第5絶縁ラインL5が形成されるパターンとする。透明導電層20に第1絶縁ラインL1を形成することによって複数の電極21を形成する。本製造方法では、繊維分散液の塗布方向(すなわち透明絶縁基材10の長手方向)と平行に電極21を形成する。ここでいう「平行」とは、繊維分散液の塗布方向と電極21の長手方向との角度が0°のことだけでなく、前記角度が±30°以内のことである。
また、第2絶縁ラインL2を形成することによって微小導電部22および孤立導電部23を形成する。また、第3絶縁ラインL3を形成することによって入力エリアA1と引き回し配線エリアA2の境界線を形成する。また、第4絶縁ラインL4を形成することによって引き回し回路30,30間を絶縁する。また、第5絶縁ラインL5を形成することによって引き回し配線エリアA2に格子状の絶縁ラインを形成する。
電極形成工程において、目的のパターンでレーザ光を導電シート58に照射するためには、ガルバノミラーを用いてレーザ光を走査する方法、ステージを二次元的にスライドさせる方法などを適用することができる。
なお、電極形成工程で使用される導電シート58は、長尺の導電シートから、切り出された枚葉のものであっても塗布方向αが判別できるように管理されていれば同様の効果を得ることができる。
パルス状レーザにおいては、レーザ光のスポットの位置を、スポット同士が重なるように少しずつ移動させながら、導電性基板に照射することが好ましい。
レーザ光の1パルスあたりの照射エネルギ密度は、レーザ光1パルスあたりの照射エネルギを集光スポット面積で除したものとして定義される。その値は、パルス幅が10f秒〜200n秒の範囲で、レーザ光の波長によらず、1×104〜1×105J/m2となる。
また、連続する絶縁ラインを形成するためには、走査により移動して形成される個々の集光スポットが、互いにオーバーラップする必要があり、特に銀ナノワイヤを含む透明導電層では、銀ナノワイヤのみが確実に除去されて絶縁ラインの視認されにくさと絶縁の安定性を両立できる点では、オーバーラップ回数を1.5〜10回程度にすることが好ましい。また、外形マーク27、第1位置決めマーク28および第2位置決めマーク29など、視認されることを目的とする場合には、オーバーラップ回数を25回以上に設定するか、複数回の走査でオーバーラップ回数を25回以上にすることが好ましい。
透明導電層20は透明であり、ピント(レーザ光の集光点)を合わせにくい。しかし、ステージとして光散乱性で不透明な板を用いる場合には、電極形成工程にて、不透明なステージを基準にしてピントを合わせることで、透明導電層20にピントを合わせてレーザ光を照射することができる。
また、ステージは、導電シートを固定するために、吸引可能になっていることが好ましい。
マーク形成工程では、レーザ光を導電性基板に、外形マーク27、第1位置決めマーク28および第2位置決めマーク29が形成されるパターンで照射する。該工程では、外形マーク27、第1位置決めマーク28および第2位置決めマーク29を視認可能にするために、電極形成工程よりも高いエネルギでレーザ光を照射して透明基体を着色させる。電極形成工程よりも高いエネルギでレーザ光を照射する方法としては、レーザ光の走査速度を遅くする方法、レーザ光を同じ位置に複数回照射する方法、レーザ光の出力を上げる方法、長焦点距離の光学系により集光したレーザ光を照射する方法などが挙げられる。
なお、マーク形成工程は、どのタイミングでおこなってもよく、例えば、電極形成工程の前でも後でもよいし、電極形成工程の間でもよい。
引き回し回路形成工程は、引き回し配線エリアA2に引き回し回路30を形成する工程である。具体的な引き回し回路30の形成方法としては、第4絶縁ラインL4,L4の間に導電性物質を含むインキやペーストを印刷または塗布する方法が挙げられる。印刷・塗布方法の中でも、スクリーン印刷法が好適である。通常、塗布後には、乾燥処理または焼成処理を施して、引き回し回路30を得る。これにより、長尺の透明配線シートを得る。
その後、所定のサイズに打ち抜いて、上記透明配線シート1,2を得る。
通常、透明配線シート1,2は、使用前に、電極21の両端間の電気抵抗を測定する導通検査を行う。繊維分散液の塗布方向に対して電極21を平行に形成した上記透明配線シート1,2において、塗布方向に対して垂直な傷が生じた場合には、電極21が断絶するため、導通検査において絶縁状態となり、導通不良を確実に検出できる。
