以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態の遊技機1の斜視図である。なお、本発明の実施の形態において前後左右方向とは、遊技機1に向かってみた方向である。
遊技機1は、島設備に固定されるフレーム状の本体枠(外枠、設置枠)2にヒンジ4を介して一側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠(遊技盤収納枠、内枠)3及びガラス枠(前枠)18によって構成される。
前面枠3には、遊技領域10aを有する遊技盤10(図3参照)を着脱可能に収装するための収納フレームとなる遊技盤収納部305(図4参照)が一体形成されており、当該遊技盤収納部305に対して前方から遊技盤10が収装される。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)18aを備えたガラス枠18が取り付けられる。前面枠3及びガラス枠18は、それぞれ個別に開放することが可能であり、例えば、ガラス枠18のみを開放して遊技盤10の遊技領域10a(図3参照)にアクセスすることができる。また、前面枠3をガラス枠18が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤10の裏側に配置された遊技制御装置500(図21参照)などにアクセスすることができる。
ガラス枠18のカバーガラス18aの周囲には、装飾光を発光する装飾部材9が備えられている。装飾部材9の内部にはランプやLED等によって構成された枠装飾装置181(図22参照)が備えられている。枠装飾装置181を所定の発光態様によって発光させることによって、装飾部材9が所定の発光態様によって発光する。
ガラス枠18の上方中央部には、照明ユニット11が備えられる。照明ユニット11の内部には、LEDやランプなどの発光部材が備えられる。
照明ユニット11の左側には第1可動式照明13が、右側には第2可動式照明14が備えられる。第1可動式照明13及び第2可動式照明14は、上スピーカー30aの上方に配置されている。第1可動式照明13及び第2可動式照明14には、LEDなどの照明部材の他に、照明駆動モータ(枠演出装置182(図22参照)がそれぞれ備えられており、演出内容に応じて動作(例えば、回転)するように制御される。
また、ガラス枠18の右側部には、枠面から前方に突出してガラス枠表示ユニット800が備えられる。ガラス枠表示ユニット800の内部には可動式の枠表示器805(図12参照)などが備えられる。ここで、枠表示器805は、表裏の少なくとも一方に面発光の表示面を有する透過型表示器である。なお、ガラス枠表示ユニット800についての詳細は、図11〜図20にて後述する。
また、遊技機1には、音響(効果音、警報音、報知音等)を発するスピーカー30が備えられる。スピーカー30には、上スピーカー30a及び下スピーカー30bが含まれる。上スピーカー30aはガラス枠18の上方に配置され、下スピーカー30bは後述する上皿21の下方に配置される。
第1可動式照明13の右側には、遊技機1において異常が発生したことなどを報知するための状態報知LED29が備えられている。遊技機1において異常が発生した場合には、さらに、スピーカー30から異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施などが含まれる。不正行為は、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や、遊技機1を振動させる行為などである。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ(SW)39a(図21参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ(SW)39b(図21参照)によって振動を検出したりすることによって検知される。また、不正に開閉枠を開放する行為も不正行為に含まれる。このとき、枠開放センサスイッチ(前面枠開放検出スイッチ3b、ガラス枠開放検出スイッチ18b、図21参照)によって営業時間中に前面枠3やガラス枠18の開閉枠が開放されたことが検出される。以上のような不正行為が検出されると、状態報知LED29やスピーカー30などによって異常が報知されるようになっている。
ガラス枠18のカバーガラス18aの下方には、上皿21などを含む上皿ユニットが備えられる。上皿21は、打球発射ユニット240(図4参照)に遊技球(遊技媒体)を供給する。上皿21には、球貯留ユニット593(図2参照)から払出球導出口21aを介して遊技球が供給される。また、上皿ユニットには、演出ボタン61を備えた上皿カバーユニット20が含まれている。
さらに、ガラス枠18の下方位置であって前面枠3に固定される固定パネル22には、下皿23及び打球発射ユニット240(図4参照)の操作部(操作ハンドル)24等が備えられる。遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射ユニット240は、上皿21から供給される遊技球を遊技盤10の遊技領域10a(図3参照)に発射する。
下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構16が備えられる。前面枠3の下部右側には、ガラス枠18を施錠するための錠ユニット(鍵)25が備えられている。
また、上皿ユニットのうち上皿21の手前側には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン61(操作手段)及び選択ボタン62(操作手段)が備えられている。遊技者は、演出ボタン61や選択ボタン62を操作することによって、表示装置(変動表示装置)48(図3参照)における変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことが可能となる。例えば、演出内容を選択させることができる。なお、変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では、単に変動表示ゲームとした場合には、特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、変動表示ゲームが実行されていない非遊技状態(客待ち中)や、通常遊技状態で遊技者が演出ボタン61を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。なお、通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、変動表示ゲームの抽選確率が高い確率の状態(確変状態)や大当り状態(特別遊技状態)である。
また、変動表示ゲームが開始された後、演出ボタン61の操作を促進するための操作促進演出が実行され、操作促進演出が実行されている間に演出ボタン61を操作することによって、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出などを実行することができる。
上皿21の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン26、及び、図示しないカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン27が設けられている。また、演出ボタン61の右奥には、プリペイドカードなどの残高を表示する残高表示部28が設けられる。
図2は、本発明の実施の形態の遊技機1の背面図である。
前面枠3の裏面である遊技盤10の裏面には、遊技を統括的に制御する遊技制御装置500がスイッチベース547を介して配設されるとともに、遊技制御装置500から送信される演出制御指令に基づいて表示装置(変動表示装置)48(図3参照)等を制御する演出制御装置550がスイッチベース547の上方の制御ベース546を介して配設される。
演出制御装置550の後方には、演出制御装置550の裏面全体及び遊技制御装置500の裏面上部を覆う保護カバー545が設けられる。遊技盤10が前面枠3に収納された状態においては、遊技盤10の裏面に配設された保護カバー545及び遊技制御装置500は遊技盤収納部305の奥部(後壁)に形成される開口部3c(図4参照)を介して前面枠3の後方に突出する。
前面枠3の裏面上部には、島設備に設置された補給装置(図示省略)から補給される遊技球を貯留するとともに、貯留した遊技球を整列させて流下させる球貯留ユニット593が配設される。球貯留ユニット593は、両側部に形成された取付部593aを介して前面枠3に固定される。
球貯留ユニット593は、島設備の補給装置(図示省略)から補給される遊技球を貯留する貯留タンクと、貯留タンクに蓄えられた遊技球を一列に整列して流下させる整列流路593bとを左右方向に並べた状態で備える。整列流路593bは、球貯留ユニット593の下方に配設される。整列流路593bを通過した遊技球は、整列流路593bの下流端部から下方に延設される払出ユニット594内に導かれる。
前面枠3の一方の内側部には上下方向にわたって取付壁が形成されており、この取付壁の裏面に球貯留ユニット593から流下してきた遊技球を上皿21(図1参照)に払い出す払出ユニット594が配設される。
球貯留ユニット593の整列流路593bから供給された遊技球は、払出ユニット594に誘導される。払出ユニット594は、整列流路593bに連通し、上下方向に延設された屈曲流路ユニット594bを含む。払出ユニット594に誘導された遊技球は、流下速度を抑制するために、屈曲流路ユニット594bの内部を蛇行しながら流下して、払出装置本体に到達する。さらに、払出制御装置580からの制御信号に基づいて、払出装置によって誘導された遊技球を上皿21(図1参照)に供給する。また、払出ユニット594には、球貯留ユニット593と払出ユニット594との連結箇所、及び、払出ユニット594と払出装置との連結箇所を保護するための保護部材594aが、これらの連結箇所を覆うように配置されている。
払出ユニット594側の本体枠2の裏面には、球貯留ユニット593と払出ユニット594との連結箇所付近に端子用開口部が設けられ、外部情報端子板600(図21参照)の外部接続端子621が嵌め込まれている。外部接続端子621に外部の装置を接続することによって、遊技の進行に基づいて生成される遊技情報や各遊技機の識別コードなどの情報が出力される。
払出ユニット594側とは反対側の保護カバー545の側部は、演出制御装置550の裏面側部に形成された一対の支持部550aによって回動可能に支持されている。したがって、払出ユニット594側の保護カバー545の側部は、演出制御装置550に対して開閉回動自在となる。なお、遊技制御装置500もスイッチベース547の裏面側部に形成された一対の支持部547aによって回動自在に支持されている。
前面枠3の裏面下部には、遊技制御装置500から送信されるデータに基づいて払出ユニット594の動作を制御する払出制御装置580と、各種装置に電力を供給する電源装置400とが配設されている。払出制御装置580には、検査装置に接続される検査装置接続端子581及び払出制御装置580に発生したエラーの種類を数字で表示するエラーナンバー表示器582が配設されている。
さらに、払出制御装置580の前方(遊技盤側)には、遊技球の発射を制御する発射制御装置590が配設されている。また、電源装置400の右側には、カードユニット(図示省略)に接続するための接続端子592が配設されている。カードユニットは、接続端子592を介して接続確認信号を払出制御装置580に出力する。払出制御装置580は、入力された接続確認信号によりカードユニットとの接続を確認すると、発射許可信号を発射制御装置590に出力する。発射制御装置590は、発射許可信号が入力されている場合に発射装置から遊技球を発射するように制御する。
接続端子592の上方には、各種装飾装置と演出制御装置550とを接続する配線や払出ユニット594と払出制御装置580とを接続する配線を中継するための中継基板591が配設されている。また、発射制御装置590の前方となる前面枠3の表側部分には、遊技盤の遊技領域10aに向けて遊技球を発射するための打球発射ユニット240(図4参照)が配置されている。打球発射ユニット240は、発射制御装置590によって制御され、操作部24(図1参照)の回動操作に基づいて遊技球を発射する。さらに、払出制御装置580の左側には、開閉枠を本体枠(外枠)2に固定する錠ユニット25(図1参照)が配設されている。
図3は、本発明の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤10の正面図である。
遊技盤10は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール32で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール32の外側には、前面構成部材(サイドケース)33が取り付けられている。さらに、遊技領域10aの右下側の前面構成部材33は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレート36で覆われている。そして、このガイドレール32で囲まれた遊技領域10a内に打球発射ユニット240(図2参照)から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域10aには、打球方向変換部材としての風車や多数の障害釘(図示省略)などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域10aを流下する。
遊技領域10aの略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部47を形成するセンターケース46が取り付けられている。センターケース46に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての表示装置48が配置されている。表示装置48は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース46の窓部47を介して遊技盤10の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置48は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、センターケース46には、遊技球が横方向(前後方向及び左右方向)に転動可能な2段のステージ(上段ステージ50及び下段ステージ51)が配置されている。さらに、センターケース46は、遊技領域10aに向けて開口し、遊技領域10aを流下する遊技球を受け入れる流入口35aと、流入口35aから流入した遊技球がセンターケース46の内部左側方に配置されたワープ通路を通過して、上段ステージ50上に排出される排出口35bとからなる第1ワープ装置35(ワープ流路)を備える。
上段ステージ50の中央には、ステージ上を転動する遊技球が流入可能な流入口52が形成されている。また、下段ステージ51の中央には、遊技機1の前面側に向かって開口する流出口53が形成されている。流入口52は、センターケース46の内部に形成された案内路(図示略)によって流出口53と連通しており、流入口52に流入した遊技球は、流出口53から遊技領域10aに流下する。また、流出口53は、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38の上方に配置され、ステージ上で転動した遊技球が第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38上に流下しやすいように構成されている。
さらに、センターケース46には、遊技領域10aを流下する遊技球が流入する第2ワープ装置40(ワープ装置)が設けられている。第2ワープ装置40に遊技球が流入する球入口40aは、センターケース46の上部中央に向かって幅が大きくなるように開口するように形成され、流入口35aの開口幅よりも大きな開口幅となっている。
球入口40aから第2ワープ装置40に流入した遊技球は、センターケース46の右下方に延設された流路から、センターケース46の右側面に形成された流路をクルーン40c上に流下する。流下した遊技球は、クルーン40cを経由して下方に開口した球出口40bから遊技領域10aに排出される。第2ワープ装置40の球出口40bは、後述する第2変動入賞装置45の大入賞口に向けて開口している。
なお、第2変動入賞装置45を設けずに、第2ワープ装置40の球出口40bを後述する第1変動入賞装置42の大入賞口に向けて開口するようにしてもよい。
遊技領域10aのセンターケース46の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図21参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち出された遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、一括表示装置31にて普図変動表示ゲームが実行される。
また、センターケース46の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の開閉部材38aを備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2始動入賞領域)38が配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
第2始動入賞口38の一対の開閉部材38aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2始動入賞口38の上方には、第1始動入賞口37が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド38b(図21参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口38に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるように構成されている。
本発明の実施の形態には、2種類の第2始動入賞口38の開閉部材38aの動作態様(普電サポート)が含まれる。具体的には、非入賞容易状態(普電サポートなし)と入賞容易状態(普電サポートあり、時短状態)とが含まれる。
非入賞容易状態は、第2始動入賞口38の開閉部材38aが開放状態になりにくく、第2始動入賞口38に遊技球が入賞しにくい状態である。一方、入賞容易状態は、非入賞容易状態と比較して第2始動入賞口38の開閉部材38aが開放状態になりやすい状態である。
さらに、遊技領域10aの第2始動入賞口38の下方には、第1大入賞口ソレノイド42b(図21参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉42aを有する大入賞口を備えた第1変動入賞装置42が設けられている。
また、センターケース46の右下方には、第1変動入賞装置42と同様に、第2大入賞口ソレノイド45b(図21参照)によってアタッカ形式の開閉扉45aを有する大入賞口を備えた第2変動入賞装置45が設けられている。
第1変動入賞装置42及び第2変動入賞装置45は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、第1変動入賞装置42に遊技球を入賞させる特別遊技状態発生時の遊技を第1特別遊技とし、第2変動入賞装置45に遊技球を入賞させる特別遊技状態発生時の遊技を第2特別遊技とする。
大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての第1カウントスイッチ42d及び第2カウントスイッチ45d(図21参照)が配設されている。
第1変動入賞装置42の大入賞口は、第2変動入賞装置45の大入賞口よりも幅が広く、また、遊技者が直接狙いやすい位置に配置されている。一方、第2変動入賞装置45の大入賞口は、第1変動入賞装置42の大入賞口よりも幅が狭く、また、第2ワープ装置40の球出口40bから遊技球を流下させる場合を除き、入賞させることが困難な位置に配置されている。すなわち、第1変動入賞装置42は第2変動入賞装置45よりも遊技者にとって有利となるように構成されている。
さらに、センターケース46の左下側には、三つの一般入賞口44が配置され、第2変動入賞装置45の右上側には、一つの一般入賞口44が配置されている。また、一般入賞口44への遊技球の入賞は、一般入賞口44に備えられた入賞口スイッチ(SW)44a〜44n(図21参照)によって検出される。
一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、及び第1変動入賞装置42の大入賞口、第2変動入賞装置45の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置580(図21参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠3の上皿21又は下皿23に排出するように制御する。例えば、一般入賞口44に遊技球が入賞すると、10個の賞球が排出される。同様に、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38では3個、第1変動入賞装置42又は第2変動入賞装置45では15個の賞球が排出される。また、第1変動入賞装置42の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
また、遊技領域10aの外側(例えば、遊技盤10の右下部)には、表示装置48における飾り特図変動表示ゲームと同期する特図変動表示ゲーム、及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置31が設けられている。さらに、一括表示装置31には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部が設けられている。
なお、特図変動表示ゲームには、第1始動入賞口37に遊技球が入賞した場合に実行される特図1変動表示ゲーム(第1変動表示ゲーム)と、第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に実行される特図2変動表示ゲーム(第2変動表示ゲーム)とが含まれる。
ここで、一括表示装置31について説明する。一括表示装置31は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)及び第2特図変動表示部(特図2表示器)と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器、特図2保留表示器、普図保留表示器)を備える。
また、一括表示装置31には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する確率表示器、大当り時のラウンド数(第1変動入賞装置42の開閉扉42a又は第2変動入賞装置45の開閉扉45aの開閉回数)を表示するラウンド表示部が設けられている。
特図1表示器又は特図2表示器における特図変動表示ゲームは、変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置48において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、7セグメント型の表示器のセグメントを点滅させることによって、特別識別情報(特図、特別図柄)を所定時間ごとに切り替える変動表示を行う。
そして、特別識別情報の変動表示の開始時点で決定されている変動時間が経過すると、変動表示ゲームの結果に対応する特別識別情報で変動表示を停止して、特図1表示器又は特図2表示器における特図変動表示ゲームを終了する。
普図表示器は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器は、特図1表示器の変動開始条件となる第1始動入賞口37への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器は、特図2表示器の変動開始条件となる第2始動入賞口38の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器と同様にして表示する。
普図保留表示器は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
確率表示器は、例えば遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
ここで、本発明の実施の形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
前述のように、本発明の実施の形態の遊技機1では、打球発射ユニット240から遊技領域10aに向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域10a内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域10aを流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1変動入賞装置42又は第2変動入賞装置45に入賞するか、遊技領域10aの最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1変動入賞装置42又は第2変動入賞装置45に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置580によって制御される払出ユニットから、前面枠3の上皿21又は下皿23に排出される。
前述のように、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図21参照)が設けられている。普図始動ゲート34は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置31の始動入賞数報知用の普図保留表示器に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置31に設けられた変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口38の一対の開閉部材38aが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開放状態となる。これにより、第2始動入賞口38に遊技球が入賞し易くなり、特図2変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口38は、内蔵されている普電ソレノイド38b(図21参照)が駆動されることにより、開閉部材38aが所定の時間だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
第1始動入賞口37への入賞球及び第2始動入賞口38への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ37d(図21参照)と始動口2スイッチ38d(図21参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数(第1乱数)や大当り図柄乱数、並びに各変動パターン乱数が抽出され、抽出された乱数は、遊技制御装置500(図21参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。大当り乱数は、大当りか否かを判定するための乱数である。大当り図柄乱数は、大当り図柄を決定するための乱数である。変動パターン乱数は、変動表示ゲーム実行時における変動パターンを決定するための乱数である。
そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置31の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器、特図2保留表示器)に表示されるとともに、センターケース46の表示装置48においても表示される。
遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞、若しくはそれらの始動記憶(第1始動記憶、第2始動記憶)に基づいて、特図表示器(変動表示装置、特図1表示器又は特図2表示器)で特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームを行う。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置48にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
