JP5798945B2 - 連続鋳造用鋳型および連続鋳造装置 - Google Patents
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Description
そして、この連続鋳造装置は、一般的に縦型(垂直型)連続鋳造装置と横型(水平型)連続鋳造装置とに分類することができる。
縦型連続鋳造装置と横型連続鋳造装置とを比較すると、それぞれメリット、デメリットが存在し、鋳造が行われる場面での要求に応じて使い分けがなされている。
この特許文献1に記載された連続鋳造用鋳型によると、アルミニウムまたはアルミニウム合金(以下、これらを総称して「アルミニウム合金」という。)を鋳造するにあたり、良好な表面形状を有する鋳造物を高い生産性で製造することができるという効果を発揮する。
一方、連続鋳造用鋳型の鋳造物と接する部分が、10W/m・K以上の熱伝導率(20℃)の材料からなることにより、鋳造物の冷却に非常に時間がかかってしまうことに伴う鋳造速度の低下(生産性の低下)を回避することができる。また、連続鋳造用鋳型の鋳造物と接する部分が、10W/m・K以上の熱伝導率(20℃)の材料からなることにより、鋳造物の凝固時の抜熱が不十分なために生じる表面の荒れを回避することができる。
この連続鋳造装置によれば、前記の連続鋳造用鋳型を備えることにより、良好な表面形状を有する鋳造物を製造することができる。また、前記の連続鋳造用鋳型を備えることにより、十分な生産性を確保することができる。
本発明に係る連続鋳造装置によれば、前記の連続鋳造用鋳型を備えることにより、良好な表面形状を有する鋳造物を製造することができる。また、前記の連続鋳造用鋳型を備えることにより、十分な生産性を確保することができる。
≪連続鋳造装置の概略構成≫
まず、図1を参照して、本発明に係る連続鋳造用鋳型1を備える連続鋳造装置Dの構成について説明する。
なお、連続鋳造用鋳型1および連続鋳造装置Dについて、いわゆる横型(水平型)の場合を例に挙げて説明するが、本発明は、縦型(垂直型)の連続鋳造用鋳型および連続鋳造装置にも適用することができる。
また、連続鋳造装置Dは、図示しない冷却水輸送管と潤滑油輸送管とを備え、これらの輸送管から、後記する連続鋳造用鋳型1の冷却水供給孔5と潤滑油供給孔6とに外部から冷却水と潤滑油が導入される構成となっていてもよい(図2参照)。さらに、連続鋳造装置Dは、溶解炉から供給される溶湯Mを保持する保持炉(図示せず)と、保持炉からタンディッシュ20に溶湯Mを供給する溶湯給湯管(図示せず)と、を備えていてもよい。
次に、図2を参照して、連続鋳造用鋳型1について説明する。
連続鋳造用鋳型1は、セラミックノズル4から矢印方向に導入される溶湯Mを冷却し、所定の径の鋳造物Wを製造するものである。
そして、連続鋳造用鋳型1は、製造する鋳造物Wの外径と同じ大きさの内径の略円柱状を呈するとともに、冷却水供給孔5および潤滑油供給孔6が形成されている(図2(a)参照)。
なお、連続鋳造用鋳型1は、複数の部材が組み合わさって構成されていてもよい。
なお、連続鋳造用鋳型の構造については、図2(a)、(b)の2つの構造を説明したが、当該構造に限定されるものではない。
連続鋳造用鋳型1のうち、鋳造物Wと接する部分は、20℃での熱伝導率が10〜150W/m・Kの材料から構成される。
当該部分が、150W/m・K以下の熱伝導率(20℃)の材料からなることにより、鋳造物Wが急激に冷却されることに伴う鋳造物W表面における凹凸形状の形成を防止することができる。つまり、良好な表面形状を有する鋳造物Wを製造することができる。
一方、当該部分が、10W/m・K以上の熱伝導率(20℃)の材料からなることにより、鋳造物Wの冷却に非常に時間がかかってしまうことに伴う鋳造速度の低下(生産性の低下)を回避することができる。また、当該部分が、10W/m・K以上の熱伝導率(20℃)の材料からなることにより、鋳造物Wの凝固時の抜熱が不十分なために生じる表面の荒れを回避することができる。
当該部分が、100W/m・K以上の熱伝導率(20℃)の材料からなることにより、鋳造物Wが迅速に冷却されることから、鋳造速度を向上させることが可能であり、十分な生産性を確保することができる。
