JP5797717B2 - 白色熱硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びそれを用いたディスプレイ用部材 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、プロセス中に必要とされる絶縁性、耐熱性を有し、密着性、硬化性を高いレベルでバランス良く達成でき、且つ表面平坦性および耐溶剤性に優れた硬化物を形成できる白色硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びそれを用いたディスプレイ用部材を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(7)を提供する。
以下、本発明の組成物が含有する各成分について詳細に説明する。
通常、酸化チタンを含むと密着性が悪くなるので、シリコーン樹脂の添加によって密着性と硬化性とバランスを取ることが可能となる。とりわけ、下記の線状シリコーン樹脂(a−1)および架橋型シリコーン樹脂(a−2)を特定の配合割合で添加することによって、より一層良好な密着性、硬化性、耐熱性を得ることができる。
線状シリコーン樹脂(a−1)は、下記一般式(I)で表される構造を有し、両末端にシラノール基を持つシリコーン樹脂である。線状シリコーン樹脂(a−1)により、より一層良好な耐高温クラック性を付与することができる。
線状シリコーン樹脂は、上記一般式(I)の構造を有し、両末端にシラノール基を持つ線状シリコーン樹脂であれば、問題なく使用できる。市販品としては、例えば、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のYF3800、XF3905、YF3057、YF3807、YF3802、YF3897、XC96−723、2D SILANOL FLUIDが挙げられる。
上記線状シリコーン樹脂の分子量は、特に限定されないが、あまりに大きい場合には、高粘度でハンドリング性が不良となる場合があるため、その分子量を粘度が10〜100cpとなるように調整することが好ましく、粘度を20〜70cpとなるように調整するのがより好ましい。
架橋型シリコーン樹脂としては特に制限されず、加熱硬化型シリコーン樹脂、常温硬化型シリコーン樹脂のいずれも使用できる。架橋型シリコーン樹脂(a−2)により、より一層良好な耐溶剤性を付与することができる。より一層良好な密着性、硬化性、耐熱性を得るために、下記一般式(II)で表される構造を有する架橋型シリコーン樹脂を使用するのが望ましい。
ここで、炭素数1〜12のアルキル基の具体例として、例えば、メチル基、エチル、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基などが挙げられ、これらの具体例に限定されるものではない。この中でも、メチル基、エチル基が特に好ましく使用できる。
加熱硬化型シリコーン樹脂を架橋させるには、樹脂を200〜250℃程度に加熱する必要がある。常温硬化型シリコーン樹脂を硬化させるには加熱は必要ないけれども、硬化時間の短縮のために150〜280℃で加熱するのが好ましい。
また、上記線状シリコーン樹脂(a−1)と架橋型シリコーン樹脂(a−2)との配合割合(線状シリコーン樹脂(a−1):架橋型シリコーン樹脂(a−2))は質量部で、75:25〜95:5である。密着性、硬化性をバランス良く得られる観点から、80:20〜90:10がさらに好ましい。さらに、上記線状シリコーン樹脂(a−1)及び架橋型シリコーン樹脂(a−2)の合計配合量は、熱硬化性組成物の不揮発分100質量部に対して、25〜60質量部の範囲で配合するのが好ましい。より好ましくは、30〜50質量部である。
酸化チタンを含む組成物によれば、白色度の高い成形体を得ることができる。また、酸化チタンの使用によって、酸化チタンとは異なる充填材のみを用いた場合と比較して、白色度が高い成形体が得られる。酸化チタンは特に限定されない。酸化チタンは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。本発明の白色硬化性樹脂組成物には、酸化チタンとしてアナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンのどちらも用いることができる。このうち、アナターゼ型酸化チタンは、ルチル型と比較して白色度が高いためによく使用される。しかしながら、アナターゼ型酸化チタンは、光触媒活性を有するために、組成物中の樹脂の変色を引き起こすことがある。これに対し、ルチル型酸化チタンは、白色度はアナターゼ型と比較して若干劣るものの、光活性を殆ど有さないために、安定した硬化膜を得ることができるため、好ましい。
また、上記アナターゼ型酸化チタンとしては、TA−100、TA−200、TA−300、TA−400、TA−500(以上、富士チタン工業社製)、タイペークA−100、タイペークA−220、タイペークW−10(以上、石原産業社製)、TITANIX JA−1、TITANIX JA−3、TITANIX JA−4、TITANIX JA−5(以上、テイカ社製)、KRONOS KA−10、KRONOS KA−15、KRONOS KA−20、KRONOS KA−30(以上、チタン工業社製)、A−100、A−100、A−100、SA−1、SA−1L(以上、堺化学工業社製)等が挙げられる。
