JP5800310B2 - 溶射用複合ワイヤ製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、溶射用複合ワイヤ製造装置に係わり、特に耐食性、耐摩耗性、撥水性、親水性などの機能性を付加した表面改質皮膜を溶射法によって作製する際に用いられる複合ワイヤの製造装置に関する。
溶射法は、耐防食性、撥水性など各種の機能性皮膜を基材に付与することによって、基材に付加価値をもたらす表面改質方法であり、完全なドライプロセスで施工が可能であるため、現場施工にも適するなど多くの利点を有している。溶射皮膜の作製に使用される材料は、粉末やワイヤによるものが中心であり、粉末の場合は金属・セラミックス、サーメット、プラスチック等、数十種類もの材料が市販されているが、一般に高価格である一方、ワイヤによるものは、種類は少ないが、比較的低価格である。
このような粉末及びワイヤ双方の利点を取り入れた溶射用複合ワイヤとして、特許第3999328号公報(特許文献1)記載の溶射用ワイヤが本発明者によって提案され、既に特許登録されている。同公報記載の溶射材料は、軸心部分が中空に形成されたパイプ状の金属ワイヤ内部に、例えば溶射材料としてフッ化ピッチを充填することにより形成されている。当該ワイヤを溶射することによって作製される溶射皮膜は、撥水効果に優れるなどの特性を有しているが、その製造方法として、予めチューブ状に形成したワイヤに対し、粉末状の溶射材料を吸引することによって製造可能な旨、特許文献1には示唆されている。
その後、本発明者らが提案した特許第3912679号公報(特許文献2)に記載されている溶射用複合ワイヤ製造装置は、金属製のフープ材(帯状金属)を利用して複合ワイヤを製造する発明であり、ローラダイスを備えたワイヤ成型手段、溶射材料粉末を供給する粉末供給手段等を具備し、ワイヤ及び粉末双方の利点を備えた溶射用複合ワイヤを連続的に製造することが可能である。
同製造装置によれば、量産性の向上、製造コストに優れる等の特徴を有し、前述した特許第3999328号公報(特許文献1)に示唆されている手作業による製造方法から大きく飛躍し、溶射皮膜の可能性をさらに拡げる発明であった。
一方、フラックス入りの溶接用ワイヤを製造する方法として、特開2005−74438号公報(特許文献3)記載の発明が公知である。同公報記載の発明は、製造時の伸線性の向上並びに低水素特性を備えたワイヤを製造すべく、フラックスが充填された管状成型ワイヤを潤滑剤を用いて伸線する工程、潤滑剤を除去する工程、ワイヤ送給用潤滑剤を塗布する工程を備え、その後ローラダイスによって伸線並びに仕上げ伸線を行うようになっている。
特許第3999328号公報 特許第3912679号公報 特開2005−74438号公報
前述した特許文献3に記載されているワイヤ製造方法は、伸線工程、仕上げ工程に際し潤滑剤の使用を前提としているが、潤滑剤を使用した場合には伸線工程の終了後にワイヤに塗布された潤滑剤を除去する工程、並びに機構が必要となるなど、ワイヤの製造工程の煩雑化、製造装置そのものの複雑化を招来するという課題があった。
また、製造されるワイヤの線径(外径)は、ワイヤ成型手段であるローラダイスのサイズに依存するため、例えば多種類の線径のワイヤを製造する場合には成型手段の交換作業が必要になるとともに、同時に潤滑剤を塗布する機構の構造もさらに複雑化するなど、製造効率の悪化を招く要因となる。
本発明は、このような諸事情に対処するために提案されたものであって、ワイヤの製造効率の向上を図る事が出来、線径(外径)の異なる多品種のワイヤの製造に対応することが可能な溶射用複合ワイヤ製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ワイヤの材料となる平型フープ材が巻回されたフープ材巻き出しローラと、前記平型フープ材を成型経路上にて、U字成型、片丸成型、丸型成型と順次、成型作業を行って該平型フープ材をチューブ状に成型する複数のローラダイスを組み合わせてなる前段ワイヤ成型手段と、
