JP5806561B2 - 電磁接触器の製造方法 - Google Patents
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図4のカプセル構造品は、セラミック製の消弧室1内部に、固定接点26、可動接点27aを有する可動端子27、可動軸28、接触バネ29等が組み込まれている。キャップ8内には可動軸28が連結された可動鉄心30、復帰バネ31が組み込まれている。消弧室1には、固定端子2及び消弧室1と接続部材3が接合されており、接続部材3は、消弧室1の開口端部1aに接合した筒部3aと、フランジ部3bとで構成されている。
図5は、図4で示したカプセル構造品の接合部分を示したものであり、消弧室1と固定端子2及び消弧室1と接続部材3は、夫々ろう付け(符号5で示す部分)により接合されている。ろう付けを行なう際に重要なことは、接合する材料間の特性上の考慮が必要となる。すなわち、接合する材料間の膨張係数差による残留応力割れを防止することである。
特に、セラミック製の消弧室1と接続部材3とのろう付け5は、ろう付け長さがより大きいため消弧室1のろう付け部に対して、残留応力をいかに小さくするかの継手設計が重要となっている。
また、図6は、別構造のカプセル構造品を示すものであり、消弧室1とベース板4との間に、段差部を設けた形状として緩衝機能を有する接続部材7が介装されており、この接続部材7及び消弧室1はろう付け5で接合されており、接続部材7及びベース板4はプロジェクション溶接8で接合されている。
このカプセル構造品は、セラミック板8と、金属製ケース9と、金属枠体10とを備え、セラミック板8と、このセラミック板8に対して熱膨張率が近い材料(42アロイ、コバールなど)からなる金属枠体10とがろう付け11で接合され、金属枠体10と金属ケース9とが、四角形周のシール溶接としてプロジエクション溶接12で接合されている。
また、セラミック板8は構造上応力が集中する箇所がないため、製造段階やカプセル構造品の製造段階でも割れが起こりにくい。
しかし、セラミック板8と、金属枠体10、14a〜14dとのろう付け工程で熱的な反りが発生しやすく、金属枠体10、14a〜14dと金属ケース9とのプロジェクション溶接工程では、上部電極と下部電極とを挟みこんで加圧抵抗溶接するので、四角形周上のシール溶接部に応力がかかり易くなる。
さらにまた、本発明の第5の実施の形態に係る電磁接触器の製造方法は、前記第1組立て部品及び前記第2組立て部品を接合する前記レーザ溶接は、溶接速度が3〜5m/minの高速溶接であることを特徴とする電磁接触器の製造方法である。
また、第1組立て部品及び第2組立て部品のそれぞれ設けた重合部を重ね合わせ、物理的な加圧を作用せずにレーザ溶接を行なうことで、正常な重合部の溶接を行なうことができる。
図1は、電磁接触器のガス密閉型構造(以下、カプセル構造品という)の第1実施形態を示すものである。
本実施形態のカプセル構造品15は、ベース板16と、ベース板16の上面に固定された四角筒状の金属筐体17と、金属筐体17の上部に固定された四角筒状の接続部材18と、接続部材18の上部開口部を閉塞して固定されたセラミック板19と、セラミック板19を貫通して固定した固定端子20と、ベース板16の下面に固定されたキャップ21と、を備えている。ベース板16、金属筐体17、接続部材18及びセラミック板19で囲まれた空間には、図4で示した可動接点27aを有する可動端子27、可動軸28、接触バネ29等が組み込まれている。また、キャップ21内には、図4で示した可動軸28が連結された可動鉄心30、復帰バネ31が組み込まれている。
接続部材18は、セラミック板19の膨張係数に近い42アロイ、或いはコバール等の材料からなり、セラミック板19に一端が接合した筒部18aと、筒部18aの他端から筒部18aに直交して外方に突出するフランジ部18bとを備えている。
接続部材18、セラミック板19及び固定端子20は、真空ろう付けで接合されている。すなわち、セラミック板19に設けた貫通穴19aに挿通した固定端子20が真空ろう付けで接合されているとともに、互いに密着した接続部材18の筒部18a及びセラミック板19が真空ろう付けで接合されている。なお、ろう付けで接合した接続部材18、セラミック板19及び固定端子20を、第1組立て部品22と称する。
ここで、第1及び第2組立て部品22,23を一体化する際のレーザ溶接は、溶接速度を3〜5m/minとした高速溶接である。
また、第1組立て部品22及び第2組立て部品23を一体化する際には、重ね合わせてレーザ溶接されるフランジ部18b及び第2フランジ部17cに物理的な加圧が作用しないので、フランジ部18b及び第2フランジ部17cを正常に溶接することができる。そして、フランジ部18b及び第2フランジ部17cの溶接の際には、セラミック板19のろう付け部に対して負荷を与えることがない。
次に、図2に示すものは、第2実施形態のカプセル構造品を示すものである。なお、第1実施形態と同一構成部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態のカプセル構造品25は、図1で示したカプセル構造品15に対して金属筐体17及び接続部材18が異なっている。