つまり、連続鋳造用鋳型1のうち、少なくとも当該部分が前記材料から構成されることにより、前記効果を発揮することができる。言い換えると、連続鋳造用鋳型1のうち、前記材料から構成される部分が、鋳造物Wと接触する内周面1a(内周面3a)から径方向外側に2mm以上となっていればよい。
なお、連続鋳造用鋳型1のうち、少なくとも鋳造物Wと接する部分が前記材料から構成されていればよいため、当然、連続鋳造用鋳型1の全体が前記材料から構成されていてもよい。
連続鋳造装置Dについて、連続鋳造用鋳型1以外の部材については、特に限定されないが、以下のような構成のものを用いればよい。
タンディッシュ20は、マグネシウム合金の溶湯Mを貯留する槽である。
セラミックノズル4は、耐熱性を有するセラミックからなるノズルであり、タンディッシュ20内の溶湯Mを連続鋳造用鋳型1に供給するものである。そして、セラミックノズル4は、連結部材7を介してタンディッシュ20と、連続鋳造用鋳型1と、を連結する。なお、連結部材7についても、耐熱性を有するセラミック等により構成されていればよい。
溶湯Mは、溶解炉(図示せず)で溶融された金属であり、マグネシウム合金からなる。
また、鋳造物Wは、連続鋳造装置Dの連続鋳造用鋳型1により鋳造されて溶湯Mが凝固した鋳片(鋳塊)であり、例えば、直径が数10〜100mm程度の丸棒形状を呈するように製造される。
次に、本発明に係る連続鋳造用鋳型10を備える連続鋳造装置Dの動作について説明する。
以上の動作により、連続鋳造装置Dによって、連続的に鋳造物Wが鋳造される。
連続鋳造用鋳型として、以下の3つの鋳型を用意した。
連続鋳造用鋳型No.1
モールド名称:銅モールド
モールド材質:クロム銅
熱伝導率:376(W/m・K)
構造:図2(a)に示す構造であり、鋳型本体1が上記材質により構成されている。
連続鋳造用鋳型No.2
モールド名称:カーボンスリーブモールド
モールド材質:カーボン
熱伝導率:120(W/m・K)
構造:図2(b)に示す構造であり、鋳型リング3が上記材質により構成されている。なお、鋳型本体1は銅モールドにより構成されている。
連続鋳造用鋳型No.3
モールド名称:ステンレスモールド
モールド材質:SUS304
熱伝導率:16(W/m・K)
構造:図2(a)に示す構造であり、鋳型本体1が上記材質により構成されている。
溶湯としては、マグネシウム合金JIS「MC2」合金(=ASTM「AZ91」)を使用した。また、製造した鋳造物の直径はφ65mmであった。
製造した鋳造物について、鋳造方向に対して真横からの表面形状(表1に示す外観形状)を実体顕微鏡にて観察した。また、鋳造方向と同方向の断面であり、上端4mm(表1に示す断面ミクロ形状)を光学顕微鏡を用いて観察した。当該観察結果(写真)を表1に示す。
連続鋳造用鋳型No.1(銅モールド)は、熱伝導率が本発明で規定する上限値を上回ってしまっていた。そのため、生産性は良いが、鋳造物の表面形状は悪かった。
つまり、本発明によれば、マグネシウム合金からなる鋳造物を連続鋳造するに際し、実用化に適用可能な生産性を確保しつつ、良好な表面形状を有する鋳造物を製造できることがわかった。
1a 鋳型本体の内周面
3 鋳型リング
3a 鋳型リングの内周面
4 セラミックノズル
5 冷却水供給孔
6 潤滑油供給孔
7 連結部材
20 タンディッシュ
30 引抜装置
W 鋳造物
D 連続鋳造装置
M 溶湯
Claims (3)
- マグネシウムまたはマグネシウム合金からなる鋳造物の連続鋳造に用いる連続鋳造用鋳型であって、
前記連続鋳造用鋳型のうち、前記鋳造物と接する部分に、20℃での熱伝導率が10〜150W/m・Kの鋳型リングが設けられていることを特徴とする連続鋳造用鋳型。 - 前記連続鋳造用鋳型のうち、前記鋳造物と接する部分に、20℃での熱伝導率が100〜150W/m・Kの鋳型リングが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造用鋳型。
- 請求項1または請求項2に記載の連続鋳造用鋳型を備える連続鋳造装置。
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