前記前段ワイヤ成型手段における前記平型フープ材の成型時に、粉末状の機能発現物質を該平型フープ材に供給する粉末供給手段と、前記前段ワイヤ成型手段の出口側に設けられ、該出口側から送られてくるワイヤを巻き取ることによって、該前段ワイヤ成型手段による平型フープ材の成型作業に要する引張力を負担するとともに、巻き取り方向が水平となるように回転軸を鉛直方向に設けて設置された中間巻き取りローラと、前記前段ワイヤ成型手段によって機能発現物質が充填された成型後のチューブ状のワイヤを、さらに細径に成型する複数のローラダイスを組み合わせてなる複数の個別ワイヤ外径成型部を備え、前記前段ワイヤ成型手段によって成型されたチューブ状のワイヤを、該複数の個別ワイヤ外径成型部によって対応する複数種の外径に成型するとともに、該複数の個別ワイヤ外径成型部は、成型経路上から待避或いは成型経路上に位置するように装置架台に対し、スライドユニットを介して移動可能に設置された後段ワイヤ成型手段と、前記後段ワイヤ成型手段によって成型された溶射用複合ワイヤを巻き取るとともに、前記中間巻き取りローラとの間に生じる回転差を吸収するクラッチを備えた最終巻き取りローラと、を具備したことを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1において、前記個別ワイヤ外径成型部におけるローラダイス間には、チューブ状のワイヤを巻き取り方向側へ送り出す補助送りローラが設けられていることを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2において、前記粉末供給手段は、1次フィーダ、2次フィーダ、3次フィーダを備えて構成され、粉末状の機能発現物質は、これらの1次フィーダ、2次フィーダ、3次フィーダを経て、該3次フィーダのシュートからU字成型された平型フープ材内に段階的に供給されるとともに、前記1次フィーダから2次フィーダとの間には、前記粉末状の機能発現物質の途切れを検出するレーザセンサが設けられ、且つ、前記3次フィーダには振動付与部、並びに、末端に設置されている最終投入シュートにはバイブレータ、粉末状の機能発現物質の供給量を計測するセンサが、各々設けられていることを特徴としている。
上述のように、本発明によれば、多種類の線径のワイヤを1台の装置で製造することが可能となり、製造効率を大幅に向上させることが可能である。
また、充填される機能発現物質である粉末の量をきめ細かく制御することが可能であり、多種類の溶射用粉末に対応することができる。
加えて、ワイヤの製造速度を大幅に向上させることが可能となり、製造コストの低減、効率向上に寄与する。
本発明の一実施形態に係る溶射用複合ワイヤ製造装置の平面図である。 同じく、本発明の一実施形態に係る溶射用複合ワイヤ製造装置の正面図である。 同じく、本発明の一実施形態に係る溶射用複合ワイヤ製造装置の構成要素のうち、フープ材巻き出しローラの詳細図である。 同じく、本発明の一実施形態に係る溶射用複合ワイヤ製造装置の構成要素のうち、巻き出しローラを側方から視た概略斜視図である。 同じく、本発明の一実施形態に係る溶射用複合ワイヤ製造装置の構成要素のうち、前段ワイヤ成型手段を示す概略側面図である。 同じく、本発明の一実施形態に係る溶射用複合ワイヤ製造装置の構成要素のうち、粉末供給手段を示した図である。 同じく、本発明の一実施形態に係る溶射用複合ワイヤ製造装置の構成要素のうち、中間巻き取りローラを示した図である。 同じく、本発明の一実施形態に係る溶射用複合ワイヤ製造装置の構成要素のうち、後段ワイヤ成型手段を示した図である。 同じく、本発明の一実施形態に係る溶射用複合ワイヤ製造装置の構成要素のうち、後段ワイヤ成型手段の使用状況を示す説明図である。 同じく、本発明の一実施形態に係る溶射用複合ワイヤ製造装置の構成要素のうち、後段ワイヤ成型手段の使用状況を示す説明図である。 同じく、本発明の一実施形態に係る溶射用複合ワイヤ製造装置の構成要素のうち、最終巻き取りローラを示した図である。 同じく、本発明の一実施形態に係る溶射用複合ワイヤ製造装置の構成要素のうち、乱巻き防止部の概略斜視図である。 本発明の一実施形態に係る溶射用複合ワイヤ製造装置を使用して連続自動運転によって製造された溶射用複合ワイヤの断面を示した図である。
