JP5798314B2 - 情報処理装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献1には、グローバル変数を「公開領域」と「作業領域」の2つの領域に重複させて記憶させ、グローバル変数の参照と更新とを別々の領域で行い、参照が終了した時点で作業領域と公開領域とを切り替える「領域切換処理」を実行する情報処理装置が開示されている。
また、特許文献1の方法は、現在どちらの領域が作業領域でありどちらの領域が公開領域であるかの情報を管理する「領域情報記憶手段」が必要となる上、グローバル変数の参照時にその管理情報をも確認せねばならず、処理負荷が増大するという問題がある。
加えて、何らかの理由で上位タスクがグローバル変数の更新を停止した場合、下位タスクは更新前の古いデータを使用し、さらに更新停止が続くと、更新後の最新データと更新前の過去データとを交互に参照して使用するという、いわゆるデータハンチングの問題が生じる。
かかる問題は、公開領域と作業領域とを動的に切り替えることによって発生する問題である。
上位タスクは、2つの記憶領域の一方である作業領域を使用してグローバル変数を更新する上位更新処理を実行する。下位タスクは、2つの記憶領域の他方である公開領域を使用してグローバル変数を参照する下位参照処理を実行する。そして、下位タスク中の下位参照処理の実行時を除く所定の時期であって、下位参照処理を開始する前に、作業領域から公開領域へグローバル変数を複製する複製処理を実行する。
拡張して言えば、下位参照処理における複数のサブタスク間でのデータの同時性を確保することができる。
さらに、領域切換処理においては、何らかの理由で上位更新処理が停止した場合、その後の領域切換処理で、更新後の最新データと更新前の過去データとが交互に繰り返し公開領域に記憶される。すると、下位タスクは、最新データと過去データとを交互に参照して使用するというデータハンチングが生じ、制御上重大な問題を招くおそれがある。それに対し、本発明による複製処理では、上位更新処理が停止した場合でも、下位タスクは、常に最新データを参照することができ、データハンチングは発生しない。
加えて、この情報処理装置は、下位タスク中の下位参照処理を開始する前に複製処理を実行する。
従来技術の領域切換処理によると、下位参照処理では直前の領域切換処理で公開領域に記憶されたデータを参照する。そのため、領域切換処理を実行する下位タスクの実行周期よりも上位更新処理の実行周期が速い場合、領域切換処理後に上位更新処理で更新された最新のデータを参照することができない。よって、参照データの遅延が発生する。
それに対し、下位タスク中の下位参照処理を開始する前に複製処理を実行することで、下位参照処理において最新のデータを使用することができる。
加えて、この情報処理装置は、上位更新処理が複製処理の実行中に実行されることを禁止する割り込み禁止処理を実行する。
仮に、複数のグローバル変数についての複製処理の実行途中に上位更新処理が実行された場合、下位タスクは、一部のグローバル変数については更新前のデータを参照し、残りのグローバル変数については更新後のデータを参照するためデータの同時性が破綻する。そこで、割り込み禁止処理により、複数のグローバル変数についての複製処理が上位更新処理の前後に跨らないようにすることで、データの同時性破綻を回避することができる。
加えて、この情報処理装置は、下位タスクに含まれる複数の下位参照処理で参照される複数のグローバル変数について共通の割り込み禁止処理を実行する。
複数のグローバル変数について、共通の割り込み禁止処理を実行することで、各グローバル変数について個々に割り込み禁止処理を実行する場合に比べ、情報処理装置の処理負荷を低減することができる。
さらに、割り込み禁止処理は、優先度の高い上位タスクの実行を遅らせるためリアルタイム性を損なうというデメリットを伴う。そのため、割り込み禁止処理を共通にして回数を減らすことで、リアルタイム性への影響を最小限に抑えることができる。
下位タスクは、2つの記憶領域の一方である作業領域を使用してグローバル変数を更新する下位更新処理を実行する。上位タスクは、2つの記憶領域の他方である公開領域を使用してグローバル変数を参照する上位参照処理を実行する。そして、下位タスク中の下位更新処理の実行時を除く所定の時期であって、下位更新処理を開始する前に、作業領域から公開領域へグローバル変数を複製する複製処理を実行する。
拡張して言えば、上位参照処理における複数のグローバル変数の同時性を確保することができる。
