JP5812687B2 - 回収されたポリプロピレン不織布製の物品を再生する方法 - Google Patents

回収されたポリプロピレン不織布製の物品を再生する方法 Download PDF

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Description

本発明は、回収されたポリプロピレン不織布製の物品を再生する方法に関するものであり、詳細には、不織布の強度が維持される、ポリプロピレン不織布製の物品の再生方法に関する。
地球温暖化を防止するために、CO2の削減が重要な課題となり、その観点から、種々の製品の回収・再利用(リサイクル化)が広範囲に推進されている。
上記の観点から、主にポリエステル樹脂製の不織布を同じポリエステル樹脂製の糸で袋状に縫製して製造したところの回収・再生産(リサイクル化)が可能な買物袋が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
また、不織布を基材とする製品の回収・再利用を実施する場合、該基材上に印刷された印刷インク層を除去する必要があるが、これに付き、高い温水溶解性を示す、(変性)ポリビニルアルコールを含む印刷インク除去剤を、基材と印刷インク層との間に介在させて印刷物を製造することにより、該印刷物を温水に浸漬するだけで、印刷インク層を基材より容易に分離除去する方法も提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
上記の方法を利用すれば、不織布を基材とする製品を、解砕、開繊等の操作を行うことなく、そのままの形態で再利用することが可能になり、また、インク除去操作による基材繊維の強度低下を抑えることができるため、印刷がなされた不織布のような再生可能な基材の回収・再生を繰り返し行うことが可能となる。
しかし、不織布を基材とする製品の回収・再生を繰り返し行ってゆくと、いずれ劣化したり破損して、使用できないものとなり、そしてこのような場合には、不織布を基材とする製品を、解砕、開繊等の操作を行って繊維の状態に戻し、そして該繊維やこれを加工したペレット等を用いて再度、不織布を基材とする製品を再生することが考えられる。
不織布の再生技術としては、バージン繊維層と、バージン繊維層に隣接して繊維製品リサイクル資材の粉砕物(リサイクル資材粉砕物)を主体とするリサイクル繊維層とが一体化されてなることを特徴とする繊維板の報告がなされている(例えば、引用文献4参照)。しかし、この文献に具体的に記載されるのは、自動車用カーペット(床マット)等の繊維板をリサイクルして、ハードシート(半硬質ないし硬質)を製造する例のみであり、また、製造されるハードシートのうちリサイクル繊維層は1ないし10mmの厚みを有するものであるため、該ハードシートは硬くかつ厚いものであった。
そのため、例えば、リサイクル用の買物袋のように、薄肉で軟質なシートのような繊維板で構成される不織布製の物品の再生技術は、必ずしも十分なものではなかった。
特許第3876409号公報 特許第3959674号公報 特開2010−001408号公報 特開2005−053035号公報
回収された使用済みのポリプロピレン不織布製の物品を解砕、開繊等の操作を行って繊維の状態に戻し、該繊維やこれを加工したペレットを用いて不織布を再生すると、形成さ
れた不織布は、その強度が低下するという問題があった。
また、場合によっては、不織布形成の際、繊維が装置のノズルに詰まって不織布形成が困難になるというケースもあった。
従って、本発明は、不織布の強度が維持される、ポリプロピレン不織布製の物品の再生方法の提供を課題とする。
回収されたポリプロピレン不織布製の物品から解砕、開繊等の操作を経て得られる再生繊維やこれを加工したペレットに、ある程度の量のバージンポリプロピレン繊維やペレットを混ぜ合わせると、再生された不織布の強度が維持されることが判った。