表示装置48における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置48では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
さらに、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当り乱数値が当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して表示装置48の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれかや「3,5,7」等の予め定められた出目)となる。
そして、特図変動表示ゲームの結果が所定の特別結果態様(例えば、15R確変)となるとき、第1変動入賞装置42は、第1大入賞口ソレノイド42b(図21参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、25秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、第1変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
また、本発明の実施の形態では、特図変動表示ゲームの結果が第1変動入賞装置42の大入賞口が開放される場合とは異なる特別結果態様(例えば、2R確変)となるとき、第2変動入賞装置45は、第2大入賞口ソレノイド45b(図21参照)への通電によって、大入賞口を所定の時間(例えば、6秒)だけ閉状態から開状態に変換する。このとき、遊技者はセンターケース46の上部に備えられた第2ワープ装置40の球入口40aに入るように遊技球を発射すると、第2ワープ装置40を通過した遊技球が第2変動入賞装置45の大入賞口上に流下し、入賞しやすくなる。
本発明の実施の形態では、特図変動表示ゲームの結果が15Rの場合には、第1変動入賞装置42の大入賞口が開放される。また、特図変動表示ゲームの結果が2R又は小当りの場合には、第2変動入賞装置45の大入賞口が開放されるように構成されている。
なお、第1変動入賞装置42の大入賞口と第2変動入賞装置45の大入賞口は、いずれか一方のみが開放されるように構成してもよいし、両方の大入賞口が開放されるようにしてもよい。例えば、15R(確変、通常)大当りの場合に限り、両方の大入賞口が開放されるように構成してもよい。
なお、特図1表示器、特図2表示器は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、表示装置48における飾り特図変動表示ゲームについても、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
また、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は、特図2変動表示ゲームが実行される。
また、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。始動記憶数の上限値は、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームについて、それぞれ4個ずつとなっている。
そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、第1カウントスイッチ42d、第2カウントスイッチ45dには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠3に前面枠開放検出スイッチ3bやガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bには、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図4は、本発明の実施の形態の遊技機に備えられる前面枠及び本体枠の前面斜視分解図である。
前面枠(内枠)3は、正面左側に設けられた内枠上ヒンジ部301及び内枠下ヒンジ部302を介して一側部が開閉回動自在になるように、それぞれ本体枠(外枠)2の外枠上ヒンジ部201及び外枠下ヒンジ部202に軸着されている。本体枠2の最下部には、幕板部(幕板飾り)203が備えられている。
また、前面枠3は、ヒンジ軸線上に発光素子を有する情報伝達部630が備えられている。そして、本体枠2は、ヒンジ軸線上に受光素子を有する情報出力部620が備えられている。情報伝達部630と情報出力部620とが一体となって外部情報端子板600(図21参照)を構成する。外部情報端子板600は、情報伝達部630から情報出力部620に遊技機に関する情報が伝達されることにより、情報出力部620に設けられる外部情報端子621から外部の装置、例えば上述したカードユニットや遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に情報を供給する。なお、外部情報端子板600(情報伝達部630及び情報出力部620)についての詳細は、図5〜図9にて後述する。
また、前面枠3の上部には、遊技盤10を収納するための前面が開放する凹形状の遊技盤収納部305が設けられ、遊技盤収納部305の奥部には遊技盤の裏面を前面枠3の後方に臨ませる開口部3cが設けられている。さらに、前面枠3にはガラス枠18が取り付けられ、正面左側に設けられるガラス枠上ヒンジ部303及びガラス枠下ヒンジ部304を介して一側部が開閉回動自在に軸着されている。また、前面枠3の下部左側には、下スピーカー30bが配置される。前面枠3の下部右側には、ガラス枠18を施錠するために、錠ユニット25が備えられている。
〔外部情報端子板〕
次に図5から図10を参照して、本発明の実施の形態の外部情報端子板600について説明する。
まず、図5及び図6を参照して、外部情報端子版600の情報出力部620について説明する。図5は、本発明の実施の形態の外部情報端子板の情報出力部の背面斜視分解図である。図6は、本発明の実施の形態の外部情報端子板の情報出力部の前面斜視拡大図である。
外部情報端子板600の情報出力部620は、本体枠2の外枠上ヒンジ部201側の側面内側である取付部200に面して設けられる。
情報出力部620は、外部接続端子621と、情報出力基板622と、出力基板カバー部材623と、信号入力部624と、受光素子625と、を備える。
情報出力基板622は、一方の面が本体枠2に面して配設され、他方の面に外部接続端子621と、信号入力部624と、受光素子625とが設けられる。外部接続端子621は、情報出力基板622の後端側に、本体枠2の裏面に設けられた端子用開口部2aに接続口が臨むよう配設される。受光素子625は、図6に示すように、外枠上ヒンジ部201と外枠下ヒンジ部202のヒンジ軸線Aと同軸上に並ぶように上下方向に所定間隔で8個設けられる。そして、受光素子625にセットで信号入力部624が同じように8個設けられる。信号入力部624はL字型形状で、一方の辺は情報出力基板622に接合され、他方の辺は受光素子625が取り付けられる。
出力基板カバー部材623は、情報出力基板622に平行な面と、該面に設けられる縁からなる。出力基板カバー部材623は、情報出力基板622の受光素子625側から情報出力基板622を覆い、このとき縁が取付部200に達する。これにより、情報出力基板622を保護する。また、出力基板カバー部材623には、受光素子625を覆わないように切欠きが8箇所設けられている。
なお、外部情報端子板600の動作用の電源入力は、本体枠2を遊技機の固有要素とする場合には電源装置400から得るようにすれば良いが、本体枠2を島設備に備え付けて他の遊技機との共通要素とする場合には島設備や外部の情報収集装置から得るようにすると良い。
次に、図7及び図8を参照して、外部情報端子板600の情報伝達部630について説明する。図7は、本発明の実施の形態の外部情報端子板の情報伝達部の前面斜視分解図である。図8は、本発明の実施の形態の外部情報端子板の情報伝達部の前面斜視拡大図である。
外部情報端子板600の情報伝達部630は、内枠3の遊技盤収納部305の内枠上ヒンジ部301側の側壁に設けられる取付部300の前面側に接面して設けられる。
情報伝達部630は、コネクタ631と、情報伝達基板632と、伝達基板カバー部材633と、信号出力部634と、を備える。
情報伝達基板632は、取付部300の前面と接面する。そして、情報伝達基板632は、取付部300との接合面にコネクタ631が設けられる。コネクタ631は、取付部300の前面に設けられるコネクタ用開口部300aに嵌め込まれ、遊技制御装置500との接続に用いられる。また、情報伝達基板632は、他方の面に信号出力部634が設けられる。信号出力部634は、内部に発光素子635(図9参照)を有している。信号出力部634は、図8に示すように、内枠上ヒンジ部301と内枠下ヒンジ部302のヒンジ軸線Aと同軸上に発光素子が並ぶように上下方向に所定間隔で8個設けられる。
伝達基板カバー部材633は、情報伝達基板632のさらに前面に設けられ、情報伝達基板632を覆う。伝達基板カバー部材633には、信号出力部634は覆わないように切欠きが8箇所設けられている。
続いて、図9を参照して、外部情報端子板600における情報出力部620の受光素子625と情報伝達部630の発光素子635との配置関係について説明する。図9は、本発明の実施の形態の外部情報端子板の左右方向断面図である。図9は、外部情報端子板600をヒンジ軸線Aを通る面で左右方向に切断した図である。
まず、図中左側から、本体枠2の側面の取付部200、取付部200に縁が接する出力基板カバー部材623、取付部200に面して設けられ出力基板カバー部材623にカバーされている情報出力基板622、情報出力基板622の右側(遊技機1の内側)の面に設けられ出力基板カバー部材623の切欠き部分から右側に延びる信号入力部624、信号入力部624に設けられヒンジ軸線Aに中心を有する受光素子625、が配置される。また、情報出力基板622と出力基板カバー部材623との隙間には、情報出力基板622に設けられる外部接続端子621が配置される。
さらに、受光素子625からヒンジ軸線Aに沿って上方向に所定距離離間されたところに配置される発光素子635、発光素子635に接合して受光素子625の方まで延びる被覆壁を有する円筒と情報伝達基板632までの継手とからなる信号出力部634、情報伝達基板632を前面から覆う伝達基板カバー部材633、が構成されている。受光素子625と発光素子635との離間距離は、発光素子635から受光素子625に信号を伝達可能な距離の範囲内で設定される。
本発明の実施の形態では、本体枠2と内枠3とは、本体枠2の外枠上ヒンジ部201(外枠下ヒンジ部202)に設けられるヒンジの軸部201a(202a)に内枠3の内枠上ヒンジ部301(内枠下ヒンジ部302)に設けられるヒンジ穴301a(302a)を通して組み付ける。このため、内枠3に取り付けられる情報伝達部630は、ヒンジの軸部201aの高さ分は上下方向にストロークすることになる。これを考慮して、上下方向に8個設けられる信号出力部634は、上下方向の位置(間隔)が決定される。
また、本発明の実施の形態では、信号出力部634に、受光素子625及び発光素子635の周囲を覆う被覆壁Wを設けている。被覆壁Wは、受光素子625及び発光素子635を外乱光やピアノ線などによるいたずらから保護する。なお、被覆壁Wは、信号入力部624に設けてもよい。信号入力部624に、受光素子625の周りを覆う円筒状の被覆壁Wを、受光素子625と発光素子635とが向かい合う面を十分に覆う程度の高さまで設けても、同様の効果を得ることができる。
本発明の実施の形態では、受光素子625及び発光素子635は、内枠3を本体枠2に開閉可能に固定するヒンジのヒンジ軸線A上に設けられる。このため、内枠3の開閉状態に係わらず、受光素子625及び発光素子635における情報(遊技信号)の伝達を行うことができる。
次に、図10を参照して、外部情報端子板600によって伝達される情報(遊技信号)について説明する。図10は、本発明の実施の形態の外部情報端子板において伝達される遊技信号について説明する図である。
図10(A)は、遊技信号の伝達の流れを示す図である。
遊技制御装置500や払出制御装置580から出力された遊技信号は、コネクタ631を介して外部情報端子板600の情報伝達部630に伝達され、さらに、情報伝達部630の発光素子635から情報出力部620の受光素子625に伝達される。そして、情報出力部620に設けられる外部接続端子621を介して外部装置(情報収集装置、カードユニット)に伝達される。
ここで、遊技制御装置500からは、セキュリティ信号、始動口信号、図柄確定信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、及び個体識別情報の7つの遊技信号が伝達される。また、払出制御装置580からは、賞球信号が伝達される。
図10(B)は、前述の伝達される遊技信号の出力態様を示す図である。
セキュリティ信号は、入賞エラーや磁気センサ又は振動センサによる不正検出信号の検出により不正中であると判定された場合に各10秒出力される。また、内枠3又はガラス枠18が開放されたときに、開放されている間出力される。さらに、RAM(RWM)初期化後1300ミリ秒出力され、RAMクリア時にも出力される。
始動口信号は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入る始動入賞毎に1パルス(192ミリ秒)出力される。
図柄確定信号は、特図変動表示ゲーム終了のタイミングで変動停止毎に1パルス(256ミリ秒)出力される。
大当り1信号は、全ての大当り(本実施の形態では2R、15R)動作中に出力される。
大当り2信号は、2Rを除く15Rの大当り動作中であって、さらに確変・時短中の場合に出力される。また、大当り2信号は、2Rの大当りであっても、確変・時短中から発生した場合には出力される。
大当り3信号は、2Rを除く15Rの大当り動作中に出力され、2Rを除く大当りを識別する。
個体識別情報は、RAM(RWM)初期化時、大当り発生時、セキュリティ異常時にシリアル出力される。個体識別情報の詳細については、図10(C)にて後述する。
賞球信号は、10個の賞球払出毎に1パルス出力される。
図10(C)は、前述の個体識別情報を出力するタイミング別の出力対象データを示す図である。
RAM初期化時など電源が投入される場合には、遊技用マイコン511に一意に設定されたチップ個別ID、遊技機のメーカーコード、及び遊技機の機種・枠コードが遊技信号(シリアル信号)として出力される。また、セキュリティ異常発生時や大当り発生時には、チップ個別IDのみが遊技信号として出力される。なお、セキュリティ異常発生時や大当り発生時に、メーカーコード、及び機種・枠コードを遊技信号として出力してもよい。本発明の実施の形態では、電源投入時には、必ずメーカーコード及び機種・枠コードが出力されるので、遊技場内で遊技機の配置換え等を行っても遊技場の管理装置において遊技機の認識が容易にできる。
(本発明の外部情報端子板の効果)
本発明の実施の形態によれば、外部装置に出力する配線が接続される外部接続端子621を有する情報出力部620は本体枠(設置枠)2に設けられ、情報出力部620に遊技制御装置500で生成された遊技情報を伝達する情報伝達部630は、内枠(遊技盤収納枠)3に設けられる。そして、情報出力部620の受光素子625と情報伝達部630の発光素子635とは、本体枠2に内枠3を開閉自在に取り付けるヒンジの軸線A上に並んで設けられる。このように、情報出力部620は本体枠2に設けられるので、内枠3の開閉によって外部接続端子621に接続される配線が引っ張られたり断線したりすることがない。また、発光素子635及び受光素子625はヒンジ軸線A上に設けられるので、内枠3の開閉状態に係わらず、発光素子635は受光素子625に遊技情報を発信可能である。したがって、本発明の遊技機は、不具合なく適切に外部装置へ遊技情報を出力することが可能である。
なお、本発明の実施の形態では、情報伝達部630から情報出力部620へ遊技情報を伝達する信号を光信号としているが、これに限らない。電波等を発信、受信する発信素子及び受信素子をそれぞれ情報伝達部630及び情報出力部620に設けてもよい。両者間の情報伝達が無線で行われる手段であれば、本発明と同様の効果が得られる。
ここで、情報伝達部630の発光素子635と情報出力部620の受光素子625とは、ヒンジ軸線A上に離間した状態で配置される。そして、発光素子635は、受光素子625に光信号を伝達する。このように、発光素子635と受光素子625とは物理的な接点を持たないので、遊技盤10を収納する内枠3に情報伝達部630が設けられていても、内枠3の開閉により発光素子635や受光素子625が破損してしまうことがない。
そして、発光素子635と受光素子625との離間により形成される伝達空間は、周囲を被覆壁Wに覆われているので、意図的に発光素子635と受光素子625との間を遮って遊技情報の伝達を阻害するといったいたずら行為を防止することができる。また外乱光により受光素子625が反応してしまうこともない。
また、本発明の実施の形態において、情報伝達部630の発光素子635から情報出力部620の受光素子625に伝達される遊技情報は8種類ある(図10)。そして各遊技情報に対応して発光素子635及び受光素子625が対となって8個設けられる。これらの発光素子635及び受光素子625は、ヒンジ軸線Aと同軸上に上下方向に配置される。このため、発光素子635は、内枠3の開閉状態に関係なく、受光素子625への遊技情報を伝達することができる。
そして、情報出力部620には、受光素子625が受け取った遊技情報を外部装置に出力するための外部接続端子621が受光素子625に対応して8個設けられる。外部接続端子621は、本体枠2の裏面に接続口が臨むように配設されるので、外部装置と接続する配線を外部接続端子621に接続し易い。
また、出力する遊技情報のうち個体識別情報は、シリアル通信によって遊技制御装置500から情報伝達部630に出力される。したがって、個体識別情報に対応する発光素子635及び受光素子625は、シリアル信号に対応可能である。遊技機を特定可能な固有の識別情報を外部装置に出力することができるので、外部装置において遊技制御装置500に搭載されるデバイスの正当性を判定することができる。
〔ガラス枠表示ユニット〕
次に、図11から図20を参照して、本発明の実施の形態のガラス枠表示ユニット800について説明する。
図11は、本発明の実施の形態の遊技機に備えられるガラス枠の前面斜視図である。
ガラス枠18には、遊技機1の前面側から遊技者が遊技領域10aを視認できるように略円形の開口部18cが形成されている。また、ガラス枠18の開口部18cには、ガラス枠18の背面からガラスユニット180が備えられる。
ガラスユニット180は、前面枠3に配設された遊技盤10の前面を覆うカバーガラス18aを有する。カバーガラス18aは、カバーガラス18aの縁に4箇所設けられる取付部材18dをガラス枠18の背面に設けられる固定部材(図示略)に取り付けることで、ガラス枠18に固定されており、遊技機1の前面側から遊技領域10aにアクセスできないように構成される。
さらに、ガラス枠18には、側方部に、開口部18cに被ることなくガラス枠表示ユニット800が備えられている。なお、ガラス枠表示ユニット800の詳細については、図12以降にて後述する。
図12は、本発明の実施の形態のガラス枠表示ユニットの前面斜視分解図である。
ガラス枠表示ユニット800は、まず、後方側(ガラス枠18との接面側)に表示器中継基板801が取り付けられたユニットベース部材802がガラス枠18に配設される。
ユニットベース部材802は、前面側に表示器取付部810と、表示器取付部810の下にモータ取付部820と、が備えられる。また、ユニットベース部材802は、LED基板803が備えられる。LED基板803は2箇所に設けられ、表示器取付部810の上方に上部LED基板803aと、モータ取付部820の下方に下部LED基板803bとが設けられる。上部LED基板803aと下部LED基板803bとは、それぞれ上部LED用レンズ部材804aと下部LED用レンズ部材804bとに覆われる。
表示器取付部810は、枠表示器805を固定する表示器フレーム部材850が取り付けられる。表示器フレーム部材850は、軸カバー部材811で回動自由に固定される。
ここで、枠表示器805は、表裏の少なくとも一方に面発光の表示面を有する透過型表示器である。枠表示器805は、表裏両方から視認可能な1枚の表示パネルでもよいし、片面に面発光の表示面を設けた2枚の表示パネルを合わせて表裏を視認可能としたものでもよい。なお、2枚の表示パネルを合わせる場合には各表示パネルの表示面を外向きにして両方の表示パネルに画像を表示させることで立体感のある表示をすることが可能となる。
モータ取付部820は、枠表示器805の位置を検出する表示器位置センサ860と、表示器フレーム部材850(枠表示器805)を左右方向に回動させる表示器可動モータ870と、が備えられる。
そして、カバー部材806は、前述の構成要素を内包して前面側からユニットベース部材802を覆うように設けられる。
図13は、本発明の実施の形態のユニットベース部材802に備えられる表示器取付部810及びモータ取付部820の拡大図である。
図13(A)はユニットベース部材802の全体を含む前面斜視図であり、図中の点線で囲んだ部分を拡大して図13(B)に示している。
表示器取付部810には、遊技盤10側(左側)に表示器フレーム部材850と、外側(右側)に外側レンズ部材(第1レンズ部材)830とが取り付けられる。表示器取付部810は、表示器フレーム部材850の取付用に上軸受部812と下軸受部813とが設けられる。そして、下軸受部813に表示器フレーム部材850の下回動軸部853(図14参照)が挿し込まれ、前面側に切欠かれたU字形状の上軸受部812に表示器フレーム部材850の上回動軸部852(図14参照)が押し込まれる。表示器フレーム部材850は、表示器フレーム部材850の上から被せられる前述の軸カバー部材811(図12参照)によって表示器取付部810に回動自由に固定される。
また、表示器取付部810は、表示器フレーム部材850の外側レンズ部材830の取付用にレンズ上軸受部814とレンズ下軸受部815とを有する外側レンズ支持部816が設けられる。レンズ上軸受部814及びレンズ下軸受部815は貫通孔であり、それぞれに外側レンズ部材830のレンズ上回動軸部831(図15参照)及びレンズ下回動軸部832(図15参照)が嵌め込まれる。そして、外側レンズ部材830は、外側レンズ支持部816によって表示器取付部810に回動自在に固定される。
モータ取付部820には、表示器位置センサ860と、表示器可動モータ870とが設けられる。表示器位置センサ860は枠表示器805の位置(左右方向への傾き角度)を検出するセンサである。表示器位置センサ860については、図17にて後述する。
表示器可動モータ870は、表示器フレーム部材850を回動させる。表示器可動モータ870は、上面に出力軸871と、出力軸871の端部に主動ギヤ872とが設けられる。主動ギヤ872は、表示器フレーム部材850の下回動軸部853の下面に設けられるギヤ部856(図14(B)参照)に噛み合って設けられる。これにより、表示器可動モータ870のトルクが主動ギヤ872からギヤ部856に伝達されて、表示器フレーム部材850が回動される。
次に、図14は、本発明の実施の形態の表示器フレーム部材への内側レンズ部材(第2レンズ部材)の取り付けについて説明する図である。
図14(A)は、表示器フレーム部材850及び内側レンズ部材840の全体図であり、遊技盤10側から見た背面斜視図である。また、図14(B)及び図14(C)は、それぞれ図14(A)における下回動軸部853及び下スライド取付部854bの拡大図である。
表示器フレーム部材850は、四角い枠表示器805の4辺を枠で囲って枠表示器805を固定している。表示器フレーム部材850は、後方側の辺に枠表示器805を挿入する表示器挿入部851と、後方上下端にはそれぞれ表示器取付部810に取り付けられる上回動軸部852及び下回動軸部853と、前方端には内側レンズ部材840が取り付けられる内側レンズ取付部854と、を有する。
表示器挿入部851には、透過型で面発光タイプの枠表示器805が挿入される。枠表示器805の遊技盤10側の表示面は、遊技者側表示面805aである。遊技者側表示面805aには、対応する遊技機1で遊技する遊技者に対する演出が表示される。
上回動軸部852は、円筒形状である。また、下回動軸部853は、円筒形状であるが、図14(B)に示すように下部に枠表示器805の位置を検出する表示位置センサ用の遮光部855と、表示器可動モータ870のトルクを伝達する主動ギヤ872と噛み合わされるギヤ部856と、が設けられる。
内側レンズ取付部854の上スライド取付部854aは、表示器フレーム部材850の上辺の遊技者側表示面805a側に設けられる。また、下スライド取付部854bも同様に、表示器フレーム部材850の下辺の遊技者側表示面805a側に設けられる。そして、図14(C)に示すように、下スライド取付部854bは、表示器フレーム部材850の枠との間にスライド溝部854cを形成する。なお、上スライド取付部854aについても同様のスライド溝部が形成される。
内側レンズ部材840は、表示器フレーム部材850の遊技者側表示面805a側に設けられる。内側レンズ部材840は、上下方向の長さは枠表示器805と同じで、前後方向の長さ(幅)は上スライド取付部854a及び下スライド取付部854bと同じである。内側レンズ部材840は、上スライド取付部854a及び下スライド取付部854bのスライド溝部に挿し込まれる。そして、内側レンズ部材840は、後方上下端にそれぞれ有する上ストッパ部841及び下ストッパ部842によって、固定される。
このように、枠表示器805の遊技者側表示面805aの前方側(前端部側)には、内側レンズ部材840によって覆われる被覆領域が生じる。なお、遊技機1で遊技する遊技者に対する演出表示は、遊技者側表示面805aにおいて被覆領域以外の領域、ずなわち遊技者側表示面805aの後方側(後端部側)の領域で表示され、この領域を演出表示領域とする。
図15は、本発明の実施の形態の表示器フレーム部材への外側レンズ部材の取り付けについて説明する図である。
図15(A)は、表示器フレーム部材850及び外側レンズ部材830の全体図であり、遊技盤10とは反対側から見た正面斜視図である。また、図15(B)は、図15(A)における前方下端の外側レンズ部材830の取り付け構造の拡大図である。
枠表示器805の遊技盤10側と反対側の面は、外側表示面805bである。外側表示面805bには、対応する遊技機1で遊技する遊技者に対する演出を表示しても良いが、本実施形態では対応する遊技機1で遊技する遊技者以外、例えば、通路を歩く人など第3者に対する演出が表示される。
表示器フレーム部材850は、外側表示面805b側の前方上下端に、それぞれ外側レンズ部材830が取り付けられる上スライド支持部857及び下スライド支持部858が設けられる。そして、図15(B)に示すように、下スライド支持部858は、表示器フレーム部材850との間にスライド溝部858aを形成する。なお、上スライド支持部857についても同様のスライド溝部が形成される。
外側レンズ部材830は、外側表示面805b側に設けられる。外側レンズ部材830は、後端上下にそれぞれレンズ上回動軸部831及びレンズ下回動軸部832が設けられる。そして、外側レンズ部材830は、レンズ上回動軸部831及びレンズ下回動軸部832が、表示器取付部810の外側レンズ支持部816のレンズ上軸受部814及びレンズ下軸受部815に嵌め込まれることにより、表示器取付部に取り付けられる。
また、外側レンズ部材830は、前方上下端にそれぞれ上スライド部833及び下スライド部834が設けられる。そして、図15(B)に示すように下スライド部834は、先端に下向きに突き出たスライド突部834aを有する。そして、スライド突部834aが、表示器フレーム部材850の可動に伴って下スライド支持部858のスライド溝部858aを可動する。同様に、上スライド部833は、先端に上向きに突き出たスライド突部を有し、そのスライド突部が、表示器フレーム部材850の可動に伴って上スライド支持部857のスライド溝部を可動する。そのため、外側レンズ部材830には専用の駆動源を設けることなく可動することが可能となっている。なお、表示器フレーム部材850及び外側レンズ部材830の可動についての詳細は、図19及び図20にて後述する。
このように、枠表示器805の外側表示面805bの後方側(後端部側)には、外側レンズ部材830によって覆われる被覆領域が生じる。なお、遊技していない遊技者に対する演出表示は、外側表示面805bにおいて被覆領域以外の領域、すなわち外側表示面805bの前方側(前端部側)の領域で表示され、この領域をアピール表示領域とする。
図16は、本発明の実施の形態のカバー部材及びLED用レンズ部材を除くガラス枠表示ユニットの全体図である。ここでは、ガラス枠表示ユニットの組み立てについて説明する。
