従来の連携関係は、ユーザが特定のゲームで獲得した遊戯価値を他のゲームでも通用させるといった単純な関係である。連携関係が設定された複数のゲームの一部をユーザが偏ってプレイしても、そのゲームのプレイに関してユーザには特段の不都合や不利な状況が生じることはなく、ユーザがプレイするゲームに偏りが生じるおそれがある。
そこで、本発明はユーザがプレイするゲームの偏りを緩和し、又は解消することが可能なゲームシステム等を提供することを目的とする。
本発明に係るゲームシステム(1)は、複数のゲーム(ゲームA〜G)の群からいずれかのゲームをユーザに選択的にプレイさせることが可能であり、かつ前記複数のゲームの群内で共通してユーザの利用に供されるべき複数のゲーム要素(曲1〜6)が用意されているゲームシステムであって、前記複数のゲームのそれぞれに関するユーザのプレイ状況に基づいて、該ユーザに前記複数のゲームの群内で共通して通用し、かつ価値の大小を定量的に特定することが可能な特典(例えばポイント)を前記ゲーム要素と対応付けて付与する特典付与手段(25、S11〜S18、S21)と、前記複数のゲーム要素のそれぞれのユーザによる利用を、前記ユーザに付与された前記特典の価値が所定量未満では当該特典と対応付けられたゲーム要素の利用が制限され、前記所定量以上に達した場合には前記利用の制限が解除されるように、該特典の価値に応じてゲーム要素毎に制御する利用制御手段(25、S31〜S37)と、を具備し、前記特典付与手段は、前記付与される特典の価値が前記複数のゲーム要素間で差別化されるように、かつ、前記ゲーム要素のそれぞれと各ゲーム要素に対応付けて付与される特典の価値の大小との対応関係が、前記複数のゲームの群内の少なくとも一部のゲーム(例えばゲームA〜E)間で異なるようにして前記特典を付与するものである。
本発明に係るゲームシステムの制御方法は、複数のゲーム(ゲームA〜G)の群からいずれかのゲームをユーザに選択的にプレイさせることが可能であり、かつ前記複数のゲームの群内で共通してユーザの利用に供されるべき複数のゲーム要素(曲1〜6)が用意されているゲームシステムの制御方法であって、前記複数のゲームのそれぞれに関するユーザのプレイ状況に基づいて、該ユーザに前記複数のゲームの群内で共通して通用し、かつ価値の大小を定量的に特定することが可能な特典(例えばポイント)を前記ゲーム要素と対応付けて付与する手順(S11〜S18、S21)と、前記複数のゲーム要素のそれぞれのユーザによる利用を、前記ユーザに付与された前記特典の価値が所定量未満では当該特典と対応付けられたゲーム要素の利用が制限され、前記所定量以上に達した場合には前記利用の制限が解除されるように、該特典の価値に応じてゲーム要素毎に制御する手順(S31〜S37)と、を具備し、前記付与する手順では、前記付与される特典の価値が前記複数のゲーム要素間で差別化されるように、かつ、前記ゲーム要素のそれぞれと各ゲーム要素に対応付けて付与される特典の価値の大小との対応関係が、前記複数のゲームの群内の少なくとも一部のゲーム(例えばゲームA〜E)間で異なるようにして前記特典を付与するものである。
本発明に係るゲームシステムのコンピュータプログラム(PG1)は、複数のゲーム(ゲームA〜G)の群からいずれかのゲームをユーザに選択的にプレイさせることが可能であり、かつ前記複数のゲームの群内で共通してユーザの利用に供されるべき複数のゲーム要素(曲1〜6)が用意されているゲームシステム(1)に含まれる少なくとも一つのコンピュータ装置(2)を、前記複数のゲームのそれぞれに関するユーザのプレイ状況に基づいて、該ユーザに前記複数のゲームの群内で共通して通用し、かつ価値の大小を定量的に特定することが可能な特典を前記ゲーム要素と対応付けて付与する特典付与手段(25、S11〜S18、S21)、及び前記複数のゲーム要素のそれぞれのユーザによる利用を、前記ユーザに付与された前記特典の価値が所定量未満では当該特典と対応付けられたゲーム要素の利用が制限され、前記所定量以上に達した場合には前記利用の制限が解除されるように、該特典の価値に応じてゲーム要素毎に制御する利用制御手段(25、S31〜S37)として機能させ、さらに、前記特典付与手段は、前記付与される特典の価値が前記複数のゲーム要素間で差別化されるように、かつ、前記ゲーム要素のそれぞれと各ゲーム要素に対応付けて付与される特典の価値の大小との対応関係が、前記複数のゲームの群内の少なくとも一部のゲーム(例えばゲームA〜E)間で異なるようにして前記特典を付与する、ように構成されたものである。
本発明によれば、複数のゲームのそれぞれに対するユーザのプレイ状況に応じてゲーム要素毎に特典が付与される。ユーザに付与された特典の価値が所定量に達すると、その特典に対応するゲーム要素の利用に関して制限が解除され、ユーザは、解除されたゲーム要素を複数のゲームのそれぞれで利用することができる。一つのゲームのプレイ状況に対応して付与される特典の価値は、ゲーム要素間で差別化されている。つまり、一のゲームのプレイ状況に応じて付与される特典の価値は、ゲーム要素間で一律ではなく、ゲーム要素で特典の価値に大小が生じる。そのため、同一ゲームを繰り返してプレイした場合には、特典の価値が早期に所定量まで増加して利用の制限が解除されるゲーム要素と、価値の増加が遅くて利用の制限が容易には解除されないゲーム要素とが生じる。つまり、一のゲームに着目した場合、そのゲームは特定のゲーム要素の利用制限の解除には有利である一方、他のゲーム要素の利用制限の解除には不利なゲームとなる。しかも、ゲーム要素のそれぞれと、ゲーム要素毎に付与される特典の価値の大小との対応関係は少なくとも一部のゲーム間で異なっている。言い換えれば、利用制限の解除に関する有利不利の関係がゲーム間で相違し、あるゲームでは利用制限の解除に不利なゲーム要素が、他のゲームでは有利なゲーム要素となるような関係がゲーム間に生じる。そのため、ユーザが特定のゲームに偏ってプレイを繰り返していると、一部のゲーム要素に関してはその利用制限が容易には解除されず、そのようなゲーム要素をより早く利用したい場合には、そのゲーム要素の利用制限の解除に有利な他のゲームをプレイする必要がある。このため、複数のゲームのそれぞれをプレイする動機付けをユーザに与え、ユーザがプレイするゲームの偏りを緩和し、又は解消することができる。なお、本発明に係るゲームシステムのコンピュータプログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。この記録媒体を用いれば、例えばコンピュータに上記コンピュータプログラムをインストールすることができる。ここで、上記コンピュータプログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
