JP5804093B2 - 電気泳動表示装置の駆動方法 - Google Patents
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Description
また、電気光学装置の駆動方法は、ユーザの指示に従って複数ページの一部の各々を、第1の駆動方法で表示部に順番に表示することと、前記第1の駆動方法による前記表示の後で第2の駆動方法を使って前記複数ページの残りの一部を前記表示部に順番に表示することと、前記第2の駆動方法による前記表示の後で第3の駆動方法を使って前記複数ページの前記残りの一部の残りを前記表示部に順番に表示することと、を含み、前記第3の駆動方法は、前記第1の駆動方法に比べて低速であり、前記第1の駆動方法は、前記表示部に表示される新たな画像と前記表示部に表示されている前記画像との差分を書き込む差分書込みを実行し、前記第2の駆動方法は、消去動作と画像表示動作とを実行し、前記第3の駆動方法は、第1の消去動作と第2の消去動作と画像表示動作とを実行することを特徴とする。
また、電気光学装置は、複数の画素を有する表示部と、前記表示部に画像を表示させる際に用いる制御値cの初期値を取得する制御値取得部と、前記表示部の画像が書き換えられる毎に制御値cを減ずる演算部と、制御値cの値に応じて複数の駆動方法から一の駆動方法を選択し、選択した前記駆動方法を用いて前記表示部の画像を書き換える制御部と、を備え、制御値cは整数であり、前記複数の画素のうち一の画素は、第1の電極と、前記第1の電極と対向する第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に挟持された電気光学物質層とを有しており、前記制御部は、第1の消去動作と第2の消去動作と画像表示動作とを実行する第1の駆動方法と、消去動作と画像表示動作とを実行する第2の駆動方法と、前記表示部に表示されている画像と新たな画像との差分画像を表示させる差分画像表示動作を実行する第3の駆動方法とを備え、制御値cの初期値に対応した回数の画像書き換えを行うに際して、制御値cが所定値L(Lは任意の整数)以上かつ所定値M(MはL+1以上の整数)未満であるときに前記第1の駆動方法を選択し、制御値cが所定値M以上かつ所定値N(NはM+1以上の整数)未満であるときに前記第2の駆動方法を選択し、制御値cが所定値N以上であるときに前記第3の駆動方法を選択することを特徴とする。
通常、画像書き換えの速度を高めると、電気光学物質層への電圧印加期間が短くなったり、印加電圧が低くなったりするために表示品質が低下する。そこで、本構成のように、制御値cが下限値であるときに制御値cが他の値であるときよりも低速な駆動方法を選択するようにすることで、以降の表示が固定される最後の画像表示において高画質の表示を得ることができる。これにより、高速な連続表示と高画質の表示とを両立させることができる。
この構成によれば、複数のページを連続表示させる際、画面を書き換える回数の残数に対応する制御値cが大きいときには比較的高速な表示を行い、制御値cが小さいとき(上記残数が少ないとき)には比較的低速ではあるが高画質の表示を行うことができるので、高速な連続表示と高画質の表示とを両立させることができる。
前記制御部は、第1の消去動作と第2の消去動作と画像表示動作とを実行する第1の駆動方法と、消去動作と画像表示動作とを実行する第2の駆動方法と、を備え、制御値cの初期値に対応した回数の画像書き換えを行うに際して、制御値cが所定値L(Lは任意の整数)以上かつ所定値M(MはL+1以上の整数)未満であるときに前記第1の駆動方法を選択し、制御値cが所定値M以上であるときに前記第2の駆動方法を選択する構成としてもよい。
この構成によれば、複数のページを連続表示させる際、画面を書き換える回数の残数に対応する制御値cが大きいときには比較的高速な表示を行い、制御値cが小さいとき(上記残数が少ないとき)には比較的低速ではあるが高画質の表示を行うことができるので、高速な連続表示と高画質の表示とを両立させることができる。
かかる構成において、第1の態様と第2の態様とは、各動作において駆動される画素の階調値が異なるのみであるが、電気光学物質層の種類によっては、第1の態様と第2の態様とで表示状態や表示部の視認性が異なる場合がある。そこで、第1の態様と第2の態様の両方を備えた構成とすれば、電気光学物質層の特性や表示させる画像データに応じて第1の態様と第2の態様とを切り換えて用いることができるため、高画質の表示を得やすくなる。