しかし、一方で、回収されたポリプロピレン不織布製の物品から得られる再生ポリプロピレン繊維やこれを加工したペレットに含まれるどのような不純物に起因して上記のような強度低下の問題が引き起こされるかが明確でなく、そのため、どれだけの量のバージンポリプロピレン繊維やペレットを混ぜ合わせれば再現よく上記問題を解消し得るかに付いては不明であった。
本発明者は、上記に付き鋭意検討した結果、上記問題は、回収されたポリプロピレン不織布製の物品から得られる再生繊維やこれを加工したペレットに混入した炭酸カルシウムにより引き起こされるのであろうとの知見を得、また、再生される不織布に含まれる炭酸カルシウムの総量を特定の範囲内に調整することで、再現よく、再生された不織布の強度を維持できることを見出し、本発明を完成させた。
また、この際、不織布の製造時に装置のノズルに繊維がつまるという問題を生じることなく不織布が再生されることも見出した。
即ち、本発明は、
(1)回収されたポリプロピレン不織布製の物品を再生する方法であって、
1)再生ポリプロピレンとバージンポリプロピレンとを、これらに含まれる炭酸カルシウムの量が、前記再生ポリプロピレンと前記バージンポリプロピレンとの総量に基づき1ないし5質量%の範囲となるような割合で混合すること、
2)前記混合されたポリプロピレンを用いてポリプロピレン不織布を製造すること、及び3)前記2)で製造されたポリプロピレン不織布を用いて物品を製造すること
を含む方法、
(2)前記再生ポリプロピレンの使用量が、前記再生ポリプロピレンと前記バージンポリプロピレンとの総量に基づき、10ないし90質量%の範囲である前記(1)記載の方法、
(3)前記不織布の厚さは、0.2ないし1.0mmの範囲である前記(1)又は(2)記載の方法、
(4)前記物品が買物袋である前記(1)ないし(3)の何れか1つに記載の方法、
(5)前記物品が配送袋である前記(1)ないし(3)の何れか1つに記載の方法、
に関するものである。
本発明により、再生ポリプロピレンと最小限のバージンポリプロピレンを用いて、ポリプロピレン不織布の強度が維持されたプロピレン不織布製の物品を、再現性よく提供することができる。
また、本発明の再生方法は、不織布形成の際、繊維が装置のノズルにつまることなく不織布の再生を行うことができるという点でも利点を有するものであり、これにより、例えば、リサイクル用の買物袋や配送袋等のプロピレン不織布製の物品を、容易に且つ低コストで再生することができる。
また、本発明の再生方法は、上述した、容易なインク除去操作による、ポリプロピレン不織布製の物品のそのままの形態での再利用方法と併用することにより、廃ポリプロピレンが出ず、そのためCO2の排出を抑えることができ、加えて、非常に長い期間に亘ってポリプロピレン不織布製の物品の再生利用を可能とすることができるという点でも優れた方法である。
製造例3ないし7で得られた再生ポリプロピレン不織布における炭酸カルシウム含有量と引張強度比の相関を示すグラフである。 買物袋の1例を図示する斜視図である。 図2の買物袋の製造過程を図示する模式図である((a)ないし(e))。
更に詳細に本発明を説明する。
本発明の、回収されたポリプロピレン不織布製の物品を再生する方法は、
1)再生ポリプロピレンとバージンポリプロピレンとを、これらに含まれる炭酸カルシウムの量が、前記再生ポリプロピレンと前記バージンポリプロピレンとの総量に基づき1ないし5質量%の範囲となるような割合で混合すること、
2)前記混合されたポリプロピレンを用いてポリプロピレン不織布を製造すること、及び3)前記2)で製造されたポリプロピレン不織布を用いて物品を製造すること
を含む。
本発明に使用し得るポリプロピレン不織布製の物品としては、例えば、衣服(手術着、実験着、防護服)、防護用品(作業手袋、防煙マスク、防じんマスク、防毒マスク)、医療用品(キャップ、マスク、シーツ類、抗菌マット)、収納用(収納袋、スーツカバー、防虫カバー)、包装資材、袋物(乾燥剤袋、買物袋)、生活雑貨(カレンダー、滑り止めシート、アイマスク、ブックカバー、防臭シート)、テーブルトップ(テーブルクロス、ランチョンマット、コースター)、事務用品(封筒)、手芸用品、アイロンマット、OA機器(フロッピー(登録商標)ディスクライナー、CD/DVDケース)などが挙げられる。