本発明の一形態において、前記特典付与手段は、前記複数のゲームの群内にて、前記複数のゲーム要素のそれぞれと対応付けて付与される特典の価値が相対的に高められた優遇ゲームを設定する優遇ゲーム設定手段(25、S51〜S53)をさらに備えてもよい。これによれば、より価値が高い特典の獲得を目的としてユーザを優遇ゲームへと誘引することができる。したがって、優遇ゲームを適切に設定することにより、ゲームの偏りの緩和又は解消効果をさらに高めることができる。
前記優遇ゲーム設定手段は、所定の変更条件が満たされた場合に、前記優遇ゲームを変更するものとしてもよい。この場合は、優遇ゲームを適宜に変更することにより、ユーザがプレイするゲームの偏りをより確実に緩和し又は解消することができる。
前記優遇ゲーム設定手段は、前記ユーザによる前記複数のゲームのそれぞれのプレイ状況に基づいて、プレイ回数又は頻度が相対的に低いゲームを優先して前記優遇ゲームに設定するものとしてもよい。これによれば、ユーザのプレイ回数やプレイ頻度の偏りを緩和し、解消するように優遇ゲームを設定することができる。
さらに、前記優遇ゲームの設定状況をユーザに告知する告知手段(26、S61〜S63)を備えてもよい。これによれば、優遇ゲームの設定状況をユーザに認識させ、優遇ゲームを設定する目的とより確実に達成することができる。
前記所定の変更条件は、前記複数のゲームに対するユーザのプレイ状況と関連付けて設定されてもよい。これによれば、優遇ゲームの設定状況の固定化を防止し、ユーザのプレイ状況に応じて優遇ゲームの設定状況を適切に、あるいは柔軟に変化させることができる。例えば、前記所定の変更条件は、前記複数のゲームのうち、特定のゲームをユーザがプレイした場合に満たされるように設定されてもよいし、前記優遇ゲームの設定が変更されない間のユーザによる前記ゲームのプレイ回数が所定回数に達した場合に満たされるように設定されてもよい。
前記特典付与手段は、所定の発生条件が満たされた場合、前記ユーザが前記複数のゲームの少なくとも一つをプレイしたときに当該ユーザに付与される特典の価値を相対的に増加させる特別状態を発生させる特別状態発生手段(25、S41〜S44)をさらに備えてもよい。これによれば、発生条件が満たされることにより、特典の獲得、ひいてはゲーム要素の利用制限の解除に有利な特別状態が発生し、さらなる特典の獲得を目的としてユーザにゲームをプレイするさらなる動機付けを与えることができる。
前記発生条件は、ユーザが特別のゲームをプレイした場合に満たされるように設定されてもよい。これによれば、特別のゲームをプレイする動機付けをユーザに与えることができる。さらに、前記特別のゲームが前記複数のゲームの群内に含まれているものとすれば、特別のゲームへのユーザの誘導を図ることにより、複数のゲームを満遍なくプレイするさらなる動機付けをユーザに与えることができる。
本発明の一形態において、前記特典付与手段は、前記ユーザに付与すべきゲーム要素毎の特典の基本的な価値をゲーム毎に記述した基本設定データ(D1)に従って、前記ユーザによるゲームのプレイに対応して当該ユーザに付与すべき特典の基本的な価値(図2のポイント基本量)を決定する基本的価値決定手段(25、S13)と、前記基本的な価値を前記ゲームに応じて修正するための修正値(図2の応援人数)をゲーム毎に記述した修正値データ(D2)に従って、前記ユーザによるゲームのプレイに対応して当該ユーザに付与すべき特典の修正値を決定する修正値決定手段(25、S14)と、前記基本的価値決定手段が決定した基本的な価値と、前記修正値決定手段が決定した修正値とに基づいて前記ユーザに付与される特典の価値を演算する特典演算手段(25、S17)と、を備えるものとしてもよい。これによれば、基本背定データに記述された基本的な価値を、修正値データに記述された修正値によって適宜に修正することにより、ゲーム要素のそれぞれと各ゲーム要素に対応付けて付与される特典の価値の大小との対応関係が、複数のゲームの群内の少なくとも一部のゲーム(例えばゲームA〜E)間で異なるようにしてユーザに特典を付与することができる。
前記特典の基本的な価値がゲーム要素間で差別化され、かつ、前記ゲーム要素のそれぞれと各ゲーム要素に対応付けられた前記特典の基本的な価値の大小との対応関係が前記複数のゲームの群内の少なくとも一部のゲーム間で異なるように、前記基本設定データが構成されてもよい。これによれば、基本的な価値をゲーム要素毎にかつゲーム毎に差別化して設定することにより、本発明による特典付与を実現することができる。
また、前記複数のゲームの群内にて、前記複数のゲーム要素のそれぞれと対応付けて付与される特典の価値が相対的に高く設定された優遇ゲームが設定されるように、前記修正値データにおける修正値が前記複数のゲームの群内の少なくとも一部のゲーム間で差別化されてもよい。これによれば、修正値データの修正値を適宜に設定することにより、基本的な価値の設定状態を操作することなく適宜のゲームを優遇ゲームとして設定することができる。
さらに、前記特典付与手段は、所定の変更条件が満たされた場合に、前記優遇ゲームが変更されるように、前記修正値データにおける前記修正値を変化させる優遇ゲーム設定手段(25、S51〜S53)をさらに備えてもよい。これによれば、修正値データの修正値を変更することにより、優遇ゲームの設定状態を変化させることができる。
また、前記優遇ゲーム設定手段は、前記ユーザによる前記複数のゲームのそれぞれのプレイ状況に基づいて、プレイ回数又は頻度が相対的に低いゲームが優先して前記優遇ゲームに設定されるように前記修正値を変化させてもよい。これによれば、修正値データに設定されている修正値をプレイ回数又は頻度に応じて修正することにより、プレイ回数や頻度が低いゲームを優先して優遇ゲームに設定することができる。
本発明において、ゲーム要素には、キャラクタ、アイテム、カード、その他、ゲームのプレイにおいてユーザが利用することが可能な各種の要素が含まれる。音楽ゲームにおける曲、競馬ゲームの競走馬や騎手、スポーツゲームの選手などもゲーム要素の一形態に含まれる。ユーザによるゲーム要素の利用は、ユーザがゲーム要素をゲーム上で選択すること、ユーザがゲーム要素を操作すること等、何らかの形でユーザがゲーム要素と関わることを広く意味する。例えば、カードゲームにおいて、ユーザが特定のカードを場に出す、デッキに加えるといった行為も利用の一形態である。あるいは、スポーツゲームにおいて、チームに加えるべきメンバーとして、ユーザが育成し、又は強化した選手を選択する行為も利用の一形態である。特典はその価値の大小をポイント数といった適当な単位あるいは尺度で定量的に特定することができるものであればよい。特典は複数のゲームの群内で共通して通用するものであればよい。ゲーム要素に関する利用の制限は、その利用を禁止する形態に限らず、何らかの観点から利用に制限が課される場合も含む。例えば、時間的制限、一部の機能の制限等も利用の制限の概念に含まれる。