この構成によれば、複数のページを連続表示させる際、画面を書き換える回数の残数に対応する制御値cが大きいときには比較的高速な表示を行い、制御値cが小さいとき(上記残数が少ないとき)には比較的低速ではあるが高画質の表示を行うことができるので、高速な連続表示と高画質の表示とを両立させることができる。
この構成によれば、入力装置を構成するボタンの押下回数やジョグダイヤルの回転角度に応じて制御値cの初期値が設定される構成とすることができる。
この構成によれば、制御値cが小さいときに比較的低速であるが高画質の表示を行うことができる。
この構成によれば、固定表示される画像を書き込む際に適用される駆動方法を、比較的低速であるが高画質の表示を行うことができる駆動方法とすることができる。
以下、図面を用いて本発明の電気光学装置について説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
図1は、本実施形態の電子ブックリーダー100の外観図である。図2は、本実施形態の電子ブックリーダー100の内部構成を示すブロック図である。
スキップ送りボタン115は、1回押される毎に、例えば10ページ先のページを表示させる機能を起動する操作部である。スキップ戻しボタン116は、1回押される毎に、例えば10ページ前のページを表示させる機能を起動する操作部である。スキップ送りボタン115及びスキップ戻しボタン116のページスキップ数は任意に設定することができる。
CPU102には、表示部制御装置110とパルスカウンタ114とが接続されている。表示部制御装置110には電気光学パネル112及び共通電源163が接続され、電気光学パネル112にVY電源161とVX電源162が接続されている。一方、パルスカウンタ114には入力装置113が接続されている。
例えば、入力装置113がジョグダイヤル等の多数のパルスを出力するデバイスである場合には、出力されるパルス数をそのままページ送り数とすると過大なページ数になってしまうことがある。このような場合に、複数パルスに対して1ページとなるようにカウント値を変換して制御値cを設定することが好ましい。
全体制御部140に画像データ書込制御部141と、タイミング信号生成部142と、共通電源制御部143とが接続されている。画像データ書込制御部141には記憶装置制御部144が接続されている。タイミング信号生成部142には画像データ読出制御部145と画像信号生成部146と選択信号生成部147とが接続されている。共通電源制御部143には共通電源163が接続されている。
表示部制御装置110は、全体制御部140においてCPU102と接続され、画像信号生成部146及び選択信号生成部147において電気光学パネル112と接続され、記憶装置制御部144において記憶装置111と接続されている。
前画像保持部120及び次画像保持部121はいずれも表示部制御装置110の記憶装置制御部144と接続されており、表示部制御装置110は、記憶装置制御部144を介して記憶装置111に画像データの読み書きを実行する。
電気光学パネル112の表示部150には、図3に示すように、図示のX軸方向に延在する複数の走査線G(G1、G2、…、Gm)と、Y軸方向に延在する複数のデータ線S(S1、S2、…、Sn)とが形成されている。走査線Gとデータ線Sとの交差部に対応して画素10が形成されている。画素10は、Y軸方向に沿ってm個、X軸方向に沿ってn個のマトリクス状に配列されており、各々の画素10に走査線Gとデータ線Sとが接続されている。また表示部150には、共通電源163から延びる共通電極配線COMと容量線Cとが形成されている。
選択トランジスタ21はN−MOS(Negative-channel Metal Oxide Semiconductor)TFTで構成されている。選択トランジスタ21のゲートに走査線Gが接続され、ソースにデータ線Sが接続され、ドレインには保持容量22の一方の電極と画素電極24とが接続されている。
保持容量22は、誘電体膜を介して対向配置された一対の電極からなる。保持容量22の一方の電極は選択トランジスタ21のドレインに接続され、他方の電極は容量線Cに接続されている。保持容量22によって選択トランジスタ21を介して書き込まれた画像信号を一定期間だけ維持することができる。
