JP5797262B2 - 成熟炭化水素産地をシミュレートするための生産シミュレータ - Google Patents

成熟炭化水素産地をシミュレートするための生産シミュレータ Download PDF

Info

Publication number
JP5797262B2
JP5797262B2 JP2013514709A JP2013514709A JP5797262B2 JP 5797262 B2 JP5797262 B2 JP 5797262B2 JP 2013514709 A JP2013514709 A JP 2013514709A JP 2013514709 A JP2013514709 A JP 2013514709A JP 5797262 B2 JP5797262 B2 JP 5797262B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
production
simulator
per
phase
well
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013514709A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013534002A (ja
Inventor
ウリ,ジャン−マルク
エント,ブルーノ
サン ジェルマン,ユーグ ドゥ
サン ジェルマン,ユーグ ドゥ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Foroil
Original Assignee
Foroil
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Foroil filed Critical Foroil
Publication of JP2013534002A publication Critical patent/JP2013534002A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5797262B2 publication Critical patent/JP5797262B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01VGEOPHYSICS; GRAVITATIONAL MEASUREMENTS; DETECTING MASSES OR OBJECTS; TAGS
    • G01V1/00Seismology; Seismic or acoustic prospecting or detecting
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E21EARTH OR ROCK DRILLING; MINING
    • E21BEARTH OR ROCK DRILLING; OBTAINING OIL, GAS, WATER, SOLUBLE OR MELTABLE MATERIALS OR A SLURRY OF MINERALS FROM WELLS
    • E21B43/00Methods or apparatus for obtaining oil, gas, water, soluble or meltable materials or a slurry of minerals from wells
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B17/00Systems involving the use of models or simulators of said systems
    • G05B17/02Systems involving the use of models or simulators of said systems electric

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Geology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Mining & Mineral Resources (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Fluid Mechanics (AREA)
  • Geophysics (AREA)
  • Remote Sensing (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Testing Of Engines (AREA)
  • Supply Devices, Intensifiers, Converters, And Telemotors (AREA)
  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