傾斜フランジ部17dは、筒部17aの他端から軸方向に離間するに従い徐々に拡径した形状を有している。
また、接続部材18は、セラミック板19の膨張係数に近い42アロイ、或いはコバール等の材料からなり、セラミック板19に一端が接合した筒部18aと、筒部18aの他端に形成した傾斜フランジ部18cとで構成されている。
傾斜フランジ部18cは、筒部18aの他端から軸方向に離間するに従い徐々に縮径した形状を有している。
本実施形態も、第1実施形態と同様に、第1組立て部品22及び第2組立て部品23を一体化する際には、重ね合わせてレーザ溶接される傾斜フランジ部18c及び傾斜フランジ部17dに物理的な加圧が作用しないので、傾斜フランジ部18c及び傾斜フランジ部17dを正常に溶接することができる。そして、傾斜フランジ部18c及び傾斜フランジ部17dの溶接の際には、セラミック板19のろう付け部に対して負荷を与えることがない。
さらに、図3に示すものは、第3実施形態のカプセル構造品を示すものである。なお、本実施形態も、第1実施形態と同一構成部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
金属筐体17は、筒部17aと、筒部17aの一端から筒部17aに直交して外方に突出する第1フランジ部17bとで構成されている。
また、接続部材18は、セラミック板19の膨張係数に近い42アロイ、或いはコバール等の材料からなり、セラミック板19に一端が接合した筒部18aと、筒部18aの他端に形成した拡筒部18dとで構成されている。
本実施形態は、第1組立て部品22の接続部材18に形成した拡筒部18dに、第2組立て部品23の金属筐体17の筒部17aを内側から嵌め込んで重ね合わせ、水平方向から拡筒部18dに向けて入射したレーザ光33により拡筒部18d及び筒部17aの周方向にレーザ溶接を行なうことで、第1及び第2組立て部品22,23が一体化されてカプセル構造品32が形成される。
本実施形態も、第1実施形態と同様に、第1組立て部品22及び第2組立て部品23を一体化する際には、重ね合わせてレーザ溶接される拡筒部18d及び筒部17aに物理的な加圧が作用しないので、拡筒部18d及び筒部17aを正常に溶接することができる。そして、拡筒部18d及び筒部17aの溶接の際には、セラミック板19のろう付け部に対して負荷を与えることがない。
さらにまた、本実施形態の拡筒部18d及び筒部17aは嵌め合い状態となっているので、第1組立て部品22及び第2組立て部品23をセットした際の位置決めを容易に行なうことができる。
Claims (5)
- 開口穴を有するベース板と、
このベース板の上部に固定される金属筐体と、
この金属筐体の上部に固定される筒形状の接続部材と、
この接続部材の上部の開放端面に固定され、且つ固定端子が貫通して固定されるセラミック板と、
前記ベース板の下部に固定されるキャップと、を備え、
前記接続部材、前記セラミック板及び前記固定端子をろう付けで接合して第1組立て部品を形成し、
前記ベース板、前記金属筐体及び前記キャップを溶接で接合して第2組立て部品を形成するとともに、
前記第1組立て部品の下部と前記第2組立て部品の上部とにそれぞれ設けた重合部を重ね合わせ、それら重合部の重ね合わせ方向の外方からレーザ光を照射して前記第1組立て部品及び前記第2組立て部品をレーザ溶接により接合することを特徴とする電磁接触器の製造方法。 - 前記接続部材は、筒部と、この筒部の下端から筒部軸方向に直交して外方に突出するフランジ部とを備え、
前記金属筐体は、筒部と、この筒部の上端から筒部軸方向に直交して外方に突出するフランジ部とを備え、
これらフランジ部同士を前記重合部として重ね合わせ、上下方向から前記レーザ光を照射するようにしたことを特徴とする請求項1記載の電磁接触器の製造方法。 - 前記接続部材は、筒部と、この筒部の下端から筒部軸方向に沿って縮径、或いは拡径する傾斜フランジ部とを備え、
前記金属筐体は、筒部と、この筒部の上端から筒部軸方向に沿って拡径、或いは縮径する傾斜フランジ部とを備え、
これら傾斜フランジ部同士を前記重合部として重ね合わせ、斜め上下方向から前記レーザ光を照射するようにしたことを特徴とする請求項1記載の電磁接触器の製造方法。 - 前記接続部材の下端及び前記金属筐体の上端の一方に拡筒部を設け、それら前記接続部材の下端及び前記金属筐体の上端の他方に、前記拡筒部の内側に嵌まり込むことが可能なストレート筒部を設け、
前記拡筒部及び前記ストレート筒部を前記重合部として重ね合わせ、水平方向から前記レーザ光を照射するようにしたことを特徴とする請求項1記載の電磁接触器の製造方法。 - 前記第1組立て部品及び前記第2組立て部品を接合する前記レーザ溶接は、溶接速度が3〜5m/minの高速溶接であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電磁接触器の製造方法。
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