以下、本発明に係る溶射用複合ワイヤ製造装置の好適な実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1及び図2は本発明の一実施形態に係る溶射用複合ワイヤ製造装置の平面図、正面図である。
図1及び図2に示されるように、本実施形態の溶射用複合ワイヤ製造装置10は、フープ材巻き出しローラ12、前段ワイヤ成型手段14、粉末供給手段16、中間巻き取りローラ18、後段ワイヤ成型手段20、最終巻き取りローラ22等を具備して構成され、各部材は装置架台11の所定箇所に設置されている。また、図示していないが、モータなどの各機器に接続された制御盤を備え、ワイヤ製造に際し各機器を制御するようになっている。
図3−1はフープ材巻き出しローラ12の詳細図で、図3−1(a)は前面側から視た図、図3−1(b)は正面側から視た図、図3−2は巻き出しローラ12につき、側方から視た概略斜視図である。
これらの図に示されるように、フープ材巻き出しローラ12は、フープ材1が巻回される円形ローラ部12A、定張力ユニット24、電磁ブレーキ26等を備えている。円形ローラ部12Aは、その中心部に回転軸12Bの一端が固着され、回転軸12Bは装置架台11に取り付けられた軸受け28,28によって回転可能に軸支されている。
回転軸12Bの他端は電磁ブレーキ26と連結されており、必要に応じ円形ローラ部12Aの回転に対し制動をかけることができるようになっている。
定張力ユニット24は、タッチロール部24A、アーム24B、ピボットセンサ24Cを備え、円形ローラ部12Aに巻回された平型フープ材の表面に対し、タッチロール部24Aが当接することにより、平型フープ材の巻き径変化をピボットセンサ24Cによって検出するようになっている。つまり、アーム24Bは、円形ローラ部12Aに巻回されている平型フープ材の巻き径(ロール径)の変化に対して追従し、ピボットセンサ24Cを回転中心として円弧状に回動する。この回動動作をピボットセンサ24Cによって、アーム24Bの角度変化として捉えることにより、平型フープ材の巻き径(ロール径)を検出する。そして、その検出結果に基づいて電磁ブレーキ26の制動力を制御し、平型フープ材に生じる張力を一定の範囲に保持するようになっている。
図4は前段ワイヤ成型手段14を示す概略側面図である。同図に示されるように、前段ワイヤ成型手段14は、計13台のローラダイスを備え、101〜104の4基によって平型フープ材1を平型からU字型に成型する。
また、105〜108の4台によってU字型から丸型へ成型するとともに、109〜113の5台によって外径4mmのチューブ状に成型するようになっている。さらに、104と105との間は70mmの間隔を有し、この上方部分に粉末供給手段16が設置され、溶射皮膜の機能発現物質となる粉末が供給される。
各カセットローラーダイスには、図示しないロールギャップ調整用のボルトである圧下スクリューが取り付けられており、フープ材の材質および幅が変わった場合には所定の寸法となるよう調整することが可能である。
圧下スクリューは、カセットローラーダイス1台当り、下方に向かって左右に2本、または横方向に向かって上下に2本取り付けられている。カセットローラーダイスを、縦にセットするか、90°横にセットするかによって、ボルトの位置は左右、または上下となる。圧下スクリューを1回転させると、ローラギャップは3mmまたは2mm移動する。調整に際しては、被加工材料、例えばフープ材が、連結された全てのカセットローラーダイスの中心部を通過するように、圧下スクリューの回転角度を、左右または上下とも同じに設定する。
図5は粉末供給手段16を示した図であり、図5(a)はローラダイスを省略した状態の概略図、図5(b)は外観のうち、図5(a)を矢印Vb方向から視た図である。これらの図に示されるように、粉末供給手段16は1次フィーダ30、2次フィーダ32、3次フィーダ34を備えて構成されている。