まず、表示器取付部810に、枠表示器805及び内側レンズ部材840をセットした表示器フレーム部材850が上から挿し込まれる。具体的には、表示器取付部810の上軸受部812及び下軸受部813(図13(B))に、表示器フレーム部材850の上回動軸部852及び下回動軸部853(図14)が挿し込まれる。このとき、表示器フレーム部材850の下回動軸部853は、表示器取付部810の下に設けられるモータ取付部820の表示器可動モータ870とギヤ同士が噛み合うように、また、表示器位置センサ860との位置を考慮して初期取付位置に組み付けられる。初期取付位置については、図17にて後述する。
そして、表示器フレーム部材850の上回動軸部852に、軸カバー部材811を被せることで、表示器取付部810に表示器フレーム部材850が回動自由に固定される。
また、表示器フレーム部材850の上スライド支持部857及び下スライド支持部858(図15)の溝部に、外側レンズ部材830の上スライド部833及び下スライド部834(図15)が、スライド可能に収められる。スライドの可動については、図17にて後述する。
そして、表示器取付部810の外側レンズ支持部816に、外側レンズ部材830が取り付けられる。具体的には、外側レンズ支持部816のレンズ上軸受部814及びレンズ下軸受部815(図13(B))に、外側レンズ部材830のレンズ上回動軸部831及びレンズ下回動軸部832(図15)が嵌め込まれる。
図17は、本発明の実施の形態の表示器フレーム部材及び外側レンズ部材の取り付け及び可動方法について説明する図である。図17(A)は外側レンズ部材830について説明する図であり、図17(B)は表示器フレーム部材について説明する図であり、共に初期取付位置の状態を示している。
図17(A)は、外側レンズ部材830の表示器フレーム部材850への初期取付位置を示す。外側レンズ部材830の上スライド部833の先端に設けられるスライド突部833aは、表示器フレーム部材850の上スライド溝部857aの突当りに位置している。表示器805が図面奥に向かって動くことで、外側レンズ部材830の上スライド部833は上スライド溝部857aを図中矢印方向にスライドするので、外側表示面805bのアピール表示領域が拡大される。
図17(B)は、表示器フレーム部材850の表示器取付部810への初期取付位置を示す。表示器フレーム部材850の下回動軸部853は表示器取付部810の下軸受部813を貫通する。そして、表示器フレーム部材850の下回動軸部853の下面に設けられる遮光部855は、モータ取付部820に設けられる表示器位置センサ860のフォトセンサを完全に遮光する状態で取り付けられる。また、下回動軸部853のギヤ部856は、モータ取付部820に設けられる表示器可動モータ870の主動ギヤ872と噛み合う状態で取り付けられる。
そして、表示器可動モータ870の駆動により、出力軸871及び主動ギヤ872が回転すると、主動ギヤ872と噛み合っている表示器フレーム部材850の下回動軸部853のギヤ部856が回転する。これにより、表示器フレーム部材850が回動される。
また、表示器フレーム部材850が回動すると、遮光部855の位置は、初期取付位置からずれる。このため、遮光部855によって表示器位置センサ860のフォトセンサが遮光される遮光量が変化する。表示器位置センサ860は、初期取付位置からの遮光量の変化に基づいて、現在の表示器フレーム部材850(枠表示器805)の位置状態を検出する。
表示器フレーム部材850(枠表示器805)の可動については、図19及び図20にて後述する。
図18は、本発明の実施の形態のLED用レンズ部材の取り付けについて説明する図である。
ユニットベース部材802には、上から順に上部LED基板803a、表示器取付部810、モータ取付部820、下部LED基板803bが取り付けられる。そして、上部LED基板803aは、上部LED用レンズ部材804aによって被覆される。同様に、下部LED基板803bは、下部LED用レンズ部材804bによって被覆される。このとき、下部LED用レンズ部材804bによって、モータ取付部820も被覆される。
続いて、図19及び図20を参照して、枠表示器805の可動について上面図を用いて説明する。図19は、本発明の実施の形態の枠表示器可動前のガラス枠表示ユニットの断面図である。図20は、本発明の実施の形態の枠表示器可動後のガラス枠表示ユニットの断面図である。
可動前の枠表示器805は、前述した初期取付位置にある。枠表示器805は、ガラス枠18との取付面であるユニットベース部材802に対して外側(図中右側)に開いた状態で配設される。このため、可動前の枠表示器805の状態(第1状態)は、遊技中の遊技者が図中左側に設けられる演出表示領域を視認しやすい状態となる。
そして、遊技状態が客待ち状態になると、枠表示器805は時計回りに回動されて図20の位置に可動する。
可動後の枠表示器805は、ガラス枠18との取付面であるユニットベース部材802に対して垂直状態又はユニットベース部材802に対して内側(図中左側)に閉じた状態に変換される。ここで、枠表示器805の外側表示面805bを被覆する外側レンズ部材830は、枠表示器805の軸とは別軸で支持されている。そして、枠表示器805は、外側レンズ部材830とは反対側に可動する。このため、外側レンズ部材830の下スライド部834は、枠表示器805の下スライド支持部858のスライド溝部858aを図中矢印方向にスライドする。これにより、可動後の枠表示器805の状態(第2状態)は、外側表示面805bを被覆する外側レンズ部材830の領域が減ってアピール表示領域が拡大される。
なお、本発明の実施の形態では、外側レンズ部材830のみを可動させて内側レンズ部材840は表示器フレーム部材850に嵌めているが、内側レンズ部材840を可動させてもよい。この場合は、内側レンズ部材840及び外側レンズ部材830は、表示領域の拡縮に応じてそれぞれアピール表示領域及び演出表示領域を裏面から被覆するように可動される。また、枠表示器805は、遊技機1の左右方向に遊技者側表示面805aと外側表示面805bとが向くように配置されているが、これに限らない。上下方向でもよい。前述した第1状態の枠表示器805において、遊技者側表示面805aが遊技中の遊技者に視認され、第2状態の枠表示器805において、外側表示面805bが遊技していない遊技者に視認される配置であれば、本発明の効果は得られる。また、枠表示器805を遊技盤の要素として遊技盤、例えばセンターケース46の内部に配設し、遊技状態(変動表示ゲームの進行状態)に応じて表示器の回動角度を変化させることによって表示パネルの表裏の一方を遊技者に視認させるようにしてもよい。この場合には、変動表示ゲームの進行に応じて表示器の回動角度を変化させてもよいが、遊技者の演出ボタン61の操作により表示器の回動角度を変化させるとともに変動表示ゲームの結果を示唆する予告演出や先読み演出等を表示させるとさらに遊技の興趣が向上する。
ここからは、図21以降を参照して、本発明の実施の形態の制御について説明する。
まず、図21を用いて、遊技制御装置500の構成について説明する。図21は、本発明の実施の形態の遊技制御装置の構成を示すブロック図である。
遊技機1は遊技制御装置500を備え、遊技制御装置500は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)511を有するCPU部510と、入力ポートを有する入力部520と、出力ポートやドライバなどを有する出力部530、CPU部510と入力部520と出力部530との間を接続するデータバス540などからなる。
CPU部510は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン511と、入力部520内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)521からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン511に入力させるインバータなどからなる反転回路512と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)513などを有する。遊技制御装置500及び該遊技制御装置500によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能に構成される。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン511の内部のRAM511cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置500に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
本発明の実施の形態では、電源装置400は、遊技制御装置500と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置500と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤10及び遊技制御装置500は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置500の遊技用マイコン511(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM511cに記憶されたデータが保持されるようになっている。
制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。遊技制御装置500は、停電復旧後、RAM511cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部420は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン511内のRAM511c及び払出制御装置580内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン511が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン511は、CPU(中央処理ユニット、マイクロプロセッサ)511a、データを書き換え不能に記憶する(読出し専用の)ROM(リードオンリメモリ、不揮発性記憶手段)511b及びデータを書き換え可能に記憶する(随時読出し書込み可能な)RAM(ランダムアクセスメモリ、揮発性記憶手段)511cを備える。
ROM511bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に(書き換え不能に)記憶する。また、RAM511cは、遊技制御時にCPU511aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM511b又はRAM511cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM511bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU511aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン振り分け情報、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)3リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。
さらに、これらのパターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれている。
ここで、ROM511bは、特図変動表示ゲームにおける実行時間の設定に係る変動振り分け情報を複数記憶した変動振り分け情報記憶手段を構成している。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。
また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置48における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。
CPU511aは、ROM511b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置580や演出制御装置550に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力したりして遊技機1全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン511は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路を備えている。さらに、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU511aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU511aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(S2501)や特図普段処理(S2509)にて、ROM511bに記憶されている複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を取得する。具体的には、CPU511aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態又は高確率状態)、現在の遊技状態としての第2始動入賞口38の動作状態(通常動作状態又は時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を選択して取得する。
払出制御装置580は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置500からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン511の入力部520には、第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、第1カウントスイッチ42d、第2カウントスイッチ45dに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)521が設けられている。近接I/F521は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常が検知された場合には異常検知信号を出力するように構成されている。このとき、異常検知信号は、入力ポート523に入力される。
近接I/F521に入力された信号の出力はすべて入力ポート522に供給され、データバス540を介して遊技用マイコン511に読み込まれるとともに、遊技制御装置(主基板)500から中継基板591を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F521の出力のうち始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dの検出信号は、入力ポート522の他、反転回路512を介して遊技用マイコン511へ入力されるように構成されている。反転回路512を設けているのは、遊技用マイコン511の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路512を設けずに遊技用マイコン511に検出信号を直接入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dからの負論理の信号を遊技用マイコン511に直接入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。前述のように近接I/F521は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F521には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部520には、遊技機1の前面枠3等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ39a及び振動センサスイッチ39bからの信号及び近接I/F521により変換された第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、第1カウントスイッチ42d、第2カウントスイッチ45dからの信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート522が設けられている。入力ポート522が保持しているデータは、遊技用マイコン511が入力ポート522に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部520には、遊技機1の前面枠3に設けられた前面枠開放検出スイッチ3b及びガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bからの信号、及び払出制御装置580からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート523が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部520には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン511等に入力するためのシュミットトリガ回路524が設けられており、シュミットトリガ回路524はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート523に入力され、データバス540を介して遊技用マイコン511に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン511に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路524によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン511に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部530の各出力ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部530を介さずに中継基板591に直接出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板591のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、中継基板591を介してリセット信号RSTを試射試験装置に出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部520の各入力ポート(522,523)には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン511によって出力部530の各出力ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部520の各入力ポート(522,523)から遊技用マイコン511が読み込んだデータは、遊技用マイコン511のリセットによって廃棄されるためである。
出力部530は、データバス540に接続され払出制御装置580に出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置550に出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート531aと、演出制御装置550に出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート531bとを備える。
遊技制御装置500から払出制御装置580及び演出制御装置550には、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部530には、演出制御装置550の側から遊技制御装置500へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート531aからのデータストローブ信号SSTB及び第2出力ポート531bからの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ532aが設けられている。なお、第1出力ポート531aから払出制御装置580に出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
また、払出制御装置580は、発射制御装置590に発射許可信号を出力する。発射制御装置590は、発射許可信号が入力されている場合にのみ遊技球を遊技領域10aに発射することが可能となっている。
さらに、出力部530には、データバス540に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを、中継基板591を介して出力するバッファ532bが実装可能に構成されている。このバッファ532bは遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F521から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ532bを通さずに中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bのようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン511に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工される。例えば、遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス540からバッファ532b、中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板591には、バッファ532bから出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板591上のポートには、遊技用マイコン511から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部530には、データバス540に接続され第1変動入賞装置42を開成させるソレノイド(第1大入賞口ソレノイド42b)、第2変動入賞装置45を開成させるソレノイド(第2大入賞口ソレノイド45b)や第2始動入賞口38の開閉部材38aを開成させるソレノイド(普電ソレノイド38b)の開閉データと、一括表示装置31のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート531c、一括表示装置31に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート531d、大当り情報など遊技機1に関する情報を外部接続端子621(図2参照)に伝達する情報伝達部630に出力するための第5出力ポート531eが設けられている。情報伝達部630から出力された遊技機1に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部530には、第1ドライバ(駆動回路)533a、第2ドライバ533b、第3ドライバ533c、及び第4ドライバ533dが設けられている。
第1ドライバ533aは、第3出力ポート531cから出力される第1大入賞口ソレノイド42b又は第2大入賞口ソレノイド45bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する。
第2ドライバ533bは、第3出力ポート531cから出力される一括表示装置31の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する。第3ドライバ533cは、第4出力ポート531dから出力される一括表示装置31の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する。第4ドライバ533dは、第5出力ポート531eから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を情報伝達部630に出力する。
第1ドライバ533aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置31のセグメント線を駆動する第3ドライバ533cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ533bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ533cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ533bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部接続端子621に出力する第4ドライバ533dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ532bや第3出力ポート531c、第1ドライバ533a等は、遊技制御装置500の出力部530、すなわち、主基板ではなく、中継基板591側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、外部の検査装置595へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ535が設けられている。フォトカプラ535は、遊技用マイコン511が検査装置595との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン511が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート522のようなポートは設けられていない。また、フォトカプラ535は、遊技用マイコン511から受信した情報をシリアル通信によって情報伝達部630に出力する。
次に、図22を用いて、演出制御装置550の構成について説明する。図22は、本発明の実施の形態の演出制御装置の構成を示すブロック図である。
演出制御装置550は、遊技用マイコン511と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)551と、該主制御用マイコン551の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)554と、該映像制御用マイコン554からのコマンドやデータに従って表示装置48への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)558と、各種のメロディや効果音などをスピーカー30(30a,30b)から再生させるため音の出力を制御する音源LSI560を備えている。
主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM553、555がそれぞれ接続され、VDP558にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM556が接続され、音源LSI560には音声データが記憶された音声ROM561が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技用マイコン511からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン554へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI560への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行したりする。主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554との間、主制御用マイコン(1stCPU)551と音源LSI560との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。また、映像制御用マイコン(2ndCPU)554との間、主制御用マイコン(1stCPU)551とVDP558との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP558には、画像ROM556から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)558aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ558b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置48へ送信する映像信号を生成する信号変換回路558cなどが設けられている。