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
以上に説明したように、本発明によれば、一のゲームのプレイ状況に応じて付与される特典の価値を、ゲーム要素間で差別化し、かつ、ゲーム要素のそれぞれと、ゲーム要素毎に付与される特典の価値の大小との対応関係を、少なくとも一部のゲーム間で異なるものとしたため、一のゲームでは利用制限の解除に不利なゲーム要素が、他のゲームでは有利なゲーム要素となるような関係をゲーム間に生じさせることができる。したがって、ユーザが一つのゲームに偏ってプレイを繰り返していると、一部のゲーム要素に関してはその利用制限が容易には解除されないという不利な状況が生じる。そのため、複数のゲームのそれぞれをプレイする動機付けをユーザに与え、ユーザがプレイするゲームの偏りを緩和し、又は解消することができる。
以下、本発明の一形態に係るゲームシステムを説明する。まず、図1を参照して、ゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、サーバ装置としてのセンターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワーク5を介して接続可能なクライアント装置としてのゲーム機3A、3B、3C…(参照符号3で代表することがある。)及びユーザ端末装置4とを含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
ゲーム機3は、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。この種のゲーム機3は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。ゲーム機3は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗6等の所定の施設に設置されるコンピュータ装置である。ゲーム機3のハードウエア構成やゲームの内容は適宜に選択されてよい。また、ゲーム機3は、特定のゲームに適合する物理的構成(例えば操作部等)を備えた専用機として構成されてもよいし、ソフトウエアの書き換えにより種々のゲームに対応可能な汎用機として構成されてもよい。ただし、図1のゲームシステム1において、ゲーム機3A、3B、3C…は、音楽に合わせた操作をユーザに案内し、その案内に対するユーザの操作を評価する音楽ゲームをプレイするための専用機として構成されている。
ユーザ端末装置4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。例えば、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ(以下、PCと表記する。)4a、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)のようなモバイル端末装置4bがユーザ端末装置4として利用される。その他にも、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がユーザ端末装置4として利用されてよい。ユーザ端末装置4は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。
ネットワーク5は、センターサーバ2に対してゲーム機3及びユーザ端末装置4をそれぞれ接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネット5Aと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれとインターネット5Aとを接続するLAN5B、5Cとがルータ5Dを介して接続されることにより構築される。ユーザ端末装置4も適宜の構成によりインターネット5Aに接続される。なお、ゲーム機3と店舗6のルータ5Dとの間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機3がセンターサーバ2と通信可能に接続されてもよい。センターサーバ2のサーバユニット2A、2B…はLAN5Cに代えて、又は加えてWAN5Aにより、相互に接続される場合もある。
ゲームシステム1において、ゲーム機3A、3B、3C…のそれぞれは、互いに異なるハードウエア構成を有している。例えば、ゲーム機3A、3B、3C…は、それらの外観構成、入力装置の構成等において互いに相違する。また、各ゲーム機3A、3B、3C…にてプレイされる音楽ゲームの内容も互いに相違する。以下では、ゲーム機3を、プレイされるゲームによって区別する概念として「機種」の用語を用いることがある。図1に示したゲーム機3A、3B、3Cは一例であり、実際にはさらに多くの機種が店舗6に設置されてよい。また、各店舗6に設置されるゲーム機3の機種や台数は適宜に変更されてよい。
ゲーム機3のそれぞれでプレイされる音楽ゲームには、ユーザの利用に供されるべきコンテンツとして多数の曲が用意される。この場合、「利用」とは、ユーザが曲を選択してゲームをプレイすることを意味する。ゲームで用意された多数の曲には、複数の機種間で共通して利用することが可能な複数の共通曲が含まれている。さらに、それらの共通曲には、ゲーム間における連携制御の対象となる複数の連携曲が含まれている。以下では、連携曲が利用可能な複数の機種を連携機種と呼び、それらの連携機種のそれぞれでプレイされる音楽ゲームを連携ゲームと呼ぶことがある。
また、各ゲーム機3においては、一部の曲のみが、ユーザがゲームを開始した当初から利用可能なデフォルト曲として設定され、デフォルト曲以外の曲はゲームを開始した当初(初期状態から開始した時点)の利用が禁止された制限曲として設定されている。制限曲の利用は、ユーザのプレイ状況に応じて徐々に解禁(解除)される。上述した連携曲の全ては制限曲として設定されている。ゲームシステム1では、それらの連携曲の利用の解禁に関して、複数の連携機種間、言い換えれば連携ゲーム間で連携関係が設定されている。以下、図2を参照してその連携の仕組みを説明する。なお、図2においては、ゲーム機3Aにて提供される音楽ゲームをゲームA、ゲーム機3Bにて提供される音楽ゲームをゲームB、ゲーム機3Cで提供される音楽ゲームをゲームCといったように、ゲーム機3の添え字を利用してゲームを区別している。また、図2では、連携ゲームの群としてゲームA〜Gの群が設定され、かつ連携曲として曲1〜曲6までの6曲が用意された例が示されているが、連携ゲームの数、及び連携曲の曲数はこれらの例に限るものではない。
