JP5803211B2 - インクジェット描画装置 - Google Patents
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Description
特許文献1には、粘度調整されたインクをインクジェットヘッドの吐出口から吐出して被印刷物に塗着し、塗着されたインクの滲み開始前に当該インクの一部または全部を硬化する工程を有することで、小さい文字や記号をマーキング可能な電子部品の製造方法及び電子部品の製造装置が開示されている。
特許文献2には、印刷部の情報を取得するリニアエンコーダーと、リニアエンコーダーによって取得された印刷部の位置情報に基づいて、UV照射手段のUV照射範囲が印刷部からUVインクが吐出された範囲内となるようにUV照射手段からのUV照射を制御するUV照射範囲制御手段と、を備えることによって不要な部分にUV光を照射することを防止することができるインクジェットプリンタ及びその制御方法が開示されている。
硬化光照射手段は、吐出走査において吐出ヘッドから吐出されて被描画媒体上に着弾した液状体に硬化光を照射するために、硬化光を射出させられる。吐出走査においては、被描画媒体と吐出ヘッドとが、相対走査手段によって相対移動させられる。したがって、硬化光照射手段を射出状態にする必要が発生するのは、吐出走査が実施された場合であって、相対走査手段が稼働させられた場合である。相対走査手段を制御するために発信される走査制御信号に基づいて、硬化光照射手段を、射出状態、又は射出停止状態にすることで、必要な場合に合わせて、適切に、硬化光照射手段に硬化光を射出させることができる。また、硬化光を射出させることが不要な場合であるにもかかわらず、硬化光照射手段に硬化光を射出させることを抑制することができる。
硬化光照射手段は、吐出走査において吐出ヘッドから吐出されて被描画媒体上に着弾した液状体に硬化光を照射するために、硬化光を射出させられる。吐出走査においては、被描画媒体と吐出ヘッドとが、相対走査手段によって相対移動させられる。したがって、硬化光照射手段を射出状態にする必要が発生するのは、吐出走査が実施された場合であって、相対走査手段が稼働させられた場合である。相対走査手段に相対移動を開始させる相対移動開始信号が送信されたことによって、硬化光照射手段を、射出状態にすることで、必要な場合に合わせて、適切に、硬化光照射手段に硬化光を射出させることができる。
硬化光照射手段は、吐出走査において吐出ヘッドから吐出されて被描画媒体上に着弾した液状体に硬化光を照射するために、硬化光を射出させられる。吐出走査においては、被描画媒体と吐出ヘッドとが、相対走査手段によって相対移動させられる。したがって、硬化光照射手段を射出状態にする必要が発生するのは、吐出走査が実施された場合であって、相対走査手段が稼働させられた場合である。相対走査手段を制御するために発信される走査制御信号に基づいて、硬化光照射手段を、射出状態、又は射出停止状態にすることで、必要な場合に合わせて、適切に、硬化光照射手段に硬化光を射出させることができる。また、硬化光を射出させることが不要な場合であるにもかかわらず、硬化光照射手段に硬化光を射出させることを抑制することができる。
液滴吐出装置が、インクジェット描画装置に相当する。機能液が、液状体に相当する。
最初に、液滴吐出装置1の全体構成について、図1を参照して説明する。図1は、液滴吐出装置の全体構成の概略を示す説明図である。図1(a)は、液滴吐出装置の全体構成の概略を示す斜視図であり、図1(b)は、液滴吐出装置の全体構成の概略を示す平面図である。
支持梁64は、2つの支持柱63に掛け渡されるように設けられ、Y軸方向に延在している。ガイド部66は、支持梁64に固定されており、Y軸方向に延在している。駆動モーター67は、支持梁64のY軸方向における一方の端近くで、支持梁64に固定されている。駆動モーター67の出力軸には、駆動プーリー67aが固定されており、駆動プーリー67aが、駆動モーター67によって回動駆動される。従動プーリー67bは、支持梁64のY軸方向における、駆動モーター67が固定された端と反対側の端近くで、支持梁64に、回動可能に固定されている。従動プーリー67bの回動軸の軸方向は、駆動プーリー67aの回動軸(駆動モーター67の出力軸)の軸方向と、略平行である。ベルト62aは、駆動プーリー67aと従動プーリー67bとの間に掛け渡されており、駆動プーリー67aが回動することによって、駆動される。ベルト62aは、ガイド部66と並行してY軸方向に延在している。エンコーダー68は、いわゆるリニアエンコーダーである。エンコーダー68は、支持梁64に固定されており、ガイド部66と略平行にY軸方向に延在している。
