JP5797655B2 - 消化管障害のためのオピオイド受容体アンタゴニストの使用 - Google Patents

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Description

1.関連出願の相互参照
本出願は、2009年9月18日に出願された仮出願第61/243,616号の35U.S.C.§119(e)に基づく利益を主張し、その内容は引用により本明細書に組み込まれる。
2.背景
痛みは、人々が診療を求める最も一般的な理由である。軽度から中等度の痛みは、通常、アセトアミノフェンおよび非ステロイド系抗炎症薬で治療される。オピオイド鎮痛薬は、主に中枢神経系(「CNS」)に見られる内因性μ−(ミュー)、δ−(デルタ)および/またはκ−(カッパ)オピオイド受容体のアゴニストであり、中等度から重度の急性および慢性の痛みに対して処方される。オピオイド鎮痛薬を長期間使用すると、身体的依存がもたらされることがあり得、鎮静、意識混濁、悪心、嘔吐、便秘および掻痒などの副作用を有する。
オピオイド誘発性便秘(「OIC」)およびオピオイド誘発性腸管機能不全(「OBD」)と称される関連病状は、オピオイドを数日間より長く服用している患者に一般的な副作用である。腸内およびCNS内のμ−オピオイド受容体のアゴニストは腸の推進運動を抑止し、これにより便秘がもたらされる。OICまたはOBDの他の症状としては、残便感(incomplete evacuation)、腹部膨満、鼓脹、腹部不快感および胃食道逆流が挙げられ得る。続発性合併症としては、腸の偽性閉塞、食欲不振、悪心、嘔吐ならびに経口薬物投与および吸収の支障が挙げられる。P.Holzer(2009)Regulatory Peptides 155:11−17参照。
OICまたはOBDは、緩下薬の共薬物療法で治療され得るが、このアプローチは、多くの場合、有効性は限定的であり、頻繁な用量調整と緩下薬の交換が必要とされる。他の治療としては、ナロキソン、ナルトレキソンおよびN−メチルナルトレキソンなどの選択的オピオイド受容体アンタゴニストの共投与が挙げられる。オピオイド誘発性消化器系障害を、鎮痛を低減させることなく、または不快で潜在的に危険な中枢性オピオイド禁断症状をもたらすことなく有効に治療するためには、CNSにおいてオピオイドアンタゴニストの薬理学的関連濃度の閾値が確立されないことが重要である。CNSにおけるオピオイドアンタゴニストの準薬理学的閾値濃度は、これまで、低用量の中枢活性アンタゴニスト(例えば、ナロキソン)を注意深く用量設定し、全身性バイオアベイラビリティが低いアンタゴニスト(例えば、制御放出ナロキソン)を製剤化すること、または末梢系に限定される、すなわちCNSへの到達が限定的なオピオイドアンタゴニスト(例えば、N−メチルナルトレキソン)を使用することのいずれかによって行われてきた。
制御放出ナロキソンと制御放出オキシコドンの固定比率の併用製剤(TARGIN(登録商標))が、OICの重症度を低減させる手段として欧州で承認されている。
ENTEREG(登録商標)(アルビモパン)は、米国において販売が承認されており、一次吻合を伴う大腸または小腸の一部切除術後の上部および下部の消化器系の回復時間を加速させることが示されている。この使用は、腸切除後の年齢18歳以上の入院患者の、術後イレウスの短期間治療に限定されている。術後イレウスは、少なくとも一部において、外因性オピオイド鎮痛薬によって引き起こされる、または増悪すると考えられている。
RELISTOR(登録商標)(n−メチルナルトレキソン)は、皮下注射によって投与される製剤であり、米国では、進行した医学的疾患を有し、緩和ケアを受けている患者において、緩下薬治療に対する応答が充分でなかった場合のOIC治療に承認されている。
したがって、患者において鎮痛を障害しない、または中枢性オピオイド離脱症状を誘起しないOICまたはOBDに対するより有効な経口投与治療薬の必要性が存在している。
P.Holzer(2009)Regulatory Peptides 155:11−17
3.概要
本開示により、対象(動物またはヒトであり得る)に、OICまたはOBDの症状が緩和されるのに有効な量の5−(2−メトキシ−4−{[2−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−ピラジン−2−カルボキサミド(化合物I)および/またはその薬学的に許容され得る塩を投与することにより、オピオイド鎮痛を低減させることなく、または中枢性オピオイド離脱症状を誘起することなく、対象のOICまたはOBDを治療または予防する方法を提供する。さらに、本開示により、オピオイド鎮痛を低減させることなく、または中枢性オピオイド離脱症状を誘起することなくOICまたはOBDの症状を緩和するための、医薬の調製のための5−(2−メトキシ−4−{[2−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−ピラジン−2−カルボキサミド(化合物I)および/またはその薬学的に許容され得る塩の使用を提供する。本明細書に記載の発明は、一部において、既知のオピオイド受容体アンタゴニストであるナルトレキソンおよびアルビモパンに匹敵する効力を有するオピオイド受容体アンタゴニストである化合物Iが、ヒトにおいて充分に末梢作用(peripheralized)し、鎮痛を障害することなく、または中枢性オピオイド離脱症状を誘起することなくOICまたはOBDを有効に治療することが可能であるという、本発明者の驚くべき知見に基づいている。
本発明者は、オピオイド受容体アンタゴニストの効力および薬物動態特性を調べるために設計された既知の動物モデルでの実験の結果を検討し、化合物Iに関するデータが、低用量で有意に末梢作用する効力のあるオピオイド受容体アンタゴニストと整合していると判断した。特に、本発明者は、該データから、化合物Iが、中枢神経系においてナルトレキソンよりも、オピオイド受容体のアンタゴニストとして少なくとも100倍効力が低いことを認識した(実施例1、図1)。また、本発明者は、化合物Iが、モルヒネを全身投与した場合に、モルヒネをCNSに直接投与した場合よりも、マウス腸の運動のモルヒネ誘発性遅滞の逆転において、およそ20倍大きな効力がある(すなわち、末梢に作用する)ことにも注目した(実施例1、図2)。
本発明者は、さらに、ラットおよびマウスの体内の化合物Iの分布に関するデータを検査し、脳内よりも血漿中に、ずっと高い濃度(17倍以上)がみとめられることに注目した。P−糖タンパク質(「P−gp」)トランスポーターが欠損しているノックアウトマウスでの分布の検討により、血液−脳の通過が約7倍〜19倍高いことが明らかになった(実施例1)。これらのデータは、本発明者に、化合物IがCNSからP−gpトランスポーターによって輸送されること、および該化合物が齧歯類において有意に末梢作用することを示した。
重要なことに、本発明者はさらに、後述する多くの理論的解釈を用い、化合物Iおよび高度末梢作用オピオイド受容体アンタゴニストであるアルビモパンの薬物動態データおよび薬理データに基づいて、ヒトのOICまたはOBDを治療するための化合物Iの有効用量を調べた。すべての場合で、OICまたはOBDを治療するための化合物Iの計算値有効用量は、驚くべきことに、CNSに影響を及ぼす用量よりもずっと低かった(CNSにおけるオピオイド受容体拮抗のヒト薬力学的マーカーに対する効果の測定によって判断)。したがって、本発明者は、化合物Iが、非常に低用量でヒトにおいて充分に末梢作用し、OICまたはOBDの治療、ならびに末梢およびCNSの両方のオピオイド受容体の阻害とは反対に末梢系でのオピオイド受容体の選択的阻害が高度に望ましい本明細書に記載の他の病状の治療に有用である効力のあるオピオイドアンタゴニストであることを見い出した。