VDP558から主制御用マイコン551へは表示装置48の映像と前面枠3や遊技盤10に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP558から映像制御用マイコン554へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン554からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン554から主制御用マイコン551へは、映像制御用マイコン554が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン551と音源LSI560との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、主制御用マイコン(1stCPU)551よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)551とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)554を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)551のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置48に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置550には、遊技制御装置500から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)552が設けられている。このコマンドI/F552を介して、遊技制御装置500から演出制御装置550へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置500の遊技用マイコン511はDC5Vで動作し、演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F552には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置550には、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置101を制御する盤装飾LED制御回路565、前面枠3に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置181及び状態報知LED29を制御する枠装飾LED制御回路566、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置48における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)102を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路567、前面枠3に設けられている枠演出装置(例えば前記前述した第1可動式照明13、第2可動式照明14を動作させるモータ等)182を駆動制御する枠演出モータ制御回路568が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路(565、566、567、568)は、アドレス/データバス559を介して主制御用マイコン(1stCPU)551と接続されている。
さらに、演出制御装置550には、遊技機1の前面に設けられた演出ボタン61及び選択ボタン62に内蔵されている演出ボタンスイッチ61a及び選択ボタンスイッチ62aや盤演出装置102内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)551へ検出信号を入力するスイッチ入力回路570、前面枠3に設けられた上スピーカー30aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路562a、前面枠3に設けられた下スピーカー30bを駆動するアンプ回路562bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、前述のような構成を有する演出制御装置550やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置48を駆動するためのDC12V、コマンドI/F552の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカーを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり、電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成したりすることが可能となっている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551や映像制御用マイコン(2ndCPU)554として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置550に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン551、映像制御用マイコン554、VDP558、音源LSI560、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路(565〜568)、スピーカーを駆動するアンプ回路562a、562bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン554の有する汎用のポートを利用して、VDP558に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン554とVDP558の動作の連携性を向上させることができる。
以上が、本発明の実施の形態における遊技機1の構成である。次に、これらの制御回路によって行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置500のCPU511aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aを通過した遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド38bを動作させ、第2始動入賞口38の開閉部材38aを所定時間開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、CPU511aは、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第1始動入賞口37に備えられた始動口1スイッチ37dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第2始動入賞口38に備えられた始動口2スイッチ38dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、上記の特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置550に出力する。そして、特図1表示器や特図2表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、表示装置48で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、枠表示器805で特図変動表示ゲームに対応した予告演出、保留記憶の表示、前述のアピール演出を表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、スピーカー30(30a,30b)からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器や特図2表示器に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置500のCPU511aは、例えば、第1大入賞口ソレノイド42bにより第1変動入賞装置42の開閉扉42aを開放させ、又は、第2大入賞口ソレノイド45bにより第2変動入賞装置45の開閉扉45aを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器や特図2表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
続いて、遊技制御装置500による制御について具体的な処理を説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図23Aは、本発明の実施の形態のメイン処理の前半部のフローチャートである。図23Bは、本発明の実施の形態のメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置500は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(S2301)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(S2302)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(S2303)。さらに、割込み処理のモードを設定する(S2304)。
次に、遊技制御装置500は、払出制御装置(払出基板)580のプログラムが正常に起動するまで待機する(S2305)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に、遊技制御装置500が先に起動してしまい、払出制御装置580の起動が完了する前に、コマンドを当該払出制御装置580に送信してしまい、払出制御装置580が送信されたコマンドを取りこぼすのを回避することができる。
その後、遊技制御装置500は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(S2306)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(S2307)。また、遊技用マイコン511に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(S2308)。本実施形態では、払出制御装置580や演出制御装置550とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置500は、電源装置400内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(S2309)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
例えば、閉店時などに確変状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(S2309の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(S2310〜S2313)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。S2310及びS2311の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。同様に、S2312及びS2313の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置500は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(S2313の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(S2314)。
そして、遊技制御装置500は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(S2315)、これらの値が一致するか否かを判定する(S2316)。
一方、遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(S2309の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(S2311又はS2313の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とS2314の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(S2316の結果が「N」)、図23BのS2340〜S2344の初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置500は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(S2316の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図23BのS2317〜S2323)。まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし(S2317)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(S2318)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(S2319)。
次に、遊技制御装置500は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(S2320)。高確率でないと判定された場合には(S2320の結果が「N」)、S2323以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置500は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(S2320の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(S2321)。続いて、一括表示装置31に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示器58)をオン(点灯)に設定する(S2322)。
さらに、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信する(S2323)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置500は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(S2340)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(S2341)。そして、初期化された領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(S2342)。
続いて、遊技制御装置500は、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間に対応する時間値を設定する(S2343)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置550に送信し(S2344)、S2324以降の処理を実行する。
遊技制御装置500は、S2323又はS2344の処理が終了すると、外部情報端子板600の情報伝達部630に出力するため、遊技機1の個体識別情報(図10(C)参照)をシリアル通信回路にセットする(S2324)。メイン処理は遊技機1の電源投入時に実行されるので、条件が成立したときには(RAM(RWM)初期化時、大当り発生時、セキュリティ異常時、図10(B)参照)遊技機1の個体識別情報の信号を情報伝達部630に出力する準備が整っている。
次に、遊技制御装置500は、遊技用マイコン511(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(S2325)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン511内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU511aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置500は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(S2326)。具体的には、CPU511aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(S2327)。その後、遊技制御装置500は、割込みを許可する(S2328)。
なお、本実施形態のCPU511a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置500は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S2329)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置500は、電源装置400から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(S2330)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置500は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S2331)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(S2331の結果が「N」)、S2329の初期値乱数更新処理を再び実行し、S2329からS2331までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(S2329)の前に割り込みを許可(S2328)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(S2329)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(S2331の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がS2330の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(S2332)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(S2332の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S2331)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(S2332の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(S2333〜S2339)。
遊技制御装置500は、割込みを禁止し(S2333)、全出力ポートをオフに設定する(S2334)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(S2335)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(S2336)。
さらに、遊技制御装置500は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S2337)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(S2338)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(S2339)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図24は、本発明の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込み信号がCPU511aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(S2401)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでS2401の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置500は、入力部520を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(S2402)。各種センサには、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、普図のゲートスイッチ34a、第1カウントスイッチ42d、第2カウントスイッチ45dなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置500は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置550及び払出制御装置580に送信するための出力処理を実行する(S2403)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、第1大入賞口ソレノイド(SOL)42b、第2大入賞口ソレノイド45b、普電ソレノイド38bが含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力するも含まれる。
次に、遊技制御装置500は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置550や払出制御装置580等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(S2404)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置550に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置550に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置580に送信したりする。
さらに、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(S2405)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(S2406)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置500は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(S2407)。各種入賞口スイッチには、例えば、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、第1カウントスイッチ42d、及び第2カウントスイッチ45dが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠3やガラス枠18が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(S2408)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図25にて後述する。続いて、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(S2409)。
次に、遊技制御装置500は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(S2410)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置31)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置500は、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bからの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(S2411)。異常の発生を検出した場合には、スピーカー30から報知音を出力したり、状態報知LED29を点灯させてエラー表示するなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置500は、外部接続端子621から外部装置に出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(S2412)。なお、外部情報編集処理についての詳細は、図40にて後述する。
そして、遊技制御装置500は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(S2413)。その後、S2401の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(S2414)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(S2415)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(S2408)の詳細について説明する。図25は、本発明の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dによる入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dの入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(S2501)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図26にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、カウントスイッチ監視処理を実行する(S2502)。カウントスイッチ監視処理では、第1変動入賞装置42内に設けられた第1カウントスイッチ42dによって当該第1変動入賞装置42に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。さらに、第2変動入賞装置45内に設けられた第2カウントスイッチ45dによって当該第2変動入賞装置45に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。第1変動入賞装置42及び第2変動入賞装置45の大入賞口が同時に開放される場合には、第1変動入賞装置42に入賞した遊技球の数と第2変動入賞装置45に入賞した遊技球の数とを合算してもよいし、それぞれ個別に計数してもよい。