キャリッジ枠65を、キャリッジ走査機構62によってY軸方向に移動させることで、キャリッジ枠65に吊設されたヘッドユニット21が有する液滴吐出ヘッド20を、Y軸方向に自在に移動させることができる。また、移動した任意の位置に保持することができる。
キャリッジ走査機構62が、相対走査手段に相当する。キャリッジ枠65が、ヘッド保持手段に相当する。
媒体移動機構33は、X軸ガイド35とX軸リニアモーター(図示省略)と、を備えている。X軸ガイド35は、2つの支持柱63の間で、支持梁64の下方に配設されており、Y軸方向と直交するX軸方向に略平行に延在している。
スライド台31aは、X軸方向に摺動自在に、X軸ガイド35に支持されている。X軸リニアモーターは、X軸ガイド35と略平行に配設されており、スライド台31aは、X軸リニアモーターによって、X軸方向に移動させられる。また、移動した任意の位置に保持させられる。媒体載置台31は、図示省略した媒体回動機構によって、X軸方向及びY軸方向と直交するZ軸方向に平行な軸まわりの方向に回動可能に、スライド台31aの上に固定されて、支持されている。
媒体載置台31が、媒体保持手段に相当する。
キャリッジユニット22において、ヘッドユニット21のY軸方向の両側には、紫外線硬化型機能液を硬化させるための紫外線照射部95が、1つずつ配設されている。紫外線硬化型の機能液を用いて描画した画像を、紫外線照射部95を用いて紫外線を照射することによって、硬化させることができる。
紫外線照射部95が、硬化光照射手段に相当する。液滴吐出ヘッド20(ヘッドユニット21)のY軸方向の移動に同調して、機能液を液滴として吐出する工程が、吐出走査に相当する。Y軸方向が、吐出走査方向に相当する。
次に、液滴吐出ヘッド20について、図2を参照して説明する。図2は、液滴吐出ヘッドの概略構成を示す図である。図2(a)は、液滴吐出ヘッドの概略構成を示す外観斜視図であり、図2(b)は、液滴吐出ヘッドの構造を示す斜視断面図であり、図2(c)は、液滴吐出ヘッドの吐出ノズルの部分の構造を示す断面図である。図2に示したX軸、及びZ軸は、液滴吐出ヘッド20が液滴吐出装置1に装着された状態において、図1に示したX軸、又はZ軸と一致している。
圧力室プレート51には、液滴吐出ヘッド20に供給される機能液が常に充填される液たまり55が形成されている。液たまり55は、振動板52と、ノズル基板25と、圧力室プレート51の壁とに囲まれた空間である。機能液は、機能液供給部から液滴吐出ヘッド20に供給され、振動板52の液供給孔53を経由して液たまり55に供給される。また、圧力室プレート51には、複数のヘッド隔壁57によって区切られた圧力室58が形成されている。振動板52と、ノズル基板25と、2個のヘッド隔壁57とによって囲まれた空間が圧力室58である。
圧電素子59は、電極層と圧電材料とを積層した活性部を有している。圧電素子59は、電極層に駆動電圧を印加することで、活性部が長手方向(図2(b)又は(c)における振動板52の厚さ方向)に縮む。電極層に印加されていた駆動電圧が解除されることで、活性部が元の長さに戻る。
次に、ヘッド機構部2が備えるキャリッジユニット22の概略構成について、図3を参照して説明する。図3は、キャリッジユニットの概略構成を示す平面図である。図3に示したX軸方向及びY軸方向は、キャリッジユニット22が液滴吐出装置1に取り付けられた状態において、図1に示したX軸方向又はY軸方向と一致している。
ヘッドユニット21は、ユニットプレート23と、ユニットプレート23に搭載された9個の液滴吐出ヘッド20と、を有している。