電気光学物質層26は、電気泳動素子やコレステリック液晶素子、電子粉粒素子などからなる。例えば電気泳動素子としては、電気泳動粒子と分散媒とが封入されたマイクロカプセルを配列したものや、隔壁と基板により区画された空間に電気泳動粒子と分散媒とを封入したものが挙げられる。
ただし後述する駆動方法の説明では、説明の簡単のために、共通電極電位Vcomは、ローレベル電位VL(例えば0Vや−15V)、又はハイレベル電位VH(例えば15V)の2値的な電位をとるものとする。また容量線電位Vssは、基準電位(例えば0V)に固定されているものとする。
次に、電子ブックリーダーにおけるドキュメント表示動作について、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態の電子ブックリーダー100は、入力装置113においてボタンが複数回連続して押された場合にも、複数のページを次々に連続表示させることができる。より詳しくは、連続したページ送り(ページ戻し)の指示が入力されたときに、画像を書き換えるべき回数を示す制御値cを取得し、画像を書き換える毎に制御値cを減算する。画像を書き換える際、すなわち次のページを表示する際、制御値cの値に応じて異なる駆動シーケンス(駆動方法)を設定し、かかる駆動シーケンスを用いて画像の表示を実行する。これにより、連続したページ送り動作中は高速に画像を表示させる一方で、ページ送りの最後の固定表示されるページでは高品質の表示が得られるようにしている。
例えば、入力装置113のページ送りボタン105が複数回押下された場合には、ドキュメントの次ページ以降のページが、ボタンを押下した回数に応じた数(制御値c)だけ逐次的に表示される。また、入力装置113のページ戻しボタン106が複数回押下された場合には、ドキュメントの前ページ以前のページが、ボタンを押下した回数に応じた数(制御値c)だけ逐次的に表示される。
さらに、入力装置113のスキップ送りボタン115が複数回押下された場合には、ドキュメントの10ページ先から表示を開始し、ボタンを押下した回数に応じた数(制御値c)だけ10ページずつスキップしながら逐次的にページが送られる。入力装置113のスキップ戻しボタン116が複数回押下された場合には、ドキュメントの10ページ前から表示を開始し、ボタンを押下した回数に応じた数(制御値c)だけ10ページずつスキップしながら逐次的にページが戻される。
本実施例では、制御値c(整数)が正の場合はページ送りを行なうが、制御値cが0(ゼロ)または負の場合はページ送りを行なわないこととする。言い換えれば、画像を書き換えるための制御値cの下限値を1としているため、いずれの場合も、画像が書き換えられる回数はc回である。
図7(a)に示す白表示の場合には、共通電極25が相対的に高電位、画素電極24が相対的に低電位に保持される。これにより、負に帯電した白色粒子27が共通電極25に引き寄せられる一方、正に帯電した黒色粒子28が画素電極24に引き寄せられる。その結果、表示面側となる共通電極25側からこの画素を見ると、白色(W)が認識される。
図7(b)に示す黒表示の場合、共通電極25が相対的に低電位、画素電極24が相対的に高電位に保持される。これにより、正に帯電した黒色粒子28が共通電極25に引き寄せられる一方、負に帯電した白色粒子27が画素電極24に引き寄せられる。その結果、共通電極25側からこの画素を見ると黒色(B)が認識される。
まず、ステップS101において、CPU102は、電子ブックリーダー100がページ切り換え可能な状態であるかについて判定する。例えば、ドキュメントではなく操作メニューや選択ダイアログなどが電気光学パネル112に表示されている場合には、ページ切り換えをすることができない状態であるから、ページ切り換え処理はそのまま終了する。一方、電子ブックリーダー100の電気光学パネル112にドキュメントが表示され、ページ切り換え可能な状態である場合には、ステップS102に移行する。
制御値cが0である場合とは、後述するステップS108での演算結果がc=0となる場合(すなわち入力装置113の操作によりユーザーから指示されたページ数の連続表示動作(ページ送り)が終了した場合)が典型的である。
