JP5809593B2 - 脱脂状態計測装置、脱脂状態計測システム、及び、脱脂状態計測方法 - Google Patents

脱脂状態計測装置、脱脂状態計測システム、及び、脱脂状態計測方法 Download PDF

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Description

本発明は、脱脂状態計測装置、脱脂状態計測システム、及び、脱脂状態計測方法に関し、より詳細には、金属表面の脱脂状態を計測するための脱脂状態計測装置、脱脂状態計測システム、及び、脱脂状態計測方法に関する。
従来、金属、特に鋼板の表面には、その美観及び/又は表面保護のために、メッキ処理や塗装処理が施される。ただし、これらの処理を施す前工程として、鋼板に対して例えばプレス加工や穴あけ加工等の機械加工が施されるので、潤滑用の油脂が金属表面に付着する。また、金属が例えば電気亜鉛メッキ鋼板等の処理鋼板である場合も同様の理由で、その表面に油脂が付着する。
しかし、金属表面に油脂が付着した状態でメッキ処理や塗装処理を行うと、メッキ膜や塗装膜の密着性が低下し、品質が劣化する。それゆえ、このような課題を解消するために、メッキ処理や塗装処理を行う前に、金属表面の油脂を除去するための洗浄工程が行われる。
金属表面の油脂洗浄は、理想的には、複数回繰り返して行い、完全に油脂を除去することが好ましいが、量産性やコスト等を考慮すると、その洗浄回数にも限界がある。より具体的に説明すると、量産工程では、量産に係る一連の工程を一定の時間内で行う必要があり、洗浄工程に多くの時間を割くことはできない。また、洗浄回数が増えると、洗浄液の使用量が増大し、高コストとなる。さらに、洗浄液は、使用後、通常、産業廃棄物として処理されるので、洗浄液の使用量の増大は、環境問題や省エネルギーの観点では好ましくない。
また、洗浄工程を複数回繰り返しても、洗浄後の液(微量の油分を含む)が金属板の隅や凹凸部に付着すると、その液が乾燥した後には、微量の油分及び/又はその残渣が付着した状態となる。なお、以下では、金属表面に残る油分及びその残渣を総称して油脂という。このように金属表面に微量の油脂が残った状態でも、メッキ処理や塗装処理を行うとメッキむらや塗装むらが発生したり、メッキ膜や塗装膜が剥離し易くなったりする。さらに、処理鋼板の場合は、その美観が損なわれる。
そこで、上記各種課題を解消するために、メッキ処理や塗装処理の直前に、洗浄工程により金属表面から油脂が完全に除去されているか、あるいは、油脂が問題の無いレベルまで除去されているか、すなわち、金属表面の脱脂状態を計測する必要がある。特に、生産現場では、大掛かりな装置を使用せず、簡単で且つサンプル(製品)を破壊せずに脱脂状態の計測することができる技術が必要になる。
ところで、従来の定量的な脱脂状態の計測手法としては、次の各種手法が挙げられる。
(1)重量法
重量法では、サンプルの重量を洗浄工程の前後でそれぞれ測定し、その両者の差に基づいて、脱脂状態を計測する。しかしながら、この手法は、油脂の検出精度が低いことが一般に知られている。また、この手法は、一般に、製品となるサンプル(金属板)の一部を取り出して行われる。すなわち、この手法では、サンプルを破壊する必要があり、生産現場では実用的な手法ではない。
(2)赤外線を用いた手法
一般に、2つ以上の異なる原子が結合した分子に赤外線を照射すると、その分子は、照射された赤外線に含まれる所定波長の成分を吸収して振動する。それゆえ、赤外線を分子に照射して、吸収された波長成分を特定することにより、その物質を特定することができる。このような性質を利用して、物質を特定する装置は従来、種々開発されている。このような検査装置は、赤外線照射部及び検出部をプローブとする信号処理装置として独立して設けることができる。それゆえ、このような赤外線を用いた検査装置は比較的小型であり、生産現場向きのものも多い。
ただし、赤外線を用いた手法で金属表面に残る油脂や汚れ等を検査する場合、その油脂や汚れの物質の成分により、吸収される波長が異なる。それゆえ、特定の成分を検出したい時は、その成分に特有の波長だけを検出すればよいが、そのような成分が不明である場合は、広い波長範囲を調べなければならないので、物質の特定が困難になる。また、この手法では、金属表面の微量の油脂を検出することは困難である。
(3)紫外線を用いた手法(例えば特許文献1参照)
有機物である油脂等に、紫外線を照射すると蛍光現象が発生する(可視光が発生する)ことは、従来、よく知られている。この現象において、例えば、照射する紫外線量をUVとし、発生する蛍光量をVLとすると、両者の間にはVL=η×UVという関係が成立する。なお、この関係式中の定数ηは紫外線が照射された際の物質の蛍光変換効率(発光効率)であり、この値は油脂などの物質の成分量により異なる。ただし、本発明者らの検証によると、この蛍光変換効率ηの値は、油脂の種類による差が小さいことが分かっている。
また、従来の定性的な脱脂状態の計測手法としては、次の各種手法が挙げられる。
(1)プロセス管理による手法
一般に、品質管理の分野において、脱脂を含む塗装処理やメッキ処理などの表面処理工程の本質的な良否判定を、工程終了後における生産現場での一般的な検査(例えば外観検査等)で行うことは、その工程の特性上、困難である。例えば、塗装膜の密着性等の品質の良否は、非破壊試験となる外観検査だけでは判断できない。それゆえ、これらの表面処理工程は、特殊工程と呼ばれる。
このような表面処理工程では、例えば機械加工や組立加工などの工程と異なり、生産ライン上で水処理(薬品処理も含み)プロセスを連続的に行う。そのため、各プロセスでの例えば温度、薬品濃度、時間等の因子を、日常点検等で管理及び維持し、製品の品質を確保する。
それゆえ、プロセス管理の手法では、各プロセスにおける上述した因子が所定条件内に収まっているか否かを判別して、脱脂の程度を判定する。しかしながら、この手法は製品に対して直接検査を行う手法ではないので、この手法で脱脂の程度の良否を直接判定することができない。
(2)目視による手法
この手法は、人間の目による感応検査である。この手法では、金属板の検査面に対して光を斜めに照射し、その際の反射の程度(反射模様)のバラツキを目視で確認して、脱脂状態を判定する。しかしながら、この手法では、定量的な判定ができないだけでなく、判定する人によって判定基準にバラツキが生じるので、判定結果の信頼性が低い。さらに、この手法では、製品の外観のみの判定となり、表面処理そのものの良否を判定することができない。
