JP5811826B2 - 工作機械における被加工物の払出装置 - Google Patents

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Description

この発明は、工作機械によって加工された被加工物を、加工位置から工作機械の外部へ払い出す工作機械における被加工物の払出装置に関する。
特許文献1には、横型マシニングセンタの加工位置の前方で横型マシニングセンタの外部に、被加工物を載置可能な載置テーブルを設けて、横型マシニングセンタの主軸に装着された払出工具で、加工済の被加工物を載置テーブルに払い出す払出装置が開示されている。前記払出工具は、主軸の軸線方向に延びる筒状のケーシングを備え、ケーシングの基端側に、軸受けを介して回転体が支持されて、この回転体に主軸への装着部が形成されている。
さらに前記ケーシング内には、回り止め状態で前記軸線方向へ移動可能な筒状の払出部材が収容されて、このケーシング内に、前記回転体に固着されて軸線方向へ突出する送り軸が収容されると共に、前記払出部材に固定されたナット部材が、送り軸に螺合された状態で収容されている。これに加えてケーシングの外周には支持腕が突設されて、この支持腕に、回り止めピンがケーシングの基端側へ突出するように固定されている。回り止めピンは、主軸を回転可能に支持するクイルの孔に嵌合されて、ケーシングが軸線回りに回転することを防止するために用いられている。
そして払出工具では、送り軸が主軸と一体に回転すると、ナット部材が送り軸に沿って前方へ移動することで、ナット部材が固定された払出部材も前方へ移動する。これにより、払出部材の先端に取り付けたワーク当接部材が、加工済の被加工物を加工位置からマシニングセンタの外部(載置テーブル)に払い出すことができる。
特開2009−6419号公報
しかしながら上記の横型マシニングセンタに代表される工作機械における被加工物の払出装置では、払出部材を前方へ移動させるために送り軸を必要とすることから、送り軸には高い加工精度が要求される結果、払出装置が高価になることが懸念されていた。さらに、払出工具のケーシングを回転止めするために用いる回転止めピンは、主軸を支持するクイルの形状に合わせて工作機械毎に個別に形成しなければならない場合も考えられることから、払出装置の汎用性が劣ることも懸念されていた。
この発明は、このような状況に鑑み提案されたものであって、安価でかつ汎用性に優れた工作機械における被加工物の払出装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明に係る工作機械における被加工物の払出装置は、工作機械の主軸の内部に、該工作機械の加工位置に供給される切削油が流通する切削油供給路を形成した工作機械において、前記主軸に装着される払出工具を有し、前記工作機械によって加工された被加工物を、前記払出工具で前記加工位置から前記工作機械の外部へ払い出す工作機械における被加工物の払出装置であって、前記払出工具の工具本体の内部に形成されて、前記切削油供給路と連通して前記工具本体の前面に開口し、前記切削油供給路から前記切削油が流入可能な流入路と、前記工具本体の前方を閉塞する筒状体で、前記工具本体の外面に摺動可能に嵌められて進退し、前記流入路に流入して前記工具本体の前記開口から流出した前記切削油の圧力により、前記外面に沿って前進して前記加工された前記被加工物を前記外部へ払い出す払出部材と、を備えることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記工具本体の前部の外面に、前記払出部材に向けて突出し該払出部材が摺接可能なリング状の第1突出部を設け、前記払出部材の後部の内面に、前記工具本体に向けて突出して前記工具本体の前記外面に摺接可能なリング状の第2突出部を設けて、常態で前記払出部材を初期位置に向けて後退方向へ付勢する付勢手段を、前記第1突出部と前記第2突出部との間に嵌め入れた状態で、前記工具本体に外装したことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2において、前記払出部材の内面に、内向きに突設されて、前記切削油の前記圧力によって前記付勢手段の付勢力に抗して前記払出部材が前進したときに、前記第1突出部に当接して