次に、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(S2503)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされ、S2503の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(S2504の結果が「N」)、S2520以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(S2504の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S2505)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S2506)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(S2507)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(S2508)。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(S2508の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(S2509)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。特図普段処理の詳細については、図30にて後述する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(S2508の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(S2510)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(S2508の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(S2511)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。特図表示中処理の詳細については、図33A及び図33Bにて後述する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(S2508の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(S2512)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(S2508の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(S2513)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(S2508の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(S2514)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉42a又は開閉扉45aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
本発明の実施の形態では、15Rの場合には、第1変動入賞装置42の開閉扉42aが開放され、2Rの場合には、第2変動入賞装置45の開閉扉45aが開放される。なお、小当りの場合には、後述する処理番号9に対応する小当り残存球処理で第2変動入賞装置45の開閉扉45aが閉鎖される。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(S2508の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(S2515)。大当り終了処理は、S2509の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。大当り終了処理の詳細については、図35にて後述する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「7」の場合には(S2508の結果が「7」)、小当りファンファーレ中処理を実行する(S2516)。小当りファンファーレ中処理は、第2変動入賞装置45の大入賞口の開放時間の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「8」の場合には(S2508の結果が「8」)、小当り中処理を実行する(S2517)。小当り中処理は、小当り終了画面のコマンドを設定したり、小当り残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「9」の場合には(S2508の結果が「8」)、小当り残存球処理を実行する(S2518)。小当り残存球処理は、第2変動入賞装置45の大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉45aを閉鎖する。その後、特図ゲーム処理番号を10に設定する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「10」の場合には(S2508の結果が「6」)、小当り終了処理を実行する(S2519)。小当り終了処理は、S2509の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
その後、遊技制御装置500は、特図1表示器における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S2520)。続いて、特図1表示器に係る図柄変動制御処理を実行する(S2521)。
さらに、遊技制御装置500は、特図2表示器における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S2522)。続いて、特図2表示器に係る図柄変動制御処理を実行する(S2523)。S2523の処理が終了すると、タイマ割込処理に復帰する。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(S2501)の詳細について説明する。図26は、本発明の実施の形態の始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(S2601)。このとき、第1始動入賞口37(始動口1)に遊技球が入賞したことによって送信される始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する。
続いて、遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S2602)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図27にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、普通電動役物(普通変動入賞装置、第2始動入賞口38の開閉部材38a)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口38の開閉部材38aが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(S2603)。普通電動役物が作動中である場合には(S2603の結果が「Y」)、S2606以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、普通電動役物が作動中でない場合には(S2606の結果が「N」)、第2始動入賞口38への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(S2604)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(S2605)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、開閉部材38aが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、S2604及びS2605の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
遊技制御装置500は、不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(S2605の結果が「Y」)、第2始動入賞口38への遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。このとき、演出制御装置550にコマンドを送信し、状態報知LED29を点灯させたり、スピーカー30から警報音を出力したりする。
一方、遊技制御装置500は、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(S2605の結果が「N」)、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備する(S2606)。このとき、第2始動入賞口38による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する。さらに、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S2607)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(S2602、S2607)の詳細について説明する。図27は、本発明の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって始動口1スイッチ37dや始動口2スイッチ38dから信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ37d)から信号が入力されたか否かをチェックする(S2701、S2702)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(S2702の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(S2702の結果が「Y」)、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(S2703)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(S2704)。
続いて、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報が、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数である始動口信号出力回数をロードする(S2705)。そして、ロードした始動口信号出力回数に1加算して更新し、オーバーフローするか否かをチェックする(S2706、S2707)。
そして、遊技制御装置500は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(S2707の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(S2708)。
遊技制御装置500は、S2708の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(S2707の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックする(S2709、S2710)。
遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満の場合には(S2710の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(S2711)。
続いて、遊技制御装置500は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置500は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(S2712)、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(S2713)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドの送信を設定するためのコマンド設定処理を実行する(S2714)。
次に、遊技制御装置500は、更新対象の始動口及び更新された特図保留数に対応する保留記憶領域に含まれる乱数セーブ領域のアドレスを算出する(S2715)。
遊技制御装置500は、算出されたアドレスに基づいて、大当り乱数を乱数セーブ領域にセーブする(S2716)。さらに、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備する(S2717)。そして、準備した大当り図柄乱数を大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(S2718)。
続いて、遊技制御装置500は、対応する変動パターン乱数1を抽出し、乱数セーブ領域にセーブする(S2719)。変動パターン乱数1は、後半の変動パターンのリーチ系統を決定するための乱数である。
同様に、遊技制御装置500は、対応する変動パターン乱数2を抽出し、乱数セーブ領域にセーブする(S2720)。変動パターン乱数2は、変動パターン乱数1によって特定される後半変動のリーチ系統から詳細な変動パターンを決定するための乱数である。
さらに、遊技制御装置500は、対応する変動パターン乱数3を抽出し、乱数セーブ領域にセーブする(S2721)。変動パターン乱数3は、前半の変動パターンを決定するための乱数である。
ここで、特図変動表示ゲーム(特図1又は特図2)における変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置500は、乱数セーブ領域にセーブされた乱数に基づいて事前(先読み)判定を行う特図保留情報判定処理を実行し(S2722)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。。なお、特図保留情報判定処理の詳細については、図28にて後述する。
一方、遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満でない場合には(S2710の結果が「N」)、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dであるか否かをチェックする(S2730、S2731)。監視対象が始動口1スイッチ37dでない場合には(S2731の結果が「N」)、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(S2732)、コマンド設定処理を実行する(S2733)。
一方、遊技制御装置500は、監視対象が始動口1スイッチ37dの場合(S2731の結果が「N」)、又は、S2733のコマンド設定処理が終了した場合には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理(図27)における特図保留情報判定処理(S2722)の詳細について説明する。図28は、本発明の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶(保留記憶)に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前(詳しくは、始動口への遊技球の入賞に基づく始動記憶の記憶時)に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置500は、まず、第2始動入賞口38(始動口2)への入賞による特図2始動記憶についての処理か否かを判定する(S2801)。
そして、遊技制御装置500は、特図2始動記憶についての処理でない場合、つまり特図1始動記憶についての処理である場合には(S2801の結果が「N」)、普通電動役物(第2始動入賞口38の開閉部材38a)の作動状態が促進状態(電サポ中)であるか、又は、遊技状態が大当り中であるかを判定する(S2802)。
遊技制御装置500は、電サポ中、又は、大当り中である場合には(S2802の結果が「Y」)、特図1始動記憶についての先読み処理を実行することなく、特図保留情報判定処理を終了する。これに対して、電サポ中でも大当り中でもない場合には(S2802の結果が「N」)、特図1始動記憶について先読み処理を実行するためS2803の処理を実行する。
遊技制御装置500は、特図2始動記憶についての処理である場合には(S2801の結果が「Y」)、常に先読み処理を実行するため、S2803の処理を実行する。
遊技制御装置500は、S2803〜S2807において対象の始動記憶が大当りか否かを判定する大当り判定処理を実行する。
まず、遊技制御装置500は、大当りの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(S2803)。高確率状態である場合には(S2803の結果が「Y」)、高確率時の大当り判定値を設定する(S2804)。一方、高確率状態でない場合には(S2803の結果が「N」)、低確率時の大当り判定値を設定する(S2805)。
次に、遊技制御装置500は、対象となる乱数セーブ領域から大当り乱数をロードする(S2806)。そして、ロードした大当り判定値とS2804又はS2805の処理で取得した大当り判定値とが一致するか否かを判定する(S2807)。
遊技制御装置500は、大当り判定値と大当り乱数の値が一致して大当りとなる場合には(S2807の結果が「Y」)、対象の保留記憶で入賞した始動口スイッチに対応する大当り図柄情報テーブルを設定する(S2808)。そして、対象となる乱数セーブ領域から対象の大当り図柄乱数をロードし(S2809)、設定したテーブルから大当り図柄乱数に対応する図柄情報を取得する(S2810)。
一方、遊技制御装置500は、大当り判定値と大当り乱数の値が一致せず大当りとならない場合には(S2807の結果が「N」)、はずれ時の図柄情報(0)を取得する(S2811)。さらに、S2806でロードした大当り乱数に基づいて、変動表示ゲームの結果が小当りになるか否かを判定し(S2812)、結果が小当りになる場合には(S2812の結果が「Y」)、小当り時の図柄情報(10)を設定する(S2813)。小当り時の図柄情報(10)は、小当り図柄の種類に関係なく共通する。
続いて、遊技制御装置500は、S2810又はS2813の処理で取得した図柄情報に対応する図柄情報コマンドを準備して(S2814)、当該図柄情報コマンドの送信を設定するコマンド設定処理を実行する(S2815)。
さらに、遊技制御装置500は、対象となる乱数セーブ領域から対象の変動パターン乱数1をロードして(S2816)、当該変動パターン乱数1に対応する変動パターン乱数コマンドを準備する(S2817)。先読み処理の時点では、変動パターンのリーチ系統さえ演出制御装置550に伝達できればよいので、変動パターン乱数1のみに対応する変動パターン乱数コマンドを準備する。これにより、遊技制御装置500の処理が簡潔になる。
そして、遊技制御装置500は、準備した変動パターン乱数コマンドの送信を設定するコマンド設定処理を実行して(S2818)、特図保留情報判定処理を終了する。
変動パターン乱数は、変動表示ゲームの結果に影響を及ぼさない、すなわち、秘匿性を高める必要がない。そこで、変動パターン乱数コマンドは、乱数値のまま、もしくは、乱数値を示す情報に変換されて、演出制御装置550に送信される。そして、演出制御装置550側で、変動パターンの詳細が決定される。これに対して、大当り乱数及び大当り図柄乱数は、変動表示ゲームの結果を決定する乱数であり、秘匿性を高める必要がある。このため、大当り判定処理実行後の判定結果情報が図柄情報コマンドとして演出制御装置550に送信される。これらのコマンドが遊技制御装置500から演出制御装置550に送信されると、演出制御装置550の特図1/特図2保留記憶領域(図49参照)に記憶される。
以上のように、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置550に対して通知することが可能に構成されている。演出制御装置550は、通知された情報に基づき表示装置48や枠表示器805に表示されている保留表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。
〔大当り図柄情報テーブル〕
ここで、図29を参照して、前述の特図保留情報判定処理(図28)における大当り判定処理においてS2808で設定される大当り図柄情報テーブルについて説明する。図29は、本発明の実施の形態の大当り図柄情報テーブルの一例を示す図である。図29(A)は特図1用、図29(B)は特図2用の大当り図柄情報テーブルである。また、図29(C)は、対象の始動入賞と準備されるコマンドのタイミングを示す。
大当り図柄情報テーブルは、「大当り図柄乱数」、「図柄番号」、「図柄情報」、「大当り種別」、「大入開放時間」、「大当り終了時の状態報知」を含む。
「大当り図柄乱数」は、乱数セーブ領域に格納された大当り図柄乱数と比較することによって、図柄番号などを特定する。
「図柄番号」は、変動表示ゲームの結果、すなわち、7セグメントの表示態様を示す停止図柄番号である。「図柄情報」は、大当り時の特別遊技状態や大当り後の特定遊技状態に対応する情報であり、演出制御装置550への情報伝達用に用いられる。「図柄情報」は、数字で1〜9まで設定されており、番号別に大当りの種類が設定されている。
「大当り種別」は、ラウンド数、確率状態、時短回数を含む。特別遊技状態における第1変動入賞装置42又は第2変動入賞装置45の開閉回数であるラウンド数は、2R又は15Rが設定される。また、特図変動表示ゲームで大当りとなる確率状態は、通常状態又は高確率状態が設定される。また、特定遊技状態における第2始動入賞口38の動作状態(普電サポート)が時短状態になる特図変動表示ゲーム回数である時短回数は、次回の大当りまで時短状態を継続する(時短∞)、100回(時短100)、又は0回(時短0)が設定される。そして、時短∞及び時短100の場合は種類「A」と表され、時短0の場合は種類「B」又は種類「C」と表される。本発明の実施の形態では、時短0の場合に潜伏演出に移行し、移行割合は、特図1の場合に100分の16、特図2の場合に100分の6である。また、大当りで確変となる割合は、特図1及び特図2ともに100分の66である。
「大入開放時間」は、特別遊技状態における1ラウンドの間で大入賞口が開放される時間である。ラウンド数が15Rの場合には、1ラウンド当り25秒間開放される。2R、かつ、時短の種類が「A」又は種類「B」の場合には、1ラウンド当り6秒間開放される。また、2R、かつ、時短の種類が「C」の場合には、1ラウンド当り0.5秒間開放される。ここで、小当りの場合には、0.5秒間の開放が2回行われる。したがって、大当り種別が「2R確変C」であるときの開放態様と、小当りのときの開放態様は、同じである。
「大当り終了時の状態報知」は、特別遊技状態終了後、特図変動表示ゲームの確率状態を遊技者に報知するか否かを表し、「あり」又は「なし」が設定される。
図29(A)に示した特図1大当り図柄情報テーブルと図29(B)に示した特図2大当り図柄情報テーブルとを比較すると、ラウンド振り分けの面で特図2の場合が優遇(遊技者に有利に設定)されている。
なお、本発明の実施の形態では、高確率状態であるか否かによって、大当り図柄乱数の範囲が相違し、状態ごとに大当り図柄情報テーブルが用意されている。
本発明の実施の形態では、第1始動入賞口37もしくは第2始動入賞口38に遊技球が入賞し、入賞信号が検出されると、飾り特図保留数コマンド、特図種別・図柄情報コマンド、及び変動パターン乱数コマンドが準備される。特図種別・図柄情報コマンド及び変動パターン乱数コマンドは、事前判定情報として特図保留情報判定処理のS2814及びS2817で準備される。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図25)における特図普段処理(S2509)の詳細について説明する。図30は、本発明の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(S3001、S3002)。
遊技制御装置500は、特図2保留数が0の場合には(S3002の結果が「Y」)、第1始動記憶数(特図1保留数)が0であるか否かをチェックする(S3003、S3004)。このように、特図2保留数のチェック(S3001)を、特図1保留数のチェック(S3003)よりも先に行うことによって、特図1変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な特図2変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
さらに、遊技制御装置500は、特図1保留数が0の場合には(S3004の結果が「Y」)、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックする(S3005、S3006)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(S3006の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定する(S3007)。続いて、客待ちデモコマンドを準備し(S3008)、コマンド設定処理を実行する(S3009)。
一方、遊技制御装置500は、既に客待ちデモが開始されている場合には(S3006の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置550に送信済みであるため、S3010以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置500は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(S3010)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、特図2保留数が0でない場合(S3002の結果が「N」)、又は、特図1保留数が0でない場合(S3004の結果が「N」)、すなわち、特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図変動開始処理1を実行する(S3011)。そして、特図変動中処理に移行するためのテーブルを準備する特図変動中処理移行設定処理を実行する(S3012)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、変動中に係る試験信号、特図表示器における特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図表示器の変動中に係るフラグ、特図表示器の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。なお、S3011における特図変動開始処理1の詳細については、図31にて後述する。
〔特図変動開始処理1〕
次に、前述した特図普段処理(図30)における特図変動開始処理1(S3011)の詳細について説明する。図31は、本発明の実施の形態の特図変動開始処理1の手順を示すフローチャートである。特図変動開始処理1は、特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置500は、まず、特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグに、はずれ情報又は大当り情報を設定する大当りフラグ設定処理を実行する(S3101)。
また、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグに、はずれ情報又は小当り情報を設定する小当りフラグ設定処理を実行する(S3102)。小当り判定は、大当り乱数を用いて判定される。
次に、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームにおける特図停止図柄の設定に係る特図停止図柄設定処理を実行する(S3103)。
その後、遊技制御装置500は、特図停止図柄番号(特図停止図柄)に対応する試験信号をセーブする(S3104)。続いて、特図停止図柄設定処理によって設定された停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S3105)。
次に、遊技制御装置500は、特図変動フラグ(変動中フラグ)をロードして準備し(S3106)、特図変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(S3107)。
続いて、遊技制御装置500は、変動パターンに関する情報を設定するテーブルを準備し(S3108)、変動パターンを決定するための各種パラメータ(特図情報)を設定する特図情報設定処理を実行する(S3109)。続いて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行する(S3110)。さらに、S3109で設定されたパラメータ及びS3110で設定された後半変動パターンに基づいて、前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S3111)。