特開平9−113231号公報
上述のように、従来、金属板(検査対象物)の脱脂状態を計測する手法が種々提案されている。しかしながら、この技術分野では、より局所的な検査領域で脱脂状態の計測が可能であり、かつ、より安定して精度よく脱脂状態を計測することができる脱脂状態計測装置の開発が望まれている。
本発明は、上記要望に応えるためになされたものである。本発明の目的は、より局所的な検査領域で脱脂状態の計測が可能であり、かつ、より安定して精度よく脱脂状態を計測することができる脱脂状態計測装置、脱脂状態計測システム、及び、脱脂状態計測方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の脱脂状態計測装置は、光源、分光素子、受光素子、及び、励起光用集光レンズをそれぞれが含む複数の励起光出力部と、可視光検出器とを備え、各励起光出力部から金属板に照射される透過励起光の照射位置が、同じ位置である構成とし、各部を次のように構成する。光源は、金属板に励起光を射出する、分光素子は、光源から射出された励起光を透過励起光及び反射励起光に分離する。受光素子は、反射励起光を検出し、該検出結果を、励起光の強度をフィードバック制御する光出力制御回路に出力する。励起光用集光レンズは、透過励起光を集光する。そして、可視光検出器は、各励起光出力部から透過励起光を金属板に照射した際に発生する可視光を検出し、該検出結果を、金属板の脱脂状態に対応する情報を生成する信号処理部に出力する。
また、本発明の脱脂状態計測システムは、上記本発明の脱脂状態計測装置と、情報処理装置と備え、情報処理装置は、各受光素子での検出結果に基づいて、各光源から射出される励起光の強度をフィードバック制御する光出力制御回路、及び、可視光検出器での検出結果に基づいて、金属板の脱脂状態に対応する情報を生成する信号処理部を有する構成とする。
さらに、本発明の脱脂状態計測方法は、上記本発明の脱脂状態計測装置を用いた脱脂状態計測方法であり、次の手順で行う。まず、各励起光用集光レンズが、対応する透過励起光を集光して金属板に透過励起光を照射する。また、各受光素子が、対応する分光素子からの反射励起光を検出し、該検出結果を、励起光の強度をフィードバック制御する光出力制御回路に出力する。そして、可視光検出器が、各励起光出力部から金属板に透過励起光を照射した際に発生する可視光を検出し、該検出結果を、金属板の脱脂状態に対応する情報を生成する信号処理部に出力する。
本発明では、分光素子により、光源から射出された励起光を透過励起光と反射励起光とに分離する。そして、本発明では、透過励起光を励起光用集光レンズで集光して検査対象物に照射する。それゆえ、励起光を微小な領域(局所的な領域)に照射することができ、その領域における励起光の照度を増大させることができる。また、本発明では、分光素子で分離した反射励起光を受光素子で検出し、その検出結果に基づいて、励起光の強度をフィードバック制御する。それゆえ、本発明では、安定した強度の励起光(透過励起光)を検査対象物に照射することができる。
上述のように、本発明によれば、局所的な検査領域で脱脂状態を計測することができ、かつ、より安定して精度よく脱脂状態を計測することができる。
本発明の一実施形態に係る脱脂状態計測装置の概略構成図である。 信号処理部の回路ブロック構成図である。 光出力制御部の回路ブロック構成図である。 本発明の一実施形態に係る脱脂状態計測装置における脱脂状態の計測処理の手順を示すフローチャートである。 比較例の脱脂状態計測装置の概略構成図である。 比較例の脱脂状態計測装置による計測例1の様子を示す図である。 比較例の脱脂状態計測装置による計測例2の様子を示す図である。 比較例の脱脂状態計測装置による計測例3の様子を示す図である。 変形例1の脱脂状態計測装置の概略構成図である。 変形例2の脱脂状態計測装置の概略構成図である。 変形例3の脱脂状態計測装置の概略構成図である。
以下に、本発明に係る脱脂状態計測装置及び脱脂状態計測方法の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は以下の例に限定されない。
[脱脂状態計測装置の構成]
図1(a)及び(b)に、本発明の一実施形態に係る脱脂状態計測装置の概略構成を示す。図1(a)は、図1(b)中のA−A断面図であり、図1(b)は、検査対象物(金属板200)から見た脱脂状態計測装置10の下面図である。なお、本実施形態では、検査対象物が、例えば鋼板等の金属板200である場合の例を説明する。
脱脂状態計測装置10は、筐体1と、筐体1を支持する4本の支持脚2と、筐体1に内蔵された、2つの励起光出力部3、蛍光検出部4及び処理回路部5とを備える。また、脱脂状態計測装置10(処理回路部5)は、外部の表示装置8に電気的に接続され、脱脂状態計測装置10での計測結果は、表示装置8に出力され、表示装置8は、その計測結果を表示する。
筐体1は、図1(a)及び(b)に示すように、略直方体状の箱部材で構成される。なお、筐体1の形状は、この例に限定されず、任意に設定することができる。また、筐体1は、例えば鉄板等により構成することができるが、本発明はこれに限定されず、筐体1の形成材料は、例えば必要とする強度、重量等の条件を考慮して適宜設定することができる。
本実施形態では、筐体1の底板部1a(励起光Sの出射側の板部)には、図1(b)に示すように、各励起光S(透過励起光)の光路上、及び、金属板200(油脂)から発生する蛍光Sfの光路上に、それぞれ開口部1b、及び、開口部1cを設ける。
また、本実施形態では、蛍光検出部4は、筐体1の底板部1a付近に設けられ、かつ、励起光Sの照射位置(油脂検出領域D)の直上に配置される。なお、蛍光検出部4の金属板200からの高さは、任意に設定することができるが、蛍光Sfの検出感度の向上という観点では、金属板200に対して、より近い位置に、蛍光検出部4を配置することが好ましい。また、蛍光検出部4の配置位置は、油脂から発生する蛍光を検出できる位置であれば、任意の位置に設定することができ、励起光Sの照射位置の直上からずれた位置に配置してもよい。しかしながら、蛍光Sfの検出感度の向上という観点では、蛍光検出部4を、図1(a)に示すように、励起光Sの照射位置の直上に設けることが好ましい。
さらに、本実施形態では、2つの励起光出力部3は、筐体1の対向する2つの側板部1d(図1(b)の例では、幅が狭い方の側板部1d)付近にそれぞれ設けられる。この際、2つの励起光出力部3は、図1(a)に示すように、蛍光検出部4に対して対称的な位置に配置され、かつ、互いに同じ高さに配置される。また、2つの励起光出力部3は、2つの励起光出力部3から金属板200に斜め照射される各励起光Sの照射位置が互いに同じ位置となるように配置される。なお、励起光Sの照射角度は、任意に設定することができる。