酸化チタンは、アルミニウム酸化物により表面処理されたルチル型酸化チタンを含むことが好ましい。上記酸化チタン100質量部中、上記アルミニウム酸化物より表面処理されたルチル型酸化チタンの含有量は好ましくは10質量部以上、より好ましくは30質量部以上、100質量部以下である。上記酸化チタンの全量が、上記アルミニウム酸化物により表面処理されたルチル型酸化チタンであってもよい。上記アルミニウム酸化物により表面処理されたルチル型酸化チタンの使用により、成形体の耐熱性がより一層高くなる。
上記アルミニウム酸化物により表面処理されたルチル型酸化チタンとしては、例えば、ルチル塩素法酸化チタンである石原産業社製の品番:CR−58、CR−90や、ルチル硫酸法酸化チタンである石原産業社製の品番:R−630等が挙げられる。
本発明の白色熱硬化性樹脂組成物に使用される硫酸バリウム、シリカ及びタルクからなる群から選ばれる少なくとも1種の絶縁性フィラーは、上記シリコーン樹脂と併用することにより、硬化物の高温絶縁抵抗性を改善するのみでなく、表面平坦性を上昇させ、加工プロセスの加熱による変形を抑制し、表面平坦性を維持するほかに、かすり傷やマイクロクラックを有効に防止することができる。
上記絶縁性フィラーの配合量として、上記線状シリコーン樹脂(a−1)と架橋型シリコーン樹脂(a−2)との合計量100質量部に対して、10〜70質量部であることが好ましく、25〜55質量部であることがより好ましい。絶縁性フィラーの配合量が上記の範囲であると、耐高温クラック性がさらに向上する。また、硫酸バリウム、シリカ、タルクは市販のものを使用してもよい。
シリカの市販品としては、アエロジル50、アエロジル200、アエロジル380、アエロジルA300などのAシリーズ、RY300などのRYシリーズ(日本アエロジル(株)製);WACKER HDK S13、WACKER HDK V15、WACKER HDK N20(いずれも旭化成社製);「ファインシールB」(商品名、トクヤマ社製)、「ファインシール」(トクヤマ社製)、「サイリシア」(富士シリシア化学社製)、スノーテックスUP、スノーテックスOUP(日産化学工業社製)、シベルコ・アジア社製のMegasil 950、日本シリカ工業社製のNipsil L−300、Nipsil KQ等が挙げられる。
タルクの市販品としては、LMS−100、LMS−200、LMS−300、LMS−3500、LMS−400、LMP−100、PKP−53、PKP−80、PKP−81(富士タルク工業社製)、D−600、D−800、D−1000、P−2、P−3、P−4、P−6、P−8、SG−95(日本タルク社製)等が挙げられる。これらは単独あるいは複数組み合わせても使用できる。
本発明の白色硬化性樹脂組成物は、シランカップリング剤をさらに含むことが好ましい。カップリング剤の使用により、煮沸水中1時間でも耐え得るガラス基材との密着性が得られるのみならず、成形体において熱硬化性成分と酸化チタンとの密着性が良好になる。シランカップリング剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
シランカップリング剤としては特に限定されないが、例えば、一般にエポキシシラン系カップリング剤、アミノシラン系カップリング剤、カチオニックシラン系カップリング剤、ビニルシラン系カップリング剤、アクリルシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤およびこれらの複合系カップリング剤が挙げられる。
シランカップリング剤の配合量は、上記線状シリコーン樹脂(a−1)と架橋型シリコーン樹脂(a−2)との合計量100質量部に対して、0.1質量部以上、15質量部以下であることが好ましい。0.1質量部以上であると、その効果が明らかとなり、一方、15質量部以下であると、白色硬化性樹脂組成物の増粘がなく、またコスト的にも有利である。より好ましくは12質量部以下である。
前記酸化チタンの分散性、沈降性の改善を目的として、分散剤を配合することができる。