その後、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(S3112)、特図変動開始処理1を終了する。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、前述した特図変動開始処理(図31)における変動開始情報設定処理(S3112)の詳細について説明する。図32は、本発明の実施の形態の変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。変動開始情報設定処理では、決定された変動パターンに基づいて、時間値の設定などの処理を実行する。
遊技制御装置500は、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数セーブ領域を0クリアする(S3201)。
続いて、遊技制御装置500は、前半変動時間値テーブルを設定し(S3202)、変動パターン設定処理(図31)のS3111の処理で取得された前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(S3203)。
同様に、遊技制御装置500は、後半変動時間値テーブルを設定し(S3204)、変動パターン設定処理(図31)のS3110の処理で取得された後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(S3205)。
そして、遊技制御装置500は、S3203の処理で取得された前半変動時間値と、S3205の処理で取得された後半変動時間値とを加算し(S3206)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S3207)。
さらに、遊技制御装置500は、演出制御装置550に変動パターンコマンドを送信する処理を実行する。具体的には、まず、前半変動番号に対応する変動パターンコマンドのMODE部を算出し、準備する(S3208)。さらに、後半変動番号に対応する変動パターンコマンドのACTION部を算出し、準備し(S3209)、変動パターンコマンドを送信バッファに設定するためにコマンド設定処理を実行する(S3210)。
続いて、遊技制御装置500は、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンド(図柄情報コマンド)をロードし、準備して(S3211)、飾り特図コマンドを送信バッファに設定するためにコマンド設定処理を実行する(S3212)。
そして、遊技制御装置500は、演出制御装置550に特図保留数コマンドを送信する処理を実行する。具体的には、まず、変動図柄判別フラグに対応する飾り特図保留数コマンドのMODE部を準備する(S3213)。
次に、遊技制御装置500は、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域のアドレスを設定し(S3214)、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を1減算して更新する(S3215)。さらに、特図保留数に対応する特図保留数コマンドのACTION部を準備して(S3216)、特図保留数コマンドを送信バッファに設定するためにコマンド設定処理を実行する(S3217)。
最後に、遊技制御装置500は、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域をシフトし(S3218)、シフト後の空き領域を0クリアする(S3219)。その後、変動開始情報設定処理を終了する。
このように、前述した事前判定処理である特図保留情報判定処理(図28)では、S2818において変動パターン乱数の値をそのまま演出制御装置550に送信するように設定されていたが、変動開始時においては、変動パターン乱数による判定によって決定される変動パターン情報(番号)が設定される。
〔特図表示中処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図25)における特図表示中処理(S2511)の詳細について説明する。図33Aは、本発明の実施の形態の特図表示中処理の前半部の手順を示すフローチャートである。図33Bは、本発明の実施の形態の特図表示中処理の後半部の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、小当りが発生する場合に、小当りフラグ1領域に設定される小当りフラグ1(特図1)、及び、小当りフラグ2領域に設定されている小当りフラグ2(特図2)をロードする(S3301)。その後、小当りフラグ1領域及び小当りフラグ2領域をクリアする(S3302)。
次に、遊技制御装置500は、大当りが発生する場合に、大当りフラグ1領域に設定される大当りフラグ1(特図1)、及び、大当りフラグ2領域に設定されている大当りフラグ2(特図2)をロードする(S3303)。その後、大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする(S3304)。
次に、遊技制御装置500は、ロードされた大当りフラグ2をチェックし(S3305)、大当りであるか否かを判定する(S3306)。そして、大当りと判定された場合には(S3306の結果が「Y」)、特図2変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)に関する試験信号を試験信号出力データ領域にセーブする(S3310)。
一方、遊技制御装置500は、大当りフラグ2をチェックして大当りでないと判定された場合には(S3306の結果が「N」)、大当りフラグ1をチェックし(S3307)、大当りであるか否かを判定する(S3308)。そして、大当りと判定された場合には(S3308の結果が「Y」)、特図1変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)に関する試験信号を試験信号出力データ領域にセーブする(S3309)。
そして、遊技制御装置500は、特図1大当りに関する試験信号をセーブする処理(S3309)、又は、特図2大当りに関する試験信号をセーブする処理(S3310)が完了すると、ラウンド数上限値テーブルを設定する(S3311)。
次に、遊技制御装置500は、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンド数上限値を取得し、当該ラウンド数上限値をラウンド数上限値領域にセーブする(S3312)。続いて、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンドLEDポインタを取得し、当該ラウンドLEDポイントをラウンドLEDポインタ領域にセーブする(S3313)。
次に、遊技制御装置500は、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの当選確率を通常状態(低確率状態)とする情報に対応する確率情報コマンドを準備し(S3314)、コマンド設定処理を実行する(S3315)。
続いて、遊技制御装置500は、実行中の特図変動表示ゲームの停止図柄を示す図柄情報に対応するファンファーレコマンドを準備し(S3316)、コマンド設定処理を実行する(S3317)。出力されるファンファーレは、大当りの種類(例えば、15R確変大当りと2R確変大当り)によって異なるため、対応するファンファーレコマンドを演出制御装置550に送信するように設定する。
その後、遊技制御装置500は、表示装置48で表示される飾り特図変動表示ゲームの停止図柄パターン情報に対応する図柄情報コマンドを飾り特図コマンド領域からロードして準備し(S3318)、当該図柄情報コマンドに対するコマンド設定処理を実行する(S3319)。
次に、遊技制御装置500は、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(S3320)。
続いて、遊技制御装置500は、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を設定し(S3321)、当該大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S3322)。
その後、遊技制御装置500は、大入賞口開放情報が大入賞口1(第1変動入賞装置42)の開放か否かをチェックして(S3323)、判定する(S3324)。
遊技制御装置500は、大入賞口1の開放である場合には(S3324の結果が「Y」)、大入賞口1への不正入賞数をリセットし(S3325)、大入賞口1不正監視期間フラグに不正監視期間外フラグをセーブする(S3326)。
一方、遊技制御装置500は、大入賞口1の開放でない場合、すなわち、大入賞口2の開放である場合には(S3324の結果が「N」)、大入賞口2への不正入賞数をリセットし(S3327)、大入賞口2不正監視期間フラグに不正監視期間外フラグをセーブする(S3328)。
そして、遊技制御装置500は、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を実行し(S3329)、特図表示中処理を終了する。ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、ファンファーレ/インターバル中処理に対応する処理番号「3」を設定したり、各種状態を示す情報を設定したりする。
ここで、各種状態を示す情報としては、例えば、外部接続端子621に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LEDを消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常状態とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LEDを消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常状態とする情報や、停電復旧時に演出制御装置550に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常状態であることを示す情報や、大当り後の残り時間短縮変動回数のクリアに係る情報など)等が挙げられる。
一方、遊技制御装置500は、大当りフラグ1をチェックして大当りでないと判定された場合には(S3308の結果が「N」)、ロードされた小当りフラグ1をチェックし(S3330)、小当りであるか否かを判定する(S3331)。そして、小当りでないと判定された場合には(S3331の結果が「N」)、小当りフラグ2をチェックし(S3332)、小当りであるか否かを判定する(S3333)。
そして、遊技制御装置500は、S3333の処理で小当りと判定されなかった場合には(S3333の結果が「Y」)、特図変動表示ゲームの結果がはずれなので、時間短縮変動回数更新処理を実行する(S3340)。時間短縮変動回数更新処理は、変動回数を更新したり、普電サポートの終了などをチェックし、必要な情報を設定したりする処理である。そして、特図普段処理移行設定処理1を実行して(S3341)、特図表示中処理を終了する。なお、時間短縮変動回数更新処理の詳細については図34にて後述する。
一方、遊技制御装置500は、小当りフラグ1又は小当りフラグ2に小当りが設定されている場合には(S3331の結果が「Y」又はS3333の結果が「Y」)、時間短縮変動回数更新処理を実行する(S3334)。そして、小当り用のファンファーレコマンドを準備し(S3335)、コマンド設定処理を実行する(S3336)。
さらに、遊技制御装置500は、表示装置48で表示される飾り特図変動表示ゲームの停止図柄パターン情報に対応する図柄情報コマンドを飾り特図コマンド領域からロードして準備し(S3337)、当該図柄情報コマンドに対するコマンド設定処理を実行する(S3338)。そして、小当りファンファーレ中処理移行設定処理を実行し(S3339)、特図表示中処理を終了する。小当りファンファーレ中処理移行設定処理は、小当りファンファーレ中処理に対応する処理番号「7」を設定したり、S3329のファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1と同様に各種状態を示す情報を設定したりする。
〔時間短縮変動回数更新処理〕
次に、前述した特図表示中処理(図33)における時間短縮変動回数更新処理(S3334及びS3340)の詳細について説明する。図34は、本発明の実施の形態の変動回数更新処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、大当りが発生しない場合に実行される処理であり、最後に大当りが発生してから変動表示ゲームが実行された回数を計数し、時短状態の終了などを判定する。
遊技制御装置500は、現在の遊技状態が時短状態(普電サポート中)であるか否かを判定する(S3401)。
遊技制御装置500は、時短状態である場合には(S3401の結果が「Y」)、時短変動回数を1減算し、更新する(S3402)。さらに、時短変動回数が0か否かを判定する(S3403)。
遊技制御装置500は、時短変動回数が0の場合、すなわち、時短状態が終了する場合には(S3403の結果が「Y」)、時短終了時の確率情報コマンドを準備して(3404)、演出制御装置550に送信する送信バッファに設定するためにコマンド設定処理を実行する(S3405)。
続いて、遊技制御装置500は、時短の終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(S3406)。さらに、時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(S3407)。
そして、遊技制御装置500は、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブし(S3408)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率/普電サポートなしフラグをセーブする(S3409)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブする(S3410)。
遊技制御装置500は、停電復旧時送信コマンド領域に低確率を設定する確率情報コマンドをセーブして(S3411)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、普電サポート中でない場合(S3401の結果が「N」)、又は、時短変動回数が0でない場合、すなわち、時短状態が継続する場合には(S3403の結果が「N」)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図25)における大当り終了処理(S2515)の詳細について説明する。図35は、本発明の実施の形態の大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。大当り終了処理は、大当り状態終了後の遊技状態の設定などを行う。
遊技制御装置500は、まず、確率変動判定フラグ領域に格納された確率変動判定フラグをロードし(S3501)、当該確率変動判定フラグに基づいて大当り終了設定処理に分岐する(S3503〜S3506)。
遊技制御装置500は、確率変動判定フラグが「0」に設定されている場合には、大当り終了設定処理1を実行する(S3503)。大当り終了設定処理1の詳細については、図36にて説明する。
遊技制御装置500は、確率変動判定フラグが「1」に設定されている場合には、大当り終了設定処理2を実行する(S3504)。大当り終了設定処理2の詳細については、図37にて説明する。
遊技制御装置500は、確率変動判定フラグが「2」に設定されている場合には、大当り終了設定処理3を実行する(S3505)。大当り終了設定処理3の詳細については、図38にて説明する。
遊技制御装置500は、確率変動判定フラグが「3」に設定されている場合には、大当り終了設定処理4を実行する(S3506)。大当り終了設定処理4の詳細については、図39にて説明する。
遊技制御装置500は、大当り終了設定処理が終了すると、確率変動判定フラグに対応する確率情報コマンドを準備する(S3507)。そして、確率情報コマンドを演出制御装置550に送信するためのコマンド設定処理を実行する(S3508)。
そして、遊技制御装置500は、特図普段処理を実行するための特図普段処理移行処理2を実行し(S3509)、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理1〕
次に、前述した大当り終了処理(図35)における大当り終了設定処理1(S3503)の詳細について説明する。図36は、本発明の実施の形態の大当り終了設定処理1の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理1は、大当り終了後の遊技状態を時短状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、時短状態の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S3601)。また、時短状態の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S3602)。さらに、図示しない遊技状態表示番号表示領域に時短状態の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に時短時の番号をセーブする(S3603)。
そして、遊技制御装置500は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/普電サポートフラグをセーブする(S3604)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に低確率/時短フラグをセーブし(S3605)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブする(S3606)。最後に、時間短縮変動回数領域に時短変動回数の初期値(100回)をセーブし(S3607)、大当り終了設定処理1を終了する。
〔大当り終了設定処理2〕
次に、前述した大当り終了処理(図35)における大当り終了設定処理2(S3504)の詳細について説明する。図37は、本発明の実施の形態の大当り終了設定処理2の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理2は、大当り終了後の遊技状態を高確率状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、高確率状態の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S3701)。また、高確率状態の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S3702)。さらに、図示しない遊技状態表示番号表示領域に高確率状態の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブする(S3703)。
そして、遊技制御装置500は、高確率状態に移行するために普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/普電サポートフラグをセーブする(S3704)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に高確率/時短フラグをセーブし(S3705)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブする(S3706)。最後に、次回大当りまで高確率状態が継続するため、時間短縮変動回数領域をリセットし(S3707)、大当り終了設定処理2を終了する。
〔大当り終了設定処理3〕
次に、前述した大当り終了処理(図35)における大当り終了設定処理3(S3505)の詳細について説明する。図38は、本発明の実施の形態の大当り終了設定処理3の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理3は、大当り終了後の遊技状態を潜伏確変状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、潜伏確変状態の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S3801)。また、潜伏確変状態の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S3802)。さらに、図示しない遊技状態表示番号表示領域に潜伏確変状態の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に潜伏確変時の番号をセーブする(S3803)。
そして、遊技制御装置500は、潜伏確変状態に移行するために普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率/普電サポートなしフラグをセーブする(S3804)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に高確率/時短なしフラグをセーブし(S3805)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(潜伏確変)をセーブする(S3806)。最後に、次回大当りまで潜伏確変状態が継続するため、時間短縮変動回数領域をリセットし(S3807)、大当り終了設定処理3を終了する。
〔大当り終了設定処理4〕
次に、前述した大当り終了処理(図35)における大当り終了設定処理3(S3506)の詳細について説明する。図39は、本発明の実施の形態の大当り終了設定処理4の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理3は、大当り終了後の遊技状態を低確率状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、低確率状態の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S3901)。また、低確率状態の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S3902)。さらに、図示しない遊技状態表示番号表示領域に低確率状態の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブする(S3903)。
そして、遊技制御装置500は、低確率状態に移行するために普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率/普電サポートなしフラグをセーブする(S3904)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に低確率/時短なしフラグをセーブし(S3905)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブする(S3906)。最後に、次回大当りまで低確率状態が継続するため、時間短縮変動回数領域をリセットし(S3907)、大当り終了設定処理4を終了する。
〔外部情報編集処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理(図24)における外部情報編集処理(S2412)の詳細について説明する。図40は、本発明の実施の形態の外部情報編集処理の手順を示すフローチャートである。外部情報編集処理は、外部接続端子621から外部装置に出力する各種信号を編集する処理である。
遊技制御装置500は、まず、セキュリティ信号のOFFデータを設定する(S4001)。また、遊技機エラー状態信号のOFFデータを設定する(S4002)。そして、前面枠3の開放を監視する前面枠開放監視領域のステータスがエラー発生中であるかをチェックし、判定する(S4003、S4004)。前面枠開放監視領域のステータスは、前面枠開放開放検出SW3b(図21)によって設定される。
遊技制御装置500は、前面枠開放監視領域のステータスがエラー発生中でない場合には(S4004の結果が「N」)、ガラス枠18の開放を監視するガラス枠開放監視領域のステータスがエラー発生中であるかをチェックし、判定する(S4005、S4006)。ガラス枠開放監視領域のステータスは、ガラス枠開放検出SW18b(図21)によって設定される。そして、ガラス枠開放監視領域のステータスがエラー発生中でない場合には(S4006の結果が「N」)、S4009以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、前面枠開放監視領域のステータスがエラー発生中である場合(S4004の結果が「Y」)、又は、ガラス枠開放監視領域のステータスがエラー発生中である場合(S4006の結果が「Y」)、セキュリティ信号のONデータを設定する(S4007)。また、遊技機エラー状態信号のONデータを設定する(S4008)。
そして、遊技制御装置500は、セキュリティ信号制御タイマが既にタイムアップしているか、又は、セキュリティ信号制御タイマを更新(−1)した結果、当該セキュリティ信号制御タイマがタイムアップしたか否かをチェックし、判定する(S4009、S4010)。なお、セキュリティ信号制御タイマは、前述したセキュリティ信号の出力態様(図10(B))に応じて初期値がセットされ、S4009の処理で当該セキュリティ信号制御タイマの値を1減算する。この初期値としてセットされる値は、例えば、RAM(RWM)初期化後においては1300msである。そして、セキュリティ信号制御タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
遊技制御装置500は、セキュリティ信号制御タイマがタイムアップした場合には(S4010の結果が「Y」)、S4012以降の処理を実行する。セキュリティ信号制御タイマがタイムアップしていない場合には(S4010の結果が「N」)、セキュリティ信号のONデータを設定する(S4011)。
続いて、遊技制御装置500は、磁石不正フラグ領域の値が磁石不正発生中の値であるかをチェックし、判定する(S4012、S4013)。そして、磁石不正が発生中である場合には(S4013の結果が「Y」)、S4018以降の処理に進み、セキュリティ信号のONデータを設定し(S4018)、さらに、遊技機エラー状態信号のONデータを設定する(S4019)。
一方、遊技制御装置500は、磁石不正が発生していない場合には(S4013の結果が「N」)、大入賞口不正フラグ領域の値が不正入賞発生中の値であるかをチェックし、判定する(S4014、S4015)。そして、大入賞口への不正入賞が発生中である場合には(S4015の結果が「Y」)、前述したS4018及びS4019の処理を実行して、セキュリティ信号及び遊技機エラー状態信号のONデータを設定する。
また、遊技制御装置500は、大入賞口への不正入賞が発生していない場合には(S4015の結果が「N」)、普電不正フラグ領域の値が不正入賞発生中の値であるかをチェックし、判定する(S4016、S4017)。そして、普電に不正入賞が発生中である場合には(S4018の結果が「Y」)、前述したS4018及びS4019の処理を実行して、セキュリティ信号及び遊技機エラー状態信号のONデータを設定する。
次に、遊技制御装置500は、普電に不正入賞が発生中でない場合(S4018の結果が「N」)、又は、S4019の処理を終えた場合には、設定したセキュリティ信号を外部情報出力データ領域にセーブする(S4020)。また、設置得した遊技機エラー状態信号を試験信号出力データ領域にセーブする(S4021)。さらに、始動口信号を編集する始動口信号編集処理を実行する(S4022)。なお、始動口信号編集処理の詳細は、図41にて後述する。
続いて、遊技制御装置500は、図柄確定信号のOFFデータを設定し(S4023)、図柄確定信号制御タイマが既にタイムアップしているか、又は、図柄確定信号制御タイマを更新(−1)した結果、当該図柄確定信号制御タイマがタイムアップしたか否かをチェックし、判定する(S4024、S4025)。なお、図柄確定信号制御タイマは、前述したセキュリティ信号の出力態様(図10(B))に応じて初期値がセットされ、S4024の処理で当該図柄確定信号制御タイマの値を1減算する。この初期値としてセットされる値は、特図変動表示ゲームの特別図柄が停止する毎に出力される256ms(1パルス)である。そして、図柄確定信号制御タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
