[発明の要約]
ある種の大環状インドール誘導体は、以下のパラメーター:抗ウイルス効能、有益な突然変異体プロフィール、毒性の欠如、有益な薬物動態および代謝プロフィール、ならびに
調合および投与の容易さの1つもしくはそれ以上に関して有用な特性を有してHCVに感染した患者において抗ウイルス活性を示すことが見出された。従って、これらの化合物は、HCV感染を処置するかもしくはそれと闘うことにおいて有用である。
本発明は、立体化学的異性体、ならびにそのN−オキシド、塩、水和物および溶媒和物を包含する、式(I):
[式中:
−R1は
から選択される2価の鎖であり;
−各R3は水素、C1〜4アルキルおよびC3〜5シクロアルキルを含んでなる群から独立して選択され;
−aは3、4、5もしくは6であり;
−各bは独立して1もしくは2であり;
−cは1もしくは2であり;
−大員環Aは14〜18員原子を有し;
−各R2は独立して水素、ハロもしくはC1〜4アルコキシであり;
−R4およびR5は水素であるか、またはR4およびR5は一緒になって二重結合もしくはメチレン基を形成して縮合シクロプロピルを形成し;
−R6は水素もしくはメチルであり;そして
−R7は場合によりハロで置換されていてもよいC3〜7シクロアルキルである]
により表すことができるHCV複製の阻害剤に関する。
本発明はさらに、立体化学的異性体、およびそのN−オキシド、第四級アミン、金属錯体、塩、水和物もしくは溶媒和物を包含する式(I)の化合物の製造方法、それらの中間体、ならびに式(I)の化合物の製造における中間体の使用に関する。
本発明は、薬剤としての使用のための、立体化学的異性体、およびそのN−オキシド、
第四級アミン、金属錯体、塩、水和物もしくは溶媒和物を包含する式(I)の化合物自体に関する。本発明は、C型肝炎を処置するための、立体化学的異性体、およびそのN−オキシド、第四級アミン、金属錯体、塩、水和物もしくは溶媒和物を包含する式(I)の化合物自体に関する。本発明はさらに、担体および本明細書において特定した通りの式(I)の化合物の抗ウイルス的に有効な量を含んでなる製薬学的組成物に関する。製薬学的組成物は、他の抗HCV薬と前述の化合物の組み合わせを含んでなることができる。製薬学的組成物は、抗HIV薬と前述の化合物の組み合わせを含んでなることができる。本発明はさらに、HCV感染を患っている患者への投与のための前述の製薬学的組成物に関する。
本発明はまた、HCV複製を阻害するための薬剤の製造のための、立体化学的異性体、またはそのN−オキシド、第四級アミン、金属錯体、塩、水和物もしくは溶媒和物を包含する式(I)の化合物の使用にも関する。本発明はまた、HCVと関連する症状を予防するかもしくは処置するための薬剤の製造のための、立体化学的異性体、またはそのN−オキシド、第四級アミン、金属錯体、塩、水和物もしくは溶媒和物を包含する式(I)の化合物の使用にも関する。本発明はまた、温血動物におけるHCV複製を阻害する方法にも関し、該方法は、立体化学的異性体、またはそのN−オキシド、第四級アミン、金属錯体、塩、水和物もしくは溶媒和物を包含する式(I)の化合物の有効量の投与を含んでなる。本発明はまた、温血動物におけるHCVと関連する症状を予防するかもしくは処置する方法にも関し、該方法は、立体化学的異性体、またはそのN−オキシド、第四級アミン、金属錯体、塩、水和物もしくは溶媒和物を包含する式(I)の化合物の有効量の投与を含んでなる。
[詳細な記述]
本発明をこれからさらに記述する。以下の節において、本発明の異なる態様(aspects)もしくは態様(embodiments)をさらに詳細に定義する。そのように定義した各態様(aspects)もしくは態様(embodiments)は、そうでないと明らかに示されない限り任意の他の態様(aspect)(1つもしくは複数)もしくは態様(embodiment)(1つもしくは複数)と組み合わせることができる。特に、好ましいもしくは有益であるとして示される任意の特徴は、特定の態様を構築するために好ましいもしくは有益であるとして示される任意の他の特徴もしくは複数の特徴と組み合わせることができる。
上記および下記において用いる場合、他に記載されない限り以下の定義が適用される。
本発明の目的のために、「患者(subject)」もしくは「感染患者」もしくは「患者(patient)」という用語は、処置を必要とする、HCVに感染している個体をさす。
「ハロ」もしくは「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードの総称である。
本明細書において用いる場合、基もしくは基の一部としての「C1〜4アルキル」は、例えばメチル、エチル、プロプ−1−イル、プロプ−2−イル、ブト−1−イル、ブト−2−イル、イソブチル、2−メチルプロプ−1−イルのような1〜4個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状飽和炭化水素基を定義し;基もしくは基の一部としての「C1〜3アルキル」は、例えばメチル、エチル、プロプ−1−イル、プロプ−2−イルのような1〜3個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状飽和炭化水素基を定義する。
基もしくは基の一部としての「C1〜6アルキレン」という用語は、2価である、すな
わち、2つの他の基への結合のための2つの単結合を有するC1〜6アルキル基をさす。アルキレン基の限定されない例には、メチレン、エチレン、メチルメチレン、プロピレン、エチルエチレン、1−メチルエチレンおよび1,2−ジメチルエチレンが包含される。
「C3〜7シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルの総称である。「C3〜5シクロアルキル」という用語は、シクロプロピル、シクロブチルおよびシクロペンチルを含んでなるものとする。
基もしくは基の一部としての「C1〜4アルコキシ」もしくは「C1〜4アルキルオキシ」という用語は、式−ORaを有する基をさし、ここで、Raは上記に定義した通りのC1〜4アルキルである。適当なC1〜4アルコキシの限定されない例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシおよびtert−ブトキシが包含される。
定義において使用する任意の分子部分上の基の位置は、それが化学的に安定である限りそのような部分上の任意の場所であり得ることに留意すべきである。
変記号の定義において使用する基には、他に示されない限り全ての可能な異性体が包含される。例えば、ピペリジニルにはピペリジン−1−イル、ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イルおよびピペリジン−4−イルが包含され;ペンチルにはペント−1−イル、ペント−2−イルおよびペント−3−イルが包含される。
任意の変記号が任意の成分において1回より多く存在する場合、各定義は独立している。
「式(I)の化合物」もしくは「本発明の化合物」という用語または同様の用語を以下に用いる場合はいつでも、立体化学的異性体、およびそれらのN−オキシド、第四級アミン、金属錯体、塩、水和物もしくは溶媒和物を包含する式(I)の化合物が包含されるものとする。1つの態様は、可能な立体化学的異性体ならびにそのN−オキシド、塩、水和物および溶媒和物を包含する、式(I)の化合物もしくは本明細書において特定したその任意の亜群を含んでなる。別の態様は、可能な立体化学的異性体ならびにそのN−オキシド、塩、水和物および溶媒和物を包含する、式(I)の化合物もしくは本明細書において特定したその任意の亜群を含んでなる。
以下に用いる場合はいつでも、「場合により置換されていてもよい」という用語には、非置換のならびに特定の置換基の少なくとも1つで置換されたが包含されるものとする。例の目的のために、「場合によりクロロで置換されていてもよいC1〜4アルキル」には非置換のC1〜4アルキルならびにクロロで置換されたC1〜4アルキルが包含されるものとする。
式(I)の化合物は1つもしくはそれ以上のキラリティー中心を有する可能性があり、そして立体化学的異性体として存在し得る。「立体化学的異性体」という用語は、本明細書において用いる場合、式(I)の化合物が有し得る、同じ順序の結合により結合している同じ原子で構成されるが異なる3次元構造を有する全ての可能な化合物を定義する。
置換基内のキラル原子の絶対立体配置を指定するために(R)もしくは(S)が用いられる場合に関して、該指定は全化合物を考慮して行われ、そして分離した置換基ではない。
1つの態様において、本発明は、立体化学的異性体、ならびにそのN−オキシド、塩、
水和物および溶媒和物を包含する、式(I)
[式中、R1、R2、R4、R5、R6、R7およびAは本明細書に定義したのと同じ意味を有する]
の化合物を提供する。本発明の態様は、以下の態様において特定した通りのR1、R2、R4、R5、R6およびR7の定義の1つもしくはそれ以上が当てはまる、式(I)の化合物もしくは本明細書において定義した通りのその任意の亜群に関する:
式(I)の化合物の特定の亜群は、式(II)、(III)もしくは(IV)
[式中、R1、R2、R4、R5、R6、R7およびAは本明細書に定義したのと同じ意味を有する]
の化合物である。
1つの態様において、R1は
から選択される2価の鎖である。
特定の態様において、R1は
から選択され、ここで、aおよびcは上記に本明細書において定義した通りであるか、またはここで、aは4もしくは5であり、そしてcは1もしくは2である。別の特定の態様において、R1は
から選択される。
R1が
である場合、R1は2方向に配向されることができ、すなわち、ピペラジニル部分はスルホンアミド基に連結されることができ、一方、脂肪族アミンはカルボニル基に連結され、もしくはピペラジニル部分はカルボニル基に連結され、そして脂肪族アミンはスルホンア
ミド基に連結されると理解される。
好ましくは、R1が
である場合、ピペラジニル部分はカルボニル基に連結され、そして脂肪族アミンはスルホンアミド基に連結される。
さらに特定の態様において、R1は
から選択される。
あるいはまた、R1は
から選択される。
好ましい態様において、R1は
である。
別の態様において、R1は
である。
別の態様において、R1は
である。
別の好ましい態様において、R1は
である。
各R3は、水素、C1〜4アルキルおよびC3〜5シクロアルキルを含んでなる群から独立して選択される。特定の態様において、R3は水素、メチル、エチル、イソプロピルおよびシクロプロピルよりなる群から独立して選択される。さらに特定の態様において、各R3は水素およびメチルよりなる群から独立して選択され;もしくはR3はメチルである。
大員環Aは14〜18員原子を有する。特定の態様において、大員環Aは16、17もしくは18員原子を有する。さらに特定の態様において、Aは17員原子を有する。
R2は、水素、ハロもしくはC1〜4アルコキシを含んでなる群から選択される。特定の態様において、R2は水素、クロロ、フルオロもしくはメトキシを含んでなる群から選択される。さらに特定の態様において、R2は水素もしくはメトキシもしくはクロロであり;あるいはまた、R2はフルオロもしくはメトキシであり;または好ましい態様において、R2はメトキシである。別の態様において、R2はインドール基にベンゼンを連結する結合に関してメタもしくはパラにベンゼン環上で位置する。好ましい態様において、R2はインドール基にこのベンゼンを連結する結合に関してパラにベンゼン環上で位置する。
R4およびR5は水素であるか、またはR4およびR5は一緒になって二重結合もしく
はメチレン基を形成して縮合シクロプロピルを形成する。特定の態様において、R4およびR5は水素であるか、もしくはR4およびR5は一緒になってメチレン基を形成して縮合シクロプロピルを形成する。別の特定の態様において、R4およびR5は一緒になって二重結合を形成する。別の態様において、R6は水素およびメチルから選択される。特定の態様において、式(I)の化合物が式(III)もしくは(IV)の化合物である場合にR6は水素である。別の特定の態様において、式(I)の化合物が式(II)の化合物である場合にR6はメチルである。
R7は、場合によりハロで置換されていてもよいC3〜7シクロアルキルである。特定の態様において、R7はシクロペンチル、シクロヘキシルおよびフルオロシクロヘキシル(特に、2−フルオロシクロヘキシル)から選択される。好ましい態様において、R7はシクロヘキシルである。
式(I)の化合物の特定の亜群は、R4およびR5が一緒になって二重結合を形成し、そして本明細書の態様において特定した通りのR1、R2、R6およびR7の定義の1つもしくはそれ以上が当てはまる式(I)の化合物である。式(I)の化合物のさらに特定の亜群は、R1、R2、R4、R5、R6、R7およびAが本明細書において定義したのと同じ意味を有する式(II)の化合物である。さらに特定であるのは、R2、R6およびR7が式(I)の化合物もしくはその亜群について本明細書において定義したのと同じ意味を有する以下の構造式(II−1)、(II−2)および(II−3)により表される化合物である。
特定の態様において、本発明は、R6が水素もしくはメチルである、さらに特にR6がメチルである独立して式(II)、(II−1)、(II−2)および(II−3)の化合物を提供する。
別の態様において、本発明は、R7がシクロヘキシルもしくは2−フルオロシクロヘキシルである式(II)の化合物もしくはその亜群を提供する。
別の態様において、本発明は、R2が水素、メトキシもしくはクロロである式(II)の化合物もしくはその亜群を提供する。あるいはまた、本発明は、R2がフルオロもしく
はメトキシである式(II)の化合物もしくはその亜群を提供する。
式(I)の化合物の特定の亜群は、R1、R2、R4、R5、R6、R7およびAが本明細書において定義したのと同じ意味を有する式(III)の化合物である。さらに特定であるのは、R2、R6およびR7が式(I)の化合物について本明細書において定義したのと同じ意味を有する以下の構造式(III−1)、(III−2)、(III−3)および(III−4)により表される化合物である。
特に、本発明は、R6が水素である独立して式(III)、(III−1)、(III−2)、(III−3)および(III−4)の化合物を提供する。
別の態様において、本発明は、R7がシクロヘキシルもしくは2−フルオロシクロヘキシルである式(III)の化合物もしくはその亜群を提供する。
別の態様において、本発明は、R2が水素、メトキシもしくはクロロである式(III)の化合物もしくはその亜群を提供する。
式(I)の化合物の特定の亜群は、R1、R2、R4、R5、R6、R7およびAが本明細書において定義したのと同じ意味を有する式(IV)の化合物である。さらに特定であるのは、R2、R6およびR7が式(I)の化合物について本明細書において定義したのと同じ意味を有する以下の構造式(IV−1)、(IV−2)および(IV−3)により表される化合物である。
別の態様において、本発明は、R7がシクロヘキシルもしくは2−フルオロシクロヘキシルである式(IV)の化合物もしくはその亜群を提供する。
別の態様において、本発明は、R2が水素、メトキシもしくはクロロである式(IV)の化合物もしくはその亜群を提供する。
特定の態様において、本発明は式(II−1)、(III−1)および(IV−1)の化合物に関する。本発明の別の態様は、式(II−2)、(III−2)および(IV−2)の化合物に関する。本発明の別の態様は、式(II−3)、(III−3)および(IV−3)の化合物に関する。
特定の態様において、本発明は
を含んでなる群から選択される式(I)の化合物を提供する。
さらに特に、本発明は
から選択される式(I)の化合物を提供する。
あるいはまた、本発明は
から選択される式(I)の化合物を提供する。
さらに特に、本発明は
から選択される式(I)の化合物を提供する。
他に記載されないかもしくは示されない限り、化合物の化学表示には該化合物が有し得るいくつかのもしくは全ての可能な立体化学的異性体の混合物が包含される。該混合物は、該化合物の基本分子構造の全てのジアステレオマーおよび/もしくは鏡像異性体を含有することができる。純粋形態におけるもしくは相互に混合した両方の本発明の化合物の全ての立体化学的異性体は、本発明の範囲内に包含されるものとする。
本明細書に記載される場合に化合物および中間体の純粋な立体異性体は、該化合物もしくは中間体の同じ基本分子構造の他の鏡像異性体もしくはジアステレオマー形態を実質的に含まない異性体として定義される。特に、「立体異性的に純粋な」という用語は、少なくとも80%の立体異性体過剰率(すなわち、最低90%の一方の異性体および最大10%のもう一方の可能な異性体)〜100%の立体異性体過剰率(すなわち、100%の一方の異性体およびもう一方は全くない)を有する化合物もしくは中間体、さらに特に90%〜100%の立体異性体過剰率を有する、なおさらに特に94%〜100%の立体異性体過剰率を有する、そして最も特に97%〜100%の立体異性体過剰率を有する化合物もしくは中間体に関する。「鏡像異性的に純粋な」および「ジアステレオマー的に純粋な」という用語は同様に、しかしその場合問題になっている混合物のそれぞれ鏡像異性体過剰率およびジアステレオマー過剰率を考慮して理解されるべきである。
本発明の化合物および中間体の純粋な立体異性体は、当該技術分野で既知の方法の適用により得ることができる。例えば、鏡像異性体は、光学活性酸もしくは塩基でのそれらのジアステレオマー塩の選択的結晶化により相互から分離することができる。その例は、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸およびショウノウスルホン酸である。あるいはまた、鏡像異性体は、キラル固定相を用いてクロマトグラフィー技術により分離することができる。該純粋な立体化学的異性体はまた、反応が立体特異的に起こるならば、適切な出発物質の対応する純粋な立体化学的異性体から得ることもできる。好ましくは、特定の立体異性体が所望される場合、該化合物は立体特異的製造方法により合成される。これらの方法は、鏡像異性的に純粋な出発物質を都合よく用いる。
式(I)の化合物もしくはその任意の亜群のジアステレオマーラセミ化合物は、常法により別個に得ることができる。都合よく用いることができる適切な物理的分離方法は、例えば、選択的結晶化およびクロマトグラフィー、例えばカラムクロマトグラフィーである
。
式(I)の化合物、それらのN−オキシド、塩、水和物、溶媒和物、第四級アミンもしくは金属錯体、およびその製造において使用する中間体のいくつかについて、絶対立体化学配置は実験的に決定されなかった。当業者は、例えばX線回折のような当該技術分野で既知の方法を用いてそのような化合物の絶対立体配置を決定することができる。
1つの態様において、本発明は式(IIIA)、(IIIB)、(IVA)および(IVB)
[式中、R1、R2、R6、R7およびAは本明細書において定義したものと同じ意味を有する]
の化合物に関する。
さらに特定の態様において、本発明は式(IIIA−1)、(IIIA−2)、(IIIA−3)、(IIIA−4)、(IIIB−1)、(IIIB−2)、(IIIB−3)、(IIIB−4)、(IVA−1)、(IVA−2)、(IVA−3)、(IVB−1)、(IVB−2)および(IVB−3)
[式中、R2、R6およびR7は本明細書において定義したものと同じ意味を有する]の化合物に関する。
別の態様において、適用可能な場合、式(I)の化合物もしくはその亜群は、式(IA
)により例示されるような立体化学配置を有する。
本発明はまた、本発明の化合物上に存在する原子の全ての同位体も包含するものとする。同位体には、同じ原子番号しかし異なる質量数を有する原子が包含される。一般的な例としてそして限定されずに、水素の同位体にはトリチウムおよび重水素が包含される。炭素の同位体には、C−13およびC−14が包含される。
治療用途のために、式(I)の化合物の塩は、対イオンが製薬学的に許容しうるものである。しかしながら、製薬学的に許容できない酸および塩基の塩もまた、例えば、製薬学的に許容しうる化合物の製造もしくは精製において、用途を見出し得る。全ての塩は、製薬学的に許容できるかもしくはそうでないにしても、本発明の範囲内に包含される。
上記のような製薬学的に許容しうる酸および塩基塩は、式(I)の化合物が形成することのできる治療的に有効な無毒の酸および塩基付加塩形態を含んでなるものとする。製薬学的に許容しうる酸付加塩は、塩基形態をそのような適切な酸で処理することにより都合よく得ることができる。適切な酸は、例えば、ハロゲン化水素酸、例えば塩酸もしくは臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などのような無機酸;または例えば、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸(すなわち、エタン二酸)、マロン酸、コハク酸(すなわち、ブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸(すなわち、ヒドロキシブタン二酸)、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモン酸などのような有機酸を含んでなる。
逆に、該塩形態は、適切な塩基での処理により遊離塩基形態に転化することができる。
酸性プロトンを含有する式(I)の化合物もしくはその任意の亜群はまた、適切な有機および無機塩基での処理によりそれらの無毒の金属もしくはアミン付加塩形態に転化することもできる。適切な塩基塩形態は、例えば、アンモニウム塩、アルカリおよびアルカリ土類金属塩、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム塩など、有機塩基との塩、例えばベンザチン、N−メチル−D−グルカミン、ヒドラバミン塩、ならびに例えばアルギニン、リシンなどのようなアミノ酸との塩を含んでなる。
「第四級アミン」という用語は、上記で使用する場合、式(I)の化合物もしくはその任意の亜群の塩基性窒素と例えば場合により置換されていてもよいハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリールもしくはハロゲン化アリールアルキル、例えばヨウ化メチルもしくはヨウ化ベンジルのような適切な四級化剤との間の反応により式(I)の化合物もしくはその任意の亜群が形成することのできる第四級アンモニウム塩を定義する。トリフルオロメタンスルホン酸アルキル、メタンスルホン酸アルキルおよびp−トルエンスルホン酸アルキルのような、優れた脱離基を有する他の反応物質もまた使用することができる。第四級
アミンは、正に荷電した窒素を有する。製薬学的に許容しうる対イオンには、クロロ、ブロモ、ヨード、トリフルオロアセテートおよびアセテートが包含される。最適な対イオンは、イオン交換樹脂を用いて導入することができる。
本発明の化合物のN−オキシド形態は、1個もしくは数個の窒素原子がいわゆるN−オキシドに酸化される式(I)の化合物もしくはその任意の亜群を含んでなるものとする。
式(I)の化合物もしくはその任意の亜群は金属結合、キレート、錯体形成特性を有する可能性があり、従って、金属錯体もしくは金属キレートとして存在し得ることが理解される。式(I)の化合物もしくはその任意の亜群のそのようなメタル化誘導体は、本発明の範囲内に包含されるものとする。
式(I)の化合物もしくはその任意の亜群および中間体のあるものはまた、1つもしくはそれ以上の互変異性形態において存在することもできる。そのような形態は上記の式において明白に示されないが、本発明の範囲内に包含されるものとする。従って、これらの化合物および中間体は互変異性体の混合物としてもしくは個々の互変異性体として存在し得る。