なかでも、不織布製品として好ましいものは、回収してリサイクル化し易い、ポリプロピレン不織布やポリプロピレン製の糸などの同一素材のみで形成可能な物品であり、例えば、買物袋(例えば、リサイクル用のエコバック)や配送袋(例えば、デリバリーサービス用の配送袋)等の袋の用途が挙げられる。
本発明において使用可能な再生ポリプロピレンとしては、使用済みポリプロピレン不織布を従来の方法により解砕・開繊して得られたポリプロピレン繊維又は該繊維を従来の方法により加工したペレット等が挙げられる。
再生されたポリプロピレン繊維の形態は、長繊維、短繊維、連続繊維等いずれも使用可能であるが、中でも、長繊維が好ましく、長繊維のモノフィラメントであることが好ましく、また、該繊維の太さとしては、特に限定されるものではないが、太すぎるとノズルが詰まりやすくなるため、18デニール未満であるのが好ましく、例えば、12ないし16デニールの範囲であるのが好ましい。
本発明において使用可能なバージンポリプロピレンとしては、例えば、ペレット形態の新規に製造されたポリプロピレン樹脂、ペレット形態の市販のポリプレン樹脂、前記ペレットから従来の繊維化法により得られるポリプロピレン繊維、慣用の重合法で製造したポリプロピレンを慣用の方法に従って直接繊維化することにより得られるポリプロピレン繊維等が挙げられる。
バージンポリプロピレン繊維の形態は、長繊維、短繊維、連続繊維等いずれも使用可能であるが、中でも、長繊維が好ましく、長繊維のモノフィラメントであることが好ましく
、また、該繊維の太さとしては、特に限定されるものではないが、太すぎるとノズルが詰まりやすくなるため、18デニール未満であるのが好ましく、例えば、12ないし16デニールの範囲であるのが好ましい。
本発明においては、不織布を再生するために使用するポリプロピレンに含まれる炭酸カルシウムの量を、該使用するポリプロピレンの総量に基づき1ないし5質量%の範囲となるような割合に調節する。
前記再生ポリプロピレンの使用量は、前記再生ポリプロピレンと前記バージンポリプロピレンとの総量に基づき、10ないし90質量%の範囲とするのが好ましく、より好ましくは10ないし50質量%、特に好ましくは15ないし45質量%の範囲である。
資源の有効利用の観点からは再生ポリプロピレンをより多く使用することが好ましい。
ポリプロピレンに含まれる炭酸カルシウムの量は、例えば、示差熱重量測定装置等を用いる、従来知られた炭酸カルシウムの定量分析法を使用することにより決定することができる。
不織布の製造方法は、既知の不織布の製造方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、スパンボンド法とメルトブロー法に代表される紡糸直結法や、カーディングやエアレイなどの乾式法、抄紙法などの湿式法などのいずれの方法を用いてもよく、また、繊維を絡み合わせる方法としても、カレンダー法、スルーエアヒーティング法などの熱的接着法、接着剤を用いて吸水性不織布層と熱可塑性樹脂からなる不織布層とを接着させる化学的接着法、ニードルパンチ法、水流交絡法、ステッチボンド法などの機械的接着法などのいずれの方法を用いてもよい。
上記不織布の製造方法の中で、乾式方又は湿式法を採用する場合は、前記再生ポリプロピレンと前記バージンポリプロピレンは、繊維の形態として使用される。
バージンポリプロピレン繊維には、本発明の目的を損なわない範囲で、他の常用の各種添加成分、例えば艶消剤、熱安定剤、顔料、消臭剤、抗菌剤、防ダニ剤、防カビ剤、芳香剤などの添加剤を添加することが出来る。
尚、上記の乾式方又は湿式法を採用する不織布の製造は、不織布の製造技術において既知の通常の手順、及び条件に従って、行うことができる。
上記不織布の製造方法の中で、スパンボンド法又はメルトブロー法を採用する場合は、前記再生ポリプロピレンと前記バージンポリプロピレンは、繊維の形態又はペレットの形態で使用される。