化合物Iを用いて、慢性オピオイド療法に起因するOICを有する対象において行ったフェーズI反復投与漸増用量臨床試験の予備試験結果は、0.10mgおよび0.25mgもの低い用量で、耐容性が良好であり、かつ所望の薬理学的効果がもたらされることを示す。
4.図面の簡単な説明
図1は、ラットのホルマリン試験の結果である。中枢作用性オピオイド受容体アンタゴニストであるナルトレキソン(皮下投与)は、化合物I(2136231、経口投与)よりも、ラットにおけるオピオイド鎮痛の逆転に100倍大きな効力のあることがわかった。 図2は、モルヒネの脳室内(CNSに直接)投与によってもたらされたマウスにおける消化管(GI)通過の阻害の逆転に関する化合物Iの経口投与の結果である。GI通過に対する中枢投与モルヒネの阻害効果の逆転が開始されるのに必要な化合物Iの最小有効用量は、約3.0mg/kgであった。 図3は、ヒトに0.15mgの経口用量で投与した化合物Iの時間に対するモデル遊離血漿プロフィールである。「MOR K」(実線の横線)は、ヒトμ−オピオイド受容体での化合物Iの実測値Kである。 図4は、表示した用量でヒトに投与した化合物Iの時間に対する実測(3mgおよび10mg)ならびにモデル(0.15mgおよび0.05mg)遊離血漿プロフィールである。「MOR K」(実線の横線)は、ヒトμ−オピオイド受容体での化合物Iの実測値Kである。 図5(図4のY軸の拡張)は、表示した用量でヒトに投与した化合物Iの時間に対する実測(3mgおよび10mg)ならびにモデル(0.15mgおよび0.05mg)遊離血漿プロフィールである。「MOR K」(実線の横線)は、ヒトμ−オピオイド受容体での化合物Iの実測値Kである。 図6は、0.5mgの経口用量、すなわち、臨床試験における有効性と関連する用量での、ヒトOIC患者の時間に対するアルビモパンの遊離血漿プロフィール(データに基づいたモデル)である。 図7A〜7Cは、OICを有する対象のフェーズI臨床試験で12時間の投薬期間にわたって測定された、時間に対する化合物Iの血漿濃度プロフィールである。化合物Iの血漿中レベルは、初回投与後、15分、30分、60分、90分、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間、10時間および12時間の時点で測定した。化合物Iの実測値MOR Kを点線で示す。図7Aは、試験した5つの各用量での対象の化合物Iの血漿中レベルを示す。 図7A〜7Cは、OICを有する対象のフェーズI臨床試験で12時間の投薬期間にわたって測定された、時間に対する化合物Iの血漿濃度プロフィールである。化合物Iの血漿中レベルは、初回投与後、15分、30分、60分、90分、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間、10時間および12時間の時点で測定した。化合物Iの実測値MOR Kを点線で示す。図7Bは、0.1mg、0.25mg、0.35mgおよび0.50mgの化合物Iを投与された対象の化合物Iの血漿中レベルを示す。 図7A〜7Cは、OICを有する対象のフェーズI臨床試験で12時間の投薬期間にわたって測定された、時間に対する化合物Iの血漿濃度プロフィールである。化合物Iの血漿中レベルは、初回投与後、15分、30分、60分、90分、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間、10時間および12時間の時点で測定した。化合物Iの実測値MOR Kを点線で示す。図7Cは、0.1mgおよび0.25mgの化合物Iを投与された対象の化合物Iの血漿中レベルを示す。
5.詳細説明
本開示は、μ−、δ−および/またはκ−オピオイド受容体を、有効量の5−(2−メトキシ−4−{[2−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−ピラジン−2−カルボキサミド(化合物I)と接触させることを含む、CNSと比べて末梢系においてμ−、δ−および/またはκ−オピオイド受容体の活性を選択的にモジュレートする方法に関する。化合物Iは、以前に、効力のある中枢活性オピオイドアンタゴニストであると報告されている。米国特許第7,381,719号(これは、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる)参照。種々の実施形態において、本開示は、末梢系のμ−、δ−および/またはκ−オピオイド受容体の活性化と関連している病状を治療または予防する方法に関する。特定の実施形態では、本開示は、μ−オピオイド受容体の活性化と関連している末梢系における病状を治療または予防する方法に関する。
一部の実施形態において、本開示は、対象に治療有効量の化合物Iまたはその薬学的に許容され得る塩を投与することにより、消化器系障害を治療または予防する方法に関する。より詳しくは、本開示は、対象に治療有効量の化合物Iまたはその薬学的に許容され得る塩を投与することを含み、鎮痛を低減させることなく、または中枢性オピオイド離脱症状をもたらすことなく、オピオイド鎮痛薬の使用に起因する対象の消化器系障害を治療または予防する方法に関する。一部の具体的な実施形態では、本開示は、対象に治療有効量の化合物Iまたはその薬学的に許容され得る塩を投与することを含み、オピオイド作動薬によってもたらされる鎮痛を低減させることなく、または中枢性オピオイド離脱症状をもたらすことなく対象のOICを治療または予防する方法に関する。種々の実施形態において、本開示は、対象に治療有効量の化合物Iまたはその薬学的に許容され得る塩を投与することを含み、オピオイド作動薬によってもたらされる鎮痛を低減させることなく、または中枢性オピオイド離脱症状をもたらすことなく対象のOBDを治療または予防する方法に関する。
種々の実施形態において、本開示は、CNSと比べて末梢系においてμ−、δ−および/またはκ−オピオイド受容体の活性を選択的にモジュレートするための医薬の調製のための、化合物Iの使用に関する。種々の実施形態において、本開示は、末梢系のμ−、δ−および/またはκ−オピオイド受容体の活性化と関連している病状を治療または予防するための、医薬の調製のための化合物Iの使用に関する。特定の実施形態では、本開示は、μ−オピオイド受容体の活性化と関連している末梢系における病状を治療または予防するための、医薬の調製のための化合物Iの使用に関する。
一部の特定の実施形態において、本開示は、対象の消化器系障害の治療または予防のための医薬の調製のための、有効量の化合物Iまたはその薬学的に許容され得る塩の使用に関する。より詳しくは、本開示は、鎮痛を低減させることなく、または中枢性オピオイド離脱症状をもたらすことなくオピオイド鎮痛薬の使用に起因する対象の消化器系障害を治療または予防するための、医薬の調製のための化合物Iまたはその薬学的に許容され得る塩の使用に関する。一部の具体的な実施形態では、本開示は、オピオイド作動薬によってもたらされる鎮痛を低減させることなく、または中枢性オピオイド離脱症状をもたらすことなく対象のOICを治療または予防するための、医薬の調製のための化合物Iの使用に関する。一部の具体的な実施形態では、本開示は、オピオイド作動薬によってもたらされる鎮痛を低減させることなく、または中枢性オピオイド離脱症状をもたらすことなく対象のOBDを治療または予防するための、医薬の調製のための化合物Iの使用に関する。