本発明において、下記の阻害アッセイにおいて、以下の実施例において使用するアッセイのような適当なアッセイにより決定した場合に、100μM未満、好ましくは50μM未満、より好ましくは10μM未満、好ましくは5μM未満、さらにより好ましくは1μM未満、好ましくは100nM未満、そして特に10nM未満の阻害値を有する式Iの化合物もしくはその任意の亜群が特に好ましい。
式(I)の化合物の上記で定義した亜群ならびに本明細書において定義した任意の他の亜群には、立体化学的異性体、ならびにそのような化合物の任意のN−オキシド、塩、第四級アミン、水和物、溶媒和物および金属錯体が包含されるものとすることが理解されるべきである。
式(I)の化合物の製造
一般的合成スキーム
式(I)の化合物は、インドール誘導体A−1
[ここで、R2、R4、R5、R6およびR7は式(I)の化合物もしくはその亜群について定義した通りであり、そしてRaはメチルおよびtert−ブチルから選択され、そしてRbはメチルから選択される]
から、下記の異なる方法A、B、C、D、E、FおよびGに従って製造することができる。式(A−1)の化合物は当該技術分野において既知であるか、もしくはUS20070270406A1、WO2007/054741およびWO2007/092000に記
載の通り得ることができる。
方法A
式(I)の化合物の合成の図式的概説をスキーム1に示す。該方法は、式A−1の化合物から開始する。
式A−2の化合物は、水、アルコール、例えばメタノールもしくはエタノール、テトラヒドロフラン(THF)、またはその混合物のような極性溶媒において、LiOHもしくはNaOHのような水酸化物を用いて、塩基性条件下で、Rb基を保有するエステルの位置選択的加水分解により製造することができる。この方法は、Rbがメチル基であり、そしてRaがtert−ブチル基であるか、もしくはRaがメチル基である場合に用いることができる。
R1が式(I)もしくはその亜群について定義した通りである式PG−R1−Hのモノ保護された(monoprotected)二官能性R1由来試薬を次に化合物A−2のカルボン酸に連結してアミド結合を生成せしめ、化合物A−3をもたらすことができる。「PG」は、本明細書において用いる場合、当該技術分野において既知であるものから選択される適当なアミン保護基である。好ましくは、PGはtert−ブチルオキシカルボニル(Boc)保護基もしくは4−ニトロベンゼンスルホニル(ノシル)基である。
アミド結合の形成は、ペプチド合成においてアミノ酸を連結するために使用するもののような標準的な方法を用いて実施することができる。後者は、連結するアミド結合を生成せしめるための一方の反応物質のカルボキシル基のもう一方の反応物質のアミノ基との脱水カップリングを伴う。アミド結合形成は、カップリング剤の存在下で出発物質を反応させることによりあるいはカルボキシル官能基を活性型、例えば活性エステル、混合無水物またはカルボン酸クロリドもしくはブロミドに転化することにより行うことできる。そのようなカップリング反応およびそれに使用する試薬の一般的記述は、ペプチド化学に関する一般的教科書、例えば、M.Bodanszky,“Peptide Chemistry”,2nd rev.ed.,Springer−Verlag,Berlin,Germany,(1993)に見出すことができる。
アミド結合形成を伴うカップリング反応の例には、アジド法、混合炭酸−カルボン酸無水物(クロロギ酸イソブチル)法、カルボジイミド(ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、もしくは水溶性カルボジイミド、例えばN−エチル−N’−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド(EDC)法、活性エステル法(例えば、p−ニトロフェニル、p−クロロフェニル、トリクロロフェニル、ペンタクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、N−ヒドロキシコハク酸イミドおよび同様のエステル)、ウッドワード試薬K法、1,1−カルボニルジイミダゾール(CDIもしくはN,N’−カルボニルジイミダゾール)法、リン試薬もしくは酸化還元法が包含される。これらの方法のあるものは、適当な触媒を加えることにより、例えばカルボジイミド法において1−ヒドロキシベンゾトリアゾールもしくは4−ジメチルアミノピリジン(4−DMAP)を加えることにより増進することができる。さらなるカップリング剤は、単独のもしくは1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾールもしくは4−DMAPの存在下のいずれかの(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)−トリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート;または2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラ−メチルウロニウムテトラフルオロボレート、もしくはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートである。これらのカップリング反応は、溶液(液相)もしくは固相のいずれかにおいて行うことができる。
カップリング反応は、好ましくは、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン(DCM)、クロロホルム、双極性非プロトン性溶媒、例えばアセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、DMSO、HMPT、エーテル、例えばテトラヒドロフラン(THF)のような不活性溶媒において行われる。
多くの場合において、カップリング反応は、第三級アミン、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、N−メチル−モルホリン、N−メチルピロ
リジン、4−DMAPもしくは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)のような適当な塩基の存在下で行われる。反応温度は0℃〜50℃の間であることができ、そして反応時間は15分〜24hの間であることができる。
当該技術分野において既知である方法に従う保護基の除去により化合物A−4をもたらすことができる。これらの方法には、PGがBoc−保護基である場合には、DCMのような適当な溶媒におけるトリフルオロ酢酸(TFA)と化合物A−3との反応、またはPGがノシルである場合にはDMF、THFのような適当な溶媒における、炭酸セシウムもしくはLiOHのような塩基の存在下で、溶液中もしくは固相における、メルカプト酢酸もしくはチオフェノールのようなチオールと化合物A−3との反応が含まれる。Raがtert−ブチル基であり、そしてPGがBoc−保護基である場合、上記のようなPGの除去によりRaがOHである化合物A−4をもたらすことができる。
次に、化合物A−4を加熱条件、すなわち100℃下で適当な溶媒、例えばジオキサンにおいてスルファミドと反応させる。この反応はマイクロ波照射下で行われ、そして化合物A−5をもたらすことができる。スルファミド部分を導入するための別の方法は、DCMのような塩素化溶媒、もしくはDMF、THFのような適当な溶媒においてトリエチルアミン、DIPEAもしくはピリジンのような適当な塩基の存在下で、アミノスルホニルクロリドと化合物A−4との反応からなることができる。
次に、化合物A−5のエステル官能基、すなわち、−CO−O−Raを当該技術分野において既知でありそして上記のような塩基性媒質における鹸化を含む条件を用いて加水分解し、化合物A−6をもたらすことができる。加熱は、この反応を完了するために必要とされ得る。Raがtert−ブチル基である場合に、酸性条件、例えばDCMのような適当な溶媒におけるTFAもまた、化合物A−5のエステル官能基を加水分解するために用いることができる。
化合物(I)は、加熱下で、カルボン酸基を反応種アシルイミダゾールに転化するCDIのようなカップリング剤の存在下で、分子内アシルスルファミド結合を形成することによる大員環化により得ることができる。次に、加熱条件下で行われることができる、閉環を行うために、DBUのような適当な塩基を加える前にこのアシルイミダゾールを精製することができる。これらの反応に使用する溶媒には、アセトニトリルもしくはTHFを包含することができる。当該技術分野において既知であるもののような他のカップリング剤もまた、閉環を行うために用いることができる。
方法B
スキーム2において例示されるような化合物A−4をもたらす代替法は、化合物A−2と化合物A−2と比較して過剰に使用される対称的な2価の鎖R1との間のアミド結合の
形成であることができる。このアミド結合は、特に[ジメチルアミノ−([1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イルオキシ)−メチレン]−ジメチル−アンモニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)を用いて、DIPEAのような塩基の存在下でそしてDCM、DMF、もしくはより好ましくはTHFのような適当な溶媒において上記の通り合成することができる。次に、化合物(I)を製造するために方法Aにおける上記の通り化合物A−4を反応させることができる。
方法C
化合物は、化合物A−3の合成についての上記と同様の方法において、しかし保護基の代わりに1つのスルファミド部分を保有する2価の鎖R1を用いて、化合物A−2から直接製造することができる。そのようなスルファミド鎖R1は、マイクロ波照射下で、ジオキサンのような適当な溶媒においてスルファミドと、適当な保護基によりモノ保護される(すなわち、PG−R1−H)かもしくはそれが対称的である場合にはそうでないことができる、式H−R1−Hの試薬を加熱することによりH−R1−H上に導入することができる。次に、保護基を当該技術分野において既知である方法により、例えば、保護基がBoc−保護基である場合にはジクロロメタンにおけるTFAとの反応により除去し、モノスルファミド誘導体化R1鎖をもたらすことができる。
方法D
式A−3もしくはA−4の化合物は、化合物A−3のPG除去および/もしくはスルファミドA−4をもたらす反応の前に、アルキル化もしくは還元的アミノ化のような官能基操作を受けることができる。
方法E
化合物A−1のRa基を保有するエステル(Raは例えばtert−ブチル基であり、そしてRbはメチル基である)は、酸性条件において、例えばDCMのような適当な溶媒中のTFAを用いて、上記の通り加水分解し、カルボン酸誘導体E−2を生成せしめることができる。
モノ保護された2価の鎖R1上に導入されたスルファミド部分と化合物E−2との反応により、方法Aの最終段階について記述した条件を用いて、アシルスルファミド化合物E−3をもたらすことができる。好ましくは、カルボン酸基を活性化するために使用するカップリング剤は、加熱条件下で、アセトニトリルもしくはTHFのような適当な溶媒中、CDIであることができる。次に、DBUのような塩基の存在下でのスルファミド鎖の付加により化合物E−3をもたらすことができる。PGは、当該技術分野において既知であるものから選択される適当なアミン保護基である。好ましくは、方法E内で、PGはBoc−保護基である。
当該技術分野において既知である方法に従う化合物E−3の保護基PGの除去により、化合物E−4をもたらすことができる。これらの方法には、PGがBoc−保護基である場合、DCMのような適当な溶媒中のTFAと化合物E−3との反応が包含される。
次に、化合物E−4のエステル官能基(Rbはメチル基である)を当該技術分野において既知でありそして上記のような塩基性媒質における鹸化を含む条件を用いて加水分解し、化合物E−5をもたらすことができる。
あるいはまた、化合物E−3は、上記の条件を用いるアミン保護基の除去の前に、Rbを保有するエステルを加水分解するために塩基性媒質における鹸化反応を受け、そして化合物E−5をもたらすことができる。
化合物(I)は、方法Aにおいて記載の通り、カップリング剤の存在下で、分子内アミド結合を形成することによる化合物E−5の大員環化により得ることができる。好ましくは、このアミド形成段階は高希釈条件下で行うことができる。
方法F
化合物F−3は、方法Aの第二段階について記載の通り、化合物A−2およびアルケニルアミンから出発して、アミド形成反応により得ることができる。前述の通りの塩基性もしくは酸性条件下でのその後のエステル加水分解により化合物F−4をもたらすことができる。次に、アルケニルスルファミド化合物を用いて、方法Aの最終段階について記載の方法を用いてアシルスルファミド結合を形成し、そして化合物F−5をもたらすことができる。
あるいはまた、式E−2の化合物上にアシルスルファミド基を導入し、その後で上記の通りRb基を保有するエステルを加水分解し、そして得られるカルボン酸をアルケンアミンと連結し、化合物F−5をもたらすことができる。
R1として以下の2価の鎖:
を保有する式(I)の化合物である大員環、すなわち、式F−6の化合物の形成は、例えば、Miller,S.J.,Blackwell,H.E.,Grubbs,R.H.J.Am.Chem.Soc.118,(1996),9606−9614;Kingsbury,J.S.,Harrity,J.P.A.,Bonitatebus,P.J.,Hoveyda,A.H.,J.Am.Chem.Soc.121,(1999),791−799;およびHuang et al.,J.Am.Chem.Soc.121,(1999),2674−2678により報告されるRuに基づく触媒;例えばホベイダ・グラブス触媒のような適当な金属触媒の存在下でオレフィンメタセシス反応によって実施することができる。
ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)−3−フェニル−1H−インデン−1−イリデ
ンルテニウムクロリド(Neolyst M1R)もしくはビス(トリシクロヘキシルホスフィン)−[(フェニルチオ)メチレン]ルテニウム(IV)ジクロリドのような空気中で安定なルテニウム触媒を用いることができる。使用することができる他の触媒は、グラブス第一および第二世代触媒、すなわち、それぞれ、ベンジリデン−ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ジクロロルテニウムおよび(1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ(フェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムである。特に興味深いのは、それぞれジクロロ(o−イソプロポキシフェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)−ルテニウム(II)および1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ−(o−イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウムである、ホベイダ・グラブス第一および第二世代触媒である。また、Moのような他の遷移金属を含有する他の触媒をこの反応に使用することもできる。
メタセシス反応は、例えばエーテル、例えばTHF、ジオキサン;ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、CHCl3、1,2−ジクロロエタンなど、炭化水素、例えばトルエンのような適当な溶媒において行うことができる。これらの反応は、窒素雰囲気下で上昇した温度で行われる。
式(I)の化合物もしくはその任意の亜群もしくはその任意の複数の亜群は、当該技術分野で既知の官能基転化反応に従って相互に転化することができる。例えば、アミノ基はN−アルキル化し、ニトロ基はアミノ基に還元することができ、ハロ原子は別のハロに交換することができる。
式F−6の化合物は、メタノール、エタノール、THF、酢酸もしくはその混合物のような適当な溶媒において、触媒として例えばPd/Cを用いて、接触水素化に供して、式F−7の化合物を生成せしめることができ、ここで、2価の鎖R1のアルケンは対応するアルカンに還元される。式(II)の化合物の群に属する式F−6の化合物は、この水素化段階の後に式(IV)の化合物の構造を有する化合物F−7をもたらすことができる。
さらに一般的に、式(II)の化合物は、以下に示すような接触水素化により式(IV)の化合物に転化することができる。
式(I)の化合物は、3価の窒素をそのN−オキシド形態に転化するための当該技術分野で既知の方法に従って対応するN−オキシド形態に転化することができる。該N−酸化反応は、式(I)の出発物質を適切な有機もしくは無機過酸化物と反応させることにより一般に実施することができる。適切な無機過酸化物は、例えば、過酸化水素、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属過酸化物、例えば過酸化ナトリウム、過酸化カリウムを含んでなり;適切な有機過酸化物は、例えば、ベンゼンカルボペルオキソ酸もしくはハロ置換されたベンゼンカルボペルオキソ酸、例えば3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸のよ
うなペルオキシ酸、ペルオキソアルカン酸、例えばペルオキソ酢酸、アルキルヒドロペルオキシド、例えばtert−ブチルヒドロペルオキシドを含んでなることができる。適当な溶媒は、例えば、水、低級アルコール、例えばエタノールなど、炭化水素、例えばトルエン、ケトン、例えば2−ブタノン、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、およびそのような溶媒の混合物である。
式(I)の化合物の純粋な立体化学的異性体は、当該技術分野で既知の方法の適用により得ることができる。ジアステレオマーは、選択的結晶化およびクロマトグラフィー技術、例えば向流分配、液体クロマトグラフィーなどのような物理的方法により分離することができる。
式(I)の化合物は、当該技術分野で既知の分割方法に従って相互から分離することができる鏡像異性体のラセミ混合物として得ることができる。十分に塩基性もしくは酸性である式(I)のラセミ化合物は、それぞれ適当なキラル酸もしくはキラル塩基との反応により対応するジアステレオマー塩に転化することができる。該ジアステレオマー塩形態を次に例えば選択的もしくは分別結晶化により分離し、そして鏡像異性体をアルカリもしくは酸によりそれから遊離させる。式(I)の化合物の鏡像異性体を分離する代わりの方法は、液体クロマトグラフィー、特にキラル固定相を用いる液体クロマトグラフィーを含む。該純粋な立体化学的異性体はまた、反応が立体特異的に起こるならば、適切な出発物質の対応する純粋な立体化学的異性体から得ることもできる。好ましくは、特定の立体異性体が所望される場合、該化合物は立体特異的製造方法により合成することができる。これらの方法は、鏡像異性的に純粋な出発物質を都合よく用いることができる。
方法Gは、化合物(III)および(IV)の群に属する、鏡像異性的に純粋な出発物質A−2の合成を記述する。
方法G
ラセミ混合物A−2は、触媒量のDMFの存在下で、THFのような適当な溶媒における塩化オキサリルとA−2との反応のような、当該技術分野において既知である方法を用いてそのアシルクロリドに転化した後に、(S)−4−ベンジル−2−オキサゾリジノンのようなキラル補助基と反応させることができる。酸クロリドを次に低温、典型的には−78℃でそして不活性雰囲気下で、THFのような適当な溶媒において、ブチルリチウムのような強塩基との反応により形成される(S)−4−ベンジル−2−オキサゾリジノンの陰イオンと反応させ、ジアステレオ異性体G1およびG2をもたらすことができ、それをシリカゲル上でのクロマトグラフィーのような当該技術分野において既知である方法により単離することができる。
次に、ジアステレオ異性体G1およびG2の各々からのキラル補助基の除去は、メタノール、水、THFのような適当な溶媒においてNaOHのような塩基で行い、鏡像異性的に純粋な化合物A−2’およびA−2”をもたらすことができる。これらの鏡像異性的に純粋な出発物質を用いることにより式(IIIA)、(IIIB)の化合物のような1個の立体中心を保有する式(I)の鏡像異性的に純粋な化合物をもたらすことができる。
式(I)の化合物もしくはその任意の亜群の純粋な立体化学的異性体は、当該技術分野において既知の方法の適用により得ることができる。ジアステレオマーは、選択的結晶化およびクロマトグラフィー技術、例えば向流分配、液体クロマトグラフィーなどのような物理的方法により分離することができる。
式(I)の化合物もしくはその任意の亜群は、当該技術分野で既知の分割方法に従って相互から分離することができる鏡像異性体のラセミ混合物として得ることができる。十分に塩基性もしくは酸性である式(I)のラセミ化合物もしくはその任意の亜群は、それぞれ適当なキラル酸、キラル塩基との反応により対応するジアステレオマー塩形態に転化することができる。該ジアステレオマー塩形態を次に例えば選択的もしくは分別結晶化により分離し、そして鏡像異性体をアルカリもしくは酸によりそれから遊離させる。式(I)の化合物もしくはその任意の亜群の鏡像異性体を分離する代替法は、液体クロマトグラフィー、特にキラル固定相を用いる液体クロマトグラフィーを含む。該純粋な立体化学的異性体はまた、反応が立体特異的に起こるならば、適切な出発物質の対応する純粋な立体化学的異性体から得ることもできる。好ましくは、特定の立体異性体が所望される場合、該化合物は立体特異的製造方法により合成することができる。これらの方法は、鏡像異性的に純粋な出発物質を都合よく用いることができる。
さらなる態様において、本発明は、本明細書において特定した通りの式(I)の化合物もしくはその任意の亜群の治療的に有効な量および製薬学的に許容しうる担体を含んでなる製薬学的組成物に関する。これに関連して治療的に有効な量は、感染患者もしくは感染する危険性がある患者において、ウイルス感染そして特にHCVウイルス感染に対して予防的に作用するために、それを安定させるためにもしくは減らすために十分な量である。なおさらなる態様において、本発明は、製薬学的に許容しうる担体を本明細書において特定した通りの式(I)の化合物もしくはその任意の亜群の治療的に有効な量とよく混合することを含んでなる、本明細書において特定した通りの製薬学的組成物を製造する方法に関する。
従って、本発明の態様によれば、式(I)の化合物もしくはその任意の亜群は、投与目的のための様々な製薬学的形態に調合することができる。薬剤を全身的に投与するために通常用いられる全ての組成物が適切な組成物として包含されることが理解される。本発明の製薬学的組成物を製造するために、有効成分として、場合により塩形態もしくは金属錯体における、特定の化合物の有効量を製薬学的に許容しうる担体とよく混合して合わせ、
