JP5799522B2 - 樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、成形部品等の成形体を樹脂成形により作製する樹脂成形体の製造方法に関する。
従来から樹脂を用いた成形体は汎用されているが、その成形方法としては、射出成形による方法が主流となっている。
ところが、射出成形では、大規模な設備と高価な型が必要となるのみならず、成形する際の型温度が高いために、型を成形可能な高温に上昇させたり、成形後の成形品の温度を降下させるために、ある程度の時間を要し、サイクルタイムが長いというのが現状である。
また、成形に使用する樹脂材料の流通は、一般にチップ材であるため、成形には予めチップ材を溶解しなければならず、そのために溶解炉は不可欠な設備とされている。
一方、性能面からみると、ポリプロピレンやポリアミドなどの樹脂は、それのみでは強度が低いため、ある程度の強度を持たせるためには、ガラス繊維等などの強化材を用いる必要があるが、ガラス繊維などを混合しようとすると、成形が困難になる。
上記のような事情から、例えば自動車のボディ等や航空機などの比較的高い強度が求められる用途には、熱硬化性の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)等を用い高温の成形型で成形するといった方法が適用され成形されるに留まっていた。しかしながら、このような繊維強化プラスチックは一般に高価であるため、製造コストが高くなるほか、成形に長時間を要するために少量生産にしか向かないというのが実情である。
このような状況に関連する技術として、植物性繊維と熱可塑性樹脂を含む材料からなる板状体を、加熱炉の内部で吊り下げた状態で搬送しながら加熱し、加熱された板状体を加熱炉の内部に設置された予備成形装置で予備成形した後、本成形する基材成形装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ポリオレフィン系樹脂繊維を混合したマット状の木質系繊維板などを所定温度に加熱軟化させた後、コールドプレス成形して自動車内装用芯材を作製する方法等が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2010−143001号公報 特開平11−048221号公報
上記従来の熱硬化性の繊維強化プラスチックに比べ、熱可塑性の樹脂材料を用いることにより、低コスト化及びリサイクル化に寄与し、成形サイクルの短縮が期待されるものの、上記した従来の技術による成形方法では、成形体の強度を高めるために繊維材料等を用いた場合に、成形性を良好に維持することができない課題がある。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、繊維材料を含んで強度を高めた成形体の成形性に優れ、従来に比べて成形時間の短縮が図られた樹脂成形体の製造方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
本発明は、繊維材料を含む熱可塑性樹脂のシート状やフィルム状等に加工された板状材料をプレス加工する場合に、厚みがほぼ一定の板状材料について、成形加工後に得られる成形品の樹脂体積が異なる領域毎に、成形加工前の板状材料の該領域の各々に対応する部分の体積を見積もり、該体積に見合う形状を選択する、すなわち成形品のある領域の体積と成形加工前の板状材料の該領域に対応する部分の体積とを等しくすることで、プレス成形する際の成形性が向上するとの知見を得、該知見に基づいて達成されたものである。前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
上記目的を達成するために、本発明の樹脂成形体の製造方法は、
<1> 繊維材料を含む熱可塑性樹脂の板状材料を、面積の異なる3以上の異形領域からなる形状に裁断する裁断工程と、裁断工程で裁断された板状材料を、熱可塑性樹脂の融点以上の温度にあらかじめ加熱する予備加熱工程と、予備加熱工程で加熱された板状材料を、前記融点未満の温度に保持された成形型にて加圧成形し、前記異形領域の境界に沿って(2以上の)折り曲げ部を有する成形体を成形する加圧成形工程とを設けて構成されたものである。