上記以外にも、例えばページ切り換えに関するボタン以外のボタン(例えば決定ボタン108)が押下された場合や、入力装置113がジョグダイヤルであって、ジョグダイヤルから出力されたパルス数が1ページ送りに相当するパルス数に満たない場合なども制御値cは0となる。
一方、制御値cが1以上の整数である場合には、ステップS104に移行する。
図5に示すように、パルスカウンタ114の動作フローは、ステップS201〜S207を含む。電子ブックリーダー100では、消費電力低減のために、パルスカウンタ114で計時に用いるタイマーが休止状態とされることもあり、このような場合には、入力装置113が操作されたときにタイマーを起動する必要がある。そこで図5には、タイマー起動を含むパルスカウンタ114の動作が示されている。
以下の表1は、ステップS104で参照されるデータテーブルの概略を示す表である。また表2は、表1に示す駆動シーケンスの構成を示す表である。
表1に示すデータテーブルでは、制御値cの値を3水準に分類し、各水準に駆動シーケンスSQ11、駆動シーケンスSQ12、駆動シーケンスSQ13を対応させている。CPU102は、ステップS102で取得した制御値cを用いて上記のデータテーブルを参照し、制御値cが属する水準に対応する駆動シーケンスSQ11〜SQ13を取得する。
また、N=4、M=2に設定されている場合には、制御値cが4以上であるときに駆動シーケンスSQ13が選択され、制御値cが2又は3であるときに駆動シーケンスSQ12が選択され、制御値cが1であるときにのみ駆動シーケンスSQ11が選択される。
駆動シーケンスSQ11は、制御値cが第1の水準(1≦c<M)に属する場合に選択される駆動シーケンスであり、表2に示すように、反転消去ステップ(第1の消去動作)と、全白消去ステップ(第2の消去動作)と、画像表示ステップ(画像表示動作)とからなる。また図6(a)には、表示部150の1つの画素10における画素電極24と共通電極25にそれぞれ入力される電位が示されており、ST11は反転消去ステップ、ST12は全白消去ステップ、ST13は画像表示ステップにそれぞれ対応する。
前述したように、画像を書き換えるための制御値cの下限値は1に設定されており、少なくとも制御値cが当該下限値と等しいときは、駆動シーケンスSQ11が選択される。
図6(a)には、反転消去ステップST11において黒表示動作させる画素10における入力電位が示されている。図示のように画素電極24(電位Vs)にハイレベル電位VHが入力され、基準電位GNDに保持された共通電極25(電位Vcom)に対して高電位とされることで、画素10が黒表示される(図7(b)参照)。
なお、前画像において黒表示されていた画素10の画素電極24には、共通電極25の電位Vcomと同じ電位(基準電位)が入力され、画素10は黒表示を維持する。
図6(a)には、画像表示ステップST13において黒表示される画素10における入力電位が示されている。かかる画素10では、画素電極24にハイレベル電位VHが入力され、画素電極24が共通電極25に対して高電位に保持される。一方、白表示を維持する画素10では、画素電極24に共通電極25の電位Vcomと同じ基準電位が入力される。
駆動シーケンスSQ12は、制御値cが第2の水準(M≦c<N)に属する場合に選択される駆動シーケンスであり、表2に示すように、反転消去ステップ(消去動作)と、画像表示ステップ(画像表示動作)とからなる。
図6(b)(c)には、駆動シーケンスSQ12の2種類の態様(SQ12A,SQ12B)が示されており、それぞれの態様について表示部150の1つの画素10における画素電極24と共通電極25への入力波形が示されている。図6において、ST11a、ST11bは反転消去ステップ、ST13a、ST13bは画像表示ステップにそれぞれ対応する。
図6(b)には、反転消去ステップST11aにおいて黒表示される画素10の入力電位が示されている。かかる画素10では、画素電極24(電位Vs)にハイレベル電位VHが入力され、基準電位GNDに保持された共通電極25(電位Vcom)に対して高電位とされる。一方、前画像において黒表示されていた画素10の画素電極24には、共通電極25の電位Vcomと同じ電位(基準電位)が入力される。
図6(b)には、画像表示ステップST13aにおいて白表示される画素10における入力電位が示されている。この画素10では、画素電極24にローレベル電位VLが入力され、基準電位GNDに保持された共通電極25に対して低電位とされる。一方、表示を変化させない画素10では、画素電極24に共通電極25の電位Vcomと同じ基準電位が入力される。