本発明の技術分野は、炭化水素産地(hydrocarbon fields)の開発である。より詳細には、本発明は、特に成熟産地の場合に、生産パラメータに対する生産量を予測できる信頼性の高いシミュレータを構築する方法に関する。
成熟炭化水素産地は、投資と人材の配分の両面に関して特別な課題を提示する。というのも、あらゆる新たな投資の正味現在価値が、成熟度に応じて減少するからである。従って、産地開発を支援するための貯留地研究に費やしうる時間と労力がますます少なくなっている。しかし、ほとんど投資をせずとも、成熟産地全体のいわゆる「基本的」または「平常通りの」挙動に対して生産を向上させる見込みは依然としてある。炭化水素産地を操業する方法について過去に行われた戦略的選択により、圧力と飽和率に不均一が生じている。これらは抜本的に再検討可能であり、それに応じて生産パラメータが一新される。成熟炭化水素産地に関しては、これまでに多くの生産手段が開発されており、学習過程を適用できる、すなわち、一新されたパラメータを低リスクで導入できる。
炭化水素産地の挙動をモデル化し、適用される生産パラメータの所定の集合に応じて期待生産量を予測するために、2つの先行技術の手法が現在知られている。
第1の手法は、「メッシュモデル」または「有限要素モデリング」と呼ばれ、貯留地を100000を越える要素(セル、フローラインなど)に区画し、各セルは数個のパラメータ(浸透率、孔隙率、初期飽和率など)を有しており、そして炭化水素産地における流体の挙動をモデル化するために当該セルのそれぞれに対して物理法則を適用する。その場合、解空間Sからシミュレータが選択されるのであるが、その解空間SのいわゆるVapnik−Chervonenkis次元(VC次元)hは非常に大きい。従って、履歴データ中の測定データの入手可能な数mは、成熟産地の場合でも比較的小さいままであり、比h/mが1と比べて非常に大きくなる。Vapnikの学習理論については後にまた説明するが、このVapnikの学習理論の結果によれば、予測期待リスクRの範囲が適切に定められず(項Φのため)、そのようなシミュレータは、たとえそれが履歴データとの良好なマッチング(match)を示すとしても、信頼性が高いとは認められない。実際、そのようなメッシュモデルでは、履歴との良好なマッチングは良好な予測を保証しない、すなわち、過去とマッチングするための方途は何十億とあり、良好な予測を与えるには大きな不確実性が残るということは、広く認識されている。
これに対して、第2の手法は、例えば減退曲線や物質収支などの極度に単純化されたモデルを用いる。しかし、これは、貯留地の関連物性および地質、特に複雑な相互作用および現象を適切に考慮に入れるには単純化されすぎている。このような場合、良好なマッチングが達成されないため(経験的リスクRempの項が大きいままとなる)、予測期待リスクRが最小化されない。
要約すれば、本発明は、複雑すぎるモデリングの手法と単純すぎるモデリングの手法との適切な折衷策を提示する。十分な過去の情報を履歴データHDとして有する成熟産地についてのみ、複雑になりすぎてあまりに多くの履歴データをキャリブレーションする必要を生じることなくその産地で問題になる全ての主要な現象を考慮に入れるために十分大きい、産地生産シミュレータ候補の空間Sの構築が可能である。
Vapnikの統計的学習理論は、どのような条件下でそのようなシミュレータを創出できるかを決定する。そのようなシミュレータは、信頼性の高い予測能力の条件を満たすような方法で設計すればよい。
本発明の目的は、相(phase)当たり、坑井当たり、層(または層のグループ)当たり、および時間当たりの生産量を生産パラメータに応じて与える、成熟炭化水素産地をシミュレートするための生産シミュレータである。当該生産シミュレータは、当該成熟炭化水素産地の履歴データに十分よくマッチングし、Vapnik条件を成立させる。このVapnik条件により、相当たり、坑井当たり、層(または層のグループ)当たり、および時間当たりで算出される生産量の正確性が確保される。これにより、このシミュレータのユーザが、種々の生産パラメータに応じて、それぞれが信頼性の高い量を与える種々の生産シナリオを試行でき、それにより、そのようなシナリオ同士を適切に比較でき、特定の基準に従って妥当なシナリオを選択できる。全ての生産シナリオが信頼性の高い量を与えるので、選択されたシナリオもまた信頼性の高い生産の予測を与え、従って産地を開発するための低リスクで好ましい手段となる。
本発明の他の特徴によれば、既存のQψktbHDの値のうちのp%よりも多くの値について(数1)であり、かつ、同一期間[T1−Xy,T1]における累積石油生産量が正確にε2以下である場合に履歴データとのマッチングが得られ、ここで、
ψktbは、上記生産シミュレータによって決定される、相当たり、坑井当たり、層(または層のグループ)当たり、および時間当たりの生産量であり、
ψktbHDは、履歴データにおいて見出される、相当たり、坑井当たり、層(または層のグループ)当たり、および時間当たりの同生産量であり、
[T1−Xy,T1]は、時間T1の直前のX年間からなる期間であり、
1は、履歴データを入手可能である最終の日であり、
‖Z‖[T1,T2]は、期間[T1,T2]におけるZのノルムを示し、
ε1は、1より小さい正の数であり、
ε2は、1より小さい正の数であり、pは、100%に近い正の数である。
Figure 0005797262
このような特徴により、シミュレータが必要条件である妥当な履歴マッチングを示し、妥当な予測能力を発揮する候補であると考えられる状況を実際に定めることが可能になる。
本発明の他の特徴によれば、X=5であり、ε1=0.2であり、ε2=0.15であり、p=90%である。
このような特徴により、履歴マッチングが正確であると考えられる条件を設定することが可能になる、すなわち、このような特徴により、妥当な予測量について期待しうる正確性のオーダーが与えられる。
本発明の他の特徴によれば、上記Vapnik条件は、h/m≦0.1として表され、ここで、
hは、上記シミュレータが選択される上記解空間SのVapnik−Chervonenkis次元であり、
mは、履歴データにおいて入手可能な独立した測定値の数である。
このような特徴により、妥当な予測能力を達成するための条件を、それらが算出されうる場合に、設定することが可能になる。
本発明の他の特徴によれば、N年間について妥当なブラインドテストを実施することによって上記Vapnik条件が成立し、当該ブラインドテストは、
T−Nyに先行する期間について履歴データにマッチングする生産シミュレータを決定するステップと、
期間[T−Ny,T]における生産量を、同一期間[T−Ny,T]における生産パラメータを所与として予測するステップと、
によって定義され、当該ブラインドテストは、
既存のQψktbHDの値のうちのp%よりも多くの値について、(数2)であり、かつ同一期間[T−Ny,T]における累積石油生産量が正確にε2以下であり、ここで、
ψktbは、上記生産シミュレータによって決定される、相当たり、坑井当たり、層(または層のグループ)当たり、および時間当たりの生産量であり、
ψktbHDは、履歴データにおいて見出される、相当たり、坑井当たり、層(または層のグループ)当たり、および時間当たりの同生産量であり、
[T−Ny,T]は、時間Tの直前のN年間からなる期間であり、
Tは、履歴データを入手可能である最終の日であり、
‖X‖[T1,T2]は、期間[T1,T2]におけるXのノルムを示し、
ε1は、1より小さい正の数であり、
ε2は、1より小さい正の数であり、pは、100%に近い正の数である。
Figure 0005797262
このような特徴により、シミュレータが妥当な予測能力を示しているかどうかを、シミュレータが構成された方法ではなく、シミュレータが出す実際の結果を見ることによって決定する判別テストを定めることが可能になる。このような特徴により、何年も待って結果を測定する必要なく、テストを行う第三者機関にとっては既に入手可能であって、シミュレータを構成した機関にとっては入手可能ではない(後者の機関は“ブラインド”である)データを用いて、テストを実施することが可能になる。
本発明の他の特徴によれば、ε1=0.1であり、ε2=0.1であり、p=90%であり、N=3である。
このような特徴により、妥当でないシミュレータから妥当なシミュレータを適切に判別するのに許容できるブラインドテストの実際の条件を設定することが可能になる。
本発明の他の特徴によれば、上記Vapnik条件は、(数3)かつ(数4)ならば(数5)である場合に成立する予測安定特性であり、ここで、
PPは、生産パラメータであり、
PP’は、わずかに変動した異なる生産パラメータであり、
ψktbHDは、履歴データにおいて見出される、相当たり、坑井当たり、層(または層のグループ)当たり、および時間当たりの生産量であり、
ψktbHD’は、わずかに変動した異なる履歴データにおいて見出される、相当たり、坑井当たり、層(または層のグループ)当たり、および時間当たりのわずかに変動した異なる生産量であり、
ψktbは、上記生産シミュレータにより決定される、相当たり、坑井当たり、層(または層のグループ)当たり、および時間当たりの生産量であり、
ψktb’は、わずかに変動した異なる履歴データから決定される十分に近似した他の生産シミュレータにより決定される、相当たり、坑井当たり、層(または層のグループ)当たり、および時間当たりの生産量であり、
[T0,T]は、時間T0から時間Tまでの期間であり、時間T0および時間Tはそれぞれ、履歴データが入手可能である最初の日と最終の日であり、
[T,T+Ny]は、時間T後のNy年間からなる期間であり、
‖Z‖[T1,T2]は、期間[T1,T2]におけるZのノルムを示し、
εは、1より小さい正の数であり、
nは、5未満の小さな整数である。
Figure 0005797262
Figure 0005797262
Figure 0005797262
このような特徴により、予測量を確実に算出するために予め必要な特性をシミュレータが示しているかどうかを定義することが可能になる。このテストは、シミュレータの結果的な特性のみをテストするので、他の既存のシミュレータとの比較を要せず、また、シミュレータが構成された方法について知ることも要しない。
本発明の他の特徴によれば、ε=0.05であり、n=2であり、N=3である。
この特徴により、3年の期間について、予測安定性を実際に設定することが可能になる。
本発明の他の特徴によれば、上記生産シミュレータは、
詳細な初期貯留地区画、岩石特性、貯留地物性に関する法則、および坑井物性に関する法則を定義するステップと、
上記Vapnik条件が成立するまで、当該貯留地区画、当該岩石特性、当該貯留地物性に関する法則、および当該坑井物性に関する法則をアップスケールするステップと、
生産シミュレータの候補解のうち、αによって定められ、かつ、いわゆる期待「経験的リスク」Remp(α)を最小化する候補解を選択することによって、上記生産シミュレータをキャリブレーションするステップと、
を経て構築される。
アップスケーリングとは、複雑性を低減することを意味する。アップスケーリングは、(数6)ができる限り小さくなるようなシミュレータの候補の解空間となるように実施される。ここで、
δは、ゼロに近い正の数であって、1−δは、確率であって、
Φは、(数7)によって定義される正関数であって、ここで、
hは、上記解空間のVapnik−Chervonenkis次元であり、
mは、履歴データにおいて入手可能な独立した測定値の数であり、