4本の支持脚2は、図1(b)に示すように、筐体1の底板部1aの4つの角部にそれぞれ設けられる。なお、4本の支持脚2は、その長さが調整可能となるように、筐体1の底板部1aに取り付けられる。また、本実施形態では、各支持脚2は棒状部材で構成するが、本発明はこれに限定されず、各支持脚2の形状は任意に設定することができる。
本実施形態では、図1(a)に示すように、金属板200(検査対象物)の脱脂状態を計測する際には、4本の支持脚2の筐体1側とは反対側の端部を金属板200に接触させて、脱脂状態計測装置10を金属板200上に載置する。すなわち、脱脂状態計測装置10を、4本の支持脚2を介して金属板200上に載置して、金属板200の脱脂状態を計測する。それゆえ、本実施形態の脱脂状態計測装置10では、検査時に、金属板200の油脂検出領域Dが外部から目視可能な状態(開放状態)となる。この場合、例えば励起光Sの焦点位置を目視で確認及び調整することができ、使い勝手が良くなるなど利点が得られる。
なお、本実施形態では、脱脂状態計測装置10を、4本の支持脚2を介して金属板200上に載置する構成例を示したが、脱脂状態計測装置10の保持(支持)形態は、この例に限定されない。例えば、金属板200に接しないように設けられた支持部材(例えば金属板200を載せる台等に固定された支持部材)を用いて脱脂状態計測装置10を保持する構成にしてもよいし、例えば、脱脂状態計測装置10を周囲の壁や天井などに吊り下げて、脱脂状態計測装置10を保持する構成にしてもよい。
次に、筐体1に内蔵される各部の構成を説明する。
(1)励起光出力部の構成
本実施形態では、励起光出力部3を2つ設け、2つの励起光出力部3は、互いに同じ構成とする。各励起光出力部3は、金属板200の表面の局所的な油脂検出領域Dに励起光Sを集光して照射する。例えば、各励起光出力部3は、直径が約5mm〜10mm程度の油脂検出領域Dに励起光Sを集光して照射する。これにより、高照度の励起光Sを、局所的な油脂検出領域Dに照射することができる。また、本実施形態のように、励起光出力部3(励起光源11)を複数設けることにより、局所的な油脂検出領域Dに、より強くて安定した強度を有する励起光Sを照射することができ、油脂の検出感度をより向上させることができる。
なお、励起光出力部3(後述の励起光源11)の個数は2個に限定されず、励起光出力部3を1個だけ設けてもよいし、3個以上設けてもよい。励起光出力部3の個数は、例えば、脱脂状態計測装置10の寸法、必要とする感度等を考慮して、適宜設定される。
各励起光出力部3は、励起光源11(光源)と、分光素子12と、集光レンズ13(励起光用集光レンズ)と、長波長カットフィルタ14と、制御用受光素子15(受光素子)とを備える。分光素子12、集光レンズ13及び長波長カットフィルタ14は、励起光源11の出力側に、励起光Sの光路に沿って、この順で配置される。また、制御用受光素子15は、分光素子12で反射(分光)される、励起光源11の出射光の一部(反射励起光)の光路上に配置される。
励起光源11は、励起光Sの光源であり、例えば波長が約300nm〜400nm程度の紫外線の光源等で構成される。励起光源11を紫外線光源で構成する場合には、励起光源11は、例えばLED(発光ダイオード)等の発光素子で構成される。なお、励起光源11から射出される光は紫外線に限定されず、油脂に光を照射した際に油脂で蛍光が励起される波長の光であれば任意の波長の光を用いることができる。
また、図1(a)及び(b)には示さないが、励起光源11は、処理回路部5内の後述の光出力制御部7に電気的に接続される(図3参照)。そして、本実施形態では、励起光源11の発光強度は、光出力制御部7によりフィードバック制御される。
分光素子12は、例えばビームスプリッターやハーフミラーなどの光学素子で構成される。分光素子12は、励起光源11からの出射光(励起光)を、集光レンズ13側に透過する光(透過励起光)と、制御用受光素子15側に反射(供給)する光(反射励起光)とに分離する。本実施形態では、励起光源11からの出射光のうち、例えば約10〜20%程度の光を制御用受光素子15側に反射するような分光素子12を用いる。
集光レンズ13は、分光素子12を透過した励起光S(透過励起光)を集光して、より小さなスポット径の励起光Sを生成する。なお、集光レンズ13の構成(配置位置、焦点距離等)は、その焦点が局所的な油脂検出領域Dに合うように設定される。これにより、励起光Sを油脂検出領域Dに集中して照射することができ、油脂検出領域Dにおける励起光Sの照度を増大させることができる。
長波長カットフィルタ14は、励起光源11からの出射光に含まれる可視光成分を除去する。また、本実施形態では、長波長カットフィルタ14を、集光レンズ13の光出射面に密着させて配置する。これにより、油脂の検出に不要な可視光成分の金属板200側への漏れ出しをできる限り防止することができ、金属板200に照射される励起光Sに含まれる不要な可視光成分をより低減することができる。なお、図1(a)には、長波長カットフィルタ14を、筐体1の底板部1aに設けられた開口部1bと離して配置する例を示すが、本発明はこれに限定されず、例えば、底板部1aの開口部1bを長波長カットフィルタ14で塞ぐように、長波長カットフィルタ14を配置してもよい。
制御用受光素子15は、例えば励起光(紫外線等)検出用のフォトダイオード等の受光素子により構成され、分光素子12から供給される光(反射励起光)を検出し、該検出光を電気信号に変換する。また、制御用受光素子15は、処理回路部5内の後述する光出力制御部7に電気的に接続され、変換された電気信号(検出結果)を、光出力制御部7に出力する。
(2)蛍光検出部の構成
蛍光検出部4は、金属板200に付着した油脂で発光する蛍光Sf(可視光)を検出する。蛍光検出部4は、集光レンズ21(可視光用集光レンズ)と、短波長カットフィルタ22と、可視光検出器23とを備える。短波長カットフィルタ22及び集光レンズ21は、可視光検出器23の蛍光Sfの受光面側(蛍光Sfの入射面側)に、蛍光Sfの光路に沿って、この順で配置される。