語句「〜の治療」、「治療(する)」などは、病状またはその症状の改善または停止、ならびに病状からの回復の加速を含む。一実施形態において、治療としては、病状またはその症状の抑止、例えば、その症状発現の全体的頻度の減少が挙げられる。
語句「〜の予防」、「予防(する)」などは、病状またはその症状の発生の回避を含む。
用語「対象」としては、限定されないが、ヒトまたは非ヒト動物、例えば、ウシ、サル、ヒヒ、チンパンジー、ウマ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、シチメンチョウ、ウズラ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギまたはモルモットなどが挙げられる。
用語「オピオイド」は、本明細書で用いる場合、痛みのマネージメント物質の類型をさし、μ−、δ−およびκ−オピオイド受容体の1種類以上に結合して作動させる天然または合成化合物を含む。
5.1.式Iの化合物
一部の特定の実施形態において、本開示は、対象に式(I):
Figure 0005797655
に示す構造を有する有効量の5−(2−メトキシ−4−{[2−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−ピラジン−2−カルボキサミド、またはその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、末梢オピオイド受容体の活性化と関連している対象の病状を治療または予防する方法に関する。
語句「薬学的に許容され得る塩」は、本明細書で用いる場合、化合物Iから調製され得る任意の塩、例えば、化合物Iの塩基性官能基(窒素基など)から形成される塩が挙げられる。実例としての塩としては、限定されないが、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、ゲンチアニン酸塩(gentisinate)、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、およびパモ酸塩(すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸))が挙げられる。当業者には、化合物Iの酸付加塩は、該化合物と適切な酸との反応により、さまざまな既知の方法によって調製され得ることが認識されよう。
一部の特定の実施形態において、本開示は、化合物Iの他の形態、例えば、プロドラッグ、放射性標識形態、溶媒和物(例えば、水和物、または水素結合により塩基性窒素原子の数が過剰の酸を含有する付加化合物)、非晶質の固形形態および結晶性の固形形態に関する。
化合物Iは、当分野で既知の任意の方法によって得られ得る。一部の特定の実施形態において、化合物Iは、出発物質5−(4−ホルミル−2−メトキシフェノキシ)ピラジン−2−カルボキサミドおよび2−(テトラヒドロピラン−4−イル)エチルアミンと、米国特許第7,381,719号(これは、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる)の実施例720に示されたプロトコルおよび試薬を用いて合成され得る。
5.2.治療的使用
末梢選択的オピオイド受容体アンタゴニストとしてのその活性のため、化合物Iは、末梢系のオピオイド受容体の選択的拮抗によって緩和され得る病状を治療または予防するためのヒト用医薬および獣医薬に好都合に有用である。化合物Iは、末梢オピオイド受容体の阻害を必要とする任意の対象に投与され得る。一部の実施形態において、化合物Iは、末梢μ−オピオイド受容体の選択的拮抗によって緩和され得る病状の治療または予防に好都合に有用である。種々の実施形態において、化合物Iは、限定されないが、術後イレウス、術後悪心および嘔吐、オピオイド誘発性悪心および嘔吐、オピオイド誘発性呼吸抑制、オピオイド誘発性便秘、オピオイド誘発性腸管機能不全、慢性特発性便秘、便秘型過敏性腸症候群、腸偽性閉塞、胃排出遅延、経腸栄養不耐性、麻薬性イレウス、腸の閉塞、術後の消化器回復の加速およびオピオイド誘発性鼓脹から選択される病状の治療または予防に有用である。一部の好ましい実施形態において、化合物Iは、対象の胃腸運動障害の治療または予防に有用である。一部の特定の実施形態では、対象はヒトである。
一部の実施形態において、中枢性オピオイド受容体と比べて末梢オピオイド受容体に対して効力のある選択的拮抗のため、化合物Iは、オピオイドの使用に起因する対象の病状を、その鎮痛効果を低減させることなく、または中枢性オピオイド離脱症状をもたらすことなく治療または予防するのに有用である。特定の実施形態では、化合物Iは、オピオイドの鎮痛効果を低減させることなく、または中枢性オピオイド離脱症状をもたらすことなくOICを治療または予防するのに有用である。他の実施形態では、化合物Iは、オピオイドの鎮痛効果を低減させることなく、または中枢性オピオイド離脱症状をもたらすことなくOBDを治療または予防するのに有用である。
5.3.治療用組成物および投与方法
対象に投与する場合、化合物Iは、薬学的に許容され得る担体または賦形剤を含む組成物の一成分として投与され得る。化合物Iを含む組成物は経口投与されるものであり得る。また、該組成物は任意の他の簡便な経路によっても、例えば、注入またはボーラス注射によって、上皮もしくは粘膜皮膚の内層を通る吸収によって投与され得(例えば、経口、経直腸および腸粘膜など)、第2の治療活性薬剤(例えば、緩下薬、便軟化薬またはオピオイド鎮痛薬)と一緒に投与してもよい。投与は、全身性であっても局所性であってもよい。種々の送達系が知られており(例えば、リポソーム、微粒子、マイクロカプセル、多重粒子(multiparticulate)、カプセルなどへの封入)、化合物Iを投与するために使用され得る。
投与方法としては、限定されないが、皮内、筋肉内、腹腔内、非経口、静脈内、皮下、鼻腔内、経口、舌下、経皮、経直腸、吸入または経表面が挙げられる。ほとんどの場合、投与は、血流中への化合物Iの放出をもたらすものである。好ましい実施形態では、投与は、CNSにおいて薬理学的関連濃度の放出をもたらさないものである。
また、肺内投与も、例えば、吸入器もしくはネブライザー、およびエーロゾル化剤を用いた製剤の使用により、またはフルオロカーボンもしくは合成肺用界面活性剤中での灌流によって使用され得る。一部の特定の実施形態では、化合物Iは、従来の結合剤と賦形剤(トリグリセリドなど)を用いて、坐剤として製剤化され得る。
化合物Iが注射(例えば、連続注入またはボーラス注射)による非経口投与に組み込まれる場合、非経口投与のための製剤は、油性または水性のビヒクル中の懸濁剤、液剤、乳剤の形態であり得、このような製剤には、さらに、製薬上必要な添加剤、例えば、1種類以上の安定化剤、懸濁化剤、分散化剤などが含まれ得る。また、化合物Iは、注射用製剤として再構成するための粉剤の形態であってもよい。
別の実施形態では、化合物Iは、小胞、特にリポソームにて送達され得る(Langer,Science 249:1527−1533(1990);およびTreatら,Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer 317−327 and 353−365(1989)参照)。