1次フィーダ30は、収納部30Aに収容された溶射材料の粉末を、その内部に配設された誘導羽根によって強制的に掻き出し、1次フィーダ30と2次フィーダ32との間に設けられたシュート35を介して2次フィーダ32のホッパ38に定量的に供給する(一例として、高精度小型定量供給機 MO-180R (株)ヨシカワ製)。シュート35の側面には、レーザセンサ36が取り付けられており、1次フィーダ30から2次フィーダ32へ供給される粉末の量を計測し、粉末の途切れを検出するようになっている。
2次フィーダ32は、微量の粉末を定量的に供給するスクリューフィーダ39(一例として、FEEDCOM-μM 日清エンジニアリング株式会社製)等を備え、ホッパ38に入っている粉末を、スクリューフィーダ39における螺旋状のスクリューの回転により3次フィーダ34側へ定量供給するようになっている。
3次フィーダ34には、粉末を横方向に搬送する樋状に形成されたトラフ40が図示しない板バネ、固定フレーム、振動付与部37を介して装置架台11上に設けられている。振動付与部37には電磁石が設置されており、電磁石のコイルに交流半波脈動電流を通電し、当該電流に応じた電磁石の吸引力若しくは反発力によりトラフ40を微振動させて、粉末を少しずつ移動させながら定量的に供給を行う(一例として、小型電磁フィーダ CF-1 神鋼電気(株)製)。
トラフ40の末端側には最終投入シュート42が設けられ、この最終投入シュート42から、ローラダイスNo4.とNo.5との間にて、粉末をU字型に成型されたフープ材1に投入する。投入シュート42の側方にはバイブレータ44、レーザセンサ46が設置され、バイブレータ44の振動により最終投入シュート42への粉末の付着を防止するとともに、レーザセンサ46によって供給される粉末の流れ、並びに、フープ材1に投入された粉末の量をモニタしている。粉末の量は、センサ46から照射されるレーザ光の反射光を検出することによって最終投入シュート42と粉末との間の距離を計測して粉末量を算出する。これによって、複合ワイヤに充填される粉末量をきめ細かく制御することができ、所望の充填率のワイヤ製造を可能ならしめている。
複合ワイヤでは粉末の充填率を極力一定にすることが重要であるが、充填材料の密度、粒度・粒径・流動性は、材料の種類によって各々異なる。このため、充填率を一定にするには供給方法の異なる3種類の供給装置、つまり1次フィーダ30、2次フィーダ32、3次フィーダ34を採用するとともに、レーザセンサ46等により的確に粉末の供給量を制御して定量的な供給を可能としたものである。粉末は図5の一点鎖線Aに示される経路を通って各フィーダ30,32,34から段階的に供給される。
図6は中間巻き取りローラ18を示した図であり、図6(a)は概略図、図6(b)は図6(a) を矢印VIb方向から視た図である。
これらの図に示されるように、中間巻き取りローラ18は、回転ローラ18A、ギヤボックス18B、駆動モータ18C等を備え、回転ローラ18Aは、所定の外径の円盤状をなしているとともに、その回転軸が縦方向に設置され、回転ローラ18Aは横方向に回転するようになっている。
ギヤボックス18Bは駆動モータ18Cと連結され、ギヤボックス18Bによってモータ18Cの回転を減速し、回転ローラ18Aを所定の回転数にて回転駆動する。回転ローラ18Aの外周部には前段ワイヤ成型手段14によって成型されたチューブ状のワイヤが巻き取られ、ワイヤ成型手段14と後段ワイヤ成型手段20との間にて張力を分担させる。中間巻き取りローラ18には巻付き防止のためにMCナイロン製ワイヤガイドを設置している。なお、回転ローラ18Aの回転方向を横方向としたのは、ワイヤ内に入っている粉末が重力によって移動し、結果的に充填ムラが生じる可能性を排除する、駆動モータ18Cの設置位置は低い方が装置全体の重心を下げることができる等の理由からである。