前記払出部材の前記摺動を規制することで該払出部材のストローク長を規定するストローク長規定部材を備えることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記工具本体に、前記流入路と連通して、該流入路に流入した前記切削油を前記工具本体の外部に排出可能な排出路を形成して、前記排出路に、該排出路から排出する前記切削油の油量を調整することで、前記工具本体の前記開口から流出する前記切削油の油量を調整可能な流出量調整手段を設けたことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記工具本体には、前記切削油が前記工具本体の前記開口から流出することを停止したときに、前記付勢手段によって前記初期位置に復帰した前記払出部材が着座する着座部を設け、前記工具本体の内部に形成されて空気を供給可能な空気供給路を、前記着座部に開口させて、前記着座部の前記開口からの空気漏れによる空気圧の低下に基づいて、前記着座部に対する前記払出部材の着座不良を検出する検出手段を備えることを特徴とする。
請求項1の発明に係る工作機械における被加工物の払出装置によれば、払出工具に、切削油供給路から切削油が流入する流入路と、切削油の圧力で前進して加工された被加工物を工作機械の外部へ払い出す払出部材とを設けるだけでの簡単な構造で、加工された被加工物を、加工位置から工作機械の外部へ容易に払い出すことができる。その結果、払出工具を安価なものにすることができる。
さらに払出工具については、主軸に装着されて切削油供給路から流入路に流入した切削油を用いて、払出部材で加工された被加工物を工作機械の外部に払い出し可能であるため、払出工具は主軸に装着するだけの操作で主軸への固定が可能になる。したがって、払出工具は汎用性に優れたものになる。
請求項2の発明によれば、付勢手段の付勢力によって、常態では確実に払出部材を初期位置に付勢できる。
請求項3の発明によれば、払出部材の内面に突設させたストローク長規定部材が、工具本体に設けた第1突出部に当接して払出部材の摺動を規制する簡単な構造で、払出部材のストローク長を規定できる。
請求項4の発明によれば、流出量調整手段によって、払出部材を押圧する切削油の流量が調整可能となって、払出部材が前進する速度を簡単に調整できる。
請求項5の発明によれば、払出部材が着座部に着座しておらず、着座部の開口から空気漏れが生じると、検知手段で払出部材の着座不良を検出できることで、払出部材が初期位置に復帰していないことを確認できる。
本発明の実施形態1の被加工物の払出装置を備えたマシニングセンタの側面図である。 常態における同払出装置が備える払出工具の断面図である。 図2のA部分の拡大図である。 同払出工具によって加工済のワークをマシニングセンタの外部へ払い出す動作の説明図である。 切削油の圧力によって払出部材が前進した状態にある払出工具の断面図である。 実施形態2の払出工具を装着したマシニングセンタの部分側断面図である。 他の実施形態の払出工具を装着したマシニングセンタの要部側断面図である。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図5を参照しつつ説明する。図1及び図4に示す横型のマシニングセンタ1は、基台2と、移動コラム3と、サドル4と、クイル5と、主軸6と、工具マガジン7と、ワーク加工テーブル8と、ワーク載置テーブル9と、払出工具10とを備えている。なお、マシニングセンタ1は本発明の工作機械の一例である。
基台2上にはカバー11が配置されて、このカバー11によって、基台2上の前面側及び後面側や基台2上の左右両側面が取り囲まれている。基台2の上面には、移動コラム3が左右方向へ移動可能に設けられている。移動コラム3には、サドル4が上下方向(図1及び図4の上下方向)へ移動可能に設けられている。サドル4には、クイル5が水平姿勢に支持されて前後方向(図1及び図4の左右方向)へ移動可能に設けられている。クイル5には主軸6が回転可能に支持されており、主軸6は、クイル5の後部に設けた主軸用モータ12によって回転駆動される。主軸6の先端面には、ドリル等の工具13(図1参照。)を装着可能な装着孔14(図1参照。)が開設されている。