分散剤としては、ANTI−TERRAU、ANTI−TERRA−U100、ANTI−TERRA−204、ANTI−TERRA−205、DISPERBYK−101、DISPERBYK−102、DISPERBYK−103、DISPERBYK−106、DISPERBYK−108、DISPERBYK−109、DISPERBYK−110、DISPERBYK−111、DISPERBYK−112、DISPERBYK−116、DISPERBYK−130、DISPERBYK−140、DISPERBYK−142、DISPERBYK−145、DISPERBYK−161、DISPERBYK−162、DISPERBYK−163、DISPERBYK−164、DISPERBYK−166、DISPERBYK−167、DISPERBYK−168、DISPERBYK−170、DISPERBYK−171、DISPERBYK−174、DISPERBYK−180、DISPERBYK−182、DISPERBYK−183、DISPERBYK−185、DISPERBYK−184、DISPERBYK−2000、DISPERBYK−2001、DISPERBYK−2009、DISPERBYK−2020、DISPERBYK−2025、DISPERBYK−2050、DISPERBYK−2070、DISPERBYK−2096、DISPERBYK−2150、BYK−P104、BYK−P104S、BYK−P105、BYK−9076、BYK−9077、BYK−220S(ビックケミー・ジャパン社製)、ディスパロン2150、ディスパロン1210、ディスパロンKS−860、ディスパロンKS−873N、ディスパロン7004、ディスパロン1830、ディスパロン1860、ディスパロン1850、ディスパロンDA−400N、ディスパロンPW−36、ディスパロンDA−703−50(楠本化成社製)、フローレンG−450、フローレンG−600、フローレンG−820、フローレンG−700、フローレンDOPA−44、フローレンDOPA−17(共栄社化学社製)等が挙げられる。
更に、本発明の白色硬化性樹脂組成物には、その硬化物の光劣化の減少を目的としてヒンダードアミン系光安定剤を配合することができる。
このヒンダードアミン系光安定剤としては、チヌビン622LD、チヌビン144;CHIMASSORB944LD、CHIMASSORB 119FL(以上いずれもBASFジャパン社製);MARK LA−57、LA−62、LA−67、LA−63、LA−68(以上いずれもADEKA社製);サノールLS−770、LS−765、LS−292、LS−2626、LS−1114、LS−744(以上いずれも三共ライフテック社製)等が挙げられる。
本発明の組成物は、必要に応じて、ポリイミド等の基材との密着性を向上させるために、公知慣用のメルカプト化合物や密着促進剤を含有することができる。メルカプト化合物としては、2−メルカプトプロピオン酸、トリメチロールプロパントリス(2−チオプロピオネート)、2−メルカプトエタノール、2−アミノチオフェノール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−プロピルトリメトキシシランなどのメルカプト基含有シランカップリング剤などが挙げられる。密着促進剤としては、例えば、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、3−モルホリノメチル−1−フェニル−トリアゾール−2−チオン、5−アミノ−3−モルホリノメチル−チアゾール−2−チオン、2−メルカプト−5−メチルチオ−チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、アミノ基含有ベンゾトリアゾール、ビニルトリアジンなどがある。これらは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、酸化を防ぐために、発生したラジカルを無効化するようなラジカル捕捉剤や、発生した過酸化物を無害な物質に分解し、新たなラジカルが発生しないようにする過酸化物分解剤などの酸化防止剤を含有することができる。本発明で用いられる酸化防止剤は、シリコーン系樹脂等の酸化劣化を防止し、黄変を抑制することができる。上記酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤等が挙げられる。なかでもフェノール系酸化防止剤が特に好ましい。酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明の白色硬化性樹脂組成物は、さらに他の着色剤を含有することができる。使用する着色剤としては、赤、青、緑、黄、白などの慣用公知の着色剤を使用することができ、顔料、染料、色素のいずれでもよい。具体例として、下記のようなカラーインデックス(C.I.;ザ ソサイエティ オブ ダイヤーズ アンド カラリスツ(The Society of Dyers and Colourists)発行)番号が付されているものを挙げることができる。
赤色着色剤としてはモノアゾ系、ジズアゾ系、アゾレーキ系、ベンズイミダゾロン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、縮合アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系などがあり、具体的には以下のものが挙げられる。
モノアゾ系:Pigment Red 1, 2, 3, 4, 5, 6, 8, 9, 12, 14, 15, 16, 17, 21, 22, 23,31, 32, 112, 114, 146, 147, 151, 170, 184, 187, 188, 193, 210, 245, 253, 258, 266, 267, 268, 269。