eは、exp(1)と等しい。
Figure 0005797262
Figure 0005797262
上記解空間の候補のうちの生産シミュレータをキャリブレーションするとは、当該解空間内で解を確定する適切なパラメータαを選択しつつ、「経験的リスク」Remp(α)をできる限り小さくすることを意味する。この経験的リスクRemp(α)は、実際の過去のデータと上記シミュレータによって算出された対応するデータとの間の(正の)差である。
このアップスケーリング処理は、ともにできる限り小さいことが求められる(数8)の値とRemp(α)の値との間のトレード−オフを達成するための方法である。というのも、それらの総和(数9)を、所定の確率1−δで最小化することが目的だからである。
Figure 0005797262
Figure 0005797262
上述の総和の最小化では、Vapnikの不等式(数10)に従って、予測の期待リスクR(α)を最小化する。
Figure 0005797262
このような特徴により、大きな値の(数11)(開始時のモデルは複雑であるため)と小さな経験的リスクRemp(α)(そのような複雑なモデルは過去のデータを適切に反映できるため)から開始して、過去のデータとの良好なマッチングを維持しつつ、すなわち、経験的リスクRemp(α)を小さい値に維持しつつ、段階的に複雑性、すなわち(数12)を減少させて、予測の期待リスクR(α)を最小化することが可能になる。
Figure 0005797262
Figure 0005797262
本発明の他の特徴によれば、上記貯留地区画は、
貯留地Gを、(a,b)≠(a’,b’)の場合に(数13)である(数14)(ここで、a∈{1・・・A}はx−y領域を表し、b∈{1・・・B}は1つまたは数個のz層を表す)となるように、要素部分Gabに区画するステップと、
均質な岩石特性を示す隣り合った要素部分Gabを、サブ地質Gc(ここで、c∈{1・・・C})にまとめるステップと、
を経てアップスケールされる。
Figure 0005797262
Figure 0005797262
このような特徴により、適度に少数のサブ地質Gcを特定して、産地の地質をアップスケールする実際の方法が与えられる。
本発明の他の特徴によれば、岩石特性は、各サブ地質について、(数15)(ここで、Vcはサブ地質Gcの体積)に従って岩石特性を平均化するステップを経て、アップスケールされる。
Figure 0005797262
この特徴は、所定のサブ地質Gcにおいて用いられる特性を実際に定義する方法を説明している。
本発明の他の特徴によれば、貯留地物性に関する法則は、上記サブ地質の機能パラメータに適応するような方法でアップスケールされ、上記サブ地質に関連する時空間スケールは、関連する解空間が履歴データの複雑性と坑井レベルで整合するような方法で決定される。
このような特徴により、坑井レベルで測定した挙動に着目して、アップスケールされた貯留地物性法則を求めるための規則が与えられる。
本発明の他の特徴によれば、上記生産シミュレータは、
粗略な初期貯留地区画、岩石特性、貯留地物性に関する法則、および坑井物性に関する法則を定めるステップと、
上記生産シミュレータが履歴データにマッチングするまで、上記Vapnik条件を成立させた状態を維持しつつ、当該貯留地区画、当該岩石特性、当該貯留地物性に関する法則、および当該坑井物性に関する法則をダウンスケールするステップと、
生産シミュレータの候補解のうち、予測期待リスクを最小化する候補解を選択することによって上記生産シミュレータをキャリブレーションするステップと、
を経て構築される。
ダウンスケーリングとは、産地の単純な記述から開始し、産地全体の挙動を適切に表すであろう関連のある貯留地現象および/または坑井現象を付加して、坑井ごとに複雑性を増加させていくことを意味する。ダウンスケーリングは、(数16)ができる限り小さい状態をシミュレータ候補の解空間が維持するような仕方で実施され、ここで、
δはゼロに近い正の数であって、1−δは、確率であって、
Φは、(数17)によって定義される正関数であって、ここで、
hは、上記解空間のVapnik−Chervonenkis次元であり、
mは、履歴データにおいて入手可能な独立した測定値の数であり、
eは、exp(1)と等しい。
Figure 0005797262
Figure 0005797262
上記解空間の候補のうちの生産シミュレータをキャリブレーションするとは、当該解空間内で解を確定する適切なパラメータ「α」を選択しつつ、「経験的リスク」Remp(α)をできる限り小さくすることを意味する。この経験的リスクは、実際の過去のデータと上記生産シミュレータによって算出された対応するデータとの間の差である。
このダウンスケーリング処理は、ともにできる限り小さいことが求められる(数18)の値とRemp(α)の値との間のトレード−オフを達成するための方法である。というのも、それらの総和(数19)を、所定の確率1−δで最小化することが目的だからである。
Figure 0005797262
Figure 0005797262
上述の総和の最小化では、Vapnikの不等式(数20)に従って、予測の期待リスクR(α)を最小化する。
Figure 0005797262
このような特徴により、小さな値の(数21)(開始時のモデルは単純であるため)と大きな経験的リスクRemp(α)(そのような単純なモデルは過去のデータを適切には反映しないため)から開始して、過去のデータとより良好にマッチングするために、段階的に複雑性を増加させ、すなわち、(数22)を増加させて、それにより経験的リスクRemp(α)減少させて、予測の期待リスクR(α)を最小化することが可能になる。
Figure 0005797262
Figure 0005797262
本発明の他の特徴によれば、上記貯留地区画は、
貯留地全体から開始するステップと、
上記貯留地をサブ地質に区画するステップと、
を経てダウンスケールされ、当該サブ地質間の境界周辺に貯留地特性の実質的な変動が存在する。
このような特徴は、全体的な産地の記述から、局所的な挙動がより精細なスケールGcで特定される精緻な把握へと向かう処理を説明している。
本発明の他の特徴によれば、岩石特性は、各サブ地質について新たな別々の岩石特性を定めることによりダウンスケールされる。
このような特徴は、Gcレベルで異なる物性を割り当てる原理を説明している。
本発明の他の特徴によれば、貯留地物性に関する法則は、上記サブ地質の機能パラメータに適応するような方法でダウンスケールされ、上記サブ地質に関連する時空間スケールは、関連する解空間が履歴データの複雑性と坑井レベルで整合するような方法で決定される。
このような特徴により、坑井レベルで測定された挙動に着目して、ダウンスケールされた貯留地物性法則を求めるための規則が与えられる。
本発明の他の特徴によれば、上記貯留地物性に関する法則は、時間ごと、相ごと、およびサブ地質ごとの平均孔隙率、および相対浸透率または浸透率によってのみ特徴付けられる多孔質媒体としてモデル化された岩石内で発生する流体またはガスの運動量保存および質量保存に関する(Navier−)Stokesの方程式から導出される。
この特徴は、サブ地質Gc全体についていくつかの主要なパラメータを平均化しつつ、貯留地物性に関する一般的な法則をサブ地質レベルで単純化する方法について説明している。
本発明の他の特徴によれば、上記貯留地物性に関する法則は、式(数23)を含み、ここで、
ψkcは、サブ地質cにおける坑井kでの相ψの速度であり、
μψcは、サブ地質cにおける相ψの粘度であり、
ψcは、サブ地質cにおける相ψの圧力であり、
ρψcは、サブ地質cにおける相ψの密度であり、
gは、重力ベクトルであり、
kは、浸透率係数であり、
rψcは、サブ地質cにおける相ψの相対浸透率係数である。krψcは、相の飽和率に依存するため、時間の関数である。
Figure 0005797262
この特徴は、流体の移動に関して実際にどの法則を考慮するか、そしてそれをどのようにパラメータ化するかについて説明している。
本発明の他の特徴によれば、上記貯留地物性に関する法則は、以下の式:(数24)と、(数25)と、(数26)と、(数27)とによって与えられる、流体またはガスと岩石との間の熱伝達の法則をさらに含み、ここで、
T=T(x,y,z)は、温度であって、貯留地内で変動可能であり、
Φは、岩石孔隙率であり、
ψは、相ψの飽和率であり、
ρψは、相ψの密度であり、
ψは、相ψの速度であり、
Eは、体積内部エネルギー(添え字sおよびfはそれぞれ、固体相および流体相に対応)であり、
f=Ug+Uo+Uwは、エンタルピー流束(flux)であって、ここで、Uψ=ρψψψであり、
ψは、相ψの比エンタルピーであり、
g=hw+Λであって、Λは、水蒸発の比熱であり、
添え字g、w、oはそれぞれ、ガス、水、石油を示し、
λ(T)は、貯留地の伝導率係数である。
Figure 0005797262
Figure 0005797262
Figure 0005797262
Figure 0005797262
この特徴は、どの熱伝達の法則を考慮する必要があるか、そしてそれらをどのようにしてパラメータ化できるかを説明している。
本発明の他の特徴によれば、上記貯留地物性に関する法則は、
サブ地質cでの相ψの粘度であって、局所圧力Pおよび局所温度Tの関数であるμψc=μψc(P,T)と、
サブ地質cでの相ψの密度であって、局所圧力Pおよび局所温度Tの関数であるρψc=ρψc(P,T)と、
サブ地質cでの相ψの相対浸透率係数であって、局所圧力Pおよび局所温度Tの関数であるkrψc=krψc(P,T)と、
によって与えられる相法則をさらに含む。
この特徴は、圧力と温度に対する依存性を通じて、流体伝播の法則と熱伝達の法則とをどのようにして連結するかを説明している。
本発明の他の特徴によれば、坑井物性に関する法則は、式:
ψktc=Tkc(PPktc,uψkc
を含み、ここで、
ψktcは、時間tでのサブ地質cにおける坑井kの相ψの生産量であり、
kcは、サブ地質cにおける坑井kの伝達関数であり、
PPktcは、時間tにおいて、サブ地質cにおける坑井kに適用される生産パラメータであり、
ψkcは、サブ地質cにおける坑井kでの相ψの速度である。
この特徴は、坑井の挙動を、例えば伝達関数を用い、どのようにしてモデル化できるかを説明している。このような関数は、貯留地のモデル化と同等の「精密さ」を有する、すなわち、サブ地質Gcがいくつかの層bを含む場合、これらは坑井レベルでまとめて平均化される。
本発明はまた、成熟炭化水素産地を最適に開発する方法に関し、この方法は、
先行する実施形態のいずれか1つに係る生産シミュレータを構築するステップと、
上記生産量から導出される利得値を最適化する最適な生産パラメータを見出すために、上記生産シミュレータの稼働を数回繰り返すステップと、
そのようにして得られた上記最適な生産パラメータを適用して上記炭化水素産地を開発するステップと、
を含む。
この特徴は、上記産地について利得関数(gain function)を最大化することを目指した、包括的な最適化処理を説明している。上記生産シミュレータの前述した特徴、すなわち、その比較的低い複雑性を利用しており、これにより、対応する生産パラメータによって定められる所定の生産シナリオを算出するための演算時間を大幅に短縮することが可能になる。このように演算時間が短いと、莫大な数のシナリオ、典型的には100を越えるシナリオを試行することが可能になる。
本発明の他の特徴によれば、最適化される上記利得値は、上記炭化水素産地の正味現在価値または貯留量である。