まず、ゲームシステム1における連携制御の概要は、ユーザが連携ゲームのいずれかをプレイする毎に、ユーザに曲と対応付けてポイントが付与され、いずれかの連携曲に関してユーザが獲得したポイント数の累積値が所定の閾値に達すると、その連携曲の利用が解禁される、というものである。ポイントは、ゲーム要素としての曲と対応付けてユーザに付与される特典に相当し、ポイント数は特典の価値を定量的に示す値である。ポイント数が大きいほど特典の価値も大きい。また、ポイントは連携ゲーム間で共通に通用する。ユーザが連携ゲームのいずれかをプレイした場合に付与される曲毎のポイントは、原則として、図2に示す基本設定データD1と応援設定データD2とに基づいて決定される。
基本設定データD1は、ユーザに付与されるべきポイント数の基本量(特典の基本的な価値に相当する。以下、ポイント基本量と呼ぶことがある。)をゲーム及び曲にそれぞれ対応付けて記述したデータである。ポイント基本量は、大きいものから順に「特大」、「大」、「中」及び「小」の4段階に分けて設定されている。例えば、曲解禁の閾値が100ポイントとしたとき、「特大」は一回のプレイで10ポイント、「大」は一回のプレイで5ポイント、「中」は一回のプレイで3ポイント、「小」は一回のプレイで1ポイントといった如くである。また、一つのゲームに対応するポイント基本量は曲間で差別化されている。例えば、ゲームAに対して設定されたポイント基本量は、曲1に対して「特大」、曲3に対して「中」、曲2、4〜6に対して「小」が設定されている。さらに、曲1〜6のそれぞれと曲毎に設定されるポイント基本量の大小との対応関係は、ゲームに応じて異なっている。例えば、ゲームAに関してはポイント基本量が上記の通り設定されるのに対して、ゲームBに関しては、曲2に対して「特大」が、曲6に対して「大」が、曲5に対して「中」が、曲1、3及び4に対して「小」がそれぞれ設定されている。なお、ゲームF及びGは、ゲームA〜Eとは異なる特別なゲームとして位置付けられており、それらのゲームF、Gに対するポイント基本量は曲を問わず全て「小」に設定されている。これらのゲームF、Gは、連携曲1〜6を利用可能である点、及びユーザのプレイと引き換えにポイントが付与される点においてゲームA〜Eと同様に連携ゲームとして位置付けられるが、ポイント付与に関してはゲームA〜Eとは異なる機能を果す点でゲームA〜Eとは区別される。以下では、ゲームA〜Eをポイント獲得ゲーム、ゲームF及びGをポイントアップゲームと呼んで区別することがある。ポイントアップゲームがプレイされた場合のポイント付与については後述する。
応援設定データD2は、ポイント獲得ゲームとしてのゲームA〜Eの中で、ユーザが獲得するポイント量が相対的に大きい、換言すれば、ユーザに付与される特典の価値が相対的に高い優遇ゲームを設定するためのデータである。応援設定データD2は、ゲームA〜E間で「応援人数」が差別化して設定されたデータとして構成されている。連携ゲームのプレイを開始する際に、ユーザには所定の初期人数の「仲間」が割り当てられる。「仲間」は、ポイントの獲得に関してユーザを「応援」する仮想的な存在である。所定の仲間獲得条件が満たされる毎に「仲間」の人数は所定数(一例として1名)ずつ増加する。応援設定データD2では、ユーザに割り当てられた仲間の人数がゲームA〜E間に適宜に分配される。
一方、ユーザがゲームA〜Eのいずれかをプレイした場合、そのユーザが獲得するポイント数は、ポイント基本量に応援人数を掛け合わせて演算される。例えば、ユーザがゲームBをプレイした場合、そのゲームBには応援人数として5人が設定されているので、ゲームBに割り当てられた曲毎のポイント基本量を5倍したポイントがユーザに付与される。応援人数が0人のゲームはユーザにポイントが付与されず、応援人数が1人の場合はポイント基本量通りのポイントがユーザに付与される。図2の例では、ゲームA、D、Eとの比較において、ゲームB、Cが、相対的に多くのポイントを獲得できる優遇ゲームとして設定されている。
応援設定データD2における応援人数の配分は、所定の変更条件が満たされる毎に変更される。図2の例では、変更前の設定データD2ではゲームA、B、CがゲームD、Eに対する優遇ゲームとして設定されていたところ、変更条件の成立を受けて現在の設定状態へと応援人数の配分が変更されている。変更条件は、ユーザによるゲームのプレイ状況に関連付けて設定されている。例えばユーザによる連携ゲームのプレイ状況に関連付けて設定することができる。例えば、変更条件は、ユーザが連携ゲームのいずれかに設定された特定ゲームをプレイした場合、あるいはユーザが連携ゲームを所定回数プレイする毎に、つまり応援設定データD2が変更されない状態におけるユーザのプレイ回数が所定回数に達した場合に満たされるよう設定されてもよい。さらに、変更条件は、ユーザの前回のプレイから所定の時間が経過する毎に満たされるように設定されてもよいし、特定の日時や曜日が到来する毎に満たされるように設定されてもよい。その他にも変更条件は適宜の設定が可能である。
また、ゲーム間における応援人数の配分は、種々の手法により決定することができる。例えば、ゲーム毎の応援人数はランダムに設定されてもよい。ユーザがプレイするゲームの偏りを解消するためには、ユーザのプレイ回数やプレイ頻度が低いゲームが優先して優遇ゲームに選ばれるように応援人数の配分が決定されてもよい。この場合、プレイ回数や頻度が低いゲームに対してより多くの仲間が恣意的に割り当てられてもよいし、プレイ回数やプレイ頻度が低いゲームがより高い確率で優遇ゲームとして選択されるように応援人数の配分の抽選確率が差別化されてもよい。優遇ゲームは、個々のユーザ毎にプレイ回数やプレイ頻度を参照して決定されてもよいし、適当な人数のユーザ群を単位として、それらのユーザ群において、プレイ回数やプレイ頻度が相対的に低いゲームが優遇ゲームとして優先して選択されるように応援人数の配分が決定されてもよい。あるいは、ユーザがプレイする回数や頻度が高い店舗やその近隣に位置する店舗にて稼動している機種のゲームが優遇ゲームとして選択されるように応援人数の配分が決定されてもよい。