図1に示すように主軸6の内部には、主軸6の軸心を貫通する切削油供給路15が形成されている。またクイル5の後端部には回転継手16(図1参照。)が取り付けられて、回転継手16の内部には、切削油供給路15と連通する給油路が形成されている。この回転継手16には、給油管17(図1参照。)を介して、切削油を供給する給油装置(図示せず。)が接続されている。
図1に示すように基台2の上面には、支柱18が複数立設されている。複数の支柱18の間でクイル5及び主軸6の上方には、左右方向に延びる支持部材19が固定されている。この支持部材19に工具マガジン7が支持されている。工具マガジン7は、円盤状の工具保持板20と、工具保持板20を回転駆動する駆動モータ21とを備えている。工具保持板20の外周には、工具13や払出工具10を含めた各種の工具をそれぞれ着脱可能に保持する保持部22(図4参照。)が複数形成されている。
カバー11内でマシニングセンタ1の加工位置P(図1参照。)には、ワーク加工テーブル8が配置されている。ワーク加工テーブル8の上面には、ワークWが着脱可能に固定される。また、カバー11の外部に位置するワーク払出位置P1には、ワーク載置テーブル9が配置されている。カバー11の前面には開閉ドア25が設けられて、ワーク載置テーブル9は、開閉ドア25を挟んでワーク加工テーブル8と同一平面上に配置されている。図4に示すようにワーク載置テーブル9は、加工位置Pから払い出された加工済のワークWを載置するために用いられる。なお、ワークWは本発明の被加工物の一例である。
払出工具10は、主軸6(図4参照。)に装着されるもので、図2に示すように工具本体30と、工具本体30の外面に嵌められる払出部材31とを備えている。工具本体30は、前後方向(図2の左右方向)へ延びる形状とされて、図2及び図3に示すように、第1突出部34と、流入路35と、プルスタッド36と、排出路37と、着座部38とを有する。図2に示すように工具本体30の前部の外面には、リング状の第1突出部34が、前記外面から払出部材31に向けて突設されている。ここでは工具本体30の前端部に、円盤状部材40を工具本体30の外面から外側へ向けて突出した状態でネジ止めすることで、第1突出部34を工具本体30の前部の外面から外側へ突設した。円盤状部材40の中心には貫通穴41が形成されて、第1突出部34にはOリング42が外装されている。
図2に示すように流入路35は、工具本体30の軸心を貫通するように形成されている。流入路35の出口(図2の左側)は、円盤状部材40の貫通穴41と連通して、工具本体30の前面に開口する。一方流入路35の入口側(図2の右側)は拡径されて、流入路35の入口にはプルスタッド36が装着されている。プルスタッド36の内部には、軸心を貫通する油通路43が形成されており、この油通路43の出口は流入路35と連通する。また払出工具10を主軸6に装着すると、プルスタッド36は主軸6の装着孔14に嵌合状態で引き込まれて、油通路43の入口は、切削油供給路15(図4参照。)と連通する。その結果、上記の給油装置から切削油供給路15に供給された切削油が、油通路43を通過して流入路35に流入可能となる。
図2及び図3に示すように工具本体30の内部には、流入路35から分岐させて前記工具本体30を貫通する排出路37が形成されている。この排出路37によって、切削油供給路15から流入路35に流入した切削油を流下させて工具本体30の外部に排出可能としている。排出路37から前記外部に排出された切削油は、図示しない回収装置により回収されて、この回収装置に接続された配管を通過して給油装置に戻される。図3に示すようにねじ孔44が、工具本体30を貫通して排出路37に接続されている。排出路37とねじ孔44との接続部には、ボール45が収容されている。ねじ孔44には、外周にねじ山が形成された軸部材46が螺合可能である。軸部材46をねじ孔44にねじ込んで、軸部材46をねじ孔44に螺合させる深さを調整すると、軸部材46の先端部でボール45を移動させることが可能になる。その結果、排出路37の開口面積が変化するため、排出路37から工具本体30の外部に排出する切削油の油量が調整可能となる。これに伴って、流入路35を流通して工具本体30の前部の貫通孔41から流出する切削油の油量が調整可能となる。また軸部材46の後端側にはロックナット47が螺合されて、軸部材46がねじ孔44から抜けることを防止する。なお、ねじ孔44、ボール45及び軸部材46は、本発明の流出量調整手段の一例である。また貫通孔41は、本発明の工具本体の開口の一例である。