この担体は投与に所望される製剤の形態により多種多様な形態をとることができる。これらの製薬学的組成物は、特に経口的、経直腸的、経皮的もしくは非経口注射による投与に適当な単位投与形態物においてが望ましい。例えば、経口投与形態物における組成物を製造することにおいて、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤、乳剤および液剤のような経口用液状製剤の場合には例えば、水、グリコール、油、アルコールなどのような通常の製薬学的媒質のいずれかを;または散剤、丸剤、カプセル剤および錠剤の場合には澱粉、糖、カオリン、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などのような固形担体を用いることができる。錠剤およびカプセル剤は、それらの投与の容易さのために、最も都合のよい経口投与単位形態物に相当し、この場合、固形の製薬学的担体が明らかに用いられる。非経口組成物では、例えば、溶解性を促進するために他の成分を含むことができるが、通常、担体は少なくとも大部分において滅菌水を含んでなる。例えば、注入可能な液剤を製造することができ、ここで、担体は食塩水溶液、グルコース溶液もしくは食塩水とグルコース溶液の混合物を含んでなる。注入可能な懸濁剤もまた製造することができ、この場合、適切な液状担体、沈殿防止剤などを用いることができる。また包含されるのは、使用直前に液状製剤に転化することが意図される固形製剤である。経皮投与に適当な組成物において、担体は、場合によりわずかな割合の任意の性質の適当な添加剤と組み合わせて、場合により浸透促進剤および/もしくは適当な湿潤剤を含んでなってもよく、これらの添加剤は皮膚に重大な悪影響をもたらさない。
本発明の化合物はまた、経口吸入もしくは吹送によってこの方法による投与に当該技術分野において用いられる方法および製剤を使用して投与することもできる。従って、一般に本発明の化合物は溶液、懸濁液もしくは乾燥粉末の形態において肺に投与することができ、溶液が好ましい。経口吸入もしくは吹送による溶液、懸濁液もしくは乾燥粉末の送達用に開発された任意の系は、本発明の化合物の投与に適当である。
従って、本発明はまた、式(I)の化合物もしくはその任意の亜群および製薬学的に許容しうる担体を含んでなる経口での吸入もしくは吹送による投与に適応した製薬学的組成物も提供する。
好ましくは、本発明の化合物は噴霧もしくはエアロゾル化用量における溶液の吸入によって投与される。
投与の容易さおよび投薬量の均一性のために単位投与形態物における上記の製薬学的組成物を調合することは特に好都合である。単位投与形態物は、本明細書において用いる場合、単位投薬量として適当な物理的に別個の単位をさし、各単位は、必要な製薬学的担体と会合して所望の治療効果をもたらすように計算された有効成分の所定の量を含有する。そのような単位投与形態物の例は、錠剤(分割錠もしくはコート錠を包含する)、カプセル剤、丸剤、座薬、散剤パケット、カシェ剤、注入可能な液剤もしくは懸濁剤など、およびその分離した倍量である。
式(I)の化合物およびその任意の亜群は、抗ウイルス特性を示す。本発明の化合物および方法を用いて処置できるウイルス感染およびそれらの関連疾患には、HCVならびに黄熱病、デング熱(1〜4型)、セントルイス脳炎、日本脳炎、マリーバレー脳炎、ウエストナイルウイルスおよびクンジンウイルスのような他の病原性フラビウイルスにより引き起こされる感染が包含される。HCVと関連する疾患には、肝硬変、末期肝疾患およびHCCを引き起こす進行性肝線維症、炎症および壊死が包含され;そして他の病原性フラビウイルスでは疾患には黄熱病、デング熱、出血熱および脳炎が包含される。
しかしながら、本発明の化合物はまた、それらが他のウイルスに対する、特にHIVに対する活性を欠くことのために魅力的でもあり得る。HIV感染患者は、HCVのような
共感染を患うことが多い。HIVもまた阻害するHCV阻害剤でのそのような患者の処置は、耐性HIV株の出現をもたらし得る。
立体化学的異性体、ならびにそれらのN−オキシド、第四級アミン、金属錯体、塩、水和物および溶媒和物を包含する、式(I)の化合物もしくはその任意の亜群は、それらの抗ウイルス特性、特にそれらの抗HCV特性のために、ウイルス感染、特にHCV感染を起こす個体の処置において、そしてこれらの感染の予防のために有用である。一般に、本発明の化合物はウイルス、特にHCVのようなフラビウイルスに感染した温血動物の処置において有用であることができる。
従って、本発明の化合物もしくはその任意の亜群は、薬剤として用いることができる。薬剤としての該使用もしくは処置の方法は、ウイルス感染、特にHCV感染と関連する症状と闘うために有効な量のウイルス感染患者へのもしくはウイルス感染を受けやすい患者への全身投与を含んでなる。
本発明はまた、ウイルス感染、特にHCV感染の処置もしくは予防のための薬剤の製造における本発明の化合物もしくはその任意の亜群の使用にも関する。
本発明はさらに、特にHCVによる、ウイルスに感染したもしくはウイルスによる感染の危険性がある温血動物を処置する方法に関し、該方法は、本明細書において特定した通りの式(I)の化合物もしくはその任意の亜群の抗ウイルス的に有効な量の投与を含んでなる。
本発明はまた、他の抗HCV薬と本明細書において特定した通りの式(I)の化合物もしくはその任意の亜群の組み合わせにも関する。1つの態様において、本発明は少なくとも1つの抗HCV薬と式(I)の化合物もしくはその任意の亜群との組み合わせに関する。特定の態様において、本発明は少なくとも2つの抗HCV薬と式(I)の化合物もしくはその任意の亜群との組み合わせに関する。特定の態様において、本発明は少なくとも3つの抗HCV薬と式(I)の化合物もしくはその任意の亜群との組み合わせに関する。特定の態様において、本発明は少なくとも4つの抗HCV薬と式(I)の化合物もしくはその任意の亜群との組み合わせに関する。
インターフェロン−α(IFN−α)、PEG化インターフェロン−α、リバビリンもしくはその組み合わせのようなこれまでに既知の抗HCV化合物および式(I)の化合物もしくはその任意の亜群の組み合わせは、併用療法において薬剤として使用することができる。1つの態様において、「併用療法」という用語は、HCV感染の処置における、特にHCVでの感染の処置における同時、別個もしくは逐次使用のための組み合わされた製剤として、必須の(a)式(I)の化合物、および(b)少なくとも1つの他の抗HCV化合物を含有する製品に関する。
抗HCV化合物には、HCVポリメラーゼ阻害剤、R−7128、MK−0608、VCH759、PF−868554、GS9190、NM283、バロピシタビン、PSI−6130、XTL−2125、NM−107、R7128(R4048)、GSK625433、R803、R−1626、BILB−1941、HCV−796、JTK−109およびJTK−003、ANA−598、IDX−184、MK−3281、MK−1220、ベンズイミダゾール誘導体、ベンゾ−1,2,4−チアジアジン誘導体、フェニルアラニン誘導体、A−831およびA−689;HCVプロテアーゼ(NS2−NS3およびNS3−NS4A)阻害剤、WO02/18369の化合物(例えば、273頁9〜22行目および274頁4行目〜276頁11行目を参照);BI−1335、TMC435350、MK7009、ITMN−191、BILN−2061、VX−950
、BILN−2065、BMS−605339、VX−500、SCH503034;ヘリカーゼおよびメタロプロテアーゼ阻害剤、ISIS−14803を包含する、HCV生活環における他の標的の阻害剤;α−、β−およびγ−インターフェロン、例えばrIFN−α 2b、rIFN−α 2ba、コンセンサスIFN−α(インファージェン)、フェロン、レアフェロン、インターマックスα、rIFN−β、インファージェン+アクトイミューン、DUROS含有IFN−オメガ、アルブフェロン、ロクテロン、Rebif、Oral IFN−α、IFN−α 2b XL、AVI−005、PEG化インファージェン、PEG化誘導体化インターフェロン−α化合物、例えばPEG化rIFN−α 2b、PEG化rIFN−α 2a、PEG化IFN−β、細胞におけるインターフェロンの合成を刺激する化合物、インターロイキン、トル様受容体(TLR)アゴニスト、1型ヘルパーT細胞応答の発生を高める化合物、およびチモシンのような免疫調節薬;他の抗ウイルス薬、例えばリバビリン、リバビリンアナログ、例えばレベトール、コペガスおよびビラミジン(タリバビリン)、アマンタジンおよびテルビブジン、内部リボソーム侵入の阻害剤、アルファ−グルコシダーゼ1阻害剤、例えばMX−3253(セルゴシビル)およびUT−231B、肝臓保護剤、例えばIDN−6556、ME−3738、LB−84451およびMitoQ、広域ウイルス阻害剤、例えばIMPDH阻害剤(例えばUS5,807,876、US6,498,178、US6,344,465、US6,054,472、WO97/40028、WO98/40381、WO00/56331の化合物、ミコフェノール酸およびその誘導体、ならびにVX−497、VX−148および/もしくはVX−944が包含されるがこれらに限定されるものではない);ならびにHCVを処置するための他の薬剤、例えばザダキシン、ニタゾキサニド、BIVN−401(ビロスタット)、PYN−17(アルチレックス)、KPE02003002、アクチロン(CPG−10101)、KRN−7000、シバシル、GI−5005、ANA−975、XTL−6865、ANA971、NOV−205、タルバシン、EHC−18、NIM811、DEBIO−025、VGX−410C、EMZ−702、AVI 4065、バビツキシマブおよびオグルファニド;または上記のいずれかの組み合わせから選択される薬剤が包含される。
従って、HCV感染と闘うかもしくはそれを処置するために、式(I)の化合物もしくはその任意の亜群を例えばインターフェロン−α(IFN−α)、PEG化インターフェロン−α、リバビリンもしくはその組み合わせ、ならびにHCVエピトープを標的とする抗体、低分子干渉RNA(siRNA)、リボザイム、DNAザイム、アンチセンスRNA、例えばNS3プロテアーゼ、NS3ヘリカーゼおよびNS5Bポリメラーゼの小分子アンタゴニストに基づく治療法と組み合わせて共投与することができる。
本発明の組み合わせは、薬剤として使用することができる。従って、本発明はHCVウイルスに感染した哺乳類おいてHCV活性を阻害するために有用な薬剤の製造のための上記に定義した通りの式(I)の化合物もしくはその任意の亜群の使用に関し、ここで、該薬剤は併用療法において使用され、該併用療法は好ましくは式(I)の化合物および少なくとも1つの他のHCV阻害化合物、例えばIFN−α、PEG化IFN−α、リバビリンもしくはその組み合わせを含んでなる。
さらに、ヒト免疫不全ウイルス1(HIV)に感染した患者の大部分はまたHCVにも感染している、すなわち、HCV/HIV重感染していることが既知である。HIV感染はHCV感染の全ての段階に悪影響を及ぼすように思われ、増加したウイルス存続およびHCV関連肝疾患の加速された進行を引き起こす。その結果、HCV感染はHIV感染の管理に影響を及ぼす可能性があり、抗ウイルス薬により引き起こされる肝臓毒性の発生率を増加する。
従って、本発明はまた、抗HIV薬と式(I)の化合物もしくはその任意の亜群との組
み合わせにも関する。また1つもしくはそれ以上の追加の抗HIV化合物と式(I)の化合物もしくはその任意の亜群との組み合わせは、薬剤として使用することができる。特に、該組み合わせはHCVおよびHIV複製の阻害に用いることができる。
「併用療法」という用語にはまた、HCVおよびHIV感染の処置における、特にHCVおよびHIVでの感染の処置における、またはHCVおよびHIVと関連する症状を予防するかもしくは処置するための同時、別個もしくは逐次使用のための組み合わされた製剤として、(a)式(I)の化合物もしくはその任意の亜群、および(b)少なくとも1つの抗HIV化合物、および(c)場合により少なくとも1つの他の抗HCV化合物を含んでなる製品も包含される。
従って、本発明はまた抗HCVおよび抗HIV処置における同時、別個もしくは逐次使用のための組み合わされた製剤として、(a)少なくとも1つの式(I)の化合物もしくはその任意の亜群、および(b)1つもしくはそれ以上の追加の抗HIV化合物を含有する製品にも関する。異なる薬剤は、製薬学的に許容しうる担体と一緒に単一製剤において組み合わせることができる。該抗HIV化合物は任意の既知の抗レトロウイルス化合物、例えばスラミン、ペンタミジン、チモペンチン、カスタノスペルミン、デキストラン(硫酸デキストラン)、ホスカルネット−ナトリウム(ホスホノギ酸三ナトリウム);ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NRTI)、例えばジドブジン(AZT)、ジダノシン(ddI)、ザルシタビン(ddC)、ラミブジン(3TC)、スタブジン(4dT)、エムトリシタビン(FTC)、アバカビル(ABC)、アムドキソビル(DAPD)、エルブシタビン(ACH−126,443)、AVX754((−)−dOTC)、フォジブジンチドキシル(FZT)、ホスファジド、HDP−990003、KP−1461、MIV−210、ラシビル(PSI−5004)、UC−781など;非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)、例えばデラビルジン(DLV)、エファビレンズ(EFV)、ネビラピン(NVP)、ダピビリン(TMC120)、エトラビリン(TMC125)、リルピビリン(TMC278)、DPC−082、(+)−カラノリドA、BILR−355など;ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤(NtRTI)、例えばテノフォビル((R)−PMPA)およびフマル酸テノフォビルジソプロキシル(TDF)など;ヌクレオチド競合逆転写酵素阻害剤(NcRTI)、例えばNcRTI−1など;TAT阻害剤、例えばRO−5−3335、BI−201などのようなトランス活性化タンパク質の阻害剤;REV阻害剤;プロテアーゼ阻害剤、例えばリトナビル(RTV)、サキナビル(SQV)、ロピナビル(ABT−378もしくはLPV)、インジナビル(IDV)、アンプレナビル(VX−478)、TMC126、ネルフィナビル(AG−1343)、アタザナビル(BMS 232,632)、ダルナビル(TMC114)、ホスアンプレナビル(GW433908もしくはVX−175)、ブレカナビル(brecanavir)(GW−640385、VX−385)、P−1946、PL−337、PL−100、チプラナビル(PNU−140690)、AG−1859、AG−1776、Ro−0334649など;融合阻害剤(例えばエンフビルチド(T−20))、付着阻害剤および共受容体阻害剤(後者はCCR5アンタゴニスト(例えばアンクリビロック、CCR5mAb004、マラビロック(UK−427,857)、PRO−140、TAK−220、TAK−652、ビクリビロック(SCH−D、SCH−417,690))およびCXR4アンタゴニスト(例えばAMD−070、KRH−27315)を含んでなる)を含んでなる侵入阻害剤、侵入阻害剤の例はPRO−542、TNX−355、BMS−488043、BlockAide/CRTM、FP21399、hNM01、ノナカイン(nonakine)、VGV−1である;成熟阻害剤は例えばPA−457である;ウイルスインテグラーゼの阻害剤、例えばラルテグラビル(MK−0518)、エルビテグラビル(JTK−303、GS−9137)、BMS−538158;リボサイム;免疫モジュレーター;モノクローナル抗体;遺伝子治療;ワクチン;siRNA;アンチセンスRNA;殺微生物剤;ジンクフィンガー阻害剤であることができる。
従って、エイズ、エイズ関連症候群(ARC)、進行性全身性リンパ節腫脹(PGL)のような、HIVもしくはさらに他の病原性レトロウイルスと関連する症状、ならびに例えばHIVに媒介される認知症および多発性硬化症のようなレトロウイルスにより引き起こされる慢性CNS疾患を患っているHCV感染患者もまた、本発明の組成物で都合良く処置することができる。
組成物は、上記の投与形態物のような適当な製薬学的投与形態物に調合することができる。有効成分の各々は別個に調合することができ、そしてこれらの製剤を共投与することができ、もしくは両方および所望に応じてさらなる有効成分を含有する1つの製剤を与えることができる。
本明細書において用いる場合、「組成物」という用語には、特定の成分を含んでなる製品、ならびに特定の成分の組み合わせに直接的にもしくは間接的に由来する任意の製品が包含されるものとする。
「治療的に有効な量」という用語は、本明細書において用いる場合、処置している疾患の症状の軽減を含む、研究者、獣医、医師もしくは他の臨床医により、本発明を考慮して、求められている組織、系、動物もしくはヒトにおける生物学的もしくは薬剤応答を引き起こす活性化合物もしくは成分または製薬学的薬剤の量を意味する。本発明は2つもしくはそれ以上の薬剤を含んでなる組み合わせを同様にさすので、組み合わせとの関連で「治療的に有効な量」はまた、組み合わされた効果が所望の生物学的もしくは薬剤応答を引き出すように一緒にした薬剤の量でもある。例えば、(a)式(I)の化合物および(b)別の抗HCV薬を含んでなる組成物の治療的に有効な量は、一緒にすると治療的に有効である組み合わされた効果を有する式(I)の化合物の量および他の抗HCV薬の量である。
一般に、抗ウイルス有効毎日量は0.01mg/kg〜500mg/kg体重、より好ましくは0.1mg/kg〜50mg/kg体重であると考えられる。1日を通して適切な間隔で2、3、4もしくはそれ以上のサブ用量として必要とされる用量を投与することは適切であり得る。該サブ用量は、例えば単位投与形態物当たり1〜1000mg、そして特に5〜200mgの有効成分を含有する単位投与形態物として調合することができる。
正確な投薬量および投与の頻度は、当業者に周知であるように、使用する式(I)の特定の化合物、処置する特定の症状、処置する症状の重症度、特定の患者の年齢、体重、性別、障害の程度および一般的な身体状態ならびに個体が服用している可能性がある他の薬物により決まる。さらに、該有効毎日量は処置した患者の応答によりそして/もしくは本発明の化合物を処方する医師の評価により減らすかもしくは増加し得ることは明らかである。従って、上記の有効毎日量範囲は指針にすぎない。
本発明の1つの態様において、HCV感染を処置するためにもしくはHCVのNS5Bポリメラーゼを阻害するために有効な組成物;およびC型肝炎ウイルスによる感染を処置するために組成物を使用できることを示すラベルを含んでなる包装材料を含んでなる製品が提供され;ここで、該組成物は式(I)の化合物もしくはその任意の亜群、または本明細書に記載の通りの組み合わせを含んでなる。
本発明の別の態様は、HCV NS5Bポリメラーゼ、HCV増殖もしくは両方を阻害する潜在的薬剤の能力を決定するための試験もしくはアッセイにおける標準もしくは試薬としての使用に有効な量において式(I)の化合物もしくはその任意の亜群を含んでなる
キットもしくは容器に関する。本発明のこの態様は、製薬学的研究プログラムにおいてその用途を見出し得る。
本発明の化合物および組み合わせは、HCV処置における該組み合わせの効能を測定するためのもののようなハイスループット標的−分析物アッセイにおいて使用することができる。
以下の実施例は本発明を説明するものとし、そして本発明をそれに限定するものではない。他に示されない限り、カラムクロマトグラフィーもしくはフラッシュクロマトグラフィーによる合成化合物の精製はシリカゲルカラム上で行われる。
実施例1 − 化合物1の合成
段階1
25mLの水中のNaOH(6.38g)の溶液をTHF(100ml)およびMeOH(150mL)中の1a(10−tert−ブチル6−メチル13−シクロヘキシル−3−メトキシ−7H−インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−6,10−ジカルボキシレート、US2007270406A1に記載の通り合成した)の攪拌溶液に加えた。1時間後に反応物を減圧下で濃縮し、次によく冷えた水(150mL)で希釈した。得られる溶液のpHを酢酸(AcOH)で6に調整した。沈殿物を濾過により集め、水で洗浄し、そして真空下で乾燥させて1.90g(98%)の1bを黄色がかった粉末として生成せしめた:m/z=488(M+H)+。
段階2
30mLの乾式THF中の1b(1.00g、2.05mmol)、DIPEA(1.07mL、6.15mmol)および2,2’−オキシビス(N−メチルエタンアミン(1.08g、8.20mmol)の攪拌溶液に窒素下でHATU(1.17g、3.08mmol)を加えた。1h後に、反応混合物を水(100mL)でクエンチし、そして酢酸エチル(EtOAc)で抽出した。有機層を引き続いて乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、そして蒸発させた。残留物を水において研和し、濾過し、そして乾燥させて1.15g(93%)の目的化合物1cを黄色がかった粉末として生成せしめた:m/z=602(M+H)+。
段階3
ジオキサン(10mL)中の1c(1.15g、1.91mmol)およびスルファミド(1.84g、19.1mmol)の溶液を電子レンジにおいて100℃で20分間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、次に真空下で蒸発させた。残留物を水において研和し、濾過し、そして水で洗浄した。粉末をEtOAcにおいて再構成し、乾燥させ(Na2SO4)、そして蒸発させて1.15g(88%)の所望の生成物1dを黄色がかった粉末として生成せしめた:m/z=681(M+H)+。
段階4
ジクロロメタン(3mL)中の1d(1.15g、1.70mmol)の溶液にTFA(3.0g、26.3mmol)を加えた。1h後に、反応混合物を真空下で濃縮した。残留物をエーテルにおいて研和し、濾過し、そしてエーテルで洗浄し、次にクロマトグラフィー(勾配EtOAc〜EtOAc/EtOH,9:1)により精製して802mg(76%)の所望の生成物1eを生成せしめた:m/z=625(M+H)+。
段階5
乾式THF(3mL)中の1e(500mg、0.80mmol)の攪拌溶液にカルボニルジイミダゾール(389mg、2.40mmol)を加えた。反応混合物を室温で1h攪拌し:中間体1fへの完全な転化が認められた。得られる溶液を蒸発させ、次に残留物をフラッシュクロマトグラフィー(勾配EtOAc〜CH3CN,1:0〜0:1)により精製して550mgの目的生成物1fを生成せしめ、それを次の段階においてそのようなものとして使用した:m/z=675(M+H)+。
段階6
アセトニトリル(25mL)中の1f(550mg)の溶液にDBU(244mg、0.32mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌し、次に減圧下で濃縮した。残留物を水(30mL)に溶解し、そして得られる溶液のpHを5に調整した。沈殿物を濾過により集め、水で洗浄し、そして乾燥させた。エタノールから再結晶化させ、続いてカラムクロマトグラフィー(勾配EtOAc〜EtOAc/EtOH 9:1)により精製して380mg(78%)の表題生成物1を白色の粉末として生成せしめた:m/z=607(M+H)+、1H NMR(DMSO−d6)δ1.15(m,1H),1.40(m,3H),1.71(m,2H),1.88(m,1H),2.01(m,3H),2.56(m,3H),2.77(m,1H),2.99(s,3H),3.26(m,2H),3.50−3.71(m,6H),3.87(s,3H),4.44(d,J=14.1Hz,1H),5.09(d,J=15.0Hz,1H),6.95(s,1H),7.13(s,1H),7.19(d,J=8.6Hz,1H),7.47(d,J=8.0Hz,1H),7.54(d,J=8.3Hz,1H),7.88(d,J=7.8Hz,1H),8.33(s,1H),11.40(s,1H).