以上のように、ゲームシステム1では、一つのゲームに関してポイント基本量が曲毎に差別化され、かつ、曲とポイント基本量との対応関係がゲーム間で相違するように基本設定データD1が構成され、かつ、応援設定データD2にて設定される応援人数に応じて、ゲームA〜Eのそれぞれをプレイした場合に付与されるポイント数が基本設定データD1における基本量に対してゲーム毎に増減される。したがって、ユーザがゲームA〜Eのいずれかをプレイした場合に付与されるポイント数が曲毎に差別化され、かつ、ユーザがゲームA〜Eのいずれをプレイしたかに応じて、曲1〜6のそれぞれとユーザに付与されるポイント数の大小との対応関係が相違する。したがって、ユーザが一部のゲームに偏ってプレイを繰り返すと、ポイントが早く貯まる曲と、ポイントが少しずつしか貯まらない曲とが生じる。例えば、ゲームAを偏ってプレイしていると、曲1のポイントは早く貯まるものの、曲2、4〜6についてはポイントがなかなか貯まらない。曲2のポイントに関しては、ゲームB、あるいはゲームCをプレイすることが効率的である。したがって、曲1〜6のそれぞれのポイントを効率よく貯めてそれらの曲1〜6をより早く解禁するためには、ユーザがゲームA〜Eを適度にプレイする必要がある。
また、ユーザのプレイ状況等に応じてゲームA〜Eの中から優遇ゲームが選択され、その優遇ゲームをプレイすれば、ユーザは、曲1〜6に関して通常よりも大量のポイントを獲得することができる。したがって、その優遇ゲームをゲームA〜Eの間で適宜に変更することにより、ゲームA〜Eにユーザを適宜に誘導してプレイさせることができる。
ユーザが連携ゲームをプレイすることにより獲得したポイントは、ユーザ毎の獲得ポイントデータD3に逐次加算される。応援設定データD2にて設定されたゲーム毎の応援人数、及び獲得ポイントデータD3に記録された曲毎のポイント数の累積値は、ゲーム機3又はユーザ端末装置4に応援確認画面100及びポイント確認画面101を通じてユーザに告知される。これらの画面100、101を通じてユーザにポイントの獲得状況と仲間の応援状況とを認識させ、解禁を希望する曲のポイント獲得に有利と思われるゲームを選んでプレイする目安をユーザに与えることができる。なお、応援確認画面100は、ゲーム機種のイラスト毎に応援人数分の仲間を表示した例を示しているが、これに限らない。また、ポイント確認画面101も曲1〜6のそれぞれの獲得ポイントを棒グラフで示しているが、これに限らない。
なお、ポイントアップゲームとしてのゲームF及びGは、応援設定データD2における応援人数の設定対象に含まれない。それらのゲームF又はGをプレイした場合のポイントは、例外として、ポイント基本量が曲1〜6に対して付与される。これらのゲームF及びGは、ポイント獲得ゲームA〜Eの少なくとも一つをユーザがプレイした場合に付与されるポイントを相対的に増加させるチャージ状態(特別状態)を発生させるための特別のゲームである。この場合、ゲームF又はゲームGのプレイがチャージ状態を発生させるための発生条件である。ゲームFがプレイされた場合には、ポイント獲得ゲームA〜Eの中からいずれか一つのゲームがチャージ状態とすべきゲームとして抽選される。一方、ゲームGがプレイされた場合には、ポイント獲得ゲームA〜Eの全てがチャージ状態に設定される。チャージ状態となったゲームのユーザがプレイした場合、上述したポイント基本量と応援人数とから得られる獲得ポイント数に対して、さらにボーナスとしてのポイントが加算される。ただし、ゲームFのプレイに対応してチャージ状態となったゲームに関してはボーナスのポイントが大きく設定され、ゲームGのプレイに対応してチャージ状態となったゲームに関してはボーナスのポイントが小さく設定される。
次に、図3を参照して、連携制御に関連したゲームシステム1の制御系の要部の構成を説明する。まず、センターサーバ2には、ゲームサーバ部21、Webサーバ部22及び記憶手段としての記憶部23が設けられる。サーバ部21、22は、センターサーバ2のコンピュータハードウエア(CPU及びその動作に必要な内部記憶装置としてのメモリを含む。)とソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置である。記憶部23は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部23は、一の記憶ユニット上に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部23には、センターサーバ2のコンピュータハードウエア資源をゲームサーバ部21及びWebサーバ部22としてそれぞれ機能させるためのソフトウエアとしてのゲームプログラム(コンピュータプログラム)PG1が記録される。なお、プログラムPG1は、ゲームサーバ部21及びWebサーバ部22のそれぞれに対応して区分して構成されるが、ここでは全体として一つのプログラムPG1を観念して図示している。
また、記憶部23には各種のデータが記録されるが、図3では、上述した基本設定dデータD1及びユーザデータUDが図示されている。ユーザデータUDは、ユーザ毎に作成され、ユーザの識別情報と対応付けて記憶部23に記録される。ただし、図3では一のユーザ識別情報に対応付けられたユーザデータUDのみを示す。ユーザデータUDは、連携用データLD及びゲーム毎のプレイデータPDを含む。連携用データLDは、上述した応援設定データD2及び獲得ポイントデータD3の他に、ポイントアップデータによってチャージ状態とされたゲームを判別するためのチャージデータD4を含む。チャージデータD4は、ポイント獲得ゲームA〜Eと1対1に対応付けられたチャージフラグの集合である。なお、応援設定データD2には、曲毎の応援人数の他に、ユーザが獲得した仲間の合計人数も記録される。
一方、プレイデータPDは、ユーザが各種のゲームを前回の続きからプレイするためにゲームの機種毎に作成されるデータである。プレイデータPDは、ユーザによるゲームのプレイ履歴(プレイ日時、プレイ回数など)とゲームにて用意された多数の制限曲のそれぞれの利用が解禁されているか否かを判別するための曲毎の曲解禁フラグとを含む。上述した連携曲に対応する曲解禁フラグもゲーム毎のプレイデータPDに記録されている。連携ゲームのそれぞれのプレイデータPDには、連携曲の曲解禁フラグが等しく記録されている。その他にも、ユーザの到達レベルや最高スコアといった各種の情報がプレイデータPDに含まれるが、それらの図示は省略した。