集光レンズ21は、金属板200の油脂検出領域Dで発生した蛍光Sfを集光する。また、本実施形態では、集光レンズ21の構成(配置位置、焦点距離等)は、その焦点が局所的な油脂検出領域Dに合うように設定される。なお、集光レンズ21の寸法は、例えば、脱脂状態計測装置10の寸法等を考慮して、適宜設定される。また、図1(a)には、集光レンズ21を、筐体1の底板部1aに設けられた開口部1cと離して配置する例を示すが、本発明はこれに限定されず、例えば、底板部1aの開口部1cを集光レンズ21で塞ぐように、集光レンズ21を配置してもよい。
上記構成の集光レンズ21を可視光検出器23の受光面側に設けることにより、油脂で発生した蛍光Sfを効率よく集光して、可視光検出器23に導くことができる。それゆえ、本実施形態では、油脂で発生した蛍光Sfの検出感度をより向上させることができる。なお、例えば、励起光出力部3(励起光源11)の個数を増やして、十分強い光力の蛍光Sfを油脂で発生させることができる場合には、集光レンズ21を設けなくてもよい。
短波長カットフィルタ22は、可視光検出器23に漏れ込む不要な励起光S(例えば紫外線)の光成分を除去する。また、本実施形態では、短波長カットフィルタ22を、可視光検出器23の受光面に密着させて配置する。これにより、可視光検出器23への不要な励起光Sの漏れ込みをできる限り防止することができる。
なお、本実施形態では、上述のように不要な光成分(可視光成分及び励起光成分)を除去するために干渉フィルタ(長波長カットフィルタ14及び短波長カットフィルタ22)を用いる例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、干渉フィルタの代わりに、小型の分光器を用いてもよい。また、上述した不要な光成分(可視光成分及び励起光成分)が、油脂で発生した蛍光成分の検出(脱脂状態の計測)に大きな影響を与えない場合には、長波長カットフィルタ14及び短波長カットフィルタ22を設けない構成にしてもよい。
可視光検出器23は、例えば可視光検出用のフォトダイオード等の受光素子で構成される。可視光検出器23は、金属板200の油脂検出領域Dで発生した蛍光Sfを、集光レンズ21及び短波長カットフィルタ22を介して受光し、該受光した蛍光Sfを電気信号に変換する。また、可視光検出器23は、処理回路部5内の後述する信号処理部6に電気的に接続され、変換された電気信号(検出結果)を、信号処理部6に出力する。
(3)処理回路部の構成
処理回路部5は、脱脂状態計測装置10の各種動作を駆動するための回路部である。そして、本実施形態では、処理回路部5に、信号処理部6及び光出力制御部7が実装される。なお、図1(a)には示さないが、処理回路部5は、各回路部を駆動するための電源回路も備える。
(3−1)信号処理部
信号処理部6は、可視光検出器23から入力される蛍光Sfの検出結果に基づいて、金属板200の油脂検出領域Dの脱脂状態に対応する情報(検出信号)を生成する。ここで、図2に、信号処理部6の内部ブロック構成を示す。
信号処理部6は、バンドパスフィルタ31と、第1の増幅回路32と、矩形波発振回路33と、同期検波回路34と、ゼロ点調整回路35と、第2の増幅回路36とを備える。また、バンドパスフィルタ31、第1の増幅回路32、同期検波回路34、ゼロ点調整回路35及び第2の増幅回路36は、可視光検出器23の検出結果の入力側からこの順で電気的に接続される。さらに、矩形波発振回路33の出力端子は、同期検波回路34に接続され、第2の増幅回路36の出力端子は、外部の表示装置8に接続される。
バンドパスフィルタ31は、可視光検出器23で検出された検出信号から不要な電気的ノイズを除去する。具体的には、バンドパスフィルタ31は、励起光源11を駆動する矩形波電流の周波数付近の帯域の信号成分を通過させ、その信号を第1の増幅回路32に出力する。
第1の増幅回路32は、バンドパスフィルタ31で抽出された所定周波数帯域の信号を増幅し、その増幅信号(周期信号)を同期検波回路34に出力する。
矩形波発振回路33は、励起光源11に供給される駆動信号(交流の電流信号)に同期した矩形波信号(例えば約1kHzの矩形波信号)を生成し、該矩形波信号を同期検波回路34に出力する。
同期検波回路34は、第1の増幅回路32から入力された周期信号、及び、矩形波発振回路33から入力された矩形波信号を用いて同期検波を行い、入力された周期信号を直流信号に変換する。そして、同期検波回路34は、変換された直流信号をゼロ点調整回路46に出力する。なお、同期検波回路34から出力される直流信号のレベルは、可視光検出器23で検出された可視光(蛍光Sfを含む)の光量に対応した値となる。
なお、本実施形態の脱脂状態計測装置10では、励起光出力部3に長波長カットフィルタ14を設け、かつ、蛍光検出部4に短波長カットフィルタ22を設けて、可視光検出器23に入射される不要な可視光成分(励起光源11の出射光に含まれる可視光成分)をできる限り除去するが、不要な可視光成分を完全に除去することができない。それゆえ、可視光検出器23で検出される可視光には多少、不要な可視光成分が含まれる。また、本実施形態の構成では、信号処理部6の回路内のドリフト等の影響も存在する。すなわち、同期検波回路34から出力される直流信号は、微量の不要な可視光成分や信号処理部6の回路内のドリフトなどの影響(誤差)を含んだ信号となる。
そこで、本実施形態では、同期検波回路34の出力側にゼロ点調整回路35を設け、この回路により、上述した誤差を補正し、油脂で発生した蛍光Sfに対応する信号(金属板200の油脂検出領域Dの脱脂状態に対応する情報)をより高精度に抽出する。
具体的には、ゼロ点調整回路35では、次のような補正処理を行う。まず、励起光Sの照射位置(油脂検出領域D)に油脂が存在しない場合の直流信号の値を予め測定し、その値を直流信号のゼロレベルの基準値とする。そして、同期検波回路34から入力される直流信号のゼロレベルを予め算出した直流信号のゼロレベルの基準値に合わせることにより、同期検波回路34から入力される直流信号を補正する。この結果、ゼロ点調整回路35から、油脂で発生した蛍光Sfに対応する直流信号のみを出力することができる。そして、ゼロ点調整回路35は、抽出した蛍光Sfに対応する直流信号を第2の増幅回路36に出力する。
なお、上述した微量の不要な可視光成分や信号処理部6の回路内のドリフトなどにより発生する誤差が、油脂で発生した蛍光Sfの検出に大きな影響を与えない場合には、同期検波回路34から出力される直流信号を補正せず、直接、第2の増幅回路36に出力してもよい。
第2の増幅回路36は、ゼロ点調整回路35から出力された直流信号に対してゲイン調整を行い、増幅する。そして、第2の増幅回路36は、増幅した直流信号を表示装置8に出力する。