前記<1>に記載の本発明においては、特に2以上の折り曲げ部を有する成形体を成形する場合に、使用する板状材料(繊維材料及び熱可塑性樹脂を含む)を、成形しようとする成形体の各部位に対応させて面積の異なる複数の異形領域からなる形状に裁断することで、成形のための加熱や加圧を付与する前に、成形加工前の板状材料における複数の異形領域の各々において、その各体積を成形後の成形体の前記異形領域に対応する各部位の体積と等しくなるように調節するので、繊維材料を含みながら既存の比較的低い圧力でも、短い成形時間で良好な成形性が得られる。また、あらかじめ被成形物である板状材料を熱可塑性樹脂の融点以上に加熱しておき、これを該融点未満の温度の成形型にて加圧成形を行ない、加圧成形時に加熱を行なわないことで、成形と共に降温するので、成形体の温度降下が速く、成形加工速度が従来法に比べ飛躍的に高められる。これより、量産品の成形に適する。
<2> 前記<1>に記載の本発明において、裁断工程は、加圧成形工程で成形される成形体における樹脂体積の異同に基づいて、成形体における樹脂体積の異なる領域の各々に対応する前記異形領域を、前記樹脂体積の異なる各領域の体積と同一の体積となるように形成することによって好ましく行なうことができる。
加圧成形工程で成形される成形体の各部位を形成する樹脂量からみて、樹脂体積が同じ部位と樹脂体積が異なる部位とに分け、樹脂体積の異同を基準にすると、裁断工程でより容易に異形領域を設定し形成することができる。
<3> 前記<1>又は前記<2>に記載の本発明において、裁断工程は、加圧成形工程で成形される成形体における、加圧成形工程での加圧の方向と交差する面を基準として成形体を複数の領域に分割し、分割された各領域に対応する前記異形領域を、分割された前記領域の各々の体積と同一の体積となるように形成するによって好ましく行なうことができる。
加圧成形の際に熱可塑性樹脂は同一平面内を容易に広がるが屈曲のある加圧の方向(例えば高さ方向)には広がり難いため、加圧成形工程で成形される成形体における加圧の方向と交差する面、例えば加圧の方向を成形体の高さ方向として捉えた場合、成形体の例えば最も高い位置の平面と最も低い位置の平面とこれらの中間に位置する平面とを基準として成形体を複数の領域に分割(具体的には、例えば最も高い位置の平面と最も低い位置の平面とこれら両者と連結し両者と直交する平面とからなる3面に分割)し、分割された面毎に樹脂体積が成形前後で等しくなるように異形領域を設定し形成することで、既存の比較的低い圧力で短い成形時間にて、より良好な成形性が得られる。
<4> 前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載の本発明においては、裁断工程を複数回繰り返すことにより、面積の異なる複数の異形領域からなる形状に裁断された板状材料を複数作製し、作製された複数の板状材料を予備加熱工程で加熱後、これを加圧成形工程で単一の成形型に配して加圧成形し、単一の成形体を成形する態様が好ましい。
このように成形体の各部位に対応させて所望の形状に作製された複数の板状材料を単一の成形型に配置することで、一般に流通する所定サイズ(例えば300mm〜500mmの正方形状)のシート状等の板状材料を用いて、例えば自動車のボディなどの大サイズの成形体を容易に成形することが可能である。
<5> 前記<1>〜前記<4>のいずれか1つに記載の本発明では、加圧成形工程において、成形型を、熱可塑性樹脂の融点−(50〜150℃)の範囲の温度に保持して加圧成形を行なう場合が好ましい。
本発明では、予備加熱工程で一旦熱可塑性樹脂が溶融するような温度にまで加熱されるため、成形時には成形と同時に降温するようにすることで、成形後に成形体を冷却する必要がなく、降温に要する時間の短縮が図れる。
<6> 前記<1>〜前記<5>のいずれか1つに記載の本発明においては、熱可塑性樹脂と共に含有される繊維材料として、ガラス繊維及び/又はカーボン繊維を好適に用いることができる。
ガラス繊維やカーボン繊維を用いても、所望とする成形性を維持しながら、樹脂成形体の強度もより高めることが可能である。
本発明によれば、繊維材料を含んで強度を高めた成形体の成形性に優れ、従来に比べて成形時間の短縮が図られた樹脂成形体の製造方法を提供することができる。