また別の実施形態では、化合物Iは、制御放出系または徐放系にて送達され得る(例えば、Goodson,「Dental Applications」(pp.115−138)in Medical Applications of Controlled Release,第2巻,Applications and Evaluation,R.S.LangerおよびD.L.Wise編,CRC Press(1984)参照)。Langer,Science 249:1527−1533(1990)の概説に論考されている他の制御放出系または徐放系を使用してもよい。一実施形態では、ポンプが使用され得る(Langer,Science 249:1527−1533(1990);Sefton,CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14:201(1987);Buchwaldら,Surgery 88:507(1980);およびSaudekら,N.Engl.J.Med.321:574(1989))。別の実施形態では、ポリマー材料が使用され得る(Medical Applications of Controlled Release(LangerおよびWise編,1974);Controlled Drug Bioavailability,Drug Product Design and Performance(SmolenおよびBall編,1984);RangerおよびPeppas,J.Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.23:61(1983);Levyら,Science 228:190(1985);Duringら,Ann.Neurol.25:351(1989);ならびにHowardら,J.Neurosurg.71:105(1989)参照)。
該組成物には、任意選択で、対象に対する適正な投与のための形態がもたらされるように、適当な量の薬学的に許容され得る賦形剤を含めてもよい。このような医薬用賦形剤は、希釈剤、懸濁化剤、可溶化剤、結合剤、崩壊剤、保存料、着色剤、滑沢剤などであり得る。医薬用賦形剤は水または油などの液状物、例えば、石油、動物、植物または合成起源のもの(ピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油など)などであり得る。医薬用賦形剤は、生理食塩水、アカシアゴム、ゼラチン、デンプンペースト、タルク、ケラチン、コロイド状シリカ、尿素などであり得る。また、補助剤、安定化剤、増粘剤、滑沢剤および着色剤を使用してもよい。一実施形態において、薬学的に許容され得る賦形剤は、対象に投与される場合、滅菌されている。水は、式(I)の化合物が静脈内投与される場合、特に有用な賦形剤である。また、生理食塩水ならびに水性のデキストロースおよびグリセロール溶液も、液状賦形剤として、特に、注射用液剤に使用され得る。また、好適な医薬用賦形剤として、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、イネ、小麦粉、白亜、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノールなども挙げられる。また、組成物には、所望により、微量の湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤を含有してもよい。経口投薬形態を製剤化するために使用され得る薬学的に許容され得る担体および賦形剤の具体例は、Handbook of Pharmaceutical Excipients,American Pharmaceutical Association(1986)に記載されている。
化合物Iを含む組成物には、液剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、丸剤、ペレット剤、カプセル剤、液状物を含有するカプセル剤、散剤、徐放製剤、坐剤、乳剤、エーロゾル剤、スプレー剤、懸濁剤の形態、舌下崩壊性投薬形態、または使用に適した任意の他の形態が採用され得る。一実施形態において、該組成物はカプセル剤の形態である(例えば、米国特許第5,698,155号参照)。好適な医薬用賦形剤の他の例は、Remington’s Pharmaceutical Sciences 1447−1676(Alfonso R.Gennaro編,第19版.1995)(引用により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
一部の実施形態において、化合物Iは、常套的な手順に従ってヒトに対する経口投与に適合された組成物として製剤化される。経口送達される化合物Iは、例えば、錠剤、カプセル剤、ゲルカップ(gelcap)剤、キャプレット剤、ロゼンジ剤、舌下崩壊性固形投薬形態、水性もしくは油性の液剤、懸濁剤、顆粒剤、散剤、乳剤、シロップ剤、またはエリキシル剤の形態であり得る。化合物Iが経口錠剤に組み込まれる場合、このような錠剤は圧縮錠剤、粉薬錠剤(例えば、粉末化もしくは粉砕された錠剤)、腸溶性錠剤、糖衣錠、フィルムコーティング錠剤、多重圧縮錠剤または多重層状錠剤であり得る。固形経口投薬形態を作製するための手法および組成物は、Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets(Lieberman,LachmanおよびSchwartz編,第2版)(Marcel Dekker,Inc.により出版)に記載されている。また、錠剤(圧縮型および湿製型)、カプセル剤(硬質および軟質ゼラチン)ならびに丸剤を作製するための手法および組成物は、Remington’s Pharmaceutical Sciences 1553−1593(Arthur Osol編,第16版,Mack Publishing,Easton,PA 1980)に記載されている。
液状経口投薬形態としては、非発砲性の顆粒剤から再構成される水性および非水性の液剤、乳剤、懸濁剤、ならびに液剤および/または懸濁剤が挙げられ、任意選択で、1種類以上の適当な溶媒、保存料、乳化剤、懸濁化剤、希釈剤、甘味料、着色剤、香味剤などを含有している。液状経口投薬形態を作製するための手法および組成物は、Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems,(Lieberman,Rieger and Banker編)(Marcel Dekker,Inc.により出版)に記載されている。
経口投与組成物には、医薬として口当たりのよい調製物を得るための1種類以上の薬剤、例えば、甘味剤(フルクトース、アスパルテームまたはサッカリンなど)、香味剤(ペパーミント、ウィンターグリーン油、またはチェリーなど)、着色剤、および保存剤が含有され得る。さらに、錠剤または丸剤の形態の場合、消化管内での崩壊と吸収を遅延させ、それにより長期間にわたって持続作用がもたらされるように、組成物をコーティングしてもよい。また、浸透活性駆動性化合物を選択透過性の膜で包囲することも経口投与組成物に適している。このような後者の基本型では、カプセル剤の周囲環境からの流動液が該駆動性化合物によって吸収され、それにより膨潤して薬剤または薬剤組成物が細孔を介して移動する。このような送達基本型では、速放製剤の急上昇型プロフィールとは反対の本質的にゼロ次送達プロフィールがもたらされ得る。また、グリセロールモノステアレートまたはグリセロールステアレートなどの時間遅延物質も使用され得る。経口組成物には、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、および炭酸マグネシウムなどの標準的な賦形剤が含まれ得る。一実施形態において、賦形剤は医薬等級のものである。