また、この情報処理装置は、下位タスク中の下位更新処理を開始する前に複製処理を実行する。
これにより、複製処理後の下位タスクの処理時間のばらつきなどに関係なく、下位更新処理で更新されたデータを常に一定のタイミングで公開領域に複製し、上位タスクが参照可能な状態にすることができる。すなわち、外的要因に対し安定した特性を維持するロバスト性に優れる。
また、この情報処理装置は、上位参照処理が複製処理の実行中に実行されることを禁止する割り込み禁止処理を実行する。
仮に、複数のグローバル変数についての複製処理の実行途中に上位参照処理が実行された場合、上位タスクは、一部のグローバル変数については更新前のデータを参照し、残りのグローバル変数については更新後のデータを参照するためデータの同時性が破綻する。そこで、割り込み禁止処理により、複数のグローバル変数についての複製処理が上位参照処理の前後に跨らないようにすることで、データの同時性破綻を回避することができる。
また、この情報処理装置は、下位タスクに含まれる複数の下位更新処理で更新される複数のグローバル変数について共通の割り込み禁止処理を実行する。
複数のグローバル変数について、共通の割り込み禁止処理を実行することで、各グローバル変数について個々に割り込み禁止処理を実行する場合に比べ、情報処理装置の処理負荷を低減することができる。
さらに、割り込み禁止処理は、優先度の高い上位タスクの実行を遅らせるためリアルタイム性を損なうというデメリットを伴う。そのため、割り込み禁止処理を共通にして回数を減らすことで、リアルタイム性への影響を最小限に抑えることができる。
これにより、例えば、上位タスク毎に、割り当てられた公開領域への複製処理のタイミングをずらすことができる。仮に、第1上位タスクが「常に一定のタイミングで更新されるデータを要求するタスク」であり、第2上位タスクが「常に最新のデータを要求するタスク」であるとする。そこで、第1上位タスク用の公開領域への複製は、下位タスク中の下位更新処理を開始する前に実行することでロバスト性を向上させる。一方、第2上位タスク用の公開領域への複製は、下位タスク中の下位更新処理を完了した後に実行することで最新のデータを参照可能とする。このように、上位タスクの特性に応じて複製処理を実行することができる。
(第1実施形態)
図1は、電動パワーステアリング装置を備えたステアリングシステムの全体構成を示す。ステアリングシステム90に備えられる電動パワーステアリング装置1は、ハンドル91に接続されたステアリングシャフト92に操舵トルクを検出するためのトルクセンサ94を設置している。
ステアリングシャフト92の先端にはピニオンギア96が設けられており、ピニオンギア96はラック軸97に噛み合っている。ラック軸97の両端には、タイロッド等を介して一対の車輪98が回転可能に連結されている。
この構成により、電動パワーステアリング装置1は、ハンドル91の操舵を補助するための操舵アシストトルクを発生し、ステアリングシャフト92に伝達する。
マイコン11は、処理プログラムを実行するCPU(中央演算処理装置)12、CPU12によって実行される処理プログラムを記憶するROM13、CPU12による演算結果等を記憶するためのRAM14、及び、入力回路16および出力回路17との間で信号をやり取りするためのI/O15を備えている。
本実施形態では、入力回路16は、上述の回転角センサ85、トルクセンサ94および車速センサ95からの信号を入力し、出力回路17は、マイコン11の制御に応じてモータ80を駆動する。
以下、実施形態ごとに、上位タスクと下位タスクとの間でのグローバル変数の更新および参照処理について説明する。
本発明の第1実施形態による処理を図3〜5に基づいて説明する。第1実施形態は、第1のケースで、下位タスクの開始時に複製処理を実行する。
以下、サブタスクXおよびサブタスクYは、下位タスクVを構成し、グローバル変数を更新または参照するタスクである。また、図中、下位タスクVのうちサブタスクXおよびサブタスクYを除く部分は、グローバル変数を使用しないタスクを意味する。下位タスクVのうち破線で指示する部分は、上位タスクSの割り込みによって下位タスクVの実行が中断されることを意味する。
一方、下位タスクV2においては、サブタスクXによる下位参照処理後、サブタスクYによる下位参照処理の実行前に上位タスクS2による上位更新処理が行われる。この事例は、例えば、サブタスクXの処理時間が長くかかる場合に起こり得る。この場合、サブタスクXは更新前の古いデータを参照し、サブタスクYは更新後の新しいデータを参照することとなり、サブタスクXとサブタスクYとの間でのグローバル変数cの同時性が破綻する(N101)。