(A)は本発明の実施形態で用いたシート材を示す平面図であり、(B)は裁断により3つの異形領域が形成された状態のシート材を示す平面図であり、(C)は(B)をプレス成形した後の形状を示す平面図である。 (A)は本発明の実施形態に示す方法で成形された成形体を示す斜視図であり、(B)は(A)の成形体を2つ向きを変えて示す斜視図であり、(C)は(B)の2つの成形体を組み合わせた部品を示す斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明の樹脂成形体の製造方法の実施形態について詳細に説明する。なお、下記の実施形態において、繊維材料を含む熱可塑性樹脂の板状材料として、炭素繊維を含むポリアミド樹脂のシート材を用いて成形する場合を中心に説明する。但し、本発明においては下記の実施形態に制限されるものではない。
本発明の樹脂成形体の製造方法の実施形態を図1〜図2を参照して説明する。本実施形態は、炭素繊維を含むポリアミド樹脂のシート材を用意し、これを3つの異形領域からなる形状に裁断したものを用いて成形を行なう構成としたものである。
図1(A)に示すように、まず所望サイズとして300mm×300mm×厚み5mmサイズの炭素繊維を含むポリアミド樹脂シート10を用意する。シート形態のポリアミド樹脂は、一般に流通されているものがあり、容易に市販のものを入手可能である。
本発明においては、シート材のマトリックスとして、ポリアミド樹脂であるナイロンなどを用いることができる。また、シート材のマトリックスの例としては、熱可塑性樹脂であれば特に制限されるものではなく、ポリアミド樹脂のほか、ポリオレフィン(例えば、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等)、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体等)、(メタ)アクリル系樹脂(例えばポリメチルメタクリレート等)、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂(例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール等)などを挙げることができる。
なお、本発明の製造方法における成形性を大きく損なわない範囲であれば、熱硬化性の樹脂が含有されていてもよい。
また、シート材には、成形体の外力に対する強度を高める観点から、強化繊維として炭素繊維が含有されている。繊維材料の例としては、炭素繊維のほか、ガラス繊維などの無機繊維や無機フィラー等を含有することができる。
炭素繊維などの繊維材料の含有比率は、特に制限されるものではなく、所望とする成形体の強度に合わせて選択することができる。繊維材料の具体的な含有比率としては、成形体の強度の観点から、シート材のマトリックス(熱可塑性樹脂)に対して、5質量%以上70質量%以下の範囲であることが好ましく、20質量%以上50質量%以下の範囲であることがより好ましい。
シート材のサイズについては、特に制限されるものではなく、成形体のサイズに合わせて適宜選択すればよい。例えば、成形体の1つの領域を300mm〜500mmの正方領域で捉えてもよく、この場合には、シート材は300mm〜500mmのサイズの正方形であることが好ましい。また、成形体のサイズが流通に適したシートサイズに比べて大きい場合、流通に適したサイズのシートを複数枚使用し、後述するように各シート材について面積の異なる複数の異形領域からなる形状に裁断することにより、成形体の成形が可能である。
また、シート材の厚みも、特に制限されるものではなく、成形しようとする成形体の各部位の厚み、あるいは該部位を占める体積にあわせて選択すればよい。
次に、図1(B)に示すように、図1(A)の正方形のシート材を、3つの異形領域20A、20B、20Cが連なった単一形状に裁断加工する(裁断工程)。本実施形態では、プレス成形により最終的に図2(A)に示す3面(厚み=2mm)からなる成形体50を成形するが、成形前に裁断加工して得られた形状20中の異形領域20A、20B、20Cはそれぞれ、成形体50を構成する面50A、面50B、面50Cに対応するように加工されている。
具体的には、異形領域20A、20B、20Cの各領域における体積は、下記のように表されるが、
・異形領域20Aの体積=領域20Aの面積×5mm(シート材の厚み)
・異形領域20Bの体積=領域20Bの面積×5mm(シート材の厚み)
・異形領域20Cの体積=領域20Cの面積×5mm(シート材の厚み)
この各体積が、成形体50の面50A、面50B、面50Cにおける体積、すなわち、
・面50Aの体積=成形後の領域30Aの面積×2mm(成形体の厚み)