液滴吐出ヘッド20は、図示省略したヘッド保持部材を介してユニットプレート23に固定されている。固定された液滴吐出ヘッド20は、ヘッド本体がユニットプレート23に形成された孔(図示省略)に遊嵌して、ノズル基板25が、ユニットプレート23の面より突出した位置に位置している。図3は、ノズル基板25の側から見た図である。9個の液滴吐出ヘッド20は、X軸方向に分かれて、それぞれ3個ずつの液滴吐出ヘッド20を有するヘッド組20Aを3群、形成している。それぞれの液滴吐出ヘッド20のノズル列24Aは、ヘッドユニット21が液滴吐出装置1に取り付けられた状態において、X軸方向に延在している。
LED筐体97は、ユニットプレート23のY軸方向の側面に支持枠を介して固定されている。LED筐体97は、略直方体形状の外形を有し、内部に略直方体形状で一面が開口した筐体室が形成されている。筐体室は、媒体載置台31に臨む側が開口している。筐体室には、UVLED96が、開口側に紫外線を射出する状態で固定されている。複数のUVLED96が、X軸方向に並んで配設されている。複数のUVLED96は、X軸方向において、ヘッドユニット21の液滴吐出ヘッド20が機能液を配置可能な幅を包含する範囲に、紫外線を照射することができる。
液滴吐出ヘッド20が、吐出ヘッドに相当する。紫外線照射部95、又はUVLED96が、硬化光射出手段に相当する。
ヘッドユニット21がY軸方向に走査されて機能液を吐出する際には、液滴吐出ヘッド20に並んで配設されたUVLED96から、略並行して、紫外線を照射させる。
走査方向において、ヘッドユニット21の後側に位置するUVLED96から紫外線を射出することで、吐出されて着弾させられた機能液に、着弾した直後に紫外線を照射することができる。機能液に紫外線を照射することで、機能液を硬化させることができる。機能液の硬化率に影響を及ぼす要因は、走査速度、UVLED96の照射領域のY軸方向における幅、UVLED96の射出強度、などである。これらの要因について、適切な値に設定することで、着弾させられた機能液を適切な硬化率に硬化させることができる。
次に、液滴吐出装置1における紫外線照射の制御に関わる構成について、図4を参照して説明する。図4は、液滴吐出装置における紫外線照射の制御に関わる電気的構成と信号の流れを示す機能構成ブロック図である。
吐出制御部72は、ヘッドユニット21の液滴吐出ヘッド20と、電気的に接続されており、液滴吐出ヘッド20を制御して機能液を吐出させる。キャリッジ走査制御部73は、キャリッジ走査機構62の駆動モーター67と、電気的に接続されており、駆動モーター67を制御してキャリッジユニット22を移動させる。紫外線照射制御部74は、紫外線照射部95のUVLED96と、電気的に接続されており、UVLED96を制御して紫外線を射出させる。エンコーダー68は、吐出制御部72及びキャリッジ走査制御部73に、電気的に接続されており、キャリッジユニット22の位置情報を送信する。
キャリッジ走査制御部73は、データ処理部71から、画像データをキャリッジユニット22の位置に展開したキャリッジ走査データを取得する。キャリッジ走査制御部73は、また、エンコーダー68からキャリッジユニット22の位置情報を取得する。キャリッジ走査制御部73は、キャリッジ走査データ及びキャリッジユニット22の位置情報に基づいて、駆動モーター67を制御してキャリッジユニット22を走査させる。すなわち、液滴吐出ヘッド20(ヘッドユニット21)及びUVLED96(紫外線照射部95)を吐出走査方向であるY軸方向に走査させる。キャリッジ走査制御部73は、キャリッジ走査データ及びキャリッジユニット22の位置情報に基づいて、駆動モーター67を制御するための走査制御信号を生成し、当該走査制御信号によって、図示省略したモータードライバーを介して駆動モーター67を制御する。エンコーダー68は、走査させられたキャリッジユニット22の位置情報を、キャリッジ走査制御部73にフィードバックする。
キャリッジ走査制御部73は、紫外線照射制御部74にも、駆動モーター67を制御するための走査制御信号と同じ走査制御信号を、送信する。
キャリッジ走査制御部73が、相対走査制御手段に相当する。紫外線照射制御部74が、硬化光照射制御手段に相当する。