なお、塗布方向に対して電極を垂直に形成した透明配線シート(すなわち本発明ではない透明配線シート)において、塗布方向に対して垂直な傷が生じた場合には、電極の面積が小さくなって電気抵抗が低下することはあっても導通状態のままであるため、導通不良を検出することが困難である。
次に、上記透明配線シート1,2を用いたタッチパネル用入力部材(以下、「入力部材」という。)について説明する。
図8および図9に示すように、本実施形態の入力部材100は、座標検出用の第1電極111が方向Xに沿って設けられた第1電極シート110と、座標検出用の第2電極121が前記方向Xに対して垂直な方向Yに沿って設けられた第2電極シート120と、表面側に配置された保護材130とを有する。第1電極シート110と第2電極シート120とは絶縁性の透明接着剤140によって接着されて、第1電極111と第2電極121とが互いに絶縁されている。また、第1電極シート110と保護材130とは絶縁性の透明接着剤150によって接着されている。
本実施形態では、第1電極シート110が上記第1透明配線シート1とされ、第2電極シート120が上記第2透明配線シート2とされている。したがって、第1電極111が第1透明配線シート1の電極21であり、第2電極121が上記第2透明配線シート2の電極21である。
保護材130としては、各種透明樹脂フィルム、ガラス板を用いることができる。
タッチパネルの使用者が入力する際には、図10に示すように、保護材130の表面(入力者側の表面)に指Fを接触させる。このとき、指Fと第1電極111との間に容量結合が形成され、指Fと第2電極121との間に、第1電極111を介して容量結合が形成される。
指Fが接触している部分では、第1電極111と第2電極121との間の結合容量が大きくなる。そのため、指Fの近傍の第1電極111または第2電極121から得られる微分パルス波形は大きくなる。この微分パルス波形の変動を検知することにより、X座標およびY座標を求めることができる。
なお、本実施形態は、上記実施形態に限定されない。
例えば、電極の形状は、複数の略正方形状の導電部がそのコーナー部で連結した形状である必要はなく、複数の略円形状の導電部が連結した形状や、単なる矩形状でもよい。
また、低抵抗材料からなる引き回し回路は省略されても構わない。低抵抗材料からなる引き回し回路が省略された場合には、引き回し配線エリアの透明導電層を、引き回し配線が形成されるようにレーザ光によって加工すればよい。
また、本発明の透明配線シートは、引き回し配線エリアの透明導電層に中継用端子部が形成されていなくてもよいし、検査用端子部が形成されていなくてもよい。
また、透明導電層のパターン状に絶縁化された部分は、レーザ光の照射によって導電性極細繊維を蒸発、除去させたものでなくてもよい。例えば、導電性極細繊維を切断して絶縁化したものでもよい。
また、上記実施形態の透明配線シート1,2はそのまま電極シートとして使用できるものであったが、本発明の透明配線シートは、引き回し配線エリアよりも外側に余白エリアを有する長尺の透明配線シートであってもよい。すなわち、上記製造方法における打ち抜き前の長尺の透明配線シートも本発明の透明配線シートに含まれる。
また、本発明の透明配線シートを用いた他の入力部材として、透明絶縁基材と、該透明絶縁基材の両面側に設けられた透明導電層とを備え、入力エリア内の各透明導電層にアスペクト比1超の電極が形成されたものが挙げられる。この入力部材における透明導電層は上記と同様に形成され、一方の電極と他方の電極とは互いに垂直に配置され、一方の電極のみが繊維分散液の塗布方向と平行になる。
ロール状に巻かれた厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を繰り出し、その片面に、ダイコーターを用いて、銀ナノワイヤ分散液(Cambrios社製ClearOhm)の希釈液を連続的に塗布した。次いで、塗布した銀ナノワイヤを、赤外線乾燥機を用いて乾燥して繊維積層シートを作製し、これを巻き取った。
次いで、巻き取られた繊維積層シートを繰り出し、紫外線硬化性アクリル樹脂を、ダイコーターを用いて塗布し、紫外線照射により硬化して透明導電層を形成した後、PETフィルムの露出面に保護フィルムを重ね合わせ、巻き取った。これにより得た導電シートの表面抵抗は130Ω/□、光線透過率は95%であった。