ゲームサーバ部21は、ゲーム機3に対して所定のゲームサービスを提供する。ゲームサービスとしては、例えば、ゲーム機3からユーザの認証情報(一例としてユーザの識別情報及びパスワード)を受け取ってユーザを認証し、そのユーザのプレイデータPDをゲーム機3から受け取ってそのゲーム機3の機種及びユーザの識別情報と対応付けて記憶部23に保存し、あるいは、認証されたユーザのゲーム機3に対して、そのゲーム機3の機種及びユーザの識別情報に対応するプレイデータPDを記憶部23から取得してゲーム機3に提供するサービスがある。さらに、ゲームサーバ部21は、ゲーム機3のソフトウエア(ゲーム機3用のゲームプログラムPG2及び各種のデータ)をネットワーク5を介して更新するサービス等も提供する。ゲームサーバ部21には、論理的装置としてのプレイデータ管理部24及び連携管理部25がさらに設けられる。プレイデータ管理部24は、ゲーム機3からの求めに応じてプレイデータPDを記憶部23に保存し、プレイデータPDをゲーム機3に提供する。連携管理部25は、上述した応援人数の設定、連携ゲームのプレイに対応したポイントの付与といった連携制御に関連した処理を担当する。連携管理部25の処理は後に詳しく説明する。
Webサーバ部22は、ユーザ端末装置4に対して各種のWebサービスを提供する。一例として、Webサーバ部22は、ユーザ端末装置4からユーザの認証情報(一例としてユーザ毎にユニークな識別情報及びパスワード)を受け取ってユーザを認証し、その認証されたユーザの要求に応答して、当該ユーザのプレイデータPD、応援設定データD2、あるいはポイント獲得データD3をユーザ端末装置4に閲覧用データとして提供する。それらの閲覧サービスを提供するための論理的装置として、Webサーバ部22には閲覧管理部26が設けられている。なお、Webサーバ部22には、ユーザ端末装置4を利用した情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービスを提供する機能等が適宜に実装されてもよい。それらの説明は省略する。
また、センターサーバ2には、ゲーム機3及びユーザ端末装置4のそれぞれのユーザに対して、ゲーム上の有償サービスを提供する対価としての料金を課金してユーザからその料金を徴収する課金サービス機能も実装されている。決済の具体的手法としては、クレジットカード、デビットカード、あるいは電子通貨といった、電子データのやり取りを利用して代金を支払うことが可能な電子決済を利用して、ユーザからサービスの対価を課金し、その対価に見合った代金を徴収するものであればよい。電子決済は公知のものでよく、それを実現するための具体的構成や手順は説明を省略する。
次に、ゲーム機3には、ゲーム制御部31と記憶手段としての記憶部32とが設けられる。ゲーム制御部31は、ゲーム機3のハードウエア(CPU及びその内部記憶装置としてのメモリを含む。)とソフトウエアとしてのゲームプログラム(コンピュータプログラム)PG2との組み合わせによって実現される論理的装置である。ゲーム制御部31は、ゲームの進行に必要な各種の演算制御を実行するとともに、センターサーバ2のゲームサーバ部21が提供するゲームサービスを享受するために必要な各種の処理を実行する。
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、上述したゲームプログラムPG2とともに、各種のデータが記録されるが、図3ではセンターサーバ2から提供されたプレイデータPDが示されている。なお、ゲーム機3には、ユーザの操作に対応した信号を出力する入力装置、ユーザにゲーム画面等を提示するための表示装置及びユーザに対応したプレイデータPDを識別するための識別情報をユーザの媒体(例えば磁気カードやICチップ)から読み取るカードリーダといった各種の入出力装置が設けられるが、それらの図示は省略した。
ユーザ端末装置4には、そのコンピュータハードウエア(CPU及びその内部記憶装置としてのメモリを含む。)とソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置として、Webサービス処理部41が設けられている。Webサービス処理部41は、センターサーバ2のWebサーバ部22が提供する各Webサービスを享受するために必要な処理を実行する。例えば、PCや携帯端末のプラットフォーム上で動作するWebブラウザ等のアプリケーションを利用してWebサービス処理部41が構成される。なお、ユーザ端末装置4にも適宜のデータを記憶するための外部記憶装置が設けられるが、その図示は省略した。
次に、図4〜図8を参照して、図2の連携制御を実現するためにゲームシステム1にて行われる各種の処理を説明する。なお、図4〜図8の処理は、いずれもユーザがセンターサーバ2に対して認証された後の処理である。図4は、ユーザが連携ゲームとしてのゲームA〜Gのいずれかをプレイした場合に連携管理部25が実行するポイント加算処理を示している。なお、ユーザが連携ゲームA〜Gのいずれかをプレイしたか否かは、ゲーム機3から送信されるユーザのプレイ状況に関連した情報を参照して判別すればよい。例えば、ゲーム機3のゲーム制御部31は、ユーザが所定範囲でゲームをプレイすると、その時点の最新のプレイデータPDをセンターサーバ2に送信し、センターサーバ2はそのプレイデータPDをユーザ及びゲーム機種と対応付けて記憶部23に保存されているプレイデータPDと置き換えるようにしてプレイデータPDを更新する。したがって、連携管理部25は、ゲームA〜Gのいずれかに対応した機種のゲーム機3からプレイデータPDの更新が要求された場合、一回のゲームがプレイされたと判断して図4のポイント加算処理を実行することができる。ここでいう所定範囲とは、一回のゲームをプレイする単価として設定されたプレイ料金に見合った範囲とすることができる。
連携管理部25は、図4のポイント加算処理を開始すると、まずユーザがプレイしたゲームの種類、言い換えればゲーム機3の機種を判別する(ステップS11)。次に、連携管理部25は、ユーザがプレイしたゲームが特別のゲーム、つまり、図2においてポイントアップゲームとして区別されたゲームF又はゲームGであるか否かを判別する(ステップS12)。特別のゲームではない場合、連携管理部25は、基本設定データD1を参照して、ユーザがプレイしたゲームに関する曲毎のポイント基本量を決定する(ステップS13)。例えば、図2の状態でゲームBがプレイされた場合には、基本設定データD1にてゲームBに対応付けて設定されている曲1〜曲6の設定値がポイント基本量として決定される。続いて、連携管理部25は、ユーザのユーザデータUDに保持されている応援設定データD2を参照して、ユーザがプレイしたゲームに対応する応援人数を決定する(ステップS14)。図2の例においてゲームBがプレイされた場合には応援設定データD2から応援人数として5人が決定される。