表示装置8は、第2の増幅回路36から入力された直流信号(油脂の検出結果)を電圧信号に変換して表示する。この際、その数値の表示形態はアナログ表示であってもよいし、デジタル表示であってもよい。ユーザーは、この表示結果に基づいて、金属板200の油脂検出領域Dに油脂が付着しているか否かを判定する。なお、本実施形態では、信号処理部6内に、第2の増幅回路36の出力信号に基づいて金属板200の油脂検出領域Dに油脂が付着しているか否かを判定する判定部を設けてもよい。この場合、表示装置8では、油脂の付着の有無(判定結果)だけを表示するようにしてもよい。
(3−2)光出力制御部
光出力制御部7は、制御用受光素子15で検出される分光素子12で反射された光(反射励起光)の検出結果に基づいて、励起光源11の光出力(励起光Sの強度)をフィードバック制御する。ここで、図3に、光出力制御部7の内部ブロック構成を示す。
光出力制御部7は、増幅回路41と、PID(Proportional/Integral/Derivative)制御部42と、LED直流電源43とを備える。
増幅回路41は、制御用受光素子15に電気的に接続され、制御用受光素子15で検出された反射励起光に対応する交流の電気信号(周期信号)を直流信号に変換し、該変換された直流信号を増幅する。また、増幅回路41は、PID制御部42に接続され、増幅した直流信号(プロセス信号)をPID制御部42に出力する。
PID制御部42は、比例制御、積分制御及び微分制御を組み合わせて、増幅回路41から入力されたプロセス信号が、予め設定された所定の設定値に収束するように、LED直流電源43の操作信号(制御信号)を生成する。具体的には、増幅回路41から入力されたプロセス信号と、予め設定された所定の設定値とを比較し、その比較結果に対応する操作信号を生成する。
また、PID制御部42は、LED直流電源43に接続され、生成した操作信号(制御信号)をLED直流電源43に出力し、励起光Sの強度(励起光源11の光出力)が最適値になるように制御する。本実施形態では、励起光Sが励起光源11から射出されている間は、PID制御を繰り返し行う。なお、励起光Sの強度の制御手法としては、PID制御以外の手法も用いることができ、PID制御と同様に、励起光Sの強度をフィードバック制御することができる手法であれば、任意の制御手法を用いることができる。
LED直流電源43は、励起光源11の電流源であり、PID制御部42から入力される操作信号に基づいて、所定電流値の駆動信号(電流信号)を励起光源11に供給する。
本実施形態では、光出力制御部7内の増幅回路41、PID制御部42及びLED直流電源43の回路セットを、励起光源11(励起光出力部3)毎に設ける。この場合、各励起光源11の励起光Sの強度を個別に精度良く制御することができるので、油脂の検出精度も向上する。なお、本発明はこれに限定されず、複数の励起光源11に対して増幅回路41、PID制御部42及びLED直流電源43の回路セットを共通して設け、装置構成をより簡易にしてもよい。この場合、例えば、各制御用受光素子15で検出された交流の電気信号の平均値に基づいて生成されたプロセス信号と所定の設定値とをPID制御部42で比較することにより、各励起光Sの強度をフィードバック制御することができる。
[脱脂状態計測装置の動作]
次に、本実施形態の脱脂状態計測装置10における脱脂状態の検出動作を、図4を参照しながら説明する。なお、図4は、本実施形態の脱脂状態計測装置10における脱脂状態の検出処理の手順を示すフローチャートである。
まず、脱脂状態計測装置10は、2つの励起光源11を発光させ、各励起光源11から所定波長の光(例えば紫外線)を金属板200の表面に対して斜め照射する(ステップS1)。この際、本実施形態では、各分光素子12を透過した各励起光Sを対応する集光レンズ13により集光して、該集光された各励起光Sを金属板200表面の所定の局所的な油脂検出領域Dに照射する。
次いで、制御用受光素子15は、励起光Sが金属板200に照射されている間、分光素子12から反射される光(反射励起光)を検出する。そして、光出力制御部7は、制御用受光素子15での検出結果に基づいて、励起光源11の光出力(励起光Sの強度)をPID制御により最適化する(ステップS2)。なお、ステップS2における励起光Sの強度のフィードバック制御処理は、励起光Sが金属板200に照射されている間、繰り返し行われる。
次いで、可視光検出器23は、油脂検出領域Dへの励起光Sの照射により、油脂検出領域Dで発生した可視光(蛍光Sf)を検出し、該検出した信号(検出結果)を信号処理部6に出力する(ステップS3)。
次いで、信号処理部6(ゼロ点調整回路35)は、可視光検出器23で検出された信号に含まれる上述した微量の不要な可視光成分や信号処理部6の回路内のドリフトなどの影響(誤差)を除去し(ゼロ点調整を行い)、可視光検出器23の検出信号を補正する(ステップS4)。本実施形態では、この処理により、脱脂状態に対応する情報を生成する。
次いで、信号処理部6は、ゼロ点調整回路35で補正された油脂の検出信号を外部の表示装置8に出力する。そして、表示装置8は、信号処理部6から出力された油脂の検出結果(脱脂状態に対応する情報)を表示し、ユーザーは、その表示結果に基づいて、金属板200の油脂検出領域D上に油脂が付着しているか否かを判別する(ステップS5)。本実施形態では、このようにして、金属板200の表面に油脂が付着しているか否か判定する。
本実施形態の脱脂状態計測装置10では、上述のように、複数の励起光Sを、集光レンズで集光して、金属板200の局所的な油脂検出領域Dに照射する。これにより、より光力の強い励起光Sを局所的な油脂検出領域Dに照射することができ、油脂で発生する蛍光Sfの光力を強くすることができる。また、本実施形態では、各励起光源11の光出力を、個別にPID制御するので、最適な強度の励起光Sを安定して油脂検出領域Dに照射することができる。すなわち、本実施形態の脱脂状態計測装置10では、より局所的な油脂検出領域Dにおいて微量な油脂を検出することができ、かつ、より安定して精度よく脱脂状態を計測することができる。
なお、上記実施形態では、微量の油脂を検出することを目的とする例を説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明の脱脂状態計測装置及びその脱脂状態計測手法は、従来の油脂の検出手法で検出可能な量(微量でない量)の油脂の検出にも適用可能である。また、上記実施形態では、脱脂状態計測装置10の検査対象物として、例えば鋼板等の金属板200を例に挙げ説明したが、本発明はこれに限定されない。上記実施形態の脱脂状態計測装置10は、例えば処理鋼板(電気亜鉛メッキ鋼板など)等の検査対象物にも適用可能であり、同様の効果が得られる。