図2及び図5に示すように工具本体30の後方側の外周には、円板状の着座部38が周設されている。この着座部38には、後述し図2に示すように払出部材31が着座可能である。
一方図2及び図3に示すように払出部材31は、前後方向へ延びる筒状体であって、前面が閉塞されて後面が開放されている。この払出部材31は、工具本体30の外面に摺動可能に嵌められて進退するもので、ワーク当接部材51と、第2突出部52と、ストローク長規定部材53とを有する。ワーク当接部材51は、各種のワークWに対応させて払出部材31の前部の外面に交換可能に取り付けられる。図4に示すようにワーク当接部材51は、ワークWに当接可能で、後述の如く払出部材31が加工済のワークWを払い出す際に、該ワークWに当接してワークWを加工位置Pから払出位置P1へ押し出す。
図3及び図5に示すように払出部材31の後部の内面には、リング状の第2突出部52が工具本体30に向けて突設されている。ここでは第2突出部52は、払出部材31と一体に形成されている。払出部材31を工具本体30の外面に嵌めた状態では、第2突出部52は工具本体30の外面に当接すると共に、工具本体30の第1突出部34は、Oリング42によってシール状態を保って払出部材31の内面に当接する。このとき、払出部材31の前面が閉塞されていることで、工具本体30の前方も閉塞されている。
図2及び図5に示すように払出部材31の内面には、薄肉円筒状のストローク長規定部材53が、払出部材31の軸線方向へ延びて内向きに突設されている。ここではストローク長規定部材53は、払出部材31の内部に嵌め入れられることで払出部材31とは別体とされている。このストローク長規定部材53の軸線方向の長さは、払出部材31が工具本体30の外面に沿って摺動して最大ストローク長前進したときに、ストローク長規定部材53が第1突出部34に当接して払出部材31の摺動を規制するように定められている。さらに払出部材31の内部では、コイルばね48が、第1突出部34と第2突出部52との間に嵌められた状態で工具本体30に外装されている。このコイルばね48は、図2に示すように常態では払出部材31を後退方向へ付勢して初期位置P2(図2参照。)で着座部38に着座させる。なお、コイルばね48は本発明の付勢手段の一例である。
次に、マシニングセンタ1の動作を説明する。図1には、主軸6の装着孔14に装着された工具13により、ワークWに孔加工を行う例を示した。装着孔14に工具13を装着するためには、移動コラム3の左右移動、サドル4の上下動やクイル5の前後移動によって装着孔14を、工具保持板20の最下端位置の保持部22に保持された工具13(図1参照。)の後方に位置させる。続いて、クイル5を前進させて工具13を装着孔14に装着した後に、サドル4を下降させることで工具13を前記最下端位置の保持部22から離脱させる。これに続き、移動コラム3、サドル4及びクイル5を移動させることで工具13を、ワーク加工テーブル8に固定されたワークWに接近させる。その後、主軸6を回転させながらクイル5を前進させることで、工具13を回転させながらワークWに向けて進出させる。これにより、工具13は加工位置PでワークWに孔加工を行うことができる。このとき、給油装置から切削油供給路15に供給された切削油は、工具13の内部を流通して工具13の先端から吐き出される。
ワークWの孔加工が完了して切削油の供給を停止した後には、主軸6に装着されている工具13を、工具マガジン7に収容されている払出工具10(図1参照。)と交換する。工具13を払出工具10と交換するためには、移動コラム3、サドル4及びクイル5を移動させることで、主軸6に装着された工具13を、工具保持板20の最下端位置の保持部22に把持させる。続いてクイル5を後退させて工具13を装着孔14から取り外した後に、駆動モータ21によって工具保持板20を回転させることで、払出工具10を把持した保持部22を、工具保持板20の最下端位置に移動させる。これに続きクイル5を前進させることで、払出工具10の後部のテーパ部を装着孔14に嵌合させて、払出工具10を装着孔14に装着する。その後、サドル4を下降させることで、払出工具10を前記最下端位置の保持部22から離脱させる。このとき、加工位置Pではワーク加工テーブル8に対するワークWの固定を解除すると共に、開閉ドア25を開放する。
