JP5804931B2 - 多重効用式蒸発方法および多重効用式蒸発装置 - Google Patents

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本発明は、例えば海水から純水を製造し得る多重効用式蒸発方法および多重効用式蒸発装置に関するものである。
従来、地下水などの原水から純度の高い水を得る装置として、多重効用式の蒸発装置がある。
この多重効用式の蒸発装置は、蒸発缶が複数段でもって連続して配置されて、前段側の蒸発缶でフラッシュ蒸発により発生された蒸気を後段側(次段)の蒸発缶に導入し、後段側での原水のフラッシュ蒸発に利用するようにしたものである。
そして、このような多重効用式の蒸発装置において、熱効率の改善を図るようにした自己蒸気圧縮式のものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この自己蒸気圧縮式の蒸発装置においては、ボイラー蒸気により蒸発缶内で発生した蒸気をエジェクタで圧縮し、その蒸気はエジェクタの吐出蒸気として初段の蒸発缶に供給され、その蒸発缶にて原水と熱交換を行い、発生した蒸気を後段に供給する一方、吐出蒸気自体が凝縮されて凝縮水となるように構成されている。
特開2004−41850号公報
しかし、上記従来の構成によると、エジェクタ吸引部に接続されている蒸発缶には、不純物を含むボイラー蒸気が導かれており、しかもその缶内発生蒸気が後段の蒸発缶に供給されるため、その蒸気が凝縮水になった場合、不純物が含まれることになり、したがって得られる純水の純度が低下するという問題がある。
そこで、本発明は、例えばボイラー蒸気のように不純物を含んだ蒸気を用いる自己蒸気圧縮式の場合でも、得られる純水の純度が低下するのを防止し得る多重効用式の蒸発方法および蒸発装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の多重効用式蒸発方法は、原水を伝熱管に導かれる加熱用蒸気により加熱し蒸発させて蒸気を得る蒸発缶が複数段でもって配置されるとともに、中間段または後段の蒸発缶内で発生した蒸気をエジェクタにより吸収し前段の蒸発缶に圧縮供給させるようにした自己蒸気圧縮法を用いた多重効用式の蒸発方法であって、
自己蒸気圧縮法が適用される中間段または後段の蒸発缶を、缶内発生蒸気が他の蒸発缶の伝熱管に導かれることなくエジェクタに導かれる吸引蒸気専用蒸発缶と、缶内発生蒸気がエジェクタに導かれない通常蒸発缶とに分け、
上記吸引蒸気専用蒸発缶にて発生した蒸気をエジェクタにより吸引して前段の蒸発缶の伝熱管に導くとともに当該伝熱管内で発生した凝縮水を吸引蒸気専用蒸発缶に戻すようになし、
さらに上記吸引蒸気専用蒸発缶より一段前の蒸発缶からの蒸気を上記吸引蒸気専用蒸発缶および上記通常蒸発缶に導く方法である。
また、本発明の多重効用式蒸発装置は、原水を伝熱管に導かれる加熱用蒸気により加熱し蒸発させて蒸気を得る蒸発缶が複数段でもって配置されるとともに、中間段または後段の蒸発缶内で発生した蒸気をエジェクタにより吸引して前段の蒸発缶の伝熱管に圧縮供給させるようにした自己蒸気圧縮法を用いた多重効用式の蒸発装置であって、
自己蒸気圧縮法が適用される中間段または後段の蒸発缶を、缶内発生蒸気が他の蒸発缶の伝熱管に導かれることなくエジェクタに導かれる吸引蒸気専用蒸発缶と、缶内発生蒸気がエジェクタに導かれない通常蒸発缶とから構成し、
