JP5806015B2 - 電気接続箱 - Google Patents

Description

本発明は、移動体としての自動車などに搭載される電気接続箱に関する。

移動体としての自動車には、一般に、ヘッドランプ及びテールランプなどのランプ類、スタータモータ及びエアコンディショナ用のモータ等のモータ類、などの多種多様な電子機器が搭載されている。

前述した多種多様な電子機器に電力を供給するために、前記自動車は、ジャンクションブロックを適宜箇所に配置してきた。前記ジャンクションブロックは、多数のヒューズやリレー等の各種の電気回路ユニットを集約して構成されている。

なお、ジャンクションブロックは、ヒューズ、リレー、ブスバーなどを有することもあることから、ヒューズブロック、リレーボックス、又は総称して電気接続箱（例えば、特許文献１参照）とも呼ばれる。本明細書では、前述したヒューズブロック、リレーボックス、ジャンクションブロックを、総称して以下電気接続箱と呼ぶ。

前述した特許文献１に示された電気接続箱は、外郭を形成する箱本体と、バスバなどを備えている。箱本体は、絶縁性の合成樹脂で構成されて、箱状に形成されている。箱本体には、リレーやヒューズなどの電気部品と、電源分配ユニットとしてのパワーインテグレーションとが装着される装着部と、ワイヤハーネスのコネクタが嵌合するコネクタ嵌合部とが設けられている。パワーインテグレーションには、電源に接続した電源ケーブルの端末に取り付けられた端子金具が接続する電源入力部が設けられている。また、この電源ケーブルの端末に取り付けられた端子金具は、箱本体内に収容されて、当該箱本体に取り付けられている。

バスバは、導電性の板金で構成され、箱本体内に設けられる。バスバは、箱本体におりつけられる電気部品、パワーインテグレーション及びワイヤハーネスのコネクタとを予め定められたパターンにしたがって電気的に接続する。

前述した電気接続箱は、バスバが電源と電気部品とパワーインテグレーションとワイヤハーネスの各電線とを予め定められたパターンにしたがって互いに電気的に接続する。そして、電気接続箱は、ワイヤハーネスが接続した各電子機器に所望の電力を供給する。

特開２００８−１９９８４０号公報

前述した特許文献１に示された電気接続箱は、パワーインテグレーションが箱本体と別体に構成されているために、前述した自動車の走行中などの振動により、箱本体に対してパワーインテグレーションが相対的に振動してしまう。このため、箱本体内に収容された電源ケーブルの端末に取り付けられた端子金具と、パワーインテグレーションの前記電源入力部とが相対的に振動してしまい、勿論、これらの接点が相対的に繰り返しずれてしまう。このため、端子金具と電源入力部との間の電気的な抵抗値が増大して、電源からの電力を分配することが困難になる場合があった。

したがって、本発明の目的は、電源分配ユニットを備えていても、電源からの電力を確実に分配することができる電気接続箱を提供することにある。

前記課題を解決し目的を達成するために、請求項１に記載の本発明の電気接続箱は、箱本体と、前記箱本体に取り付けられるとともに、電源からの電力が供給される電源分配ユニットと、を備えた電気接続箱において、前記箱本体と別体に形成されかつ前記箱本体に取り付けられるブロック本体と、前記ブロック本体内に収容されかつ前記電源に接続した電源ケーブルの端末に取り付けられているとともに前記電源分配ユニットに接続される端子金具と、を備えたブロックを備えたことを特徴としている。

請求項２に記載の本発明の電気接続箱は、請求項１記載の電気接続箱において、前記ブロック本体には、前記箱本体に係止する係止部が設けられていることを特徴としている。

請求項３に記載の本発明の電気接続箱は、請求項１又は請求項２記載の電気接続箱において、前記電源分配ユニットには、前記ブロック本体が侵入するとともに内面が平坦な侵入受け筒が設けられていることを特徴としている。

請求項１に記載した本発明の電気接続箱によれば、電源ケーブルの端末に取り付けられた端子金具を収容したブロックのブロック本体を箱本体と別体に構成しているので、これらの箱本体とブロック本体との間にガタが生じることとなる。このために、電源分配ユニットが箱本体に対して振動する際に、電源分配ユニットに追従して、端子金具及びブロック本体が振動することとなる。