続いて、上述した工具13をワークWに接近させる動作と同様にして払出部材10を、孔加工がされた加工済のワークWに対向するように接近させる。これに続き、給油装置によって切削油供給路15に切削油の供給を開始する。すると切削油は、油通路43(図2参照。)を通過して流入路35に流入した後に貫通孔41(図2参照。)から流出する。その結果図4及び図5に示すように、貫通孔41から流出した切削油の圧力によってコイルばね48の付勢力に抗し、払出部材31は、第2突出部52を工具本体30の外面に沿って摺接させながら前進する。これに伴ってワーク当接部材51も前進して、このワーク当接部材51が、加工済のワークWを加工位置Pから前方へ押すことになる。これにより払出部材31は、前記ワークWを開閉ドア25の開放部を通過させてワーク払出位置P1のワーク載置テーブル9上へ払い出す。本実施形態では図5に示すように、払出部材31のストローク長規定部材53が、払出部材31の内面に摺接する第1突出部34に当接するまでは、払出部材31を前進させることが可能である。なお、クイル5及び払出工具10は本発明の被加工物の払出装置の一例である。
また払出部材31によって加工済のワークWをワーク載置テーブル9上へ払い出す際には、例えば払出部材31を勢いよく前進させると、ワークWがワーク載置テーブル9を越えて飛び出したり、ワーク当接部材51によってワークWに加わる衝撃力で該ワークWが傷つくことが懸念される。これらを防止するために本実施形態では、以下に説明するように、貫通孔41から流出する切削油の油量を調整することで、払出部材31が前進する速度を制限可能とした。例えば図3に示す軸部材46をネジ孔44に螺合させる深さを短くすると、ボール45が排出路37を塞がない位置に移動して、排出路37の開口面積が広くなる。この場合には、流入路35から排出路37を流下して工具本体30の外部に排出される切削油の油量が増加する。これに伴って図5に示す貫通孔41から流出する切削油の油量が減少する。したがって、払出部材31を押圧する切削油の圧力が低下する結果、払出部材31は低速で前進することになる。
一方、加工済のワークWをワーク払出位置P1に払い出した後には、給油装置を停止させることで切削油の供給を中止する。すると、切削油が貫通孔41から流出することが停止されると共に、払出部材31内の切削油は排出路37を流下して給油装置に戻される。その結果図2に示すように、コイルばね48は、後退方向へ払出部材31の第2突出部52を押すことにより、払出部材31を初期位置P2に復帰させて着座部38に着座させる。
<実施形態1の効果>
本実施形態では、払出工具10に、切削油供給路15から切削油が流入する流入路35と、切削油の圧力で前進して加工済のワークWをマシニングセンタ1の外部へ払い出す払出部材31とを設けるだけでの簡単な構造で、加工済のワークWを、加工位置Pからマシニングセンタ1の外部へ容易に払い出すことができる。その結果、払出工具10を安価なものにすることができる。
さらに払出工具10については、主軸6に装着されて切削油供給路15から流入路35に流入した切削油を用いて、払出部材31で加工済のワークWをマシニングセンタ1の外部へ払出可能であるため、払出工具10は、主軸6に装着するだけの操作で主軸6への固定が可能になる。したがって、払出工具10は汎用性に優れたものになる。
また、コイルばね48の付勢力によって、常態では確実に払出部材31を初期位置P2に付勢できる。
さらに、払出部材31の内面に突設させたストローク長規定部材53が、工具本体30に設けた第1突出部34に当接して払出部材31の摺動を規制する簡単な構造で、払出部材31のストローク長を規定できる。
加えて、ねじ孔44、ボール45及び軸部材46を用いることで、払出部材31を押圧する切削油の流量が調整可能となって、払出部材31が前進する速度を簡単に調整できる。
<実施形態2>
本発明の実施形態2を図6を参照しつつ説明する。ここでは実施形態1と同一の構成は同一の符号を付しその説明を省略する。図6ではコイルばね48の図示を省略した。図6に示すようにマシニングセンタ1Aの主軸6の内部には、前後方向に貫通する空気流通路55が形成されている。この空気流通路55には、図示しない空気発生源によって圧縮空気が供給される。さらに空気流通路55には、圧力スイッチ56が取り付けられている。この圧力スイッチ56は、空気流通路55内の空気圧が所定の設定圧力値になるとオンするように調整されている。