[比較例及び各種効果の説明]
ここで、上述した本実施形態の脱脂状態計測装置10で得られる効果を、以下に示す比較例の脱脂状態計測装置と比較しながら、より具体的に説明する。
本発明者らは、以前に、特願2010−248392において、油脂検出領域を密閉した状態で微量な油脂を検出する脱脂状態計測装置を提案した。図5(a)及び(b)に、特願2010−248392において提案した密閉型の脱脂状態計測装置(比較例)の概略構成図を示す。なお、図5(a)は、比較例の脱脂状態計測装置100の概略構成断面図であり、図5(b)は、脱脂状態計測装置100のミラー103により、密閉(画成)される油脂検出領域Drの範囲を示す図である。
比較例の脱脂状態計測装置100は、励起光出力部101と、蛍光検出部102と、お椀状のミラー103とを備える。なお、励起光出力部101は、ミラー103の側面部に取り付けられ、蛍光検出部102は、ミラー103の頂点部に取り付けられる。
励起光出力部101は、励起光源111(紫外線光源)と、長波長カットフィルタ112とで構成され、蛍光検出部102は、集光レンズ121と、短波長カットフィルタ122と、可視光検出器123とで構成される。なお、励起光出力部101内の励起光源111及び長波長カットフィルタ112は、それぞれ、上記本実施形態の励起光出力部3の励起光源11(LED)及び長波長カットフィルタ14と同様に構成される。また、蛍光検出部102内の集光レンズ121、短波長カットフィルタ122及び可視光検出器123は、それぞれ、上記本実施形態の蛍光検出部4の集光レンズ21、短波長カットフィルタ22及び可視光検出器23と同様に構成される。
比較例の脱脂状態計測装置100では、お椀状のミラー103の開口部を金属板201上に載置することにより、金属板201の油脂の検出領域を密閉状態にする。比較例では、励起光Sを金属板201に照射する際に、励起光Sを集光しないので、ミラー103の開口部により画成された領域Dr全体が、油脂の検出領域(以下、油脂検出領域Drという)となる。
そして、比較例では、油脂検出領域Drを密閉した状態で、励起光源111からブリュースター角の入射角で励起光S(紫外線)を金属板201に照射することにより、脱脂状態を計測する。ただし、この際、比較例では励起光Sを集光しないので、検出される油脂(蛍光Sf)の量は、油脂検出領域Dr内に残留する油脂の量の平均値となる。また、比較例の脱脂状態計測装置100では、励起光源111の個数や大きさ、及び、可視光検出器123の大きさ等の物理的制約により、油脂検出領域Drの直径は約100mm程度となる。それゆえ、比較例では、直径が約100mm程度の油脂検出領域Drの金属板201の表面に残留する油脂の量の平均値を計測することになる。
上述した比較例の脱脂状態計測装置100では、次のような各種計測例(計測例1〜3)において、油脂の検出精度が低下する場合がある。
(1)計測例1
図6(a)及び(b)に、計測例1の様子を示す。なお、図6(a)は、計測例1における脱脂状態計測装置100の動作の様子を示す図であり、図6(b)は、ミラー103により密閉される油脂検出領域Drの範囲を示す図である。
計測例1は、表面面積が20mm×20mm程度の金属板202の脱脂状態を比較例の脱脂状態計測装置100で検出する場合の計測例である。すなわち、計測例1では、図6(a)及び(b)に示すように、検査対象物となる金属板202の表面面積が、ミラー103により密閉される油脂検出領域Drの面積より小さくなる。このような場合には、油脂検出領域Drに、金属板202の表面領域だけでなく、脱脂状態を計測する必要のない領域も含まれることになる。それゆえ、計測例1のような状況で脱脂状態の計測した場合には、その測定結果に、脱脂状態を計測する必要のない領域の脱脂状態の計測結果も含まれることになり、脱脂状態の検出精度が低下する。
(2)計測例2
図7(a)及び(b)に、計測例2の様子を示す。なお、図7(a)は、計測例2における脱脂状態計測装置100の動作の様子を示す図であり、図7(b)は、ミラー103により密閉される油脂検出領域Drの範囲を示す図である。
計測例2は、表面の一部に開口部が形成された金属板203の脱脂状態を比較例の脱脂状態計測装置100で検出する場合の計測例である。なお、計測例2では、金属板203全体の表面領域の範囲は、ミラー103により密閉される油脂検出領域Drより大きい場合を考える。また、計測例2では、図7(a)及び(b)に示すように、金属板203の中央付近に、4つの開口部203aが2行×2列の配列形態で形成されている例を示す。
計測例2では、図7(a)及び(b)に示すように、油脂検出領域Drに、金属板203の表面領域だけでなく、脱脂状態を計測する必要のない4つの開口部203aの領域も含まれる。それゆえ、計測例2のような状況で脱脂状態の計測した場合には、その測定結果に、脱脂状態を計測する必要のない4つの開口部203aの領域の脱脂状態の計測結果も含まれることになり、脱脂状態の検出精度が低下する。
(3)計測例3
図8(a)及び(b)に、計測例3の様子を示す。なお、図8(a)は、計測例3における脱脂状態計測装置100の動作の様子を示す図であり、図8(b)は、ミラー103により密閉される油脂検出領域Drの範囲を示す図である。
計測例3は、金属板表面に油脂205が局所的に点在して付着し、金属板表面において油脂205の付着量が不均一であるような金属板204の脱脂状態を比較例の脱脂状態計測装置100で検出する場合の計測例である。なお、計測例3では、金属板204全体の表面領域の範囲は、ミラー103により密閉される油脂検出領域Drより大きい場合を考える。
計測例3では、油脂205が付着している領域の計測結果と、油脂205が付着していない領域の計測結果との平均値が計測されるので、金属板204上の脱脂状態の検出精度が低下する。
上述のように、比較例の脱脂状態計測装置100では、検査対象物(金属板)の大きさ、表面形状、油脂の付着状況などの条件により、脱脂状態の計測精度が低下する場合がある。