次に、連携管理部25は、ユーザデータUDに保持されているチャージデータD4を参照して、ステップS11で判別したゲームの対応するチャージフラグに、チャージ状態を示す値“1”が設定されているか否かを判別する(ステップS15)。チャージフラグの設定については後述する。チャージフラグが設定されている場合、連携管理部25はチャージ状態に対応して加算されるべきボーナスポイントを設定する(ステップS16)。その後、連携管理部25はユーザに付与すべき曲毎のポイント(獲得ポイント)を演算する(ステップS17)。獲得ポイントは連携曲1〜6のそれぞれに対して個別に演算される。1つの連携曲に対する獲得ポイントは、その曲に対応するポイント基本量に応援人数を掛け合わせた値として求められる。ただし、ステップS16でボーナスポイントが設定されている場合には、そのボーナスポイントがさらに加算される。ステップS15でチャージ状態ではないと判断された場合にはステップS16がスキップされてステップS17に処理が進められるため、ボーナスポイントの加算はない。
獲得ポイントの演算後、連携管理部25はステップS18に進み、ユーザデータUDに保持されている獲得ポイントデータD3を、ステップS17で演算されたポイント数が加算されるように更新する。その後、連携管理部25は全ての連携曲に対応するチャージフラグの値を“0”にリセットする(ステップS19)。つまり、ポイント獲得ゲームであるゲームA〜Eのいずれかが1回プレイされるとチャージ状態は解消する。
ステップS19の処理後、連携管理部25は図5の解禁制御処理をトリガし(ステップS20)、その後、図4の処理を終える。一方、ステップS12で特別のゲームがプレイされたと判断された場合、連携管理部25はステップS21に進み、ゲームF又はゲームGに対して連携曲1〜6のそれぞれに設定されているポイント基本量(ここでは、「小」に対応する量)を獲得ポイントデータD3に加算し、その後、ステップS22にて図6のチャージ設定処理をトリガしてステップS20に進む。
図5は、図4のステップS20のトリガによって連携管理部25が開始する解禁制御処理を示している。連携管理部25は、図5の処理を開始すると、まずユーザデータUDに保持されているプレイデータPDのうち、ユーザがプレイした連携ゲームに対応するプレイデータPDを参照して、曲解禁フラグに未解禁を示す値“0”がセットされている連携曲が存在するか否かを判別する(ステップS31)。未解禁の連携曲が存在する場合、連携管理部25はステップS32に進み、未解禁の連携曲の一つを処理対象として選択する。次に、連携管理部25は、ユーザの獲得ポイントデータD3を参照して、処理対象の連携曲に対応するポイント数を判別し(ステップS33)、続いてそのポイント数が解禁ポイントとして設定された所定の閾値以上か否かを判別する(ステップS34)。閾値以上であれば、連携管理部25は処理対象の連携曲に関する曲解禁フラグに解禁を示す値“1”をセットする(ステップS35)。この処理は、連携ゲームの全てに対応するプレイデータPDに対して行われる。これにより、連携ゲーム間において連携曲の利用の禁止又は解禁が整合的に設定される。
ステップS25の処理後、連携管理部25は、ユーザの応援設定データD2に記録されている応援合計人数、つまり仲間の人数に1を加算する(ステップS36)。これにより、連携曲が解禁される毎に仲間の人数が1人ずつ加算される。その後、連携管理部25はステップS37に進み、ステップS31で判別した全ての未解禁の連携曲を、ステップS32以下の処理対象として選択したか否かを判別する。未選択の連携曲があれば、連携管理部25はステップS32の処理へ戻り、まだ選択されていない未解禁の連携曲を選択する。ステップS37で全ての未解禁曲を選択したと判断された場合、連携管理部25は図5の処理を終える。なお、ステップS31で未解禁の連携曲がないと判断された場合には、ステップS32以下の処理が全てスキップされる。
図6は、図4のステップS22のトリガによって連携管理部25が開始するチャージ設定処理を示している。連携管理部25は、図6の処理を開始すると、まずユーザがプレイしたゲームが、ゲームFか否かを判別する(ステップS41)。ゲームFの場合、連携管理部25はステップS42に進み、チャージ状態を発生させるべき対象(チャージ対象)となる一のゲームをポイント獲得ゲームA〜Eから抽選で選び出す。この場合の抽選確率は、ゲームA〜E間で確率が等しく設定されてもよい。あるいは、ゲームA〜Eのそれぞれに対応するユーザのプレイデータPDのプレイ履歴を参照して、プレイ回数又は頻度が相対的に低いゲームが相対的に高い確率で選ばれるように抽選確率が差別化されてもよい。その後、連携管理部25はチャージ対象として選ばれたゲームに対応するチャージフラグにチャージ状態を示す値“1”がセットされるようにユーザのチャージデータD4を更新する(ステップS43)。一方、ステップS41が否定判断された場合には、ユーザが特別のゲームとしてのゲームGをプレイしたことになるため、連携管理部25はステップS44に進み、ポイント獲得ゲームA〜Eのそれぞれに対応するチャージフラグにチャージ状態を示す値“1”がセットされるようにユーザのチャージデータD4を更新する。ステップS43又はS44にてチャージフラグをセットすると、連携管理部25は図6の処理を終える。
図7は、連携管理部25がユーザの応援設定データD2における応援人数の配分を変更するために実行する応援設定処理を示している。図7の処理は、応援人数の配分に関する変更条件の内容に応じて適宜のタイミングで実行することができる。例えば、連携ゲームに関するユーザのプレイ状況に関連付けて変更条件が設定される場合には、図4の処理の実行をトリガとして図7の処理が開始されてもよい。あるいは、一定の時間的周期で図7の処理が繰り返されてもよい。
図7の処理が開始されると、連携管理部25はまず応援設定データD2に関する変更条件が満たされているか否かを判別する(ステップS51)。ユーザがポイント獲得ゲームA〜Eを所定回数プレイする毎に応援設定データD2を更新する場合には、ポイント獲得ゲームA〜Eに関するユーザのプレイ履歴を参照してプレイ回数を判別すればよい。変更条件が満たされている場合、連携管理部25は応援設定データD2に記述されたゲーム毎の応援人数の配分を所定の手法により決定する。その決定手法は、上述したように、ランダムな抽選であってもよいし、ポイント獲得ゲームA〜Eのうち、ユーザがプレイした回数又は頻度が相対的に低いゲームが優先して優遇ゲームに選ばれるような手法であってもよい。応援人数の配分を決定した後、連携管理部25はステップS52の決定内容に従って応援設定データD2を更新し(ステップS53)、その後、図7の処理を終える。