空気流通路55の出口側(図6の左側)は、主軸6の前端面に開口する押込部材収容室57と接続されている。この押込部材収容室57には、押込部材58と、常態で押込部材58を押込部材収容室57の外側へ付勢するコイルばね59とが収容されている。押込部材58の内部には、前後方向に貫通する空気導入路60が形成されており、この空気導入路60は空気流通路55と連通する。さらに押込部材58にはOリング61が外装されている。これにより押込部材58は、Oリング61によってシール状態を保って押込部材収容室57の内面と当接する。
図6に示すように払出工具10が装着孔14に装着されると、押込部材58は、払出工具10によりコイルばね59の付勢力に抗して押込部材収容室57の内方向に押し込まれる。このとき、払出工具10は押込部材58と密着する。また図6に示すように工具本体30の内部には、空気供給路62が形成されている。払出工具10が装着孔14に装着されると、空気供給路62の入口は空気導入路60と連通する。一方、空気供給路62の出口は着座部38に開口する。払出部材31が着座部38に着座すると、空気供給路62の出口は払出部材31で閉塞される。
本実施形態では、以下に説明するように着座部38に対する払出部材31の着座不良を検出可能とした。払出部材31が初期位置P2に復帰しようとするときに、例えば着座部38に粉塵が付着している場合には、払出部材31と着座面38との間に粉塵が挟まることで、払出部材31が着座部38に着座できなくなる。このため、空気供給路62の出口を払出部材31で塞ぐことができなくなる。したがって、空気流通路55に供給された圧縮空気は、空気導入路60と空気供給路62とを通過して空気供給路62の出口から漏れ出す。これにより、空気流通路55内の空気圧は設定圧力値まで上昇しないため、圧力スイッチ56はオフの状態を継続する。本実施形態では、圧力スイッチ56のオフ状態が所定時間継続すると、払出部材31の着座不良を知らせる警報を発するようにした。なお、空気流通路55、圧力スイッチ56、空気導入路60及び空気供給路62は、本発明の検出手段の一例である。
<実施形態2の効果>
本実施形態では、払出部材31が着座部38に着座しておらず、空気供給路62の出口から圧縮空気が漏れ出すと、空気流通路55、圧力スイッチ56、空気導入路60及び空気供給路62を用いて払出部材31の着座不良を検出できることで、払出部材31が初期位置P2に復帰していないことを確認できる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨を逸脱しない範囲内において構成の一部を適宜変更して実施できる。例えば上述した実施形態とは異なり、図7に示すマシニングセンタ1Bのように、主軸6に、軸心からずれた位置で主軸6の前端面に開口する押出部材収容室57と、押出部材収容室57と接続されて主軸6を貫通する切削油供給路15Aとを形成した上で、押出部材58の内部に、前後方向に貫通する切削油導入路64を形成してもよい。加えて図示するように、工具本体30に、軸心からずれた位置で流入路35Aの入口を開口させて、この流入路35Aを、切削油導入路64を介して切削油供給路15Aと連通可能にしてもよい。この構成により、切削油供給路15Aに供給された切削油は、切削油導入路64を通過して流入路35Aに流入可能となる。
また上述した実施形態とは異なり、主軸6に装着した払出工具10を、加工済のワークWに接近させる前に、切削油の圧力で予め払出部材31を初期位置P2から前進させた状態にして、この状態の払出工具10を加工済のワークWに接近させた後にクイル5を前進させてもよい。これにより、前記ワークWに向けて前進した払出工具10が、該ワークWを加工位置Pからワーク払出位置P1へ払い出すことができる。
さらに上述した実施形態とは異なり、第1突出部34を工具本体30の外面に一体に形成したり、第2突出部52を、払出部材31とは別体で払出部材31の内面に形成してもよい。加えて上述した実施形態とは異なり、ストローク長規定部材53を、払出部材31の内面に一体に形成してもよい。