それに対して、本実施形態の脱脂状態計測装置10では、励起光Sを集光レンズ13で集光して、検査対象物(金属板)に照射するので、局所的な範囲(油脂検出領域D)の脱脂状態を検出することができる。それゆえ、本実施形態の脱脂状態計測装置10では、計測例1〜3で示すような状況においても、脱脂状態を計測すべき領域のみに励起光Sを照射することができ、より精度よく脱脂状態を計測することができる。さらに、本実施形態の脱脂状態計測装置10では、励起光Sを集光して検査対象物に照射するので、比較例に比べて、より光力の強い励起光Sを照射することができ、油脂で発生する蛍光Sfの光力も強くすることができる。それゆえ、本実施形態では、比較例に比べて、脱脂状態の検出感度を向上させることができる。
また、比較例の脱脂状態計測装置100に限らず、本実施形態においても、励起光源をLEDで構成するが、LEDは半導体で形成されているので、LEDの発光強度は、周囲の温度変化により変化する。また、LEDの駆動中にはLED自身が自己発熱するため、LEDの使用時間が長くなると、LED(光源)の温度も高くなり、これにより、LEDの発光強度が変化する。例えば、LEDの種類により異なるが、LEDの温度が10℃上昇すると、発光強度は例えば10%程度低下する。
また、LEDの温度は単純に上下しないので、その発光強度も不安定になる。なお、例えば、照射する励起光量をUVとし、油脂で発生する蛍光量をVLとすると、両者の間にはVL=η×UVという関係が成立するので、LEDの発光強度が不安定になると、油脂で発生する蛍光量も不安定になる。それゆえ、LEDを長時間使用する場合には、周囲温度及び自己発熱の影響により、LEDの発光強度が不安定になり、微量の油脂を安定して検出することが難しくなる。なお、LEDに対して放熱対策を施しても、LEDの温度を一定に保つことは通常困難である。
それに対して、本実施形態の脱脂状態計測装置10では、分光素子12により、励起光源11から射出される光の一部(反射励起光)を取り出し、その取り出した光に基づいて、励起光Sの強度(励起光源11の発光強度)が最適な強度となるように、励起光源11の駆動電流をフィードバック制御する。それゆえ、本実施形態の脱脂状態計測装置10では、励起光源11の周囲温度及び自己発熱の影響を抑制することができ、常に、最適な強度を有する励起光Sを検査対象物(金属板)に照射することができる。すなわち、本実施形態では、最適な強度を有する励起光Sを安定して検査対象物(金属板)に照射することができる。
[各種変形例]
次に、上述した実施形態の脱脂状態計測装置10の各種変形例について説明する。
(1)変形例1
上記実施形態では、開放型の脱脂状態計測装置10について説明したが、本発明はこれに限定されず、上記実施形態の励起光出力部3、蛍光検出部4及び処理回路部5の構成を、密閉型の脱脂状態計測装置に適用してもよい。
図9に、その一構成例(変形例1)を示す。なお、図9は、変形例1の脱脂状態計測装置の概略構成図である。また、図9に示す変形例1の脱脂状態計測装置50において、図1(a)に示す上記実施形態の脱脂状態計測装置10の構成と同じ構成には、同じ符号を付して示す。
脱脂状態計測装置50は、筐体51と、筐体51に内蔵された、2つの励起光出力部3、蛍光検出部4及び処理回路部5とを備える。図9と図1(a)との比較から明らかなように、変形例1では、上記実施形態の筐体1の支持脚2を省略し、その代わりに、筐体51で脱脂状態計測装置50を支持する構成にする。変形例1のそれ以外の構成は、上記実施形態の対応する構成と同じであるので、ここでは、筐体51についてのみ説明する。
筐体51は、略直方体状の箱部材で構成される。そして、この例では、筐体51の側板部の延在長さを上記実施形態の筐体1のそれより長くし、さらに、筐体51の励起光Sの射出側の底部全体を開口部にする。そして、この例において、金属板200の脱脂状態を計測する際には、図9に示すように、筐体51の開口部側の底部を直接、金属板200に接触させて、脱脂状態計測装置50を金属板200上に載置する。これにより、金属板200の油脂検出領域Dは、筐体51の内部に密閉された状態となる。
この例では、脱脂状態計測装置50は、上記実施形態と同様の構成の励起光出力部3、蛍光検出部4及び処理回路部5を備えるので、上記実施形態と同様の効果が得られる。また、この例では、油脂検出領域Dを密閉した状態で脱脂状態を計測することができるので、外部から油脂検出領域Dに入り込む光の影響を低減することができる。
(2)変形例2
上記実施形態では、脱脂状態計測装置10の外部に表示装置8を設ける例について説明したが、本発明はこれに限定されず、脱脂状態計測装置の内部に、表示装置8を設ける構成にしてもよい。
図10に、その一構成例(変形例2)を示す。なお、図10は、変形例2の脱脂状態計測装置の概略構成図である。また、図10に示す変形例2の脱脂状態計測装置60において、図1(a)に示す上記実施形態の脱脂状態計測装置10の構成と同じ構成には、同じ符号を付して示す。
脱脂状態計測装置60は、筐体1と、筐体1を支持する4本の支持脚2と、筐体1に内蔵された、2つの励起光出力部3、蛍光検出部4、処理回路部5及び表示装置8とを備える。図10と図1(a)との比較から明らかなように、変形例2では、上記実施形態の脱脂状態計測装置10の筐体1内に、表示装置8を設けた構成である。変形例2のそれ以外の構成は、上記実施形態の対応する構成と同じである。
この例においても、脱脂状態計測装置60は、上記実施形態と同様の構成の励起光出力部3、蛍光検出部4及び処理回路部5を備えるので、上記実施形態と同様の効果が得られる。なお、この例では、上記実施形態の脱脂状態計測装置10の筐体1内に、表示装置8を設けた例を説明したが、本発明はこれに限定されず、上記変形例1で説明した密閉型の脱脂状態計測装置50の筐体51内に、表示装置8を設けてもよい。
(3)変形例3
上記実施形態では、脱脂状態計測装置10内に処理回路部5を設けて、蛍光Sf(可視光)の検出処理、及び、励起光源11のフィードバック制御処理を脱脂状態計測装置10内部で行う例を説明したが、本発明はこれに限定されない。蛍光Sf(可視光)の検出処理、及び、励起光Sの発光強度のフィードバック制御処理を外部の情報処理装置で行ってもよい。すなわち、処理回路部5の機能を脱脂状態計測装置の外部に設けてもよい。
図11に、その一構成例(変形例3)を示す。なお、図11は、変形例3の脱脂状態計測装置を備える脱脂状態計測システムの概略構成図である。また、図11に示す変形例3の脱脂状態計測システム70において、図1(a)に示す上記実施形態の脱脂状態計測装置10の構成と同じ構成には、同じ符号を付して示す。
この例の脱脂状態計測システム70は、脱脂状態計測装置71と、情報処理装置72とを備える。