また、スパンボンド法又はメルトブロー法を採用する場合、使用の簡便さの点から再生ポリプロピレンとバージンポリプロピレンは、ペレットの形態で使用するのが好ましい。
スパンボンド法又はメルトブロー法を用いて不織布を製造する場合、再生ポリプロピレンに含まれる炭酸カリウムの量を定量し、該ポリプロピレンに、バージンポリプロピレンを、炭酸カリウム量がポリプロピレンの総量に基づき1ないし5質量%の範囲となるような量で混合し、該混合物を溶融してペレット化して、最終的な炭酸カリウム含量が1ないし5質量%となるポリプロピレンペレットを製造しておき、これを不織布の製造に使用することもできる。
不織布の厚さは、0.2ないし1.0mmの範囲とするのが好ましく、0.3ないし0.6mmの範囲とするのがより好ましい。
0.2mmより薄くなると十分な引張・引裂強度を有する再利用不織布シートが得られず、また0.6mmより厚くなると、例えば、買物袋や配送袋の用途などには嵩張るものとなり携帯に適さない。
尚、上記不織布は、無着色のもの、又は慣用の不織布染色技術、例えばビーム染色、液流染色、ディッピングなどの染色法によって染色したものを用いることができる。
上記の方法で製造されたポリプロピレン不織布を用いる物品の製造は、その物品における通常の製法に従って、製造することができる。
上記物品としては、ポリプロピレンのみから構成される物品であって、例えば、ファスナーやボード等の繊維としての回収が困難なものを含まないものが好ましい。
好ましい物品としては、買物袋が挙げられ、より好ましくは、ポリプロピレン不織布のみ又はポリプロピレン不織布とポリプロピレン製の縫製糸から構成されるリサイクル用のエコバッグ等が挙げられる。
また、好ましい物品としては、配送袋が挙げられ、より好ましくは、ポリプロピレン不織布のみ又はポリプロピレン不織布とポリプロピレン製の縫製糸から構成されるデリバリーサービスに使用される配送袋が好ましい。
物品の製造の1態様として、上記で製造されたポリプロピレン不織布を用いる不織布製買物袋の製造例を、図2及び図3を用いて説明する。
図2は不織布製買物袋の1態様を図示する斜視図であり、そして図3の(a)ないし(e)は、図2の買物袋の成形過程の一例を図示する模式図である。
買物袋2は、上記で得られるポリプロピレン再利用不織布シート1Aをヒートシールにより袋状にシールすることにより製造されるものであり、具体的には、図3の(a)ないし(e)に図示されるような工程を経て製造され得るものである。図3に図示する方法では、細長い長方形のポリプロピレン再利用不織布シート1Aを用意し、該再利用不織布シートを一方の短辺部が他方の短辺部に重なるように折り畳み(図3(b)参照)、そして折り畳んだ再利用不織布シート1Aの折り目を含む一部(図3(b)において斜線で示す部分)を切除して、耳部3、取手部4及び封止片5を形成し、次に、長方形の長辺であった辺に沿って再利用不織布シート1Aをヒートシールし(図3(c)中、6はヒートシール部を示す)、買物袋2の袋側部10を形成し(図3(c)参照)、そして、取手部4を二重の再利用不織布シート1Aから構成するために、また完成した不織布買物袋2にまち9を設けるために、ヒートシールした再利用不織布シート1Aの両側を内側に折り返し(例えば、図3(c)の線X及び線X'に沿って)、取手部4及び封止片5に対向する辺に沿って不織布1Aをヒートシールして(図3(d)中、6はヒートシール部を示す)買物袋2を成形し、次に買物袋2を裏返すことにより、図2で示される買物袋2を製造することができる(図3(e))。
このようにして作られた図2で示される買物袋2は、耳部3の上縁が湾曲した凸曲線状に形成され、且つ、耳部3の側縁から袋側部10の上縁までの部位が湾曲した凹曲線状に形成されている。また買物袋2は、線状に閉じて伸びる底辺部7を有する袋下部8と、内側に折り畳まれてマチ9を有する左右の袋側部10と、折り重ねられた幅広の取手部4を一対で形成する袋上部11とを備えてなるものである。