この特徴は、最適化されていないシナリオに比べて大きな財務利益をもたらす本発明の実際の使用について説明している。
本発明の他の特徴によれば、上記正味現在価値は、式(数28)を用いて決定でき、ここで、
kcは、坑井kおよびサブ地質cについての石油生産量(バレル換算)であり、
ikは、坑井kおよびi年についての税金と使用料であり、
iは、i年の石油販売価格(1バレル当たり)であり、
dは、割引率のパーセンテージであり、
ikは、i年中に坑井kに費やされた投資額であり、
OCikは、i年中の坑井kの操業コストであり、
kcは、坑井kおよびサブ地質cについての液体生産量(バレル換算)であり、
TOiは、i年の処理コスト(石油1バレル当たり)であり、
TLiは、i年の処理コスト(液体1バレル当たり)である。
Figure 0005797262
この特徴により、利得関数を定める実際の方法が与えられ、この利得関数は、相当たり、時間当たり、およびサブ地質当たりの坑井の生産量を用いて完全に算出することができ、この生産量自体は、任意の所定の生産パラメータの集合について上記生産シミュレータによって算出される。
本発明の他の特徴、詳細、および利点が、図面を参照して以下になされる詳細な例示的説明から、より明らかになるであろう。
図1は、例としての炭化水素産地を示す図である。 図2は、本発明に係るシミュレータの全体のブロック図である。 図3は、本発明に係る生産シミュレータを詳細に示すブロック図である。
図1では、炭化水素産地は、岩石、ガス、および流体、中でも石油を含む地中(または海中)貯留地Gである。当該貯留地Gは、表層10から数個の坑井11により既知の方法で掘削される。当該坑井11は、貯留地の特性を変化させるため、例えばその圧力または温度を変化させるために、流体、一般的には水、ガス、または蒸気を貯留地へ注入する役割を果たす注入井であってよい。または、当該坑井11は、ガス、石油、および関連流体(おそらくはさらに他の成分)を貯留地から抽出する役割を果たす生産井であってもよい。これら生産井の生産効率を向上させるため、または局所的な貯留地特性を変化させるために、適切な流体またはガスを生産井に注入することもできる。
本発明の目的は、坑井当たり、相当たり、およびサブ地質当たりの将来の炭化水素生産を経時的に算出することである。
本発明の他の目的は、最適な生産パラメータPP、すなわち、例えば成熟炭化水素産地の生産、NPV、貯留量などの利得値を最適化する生産パラメータPPを決定し、適用することである。
本発明は、最適化手段1に基づいて、成熟炭化水素産地を最適に開発する方法に関する。当該最適化手段1は、相ψ当たり、坑井k、11当たり、サブ地質c当たり、および時間t当たり(当該時間は一般的に「月」で表される)の生産量Qψcktを生産パラメータPPに応じて与える生産シミュレータ2のモジュールを用いる。相ψは、石油、ガス、水、または化学的混和物などの他の関連流体でありうる(石油は、単相であると考えてもよく、または多くの種々の炭化水素相に分割されてもよい)。炭化水素鎖に応じて、数個の石油相またはガス相がありうる。ガスは、炭化水素、蒸気、または他の任意の成分でありうる。
生産パラメータPPは、生産に影響を与える全ての駆動パラメータを含む。これら生産パラメータは、注入井または生産井の挙動を定める注入率、および生産井の挙動を定めるポンプ流量などで表した生産率を含み、加えて、穿孔、仕上げ、酸性化、破砕などの坑井の改修、または、生産井の注入井への変更や新たな追加の坑井(生産井および/または注入井)の掘削といった、影響を与えるその他何らかの選択をも含む。PPは、サブ地質ごとで異なりうる。
このような最適化手段1は、基本的水準(「平常通りの」生産戦略)に対する生産パラメータの変更を包含する新たな生産戦略のテストを可能にする。
当該生産シミュレータ2は、結果を迅速に演算できるだけ十分簡素であるので、最適化手段1は、前記した生産量Qψcktから導出される利得値5を最適化する最適な生産パラメータPPを見出すために、当該生産シミュレータ2の稼働を数多く繰り返して、それにより多くの戦略またはシナリオを試してもよい。
図2のブロック図に示されているように、最適化手段1の必須の要素は生産シミュレータ2である。所定の生産パラメータPPの集合について、生産シミュレータ2は生産量Qψcktの予測を与える。
当該生産量Qψcktから、最適化の対象である利得値5をモジュール4によって演算できる。
最適化手段1では、モジュール3が、前記したシナリオを生産パラメータPPの集合として提示する役割を果たす。関連する生産パラメータPPの集合の候補を提示するために、ランダムMonte−Carlo法からより効率的な状況認識法に及ぶ、数個の発見的解決法またはアルゴリズムを当該モジュール3に用いてもよい。
フィードバックの矢印で示されているように、当該モジュール3はフィードバック値5を用い、既知の最適化方法に準じて、新たな集合を決定し、新たなシナリオに向けて動作してもよい。
それを繰り返すことにより、最適化手段1は、利得値5を最適化する生産パラメータの最適な集合を決定してもよい。
この方法はまた、そのようにして得られた当該最適な生産パラメータPPを適用して炭化水素産地の開発を行うことを含む。シミュレートしたように、期待利得または収入は最適であるか、少なくとも基本的水準よりは良好でありうる。
有効であるためには、本発明の必須の特徴によれば、先行技術の解決手段の欠点を生じることなく、前記した生産シミュレータ2がまず履歴データHDにマッチングしなければならない。すなわち、生産シミュレータ2は、履歴上適用された生産パラメータPPを適用したときに、過去の生産量Qψcktに非常に近い結果を与え、このことにより、過度に単純化したモデルと差異化される。また、当該生産シミュレータ2は、Vapnik条件を成立させなければならない。
生産シミュレータ2は、将来の予想データを、時間Tから開始して、できる限り正確に生成することを目的としている。そのような正確さを得るための必要条件の一つは、まず、当該生産シミュレータが履歴データHDにマッチングすること、すなわち、過去の既知のデータ、いわゆる履歴データHDを再生成することである。履歴データにマッチングするということは従って、生産シミュレータ2が、既知の、すなわち時間Tより前の、相ψ当たり、坑井k当たり、サブ地質c当たり、および時間t当たりの生産量Qψcktや総累積石油生産量などの生成されたデータを再生成するだけ十分に正確であることを意味する。当該マッチングの質は、履歴データHDに記録されている既知の生産量QψcktHDを、過去の生産パラメータを適用した生産シミュレータ2を用いて演算された生産量Qψcktと相対的に比較することによって評価できる。累積石油生産量もまた、履歴データHDに記録された生産量QψcktHDの総和と生産シミュレータ2を用いて演算された生産量Qψcktの総和との間で比較される。このような比較は、量QψcktHDのうちのp%について(数29)であり、かつ(数30)と表すことができ、ここで、
ψcktは、生産シミュレータ2により決定される、相ψ当たり、坑井k当たり、サブ地質c当たり、および時間t当たりの生産量であり、
ψcktHDは、履歴データ(HD)において見出される、相ψ当たり、坑井k当たり、サブ地質c当たり、および時間t当たりの同生産量であり、
[T1−Xy,T1]は、時間T1の直前のX年間からなる期間であり、
1は、履歴データHDが入手可能である最終の日であり、
‖Z‖[T1,T2]は、期間[T1,T2]におけるZのノルムを示し、
ε1は、1より小さい正の数であり、
ε2は、1より小さい正の数であり、
pは、100%に近い数である。
Figure 0005797262
Figure 0005797262
マッチング条件に関して考慮される期間の長さは、履歴データの入手可能な期間の長さに合わせて調整してもよい。しかし、可能であれば、5年間という長さが妥当であると考えられる。そのような長さは、5年間という生産シミュレータ2の期待される正確な予測の範囲と整合する。
X=5、p=90%、ε1=0.2、ε2=0.15という特定の値が良好なマッチングを検出するのに妥当であることがわかっている。
ここで比較のために使用されるノルムは、最小二乗、または加重最小二乗のうちのいずれでもよい。
正確な生産シミュレータ2はまた、マッチング条件に加えて、Vapnik条件を成立させなければならない。当該Vapnik条件は、種々の方法で表されてよい。
Vapnikにより開発された学習理論の結果の1つによれば、次元mの、すなわち、m個の独立した測定値を含む所定の履歴データHDの集合から、VC次元hの空間内に学習によってモデルを導出でき、このときパラメータαに関連する信頼性予測期待リスクR(α)の上限は2つの加算項の和Remp(α)+Φである。第1の項Remp(α)は、パラメータαに関連する経験的リスクであり、当該パラメータαによってもたらされる履歴データHDとのマッチングの質を示す。第2の項Φは、モデルの特性を示しており、(数31)と表すことができ、ここで、δはゼロに近い正の数であり、1−δは、Remp(α)+Φがまさに境界となる当該予測期待リスクR(α)の確率であって、ここで、hは、解空間SのVapnik−Chervonenkis次元またはVC次元とも称される前述したVC次元であり、mは、履歴データHDにおいて入手可能である独立した測定値の前述した数である。
Figure 0005797262
上記結果に従えば、先行技術の過度に単純化したモデルではいずれも、モデルの過度の単純化のために、Remp(α)が高くなってしまう。また、先行技術の複雑なメッシュモデルでは、小さなRemp(α)を与えうるが、履歴データHDにおいて入手可能である独立した測定値の数mに対して解空間のVC次元hが大きすぎるので、比h/mが高くなり、そのためΦの値が高くなってしまう。
そこで、トレードオフが達成された。すなわち、mの値は一定であって、所定の炭化水素産地について入手可能な履歴データHDによって与えられ、そこで、比h/mが小さいままとなるように解空間の大きさhが調整された。5年間の予測の平均目標を、信頼性をおよそ±5%にすることとした場合、h/mの値≦0.1であれば、目標とする信頼性と、後に詳述するモデルを得るためのスケーリングの可能性とが両立されることがわかった。
前記したVapnik条件を表し、チェックするための別の方法は、ブラインドテストを実施することである。N年間についてのブラインドテストは、履歴データを2つの期間に分けることにより実現してもよい。第1の「過去」期間は、履歴データが入手可能である最初の時間T0から、最終の時間TからN年前の時間T−Nyまでである。第2の「ブラインド」期間は、時間T−Nyから、履歴データが入手可能である最終の時間に相当する時間Tまでである。Tは、一般的に実際の時間である。「過去」期間のデータは既知であるとし、それを用いてマッチングする生産シミュレータ2を当該データに対する学習により構築する。「ブラインド」期間のデータは未知であるとする、または少なくとも生産シミュレータを構築する間は隠蔽する。次いで、それらを、「ブラインド」期間についての生産パラメータを所与として生産シミュレータ2が当該「ブラインド」期間について予測したデータと比較する。予測したデータが十分な正確さで当該隠蔽期間の履歴データを再生成したときに、ブラインドテストは妥当であるとされる。
そこで、ブラインドテストは、
T−Nyに先行する期間について履歴データHDにマッチングする生産シミュレータ2を決定するステップと、
期間[T−Ny,T]における生産量を予測するステップと、を含み、