次に、液滴吐出ヘッド20の吐出ノズル24の配列と、それぞれの吐出ノズル24から吐出された液滴の着弾位置と、の関係について、図5を参照して説明する。図5は、吐出ノズルと、それぞれの吐出ノズルから吐出された液滴の着弾位置と、の関係を示す説明図である。図5(a)は、吐出ノズルの配置位置を示す説明図であり、図5(b)は、液滴をノズル列の延在方向に直線状に着弾させた状態を示す説明図であり、図5(c)は、液滴を吐出走査方向に直線状に着弾させた状態を示す説明図であり、図5(d)は、液滴を面状に着弾させた状態を示す説明図である。図5に示したX軸方向及びY軸方向は、ヘッドユニット21が液滴吐出装置1に取り付けられた状態において、図1に示したX軸方向又はY軸方向と一致している。Y軸方向が吐出走査方向であって、図5に示した矢印aの方向に吐出ノズル24(液滴吐出ヘッド20)を相対移動させながら、任意の位置において機能液の液滴を吐出することによって、Y軸方向の任意の位置に液滴を着弾させることができる。
次に、走査制御信号に基づいて、UVLED96を制御して紫外線を射出させる射出時間、及びUVLED96に射出させた紫外線が照射される紫外線照射範囲について、図6を参照して説明する。図6は、走査制御信号が発信されるタイミングと、紫外線を射出させる射出時間と、紫外線が照射される紫外線照射範囲と、を示す説明図である。図6(a)は、キャリッジユニットの走査速度の時間変化を示す説明図であり、図6(b)は、UVLEDを紫外線射出状態にさせる点灯時点、及び紫外線射出停止状態にさせる消灯時点を示すタイミング図であり、図6(c)は、液滴吐出装置における紫外線照射範囲の位置を示す説明図である。図6(c)に示したX軸方向、及びY軸方向は、キャリッジユニット22が液滴吐出装置1に取り付けられた状態において、図1に示したX軸方向、又はY軸方向と一致している。
図6(a)に示した時点T1は、駆動モーター67を起動させる走査制御信号である起動指令信号が、キャリッジ走査制御部73から駆動モーター67に送信された時点である。時点T3は、駆動モーター67を減速させる走査制御信号である減速指令信号が、キャリッジ走査制御部73から駆動モーター67に送信された時点である。時点T4は、駆動モーター67を停止させる走査制御信号である停止指令信号が、キャリッジ走査制御部73から駆動モーター67に送信された時点である。
起動指令信号が、相対移動開始信号に相当する。減速指令信号が、相対速度減速信号に相当する。停止指令信号が、移動停止信号に相当する。起動指令信号、減速指令信号、及び停止指令信号が、走査制御信号に相当する。
図6(c)に示すように、吐出走査において紫外線照射部95が走査させられて対向する範囲が、紫外線が照射される紫外線照射範囲となる。
次に、ヘッド対向領域及び照射部対向領域について、図7を参照して説明する。図7は、ヘッド対向領域(着弾対象領域)と、照射部対向領域(UV光照射領域)との位置関係を、キャリッジユニットと対比して示す説明図である。図7(a)は、キャリッジユニットをX軸方向に平行な方向から見た側面形状、及びキャリッジユニットと被描画媒体との位置関係を示す説明図であり、図7(b)は、被描画媒体上のヘッド対向領域と、照射部対向領域との位置関係を示す説明図であり、図7(c)は、1回の吐出走査における着弾対象領域の始端及び終端と、UV光照射領域の始端及び終端との位置関係を示す説明図である。図7に示したX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向は、キャリッジユニット22が液滴吐出装置1に取り付けられた状態において、図1に示したX軸方向、Y軸方向、又はZ軸方向と一致している。
図7(b)に示すように、被描画媒体100などにおけるヘッドユニット21が対向する領域をヘッド対向領域120と表記し、紫外線照射部95が対向する領域を、照射部対向領域190と表記する。
ヘッド対向領域120は、媒体載置台31に支持された被描画媒体100などにおける、ヘッドユニット21が備える9個の液滴吐出ヘッド20が対向する範囲を、長方形で表した領域である。ユニットノズル列240Aから吐出されて着弾した機能液は、X軸方向において、ヘッド対向領域120の幅の範囲に位置している。照射部対向領域190は、媒体載置台31に支持された被描画媒体100などにおける、紫外線照射部95によって同時に紫外線を照射可能な領域である。
矢印c1の後側の紫外線照射部95は、時点T1から時点T4の間に紫外線を射出して、照射領域始端291から照射領域終端292の間のUV光照射領域290に、紫外線を照射する。