即ち、前段ワイヤ成型手段14によるフープ材の成型に必要な引張力を中間巻き取りローラ18が負担し、中間巻き取りローラ18と最終巻き取りローラ22の間の複合ワイヤには、カセットローラーダイスでの成型に必要な張力、並びに、中間巻き取りローラ18上でワイヤが滑らないための摩擦力に必要な張力だけしか、かからない構造になっている。このため、仮に最終巻き取りローラ22のみでワイヤを巻き取った場合には成型による張力によって複合ワイヤが破断する虞があったが、上記構成を採用することにより、その可能性を大幅に低減することが可能となった。これによって、従来必要であった潤滑剤なども不要となり、製造工程の簡素化の一助となっている。
図7は後段ワイヤ成型手段20を示した図であり、図7(a)は概略図、図8−1,2は図7を矢印VIII方向から視た図で、後段ワイヤ成型手段20の使用状況を示す説明図である。
図7に示されるように、後段ワイヤ成型手段20は、4つの個別ワイヤ外径成型部20A,20B,20C,20Dを具備し、これらの個別ワイヤ外径成型部20A,20B,20C,20Dは複数のローラダイスを備えている。
図8にも示されるように、個別ワイヤ外径成型部20B,20C,20Dは、装置架台11に対して前後動可能に支持されたスライドユニット48B,48C,48D上に設置されている。また、スライドユニット48B,48C,48Dは、スクリュウシャフト50B,50C,50Dによって装置架台11に対し、移動可能に配設されており、各スクリュウシャフト50B,50C,50Dに取り付けられたハンドル52B,52C,52Dを回転させることにより、各成型部20B,20C,20Dを前後に移動させて、成型経路上から退避、又は成型経路上に位置させることが可能となっている。
個別ワイヤ外径成型部20A,20B,20C,20Dのうち、成型部20Aは前段ワイヤ成型手段14によって外径4mmに成型された複合ワイヤ1を更に外径φ3.2mmに、成型部20Bは外径φ2.5mm、成型部20Cは外径φ2.0mm、成型部20Dは外径φ1.6mmとなるように、それぞれ伸線する。
複合ワイヤ1を外径φ3.2mmに伸線する場合は、図8−1(a)に示されるように、成型部20B,20C,20Dを成型経路上から後退させて退避した状態として、成型部20Aによって伸線工程を行い、外径φ3.2mmのワイヤへ成型する。また、外径φ2.5mmに伸線する場合は、図8−1(b)に示されるように、成型部20C,20Dを成型経路上から退避させて、成型部20A,20Bを使用して伸線工程を行う。さらに、外径φ2.0mmとする場合は、図8−2(a)に示されるように、成型部20Dを成型経路上から退避させた状態で、成型部20A,20B,20Cによって伸線工程を行う。外径φ1.6mmとする場合は、図8−2(b)に示されるように、すべての成型部20A,20B,20C,20Dを使用して伸線工程を行うことにより、φ1.6mmの複合ワイヤに成型する。
なお、図7及び図8−1,2に示されるように、個別ワイヤ外径成型部20A,20B,20C,20Dのカセットローラーダイスユニットの中間には、複合ワイヤ1に加わる張力を分散させるための補助送りローラ54A,54B,54C,54Dが上下一対ずつ設けられており、各ローラ54A,54B,54C,54Dは補助モータ56A,56B,56C,56Dによって回転駆動され、成型中のワイヤ1に対し引張力(プル)及び押し出し力(プッシュ)を作用させて、ワイヤ1全体に生じる張力を分散させている。
また、上下の各ローラ54A,54B,54C,54Dは、それらのうち一方或いは双方に、バネなどの弾性体を備えた押しボルトによって上下方向からワイヤ1に対する挟圧力を微調整することができるので、ワイヤ1の成型に最も適する挟圧力とすることが可能である。
さらに、各補助モータ56A,56B,56C,56Dは、個別に回転数を選択して制御することができる。つまり、成型速度が最適となるように、フープ材巻き出しローラ12の回転速度、後述する最終巻き取りローラ22の回転速度と併せて、補助モータ56A〜Dも含めた総括的な自動制御を行うことで製造速度の向上を図ることができる。また、ワイヤにかかる張力の分散化がされるので、潤滑剤を使用しなくてもスムーズなワイヤ成型が可能となるとともに、成型時におけるワイヤ破断の防止を同時に達成することが可能となる。