ブラインドテストは、
既存のQψcktHDの値のうちのp%より多くの値について、(数32)であり、かつ、同一期間[T−Ny,T]における累積石油生産量が正確にε2以下であり、ここで、
ψktbは、生産シミュレータによって決定される、相当たり、坑井当たり、層(または層のグループ)当たり、および時間当たりの生産量であり、
ψktbHDは、履歴データ(HD)において見出される、相当たり、坑井当たり、層(または層のグループ)当たり、および時間当たりの同生産量であり、
[T−Ny,T]は、時間Tの直前のN年間からなる期間であり、
Tは、履歴データHDを入手可能である最終の日であり、
‖Z‖[T1,T2]は、期間[T1,T2]におけるZのノルムを示し、
ε1は、1より小さい正の数であり、
ε2は、1より小さい正の数であり、pは、100%に近い正の数である。
Figure 0005797262
p=90%、ε1=0.1、ε2=0.1という特定の値が良好なブラインドテストを確認するのに妥当であることがわかっている。期間N=3年もまた妥当である。
ここで比較のために使用されるノルムは、例えば、最小二乗、または加重最小二乗のうちのいずれでもよい。
Vapnik条件をチェックするための別の方法は、予測安定特性を測定することにより実現される。そのような特性については、生産シミュレータ2の入力データのわずかな変動に対する出力データの安定性を試験する。入力データは、過去、すなわち、期間[T0,T]における生産パラメータPPと生産量QψktbHDとを含む履歴データHDである。これらの基準データPPおよび生産量QψktbHDに基づいて、基準生産シミュレータ2を構築する。次いで、これらのデータをわずかに変動させ、それに対応するデータPP’およびQψktbHD’を得る。これらのわずかに変動させた入力データに基づいて、基準生産シミュレータ2に十分近似すると予想される他の生産シミュレータを構築する。
出力データ、すなわち、生産量QψktbおよびQψktb’が、将来の期間[T,T+My]に関して、それぞれ基準生産シミュレータ2および他の生産シミュレータによって予測され、次いで比較される。
予測安定特性は、(数33)かつ(数34)ならば、(数35)である場合に成立し、ここで、
PPは、生産パラメータであり、
PP’は、わずかに変動した生産パラメータであり、
ψktbHDは、履歴データHDにおいて見出される、相ψ当たり、坑井k当たり、層(または層のグループ)b当たり、および時間t当たりの生産量であり、
ψktbHD’は、わずかに変動した履歴データHDにおいて見出される、相ψ当たり、坑井k当たり、層(または層のグループ)b当たり、および時間t当たりのわずかに変動した生産量であり、
ψktbは、生産シミュレータ2により決定される、相ψ当たり、坑井k当たり、層(または層のグループ)b当たり、および時間t当たりの生産量であり、
ψktb’は、わずかに変動した履歴データから決定される十分に近似した他の生産シミュレータにより決定される、相ψ当たり、坑井k当たり、層(または層のグループ)b当たり、および時間t当たりの生産量であり、
[T0,T]は、時間T0から時間Tまでの期間であり、時間T0および時間Tはそれぞれ、履歴データ(HD)が入手可能である最初の日と最終の日であり、
[T,T+My]は、時間T後のM年間からなる期間であり、
‖Z‖[T1,T2]は、期間[T1,T2]におけるZのノルムを示し、
εは、1より小さい正の数であり、
nは、5未満の小さな整数である。
Figure 0005797262
Figure 0005797262
Figure 0005797262
ここで重要な値は、与えられる入力変動εと得られる出力変動nεとの比nである。ε=0.05、n=2という値が妥当であることがわかっている。正確性の目標を考慮すると、M=3年という範囲もまた妥当である。
ここで比較のために使用されるノルムは、例えば、最小二乗、または加重最小二乗のうちのいずれでもよい。
Vapnik条件をチェックするための上述した3つの方法は、別々に用いることもでき、また同時に用いることもできる。
既に述べたように、本発明の核心は、生産シミュレータ2である。当該生産シミュレータ2は、履歴データHDに精度よくマッチングするのに十分正確であるために、貯留地物性法則6や坑井物性法則7といった挙動物性に関する法則を用いてもよい。しかし、解空間SのVC次元hは、Vapnik条件を成立させるために十分小さいままでなければならない。
そのような結果に到達するために、ここで2つの手法を提示する。両方の手法とも、物性法則を用い、それらを貯留地モデルに適用することを含む。
アップスケーリングとも称される第1の手法では、前記した貯留地モデルおよび物性法則の両方を詳細な定式から開始し、その詳細な定式を、いつどこで何らかの均質性を観測できるかを見積もることにより、停止条件が達成されるまで徐々に単純化またはスケーリングする。当該条件は、前記したVapnik条件が成立するまで貯留地区画、岩石特性RP、貯留地物性に関する法則6、および坑井物性に関する法則7をアップスケールすることにより達成される。
ダウンスケーリングとも称される第2の手法によれば、前記した貯留地モデルおよび物性法則の両方を粗略な定式から開始し、その粗略な定式を、いつどこで何らかの実質的な変動が観測できるかを詳細に定めることにより、停止条件が達成されるまで徐々に複雑化またはスケーリングする。当該条件は、生産シミュレータ2が履歴データHDにマッチングするまで、前記したVapnik条件が成立した状態を維持しつつ、貯留地区画、岩石特性RP、貯留地物性に関する法則6、および坑井物性に関する法則7を、ダウンスケールすることにより達成される。
両方の手法を、単独で別々に用いてもよく、または交互に用いてもよい。例えば、精細なモデルから部分同士を結合することで地質をアップスケールし、次いで、マッチングできないサブ地質を局所的にダウンスケールし、それによって内部の特性の実質的変化を示してもよい。
このステップでは、用いる手法に関わらず、生産シミュレータ2の構造が定められる。しかし、当該生産シミュレータ2は、数個のパラメータαに依存しており、生産シミュレータ2が適切に作用するためには、この数個のパラメータαがさらに調節されなければならない。パラメータαに応じて、数個の生産シミュレータ2が候補解となりうる。これら数個の候補解が、期待リスクR(α)を最小化するパラメータαの最適な集合を見出すまで、パラメータαの可能的な集合のそれぞれに関して予想期待リスクR(α)についてチェックされる。
図1によれば、貯留地Gは、その地質、すなわち、石油を含む岩石体の閉包(closure)を想定し、それを貯留地区画で分割することにより、モデル化してもよい。
アップスケーリング手法を用いる場合、第1の精細な区画を、文字aで指示され、例えば、少なくとも1つの坑井11を含むx−y領域と、文字bで指示されるz領域とを仕切ることで定めてもよい。図1の例では、貯留地Gをまず初めに区画するために、4つのそのようなx−y領域(a=1・・・4)、および5つのz領域(b=1・・・5)を用いる。これにより、貯留地Gはまず初めに、(a,b)≠(a’,b’)の場合に(数36)(2つの異なる部分は分離されている)である(数37)となるように、要素部分Gabに区画され、ここで、a∈{1・・・A}はx−y領域を表し、b∈{1・・・B}はz層を表す。
Figure 0005797262
Figure 0005797262
この初期貯留地区画から開始して、要素部分Gabについて検討し、隣り合う部分を均質な岩石特性RPを示した場合に段階的に結合することにより、当該区画をアップスケールする。その結果、サブ地質Gc(ここで、c∈{1・・・C})からなるより粗略な区画が新たに得られる。図1には、3つのそのようなサブ地質が示されている。G1は、均質な挙動を示すG11、G12、G13、G14、G15をまとめたものである。G2は、G21、G22、G23、G24、G25、G31、G32、G33、G34、G35をまとめたものである。G3は、G31、G32、G33、G34、G35をまとめたものである。実際のケースでは、サブ地質は、典型的には、3〜50個の坑井を含む。地質区画の当該アップスケーリングは、解空間Sの次元hを低減するための第1の方法である。従って、解空間の大きさは、先行技術のメッシュモデルの場合のような100000個を越えるセルではなく、数個規模の地質の数に依存する。
ダウンスケーリング手法を用いる場合、この処理は、例えば、貯留地G全体に相当する単一の部分からなる粗略な区画から開始される。次いで、当該粗略な区画sを、サブ地質Gc(ここで、c∈{1・・・C})に分割するが、この分割は、当該サブ地質間の境界周辺で特性の実質的な変化が存在する場合にはどこでも必ず行われる。そうすることで、このようなサブ地質の数を可能な限り少なくしつつ、サブ地質ごとに均質な挙動を期待しうる。
岩石特性RPは主に、岩石を通る流体の動的特性を決定するために用いられる、岩石孔隙率、浸透率k、および相対浸透率krψcを含み、さらに、有効層厚、熱容量、伝導率などの他の特性を適宜含む。サブ地質が新たな基本の体積単位となるので、これら岩石特性RPの全ては、所定のサブ地質Gcについてほぼ一定であると考えられる。
アップスケーリング手法を用いる場合、岩石特性RPは、平均化の式(数38)に従ってサブ地質Gcごとに均質化され、ここで、Vcはサブ地質Gcの体積である。
Figure 0005797262
代わりにダウンスケーリング手法を用いる場合、不連続な部分に沿って分割することで得られる新たなサブ地質(Gc)のそれぞれについて別々の新たな岩石特性RPcを定めることによって、岩石特性(RP)がダウンスケールされる。
図3を参照して、生産シミュレータ2の内容を以下により詳細に説明する。当該生産シミュレータ2のモジュールは、2つのメインモジュール6、7に分割されうる。第1のモジュールは、貯留地物性に関する法則6を実装する。当該モジュールは、生産パラメータPPの集合を所与として、少なくとも各坑井11の入口と各サブ地質bでの貯留地を通る流体の動的特性を与える。当該動的特性は、例えば、速度空間で表される。
当該貯留地物性に関する法則6は、サブ地質Gcの機能パラメータに適応するような方法で、アップスケールされるか、またはダウンスケールされる。また、サブ地質Gcに関連する時空間スケールは、関連する解空間が履歴データHDの複雑性と坑井レベルで整合するような方法で決定される。例えば、層ごとの生産量についてデータが十分豊富に得られない(mが小さすぎる)場合、坑井の生産量が、部分的(いくつかの層をグループとする)、または全体的(全ての層をグループとする)に合計される。:(数39)。
Figure 0005797262
このような場合、坑井当たりの生産量のみを示し、坑井当たりおよび層(または層のグループ)当たりの生産量を示すのではない。
アップスケーリング/ダウンスケーリング処理は、法則にも適用される。物性法則および坑井の数と複雑性を、より単純な、あるいはより詳細な挙動モデルと数式を用いて変更してもよい。例えば、Darcyの法則は、より一般的なNavier−Stokesの法則を単純化したものである。数式の次数もまた、意図するVapnik条件に従って、増加または減少させて変更しうる。いくつかのパラメータは、一定であってもよく、または、他のパラメータまたは変数の変動関数によって精緻化してもよい。それまで産地が開発されてきた方法次第で、熱伝達を考慮する場合も、または考慮しない場合もあり、それに応じて熱伝達の法則を採用するか、または無視する。