時点T2で吐出を開始する場合、時点T2は、ヘッド対向領域120の走査方向の先端が、着弾領域始端221に一致する時点から、吐出ノズル24の最小吐出間隔(sec)の1/2が経過した時点である。時点T2において、ヘッド対向領域120と着弾対象領域220とが、最小着弾距離dの1/2だけ重なっている。時点T2において、吐出ノズル24から吐出を実施させることで、着弾領域始端221を形成する位置に機能液の液滴を着弾させる。
時点T1は、照射部対向領域190の走査方向の先端が、照射領域始端291に一致する時点である。時点T4は、照射部対向領域190の走査方向の後端が、照射領域終端292に一致する時点である。UV光照射領域290には、上記した時点においてUVLED96を点灯及び消灯させることで、着弾させられた機能液を適切な硬化率に硬化させることができる光量の紫外線が照射される。
なお、UV光照射領域290のY軸方向(吐出走査方向)の前後には、着弾させられた機能液を適切な硬化率に硬化させることができる光量には満たない光量の紫外線が照射される領域が存在する。
これにより、UV光照射領域290は、着弾対象領域220を含む範囲になっている。
次に、紫外線を照射する範囲が、上述したUV光照射領域290とは異なるUV光照射領域390となる、紫外線射出時間の例、及び紫外線照射範囲の例について、図8を参照して説明する。図8は、走査制御信号が発信されるタイミングと、紫外線を射出させる射出時間と、紫外線が照射される紫外線照射範囲と、を示す説明図である。図8(a)は、UVLEDを紫外線射出状態にさせる点灯時点、及び紫外線射出停止状態にさせる消灯時点を示すタイミング図であり、図8(b)は、液滴吐出装置における紫外線照射範囲の位置を示す説明図であり、図8(c)は、1回の吐出走査におけるUV光照射領域の始端及び終端と、媒体載置台との位置関係を示す説明図である。図8(b)及び図8(c)に示したX軸方向、及びY軸方向は、キャリッジユニット22が液滴吐出装置1に取り付けられた状態において、図1に示したX軸方向、又はY軸方向と一致している。
時点T5は、時点T1から点灯遅延時間t1が経過した時点である。時点T51は、時点T5から紫外線射出時間t11が経過した時点である。時点T1は、図6を参照して説明した、駆動モーター67を起動させる起動指令信号が、キャリッジ走査制御部73から送信された時点であり、駆動モーター67が始動させられる時点である。
二点鎖線で示した紫外線照射部95cは、時点T5における、紫外線照射部95の位置を示している。当該位置は、紫外線照射部95cに対応する照射部対向領域190の走査方向における先端が、媒体載置台31の、時点T5における紫外線照射部95の位置の側の端に略一致する位置である。紫外線照射部95は、紫外線照射部95aの位置から、走査距離L1だけ走査させられることによって、紫外線照射部95cの位置に到達する。上記した点灯遅延時間t1は、時点T1において走査を開始された紫外線照射部95が紫外線照射部95cの位置に到達するまでの時間に設定されている。点灯遅延時間t1が、射出遅延時間に相当する。
図8(b)に示すように、紫外線照射範囲L11は、媒体載置台31のY軸方向(吐出走査方向)の長さに略一致している。紫外線射出時間t11は、紫外線照射範囲L11が、媒体載置台31のY軸方向の長さに略一致する時間に設定されている。紫外線射出時間t11が、射出時間に相当する。
図8(c)では、照射領域始端391や、照射領域終端392や、媒体載置台31を明示するために、照射領域始端391や照射領域終端392と、媒体載置台31の端と、をずらして示してある。しかし、設計上では、一致させることが可能であり、任意の方向にずらすことも可能である。
次に、紫外線を照射する範囲が、上述したUV光照射領域290やUV光照射領域390とは異なるUV光照射領域490となる、紫外線射出時間の例、及び紫外線照射範囲の例について、図9を参照して説明する。図9は、走査制御信号が発信されるタイミングと、紫外線を射出させる射出時間と、紫外線が照射される紫外線照射範囲と、を示す説明図である。図9(a)は、UVLEDを紫外線射出状態にさせる点灯時点、及び紫外線射出停止状態にさせる消灯時点を示すタイミング図であり、図9(b)は、液滴吐出装置における紫外線照射範囲の位置を示す説明図であり、図9(c)は、1回の吐出走査におけるUV光照射領域の始端及び終端と、被描画媒体との位置関係を示す説明図である。図9(b)及び図9(c)に示したX軸方向、及びY軸方向は、キャリッジユニット22が液滴吐出装置1に取り付けられた状態において、図1に示したX軸方向、又はY軸方向と一致している。