さらに加えて上述した実施形態とは異なり払出工具は、ねじ孔44、ボール45及び軸部材46(図3参照。)を用いることで、払出部材31を押圧する切削油の流量を調整可能であることに加えて、空気流通路55、圧力スイッチ56、空気導入路60及び空気供給路62(図6参照。)を用いることで、払出部材31の着座不良を検出可能なものにしてもよい。また上述した実施形態とは異なり、工具本体30の前部の貫通孔41から流出する切削油の油量を調整する必要がない場合には、排出路37、ねじ孔44、ボール45及び軸部材46(図3参照。)に代えて、工具本体30に、流入路35から分岐させて工具本体30を貫通するオリフィスを形成してもよい。
1(1A、1B)・・マシニングセンタ、5・・クイル、6・・主軸、10・・払出工具、15・・切削油供給路、31・・払出部材、34・・第1突出部、35・・流入路、37・・排出路、38・・着座部、41・・貫通孔、44・・ねじ孔、45・・ボール、46・・軸部材、48・・コイルばね、52・・第2突出部、53・・ストローク長規定部材、55・・空気流通路、56・・圧力スイッチ、60・・空気導入路、62・・空気供給路、P・・加工位置、P1・・ワーク払出位置、P2・・初期位置、W・・ワーク。

Claims (5)

  1. 工作機械の主軸の内部に、該工作機械の加工位置に供給される切削油が流通する切削油供給路を形成した工作機械において、前記主軸に装着される払出工具を有し、前記工作機械によって加工された被加工物を、前記払出工具で前記加工位置から前記工作機械の外部へ払い出す工作機械における被加工物の払出装置であって、
    前記払出工具の工具本体の内部に形成されて、前記切削油供給路と連通して前記工具本体の前面に開口し、前記切削油供給路から前記切削油が流入可能な流入路と、
    前記工具本体の前方を閉塞する筒状体で、前記工具本体の外面に摺動可能に嵌められて進退し、前記流入路に流入して前記工具本体の前記開口から流出した前記切削油の圧力により、前記外面に沿って前進して前記加工された前記被加工物を前記外部へ払い出す払出部材と、
    を備えることを特徴とする工作機械における被加工物の払出装置。
  2. 前記工具本体の前部の外面に、前記払出部材に向けて突出し該払出部材が摺接可能なリング状の第1突出部を設け、前記払出部材の後部の内面に、前記工具本体に向けて突出して前記工具本体の前記外面に摺接可能なリング状の第2突出部を設けて、
    常態で前記払出部材を初期位置に向けて後退方向へ付勢する付勢手段を、前記第1突出部と前記第2突出部との間に嵌め入れた状態で、前記工具本体に外装したことを特徴とする請求項1に記載の工作機械における被加工物の払出装置。
  3. 前記払出部材の内面に、内向きに突設されて、前記切削油の前記圧力によって前記付勢手段の付勢力に抗して前記払出部材が前進したときに、前記第1突出部に当接して前記払出部材の前記摺動を規制することで該払出部材のストローク長を規定するストローク長規定部材を備えることを特徴とする請求項2に記載の工作機械における被加工物の払出装置。
  4. 前記工具本体に、前記流入路と連通して、該流入路に流入した前記切削油を前記工具本体の外部に排出可能な排出路を形成して、
    前記排出路に、該排出路から排出する前記切削油の油量を調整することで、前記工具本体の前記開口から流出する前記切削油の油量を調整可能な流出量調整手段を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の工作機械における被加工物の払出装置。
  5. 前記工具本体には、前記切削油が前記工具本体の前記開口から流出することを停止したときに、前記付勢手段によって前記初期位置に復帰した前記払出部材が着座する着座部を設け、前記工具本体の内部に形成されて空気を供給可能な空気供給路を、前記着座部に開口させて、
    前記着座部の前記開口からの空気漏れによる空気圧の低下に基づいて、前記着座部に対する前記払出部材の着座不良を検出する検出手段を備えることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の工作機械における被加工物の払出装置。
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