買物袋2は、従来の再生繊維を使用しないバージン繊維だけからなる不織布買物袋と比べて、袋内に詰める内容物の荷重限度、並びに許容体積は同等でり、また、同様に5回以上の繰り返し使用が可能である。また、ポリプロピレン製の不織布1Bは薄くかつ軽量であり、しかもコンパクトに折り畳むこと、並びに折り畳み後に再展開して元の形状に戻すことも容易であるので、買物袋2は携帯にも大変適している。
さらに、買物袋2は買物袋として使用した後、使用済み不織布として回収され、再生繊維として使用することにより新たな再利用不織布シートを再生産することができ、リサイクル化することができた。
上記で製造された買物袋はまた、特開2010−001408号公報に記載の方法に従うことにより、上記の回収・再生産(リサイクル化)が可能な買物袋を、温水に浸漬するだけで、基材より容易に印刷インク層を分離除去できる、そのままの形態で再利用可能な買物袋とすることもできる。
以下、本発明について実施例を挙げて詳述するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定
されるものではない。
製造例1:再生ポリプロピレン繊維の製造
公知の開繊機にて使用済みポリエステル不織布を開繊させ、再生ポリプロピレン繊維を得た。
示差熱重量測定装置等を用いて得られた再生ポリプロピレン繊維の炭酸カルシウム量に付き、定量分析を行ったところ、12.0質量%の炭酸カルシウムを含んでいることが判った。
製造例2:バージンポリプロピレン繊維の製造
ポリプロピレン樹脂(PP)ペレットを常用のスパンボンド溶融紡糸装置に供給し、230℃にて均一に溶融混合し、円形断面の紡糸孔を有する紡糸口金から溶融紡出して速度3000m/分にて引き取り、16デニールのポリプロピレン繊維(長繊維のモノフィラメント)を得た。
示差熱重量測定装置等を用いて得られたバージンポリプロピレン繊維の炭酸カルシウム量に付き、定量分析を行ったところ、炭酸カルシウムは検出されなかった。
製造例3:不織布シートの製造
製造例1で得た再生ポリプロピレン繊維100質量部と製造例2で得たバージンポリプロピレン繊維150質量部を混合し、該混合した繊維を開繊分散して目付が30g/m2 のウェブを形成した。
得られたウェブを、135℃に加熱したピンポイントエンボス(圧着面積率7.1%)ロールとフラットロール間で線圧45N/cmにて部分熱圧着して60g/m2 のポリプロピレン不織布シートを作成した。
作成された再生ポリプロピレン不織布シートの厚さは、厚み測定機(商品名:THICKNESS GAUGE モデルCR−60A (株)大栄科学精器製作所製)を用い、試料1cm2あたり2.94cNの荷重を加えた状態で測定した結果、0.5mmであった。
示差熱重量測定装置等(TGD−5000、真空理工株式会社製)を用いて得られた再生ポリプロピレン繊維の炭酸カルシウム量に付き、定量分析を行ったところ、4.8質量%の炭酸カルシウムを含んでいることが判った。
製造例4:不織布シートの製造
製造例1で得た再生ポリプロピレン繊維100質量部と製造例2で得たバージンポリプロピレン繊維250質量部を用いた以外は製造例3と同様の操作を行って、ポリプロピレン不織布シートを作成した。
作成された再生ポリプロピレン不織布シートの厚さは、0.5mmであり、炭酸カルシウム量は、3.4質量%の炭酸カルシウムを含んでいることが判った。
製造例5:不織布シートの製造
製造例1で得た再生ポリプロピレン繊維100質量部と製造例2で得たバージンポリプロピレン繊維400質量部を用いた以外は製造例3と同様の操作を行って、ポリプロピレン不織布シートを作成した。
作成された再生ポリプロピレン不織布シートの厚さは、0.5mmであり、炭酸カルシウム量は、2.4質量%の炭酸カルシウムを含んでいることが判った。
製造例6:不織布シートの製造
製造例1で得た再生ポリプロピレン繊維100質量部と製造例2で得たバージンポリプロピレン繊維100質量部を用いた以外は製造例3と同様の操作を行って、ポリプロピレン不織布シートを作成した。
作成された再生ポリプロピレン不織布シートの厚さは、0.5mmであり、炭酸カルシ
ウム量は、6.0質量%の炭酸カルシウムを含んでいることが判った。