時点T6は、時点T1から点灯遅延時間t2が経過した時点である。時点T61は、時点T6から紫外線射出時間t21が経過した時点である。時点T1は、図6を参照して説明した、駆動モーター67を起動させる起動指令信号が、キャリッジ走査制御部73から送信された時点であり、駆動モーター67が始動させられる時点である。
二点鎖線で示した紫外線照射部95eは、時点T6における、紫外線照射部95の位置を示している。当該位置は、紫外線照射部95eに対応する照射部対向領域190の走査方向における先端が、被描画媒体100の、時点T6における紫外線照射部95の位置の側の端に略一致する位置である。紫外線照射部95は、紫外線照射部95aの位置から、走査距離L2だけ走査させられることによって、紫外線照射部95eの位置に到達する。上記した点灯遅延時間t2は、時点T1において走査を開始された紫外線照射部95が紫外線照射部95eの位置に到達するまでの時間に設定されている。点灯遅延時間t2が、射出遅延時間に相当する。
図9(b)に示すように、紫外線照射範囲L21は、被描画媒体100のY軸方向(吐出走査方向)の長さに略一致している。紫外線射出時間t21は、紫外線照射範囲L21が、被描画媒体100のY軸方向の長さに略一致する時間に設定されている。紫外線射出時間t21が、射出時間に相当する。
図9(c)では、照射領域始端491や、照射領域終端492や、被描画媒体100を明示するために、照射領域始端491や照射領域終端492と、被描画媒体100の端と、をずらして示してある。しかし、設計上では、一致させることが可能であり、任意の方向にずらすことも可能である。
次に、紫外線を照射する範囲が、上述したUV光照射領域290、UV光照射領域390、及びUV光照射領域490とは異なるUV光照射領域590となる、紫外線射出時間の例、及び紫外線照射範囲の例について、図10を参照して説明する。図10は、走査制御信号が発信されるタイミングと、紫外線を射出させる射出時間と、紫外線が照射される紫外線照射範囲と、を示す説明図である。図10(a)は、UVLEDを紫外線射出状態にさせる点灯時点、及び紫外線射出停止状態にさせる消灯時点を示すタイミング図であり、図10(b)は、液滴吐出装置における紫外線照射範囲の位置を示す説明図であり、図10(c)は、1回の吐出走査におけるUV光照射領域の始端及び終端と、着弾対象領域との位置関係を示す説明図である。図10(b)及び図10(c)に示したX軸方向、及びY軸方向は、キャリッジユニット22が液滴吐出装置1に取り付けられた状態において、図1に示したX軸方向、又はY軸方向と一致している。
時点T7は、時点T1から点灯遅延時間t3が経過した時点である。時点T71は、時点T7から紫外線射出時間t31が経過した時点である。点灯遅延時間t3が、射出遅延時間に相当する。時点T1は、図6を参照して説明した、駆動モーター67を起動させる起動指令信号が、キャリッジ走査制御部73から送信された時点であり、駆動モーター67が始動させられる時点である。
二点鎖線で示した紫外線照射部95gは、時点T7における、紫外線照射部95の位置を示している。当該位置は、紫外線照射部95gに対応する照射部対向領域190の走査方向における先端が、着弾対象領域320の、時点T7における紫外線照射部95の位置の側の端に略一致する位置である。紫外線照射部95は、紫外線照射部95aの位置から、走査距離L3だけ走査させられることによって、紫外線照射部95gの位置に到達する。上記した点灯遅延時間t3は、時点T1において走査を開始された紫外線照射部95が紫外線照射部95gの位置に到達するまでの時間に設定されている。着弾対象領域320は、媒体載置台31に保持されている被描画媒体100における、ヘッドユニット21によって機能液の液滴が配置される領域である。着弾対象領域320は、例えば画像340のような画像が形成される領域である。