請求項２に記載した本発明の電気接続箱によれば、ブロック本体に箱本体に係止する係止部が設けられているので、電源分配ユニットにブロックのブロック本体を取り付けるための構成を設ける必要がない。よって、電源分配ユニットの構成が複雑になることがない。

請求項３に記載した本発明の電気接続箱によれば、ブロック本体が侵入する侵入受け筒の内面が平坦に形成されているので、電源分配ユニットの構成が複雑になることがない。

以上説明したように請求項１に記載の本発明は、電源分配ユニットが箱本体に対して振動する際に、電源分配ユニットに追従して、端子金具及びブロック本体が振動することとなるので、端子金具と電源分配ユニットの電源入力部とが相対的に振動せずに、これらの接点が相対的に繰り返しずれてしまうことがない。このため、端子金具と電源入力部との間の電気的な抵抗値が増大して、電源からの電力を分配することが困難になることがない。よって、電源分配ユニットを備えていても、電源からの電力を確実に分配することができる。

請求項２及び請求項３に記載の本発明は、電源分配ユニットの構成が複雑になることがないので、電源分配ユニットのコストの高騰を抑制することができる。

本発明の一実施形態に係る電気接続箱の斜視図である。 図１に示された電気接続箱の平面図である。 図１に示された電気接続箱の箱本体の本体部にブロックを取り付ける状態を示す断面図である。 図３に示された電気接続箱の箱本体の本体部にインテグレーションを取り付ける状態を示す断面図である。 図４に示された電気接続箱の箱本体の本体部にインテグレーションを取り付けた状態を示す断面図である。 図２中のＶＩ−ＶＩ線で示す断面図である。 図６に示されたブロックにインテグレーションが接続した状態を示す断面図である。 図１に示された電気接続箱のインテグレーションを示す斜視図である。 図８中のＩＸ−ＩＸ線に沿う断面図である。 図８に示されたインテグレーションの要部を下方からみた斜視図である。

以下、本発明の一実施形態にかかる電気接続箱を、図１ないし図１０に基づいて説明する。本実施形態にかかる図１に示す電気接続箱１は、移動体としての自動車に搭載される。

電気接続箱１は、図１及び図２に示すように、箱本体２と、電源分配ユニットとしてのパワーインテグレーション（以下、単にインテグレーションと呼ぶ）７と、ブロック２０とを備えている。

箱本体２は、図２に示すように、本体部４と、カセットブロック５と、図示しないアッパカバーと、ロアカバーとを備えている。本体部４は、絶縁性の合成樹脂で構成され、周知の射出成型によって成型される。本体部４は、図２に示すように、互いに連なる複数の外壁８により枠状に形成されている。また、本体部４には、該本体部４内を仕切る隔壁９が設けられている。さらに、本体部４には、ブロック２０を収容する筒状のブロック収容部１５が設けられている。ブロック収容部１５では、図３に示すように、互いに相対する内面 から凸の係止突起１６が設けられている。

カセットブロック５は、絶縁性の合成樹脂で構成され、かつ箱状に形成されている、カセットブロック５の図２中手前側の表面（以下、上面と呼ぶ）には、電気部品としてのリレーやヒューズなどが装着される装着部が設けられ、図２中の奥側の表面（以下、下面と呼ぶ）には、図示しないワイヤハーネスのコネクタが嵌合するコネクタ嵌合部が設けられている。

また、カセットブロック５には、電源に接続した電源ケーブルの端末に取り付けられた端子金具が取り付けられる端子取付部が設けられている。さらに、カセットブロック５は、前述したカセットブロックなどの装着部に装着された電気部品と、コネクタ嵌合部に嵌合したワイヤハーネスのコネクタの端子と、端子取付部に取り付けられた端子金具とを予め定められたパターンにしたがって、電気的に接続するバスバなどを収容している。

ワイヤハーネスは、勿論、複数の電線と、該電線の端末に取り付けられたコネクタなどを備えている。コネクタは、前述したコネクタ嵌合部、後述するコネクタ嵌合部４２や自動車に搭載される各種の電子機器に嵌合する。

アッパカバーは、絶縁性の合成樹脂で構成され、周知の射出成型によって成型される。アッパカバーは、互いに連なる複数の外壁を備えて、有底筒状に形成されている。アッパカバーは、本体部４の上面を覆う状態で、該本体部４に取り付けられる。