これに対し、第1実施形態では、図3(b)に示すように、下位タスクVの開始時tiにおける最新データを参照することができ、1周期分のデータ遅延は発生しない。
これに対し、第1実施形態では、図5(b)に示すように、上位タスクSが作業領域C1でのデータ更新を停止した場合でも、下位タスクVは、常に最新データを参照することができ、データハンチングは発生しない。
また、従来技術による領域切換処理と比較すると、下位タスクの1周期分のデータ遅延が発生しない。また、データハンチングの問題がないため、特にデータハンチングが問題となるようなシステムでは有効である。
本発明の第2実施形態による処理を図6に基づいて説明する。第2実施形態は、第1のケースで、複数のグローバル変数についての複製処理の実行中に、上位更新処理の割り込みを禁止する「割り込み禁止処理」を実行する。
図6(a)は、第2実施形態に対する比較例として、割り込み禁止処理がされない場合を示す。上位タスクSは作業領域C1、D1のグローバル変数c、dを更新する。下位タスクVのサブタスクXおよびサブタスクYは、下位タスクVの開始時tiの後、公開領域C2、D2からグローバル変数c、dを参照する。
下位タスクV3では、下位タスクVの開始時tiの後、割り込み禁止期間Pintが終了するまで上位タスクS3の実行開始が待たされる。その結果、上位タスクS3の影響を受けずに作業領域C1、D1から公開領域C2、D2への複製処理がされるため、グローバル変数c、dの同時性が確保される(N213)。
また、グローバル変数c、dについて、共通の割り込み禁止処理を実行するため、各グローバル変数について個々に割り込み禁止処理を実行する場合に比べ、ECU10の処理負荷を低減することができる。
さらに、割り込み禁止処理は、優先度の高い上位タスクの実行を遅らせるためリアルタイム性を損なうというデメリットを伴う。そのため、割り込み禁止処理を共通にして回数を減らすことで、リアルタイム性への影響を最小限に抑えることができる。
本発明の第3実施形態による処理を図7に基づいて説明する。第3実施形態は、第1のケースで、下位タスクの完了時に複製処理を実行する。
下位タスクV1では、サブタスクXおよびサブタスクYによる下位参照処理の実行後に上位タスクS1による上位更新処理がされるため、データの同時性に関する問題はない。一方、下位タスクV2では、サブタスクXによる下位参照処理の実行後、サブタスクYによる下位参照処理の実行前に上位タスクS2が発生する。しかし、作業領域C1から公開領域C2への複製処理は下位タスクV2の完了時tfにされるため、サブタスクYは更新前のデータを参照し、サブタスクXとの間でデータの同時性が確保される(N312)。
第3実施形態では、第1実施形態と同様に、複数のデータ間の同時性を確保することができる。
本発明の第4実施形態による処理を図8に基づいて説明する。第4実施形態は、第1のケースで、複数の下位タスク毎に複数の公開領域を割り当て、複製処理において、それぞれの下位タスクで使用されるグローバル変数を作業領域から公開領域へ複製する。
図8(a)は、第4実施形態に対する比較例として、複数の下位タスクが1つの公開領域を共用する場合を示す。上位タスクSは作業領域C1のグローバル変数cを更新する。下位タスクは、優先度が高い順に3つの下位タスクU、V、Wを含み、優先度が相対的に高い下位タスクは、優先度が相対的に低い下位タスクの実行中に割り込んで実行される。下位タスクUは、下位タスクVよりも実行周期が速い。下位タスクWのうち破線で指示する部分は、上位タスクSまたは下位タスクU、Vの割り込みによって下位タスクWの実行が中断されることを意味する。
また、下位タスクVの開始時tiにグローバル変数cの複製処理が実行される。下位タスクU、V、Wは、いずれもグローバル変数cを参照する。
これにより、下位タスクU2は、下位タスクU2の開始時tiuに複製された最新のデータを参照することができる(N411)。
これにより、第4実施形態では、優先度が相対的に低い下位タスクの実行途中に、優先度が相対的に高い別の下位タスクによって複製処理が実行されることによるデータの同時性破綻を回避することができる。
次に説明する第5〜第8実施形態は、「下位タスクによるグローバル変数の更新途中で上位タスクによってグローバル変数が参照される可能性がある」場合の処理に係る実施形態である。このケースを「第2のケース」という。
本発明の第5実施形態による処理を図9に基づいて説明する。第5実施形態は、第2のケースで、下位タスクの開始時に複製処理を実行する。