したがって、図6(c)に示すように、反転消去ステップST11bでは、駆動される(白表示される)画素10の画素電極24にローレベル電位VLが入力され、駆動されない画素10の画素電極24には基準電位GNDが入力される。
画像表示ステップST13bでは、駆動される(黒表示される)画素10の画素電極24にハイレベル電位VHが入力され、駆動されない画素10の画素電極24は基準電位GNDが入力される。
駆動シーケンスSQ12Aでは、反転消去ステップST11aにおいて表示部150が全面黒表示されるため残像は生じにくいが、ユーザーに画面の明滅(フラッシング)が視認されやすい。一方、駆動シーケンスSQ12Bでは、反転消去ステップST11bにおいて黒表示部分を白表示に移行させるため、前画像で白表示されていた画素に残像を生じやすいが、画面のフラッシングは発生しない。
なお本明細書では、反転消去ステップST11のように、ページ切り換え処理の直前に電気光学パネル112に表示されていた画像(前画像)のうち第1の階調、例えば白、を表示していた画素に対して第2の階調、例えば黒、を書き込むことによって、表示部150の全面(全画素)を第2の階調に移行させる動作を、反転画像を書き込む、と表現する。ページ切り換え処理の直前に電気光学パネル112に表示されていた画像(前画像)のうち第2の階調を表示していた画素に対しては書き込みを行なわない。
駆動シーケンスSQ13は、制御値cが第3の水準(c≧N)に属する場合に選択される駆動シーケンスであり、表2に示すように、画像表示ステップ(画像表示動作)のみからなる。
駆動シーケンスSQ13における画像表示ステップST13cでは、表示部150に表示される次画像と、直前に表示されていた前画像との差分データを用いて画素10を駆動する。すなわち、前画像から次画像に表示画像を切り換える際に、階調が変化する画素10のみを駆動し、階調が変化しない画素10の表示状態はそのまま保持する。具体的には、前画像において黒を表示していた画素のうち、次画像において白を表示する画素に対して白を書き込み、前画像において白を表示していた画素のうち、次画像において黒を表示する画素に対して黒を書き込む。しかし、前画像において黒を表示していた画素のうち、次画像においても黒を表示する画素と、前画像において白を表示していた画素のうち、次画像においても白を表示する画素と、は駆動せず、それらの画素の表示状態をそのまま保持する。本明細書では、このような書き込み動作を、差分書き込み、あるいは差分画像表示動作と呼ぶ。
共通電源制御部143は、共通電源163に対して、共通電極25に基準電位GNDを供給する命令を出力する。
タイミング信号生成部142は、画像信号生成部146及び選択信号生成部147を制御し、全白消去ステップST12で用いる画像信号を画像信号生成部146で生成させ、生成された画像信号をタイミング信号とともにデータ線駆動回路152に出力させる。また、選択信号生成部147において選択信号を生成させ、生成された選択信号をタイミング信号とともに走査線駆動回路151に出力させる。
タイミング信号生成部142は、画像データ読出制御部145に対して、画像表示ステップST13で用いる画像データ(次画像の画像データ)を記憶装置111の次画像保持部121から読み出させる命令を出力する。画像データ読出制御部145は、記憶装置制御部144を介して次画像保持部121から次画像の画像データを取得し、画像信号生成部146に出力する。画像信号生成部146では、入力された次画像の画像データを用いて画像信号を生成し、生成した画像信号をタイミング信号とともにデータ線駆動回路152に出力する。また、選択信号生成部147は、タイミング信号生成部142の制御のもと選択信号を生成し、生成した選択信号をタイミング信号とともに走査線駆動回路151に出力する。また共通電源制御部143は、共通電源163に対して、共通電極25に基準電位GNDを供給する命令を出力する。
ステップS108において、CPU102は、制御値cを1を減じた値に更新し、ステップS103に処理を戻す。そして、ステップS103において制御値cが0であると判定されるまで、ステップS103からステップS108の処理を繰り返す。すなわち、パルスカウンタ114において設定された制御値cの初期値に対応する回数だけ画像をえ書き換え、複数のページを連続表示させる。このとき、ステップS105では、経時的に変化する制御値cに応じて、駆動シーケンスSQ11〜SQ13のうちいずれかの駆動シーケンスが選択されるため、電気光学パネル112では、表示させるページの残数に応じて異なる表示動作が行われる。