経口投与組成物は、活性成分が下部消化管、特に結腸で放出されるように製剤化されてもよい。結腸内への活性成分の放出のためのこのような投薬形態には、結腸のpHで溶解するが小腸のpHでは溶解しない、pH依存的溶解性を有するポリマー、投薬形態が小腸ではなく結腸で溶解するように膨潤、溶解もしくは腐食の速度が低速もしくはpH依存性であるポリマー、結腸内の微生物酵素によって分解されるポリマー、または蠕動波によって引き起こされる管腔内圧の上昇によって崩壊する層を形成するポリマーが含まれ得る。他の実施形態では、組成物として、結腸内放出をもたらす物質でコーティングされたヒドロキシプロピルメチルセルロースカプセル剤が挙げられる(米国特許第7,094,425号に開示されたものなど)。結腸内放出のためのさらに他の組成物は、米国特許第6,368,629号に開示されており、腸内細菌によって溶解される酸不安定性コーティングでコーティングされた投薬形態が挙げられる。
化合物Iが非経口注射される場合、これは、例えば、等張性の滅菌された液剤の形態であり得る。あるいは、化合物Iが吸入される場合、これは、乾燥エーロゾル剤に製剤化され得るか、または水性もしくは一部水性の液剤に製剤化され得る。
別の実施形態では、化合物Iは、静脈内投与のために製剤化され得る。典型的には、静脈内投与のための組成物には、滅菌された等張性の水性バッファーが含まれる。また、必要な場合は、該組成物に可溶化剤を含めてもよい。静脈内投与のための組成物には、任意選択で、注射部位での痛みを軽減するために局所麻酔薬(ベンゾカインまたはプリロカインなど)が含まれ得る。一般的に、諸成分は別々に、または一緒に混合してのいずれかで単位投薬形態にて、例えば、凍結乾燥粉末または無水濃縮液として、活性薬剤の量が表示された密閉容器(アンプルまたはサシェなど)にて供給される。化合物Iが注入によって投与される場合、これは、例えば、滅菌された医薬等級水または生理食塩水を入れた注入ボトルにより施薬され得る。化合物Iが注射によって投与される場合、滅菌注射用水または生理食塩水のアンプルが、諸成分が投与前に混合され得るように提供され得る。
一部の特定の実施形態において、化合物Iは、オピオイド鎮痛薬と一緒の投薬形態である。化合物Iとともに製剤化され得るオピオイド鎮痛薬としては、限定されないが、アルフェンタニル、ブプレノルフィン、ブトルファノール、コデイン、デゾシン、ジヒドロコデイン、フェンタニル、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、レボルファノール、メペリジン(ペチジン)、メタドン、モルヒネ、ナルブフィン、オキシコドン、オキシモルホン、ペンタゾシン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニルおよびトラマドールが挙げられる。化合物Iを含む投薬形態に含められる他のオピオイド鎮痛薬は、当業者によって容易に認識されよう。
5.4.治療投薬量
ヒトのOICまたはOBDの治療に有効な化合物Iの量は、薬物動態データおよび薬理データから、多くの理論的解釈に基づいた計算−例えば、(i)OICにおけるヒト有効性試験での化合物Iの薬物動態データおよび薬理データと、末梢作用オピオイド受容体アンタゴニストであるアルビモパンでの薬物動態データおよび薬理データとの比較、または(ii)μ−オピオイド受容体に対する化合物IのK以上の最大遊離血漿濃度(Cmax)がもたらされるであろう化合物Iの用量に基づいた計算(実施例2において後述する)を用いて外挿した。多くの理論的解釈を用いて、CNSのμ−オピオイド受容体を拮抗することなく、したがって、オピオイド鎮痛を低減させることなく、または中枢性オピオイド離脱症状をもたらすことなくOICまたはOBDを治療するのに有効な化合物Iの全身用量は、およそ0.1mg/日であると算出され、QDまたはBIDのいずれかで投与する。上記のようにして薬物動態データおよび薬理データから外挿したOICまたはOBDを治療するのに有効な化合物Iの量は、OICを有する対象のフェーズI臨床試験において、およそ0.1mg/日であると確認された。
一部の特定の実施形態において、用量幅、すなわち、OICまたはOBDを治療するための化合物Iの計算値有効用量と、CNSでモルヒネの効果を逆転させるのに必要であると実験手法によって測定された平均有効用量との差の倍数は約25〜約83である。実施例2参照。したがって、OICまたはOBDを治療するのに必要とされるのは低用量である化合物Iが高度に末梢作用型であり、したがって、オピオイド鎮痛の障害または中枢性オピオイド離脱症状の誘起は起こりそうにないことがわかった。
平均的な体格のヒト男性(例えば、体重が約70kg)において、OICまたはOBDあるいは本明細書に記載の他の病状を治療するための好適な有効投薬量は、約0.01mg〜約1.5mgの全身用量/日の範囲である。一部の特定の実施形態では、好適な有効投薬量は、約0.02mg〜約1.25mgの全身用量/日、例えば約0.03mg〜約1.0mgの全身用量/日、例えば約0.04mg〜約0.75mgの全身用量/日、例えば約0.05〜約0.5mgの全身用量/日の範囲である。
一部の特定の実施形態では、好適な有効投薬量は、約0.1〜約1mgの全身用量/日の範囲である。種々の実施形態において、好適な有効投薬量は、約0.1〜約0.75mgの全身用量/日、例えば約0.1〜約0.5mgの全身用量/日、例えば約0.1〜約0.35mgの全身用量/日、例えば約0.1〜約0.25mgの全身用量/日の範囲である。
種々の実施形態において、好適な有効投薬量は、約0.01mg〜約1.0mgの全身用量/日、例えば約0.02mg〜約0.9mgの全身用量/日、例えば約0.03mg〜約0.8mgの全身用量/日、例えば約0.04mg〜約0.7mgの全身用量/日、例えば約0.05mg〜約0.6mgの全身用量/日、例えば約0.06mg〜約0.5mgの全身用量/日、例えば約0.07mg〜約0.4mgの全身用量/日、例えば約0.08mg〜約0.3mgの全身用量/日の範囲である。
さらに他の実施形態では、平均的な体格のヒト男性(例えば、体重が約70kg)においてOICまたはOBDあるいは本明細書に記載の他の病状を治療するための好適な有効投薬量は、約0.05mg〜約0.5mgの全身用量/日、例えば約0.06mg〜約0.25mgの全身用量/日、例えば約0.07mg〜約0.2mgの全身用量/日、例えば約0.08mg〜約0.15mgの全身用量/日の範囲である。
種々の実施形態において、平均的な体格のヒト男性(例えば、体重が約70kg)においてOICまたはOBDあるいは本明細書に記載の他の病状を治療するための好適な有効投薬量は、約0.01mg〜約0.5mgの全身用量をBID、例えば約0.02mg〜約0.45mgの全身用量をBID、例えば約0.03mg〜約0.4mgの全身用量をBID、例えば約0.04mg〜約0.35mgの全身用量をBID、例えば約0.05mg〜約0.3mgの全身用量をBID、例えば約0.06mg〜約0.25mgの全身用量をBID、例えば約0.07mg〜約0.2mgの全身用量をBID、例えば約0.08mg〜約0.15mgの全身用量をBIDの範囲である。