ジスアゾ系:Pigment Red 37, 38, 41。
モノアゾレーキ系:Pigment Red 48:1, 48:2, 48:3, 48:4, 49:1, 49:2, 50:1, 52:1, 52:2, 53:1, 53:2, 57:1, 58:4, 63:1, 63:2, 64:1, 68。
ベンズイミダゾロン系:Pigment Red 171、Pigment Red 175、Pigment Red 176、Pigment Red 185、Pigment Red 208。
ぺリレン系:Solvent Red 135、Solvent Red 179、Pigment Red 123、Pigment Red 149、Pigment Red 166、Pigment Red 178、Pigment Red 179、Pigment Red 190、Pigment Red 194、Pigment Red 224。
ジケトピロロピロール系:Pigment Red 254、Pigment Red 255、Pigment Red 264、Pigment Red 270、PigmentRed 272。
縮合アゾ系:Pigment Red 220、Pigment Red 144、Pigment Red 166、Pigment Red 214、Pigment Red 220、Pigment Red 221、Pigment Red 242。
アンスラキノン系:Pigment Red 168、Pigment Red 177、Pigment Red 216、Solvent Red 149、Solvent Red 150、Solvent Red 52、Solvent Red 207。
キナクリドン系:Pigment Red 122、Pigment Red 202、Pigment Red 206、Pigment Red 207、Pigment Red 209。
青色着色剤としてはフタロシアニン系、アントラキノン系があり、顔料系はピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には:Pigment Blue 15、Pigment Blue 15:1、Pigment Blue 15:2、Pigment Blue 15:3、Pigment Blue 15:4、Pigment Blue 15:6、Pigment Blue 16、Pigment Blue 60。
染料系としては、Solvent Blue 35、Solvent Blue 63、Solvent Blue 68、Solvent Blue 70、Solvent Blue 83、Solvent Blue 87、Solvent Blue 94、Solvent Blue 97、Solvent Blue 122、Solvent Blue 136、Solvent Blue 67、Solvent Blue 70等を使用することができる。上記以外にも、金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物も使用することができる。
緑色着色剤としては、同様にフタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系があり、具体的にはPigment Green 7、Pigment Green 36、Solvent Green 3、Solvent Green 5、Solvent Green 20、Solvent Green 28等を使用することができる。上記以外にも、金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物も使用することができる。
黄色着色剤としてはモノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、アントラキノン系等があり、具体的には以下のものが挙げられる。
アントラキノン系:Solvent Yellow 163、Pigment Yellow 24、Pigment Yellow 108、Pigment Yellow 193、Pigment Yellow 147、Pigment Yellow 199、Pigment Yellow 202。
イソインドリノン系:Pigment Yellow 110、Pigment Yellow 109、Pigment Yellow 139、Pigment Yellow 179、Pigment Yellow 185。
縮合アゾ系:Pigment Yellow 93、Pigment Yellow 94、Pigment Yellow 95、Pigment Yellow 128、Pigment Yellow 155、Pigment Yellow 166、Pigment Yellow 180。
ベンズイミダゾロン系:Pigment Yellow 120、Pigment Yellow 151、Pigment Yellow 154、Pigment Yellow 156、Pigment Yellow 175、Pigment Yellow 181。