図9は最終巻き取りローラ22を示した図であり、図9(a)は概略図、図9(b)は図9(a)をIXb方向から視た概略矢視図である。
これらの図に示されるように、最終巻き取りローラ22は、巻き取りローラ部22Aと、電磁クラッチ22Bと、最終駆動モータ22C等とを備えているとともに、巻き取り時に乱巻きが生じないように乱巻き防止部58が設置されている。
複合ワイヤの製造過程での回転速度は、中間巻き取りローラ部18で遅くなり、最終巻き取りローラ部22にて早くなる。そこで本装置では、電磁クラッチ22Bによって最終駆動モータ22Cの駆動力を調節し、広範囲な速度変化に対応できる機構を採用している。
図10は乱巻き防止部58の概略斜視図である。
同図に示されるように、乱巻き防止部58は、最終巻き取りローラ22の回転軸60に同軸プーリ62が固着されているとともに、乱巻き防止部58のガイドプーリ64に対し、タイミングベルト66が張設されている。乱巻き防止部58は、横方方向に延出する一対のガイド棒68,68、乱巻き防止ガイド70を備え、乱巻き防止ガイド70はガイド棒68,68に沿ってスライドするようになっている。
ガイド棒68,68の外周面にはネジが切られており、タイミングベルト66から伝達される回転力をガイドプーリ64に伝え、ガイドプーリ64の回転とともにガイド棒68,68が回転することによって、ガイド70を横方向にスライドさせながら、ワイヤ1Aの巻き取り位置をガイドするようになっている。つまり、最終巻き取りローラ22に巻き取られる複合ワイヤ1Aにつき、乱巻きが生じないように、ガイド70によって複合ワイヤ1Aを最終巻き取りローラ22の外周面上の適正な位置に導くため、順序よく巻き取っていくことが可能になっている。
前述のように構成した本実施形態の溶射用複合ワイヤ製造装置10は、ワイヤ製造に際し、以下のように運転される。複合ワイヤによる溶射法の実用化が進むと、要求されるワイヤの種類、すなわち、アルミニウムやステンレスなどの各種のフープ材と、機能発現物質となる各種の粉末粒子の組合せは極めて多種類に及び、ワイヤの製造条件もそれぞれ異なる。
そこで、本装置では複合ワイヤの製造において、まず、フープ材巻き出しローラ12、前段ワイヤ成型手段14、粉末供給手段16、中間巻き取りローラ18、後段ワイヤ成型手段20の個別ワイヤ外径成型部20A〜D、最終巻き取りローラ22等の各種機器を手動運転することによって、粉末供給量、モータの回転速度など、最適な製造条件を見出す実験を行った。実験の結果、平型フープ材の幅寸法、複合ワイヤの外径、粉末の種類などを勘案し、最も適する条件を運転用の制御データとして蓄積した。そして、これらの制御データに基づいて運転システムの制御プログラムを構築し、各機器を自動制御することによって連続的に効率よくワイヤ製造を行うようにしている。また、連続自動運転中の異常時においては、パトライトによる警報発信を行い、非常停止するシステムを同時に採用し、安全性を向上させた。
図11は本実施形態の溶射用複合ワイヤ製造装置10を使用して連続自動運転で製造された溶射用複合ワイヤの断面を示した図である。同図に示されるように、いずれの直径のワイヤもフープ材の両端が適度にラップされ、充填粉末が漏れ出るようなことは全くなかった。
また、ワイヤの真円度は良好で、実際の溶射作業においてもスムーズに定量供給を行うことができ、ガスフレーム溶射でのフラッシュバック現象やアーク溶射での不安定アークは全く見られず、作製された溶射皮膜も密着強度など、要求性能を達成することができた。
このように、本実施形態の溶射用複合ワイヤ製造装置によれば、溶射に用いられる複合ワイヤの製造効率の向上を図ることが可能となり、且つ線径(外径)の異なる多品種の複合ワイヤの製造に対応することが可能となった。
以上説明したように、本発明によれば、多種類の線径のワイヤを製造する場合にも、成型手段の交換作業が不要になり、製造効率の向上を図ることができる。
また、潤滑剤を塗布する機構等も不要となり、装置自体の簡素化、製造工程の簡略化に寄与する。
1 平型フープ材
1A 複合ワイヤ