OICまたはOBDあるいは本明細書に記載の他の病状を治療するための好適な有効投薬量は約0.0001mg/kg/日〜約0.02mg/kg/日の範囲である。一部の特定の実施形態では、好適な有効投薬量は、約0.0003mg/kg/日〜約0.017mg/kg/日、例えば約0.0004mg/kg/日〜約0.014mg/kg/日、例えば約0.0005mg/kg/日〜約0.01mg/kg/日、例えば約0.0007mg/kg/日〜約0.007mg/kg/日の範囲である。
種々の実施形態において、好適な有効投薬量は、約0.0001mg/kg/日〜約0.014mg/kg/日、例えば約0.0003mg/kg/日〜約0.013mg/kg/日、例えば約0.0004mg/kg/日〜約0.011mg/kg/日、例えば約0.0006mg/kg/日〜約0.01mg/kg/日、例えば約0.0007mg/kg/日〜約0.009mg/kg/日、例えば約0.0009mg/kg/日〜約0.007mg/kg/日、例えば約0.001mg/kg/日〜約0.006mg/kg/日、例えば約0.001mg/kg/日〜約0.004mg/kg/日の範囲である。
さらに他の実施形態では、OICまたはOBDあるいは本明細書に記載の他の病状を治療するための好適な有効投薬量は、約0.0007mg/kg/日〜約0.007mg/kg/日、例えば約0.0009mg/kg/日〜約0.004mg/kg/日、例えば約0.001mg/kg/日〜約0.003mg/kg/日、例えば約0.001mg/kg/日mg〜約0.002mg/kg/日の範囲である。
種々の実施形態において、OICまたはOBDあるいは本明細書に記載の他の病状を治療するための好適な有効投薬量は、約0.00015mg/kg〜約0.007mg/kg BID、例えば約0.0003mg/kg〜約0.006mg/kg BID、例えば約0.0004mg/kg〜約0.004mg/kg BID、例えば約0.0006mg/kg〜約0.005mg/kg BID、例えば約0.0007mg/kg〜約0.004mg/kg BID、例えば約0.0009mg/kg〜約0.004mg/kg BID、例えば約0.001mg/kg〜約0.003mg/kg BID、例えば約0.001mg/kg〜約0.002mg/kg BIDの範囲である。
一部の特定の実施形態において、化合物Iは、その効果に対して敏感になっており、そのために、本明細書に記載の病状の治療における有効性のために必要とされる用量が低い対象に投与される。一部の実施形態において、該低有効用量は、約0.75Kである化合物Iの遊離血漿濃度をもたらす。他の実施形態では、該低有効用量は、約0.5Kである遊離血漿濃度をもたらす。さらに他の実施形態では、該低有効用量は、約0.33Kである遊離血漿濃度をもたらす。さらに他の実施形態では、該低有効用量は、約0.75Kである化合物Iの遊離血漿濃度をもたらす。また他の実施形態では、該低有効用量は、約0.5Kである遊離血漿濃度をもたらす。種々の実施形態において、該低有効用量は、約0.33Kである血漿濃度をもたらす。
本明細書に記載の病状の治療または予防に有効な化合物Iの量は、標準的な臨床手法によって決定され得ることは理解されよう。また、至適投薬量範囲の特定を補助するために、任意選択でインビトロおよび/またはインビボアッセイが使用され得る。また、使用される厳密な用量は、例えば、投与経路、製剤、病状の重症度および麻酔性鎮痛のレベルに依存し、医師の判断および/または各対象の状況に従って決定され得る。他の例では、とりわけ、治療対象の対象の体重および体調(例えば、肝機能および腎機能、基礎疾患の重症度)、治療対象の罹病状態、症状の重症度、投薬間隔の頻度、ならびに任意の有害な副作用の存在に応じて、必然的に変更が行われる。
一部の実施形態において、1日あたりの用量を単回用量として投与してもよいことは理解されよう。他の実施形態では、1日あたりの用量は分割用量で投与され得る。さらに他の実施形態では、化合物Iの用量は必要に応じて(PRN)投与され得る。
一部の特定の実施形態において、化合物Iはオピオイド鎮痛薬の投与の前または後に投与される。他の実施形態では、化合物Iはオピオイド鎮痛薬の投与と同時に投与される。一部の実施形態では、化合物Iとオピオイド鎮痛薬は同じ投与経路(例えば、経口)によって投与され得る。他の実施形態では、化合物Iとオピオイド鎮痛薬は異なる投与経路によって投与される。化合物Iとオピオイド鎮痛薬が一緒に投与される一部の特定の実施形態では、オピオイド鎮痛薬と化合物Iは単一の投薬形態にて(例えば、カプセル剤、共製剤化錠剤または崩壊性舌下固形投薬形態にて)投与される。
6.実施例
実施例1:非臨床モデルにおける化合物Iの薬物動態および薬理学
ナルトレキソンと比較したCNSにおける化合物Iの効力
ラットに刺激性ホルマリンと10mg/kgのモルヒネを皮下注射した。鎮痛薬の量は、ラットがホルマリン注射部位を舐める、または該注射事象を気にする回数の減少によって決定した。ラットに、0.02mg/kgのナルトレキソン(皮下投与)または1、3もしくは10mg/kgの化合物I(経口投与)のいずれかを投与し、該化合物がモルヒネの鎮痛効果を逆転させる能力を調べた。ナルトレキソンは、ラットのCNSにおけるモルヒネの効果の逆転において、化合物Iよりもおよそ100倍大きい効力を有することがわかった(図1)。ナルトレキソンと化合物Iは、μ−オピオイド受容体に対して同等の親和性を有する。別の実験では、化合物Iがラットにおいて高い経口バイオアベイラビリティを有することが示されている。ホルマリン試験でのオピオイド受容体アンタゴニストによるモルヒネ誘発性鎮痛の逆転は、主に、中枢媒介性効果であると考えられる。この効力の相違は、化合物Iが、ナルトレキソンよりもCNS内への通過レベルが顕著に低いことを示唆する。
CNSおよび末梢系における化合物Iの効果
マウスに、10μg/kgのモルヒネの脳室内投与または1mg/kgのモルヒネの皮下投与のいずれかを行った。モルヒネによって誘導される消化管(GI)通過の阻害を該化合物が逆転させる能力を調べるため、マウスにおいて、活性炭粉末の消化管通過の度合を化合物Iの非存在下、および種々の経口用量の化合物Iの存在下で測定した。CNSにモルヒネを直接投与したマウスにおいて、GI通過阻害を逆転させるのに必要な化合物Iの最小有効用量は約3.0mg/kgの経口用量であると測定された(図2)。対照的に、モルヒネを全身性投与したマウスにおいて、GI通過阻害を逆転させるのに必要な化合物Iの有効用量は約0.16mg/kgの経口用量であると測定された。したがって、化合物Iは、GI通過の遅滞におけるモルヒネの中枢効果と比べ、GI通過の遅滞におけるモルヒネの末梢効果の逆転において約20倍大きい効力を有した。これは、化合物Iが、CNSよりも末梢系のオピオイド受容体拮抗において約20倍有効であったことを示唆する。
野生型およびP−糖タンパク質トランスポーターノックアウトマウスの血漿中および脳内の化合物Iの分配
野生型またはP−糖タンパク質(P−gp)ノックアウトマウスに、2.5mg/kgの化合物Iを静脈内投与した。マウスを致死させ、血中および脳内の化合物Iの量を標準的な手法を用いて解析した。この実験の結果により、野生型マウスの血漿中には脳内よりも17倍多くの化合物Iが見られることが示された。さらに、化合物Iの血液脳関門通過は、P−gpトランスポーターが欠損しているノックアウトマウスで7倍〜19倍高かった。この実験の結果により、化合物IがP−gpによって積極的にCNSから排出され、CNSからの化合物Iの定常的排除がもたらされること、したがって、化合物Iはマウスにおいて有意に末梢作用することが示された。