ロアカバーは、絶縁性の合成樹脂で構成され、周知の射出成型によって成型される。ロアカバーは、互いに連なる複数の外壁を備えて、有底筒状に形成されている。ロアカバーは、本体部４の下面を覆う状態で、該本体部４に取り付けられる。

箱本体２は、本体部４に装着されたカセットブロック５に前述したリレーやヒューズなどの電気部品を装着するとともに、ワイヤハーネスのコネクタを嵌合して、前述した端子取付部に端子金具を取り付けて、本体部４に前述したようにアッパカバーとロアカバーとを取り付けることで、前述したリレーやヒューズなどの電気部品や端子金具を収容する。

インテグレーション７は、図８及び図９に示すように、ケース３７と、一対のバスバ３８（図９に示す）と、複数のリレー３９（図９に一つのみ示す）と、複数のヒューズ４０（図９に一つのみ示す）とを備えている。

ケース３７は、絶縁性の合成樹脂で構成され、かつ扁平な箱状に形成されている。ケース３７の図８中上方に位置する上面には、ヒューズ４０が装着されるヒューズ装着部４１が設けられている。ケース３７の図８中の下方に位置する下面には、前述したワイヤハーネスのコネクタが嵌合するコネクタ嵌合部４２（図９に示す）が設けられている。また、ケース３７即ちインテグレーション７は、箱本体２の本体部４の隔壁９間に位置付けられて、当該本体部４内に収容される。

一対のバスバ３８は、導電性の板金で構成されている。バスバ３８には、各々、前述したヒューズ装着部４１内に位置してヒューズ４０と接続するヒューズ接続端子部４３と、コネクタ嵌合部４２内に位置してワイヤハーネスのコネクタと接続するコネクタ接続端子部４４とが設けられている。

さらに、一方のバスバ３８には、インテグレーション７が本体部４内に収容されると、ブロック２０の後述する端子金具２２と接続する電力入力部としての接続片４５（図１０に示す）が一体に設けられている。接続片４５は、ケース３７に一体に設けられた筒状の侵入受け筒４６内に収容されている。なお、図示例では、侵入受け筒４６は、内面が平坦な四角筒状に形成されている。

リレー３９は、前述した一方のバスバ３８に取り付けられている。ヒューズ４０は、ヒューズ装着部４１に取り付けられて、一対のバスバ３８のヒューズ接続端子部４３同士を接続する。ヒューズ４０と、リレー３９とは、互いに１対１で対応している。

前述したインテグレーション７は、箱本体２の本体部４に収容されると、ブロック２０の端子金具２２を介して、一方のバスバ３８の接続片４５に前述した電源からの電力が供給される。そして、インテグレーション７は、一方のバスバ３８が前述した電力を分岐して、リレー３９を介してヒューズ４０、他方のバスバ３８に順に当該電力を流す。そして、インテグレーション７は、コネクタ嵌合部４２に嵌合したワイヤハーネスのコネクタを介して、分岐してリレー３９、ヒューズ４０に順に流した電力を各電子機器に供給する。このように、インテグレーション７は、前述した電源から供給された電力を各電子機器に分配する。

ブロック２０は、図６及び図７に示すように、箱本体２の本体部４と別体に構成されたブロック本体２１と、端子金具２２とを備えている。ブロック本体２１は、絶縁性の合成樹脂で構成されている。ブロック本体２１は、筒状の本体部２３と、係止部としての係止アーム２４と、ガイド壁２５とを備えている。本体部２３は、四角筒状に形成されている。係止アーム２４は、一対設けられている。これら一対の係止アーム２４は、本体部２３の互いに裏側に位置する外表面に設けられている。係止アーム２４は、一端部が本体部の下面側寄りの縁に連なりかつ他端部が自由端に形成されている。係止アーム２４は、他端部が前記一端部から徐々に上面に向かいかつ本体部２３から徐々に離れるアーム状に形成されている。係止アーム２４は、ブロック収容部１５内にブロック２０が収容されると、前述した係止突起１６に係止する。ガイド壁２５は、本体部２３の長手方向に沿って直線状に延在しているとともに、互いの間に係止アーム２４を位置付けている。