10 溶射用複合ワイヤ製造装置
11 装置架台
12 フープ材巻き出しローラ
14 前段ワイヤ成型手段
16 粉末供給手段
18 中間巻き取りローラ
18A 回転ローラ
18B ギヤボックス
18C 駆動モータ
20 後段ワイヤ成型手段
20A 20B 20C 20D 個別ワイヤ外径成型部
22 最終巻き取りローラ
22A 巻き取りローラ部
22B 電磁クラッチ
22C 最終駆動モータ2
24 定張力ユニット
24A タッチロール部
24B アーム
24C ピボットセンサ
26 電磁ブレーキ
30 1次フィーダ
30A 収納部
32 2次フィーダ
34 3次フィーダ
35 シュート
36 レーザセンサ
37 振動付与部
38 ホッパ
39 スクリューフィーダ
40 トラフ
42 最終投入シュート
44 バイブレータ
46 レーザセンサ
48B 48C 48D スライドユニット
50B,50C,50D スクリュウシャフト
52B 52C 52D ハンドル
54A 54B 54C 54D 補助送りローラ
56A 56B 56C 56D 補助モータ
58 乱巻き防止部
60 回転軸
62 同軸プーリ
64 ガイドプーリ
66 タイミングベルト
68 ガイド棒
70 乱巻き防止ガイド
101〜113 ローラダイス

Claims (3)

  1. ワイヤの材料となる平型フープ材が巻回されたフープ材巻き出しローラと、
    前記平型フープ材を成型経路上にて、U字成型、片丸成型、丸型成型と順次、成型作業を行って該平型フープ材をチューブ状に成型する複数のローラダイスを組み合わせてなる前段ワイヤ成型手段と、
    前記前段ワイヤ成型手段における前記平型フープ材の成型時に、粉末状の機能発現物質を該平型フープ材に供給する粉末供給手段と、
    前記前段ワイヤ成型手段の出口側に設けられ、該出口側から送られてくるワイヤを巻き取ることによって、該前段ワイヤ成型手段による平型フープ材の成型作業に要する引張力を負担するとともに、巻き取り方向が水平となるように回転軸を鉛直方向に設けて設置された中間巻き取りローラと、
    前記前段ワイヤ成型手段によって機能発現物質が充填された成型後のチューブ状のワイヤを、さらに細径に成型する複数のローラダイスを組み合わせてなる複数の個別ワイヤ外径成型部を備え、前記前段ワイヤ成型手段によって成型されたチューブ状のワイヤを、該複数の個別ワイヤ外径成型部によって対応する複数種の外径に成型するとともに、該複数の個別ワイヤ外径成型部は、成型経路上から待避或いは成型経路上に位置するように装置架台に対し、スライドユニットを介して移動可能に設置された後段ワイヤ成型手段と、
    前記後段ワイヤ成型手段によって成型された溶射用複合ワイヤを巻き取るとともに、前記中間巻き取りローラとの間に生じる回転差を吸収するクラッチを備えた最終巻き取りローラと、を具備したことを特徴とする溶射用複合ワイヤ製造装置。
  2. 前記個別ワイヤ外径成型部におけるローラダイス間には、チューブ状のワイヤを巻き取り方向側へ送り出す補助送りローラが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の溶射用複合ワイヤ製造装置。
  3. 前記粉末供給手段は、1次フィーダ、2次フィーダ、3次フィーダを備えて構成され、粉末状の機能発現物質は、これらの1次フィーダ、2次フィーダ、3次フィーダを経て、該3次フィーダのシュートからU字成型された平型フープ材内に段階的に供給されるとともに、
    前記1次フィーダから2次フィーダとの間には、前記粉末状の機能発現物質の途切れを検出するレーザセンサが設けられ、且つ、前記3次フィーダには振動付与部、並びに、末端に設置されている最終投入シュートにはバイブレータ、粉末状の機能発現物質の供給量を計測するセンサが、各々設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶射用複合ワイヤ製造装置。
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