実施例2:ヒトのOICまたはOBDを治療するための化合物Iの計算値有効用量および中枢性鎮痛を障害しない、または中枢性オピオイド離脱症状をもたらさない充分な末梢作用の判定
上記の非臨床動物試験は、化合物Iがマウスとラットにおいて、ある程度の末梢作用を示すこと、さらに、化合物IがCNSから排除される主な機構がわかり始めたこと、すなわち、化合物Iが流出トランスポーターP−gpの基質であることを示す。しかしながら、重要な疑問は、このデータがヒトとの関連性を有するかどうか、およびヒトの病状を治療に対する化合物Iの治療有用性に対してどのような影響を有するのかである。
主な課題は、化合物Iがヒトにおいて充分に末梢作用し、その結果、中枢媒介性鎮痛が障害され得、不快で潜在的に危険な中枢性オピオイド禁断症状がもたらされ得るCNSのオピオイド受容体拮抗と比べて、末梢系のオピオイド受容体の選択的拮抗に依存する病状、特にOICまたはOBDの治療を行うことができるかどうかである。この課題に取り組むためには、以下のもの:(i)CNSのオピオイド受容体拮抗をもたらす化合物Iの最小用量(「閾値用量」)、および(ii)末梢組織のオピオイド受容体に対してOICまたはOBDの治療に有効であるのに充分なレベルの拮抗がもたらされると予測され得る化合物Iの用量を調べなければならなかった。
CNSのオピオイド受容体拮抗がもたらされる化合物Iの最小用量の計算
CNSのオピオイド受容体拮抗がもたらされる化合物Iの最小用量の決定は、単回用量および反復用量フェーズ1臨床試験で測定された中枢性オピオイド受容体拮抗の薬力学的マーカーに対する化合物Iの既報の効果、すなわち、モルヒネ誘発性縮瞳の逆転(瞳孔の直径に対する効果)ならびに副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)およびコルチゾールの増加を調べることにより直接的に取り組んだ。モルヒネ誘発性縮瞳の逆転の閾値と関連する化合物Iの実測値全身用量は10mgであった。同様に、ACTHおよびコルチゾールの増加の閾値と関連する化合物Iの実測値全身用量は10〜25mgであった。次いで、中枢性オピオイド受容体拮抗のための全身用量の控えめな推定値を、このような実測値閾値用量を半分ログ係数(half−log factor)(すなわち、3倍)少なくすることにより調べた。したがって、CNSのオピオイド受容体の薬理学的関連拮抗と関連する化合物Iの最小用量は、控えめに見積もって約3mg〜約10mgの範囲であった。
OICまたはOBDの治療に有効であるのに充分な末梢組織のオピオイド受容体拮抗がもたらされると予測され得る化合物Iの用量の計算
OICまたはOBDの治療に対する化合物Iの有効用量を調べるためのアプローチはいくつかある。以下に4つの概要を示す。アプローチによるが、OICまたはOBDの治療に対する化合物Iの有効用量の計算において、いくつかの基本的仮定を行った:(i)μ−オピオイド受容体は、化合物IがOICまたはOBDの治療において有効性をもたらす主要標的であるが、他のオピオイド受容体も役割を果たし得る。(ii)末梢系における化合物Iの全身性存在(CNSには非存在)により、OICまたはOBDの治療において充分にロバストな有効性がもたらされる。したがって、計算は、考えられ得る腸組織での経表面または局所効果(これらも有効性に寄与している可能性はある)とは反対に全身性血漿濃度に基づいていた。(iii)化合物Iの薬物動態特性、特に経口バイオアベイラビリティは、健常志願者とOICまたはOBDを有する患者で、ほぼ類似している。(iv)化合物Iの薬物動態パラメータ(特に、Cmax、半減期(t1/2)および曲線下面積(AUC)は、およそ1mgから0.05mgの漸減用量範囲において継続的に用量比例的である。仮定(iii)と(iv)は、化合物Iが1mg〜100mgの用量範囲でヒトにおいて高度に一貫性のある用量比例的経口薬物動態を有することが示されたため、妥当であった。さらに、後続の実験では、化合物Iが、0.1mg/kg〜0.5mg/kgの用量範囲でカニクイザルにおいて、およそ100%の経口バイオアベイラビリティを有することが示された。
第1のアプローチは、高度末梢作用オピオイド受容体アンタゴニストであるアルビモパンの薬物動態データおよび薬理データの比較に基づいた計算であった。具体的には、化合物Iについて測定された薬物動態データおよび薬理データを、OICまたはOBDを有する患者の治療に関するフェーズ2有効性試験で測定されたアルビモパンの薬物動態データおよび薬理データと比較した。Websterら(2008)Pain 137:428−440。解決すべき疑問は、どのくらいの用量の化合物Iが、末梢系においてアルビモパンと同等の全身性μ−オピオイド受容体拮抗レベルをもたらし得るのかであった(これは、この2つの薬物のμ−オピオイド受容体に対する親和性(K)、血漿中の薬物濃度(Cmax値によって評価)、および血漿タンパク質結合の程度の関数である)。アルビモパンと化合物IのKは、クローン化ヒトμ−オピオイド受容体を発現しているCHO細胞膜でのインビトロ受容体結合によって調べた。表1に示されるように、アルビモパンのμ−オピオイド受容体Kは0.27nMであり、化合物Iのμ−オピオイド受容体Kは0.36nMであった。フェーズ2臨床試験において、OICまたはOBDを患う患者に有効用量0.5mg BIDのアルビモパンを投与した後の平均遊離アルビモパンCmax血漿レベルは、およそ0.1ng/mlであると測定された。1mgの単回経口用量の化合物Iを健常対象に投与した後の平均遊離Cmax血漿レベルは、1.15ng/mlであると測定された。この最初の計算では、遊離薬物は、ヒト血漿タンパク質結合の代理としてマウス血漿タンパク質結合を用いて推定した。後続の実験データにより、これらの値は実際に同等であることが確認された(表1参照)。
Figure 0005797655
フェーズ1試験では化合物Iが、1〜100mgの用量範囲で用量と血漿Cmaxと曲線下面積(AUC)との間に、およそ直線関係を有することが示された。したがって、0.1ng/ml(すなわち、OICまたはOBDの治療に有効なアルビモパンの遊離血漿濃度)に相当するCmaxを得るのに必要とされる化合物Iの用量は、低用量に対する線形外挿によって、すなわち、用量と1mg未満の用量でのCmaxとの間に直線関係を仮定することによって推定することができる。このアプローチを使用すると、0.1ng/mlの遊離薬物血漿Cmaxを得るのに必要とされる化合物Iの用量は0.087mgである。2つの化合物(表1)の相対Kを計算に入れ、臨床的有効用量のアルビモパンと関連するものと薬理学的に同等レベルのμ−オピオイド受容体拮抗を得るのに必要とされる化合物Iの用量を求めた。単純な比例により、これは、驚くべきことに、化合物Iが、0.12mgという低用量でOICまたはOBDを治療するのに有効であり得ることを示す。重要なことに、この用量は、中枢性オピオイド受容体の拮抗と関連する用量よりも25倍〜83倍低く、化合物Iは、高用量では中枢活性であるが、非常に低用量でもなお充分に末梢作用し、中枢性オピオイド鎮痛を障害することなく、または中枢性オピオイド離脱症状を誘起することなくOICまたはOBDが治療されることを明白に示す。