脱脂状態計測装置71は、筐体1と、筐体1を支持する4本の支持脚2と、筐体1に内蔵された、2つの励起光出力部3及び蛍光検出部4とを備える。この例の筐体1、支持脚2、各励起光出力部3及び蛍光検出部4の構成は、上記実施形態のそれらと同様である。
情報処理装置72は、信号処理部6及び光出力制御部7を含む処理回路部5と、表示装置8とを備える。処理回路部5及び表示装置8の構成は、上記実施形態のそれらと同様である。なお、情報処理装置72は、例えばパーソナルコンピュータや、専用の情報処理端末などにより構成することができる。
この例の脱脂状態計測システム70では、脱脂状態計測装置71の蛍光検出部4内の可視光検出器23、及び、各励起光出力部3内の制御用受光素子15が、それぞれ、情報処理装置72内の信号処理部6、及び、光出力制御部7に電気的に接続される。また、図11には示さないが、脱脂状態計測装置71の各励起光出力部3内の励起光源11は、情報処理装置72内の光出力制御部7に電気的に接続される。
この例の脱脂状態計測システム70においても、上記実施形態の脱脂状態計測装置10と同様にして、油脂状態を検出することができる。それゆえ、この例の脱脂状態計測システム70においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。なお、この例では、脱脂状態計測装置71を開放型の装置で構成した例を説明したが、本発明はこれに限定されず、上記変形例1と同様に、脱脂状態計測装置71を密閉型の装置で構成してもよい。
1…筐体、2…支持脚、3…励起光出力部、4…蛍光検出部、5…処理回路部、6…信号処理部、7…光出力制御部、8…表示部、10…脱脂状態計測装置、11…励起光源、12…分光素子、13…集光レンズ、14…長波長カットフィルタ、15…制御用受光素子、21…集光レンズ、22…短波長カットフィルタ、23…可視光検出器、200…金属板

Claims (12)

  1. 金属板に励起光を射出する光源、前記光源から射出された前記励起光を透過励起光及び反射励起光に分離する分光素子、前記反射励起光を検出し、該検出結果を、前記励起光の強度をフィードバック制御する光出力制御回路に出力する受光素子、及び、前記透過励起光を集光する励起光用集光レンズをそれぞれが含む複数の励起光出力部と、
    各励起光出力部から前記透過励起光を前記金属板に照射した際に発生する可視光を検出し、該検出結果を、前記金属板の脱脂状態に対応する情報を生成する信号処理部に出力する可視光検出器と
    を備え、
    各励起光出力部から前記金属板に照射される前記透過励起光の照射位置が、同じ位置である脱脂状態計測装置。
  2. さらに、前記受光素子での検出結果に基づいて、前記励起光の強度をフィードバック制御する前記光出力制御回路と、
    前記可視光検出器での検出結果に基づいて、前記金属板の脱脂状態に対応する情報を生成する前記信号処理部とを備える
    請求項1に記載の脱脂状態計測装置。
  3. 前記光出力制御回路は、PID制御により、前記励起光の強度をフィードバック制御する
    請求項2に記載の脱脂状態計測装置。
  4. さらに、前記金属板に前記透過励起光を照射した際に発生する可視光を集光し、該集光した可視光を前記可視光検出器に導く可視光用集光レンズを備える
    請求項1に記載の脱脂状態計測装置。
  5. さらに、前記光源の光出射口に設けられた、可視光成分の光を除去する長波長カットフィルタと、
    前記可視光検出器の光入射口に設けられた、前記励起光の波長成分の光を除去する短波長カットフィルタとを備える
    請求項1に記載の脱脂状態計測装置。
  6. 前記励起光が、紫外線である
    請求項1に記載の脱脂状態計測装置。
  7. 前記金属板の前記透過励起光の照射領域の径が、5mm〜10mmである
    請求項1に記載の脱脂状態計測装置。
  8. 前記可視光検出器が、前記金属板の前記透過励起光の照射位置の直上に配置される
    請求項1に記載の脱脂状態計測装置。
  9. 前記金属板の前記透過励起光の照射位置が、開放状態である
    請求項1に記載の脱脂状態計測装置。
  10. さらに、前記光源、前記分光素子、前記受光素子、前記励起光用集光レンズ、及び、前記可視光検出器を内蔵する筐体を備え、
    前記筐体により、前記透過励起光の照射位置が密閉される
    請求項1に記載の脱脂状態計測装置。
  11. 金属板に励起光を射出する光源、前記光源から射出された前記励起光を透過励起光及び反射励起光に分離する分光素子、前記反射励起光を検出し、該検出結果を、前記励起光の強度をフィードバック制御する光出力制御回路に出力する受光素子、及び、前記透過励起光を集光する励起光用集光レンズをそれぞれが含む複数の励起光出力部と、各励起光出力部から前記透過励起光を前記金属板に照射した際に発生する可視光を検出し、該検出結果を、前記金属板の脱脂状態に対応する情報を生成する信号処理部に出力する可視光検出器とを有し、各励起光出力部から前記金属板に照射される前記透過励起光の照射位置が、同じ位置である脱脂状態計測装置と、
    各受光素子での検出結果に基づいて、各光源から射出される前記励起光の強度をフィードバック制御する前記光出力制御回路と、前記可視光検出器での検出結果に基づいて、前記金属板の脱脂状態に対応する情報を生成する前記信号処理部とを有する情報処理装置と
    を備える脱脂状態計測システム。
  12. 金属板に励起光を射出する光源、前記光源から射出された前記励起光を透過励起光及び反射励起光に分離する分光素子、前記反射励起光を検出する受光素子、及び、前記透過励起光を集光する励起光用集光レンズをそれぞれが含む複数の励起光出力部と、前記金属板で発生する可視光を検出する可視光検出器とを有し、各励起光出力部から前記金属板に照射される前記透過励起光の照射位置が、同じ位置である脱脂状態計測装置の、各励起光用集光レンズが、対応する前記透過励起光を集光して前記金属板に前記透過励起光を照射することと、
    各受光素子が、対応する前記分光素子からの前記反射励起光を検出し、該検出結果を、前記励起光の強度をフィードバック制御する光出力制御回路に出力することと、
    前記可視光検出器が、各励起光出力部から前記金属板に前記透過励起光を照射した際に発生する可視光を検出し、該検出結果を、前記金属板の脱脂状態に対応する情報を生成する信号処理部に出力することと
    を含む脱脂状態計測方法。
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