モノアゾ系:Pigment Yellow 1, 2, 3, 4, 5, 6, 9, 10, 12, 61, 62, 62:1, 65, 73, 74, 75, 97, 100, 104, 105, 111, 116, 167, 168, 169, 182, 183。
ジスアゾ系:Pigment Yellow 12, 13, 14, 16, 17, 55, 63, 81, 83, 87, 126, 127, 152, 170, 172, 174, 176, 188, 198。
白色着色剤としては、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化アンモニウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
具体的に例示すれば、Pigment Violet 19、23、29、32、36、38、42、Solvent Violet 13、36、C.I.ピグメントオレンジ1、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ14、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ17、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ63、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73、C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7等がある。
着色剤の配合量は、特に制限はないが、前記酸化チタン100質量に対して、好ましくは0.01〜10質量部、特に好ましくは0.1〜5質量部である。
さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、組成物の希釈、又は基板やキャリアフィルムに塗布するための粘度調整のため、希釈剤として有機溶剤を使用することができる。
このような有機溶剤としては、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤などを挙げることができる。より具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤などが挙げられる。このような有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。有機溶剤の使用量としては、特に制限されるものではなく、必要に応じて適宜に添加すればよい。
レベリング剤としては、例えば、ポリアクリレート系重合体、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン共重合物、ポリエステル変性ジメチルポリシロキサン共重合物、ポリエーテル変性メチルアルキルポリシロキサン共重合物、アラルキル変性メチルアルキルポリシロキサン共重合物およびポリエーテル変性メチルアルキルポリシロキサン共重合物等が挙げられる。レベリング剤は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。レベリング剤の市販品としては、例えば、ビックケミー・GMBH社製のBYK−352、BYK−354等が挙げられる。
消泡剤の具体例としては、市販されている非シリコーン系の破泡性ポリマー溶液からなる消泡剤としてビックケミー・ジャパン社製のBYK(登録商標)−054、−055、−057、−1790などが挙げられ、シリコーン系の消泡剤としてはビックケミー・ジャパン社製のBYK(登録商標)−063、−065、−066N、−067A、−077、及び、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のジメチルシリコーンオイル SH200シリーズ、などが挙げられる。
このような消泡剤の配合量は、前記線状シリコーン樹脂(a−1)と架橋型シリコーン樹脂(a−2)100質量部当たり、好ましくは10質量部、より好ましくは1〜5質量部である。
本発明に使用される基板としては、ポリイミドフィルム、PETフィルムなどの樹脂フィルム、ガラス基板、セラミック基板、金属基板、ウエハ板等を挙げることができる。この中でもポリイミドフィルム、PETフィルムなどの樹脂フィルム、ガラス基板を好ましく用いることができる。基板の材質及び形状は、目的とする成形物の用途や性能により選択され、必要により、単独又は2種類以上の材質及び形状を組み合わせることができる。また、密着性の観点から、ガラス基板がより好ましい。
本発明の白色熱硬化性樹脂組成物は、上記の必須成分および必要に応じて使用されるほかの添加成分を均一に混合すれば、製造できる。混合方法としては、公知の方法が使用でき、特に限定されない。分散機を使用せずに混合する方法、ニーダー、ロール、アトライター、ビーズミルなどの各種分散機で機械的に混合する方法のいずれでもよい。