且つ上記吸引蒸気専用蒸発缶の蒸気通路とエジェクタの吸引部とを蒸気吸引管で接続するとともに、前段の蒸発缶の伝熱管と上記吸引蒸気専用蒸発缶とを凝縮水移送管で接続し、
上記吸引蒸気専用蒸発缶より一段前の蒸発缶からの蒸気を上記吸引蒸気専用蒸発缶および上記通常蒸発缶に導くようにしたものである。
上記蒸発方法および蒸発装置によると、自己蒸気圧縮法が適用される蒸発缶、すなわちエジェクタにより吸引される蒸発缶を吸引蒸気専用蒸発缶と通常蒸発缶とで構成するとともに、エジェクタからの吐出蒸気が供給される前段側の蒸発缶から取り出される凝縮水を吸引蒸気専用蒸発缶に戻し、そして当該吸引蒸気専用蒸発缶で発生した蒸気をエジェクタにより吸引して圧縮し、再度、エジェクタの吐出蒸気として用いるようにしているため、従来のように、加熱用蒸気特有(加熱用蒸気由来)の不純物、例えば加熱用蒸気がボイラー蒸気である場合、揮発性のボイラー水処理用薬剤などが原水蒸気を凝縮して得られる純水に混入することがないので、得られる純水の純度が低下するのを防止することができる。
さらに、加熱用蒸気がボイラー蒸気である場合、吸引蒸気専用蒸発缶に戻される水、つまり循環水は全量がボイラー蒸気の凝縮水となるため、従来技術とは異なり、エジェクタからの吐出蒸気に由来するボイラー水処理用薬剤の全量が含まれているとともに、原水蒸気由来の不純物による純度低下も防ぐことができる。したがって、循環水はより純度の高い濃縮ボイラー用水として再利用することができる。
本発明の実施例に係る造水装置の概略構成を示す模式断面図である。
以下、本発明の実施例に係る多重効用式蒸発装置およびこの装置を用いた多重効用式蒸発方法を図面に基づき説明する。
この蒸発装置および蒸発方法は、多段に配置された蒸発缶に原水を導き、真空装置などを用いて内圧を下げた状態で加熱用蒸気により原水をフラッシュ蒸発させて蒸気を得るとともに、この蒸気を原水により凝縮させて純水を得るようにしたものであり、また中間段の蒸発缶内で発生した蒸気をエジェクタにより吸引し前段の蒸発缶に圧縮供給させるようにした自己蒸気圧縮法を用いたものであり、特に、自己蒸気圧縮法が用いられる中間段の蒸発缶を、缶内発生蒸気がエジェクタに導かれる吸引蒸気専用蒸発缶と、缶内発生蒸気がエジェクタに導かれない通常蒸発缶とから構成したものである。
以下、実施例について説明するが、ここでは、多重効用式蒸発装置として、原水、例えば海水から飲料用の純水を得るためのフラッシュ式の造水装置について説明する。
図1に示すように、この造水装置は、原水蒸気(海水蒸気)が導かれる伝熱管4aを有する熱交換器4およびこの伝熱管4a上に原水(海水)を散布する散布器(例えば、散布管が用いられる)5が配置された蒸発室2および当該蒸発室2にて発生した原水蒸気を導く蒸気通路3を有する蒸発缶1が少なくとも3段、例えば5段でもって前後に直列で配置されている。なお、蒸発室2と蒸気通路3とは上方部分に鉛直方向で配置された区画壁(仕切壁とも言える)6により互いに区画(分離)されているが、下方部分は連通空間部とされて互いに連通されている。すなわち、伝熱管4aにより加熱されて発生した原水蒸気は、蒸気通路3側に移動することになる。