製造例7:不織布シートの製造
製造例1で得た再生ポリプロピレン繊維100質量部と製造例2で得たバージンポリプロピレン繊維50質量部を用いた以外は製造例3と同様の操作を行って、ポリプロピレン不織布シートを作成した。
作成された再生ポリプロピレン不織布シートの厚さは、0.5mmであり、炭酸カルシウム量は、8.0質量%の炭酸カルシウムを含んでいることが判った。
試験例1:引張強度の比較
製造例3ないし7で製造した再生不織布シートを、JIS L 1096 6.12.1 A法(ストリップ法)に準じて、定速緊張形引張試験機を用いて、幅5cm、長さ15cmの試料片を幅50mm、つかみ間隔100mm、引張速度300±20mm/分の条件で引張試験に付し、切断時の荷重値及び伸長率を測定し、引張強度とした。引張試験は、再利用不織布シートの機械方向(MD方向)及びMD方向に直交する方向(CD方向)のそれぞれについて、試料5本を測定し、平均値を求めた。単位は、N/50mmである。
表1に結果を纏めた。また、該結果を図1にグラグとして示した。
尚、表中の引張強度比は、製造例2のバージンポリプロピレン繊維のみを用い、製造例3と同様の製造法に従って製造した不織布の強度を1とした場合の相対強度を表す。
Figure 0005812687
結果:
表1及び図1から、炭酸カルシウムの含有量が5質量%以下となる製造例3ないし5の再生不織布シートにおいては、バージンポリプロピレン繊維のみから構成される不織布の引張強度とほぼ同等の強度が維持されたのに対して、炭酸カルシウムの含有量が5質量%を超える製造例6,7の再生不織布シートにおいては、バージンポリプロピレン繊維のみから構成される不織布の引張強度よりかなり低い強度しか得られないことが判った。
製造例8
製造例1で得た再生ポリプロピレン繊維100質量部に、バージンポリプロピレンペレット150質量部を混合してペレットに加工し、該ペレットを常用のスパンボンド溶融紡糸装置に供給し、230℃にて均一に溶融混合し、円形断面の紡糸孔を有する紡糸口金から溶融紡出して速度3000m/分にて引き取り、16デニールのポリプロピレン繊維(長繊維のモノフィラメント)を得た。
得られた繊維を開繊分散して目付が30g/m2 のウェブを形成し、135℃に加熱したピンポイントエンボス(圧着面積率7.1%)ロールとフラットロール間で線圧45N/cmにて部分熱圧着して60g/m2 の再生ポリプロピレン不織布シートを作成した。
作成された再生ポリプロピレン不織布シートの厚さは、厚み測定機(商品名:THICKNESS GAUGE モデルCR−60A (株)大栄科学精器製作所製)を用い、試料1cm2あたり2.94cNの荷重を加えた状態で測定した結果、0.5mmであった

示差熱重量測定装置等(TGD−5000、真空理工株式会社製)を用いて得られた再生ポリプロピレン繊維の炭酸カルシウム量に付き、定量分析を行ったところ、4.8質量%の炭酸カルシウムを含んでいることが判った。
上記再生ポリプロピレン不織布シートの引張強度比MD(N/50mm)は、0.93であり、CD(N/50mm)は、0.91であった。
実施例1:買物袋の製造
製造例3と同様の方法で、細長い長方形のポリプロピレン再利用不織布シートを製造し、該シートを用い、図3で示される製造方法に従って、図2で示される買物袋2と同様の買物袋を製造した。
即ち、上記細長い長方形のポリプロピレン再利用不織布シート1Aを、一方の短辺部が他方の短辺部に重なるように折り畳み(図3(b)参照)、そして折り畳んだ再利用不織布シート1Aの折り目を含む一部(図3(b)において斜線で示す部分)を切除して、耳部3、取手部4及び封止片5を形成し、次に、長方形の長辺であった辺に沿って再利用不織布シート1Aをヒートシールし(図3(c)中、6はヒートシール部を示す)、買物袋2の袋側部10を形成し(図3(c)参照)、そして、取手部4を二重の再利用不織布シート1Aから構成するために、また完成した不織布買物袋2にまち9を設けるために、ヒートシールした再利用不織布シート1Aの両側を内側に折り返し(例えば、図3(c)の線X及び線X'に沿って)、取手部4及び封止片5に対向する辺に沿って不織布1Aをヒートシールして(図3(d)中、6はヒートシール部を示す)買物袋2を成形し、次に買物袋2を裏返すことにより買物袋2を製造した(図3(e))。