実施例2 − 化合物2の合成
MeOH(15mL)およびTHF(5mL)中の1(56mg、0.092mmol)の溶液をカーボンカートリッジ上10%Pdを用いてH−キューブ装置において水素化した。次に、溶媒を蒸発させ、そして残留物をカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2/CH3CN,9:1)により精製して23mg(41%)の所望の生成物2を白色の粉末として生成せしめた:m/z=609(M+H)+。
実施例3および4 − 化合物3および4の合成
10mL/分の流速で、キラルCHIRALCEL OD−Hカラム(250x10mm、5μmシリカゲル上に被覆した)上での6.5分の実行および移動相として55%メタノール/45%CO2を用いて、ラセミ混合物2をSFCにより精製し、そして2つの純粋な鏡像異性体3および4をもたらした。これらの条件下での保持時間は、4.25分および5.54分で認められた。
実施例5 − 化合物5の合成
段階1
化合物5aは、中間体1cの合成ついて報告した方法に従って中間体1bおよび2−[4−(tert−ブチルオキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]エチルアミンから96%の収率で合成した:m/z=699(M+H)+。
段階2
トリフルオロ酢酸(5.00g、43.9mmol)を740mgの中間体5aに加えた。室温で1時間後に、溶媒を蒸発させた。残留物をEtOH/Et2Oにおいて研和し、濾過し、そして高真空下で乾燥させて380mg(64%)の所望の生成物5bを黄色がかった粉末として生成せしめた:m/z=543(M+H)+。
段階3
ジオキサン(10mL)中の5b(380mg、0.700mmol)およびスルファミド(673mg、7.00mmol)の溶液を電子レンジにおいて100℃で15分間加熱した。次に、反応混合物を引き続いて室温で冷却し、真空下で濃縮し、水において研和し、そして濾過した。カラムクロマトグラフィー(勾配EtOAc/CH2Cl2 1:1〜1:0)により精製して210mg(46%)の所望の生成物5cを生成せしめた:m/z=622(M+H)+。
段階4
表題生成物5dは、化合物1の合成について報告した方法(段階5および6)に従って11%の収率で合成し、続いてエタノールから再結晶化させ、所望の生成物を白色の粉末として生成せしめた:m/z=604(M+H)+。
実施例6 − 化合物6の合成
段階1
DCM(350mL)中のN1−(2−アミノエチル)−N1−メチルエタン−1,2−ジアミン(10.58g、90mmoles)の溶液にDCM(50mL)に溶解した2−ニトロベンゼン−1−スルホニルクロリドの溶液をゆっくりと加えた。RTで2h後に、反応混合物(RM)を水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。残留物をDCM中のメタノールの勾配(0〜10%)でシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、6.9gのN−(2−((2−アミノエチル)(メチル)−アミノ)エチル)−2−ニトロベンゼンスルホンアミド6aおよび3.9gのN,N’−(2,2’−(メチルアザネジイル)−ビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(2−ニトロベンゼンスルホンアミド)6bを生成せしめた;m/z(6a)=303(M+H
)+、m/z(6b)=488(M+H)+。
段階2
乾式DMF(10mL)中のカルボン酸1b(500mg、1.025mmole)、HATU(585mg、1.5eq)およびジイソプロピルエチルアミン(212mg、1.6eq)の溶液にN−(2−((2−アミノエチル)(メチル)アミノ)エチル)−2−ニトロベンゼンスルホンアミド6a(341mg、1.1eq)を加えた。RTで30分後に、RMを水で希釈した。黄色の沈殿物を濾過して分離し、そして水で洗浄した。次に、それをEtOAcにおいて再構成し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そして真空下で乾燥させて800mgの所望の生成物13−シクロヘキシル−3−メトキシ−6−(2−{メチル−[2−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−エチル]−アミノ}−エチルカルバモイル)−7H−ベンゾ[3,4]アゼピノ[1,2−a]インドール−10−カルボン酸tert−ブチルエステル6cを黄色の粉末として生成せしめた;m/z=772(M+H)+。
段階3
乾式DMF(10mL)中の13−シクロヘキシル−3−メトキシ−6−(2−{メチル−[2−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−エチル]−アミノ}−エチルカルバモイル)−7H−ベンゾ[3,4]アゼピノ[1,2−a]インドール−10−カルボン酸tert−ブチルエステル6c(650mg、0.842mmole)および炭酸セシウム(1.646g、6eq)の溶液に乾式DMF(2mL)中のヨウ化メチル(122mg、1.02mmole)の溶液をゆっくりと加えた。RTで1h攪拌した後に、
RMを水で希釈し、そしてEtOAcで抽出した。次に、有機層を水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。残留物をDCM中のEtOAcの勾配(0〜100%)を用いて、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、550mg(83%の収率)の所望の生成物13−シクロヘキシル−3−メトキシ−6−[2−(メチル−{2−[メチル−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニル)−アミノ]−エチル}−アミノ)−エチルカルバモイル]−7H−ベンゾ[3,4]アゼピノ[1,2−a]インドール−10−カルボン酸tert−ブチルエステル6dを黄色の固体として生成せしめた;m/z=786(M+H)+。
段階4
DMF(5mL)中の13−シクロヘキシル−3−メトキシ−6−[2−(メチル−{2−[メチル−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニル)アミノ]−エチル}−アミノ)−エチルカルバモイル]−7H−ベンゾ[3,4]アゼピノ[1,2−a]インドール−10−カルボン酸tert−ブチルエステル6d(380mg、0.483mmole)、炭酸セシウム(315mg、2eq)およびチオフェノール(107mg、2eq)の混合物をRTで一晩攪拌した。次に、炭酸セシウム(315mg、2eq)およびチオフェノール(107mg、2eq)をRMに加え、そしてRMを1h攪拌した。反応が完了すると、RMを濾過し、そしてDCMで予洗した、SCX樹脂を含有するカートリッジ上に載せた。カートリッジをDCMで(数回、無色の画分が得られるまで)すすいだ後に生成物をMeOH中のNH3で溶出し、240mgの所望の生成物13−シクロヘキシル−3−メトキシ−6−{2−[メチル−(2−メチルアミノ−エチル)−アミノ]−エチルカルバモイル}−7H−ベンゾ[3,4]アゼピノ[1,2−a]インドール−10−カルボン酸tert−ブチルエステル6eを生成せしめ、それを分取HPLCによりさらに精製した;m/z=601(M+H)+。
段階5
生成物6fの合成は、中間体1cの代わりに中間体6eを用いて、化合物1dの合成について記載の方法を用いて行い、200mg(50%)の目的生成物を生成せしめた;m/z=680(M+H)+。
段階6
生成物6gの合成は、中間体1dの代わりに中間体6fを用いて、化合物1eの合成について記載の方法を用いて行い、187mg(定量的収量)の目的生成物を生成せしめた;m/z=624(M+H)+。
段階7
生成物6の合成は、中間体1eの代わりに中間体6gを用いて、化合物1の合成について記載の方法を用いて行い、43mg(22%の収率)の目的生成物を生成せしめた;m/z=606(M+H)+。
実施例7 − 化合物7の合成
段階1
乾式DMF(50mL)中のN,N’−(2,2’−(メチルアザネジイル)ビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(2−ニトロベンゼンスルホンアミド)6b(3g、6.15mmoles)の溶液に0℃で水素化ナトリウム(738mg、3eq、鉱油中60%)を少しずつ加えた。20分後に、乾式DMF(5mL)に溶解したヨウ化メチルの溶液をRMにゆっくりと加えた。RTで1h攪拌した後に、RMを水でクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。DCM中のEtOAcの勾配(20〜80%)でフラッシュクロマトグラフィーにより精製して1.94g(61%)の所望の生成物N,N’−(2,2’−(メチルアザネジイル)ビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(N−メチル−2−ニトロベンゼンスルホンアミド)7aを生成せしめた;m/z=516(M+H)+。
段階2
DMF(25mL)中のN,N’−(2,2’−(メチルアザネジイル)ビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(N−メチル−2−ニトロベンゼンスルホンアミド)7a(1.24g、2.405mmoles)、炭酸セシウム(2.35g、3eq)およびチオフェノール(795mg、3eq)の混合物をRTで1hの間攪拌した。反応が完了すると
、RMを濾過し、そしてDCMで予洗した、MP−TsOHカートリッジ上に載せた。カートリッジをDCMで(数回、無色の画分が得られるまで)すすいだ後に生成物をMeOH中のNH3で溶出し、220mg(63%)のN1,N2−ジメチル−N1−(2−(メチルアミノ)エチル)エタン−1,2−ジアミン7bを生成せしめ、それを次の段階において直接使用した;m/z=146(M+H)+。
段階3
13−シクロヘキシル−3−メトキシ−6−(メチル−{2−[メチル−(2−メチルアミノ−エチル)−アミノ]−エチル}−カルバモイル)−7H−ベンゾ[3,4]アゼピノ[1,2−a]インドール−10−カルボン酸tert−ブチルエステル7cの合成は、メチル−[2−(2−メチルアミノ−エトキシ)−エチル]−アミンの代わりにN1,N2−ジメチル−N1−(2−(メチルアミノ)エチル)エタン−1,2−ジアミン7bを用いて、化合物1cの合成について報告した方法に従って行った。EtOAcにおけるメタノール中のアンモニア7Mの勾配(5〜15%)でのフラッシュクロマトグラフィーによる精製後に、100mgの所望の生成物7cが黄色の油として得られた;m/z=615(M+H)+。
段階4
7dの合成は、13−シクロヘキシル−3−メトキシ−6−{メチル−[2−(2−メチルアミノ−エトキシ)−エチル]−カルバモイル}−7H−ベンゾ[3,4]アゼピノ[1,2−a]インドール−10−カルボン酸tert−ブチルエステル1cの代わりに13−シクロヘキシル−3−メトキシ−6−(メチル−{2−[メチル−(2−メチルアミノ−エチル)−アミノ]−エチル}−カルバモイル)−7H−ベンゾ[3,4]アゼピノ[1,2−a]インドール−10−カルボン酸tert−ブチルエステル7cを用いて、化合物1dの合成について報告した方法に従って行った。EtOAc中のメタノールの勾配(0〜10%)でのフラッシュクロマトグラフィーによる精製後に、50mgの所望の生成物7dが得られた;m/z=694(M+H)+。
段階5
7eの合成は、中間体1dの代わりに中間体7dを用いて、化合物1eの合成について報告した方法に従って行った;m/z=638(M+H)+。
段階6
生成物7の合成は、中間体1eの代わりに中間体7eを用いて、化合物1の合成について記載の方法を用いて行っている。
実施例8 − 化合物8の合成
段階1
8bの合成は、1aの代わりにメチルエステル8aを用いて、化合物1bの合成について報告した方法に従って行った。所望の生成物8bは、薄黄色の固体として95%の収率で得られた;m/z=502(M+H)+。
段階2
0℃でそして保護雰囲気下で、テトラヒドロフラン(乾式)(100mL)中のカルボン酸8b(19.83g、39.5mmol)およびDMF(5滴)の溶液に塩化オキサリル(4.07ml、47.4mmol)を加えた。塩化オキサリルの添加の際に気体の即時形成が認められた。反応物を0℃で1.5時間攪拌した。次に、過剰量の0.5eqの塩化オキサリルを加え、そして反応物をさらに1時間攪拌した(完全な転化が得られるまで1回繰り返した)。次に、反応物を真空中で蒸発乾固させて20.5g(97%)の酸クロリド8cを白色の固体として生成せしめた;m/z(分析の前にメタノールの添加により形成したメチルエステル)=516(M+H)+。
段階3
窒素雰囲気下でテトラヒドロフラン(乾式)(60ml)中の(S)−4−ベンジル−2−オキサゾリジノン(7.50g、42.3mmol)の溶液にn−ブチルリチウム(26.4ml、42.3mmol)を−78℃でゆっくりと加えた。反応混合物を−78℃で40分間攪拌した。40分後に、−78℃で60mLのTHF中の酸クロリド8c(20g、38.5mmol)の溶液に陰イオン溶液をカニューレによって加えた。反応混合物を−78℃で1.5時間攪拌した。反応が終了すると、それを−70℃で塩化アンモニア溶液でクエンチした。次に、反応混合物を室温まで温め、そしてEtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、そしてNa2SO4上で乾燥させた。有機層を濾過し、そして濃縮して26.34gの黄色の固体を生成せしめた。2つの鏡像異性体8dおよび8eを5:1のヘプタン/EtOAcを用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーにより分離し、そして薄黄色の固体として得た;m/z=661(M+H)+。
段階4
ジアステレオ異性体8d(11.17g、16.90mmol)を最初にTHF(130ml)に溶解し、次にメタノール(130ml)を加えた。温度を30℃未満に保つように1N NaOH溶液(101mL、101mmol)をゆっくりと加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応が終了すると、pHが2に到達するまで1N HCl溶液を加えた。次に、500mLのH2Oを加え、そして反応混合物をEtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、そして濃縮した。1:1のヘプタン/EtOAcを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して5.24g(60%)の所望の鏡像異性体(4bR,5aS)−9−(tert−ブトキシカルボニル)−12−シクロヘキシル−3−メトキシ−4b,5,5a,6−テトラヒドロべンゾ[3,4]シクロプロパ[5,6]アゼピノ[1,2−a]インドール−5a−カルボン酸8fを97%のeeで生成せしめた;m/z=502(M+H)+。
段階5
0℃で乾式DMF(50mL)中の中間体8f(2g、3.99mmol)の攪拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA、1.54g、11.9mmol)、HATU(2.27g、5.98mmol)および2,2’−オキシビス(N−メチルエタンアミン)(2.1g、15.95mmol)を加えた。得られる混合物を0℃で1時間攪拌し、次に室温で12時間保った。次に、反応混合物を引き続いて氷水溶液に注ぎ込み、ジクロロメタンで抽出し、MgSO4上で乾燥させ、次に濃縮した。残留物をジクロロメタン中のメタノールの勾配(0〜10%)を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して0.94g(38%の収率)の所望の生成物tert−ブチル(1aR,12bS)−8−シクロヘキシル−11−メトキシ−1a−(メチル{2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]エチル}カルバモイル)−1,1a,2,12b−テトラヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−5−カルボキシレート8gを白色の固体として生成せしめた;m/z 616(M+H)+。
段階6
(1aR,12bS)−8−シクロヘキシル−11−メトキシ−1a−(メチル{2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]エチル}カルバモイル)−1,1a,2,12b−テトラヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]−ベンズアゼピン−5−カルボン酸8hの合成は、1dの代わりに中間体8gを用いて、化合物1eの製造について報告した方法に従って行った。得られる残留物をDCMにさらに溶解し、水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮乾固させ、0.474g(56%の収率)の表題化合物8hをもたらした;m/z=560(M+H)+。
段階7
ジオキサン(10mL)中の中間体8h(0.474g、0.847mmol)の溶液にスルファミド(0.814g、8.47mmol)を加えた。得られる混合物を電子レンジにおいて100℃で4時間攪拌した。次に反応混合物を室温まで冷却し、そして濃縮した。残留物をジクロロメタン中のメタノールの勾配(0〜10%)を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して143mg(26%)の表題生成物(1aR,12bS)−1a−[(2−{2−[(アミノスルホニル)(メチル)アミノ]エトキシ}エチル)(メチル)カルバモイル]−8−シクロヘキシル−11−メトキシ−1,1a,2,12b−テトラヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−5−カルボン酸8iを生成せしめた;m/z=639(M+H)+。
段階8
(1aR,12bS)−8−シクロヘキシル−11−メトキシ−16,22−ジメチル−1,12b−ジヒドロ−5,1a−(メタノイミノチオイミノエタノオキシエタノイミノメタノ)シクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−13,23(2H)−ジオン15,15−ジオキシド8の合成は、1eの代わりに中間体8iを用いて、化合物1の合成について報告した2段階の方法に従って行い、90mg(52%の収率)の白色の固体を生成せしめた;m/z=621(M+H)+。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.3−1.5(m,3H)1.75−1.8(m,5H)1.85−2.05(m,6H)2.5−3(m,3H)3.2(s,3H)3.22(s,3H)3.4−3.7(m,6H)3.87(s,3H)3.75−3.9(m,1H)4.9−5.1(m,1H)6.95−7.16(d,J=8.39Hz,1H)7.28(s,1H)7.44−7.55(m,2H)7.80(d,J=8
.39Hz,1H)9.4(br.s.,1H).