上位タスクS1による上位参照処理は、サブタスクXおよびサブタスクYの実行後に行われるため、データの同時性に関する問題はない。一方、上位タスクS2による上位参照処理は、サブタスクXによるグローバル変数eの下位更新処理後、サブタスクYによるグローバル変数fの下位更新処理の実行前に行われる。この事例は、例えば、サブタスクXの処理時間が長くかかる場合に起こり得る。この場合、上位タスクS2は、グローバル変数eについては更新後の新しいデータを参照し、グローバル変数fについては更新前の古いデータを参照することとなり、グローバル変数eとグローバル変数fとの同時性が破綻する(N502)。
また、下位タスクVの開始時tiに複製処理を実行するため、その後の下位タスクVの処理時間のばらつきなどに関係なく、下位更新処理で更新されたデータを常に一定のタイミングで公開領域に複製し、上位タスクが参照可能な状態にすることができる。すなわち、外的要因に対し安定した特性を維持するロバスト性に優れる。
本発明の第6実施形態による処理を図10に基づいて説明する。第6実施形態は、第2のケースで、複製処理の実行中に上位参照処理の割り込みを禁止する「割り込み禁止処理」を実行する。
図10(a)は、第6実施形態に対する比較例として、割り込み禁止処理がされない場合を示す。下位タスクVのサブタスクXは、X作業領域E1のグローバル変数eを更新し、下位タスクVのサブタスクYは、Y作業領域F1のグローバル変数fを更新する。下位タスクVは、開始時tiに、X作業領域E1からX公開領域E2へグローバル変数eを複製し、かつ、Y作業領域F1からY公開領域F2へグローバル変数fを複製する。そして、上位タスクSは、X公開領域E2のグローバル変数eを参照し、Y公開領域F2のグローバル変数fを参照する。
上位タスクS3は、下位タスクV3の開始時tiの後、割り込み禁止期間Pintが終了するまで上位参照処理の実行開始が待たされる。したがって、公開領域E2、F2への複製処理の完了後にグローバル変数e、fが参照されるため、グローバル変数e、fの同時性が確保される(N613)。
また、グローバル変数e、fについて、共通の割り込み禁止処理を実行するため、各グローバル変数について個々に割り込み禁止処理を実行する場合に比べ、ECU10の処理負荷を低減することができる。
さらに、割り込み禁止処理は、優先度の高い上位タスクの実行を遅らせるためリアルタイム性を損なうというデメリットを伴う。そのため、割り込み禁止処理を共通にして回数を減らすことで、リアルタイム性への影響を最小限に抑えることができる。
本発明の第7実施形態による処理を図11に基づいて説明する。第7実施形態は、第2のケースで、下位タスクの完了時に複製処理を実行する。
下位タスクV1では、サブタスクXおよびサブタスクYによる下位更新処理の実行後に、上位タスクS1による上位参照処理がされるため、データの同時性に関する問題はない。一方、下位タスクV2では、サブタスクXによる下位更新処理の実行後、サブタスクYによる下位更新処理の実行前に上位タスクS2が発生する。しかし、上位タスクS2は、1周期前の下位タスクV1の完了時tfにX公開領域E2およびY公開領域F2に複製されたグローバル変数e、fを共に参照するため、上位参照処理におけるグローバル変数e、fの同時性が確保される(N712)。
また、下位タスクV1の実行後に最初に発生する上位タスクS1’による上位参照処理において、第5実施形態では、下位タスク1周期分遅れたデータを参照する(図9(b)参照)のに対し、第7実施形態では、下位タスクVの完了時tfに複製処理を実行するため、常に最新のデータを参照することができる。
本発明の第8実施形態による処理を図12に基づいて説明する。第8実施形態は、第2のケースで、複数の上位タスク毎に複数の公開領域を割り当て、複製処理において、それぞれの上位タスクで使用されるグローバル変数を作業領域から公開領域へ複製する。さらに、それぞれの公開領域への複製処理のタイミングを、下位タスクの開始時と下位タスクの完了時とに分ける。
したがって、下位タスクV1の終了後に発生する上位タスクT1は、下位タスクV1の実行中に更新された最新のグローバル変数eを参照することができる(N811)。
(ア)上記の第1、2、3、5、6、7実施形態では、下位タスクが2つのサブタスクX、Yを含む場合を例示するが、下位タスクのサブタスクは3つ以上であってもよい。
(イ)上記の第4実施形態では、3つの下位タスクU、V、Wを例示する。また、上記の第8実施形態では、2つの上位タスクS、Tを例示する。これら複数の下位タスク、上位タスクの数はこれに限らない。