特に好ましい方法としては、予め前記絶縁性フィラーと溶剤と分散剤とを配合し、ロールミル等の分散機で分散した分散液を、他の硬化性樹脂成分と混合し、または必要に応じて再度ロールミル分散して得る方法、若しくは予め一部の樹脂成分と前記絶縁性フィラーと溶剤と分散剤とを配合しロールミル等の分散機で分散した分散液を、他の硬化性樹脂成分と混合し、または必要に応じて再度ロールミル分散して得る方法が挙げられる。
また、着色剤を添加する際には、分散性の観点から、水又は有機溶剤などに、予め着色剤などの粉体類を分散させた混合液に、着色剤分散剤を溶解又は微分散させた液を添加及び混合することが好ましい。
このようにして白色熱硬化性樹脂組成物を所定の組成で調製した後、例えば、有機溶剤で塗布方法に適した粘度に調整し、基材上に、例えば、ディップコート法、フローコート法、ロールコート法、バーコーター法、スクリーン印刷法、カーテンコート法等の方法により塗布することができる。この中でも、フローコート法、ロールコート法、バーコーター法、スクリーン印刷法が好ましく使用され、スクリーン印刷法が特に好ましく使用される。
、「%」は質量%を意味する。
下記表1に示す種々の成分を表1に示す割合(質量部)にて配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルで混練し、熱硬化性樹脂組成物のペーストを調製した。
*2 XC96-723、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、線状有機珪素樹脂、粘度30cp
*3 YR3370、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、重量平均分子量2万
*4 CR-90、石原産業(株)製、ルチル型酸化チタン
*5 堺化学工業(株)製 平均粒径:0.3μm 表面処理硫酸バリウム
*6 Megasil 950、シルベコ社製シリカ、平均粒径(D50):2.0μm
*7 Nipsil L300 、日本シリカ工業(株)製 平均粒径2.2μm
*8 SG-95、日本タルク(株)製 含水ケイ酸マグネシウム 平均粒径(D50):2.5μm
*9 Y-9805 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、有機シラン
*10 SH-200 OIL 100 CS、東レダウコーニング−シリコーン製、ジメチルポリシロキサン
*11 ダウ・ケミカル・カンパニー社製、ジエチルグリコールn−ブチルエーテルアセテート
上記実施例1〜7及び比較例1で得られた熱硬化性樹脂組成物のペーストを420メッシュのスクリーンを用いてスクリーン印刷にて硬化皮膜の膜厚が乾燥後約18μmとなるようにガラス基板(コーニングインターナショナル社ゴリラガラス、厚さ0.7mm)に塗工し、塗工されたガラス基板をオーブン(ヤマト科学社製、DH−62)に入れて、150℃で10分間加熱ベークした後に、ガラス基板を室温に冷却させた。前記の塗工、加熱ベーク、および冷却を3回繰り返してから、再度にオーブンに入れて、250℃で60分間加熱ベークし、18μmの硬化皮膜が形成された評価ガラス基板を作製した。
前記各熱硬化性樹脂組成物の硬化皮膜が形成されたガラス基板を用いて、以下のような種々の特性について下記の方法で評価した。
キンバリークラーク製のレンズペーパーに、少量のアルコール(95vol%)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPM)(100vol%)、イソプロピルアルコール(IPA)(100vol%)を付け、溶剤が付けられたレンズペーパーを用いてガラス基板の皮膜を約20回繰り返して拭いた後に、皮膜の表面を目視で観察した。
○:変化が確認されなかった。
△:わずかな変化が確認された。
×:皮膜が剥離した。
25℃でガラス基板を10vol%硫酸水溶液に30分間浸漬して、水で洗浄を行った後に、水分を除去して、目視で水の浸入または皮膜の溶出を確認する。次に、透明粘着テープ(ニチバン社製、横幅:18mm)を完全に評価ガラス基板の皮膜側に付着させ、直ちにテープの一端をガラス基板に対して直角に保ちながら瞬間的に引き離し、目視で以下のように皮膜を評価した。
○:変化が確認されなかった。
△:わずかな変化が確認された。
×:水の浸入または皮膜の剥離が確認された。
25℃でガラス基板を10vol%塩酸水溶液に30分間浸漬して、水で洗浄を行った後に、水分を除去して、目視で水の浸入または皮膜の溶出を確認した。次に、透明粘着テープ(ニチバン株式会社製、横幅:18mm)を完全に評価ガラス基板の皮膜側に付着させ、直ちにテープの一端をガラス基板に対して直角に保ちながら瞬間的に引き離し、目視で以下のように皮膜を評価した。
○:変化が確認されなかった。
△:わずかな変化が確認された。
×:水の浸入または皮膜の剥離が確認された。
25℃でガラス基板を10vol%NaOH水溶液に30分間浸漬して、水で洗浄を行った後に、水分を除去して、目視で水の浸入または皮膜の溶出を確認した。次に、透明粘着テープ(ニチバン株式会社製、横幅:18mm)を完全に評価ガラス基板の皮膜側に付着させ、直ちにテープの一端をガラス基板に対して直角に保ちながら瞬間的に引き離し、目視で以下のように皮膜を評価した。