遊技制御装置500は、図柄確定信号制御タイマがタイムアップしていない場合には(S4025の結果が「N」)、図柄確定信号のONデータを設定する(S4026)。図柄確定信号制御タイマがタイムアップした場合(S4025の結果が「Y」)、又は、S4026の処理を終えた場合には、設定した図柄確定信号を外部情報出力データ領域にセーブする(S4027)。そして、外部情報編集処理を終了する。
このように、外部情報編集処理において遊技制御装置500は、外部情報端子板600の情報伝達部630に出力する8つの信号のうち、セキュリティ信号及び図柄確定信号にOFFデータ又はONデータを設定して、出力するための外部情報出力データ領域にセーブする。
次に、前述した外部情報編集処理(図40)における始動口信号編集処理(S4022)の詳細について説明する。図41は、本発明の実施の形態の始動口信号編集処理の手順を示すフローチャートである。
始動口信号編集処理では、始動入賞口に入賞があった場合に、外部情報端子板600の情報伝達部630に出力する8つの信号のうち、始動口信号にOFFデータ又はONデータを設定して、出力するための外部情報出力データ領域にセーブする。なお、1の始動口信号はON信号の128msとOFF信号の64msとで合計192msで構成される。
遊技制御装置500は、まず、後述するS4107において設定される始動口信号出力制御タイマが0でなければ更新(−1)する(S4101)。そして、始動口信号出力制御タイマが「0」か否かをチェックし、判定する(S4102、S4103)。ここで、始動口信号出力制御タイマの値が「0」である場合には、始動口信号の出力が終了した場合と既に始動口信号の出力が終了している場合とが含まれる。
遊技制御装置500は、始動口信号出力制御タイマが「0」である場合には(S4103の結果が「Y」)、前述した特図始動口スイッチ共通処理(図27)のS2708においてRWMの始動口信号出力回数領域にセーブされている始動口信号出力回数が0か否かをチェックし、判定する(S4104、S4105)。
そして、遊技制御装置500は、始動口信号出力回数が0でない場合には(S4105の結果が「N」)、始動口信号出力回数を更新(−1)する(S4106)。また、始動口信号出力制御タイマ領域に始動口信号出力制御タイマの初期値をセーブする(S4107)。なお、始動口信号出力制御タイマの初期値は、前述した始動口信号の出力態様(図10(B))に応じて、192ms(1パルス)が設定される。
続いて、遊技制御装置500は、始動口信号のONデータを設定し(S4110)、当該始動口信号を外部情報出力データ領域にセーブして(S4112)、始動口信号編集処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、始動口信号出力制御タイマが「0」でない場合には(S4103の結果が「N」)、始動口信号出力制御タイマが信号反転タイミング(つまり、始動口信号出力タイマが64msであるか)か否かをチェックし、判定する(S4108、S4109)。
そして、遊技制御装置500は、始動口信号出力制御タイマが信号反転タイミングでない場合には(S4109の結果が「N」)、継続してON信号を出力するために始動口信号のONデータを設定し(S4110)、当該始動口信号を外部情報出力データ領域にセーブして(S4112)、始動口信号編集処理を終了する。
また、遊技制御装置500は、始動口信号出力制御タイマが信号反転タイミングでない場合(S4109の結果が「Y」)、又は、始動口信号出力回数が0である場合(S4105の結果が「Y」)には、始動口信号のOFFデータを設定し(S4111)、当該始動口信号を外部情報出力データ領域にセーブして(S4112)、始動口信号編集処理を終了する。これらの処理により、128msのON信号と64msのOFF信号とから構成される合計192msの始動口信号が出力される。
以下、演出制御装置550による制御について具体的な処理を説明する。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置550によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図42は、本発明の実施の形態の演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(S4201)。次に作業領域であるRAM551aを0クリアする(S4202)。そしてCPU初期化処理を実行する(S4203)。その後、各種処理の実行に必要な初期値をRAM551aに設定し(S4204)、乱数初期化処理を実行する(S4205)。続いて所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させる(S4206)。そして割込みを許可する(S4207)。
ここで、主制御用マイコン(1stCPU)551は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S4208)。WDTは、上述したCPU初期化処理(S4203)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技者による演出ボタン61及び選択ボタン62の操作信号を検出し、検出した信号に応じてフラグなどの入力情報を作成する処理を行う演出ボタン入力処理を実行する(S4209)。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御装置500から受信した遊技制御コマンドを特定する遊技制御コマンド解析処理を実行する(S4210)。遊技制御コマンド解析処理は、割込みで遊技制御装置500のバッファ532aにセットされた情報を正しく受信できたか否かを判断し、受信できた場合に後のシーン制御処理のためのコマンド区分けなどを行う。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード処理を実行する(S4211)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信して表示や役物の動作等を検査する。そして、表示や音、LEDの点灯等が必要な場合は後述するS4215〜S4217の処理において制御され、検査が終了して電源が落とされると処理が終了する。テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査するときに実行される。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御コマンド解析処理(S4210)において解析された制御コマンドに基づき、表示装置48及び枠表示器805に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(S4212)。なお、1stシーン制御処理についての詳細は、図44にて後述する。
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(S4213)。演出制御装置550に関わる異常の他に、遊技制御装置500からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知を行う情報の設定など所定の処理を実行する。ここで、実際に状態報知LED29を点灯したり、スピーカー30から警報音を発する制御は、後述するS4215〜S4217の処理において行われる。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(S4214)。演出コマンド編集処理においてレジスタに書き込まれたコマンドは、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に出力される。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、スピーカー30から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(S4215)。また、LED等の装飾装置(盤装飾装置101、枠装飾装置181)を制御する装飾制御処理を実行し(S4216)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明などの演出装置(盤演出装置102、枠演出装置182)及び枠表示器805の回転を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(S4217)。
最後に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(S4218)、S4208の処理に戻る。以降、S4208からS4218までの処理を繰り返す。
〔2ndCPUメイン処理(演出制御装置)〕
続いて、演出制御装置550によって実行されるもう一方のメイン処理の詳細を説明する。図43は、本発明の実施の形態の演出制御装置550の映像制御用マイコン(2ndCPU)554によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、メイン処理の実行が開始されると、まず、CPU初期化処理を実行する(S4301)。そして、作業領域であるRAM554aを0クリアして(S4302)、各種処理の実行に必要な初期値をRAM554aに設定する(S4303)。そして、画像処理を行うグラフィックプロセッサを初期化するVDP初期化処理を実行する(S4304)。次に、Vブランク割込みなどの各種割込みを許可する(S4305)。
さらに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、各種制御処理の初期化処理を実行する(S4306)。各種制御処理の初期化処理では、後述するゲーム演出処理(S4311)で実行される各制御処理で使用される変数の初期化などが行われる。例えば、表示装置48及び枠表示器805に表示される映像の背景を初期化したり、図柄の配列を初期化したりする。そして、表示装置48及び枠表示器805の画面描画を許可する(S4307)。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、システム周期待ちフラグをクリア(初期化)して(S4308)、システム周期待ちフラグが1になるまで待機する(S4309)。システム周期待ちフラグは、Vブランク割込み処理で所定の処理が完了すると1に設定される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、システム周期待ちフラグが1になったら(S4309の結果が「Y」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)554が正常に動作しているかを判定するためのWDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S4310)。WDTがクリアされずに所定の時間経過すると、映像制御用マイコン(2ndCPU)554がリセットされる。そして、表示装置48及び枠表示器805で飾り特図変動表示ゲームを実行したり、様々な画像を表示したり、遊技演出等に関する制御を実行するゲーム演出処理を実行し(S4311)、S4308の処理に戻る。以降、S4308からS4311までの処理を繰り返す。
〔1stシーン制御処理(1stCPU)〕
次に、前述したメイン処理(図42)における1stシーン制御処理(S4212)の詳細について説明する。図44は、本発明の第1の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、テストモード中であるか否かを判定する(S4401)。テストモードは、工場出荷時などCPUを検査するときに実行されるモードである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード中である場合には(S4401の結果が「Y」)、1stシーン制御処理を終了する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード中でない場合には(S4401の結果が「N」)、表示装置48及び枠表示器805に表示させるシーン(表示内容全て)を変更するシーン変更コマンドを受信したか否かを判定し(S4402)、シーン変更コマンドを受信していない場合には(S4402の結果が「N」)、S4403〜S4406の処理を実行せずにS4407の処理に移行する。シーン変更コマンドとは、後述するS4408〜S4415の処理実行に対応するコマンドのことであり、例えば、電源投入コマンド、停電復旧コマンド等を示す。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、シーン変更コマンドを受信した場合には(S4402の結果が「Y」)、更新する遊技状態、すなわち、現在の遊技状態を取得する(S4403)。そして、受信したシーン変更コマンドが、遊技制御装置500から送信され、前述した遊技制御コマンド解析処理(S4410)において解析された現在の遊技状態に対応した有効なコマンドであるか否かを判定する(S4404)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したシーン変更コマンドが有効である場合には(S4404の結果が「Y」)、作業領域であるRAM551aに受信したシーン変更コマンドをセーブする(S4405)。そして、シーン(表示内容)を変更するタイミングであることを示す演出リクエストフラグをセットする(S4406)。
なお、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したシーン変更コマンドが有効でない場合には(S4404の結果が「N」)、S4405及びS4406の処理を実行せずにS4407の処理に移行する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、前述した遊技制御コマンド解析処理(S4410)において解析されたコマンド識別子に対応する処理に分岐する(S4407)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「電源投入コマンド」に設定されている場合には、電源投入処理を実行する(S4408)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「停電復旧コマンド」に設定されている場合には、後述する客待ち処理以外の停電復旧処理を実行する(S4409)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「客待ちデモコマンド」に設定されている場合には、客待ち処理を実行する(S4410)。なお、客待ち処理の詳細については、図45にて後述する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「変動パターンコマンド」に設定されている場合には、通常ゲーム処理を実行する(S4411)。通常ゲーム処理では、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。なお、通常ゲーム処理の詳細については、図46にて後述する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「ファンファーレコマンド」に設定されている場合には、ファンファーレ処理を実行する(S4412)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「大入開放n回目コマンド」に設定されている場合には、ラウンド中処理を実行する(S4413)。ラウンド中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定するために必要な情報を設定したりする。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「インターバルコマンド」に設定されている場合には、インターバル処理を実行する(S4414)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「エンディングコマンド」に設定されている場合には、エンディング処理を実行する(S4415)。
その後、主制御用マイコン(1stCPU)551は、始動入賞時及び変動開始時に遊技制御装置500から送信される保留数コマンドを受信して、当該保留数コマンドにより始動記憶の保留数の更新を行う保留数コマンド受信処理を実行する(S4416)。また、変動開始時に変動パターンコマンドより先に遊技制御装置500から送信される飾り特図コマンドを受信する飾り特図コマンド受信処理を実行する(S4417)。さらに、変動表示ゲームが大当りとなるか否かの図柄情報コマンドや実行される変動パターンを特定可能な変動パターン乱数コマンドを含む事前演出コマンドにより保留表示の演出等を設定する先読みコマンド受信処理を実行して(S4418)、1stシーン制御処理を終了する。
〔客待ち処理(1stCPU)〕
次に、前述した1stシーン制御処理(図44)における客待ち処理(S4410)の詳細について説明する。図45は、本発明の実施の形態の客待ち処理の手順を示すフローチャートである。客待ち処理は、表示装置48及び枠表示器805で客待ちデモ表示が表示されるように設定し、枠表示器805を客待ち時の位置に可動させるための情報を設定する処理である。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、客待ち開始フラグがセットされているか否かを判定する(S4501)。客待ち開始フラグは、後述するS4504にてセットされる。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、客待ち開始フラグがセットされている場合には(S4501の結果が「Y」)、次にS4505の処理に移行する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、客待ち開始フラグがセットされていない場合には(S4501の結果が「N」)、遊技制御装置500から送信される客待ちデモコマンドを受信したか否かを判定する(S4502)。そして、客待ちデモコマンドを受信していない場合には(S4502の結果が「N」)、客待ち処理を終了する。また、客待ちデモコマンドを受信している場合には(S4502の結果が「Y」)、客待ち開始タイマ(例えば、30秒)をセットし(S4503)、さらに客待ち開始フラグをセットする(S4504)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、客待ち開始タイマを減算更新し(S4505)、更新した結果、客待ち開始タイマが0になったか否かを判定する(S4506)。客待ち開始タイマが0でない場合、すなわち、セットした時間(30秒)が経過していない場合には(S4506の結果が「N」)、客待ち処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、客待ち開始タイマが0である場合、すなわち、セットした時間(30秒)が経過した場合には(S4506の結果が「Y」)、表示装置48及び枠表示器805で表示するために客待ちデモ表示をセットする(S4507)。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、前述のモータ/SOL制御処理(S4217)において枠表示器805を客待ち時の位置に可動させるための表示器可動情報1をセットする(S4508)。また、枠表示器805の外側表示面805bのアピール表示領域の幅及び遊技者側表示面805aの演出表示領域の幅を客待ち時の値に設定して(S4509)、客待ち処理を終了する。
〔通常ゲーム処理(1stCPU)〕
次に、前述した1stシーン制御処理(図44)における通常ゲーム処理(S4411)の詳細について説明する。図46は、本発明の実施の形態の通常ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(S4601)。演出リクエストフラグは、前述したように、1stシーン制御処理のS4402で、主制御用マイコン(1stCPU)551が受信したシーン変更コマンドが有効なコマンドである場合にセットされる。したがって、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがない場合には(S4601の結果が「N」)、表示装置48及び枠表示器805に表示される表示内容は一連の表示演出の一部であるので、更新タイマが0か否かに応じて表示内容を変更するか判定する(S4602)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0の場合には(S4602の結果が「Y」)、次のシーンに移行するためにシーケンステーブルに設定された次のシーンのデータを設定する(S4603)。そして、設定したシーンが最終シーンか否かを判定し(S4604)、最終シーンである場合には(S4604の結果が「Y」)、変動表示ゲームの終了を設定して(S4605)、通常ゲーム処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0でない場合には(S4602の結果が「N」)、現在の表示を継続するので、処理を実行することなく通常ゲーム処理を終了する。また、S4603で設定したシーンが最終シーンでない場合には(S4604の結果が「N」)、変動表示ゲームはまだ継続されるので、終了を設定することなく、通常ゲーム処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがある場合には(S4601の結果が「Y」)、表示装置48及び枠表示器805に表示される表示内容全体を切り替えるタイミングなので、受信したシーン変更コマンドに応じて各種処理を実行する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、客待ち表示からの復帰か否かを判定する(S4606)。そして、客待ちからの復帰である場合には(S4606の結果が「Y」)、前述のモータ/SOL制御処理(S4217)において枠表示器805をゲーム動作時の位置に可動させるための表示器可動情報2をセットする(S4607)。また、枠表示器805の外側表示面805bのアピール表示領域の幅及び遊技者側表示面805aの演出表示領域の幅をゲーム動作時の値に設定する(S4608)。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、客待ちからの復帰でない場合には(S4606の結果が「N」)、前述のS4607及びS4608の処理は実行せず、S4609以降の処理を実行する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、変動表示の終了間際などに遊技者によって押された演出ボタン61などプッシュボタン(PB)情報(履歴)をクリアする(S4609)。そして、可動体(役物)の作動リクエストをセットして初期化する(S4610)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御装置500から送信される変動パターン情報、遊技状態、及び、演出制御装置550に設定された演出振分情報(振分テーブル)等に基づいて変動パターンを決定し、当該変動パターンの情報を設定する変動演出情報設定処理を実行する(S4611)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出のかたよりが生じないように演出情報(変動パターン)を決定する乱数の種値を初期化する乱数シード初期化処理を実行する(S4612)。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S4611で設定された変動パターンに対応して、表示装置48及び枠表示器805で実行される飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや表示時間を管理するシーンシーケンステーブルを設定する(S4613)。飾り特図変動表示ゲームは、設定されたシーンシーケンステーブルに従って実行される。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、時短フラグが設定されているか否かをチェックし、判定する(S4614、S4615)。時短フラグが設定されている場合には(S4615の結果が「Y」)、時短回数を1減算し、更新する(S4616)。時短フラグが設定されていない場合には(S4615の結果が「N」)、S4619の処理を実行する。
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551は、時短回数が0か否かを判定する(S4617)。時短回数が0の場合には(S4617の結果が「Y」)、時短状態が終了したので、時短フラグをクリアする(S4618)。時短回数が0でない場合、すなわち、0よりも大きい場合には(S4617の結果が「N」)、S4619の処理を実行する。
最後に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグをクリアし(S4619)、通常ゲーム処理を終了する。
〔先読みコマンド受信処理〕
続いて、前述した1stシーン制御処理(図44)における先読みコマンド受信処理(S4418)の詳細について説明する。図47は、本発明の実施の形態の先読みコマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。先読みコマンド受信処理は、遊技制御装置500から先読みコマンドを受信した場合に実行される処理である。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、先読みコマンドを受信したか否かを判定する(S4701)。先読みコマンドには、事前演出図柄コマンド及び事前演出変動コマンドが含まれる。主制御用マイコン551は、先読みコマンドを受信していない場合には(S4701の結果が「N」)、先読みコマンド受信処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、先読みコマンドを受信した場合には(S4701の結果が「Y」)、遊技状態フラグを取得する(S4702)。そして、遊技状態が潜伏確変中となる特殊状態以外であるか否かを判定し(S4703)、特殊状態である場合には(S4703の結果が「N」)、事前(先読み)演出を行うと遊技者に判断つきにくい潜伏状態の意味がなくなる(薄まってしまう)ので、事前演出の設定を行うことなく先読みコマンド受信処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技状態が特殊状態以外である場合には(S4703の結果が「Y」)、事前判定コマンドの内容を演出制御装置550側の対応する保留(始動)記憶領域にセーブする(S4704)。事前判定コマンドは、前述の特図保留情報判定処理(図28)のS2815及びS2818において遊技制御装置500から演出制御装置550に送信するように設定された図柄情報コマンド及び変動パターン乱数コマンドである。なお、演出制御装置550側の保留(始動)記憶領域についての詳細は、図49にて後述する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、事前判定コマンドのうち図柄情報コマンドをチェックし(S4705)、はずれ図柄か否かを判定する(S4706)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、図柄情報コマンドがハズレ図柄である場合には(S4706の結果が「Y」)、遊技状態フラグを取得し(S4707)、現在の保留記憶数を取得し(S4708)、取得した遊技状態フラグ及び保留記憶数に応じたハズレ変動選択テーブルをセットする(S4709)。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、図柄情報コマンドがハズレ図柄でない場合、すなわち、小当り又は大当りになる場合には(S4706の結果が「N」)、まず、小当り後半変動選択テーブルをセットする(S4710)。次に、図柄情報コマンドが大当り図柄か否かを判定し(S4711)、大当り図柄である場合には(S4711の結果が「Y」)、S4710でセットした小当り後半変動選択テーブルを大当り後半変動選択テーブルに再セットする(S4712)。また、大当り図柄でない場合には(S4711の結果が「N」)、S4710でセットした小当り後半変動選択テーブルのままである。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S4709、S4710、又は、S4712で変動選択テーブルをセットすると、事前判定コマンドのうち変動パターン乱数コマンドをチェックする(S4713)。このとき変動パターン乱数コマンドは変動パターン乱数1の乱数値そのものであり、乱数に応じて2バイトの変動パターン情報に振り分ける2バイト振り分け処理を実行する(S4714)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、振り分けた結果得られた後半変動のリーチ系統の情報を取得し(S4715)、取得したリーチ系統情報を対象の保留(始動)記憶領域(図49)にセーブする(S4716)。その後、事前(先読み)演出設定処理を実行し(S4717)、先読みコマンド受信処理を終了する。