また、上記の第3、第7実施形態等では、下位タスクVの完了時tfに複製処理を実行する。この複製タイミングは、完了時tfに限らず、下位タスクVの実行中最後にグローバル変数を参照または更新するサブタスクYの完了後であればよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
10 ・・・ECU(情報処理装置)、
11 ・・・マイコン、
12 ・・・CPU、
S、T ・・・上位タスク、
U、V、W ・・・下位タスク、
X、Y ・・・サブタスク、
C1、D1 ・・・(第1のケースの)作業領域、
C2、C3、C4、D2・・・(第1のケースの)公開領域、
c、d ・・・(第1のケースの)グローバル変数、
E1、F1 ・・・(第2のケースの)作業領域、
E2、E3、F2・・・(第2のケースの)公開領域、
e、f ・・・(第2のケースの)グローバル変数、
Pint ・・・割り込み禁止期間。
Claims (4)
- 処理プログラムの実行単位となる複数のタスクを当該複数のタスク毎に設定される優先度に基づき、前記優先度が相対的に高い上位タスクの実行により前記優先度が相対的に低い下位タスクの実行が一時的に中断され、前記上位タスクの終了時に前記下位タスクが中断位置から再開されるよう実行することによって一連の機能を実現する情報処理装置であって、
前記上位タスクと前記下位タスクとの間で共通に使用されるグローバル変数を記憶する2つの記憶領域を設定し、
前記下位タスクによる前記グローバル変数の参照途中で前記上位タスクによって前記グローバル変数が更新される可能性のある第1のケースにおいて、
前記上位タスクは、前記2つの記憶領域の一方である作業領域を使用して前記グローバル変数を更新する上位更新処理を実行し、
前記下位タスクは、前記2つの記憶領域の他方である公開領域を使用して前記グローバル変数を参照する下位参照処理を実行し、
前記下位タスクは、前記下位タスク中の前記下位参照処理を開始する前に、前記作業領域から前記公開領域へ前記グローバル変数を複製する複製処理を実行し、
前記下位タスクは、前記上位更新処理が前記複製処理の実行中に実行されることを禁止する割り込み禁止処理であって、前記下位タスクに含まれる複数の前記下位参照処理で参照される複数の前記グローバル変数について共通の割り込み禁止処理を実行することを特徴とする情報処理装置。 - 請求項1に記載の情報処理装置において、
複数の前記下位タスク毎に複数の前記公開領域を割り当て、
前記複製処理において、それぞれの前記下位タスクで使用される前記グローバル変数を前記作業領域から複数の前記公開領域へ複製することを特徴とする情報処理装置。 - 処理プログラムの実行単位となる複数のタスクを当該複数のタスク毎に設定される優先度に基づき、前記優先度が相対的に高い上位タスクの実行により前記優先度が相対的に低い下位タスクの実行が一時的に中断され、前記上位タスクの終了時に前記下位タスクが中断位置から再開されるよう実行することによって一連の機能を実現する情報処理装置であって、
前記上位タスクと前記下位タスクとの間で共通に使用されるグローバル変数を記憶する2つの記憶領域を設定し、
前記下位タスクによる前記グローバル変数の更新途中で前記上位タスクによって前記グローバル変数が参照される可能性のある第2のケースにおいて、
前記下位タスクは、前記2つの記憶領域の一方である作業領域を使用して前記グローバル変数を更新する下位更新処理を実行し、
前記上位タスクは、前記2つの記憶領域の他方である公開領域を使用して前記グローバル変数を参照する上位参照処理を実行し、
前記下位タスクは、前記下位タスク中の前記下位更新処理を開始する前に、前記作業領域から前記公開領域へ前記グローバル変数を複製する複製処理を実行し、
前記下位タスクは、前記上位参照処理が前記複製処理の実行中に実行されることを禁止する割り込み禁止処理であって、前記下位タスクに含まれる複数の前記下位更新処理で更新される複数の前記グローバル変数について共通の割り込み禁止処理を実行することを特徴とする情報処理装置。 - 請求項3に記載の情報処理装置において、
複数の前記上位タスク毎に複数の前記公開領域を割り当て、
前記複製処理において、それぞれの前記上位タスクで使用される前記グローバル変数を前記作業領域から複数の前記公開領域へ複製することを特徴とする情報処理装置。
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