同様の方法で、坑井の伝達関数が、それらのファンクショニングポイント(functioning point)周辺で線形化、または近似化される場合もある。
このような一致は、部分的な期間、または炭化水素産地の部分的な空間に基づき、履歴データHDにおける入手可能なデータの詳細の豊富さ(次元m)に応じて考慮されるものである。
貯留地物性に関する法則6は、既知の方法で、流体の運動量保存および質量保存に関する(Navier)−Stokesの方程式から導出され、各相に連続的に対応する当該流体は、平均孔隙率Φ、浸透率k、および相対浸透率krψcによってのみ特徴付けられた多孔質媒体としてモデル化された岩石内に発達している。
通常の貯留地物性に関する法則6は、微視的スケールで考慮された多相移動を加味したNavier−Stokesの方程式などの一般的な流れモデルを用いて導出される。流体は、岩石の補集合として得られる領域において発生していくが、これは、多種多様な位相幾何学および幾何学における障害を含む場合がある。アップスケーリング/ダウンスケーリング処理とは、所定の時間tの平均孔隙率、浸透率、および相対浸透率によってのみ岩石構造が記述される多孔質媒体における流体の有効な動的特性を決定することである。
貯留地Gにおける流体伝播は、流体の運動量保存を記述するNavier−Stokesの方程式(数40)から導出され、ここで、uは流体速度、ρは流体密度、Tは応力テンソル、fは流体に働く物体力である(貯留地の石油については、fは、重力であり、f=ρ・gである)。
Figure 0005797262
これらは、流体の質量保存により補完される。:(数41)。
Figure 0005797262
そして、各相ψ∈{石油、水、ガス}について、(数42)であり、ここで、Sψは、相ψの飽和率を示し、Jψは、拡散流束を示す。当然ながら、(数43)であり、(数44)である。
Figure 0005797262
Figure 0005797262
Figure 0005797262
貯留地での流れは通常、低レイノルズ数、すなわち、遅い流れ(creeping flow)を特徴とするので、Navier−Stokesの方程式は一般的に、安定した非圧縮性流れを想定して、Stokesの方程式(数45)、(数46)に簡素化でき、ここで、μは粘度、uiはi方向の速度、giはi方向の重力成分、pは圧力である。
Figure 0005797262
Figure 0005797262
実効粘性抵抗力が速度に比例し、方向が反対となるように、体積平均化の処理を用いてStokesの方程式を均質化してもよい。従って、等方性多孔質媒体の場合、(数47)と書くことができ、ここで、kは多孔質媒体の浸透率を示し、Φは孔隙率である。これにより、速度が圧力勾配で与えられ(数48)、これによりDarcyの法則が与えられる。非等方性多孔質媒体の場合、(数49)という結果が得られ、ここで、Kは浸透率対称テンソルを示す。結果として得られる流体の質量保存の方程式は、(数50)により与えられる。
Figure 0005797262
Figure 0005797262
Figure 0005797262
Figure 0005797262
実際には、流体は、一般的にガス(g)、石油(o)、および水(w)からなり、その組成はおそらく複雑であり、例えば、その塩分濃度や炭化水素鎖に依存する。アップスケールされた段階での相ψ∈{o,w,g}の質量保存は、(数51)と書くことができ、ここで、uψ、ρψ、Sψはそれぞれ、相ψの速度、密度、飽和率および拡散流束を示す。
Figure 0005797262
いかなる場合も、速度u、圧力p、相ψの飽和率といった通常の流れ特性を用いて、相速度uψに関する閉包律を決定しなければならない。(数52)のように、無矛盾性関係式が満足されなければならない。
Figure 0005797262
相ψの速度の閉包は、各相の異なる移動度の要因であるいわゆる相対浸透率係数kを含む:(数53)。ここで、μψは、相ψの粘度を示す。
Figure 0005797262
最後に、モジュール6は、下記式により貯留地物性に関する法則を実装する:(数54)。ここで、
ψkcは、サブ地質cにおける坑井kでの相ψの速度であり、
μψcは、サブ地質cにおける相ψの粘度であり、
ρψcは、サブ地質cにおける相ψの密度であり、
ψcは、サブ地質cにおける相ψの圧力であり、
gは、重力ベクトルであり、
kは、浸透率係数であり、
rψcは、サブ地質cにおける相ψの相対浸透率係数である。
Figure 0005797262
貯留地物性に関する法則6はまた、履歴データHDにおいて該当するデータが入手可能であれば、以下の式:(数55)と、(数56)と、(数57)と、(数58)とによって与えられる、流体またはガスと岩石との間の熱伝達の法則を含んでもよく、ここで、
T=T(x,y,z)は、温度であって、貯留地内で変動可能であり、
Φは、岩石孔隙率であり、
ψは、相ψの飽和率であり、
ρψは、相ψの密度であり、
ψは、相ψの速度であり、
Eは、体積内部エネルギー(添え字sおよびfはそれぞれ、固体相および流体相に対応)であり、
f=Ug+Uo+Uwは、エンタルピー流束であって、ここで、Uψ=ρψψψであり、
ψは、相ψの比エンタルピーであり、
g=hw+Λであって、Λは、水蒸発の比熱であり、
添え字g、w、oはそれぞれ、ガス、水、石油を示し、
λ(T)は、貯留地の伝導率係数である。
Figure 0005797262
Figure 0005797262
Figure 0005797262
Figure 0005797262
加えて、生産シミュレータ2におけるいくつかの変数は、一定であってもよく、または、それらを例えば局所圧力Pおよび局所温度Tの変数として考え、精緻化してもよい。そこで、貯留地物性に関する法則6は、
サブ地質cにおける相ψの粘度であって、局所圧力Pおよび局所温度Tの関数であるμψc=μψc(P,T)と、
サブ地質cにおける相ψの密度であって、局所圧力Pおよび局所温度Tの関数であるρψc=ρψc(P,T)と、
サブ地質cにおける相ψの相対浸透率係数であって、局所圧力Pおよび局所温度Tの関数であるkrψc=krψc(P,T)と、
によって与えられる相法則をさらに含んでもよい。
坑井物性に関する法則7としての坑井モデルを実装する第2のモジュール7は、少なくとも各坑井kのサブ地質cの層の穿孔時に知られる前記した速度uψkcから、時間tにおける坑井kでのサブ地質cの相ψの生産量Qψktcを、時間tにサブ地質cにおいて各坑井kに適用される生産パラメータPPktcと、坑井kの層bでの相ψの速度uψkbとの関数として、式Qψktc=Tkc(PPktc,uψkc)を用いて決定し、ここで、Tkcは、坑井kごとおよびサブ地質cごとに定められる伝達関数である。このような伝達関数は、とりわけ、局所的な貯留地の圧力、地質、表皮効果、坑井またはポンプの設計と仕上げに依存する関数である。それらは、老化または損傷の結果、経時的に変化しうる。それらは、通常、一覧にまとめられた関数であり、過去の生産データから導出される。
炭化水素産地の生産シミュレータ2の候補の解空間は、T(坑井の伝達物性)とu(貯留地の伝播物性)との組み合わせである。このような候補はそれぞれ、パラメータαの集合に関連し、当該パラメータαの集合によって定められる。これらパラメータαは、入力される生産パラメータPPktcを生産量Qψktcに関係づける候補シミュレータを定めるものである。候補シミュレータが定められている空間は、貯留地、坑井、および法則のアップスケーリングまたはダウンスケーリング処理の所産である。そのようなパラメータαによって定められるシミュレータは、所定のPPktcに応じて、坑井ごと、サブ地質ごとに、産地の挙動を完全に特徴付けるであろう。これらは、入力される生産パラメータとして与えられる値の所定の範囲について有効である。当該与えられる値の範囲は、典型的には、全ての過去の生産パラメータの範囲内であり、変動の幅は±30%である。
履歴データHDに基づいて、生産シミュレータの候補解がそれぞれ過去のデータと比較される。前記した複数のパラメータαの集合について処理を繰り返すことにより、予測期待リスクR(α)を最小化するパラメータの集合に対応する候補解が決定される。
成熟産地の場合、過去の生産データまたは履歴データHDの大きさmは、同一の坑井の将来の生産にとって重要(であり、かつ)となるであろう全ての主要な現象を把捉可能とするのに適切な物性の豊富さを内包する解空間Sを決定できるだけ十分大きい。このような状況では、入手可能なデータの複雑性に対して解空間のVC次元hが適切となるトレードオフが可能となり、従って比h/mが最小化され、それによりΦとR(α)の値が最小化される。予測期待リスクR(α)が最小化され、生産シミュレータ2によってなされた予測は信頼性が高いと考えられうる。
各候補解について、Vapnikの式(数59)を用いて、予測期待リスクR(α)の上限が定められ、ここで、
R(α)は、パラメータαに関連する予測期待リスクであり、
emp(α)は、パラメータαに関連し、履歴データHDとのマッチング処理によって決定される経験的リスクであり、
δは、ゼロに近い正の数であって、1−δは、前記不等式の成立する確率であって、
Φは、(数60)によって定められる関数であって、ここで、
hは、解空間のVapnik−Chervonenkis次元であり、
mは、履歴データHDにおいて入手可能な独立した測定値の数であり、
eは、exp(1)と等しい。
Figure 0005797262
Figure 0005797262
予測期待リスクR(α)を最小化する最適なパラメータαoptの集合により、最善の生産シミュレータ2が決定および定義される。
マッチング条件、すなわちVapnik条件を満たすように、そして予測期待リスクR(α)を最小化するように、生産シミュレータ2が上述のように一旦決定され最適化されると、それを最適化手段1において用いることができる。最適化手段1は、生産パラメータPPのシナリオを生成し、これらのシナリオに対して生産シミュレータ2を適用する。次いで、このような動作を、種々の生産パラメータPPの集合に対して何度も繰り返す。繰り返し動作ごとに、利得値5を、生産シミュレータ2によって予測された生産量Qψktcから導出して算出する。結果として得られた利得値5を次のシナリオを選択するために用いてもよい。そうすることにより、当該利得値5を最適化する生産パラメータPPの最適な集合が得られる。
最適化された当該利得値5は、炭化水素産地の正味現在価値NPVまたは貯留量RESでありうる。
任意の利得値5を、当業者にとっては周知のように、必要な経済パラメータまたは指数を考慮して、最適化手段1によって出力された生産量Qψktcから、モジュール4によって決定することができる。
当該正味現在価値NPVは、例えば、式(数61)を用いて決定してもよく、ここで、
kcは、坑井kおよびサブ地質cについての石油生産量(バレル換算)であり、
ikは、坑井kおよびi年についての税金と使用料であり、
iは、i年の石油販売価格(1バレル当たり)であり、
dは、割引率のパーセンテージであり、
ikは、i年中に坑井kに費やされた投資額であり、
OCikは、i年中の坑井kの操業コストであり、
kcは、坑井kおよびサブ地質cについての液体生産量(バレル換算)であり、
TOiは、i年の処理コスト(石油1バレル当たり)であり、
TLiは、i年の処理コスト(液体1バレル当たり)である。
Figure 0005797262
他の選択肢は、所定の期間における累積石油生産量として定められる、炭化水素産地の貯留量RESの値である。その他の選択肢も可能である。