第2のアプローチは、μ−オピオイド受容体に対するアンタゴニストとしての化合物Iの効力(K)に基づいた計算であった。この場合では、化合物Iの薬物動態データおよび薬理データを使用し、末梢系においてμ−オピオイド受容体に対するKに相当する全身性血漿遊離薬物濃度(Cmax)(すなわち、CHO細胞でのインビトロヒトμ−オピオイド受容体結合によって測定された0.36nM−表1)がもたらされ得る該化合物の用量を調べた。上記に論考したように、1mg単回経口用量の化合物Iを健常対象に投与した後の平均遊離Cmax血漿レベルは、1.15ng/mlまたは2.98nMであると測定された(化合物Iの分子量:386.4g/mol)。用量と1mg未満の用量でのCmaxとの間に直線関係を仮定すると、0.36nMの遊離薬物を得るのに必要とされる化合物Iの用量は、驚くべきことに、低い全身用量0.12mgであると計算された。この場合も、この用量は、中枢性オピオイド受容体の拮抗と関連する用量よりも25倍〜83倍低く、同様に、化合物Iは、高用量では中枢活性であるが、非常に低用量でもなお充分に末梢作用し、中枢性オピオイド鎮痛を障害することなく、または中枢性オピオイド離脱症状を誘起することなくOICまたはOBDが治療されることを示す。
第3のアプローチは、低用量の化合物Iの薬物動態モデルを作製することであった。これは、用量と1mg用量の化合物Iの経時的な血漿の全パラメータとの間に直線関係を仮定し、それを低用量に外挿することにより行った。このモデルでは、0.15mgの化合物Iをヒトに投与後、該化合物の遊離血漿濃度は、約6時間の間(すなわち、有効性シグナルが生成されるのに充分な時間)で、μ−オピオイド受容体K(0.36nM)またはそれ以上になることが示される(図3)。この用量は、中枢性オピオイド受容体の拮抗と関連する用量よりも20倍〜67倍低く、この場合も、化合物Iは、高用量では中枢活性であるが、非常に低用量でも充分に末梢作用し、中枢性オピオイド鎮痛を障害することなく、または中枢性オピオイド離脱症状を誘起することなくOICまたはOBDが治療されることを示す(図4および図5)。
第4のアプローチは、アルビモパンの臨床薬物動態モデルを評価することであった。該モデルでは、μ−オピオイド受容体に対するKがおよそわずか0.33である遊離薬物濃度への曝露期間が、OIC患者において有効性がもたらされるのに充分であり得ることが示されている(図6)。薬物動態モデルおよび上記の仮定を使用すると、0.5mgの用量の化合物Iにより、4時間より長く、すなわち、有効性シグナルがもたらされるのに充分な時間、0.33以上のμ−オピオイド受容体K(0.36nM)の遊離血漿濃度がもたらされ得る。この用量は、中枢性オピオイド受容体の拮抗と関連する用量よりも60倍〜200倍低く、この場合も、化合物Iは、高用量では中枢活性であるが、なお充分に末梢作用し、中枢性オピオイド鎮痛を障害することなく、または中枢性オピオイド離脱症状を誘起することなくOICまたはOBDが治療されることを示す。
1〜3mgの用量では、化合物Iは、ヒトにおいておよそ12時間の実測値血漿半減期を有する。反復投与レジメンでは、ある程度の薬物蓄積の可能性がある場合、OICまたはOBDの治療に対する有効性と関連する用量は、上記で計算された用量よりも明らかに少なくされ得る(すなわち、0.01〜0.02mg程度の低い全身用量をQDまたはBID(体重およそ70kgのヒト男性の場合))。
実施例3:化合物Iを用いて行われたフェーズI反復投与漸増用量臨床試験;予備試験結果
フェーズI反復投与漸増用量臨床試験の目的は、持続的な非癌性疼痛に対する慢性オピオイド療法の結果、オピオイド誘発性便秘(OIC)を有する対象に対して1日2回(BID)投与された反復投与漸増用量の化合物Iの安全性、耐容性、薬物動態、および臨床効果を評価することであった。試験の第1の部は無作為二重盲検プラセボ対照比較反復投与漸増用量試験とし、試験中、対象に4つの経口用量の試験薬物適用を2日間にわたって行い、この間、試験施設に拘束した。各々0.10mg、0.25mg、0.35mg、0.50mgおよび0.75mg BIDの用量コホートに4例の対象を含め、無作為化は、プラセボ治療(n=1)に対して化合物I治療(n=3)の3:1比で不均衡とした。0.75mg BIDコホートには2例の対象しか含めなかった。臨床効果の評価には以下の測定値を含め、これらを、試験薬物適用の初回投与の直後から開始して3日目に退院するまで評価した:(i)初回投与の試験薬物適用後、最初の便通までの時間、(ii)便通の回数、ならびに(iii)便通快適スコア、便の重量および便の粘稠度(対象が試験施設に拘束されている間に起こった各便通は、Bristol Stool Scaleによって測定した)。
薬物動態学的解析のため、各対象から、1日目の初回投与の試験薬物適用(時間0)のおよそ1時間前、ならびに初回投与の試験薬物適用後の以下:15分、30分、60分、90分、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間、10時間および12時間の各時点で血液試料を採取した。図7A、7Bおよび7Cは、初回投与後、12時間の投薬期間にわたって得られた、試験した5つの各用量(0.10mg、0.25mg、0.35mg、0.50mgおよび0.75mg BID)での化合物Iの血漿レベルを示す。図7Aに示されるように、すべての用量で、化合物IのMOR K[K(MOR)=0.36nM](これは、点線で示している)より上の血漿濃度が示された。最小用量(0.1mg)でのみ、濃度は、この初回投与の12時間後の投薬期間の終了前にMOR K未満に低下した。この用量であっても、濃度は、ほぼ9時間、MOR Kよりも上であった(図7C参照)。予備試験データは、0.10mgおよび0.25mgの用量は耐容性が良好であり、所望の薬理学的効果がもたらされたことを示す。
本出願において挙げた刊行物、特許、特許出願および他の文献はすべて、引用によりその全体があらゆる目的のために、個々の各刊行物、特許、特許出願または他の文献が引用によりあらゆる目的のために組み込まれて個々に示されているのと同程度に、本明細書に組み込まれる。
種々の具体的な実施形態を例示し、説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更が行われ得ることは認識されよう。

Claims (4)

  1. 式(I)
    Figure 0005797655

    の化合物または薬学的に許容され得る塩を含む、オピオイド誘発性便秘の治療のための医薬組成物であって、式(I)の該化合物が、0.1 mg/日から0.5 mg/日の範囲の総量で、1日2回経口投与される前記医薬組成物。
  2. 前記式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩が、0.5 mg/日の量で対象に投与される請求項1に記載の医薬組成物
  3. 前記式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩が、0.25 mg/投与の量で1日2回、対象に投与される請求項1または2に記載の医薬組成物
  4. 対象が、同時にオピオイド鎮痛薬を投与される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の医薬組成物
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