図10(b)に示すように、紫外線照射範囲L31は、着弾対象領域320のY軸方向(吐出走査方向)の長さに略一致している。紫外線射出時間t31は、紫外線照射範囲L31が、着弾対象領域320のY軸方向の長さに略一致する時間に設定されている。紫外線射出時間t31が、射出時間に相当する。着弾対象領域320が、描画領域に相当する。
図10(c)では、照射領域始端591や、照射領域終端592や、着弾対象領域320を明示するために、照射領域始端591や照射領域終端592と、着弾対象領域320の端と、をずらして示してある。しかし、設計上では、一致させることが可能であり、任意の方向にずらすことも可能である。
(1)紫外線照射制御部74は、キャリッジ走査制御部73から、駆動モーター67を制御するための走査制御信号を取得し、当該走査制御信号に従って、UVLED96を制御して紫外線を射出させる。
UVLED96は、吐出走査において液滴吐出ヘッド20から吐出されて被描画媒体上に着弾した機能液に紫外線を照射するために、紫外線を射出させられる。駆動モーター67が稼働させられるのは、吐出走査が実施される場合である。これにより、走査制御信号に従って、UVLED96を制御して紫外線を射出させることで、必要な場合に合わせて、適切に、UVLED96に紫外線を射出させることができる。また、紫外線を射出させることが不要な場合であるにもかかわらず、UVLED96に紫外線を射出させることを抑制することができる。
吐出走査における吐出は吐出ヘッドが一定速度で走査されている状態で実施される。相対移動の速度が減速させられている状態では吐出は実施されないため、硬化光の照射も不要である可能性が高い。しかし、相対速度減速信号が送信される直前まで吐出が実施されていた場合には、相対速度減速信号が送信された時点において、硬化光照射手段を射出停止状態にすることで、相対速度減速信号が送信される直前に吐出されて着弾した液状体に、硬化光が照射されない可能性がある。相対速度減速信号が送信された時点から所定の停止遅延時間が経過した時点まで射出状態を維持することで、硬化光を照射することが必要な部分に硬化光が照射されないことを抑制することができる。
しかし、射出時間は、他の設定基準によって設定してもよい。例えば、時点T1から時点T4にいたる時間のように、相対走査手段による相対移動距離に応じて設定してもよい。あるいは、前記実施形態において説明した、硬化光照射手段を射出状態にする時点のいずれかから、硬化光照射手段を射出停止状態にする時点のいずれかまでの時間を、射出状態を維持する射出時間に設定してもよい。射出時間の間だけ硬化光照射手段を射出状態にすることで、硬化光を照射することが不要な部分に硬化光が照射されることを抑制することができる。また、紫外線が照射される時間が、射出時間より長くなることを抑制することができる。
被描画媒体の形態も、吐出ヘッドを用いて描画可能であり、硬化光照射手段を用いて硬化光を照射可能であれば、どのような形態であってもよい。例えば、可撓性を有する長尺の媒体であって、リールに巻いて取り扱うような媒体であってもよい。この場合、描画装置は、例えば、長尺の媒体を供給用のリールから繰り出して、巻取り用のリールに巻き取り、供給用のリールと巻取り用のリールとの間で、吐出ヘッドや硬化光照射手段が臨む部分に描画する。長尺の媒体における吐出ヘッドや硬化光照射手段が臨む部分を、吐出ヘッドや硬化光照射手段が臨む位置に保持する装置が、媒体保持手段に相当する。
Claims (13)
- 光硬化型の液状体を配置して描画する対象物である被描画媒体を保持する媒体保持手段と、
前記媒体保持手段に保持された前記被描画媒体に向けて、前記液状体を吐出する吐出ヘッドと、
前記液状体の硬化を促進する硬化光を、前記媒体保持手段に保持された前記被描画媒体に向けて射出して、前記被描画媒体に前記硬化光を照射する硬化光照射手段と、
前記吐出ヘッドと、前記硬化光照射手段と、を保持するヘッド保持手段と、
前記被描画媒体と前記吐出ヘッドとを相対移動させるとともに、前記吐出ヘッドから前記液状体を吐出して前記被描画媒体に着弾させる吐出走査における、前記吐出ヘッドと前記被描画媒体との相対移動方向である吐出走査方向に、前記ヘッド保持手段と前記媒体保持手段とを相対移動させる相対走査手段と、
前記相対走査手段を制御する相対走査制御手段と、