実施例2:除去容易な印刷インク層が形成された買物袋の製造
1)買物袋への印刷
市販の白色の水性フレキソインク(東洋インク製造株式会社製:不織布対応)100gにポリビニルアルコール(ゴーセファイマーZ−410:鹸化度97.5〜98.5mol%:日本合成化学株式会社製)3gを添加し、攪拌器で混ぜながら粘度を調整して印刷インクを調製した。
上記で調製した印刷インクを、実施例1で製造した買物袋の表の面に、150メッシュの紗を用いてシルクスクリーン印刷した。
インク厚は、10μm程度であった。
印刷後、10分間自然乾燥し、印刷面上に、アジピン酸ヒドラジド(ADH)の1%水溶液(使用したポリビニルアルコールの質量の1%となる量)を、噴霧して、印刷インク層が形成された買物袋を製造した。
形成された印刷インク層は、常温の水では全く除去されなかった。
2)印刷インク層の除去(処理:洗剤を含む温アルカリ水)
1)で製造した印刷インク層が形成された買物袋を用い、洗剤としてジョイ(プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社製の液体食器洗浄用洗剤:界面活性剤(42% アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、アルキルアミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)、安定化剤、粘度調整剤、酵素等を含む。)を添加した温アルカリ水(pH11:温度36ないし60℃)400mLに浸漬して印刷インク層がどの程度除去されたかを目視にて評価した。
結果を表2に示す。
尚、表2中、洗剤添加量は、温アルカリ水100質量部に対する洗剤の質量部数を示す。
Figure 0005812687
表2から明らかなように、1)で製造した印刷インク層が形成された買物袋は、上記条件において、処理時間30分で印刷インク層が十分に除去され得ることが判った。
印刷インク層を除去した後、残った廃水に、エコマックス TW−20D(アイサン工業株式会社製:無機系凝集剤)を2.8g添加し、生成した凝集物を濾過分離し、pH調整(中和)するだけで、排水溝へ排水することが可能な位まで浄化された。
尚、濾別した固形物は、天日乾燥等でドライアップした後、産業廃棄物として処理することができる。
1A:再生ポリプロピレン不織布シート
2:買物袋
3:耳部
4:取手部
5:封止片
6:ヒートシール部
7:底辺部
8:袋下部
9:マチ
10:袋側部
11:袋上部

Claims (5)

  1. 回収されたポリプロピレン不織布製の物品を再生する方法であって、1)再生ポリプロピレンとバージンポリプロピレンとを、これらに含まれる炭酸カルシウムの量が、前記再生ポリプロピレンと前記バージンポリプロピレンとの総量に基づき1ないし4.8質量%の範囲となるような割合で混合すること、
    2)前記混合されたポリプロピレンを用いてポリプロピレン不織布を製造すること、及び3)前記2)で製造されたポリプロピレン不織布を用いて物品を製造すること
    を含む方法。
  2. 前記再生ポリプロピレンの使用量が、前記再生ポリプロピレンと前記バージンポリプロピレンとの総量に基づき、10ないし90質量%の範囲である請求項1記載の方法。
  3. 前記不織布の厚さは、0.2ないし1.0mmの範囲である請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記物品が買物袋である請求項1ないし3の何れか1項に記載の方法。
  5. 前記物品が配送袋である請求項1ないし3の何れか1項に記載の方法。
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