・面50Bの体積=成形後の領域30Bの面積×2mm(成形体の厚み)
・面50Cの体積=成形後の領域30Cの面積×2mm(成形体の厚み)
とそれぞれ等しくなるように加工する。
このように、本実施形態では、最終的に得ようとする成形体50の各部位(面50A、面50B、面50C)にあわせて、該部位の各々の体積と同一の体積となる形状になるように異形領域20A、20B、20Cを形成している。
本実施形態では、図1(B)に示すように、3つの異形領域を1つの正方形と2つの異なる台形とに形成しているが、これらの形状自体は、特に制限されるものではなく、加圧した際に樹脂が流れやすい等の場合に応じて選択することができる。例えば図1(B)のように、3つの異形領域のうち隣接の2領域の境界が折り曲げ部となるように該境界となる辺を共有する形状に形成されると、取り扱いの点で有利である。また更には、成形される成形体の厚みよりも厚いシート材を用い、各異形領域(本実施形態では20A、20B、20Cの領域)の面積が、各異形領域に対応する成形体の各領域の面積より50〜90%の範囲で小さく形成されている態様が好ましい。
ここで、成形後の領域30A、30B、30Cはそれぞれ、図2(A)に示す成形体50の成形時の加圧方向(図2中の矢印で示される高さ方向)において、最も高い位置の平面50Aと、最も低い位置の平面50Cと、平面50Aと平面50Cとの間に屈曲部を有して繋がり両平面と直交する平面50Bとからなる3平面に対応している。平面50A、50B、50Cの各面内では、樹脂は加圧時に面方向に流れて広がるため良好に成形が進行するが、屈曲部を介した平面50Aと平面50Bとの間、又は平面50Bと平面50Cとの間は、樹脂は屈曲部を超えて流れにくく、平面間での樹脂の広がりは期待できない。そのため、本実施形態のように、成形時の加圧の方向(すなわち成形体の高さ方向)において最も高い位置の平面と最も低い位置の平面とを基準に3つの領域に分割し、成形前のシート材の異形領域を形成するようにすることで成形性を向上させることができる。
次いで、上記のように裁断された板状材料を加圧成形前にあらかじめ、熱可塑性樹脂の融点以上の温度に予備加熱する(予備加熱工程)。本実施形態では、ポリアミド樹脂の融点以上の温度に加熱されている。
予備加熱は、例えば、加熱炉や、熱板、ヒートロール、各種ヒータなどを用いて行なうことができる。中でも、シート材の昇温速度が速く、複数枚を並行して加熱できる等の観点から、加熱炉による加熱が好ましい。
予備加熱は、使用する熱可塑性樹脂が溶融し、後述の成形型に配されてプレスされた際に流動する時間帯が得られるだけの溶融状態が得られるように行なわれる。このとき、シート材は、炭素繊維を含有しているため、シート形状が保持されている。
予備加熱する際の具体的な温度範囲としては、樹脂の融点で異なるが、180℃以上270℃以下の範囲に調節される態様が好適である。この範囲に加熱されると、成形時に加熱せずとも安定的に成形が行なえる。
そして、シート材の予備加熱を行なった後、予備加熱されたシート材を、熱可塑性樹脂の融点未満の温度に保持された成形型に配してプレス成形する(加圧成形工程)。本実施形態では、ポリアミド樹脂の融点未満の温度、具体的には100℃に加熱、保持されるようになっている。
予備加熱工程で一旦融点以上の高温で加熱された後、融点に満たない成形型に配してプレス成形されると、急冷されながら成形され、成形終了時には比較的温度の低くなった成形体が得られる。そのため、成形体の降温を待つことなく、次の成形加工に移ることが可能である。これより、成形サイクルの時間短縮が図られる。
成形型の加熱は、溶融状態のシート材が成形型との間で熱交換しながら成形される間、あくまでもシート材の降温速度を緩和してプレス時の流動時間を稼ぐために与えられるものであり、シート材を溶融するための加熱とは異なる。そのため、成形型に対する加熱は、熱可塑性樹脂の融点−(50〜150℃)の範囲の温度に調整されるのが好ましく、更には100℃±20℃の範囲に調節されるのが好ましい。
加圧成形する際の圧力としては、特に制限されるものではないが、500〜6000MPaが好ましく、4000〜6000MPaがより好ましい。圧力が前記範囲内であることで、比較的低い圧力としながら、短い成形時間で良好な成形性が得られる。
以上のようにして、本実施形態では、図2(A)に示すように、2つの折り曲げ部を有する成形体が成形される。