実施例9 − 化合物9の合成
段階1
鏡像異性体(4bS,5aR)−9−(tert−ブトキシカルボニル)−12−シクロヘキシル−3−メトキシ−4b,5,5a,6−テトラヒドロベンゾ[3,4]シクロプロパ[5.6]アゼピノ[1,2−a]インドール−5a−カルボン酸9aは、8dの代わりにジアステレオ異性体8eから出発して、化合物8fの合成について報告した方法に従って、27%の収率および96%のeeで得られた;m/z=502(M+H)+。
段階2
tert−ブチル(1aS,12bR)−8−シクロヘキシル−11−メトキシ−1a−(メチル{2[2−(メチルアミノ)エトキシ]エチル}カルバモイル)−1,1a,
2,12b−テトラヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−5−カルボキシレート9bは、化合物1cの製造に使用した方法に従って9aおよび2,2’−オキシビス(N−メチル−エタンアミン)から60%の収率で製造した;m/z=616(M+H)+。
段階3
ジオキサン(10mL)中の中間体9b(0.73g、1.185mmol)の溶液にスルファミド(1.14g、11.85mmol)を加えた。得られる混合物を電子レンジにおいて100℃で3時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、次に濃縮した。残留物をジクロロメタン中のメタノールの勾配(0〜10%)を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して743mg(80%)の表題生成物tert−ブチル(1aS,12bR)−1a−[(2−{2−[(アミノスルホニル)(メチル)アミノ]エトキシ}エチル)(メチル)カルバモイル]−8−シクロヘキシル−11−メトキシ−1,1a,2,12b−テトラヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−5−カルボキシレート9cを生成せしめた。
段階4
(1aS,12bR)−1a−[(2−{2−[(アミノスルホニル)(メチル)アミノ]エトキシ}エチル)(メチル)カルバモイル]−8−シクロヘキシル−11−メトキシ−1,1a,2,12b−テトラヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−5−カルボン酸9dの合成は、1dの代わりに中間体9cを用いて、化合物1eの製造について報告した方法に従って行い、517mg(79%の収率)の茶色がかった泡状物(foam)が生成した;m/z=639(M+H)+。
段階5
(1aS,12bR)−8−シクロヘキシル−11−メトキシ−16,22−ジメチル−1,12b−ジヒドロ−5,1a−(メタノイミノチオイミノエタノオキシエタノイミノメタノ)シクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−13,23(2H)−ジオン15,15−ジオキシド9の合成は、1eの代わりに中間体9dを用いて、化合物1の合成について報告した2段階の方法に従って行い、80mg(16%の収率)の白色の固体を生成せしめた;m/z=621(M+H)+。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.3−1.5(m,3H)1.75−1.8(m,5H)1.85−2.05(m,6H)2.5−3(m,3H)3.2(s,3H)3.22(s,3H)3.4−3.7(m,6H)3.87(s,3H)3.75−3.9(m,1H)4.9−5.1(m,1H)6.95−7.16(d,J=8.39Hz,1H)7.28(s,1H)7.44−7.55(m,2H)7.80(d,J=8.39Hz,1H)9.4(br.s.,1H).
実施例10 − 化合物10の合成
段階1
ジクロロメタン(25mL)中の5−tert−ブチル1a−メチル8−シクロヘキシル−11−メトキシ−1,12b−ジヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−1a,5(2H)−ジカルボキシレート8a(2g、3.88mmol)の溶液にTFA(22.34g、194mmol)を加えた。得られる混合物を室温で6時間攪拌し、次に濃縮乾固させた。残留物を引き続いてジクロロメタンに溶解し、水で洗浄し、MgSO4下で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。次に、ジクロロメタンおよび酢酸エチルを溶離剤として用いてカラムクロマトグラフィーにより残留物を精製して1.7g(95%)の表題生成物8−シクロヘキシル−11−メトキシ−1a−(メトキシカルボニル)−1,1a,2,12b−テトラヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−5−カルボン酸10aを白色の粉末として生成せしめた;m/z=460(M+H)+。
段階2
25℃でTHF(15mL)中の8−シクロヘキシル−11−メトキシ−1a−(メトキシカルボニル)−1,1a,2,12b−テトラヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−5−カルボン酸10a(0.8g、1.74mmol)の攪拌溶液に1,1’−カルボニルジイミダゾール(0.847g、5.22mmol)を加えた。CO2の発生は瞬時であり、そしてそれが遅くなると溶液を50℃で2時間加熱し、そして次に室温まで冷却した。tert−ブチル{4−[(アミノ−スルホニル)(メチル)アミノ]ブチル}カルバメート10b(0.735g、2.61mmol)を加え、続いてDBU(0.53g、3.48mmol)を加えた。攪拌を50℃で12時間続けた。混合物を室温まで冷却し、次にジクロロメタンと水との間で分配した。水をジクロロメタンで抽出した。有機層をMgSO4上で乾燥させ、次に濃縮乾固させた。ジクロロメタンおよび酢酸エチルを用いてカラムクロマトグラフィーにより残留物を精製して0.66g(53%)の表題生成物メチル5−({[{4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ブチル}(メチル)アミノ]スルホニル}カルバモイル)−8−シクロヘキシル−11−メトキシ−1,12b−ジヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−1a(2H)−カルボキシレート10cを白色のフォ
ームとして生成せしめた;m/z=723(M+H)+。
段階3
水(5mL)に溶解した水酸化リチウム(0.75g、1.8mmol)をTHF(20mL)中の中間体10c(0.65g、0.899mmol)の溶液に加えた。得られる混合物を室温で一晩攪拌し、次に水で希釈し、そして2M HCl水溶液で中和した。得られる混合物をジクロロメタンで抽出し、MgSO4上で乾燥させ、次に濃縮した。CH2Cl2中のメタノールの勾配を用いてカラムクロマトグラフィーにより残留物を精製して0.55g(86%)の表題生成物5−({[{4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ブチル}(メチル)アミノ]スルホニル}カルバモイル)−8−シクロヘキシル−11−メトキシ−1,12b−ジヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−1a(2H)−カルボン酸10dを白色の固体として生成せしめた;m/z=709(M+H)+。
段階4
DCM(10mL)中の中間体10d(0.52g、0.734mmol)の溶液にTFA(2.5g、22mmol)を加えた。得られる混合物をRTで約10時間攪拌した。次に、反応物を蒸発乾固させ、そしてDCM中のメタノールの勾配を用いてカラムクロマトグラフィーにより残留物を精製して0.3g(68%)の表題化合物5−({[(4−アミノブチル)(メチル)アミノ]スルホニル}カルバモイル)−8−シクロヘキシル−11−メトキシ−1,12b−ジヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−1a(2H)−カルボン酸10eをTFA塩として生成せしめた;m/z=609(M+H)+。
段階5
0℃で乾式DMF(100mL)中の中間体10e(0.22g、0.36mmol)の攪拌溶液に、DIPEA(0.14g、1.08mmol)およびHATU(0.206g、0.542mmol)を加えた。得られる混合物を0℃で1時間攪拌し、次に室温で12時間保った。次に、反応混合物を引き続いて氷水溶液に注ぎ込み、ジクロロメタンで抽出し、MgSO4上で乾燥させ、そして次に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して0.188g(88%)の表題生成物8−シクロヘキシル−11−メトキシ−16−メチル−1,12b−ジヒドロ−5,1a−(メタノイミノチオイミノブタノイミノ)シクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−13,22(2H)−ジオン15,15−ジオキシド10を白色の固体として生成せしめた。1H NMR(DMSO−d6):11.5(s,1H),8.4(s,1H),8.3(s,1H),7.8(d,J=8.2Hz,1H),7.3(d,J=8.2Hz,1H),7.25(d,J=8.4Hz,1H),7.15(s,1H),7(d,J=8.4Hz,1H),5.6(d,J=16Hz,1H),3.85(s,3H),3.55(d,J=16Hz,1H),3−3.2(m,2H),3(s,3H),2.7−2.9(m,4H),1.8−2.1(m,5H),1.6−1.7(m,2H),1.3−1.6(m,6H),1−0.7(m,3H);m/z 609(M+H)+
実施例11 − 化合物11の合成
段階1
25℃でTHF(15mL)中の8−シクロヘキシル−11−メトキシ−1a−(メトキシカルボニル)−1,1a,2,12b−テトラヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−5−カルボン酸10a(0.74g、1.61mmol)の攪拌溶液に1,1’−カルボニルジイミダゾール(0.522g、3.22mmol)を加えた。CO2の発生は瞬時であり、そしてそれが遅くなると溶液を50℃で2時間加熱し、そして次に室温まで冷却した。tert−ブチル4−{2−[(アミノスルホニル)(メチル)アミノ]エチル}ピペラジン−1−カルボキシレート11a(1.038g、3.22mmol)を加え、続いてDBU(0.49g、3.22mmol)を加えた。攪拌を50℃で12時間続けた。混合物を室温まで冷却し、次にジクロロメタンと水との間で分配した。水をジクロロメタンで抽出し、そして有機層をMgSO4上で乾燥させ、次に濃縮乾固させた。ジクロロメタンおよび酢酸エチルを用いてカラムクロマトグラフィーにより残留物を精製して0.83g(68%)の表題化合物メチル5−({[{2−[4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]エチル}(メチル)アミノ]スルホニル}カルバモイル)−8−シクロヘキシル−11−メトキシ−1,12b−ジヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−1a(2H)−カルボキシレート11bを白色のフォームとして生成せしめた;m/z=764(M+H)+。
段階2
THF(20mL)中の中間体11b(0.6g、0.785mmol)の溶液に水(5mL)中のLiOH(0.82g、1.96mmol)を加えた。得られる混合物を室温で一晩攪拌し、次に水で希釈し、そして2M HCl水溶液で中和した。得られる混合物をジクロロメタンで抽出し、MgSO4上で乾燥させ、次に濃縮した。得られる残留物をCH2Cl2およびメタノールを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して0.4g(68%)の表題化合物5−({[{2−[4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]エチル}(メチル)アミノ]スルホニル}カルバモイル)−8−シクロヘキシル−11−メトキシ−1,12b−ジヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−1a(2H)−カルボン酸11cを白色の固体とし
て生成せしめた;m/z=750(M+H)+。
段階3
ジクロロメタン(10mL)中の中間体11c(0.38g、0.507mmol)の溶液にTFA(1.44g、12.7mmol)を加えた。得られる混合物をRTで約10時間攪拌した。次に反応物を蒸発乾固させ、そしてジクロロメタンおよびメタノールを用いてカラムクロマトグラフィーにより残留物を精製して表題化合物8−シクロヘキシル−11−メトキシ−5−({[メチル(2−ピペラジン−1−イル−エチル)アミノ]スルホニル}カルバモイル)−1,12b−ジヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−1a(2H)−カルボン酸11d(0.24g、73%)を生成せしめた;m/z=650(M+H)+。
段階4
0℃で、乾式DMF(100mL)中の中間体11d(0.24g、0.37mmol)の攪拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.143g、1.1mmol)およびHATU(0.211g、0.554mmol)を加えた。得られる混合物を0℃で1時間攪拌し、次に室温で12時間保った。次に、反応混合物を引き続いて氷水溶液に注ぎ込み、ジクロロメタンで抽出し、MgSO4上で乾燥させ、そして濃縮した。残留物をジクロロメタン/メタノールを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して0.018g(18%)の表題化合物31−シクロヘキシル−8−メトキシ−22−メチル−21−チア−1,13,20,22,25−ペンタアザヘプタシクロ[23.2.2.13,13.112,15.114,18.03,5.06,11]ドトリアコンター6,8,10,12(31),14(30),15,17−ヘプタエン−2,19−ジオン21,21−ジオキシド11を白色の固体として生成せしめた;m/z 632(M+H)+。
実施例12 − 化合物12の合成
段階1
ジクロロメタン(25mL)中の5−tert−ブチル−1a−メチル−8−シクロヘキシル−11−メトキシ−1,12b−ジヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−1a,5(2H)−ジカルボキシレート8a(2g、3.88mmol)の溶液にトリフルオロ酢酸(22.34g、194mmol)を加えた。得られる混合物を室温で6時間攪拌し、次に濃縮乾固させた。残留物を引き続いてジクロロメタンに溶解し、水で洗浄し、MgSO4下で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。ジクロロメタンおよび酢酸エチルを溶離剤として用いてカラムクロマトグラフィーにより残留物を精製して1.7g(95%)の表題生成物8−シクロヘキシル−11−メトキシ−1a−(メトキシカルボニル)−1,1a,2,12b−テトラヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−5−カルボン酸12aを白色の粉末として生成せしめた;m/z=460(M+H)+。
段階2
0℃でTHF(25mL)中の中間体12a(1.73g、3.76mmol)の溶液に4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(1.38g、3.76mmol)、N1−
((エチルイミノ)メチレン)−N3,N3−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン塩酸塩(EDC)(2.16g、11.29mmol)およびアリル(メチル)アミノスルホンアミド12b(1.3g、8.66mmol)を引き続いて加えた。得られる混合物を0℃で2h、次に室温で8h攪拌した。次に水を加え、そして反応混合物を濾過した。得られる固体をジクロロメタンおよび酢酸エチルを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して500mg(23%)の表題生成物メチル5−({[アリル(メチル)アミノ]スルホニル}カルバモイル)−8−シクロヘキシル−11−メトキシ−1,12b−ジヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−1a(2H)−カルボキシレート12cを生成せしめた;m/z=592(M+H)+。
段階3
水(5mL)中の水酸化リチウム(0.73g、1.69mmol)をTHF(20mL)中の中間体12c(0.5g、0.845mmol)の溶液に加えた。得られる混合物を室温で一晩攪拌し、次に水で希釈し、そして2M HCl水溶液で中和した。得られる混合物をジクロロメタンで抽出し、MgSO4上で乾燥させ、次に濃縮した。得られる残留物をCH2Cl2およびメタノールを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して0.4g(75%)の表題生成物5−({[アリル(メチル)アミノ]スルホニル}カルバモイル)−8−シクロヘキシル−11−メトキシ−1,12b−ジヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−1a(2H)−カルボン酸12dを白色の固体として生成せしめた;m/z=578(M+H)+。
段階4
0℃で、THF(15mL)中の中間体12d(0.2g、0.346mmol)の溶液に4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(0.127g、1.04mmol)、N1−((エチルイミノ)メチレン)−N3,N3−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン塩酸塩(EDC)(0.199g、1.04mmol)およびブト−3−エン−1−アミ
ン(0.062g、0.866mmol)を引き続いて加えた。得られる混合物を0℃で2h、次に室温で8h攪拌した。次に水を加え、そして得られる混合物を濾過した。固体をジクロロメタンで洗浄し、次に濾液をジクロロメタンで引き続いて抽出し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。得られる残留物をジクロロメタンおよび酢酸エチルでカラムクロマトグラフィーにより精製して70mg(32%)の表題生成物N5−{[アリル(メチル)アミノ]スルホニル}−N1a−ブト−3−エン−1−イル−8−シクロヘキシル−11−メトキシ−1,12b−ジヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−1a,5(2H)−ジカルボキサミド12eを生成せしめた;m/z=631(M+H)+。
段階5
ジクロロメタン(50mL)中の中間体12e(0.1g、0.16mmol)の溶液をアルゴンで10分間脱気し、次にホベイダ・グラブス第一世代触媒(0.03mg、0.032mmol)を加えた。得られる混合物を70℃まで温め、そしてアルゴン下で一晩保った。次に、混合物を室温まで冷却し、そして溶媒を真空下で除いた。得られる黒ずんだ残留物をDCMおよび酢酸エチルを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して15mg(16%)の表題生成物8−シクロヘキシル−11−メトキシ−16−メチル−1,12b−ジヒドロ−5,1a−(メタンイミノチオイミノペント[2]エノイミノメタノ)シクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−13,23(2H)−ジオン15,15−ジオキシド12を白色の固体として生成せしめた;m/z=603(M+H)+。
実施例13 − 化合物13の合成
段階1
13−シクロヘキシル−3−メトキシ−7H−ベンゾ[3,4]アゼピノ[1,2−a]インドール−6,10−ジカルボン酸10−tert−ブチルエステル6−メチルエステル1a(1g、1eq)をN2下で乾式ジクロロメタンに溶解し、続いてトリフルオロ酢酸(TFA)(8.88ml、60eq)を加えた。溶液をRTで24h攪拌した。次に溶媒を減圧下で除いた。粗生成物をジエチルエーテルで研和した。結晶を濾過して分離し、そして真空下で一晩乾燥させて表題生成物13−シクロヘキシル−3−メトキシ−7H−ベンゾ[3,4]アゼピノ[1,2−a]インドール−6,10−ジカルボン酸6−メチルエステル13a(89%、0.86g)を生成せしめた;LC−MS:Rt.3.19分、m/z=446[M+H]+。
段階2
13−シクロヘキシル−3−ヒドロキシ−7H−ベンゾ[3,4]アゼピノ[1,2−a]インドール−6,10−ジカルボン酸6−メチルエステル13a(0.86g、1eq)、N−メチル−N−アリル−硫酸ジアミド12b(0.67g、2.03eq)、N1−((エチルイミノ)メチレン)−N3,N3−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン塩酸塩(EDCI)(1.14g、3.06eq)およびジメチル−ピリジン−4−イル−アミン(DMAP)(0.67g、3.04eq)をN2下で乾式ジメチルホルムアミド(20ml)に溶解した。溶液をRTで3日間攪拌した。この溶液を氷水にゆっくりと加えた。水層を酢酸エチル(3x50ml)で抽出し、そしてテトラヒドロフラン(3x50ml)で洗浄した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、そして減圧下で蒸発させた。粗生成物を分取HPLCにより精製して0.63g(55%)の表題生成物13bを生成せしめた;LC−MS:Rt.6.16分、m/z 578[M+H]+。1H−NMR(DMSO)δ(ppm)1.13−1.20(m,1H,CH2),1.30−1.47(m,3H,CH2(2x)),1.62−1.78(m,2H,CH2),1.81−1.93(m,1H,CH2),1.93−2.12(m,3H,CH2(2x)),2.70−2.82(m,1H,CH),2.86(s,3H,CH3N),3.79(s,3H,CH3O),3.88(s,3H,CH3O),3.