図8は、Webサーバ部22の閲覧管理部26が実行する閲覧処理を示している。ユーザ端末装置4のWebサービス処理部41からWebサーバ部22に対して閲覧要求が送信された場合、閲覧管理部26は図8の処理を開始し、まずユーザ端末装置4の認証されたユーザに対応するユーザデータUDから応援設定データD2及び獲得ポイントデータD3を閲覧対象データとして取得する(ステップS61)。続いて、閲覧管理部26は、ステップS62で取得したデータD2、D3に基づいて、応援確認画面100及びポイント確認画面101をユーザ端末装置4上に表示させるために必要な閲覧情報を生成する(ステップS62)。ここでは、ユーザ端末装置4のWebブラウザにて画面100、101を表示するために必要な情報が生成される。その後、閲覧管理部26は、生成された閲覧情報をユーザ端末装置4に送信し(ステップS63)、その後、図8の処理を終える。送信された閲覧情報がユーザ端末装置4のWebサービス処理部41にて処理されることにより、ユーザは自己のポイント獲得状況と、現在の連携曲毎の応援人数とを把握し、それらの情報を目安として、ポイントが相対的に不足している曲を確認し、あるいはポイント獲得に有利な機種について見当を付けることができる。
以上の形態においては、連携ゲームとしてのゲームA〜Gの群が本発明における複数のゲームの群に相当し、連携曲1〜6がそれらのゲーム群内で共通して通用するゲーム要素に相当する。また、ゲームF及びGが特別のゲームに相当する。さらに、基本設定データD1に記述されたポイント基本量が本発明における特典の基本的な価値に相当し、応援設定データD2に記述された応援人数が本発明における修正値に相当する。ゲームサーバ部21の連携管理部25は、図4のステップS11〜S18及びS21を実行することにより本発明の特典付与手段として機能し、図5のステップS31〜S37を実行することにより本発明の利用制御手段として機能する。また、連携管理部25は、図7のステップS51〜S53を実行することにより、本発明の優遇ゲーム設定手段として機能し、かつ図6のステップS41〜S44を実行することにより、本発明の特別状態発生手段として機能する。さらに、Webサーバ部22の閲覧管理部26は、図8のステップS61〜S63を実行することにより、本発明の告知手段として機能する。さらに、連携管理部25は、図4のステップS13を実行することにより、本発明の基本価値決定手段として機能し、図4のステップS14を実行することにより本発明の修正値決定手段として機能し、図4のステップS17を実行することにより本発明の特典演算手段として機能する。
本発明は上述した形態に限定されず、種々の変形又は変更を施した形態にて実施することができる。例えば、連携対象のゲームの数、ゲーム要素の数は適宜に変更可能である。獲得ポイントの演算は、ポイント基本量に対して応援人数を掛け合わせる手法に限らない。例えば、ポイント基本量に、応援人数に応じた量の応援ポイントを加算して獲得ポイントが演算されてもよい。この場合には、応援人数が0人に設定されているゲームをプレイした場合でもポイント基本量がユーザに付与されることになる。いずれにせよ、獲得ポイントの大小が連携曲間で差別化され、かつ、連携曲のそれぞれと、曲毎に付与されるポイント数の大小との対応関係が、少なくとも一部の連携ゲーム間で異なっていれば、ユーザに付与するポイント数は様々な手法で求められてよい。特典は、ポイントとして付与される例に限らず、その価値を定量的に特定することができる限り、様々な形態で付与されてよい。
上記の形態では、ゲームがプレイされる毎に、図4のポイント加算処理や図5の解禁制御処理が実行されるものとしたが、それらの処理は、ユーザが所定回数ゲームをプレイする毎に、あるいは所定期間毎に、バッチ処理として実行されてもよい。また、図4〜図7の処理は、サーバ装置に代えて、ゲーム機にて実行されてもよい。例えば、ユーザがゲームをプレイする際に、そのユーザのゲーム機3に基本設定データD1、応援設定データD2、獲得ポイントデータD3及びゲーム機種に対応したプレイデータPDを送信し、それらのデータを参照してゲーム機3のゲーム制御部31が図4〜図7の処理を適宜に実行するものとしてもよい。ただし、ゲーム機3の機種以外の連携機種に関するプレイデータPDがゲーム機3に提供されていない場合には、ゲーム機3による曲解禁フラグの設定状態を参照して、サーバ側で他の連携機種のプレイデータPDの曲解禁フラグを更新することが必要である。ただし、連携曲の曲解禁フラグを連携データLDの一部に含めるものとし、連携ゲームのそれぞれにおける連携曲の利用の可否をその連携データLDにおける曲解禁フラグに基づいて判別する場合には、連携データLDをゲーム機3に提供すれば、サーバ側での曲解禁フラグの操作は不要である。つまり、本発明における特典付与手段、利用制御手段、優遇ゲーム設定手段、特別状態発生手段、基本価値決定手段、修正値決定手段及び特典演算手段のそれぞれは、サーバ装置又はゲーム機のいずれかにより単独で実現してもよいし、サーバ装置及びゲーム機の協働により実現するものとしてもよい。さらに、応援状態の設定をゲーム機3にて告知する場合には、ゲーム機3のゲーム制御部31を告知手段として機能させることもできる。
上記の形態では、ゲームF及びGが特別状態の発生条件を満たすための特別のゲームとして設定され、かつそれらのゲームF及びGも、ゲーム要素群が共通して通用する複数のゲームの群に含まれるものとしたが、特別なゲームは、複数のゲームとは異なるゲームとして用意されてもよい。つまり、連携曲のような複数のゲーム要素が通用する範囲外のゲームが特別のゲームとして設定されてもよい。さらに、特別状態の発生条件は、必ずしも特別のゲームのプレイと関連付けて設定されることを要しない。例えば、ゲームのプレイ料金を仮想通貨で支払ったことを条件として特別状態を発生させ、あるいは、新作機種をプレイしたら特別状態が発生し、特定の店舗6に来店した場合に特別状態が発生するといった設定も可能である。また、上記の形態では、特別のゲームとしてのゲームF又はGをプレイした場合でも連携曲毎のポイントを付与するものとしたが、それらの特別ゲームは特別状態を発生させるのみで、ポイント付与の対象から除外されてもよい。あるいは、ポイント獲得ゲームとしてのゲームA〜Eから特別のゲームが適宜に設定されてもよい。
本発明におけるゲームは、業務用のゲーム機にてプレイされるものに限らない。家庭用のゲーム機、携帯ゲーム機、PC、携帯端末といった、ネットワークに接続可能な適宜の構成のゲーム機を適宜に組み合わせ、それらのゲーム機にてプレイ可能なゲームにおけるゲーム要素の利用の制御に本発明が適用されてよい。ゲームの演算制御をサーバ装置にて実行し、そのサーバ装置に対するネットワーク端末装置が入出力機能を担うべき遠隔操作端末装置として利用されることにより、複数のコンピュータ装置が協働して論理的なゲーム機を対象として本発明が適用されてもよい。