また、この造水装置には、上記各蒸発缶1の散布器5に原水を供給する原水供給管11と、所定の蒸発缶1[ここでは、第1段目の蒸発缶1(1A)]に加熱用蒸気としてボイラー蒸気を供給するとともに所定の蒸発缶1[ここでは、第4段目の蒸発缶1(1D)]で発生した蒸気を吸引し加熱用蒸気として吐出するためのエジェクタ13を有する加熱用の蒸気供給管12と、上記前後2つの蒸発缶1,1における前段側の蒸発缶1の蒸発室2でフラッシュ蒸発された原水蒸気を蒸気通路3を経て後段側の蒸発缶1の蒸発室2の伝熱管4aに導く蒸気導入管(蒸気導入路の一例)14と、最後段(第5段;最終段)の蒸発缶1(1E)内で発生した蒸気をその蒸気通路3から取り出す蒸気取出管15と、加熱用のボイラー蒸気が供給される第1段目の蒸発缶1(1A)の伝熱管4a内で凝縮した凝縮水を第4段目の蒸発缶1(1D)に戻す(供給する)凝縮水移送管16と、上記各蒸発缶1の伝熱管4a内で凝縮された純水を取り出す純水取出管(生産水取出管ともいえる)17とが具備されている。
なお、原水供給管11は、原水用ポンプ(海水用ポンプ)18が設けられた本体管部11aと、各蒸発缶1の散布器5と本体管部11aとを接続する枝管部11bとから構成されており、また純水取出管17は、水用ポンプ19が設けられた本体管部17aと、各熱交換器4の伝熱管4aと本体管部17aとを接続する枝管部17bとから構成されている。
ところで、自己蒸気圧縮法を実現するために、上述したように、自己蒸気圧縮法が用いられる中間段、ここでは第4段目の蒸発缶1(1D)が、缶内発生蒸気が他の蒸発缶1の伝熱管4aに導かれることなくエジェクタ13に導かれる吸引蒸気専用蒸発缶1Daと、缶内発生蒸気がエジェクタ13に導かれない通常蒸発缶1Dbとから構成されており、当然ながら、吸引蒸気専用蒸発缶1Daの蒸気通路3とエジェクタ13の吸引部13aとが蒸気吸引管20で接続されている。言い換えれば、加熱用蒸気としてのエジェクタ13からの吐出蒸気(以下、エジェクタ吐出蒸気ともいう)の凝縮水が導かれる吸引蒸気専用蒸発缶1Daと、エジェクタ吐出蒸気の凝縮水が導かれない通常蒸発缶1Dbとから構成されている。
上記エジェクタ吐出蒸気は、最前段すなわち第1段目の蒸発缶1(1A)の伝熱管4aを通過する際に原水と熱交換が行われて凝縮し、この凝縮水は凝縮水移送管16を介して吸引蒸気専用蒸発缶1Da内に戻される。
また、上述したように、前後における蒸発缶1,1同士はそれぞれ蒸気導入管14により接続されており、特に、第3段目の蒸発缶1(1C)の蒸気通路3と、吸引蒸気専用蒸発缶1Daおよび通常蒸発缶1Dbとは、同じ蒸気導入管14(14C)により接続されている。言い換えれば、第3段目の蒸発缶1(1C)の蒸気通路3と、吸引蒸気専用蒸発缶1Daおよび通常蒸発缶1Dbとは、蒸気導入管14(14C)を介して互いに(並列に)接続されている。
すなわち、第1段目の蒸発缶1(1A)の蒸気通路3と第2段目の蒸発缶1(1B)内の伝熱管4aとが蒸気導入管14(14A)により接続され、第2段目の蒸発缶1(1B)の蒸気通路3と第3段目の蒸発缶1(1C)内の伝熱管4aとが蒸気導入管14(14B)により接続され、第3段目の蒸発缶1(1C)の蒸気通路3と第4段目の蒸発缶1(1D)における吸引蒸気専用蒸発缶1Daの伝熱管4aおよび通常蒸発缶1Dbの伝熱管4aとが同じ蒸気導入管14(14C)により接続され、第4段目における通常蒸発缶1Dbの蒸気通路3と第5段目の蒸発缶1(1E)の伝熱管4aとが蒸気導入管14(14D)により接続されている。