90−3.98(m,2H,CH2),4.21(d,1H,J=12.97Hz,CH2),5.21(d,1H,J=10.15Hz,CH2),5.31(d,1H,J=17.13Hz,CH2),5.61(d,1H,J=13.12Hz,CH2),5.78−5.90(m,1H,CHarom),7.25(dd,1H,J=2.50およびJ=8.60Hz,CHarom),7.32−7.35(m,1H,CHarom),7.54(d,1H,J=8.60Hz,CHarom),7.61(d,1H,J=8.45Hz,CHarom),7.88(d,1H,J=9.01Hz,CHarom),7.91(s,1H,CH),8.31−8.34(brs,1H,NHSO2).
段階3
化合物13b(0.60g、1eq)をテトラヒドロフラン:メタノール(1:1)(20ml)の混合物に溶解し、続いて水中のLiOH溶液(0.09g、2eq)を加えた。溶液をRTで数日間一晩攪拌した。次に、溶媒を減圧下で蒸発させ、そして水層を3N HCl溶液でpH2まで酸性化した。得られる結晶を濾過して分離し、水およびイソプロピルエーテルで洗浄し、そして真空下で一晩乾燥させて0.44g(74%)の表題生成物13cを生成せしめた;LC−MS:Rt.5.84分、m/z 562[M−H]−。
段階4
化合物13c(0.44g、1eq)およびHATU(0.47g、1.6eq)をN2下でジメチルホルムアミドに溶解し、続いてDIPEA(0.15g、0.20ml、1.5eq)およびアリルアミン(0.07ml、1.2eq)を加えた。溶液をRTで3日間攪拌した。次に、ジメチルホルムアミド溶液を氷水にゆっくりと注ぎ込んだ。得られる結晶を濾過して分離し、水で洗浄し、そして真空下で一晩乾燥させて0.47g(100%)の表題生成物13dを生成せしめた;LC−MS:Rt.3.01分、m/z 603[M+H]+。
段階5
50mlのジクロロエタン中の化合物13d(0.47g、1eq)の溶液にN2を1h泡立てた。次に、グラブス第二世代触媒(0.13g、0.2eq)を加え、そして反応混合物を80℃で一晩加熱した。溶液をRTまで冷却し、そしていくらか過剰量の触媒を加えた(65mg)。溶液をN2下で80℃で数時間加熱した。次に、溶液を減圧下で蒸発させた。生成物をジクロロメタン:メタノール(100〜95:5)の溶出でフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、そして次にメタノールから再結晶化させた。最後に、生成物を分取HPLCクロマトグラフィーにより精製して30mg(5.86%)の表題生成物13を生成せしめた;LC=MS:Rt.5.33分、m/z=575[M+H]+。1H−NMR(DMSO)δ(ppm)1.05−1.21(m,1H,CH2),1.30−1.48(m,3H,CH2(2x)),1.62−1.78(m,2H,CH2),1.82−1.93(m,1H,CH2),1.93−2.12(m,3H,CH2(2x)),2.65−2.90(m,4H,CHおよびCH3N),3.56(d,2H,J=18.10Hz,CH2),3.80−3.97(brs,5H,CH2およびCH3O),4.21(d,1H,J=15.12Hz,CH2),4.28−4.46(m,1H,CH),5.72(d,1H,J=14.15Hz,CH2),5.78−5.88(m,1H,CH),6.53(s,1H,CHarom),7.18−7.28(m,2H,CHarom(2x)),7.39−7.49(m,1H,CHarom),7.55(d,1H,J=8.38Hz,CHarom),7.62(s,1H,CHarom),7.72−7.84(m,1H,NH),8.29(s,1H,CH),8.51−8.62(brs,1H,NH).
実施例14 − 化合物14の合成
段階1
13−シクロヘキシル−3−メトキシ−7H−ベンゾ[3,4]アゼピノ[1,2−a]インドール−6,10−ジカルボン酸6−メチルエステル13a(0.60g、1eq)をN2下で乾式アセトニトリル(50ml)に溶解し、続いてジ−イミダゾール−1−イル−メタノン(CDI)(0.66g、3eq)を加えた。溶液を50℃で一晩攪拌した。次に溶媒を減圧下で蒸発させ、そして粗生成物をヘプタン:アセトニトリルそして最後に酢酸エチルでの溶出でフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。生成物を酢酸エチルから再結晶化させて0.50g(75%)の表題生成物14aを生成せしめた。
段階2
化合物14a(0.50g、1eq)を乾式アセトニトリル(50ml)に溶解し、続いてtert−ブチル4−(2−(スルファモイルアミノ)エチル)ピペラジン−1−カルボキシレート14b(0.47g、1.50eq)および2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン(DBU)(0.31g、2eq)を加えた。溶液を50℃で一晩加熱し、次に減圧下で蒸発させた。得られる残留物を0.1Nクエン酸水溶液中で攪拌した。結晶を濾過して分離し、そして真空下で一晩乾燥させた。生成物をジクロロメタンでの溶出でカラムクロマトグラフィーにより精製して最初の不純物を除いた。他の得られる画分を一緒に加えた。この生成物をジクロロメタン:メタノール(100〜99:1)での溶出でフラッシュクロマトグラフィーによりさらに精製して0.41g(55%)の表題生成物14cを生成せしめた;LC−MS:Rt.5.59分、m/z 736[M+H]+。1H−NMR(CDCl3)δ(ppm)1.18−1.34(m,1H,CH2),1.35−1.50(brs,10H,CH2およびC(CH3)3),1.70−1.85(m,3H,CH2(2x)),1.90−2.12(m,5H,CH2(3x)),2.30−2.41(m,4H,CH2(2x)),2.52−2.62(m,2H,CH2),2.77−2.90(m,1H,CH),3.13−3.22(m,2H,CH2),3.43−3.57(m,4H,CH2(2x)),3.83(s,3H,CH3O),3.92(s,3H,CH3O),4
.16−4.23(m,1H,CH2),5.58−5.69(m,1H,CH2),7.00(d,1H,J=2.54Hz,CHarom),7.11(dd,1H,J=2.67およびJ=8.59Hz,CHarom),7.48(d,1H,J=8.44Hz,CHarom),7.53(d,1H,J=8.61Hz,CHarom),7.83(s,1H,CHarom),7.90(d,1H,J=8.48Hz,CHarom),8.09(s,1H,CH).
段階3
化合物14c(0.41g、1eq)をN2下で乾式ジクロロメタン(10ml)に溶解し、続いてトリフルオロ酢酸(1.30ml、30eq)を加えた。溶液をRTで一晩攪拌した。次に、溶媒を減圧下で除き、そして粗生成物をジエチルエーテル中で攪拌した。得られる結晶を濾過して分離し、そして減圧下で乾燥させて0.31g(87%)の表題生成物14dを生成せしめた:LC−MS:RT.3.81分、m/z 634[M−H]−。
段階4
化合物14d(0.31g、1eq)をテトラヒドロフラン:メタノール(1:1)の混合物に溶解し、続いて50%NaOH−水溶液(1ml)を加えた。溶液をRTで一晩攪拌し、次に減圧下で蒸発させた。水層を酢酸でpH4に酸性化し、そして酢酸エチル(7x50ml)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過して分離し、そして減圧下で蒸発させて所望の化合物14eを黄色の粉末(0.30g、100%)として得た;LC−MS:Rt.3.64分、m/z=622[M+H]+。
段階5
表題化合物14の合成は、11dの代わりに中間体14eを用いて、化合物11の合成について報告した方法に従って行われている。
実施例15 − 化合物15の合成
段階1
化合物13a(0.20g、1eq)をN2下で乾式アセトニトリルに溶解し、続いてCDI(0.1g、1.3eq)を加えた。溶液を60℃で1h攪拌した。TLCによると、反応は完了した。次に、DBU(0.10ml、1.52eq)およびジアミノ硫酸ジアミド15a(0.29g、2eq)を加えた。溶液を60℃で3h攪拌し、次に減圧下で蒸発させた。氷中で冷却したクエン酸水溶液(0.1N)を粗生成物に加えた。残留溶液を酢酸エチル(3x50ml)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過して分離し、そして減圧下で蒸発させて0.21g(62%)の表題生成物15bを生成せしめた;LC−MS:Rt:5.63分、m/z 750[M+H]+。
段階2
化合物15cの合成は、メチル5−({[{2−[4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]エチル}(メチル)アミノ]スルホニル}カルバモイル)−8−シクロヘキシル−11−メトキシ−1,12b−ジヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−1a(2H)−カルボキシレート(11b)の代わりに中間体15bを用いて、化合物5−({[{2−[4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]エチル}(メチル)アミノ]スルホニル}カルバモイル)−8−シクロヘキシル−11−メトキシ−1,12b−ジヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−1a(2H)−カルボン酸(11c)の合成について報告した方法に従って行った;m/z 736[M+H]+。
段階3
表題化合物15dの合成は、5−({[{2−[4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]エチル}(メチル)アミノ]スルホニル}カルバモイル)−8−シクロヘキシル−11−メトキシ−1,12b−ジヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−1a(2H)−カルボン酸(11c)の代わりに中間体15cを用いて、化合物8−シクロヘキシル−11−メトキシ−5−({[メチル−(2−ピペラジン−1−イルエチル)アミノ]スルホニル}カルバモイル)−1,12b−ジヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−1a(2H)−カルボン酸(11d)の合成について報告した方法に従って行い、448mg(定量的収量)の所望の生成物を生成せしめた;m/z 636[M+H]+。
段階4
表題化合物15の合成は、8−シクロヘキシル−11−メトキシ−5−({[メチル(2−ピペラジン−1−イルエチル)アミノ]スルホニル}カルバモイル)−1,12b−ジヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−1a(2H)−カルボン酸11dの代わりに中間体15dを用いて、化合物31−シクロヘキシル−8−メトキシ−22−メチル−21−チア−1,13,20,22,25−ペンタアザヘプタシクロ[23.2.2.13,13.112,15.114,18.03,5.06,11]ドトリアコンタ−6,8,10,12(31),14(30),15,17−ヘプタエン−2,19−ジオン21,21−ジオキシド11の合成について報告した方法に従って行い、150mg(34%の収率)の黄色がかった白色の固体を生成せしめた;m/z 618[M+H]+。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.06−1.18(m,1H)1.19−1.31(m,2H)1.31−1.50(m,2H)1.62−1.78(m,2H)1.81−1.93(m,1H)1.93−2.10(m,2H)2.53−3.21(m,12H)3.31−3.67(m,4H)3.86(s,3H)4.33−4.51(m,1H)4.99−5.16(m,1H)7.06−7.14(m,2H)7.17(d,J=8.02Hz,1H)7.52(d,J=8.22Hz,1H)7.55−7.68(m,1H)7.77(m,1H)8.39(m,1H).
実施例16 − 化合物16の合成
段階1
THF(100mL)およびMeOH(150mL)中の16a(3.0g、5.82mmoles)の攪拌溶液に水中50%のNaOH w/w(9.31g)の溶液を加えた。1時間後に反応混合物を減圧下で濃縮し、そして次によく冷えた水(150mL)で希釈した。得られる溶液のpHを希HClで6に調整した。沈殿物が形成され、それを濾過により集め、水で洗浄し、そして真空下で乾燥させて3.17g(89%)の16bを黄色がかった粉末として生成せしめた。生成物を次の段階において任意のさらなる精製なしに使用した;m/z=502(M+H)+。
段階2
60mLの乾式THF中の16b(3.17g、6.32mmol)、DIPEA(3.3mL、3eq)および2,2’−オキシビス(N−メチルエタンアミン)(3.34g、4eq)の攪拌溶液に窒素下でHATU(3.6g、9.48mmol)を加えた。1h後に、反応混合物を水(100mL)でクエンチし、そして酢酸エチル(EtOAC)で抽出した。有機層を引き続いて乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、そして蒸発させた。残留物を水において研和し、濾過し、そして乾燥させて4.05g(定量的収量)の目的化合物16cを生成せしめ、次の段階において直接使用した:m/z=616(M+H)+。
段階3
ジオキサン(100mL)中の16c(3.90g、6.33mmol)およびスルファミド(3.04g、6eq)の溶液を100℃で一晩還流させた。反応混合物を室温まで冷却し、次に真空下で蒸発させた。残留物をDCMに再溶解し、水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して4.48g(定量的収量)の所望の生成物16dを生成せしめ、次の段階において直接使用した:m/z=695(M+H)+。
段階4
ジクロロメタン(50mL)中の16d(4.48g、6.45mmol)の溶液にTFA(14.7g、129mmol)を加えた。1h後に、反応混合物を真空下で濃縮した。残留物をエーテルにおいて研和し、濾過し、そしてエーテルで洗浄し、次にクロマトグラフィー(勾配EtOAc〜EtOAc/EtOH、9:1)により精製して3.05g(68%)の所望の生成物16eを生成せしめた:m/z=639(M+H)+。
段階5
乾式ACN(40mL)中の16e(3.05mg、4.39mmol)の攪拌溶液にカルボニルジイミダゾール(1.07g、6.59mmol)を加えた。反応混合物を60℃で1h攪拌し:アシルイミダゾール中間体への完全な転化が認められた。得られる溶液をRTまで冷却し、乾式ACN(300mL)で希釈し、そしてDBU(1.34g、2eq)を加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌し、次に減圧下で濃縮した。残留物をDCMに再溶解し、水で洗浄し、乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。カラムクロマトグラフィー(勾配DCM〜DCM/MeOH 9:1)により精製して930mg(33%)の表題生成物16を白色の粉末として生成せしめた:m/z=621(M+H)+。1H
NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.15−1.31(m,1H)1.31−1.52(m,3H)1.69−1.81(m,2H)1.84(s,3H)1.88−2.13(m,7H)2.45(d,J=14.87Hz,1H)2.76−2.92(m,1H)3.14(s,3H)3.40(d,J=15.65Hz,1H)3.54−3.70(m,3H)3.81−3.90(m,1H)3.93(s,3H)4.03−4.18(m,1H)4.37(d,J=14.67Hz,1H)4.64−4.80(m,2H)7.06(d,J=8.80Hz,1H)7.09(s,1H)7.48(d,J=8.22Hz,1H)7.57(s,1H)7.70(d,J=8.22Hz,1H)7.89(d,J=8.41Hz,1H)10.01(br.s.,1H).
実施例17 − 化合物17の合成
段階1
表題化合物17aの合成は、2,2’−オキシビス(N−メチルエタンアミン)の代わりにN1,N4−ジメチルブタン−1,4−ジアミンを用いて、化合物16cの合成について報告した方法に従って行い、1.25g(定量的収量)の白色の固体を生成せしめた;m/z=600[M+H]+。
段階2
表題化合物17bの合成は、化合物16cの代わりに化合物17aを用いて、化合物16dの合成について報告した方法に従って行い、1g(54%の収率)のわずかに黄色の固体を生成せしめた;m/z=679[M+H]+。
段階3
表題化合物17cの合成は、化合物16dの代わりに化合物17bを用いて、化合物1
6eの合成について報告した方法に従って行い、538mg(62%の収率)のわずかに茶色の固体を生成せしめた;m/z=623[M+H]+。
段階4
表題化合物17の合成は、化合物16eの代わりに化合物17cを用いて、化合物16の合成について報告した方法に従って行い、70mg(15%の収率)の白色の固体を生成せしめた;m/z=605[M+H]+。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.08−1.20(m,1H)1.22−1.79(m,13H)1.88(s,6H)2.40−2.47(m,1H)2.69−2.83(m,1H)2.92−3.14(m,4H)3.56−3.72(m,1H)3.89(s,3H)3.92−4.04(m,1H)4.26(d,J=14.67Hz,1H)4.86(d,J=14.09Hz,1H)7.18(dd,J=8.61,2.15Hz,1H)7.22(d,J=2.15Hz,1H)7.46−7.57(m,2H)7.80−7.92(m,1H)8.48(s,1H)11.39(br.s.,1H)
実施例18 − 化合物18の合成
表題化合物18の合成は、16bの代わりに中間体1bから出発して、化合物17の合成について報告した4段階の方法に従って行い、そして0.5gの白色の固体を生成せしめた;m/z=591[M+H]+。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.01−1.19(m,1H)1.18−l.52(m,5H)1.54−1.79(m,4H)1.80−2.08(m,4H)2.42−2.48(m,1H)2.63−2.80(m,1H)2.93(s,3H)2.98−3.14(m,1H)3.43−3.75(m,5H)3.85(s,3H)4.43(d,J=14.87Hz,1H)5.04(d,J=14.48Hz,1H)6.84(br.s.,1H)7.09(s,1H)7.18(d,J=8.22Hz,1H)7.45(d,J=8.22
Hz,1H)7.55(d,J=8.41Hz,1H)7.87(d,J=8.41Hz,1H)8.35(br.s.,1H)11.33(br.s.,1H)
実施例19 − 化合物19の合成
表題化合物19の合成は、10−tert−ブチル6−メチル13−シクロヘキシル−3−メトキシ−7H−インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−6,10−ジカルボキシレート1aの代わりに中間体10−tert−ブチル6−メチル13−シクロヘキシル−3−フルオロ−7H−インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−6,10−ジカルボキシレート19aから出発して、化合物1の合成について報告した5段階の方法に従って行い、そして180mgの白色の固体を生成せしめた;m/z=595[M+H]+。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.11−1.29(m,1H)1.29−1.53(m,3H)1.67−1.83(m,3H)1.87−2.11(m,4H)2.30(br.s.,3H)2.69−2.82(m,1H)2.81−2.98(m,1H)3.11(s,3H)3.46−3.58(m,1H)3.59−3.79(m,3H)3.90−4.08(m,1H)4.24−4.38(m,1H)4.43(dd,J=14.73,1.27Hz,1H)4.97(d,J=14.63Hz,1H)6.73(s,1H)7.11(dd,J=.9.27,2.63Hz,1H)7.17−7.30(m,1H)7.57(dd,J=8.68,5.76Hz,1H)7.69(s,1H)7.67(dd,J=8.78,1.56Hz,1H)7.90(d,J=8.78Hz,1H)9.84(br.s.,1H)
実施例20 − 化合物20の合成
表題化合物20の合成は、10−tert−ブチル6−メチル13−シクロヘキシル−3−メトキシ−7H−インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−6,10−ジカルボキシレート1aの代わりに中間体10−tert−ブチル6−メチル13−シクロヘキ
シル−3−フルオロ−5−メチル−7H−インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−6,10−ジカルボキシレート20aから出発して、化合物1の合成について報告した5段階の方法に従って行い、そして130mgの白色の固体を生成せしめた;m/z=609[M+H]+。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.14−1.31(m,1H)1.32−1.46(m,3H)1.64−1.81(m,3H)1.84(s,3H)1.87−1.99(m,3H)2.01(s,3H)2.47(d,J=14.63Hz,1H)2.73−2.87(m,1H)3.14(s,3H)3.43(d,J=15.02Hz,1H)3.56−3.64(m,2H)3.65(d,J=3.12Hz,1H)3.74−3.88(m,1H)4.00−4.12(m,1H)4.35(d,J=14.83Hz,1H)4.64−4.75(m,1H)4.81(d,J=14.63Hz,1H)7.16−7.32(m,2H)7.53(dd,J=8.39,6.05Hz,1H)7.64(s,1H)7.70(d,J=8.39Hz,1H)7.91(d,J=8.39Hz,1H)10.09(br.s.,1H)
実施例21 − 化合物21の合成
表題化合物21の合成は、10−tert−ブチル6−メチル13−シクロヘキシル−3−メトキシ−7H−インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−6,10−ジカルボキシレート1aの代わりに中間体10−tert−ブチル6−メチル3−クロロ−13−シクロヘキシル−7H−インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−6,10−ジカルボキシレート21aから出発して、化合物1の合成について報告した5段階の方法に従って行い、そして270mgの白色の固体を生成せしめた;m/z=611[M+H]+。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.08−1.22(m,1H)1.31−1.52(m,3H)1.63−1.78(m,2H)1.81−2.09(m,4H)2.50(s,3H)2.69−2.80(m,1H)3.00(s,3H)3.08−3.19(m,1H)3.19−3.28(m,1H)3.46−3.88(m,6H)4.52(d,J=14.87Hz,1H)5.12(d,J=13.11Hz,1H)6.97(s,1H)7.49(d,J=7.83Hz,1H)7.58−7.70(m,3H)7.94(d,J=8.61Hz,1H)8.36(s,1H)11.39(br.s.,1H).