得られた導電シートに、アスペクト比1超の第1電極が形成された第1電極シートになる領域と、第1電極に対して垂直なアスペクト比1超の第2電極が形成された第2電極シートになる領域とが形成されるように、レーザ光を照射して絶縁ラインを形成して、長尺の透明配線シートを得た。このとき、塗布方向(PETフィルムの長手方向)に沿って第1電極、第2電極を設けた。また、導電性ペーストのスクリーン印刷により、第1電極および第2電極の各々の一端には中継用端子部を形成し、他端には検査用端子部を設けた。
得られた透明配線シートにおいて、7個の第1電極シートになる領域に人為的に透明配線シートの短手方向に沿って傷を付けて試験用シートを7個作製し、これらについて電極の導通検査をした。導通検査は中継用端子部と検査用端子部との間の電気抵抗を測定することにより行った。導通検査の結果、7個の試験用シートのすべてにおいて導通不良(抵抗値100kΩ以上)を検出できた。
次いで、第1電極シートの外部接続用端子部に100kΩの抵抗器を接続してプルダウンし、第2電極シートの外部接続用端子部から矩形パルス波形(周波数15kHz、電圧15V)を入力し、第1電極シートの外部接続用端子部から出力されるパルス波形を、オシロスコープを用いて観察した。
第1電極シート上のPETフィルムに指を接触させたところ、7個の入力部材のいずれにおいても、波形に変化が見られない領域もしくは波形がやや変化する領域が存在することが確認された。
導電シートの短手方向に沿って電極を形成したこと以外は実施例1と同様にして、長尺の透明配線シートを作製した。得られた透明配線シートにおいて、9個の第1電極シートになる領域に人為的に透明配線シートの短手方向に沿って傷を付けて試験用シートを9個作製し、これらについて電極の導通検査をした。その結果、導通不良を検出できたものは3個のみであった。なお、これらの不良サンプルを用いて、実施例1と同様に、入力部材を作製し、動作テストをしたところ、指が入力部材に接触してもパルス波形に変化が見られない領域が存在することが確認された。
また、導通不良が検出されなかった6個の試験用シートを用いて、実施例1と同様に、入力部材を作製し、動作テストをしたところ、4個のシートでは傷があるにもかかわらずパルス波形に異常が見られず、2個のシートでは、指が入力部材に接触した際のパルス波形変化が小さい領域が存在するのみであった。
10 透明絶縁基材
20 透明導電層
21 電極
21a 導電部
22 微小導電部
23 孤立導電部
25 中継用端子部
26 検査用端子部
27 外形マーク
28 第1位置決めマーク
29 第2位置決めマーク
30 引き回し回路
31 引き回し配線
32 外部接続用端子部
51 透明絶縁基材の巻取りロール
52,56 塗布装置
53,57 乾燥機
54 繊維積層シート
55 繊維積層シートの巻取りロール
58 導電シート
100 入力部材
110 第1電極シート
111 第1電極
120 第2電極シート
121 第2電極
130 保護材
140,150 透明接着剤
A1 入力エリア
A2 引き回し配線エリア
B 透明基体
L1 第1絶縁ライン
L2 第2絶縁ライン
L3 第3絶縁ライン
L4 第4絶縁ライン
L5 第5絶縁ライン
V 空隙
W 導電性極細繊維
Claims (3)
- 透明絶縁基材の一方の面側に、導電性極細繊維を含む繊維分散液を一方向αに沿って塗布して導電性極細繊維の2次元ネットワークを形成した後、該2次元ネットワークの上に、透明基体を含む透明基体塗料を塗布することにより透明導電層を形成する透明導電層形成工程と、
前記透明導電層をパターン状に絶縁化して、アスペクト比が1超の複数の電極を、その長手方向が前記αと平行になるように形成する電極形成工程と、
を有することを特徴とする透明配線シートの製造方法。 - 電極形成工程における透明導電層のパターン状の絶縁化では、透明導電層にパターン状にレーザ光を照射して、透明基体を溶融することなく導電性極細繊維を蒸発、除去することを特徴とする請求項1に記載の透明配線シートの製造方法。
- 前記透明絶縁基材として長尺のフィルムを用い、該フィルムの長手方向を前記方向αとすることを特徴とする請求項1または2に記載の透明配線シートの製造方法。
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