Claims (25)

  1. 成熟炭化水素産地をシミュレートするのに適した貯留地物性に関する法則であって貯留地を通る流体の動的特性を示す法則を実装し、相当たり、坑井当たり、層または層のグループ当たり、および時間当たりの生産量を生産パラメータに応じて与える、生産シミュレータであって、当該生産シミュレータは、パラメータαの集合によって解空間内に定められ、前記成熟炭化水素産地の履歴データにマッチングし、かつ、Vapnikの統計的学習理論にしたがって前記パラメータαに関連する信頼性予測期待リスクR(α)により特徴付けられる予測信頼性を示し、
    前記成熟炭化水素産地の生産シミュレータの候補の解空間は、坑井の伝達物性と貯留地の伝播物性との組み合わせであって、各候補は、前記パラメータαの集合に関連し、かつ前記パラメータαの集合によって定められ、前記パラメータαは、入力される生産パラメータPPktcを前記生産量Qψktcに関係づける候補シミュレータを定め、ここで、
    信頼性予測期待リスクR(α)は、Vapnikの不等式(数1)の左辺であり、
    emp (α)は、パラメータαに関連し、履歴データとのマッチング処理によって決定される経験的リスクであり、
    δは、ゼロに近い正の数であって、1−δが、前記不等式が成立する確率であって、
    Φは、(数2)によって定められる関数であって、ここで、
    hは、前記解空間SのVapnik−Chervonenkis次元であり、
    mは、履歴データにおいて入手可能な独立した測定値の数であり、
    eは、exp(1)と等しく、
    前記経験的リスクR emp (α)が高くなり過ぎたり前記関数Φが高くなり過ぎたりすることが防止されてこれらのトレードオフが達成されるように、当該生産シミュレータはマッチング条件およびVapnik条件を両立させるように構築され、
    前記マッチング条件は、履歴データとの前記マッチングが達成されるように、前記経験的リスクR emp (α)が高くなり過ぎることを防止するための条件であり、
    前記Vapnik条件は、前記マッチングを達成するための方途が過大となることが防止されるように、前記関数Φの値が高くなり過ぎることを防止するための条件であり、
    前記マッチング条件は、
    (M)・履歴データに記録されている既知の生産量Q ψcktHD と、過去の生産パラメータを適用した当該生産シミュレータを用いて演算された生産量Q ψckt との比較を含む演算結果が所定の範囲内に収まるとともに、
    ・前記生産量Q ψcktHD の総和と、前記生産量Q ψckt の総和との比較を含む演算結果が所定の範囲内に収まる場合
    に成立するものであり、
    前記Vapnik条件は、
    (V−i)履歴データにおいて入手可能である独立した測定値の数mに対する解空間のVC次元hの比h/mが所定の範囲内に収まる場合、
    (V−ii)履歴データを、履歴データが入手可能である最初の時間T 0 から、最終の時間TからN年前の時間T−N y までの期間である第1期間と、時間T−Nyから、履歴データが入手可能である最終の時間に相当する時間Tまでの期間である第2期間とに分けたとき、前記第2期間における前記生産量Q ψcktHD と、前記第1期間の履歴データについて前記マッチング条件が成立するように構築された当該生産シミュレータが予想した前記第2期間の前記生産量Q ψckt と、の比較を含む演算結果が所定の範囲内に収まる場合、および、
    (V−iii)前記時間T 0 から前記時間Tまでの期間[T 0 ,T]における前記生産パラメータPPおよび前記生産量Q ψktbHD を含む前記履歴データに基づいて構築された当該生産シミュレータを基準生産シミュレータとし、前記期間[T 0 ,T]における前記生産パラメータPPおよび前記生産量Q ψktbHD を変動させた生産パラメータPP’および前記生産量Q ψktbHD ’に基づいて構築された当該生産シミュレータを他の生産シミュレータとしたとき、前記生産パラメータPPと前記生産パラメータPP’との比較を含む演算結果が所定の範囲内に収まるという第1要件と、前記生産量Q ψktbHD と前記生産量Q ψktbHD ’との比較を含む演算結果が所定の範囲内に収まるという第2要件の2つの要件が満たされれば、前記基準生産シミュレータが予想した将来の期間[T,T+My]における前記生産量Q ψckt と、前記他の当該生産シミュレータが予想した前記将来の期間[T,T+My]における前記生産量Q ψckt ’と、の比較を含む演算結果が所定の範囲内に収まる場合
    から選択される少なくとも1つの場合に成立するものである、生産シミュレータ。
    Figure 0005797262
    Figure 0005797262
  2. パラメータαの集合によって解空間内に定められる生産シミュレータであって、前記Vapnikの不等式から導出される境界条件(数)を最小化して、信頼性予測期待リスクR(α)を示すことができ、請求項1に記載の生産シミュレータ。
    Figure 0005797262
  3. 既存のQψktbHDの値のうちのp%について、(数4)であり、かつ、同一期間[T1−Xy,T1]における累積石油生産量が正確にε2以下である場合に履歴データとのマッチングが得られ、ここで、
    ψktbは、前記生産シミュレータにより決定される、相ψ当たり、坑井k当たり、層または層のグループb当たり、および時間t当たりの生産量であり、
    ψktbHDは、履歴データにおいて見出される、相ψ当たり、坑井k当たり、層または層のグループb当たり、および時間t当たりの同生産量であり、
    [T1−Xy,T1]は、時間T1の直前のX年間からなる期間であり、
    1は、履歴データ(HD)を入手可能である最終の日であり、
    ‖Z‖[T1,T2]は、期間[T1,T2]におけるZのノルムを示し、
    ε1は、1より小さい正の数であり、
    ε2は、1より小さい正の数であり、
    pは、100%に近い正の数である、請求項1に記載の生産シミュレータ。
    Figure 0005797262
  4. X=5であり、ε1=0.2であり、ε2=0.15であり、p=90%である、請求項3に記載の生産シミュレータ。
  5. 前記Vapnik条件は、h/m≦0.1として表される、請求項1に記載の生産シミュレータ。
  6. N年間についての妥当なブラインドテストを実施することによって前記Vapnik条件を成立させる生産シミュレータであって、前記ブラインドテストは、
    T−Nyに先行する期間について履歴データにマッチングする生産シミュレータを決定するステップと、
    期間[T−Ny,T]における生産量を、同一期間における生産パラメータを所与として予測するステップと、
    によって定められ、前記ブラインドテストは、
    全てのQψktbHDの値のうちのp%について、(数5)であり、かつ同一期間[T−N
    y,T]における累積石油生産量が正確にε2以下である場合に妥当であるとされ、ここで、
    ψktbは、前記生産シミュレータにより決定される、相ψ当たり、坑井k当たり、層または層のグループb当たり、および時間t当たりの生産量であり、
    ψktbHDは、履歴データにおいて見出される、相ψ当たり、坑井k当たり、層または層のグループb当たり、および時間t当たりの同生産量であり、
    [T−Ny,T]は、時間Tの直前のN年間からなる期間であり、
    Tは、履歴データHDを入手可能である最終の日であり、
    ‖Z‖[T1,T2]は、期間[T1,T2]におけるZのノルムを示し、
    ε1は、1より小さい正の数であり、
    ε2は、1より小さい正の数であり、
    pは、100%に近い数である、請求項1に記載の生産シミュレータ。
    Figure 0005797262
  7. p=90%であり、ε1=0.1であり、ε2=0.1であり、N=3である、請求項6に記載の生産シミュレータ。
  8. 前記Vapnik条件は、(数6)かつ(数7)ならば、(数8)である場合に成立する予測安定特性であり、ここで、
    PPは、生産パラメータであり、
    PP’は、わずかに変動した生産パラメータであり、
    ψktbHDは、履歴データにおいて見出される、相ψ当たり、坑井k当たり、層または層のグループb当たり、および時間t当たりの生産量であり、
    ψktbHD’は、わずかに変動した履歴データにおいて見出される、相ψ当たり、坑井k当たり、層または層のグループb当たり、および時間t当たりのわずかに変動した生産量であり、
    ψktbは、前記生産シミュレータにより決定される、相ψ当たり、坑井k当たり、層または層のグループb当たり、および時間t当たりの生産量であり、
    ψktb’は、わずかに変動した履歴データから決定される十分に近似した他の生産シミュレータにより決定される、相ψ当たり、坑井k当たり、層または層のグループb当たり、および時間t当たりの生産量であり、
    [T0,T]は、時間T0から時間Tまでの期間であり、時間T0および時間Tはそれぞれ、履歴データが入手可能である最初の日と最終の日であり、
    [T,T+Ny]は、時間T後のN年間からなる期間であり、
    ‖Z‖[T1,T2]は、期間[T1,T2]におけるZのノルムを示し、
    εは、1より小さい正の数であり、
    nは、5未満の小さな整数である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の生産シミュレータ。
    Figure 0005797262
    Figure 0005797262
    Figure 0005797262
  9. ε=0.05であり、n=2であり、N=3である、請求項8に記載の生産シミュレータ。
  10. 詳細な初期貯留地区画、岩石特性、貯留地物性に関する法則、および坑井物性に関する法則を定めるステップと、
    前記Vapnik条件が成立するまで、前記貯留地区画、前記岩石特性、前記貯留地物性に関する法則、および前記坑井物性に関する法則をアップスケールするステップと、
    生産シミュレータの候補解のうち、信頼性予測期待リスクR(α)を最小化する候補解を選択することによって前記生産シミュレータを最適化するステップと、
    を経て構築される、請求項1に記載の生産シミュレータ。
  11. 前記貯留地区画は、
    貯留地Gを、(a,b)≠(a’,b’)の場合に(数9)である(数10)(ここで、a∈{1・・・A}はx−y領域を表し、b∈{1・・・B}は1つまたは数個のz層を表す)となるように、要素部分Gabに区画するステップと、
    均質な岩石特性を示す隣り合った要素部分Gabを、サブ地質Gc(ここで、c∈{1・・・C})にまとめるステップと、
    を経てアップスケールされる、請求項10に記載の生産シミュレータ。
    Figure 0005797262
    Figure 0005797262
  12. 岩石特性は、各サブ地質Gcについて、式(数11)(ここで、Vcはサブ地質Gcの体積)に従って岩石特性RPcを平均化するステップを経て、アップスケールされる、請求項10に記載の生産シミュレータ
    Figure 0005797262
  13. 貯留地物性に関する法則は、前記サブ地質Gcの機能パラメータに適応するような方法で、アップスケールされ、前記サブ地質Gcに関連する時空間スケールは、関連する解空間が履歴データの複雑性と坑井レベルで整合するような方法で決定される、請求項10に記載の生産シミュレータ。
  14. 粗略な初期貯留地区画、岩石特性、貯留地物性に関する法則、および坑井物性に関する法則を定めるステップと、
    前記生産シミュレータが履歴データにマッチングするまで、前記Vapnik条件を成立させた状態を維持しつつ、前記貯留地区画、前記岩石特性、前記貯留地物性に関する法則、および前記坑井物性に関する法則をダウンスケールするステップと、
    生産シミュレータの候補解のうち、信頼性予測期待リスクR(α)を最小化する候補解を選択することによって前記生産シミュレータを最適化するステップと、
    を経て構築される、請求項1に記載の生産シミュレータ。
  15. 前記貯留地区画は、
    貯留地全体から開始するステップと、
    前記貯留地をサブ地質Gc(ここで、c∈{1・・・C})に区画するステップと、
    を経てダウンスケールされ、前記サブ地質間の境界周辺に特性の実質的な変動が存在する、請求項14に記載の生産シミュレータ。
  16. 岩石特性は、各サブ地質Gcについて新たな別々の岩石特性を定めることによりダウンスケールされる、請求項14に記載の生産シミュレータ。
  17. 貯留地物性に関する法則は、前記サブ地質Gcの機能パラメータに適応するような方法でダウンスケールされ、サブ地質Gcに関連する時空間スケールは、関連する解空間が履歴データの複雑性と坑井レベルで整合するような方法で決定される、請求項14に記載の生産シミュレータ。
  18. 前記貯留地物性に関する法則は、相ψごとおよびサブ地質cごとの平均孔隙率、浸透率、および相対浸透率krψcによってのみ特徴付けられる多孔質媒体としてモデル化された岩石内で発生する流体の運動量保存および質量保存に関する(Navier−)Stokesの方程式から導出される、請求項10に記載の生産シミュレータ。
  19. 前記貯留地物性に関する法則は、式(数12)を含み、ここで、
    ψkcは、サブ地質cにおける坑井kでの相ψの速度であり、
    μψcは、サブ地質cにおける相ψの粘度であり、
    ρψcは、サブ地質cにおける相ψの密度であり、
    ψcは、サブ地質cにおける相ψの圧力であり、
    gは、重力ベクトルであり、
    kは、浸透率係数であり、
    rψcは、サブ地質cにおける相ψの相対浸透率係数である、請求項18に記載の生産シミュレータ。
    Figure 0005797262
  20. 前記貯留地物性に関する法則は、以下の式:(数13)と、(数14)と、(数15)と、(数16)とによって与えられる、流体またはガスと岩石との間の熱伝達の法則をさらに含み、ここで、
    T=T(x,y,z)は、温度であって、貯留地内で変動可能であり、
    Φは、岩石孔隙率であり、
    ψは、相ψの飽和率であり、
    ρψは、相ψの密度であり、
    ψは、相ψの速度であり、
    Eは、体積内部エネルギー(添え字sおよびfはそれぞれ、固体相および流体相に対応)であり、
    f=Ug+Uo+Uwは、エンタルピー流束であって、ここで、Uψ=ρψψψであり、
    ψは、相ψの比エンタルピーであり、
    g=hw+Λであって、Λは、水蒸発の比熱であり、
    添え字g、w、oはそれぞれ、ガス、水、石油を示し、
    λ(T)は、貯留地の伝導率係数である、請求項19に記載の生産シミュレータ。
    Figure 0005797262
    Figure 0005797262
    Figure 0005797262
    Figure 0005797262
  21. 前記貯留地物性に関する法則は、
    サブ地質cでの相ψの粘度であって、局所圧力Pおよび局所温度Tの関数であるμψc=μψc(P,T)と、
    サブ地質cでの相ψの密度であって、局所圧力Pおよび局所温度Tの関数であるρψc=ρψc(P,T)と、
    サブ地質cでの相ψの相対浸透率係数であって、局所圧力Pおよび局所温度Tの関数であるkrψc=krψc(P,T)と、
    によって与えられる相法則をさらに含む、請求項20に記載の生産シミュレータ。
  22. 坑井物性に関する法則は、式:
    ψktc=Tkc(PPktc,uψkc
    を含み、ここで、
    ψktcは、サブ地質cにおける時間tでの坑井kの相ψの生産量であり、
    kcは、サブ地質cにおける坑井kの伝達関数であり、
    PPktcは、時間tにおいて、サブ地質cにおける坑井kに適用される生産パラメータであり、
    ψkcは、サブ地質cにおける坑井kでの相ψの速度である、請求項10に記載の生産シミュレータ。
  23. 成熟炭化水素産地を最適に開発するためのシミュレータであって
    求項1〜22のいずれか一項に記載の生産シミュレータを構築するステップと、
    前記生産量から導出される利得値を最適化する最適な生産パラメータを見出すために、前記生産シミュレータの稼働を数回繰り返すステップと、
    そのようにして得られた前記最適な生産パラメータを適用して前記炭化水素産地を開発するステップと、
    を含むシミュレータ。
  24. 最適化される前記利得値は、前記炭化水素産地の正味現在価値または貯留量である、請求項23に記載のシミュレータ。
  25. 前記正味現在価値NPVは、式:(数17)を用いて決定され、ここで、
    kcは、坑井kおよびサブ地質cについての石油生産量(バレル換算)であり、
    ikは、坑井kおよびi年についての税金と使用料であり、
    iは、i年の石油販売価格(1バレル当たり)であり、
    dは、割引率のパーセンテージであり、
    ikは、i年中に坑井kに費やされた投資額であり、
    OCikは、i年中の坑井kの操業コストであり、
    kcは、坑井kおよびサブ地質cについての液体生産量(バレル換算)であり、
    TOiは、i年の処理コスト(石油1バレル当たり)であり、
    TLiは、i年の処理コスト(液体1バレル当たり)である、請求項24に記載のシミュレータ。
    Figure 0005797262
JP2013514709A 2010-06-16 2011-06-15 成熟炭化水素産地をシミュレートするための生産シミュレータ Active JP5797262B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US12/816,940 2010-06-16
US12/816,940 US8412501B2 (en) 2010-06-16 2010-06-16 Production simulator for simulating a mature hydrocarbon field
PCT/EP2011/059968 WO2011157764A2 (en) 2010-06-16 2011-06-15 Production simulator for simulating a mature hydrocarbon field