実施例22 − 化合物22の合成
表題化合物22の合成は、段階2において2,2’−オキシビス(N−メチルエタンアミン)の代わりにN1,N6−ジメチルヘキサン−1,6−ジアミンを用いて、化合物1の合成について報告した5段階の方法に従って行い、そして50mgの白色の固体を生成せしめた;m/z=619[M+H]+。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.00−1.64(m,11H)1.66−l.87(m,3H)1.87−2.15(m,4H)2.47(s,3H)2.66−2.91(m,2H)3.23(s,3H)3.25−3.33(m,1H)3.33−3.45(m,1H)3.90(s,3H)4.09−4.25(m,1H)4.39(d,J=14.28Hz,1H)5.14(d,J=14.48Hz,1H)6.81(s,1H)6.90(s,1H)7.06(dd,J=8.61,2.15Hz,1H)7.45(d,J=8.22Hz,1H)7.50(d,J=8.61Hz,1H)7.81−7.96(m,2H)8.94(br.s.,1H)
実施例23 − 化合物23の合成
表題化合物23の合成は、段階2において2,2’−オキシビス(N−メチルエタンアミン)の代わりにN1,N2−ジメチル−N1−(2−(メチルアミノ)エチル)エタン−1,2−ジアミンを用いて、化合物1の合成について報告した5段階の方法に従って行い、そして20mgの白色の固体を生成せしめた;m/z=592[M+H]+。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.04(d,J=5.87Hz,1H)1.06−1.22(m,1H)1.27−1.51(m,3H)1.60−1.78(m,2H)1.80−1.92(m,1H)1.92−2.07(m,3H)2.12(s,3H)2.27−2.41(m,1H)2.69−2.83(m,2H)2.83−2.97(m,2H)3.01−3.15(m,2H)3.17−3.28(m,2H)3.86(s,3H)4.21(d,J=15.65Hz,1H)5.54(d,J=15.65Hz,1H)7.11−7.25(m,2H)7.35(s,1H)7.47(d,J=8.22Hz,1H)7.53(d,J=9.00Hz,1H)7.70
−7.83(m,1H)8.32(br.s.,1H)8.37−8.50(m,1H).
実施例24 − 化合物24の合成
表題化合物24の合成は、10−(tert−ブトキシカルボニル)−13−シクロヘキシル−3−メトキシ−5−メチル−7H−インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−6−カルボン酸16bの代わりに中間体10−(tert−ブトキシカルボニル)−2−クロロ−13−シクロヘキシル−7H−インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−6−カルボン酸24bから出発して、化合物17の合成について報告した4段階の方法に従って行い、そして0.25gの白色の固体を生成せしめた;m/z=595[M+H]+。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.25−1.5(m,4H)1.5−1.8(m,4H)1.9−2.1(m,4H)1.8(s,3H)2.8−2.13(m,3H)2.5−2.6(m,2H)3.2(s,3H)3.6(br.s.,1H)4.1(br.s.,1H)4.45(d,J=15Hz,1H)5(d,J=15Hz,1H)6.6(s,1H)7.25(d,J=8.4Hz,1H)7.4(dd,J=8.5,J=2.5Hz,1H)7.5−7.6(m,2H)7.69(s,1H)7.9(d,J=8.4Hz,1H)9.1(br.s.,1H)
実施例25 − 化合物25の合成
表題化合物25の合成は、5−tert−ブチル1a−メチル8−シクロヘキシル−11−メトキシ−1,12b−ジヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−1a,5(2H)−ジカルボキシレート8aの代わりに中間体10−tert−ブチル6−メチル13−シクロヘキシル−3−メトキシ−7H−インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−6,10−ジカルボキシレート1aから出発して、化合
物10の合成について報告した5段階の方法に従って行い、そして45mgの白色の固体を生成せしめた;m/z=577[M+H]+。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.03−1.19(m,1H)1.25−1.49(m,4H)1.49−2.29(m,10H)2.67−2.82(m,1H)2.84−3.04(m,1H)3.05−3.24(m,1H)3.48−3.72(m,5H)3.86(s,3H)4.42(d,J=14.67Hz,1H)5.00(d,J=14.28Hz,1H)6.84(br.s.,1H)7.09(s,1H)7.18(d,J=8.41Hz,1H)7.47(d,J=7.83Hz,1H)7.55(d,J=8.41Hz,1H)7.75−7.92(m,1H)8.19−8.41(m,1H)11.27(br.s.,1H)
実施例26 − 化合物26の合成
段階1
乾式DMF(10mL)中の606mg(1.24mmole)の1b、410mg(1.1eq)の26a、710mg(1.5eq)のHATUおよび0.65mL(3eq)のジイソプロピルエチルアミンの溶液をRTで1hの間攪拌した。次にRMを水で希釈し、そして得られる黄色の沈殿物を濾過して分離し、水で洗浄し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤DCM〜DCM/MeOH 0.5%)により精製して定量的収量の所望の生成物26bを黄色の粉末として生成せしめた;m/z=771[M+H]+。
段階2
乾式DMF(15mL)中1.1g(1.44mmole)の26bおよびチオフェノール(0.32g、2eq)の溶液にRTで炭酸セシウム(0.94g、2eq)を加えた。2h後に、RMを水で希釈し、そしてEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。得られる残留物をフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:DCM〜DCM/MeOH中のNH3 85/15)によりさらに精製して0.77g(90%の収率)の26cを黄色の粉末として生成せしめた;m/586[M+H]+。
段階3
ジオキサン(15mL)中の26c(0.72g、1.23mmole)およびスルファミド(0.35g、3eq)の混合物を完了するまで(〜7h)還流させた。次にRMを真空下で濃縮し、そして残留物をDCMにおいて研和した。過剰のスルファミドの得られる沈殿物を濾過して分離した。有機層を濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:DCM〜DCM/MeOH 1%)により精製して776mg(95%の収率)の所望の生成物26dを薄黄色の粉末として生成せしめた;m/z=665[M+H]+。
段階4
10mLのイソプロパノール中HClおよび5mLのDCM中の26d(0.72g、1.086mmole)の溶液をRTで3h攪拌した。次にRMを真空下で濃縮し、そして残留物をジエチルエーテルにおいて研和した。得られる沈殿物を濾過して分離し、エーテルで洗浄し、そして真空オーブンにおいて一晩乾燥させて661mg(97%の収率)の所望の生成物26eを薄黄色の粉末として生成せしめた;m/z=609[M+H]+。
段階5
アセトニトリル(10mL)中の26e(0.6g、0.971mmole)およびCDI(0.205g、1.3eq)の溶液をアシルイミダゾール中間体の完全な形成まで(〜1h)60℃で加熱した。次にRMを20mLのアセトニトリルで希釈し、そしてDBU(0.296g、2eq)をRTで加えた。完了するまでRMをRTで攪拌し、次に濃縮した。残留物を水に再溶解し、そして次にpH2まで酢酸を加えた。得られる沈殿物を濾過して分離し、水で洗浄し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:DCM〜DCM/MeOH 5%)により精製して0.315g(55%の収率)の所望の生成物26をわずかに黄色の粉末として生成せしめた;m/z 591[M+H]+。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.07−2.09(m,16H)2.71−2.84(m,1H)2.94(s,3H)3.01−3.18(m,2H)3.19−3.31(m,2H)3.87(s,3H)4.25(d,J=15.06Hz,1H)5.52(d,J=15.26Hz,1H)7.16−7.26(m,2H)7.32−7.44(m,2H)7.54(d,J=9.19Hz,1H)7.86(d,J=8.61Hz,1H)8.26(s,1H)8.40一8.51(m,1H)11.61(br.s.,1H)
実施例27 − 化合物27の合成
表題化合物27の合成は、10−(tert−ブトキシカルボニル)−13−シクロヘキシル−3−メトキシ−7H−インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−6−カルボン酸1bの代わりに中間体10−(tert−ブトキシカルボニル)−2−クロロ−13−シクロヘキシル−7H−インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−6−カルボン酸24bから出発して、化合物26の合成について報告した5段階の方法に従って行い、そして85mgの黄色の固体を生成せしめた;m/z=596[M+H]+。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.21−1.5(m,10H)1.75−1.8(m,2H)1.9−2.1(m,4H)2.75(br.s.,1H)3.01(s,3H)3.1−3.2(m,2H)3.5−3.6(m,2H)4.23(dd,J=15.28,1.27Hz,1H)5.6(d,J=15.28Hz,1H)7.4(s,1H)7.5−7.6(m,3H)7.65(d,J=8.5Hz,1H)7.8(s,1H)7.9(d,J=8.5Hz,1H)7.69(s,1H)8.64(br.s.,1H)
実施例28 − 化合物28の合成
表題化合物28の合成は、5−tert−ブチル1a−メチル8−シクロヘキシル−11−メトキシ−1,12b−ジヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−1a,5(2H)−ジカルボキシレート8aの代わりに中間体10−tert−ブチル6−メチル13−シクロヘキシル−3−メトキシ−7H−インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−6,10−ジカルボキシレート1aから出発し、そしてN−(4−アミノブチル)−N−メチルスルファミド10bの代わりにN−[4−(メチルアミノ)ブチル]−N−(1−メチルエチル)スルファミド28aを用いて、化合物10の合成について報告した5段階の方法に従って行い、そして50mgの所望の生成物28を生成せしめた;m/z=619[M+H]+。1H NMR(400MHz,クロロ
ホルム−d)δppm 1.05−1.15(m,1H)1.18(d,J=6.65Hz,3H)1.25(d,J=6.46Hz,3H)1.28−1.51(m,4H)l.53−2.31(m,13H)2.67−2.85(m,1H)3.01−3.19(m,1H)3.51−3.73(m,1H)3.89(s,3H)3.95−4.15(m,1H)4.42(d,J=14.48Hz,1H)4.52−4.72(m,1H)5.01(d,J=14.48Hz,1H)6.68(s,1H)6.87(s,1H)7.05(d,J=8.41Hz,1H)7.52(d,J=8.41Hz,1H)7.63(d,J=8.22Hz,1H)7.77−7.99(m,2H)9.42(br.s.,1H)
実施例29 − 化合物10bの合成
ジオキサン(10mL)中のtert−ブチル4−(メチルアミノ)ブチルカルバメート(4g、19.77mmoles)および硫酸ジアミド(7.6g、4eq)の混合物を電子レンジにおいて100℃で30分の間加熱した。次に、RMを真空中で濃縮し、そしてDCMを加えた。過剰の硫酸ジアミドの得られる白色の沈殿物を濾過して分離し、そして濾液を引き続いて希HCl、次にブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。ジイソプロピルエーテルにおける研和により3.55g(64%の収率)のtert−ブチル4−(メチル(スルファモイル)アミノ)ブチルカルバメート10bを白色の固体として生成せしめた;m/z 282[M+H]+。
実施例30 − 化合物26aの後旺盛
段階1
DCM(200mL)中のtert−ブチル5−アミノペンチルカルバメート30a(20g、99mmoles)および2−ニトロベンゼン−1−スルホニルクロリド30b(23g、1.05eq)の溶液に0℃でジイソプロピルエチルアミン(19.2g、1.5eq)を滴下して加えた。RTで一晩攪拌した後に、RMを引き続いてクエン酸の水溶液、次にブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。ジイソプロピルエーテルにおける研和により32.61g(85%の収率)のtert−ブチル5−(2−ニトロフェニルスルホンアミド)ペンチルカルバメート30cを白色の固体として生成せしめた;m/z 388[M+H]+。
段階2
アセトン(300mL)中のtert−ブチル5−(2−ニトロフェニルスルホンアミド)ペンチルカルバメート30c(32.61g、84mmoles)および炭酸カリウム(13.96g、1.2eq)の混合物にヨウ化メチル(5.5mL、1.05eq)を加えた。RTで一晩攪拌した後に、追加のヨウ化メチル(1eq)および炭酸カリウム(0.6eq)を加え、そして完了するまでRMをRTで攪拌した。次に、RMを水で希釈し、そしてDCMで抽出した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。ジイソプロピルエーテルにおける研和により31.59g(93%の収率)のtert−ブチル5−(N−メチル−2−ニトロフェニルスルホンアミド)ペンチルカルバメート30dを白色の固体として生成せしめた;m/z
402[M+H]+。
段階3
DCM(300mL)中のtert−ブチル5−(N−メチル−2−ニトロフェニルスルホンアミド)ペンチルカルバメート30d(31.5g、79mmoles)およびトリフルオロ酢酸(29.2mL、5eq)の溶液を完了まで(〜16h)RTで攪拌した。次にRMを真空下で濃縮し、DCMに再溶解し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2回)、次にブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。ジイソプロピルエーテルにおける研和により23.7g(定量的収量)のN−(5−アミノペンチル)−N−メチル−2−ニトロベンゼンスルホンアミド26aをわずかに黄色の固
体として生成せしめた;m/z 302[M+H]+。
実施例31 − 化合物28aの合成
段階1
tert−ブチル4−アミノブチル(メチル)カルバメート31a(287mg、1.42mmole)、アセトン(75mg、1.29mmole)およびトリアセトキシホウ水素化ナトリウム(383mg、1.8mmole)の混合物を完了するまでRTで窒素下で攪拌した。次にRMを濃縮し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で希釈し、そしてエーテルで抽出した(2回)。有機層を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して200mg(63%の収率)の所望の生成物tert−ブチル4−(イソプロピルアミノ)ブチル(メチル)カルバメート31bを生成せしめ、次の段階においてさらに精製せずに使用した;m/z 245[M+H]+。
段階2
ジオキサン(10mL)中のtert−ブチル4−(イソプロピルアミノ)ブチル(メチル)カルバメート31b(3.38g、13.8mmoles)および硫酸ジアミド(3.99g、3eq)の混合物を電子レンジにおいて110℃で60分の間加熱した。次にRMを真空中で濃縮し、そしてDCMを加えた。過剰の硫酸ジアミドの得られる白色の沈殿物を濾過して分離し、そして濾液を真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマト
グラフィー(溶離剤:DCM〜DCM/MeOH 20%)により精製して1.7g(38%の収率)の所望の生成物tert−ブチル4−(イソプロピル(スルファモイル)アミノ)ブチル(メチル)カルバメート28aを生成せしめた;m/z 324[M+H]+。
実施例32 − 化合物19aの合成
段階1
THF(50mL)中のtert−ブチル2−ブロモ−3−シクロヘキシル−1H−インドール−6−カルボキシレート32a(5g、13.22mmoles、US2007270406 A1に記載の通り合成した)、ピナコールボラン(5.75mL、3eq)およびトリエチルアミン(7.35mL、4eq)の混合物をRTで3hの間攪拌した。次に、酢酸パラジウム(90mg、0.03eq)およびビフェニル−2−イルジシクロヘキシルホスフィン(556mg、0.12eq)を加え、そしてRMを80℃で2hの間加熱した。次に、反応混合物をRTまで冷却させ、そして水を加えた(watered)NH4Clの溶液に注ぎ込み、次に酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。ヘプタン中の酢酸エチルの勾配を用いてカラムクロマトグラフィーにより残留物を精製して3.5g(70%の収率)の所望の生成物tert−ブチル3−シクロヘキシル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール−6−カルボキシレート32bを生成せしめた;m/z 426[M+H]+。
段階2
DME(40mL)中のtert−ブチル3−シクロヘキシル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール−6−カルボキシレート32b(2.77g、6.5mmoles)および2−ブロモ−5−フルオロベンズアルデヒド32c(1.58g、1.2eq)の混合物に水(15mL)中の炭酸ナトリウム(2.07g、3eq)の溶液を加えた。次に、得られる混合物をRTで窒素で10分の間フラッシュした。パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(376mg、0.05eq)の添加後に、RMを70℃で1hの間加熱した。次に、混合物をRTまで冷却させ、そして水に注ぎ込み、次に酢酸エチルで抽出した(3回)。有機層を合わせ、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。残留物をジイソプロピルエーテル/ヘプタンから再結晶化させて2g(73%の収率)の所望の生成物tert−ブチル3−シクロヘキシル−2−(4−フルオロ−2−ホルミルフェニル)−1H−インドール−6−カルボキシレート32dを白色の固体として生成せしめた;m/z 422[M+H]+。
段階3
DMF(80mL)中のtert−ブチル3−シクロヘキシル−2−(4−フルオロ−2−ホルミルフェニル)−1H−インドール−6−カルボキシレート32d(2g、4.75mmoles)、炭酸セシウム(1.85g、1.2eq)およびメチル2−(ジメトキシホスホリル)アクリレート(16.475mL、トルエン中0.36M溶液、1.25eq)の混合物を60℃で2hの間攪拌した。次に、反応混合物を室温まで冷却させ、水に注ぎ込み、そして酢酸エチルで抽出した。次に、有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。残留物をヘプタン/ジクロロメタンを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して2g(86%の収率)の所望の生成物10−tert−ブチル6−メチル13−シクロヘキシル−3−フルオロ−7H−インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−6,10−ジカルボキシレート19aを生成せしめた;m/z 490
[M+H]+。
実施例33 − 化合物20aの合成
段階1
窒素下で乾式テトラヒドロフラン(100mL)中の2−ブロモ−5−フルオロ−ベンゾニトリル33a(10g、50mmol)の溶液にメチルマグネシウムブロミド(エーテル中3.2M、19mL、60.0mmol)を加え、そして得られる混合物を加熱して4時間還流させた。次に、RMをRTまで冷却し、2N HCl溶液(100mL)に注ぎ込み、そして次にメタノール(100mL)で希釈した。得られる緑色の溶液をスチームバス上で1h濃縮し、その時点で有機溶媒は除去されており、そして粗生成物が沈殿していた。次に、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、MgSO4上で乾燥させ、そして濃縮した。残留物をヘプタンおよびジクロロメタンを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して4.88g(45%の収率)の所望の生成物1−(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)エタノン33bを桃色の油として生成せしめた;m/z 218[M+H]+。