また、第4段目の蒸発缶1(1D)における吸引蒸気専用蒸発缶1Daにおいては、その底部に溜まったエジェクタ吐出蒸気の凝縮水および原水の濃縮水を、その散布器5に循環供給させる循環水循環管21が設けられている。なお、この循環水循環管21は、循環水用ポンプ22が設けられた循環用の本体管部21aと、循環水を外部に排出し得るブロー用の取出管部21bとから構成されている。
このブロー用の取出管部21bから取り出されたブロー水は薬剤を含んでおり、ボイラーに戻すことができる。したがって、取水する原水量および使用する薬剤量(薬剤投入量)を、それぞれ吸引蒸気専用蒸発缶1Daへの降水分だけ減少させることができる。
また、最後段の蒸発缶1(1E)の蒸気通路3から蒸気を取り出すための蒸気取出管15には復水器23が設けられている。この復水器23には原水供給管11により冷却用の原水が導かれており、原水蒸気が凝縮されて純水が得られる。
また、第4段目の蒸発缶1(1D)における吸引蒸気専用蒸発缶1Daを除いた蒸発缶1,1同士は、それぞれ原水移送管24を介して互いに接続されており、また最後段の蒸発缶1(1E)の底部には、濃縮原水用ポンプ(ブライン用ポンプ)25が設けられて冷却用の原水を取り出し得る原水取出管26が接続されている。
次に、上記構成における作用、すなわち蒸発方法について説明する。
上記構成において、蒸気供給管12を介してエジェクタ吐出蒸気が第1段目の蒸発缶1(1A)に供給され、その凝縮水が第4段目の吸引蒸気専用蒸発缶1Daに供給されている状態において、原水供給管11より原水として、海水が吸引蒸気専用蒸発缶1Daを除いた各蒸発缶1の散布器5に供給されて熱交換器4の伝熱管4a上に散布されると、各伝熱管4a内を通過する蒸気により海水が蒸発する。
この蒸発した海水蒸気は、それぞれの蒸気通路3および蒸気導入管14を介して、前段側の蒸発缶1から後段側(次段)の蒸発缶1の伝熱管4aに導かれ、前段側の蒸発缶1での作用と同様に、散布器5から散布される海水を蒸発させるとともに、自らは冷却されて凝縮し、純水となる。
なお、第1段目の蒸発缶1(1A)の伝熱管4a内で生じたエジェクタ吐出蒸気の凝縮水(勿論、設計や運転状態によっては蒸気も含まれる)は凝縮水移送管16を介して、第4段目の蒸発缶1(1D)における吸引蒸気専用蒸発缶1Da内に移送され、そして循環水循環管21の循環用の本体管部21aによりその散布器5に送られて伝熱管4a内の蒸気により蒸発される。この吸引蒸気専用蒸発缶1Daにて発生した蒸気はその蒸気通路3および蒸気吸引管20を介してエジェクタ13の吸引部13aに吸引され、ボイラー蒸気の混入により圧縮されてエジェクタ吐出蒸気として第1段目の蒸発缶1(1A)へと供給され、その伝熱管4a内を通過する際に凝縮されて凝縮水になった後、再度、第4段目の蒸発缶である吸引蒸気専用蒸発缶1Daに導かれる。
第1段目の蒸発缶1(1A)を除いた他の蒸発缶1(1B〜1E)の伝熱管4a内で凝縮した凝縮水は、純水取出管16より純水として取り出される。
最後段の蒸発缶1(1E)内で発生した蒸気については、蒸気通路3および蒸気取出管16より取り出されるが、その途中に設けられた復水器23により凝縮されて純水として取り出される。
なお、各蒸発缶1内の底部に溜まった濃縮原水、すなわち濃度の濃い海水(ブラインである)は、順次、原水移送管24を介して、次段の蒸発缶(第4段目の蒸発缶1Dについては通常蒸発缶1Dbである)1に移送され、最後段の蒸発缶1の底部から原水取出管26より、適宜、取り出される。