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013534002A JP2013534002A (ja) 2013-08-29
JP5797262B2 true JP5797262B2 (ja) 2015-10-21

Family

ID=44587774

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013514709A Active JP5797262B2 (ja) 2010-06-16 2011-06-15 成熟炭化水素産地をシミュレートするための生産シミュレータ

Country Status (15)

Country Link
US (2) US8412501B2 (ja)
EP (1) EP2583121B1 (ja)
JP (1) JP5797262B2 (ja)
CN (1) CN103003718B (ja)
AU (1) AU2011267039B2 (ja)
BR (1) BR112012032159B1 (ja)
CA (1) CA2801804C (ja)
CO (1) CO6640278A2 (ja)
DK (1) DK2583121T3 (ja)
EA (1) EA030299B1 (ja)
ES (1) ES2532766T3 (ja)
MX (1) MX2012014727A (ja)
MY (1) MY164433A (ja)
PL (1) PL2583121T3 (ja)
WO (1) WO2011157764A2 (ja)

Families Citing this family (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102754105B (zh) 2010-02-12 2016-05-25 埃克森美孚上游研究公司 用于创建历史匹配模拟模型的方法和***
EP2564309A4 (en) 2010-04-30 2017-12-20 Exxonmobil Upstream Research Company Method and system for finite volume simulation of flow
EP2599032A4 (en) 2010-07-29 2018-01-17 Exxonmobil Upstream Research Company Method and system for reservoir modeling
US9187984B2 (en) 2010-07-29 2015-11-17 Exxonmobil Upstream Research Company Methods and systems for machine-learning based simulation of flow
WO2012015515A1 (en) 2010-07-29 2012-02-02 Exxonmobil Upstream Research Company Methods and systems for machine-learning based simulation of flow
CA2807300C (en) 2010-09-20 2017-01-03 Exxonmobil Upstream Research Company Flexible and adaptive formulations for complex reservoir simulations
WO2013039606A1 (en) 2011-09-15 2013-03-21 Exxonmobil Upstream Research Company Optimized matrix and vector operations in instruction limited algorithms that perform eos calculations
WO2014018055A2 (en) * 2012-07-27 2014-01-30 Landmark Graphics Corporation Systems and methods for estimating opportunity in a reservoir system
EP2901363A4 (en) 2012-09-28 2016-06-01 Exxonmobil Upstream Res Co ERROR REMOVAL IN GEOLOGICAL MODELS
WO2014186545A1 (en) 2013-05-16 2014-11-20 Exa Corporation Mass exchange model for relative permeability simulation
WO2014189523A1 (en) * 2013-05-24 2014-11-27 Halliburton Energy Services, Inc. Methods and systems for reservoir history matching for improved estimation of reservoir performance
BR112015026505B1 (pt) 2013-06-10 2021-12-14 Exxonmobil Upstream Research Company Método para determinar parâmetros de poço para otimização de desempenho de poço
BR112016001947A2 (pt) * 2013-08-07 2017-08-01 Landmark Graphics Corp métodos e sistemas de calibração de modelo de terra estático usando testes de permeabilidade
SG11201601104TA (en) * 2013-09-16 2016-03-30 Landmark Graphics Corp Pseudo phase production simulation: a signal processing approach to assess quasi-multiphase flow production via successive analogous step-function relative permeability controlled models in reservoir flow simulation in order to rank multiple petro-physical realizations
WO2015108433A1 (en) * 2014-01-14 2015-07-23 Baker Hughes Incorporated A method for detecting fluid fronts using a combination of electric and gravity measurements in boreholes
EP3175265A1 (en) 2014-07-30 2017-06-07 ExxonMobil Upstream Research Company Method for volumetric grid generation in a domain with heterogeneous material properties
EP3213126A1 (en) 2014-10-31 2017-09-06 Exxonmobil Upstream Research Company Handling domain discontinuity in a subsurface grid model with the help of grid optimization techniques
CA2963092C (en) 2014-10-31 2021-07-06 Exxonmobil Upstream Research Company Methods to handle discontinuity in constructing design space for faulted subsurface model using moving least squares
CN104933246A (zh) * 2015-06-15 2015-09-23 中国海洋石油总公司 一种定量表征气田储量参数对储量变化贡献的方法
KR101766917B1 (ko) * 2015-12-23 2017-08-11 한국지질자원연구원 비투멘의 경제성 평가 장치 및 그 방법
EP3574291B1 (en) 2017-01-26 2023-12-06 Dassault Systemes Simulia Corp. Multi-phase flow visualizations based on fluid occupation time
US11714040B2 (en) 2018-01-10 2023-08-01 Dassault Systemes Simulia Corp. Determining fluid flow characteristics of porous mediums
US11530598B2 (en) 2018-08-21 2022-12-20 Dassault Systemes Simulia Corp. Determination of oil removed by gas via miscible displacement in reservoir rock
RU2692369C1 (ru) * 2018-12-26 2019-06-24 Публичное акционерное общество "Газпром нефть" Способ выбора системы разработки месторождения
US11613984B2 (en) 2019-09-04 2023-03-28 Dassault Systemes Simulia Corp. Determination of hydrocarbon mobilization potential for enhanced oil recovery
US11549359B2 (en) 2020-05-11 2023-01-10 Saudi Arabian Oil Company Systems and methods to identify and quantify field development opportunities through integration of surface and sub-surface data
US11847391B2 (en) 2020-06-29 2023-12-19 Dassault Systemes Simulia Corp. Computer system for simulating physical processes using surface algorithm
US11907625B2 (en) 2020-12-29 2024-02-20 Dassault Systemes Americas Corp. Computer simulation of multi-phase and multi-component fluid flows including physics of under-resolved porous structures
CN113297803B (zh) * 2021-06-17 2022-12-06 东北石油大学 一种油气产量智能模拟预估方法和***
CN114241877B (zh) * 2021-12-27 2024-03-15 西南石油大学 可调式油气地质研究模拟装置

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5305209A (en) * 1991-01-31 1994-04-19 Amoco Corporation Method for characterizing subterranean reservoirs
US6980940B1 (en) * 2000-02-22 2005-12-27 Schlumberger Technology Corp. Intergrated reservoir optimization
US6775578B2 (en) * 2000-09-01 2004-08-10 Schlumberger Technology Corporation Optimization of oil well production with deference to reservoir and financial uncertainty
US6810332B2 (en) * 2003-01-31 2004-10-26 Chevron U.S.A. Inc. Method for computing complexity, confidence and technical maturity indices for reservoir evaluations
US7835893B2 (en) * 2003-04-30 2010-11-16 Landmark Graphics Corporation Method and system for scenario and case decision management
FR2855631A1 (fr) * 2003-06-02 2004-12-03 Inst Francais Du Petrole Methode pour optimiser la production d'un gisement petrolier en presence d'incertitudes
WO2005020044A1 (en) * 2003-08-26 2005-03-03 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Innervated stochastic controller for real time business decision-making support
US20070016389A1 (en) * 2005-06-24 2007-01-18 Cetin Ozgen Method and system for accelerating and improving the history matching of a reservoir simulation model
CN100429528C (zh) * 2005-08-10 2008-10-29 大庆油田有限责任公司 一种沉积相控制预测砂岩油藏储层属性的方法
US9043188B2 (en) * 2006-09-01 2015-05-26 Chevron U.S.A. Inc. System and method for forecasting production from a hydrocarbon reservoir
US7774184B2 (en) * 2006-10-17 2010-08-10 Schlumberger Technology Corporation Brownfield workflow and production forecast tool
US8024123B2 (en) * 2007-11-07 2011-09-20 Schlumberger Technology Corporation Subterranean formation properties prediction
US8793111B2 (en) * 2009-01-20 2014-07-29 Schlumberger Technology Corporation Automated field development planning
CN101661514B (zh) * 2008-05-21 2014-04-16 中国石化股份胜利油田分公司地质科学研究院 一种油藏黑油模型数值模拟***
CN101644783B (zh) * 2009-07-27 2011-12-07 中国石化集团胜利石油管理局 一种基于条件递推的油藏描述的方法
US8532968B2 (en) * 2010-06-16 2013-09-10 Foroil Method of improving the production of a mature gas or oil field

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013534002A (ja) 2013-08-29
EP2583121A2 (en) 2013-04-24
WO2011157764A2 (en) 2011-12-22
CO6640278A2 (es) 2013-03-22
EP2583121B1 (en) 2015-01-21
CN103003718B (zh) 2016-08-03
PL2583121T3 (pl) 2015-06-30
MX2012014727A (es) 2013-05-30
BR112012032159B1 (pt) 2020-11-17
AU2011267039B2 (en) 2014-05-22
DK2583121T3 (en) 2015-04-07
ES2532766T3 (es) 2015-03-31
US8412501B2 (en) 2013-04-02
EA201291174A1 (ru) 2013-06-28
CA2801804A1 (en) 2011-12-22
CN103003718A (zh) 2013-03-27
AU2011267039A1 (en) 2013-01-10
WO2011157764A3 (en) 2012-02-09
CA2801804C (en) 2019-02-12
EA030299B1 (ru) 2018-07-31
MY164433A (en) 2017-12-15
BR112012032159A2 (pt) 2016-11-16
WO2011157764A4 (en) 2012-03-29
US20110313744A1 (en) 2011-12-22
US20130073269A1 (en) 2013-03-21
US9031821B2 (en) 2015-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5797262B2 (ja) 成熟炭化水素産地をシミュレートするための生産シミュレータ
EP2599023B1 (en) Methods and systems for machine-learning based simulation of flow
Zhong et al. A deep-learning-based approach for reservoir production forecast under uncertainty
CA2774182C (en) Method and system for rapid model evaluation using multilevel surrogates
US20130096900A1 (en) Methods and Systems For Machine - Learning Based Simulation of Flow
US20130096899A1 (en) Methods And Systems For Machine - Learning Based Simulation of Flow
CA2801386A1 (en) Method and system for stabilizing formulation methods
Hidajat et al. Transport properties of porous media reconstructed from thin-sections
Abd et al. Numerical investigation on the effect of boundary conditions on the scaling of spontaneous imbibition
Khazaeni et al. Intelligent production modeling using full field pattern recognition
Yu et al. Efficient Robust Production Optimization with Reduced Sampling
CA2821004C (en) Modeling immiscible two phase flow in a subterranean formation
Ahmadi Modelling and quantification of structural uncertainties in petroleum reservoirs assisted by a hybrid cartesian cut cell/enriched multipoint flux approximation approach
Li et al. Conditional statistical moment equations for dynamic data integration in heterogeneous reservoirs
Subbey et al. Quantifying uncertainty in flow functions derived from SCAL data: USS relative permeability and capillary pressure
Riffault et al. Microearthquake enhanced permeability imaging of a stimulated well
Madasu et al. Compressing Time-Dependent Reservoir Simulations Using Graph-Convolutional Neural Network G-CNN
Barroeta et al. Importance of using pressure data while history matching a waterflooding process
Nandanwar et al. Estimation of Water Cut, Gas Oil Ratio and Inflow Parameters for Deep Water Wells with Infrequent Well Tests Using Regression-Based Method
Karimi Bayesian Inference of Poroelastic Properties Using an Energy-based Poromechanics Model
WO2019121168A1 (en) Parallel production simulation of a mature hydrocarbon field
Franc Two-phase flow properties upscaling in heterogeneous porous media
Alloush Numerical Modeling of Turbulent Gas Flow in Porous Media: A Fractional Diffusion Approach
Itthisawatpan Upscaling of Two-phase Flow with Capillary Pressure Heterogeneity Effects
Al-Zahrani et al. A Practical Approach for Enhancing Model Accuracy Using Pressure and Permeability Function

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140325

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150106

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20150403

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150401

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20150501

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20150605

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150629

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150728

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150818

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5797262

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250