本発明では、上記のように成形した場合、プレス時に樹脂が流動して成形が進行するが樹脂中に含まれる炭素繊維等の繊維材料は流動し難いため、炭素繊維等の繊維材料は成形前の、複数の異形領域が形成された形状の端部近傍に偏在して残りやすい。そのため、成形体に該形状に沿って線状の痕跡が残り、この線状の痕跡の有無から、本発明の樹脂成形体の製造方法による成形であるか否かの確認が可能である。
そして、この成形体を図2(B)のように2つ成形し、図2(C)に示すように、一方の平面50Aと他方の平面50Cとをそれぞれ組み合わせて互いに接着することにより、部品を作製することができる。
上記実施形態では、単一のシート材を用いて成形体とする場合を中心に説明したが、さらに体格の大きい成形体を成形する場合には、複数のシート材を用いて上記と同様の工程を経て作製することが可能である。具体的には、
まず、繊維材料を含む熱可塑性樹脂の複数のシート材(例えば300mm〜500mmの正方形のシート材)を用意し、その各々について、上記と同様の裁断工程を実施する。すなわち、複数あるシート材の枚数だけ裁断工程を繰り返す。このとき、成形後の成形体を想定し、1つのシート材に入る成形体の部分を1つの成形エリアとして決定し、成形体全体について複数の成形エリアを決定する。各成形エリアは、1つのシート材が成形を担う。そして、各成形エリアの中を、上記実施形態と同様に樹脂体積の異同や成形時の加圧の方向における位置関係などに基づいて複数の領域に分割し、各シート材に前記分割された各領域に対応する異形領域を、分割された各領域の体積と同一の体積となるように形成する。そして、複数の異形領域が形成された各シート材をそれぞれ予備加熱し、予備加熱された複数のシート材を、単一の成形型の対応する位置に配置し、一度にプレス成形する。このようにすることで、隣接するシート材同士が互いに連結して一体化し、単一のシート材に比べて体格の大きい成形体が容易に作製される。
本発明においては、上記のように、既存の低いプレス圧を維持しながら、繊維材料を含む熱可塑性樹脂の板状材料を用いて低コスト化及び成形時間の短縮化が図れ、量産品の成形に適すると共に、リサイクル性も具備した成形加工システムを構築することができる。
10・・・炭素繊維を含むポリアミド樹脂のシート材
20・・・面積の異なる複数の異形領域からなる形状に裁断されたシート材
20A,20B,20C・・・異形領域
30・・・プレス成形後のシート材
30A・・・異形領域20Aに対応する成形後の領域
30B・・・異形領域20Bに対応する成形後の領域
30C・・・異形領域20Cに対応する成形後の領域
50・・・成形体

Claims (4)

  1. 繊維材料を含む熱可塑性樹脂の板状材料を、面積の異なる3以上の異形領域からなる形状に裁断する裁断工程と、
    裁断された板状材料を、前記熱可塑性樹脂の融点以上の温度であって180℃以上270℃以下の範囲にあらかじめ加熱する予備加熱工程と、
    加熱された前記板状材料を、前記融点−(50〜150℃)の範囲の温度に保持された成形型にて加圧成形し、前記異形領域の境界に沿って折り曲げ部を有する成形体を成形する加圧成形工程と、
    を有し、
    前記裁断工程は、前記加圧成形工程で成形される成形体における樹脂体積の異同に基づいて、前記成形体における樹脂体積の異なる領域の各々に対応する前記異形領域を、前記樹脂体積の異なる各領域の体積と同一の体積となるように形成する樹脂成形体の製造方法。
  2. 前記裁断工程は、前記加圧成形工程で成形される成形体における前記加圧の方向と交差する面を基準として前記成形体を複数の領域に分割し、分割された各領域に対応する前記異形領域を、分割された前記領域の各々の体積と同一の体積となるように形成する請求項1に記載の樹脂成形体の製造方法。
  3. 前記裁断工程を複数回繰り返して、面積の異なる複数の異形領域からなる形状に裁断された複数の前記板状材料を作製し、
    前記加圧成形工程は、前記予備加熱工程で加熱された前記複数の板状材料を単一の成形型に配して加圧成形し、単一の成形体を成形する請求項1又は請求項2に記載の樹脂成形体の製造方法。
  4. 前記繊維材料は、ガラス繊維及びカーボン繊維の少なくとも一種である請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の樹脂成形体の製造方法。
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