また、図示していないが、原水供給管11から供給される原水が海水である場合には、当該海水にスケール抑制剤や消泡剤などの処理剤を添加するための処理剤添加手段が設けられている。
上記実施例に係る造水装置の構成によると、自己蒸気圧縮法が適用される蒸発缶、すなわちエジェクタ13の吸引部13aに接続される第4段目の蒸発缶1(1D)を、吸引蒸気専用蒸発缶1Daと通常蒸発缶1Dbとで構成するとともに、吸引蒸気専用蒸発缶1Daにて発生した蒸気をボイラー蒸気でもってエジェクタにて混合圧縮し、エジェクタ吐出蒸気として蒸発缶1に供給した後、当該蒸気は熱交換器4にて凝縮されて凝縮水(場合によっては蒸気を含む混合流体)となるが、再度、この凝縮水を吸引蒸気専用蒸発缶1Daに戻すようにしているため、従来のように、ボイラー蒸気特有(由来)の不純物、例えば揮発性のボイラー水処理用薬剤などが純水に混入することがないので、得られる純水の純度が低下するのを防止することができる。
なお、従来例の欠点を解消するものとして、エジェクタ吐出蒸気が導かれる蒸発缶で生じた凝縮水を、エジェクタ吸引部と接続されている蒸発缶に戻さずに系外に排出し、代わりにエジェクタ吸引部と接続されている蒸発缶に原水を供給し、ここで発生した原水蒸気をエジェクタ吸引部に吸引させることも考えられる。しかし、この場合、当該蒸発缶に供給される原水(海水)のうち、エジェクタに吸引される蒸気分については純水として得られないため、当該造水装置に供給される原水(海水)の供給量を多くしなければならないが、上述した実施例の装置にあっては、その必要はない。
また、吸引蒸気専用蒸発缶に戻される水、つまり循環水は全量がボイラー蒸気の凝縮水であるため、従来技術とは異なり、エジェクタからの吐出蒸気に由来するボイラー水処理用薬剤の全量が含まれているとともに、原水蒸気由来の不純物による純度低下も防ぐことができる。したがって、循環水はより純度の高い濃縮ボイラー用水として再利用することができる。
ところで、上記実施例においては、自己蒸気圧縮法が用いられる蒸発缶を第4段目の蒸発缶としたが、例えば第5段目(最後段)の蒸発缶または第2段目若しくは第3段目の蒸発缶としてもよい。
また、上記実施例においては、蒸発装置を海水から純水を得る造水装置として説明したが、地下水、工業用水などから純水を得る装置であってもよい。
ここで、上記造水装置としての蒸発装置の構成および蒸発方法を纏めると、以下のようになる。
すなわち、この蒸発装置は、原水を伝熱管に導かれる加熱用蒸気により加熱し蒸発させて蒸気を得る蒸発缶が複数段でもって配置されるとともに、中間段または後段の蒸発缶内で発生した蒸気をエジェクタにより吸引して前段の蒸発缶の伝熱管に圧縮供給させるようにした自己蒸気圧縮法を用いた多重効用式の蒸発装置であって、
自己蒸気圧縮法が適用される中間段または後段の蒸発缶を、缶内発生蒸気が他の蒸発缶の伝熱管に導かれることなくエジェクタに導かれる吸引蒸気専用蒸発缶と、缶内発生蒸気がエジェクタに導かれない通常蒸発缶とから構成し、
且つ上記吸引蒸気専用蒸発缶の蒸気通路とエジェクタの吸引部とを蒸気吸引管で接続するとともに、前段の蒸発缶の伝熱管と上記吸引蒸気専用蒸発缶とを凝縮水移送管で接続し、