〔事前演出設定処理〕
次に、前述の先読みコマンド受信処理における事前演出設定処理(S4717)の詳細について説明する。図48は、本発明の実施の形態の事前演出設定処理の手順を示すフローチャートである。事前演出設定処理は、保留記憶数が1以上ある場合の事前演出態様を設定する処理である。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、現在の保留記憶数を取得し(S4801)、当該保留記憶数が1か否かを判定する(S4802)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、保留記憶数が1である場合には(S4802の結果が「Y」)、実行中の変動表示ゲームの残り時間を取得し(S4803)、規定時間以上残っているか否かを判定する(S4804)。そして、残り時間が規定時間以上残っていない場合には(S4804の結果が「N」)、事前演出を行わないので事前演出設定処理を終了する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、変動表示ゲームの残り時間が規定時間以上残っている場合には(S4804の結果が「Y」)、事前演出用乱数を取得し(S4805)、当該事前演出用乱数の値が実行決定値と一致するか否かを判定する(S4806)。事前演出用乱数による事前演出実行の決定は、2分の1の確率で決定されるようにしてもよい。そして、事前演出を行わない場合には(S4806の結果が「N」)、事前演出設定処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、事前演出用乱数の値が実行決定値と一致する場合、すなわち、事前演出を行う場合には(S4806の結果が「Y」)、事前演出振分テーブル1(図50(A))をセットする(S4807)。なお、事前演出振分テーブル1は、保留記憶数が1つしかない場合に用いられるテーブルであり、その詳細は図50にて後述する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、今回先読みコマンド受信処理を実行する契機となった保留記憶の図柄情報及びリーチ系統情報を保留(始動)記憶領域(図49)からロードして準備する(S4808)。その後、事前演出振分テーブル1を用いて、図柄情報及びリーチ系統情報に対応する事前演出態様を選択する事前演出態様選択処理1を実行する(S4809)。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、保留記憶数が1でない(2以上である)場合には(S4802の結果が「N」)、事前演出振分テーブル2(図50(B))をセットする(S4810)。なお、事前演出振分テーブル2は、保留記憶数が複数ある場合に用いられるテーブルであり、その詳細は図50にて後述する。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、今回先読みコマンド受信処理を実行する契機となった保留記憶の図柄情報及びリーチ系統情報を保留(始動)記憶領域(図49)からロードして準備し、さらに、当該保留記憶より前に記憶された先行保留記憶の情報も準備する(S4811)。その後、事前演出振分テーブル2を用いて、当該保留記憶及び先行保留記憶の情報に対応する事前演出態様を選択する事前演出態様選択処理2を実行する(S4812)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、S4809又はS4812で選択された事前演出態様を、対象となる保留(始動)記憶領域にセーブして(S4813)、事前演出設定処理を終了する。
〔特図保留(始動)記憶領域〕
次に、演出制御装置550側に設けられる特図保留(始動)記憶領域について説明する。図49は、本発明の実施の形態の特図変動表示ゲームの保留記憶領域を示すテーブルである。
保留記憶領域は、特図1変動表示ゲームに対応する特図1保留記憶領域と、特図2変動表示ゲームに対応する特図2保留記憶領域と、がある。
特図1保留記憶領域及び特図2保留記憶領域には、保留数情報を記憶する保留数情報記憶領域からなる記憶領域0と、保留記憶1から保留記憶4までに対応する記憶領域1から記憶領域4と、が確保されている。記憶領域1から記憶領域4の各領域には、事前判定コマンド領域と、事前判定情報領域とが含まれる。
事前判定コマンド領域には、遊技制御装置500から送信される図柄情報及び変動パターン乱数1情報が格納される。
事前判定情報領域には、前述の先読みコマンド受信処理(図47)で取得したリーチ系統情報及び事前演出情報(事前演出態様)が格納される。
〔事前報知振分テーブル〕
次に、前述の事前演出設定処理(図48)における事前演出振分テーブルについて説明する。図50は、本発明の実施の形態の事前報知振分テーブルの一例である。図50(A)は、S4807でセットされる事前演出振分テーブル1である。図50(B)は、S4810でセットされる事前演出振分テーブル2である。
図50(A)は、保留数情報記憶領域に記憶されている保留記憶数が1つ、すなわち、保留記憶が今回先読みコマンド受信処理(図47)を実行する契機となった保留記憶のみである場合に適用されるテーブルである。
このとき表示装置48及び枠表示器805に表示される保留記憶の事前報知態様(色)は、当該保留記憶に対応する図柄情報及びリーチ系統情報に応じて設定される。事前報知態様を設定される前の保留記憶の表示(保留表示)は、白である。
具体的には、図柄情報が「ハズレ」の場合、リーチ系統情報が「リーチなし」及び「ノーマル」のとき、保留表示の色は変化なく白である。そして、リーチ系統情報が「SP1」及び「SP2」のとき、保留表示の色は黄色に設定され、「SP3」のとき、保留表示の色は赤に設定される。また、図柄情報が「大当り」の場合も、リーチ系統情報に対応する保留表示の色は「ハズレ」の場合と同じ色に設定される。なお、図柄情報が「小当り」の場合は、リーチ系統情報が「SP1」であっても、保留表示の色は変化なく白である。
このように、保留表示の色は、通常、白となっており、黄、赤の順で大当りの信頼度が高くなるように定義されている。信頼度の高いリーチ演出となる保留記憶の表示色を変化させることで、遊技者に大当りへの期待感を抱かせることができる。
図50(B)は、保留数情報記憶領域に記憶されている保留記憶数が2つ以上、すなわち、今回先読みコマンド受信処理(図47)を実行する契機となった保留記憶以外にすでに記憶されている先行保留記憶がある場合に適用されるテーブルである。
このとき表示装置48及び枠表示器805に表示される保留記憶の事前報知態様(色)は、当該保留記憶に対応する図柄情報及びリーチ系統情報だけでなく、先行保留記憶の事前報知の有無及びリーチ系統情報に応じて設定される。事前報知態様を設定される前の保留記憶の表示(保留表示)は、白である。
具体的には、先行保留記憶が「事前報知あり」の場合には、その他の情報は関係なく、当該保留表示は、変化なく白である。先行保留記憶が「事前報知なし」及び「リーチなし」の場合には、当該保留表示は白である。また、先行保留記憶が「事前報知なし」の場合、かつ、当該保留記憶が「ハズレ」又は「大当り」の場合には、先行保留記憶と当該保留記憶のリーチ系統情報を比較して、当該保留記憶のリーチ演出が先行保留記憶と同じ、もしくは先行保留記憶よりも信頼度が低い場合には、当該保留表示は青に設定される。また、当該保留記憶のリーチ演出が先行保留記憶よりも信頼度が高い場合には、当該保留表示は緑に設定される。なお、当該保留記憶が「小当り」の場合には、その他の情報は関係なく、当該保留表示は変化なく白である。
なお、先行保留記憶は、当該保留記憶の直前に記憶された保留記憶でもよいし、それよりさらに前に記憶された保留記憶を対象としてもよい。
このように、複数保留記憶がある場合には、当該保留記憶と先行保留記憶とのリーチ系統情報を比較して当該保留表示の色を変えるので、当該保留記憶が先行保留記憶に比して大当りの信頼度が高いか否かを遊技者は判断できる。このため、遊技者は保留表示の変化により敏感になり、保留表示ごとに遊技者が抱く大当りへの期待感に強弱がつくので、遊技の興趣を向上させることができる。また、保留記憶が複数ない場合の事前報知態様(黄、赤)と保留記憶が複数ある場合の事前報知態様(青、緑)とを異ならせることで、事前報知が先行保留記憶の内容を参酌したものか否かを遊技者に把握させることができる。
続いて、本発明の実施の形態の表示装置48又は枠表示器805において表示される画面表示について説明する。
〔画面表示(演出表示領域)〕
図51は、本発明の実施の形態の枠表示器の演出表示領域に表示される画面表示の一例である。
枠表示器805の遊技者側表示面805aに設けられる演出表示領域には、実行中の変動表示ゲームの結果を示唆する予告画像が表示される。また、演出表示領域の表示器取付部810側には、保留表示領域が設けられる。保留表示は、特図1保留表示(上限4個)、特図2保留表示(上限4個)の順に上下方向に並んで表示される。ここでは、特図1保留表示が2個表示されている。なお、予告画像や保留表示が遊技機内側から正常視することが可能な画像として表示されている。
また、遊技者側表示面805aを覆う内側レンズ部材840は、反対面の外側表示面805bに設けられるアピール表示領域の画像表示に用いられる発光を光拡散する。これにより、内側レンズ部材840は、アピール表示領域の反転画像が演出表示領域に映し出されて見苦しい状態になるのを防止する。さらに、内側レンズ部材840は、光拡散によって輝かす装飾効果を生み出す。
〔客待ち以外のときのアピール表示領域〕
図52は、本発明の実施の形態の可動前の枠表示器のアピール表示領域について説明する図である。図52は、図19における枠表示器805の外側表示面805bに対応する。
ガラス枠表示ユニット800の枠表示器805は、客待ち以外の状態では前述の図19の位置に設定される。このとき枠表示器805の外側表示面805bに設けられるアピール表示領域の幅は、L1に設定されている。
アピール表示領域には、遊技機外側から正常視することが可能なように遊技機の機種名と現在の遊技状態とが表示される。そして、アピール表示領域は、外側表示面805bの表示器取付部810と反対側、すなわち、遊技場において通路側に設けられる。このため、アピール表示領域は、遊技していない遊技者に視認され易い。
また、外側表示面805bを覆う外側レンズ部材830は、内側レンズ部材840と同様に、反対面の遊技者側表示面805aに設けられる演出表示領域の画像表示に用いられる発光を光拡散する。これにより、外側レンズ部材830は、演出表示領域の反転画像がアピール表示領域に映し出されて見苦しい状態になるのを防止する。さらに、外側レンズ部材830は、光拡散によって輝かす装飾効果を生み出す。
また、演出表示領域では、遊技状態が大当り状態など遊技者に有利な状態になる場合には、派手な演出が表示され、発光度合が強くなる。このため、外側レンズ部材830における装飾効果は、特に大当り中であるときに高くなる。これにより、遊技していない遊技者は、遊技状態が大当り中である遊技機を視認し易くなるので、当該遊技者への宣伝効果が高くなる。
また、アピール表示領域に機種名画像が表示されることで、遊技していない遊技者への機種アピール効果が得られる。
なお、演出表示領域において、左右対称の画像を演出表示するような場合には、外側表示面805b側から見ても演出表示領域で見る画像と同じになる。このような場合には、外側レンズ部材830は設けなくても良い。
〔客待ち中のアピール表示領域〕
図53は、本発明の実施の形態の可動後の枠表示器のアピール表示領域について説明する図である。図53は、図20における枠表示器805の外側表示面805bに対応する。
ガラス枠表示ユニット800の枠表示器805は、客待ち状態では前述の図20の位置に設定される。このときのアピール表示領域の幅はL2であり、遊技場の通路を歩く遊技者が視認しやすいように図52における幅L1よりも大きく設定される。
アピール表示領域には、遊技機の機種名及び現在客待ち状態である旨が表示される。表示面積が広くなったアピール表示領域に機種名画像が表示されることで、遊技していない遊技者への機種アピール効果がより一層高まる。
また、客待ち状態であるときにアピール表示領域の面積が大きくなるので、遊技していない遊技者は、遊技可能な遊技機を視認し易い。
なお、本発明の実施の形態では、客待ち状態においてアピール表示領域が遊技していない遊技者に視認され易いように枠表示器805を可動させたが、これに限らない。客待ち状態において演出表示領域が視認され易いように、すなわち枠表示器805を図20における可動とは反対方向に可動させて、演出表示領域に客待ち画像を表示するようにしても良い。枠表示器805の遊技者側表示面805aから外側表示面805bに向かって歩いている当該遊技者に対して、同様の効果が得られる。
また、本発明の実施の形態では、外側レンズ部材830は、枠表示器805の可動に伴って上スライド部833及び下スライド部834がスライド移動することにより可動するが、これに限らない。枠表示器805のように駆動源を用いて外側レンズ部材830を可動させてもよい。また、外側レンズ部材830を巻き取り式にしてもよい。このようにすれば、枠表示器805の回動範囲に捉われることなく、アピール表示領域の範囲を決定することが可能である。
〔事前報知演出なしパターンの場合の画面遷移〕
図54は、本発明の実施の形態の先行保留が事前報知演出なしパターンの場合の先読み演出における画面遷移の一例である。
図54の図中左側には、遊技盤10に設けられる表示装置48の画面を示す。表示装置48の画面には、識別図柄が表示される。また、図中右側には、枠表示器805の遊技者側表示面805aに設けられる演出表示領域の上半分を示す。演出表示領域の上部には、図51で述べたように特図1保留表示領域と予告演出が表示される。なお、第1始動入賞口への遊技球の入賞により実行される特図1変動表示ゲームについて説明するが、特図2変動表示ゲームにおいても同様である。
第1始動入賞口37への遊技球の入賞がない間は、表示装置48では識別図柄がはずれ態様(3つの識別図柄が異なる表示)で表示される。このときの画面背景は、通常遊技状態の背景が表示される。また、枠表示器805では、非変動時の背景が表示される。このとき特図1保留表示領域には保留表示がない。
第1始動入賞口37に遊技球が入賞すると、始動記憶が記憶され、直ちに当該始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲームが開始される。このときの始動記憶は、「はずれリーチなし」である。そして、表示装置48では、識別図柄の変動が開始される。枠表示器805では、変動時背景に切り替わり、始動記憶に基づく変動パターンに応じて予告演出が表示される。
そして、前述の特図1変動表示ゲームが実行されている間にも第1始動入賞口37に遊技球が入賞する。このときの始動記憶はすぐに消化できないので、特図1保留記憶領域に記憶され続ける。そして、枠表示器805の特図1保留表示領域に保留表示される。
まず、1つ目の始動記憶は、「ハズレSP1」である。そして、前述の事前演出設定処理(図48)においてS4801→S4802→S4803→S4804→S4805→S4806と処理が実行され、S4806の結果が「N」となる。従って、1つ目の保留表示に対して事前演出は行われないので、特図1保留表示領域の保留表示はベースの白色で表示される。
次に、2つ目の始動記憶は、「ハズレSP2」である。そして、前述の事前演出設定処理(図48)においてS4801→S4802→S4810→S4811→S4812→S4813と処理が実行され、事前演出振分テーブル2(図50(B))を用いて2つ目の保留表示の事前演出態様が決定される。
1つ目の始動記憶(先行保留記憶)は、「事前報知なし」及び「SP1」である。そして、今回の始動記憶(当該保留記憶)は、「ハズレSP2」であるので、2つ目の保留表示は緑色で表示される。
ここで、保留表示の緑色は先行保留記憶よりも当該保留記憶の方が大当りの信頼度が高いことを示す。このように、先行保留記憶に事前報知演出が行われていない場合には、当該保留記憶において、先行保留記憶と自身との両方の事前報知演出が行われる。
〔事前報知演出ありパターンの場合の画面遷移〕
図55は、本発明の実施の形態の先行保留が事前報知演出ありパターンの場合の先読み演出における画面遷移の一例である。図54とは、特図1保留表示領域に表示される保留表示の態様が異なる。この相違点について詳細を説明する。
まず、枠表示器805の特図1保留表示領域に保留表示される1つ目の始動記憶は、「ハズレSP1」である。そして、前述の事前演出設定処理(図48)においてS4801→S4802→S4803→S4804→S4805→S4806→S4807→S4808→S4809→S4813と処理が実行され、事前演出振分テーブル1(図50(A))を用いて1つ目の保留表示の事前演出態様が決定される。このとき、特図1保留表示領域の1つ目の保留表示は黄色で表示される。
次に、2つ目の始動記憶は、「ハズレSP2」である。そして、前述の事前演出設定処理(図48)においてS4801→S4802→S4810→S4811→S4812→S4813と処理が実行され、事前演出振分テーブル2(図50(B))を用いて2つ目の保留表示の事前演出態様が決定される。
1つ目の始動記憶(先行保留記憶)は、「事前報知あり」である。先行保留で事前演出が実行されているため、今回の始動記憶に対応する2つ目の保留表示は事前演出を行わず白色で表示される。
(本発明の実施の形態の効果)
このように本発明の実施の形態によれば、枠表示器805は、演出表示領域を備える遊技者側表示面805aと、アピール表示領域を備える外側表示面805bとを表裏に有する。このため、透過型液晶の表裏の表示面を有効に利用することが可能となり、遊技の興趣が向上する。
また、外側表示面805bには、演出表示領域の裏面に該当する領域を覆うように、光拡散レンズからなる外側レンズ部材830が取り付けられる。これにより、遊技者は、外側レンズ部材830を通して演出表示領域を見ても、演出表示領域の反転画像を見せられることがない。よって、視認し難い反転画像を見せられることによって不快感を与えてしまうことを防止できる。また、外側レンズ部材830は光拡散により輝いているので、装飾効果が得られる。よって、外側表示面805bでは、アピール表示領域におけるアピール演出と外側レンズ部材830における装飾演出とを同時に行うことができる。
同様に、遊技者側表示面805aには、アピール表示領域の裏面に該当する領域を覆うように、光拡散レンズからなる内側レンズ部材840が取り付けられる。遊技者側表示面805aの演出表示領域及び外側表示面805bのアピール表示領域の双方で同時に画像が表示されることで、互いに装飾効果を高めつつ、また、互いの表示面の表示を妨げることがない。よって、効果的な演出を行うことができる。
また、アピール表示領域は、外側表示面805bにおいて、枠表示器805の表示器取付部810とは反対側に設けられる。アピール表示領域は、遊技場において遊技機側ではなく通路側に近いところに設けられるので、遊技中の遊技者以外の遊技者が視認しやすい。よって、遊技していない遊技者への宣伝効果を高めることができる。
そして、演出表示領域は、遊技者側表示面805aにおいて、枠表示器805の表示器取付部810側に設けられる。演出表示領域は、遊技者が遊技を行う遊技盤10に近いところに設けられるので、遊技中の遊技者は容易に演出表示領域を視認することができる。よって、遊技者は盤表示器48だけでなく枠表示器805における演出画像をも楽しむことができ、遊技の興趣が向上する。
さらに、本発明の実施の形態によれば、枠表示器805は、表示器取付部810を軸に回動可能に備えられる。枠表示器805の位置状態には2パターンあり、遊技状態に応じてその位置状態が変換される。したがって、枠表示器805の表裏の表示面で表示される演出画像は、遊技状態に応じて見せたい遊技者に効果的に視認させることができる。
そして、枠表示器805は、遊技状態が客待ち状態であるか否かに応じてその位置状態を回動により変換される。遊技状態が客待ち状態以外である場合には、枠表示器805は遊技盤10側と反対側に回動され、当該遊技盤10で遊技中の遊技者が枠表示器805の遊技者側表示面805aに表示される演出画像を視認し易いように変換される(第1状態)。一方、遊技状態が客待ち状態である場合には、枠表示器805は遊技盤10側に回動され、遊技していない遊技者が枠表示器805の外側表示面805bに表示される演出画像を視認し易いように変換される(第2状態)。このように、遊技状態に応じて枠表示器805の位置状態を第1状態と第2状態とに変換されることで、その時々にアピールしたい遊技者に効果的に演出画像を視認させることができる。
また、枠表示器805が第1状態から第2状態に変換される場合には、枠表示器805の外側表示面805bに設けられるアピール表示領域の面積が大きくなる。すなわち、遊技状態が客待ち状態である場合にアピール表示領域が拡大されるので、遊技していない遊技者がアピール表示領域をより視認し易くなり、当該遊技者へのアピール効果を高めることができる。
なお、本発明の実施の形態では、枠表示器805における表示領域の拡縮の対象はアピール表示領域だけであるが、演出表示領域も遊技状態に応じて拡縮させてもよい。この場合は、枠表示器805が第2状態から第1状態に変換されるときに、枠表示器805の遊技者側表示面805aに設けられる演出表示領域の面積が大きくなるように制御する。内側レンズ部材840を外側レンズ部材830のように可動式にすれば、演出表示領域の拡縮は可能である。このようにすれば、遊技状態が遊技中である場合に演出表示領域が拡大されるので、遊技中の遊技者が演出表示領域をより視認し易くなり、当該遊技者への演出効果を高めることができる。
よって、枠表示器805の演出表示領域及びアピール表示領域は、遊技状態に応じて、すなわち枠表示805の可動状態に応じて拡縮されるので、各表示領域を視認させたい遊技者に表示内容を効果的に視認させることができる。
特に、外側レンズ部材830及び内側レンズ部材840が巻き取り式であれば、枠表示器805の全表示領域を、演出表示領域及びアピール表示領域のうち特に視認させたい方のみの表示領域とすることも可能である。例えば、遊技者側表示面805aの全面を演出表示領域とする場合には、内側レンズ部材840は巻き取られて被覆領域がなく、外側レンズ部材830は外側表示面805bの全面を被覆する。このようにすれば、表示領域を視認させたい遊技者に表示内容をさらに効果的に視認させることができる。
そして、演出表示領域は枠表示器805の遊技者側表示面805aに設けられ、遊技中の遊技者に対して遊技演出画像が表示される。また、アピール表示領域は枠表示器805の外側表示面805bに設けられ、遊技していない遊技者に対して遊技への訴求力を高めるアピール演出画像が表示される。このように、遊技演出とアピール演出とを同時に行うことができるので、遊技中の遊技者及び遊技していない遊技者の双方に対して演出効果を高めることができる。
また、アピール表示領域が拡大される場合は、枠表示器805の外側表示面805bを被覆する外側レンズ部材830の上スライド部833及び下スライド部834が表示器取付部810側にスライドされるので、アピール表示領域はスライド幅分だけ拡大されることになる。このとき、内側レンズ部材840は、拡大されたアピール表示領域をも被覆するように設けられている。これにより、拡大されたアピール表示領域が遊技者側表示面805aで逆視されることがない。
演出表示領域が拡縮する場合であっても、同様である。内側レンズ部材840は、演出表示領域の拡縮に応じて遊技者側表示面805aの被覆領域が変化される。このとき、内側レンズ部材840は、外側表示面805bに設けられるアピール表示領域を被覆する。すなわち、演出表示領域及びアピール表示領域の両方が拡縮する場合には、外側レンズ部材830は演出表示領域と幅を同じくし、内側レンズ部材840はアピール表示領域と幅を同じくするように可動される。これにより、演出表示領域に表示される遊技演出画像やアピール表示領域に表示されるアピール演出画像が逆視されることがない。
また、枠表示器805、内側レンズ部材840、及び外側レンズ部材830は、無色透明なカバー部材806に内包される。カバー部材806は、遊技者による視認の妨げになることなく、枠表示器805、内側レンズ部材840、及び外側レンズ部材830を保護することができる。
なお、本願においては、前述の特許文献1(特開2004−24402号公報)及び特許文献2(特開2007−14389号公報)における別の課題を解決することも意図している。
特許文献1に記載の遊技機では、透過型表示器が透過状態と非透過状態とに変化可能であるという特性を利用して遊技演出を行う点は共通しているが、透過型表示器が表示された画像を表裏両側から視認可能であるという特性は利用しておらず、透過型表示器の特性を十分に活用しているとは言い難い。
そこで、本発明は上記の問題を鑑み、透過型表示器の特性を十分に活用した演出表示を実行可能な遊技機を提供することを目的とする発明を開示する。その代表的なものとして、次のものを列記する。
(1)始動条件の成立に基づいて補助遊技を実行し、該補助遊技の結果が特別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特別遊技状態を発生させることが可能な遊技機において、表示領域が設定される表示パネルに遊技に関する演出画像を表示可能な透過型表示器と、前記透過型表示器の表示制御を行う表示制御手段と、を備え、前記透過型表示器は、前記表示領域を表裏両方から視認可能となるように配設され、前記表示制御手段は、前記演出画像として前記表示パネルの表裏一方から正常視可能な第1演出画像を前記表示領域に表示させる第1演出表示手段と、前記演出画像として前記表示パネルの表裏他方から正常視可能な第2演出画像を前記表示領域に表示させる第2演出表示手段と、を備えたことを特徴とする遊技機。
(2)(1)の発明において、前記表示パネルの配置には第1状態と第2状態とを含み、前記表示パネルを前記第1状態もしくは前記第2状態に変換するように前記透過型表示器を可動させる可動機構と、遊技状態に応じて前記表示パネルの配置を変換するように前記可動機構を制御する可動制御手段と、を備えたことを特徴とする。
(3)(2)の発明において、前記表示制御手段は、前記第1演出表示手段が前記第1演出画像を表示する第1表示領域と、前記第2演出表示手段が前記第2演出画像を表示する第2表示領域と、を前記表示領域に設定する表示領域設定手段を備え、前記表示領域設定手段は、前記透過型表示器の可動状態に応じて前記表示領域に設定する前記第1表示領域又は前記第2表示領域の面積を変化させることを特徴とする。
(4)(3)の発明において、前記表示領域設定手段は、前記表示パネルが前記第2状態から前記第1状態に変換された場合には、前記第1表示領域を拡大させて、前記第2表示領域を縮小又は消滅させるように設定する一方、前記表示パネルが前記第1状態から前記第2状態に変換された場合には、前記第1表示領域を縮小又は消滅させて、前記第2表示領域を拡大させるように設定することを特徴とする。
(5)(4)の発明において、前記透過型表示器は、前記遊技機の前面側部から前方に突出して、前記表示パネルの表裏一方の面が遊技機内側に向くように配設され、前記第1演出表示手段は、前記第1演出画像として前記補助遊技の結果に関する遊技演出画像を表示し、前記第2演出表示手段は、前記第2演出画像として遊技への訴求力を高めるアピール演出画像を表示することを特徴とする。
(6)(5)の発明において、前記表示領域設定手段は、前記第2表示領域を、前記表示パネルの前端部側に設定することを特徴とする。
(7)(6)の発明において、前記表示領域設定手段は、前記第1表示領域を、前記表示パネルの後端部側に前記第2表示領域と前後方向に並ぶように設定することを特徴とする。
(8)(1)から(7)の何れか一つの発明において、前記遊技機の前面側部に固着され、前記透過型表示器を内包して保護する透明なカバー部材を備えたことを特徴とする。
(1)の発明によれば、透過型表示器が表示領域を表裏両方から視認可能となるように配設され、第1演出画像と第2演出画像とが表示されるため、透過型表示器の表裏を有効に利用することが可能となり、遊技の興趣が向上する。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。