段階2
表題生成物tert−ブチル2−(2−アセチル−4−フルオロフェニル)−3−シクロヘキシル−1H−インドール−6−カルボキシレート33cは、2−ブロモ−5−フルオロベンズアルデヒド32cの代わりに1−(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)エタノン33bを用いて、tert−ブチル3−シクロヘキシル−2−(4−フルオロ−2−ホルミルフェニル)−1H−インドール−6−カルボキシレート32dの合成について報告した方法に従って合成し、そして白色の固体として65%の収率で得られた;m/z 436[M+H]+。
段階3
表題生成物10−tert−ブチル6−メチル13−シクロヘキシル−3−フルオロ−5−メチル−7H−インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−6,10−ジカルボキシレート20aは、tert−ブチル3−シクロヘキシル−2−(4−フルオロ−2−ホルミルフェニル)−1H−インドール−6−カルボキシレート32dの代わりにtert−ブチル2−(2−アセチル−4−フルオロフェニル)−3−シクロヘキシル−1H−インドール−6−カルボキシレート33cを用いて、10−tert−ブチル6−メチル13−シクロヘキシル−3−フルオロ−7H−インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−6,10−ジカルボキシレート19aの合成について報告した方法に従って合成し、そして白色の固体として11%の収率で得られた;m/z 504[M+H]+。
実施例34 − 化合物21aの合成
段階1
ブロモインドール誘導体32a(5g、13.22mmol)、4−クロロ−2−ホルミルフェニルボロン酸34a(3.17g、17.18mmol)および炭酸カリウム(4.20g、30.4mmol)を100mLの1,2−ジメトキシエタン(80ml)/水(20ml)4/1に溶解し、そして得られる溶液をアルゴンで十分にフラッシュした。次にビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(0.464g、0.661mmol)を加え、そして反応物をアルゴン下で63℃に3hの間加熱した。次に、反応物をEtOAcで希釈し、水でそして飽和水性NaHCO3で洗浄し、乾燥させ(ブライン、硫酸塩)、そして蒸発させた。残留物をDIPEではぎ取り、攪拌し、そして数mLのDIPEを加えたヘプタンにおいて超音波処理した。固体を濾過して分離し、そして乾燥させて4.97g(86%の収率)の所望の生成物tert−ブチル2−(4−クロロ−2−ホルミルフェニル)−3−シクロヘキシル−1H−インドール−6−カルボキシレート34bを生成せしめた;m/z 437[M+H]+。
段階2
インドール誘導体34b(4.95g、11.30mmol)および炭酸セシウム(4.42g、13.56mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(乾式)(50ml)に溶解し、そしてメチル2−(ジメトキシホスホリル)アクリレート(3.23g、14.13mmol)を加えた。RMを65℃で2hの間攪拌した。次に、それをrtまで冷却し、そして激しく攪拌した300mlの水上に落とした。得られる黄色がかった固体を濾過して分離し、水で洗浄し、そして乾燥させて5.40g(94%の収率)の所望の生成物10−tert−ブチル6−メチル3−クロロ−13−シクロヘキシル−7H−インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−6,10−ジカルボキシレート21aを生成せしめ、次の段階においてさらに精製せずに使用した;m/z 507[M+H]+。
実施例35 − 化合物24aの合成
表題化合物24aは、4−クロロ−2−ホルミルフェニルボロン酸34aの代わりに、第一段階において5−クロロ−2−ホルミルフェニルボロン酸を使用して、10−tert−ブチル6−メチル3−クロロ−13−シクロヘキシル−7H−インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−6,10−ジカルボキシレート21aの合成について報告した2段階の方法に従って合成し、そして黄色がかった固体として70%の全収率で得られた;m/z 507[M+H]+。
実施例36 − 化合物24bの合成
25mLの水中のNaOH(6.38g)の溶液をTHF(100mL)およびMeOH(150mL)中のインドール誘導体24aの攪拌溶液に加えた。1時間後に反応物を減圧下で濃縮し、次によく冷えた水(150mL)で希釈した。得られる溶液のpHをHClで6に調整し、次にジクロロメタンで抽出し、そしてMgSO4上で乾燥させた。溶
媒を除き、次に溶離剤としてDCM/MeOHを用いてカラムクロマトグラフィーにより残留物を精製して1.7g(87%の収率)の黄色がかった固体を生成せしめた;m/z
492[M+H]+。
実施例37 − 化合物16aの合成
段階1
エタン−1,2−ジオール(4.06g)およびTos−OH(0.41g) をトルエン(950ml)中の1−(2−ブロモ−5−メトキシフェニル)エタノン37a(5g)の溶液に加えた。ディーンスタークレシーバーを装着した3つ口丸底フラスコにおいて攪拌しながら還流下で溶液を3時間加熱した。次に、反応混合物を室温まで冷却した。混合物を分液漏斗に移し、そして炭酸ナトリウム溶液(1M、50ml)を加えた。混合物をかき混ぜ、そして2相が生じた。有機層を分離し、水(2x50ml)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、そして真空下で濃縮して6.5g(定量的収量)の所望の生成物2−(2−ブロモ−5−メトキシフェニル)−2−メチル−1,3−ジオキソラン37bを白色の固体として生成せしめた。
段階2
ブロモ誘導体37b(6g)を乾式THF(60ml)に溶解し、そして溶液を−78℃まで冷却した。次に、温度が−60℃を超えないような速度でn−BuLi(16.5ml)を注意深く加えた。1h後に、B(O−i−Pr)3(6.2g)を−78℃できちんと(neatly)滴下して加えた。全てを加えた後に、冷却槽を取り除いた。混合物を0℃で2.5h攪拌し、次に2N HCl(60ml)を加え、そしてRMをr.t.で2h攪拌した。次に、有機溶媒を真空下で除き、そして水層をNaClで飽和させ、そしてEtOAcで抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、そして真空下で蒸発させて3gの所望の生成物2−アセチル−4−メトキシフェニルボロン酸37cを生成せしめた。
段階3
表題生成物tert−ブチル2−(2−アセチル−4−メトキシフェニル)−3−シクロヘキシル−1H−インドール−6−カルボキシレート37dは、4−クロロ−2−ホルミルフェンルボロン酸34aの代わりに2−アセチル−4−メトキシフェニルボロン酸37cを用いて、tert−ブチル2−(4−クロロ−2−ホルミルフェニル)−3−シクロヘキシル−1H−インドール−6−カルボキシレート34bの合成に使用したものと同様の方法に従うことにより合成した。
段階4
表題生成物10−tert−ブチル6−メチル13−シクロヘキシル−3−メトキシ−5−メチル−7H−インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−6,10−ジカルボキシレート16aは、tert−ブチル2−(2−アセチル−4−フルオロフェニル)−3−シクロヘキシル−1H−インドール−6−カルボキシレート33cの代わりにtert−ブチル2−(2−アセチル−4−メトキシフェニル)−3−シクロヘキシル−1H−インドール−6−カルボキシレート37dを用いて、10−tert−ブチル6−メチル13−シクロヘキシル−3−フルオロ−5−メチル−7H−インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−6,10−ジカルボキシレート20aの合成に使用したものと同様の方法に従うことにより合成した。
実施例38 − 化合物38の合成
表題化合物38の合成は、5−tert−ブチル1a−メチル8−シクロヘキシル−11−メトキシ−1,12b−ジヒドロシクロプロパ[d]インドロ[2,1−a][2]ベンズアゼピン−1a,5(2H)−ジカルボキシレート8aの代わりに中間体13−シクロヘキシル−3−メトキシ−7H−ベンゾ[3,4]アゼピノ[1,2−a]インドール−6,10−ジカルボン酸10−tert−ブチルエステル6−メチルエステル1aから出発して、化合物10の合成について報告した5段階の方法に従って行い、そして60mgのベージュ色の固体を生成せしめた;m/z 577[M+H]+。
実施例39 −式(I)の化合物の活性
レプリコンアッセイ
式(I)の化合物を細胞アッセイにおいてHCV RNA複製の阻害における活性について調べた。アッセイにより、式(I)の化合物は、HCVレプリコンとしても知られているHCV機能性細胞複製細胞系を阻害することが示された。細胞アッセイは、複数標的
スクリーニング戦略における、Krieger et al.(2001)Journal of Virology 75:4614−4624により記述される改変を有するLohmann et al.(1999)Science vol.285 pp.110−113により記述されるような2シストロン性発現構築物に基づいた。本質的に、方法は下記のとおりであった。
アッセイは、安定にトランスフェクションされた細胞系Huh−7 luc/neo(以下にHuh−Lucと称する)を利用した。この細胞系は、レポーター部分(FfL−ルシフェラーゼ)および選択可能なマーカー部分(neoR、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ)が前に置かれる、脳心筋炎ウイルス(EMCV)からの内部リボソーム侵入部位(IRES)から翻訳されるHCV 1b型の野生型NS3−NS5B領域を含んでなる2シストロン性発現構築物をコードするRNAを保有する。構築物は、HCV 1b型からの5’および3’NTR(非翻訳領域)に隣接している。G418(neoR)の存在下でのレプリコン細胞の継続培養は、HCV RNAの複製に依存する。とりわけルシフェラーゼをコードする、自律的にそして高レベルに複製するHCV RNAを発現する安定にトランスフェクションされたレプリコン細胞は、抗ウイルス化合物をスクリーニングするために用いられる。
様々な濃度で加えた試験およびコントロール化合物の存在下でレプリコン細胞を384ウェルプレートにおいて平板培養した。3日のインキュベーションの後に、ルシフェラーゼ活性をアッセイすることにより(標準的なルシフェラーゼアッセイ基質および試薬ならびにPerkin Elmer ViewLuxTM ultraHTSマイクロプレート撮像装置を用いて)HCV複製を測定した。コントロール培養物におけるレプリコン細胞は、任意の阻害剤の不在下で高いルシフェラーゼ発現を有する。化合物の阻害活性をHuh−Luc細胞上でモニターし、各試験化合物について用量反応曲線が作成できるようにした。次にEC50値を計算し、この値は検出されるルシフェラーゼ活性のレベル、もしくはさらに特に、遺伝子的に連結されたHCVレプリコンRNAが複製する能力を50%減少するために必要とされる化合物の量を表す。
酵素アッセイ
1.HCV NS5B 1bJ4
1.a)タンパク質精製
NS5Bアミノ酸1〜570をコードするcDNA(HC−J4、遺伝子型1b、pCV−J4L6S、ジーンバンク受託番号AF054247)をpET−21bのNheIおよびXhoI制限部位にサブクローニングした。それに続くHisタグの付いたC末端の21アミノ酸を欠失したNS5Bの発現を下記の通り行った:
NS5B発現構築物をエシェリキア・コリ(E.coli)BL21(DE3)(Novagen,Madiso,WI)に形質転換した。アンピシリン(50μg/mL)を補足した5ミリリットルのLB培地に1個のコロニーを植菌した。前培養が600nmで測定した0.6の光学密度に到達すると、それを1:200の比率で、アンピシリンを補足した新しいLB培地に移した。細胞を0.6の600nmでの光学密度まで培養し、その後、それぞれ0.4mMおよび10μMの最終濃度でのイソプロピル−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドおよびMgCl2での誘導後に発現培養物を20℃の増殖温度に移した。10hの誘導後に、細胞を遠心分離により採取し、そしてEDTAフリーコンプリートプロテアーゼインヒビター(Roche,Basel,Switzerland)を補足した20mM Tris−HCl、pH7.5、300mM NaCl、10%グリセロール、0.1%NP40、4mM MgCl2、5mM DTTに再懸濁した。細胞懸濁液を超音波処理により壊し、そして10〜15mg/LのDNaseI(Roche,Basel,Switzerland)と30分間インキュベーションした。細胞残屑を30,000xgで1時間の超遠心によって除き、そして清澄細胞溶解物を急速冷凍
し、そして精製の前に−80℃で保存した。
清澄細胞溶解物を融解させ、そして次に25mM HEPES、pH7.5、500mM NaCl、10%グリセロールおよび5mM DTTで平衡化した5mLのプレパックHisTrap FFカラム上に載せた。1mL/分の流速で500mMのイミダゾールでタンパク質を溶出した。興味のあるタンパク質を含有する画分を25mM HEPES、pH7.5、150mM NaCl、10%グリセロールおよび5mM DTTで平衡化したプレパック26/10HiPrep脱塩カラム上に加えた。次に、バッファー交換したNS5Bピークを20mLのポリ−Uセファロースカラム上に加えた。タンパク質を増加する塩濃度で溶出し、そして画分を集めた。タンパク質純度をNu−PAGEプレキャストゲル(Invitrogen,Carlsbad,CA)上で評価した。Centri−Prep濃縮器(Millipore,Billerica,MA,USA)を用いて精製NS5Bサンプルを濃縮し、そしてタンパク質濃度をブラッドフォードアッセイ(Pierce,Rockford,IL,USA)により決定した。
1.b)タンパク質配列
PDB:1nb4、アポ型
タンパク質配列は、WO2007/026024に記載の通りである。計算分子特性:64941.4g/mol。
1.c)NS5b 1bJ4での阻害アッセイ
HCV NS5B重合活性の測定は、ヘテロポリマーRNA鋳型/プライマーを用いて新たに合成されたRNAにおいて酵素により取り込まれる放射性標識GTPの量を評価することにより行った。RdRpアッセイは384ウェルプレートにおいて50nMの精製されたNS5B酵素を用いて実施し、それを25mMのTris−HCl、pH7.5、5mM MgCl2、25mM KCl、17mM NaClおよび3mMのDTT中300nMの5’−ビオチニル化オリゴ(rG13)/ポリ(rC)もしくはオリゴ(rU15)/ポリ(rA)プライマー−鋳型、600nMのGTPおよび0.1μCiの[3H]GTPもしくは[3H]UTPとインキュベーションした。30μLの反応混合物を室温で2hインキュベーションし、その後で0.5MのEDTA中30μLのストレプトアビジン被覆SPAビーズ(GE Healthcare,Uppsala,Sweden)を加えることにより反応を止めた。25℃で2時間後に30μLのストレプトアビジン被覆SPAビーズ(GE Healthcare,Uppsala,Sweden 0.5MのEDTA中5mg/ml)を加えて30μLの反応を止めた。25℃で30分間のインキュベーション後に、Packard Topcountマイクロプレートリーダー(30秒/ウェル、1分の計数遅延)を用いてプレートを計数し、そしてIC50値を計算した(表1:IC50 1bJ4)。IC50値は、取り込まれた放射性標識GTPの検出により測定される生成RNAの量を50%減少するために必要とされる化合物の濃度を表す。
2.HCV NS5B con1b
2.a)NS5B con1bのクローニング、発現および精製
以前に記載の通り(Pauwels et al,2007,J Virol 81:6909−19)21個のC末端残基を欠くNS5B(遺伝子型1b共通株Con1)のコーディング配列をプラスミドpFKI389/ns3−3’_N(ジーンバンク受託番号AJ242654)から増幅しそしてpET21bプラスミドにサブクローニングした。NS5BΔC21発現構築物をエシェリキア・コリRosetta 2(DE3)(Novagen,Madison,WI)に形質転換した。カルベニシリン(50μg/mL)およびクロラムフェニコール(34μg/mL)を補足した100ミリリットルのLB培地に1個のコロニーを植菌し、一晩培養し、そして1:200の比率で、3%エタノ
ール、カルベニシリンおよびクロラムフェニコールを補足した新しいLB培地に移した。イオン交換クロマトグラフィーに使用したカラムが6mLのResource Sカラム(GE Healthcare)であったこと、およびタンパク質濃度をNanodrop(Nanodrop Technologies,Wilmington,DE,USA)で決定したことを除いて、方法の残りの部分は以前に記載の通りであった(Pauwels et al,2007,J Virol 81:6909−19)。
2.b)RNA依存性RNAポリメラーゼアッセイ
プライマー依存性転写アッセイを用いて以前に記載の通り(Pauwels et al,2007,J Virol 81:6909−19)の方法に従って50%阻害濃度(表1:IC50 con1b)を決定した。阻害剤との10分のプレインキュベーション後に、20nMの精製されたCon1b NS5b酵素を150nMの5’−ビオチニル化オリゴ(rG13)プライマー、15nMポリ(rC)鋳型、19mM Tris−HCl、5mM MgCl2、17mM NaCl、21mM KClおよび2.5mM
DTTと10分間インキュベーションした。次に、600nMのGTPおよび0.13μCiの[3H]GTPを加えて40μlの反応混合物を開始し、それを次に室温で2hインキュベーションし、その後で40μlのストレプトアビジン被覆SPAビーズの添加により反応を止めた。
以下の表1は、上記の実施例のいずれか1つに従う化合物を記載する。試験した化合物の活性もまた表1に示す。
酵素結合親和性
表面プラズモン共鳴(SPR)に基づく方法、すなわち、Biacoreを用いて式(I)の化合物をそれらの酵素結合キネティクスについて調べた。阻害化合物のそのウイルス標的からの遅い解離(低いKoff、低いKd)は、抗ウイルス薬に対する薬剤耐性の発生を潜在的に減らすと考えられる(Dierynck et al.2007.Journal of Virology,vol.81,No.24,13845−13851)。全ての測定は、Biacore T100装置(GE Healthcare)上で行った。精製されたHis6タグの付いたNS5BΔC21ポリメラーゼを固定化バッファー(20mM MOPS pH7.4、500mM NaCl、0.005%Tween−P20、1mM DTT、50μM EDTA)中でNTAセンサーチップ(GE
Healthcare)への非共有結合捕捉を用いて固定化した。相互作用研究は全て25℃で行った。5%ジメチルスルホキシド(DMSO)を含有するランニングバッファー(20mM Tris−HCl pH7.4、150mM NaCl、50μM EDTA、1mM DTT、0.005%Tween−P20)に阻害剤を連続希釈した。単一サイクルキネティクスを使用し、ここで、化合物の5つの増加する濃度を1つの単一サイクルにおいて各々300sの期間にわたって注入し、そして解離を1200sの期間にわたってモニターした。センサー表面はサイクル間において完全に再生された。Biacore T100 BiaEval評価ソフトウェア2.0(GE Healthcare)で単一サイクルキネティクスに適応した同時非線形回帰分析(グローバルフィッティング)を用いてデータを解析した。個々の速度定数KonおよびKoffならびに得られる親和性定数、Kd=Koff/Konは、センサーグラムのキネティクス評価により決定した。キネティクモデルは、バルクおよび限定物質輸送効果(bulk and limited mass transport effects)を説明した(accounted for)。あらゆる分析は少なくとも2回の独立した実験において行った。キネティク相互作用の解離速度は、ポリメラーゼとその阻害剤との間の相互作用時間を表す化合物滞留時間(解離半減期t1/2=ln(2)/Koff)に転換することができる。
NS5B野生型酵素(遺伝子型1b、Con1b)に対して式(I)の化合物もしくはその亜群について測定される観測会合速度定数(kon)、解離速度定数(koff)、得られる親和性定数(Kd)および解離半減期(t1/2)を表2に示す。
表3は、HCV NS5Bポリメラーゼの異なる型に対する化合物番号1の結合親和性データを記載する。調べた異なる型(NS5B標的)は、野生型酵素の異なる遺伝子型の異なる臨床分離株および異なる突然変異体NS5Bポリメラーゼを含んでなる。突然変異
体酵素は、1bJ4もしくはCon1b NS5B酵素の部位特異的突然変異誘発により得られた。突然変異P495L、V494AおよびL392Iは、NS5Bポリメラーゼへの本発明の化合物の結合ポケットに位置する。
式(I)の化合物もしくはその亜群の強い結合は1つの遺伝子型内で一致すること、式(I)の化合物もしくはその亜群は異なる遺伝子型のNS5Bポリメラーゼに対して、ならびにインドール結合ポケットに突然変異を有するNS5Bポリメラーゼに対して親和性を示すこと、および式(I)の化合物もしくはその亜群の結合は酵素における他の部位への突然変異により影響を受けないことが認められた。