そして、1ページ表示させる毎に、つまり画像を1回書き換える毎に制御値cを1ずつ減じる操作を行いつつ、制御値cの値に応じて異なる駆動シーケンスを設定可能に構成している。
なお、本実施例では、制御値cを整数とし、かつ画像を書き換えるための制御値cの下限値を1としたが、画像を書き換えるための制御値cの下限値は1に限られるものではない。また、制御値cは整数である必要もない。
以下、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。
第2実施形態は、ステップS104において参照されるデータテーブルと、各駆動シーケンスにおける動作構成を変更したものであり、上記以外の構成は第1実施形態と共通であるため、詳細な説明は省略する。
表3に示すデータテーブルでは、制御値cの値を2水準に分類し、各水準に駆動シーケンスSQ21、SQ22を対応させている。CPU102は、ステップS102で取得した制御値cを用いて上記のデータテーブルを参照し、制御値cが属する水準に対応する駆動シーケンスSQ21又はSQ22を取得する。
例えば、N=2に設定されている場合には、制御値cが2以上であるときに駆動シーケンスSQ22が選択され、制御値cが1であるときにのみ駆動シーケンスSQ21が選択される。
駆動シーケンスSQ21は、制御値cが第1の水準(1≦c<N)に属する場合に選択される駆動シーケンスであり、表4に示すように、反転消去ステップ(第1の消去動作)と、全白消去ステップ(第2の消去動作)と、画像表示ステップ(画像表示動作)とからなる。また図8(a)には、表示部150の1つの画素10における画素電極24と共通電極25にそれぞれ入力される電位が示されており、ST21は反転消去ステップ、ST22は全白消去ステップ、ST23は画像表示ステップにそれぞれ対応する。
なお、反転消去ステップST21では、前画像において黒表示されていた画素10は駆動されないため、このような画素10の画素電極24には共通電極25の電位Vcomと同じ電位(ローレベル電位VL)が入力される。
画像表示ステップST23において黒表示される画素10では、図8(a)に示すように、画素電極24にハイレベル電位VHが入力され、共通電極25にローレベル電位VLが入力される。一方、画像表示ステップST23において白表示を維持する画素10の画素電極24には、共通電極25の電位Vcomと同じローレベル電位VLが入力される。
駆動シーケンスSQ22は、制御値cが第2の水準(c≧N)に属する場合に選択される駆動シーケンスであり、表4に示すように、反転消去ステップ(消去動作)と、画像表示ステップ(画像表示動作)とからなる。
図8(b)(c)には、駆動シーケンスSQ22の2種類の態様(SQ22A,SQ22B)が示されており、それぞれの態様について表示部150の1つの画素10における画素電極24と共通電極25への入力波形が示されている。図8において、ST21a、ST21bは反転消去ステップ、ST23a、ST23bは画像表示ステップにそれぞれ対応する。
図8(b)に示す反転消去ステップST21aの場合、第1実施形態とは異なり、画素電極24(電位Vs)にハイレベル電位VHが入力され、共通電極25(電位Vcom)にローレベル電位VLが入力されることで画素10が黒表示される。またこのとき、前画像において黒表示されていた画素10では、画素電極24に共通電極25の電位Vcomと同じローレベル電位VLが入力され、画素10は駆動されない。
すなわち、少なくとも最後に表示されるページでは、ほぼ残像のない高画質の表示を得られるようにしている。
その一方で、ハイレベル電位VHとローレベル電位VLとの電位差を、そのまま画素電極24と共通電極25との電位差として用いることができるため、第1実施形態で用いた駆動方法と比較して、電気光学物質層26に印加される駆動電圧を高くできるという利点が得られる。