端子金具２２は、導電性の板金で構成されている。端子金具２２は、ケーブル接続部２６と、電気接触部２７とを一体に備えている。ケーブル接続部２６には、電源に接続した電源ケーブル２８の端末が取り付けられる。電気接触部２７は、筒状の形成された本体部２９と、本体部２９内に設けられたばね片３０とを備えている。電気接触部２７は、ばね片３０が本体部２９の内面との間に接続片４５を挟みこんで、当該接続片４５即ちインテグレーション７に電気的に接続する。即ち、端子金具２２は、電源ケーブル２８とインテグレーション７とを電気的に接続する。

前述した構成のブロック２０とインテグレーション７は、以下のように、箱本体２の本体部４に取り付けられる。まず、ブロック２０が、ブロック本体２１内に電源ケーブル２８の端末が取り付けられた端子金具２２を収容して組み立てられる。そして、ブロック２０は、図３に示すように、上面側から箱本体２の本体部４のブロック収容部１５内に挿入される。そして、ブロック２０は、図４に示すように、係止アーム２４が係止突起１６に係止して、箱本体２の本体部４に取り付けられる。

そして、インテグレーション７が、図４に示すように、上面側から箱本体２の本体部４のブロック収容部１５内に挿入される。そして、インテグレーション７が、図５に示すように、箱本体２の本体部４に取り付けられる。すると、図５及び図７に示すように、ブロック２０の端子金具２２と接続片４５とが電気的に接続して、電源からの電力がインテグレーション７に供給される。

前述した電気接続箱１は、カセットブロック５及びインテグレーション７が本体部４に取り付けられ、かつ装着部及びヒューズ装着部４１に各種の電気部品及びヒューズ４０が装着されるとともに、コネクタ嵌合部 ，４２にワイヤハーネスのコネクタが嵌合すると、前述した電源と電気部品とヒューズ４０とリレー３９とワイヤハーネスが接続した各種の電子機器とをあらかじめ定められたパターンにしたがって電気的に接続する。そして、電気接続箱１は、電源からの電力を、電気部品とヒューズ４０とリレー３９とを介して各種の電子機器に供給する。

本実施形態によれば、電源ケーブル２８の端末に取り付けられた端子金具２２を収容したブロック２０のブロック本体２１を箱本体２と別体に構成しているので、これらの箱本体２とブロック本体２１との間にガタが生じることとなる。このために、インテグレーション７が箱本体２に対して振動する際に、インテグレーション７に追従して、端子金具２２及びブロック本体２１が振動することとなる。このために、端子金具２２とインテグレーション７の電源入力部としての接続片４５が相対的に振動せずに、これらの接点が相対的に繰り返しずれてしまことがない。このため、端子金具２２と電源入力部としての接続片４５の間の電気的な抵抗値が増大することがない。よって、インテグレーション７を備えていても、電源からの電力を確実に分配することができる。

ブロック本体２１に箱本体２の本体部４に係止する係止アーム２４が設けられているので、インテグレーション７にブロック２０のブロック本体２１を取り付けるための構成を設ける必要がない。よって、インテグレーション７の構成が複雑になることがない。また、ブロック本体２１が侵入する侵入受け筒４６の内面が平坦に形成されているので、インテグレーション７の構成が複雑になることがない。したがって、インテグレーション７のコストの高騰を抑制することができる。

なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。

１ 電気接続箱
２ 箱本体
７ パワーインテグレーション（電源分配ユニット）
２０ ブロック
２１ ブロック本体
２２ 端子金具
２４ 係止アーム（係止部）
２８ 電源ケーブル
４６ 侵入受け筒

Claims (3)

1. 箱本体と、
   前記箱本体に取り付けられるとともに、電源からの電力が供給される電源分配ユニットと、を備えた電気接続箱において、
   前記箱本体と別体に形成されかつ前記箱本体に取り付けられるブロック本体と、前記ブロック本体内に収容されかつ前記電源に接続した電源ケーブルの端末に取り付けられているとともに前記電源分配ユニットに接続される端子金具と、を備えたブロックを備えたことを特徴とする電気接続箱。
2. 前記ブロック本体には、前記箱本体に係止する係止部が設けられていることを特徴とする請求項１記載の電気接続箱。
3. 前記電源分配ユニットには、前記ブロック本体が侵入するとともに内面が平坦な侵入受け筒が設けられていることを特徴とする請求項１又は請求項２記載の電気接続箱。

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