○:変化が確認されなかった。
△:わずかな変化が確認された。
×:水の浸入または皮膜の剥離が確認された。
ガラス基板をオーブンにて300℃で60分間ベークし、抵抗計(Agilent Technologes製、ハイレジスタンスメータ4339B、コンポーネント・テスト・フィクスチャ16339A)の正極、負極を、正極と負極との距離が0.5cmとなるようにそれぞれガラス基板の皮膜に挟め、電圧:500V、時間:60秒間という条件で皮膜の抵抗を測定し、以下のように皮膜の抵抗を評価した。
○:抵抗1010Ω超
△:抵抗が1010以下108Ω以上
×:抵抗が108Ω未満
ガラス基板の皮膜側を測定器に向けて透過濃度計(サカタインクスエンジニアリング社製、型番:X−Rite 361T、光源波長:400〜800nm)に装着してOD値を以下のように評価した。
○:OD値が0.7超
△:OD値が0.5以上0.7以下
×:OD値が0.5未満
JISK5400に準拠して、サンプルの皮膜に、1mmの碁盤目100個(10×10)を作り、碁盤目上に透明粘着テープ(ニチバン社製、幅:18mm)を完全に付着させ、直ちにテープの一端をガラス基板に対して直角に保ちながら瞬間的に引き離し、完全に剥がれないで残った碁盤目の数を調べた。
下記表2には、残った基盤目の数を分子として、碁盤目の全数(100個)を分母として結果を記載した。
○:碁盤目が100%残存した。
△:碁盤目が95〜99%残存した。
×:碁盤目が95%未満残存した。
ガラス基板を、DENG YNG高温オーブン(登盈儀器社製、型番:DH−400)に入れて、300℃で1時間ベークし、分光測色計(コニカミノルタ社製、CM−2600d)を用いて、ガラス基板の塗膜表面の変色度(ΔE)を測定し、以下のように評価した。
○:ΔEが1.0未満
△:ΔEが1.0以上1.5未満
×:ΔEが1.5以上
紫外線照射機(群翊工業社製、型番:GUC−384)を用いて紫外線照射エネルギーが2000mJ/cm2となるように、ガラス基板を繰り返して2回照射してから、照射前後の塗膜の変色度(ΔE)を測定し、以下のように評価した。
○:ΔEが1.0未満
△:ΔEが1.0以上1.5未満
×:ΔEが1.5
ガラス基板を、DENG YNG高温オーブン(登盈儀器社製、型番:DH−400)に入れて、230℃で1時間加熱し、電子顕微鏡(50倍、オリンパス社製、型番:MEASURING MICROSCOPE STM−MJS2)で、ガラス基板の塗膜表面平坦性を以下のように評価した。
○:クラックなし
△:クラック発生率が0%超50%未満
×:クラック発生率が50%以上
ガラス基板を60分間、100℃の沸騰水中に浸漬した後に、取り出して表面の水分を除去してから、目視で水の浸入または皮膜の析出を確認した。次に、透明粘着テープ(ニチバン株式会社製、横幅:18mm)を完全に評価ガラス基板の皮膜側に付着させ、直ちにテープの一端をガラス基板に対して直角に保ちながら瞬間的に引き離し、目視で以下のように皮膜を評価した。
○:変化が確認されなかった。
△:わずかな変化が確認された。
×:水の浸入または皮膜の剥離が確認された。
表面粗さ測定計(小阪研究室製、型番:SE3500)を用いて、測定長さ:2.5mm、縦倍率:1000、横倍率:100、カットオフ:0.8mm、速度:0.5mm/sという条件で皮膜表面の粗さ(ピークの最大高さ、RmaxD)を3回測定し、以下のように評価した。
○:RmaxDが2μm未満
△:RmaxDが2μm以上3μm未満
×:RmaxDが3μm以上
JIS K5400(1990版)に準拠して、鉛筆硬度計(東洋精機製、型番:C221A)各ガラス基板に、芯の先が平らになるように研がれた4B〜9Hの鉛筆を、約45°の角度で押し付けて、皮膜の剥がれが生じない鉛筆の硬さを記録した。
前記各評価試験の結果を表2にまとめて示す。
Claims (6)
- (a)熱硬化性樹脂であるシリコーン樹脂と、(b)酸化チタンと、(c−1)シリカと、(c−2)硫酸バリウム及びタルクからなる群から選ばれる少なくとも1種と、を含むことを特徴とするガラス基板塗布用白色熱硬化性樹脂組成物。
- 熱硬化性樹脂であるシリコーン樹脂(a)が、線状シリコーン樹脂(a−1)と架橋型シリコーン樹脂(a−2)の混合物であることを特徴とする請求項1に記載のガラス基板塗布用白色熱硬化性樹脂組成物。
- さらに、シランカップリング剤を含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のガラス基板塗布用白色熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜4の何れか1項に記載のガラス基板塗布用白色熱硬化性樹脂組成物を、ガラス基板上に塗布して硬化させたことを特徴とするガラス基板。
- 請求項5に記載のガラス基板を備えたことを特徴とするディスプレイ用部材。
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