すなわち、ハイレベル電位VHとローレベル電位VLが第1実施形態と同一であるとすれば、第1変形例に係る電気光学装置では、第1実施形態の2倍の電圧を電気光学物質層26に印加することができる。したがって、第2実施形態に係る電気光学装置によれば、電気光学物質層26への電圧印加時間を短縮し、高速に画像を表示させることも可能である。
次に、第3実施形態に係る電気光学装置では、共通電極25の駆動方法が異なる駆動シーケンスを切替可能に備えた構成である。以下、第3実施形態について詳細に説明する。
表5に示すデータテーブルでは、制御値cの値を2水準に分類し、各水準に駆動シーケンスSQ31、SQ32を対応させている。CPU102は、ステップS102で取得した制御値cを用いて上記のデータテーブルを参照し、制御値cが属する水準に対応する駆動シーケンスSQ31又はSQ32を取得する。
例えば、N=2に設定されている場合には、制御値cが2以上であるときに駆動シーケンスSQ32が選択され、制御値cが1であるときにのみ駆動シーケンスSQ31が選択される。
駆動シーケンスSQ31は、制御値cが第1の水準(1≦c<N)に属する場合に選択される駆動シーケンスであり、表6に示すように、第1変形例における駆動シーケンスSQ21と同様である。
駆動シーケンスSQ31は、図9(a)に示すように、反転消去ステップ(第1の消去動作)ST31と、全白消去ステップ(第2の消去動作)ST32と、画像表示ステップ(画像表示動作)ST33とからなる。各ステップにおける電気光学パネル112の動作も第1変形例と同様であるから、ここでは説明を省略する。
駆動シーケンスSQ32は、制御値cが第2の水準(c≧N)に属する場合に選択される駆動シーケンスであり、表6に示すように、第1実施形態における駆動シーケンスSQ13と同様である。
駆動シーケンスSQ32は、図9(b)に示すように、黒表示部分の画素10と白表示部分の画素10を同時に駆動し、前画像の消去と次画像の書込を同時に行う画像表示ステップST33aからなる。各ステップにおける電気光学パネル112の動作も第1実施形態と同様であるから、ここでは説明を省略する。
Claims (4)
- ユーザの指示に従って複数ページの一部の各々を、第1の駆動方法で表示部に順番に表示し、
前記第1の駆動方法による表示の後、前記複数ページの残りの各々を、前記第1の駆動方法で1ページの表示に要する時間よりも、1ページの表示に長い時間を要する第2の駆動方法で前記表示部に順番に表示し、
前記第1の駆動方法は、前記表示部に表示される新たな画像と前記表示部に表示されている前記画像との差分を書き込み、前記表示部に表示される新たな画像と前記表示部に表示されている前記画像とで階調が変化しない画素の表示は保持する差分書込みを実行し、
前記第2の駆動方法は、第1の消去動作と第2の消去動作と画像表示動作とを実行する
ことを特徴とする電気泳動表示装置の駆動方法。 - 前記第1の駆動方法では、前記表示部の表示が固定される最後のページの前のページまで表示し、
前記第2の駆動方法では、前記表示部の表示が固定される最後のページのみを表示することを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。 - ユーザの指示に従って複数ページの一部の各々を、第1の駆動方法で表示部に順番に表示することと、
前記第1の駆動方法による前記表示の後で第2の駆動方法を使って前記複数ページの残りの一部を前記表示部に順番に表示することと、
前記第2の駆動方法による前記表示の後で第3の駆動方法を使って前記複数ページの前記残りの一部の残りを前記表示部に順番に表示することと、を含み、
前記第3の駆動方法は、前記第1の駆動方法に比べて低速であり、
前記第1の駆動方法は、前記表示部に表示される新たな画像と前記表示部に表示されている前記画像との差分を書き込む差分書込みを実行し、
前記第2の駆動方法は、消去動作と画像表示動作とを実行し、
前記第3の駆動方法は、第1の消去動作と第2の消去動作と画像表示動作とを実行することを特徴とする電気泳動表示装置の駆動方法。 - 前記第2の駆動方法では、前記表示部の表示が固定される最後のページの前のページまで表示し、
前記第3の駆動方法では、前記表示部の表示が固定される最後のページのみを表示することを特徴とする請求項3に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
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