上記吸引蒸気専用蒸発缶より一段前の蒸発缶からの蒸気を上記吸引蒸気専用蒸発缶および上記通常蒸発缶に導くようにしたものである。
また、蒸発方法は、原水を伝熱管に導かれる加熱用蒸気により加熱し蒸発させて蒸気を得る蒸発缶が複数段でもって配置されるとともに、中間段または後段の蒸発缶内で発生した蒸気をエジェクタにより吸収し前段の蒸発缶に圧縮供給させるようにした自己蒸気圧縮法を用いた多重効用式の蒸発方法であって、
自己蒸気圧縮法が適用される中間段または後段の蒸発缶を、缶内発生蒸気が他の蒸発缶の伝熱管に導かれることなくエジェクタに導かれる吸引蒸気専用蒸発缶と、缶内発生蒸気がエジェクタに導かれない通常蒸発缶とに分け、
上記吸引蒸気専用蒸発缶にて発生した蒸気をエジェクタにより吸引して前段の蒸発缶の伝熱管に導くとともに当該伝熱管内で発生した凝縮水を吸引蒸気専用蒸発缶に戻すようになし、
さらに上記吸引蒸気専用蒸発缶より一段前の蒸発缶からの蒸気を上記吸引蒸気専用蒸発缶および上記通常蒸発缶に導く方法である。
1 蒸発缶
1Da 吸引蒸気専用蒸発缶
1Db 通常蒸発缶
2 蒸発室
3 蒸気通路
4 熱交換器
4a 伝熱管
5 散布器
6 区画壁
11 原水供給管
12 蒸気供給管
13 エジェクタ
13a 吸引部
14 蒸気導入管
15 蒸気取出管
16 凝縮水移送管
17 純水取出管
20 蒸気吸引管
21 循環水循環管
23 復水器
24 原水移送管

Claims (2)

  1. 原水を伝熱管に導かれる加熱用蒸気により加熱し蒸発させて蒸気を得る蒸発缶が複数段でもって配置されるとともに、中間段または後段の蒸発缶内で発生した蒸気をエジェクタにより吸収し前段の蒸発缶に圧縮供給させるようにした自己蒸気圧縮法を用いた多重効用式の蒸発方法であって、
    自己蒸気圧縮法が適用される中間段または後段の蒸発缶を、缶内発生蒸気が他の蒸発缶の伝熱管に導かれることなくエジェクタに導かれる吸引蒸気専用蒸発缶と、缶内発生蒸気がエジェクタに導かれない通常蒸発缶とに分け、
    上記吸引蒸気専用蒸発缶にて発生した蒸気をエジェクタにより吸引して前段の蒸発缶の伝熱管に導くとともに当該伝熱管内で発生した凝縮水を吸引蒸気専用蒸発缶に戻すようになし、
    さらに上記吸引蒸気専用蒸発缶より一段前の蒸発缶からの蒸気を上記吸引蒸気専用蒸発缶および上記通常蒸発缶に導くことを特徴とする多重効用式蒸発方法。
  2. 原水を伝熱管に導かれる加熱用蒸気により加熱し蒸発させて蒸気を得る蒸発缶が複数段でもって配置されるとともに、中間段または後段の蒸発缶内で発生した蒸気をエジェクタにより吸引して前段の蒸発缶の伝熱管に圧縮供給させるようにした自己蒸気圧縮法を用いた多重効用式の蒸発装置であって、
    自己蒸気圧縮法が適用される中間段または後段の蒸発缶を、缶内発生蒸気が他の蒸発缶の伝熱管に導かれることなくエジェクタに導かれる吸引蒸気専用蒸発缶と、缶内発生蒸気がエジェクタに導かれない通常蒸発缶とから構成し、
    且つ上記吸引蒸気専用蒸発缶の蒸気通路とエジェクタの吸引部とを蒸気吸引管で接続するとともに、前段の蒸発缶の伝熱管と上記吸引蒸気専用蒸発缶とを凝縮水移送管で接続し、
    上記吸引蒸気専用蒸発缶より一段前の蒸発缶からの蒸気を上記吸引蒸気専用蒸発缶および上記通常蒸発缶に導くようにしたことを特徴とする多重効用式蒸発装置。
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