前記硬化光照射手段を制御して前記硬化光を照射させる硬化光照射制御手段と、を備え、
前記硬化光照射制御手段は、前記相対走査制御手段が前記相対走査手段を制御するために発信する走査制御信号に基づいて、前記硬化光照射手段を制御して、前記硬化光照射手段を、前記硬化光を射出する射出状態、又は前記硬化光を射出しない射出停止状態にし、
前記硬化光照射制御手段は、前記相対走査制御手段から前記相対走査手段へ、前記ヘッド保持手段と前記媒体保持手段との、前記吐出走査方向への相対移動を開始させる相対移動開始信号が送信されたことによって、前記硬化光照射手段を、前記射出状態にすることを特徴とするインクジェット描画装置。 - 前記相対走査制御手段から前記相対走査手段へ、前記ヘッド保持手段と前記媒体保持手段との、前記吐出走査方向への相対移動を開始させる相対移動開始信号が送信された時点から所定の射出遅延時間が経過した時点において、前記硬化光照射制御手段は、前記硬化光照射手段を、前記射出状態にすることを特徴とする、請求項1に記載のインクジェット描画装置。
- 前記射出遅延時間は、前記相対移動方向における、前記媒体保持手段の位置に応じて、設定されていることを特徴とする、請求項2に記載のインクジェット描画装置。
- 前記射出遅延時間は、前記相対移動方向における、前記相対走査手段による相対移動距離に応じて、設定されていることを特徴とする、請求項2に記載のインクジェット描画装置。
- 前記射出遅延時間は、前記相対移動方向における、前記被描画媒体の位置に応じて、設定されていることを特徴とする、請求項2に記載のインクジェット描画装置。
- 前記射出遅延時間は、前記相対移動方向における、前記吐出ヘッドから吐出された前記液状体を着弾させる描画領域の位置に応じて、設定されていることを特徴とする、請求項2に記載のインクジェット描画装置。
- 前記硬化光照射制御手段は、前記相対走査制御手段から前記相対走査手段へ、前記ヘッド保持手段と前記媒体保持手段との、前記吐出走査方向への相対移動の速度を減速させる相対速度減速信号、又は前記相対移動を停止させる移動停止信号が送信されたことによって、前記硬化光照射手段を、前記射出停止状態にすることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のインクジェット描画装置。
- 前記硬化光照射制御手段は、前記相対走査制御手段から前記相対走査手段へ、前記相対速度減速信号が送信された時点から所定の停止遅延時間が経過した時点において、前記硬化光照射手段を、前記射出停止状態にすることを特徴とする、請求項7に記載のインクジェット描画装置。
- 前記射出状態を維持する射出時間は、前記相対移動方向における、前記媒体保持手段の大きさに応じて、設定されていることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のインクジェット描画装置。
- 前記射出状態を維持する射出時間は、前記相対移動方向における、前記相対走査手段による相対移動距離に応じて、設定されていることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のインクジェット描画装置。
- 前記射出状態を維持する射出時間は、前記相対移動方向における、前記被描画媒体の大きさに応じて、設定されていることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のインクジェット描画装置。
- 前記射出状態を維持する射出時間は、前記相対移動方向における、前記吐出ヘッドから吐出された前記液状体を着弾させる描画領域の大きさに応じて、設定されていることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のインクジェット描画装置。
- 前記硬化光照射制御手段は、前記硬化光照射手段を前記射出状態にした時点から所定の射出時間が経過した時点において、前記硬化光照射手段を、前記射出停止状態にすることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のインクジェット描画装置。
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